説明

カプセル封入された固体電気化学コンポーネントの形成方法

【課題】カプセル封入された電極の形成に用いられる構成要素を動かないよう保持しながら、レーザを用いてセパレータ材料を電極の周囲で溶融し切断して、電極をカプセル封入する。
【解決手段】電気化学コンポーネントアセンブリを形成するために、第一のセパレータ、固体電気化学コンポーネント、そして第二のセパレータを、真空プレート1の上面2に積層するステップと、前記電気化学コンポーネントアセンブリに真空を供給するステップと、真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の固体電気化学コンポーネントの外周の少なくとも一部の周囲に、第一のレーザビームを照射して、前記第一のセパレータと第二のセパレータとを溶融し接合するステップと、を有する。さらに、真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の固体電気化学コンポーネントの外周の周囲に、第二のレーザビームを照射するステップを有する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気化学コンポーネント、特にアノードやカソードなどの電極の改良されたカプセル封入方法に関する。具体的に言えば、本開示の発明は、カプセル封入された電極の形成に用いられる構成要素を動かないよう保持しながら、レーザを用いてセパレータ材料を電極の周囲で溶融し切断して、電極をカプセル封入する方法に関する。このようにカプセル封入された電極(言い換えれば、カプセル封入されたアノード及びカプセル封入されたカソード)は、例えば電池、特にリチウムイオン電池の製造に供される。ただし、後述するように、本発明は、電極のカプセル封入に限定されるわけではなく、多孔性材料を用いてカプセル封入され得る様々な固体電気化学コンポーネントに適用される。
【0002】
リチウムイオンセルでは、正極と負極(アノードとカソード)とを分離するために、多孔性のセパレータ材料が利用される。角形セルにおいて、電極は、複数のセパレータ材料層の間に配置されている。セパレータの中に電極をカプセル封入する際に、一般的には、ショートや電池セルの故障の原因となる位置ずれを防ぐための接合/溶着プロセスが行われる。カプセル封入プロセスでは通常、電極とセパレータの形状毎に設計された加熱プレートと機械ツールとが用いられる。
【0003】
具体的に言えば、一般的な機械的熱伝導法においては、カプセル封入された電気化学コンポーネントの形成に必要とされる構成要素は、順に積み重ねられる。例えば、矩形電極をカプセル封入するために、矩形の第一のセパレータシートと矩形の第二のセパレータシートを、まず電極よりわずかに大きなサイズに切断する。そして、第一のセパレータシートと第二のセパレータシートの間に電極を配置する形で、セパレータシート及び電極を積層する。次に、電極を取り囲むセパレータシートの領域にバー/プレートを押し当て、熱と圧力とを加えて、セパレータシート同士を接合する。セパレータシート同士が接合されると、その後、機械ツールを用いて、カプセル封入された電極から余分なセパレータ材料を除去するため切断処理を行う。しかし、上記の方法では、セパレータ材料の接合中に構成要素を動かないよう保持するのが困難である、という問題がある。従って、セパレータ及び/あるいは電極が動くため、カプセル封入される電極の位置合わせ不良が生じる。このようにセパレータ及び/あるいは電極が動くため、二枚のセパレータシートの溶融領域間の開口部が均一にならなくなり得る。加えて、上記の機械的な熱接合において位置合わせ不良が生じるために、封入前にすべての位置ずれを許容するためには、必要以上に多くのセパレータ材料を用いて電極をカプセル封入しなければならない。さらに、機械的熱伝導法の接合プロセスには多くの時間がかかる。上記機械的熱伝導法においては、ドウェル時間(二枚のセパレータシートを接合するために、バー/プレートをセパレータ材料に押し当てておく時間)が長くなる。
【0004】
また一般的に、電池は、カソードとアノードとを、セパレータを介在させた形で交互に積層して形成される。電池のセパレータは、カソードからアノードを物理的に分離し、短絡を防止するために用いられる。したがって、電極をセパレータで安全にカプセル封入することは、リチウムイオン電池などの電池を機能させる上で極めて重要である。
【発明の概要】
【0005】
電極をより確実にカプセル封入するための手段と、均一なカプセル封入製品とを提供する必要から、より効率的なカプセル封入手段が求められている。現在電極のカプセル封入に用いられる方法では、電極の形成不良、封止プロセス中の位置合わせ不良、特定の電極形状に対する制約、そして接合プロセスにかかる長いドウェル時間などの問題がある。
【0006】
よって、セパレータ層同士をより確実に接合し、多様な電極サイズ及び/あるいは形状に適応でき、セパレータ層の位置合わせ不良を防止し、ドウェル時間を短縮し、セパレータ材料の必要/使用量を減少させることが可能なカプセル封入プロセスを提供することが効果的である。
【0007】
本発明の一つの態様によれば、電極の下方に第一のセパレータ層が、電極の上方に第二のセパレータ層が配置される二枚のセパレータシートまたは一枚の折曲シートを用いて、真空テーブルの真空により第一及び第二のセパレータ層を電極の周囲でぴったりと引き合わせながら、これらのセパレータ層をレーザ溶着することによって電極をカプセル封入する。真空テーブルを用いることで、一般的な機械的熱伝導法に比べてより確実でむらのない接合が可能となる。また、真空テーブルは、セパレータ層の位置合わせ不良を防ぐのにも役立つ。セパレータ層は真空テーブルにより与えられる真空により強く引き付けられるため、積層、接合、及び/あるいは切断プロセスにおいて位置ずれが生じない。また、この真空により、接合プロセスにおいて、レーザ溶融されるセパレータ層が接合されやすくなる。
