説明

カメラシステム

【目的】この発明のカメラシステムにあっては、1本の信号経路で発光制御とデータ通信を行うために、信号経路切換命令のデータを定めて、このデータを受信したらデータ通信用から制御用に信号経路を切換えることを特徴とする。
【構成】このカメラシステムは、カメラ本体1と、フラッシュ装置7に信号を送信する送信機3と、上記カメラ本体1からフラッシュ装置7へ送信する1本の通信経路と、送信機3からの信号を受信する受信機5を有している。この受信機5で受信された信号は、上記フラッシュ装置7の通信機能データ若しくはフラッシュ装置7の発光制御データに応じて受信機5内のセレクタ21で選択的に切換えられる。このセレクタ21は、上記フラッシュ装置7の発光制御データの信号経路として使用することを表すデータが伝達された際のみ、信号経路を発光制御側に切換える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はカメラシステムに関し、特にデータ通信として制御信号を授受するカメラとフラッシュから成るシステムに於いて該カメラとフラッシュ間の信号用ラインを少なくしたカメラシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、フラッシュ装置を使用して写真撮影するには、フラッシュ装置をカメラ本体の上に装着(クリップオン)する場合と、フラッシュ装置をカメラ本体とは別の位置に設置する場合とがある。フラッシュ装置とカメラ本体を別の位置に設置する場合、フラッシュを発光させるための制御信号を送信するための信号経路として、コードがよく使用される。
【0003】しかしながら、コードを使用すると、その配線に手間がかかるうえ、コードの上を歩行しようとして足にひっかけてしまう危険性があり、カメラやフラッシュ装置を破損する可能性があった。
【0004】そこで、例えば電波、赤外光、可視光等、無線を利用してフラッシュの発光制御を行うようにすれば、こうした不都合はなくなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フラッシュ装置がカメラから離れた位置にあると、フラッシュ装置の設定値(発光モードや照射角等)を変更したい場合、その度に撮影者がフラッシュ装置の設置場所に行って、設定値変更の操作をしなければならなず、手間の掛かるものであった。そこで、この手間を省くため、発光制御用の信号経路の他に、データ通信用の信号経路を用意することが考えられた。すなわち、カメラ本体側でフラッシュ装置の設定変更操作を行うと、カメラ本体側からはフラッシュ装置側へデータ通信用の信号経路を通じてその情報が伝えられる。そして、フラッシュ装置は、その情報に基いて設定値を変更するというものである。
【0006】このデータ通信を実現するには、例えば電話回線を信号経路とし、モデムによって信号の変調及び復調を行って、複数のコンピュータ同志が互いに通信するのと同じように、電波、赤外光、可視光等の無線を信号経路とし、適当な変調及び復調を行うカメラシステムを構築すればよい。
【0007】ところが、このような構成のカメラシステムでは、信号経路は2本必要である。このことはすなわち、変調及び復調の回路が2つ必要であることを意味し、コストが高いという不利益があり、また機材が大型化するのを免れないものであった。
【0008】更に、例えば小電力無線局などの場合には、使用できる信号経路(チャンネル)は数に限りがあり、また公共の資源であると見なされるので、2チャンネルを占拠するのは好ましいことではない。そのため、1つの信号経路で発光制御の通信とデータ通信ができればよいのであるが、発光制御の通信はリアルタイムで行われなければならない。
【0009】発光及び発光停止をデータとして通信しようとすると、遅れが発生する。例えば8ビットの信号を送信する場合、スタートビットとストップビットが必要なため、最低限10ビット分の時間が必要である。いま、通信速度が1200bpsであるとすると、最低8.3msecの遅れが発生する。すると、この時間遅れにより、(i) シャッタ速度を十分遅くしないと幕切れが発生する、(ii)フラッシュ光は数msec以内に閃光発光するため、8.3msecの遅れがあると発光停止は不可能である、という課題がある。
【0010】この発明は上記課題に鑑みてなされたもので、1本の信号経路で発光制御とデータ通信を行うことの可能なカメラシステムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわちこの発明は、カメラ本体に設けられ、フラッシュ装置に信号を送信する送信手段と、上記カメラ本体から上記フラッシュ装置へ送信する1本の通信経路と、上記送信手段からの信号を受信する受信手段と、この受信手段によって受信された送信手段からの信号を上記フラッシュ装置の通信機能を有する第1制御手段若しくは上記フラッシュ装置の発光を制御する第2制御手段の何れかに選択的に切換えて出力する切換手段と、この切換手段を常時上記第1制御手段側に切換えておくと共に、上記送信手段によって、信号経路を上記フラッシュ装置の発光制御信号の経路として使用することを表すデータが伝達された際に、上記切換手段の経路を上記第2制御手段側に切換える制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
【作用】この発明のカメラシステムにあっては、カメラ本体とフラッシュ装置間の信号経路を1本とし、通常はその信号経路をデータ通信用として使用する。そして、フラッシュ装置の発光を行う場合は、予めデータ通信により、その信号経路を発光制御用に使用することを宣言し、その後、上記信号経路を使用して発光及び発光停止動作をリアルタイムで行うようにしている。また、上記発光制御用の宣言を行った場合、一定時間後に上記信号経路をデータ通信用に戻すようにしている。更に、システムの拡張に対応するため、データ通信用の信号経路に戻すまでの復帰時間を、データ通信によって設定できるようにする。
【0013】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
【0014】図2はこの発明の第1の実施例で、カメラシステムが適用されたカメラ、フラッシュ装置及びその周辺機器の外観図である。同図に於いて、1はカメラ本体であり、ここでは1眼レフレックスカメラが想定される。カメラ本体1にはレリーズスイッチ(RELSW)2が設けられており、このRELSW2のオンにより写真撮影が行われる。また、カメラ本体1には、着脱可能な送信機3が取付けられ、その着脱部には種々の信号のやりとりを行うための図示されない接触端子が設けられている。
【0015】上記送信機3は、カメラ本体1に着脱が可能なカメラアクセサリであり、後述する受信機5との無線通信が可能である。送信機3の外部には、例えば固定されたアンテナ4が設置されており、このアンテナ4を通じて、カメラ本体1からのデータや発光制御信号がFM変調されて受信機5に送られる。
【0016】受信機5には、その外部に送信機3から送られてきたFM信号を受信するためのアンテナ6が設置されている。これにより、FM信号が取出され、復調されて元の信号に戻される。更に、受信機5には、フラッシュ装置7を取付けるためのホットシュー(図示せず)が設けられており、このホットシューの接触端子を通じてフラッシュ装置にデータ及び発光制御信号が出力される。
【0017】フラッシュ装置7は発光及び発光停止の機能を有したもので、テスト発光が可能なものである。そして、フラッシュ装置7の前面には、発光部8が設けられている。
【0018】図1は、図2のカメラ、フラッシュ装置及びその周辺機器を概略的に示したブロック構成図であり、(a)はカメラ本体1と送信機3、(b)は受信機5とフラッシュ装置7を示している。
