説明

カプロラクタムの製造方法

ラクタム、特にε−カプロラクタムは、発熱反応の熱の少なくとも一部が、連続する反応ゾーンのそれぞれの間で除去される、連続して配置された複数の断熱固定床反応ゾーンにおける気相中での、アミノニトリル、特に6−アミノカプロニトリルの加水分解環化によって製造される。かかるやり方での反応の実施は、反応器それ自体のためにより少ない資本を必要とする。かかる反応システムを出る生成物は、追加の冷却または保管の必要がなく蒸留装置に直接供給できることも見出されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミノニトリルからのラクタムの製造の分野に、および特に6−アミノカプロニトリルの気相加水分解環化によるε−カプロラクタムの製造に関する。
【背景技術】
【0002】
ε−カプロラクタムはナイロン−6(Nylon−6)の製造用の前駆体である。ナイロン−6は、6−アミノヘキサン酸を加熱することによって1899年に初めて製造された。ε−カプロラクタムからのナイロン−6の商業的に実現可能な合成は1938年にI.G.ファルベンインダストリー(I.G.Farbenindustrie)のポール・シュラック(Paul Schlack)によって発見された。現在は、世界のε−カプロラクタムのおおよそ95%はベックマン(Beckmann)転位によりシクロヘキサノンオキシムから製造されている。シクロヘキサノンの出発原料はシクロヘキサン、フェノール、またはベンゼンであることができる。一連の還元および/または酸化によって、シクロヘキサノンが形成される。後者は次に、ヒドロキシルアミン塩、通常は硫酸塩と反応させられてオキシムおよび硫酸アンモニウムを形成する。オキシムは濃硫酸中で転位させられ、生じたラクタム硫酸塩はアンモニアで中和されてε−カプロラクタムおよび追加の硫酸アンモニウムを形成する。その後、純ε−カプロラクタムは多数の分離および精製工程によって得られる。現行方法は極めて資本集約的であり、大量の廃棄物を発生させる。
【0003】
カプロラクタムの経済的に魅力的な製造方法は前駆体として6−アミノカプロニトリルを使用する。米国特許公報(特許文献1)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E.I.du Pont de Nemours & Company))は、アミノニトリルおよび水からのラクタムの液相製造方法を開示している。加水分解および同時に起こるラクタム形成は、アミノニトリルが薄い水溶液で反応させられるときに迅速に進行する。約200℃〜約375℃の温度が用いられる。アミノニトリルおよび水はこの反応温度に1時間以下維持される。反応は好ましくは硫化水素で触媒される。
【0004】
米国特許公報(特許文献2)(イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー)は、水と少なくとも1つのアミノニトリル部分を含有する脂肪族アミノニトリルとの気化混合物を、典型的には約150℃〜約500℃の温度で1分間以下脱水型触媒上に通す工程を含むN−置換アミドの気相触媒製造方法を開示している。アミノ基とニトリル基とが隣接関係で少なくとも2個の炭素原子によって分離されている開鎖脂肪族アミノニトリルが使用されるとき、得られる生成物はラクタムである。
【0005】
米国特許公報(特許文献3)(バスフ(BASF))は、金属酸化物触媒を用いる気相での、ラクタム、特にε−カプロラクタムへのアミノニトリル、特に6−アミノカプロニトリルの加水分解環化を開示している。反応体または不活性ガスを加えての単一床または幾つかのトレーへ分割された単一床の使用が開示された。さらに、多管式反応器などの、1つまたは複数の反応チャンバーの使用も提案された。
【0006】
米国特許公報(特許文献4)(ローディア(Rhodia))は、気相加水分解環化、引き続く蒸留によるカプロラクタムの精製による6−アミノカプロニトリルおよび水からのカプロラクタムの製造方法を開示している。該方法での蒸留工程中のオリゴマーの形成を防ぐために、6−アミノカプロニトリルと水との反応の生成物は約150℃より下の温度へ冷却され、そして必要ならば、それが蒸留される前に保管される。冷却および保管の両方とも、該方法の資本および運転コストを増大させる。
【0007】
それ故、蒸留前に冷却または保管が全く必要とされない6−アミノカプロニトリルからのカプロラクタムの製造方法を有することは望ましいであろう。本発明はかかる方法を提供する。
【0008】
【特許文献1】米国特許第2,301,964号明細書
【特許文献2】米国特許第2,357,484号明細書
【特許文献3】米国特許第6,353,101号明細書
【特許文献4】米国特許第6,069,246号明細書
【特許文献5】米国特許第6,262,259号明細書
【特許文献6】米国特許第4,625,023号明細書
【非特許文献1】ジェームス H.クラーク(James H.Clark)著、「担持された無機試薬による有機反応の触媒作用(Catalysis of Organic Reactions by Supported Inorganic Reagents)」、ニューヨーク、VCH Publishers社、1994年