【0008】
レーザを利用することで多くの利点がある。レーザによる接合速度は、加熱プレートよりもずっと速い。さらに、レーザは、多様な電極形状や電極サイズに適応可能である。サイズ及び/あるいは形状の異なる電極毎に新たな接合プレートをわざわざ用意する必要はない。例えば、レーザターゲット制御装置を新たな電極用にプログラムし直すだけで済む。このように、セパレータ層でカプセル封入される電極のタイプ及び/あるいはサイズに対する制約はない。
【0009】
また、上述したように、レーザを利用することにより、セパレータ層の接合にかかる時間を短縮することができる。一般的な機械的熱伝導プロセスでは、加熱プレート/バーが利用されるのでドウェル時間が長いのに対し、本発明においては、レーザが利用されるのでドウェル時間が短い。具体的に言えば、本発明によるカプセル封入方法を用いると、従来の機械的熱伝導法のドウェル時間を95%カットすることができる。さらに、セパレータ層の位置ずれや位置合わせ不良を防ぐことにより、従来技術よりも最終製品におけるセパレータ材料の使用量を少なくすることができる。具体的には、本発明のプロセスを用いれば、位置合わせ不良や位置ずれが生じた場合であっても、それほど大量の余剰材料が必要とされることはない。それどころか、本開示のプロセスで必要とされる材料は、電極をカプセル封入するのに十分な量でよく、接合プロセス後に切断される余剰材料は少量で済む。
【0010】
さらに、セパレータ材料の接合完了後に、カプセル封入された電極の周囲の余分なセパレータ材料を切断するためにレーザを用いることができる。そのようにすれば、カプセル封入された電極を真空テーブルに置いた状態のまま、素早く切断を行うことができる。
【0011】
様々な例示的な実施形態において、カプセル封入された固体電気化学コンポーネントの形成方法は、電気化学コンポーネントアセンブリを形成するために、第一のセパレータ、固体電気化学コンポーネント、及び第二のセパレータを、真空プレートの上面に順に積層するステップと、真空プレートを用いて、前記電気化学コンポーネントアセンブリに真空を供給するステップと、を備える。上記方法はさらに、真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の前記固体電気化学コンポーネントの外周の少なくとも一部分の周囲に、溶融領域形成用の第一のレーザビームを、当該第一のレーザビームの照射により、前記固体電気化学コンポーネントの外周の少なくとも一部分を取り囲む前記第一のセパレータと第二のセパレータの部分が溶融し接合されるよう、照射するステップを備える。最後に、上記方法は、真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の前記固体電気化学コンポーネントの外周の周囲に、第二のレーザビームを、当該第二のレーザビームの照射により前記固体電気化学コンポーネントの外周の周囲において前記第一のセパレータと前記第二のセパレータが切断されるよう、照射するステップ、を備える。
【0012】
いくつかの実施形態において、前記固体電気化学コンポーネントは、電極である。
【0013】
いくつかの実施形態において、前記電極は、電池電極である。
【0014】
いくつかの実施形態において、前記電池電極は、リチウムを含んだリチウムイオン電池である。
【0015】
いくつかの実施形態において、前記前記電極は、リチウム、ニッケル、高表面積炭素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでいる。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、電気絶縁材料から形成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、2枚の別個のシートである。
【0018】
いくつかの実施形態において、前記溶融領域は、前記固体電気化学コンポーネントを完全には取り囲まないで、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータとの間に少なくとも1つの開口部が存在する。
【0019】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビームを照射するステップは、複数のジグザグ部分、直線部分、または曲線部分を含むステッチ形状に沿って行われる。
【0020】
いくつかの実施形態において、前記電気化学コンポーネントの形状は、矩形である。
【0021】
いくつかの実施形態において、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、多孔性のポリマー材料から形成されている。
【0022】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビーム及び第二のレーザビームが、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを溶融、接合するため及び切断するため照射される間、前記第一のセパレータ、前記固体電気化学コンポーネント、及び前記第二のセパレータの位置を維持するために、前記真空プレートを用いて供給される真空により、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを通じて気体を吸引する。