【0019】図1(a)に於いて、カメラ本体1内には、カメラの動作を制御する部分で他のアクセサリとの通信も行うためのカメラCPU(CCPU)9が搭載されている。このCCPU9は、RELSW2のオン、オフをモニタすると共に、MGドライバ10を介して先幕マグネット(FBMG)11、後幕マグネット(SBMG)のドライバを、FB、MGのラインでオン、オフ制御する。上記FBMG11、SBMG12は、それぞれ先幕及び後幕を係止しているマグネットであり、MGドライバ10はその駆動用ドライバである。これらは、CCPU9からの制御信号ラインFB、SBによりオン、オフが制御される。
【0020】自動露光(AE)回路13は、CCPU9からの測光積分値リセット信号AERSTが解除、すなわちローレベル(L)にされると、このAE回路13に接続された測光用ダイオード(PLD)14に流れる電流の積分を開始する。そして、その積分値をアナログ値AEDTで出力する(測光積分値)。
【0021】また、先幕スイッチ(FSW)15は、先幕が走行完了した時にオンするスイッチで、この場合オンするとLになる。尚、このスイッチの信号は、発光信号X1として出力される。
【0022】上記CCPU9は、FSWのオン、オフをもモニタする他、TTL1から発光停止信号を出力する。また、AE回路13からの出力値AEDTもモニタする。送信機3は、上記カメラ本体1と、接触端子X1、TTL1及びDT1を介して接続されるもので、オア回路16、セレクタ17、送信用CPU(TCPU)18、送信部19及びアンテナ4で構成される。
【0023】上記セレクタ17は、端子a、b、切換端子c、及び制御端子dを有した構成となっている。送信信号として出力する信号として、オア回路16の出力であるXT1と、DT1の何れかがTCPU18の制御により選択される。端子dがLの場合は端子bと端子cが繋がり、ハイレベル(H)の場合は端子aと端子cが繋がる。
【0024】上記端子cから出力される送信信号は、TCPU18でモニタされると共に、送信部19に送られて送信信号がFM変調(ここでは2値FSKの形に変調する)されて高周波増幅される。その後、TX端子を介して外部に設置されたアンテナ4により、電気信号が電磁波に変換される。
【0025】一方、図1(b)に於いて、受信機5は、外部に設置されているアンテナ6の他、受信部20、セレクタ21、受信用CPU(RCPU)22及びX,TTL制御回路23で構成される。
【0026】図1(a)の送信機3のアンテナ4から送信された信号は、アンテナ6にて電磁波が捕らえられて電気信号に変換される。そして、RX端子を介して受信部20に引込まれてFM復調が行われ、元の信号に戻される。
【0027】セレクタ21は、切換端子f、端子g、h、及び制御端子iを有した構成となっている。RCPU22の制御により、受信信号をRCPU22及びDT2に出力するか(端子f−g接続)、X,TTL制御回路23に出力するか(端子f−h接続)、切換端子fを切換える。制御端子iがLの場合には端子fと端子gが繋がり、Hの場合には端子fと端子hが繋がる。
【0028】RCPU22は、受信機5に搭載されているCPUであり、セレクタ21を通して受信信号を受取る。X,TTL制御回路23のXTEna端子を通してX,TTLの許可、禁止制御を行ったり、セレクタ21の切換え制御を行う。
【0029】更に、X,TTL制御回路23は、X2、TTL2より発光信号、発光停止信号を出力するものである。XTEna端子がLの場合は、X2、TTL2は強制オフとなり(すなわち禁止状態)、Hの場合にはイネーブルとなる。X2はXTEnaがHになった後にセレクタ21からの信号の最初の立下がりでオンとなり、TTL2は最初の立上がり信号でオンとなる。
【0030】フラッシュ装置7は、フラッシュ用CPU(FCPU)24、発光制御回路25、昇圧回路27等で構成される。
【0031】FCPU24は、フラッシュ装置7内のCPUであり、DT2よりシリアルデータを入力して読込む。この受取ったデータを基に、X3(テスト発光時等の発信信号)、TTLEna(TTL発光制御イネーブル)のラインを制御する。
【0032】また、発光制御回路25は、キセノン(Xe)管26を備えており、このXe管26の発光、或いは発光停止を制御する回路である。更に、昇圧回路28は、スイッチ28を介して電池(BT)29の電圧を昇圧して、メインコンデンサ(MC)30を充電するものである。
【0033】図3は、図1(a)の送信機3の構成を示すブロック図である。同図に於いて、送信機3は、FSK(Frequency Shift Keying)発振器31と、帯域フィルタ32と、搬送波(高周波信号)を電力増幅する高周波増幅器33により構成されている。上記FSK発振器は、デジタル値0または1に対応して周波数f0 またはf1 を出力するもので、変調を発振器で行っている。また、上記帯域フィルタ32は、不必要な信号をカットし、効率良い送信を行うためのもので、バンドパスフィルタで構成される。高周波増幅器33により増幅された信号は、TX端子を介して外部のアンテナ4から出力される。
【0034】図4は、図1(b)の受信機5の構成を示すブロック図である。同図に於いて、アンテナ6より得られた微弱な高周波信号は、高周波増幅器34で増幅され、局部発振器35及び周波数変換器36にて高周波を中間周波数に変換される。次いで、この変換された中間周波数は、IF増幅器37で信号増幅され、リミッタ38により周波数信号の増幅値が一定にそろえられる。そして、FM復調器39にて周波数変調されている信号が振幅に変換(復調)され、低域フィルタ40により高周波をカットして低周波信号が取出される。その後、波形整形器41で低周波信号が波形整形されて、元のデジタル値に戻される。
【0035】次に、図5(a)及び(b)の波形図を参照して、送信部19と受信部20間のデータ通信について説明する。
【0036】同図(a)の送信側に於いて、送信信号は0と1から成るデジタル信号である。FSK発振器31の出力は、上記送信信号が0か1かによって、f0 またはf1 の周波数が発生される。尚、同図では、説明の簡単のため、f1 =2f0 としてあるが、実際にはf0 、f1 が共に数十〜数百MHz、Δf=f1 −f0 は数KHz〜数+KHzである。
【0037】一方、同図(b)は受信側の信号波形を示すもので、受信部20が受信する信号は、高周波増幅器34の出力に示されるように、雑音が入ったり、歪が入ったりするために振幅値は一定にならない。この高周波増幅器34の出力の高周波信号は、局部発振器35及び周波数変換器36により中間周波数(例えば10.7MHz等)に変換され、IF増幅器37を通して図示の如く信号になる。
【0038】そして、上記信号は振幅が一定値でないと復調信号が歪むため、リミッタ38により振幅が揃えられる。こうして振幅が揃えられた信号は、FM復調器39により復調され、更に低域フィルタ40を通すことにより、図示のような低周波信号が得られる。この低周波信号が波形整形されると元のデジタル信号となり、これが受信信号になる。
【0039】次に、図6を参照してデータ通信について説明する。
【0040】通常のデータ通信の場合、図6(a)に示されるように、データ符号方法はNRZ(Non Return-to-Zero)である。
【0041】アイドル値、つまりデータ通信が行われていない時には“1”を出力する。データは、1キャラクタ=10ビット毎にASCIIコードを送信する。1キャラクタの構成は、スタートビット(1ビットで“0”)、データ(8ビットでASCIIコード)及びストップビット(1ビットで“1”)から成っている。
【0042】ここで、テスト発光の命令信号を、データ通信により送信する場合を想定する。“TESO:ON”という命令を送ればよいので、「TEST:ON『CR』『LF』(ここでは『CR』はデータ区切りを、『LF』は改行を表すものとする)」、すなわち全9キャラクタを順に送信すればよい。これは、ASCIIコードに直すと、54、45、53、54、3A、4F、3B、0D、0A(Hex表示)となる。
【0043】受信側は、これらのキャラクタを順に受取り、“『CR』『LF』”を受取ったところでステートメントの終了を検出し、“TEST:ON”というテスト発光命令であることを理解する。尚、『CR』『LF』の受渡しについては、これ以後省略する。