【非特許文献2】タナベ、K.(Tanabe,K.)、ミソノ、M.(Misono,M.)、オノ、Y.(Ono,Y.)、ハットリ、H.(Hattori,H.)著、「新しい固体酸および塩基−それらの触媒特性(New Solid Acids and Bases−Their Catalytic Properties)」、Elsevier社,1989年
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
ラクタム、特にε−カプロラクタムは、発熱反応の熱の少なくとも一部が、連続する反応ゾーンのそれぞれの間で除去される、複数の連続する断熱固定床反応ゾーンにおける気相中での、アミノニトリル、特に6−アミノカプロニトリルの加水分解環化によって本発明に従って製造される。かかるやり方での反応の実施は、反応器用のより少ない資本を必要とする。かかる反応システムを出る生成物は追加の冷却または保管の必要なく蒸留装置に直接供給できることも見出されている。本発明は、それ故、気相中で、6−アミノカプロニトリルの加水分解環化によりε−カプロラクタムを製造する方法であって、6−アミノカプロニトリル蒸気とスチームとの過熱混合物を、複数の連続する断熱反応ゾーンで触媒と接触させる工程であって、過熱蒸気混合物が第1反応ゾーンへ供給され、そしてカプロラクタムを含む最終反応生成物が最終反応ゾーンから取り出され、さらに中間反応生成物が最終反応ゾーンの前の各反応ゾーンから取り出され、冷却され、そしてそれから次の反応ゾーンへ供給される工程と、カプロラクタムを蒸留によって最終反応生成物から分離する工程とを含む方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、固体酸触媒の存在下での一般式(I)
N≡C−R−NH2 (I)
(ここで、Rは3〜12個の炭素原子を有するアルキレン基である)
を有する脂肪族アミノニトリルの水との反応によるラクタムの製造および分離を含む。式(I)の好ましい化合物は6−アミノカプロニトリル(ACN)であり、それは、その重合がナイロン−6の合成につながるε−カプロラクタム(CPL)を生成する。
【0011】
本発明の一実施形態であるシステムでは、6−アミノカプロニトリル(ACN)の流れおよび水の流れがミキサーへ導入される。ACN対水のモル比は好ましくは約1〜10の範囲に維持される。ACN流れは約0〜1000ppmテトラヒドロアゼピン(THA)および約0〜1重量%のACNの二量体を含有することができる。ACN流れおよび水流れは0.1重量%未満の溶存酸素を含有すべきであり、それはミキサーに供給する前に窒素でACNおよび水をガスシールすることによって成し遂げることができる。ミキサーはACN流れおよび水流れを均質に混合する。ケニックス(Kenix)(登録商標)ミキサーなどの、静的ミキサーを用いることができる。ACNと水との混合物はミキサーによって生み出され、次に気化器へ導入される。熱が供給されてACN/水混合物を気化させてACNとスチームとの蒸気混合物を生成する。商標「ダウサム−A(Dowtherm−A)」でダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)によって販売される材料などの好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、スチームまたは熱油システムを用いて熱を供給することができる。ACN/スチーム蒸気混合物は過熱器へ導入され、そこでACN/スチーム蒸気混合物は約220℃〜約300℃の範囲の温度にさらに加熱されてACN/スチーム蒸気の過熱混合物を生成する。商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、高圧スチームまたは熱油システムを用いて過熱器に熱を供給することができる。
【0012】
過熱ACN/スチーム蒸気は次に、複数の連続する断熱反応ゾーンの第1番目に導入される。各反応ゾーンは触媒を含有する。例示のみの目的のためにおよび限定的ではなく、システムは5つの連続する断熱反応ゾーン、具体的には第1反応ゾーン、第2反応ゾーン、第3反応ゾーン、第4反応ゾーンおよび最終反応ゾーンを含んでもよい。2つほどに少ないまたは10以上ほどに多い反応ゾーンを本発明に従って用いることができる。反応ゾーンは同じサイズまたは異なるサイズのものあることができる、すなわち、触媒の量は異なる反応ゾーンで同じまたは異なるものであることができる。好ましいバージョンでは、各反応ゾーンでの触媒の量は、最小量の触媒が第1反応ゾーンに見いだされ、そして最大量の触媒が最終反応ゾーンに見いだされて、連続する反応ゾーンを通して増加する。反応ゾーンは任意の直径のものであってもよい。反応ゾーンは、熱損失を最小限にするために十分に断熱されるべきである。反応ゾーンは、反応ゾーンの内側の異なる場所で温度を測定するための温度センサー、例えば、熱電対を備えることができる。触媒は好ましくは固体酸触媒である。
【0013】