【0023】
いくつかの実施形態において、前記第二のレーザビームの照射ステップにおいて、当該第二のレーザビームは前記溶融領域を切断する。
【0024】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビームの照射ステップと前記第二のレーザビームの照射ステップとは、当該第一のレーザビームと第二のレーザビームを固定式のレーザ源から発するステップと、前記発せられたレーザビームを、可動ミラーで反射させて、前記真空プレートに置かれた前記電気化学コンポーネントアセンブリへ方向付けるステップ、とをさらに有する。
【0025】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビームと前記第二のレーザビームとは、単一のソースから発せられる。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記積層ステップ中も、前記プレートを用いて真空を供給する。
【0027】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビームは、比較的低い第一のパワーを有し、前記第二のレーザビームは、比較的高い第二のパワーを有する。当該比較的高い第二のパワーは前記比較的低い第一のパワーよりも高い。
【0028】
いくつかの実施形態において、前記第一のレーザビームは、前記電極の外周の周囲に、比較的速い第一の速度で向けられ、前記第二のレーザビームは、前記電極の外周の周囲に、比較的低い第二の速度で向けられる。前記比較的速い第一の速度は、前記比較的低い第二の速度より高い。
【0029】
本発明はさらに、上記の方法により形成される、カプセル封入された電気化学コンポーネントに関する。
【0030】
様々な例示的な実施形態において、電池を形成する方法は、上記の方法によりカプセル封入された固体電気化学コンポーネントを、複数セット作成するステップを備える。複数セットのカプセル封入された固体電気化学コンポーネントとは、カプセル封入されたカソードである第一のセット及びカプセル封入されたアノードである第二のセットである。上記の方法はさらに、前記カプセル封入されたアノードとカソードとを交互に積層するステップと、前記積層後のカプセル封入されたアノードとカソードとの間に電解液を設けるステップ、とを備える。
【0031】
本発明はさらに、上記の方法により形成される電池に関する。
【0032】
様々な例示的な実施形態において、カプセル封入された電池電極を形成する方法は、電極アセンブリを形成するために、第一のセパレータ、電極、及び第二のセパレータを、真空プレートの上面に順に積層するステップと、真空プレートを用いて、前記電極アセンブリに真空を供給するステップと、を備える。上記の方法はまた、真空を供給しながら、前記電極アセンブリ内の前記電極の外周の少なくとも一部分の周囲に、溶融領域形成用の第一のレーザビームを、当該第一のレーザビームの照射により、前記電極の外周の少なくとも一部分を取り囲む前記第一のセパレータと第二のセパレータの部分が溶融し接合されるよう、照射するステップを有する。上記の方法はさらに、真空を供給しながら、前記電極アセンブリ内の前記電極の外周の周囲に、第二のレーザビームを、当該第二のレーザビームの照射により前記電極の外周の周囲において前記第一のセパレータと前記第二のセパレータが切断されるよう、照射するステップ、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本開示による、カプセル封入電気化学コンポーネント/電極の形成方法の様々な例示的な実施形態について、以下の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0034】
【図1】本発明の例示的な実施形態において用いられる真空プレートの斜視図である。
【図2】図1の真空プレートの上面に載せられた第一のセパレータの斜視図である。
【図3】図2の第一のセパレータの上面に載せられた電極の斜視図である。
【図4】図3の電極の上面、および第一のセパレータの上面に載せられた第二のセパレータの斜視図である。
【図5】真空の方向を示す図4の斜視図である。
【図6】図5のコンポーネントの上方に配置されたレーザの斜視図である。
【図7A】直線ステッチ状の溶融領域が形成された第一のセパレータ、電極、そして第二のセパレータの上面図である。
【図7B】曲線ステッチ状の溶融領域が形成された第一のセパレータ、電極、そして第二のセパレータの上面図である。
【図7C】ジグザグステッチ状の溶融領域が形成された第一のセパレータ、電極、そして第二のセパレータの上面図である。
【図8】図7Aのステッチ形状で作成され、余分なセパレータ材料が切断された後の、カプセル封入された電極の斜視図である。
【図9】本開示のレーザの拡大底面図であって、可動ミラーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、例示的な実施形態について、電池、特にリチウムイオン電池の形成に関連付けて説明する。これらの例示的な実施形態は、燃料電池アセンブリだけでなく、他の様々な固体電気化学コンポーネントに用いることができる。本発明の例示的な実施形態は全て、本明細書に関連するいかなる技術分野にも適用できる。
【0036】