【0044】この実施例では、他に次のような命令があるものとする。
MODE:AUTO オートモード撮影(TTLによる発光停止モード)
MODE:MANU マニュアルモード撮影(フル発光モード)
TIME;*(*は数値) データ通信復帰時間Txの設定発光制御時の通信は、図6(b)に示されるようになる。
【0045】ここでは、“$”(ASCIIコードで“24”)が、発光制御へ移行の宣言子である。通常のデータ通信で“$”を最初のキャラクタとして送信すると、送信機3、受信機5は発光制御を行うための信号経路の切換えを行う。
【0046】発光制御の状態では、送信機3の中で発光開始のタイミングを決める出力X1と発光停止のタイミングを決める出力TTL1を合成して、図6(b)に示されるような形の波形を作成する。すなわち、立下がり信号により発光を開始させ、次の立上がり信号で発光を停止させる。この合成信号は受信機5中のX,TTL制御回路23にて分離され、発光開始出力X2、発光停止出力TTL2となる。
【0047】また、送信機3、受信機5の中のTCPU18、FCPU24は、データ通信復帰時間Txが経過すると、自動的に元のデータ通信用の信号経路に戻す。この復帰時間Txは、デフォルト値として0.5secとなっているが、“TIME:*(*は数値)”をデータ通信することにより変更ができる。
【0048】次に、図7乃至図12を参照して、各CPUの動作を説明する。
【0049】初めに、図7乃至図8のフローチャートを参照して、カメラ本体1内のCCPU9の動作を説明する。
【0050】先ず、ステップS1にて、TTL1を“1”にセットする。次いで、ステップS2で、AERSTを“1”にセットする。このセットにより、測光積分値は0(リセット)になる。そして、ステップS3では、“TIME:*(*は数値)”を送信する。この命令は、データ通信復帰時間Txの設定を指示するものである。例えば、Txを0.2秒と設定する場合は、“TIME:0.2”を送信する。
【0051】次に、ステップS4に於いて、カメラのモード設定、すなわち絞り優先オート撮影(シャッタスピードを自動設定する)か、マニュアル撮影(シャッタスピード、絞りを自分で設定する)かの選択スイッチ(図示せず)の切換えが行われたか否かを判定する。切換えが行われた時は、ステップS5に分枝し、選択スイッチの切換えにより、“MODE:AUTO”または“MODE:MANU”を送信する。
【0052】次いで、ステップS6に於いて、カメラ側の釦等(図示せず)による操作によりテスト発光させるか否かを判定する。テスト発光させる場合には、ステップS7に分枝し、“TEST:ON”を送信し、テスト発光させる。また、ステップS8で、テスト発光に要する時間だけ待機する。
【0053】ステップS9では、RELSW2のオン、オフのモニタにより次の動作を判定する。ここで、RELSW2がオフの場合にはステップS4に戻り、オンの場合にはステップS10に進む。
【0054】ステップS10では、“$”を送信することにより、発光制御を行うことを宣言する。次いで、ステップS11にてFBMG11、SBMG12をオンさせるために、FB、SB信号を“1”にする。そして、ステップS12にて、図示されないミラー駆動モータ及びドライバを操作してミラーアップし、ステップS13で絞り駆動モータ及びドライバ(共に図示せず)を操作して絞り込みを行う。
【0055】次に、ステップS14で、TTL1を“0”にセットする。この状態でフラッシュ装置が発光可能となる。ステップS15では、FBを“0”にセットし、FBMG11をオフにする。この操作により先幕がスタートする。
【0056】そして、ステップS16に於いて、カメラのモード設定を判定し、このモード設定がマニュアルであればステップS17へ、またオートであればステップS18へ、それぞれ分枝する。
【0057】ステップS17では、シャッタスピードの時間だけ待機する。この間にFSW15がオンし、発光開始の信号が送信される。尚、この時はTTL制御はなされない。
【0058】一方、カメラモードがオートである場合、ステップS18にて、AERSTを“0”にセットし、測光積分を開始する。次いで、ステップS19にて、FSW15のオン、オフのモニタにより、FSW15の状態を判定する。ここで、オフであればステップS20へ、オンであればステップS21へ、それぞれ分枝する。
【0059】ステップS20では、測光積分値AEDTが適正露光値AEEXPより大きな値になったかどうかを調べ、AEDT<AEEXPであればステップS19へ戻る。一方、ステップS21では、AEDT≧AEEXPになるまで待機する。
【0060】次いで、ステップS22にて、TTL1を“1”にセットし、発光停止を指示する。但し、ステップS18→ステップS19→ステップS20→ステップS22の経路の場合は、発光禁止の指示になる。これは、FSW15のオンよりも早くTTL1を“1”にするため、発光開始信号は送信されないからである。
【0061】次に、ステップS23では、SBを“0”にセットし、SBMG12をオフにする。この操作により、後幕がスタートする。そして、ステップS24にて、後幕が終了するまで待機する。
【0062】この後、ステップS25〜ステップS28では、何れも図示されない絞り開放、ミラーダウン、シャッタチャージ、フィルム巻上げの各操作を行う。
【0063】次に、図9のフローチャートを参照して、送信機3内のTCPU18の動作を説明する。
【0064】先ず、ステップS31でセレクタ17の制御端子dを“0”にセットする。これにより端子bと切換端子cが接続される。次に、ステップS32にて、データ通信復帰時間Txをデフォルト値の0.5secに設定し、ステップS33にてスタートビットの検出をするまで待機する。
【0065】次いで、ステップS34にて、最初の1キャラクタを読込み、ステップS35で、そのキャラクタをD(1)としてメモリに書込む。そして、ステップS36に於いて、D(1)が“$”であるか否かを判定し、D(1)=“$”である場合はステップS37へ進んで発光制御の準備を行う。一方、D(1)が“$”ではない場合は、後述するステップS40へ分枝して、その後にくるキャラクタを読込む。
【0066】ステップS37では、セレクタ17の制御端子dを“1”にセットする。これにより、端子aと切換端子cが接続される。そして、ステップS38にて復帰時間Txだけそのまま待機した後、ステップS39でセレクタ17の制御端子dを“0”に戻して、通常のデータ通信に復旧する。
【0067】上記ステップS40では、n=1にセットし、ステップS41にてスタートビットの検出をするまで待機する。そして、ステップS42で、次のキャラクタを読込む。次いで、ステップS43にて、nに1を加えたものをnとし、更にステップS44でメモリにD(n)として書込む。
【0068】ここで、ステップS45に於いて、D(n)が“『LF』”かどうかを調べ、“『LF』”でなければステップS41に戻って次のキャラクタを読込む。一方、D(n)が“『LF』”であったならば、ステップS46へ進む。
【0069】ステップS46では、D(1)〜D(n)をメモリから読出してステートメントSTとする。次いで、ステップS47で、ステートメントが“TIME:*(*は数値)”以外ならば、ステップS33に戻る。一方、上記ステップS47にてステートメントが“TIME:*”であったならば、ステップS48に進んで、復帰時間Txを*secに設定する。その後、ステップS33に戻る。
【0070】次に、図10のフローチャートを参照して、受信機5内のRCPU20の動作を説明する。
【0071】初めに、ステップS51にて、セレクタ21の制御端子iを“0”にセットする。これにより、切換端子fと端子gが接続される。次いで、ステップS52で、XTEnaを“0”にセットし(発光禁止状態)、ステップS53でデータ通信復帰時間Txをデフォルト値の0.5secに設定する。