固体酸は、それらの表面上にプロトンまたは配位不飽和陽イオン中心を有するそれらの材料と定義される(非特許文献1)。上記の定義に基づいて、固体酸触媒は2つのカテゴリー、すなわち、ブレンステッド酸(Bronsted Acid)およびルイス酸(Lewis Acid)へ概して分類される。前者はプロトンを与える傾向があるが、後者は電子対を受け入れる傾向を示す(非特許文献2)。好適な固体ブレンステッド酸の例は、
1.単純酸化物(例えば、シリカ、アルミナ、チタニアなど)、
2.混合酸化物(例えば、シリカ−アルミナ、ゼオライトなど)、
3.天然および合成粘土材料(例えば、モンモリロナイトなど)、
4.担持された酸(例えば、硫酸−シリカ、硫酸化ジルコニア、フッ素化アルミナなど)、ならびに
5.活性水分子を含有する固体(例えば、水和硫酸塩など)
である。
【0014】
イットリウムトリフレートおよびシリカ上の塩化アルミニウムが好適な固体ルイス酸の例である。
【0015】
固体酸触媒が用いられる本発明の実施形態では、加水分解環化反応は触媒の表面上で起こるかもしれない。主に表面触媒される反応は、所望の加水分解環化反応に加えて非選択的な分子間反応につながるかもしれない。分子間反応は典型的にはオリゴマー副生物を生成する。しかしながら、微孔性固体酸触媒(例えばゼオライト)のケースでは、環化反応は、孔の形状およびサイズならびに固体酸触媒の孔の内部での反応体または中間体部分の吸収の性質のために分子間反応より有利である。固体酸触媒の孔は好ましくは、それらが反応体および生成物部分の拡散を許すけれども分子間反応の結果としてより大きい分子の形成を禁止するようなサイズにされる。微孔性固体酸触媒では、分子間反応は、固体酸触媒の外面を不動態化することによってさらに抑えることができる。
【0016】
本発明での使用に好適な好ましい固体酸触媒は、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献6)、および米国特許公報(特許文献3)に開示されているように、γ−アルミナ、シリカ、およびチタニアからなる群から選択される。γ−アルミナが好ましい固体酸触媒である。触媒はビーズ、ペレットまたは押出物の形態にあることができる。典型的には、各システムはシステムの全体にわたってたった1つの触媒を用いるが、これは決して限定的であることを意図されない。
【0017】
過熱ACN/スチーム蒸気は第1反応ゾーンに入る。その中での触媒との接触時に、ACNの少なくとも一部は、ε−カプロラクタムを生成する加水分解環化反応を受ける。未反応のACN、未反応の水およびCPLを含む、第1反応生成物が第1反応ゾーンで生み出される。加水分解環化反応は発熱であり、それ故、第1反応ゾーンの内容物の温度は反応の結果として上昇する。従って、第1反応生成物の温度は、第1反応ゾーンに入った過熱ACN/スチーム蒸気の温度より高い。温度の上昇は、反応熱、第1反応ゾーン中の触媒の量、温度、流量および第1反応ゾーンに入る過熱ACN/スチーム蒸気中のACN対水のモル比に依存する。
【0018】
第1反応生成物は次に第1冷却装置へ導入され、そこで熱が第1反応生成物から除去されて冷却された第1反応生成物を生成する。第1冷却装置は熱交換器であることができる。
【0019】
冷却された第1反応生成物は次に第2反応ゾーンへ導入される。第2反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第1反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、CPLおよびアンモニアを含む、第2反応生成物が生み出される。第2反応生成物の温度は、第2反応ゾーンに入った冷却された第1反応生成物の温度より高い。第2反応生成物は次に第2冷却装置へ導入され、そこで熱が第2反応生成物から除去されて冷却された第2反応生成物を生成する。
【0020】
冷却された第2反応生成物は次に第3反応ゾーンへ導入される。この第3反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第2反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む第3反応生成物が生み出され、第3反応ゾーンから抜き出される。第3反応生成物の温度は、第3反応ゾーンに入った冷却された第2反応生成物のそれより高い。第3反応生成物は第3冷却装置へ導入され、そこで熱が第3反応生成物から除去されて冷却された第3反応生成物を生成する。
【0021】
冷却された第3反応生成物は第4反応ゾーンへ導入される。この第4反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第3反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む第4反応生成物が生み出され、第4反応ゾーンから抜き出される。第4反応生成物の温度は、第4反応ゾーンに入った冷却された第3反応生成物のそれより高い。第4反応生成物は第4冷却装置へ導入され、そこで熱が第4反応生成物から除去されて冷却された第4反応生成物を生成する。