図1は、本発明の側面に従って固体電気化学コンポーネント4(すなわち、電極)のカプセル封入方法において用いられる、例示的な実施形態による真空プレート1を有する真空テーブル100を示す。真空プレート1は、電気化学コンポーネントアセンブリ6が動かないようにするために用いられる。第一のセパレータ3、第二のセパレータ5、そして固体電気化学コンポーネント4は共に、電気化学コンポーネントアセンブリ6を形成する。真空プレート1は、固体電気化学コンポーネント4のカプセル封入方法における少なくとも一部の、好ましくは全てのステップにおいて用いられる。例えば、(後述する)複数のコンポーネントを積層して電気化学コンポーネントアセンブリ6を形成するステップや、第一のレーザビームと第二のレーザビームとを照射するステップにおいて、真空プレート1を用いることができる。また、本開示は、図1に示す真空プレートに限定されない。図1の真空プレートは、溶融ステップおよび切断ステップにおいて、セパレータ材料を通じて気体を吸引し、それにより吸引圧をかけて電気化学コンポーネントアセンブリ6を静止保持しさえすれば、任意の適切な真空プレートであっても良い。
【0037】
図2は、本発明の特徴に従って、真空プレートが第一のセパレータ3で覆われた真空テーブル100を示す。図2において、第一のセパレータ3は、真空テーブル100の上面2に載せられている。第一のセパレータ3は、例えば、電気絶縁材料、具体的には、多孔性のポリマー材料から成る。
【0038】
第一のセパレータ3のサイズや形状はどんなものであっても良いが、後に当該第一のセパレータ3の上面に載せられる固体電気化学コンポーネントよりもわずかに大きくなければならない。また、真空プレート1に対しては、第一のセパレータ3が真空プレート1とぴったりと合うサイズにしても良いし、真空プレート1よりもわずかに大きく、または小さくしても良い。第一のセパレータ3(又は第二のセパレータ5)のサイズや形状は、精密に作る必要はない。セパレータを、カプセル封入される電気化学コンポーネントよりも大きくすれば良い。ただし、材料の無駄を減らすために、セパレータのサイズは、カプセル封入されるコンポーネントよりも極めてわずかに大きくすることが好ましい。第一のセパレータ3の厚みに関しては、真空プレートが第一のセパレータ3の細孔から気体を吸引し、第一のセパレータ3を定位置に保持することができさえすれば、特に制約はない。
【0039】
図3は、第一のセパレータ3と固体電気化学コンポーネント4とが載せられた真空テーブル100を示す。図3において、固体電気化学コンポーネント4は、第一のセパレータ3の上面10に載せられている。この第一のセパレータ3は、図2で示したとおり、あらかじめ真空プレートの上に置かれたものである。固体電気化学コンポーネント4は、電極(すなわち、アノード及びカソード)などの任意のタイプの固体電気化学コンポーネントとすることができる。例えば、固体電気化学コンポーネントは、電池電極、より好ましくは、リチウムを含むリチウムイオン電池電極とすることができる。加えて、固体電気化学コンポーネント4は、例えば、リチウム、ニッケル、高表面積炭素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料から成るものとすることもできる。ただし、上記の固体電気化学コンポーネント4は、電池電極に限定されるわけではなく、多孔性または多孔質の材料でカプセル封入する必要がある任意のコンポーネントの関連分野においても利用できる。例えば、固体電気化学コンポーネントは、燃料電池電極であっても良い。また、固体電気化学コンポーネント4の形状に制約はない。固体電気化学コンポーネント4は、矩形や円形などの形状であっても良い。
【0040】
一つの例示的な実施形態において、固体電気化学コンポーネント4は、例えばアノードとする。アノードは、一例として、グラファイト、硬質炭素、軟質炭素、リチウムチタン酸塩、シリコン、錫、非晶質錫複合酸化物、ミッシュメタル合金、三元金属バナジウム、及びメタロイドからなるものとすることができる。別の例示的な実施形態において、固体電気化学コンポーネント4は例えばカソードとする。カソードは、一例として、酸化コバルトリチウム(コバルト酸リチウム)、酸化マンガンリチウム(マンガン酸リチウム)、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルトアルミ複合酸化物、コバルト酸化物、ニッケルコバルト酸化物、層状マンガン酸化物、リン酸鉄、そして硫化リチウムからなるものとすることができる。
【0041】
図4は、第一のセパレータ3、固体電気化学コンポーネント4、及び第二のセパレータ5が積層された真空テーブル100を示す。図4において、第二のセパレータ5は、固体電気化学コンポーネント4の上面11に載せられている。この固体電気化学コンポーネント4は、図3で示したとおり、あらかじめ第一のセパレータ3の上面10に置かれたものである。第二のセパレータ5は、例えば、電気絶縁材料、具体的には、多孔性のポリマー材料から成る。
【0042】
第二のセパレータ5のサイズや形状はどんなものであっても良いが、当該第二のセパレータ5の下に配置される個体電気化学コンポーネント4よりもわずかに大きくなければならない。また、真空プレート1に対しては、第二のセパレータ5は真空プレート1とぴったりと合うサイズにしても良いし、真空プレート1よりもわずかに大きく、または小さくしても良い。第二のセパレータ5の厚みに関しては、真空プレート1が第一のセパレータ3の穴から気体を吸引し、第二のセパレータ5を定位置に保持することができさえすれば、特に制約はない。