【0072】そして、ステップS54に於いて、スタートビットを検出するまで待機する。スタートビットを検出したならば、ステップS55に進み、最初の1キャラクタを読込む。ステップS56では、そのキャラクタをD(1)としてメモリに書込む。そして、ステップS57にて、D(1)が“$”であるか否かを判定し、D(1)が“$”である場合はステップS58へ進んで発光制御の準備を行う。一方、“$”でない場合は後述するステップS61へ分枝して、その後にくるキャラクタを読込む。
【0073】ステップS58では、セレクタ21の制御端子iを“1”にセットする。これにより、切換端子fと端子hが接続される。そして、ステップS59にて、XTEnaを“1”にセットし(発光可能状態)、更にステップS60で復帰時間Txだけ待機する。そして、ステップS61にて、XTEnaを“0”にセットする(発光禁止状態)。その後、ステップS62にて、セレクタ21の制御端子iを“0”に戻して、通常のデータ通信に復旧する。
【0074】上記ステップS57に於いて、D(1)=“$”でない場合は、ステップS63に分岐してn=1をセットする。そして、ステップS64に於いて、スタートビットを検出するまで待機する。その後、ステップS65で、次のキャラクタを読込む。
【0075】次いで、ステップS66にて、nに1を加えたものをnとし、その後、ステップS67でメモリにそのキャラクタをD(n)として書込む。そして、ステップS68に於いて、D(n)が“『LF』”かどうかを調べる。ここで、NOであればステップS64に戻って次のキャラクタを読込み、一方YESであればステップS69に進む。
【0076】このステップS69では、D(1)〜D(n)をメモリから読出し、ステートメントSTとする。次いで、ステップS70にて、ステートメントが“TIME:*(*は数値)”以外であればステップS54に戻る。一方、ステートメントがTIME:*”であったならば、ステップS71に進んで復帰時間Txを*secに設定する。その後、ステップS54に戻る。
【0077】図11及び図12は、フラッシュ装置7内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【0078】同図に於いて、ステップS81で、TTLEnaを“0”にセットする(TTL制御禁止状態)。次いで、ステップS82で、データ通信復帰時間Txをデフォルト値の0.5secに設定し、ステップS83にてスタートビットを検出するまで待機する。
【0079】このステップS83にてスタートビットを検出したならば、ステップS84に進んで最初のキャラクタを読込む。そして、ステップS85にて、そのキャラクタをD(1)としてメモリに書込む。次いで、ステップS86に於いて、D(1)が“$”であるか否かを判定する。D(1)=“$”である場合はステップS87へ進んで復帰時間Txだけ待機した後、ステップS83に戻る。D(1)=“$”でない場合は、ステップS88へ分枝する。
【0080】ステップS88では、n=1をセットする。そして、ステップS89に於いて、スタートビットを検出するまで待機する。次いで、ステップS90にて、次のキャラクタを読込み、ステップS91にてnに1を加える。更に、ステップS92では、そのキャラクタをメモリにD(n)として書込む。
【0081】次に、ステップS93に於いて、D(n)が“『LF』”かどうかを調べ、NOであったならばステップS89に戻って次のキャラクタを読込み、YESであったならば、ステップS94へ進む。
【0082】このステップS94では、D(1)〜D(n)をメモリから読出し、ステートメントSTとする。そして、ステップS95に於いて、ステートメントSTが“TIME:*”であったならば、ステップS96へ分枝し、復帰時間Txを*secに設定する。この後、ステップS83へ戻る。
【0083】上記ステップS95で、ステートメントSTが“TIME:*”でなかったならば、次のステップS97に進んで、ステートメントSTが“MODE:AUTO”であるか否かを判定する。ここで、“MODE:AUTO”であったならばステップS98へ分枝し、TTLEnaを“1”にセットする(TTL制御を可能にする)。この後、ステップS83に戻る。
【0084】上記ステップS97で、ステートメントSTが“MODE:AUTO”でなかったならば、更にステップS99に於いて、ステートメントSTが“MODE:MANU”であるか否かを判定する。ここで、“MODE:MANU”であったならば、ステップS100に分枝して、TTLEnaを“0”にセットする(TTL制御を禁止する)。この後、ステップS83に戻る。
【0085】ステップS99にて、ステートメントSTが“MODE:MANU”でなかったならば、ステップS101にて、ステートメントSTが“TEST:ON”か否かを判定する。このステートメントSTが“TEST:ON”であったならば、ステップS102へ進み、それ以外はステップS83へ戻る。
【0086】こうして、ステップS102では、X3を“0”にセットする(テスト発光させる)。次いで、ステップS103及びステップS104で、適当な時間が経過した後、X3を“1”に戻す。この後、ステップS83に戻る。
【0087】次に、このカメラシステムの全体の動作について説明する。
【0088】第1の実施例のカメラシステムは、カメラ本体1、送信機3、受信機5及びフラッシュ装置7から成っている。そして、図2に示されるように、カメラ本体1に送信機3を装着し、同様に受信機5にフラッシュ装置7をクリップオンする。
【0089】次に、それぞれの機器の電源スイッチ(図示せず)をオンする。このとき、送信機3、受信機5、フラッシュ装置7は、上述した図9乃至図12のフローチャートに従って動作する。
【0090】カメラ本体1は、撮影可能な状態にセットした後、写真撮影の準備状態になったならば、図7及び図8のフローチャートに従った動作をする。
【0091】カメラ本体1は、必要に応じてデータ通信を行う。同実施例では、データ通信によって行うコマンドとして、データ通信復帰時間Txの設定、撮影モードの切換え、テスト発光の指示を取上げた。これらのコマンドは、送受信機を通して、最終的に同じデータの形でフラッシュ装置7に送られる。送信機3、受信機5はこれらのコマンドを通常無視するが、データ通信復帰時間Txについてはフラッシュ装置7と同様、データをメモリに書込むようになっている。
【0092】カメラはリレーズボタンが押されたとき、撮影シーケンスに入ると共に、“$”をデータ通信を使って出力することにより、データ通信用の信号経路、すなわち無線を発光制御用の信号経路として使用することを宣言する。この宣言子を受け取った送信機3、受信機5は、直ちに内部のセレクタ17、21を切換えて、X端子(発光開始信号)とTTL信号(発光停止信号)の入出力経路を作る。
【0093】送信機の中でX端子からの信号、すなわちFSW15のオン信号を立下がり信号として、また、TTL端子からの信号を立上がり信号として、1つの信号に合成し、受信機5へ送信する。受信機5は、その2つの信号を内部で分離し、フラッシュ装置7のX端子、TTL端子へそれぞれ発光開始信号と発光停止信号を出力する。
【0094】尚、カメラ本体1のシーケンスについては図7及び図8にて説明してあるので、以下の説明は省略する。
【0095】更に、同実施例ではテスト発光はカメラに設けられた操作釦で行うようにしているが、これに限られるものではない。例えば、カメラ本体に接続可能なキーボードや、図示されないスイッチ等の操作によりテスト発光の命令信号が送られるものであってもよい。例えば、上記キーボードを使用する場合、“TESTON”に該当するキーをオンすることにより、命令信号は送られる。
【0096】また、上述した実施例では、データ通信のコマンドが4つしかなかったが、実際には数多くのコマンドを用意してフラッシュ装置7をカメラ本体1側からコントロールすることができる。その例を次に掲げる(但し、ここでは具体的な構成は省略する)。
