カメラモジュール及びその製造方法
【課題】一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にし、機器の小型化を図る。2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて一つの両面イメージセンサーウェーハを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができるカメラモジュール及びその製造方法を提供する。
【解決手段】各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、ホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、を備える。
【解決手段】各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、ホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール及びその製造方法に係り、より詳しくは、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすると共に、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせた状態で切断(sawing)することで両面イメージセンサチップを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができるカメラモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来のカメラモジュールは、モバイル機器に実装されて写真撮影を可能にする小型のカメラ構造物であり、その構造の一例を図1に示す。
【0003】
図1は、従来の技術によるカメラモジュールの構造を示す図である。
【0004】
図示のように、従来のカメラモジュールは、イメージセンサーチップ12を基板20(印刷回路基板またはセラミック基板)に実装し、前記イメージセンサーチップ12の各入出力端子を、前記基板20の各端子にワイヤ14でボンディングし、前記イメージセンサーチップ12と基板20との電気的信号接続を可能にし、前記基板20にはホルダー40を設置し、前記ホルダー40にレンズ50をセットした構造を有する。符号24は、前記基板20に接続されるコネクタを示す。
【0005】
図2A〜図2Cは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図である。
【0006】
図2Aは、イメージセンサーウェーハ10を示すものである。同図に示すように、前記イメージセンサーウェーハ10を切断(sawing)し、イメージセンサーチップ12に個片化する。
図2Bは、個片化したイメージセンサーチップ12を基板20に実装した状態を示すものである。同図に示すように、前記基板20にイメージセンサーチップ12を取り付けた後、前記イメージセンサーチップ12の入出力端子と基板20の各端子とをゴールドワイヤ14でボンディングする。
【0007】
図2Cに示すように、前記基板20上にホルダー40を設け、そのホルダー40にレンズ50をセットして、一方向撮影の可能なカメラモジュールを作製する。ここで、前記ホルダー40は、接着剤42で前記基板20に貼り付けられる。また、前記レンズ50は、前記イメージセンサーチップ12との焦点を合わせた後、レンズ固定用接着剤52で前記ホルダー40に固定される。
【0008】
しかしながら、このような従来のカメラモジュールは、一つのカメラモジュールに一つのイメージセンサーチップ12と一つのレンズ50が設けられたもので、一方向撮影しかできない。さらに、多方向撮影の可能なモバイル機器に用いるためには、モバイル機器に数個のカメラモジュールを取り付ける必要がある。このため、多方向撮影を行う際にはカメラモジュールの数を増やすことから、その費用も高くなるという不具合があった。しかも、数個のカメラモジュールを設けることから、機器のサイズが大きくなるという欠点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすることにより、機器の小型化を図ることはもとより、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて一つの両面イメージセンサーウェーハを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができるカメラモジュール及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のカメラモジュールは、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために、各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、前記第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、前記基板の上下に設けられた第1及び第2のホルダーと、前記第1及び第2のホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明のカメラ所ジュールの製造方法は、2枚のイメージセンサーウェーハを用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハには信号接続用バンプを形成し、前記2枚のイメージセンサーウェーハの各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせるステップと、前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハのうち、信号接続用バンプが付かない、他方のイメージセンサーウェーハの表面に保護フィルムを貼り付け、その後それを切断(sawing)して、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップに個片化するステップと、相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップが実装されると共に、前記イメージセンサーチップが実装される領域に貫通孔が形成された、基板を提供し、前記基板に、前記信号接続用バンプによって前記バンプ付きイメージセンサーチップと前記基板との電気的信号を接続可能にするために、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップを下方に向けて実装するステップと、前記イメージセンサーチップに貼り付けられている保護フィルムを除去し、前記基板に形成された貫通孔の下面に赤外線遮断フィルタを取り付けるステップと、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップの反対側に位置するイメージセンサーチップと前記基板との間の電気的信号を接続可能にするために、前記イメージセンサーチップと基板とをワイヤでボンディングするステップと、前記基板の上下にホルダーをそれぞれ設け、前記各ホルダーにレンズをセットするステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、 一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすることにより、機器の小型化が図れることはもとより、両面イメージセンサーチップを作製するために2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて新たな一つのイメージセンサーウェーハを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図に基づいて本発明の好適な一実施例を詳しく説明する。
【0014】
図3は、本発明に係るカメラモジュールの構造を示す図である。
【0015】
同図に示すように、本発明のカメラモジュールは、マイクロレンズからなるイメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせた第1及び第2のイメージセンサーチップ112a、112bを備える。
【0016】
前記第1及び第2のイメージセンサーチップ112a、112bのうち、第1のイメージセンサーチップ112aは信号接続用バンプ114aによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップ112bはワイヤ114bによって電気的信号が接続されるように、基板120に実装される。
【0017】
前記基板120には、前記第1のイメージセンサーチップ112aが実装される領域の内側部に貫通孔が形成され、前記貫通孔122には赤外線遮断フィルタ130が設けられる。
【0018】
