説明

カム板取り付け構造

【課題】 ボルトをカムベースに締め込んだり緩めたりすることなく、カム板をカムベースに対して簡便、かつ、確実に着脱できるように固定する。
【解決手段】 カムベース26の上下方向移動で、カムベース26に着脱自在に取り付けたカム板27を横方向に往復移動自在な可動部材に取り付けたカムフォロワーに接触させて可動部材を横方向に移動させ、カム板とカムベースとを上下方向から接当させて、カム板とカムフォロワーとの接触反力の受け部46を設けたカム機構におけるカム板取り付け構造であって、大径部38と小径軸部39とを備えたピン33の小径軸部側をカムベースに対して横方向姿勢に立設固定し、大径部が抜け出て小径軸部が入り込む大径孔部49と、大径孔部に入り込んでいる小径軸部を径方向から入り込ませる小径孔部とを一連に備えたピン挿通孔47をカム板に形成して、カム板を小径軸部に係止可能に設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カムベースにカム板を着脱自在に取り付けるとともに、横方向に往復移動自在に支持してある可動部材にカムフォロワーを取り付けて、前記可動部材に対する前記カムベースの上下方向に沿う相対移動で前記カム板と前記カムフォロワーとを互いに接触させて、前記可動部材を横方向に移動させるように構成し、前記カム板と前記カムベースとを上下方向から接当させて、前記カム板の前記カムフォロワーに対する接触反力を受け止め可能な反力受け部を設けてあるカム機構におけるカム板取り付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
上記カム板取り付け構造では、従来、図14(イ)に示すように、六角レンチ孔61を備えた頭付きボルト33をワッシャー及びバネワッシャー60などを介してカムベース26に対して緩く締め付けておくとともに、図14(ロ)に仮想線で示すように、カム板27に貫通形成してあるダルマ孔47の大径孔部49を通してボルト頭38とワッシャー及びバネワッシャー60が大径孔部49から抜け出るように、ボルト33をダルマ孔47に挿通した後、ボルト軸部39をダルマ孔47の小径孔部50に入り込ませて、その後、図14(ロ),(ハ)に示すように、ボルト33のカムベース26への締め込みで、カム板27を、ワッシャー及びバネワッシャー60とを介して、ボルト頭38とカムベース26との間に強く挟み込んで、カム板27をカムベース26に挟持固定している(慣用技術であり、先行技術文献情報を開示できない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、ボルト33のカムベース26への締め込みが緩むと、カム板27が外れ易い欠点があるとともに、カム板27が外れないように、ボルト33をカムベース26に強く締め込むと、ボルト33を破損するおそれがあるとともに、ワッシャー及びバネワッシャー60とを介してカム板27を挟み込んであるとはいえ、カム板27の交換などのメンテナンス時に外しにくくなる欠点がある。
また、ボルト33のカムベース26への締め込みで、カム板27をボルト頭38とカムベース26との間に強く挟み込んで、摩擦力でカム板27をカムベース26に固定するように設けてあるので、カム板27のカムベース26に対する姿勢が正規の姿勢からずれていても固定することは可能で、この場合は、可動部材の移動タイミングがずれ易いとともに、例えば、カム板27とカムベース26とが反力受け部46において上下方向から適切に接当していない状態で固定してしまったような場合は、可動部材の移動タイミングがずれ易いだけでなく、衝撃などでカム板27が動いて、ボルト33によるカム板27の固定が緩み易い欠点があり、例えば図1,図2に示すような飲料用ボトルAに外装用チューブBを自動的に嵌装する外装用チューブ嵌装装置において、外装用チューブBを吸着保持している一対の吸着アーム19が、カムベース26の上昇に連動して離間移動するようにカム機構を設けて、吸着アーム19同士が離間移動したタイミングで、ボトル押えバー9が吸着アーム19間を通過しながら下降するように構成してある場合、カム板27が緩んだ結果としてカム面29とカムフォロワー28 