【0097】(1) 発光モード命令(MODE:)…TTL制御(AUTO)、マニュアル制御(MANU)、フル発光(FULL)、(2) マニュアル発光設定(MANU:)…発光量(*)、(3) 照射角度設定(ANG:)…角度(*)、(4) 雲台操作命令(STG:)…上方移動(UP)、下方移動(DN)、右移動(RT)、左移動(LT)、停止(ST)、(5) 通信モード変更…データ通信復帰時間設定(TIME:*)、ボーレート変更命令(BAU:*)、(6) 表示命令(DISP)…文字(*)、クリア(CLR)、(7) AF用LED(AFIL:)…点灯(ON)、消灯(OFF)、(8) 初期化命令…(RST)
次に、これら(1) 〜(8) のコマンドを説明する。
【0098】(1) の発光モードには、AUTO(TLL制御)、MANU(マニュアル設定された分だけ発光)、FULL(フル発光)の3つがある。尚、上述した実施例のように、マニュアル設定機能が無い場合は、MANUはフル発光FULLと同じになる。
【0099】(2) のマニュアル設定(“MODE:MANU”)の場合、発光量を設定することができる。但し、“MANU:*”のうち*は数値を表す。
【0100】(3) の照射角度設定は、Xe管及び反射傘を前後に移動させることにより変えることができる。その時のコマンドは、“ANG:*(*は数値)”となる。
【0101】(4) の雲台操作命令は、雲台を備えてフラッシュ装置7の方向を変える。“STG:UP”で上方、“STG:DN”で下方、“STG:RT”で右方向、“STG:LT”で左方向、そして“STG:ST”で停止する。
【0102】(5) の通信モード変更には、データ通信復帰時間設定の他、ボーレート変更の命令も行うことができる。
【0103】(6) の表示は、フラッシュ装置7の背面に液晶表示を備えてある場合、カメラ本体1側からその表示を行わせることができる。
【0104】(7) のAF用LEDは、AF補助光がフラッシュ装置7に備わっている場合、点灯/消灯を制御する。
【0105】(8) の初期化は、フラッシュ装置7の各モードを初期状態に戻したい場合、“RST”を送信する。
【0106】次に、この発明の他の実施例について説明する。
【0107】上述した第1の実施例のシステムによれば、カメラとフラッシュの間のコードは不要となるので、距離的制限は無線の範囲内ならば気にする必要がなく、しかも機器を破損する心配がない。
【0108】特に無線として電波を採用した場合は、カメラとフラッシュとの間に遮るものがあっても通信可能であり、到達距離も大となるのでユーザにとっては便利であるという効果を有している。
【0109】しかしながら、無線によっては、信号の伝達に時間的な遅れが発生することがある。例えば、無線として特定小電力無線を使用すると、ある1つのチャンネル(回線)を選択した場合に、その電波が隣りあったチャンネルに侵入して妨害することのないよう、使用帯域の制限がある。このため、帯域フィルタによって通信速度は、ある一定値以上にはできない。すなわち、回線自体に時間的遅れが存在する(およそ400〜500μsec程度である)。
【0110】したがって、無線により発光制御を行う場合、発光開始信号がカメラから出力されても、実際にフラッシュが受取るのは0.5msec後ということになる。有線時には1/250秒までの同調が可能であるとすると、数1に示される関係式のようになり、同調可能なシャッタ速度は遅くなる。
【0111】
【数1】


また、発光停止信号も遅れるので、露出オーバとなる。閃光発光の場合、発光は数msecで完了してしまうので、ほとんどフル発光になってしまうことも多い。
【0112】そこで、以下に述べる実施例に於いては、無線による発光制御を行う場合の回線の時間遅れによる不都合をなくすようにしている。
【0113】具体的には、いま、無線回線の遅れをtd とする。
【0114】そして、発光予測の例として、次のように動作する。
【0115】i)カメラ側は、先ず無線によりフラッシュを制御するということを検出手段によって認識する。ii)カメラは、シャッタ幕が走行し終った時に出力する第1の発光開始信号発生手段と、その発生手段の信号よりもtd だけ早く信号を発生する第2の発光開始信号発生手段を有していて、上記i)によって無線による発光制御を認識すると、第2の発光開始信号発生手段からの信号をフラッシュに出力する。iii)フラッシュは、td 後にその発光開始信号を受取るので、有線接続による発光制限と全く同様のタイミングで発光を開始する。
【0116】また、他の発光予測の例に於いては、次の通りである。
【0117】i)カメラ側は、先ず無線によりフラッシュを制御するということを検出手段によって知り、尚且つ、TTL調光モードが選択されたことを検出する。ii)カメラは、データ通信によって、フラッシュの発光モードを単位時間当たりの発光量が一定である発光モード、すなわちフラット発光モードに設定する。iii)カメラは、フラッシュに発光開始信号を出力する。iv)ダイレクト測光により光量積分を行う。v)カメラ側の発光制御手段は、光量積分をモニタする。このとき、フラッシュはフラット発光なので、この積分はほぼ直線的に単調増加してゆく。したがって、この傾きにより、発光停止するべき時刻te を予測することができる。vi)カメラ側は、その予測値te よりtd だけ早い時刻、すなわちte −td に発光停止信号を出力する。vii )フラッシュはtd 後、すなわちte の時刻に発光停止信号を受取り、発光を終了する。
【0118】図13は、この発明の他の実施例に従ったカメラシステムのカメラ、フラッシュ装置及びその周辺機器を概略的に示したブロック構成図であり、(a)はカメラ本体1′と送信機3′、(b)は受信機5とフラッシュ装置7′を示している。尚、上述した第1の実施例と同じ部分には同一の参照番号を付して、その説明は省略する。
【0119】図1(a)に於いて、カメラ本体1内には、カメラの動作を制御する部分で他のアクセサリとの通信も行うためのカメラCPU(CCPU)9が搭載されている。このCCPU9は、AE回路13の出力値をA/D変換回路42でA/D変換した値AEDTや、RELSW2及びモード設定部43からの信号をモニタする。また、CCPU9は、無線通信機が接続されたことをチェックする検出機能も有すると共に、シャッタ幕係止マグネットFBMG11、SBMG12の制御や第2発光開始信号Xbや発光停止信号TTL1を出力し、更にセレクタ信号X.selにより、第1及び第2の発光開始信号Xa、Xbの何れかをX1としてアンドオアゲート44から出力させるための切換信号ラインを有している。
【0120】上記モード設定部43は、カメラ及びアクセサリのモードをコントロールするための設定手段であり、ここでは特にTTL調光の設定が可能なものである。
【0121】更に、FSW15は、第1の発光開始信号Xaの発生手段であり、シャッタ先幕の先行完了に同期してオンになる。このXaは、アンドオアゲート44のX.sel端子をLにしたときに選択される。
【0122】尚、WLD端子は、ワイヤレスフラッシュが接続されているかどうかを検出するためのものである。
【0123】送信機3′に於いて、TCPU18は、セレクタ17のd端子を制御する。また、TCPU18は、送信機3′の図示されないパワースイッチがオンしているときには、トランジスタQ1をオンして、WLD端子を通して、CCPU9に無線制御フラッシュであることを伝達する。
【0124】図13(b)に示されるフラッシュ装置7′に於いて、FCPU24は、DT2よりシリアルデータを入力し、読込むものである。また、FCPU24は、DT2から受取ったデータを基に、X3(テスト発光時等の発光信号)、TTLEna(TTL発光制御イネーブル)、F.MODE(F.MD:閃光発光とフラット発光の切換え)の各ラインを制御する。
【0125】同実施例に於ける送信機3′の送信部19、受信機5の受信部20の構成、送信部19と受信部20間のデータ通信、通常のデータ通信、発光制御時の通信については、上述した第1の実施例の図3乃至図6と同じであるので、説明は省略する。
【0126】次に、図14乃至図19を参照して、各CPUの動作を説明する。
【0127】初めに、図14乃至図16のフローチャートを参照して、CCPU9の動作を説明する。