【0043】
一つの例示的な実施形態において、第一のセパレータ3は、第二のセパレータ5とは別個の材料シートである。一方、別の例示的な実施形態において、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5とは、一枚のセパレータ材料を折り曲げて形成される。この別の実施形態においては、セパレータ材料をまず真空プレート1に載せる。そのセパレータ材料の一部分(すなわち、第一のセパレータ3として機能するセパレータ材料の部分)に固体電気化学コンポーネント4を載せる。その後、セパレータ材料を、例えば中央部分で固体電気化学コンポーネント4の上面11を覆うように折り曲げる。ここで、セパレータ材料のうち、固体電気化学コンポーネント4の上面11を覆うように折り曲げられた部分は、第二のセパレータ5として機能する。コンポーネント4の両面にセパレータ材料層が設けられる点では、いずれの実施形態も同じ結果が得られる。
【0044】
図5は、図4に示す実施形態において、真空テーブル100を用いて真空7を供給するステップ利用した例を示す。真空テーブル100は、真空7を供給して、第一のセパレータ3及び第二のセパレータ5を通じて気体を吸引する。第一のセパレータ3及び第二のセパレータ5が多孔性材料からなる場合は、多孔性材料の細孔から気体が吸引されるので、真空テーブルは、セパレータ3、5と共に当該セパレータ3、5の間に置かれた固体電気化学コンポーネント4に吸引力/引張力を加えて保持する働きをする。したがって、真空7により、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5との(後述する)溶融プロセス、接合プロセス、及び切断プロセスの間、電気化学コンポーネントアセンブリ6は動かない状態を維持する。
【0045】
図6は、真空テーブル100の上面2に置かれた電気化学コンポーネントアセンブリ6の上方にレーザ16を配置した様子を示す。レーザ16としては、レーザビームのパワーが可変で制御可能であり且つそのレーザビームの進路(向き)を対象に向けて操作制御することができる従来の様々なレーザのうち任意のものを用いることができる。そうしたレーザは、一般にエングレービングに使用されている。本発明のいくつかの実施形態によれば、レーザ16は、調節可能な2つのエネルギーレベルを持つビームを照射するよう制御される。第一のレーザビームのパワーレベルは、比較的低く、第二のレーザビームのパワーレベルは、比較的高い。つまり、第一のレーザビームのパワーレベルは、第二のレーザビームのパワーレベルより低い。
【0046】
例示的な実施形態において、まず、真空プレート1による真空7を電気化学コンポーネントアセンブリ6に供給しながら、電気化学コンポーネントアセンブリ6に含まれる固体電気化学コンポーネント4の外周21の少なくとも一部の周囲に、第一のレーザビームを照射し、それによりセパレータ3、5を溶融する。固体電気化学コンポーネント4の周囲21に対して、レーザ16から第一のレーザビームを照射することにより、第一のセパレータ3及び第二のセパレータ5のレーザ照射部分が溶融し接合されて、溶融領域13を形成する。第一のレーザビームの(第一の)パワーレベルは、セパレータ材料を溶融するのに十分な高さではあるが、セパレータ材料を切断するほど高くはない。溶融に用いるパワーレベルは、セパレータ材料のマテリアル(組成や厚み)によって決まる。溶融領域13は通常、固体電気化学コンポーネント4の周囲を完全には取り囲まない。例えば、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5との間には、通常少なくとも1つの開口部14が存在する。開口部14があることにより、電池への組み込みの際の電気化学コンポーネント4への電解液などの注入が可能となる。
【0047】
さまざまな実施形態において、第一のレーザビームの照射は、複数のジグザグ部分15C(図7C)、直線部分15A(図7A)、または曲線部分15B(図7B)を含む溶融ゾーン13のステッチ形状に従って行われる。ステッチ形状は、ステッチ形状がジグザグ部分15C、直線部分15A、又は曲線部分15Bのいずれからなる場合であっても、固体電気化学コンポーネント4を完全には取り囲まない溶融領域13を形成する。上述したように、1つまたは複数の開口部14が存在し、そこから、流体、具体的に言えば電解液を電気化学コンポーネント4に注入することができる。レーザ16はプログラム化されるため、前記ステッチ形状は思い通りに変形させることができる。ステッチ形状は、例えば、直線、曲線、及び/あるいはジグザグ線を様々に組み合わせることとしても良い。
【0048】
例示的な実施形態において、次に、真空プレート1による真空7を電気化学コンポーネントアセンブリ6に供給しながら、電気化学コンポーネントアセンブリ6に含まれる固体電気化学コンポーネント4の外周21の周囲に第二のレーザビームを照射する。固体電気化学コンポーネント4の外周21の周囲にレーザ16から第二のレーザビームを照射することにより、第一のセパレータ3及び第二のセパレータ5が切断され、その結果、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント20が形成される。第二のレーザビームの(第二の)パワーレベルは、第一のレーザビームよりも高く、セパレータ材料3、5を切断するのに十分な高さである。切断に用いる具体的なパワーレベルは、セパレータ材料のマテリアル(組成や厚み)によって決まる。第二の(切断用)レーザビームがたどる経路は概して、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント4の外周に密接に追従する。