本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、ボルトをカムベースに締め込んだり緩めたりすることなく、カム板をカムベースに対して簡便、かつ、確実に着脱できるように固定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1特徴構成は、カムベースにカム板を着脱自在に取り付けるとともに、横方向に往復移動自在に支持してある可動部材にカムフォロワーを取り付けて、前記可動部材に対する前記カムベースの上下方向に沿う相対移動で前記カム板と前記カムフォロワーとを互いに接触させて、前記可動部材を横方向に移動させるように構成し、前記カム板と前記カムベースとを上下方向から接当させて、前記カム板の前記カムフォロワーに対する接触反力を受け止め可能な反力受け部を設けてあるカム機構におけるカム板取り付け構造であって、大径部と小径軸部とを一連に備えたピンの前記小径軸部側を前記カムベースに対して横方向姿勢に立設固定するとともに、前記大径部を抜け出させて前記小径軸部が入り込むように前記ピンを挿通可能な大径孔部と、前記大径部よりも小径で、かつ、前記小径軸部よりも大径の小径孔部とを、前記小径孔部を前記大径孔部の上部に位置させて、前記大径孔部に入り込んでいる小径軸部が前記小径孔部に径方向から入り込めるように一連に備えたピン挿通孔を前記カム板に形成して、前記カム板を前記小径軸部に係止可能に設けてある点にある。
【0005】
〔作用及び効果〕
大径部と小径軸部とを一連に備えたピンの小径軸部側をカムベースに対して横方向姿勢に立設固定するとともに、大径部を抜け出させて小径軸部が入り込むようにピンを挿通可能な大径孔部と、大径部よりも小径で、かつ、小径軸部よりも大径の小径孔部とを、小径孔部を大径孔部の上部に位置させて、大径孔部に入り込んでいる小径軸部が小径孔部に径方向から入り込めるように一連に備えたピン挿通孔をカム板に形成して、カム板を小径軸部に係止可能に設けてあるので、従来のように、緩みやすいボルトなどを使用することなく、つまり、ボルトをカムベースに締め込んだり緩めたりすることなく、カム板を小径軸部に係止して、カムベースに対して簡便、かつ、確実に着脱することができるように固定できる。
【0006】
本発明の第2特徴構成は、前記小径軸部の先端部にねじ部を形成するとともに、前記ねじ部に螺合する螺合部材を設け、前記螺合部材を前記カムベースに形成した貫通孔に貫通する状態で前記ねじ部に螺合して、前記小径軸部の先端部と前記螺合部材とで前記カムベースを挟んで、前記ピンの前記小径軸部側を前記カムベースに固定してある点にある。
【0007】
〔作用及び効果〕
例えば、小径軸部の先端側に設けた雄ねじ部を、カムベースに形成してある雌ねじ部にねじ込んで、ピンを固定してあるような場合、長期使用のうちに小径軸部が破損すると、ピンだけでなく、雌ねじ部を形成してあるカムベースも交換しなければならないおそれがあり、交換作業が大がかりになる欠点がある。
上記に対して、小径軸部の先端部にねじ部を形成するとともに、そのねじ部に螺合する螺合部材を設け、螺合部材をカムベースに形成した貫通孔に貫通する状態でねじ部に螺合して、小径軸部の先端部と螺合部材とでカムベースを挟んで、ピンの小径軸部側をカムベースに固定してあるので、例えば、小径軸部の先端部に形成した雌ねじ部に螺合する螺合部材を設けて、小径軸部の先端部と螺合部材とでカムベースを挟んだ場合や、小径軸部の先端部に雄ねじ部を形成し、この雄ねじ部をカムベースに形成した貫通孔に挿通したのち螺合部材に螺合させて、小径軸部の先端部と螺合部材とでカムベースを挟んだ場合に、小径軸部が破損するようなことがあっても、カムベースを特に交換するようなことなく、ピンと螺合部材とを交換することで簡便に復旧することが可能で、交換作業を簡略化することができる。
【0008】
本発明の第3特徴構成は、前記カム板と前記カムベースとを上下方向に移動規制するように係合可能な係合部を、カム板厚さ方向から係脱自在に設けてある点にある。
【0009】
〔作用及び効果〕
カム板とカムベースとを上下方向に移動規制するように係合可能な係合部を、カム板厚さ方向から係脱自在に設けてあるので、カム板のカムベースに対する上下方向のずれ動きを防止できるとともに、カム板のカムベースに対する取り付け姿勢を、係合部におけるカム板とカムベースとの係合状態から容易に確認できる。
【0010】
本発明の第4特徴構成は、前記カム板の前記カムフォロワーに向けての移動方向上手側に、そのカム板を把持可能な把持部を設けてある点にある。
【0011】
〔作用及び効果〕
カム板のカムフォロワーに向けての移動方向上手側に、そのカム板を把持可能な把持部を設けてあるので、カム板をカムベースに対してカムフォロワーに向けての移動方向上手側から着脱する際に、把持部を手で把持して、狭い取り付け箇所であっても操作性良く着脱することができる。