また、前記基板120の上下には、第1及び第2のホルダー140a、140bがそれぞれ設けられ、該第1及び第2のホルダー140a、140bには、第1及び第2のレンズ150a、150bがそれぞれセットされる。このようにして、本発明に係る両方向撮影の可能なカメラモジュールが得られる。ここで、前記第1及び第2のホルダー140a、140bは、接着剤142で前記基板120に貼り付けられ、前記レンズ150a、150bは、前記イメージセンサーチップ112a、112bのイメージ領域との焦点を合わせた後、レンズ固定用接着剤152で前記ホルダー140a、140bにそれぞれ固定される。また、符号124は、前記基板120に接続されるコネクタを示す。
【0019】
図4A〜図4Hは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図である。
【0020】
本発明に係るカメラモジュールの製造工程は、先ず、図4Aと図4Bに示すように、2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bをそれぞれ用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハ110a、110bのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハ110aには、図4Bに示すように信号接続用バンプ114aを形成し、その後図4Cに示すように、前記2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bの各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせる。
【0021】
前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bのうち、信号接続用バンプ114aが付かない、他方のイメージセンサーウェーハ110bの表面には保護フィルム118を貼り付け、それを切断(sawing)して、図4Dに示すように、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップ112a、112bに個片化する。
【0022】
図4Eに示すように、相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップ112a、112bが実装されると共に、前記イメージセンサーチップ112a、112bが実装される領域に貫通孔122が形成された、基板120が提供される。前記基板120には、前記信号接続用バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aが実装される。この際、前記メージセンサーチップ112aを下方に向けることにより、前記信号接続用バンプ114aの前記基板120への接続を可能にする。その結果、前記バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aと前記基板120との間の電気的信号が接続可能になる。すなわち、前記バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aは、COF(Chip on Film)法で基板と接続される。
【0023】
図4Fに示すように、前記イメージセンサーチップ112bに貼り付けられている保護フィルム118を除去し、前記基板120に形成された貫通孔1220の下面には赤外線遮断フィルタ130を取り付ける。
【0024】
図4Gに示すように、前記信号接続用バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aの反対側に位置するイメージセンサーチップ112bと前記基板120とを、ワイヤ114bでボンディングすることにより、前記イメージセンサーチップ112bと前記基板120との間の電気的信号を接続可能にする。
【0025】
図4Hに示すように、前記基板120の上下にホルダー140a、140bをそれぞれ設け、前記各ホルダー140a、140bにレンズ150a、150bをセットする。このようにして、本発明に係る両方向撮影の可能なカメラモジュールを完成する。
【0026】
このような製造方法により得られた本発明のカメラモジュールによれば、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影が可能になるので、前記カメラモジュールが設けられる機器の小型化が図れる。さらに、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて新たな両面イメージセンサウェーハを得、それを個片化することができるので、製造工程の簡略化が図れ、端子削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のカメラモジュールの構造を示す図。
【図2A】図2Aは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図2B】図2Bは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図2C】図2Cは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図3】本発明に係るカメラモジュールの構造を示す図。
【図4A】図4Aは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4B】図4Bは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4C】図4Cは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4D】図4Dは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4E】図4Eは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4F】図4Fは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4G】図4Gは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4H】図4Hは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【符号の説明】
【0028】
110a、110b イメージセンサーウェーハ
112a、112b イメージセンサーチップ
114a 信号接続用バンプ
114b ワイヤ
116 非伝導性接着剤
120 基板
122 貫通孔
130 赤外線遮断フィルタ
140a、140b ホルダー
150a、150b レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラモジュール及びその製造方法に係り、より詳しくは、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすると共に、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせた状態で切断(sawing)することで両面イメージセンサチップを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができるカメラモジュール及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、従来のカメラモジュールは、モバイル機器に実装されて写真撮影を可能にする小型のカメラ構造物であり、その構造の一例を図1に示す。
【0003】
図1は、従来の技術によるカメラモジュールの構造を示す図である。
【0004】
図示のように、従来のカメラモジュールは、イメージセンサーチップ12を基板20(印刷回路基板またはセラミック基板)に実装し、前記イメージセンサーチップ12の各入出力端子を、前記基板20の各端子にワイヤ14でボンディングし、前記イメージセンサーチップ12と基板20との電気的信号接続を可能にし、前記基板20にはホルダー40を設置し、前記ホルダー40にレンズ50をセットした構造を有する。符号24は、前記基板20に接続されるコネクタを示す。
【0005】
図2A〜図2Cは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図である。
【0006】
図2Aは、イメージセンサーウェーハ10を示すものである。同図に示すように、前記イメージセンサーウェーハ10を切断(sawing)し、イメージセンサーチップ12に個片化する。
図2Bは、個片化したイメージセンサーチップ12を基板20に実装した状態を示すものである。同図に示すように、前記基板20にイメージセンサーチップ12を取り付けた後、前記イメージセンサーチップ12の入出力端子と基板20の各端子とをゴールドワイヤ14でボンディングする。