【0128】先ず、ステップS111にて、Xb、すなわち第2発光開始信号を“1”(OFF)にセットする。次いで、ステップS112でTTL1を“1”にセットし、ステップS113でAERSTを“1”にセットする。これにより測光積分値は0(リセット)になる。そして、ステップS114に於いて、ワイヤレスフラッシュが接続されているかどうかをWLD端子から検出する。すなわち、WLDが“0”ならばワイヤレスフラッシュが接続されており、“1”ならばワイヤレスフラッシュではないと判断する。
【0129】WLD端子の検出によってワイヤレスフラッシュ接続であれば、ステップS115に進んでカメラのモード設定部43により、TTL調光モードになっているかどうかを判定する。ここで、TTL調光でなければ、ステップS116に進んで“MODE:MANU”をデータラインより出力する。一方、TTL調光でならば、ステップS117に進んで“MODE:FLAT”をデータラインより出力する。
【0130】ステップS118及びS119では、カメラのモード設定切換え、若しくはRELSW2オンが検出されない限り、このループを繰返す。上記ステップS118で、モード設定が切換えられた場合にはステップS114へ戻り、RELSW2がオンした場合には次のステップS120へ進む。
【0131】このステップS120にて、RELSW2がオンになると、“$”を送信して、発光制御を行うことを宣言する。次いで、ステップS121で先幕マグネットFBMG11、後幕マグネットSBMG12をオンさせるために、FB、SB信号をそれぞれ“1”にする。そして、ステップS122にて、図示されないミラー駆動モータ及びドライバを操作してミラーアップし、ステップS132で絞り駆動モータ及びドライバ(共に図示せず)を操作して絞り込みを行う。
【0132】次に、ステップS124で、X.selを“1”にセットする。これにより、第2の発光開始信号を選択する。その後、ステップS125でTTL1を“0”にセットする。この状態でフラッシュへ発光信号を出力することが可能になる。次いで、ステップS126にて、FBを“0”にし、FBMG11をオフすることによって、先幕がスタートする。そして、ステップS127にて、一定時間待機する。この待機する時間は、シャッタの幕がマグネットオフから走行完了までの時間をts、通信用回線の信号遅れの時間をtd とすると、(ts −td )である。
【0133】ステップS128では、第2の発光開始信号Xbを“0”にする。すなわち、発光の指令を出す。その後、ステップS129に進んで、カメラの設定モードがTTL調光かどうかを調べる。このステップS129に於いて、上記設定モードがTTL調光ではない場合、ステップS130に進んで、設定されたシャッタスピード分の時間だけ待機する。その後、ステップS131にてTTL1を“1”(発光禁止状態)にして、ステップS136に進む。
【0134】一方、上記ステップS129に於いて、設定モードがTTL調光の場合、ステップS132に進んでAERSTを“0”にセットし、測光積分を開始する。次いで、ステップS133にて、CCPU9が積分値をモニタし、演算によって発光停止するべき時刻te を求める。そして、ステップS134にて、(te −td )の時刻に、TTL1を“1”にセット、すなわち発光停止の信号を出力する。その後、ステップS135にて、td だけ待機する。尚、ここでの演算法については後述する。
【0135】ステップS136でXbを“1”に戻した後、ステップS137ではSBをオフして、後幕を走行させる。次いで、ステップS138にて後幕が走行完了するまで待機する。その後、ステップS139〜ステップS142では、何れも図示されない絞り開放、ミラーダウン、シャッタチャージ、フィルム巻上げの各操作を順次行う。
【0136】一方、ステップS114に於いて、ワイヤレスフラッシュではないと判断したならば、ステップS143に進んでカメラのモード設定部43により、TTL調光モードになっているかどうかを判定する。この後のステップS144〜ステップS147、ステップS148〜ステップS153に於ける処理動作は、それぞれ上述したステップS116〜ステップS119、及びステップS121〜ステップS126に相当するので、説明は省略する。
【0137】そして、ステップS154にて、カメラの設定モードがTTL調光かどうかを調べ、TTL調光ではない場合はステップS155に進んで、設定されたシャッタスピード分の時間だけ待機する。一方、設定モードがTTL調光の場合、ステップS156に進んでAERSTを“0”にセットし、次いで、ステップS157にて、CCPU9が露光量積分を行う。その後、ステップS158にてTTL1を“1”(発光禁止状態)にして、上述したステップS137に進む。
【0138】次に、図17のフローチャートを参照して、送信機3′内のTCPU18の動作を説明する。
【0139】先ず、ステップS30にて、トランジスタQ1をオンさせ、WLD信号を“0”とする。すなわち、ワイヤレスフラッシュあることを伝達する。同実施例に於いては、上述した第1の実施例のTCPU18動作に、ワイヤレスフラッシュあることを伝達することが加わっただけである。したがって、以降のステップS31〜ステップS48の処理動作は、図9のフローチャートの処理動作と同じであるので説明は省略する。
【0140】また、受信機5内のRCPU22の動作説明のフローチャートは、図10に示されるフローチャートと同じであるので省略する。
【0141】図18及び図19は、フラッシュ装置7′内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【0142】同図に於いて、ステップS161で、TTLEnaを“0”にセットする(TTL制御禁止状態)。次いで、ステップS162にてF.MDを“0”にして、閃光発光モードにする。そして、ステップS163で、データ通信復帰時間Txをデフォルト値の0.5secに設定し、ステップS164にてスタートビットを検出するまで待機する。
【0143】このステップS164にてスタートビットを検出したならば、ステップS165に進んで最初のキャラクタを読込む。そして、ステップS166にて、そのキャラクタをD(1)としてメモリに書込む。次いで、ステップS167に於いて、D(1)が“$”であるか否かを判定する。ここで、D(1)=“$”である場合はステップS168へ進んで復帰時間Txだけ待機した後、ステップS164に戻る。
【0144】上記ステップS167に於いて、D(1)=“$”でない場合はステップS169へ進み、n=1をセットする。そして、ステップS170に於いて、スタートビットを検出するまで待機する。次いで、ステップS171にて、次のキャラクタを読込み、ステップS172にてnに1を加える。更に、ステップS173では、そのキャラクタをメモリにD(n)として書込む。
【0145】次に、ステップS174に於いて、D(n)が『CR』(キャリッジリターン)かどうかを調べ、NOであったならばステップS170に戻って次のキャラクタを読込み、YESであったならばステップS175へ進む。
【0146】このステップS175では、D(1)〜D(n)をメモリから読出し、ステートメントSTとする。そして、ステップS176に於いて、ステートメントSTが“TIME:*”であったならば、ステップS177へ分枝し、復帰時間Txを*secに設定する。この後、ステップS164へ戻る。
【0147】上記ステップS176で、ステートメントSTが“TIME:*”でなかったならば、ステップS178に進んでステートメントSTが“MODE:AUTO”であるか否かを判定する。ここで、“MODE:AUTO”であったならばステップS179へ分枝し、TTLEnaを“1”にセットする(TTL制御を可能にする)。この後、ステップS180でF.MDを“0”、すなわち閃光発光モードに設定した後、ステップS164に戻る。
【0148】上記ステップS178で、ステートメントSTが“MODE:AUTO”でなかったならば、更にステップS181に於いて、ステートメントSTが“MODE:MANU”であるか否かを判定する。ここで、“MODE:MANU”であったならば、ステップS182に分枝して、TTLEnaを“0”にセットする(TTL制御を禁止する)。この後、ステップS183でF.MDを“0”、すなわち閃光発光モードに設定した後、ステップS164に戻る。