【0012】
本発明の第5特徴構成は、前記可動部材が、扁平に折り畳んである容器外装用筒状シート材の両面を各別に吸着保持可能な吸着部を備えた左右一対の保持部材であって、前記一対の保持部材を遠近方向に相対移動自在に支持するとともに、前記保持部材の夫々に取り付けたカムフォロワー間に前記カム板を侵入自在に設けて前記カム機構を構成し、前記カム機構による前記一対の保持部材どうしを離間移動させる操作により、それらの保持部材に吸着保持している容器外装用筒状シート材を径方向に拡開可能に設けてある点にある。
【0013】
〔作用及び効果〕
可動部材が、扁平に折り畳んである容器外装用筒状シート材の両面を各別に吸着保持可能な吸着部を備えた左右一対の保持部材であって、その一対の保持部材を遠近方向に相対移動自在に支持するとともに、保持部材の夫々に取り付けたカムフォロワー間にカム板を侵入自在に設けてカム機構を構成し、カム機構による一対の保持部材どうしを離間移動させる操作により、それらの保持部材に吸着保持している容器外装用筒状シート材を径方向に拡開可能に設けてあるので、ボトル等の容器に外装用筒状シート材を自動的に嵌装する外装用筒状シート材嵌装装置における多数の嵌装用ヘッドを設けてあるターレットのように、一対の保持部材の複数組を多数設けてあって、容器の寸法や形状に応じてカム板を交換しなければならない場合でも、それらの多数のカム板をカムベースに対して簡便、かつ、確実に着脱できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第1実施形態〕
図1,図2は、ボトル等の容器Aに熱収縮樹脂製ラベルチューブ等の外装用チューブ(容器外装用筒状シート材の一例)Bを自動的に嵌装する外装用チューブ嵌装装置を示し、上側ターレット盤1と下側ターレット盤2とを胴部3の上下に備えたメインターレツト4と、その外周部に配置されてメインターレット4にボトルAを供給する入口ターレット5と、外装用チューブBを嵌装した後のボトルAをメインターレット4からコンベアに移載する出口ターレット6と、外装用チューブBを供給するロータリーサッカー7とを設けてある。
【0015】
前記メインターレット4には、ボトルAの底部を支持するボトル載置台8と、そのボトル載置台8に支持されたボトルAのキャップA1を押圧するボトル押えバ−9と、外装用チューブBを吸着保持する外装用チューブ保持装置10とを備えた外装用チューブ嵌装ヘッド11が周方向に等ピッチで複数組配置され、入口ターレット5からボトル載置台8にボトルAが供給されると同時にそのボトルAをボトル押えバー9で押さえて、ボトル載置台8とボトル押えバー9とでボトルAを上下方向から挟持しながら回転搬送するように設けてある。
【0016】
前記ボトル載置台8は、下側ターレット盤2を貫通して上下動自在に支持されたロッド12の頂部に設けてあり、そのロッド12の下部にはメインターレット4の回転経路の内周側に沿って配置した下側固定円筒カム13のカム溝14に係合するカムフォロワー15を設けて、メインターレット4が回転することにより、カム溝14に沿って所定範囲で上下動するように構成し、ボトルAのチューブ装着部位が外装用チューブ保持装置10に保持されている外装用チューブBの内側に入り込むようにボトルAを上昇させて、外装用チューブBをボトルAに被せるように設けてある。
【0017】
前記ボトル押えバー9は、上側ターレット盤1を貫通してロッド12と同一軸線に沿って上下動自在に支持してあり、その上部にはメインターレット4の回転経路の内周側に沿って配置した上側固定円筒カム16のカム溝17に係合するカムフォロワー18を設けて、メインターレット4が回転することにより、カム溝17に沿って所定範囲で上下動するように構成し、ホームポジションではその下端面が外装用チューブ保持装置10に保持されている外装用チューブBよりも高い位置にあり、ボトルAが入口ターレット5からボトル載置台8に移載されると同時に、拡開させてある外装用チューブBの内側を通過してボトルAのキャップA1を押圧できるように下降し、ボトル挟持後はボトル載置台8と同期して上下動するようにカム溝17によってストロークが規制されている。
【0018】