【0022】
冷却された第4反応生成物は最終反応ゾーンへ導入される。この最終反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第4反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む最終反応生成物が生み出され、最終反応ゾーンから抜き出される。
【0023】
5つの反応ゾーンおよび4つの中間冷却装置は、最終反応生成物の温度が約225℃〜約350℃、好ましくは約250℃〜約325℃の範囲にあるやり方で運転される。当業者は、どれだけ多くの冷却がこれらの温度範囲を満たすために各中間冷却装置によって行われるべきであるかを決定することができる。反応は一般に約0.01〜約10バール絶対(約1〜約1000kPa)、好ましくは約1〜約3バール絶対(約100〜約300kPa)の圧力で実施される。反応は、不活性ガス、例えばアルゴンまたは窒素の存在下に実施されてもよく、そのケースでは不活性ガスは、アミノニトリルを基準として100倍以下の過剰で存在してもよい。
【0024】
5つの反応ゾーンおよび4つの中間冷却装置は別個の容器であることができるし、または中間冷却付きの任意の2つ以上の連続する反応ゾーンを1つの大きい容器へ統合させることができる。
【0025】
最終反応生成物は次に蒸留カラムへ導入される。アンモニア、水、および低沸点物を含む蒸留物は、CPL、ACN、水、および高沸点物を含むカラム後留物から分離される。蒸留カラムは典型的には構造化充填材を含有する。蒸留カラムは、蒸留物が好ましくは約97℃の温度で取り出され、そしてカラム後留物が好ましくは約100℃より上の温度に維持されるやり方で動作する。蒸留カラムは好ましくは、およそ大気圧でおよび約0.1〜1.0の還流比で、好ましくは約0.45〜0.75で運転される。最終反応ゾーンを出る蒸気供給物は通常、蒸留カラムの実質的に中間に導入される。
【0026】
ACNの重量基準空間速度(WHSV)は典型的には、時間当たり触媒のg当たり約0.1〜約5gのACNの範囲内、好ましくは時間当たり触媒のg当たり約0.5〜約2.0gのACNの範囲内である。ACNを基準とする転化率は約70〜99.9%の範囲内、好ましくは90%より上である。CPL形成の選択率は一般に85%より上、好ましくは90%より上、特に好ましくは95%より上である。これらの転化率および選択率値は、触媒のg当たり製造される750gのCPLより大きい触媒寿命の間は達成することができる。
【0027】
本発明の第2実施形態のシステムでは、ACN流れおよび水流れはミキサーへ導入される。水対ACNのモル比は好ましくは1:1〜10:1の範囲に維持される。ACN流れは約0〜約1000ppmテトラヒドロアゼピン(THA)および約0〜約1重量%のACNの二量体を含有することができる。ACN流れおよび水流れは、約0.1重量%未満の溶存酸素を含有すべきであり、それはミキサーに供給する前に窒素でACNおよび水をガスシールすることによって成し遂げることができる。ミキサーはACN流れおよび水流れを均質に混合する。ケニックス(登録商標)ミキサーなどの、静的ミキサーを用いることができる。ACNと水との混合物はミキサーによって生み出され、次に気化器へ導入される。ACN/水混合物を気化させてACNとスチームとの蒸気混合物を生成するために熱が供給される。商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、スチームまたは熱油システムを用いて熱を供給することができる。ACN/スチーム蒸気混合物は過熱器へ導入され、そこでACN/スチーム蒸気混合物は約220℃〜約300℃の範囲の温度にさらに加熱されてACN/スチーム蒸気の過熱混合物を生成する。商標「ダウサム−A」でダウ・ケミカル・カンパニーによって販売される材料などの好適な伝熱流体を使用する、電気加熱、プロセス間伝熱、高圧スチームまたは熱油システムを用いて過熱器に熱を供給することができる。
【0028】
過熱ACN/スチーム蒸気は次に、複数の連続する断熱反応ゾーンの第1番目に導入される。各反応ゾーンは触媒を含有する。例示のみの目的のためにおよび限定的ではなく、システムは5つの連続する断熱反応ゾーン、具体的には第1反応ゾーン、第2反応ゾーン、第3反応ゾーン、第4反応ゾーンおよび最終反応ゾーンを含んでもよい。2つほどに少ないまたは10以上ほどに多い反応ゾーンを本発明に従って用いることができる。反応ゾーンは同じサイズまたは異なるサイズのものあることができる、すなわち、触媒の量は異なる反応ゾーンで同じまたは異なるものであることができる。好ましいバージョンでは、各反応ゾーンでの触媒の量は、最小量の触媒が第1反応ゾーンに見いだされ、そして最大量の触媒が最終反応ゾーンに見いだされて、連続する反応ゾーンを通して増加する。反応ゾーンの直径は決定的に重要であるわけではない。反応ゾーンは、熱損失を最小限にするために十分に断熱されるべきである。反応ゾーンは、反応ゾーンの内側の異なる場所で温度を測定するための温度センサー、例えば、熱電対を備えることができる。触媒は好ましくは、前記のように、固体酸触媒である。