【0049】
例示的な実施形態において、第一のレーザビームと第二のレーザビームとは、固定式レーザ源(レーザ16)から発せられる。発せられたレーザビームは、可動ミラー17で反射され、真空プレート1の上に置かれた電気化学コンポーネントアセンブリ6に向けられる(図9参照)。可動ミラー7は、第一のレーザビームを、ステッチ形状(図7A〜7C)が形成されるよう電気化学コンポーネントアセンブリ6内の固体電気化学コンポーネント4の外周21の周囲に方向付け、次に、第二のレーザビームを、余剰セパレータ材料が「トリミング」されるよう当該コンポーネント4の外周の周囲に方向付ける、という形で動く。先述したように、一例として、第一のレーザビームと第二のレーザビームは、同一のソース、すなわちレーザ16から発せられる。ただし、発せられたレーザビームを可動ミラー17により反射させる替わりに、リニア電気機械式アクチュエータにより動かすことが可能なレーザヘッドから照射することとしても良い。レーザから第一のレーザビームと第二のレーザビームとが照射される際、コンポーネント4の外周の周囲におけるそれぞれのレーザビームのパワーレベルや速度は、実行される特定の用途に応じて変化される。例えば、切断ステップにおいて、第二のレーザビームのパワーは、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5との両方を切断するのに十分となるよう、第一のレーザビームのパワーよりも高く設定される。あるいは、例えば、切断ステップにおいて、第二のレーザビームの移動速度は、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5との両方を切断するのに十分なレーザエネルギーが蓄えられるよう、第一のレーザビームの速度より低く設定される。
【0050】
図9に概略的に示すように、レーザ16は、可動ミラー17に向かってレーザビームLBを発するレーザ源31を備える。可動ミラー17は、図9の矢印で示されるように、真空テーブル100の真空プレート1の表面で規定されるX−Y面に置かれたコンポーネント4の外周の周囲にレーザビームが方向付けられるよう、多方向に動かすことができる。可動ミラー17は、レーザ源31のパワーレベル制御にも用いられるコントローラ(例えば、CPU、ROM、そしてRAMなど)で制御されるアクチュエータ(例えば、圧電アクチュエータ)を用いて動かされる。
【0051】
好ましい実施形態において、第二のレーザビームは、例えば第一のレーザビームにより形成された溶融領域13に照射される。溶融領域13に第二のレーザビームを照射すると、セパレータ3、5に高度に正確で均一な切断を施して、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント20から余分なセパレータ材料23を取り除くことができる。溶融領域13内で切断を行うことにより、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント20に含まれるセパレータ3、5の縁の擦り切れや捩れ、あるいはその変形によるカプセル封入固体電気化学コンポーネント20の機能低下が生じる恐れが低減される。さらに、セパレータ3、5の切断にレーザを用いることで、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント20の汚染も低減される。
【0052】
レーザ16は、例えば、COレーザであっても良い。加えて、第一のレーザビームと第二のレーザビームとを電気化学コンポーネントアセンブリ6に照射するためのプログラムを実行するために、コンピュータモデリング/プロファイリングソフトウェアがコンピュータで利用される。このソフトウェアは、電極/電気化学コンポーネントのあらゆるサイズ及び/あるいは形状の変化を許容する。様々な電極のサイズ及び/あるいは形状を許容するためには、電極のパラメータをモデリング/プロファイリングソフトウェアに入力しさえすれば良い。
【0053】
例示的な実施形態で述べたように、カプセル封入された固体電気化学コンポーネント20の形成方法は、まず、第一のセパレータ3を真空テーブル100の上面2に積層するステップを含む。その後、第一のセパレータ3の上面10に、固体電気化学コンポーネント、すなわち電極4を、それから第二のセパレータ5を積層して、電気化学コンポーネントアセンブリ6を形成する。先述した真空プレート1の真空の供給は、こうしたコンポーネントを積層して電気化学コンポーネントアセンブリ6を作成する積層ステップ中に行っても、当該ステップの後に行っても、当該ステップ中及びステップ後の両方に行っても良い。真空プレート1の真空7が電気化学コンポーネントアセンブリ6に供給されたら、前記第一のレーザビームを固体電気化学コンポーネント4の外周の周囲に照射する。第二のレーザビームより低いパワーを有するこの第一のレーザビームは、固体電気化学コンポーネント4の外周21の少なくとも一部の周囲に照射される。第一のレーザビームが照射されたセパレータ3、5の部分は、溶融して接合され、溶融領域を形成する。さらに真空プレート1の真空7を供給しながら、レーザ16から、第一のレーザビームより高いパワーを有する第二のレーザビームを、固体電気化学コンポーネント4の外周21全体の周囲に照射する。第二のレーザビームは、先述したように、カプセル封入されたばかりの固体電気化学コンポーネント20から余分なセパレータ材料23を取り除くために、第一のセパレータ3と第二のセパレータ5とを切断する働きを持つ。