【0149】ステップS181にて、ステートメントSTが“MODE:MANU”でなかったならば、ステップS184に進んでステートメントSTが“MODE:FLAT”であるか否かを判定する。ここで、“MODE:FLAT”であったならばステップS185へ分枝し、TTLEnaを“1”にセットする(TTL制御を可能にする)。この後、ステップS186でF.MDを“1”、すなわちフラット発光モードに設定した後、ステップS164に戻る。
【0150】また、ステップS184にて、ステートメントSTが“MODE:FLAT”でなかったならば、ステップS187にて、ステートメントSTが“TEST:ON”か否かを判定する。このステートメントSTが“TEST:ON”であったならば、ステップS188へ進み、それ以外はステップS164へ戻る。
【0151】こうして、ステップS188では、X3を“0”にセットしてテスト発光させる。次いで、ステップS189及びステップS190で、一定の時間が経過した後、X3を“1”に戻す。この後、ステップS164に戻る。
【0152】図20は、フラッシュ装置7′の回路構成の一例を示した図である。
【0153】この回路は、本出願人による特開昭59−222821号公報に記載の第1実施例を一部変形した回路である。すなわち、図示構成の如く、昇圧回路101にはパワースイッチPSWを介して電池BTが接続されている。また、アンド回路AD3 には、発振回路102、フリップフロップ(FF)回路103の出力と共にF.MDが入力される。このF.MDは、アンド回路AD2 にも入力される。
【0154】このアンド回路AD2 のもう一方の入力には、TTLEnaとTTL2を入力とするアンド回路AD1 の出力が入る。また、アンド回路AD1 の出力は、ノット回路NT3 を介してオア回路OR3 にも供給される。
【0155】更に、ナンド回路ND1 にはX2、X3が入力され、その出力がFF回路103に出されるようになっている。
【0156】尚、同図に於ける昇圧回路101、発振回路102、FF回路103、107、109、113、パルス発生回路104、114、分周回路105、カウンタ106、108、110、及び演算回路111は、それぞれ上記特開昭59−222821号公報の第1図の電源回路1、発振回路2、FF回路3、7、9、13、パルス発生回路4、14、分周回路5、カウンタ6、8、10、及び演算回路11に相当し、図20に示された他の回路構成は上記特開昭59−222821号公報の第1図のものと同じであるので、説明は省略する。
【0157】このような構成のフラッシュ装置に於いて、端子F.MDにより入力されるモードにより、閃光発光、フラット発光が切換えられる。また、X2、X3の入力により発光がなされ、TTLEnaが“1”のときにTTL2が“0”になると発光停止するようになっている。その他の詳しい動作については特開昭59−222821号公報に記載されているので、ここでは省略する。
【0158】尚、図21は、図20に示された各部の出力信号波形を示したタイムチャートである。
【0159】次に、図22を参照して、このカメラシステムに於ける第1の測光予測方法について説明する。
【0160】先ず、適正露出となる積分電位をVe とする。ここで、Ve よりも小さい電位V1 とV2 を定めておき、その電位に達する時刻をt1 、t2 とすると、Ve に達する時刻te は次のように算出される。
(t2 −t1 ):(V2 −V1 )=(te −t2 ):(Ve −V2 ) したがって、 te =t2 +((Ve −V2 )/(V2 −V1 ))・(t2 −t1 ) … (1)V1 とV2 はどんな値を設定しても算出できるが、ここでは演算を簡単にするため、V1 =(1/4)Ve とする。すると(1) 式は te =t2 +2(t2 −t1 )=3t2 −2t1 … (1)′となる。ここで回線の遅れがtd とすると、カメラ側から発光停止の信号を出力するタイミングは、 te −td =3t2 −2t1 −td … (1)″と求まる。
【0161】尚、この積分電位はリニアであると仮定しているが、実際にフラット発光を行えば、ほぼリニアな関係が得られる。但し、露光開始直後及び発光直後は、必ずしもリニアではない。しかし、この演算方法では、この予測を行うタイミングを非リニア領域から外してあるので、適正露光から外れることはない。
【0162】次に、図23を参照して、このカメラシステムに於ける第2の測光予測方法について説明する。これは、一定時刻毎に積分電位を測定する方法である。
【0163】一定時刻t1 、t2 、t3 、…、tn での測定積分電位をそれぞれV1 、V2 、V3 、…、Vn とすると、 0〜t1 時での予測 … t1 +(Ve /V1 )×t1 1 〜t2 時での予測 … t2 +((Ve −V1 )/(V2 −V1 )) ×(t2 −t1 ) t3 〜t2 時での予測 … t3 +((Ve −V2 )/(V3 −V2 )) ×(t3 −t2 ) : : tn-1 〜tn 時での予測… tn +((Ve −Vn-1 )/(Vn −Vn-1 )) ×(tn −tn-1
ここで、tn −tn-1 =Δtとすると、((Ve −Vn-1 )/(Vn −Vn-1 ))・Δt後に発光停止する時刻がやってくることを意味する。したがって、回線の遅れをtd として td =((Ve −Vn-1 )/(Vn −Vn-1 ))・Δt … (2) となるときに、発光停止信号をカメラから出力する。
【0164】次に、同実施例に於けるカメラシステムの全体の動作について説明する。
【0165】このカメラシステムは、カメラ本体1′、送信機3′、受信機5及びフラッシュ装置7′から成っている。そして、カメラ本体1′に送信機3′を装着し、同様に受信機5にフラッシュ装置7′をクリップオンする。
【0166】次いで、それぞれの機器の電源スイッチ(図示せず)をオンする。このとき、送信機3′、受信機5、フラッシュ装置7′は、図14乃至図19及び図10のフローチャートに従って動作する。
【0167】カメラ本体1′は、撮影可能な状態にセットした後、写真撮影の準備状態になったならば、図14乃至図16のフローチャートに従った動作をする。そして、カメラ本体1′は、フラッシュがワイヤレスであるのか、クリップオン若しくはワイヤードであるのかを、WLD端子の信号で判断する。そして、WLDが“1”ならば通常通りX信号とTTL信号により発光制御を行う。以下は、WLDが“0”の場合、すなわちワイヤレスフラッシュの場合について説明する。
【0168】ワイヤレスフラッシュ接続の状態で、モードは2通りユーザが選択できるようになっている。1つはTTL調光を行うものであり、もう1つはマニュアル発光の場合である。マニュアルモードに設定された場合、カメラ本体1′はフラッシュ装置7′に対し、送信機3′、受信機5を通して、TTL制御を不能(TTLEnaを“0”にする)にして、閃光発光モード(F.MDを“0”)にする。また、TTLモードの場合は、逆にTTL制御を可能(TTLEnaを“1”)にし、フラット発光モード(F.MDを“1”)にする。
【0169】レリーズスイッチが押されると、先ずカメラ本体1′は、1本しかない回線を発光制御用とするため、“$”を送信し、送信機3′、受信機5内のセレクタ17、21を発光制御のための経路に切換える。この後、露光準備一連の操作を行う。また、X.selを“1”にして、第2発光開始信号をX1より出力するようにゲートを選択する。
【0170】先幕スタートの後、(ts −td )後に第2発光開始信号を出力する。回線の遅れtd があるため、発光開始信号がフラッシュ装置7′に届けられるのは先幕スタートからts だけ後、すなわちシャッタの先幕が走行終了した時点である。ここに於いてフラッュ装置7′が発光するため、露光むらは発生しない。