【0029】
過熱ACN/スチーム蒸気は第1反応ゾーンに入る。その中での触媒との接触時に、ACNの少なくとも一部は、ε−カプロラクタムを生成する加水分解環化反応を受ける。未反応のACN、未反応の水およびCPLを含む、第1反応生成物が第1反応ゾーンで生み出される。加水分解環化反応は発熱であり、それ故、第1反応ゾーンの内容物の温度は反応の結果として上昇する。従って、第1反応生成物の温度は、第1反応ゾーンに入った過熱ACN/スチーム蒸気の温度より高い。温度の上昇は、反応熱、第1反応ゾーン中の触媒の量、温度、流量および第1反応ゾーンに入る過熱ACN/スチーム蒸気中のACN対水のモル比に依存する。
【0030】
第1反応生成物は第1冷却装置へ導入され、そこでコールドショット液体が第1反応生成物に加えられて冷却された第1反応生成物を生成する。第1冷却装置は、別個の混合容器かまたは第1反応ゾーンの不可欠な部分であることができる。コールドショット液体は、水、メタノール、エタノール、6−アミノカプロニトリル、ε−カプロラクタム、アンモニア、ヘキサメチレンジアミン、およびこれらの化合物の2つ以上の混合物からなる群から選択することができる。好ましいコールドショット液体は水である。第1反応生成物からの理にかなった除熱による冷却は、コールドショット液体の蒸発のために必要とされる潜熱によって成し遂げられる。反応生成物を冷却するために必要とされる比エンタルピーの変化は、コールドショット液体を蒸発させるために必要とされる比エンタルピーの変化の何分の1であるので、コールドショット液体の必要とされる量は第1反応生成物の量と比較して少ない。
【0031】
冷却された第1反応生成物は次に第2反応ゾーンへ導入される。この第2反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第1反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む第2反応生成物が生み出される。第2反応生成物の温度は、第2反応ゾーンに入った冷却された第1反応生成物のそれより高い。第2反応生成物は第2冷却装置へ導入され、そこで上記のようなコールドショット液体が第2反応生成物に加えられて冷却された第2反応生成物を生成する。
【0032】
冷却された第2反応生成物は第3反応ゾーンへ導入される。この第3反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第2反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む第3反応生成物が生み出される。第3反応生成物の温度は、第3反応ゾーンに入った冷却された第2反応生成物のそれより高い。第3反応生成物は第3冷却装置へ導入され、そこで上記のような、コールドショット液体が第3反応生成物に加えられて冷却された第3反応生成物を生成する。
【0033】
冷却された第3反応生成物は第4反応ゾーンへ導入される。この第4反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第3反応生成物中のACNの少なくとも一部は加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む第4反応生成物が生み出される。第4反応生成物の温度は、第4反応ゾーンに入った冷却された第3反応生成物のそれより高い。第4反応生成物は第4冷却装置へ導入され、そこで上記のような、コールドショット液体が第4反応生成物に加えられて冷却された第4反応生成物を生成する。
【0034】
第1冷却装置でのように、第2、第3および第4冷却装置は別個の混合容器かまたは、それぞれ、第2、第3および第4反応ゾーンの不可欠な部分であることができる。
【0035】
冷却された第4反応生成物は最終反応ゾーンへ導入される。この最終反応ゾーンでは、その中での触媒との接触時に、冷却された第4反応生成物中のACNの少なくとも一部が加水分解環化を受けてCPLおよび反応熱を生成する。未反応のACN、未反応の水、アンモニア、およびCPLを含む最終反応生成物が生み出される。
【0036】
最終反応ゾーンならびに第1、第2、第3および第4中間冷却装置は、最終反応生成物の温度が約225℃〜約350℃、好ましくは約250℃〜約325℃の範囲にあるやり方で運転される。当業者は、どれだけ多くの冷却がこれらの温度範囲を満たすために各中間冷却装置によって行われるべきであるかを決定することができる。反応は一般に0.01〜10バール絶対(1〜1000kPa)、好ましくは1〜3バール絶対(100〜300kPa)の圧力で実施される。反応は、不活性ガス、例えばアルゴンまたは窒素の存在下に実施されてもよく、そのケースでは不活性ガスは、アミノニトリルを基準として100倍以下の過剰で存在してもよい。
【0037】