前記外装用チューブ保持装置10は、図3〜図5に示すように、扁平に折り畳んである外装用チューブBの両面を各別に吸着保持可能な左右一対の吸着アーム(可動部材としての保持部材の一例)19と、本発明によるカム板取り付け構造を備えたカム機構20とを設けて、図3(イ)に示すように、カム機構20によって横方向に開閉作動される一対の吸着アーム19で、ロータリーサッカー7から受け取った折り畳み状態の外装用チューブBの両面を吸着保持し、メインターレット4の回転にともなって、図3(ロ)に示すように、一対の吸着アーム19どうしの間隔を徐々に拡げて、図3(ハ)に示すように、外装用チューブBを拡開させ、次いで、ボトル押えバー9が、拡開している外装用チューブBの内部を通過しながら下降して、ボトル載置台8に載置しているボトルAを挟持し、その状態でボトル載置台8を上昇させることによってボトルAに外装用チューブBを外嵌できるように構成してある。
【0019】
前記一対の吸着アーム19の各々は、外装用チューブBに対する空気吸引式の吸着部21を上下に備え、その基部側に横スライダー22を固定するとともに、図5に示すように、メインターレット4の胴部3に二本の横ガイドレール23を略水平に上下に設け、各横スライダー22をこれらの横ガイドレール23の各々に各別に摺動自在に外嵌して、互いに略水平な遠近方向に往復移動自在に支持してあり、コイルスプリングなどの付勢手段56を設けて互いに近接する側に移動するように付勢してある。
【0020】
前記カム機構20は、メインターレット4の胴部3に縦ガイドレール24を設けて、縦スライダー25をその縦ガイドレール24に沿って昇降自在に装着し、その縦スライダー25に固定してあるカムベース26にカム板27を着脱自在に取り付けるとともに、吸着アーム19の夫々にローラ式のカムフォロワー28を横軸芯周りで回転自在に支持し、一対の吸着アーム19に対するカムベース26の上下方向に沿う相対移動、具体的には、カムベース26の上昇移動で、カム板27を一対の吸着アーム19のカムフォロワー28間に侵入させることにより、カム板27の外周部に形成した左右のカム面29を左右のカムフォロワー28に押し付けるように互いに接触させて、各吸着アーム19を付勢力に抗して互いに離間する側の横方向に移動させるように構成してある。
【0021】
そして、ロータリーサッカー7から供給される折り畳み状態の外装用チューブBを、図3(ハ),図4(ロ)に示すように開いた一対の吸着アーム19の一方に受け取り、図3(イ),図4(イ)に示すように、カム板27の下降に伴って互いに近接する方向に移動した一対の吸着アーム19で外装用チューブBの両面を吸着保持する。
【0022】
その後、図3(ロ)に示すように、メインターレット4の回転に伴って、カム板27が再度徐々に上昇して、一対の吸着アーム19を再び互いに離間する方向に移動させることで、図3(ハ),図4(ロ)に示すように、入口ターレット5からボトル載置台8にボトルAが供給される前に外装用チューブ嵌装ヘッド11がロータリーサッカー7からの外装用チューブBの供給位置に戻ると、図3(ハ),図4(ロ)に示したように、カム板27は上昇した状態で、新たに供給される外装用チューブBを、その吸着アーム19の一方で受け取ることができるように、カムベース26の昇降タイミングを設定してある。
【0023】
次に、本発明によるカム板27のカムベース26への取り付け構造を説明する。
前記カムベース26は、図6,図7に示すように、板状基部30と、その板状基部30よりも厚さが薄い固定板部31とを備え、板状基部30のカム取り付け面が固定板部31から突出するように、固定板部31を板状基部30の一側側と上端側とに亘って一体に設けて、板状基部30の上端にカムベース側段部32を形成してある。
【0024】
そして、ピン33を板状基部30に対して垂直な横方向姿勢で立設固定するとともに、カム板27側に向けて突出する突条部34を板状基部30の下端側に沿って断面視でL字状に一体に設け、板状基部30の上部と固定板部31とを押えボルト35などで縦スライダー25に固定してある。
【0025】
前記カム板27は、図8,図9に示すように、一方の吸着アーム19のカムフォロワー28aに接触させるカム面29aと、他方の吸着アーム19のカムフォロワー28bに接触させるカム面29bとを左右に備えた上部板材部分36と、その上部板材部分36の下部、つまり、カム板27のカムフォロワー28に向けての移動方向上手側に延設した略矩形の下部板材部分37とを備え、この下部板材部分37を、カム板27を把持可能な把持部に形成してある。
【0026】