【0054】
そうしてカプセル封入された固体電気化学コンポーネント20が、複数個形成されると、これらのカプセル封入固体電気化学コンポーネント20は、電池またはセルの形成に用いられる。上記の方法は、特に、カソードとアノードとの両方をカプセル封入するため利用することができる。すなわち、電池の作成は、以下のようになされる。まず、カプセル封入されたアノードとカプセル封入されたカソードとを交互に積層する。これらのカプセル封入されたアノードとカソードには、積層後に、電解液が注入される(積層されたアノード及びカソードと電解液がハウジング内に設けられる)。カプセル封入プロセスにおいてカプセル封入されるアノードとカソードとの間に形成される開口部14により、セパレータの内部にカプセル封入された状態でありながら、電解液とカソード及びアノードとの接触が可能となる。
【0055】
先に述べたように、カプセル封入された電極は、いかなる電池の形成にも用いることができる。特に、カプセル封入された電極は、リチウムイオン電池の形成に用いられる。
【0056】
以上、カプセル封入された電気化学コンポーネント/電極の形成方法の例示的な実施形態を述べてきたが、これらの実施形態は一例であり、本発明はこれらに限定されない。本発明の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カプセル封入された固体電気化学コンポーネントを形成する方法であって、
電気化学コンポーネントアセンブリを形成するために、第一のセパレータ、固体電気化学コンポーネント、及び第二のセパレータを、真空プレートの上面に順に積層するステップと、
前記真空プレートを用いて、前記電気化学コンポーネントアセンブリに真空を供給するステップと、
真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の前記固体電気化学コンポーネントの外周の少なくとも一部分の周囲に、溶融領域形成用の第一のレーザビームを、当該第一のレーザビームの照射により、前記固体電気化学コンポーネントの外周の少なくとも一部分を取り囲む前記第一のセパレータと第二のセパレータの部分が溶融し接合されるよう、照射するステップと、
真空を供給しながら、前記電気化学コンポーネントアセンブリ内の前記固体電気化学コンポーネントの外周の周囲に、第二のレーザビームを、当該第二のレーザビームの照射により前記固体電気化学コンポーネントの外周の周囲において前記第一のセパレータと前記第二のセパレータが切断されるよう、照射するステップ、とを備える方法。
【請求項2】
前記固体電気化学コンポーネントは、電極である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記電極は、電池電極である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記電池電極は、リチウムを含んだリチウムイオン電池である、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記前記電極は、リチウム、ニッケル、高表面積炭素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでいる、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、電気絶縁材料から形成されている、請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、2枚の別個のシートである、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記溶融領域は、前記固体電気化学コンポーネントを完全には取り囲まないで、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータとの間に少なくとも1つの開口部が存在する、請求項1記載の方法。
【請求項9】
前記第一のレーザビームを照射するステップは、複数のジグザグ部分、直線部分、または曲線部分を含むステッチ形状に沿って行われる、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記電気化学コンポーネントの形状は、矩形である、請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、多孔性のポリマー材料から形成されている、請求項1記載の方法。
【請求項12】
前記第一のレーザビーム及び第二のレーザビームが、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを溶融、接合するため及び切断するため照射される間、前記第一のセパレータ、前記固体電気化学コンポーネント、及び前記第二のセパレータの位置を維持するために、前記真空プレートを用いて供給される真空により、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを通じて気体を吸引する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第二のレーザビームの照射ステップにおいて、当該第二のレーザビームは前記溶融領域を切断する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記第一のレーザビームの照射ステップと前記第二のレーザビームの照射ステップとは、