最終反応生成物は次に蒸留カラムへ導入される。アンモニアおよび水を含む蒸留物が、CPL、ACN、および水を含むカラム後留物から分離される。蒸留カラムは典型的には構造化充填材を含有する。蒸留カラムは、蒸留物が好ましくは約97℃の温度で取り出され、そしてカラム後留物が好ましくは約100℃より上の温度に維持されるやり方で動作する。蒸留カラムは好ましくは、およそ大気圧でおよび約0.1〜1.0の還流比で、好ましくは約0.45〜0.75で運転される。最終反応ゾーンを出る蒸気供給物は通常、蒸留カラムの実質的に中間に導入される。
【0038】
ACNの重量基準空間速度(WHSV)は典型的には、時間当たり触媒のg当たり0.1〜5gのACNの範囲内、好ましくは時間当たり触媒のg当たり0.5〜2.0gのACNの範囲内である。ACNを基準とする転化率は約70〜99.9%の範囲内、好ましくは90%より上である。CPL形成の選択率は一般に85%より上、好ましくは90%より上、特に好ましくは95%より上である。これらの転化率および選択率値は、触媒のg当たり製造される750gのCPLより大きい触媒寿命の間は達成することができる。
【0039】
本発明の別の実施形態では、熱交換器とコールドショット液体との組み合わせを用いて連続する反応ゾーンの間で中間反応生成物を冷却することができる。
【0040】
本発明の別の実施形態では、新しい冷ACNの少なくともほんの一部は、第1反応ゾーン後の任意の反応ステージへ直接導入することができる。(熱交換またはコールドショットによる冷却の前または後の)任意の中間反応生成物の少なくとも一部はまた、それが生み出された反応ゾーンの後の任意の反応ゾーンへ直接導入することもできる。
【0041】
本発明の別の実施形態では、(熱交換またはコールドショットによる冷却の前または後の)任意の中間反応生成物の少なくとも一部または冷却後の最終反応生成物の少なくとも一部は、それを生み出した同じ反応ゾーンの入口にまたはそれを生み出した当該反応ゾーンに先行する任意の他の反応ゾーンの入口にリサイクルバックすることができる。
【0042】
触媒の失活は触媒寿命の切り離せない部分である。それ故、触媒再生は、全体プロセスの経済性に重要な役割を果たす。本発明では、触媒がある一定のレベルに失活した、すなわち、ACNの転化率および/またはCPLの選択率が予め設定された値より下に落ちた後に、触媒は再生され、その活性および選択性は実質的にその元の値に回復させることができる。
【0043】
触媒の活性および/または選択性が予め設定された値より下に落ちたときには、先ず、過熱スチームの流れを維持しながら、ACN流れを止めることができる。反応器システムを通してスチームを約1〜10時間、好ましくは約2〜5時間流した後、過熱器温度を約270℃に調節することができ、次に空気をシステムに、好ましくは第1反応器の前に、「ホットスポット」の場所をコントロールするような速度で加えることができる。「ホットスポット」は、速い温度暴走が発熱反応のために起こる固定床反応器中の場所である。「ホットスポット」は従って好ましくは、それが第1反応器から始まって反応器の長さを下方へだんだんと移動するようにコントロールされる。「ホットスポット」の最高温度は、全体触媒床を実質的に再生するために、そして同時に高温焼結による触媒の活性への影響を最小限にするために、約500℃〜約750℃に、好ましくは約550℃〜約700℃にコントロールされるべきである。再生プロセスは、反応器のそれぞれでの温度発熱がなくなったときに完了したと典型的には考えられる。空気流れがそのとき止められ、酸素がシステムから十分にパージされるまで待ち、過熱器温度が所望の値に調節され、そしてACN供給が始められる。
【実施例】
【0044】
下記の実施例は本発明の様々な個々の態様および特徴をより十分に実証し、そしてさらに例示するために提示され、そのようなものとして実施例は非限定的であると感じられ、本発明を例示することを意図されるが不当に限定的であることを決して意図されないことが理解されるべきである。
【0045】
(実施例1)
ACNの加水分解環化は、中間冷却付きの統合された5ステージ断熱反応器システムで、引き続いて生成物分離のための蒸留カラムで実施した。実験セットアップは下記からなった:
・1つが蒸留水を、他方がACNを含有する2つの供給ドラム。両供給ドラムを窒素のガスシール下に保ち、窒素でスパージして溶存酸素を除去した。
・ジャケット中140psig(965kPa)スチームで加熱されるジャケット付き1.5インチのステンレススチール管からなった気化器。これに2つの計量供給(FMI)ポンプによって供給ドラムから供給した。ケニックス(登録商標)ミキサーを気化器とFMIポンプとの間に取り付けて反応体の完全な混合を確実にした。必要ならば、ラインを気化器の底部に取り付けて気化器からブローダウンパージを取った。
・気化器から蒸気を取り、それを第1反応器の所望の入口温度に過熱した電気加熱過熱器。