前記ピン33は、図10,図11に示すように、大径軸部38と小径軸部39とを同芯状に一連に備え、小径軸部39の基部側に雌ねじ部40を形成するとともに、その雌ねじ部40に螺合するビス(螺合部材の一例)41を設け、ビス41を挿通するビス孔42とビス41の頭部43を入り込ませる座ぐり孔57とを板状基部30に同芯状に貫通形成して、板状基部30に当て付けた小径軸部39の雌ねじ部40に、ビス孔42に挿通したビス41を螺合して、ビス41をカムベース26に形成したビス孔(貫通孔)42に貫通する状態で雌ねじ部40に螺合して、小径軸部39の先端部とビス41とでカムベース26を挟んで、ピン33の小径軸部39側をカムベース26に固定してある。
【0027】
そして、カム板27の背面側に略矩形の座ぐり面44を設け、この座ぐり面44にカムベース26の板状基部30を嵌合して、座ぐり面44の上部のカム板側段部45をカムベース側段部32に上下方向から接当させて、カム板27のカムフォロワー28に対する接触反力を受け止め可能な反力受け部46を設けてある。
【0028】
また、カム板27の前面側に、略矩形の座ぐり面53を設けて、小径軸部39の板状基部30からの突出高さよりも僅かに薄肉の薄肉部を形成し、その座ぐり面53に開口するようにダルマ形のピン挿通孔47を貫通形成して、カム板27をピン33の小径軸部39に係止可能に設けるとともに、カム板27とカムベース26とを上下方向に移動規制するように係合可能な係合部48を設けてある。
【0029】
前記ピン挿通孔47は、大径軸部38を抜け出させて小径軸部39が入り込むようにピン33を挿通可能な大径孔部49と、大径軸部38よりも小径で、かつ、小径軸部39よりも大径の小径孔部50とを、小径孔部50を大径孔部49の上部に位置させて、大径孔部49に入り込んでいる小径軸部39が小径孔部50に径方向から入り込めるように一連に備えたダルマ形に形成してあり、大径孔部49に入り込んでいる小径軸部39が小径孔部50に径方向から容易に入り込んだり抜け出したりできるように、ピン挿通孔47の長さが小径軸部39のカムベース26からの突出高さよりも若干短くなるように設けてある。
【0030】
前記係合部48は、凹溝51を形成してあるカム固定レバー(係合部材)52を、カム板27の下部に縦軸芯X周りで揺動自在に固定して、そのカム固定レバー52の凹溝51を、板状基部30の下端側に設けてある突条部34に対して、カム板厚さ方向から係脱自在に設けてある。
【0031】
そして、カム板27をカムベース26に取り付けるときは、図12(イ)に示すようにカム板27をカムベース26側に傾けて、大径軸部38を大径孔部49に入り込ませてから、図12(ロ)に示すように、凹溝51が横側方に向くようにカム固定レバー52を揺動させた状態で、大径軸部38が大径孔部49から抜け出るようにカム板27の全体をカムベース26側に押し付けて、小径軸部39を大径孔部49に挿通し、その後、カム板27を突条部34側に押し下げることにより小径軸部39を小径孔部50に入り込ませて、図12(ハ)に示すように、カム板27をカムベース26に係止固定するとともに、凹溝51内に突条部34が入り込むようにカム固定レバー52を揺動させて、図示しないバネ等の力によって固定することにより、カム板27のカムベース26への取り付けが完了し、逆の操作で、カム板27をカムベース26から外すことができるようにしてある。
【0032】
〔第2実施形態〕
図13は、ピン33の取り付け構造の別実施形態を示し、小径軸部39の基部側を嵌入させる大径孔54と、ビス41を挿通する小径孔55とを板状基部30に同芯状に貫通形成し、雌ねじ部40を形成してある小径軸部39の基部側を板状基部30の前面側から大径孔54に嵌合させるとともに、ビス41を板状基部30の背面側から小径孔55に挿通し、ビス41をカムベース26に形成した貫通孔54,55に貫通する状態で雌ねじ部40に螺合して、小径軸部39の先端部とビス41とでカムベース26を挟んで、ピン33の小径軸部39側をカムベース26に固定してある。
【0033】
本実施形態においては、小径軸部39の、大径孔54に嵌合する部分を、6角形等の非円形に形成することにより、ピン33の小径軸部39側をカムベース26に固定する際に、ピン33が供廻りすることなく固定することが可能になる。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0034】
〔その他の実施形態〕
1.本発明によるカム板取り付け構造は、外装用チューブ嵌装装置に設けてあるカム機構だけでなく、各種装置に設けてあるカム機構に適用できる。
2.本発明によるカム板取り付け構造は、単一の可動部材を備えたカム機構に適用しても良い。