当該第一のレーザビームと第二のレーザビームを固定式のレーザ源から発するステップと、
前記発せられたレーザビームを、可動ミラーで反射させて、前記真空プレートに置かれた前記電気化学コンポーネントアセンブリへ方向付けるステップ、とをさらに有する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
前記第一のレーザビームと前記第二のレーザビームとは、単一のソースから発せられる、請求項1記載の方法。
【請求項16】
前記積層ステップ中も、前記プレートを用いて真空を供給する、請求項1記載の方法。
【請求項17】
請求項1記載の方法により形成される、カプセル封入された電気化学コンポーネント。
【請求項18】
前記第一のレーザビームは、比較的低い第一のパワーを有し、前記第二のレーザビームは、比較的高い第二のパワーを有し、当該比較的高い第二のパワーは前記比較的低い第一のパワーよりも高い、請求項1記載の方法。
【請求項19】
前記第一のレーザビームは、前記固定電気化学コンポーネントの外周の周囲に、比較的速い第一の速度で向けられ、前記第二のレーザビームは、前記固定電気化学コンポーネントの外周の周囲に、比較的低い第二の速度で向けられ、前記比較的速い第一の速度は前記比較的低い第二の速度より高い、請求項1記載の方法。
【請求項20】
電池の形成方法であって、
請求項1記載の方法により、カプセル封入された固体電気化学コンポーネントを、カプセル封入されたカソードを第一のセット、カプセル封入されたアノードを第二のセットとして、複数セット作成するステップと、
前記カプセル封入されたアノードとカソードとを交互に積層するステップと、
前記積層後のカプセル封入されたアノードとカソードとの間に電解液を設けるステップ、とを備える方法。
【請求項21】
請求項20の方法により形成される電池。
【請求項22】
カプセル封入された電池電極を形成する方法であって、
電極アセンブリを形成するために、第一のセパレータ、電極、及び第二のセパレータを、真空プレートの上面に順に積層するステップと、
真空プレートを用いて、前記電極アセンブリに真空を供給するステップと、
真空を供給しながら、前記電極アセンブリ内の前記電極の外周の少なくとも一部分の周囲に、溶融領域形成用の第一のレーザビームを、当該第一のレーザビームの照射により、前記電極の外周の少なくとも一部分を取り囲む前記第一のセパレータと第二のセパレータの部分が溶融し接合されるよう、照射するステップと、
真空を供給しながら、前記電極アセンブリ内の前記電極の外周の周囲に、第二のレーザビームを、当該第二のレーザビームの照射により前記電極の外周の周囲において前記第一のセパレータと前記第二のセパレータが切断されるよう、照射するステップ、とを備える方法。
【請求項23】
前記電池電極は、リチウムを含んだリチウムイオン電池である、請求項22記載の方法。
【請求項24】
前記前記電極は、リチウム、ニッケル、高表面積炭素、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含んでいる、請求項22記載の方法。
【請求項25】
前記第一のセパレータと前記第二のセパレータは、電気絶縁材料から形成されている、請求項22記載の方法。
【請求項26】
前記溶融領域は、前記電極を完全には取り囲まないで、前記第一のセパレータと前記第二のセパレータとの間に少なくとも1つの開口部が存在する、請求項22記載の方法。
【請求項27】
前記第一のレーザビーム及び第二のレーザビームが、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを溶融、接合するため及び切断するため照射される間、前記第一のセパレータ、前記電極、及び前記第二のセパレータの位置を維持するために、前記真空プレートを用いて供給される真空により、前記第一のセパレータ及び前記第二のセパレータを通じて気体を吸引する、請求項22記載の方法。
【請求項28】
前記第二のレーザビームの照射ステップにおいて、当該第二のレーザビームは前記溶融領域を切断する、請求項22記載の方法。
【請求項29】
前記積層ステップ中も、前記プレートを用いて真空を供給する、請求項22記載の方法。
【請求項30】
前記第一のレーザビームは、比較的低い第一のパワーを有し、前記第二のレーザビームは、比較的高い第二のパワーを有し、当該比較的高い第二のパワーは前記比較的低い第一のパワーよりも高い、請求項22記載の方法。
【請求項31】
前記第一のレーザビームは、前記電極の外周の周囲に、比較的速い第一の速度で向けられ、前記第二のレーザビームは、前記電極の外周の周囲に、比較的低い第二の速度で向けられ、前記比較的速い第一の速度は前記比較的低い第二の速度より高い、請求項22記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図7C】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−234812(P2012−234812A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−100386(P2012−100386)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(510238959)イーグルピッチャー テクノロジーズ,エルエルシー (14)
【Fターム(参考)】