・中間冷却または冷却水を反応器中へ注入するための設備付きの5つの十分に断熱された反応器。反応器は1.5インチステンレススチール管で作られていた。ステージ1〜5についての触媒床長さは、それぞれ、9、12、18、26および84インチであった。5つの反応器に、それぞれ、円筒形押出物の形態の、165.4、272.8、364.4、505.6、および1429.4gのγ−アルミナ触媒を装入した。反応器の周りにラップされた加熱テープは、表面積対容量比が商業的製造規模においてより著しく大きい、この非常に小さい実験規模ではかなりなものであり得る、反応器の断熱材を通して失われる熱を供給するようデザインされたパワースタット(powerstat)によって手動でコントロールした。反応器長さの下方へ20の温度を測定するための2つのマルチポイント熱電対を含有する、最初の4反応器の長さの下方へサーモウェルを設置した。第5反応器は、反応器の各端に入口および出口温度を監視するための1つの内部熱電対を含有した。冷却器としての機能を果たす加熱された移送ラインが第4反応器と第5反応器を連結した。
【0046】
反応器に、デグッサ(Degussa)から入手したγ−アルミナ触媒の1/8インチ円筒形押出物(0.7551g/cm3の見掛け嵩密度、および350m2/gのBET表面積)を装入した。供給は30g/分のACNおよび30g/分の水、1.0hr-1のWHSVからなった。システムを、それぞれ、おおよそ295℃/307℃、302℃/307℃、288℃/312℃、296℃/300℃、および260℃/290℃での5反応器の入口/出口温度で、8時間のオンストリーム総時間ランさせた。システムを1気圧よりわずかに上の圧力でランさせた。
【0047】
第5反応器からの出口を蒸留カラムの入口に連結した。第5反応器の出口からの蒸気供給物を、大気圧に維持した蒸留カラムの実質的に中間に供給した。蒸留カラムは、5ステージ反応器システムから溶出するCPL、アンモニア、水、未転化ACN、ならびに少量の他の低および高沸点不純物を含む反応生成物からアンモニア、水、および低沸点不純物を分離した。
【0048】
アンモニア、水、および低沸点不純物を、オルダーショー(Oldershaw)カラムの最上部に取り付けた凝縮器で凝縮させ、変動する部分を還流としてカラムの最上部に返して97℃の凝縮器温度(0.65の還流比)を維持した。凝縮器の最上部をベントヘッダーに連結して蒸留カラムから出てくる少量の非凝縮性ガス/蒸気を排出させた。
【0049】
CPL、水、および他の高沸点成分(不純物)を、オルダーショーカラムの底部でリボイラー(またはポット)に集めた。CPLおよびおおよそ25重量%の水を含有する液体生成物を、計量送液(FMI)ポンプによってリボイラーから連続的に取り出し、55ガロンのドラムに集めた。液体生成物の分析は、CPLへの99.6%選択率および95%の全体ACN転化率を示した。CPLの得られた94.6%収率は8時間ランの全期間中おおよそ一定のままであった。液体生成物の分析は、第5反応器の出口のそれと比較して不純物レベルのいかなる有意な変化も示さなかった。
【0050】
(実施例2)
実施例1に類似のやり方で第2ランを、供給組成物を20g/分のACNおよび20g/分の水に減らしたことを除いては本質的に同一条件下に行った。オルダーショーカラムのリボイラー/ポットに集めた生成物の分析は、CPLへの99.6%選択率および98.7%の全体ACN転化率を示した。CPLの得られた98.3%収率は7時間ランの全期間中おおよそ一定のままであった。生成物の分析は、第5反応器の出口のそれと比較して不純物レベルのいかなる有意な変化も示さなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気相中で、6−アミノカプロニトリル(ACN)の加水分解環化によりε−カプロラクタム(CPL)を製造する方法であって、
(a)6−アミノカプロニトリル蒸気とスチームとの過熱混合物を、連続して配置されて、触媒を含有する第1反応ゾーンで始まりそして最終反応ゾーンで終わる複数の断熱反応ゾーン中で、触媒と接触させる工程であって、前記過熱蒸気混合物が第1反応ゾーンへ供給され、そしてCPLを含む最終反応生成物が最終反応ゾーンから取り出され、そして最終反応ゾーンの前の各反応ゾーンから中間反応生成物が抜き出され、冷却され、そしてそれから次の反応ゾーンへ供給される工程と、
(b)CPLを蒸留によって前記最終反応生成物から分離する工程と
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記供給混合物中の6−アミノカプロニトリルが、約0〜約1000ppmのテトラヒドロアゼピンおよび約0〜約1重量%の6−アミノカプロニトリルの二量体を含有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記供給混合物中の水対6−アミノカプロニトリルのモル比が、約1:1〜10:1の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記中間反応生成物の少なくとも1つの冷却が熱交換を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記中間反応生成物の少なくとも1つの冷却が、中間反応生成物の少なくとも1つへのコールドショット液体の添加を含み、コールドショット液体が水、メタノール、エタノール、アンモニア、6−アミノカプロニトリル、CPL、ヘキサメチレンジアミン、およびこれらの化合物の2つ以上の混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第1断熱反応ゾーン、最終断熱反応ゾーンおよび少なくとも3つの連続する断熱反応ゾーンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも8つの連続する断熱反応ゾーンを含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
