説明

カボチャ割り具

【課題】安全かつ容易にカボチャを分割するための用具を提供する。
【解決手段】適宜厚の板体下部に、側面視先鋭下端を有する刃部を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、安全かつ容易にカボチャを割るための用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食材調理用具としては包丁が多用されており、本発明にて示すようなカボチャ専用の割り具は見あたらない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カボチャ(南瓜)は、南北アメリカ大陸を原産とするウリ科カボチャ属の総称で、その果実を食用とし、カロテン、ビタミンを多く含む緑黄色野菜で、日本でも多く栽培されている。西洋カボチャ、東洋カボチャ、ペポカボチャなどがあるが、他の野菜に比べて固い表皮部分を有している。日本では春に播種し夏から秋にかけて果実を収穫する。
カボチャは野菜としては比較的大型であり、食する際には分割作業が行われる。
一般的には、カボチャをまな板など平面部分の上に載せ、包丁を上にあてがい、体重をかけるなどして包丁の刃を押し込んで分割したりするが、この作業が難儀である。
そもそも包丁は刃先が薄く、切るための用具である。カボチャに包丁を押し込むと、刃とカボチャの切断面との摩擦にて刃の挿入が次第に難しくなる。そのため、カボチャの分割に難儀するのであるが、これといった解決策が見あたらないのが現状である。
本発明は、以上に鑑みて発明されたもので、ハンマー等の打撃用具との併用にてカボチャを容易かつ安全に分割するための新規かつ有用なる手段を提供するべく開発されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
課題を解決する手段として本発明は以下の構成とした。
すなわち、適宜厚の板体下部に、側面視先鋭下端を有する刃部を形成する。
本発明は以上の構成よりなるするカボチャ割り具である。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、所定厚の刃部を有する割り具本体の刃をカボチャに当て、その上からハンマー等にて打撃を加える方式のため、くさび効果にて安全かつ容易にカボチャを割ることのできる有用なる物品を得ることができる。また、構造簡単な小型物品のため、その運搬収納にも便利であるとともに、低コストでの制作を可能とする便利な用具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施形態について説明する。
図において、1は本発明による割り具本体で、木製板状である。この割り具本体の上部には平面上の背部2が形成され、背部から下方に向かう直方体部分を有し、この直方体部分の下部は側面視において次第に幅狭となる三角形状の刃部3を有している。
従って側面視において上部は四角形状で下部は三角形状である。4は刃部上方の直方体部分に穿設される孔である。本発明は以上から形成されるが、その使用法は以下の通りである。
図6にて示すように、まずカボチャを任意に選択した硬さを有する平面上に載置する。
次に、割り具本体を手に持ち、その刃部をカボチャ上面にあてがう。このとき、カボチャの芯に刃部端を近接させる。他方の他にハンマー等の打撃用具を持ち、背部に打ちつけ、これを反復する。刃部は衝撃にてカボチャ皮を割って内部に挿入し、カボチャを割ることができる。すなわち、刃部は所定の先端角度を有して、ちょうどくさびの役割を有しているからである。
実験の結果、刃先角度θは30度が最適で、20度から40度までが許容範囲であり、好ましくは25度〜35度である。この範囲外の場合、刃先角度が小さすぎるとカボチャへのくい込みは容易であるが、くさび効果が少なく、また場合のよっては木製刃部のときは刃先の欠ける恐れがある。逆に刃先角度が大きすぎると、くさび効果は大きいものの、カボチャに対するくい込み抵抗が大きくなって、やはり分割力が減少することとなる。
刃先角度は重要であるが、刃の厚さも肝要で、ある程度の寸法が必要である。この厚さが少ないとやはり十分なくさび効果が得られず、15ミリメートルを標準として、8〜22ミリメートルが適しており、好ましくは12〜18ミリメートルである。
図にて示すように、本品を片手に持って使用し、背部にハンマー等を打ち付けるために、水平方向に所定長が必要で、120ミリメートルを標準として、70〜170ミリメートルが適当である。また、上下方向寸法は35〜75ミリメートルが適している。この寸法が小さいと背部がすぐにカボチャ表皮内に入ってしまい、背部に対する打撃不能となってくさび効果が薄れる。また大きすぎると、刃部と背部との距離が大となって作業しにくくなる。なお木製の場合、堅い木が適しており、楢や樫あるいはイタヤが望ましい。
【0007】
図2にて示すように、本例では孔4を設けている。これは、手で持つときに指の腹をこの孔にあてがうことにて、本品に対する手の滑り防止効果と、不使用時にこの孔を利用して吊下させる場合を考慮して設けたものである。
図4〜図5は本発明の他例を示すものである。図4は正面視において、刃部中央に四角形の切除部10を設けた例である。カボチャにはその上面中央に芯が少し突出している。
図6に示す作業が通例であるが、分割作業をより容易とするために、この芯をまたいでカボチャに刃部を接することのできるように、この切除部を設けたものであり、この場合は背部中央を打撃して用いる。図5は金属板を折曲固着して側面視三角形状とし、その下方頂部を刃部として用いる例であり、より軽量となる。
以上、本発明について記したが、本発明は打撃力を用いてカボチャを割るものであり、そのために刃部の厚さと角度に配慮して構成している。既述のように、従来はこのような物品がないために、包丁を用いての分割作業であったが、くさび効果がなく、また押圧力のみを用いていたために、この分割作業に難儀していたが、本発明にてこれが解消されるものとなったのである。なお、既述の例では木製を標準としたが、剛性を有する合成樹脂にて製作してもよく、この場合は安価に量産することができる。本品は既述の手法にて分割を繰り返すことにて、1個のカボチャを複数個に分割することができる。
なお、既述の例は実施の一例であって近似の他の構成としてもよい。
以上のごとく、本発明によってカボチャ分割に便利な用具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の平面図
【図2】本発明の正面図
【図3】本発明の右側面図
【図4】本発明の他例の正面図
【図5】本発明の他例の側面図
【図6】本発明の使用説明図
【符号の説明】
【0009】
1 割り具本体
2 背部
3 刃部
4 孔
10 切除部
11 中空三角柱体
θ 刃先角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
適宜厚の板体下部に、側面視先鋭下端を有する刃部を形成したことを特徴とするカボチャ割り具。
【請求項2】
正面視において、刃部中央に切除部を設けてなる請求項1記載のカボチャ割り具。
【請求項3】
板体に代えて側面視中空三角柱体を形成し、該柱体頂部を刃部としてなる請求項1または2記載のカボチャ割り具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42755(P2013−42755A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199982(P2011−199982)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(511224047)
【Fターム(参考)】