3.本発明によるカム板取り付け構造は、可動部材に固定してあるカムフォロワーにカム板を接触させて、その可動部材を横方向に移動させるように構成してあるカム機構に適用しても良い。
4.本発明によるカム板取り付け構造は、例えば、底辺側を大径孔部に形成するとともに、頂部を小径孔部に形成してある三角形のピン挿通孔を形成してあっても良い。
5.本発明によるカム板取り付け構造は、大径部と小径軸部とを一連に備えたピンの小径軸部側をカムベースに溶接固定してあっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】外装用チューブ嵌装装置の概略平面図
【図2】外装用チューブ嵌装装置の概略側面図
【図3】要部の斜視図
【図4】要部の概略正面図
【図5】要部の概略側面図
【図6】要部の斜視図
【図7】要部の縦断面図
【図8】要部の正面図
【図9】要部の縦断面図
【図10】要部の組み合わせ正面図
【図11】要部の組み合わせ縦断面図
【図12】カム板の固定方法の説明図
【図13】第2実施形態を示す要部縦断面図
【図14】従来技術の説明図
【符号の説明】
【0036】
15 カムフォロワー
19 可動部材(保持部材)
20 カム機構
21 吸着部
26 カムベース
27 カム板
33 ピン
37 把持部
38 大径部
39 小径軸部
40 雌ねじ部
41 螺合部材
42 貫通孔
46 反力受け部
47 ピン挿通孔
48 係合部
49 大径孔部
50 小径孔部
B 筒状シート材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カムベースにカム板を着脱自在に取り付けるとともに、横方向に往復移動自在に支持してある可動部材にカムフォロワーを取り付けて、前記可動部材に対する前記カムベースの上下方向に沿う相対移動で前記カム板と前記カムフォロワーとを互いに接触させて、前記可動部材を横方向に移動させるように構成し、
前記カム板と前記カムベースとを上下方向から接当させて、前記カム板の前記カムフォロワーに対する接触反力を受け止め可能な反力受け部を設けてあるカム機構におけるカム板取り付け構造であって、
大径部と小径軸部とを一連に備えたピンの前記小径軸部側を前記カムベースに対して横方向姿勢に立設固定するとともに、
前記大径部を抜け出させて前記小径軸部が入り込むように前記ピンを挿通可能な大径孔部と、前記大径部よりも小径で、かつ、前記小径軸部よりも大径の小径孔部とを、前記小径孔部を前記大径孔部の上部に位置させて、前記大径孔部に入り込んでいる小径軸部が前記小径孔部に径方向から入り込めるように一連に備えたピン挿通孔を前記カム板に形成して、前記カム板を前記小径軸部に係止可能に設けてあるカム板取り付け構造。
【請求項2】
前記小径軸部の先端部にねじ部を形成するとともに、前記ねじ部に螺合する螺合部材を設け、
前記螺合部材を前記カムベースに形成した貫通孔に貫通する状態で前記ねじ部に螺合して、前記小径軸部の先端部と前記螺合部材とで前記カムベースを挟んで、前記ピンの前記小径軸部側を前記カムベースに固定してある請求項1記載のカム板取り付け構造。
【請求項3】
前記カム板と前記カムベースとを上下方向に移動規制するように係合可能な係合部を、カム板厚さ方向から係脱自在に設けてある請求項1又は2記載のカム板取り付け構造。
【請求項4】
前記カム板の前記カムフォロワーに向けての移動方向上手側に、そのカム板を把持可能な把持部を設けてある請求項1〜3のいずれか1項記載のカム板取り付け構造。
【請求項5】
前記可動部材が、扁平に折り畳んである容器外装用筒状シート材の両面を各別に吸着保持可能な吸着部を備えた左右一対の保持部材であって、前記一対の保持部材を遠近方向に相対移動自在に支持するとともに、前記保持部材の夫々に取り付けたカムフォロワー間に前記カム板を侵入自在に設けて前記カム機構を構成し、
前記カム機構による前記一対の保持部材どうしを離間移動させる操作により、それらの保持部材に吸着保持している容器外装用筒状シート材を径方向に拡開可能に設けてある請求項1〜4のいずれか1項記載のカム板取り付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−69644(P2006−69644A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−257115(P2004−257115)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(000001904)サントリー株式会社 (319)