6−アミノカプロニトリル蒸気とスチームとの前記供給混合物が、
(a)6−アミノカプロニトリルを水と混合する工程と、
(b)6−アミノカプロニトリルと水との混合物を気化させる工程と、
(c)気化した6−アミノカプロニトリルと水とを約220℃〜約300℃の範囲の温度に加熱する工程と
を含む方法によって製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
(a)前記供給混合物中の6−アミノカプロニトリルの約95%未満が前記最終反応生成物中でCPLへ転化される場合、第1断熱反応ゾーン、連続する断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーンを通る6−アミノカプロニトリル蒸気と水蒸気との供給混合物の流れを止める工程と、
(b)第1断熱反応ゾーン、連続する断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーン中の触媒をスチームと接触させる工程と、
(c)第1断熱反応ゾーン、連続する断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーン中の触媒を空気とスチームとの混合物と接触させる工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
工程(b)において、前記触媒が約1〜約10時間スチームと接触させられることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(b)において、前記触媒が約2〜約5時間スチームと接触させられることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(b)において、前記スチームが約270℃の温度にあることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
工程(c)において、第1断熱反応ゾーン、連続する断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーンのいずれにおいて最高温度が約750℃を超えないことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
工程(c)において、第1断熱反応ゾーン、連続する断熱反応ゾーンおよび最終断熱反応ゾーンのいずれにおいて最高温度が約550℃〜約700℃の範囲にあることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記触媒が固体酸触媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記固体酸触媒がブレンステッド酸およびルイス酸からなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記固体酸触媒がシリカ、アルミナ、チタニア、シリカ−アルミナ、ゼオライト、モンモリロナイト、硫酸−シリカ、硫酸化ジルコニア、フッ素化アルミナ、水和硫酸塩、イットリウムトリフレートおよびシリカ上の塩化アルミニウムからなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記固体酸触媒がγ−アルミナを含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記供給混合物中の6−アミノカプロニトリルのCPLへの約90%を超える転化率を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法に従って製造されることを特徴とするε−カプロラクタム(CPL)。

【公表番号】特表2008−533160(P2008−533160A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501986(P2008−501986)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2006/009232
【国際公開番号】WO2006/101871
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(505245302)インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル (81)
【氏名又は名称原語表記】INVISTA Technologies S.a.r.l.
【住所又は居所原語表記】Talstrasse 80,8001 Zurich,Switzerland
【Fターム(参考)】