【0171】また、TTLを行わない場合は、ワイヤードフラッシュで同調可能なシャッタスピードをワイヤレスの場合にも設定できることになる。
【0172】TTL制御を行う場合、フラッシュ装置7′はフラット発光となり、その単位時間当たりの光量が一定であるから、露光量の積分特性はリニアである。したがって、適正露光になる時刻te を予測することは容易である。
【0173】上述したカメラシステムに於ける第1及び第2の測光予測方法に測光予測を行い、te −td のときに、TTL1を“1”とすると発光停止信号がフラッシュ装置7′にtd 後に送られる。すなわち、適正露光となる時刻te に発光が停止する。これ以降は通常の撮影と同様、後幕スタートし、絞り開放、ミラーダウン、シャッタチャージ、巻上げを行って撮影を完了する。
【0174】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、1本の信号経路で発光制御とデータ通信を行うことの可能なカメラシステムを提供することができるので、複数の送受信システムを必要とせず、スペース、コストが小さくてすみ、また、電波等のチャンネルを不必要に占拠しないため、他の使用者にとっても便利である。更に、発光制御の宣言の後、一定時間後にデータ通信経路に自動的に復帰するため、フラッシュの誤発光の心配がない。加えて、データ通信復帰時間Txはデータ通信により変更することが可能なので、システムの拡張にも対応することができる。更に、閃光発光の場合には、ワイヤレスフラッシュでもワイヤードフラッシュでも同調可能なシャッタスピードが変わらないため、ユーザの混乱をまねくことがない。また、ワイヤレスフラッシュでもTTL調光により適正露出の写真を撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例で、(a)はカメラ本体及び送信機を概略的に示したブロック構成図、(b)は受信機及びフラッシュ装置を概略的に示したブロック構成図である。
【図2】この発明のカメラシステムが適用されたもので、(a)はカメラ本体及び送信機の外観図、(b)は、受信機及びフラッシュ装置の外観図である。
【図3】図1(a)の送信機3の構成を示すブロック図である。
【図4】図1(b)の受信機5の構成を示すブロック図である。
【図5】送信機と受信機間のデータ通信に使用されるもので、(a)は送信側の信号波形図、(b)は受信側の信号波形図である。
【図6】(a)は通常時のデータ通信のデータを示した図、(b)は発光制御時のデータ通信のデータを示した図である。
【図7】カメラ本体1内のCCPU9の動作を説明するフローチャートである。
【図8】カメラ本体1内のCCPU9の動作を説明するフローチャートである。
【図9】送信機3内のTCPU18の動作を説明するフローチャートである。
【図10】受信機5内のRCPU20の動作を説明するフローチャートである。
【図11】フラッシュ装置7内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【図12】フラッシュ装置7内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【図13】この発明の他の実施例で、(a)はカメラ本体及び送信機を概略的に示したブロック構成図、(b)は受信機及びフラッシュ装置を概略的に示したブロック構成図である。
【図14】カメラ本体1′内のCCPU9の動作を説明するフローチャートである。
【図15】カメラ本体1′内のCCPU9の動作を説明するフローチャートである。
【図16】カメラ本体1′内のCCPU9の動作を説明するフローチャートである。
【図17】送信機3′内のTCPU18の動作を説明するフローチャートである。
【図18】フラッシュ装置7′内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【図19】フラッシュ装置7′内のFCPU24の動作を説明するフローチャートである。
【図20】フラッシュ装置7′の回路構成の一例を示した図である。
【図21】図20に示された各部の出力信号波形を示したタイムチャートである。
【図22】第1の測光予測方法を説明するための時刻と積分電位の関係を示した図である。
【図23】第2の測光予測方法を説明するための時刻と積分電位の関係を示した図である。
【符号の説明】
1、1′…カメラ本体、2…レリーズスイッチ(RELSW)、3、3′…送信機、4、6…アンテナ、5…受信機、7、7′…フラッシュ装置、8…発光部、9…カメラCPU(CCPU)、10…MGドライバ、11…先幕マグネット(FBMG)、12…後幕マグネット(SBMG)、13…自動露光(AE)回路、15…先幕スイッチ(FSW)、17、21…セレクタ、18…送信用CPU(TCPU)、19…送信部、20…受信部、22…受信用CPU(RCPU)、23…X,TTL制御回路、24…フラッシュ用CPU(FCPU)、25…発光制御回路、27…昇圧回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 カメラ本体に設けられ、フラッシュ装置に信号を送信する送信手段と、上記カメラ本体から上記フラッシュ装置へ送信する1本の通信経路と、上記送信手段からの信号を受信する受信手段と、この受信手段によって受信された送信手段からの信号を上記フラッシュ装置の通信機能を有する第1制御手段若しくは上記フラッシュ装置の発光を制御する第2制御手段の何れかに選択的に切換えて出力する切換手段と、この切換手段を常時上記第1制御手段側に切換えておくと共に、上記送信手段によって、信号経路を上記フラッシュ装置の発光制御信号の経路として使用することを表すデータが伝達された際に、上記切換手段の経路を上記第2制御手段側に切換える制御手段とを具備することを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】 上記切換手段の経路を上記第2制御手段側に切換えた場合には、その切換えた時点から一定時間後に上記切換手段の経路を第1制御手段側に戻すことを特徴とする請求項1に記載のカメラシステム。
【請求項3】 カメラとフラッシュとが無線接続可能なカメラシステムに於いて、上記カメラとフラッシュとを無線で接続する場合に、そのことを検出する検出手段と、シャッタ幕の走行位置に応じて出力する第1の発光開始信号発生手段と、上記第1の発光開始信号発生手段による信号出力時よりも一定時間だけ早く発生する第2の発光開始信号発生手段とを具備し、上記検出手段が無線で接続されたことを検出した場合は、第2の発光開始信号発生手段の出力を発光信号として上記フラッシュに出力することを特徴とするカメラシステム。
【請求項4】 カメラとフラッシュとが無線接続可能なカメラシステムに於いて、上記カメラとフラッシュとを無線で接続された場合に、そのことを検出する検出手段と、TTL調光を設定するモードスイッチ及びその検出手段と、レンズを通して光量を測定するダイレクト測光手段と、このダイレクト測光手段の出力値により発光停止信号を出力する発光制御手段とを有するカメラと、フラッシュとを具備し、上記カメラとフラッシュが無線で接続されており、且つ上記TTL調光を行うモードに設定されている場合には、カメラ側の発光制御手段は上記ダイレクト測光手段からの出力値から発光停止すべき時刻を予測し、その予測時刻よりも一定時間前に発光停止信号を出力することを特徴とするカメラシステム。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図22】
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【図23】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図21】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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