【0007】
図2Cに示すように、前記基板20上にホルダー40を設け、そのホルダー40にレンズ50をセットして、一方向撮影の可能なカメラモジュールを作製する。ここで、前記ホルダー40は、接着剤42で前記基板20に貼り付けられる。また、前記レンズ50は、前記イメージセンサーチップ12との焦点を合わせた後、レンズ固定用接着剤52で前記ホルダー40に固定される。
【0008】
しかしながら、このような従来のカメラモジュールは、一つのカメラモジュールに一つのイメージセンサーチップ12と一つのレンズ50が設けられたもので、一方向撮影しかできない。さらに、多方向撮影の可能なモバイル機器に用いるためには、モバイル機器に数個のカメラモジュールを取り付ける必要がある。このため、多方向撮影を行う際にはカメラモジュールの数を増やすことから、その費用も高くなるという不具合があった。しかも、数個のカメラモジュールを設けることから、機器のサイズが大きくなるという欠点もあった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすることにより、機器の小型化を図ることはもとより、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて一つの両面イメージセンサーウェーハを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができるカメラモジュール及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明のカメラモジュールは、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために、各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、前記第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、前記基板の上下に設けられた第1及び第2のホルダーと、前記第1及び第2のホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するために、本発明のカメラ所ジュールの製造方法は、2枚のイメージセンサーウェーハを用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハには信号接続用バンプを形成し、前記2枚のイメージセンサーウェーハの各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせるステップと、前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハのうち、信号接続用バンプが付かない、他方のイメージセンサーウェーハの表面に保護フィルムを貼り付け、その後それを切断(sawing)して、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップに個片化するステップと、相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップが実装されると共に、前記イメージセンサーチップが実装される領域に貫通孔が形成された、基板を提供し、前記基板に、前記信号接続用バンプによって前記バンプ付きイメージセンサーチップと前記基板との電気的信号を接続可能にするために、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップを下方に向けて実装するステップと、前記イメージセンサーチップに貼り付けられている保護フィルムを除去し、前記基板に形成された貫通孔の下面に赤外線遮断フィルタを取り付けるステップと、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップの反対側に位置するイメージセンサーチップと前記基板との間の電気的信号を接続可能にするために、前記イメージセンサーチップと基板とをワイヤでボンディングするステップと、前記基板の上下にホルダーをそれぞれ設け、前記各ホルダーにレンズをセットするステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、 一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影を可能にすることにより、機器の小型化が図れることはもとより、両面イメージセンサーチップを作製するために2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて新たな一つのイメージセンサーウェーハを作製しそれを用いることにより、作製コストを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、添付図に基づいて本発明の好適な一実施例を詳しく説明する。
【0014】
図3は、本発明に係るカメラモジュールの構造を示す図である。
【0015】
同図に示すように、本発明のカメラモジュールは、マイクロレンズからなるイメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせた第1及び第2のイメージセンサーチップ112a、112bを備える。
【0016】
前記第1及び第2のイメージセンサーチップ112a、112bのうち、第1のイメージセンサーチップ112aは信号接続用バンプ114aによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップ112bはワイヤ114bによって電気的信号が接続されるように、基板120に実装される。
【0017】
前記基板120には、前記第1のイメージセンサーチップ112aが実装される領域の内側部に貫通孔が形成され、前記貫通孔122には赤外線遮断フィルタ130が設けられる。
【0018】
また、前記基板120の上下には、第1及び第2のホルダー140a、140bがそれぞれ設けられ、該第1及び第2のホルダー140a、140bには、第1及び第2のレンズ150a、150bがそれぞれセットされる。このようにして、本発明に係る両方向撮影の可能なカメラモジュールが得られる。ここで、前記第1及び第2のホルダー140a、140bは、接着剤142で前記基板120に貼り付けられ、前記レンズ150a、150bは、前記イメージセンサーチップ112a、112bのイメージ領域との焦点を合わせた後、レンズ固定用接着剤152で前記ホルダー140a、140bにそれぞれ固定される。また、符号124は、前記基板120に接続されるコネクタを示す。
【0019】
図4A〜図4Hは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図である。
【0020】
本発明に係るカメラモジュールの製造工程は、先ず、図4Aと図4Bに示すように、2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bをそれぞれ用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハ110a、110bのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハ110aには、図4Bに示すように信号接続用バンプ114aを形成し、その後図4Cに示すように、前記2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bの各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせる。
【0021】
前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハ110a、110bのうち、信号接続用バンプ114aが付かない、他方のイメージセンサーウェーハ110bの表面には保護フィルム118を貼り付け、それを切断(sawing)して、図4Dに示すように、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤116で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップ112a、112bに個片化する。
【0022】
図4Eに示すように、相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップ112a、112bが実装されると共に、前記イメージセンサーチップ112a、112bが実装される領域に貫通孔122が形成された、基板120が提供される。前記基板120には、前記信号接続用バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aが実装される。この際、前記メージセンサーチップ112aを下方に向けることにより、前記信号接続用バンプ114aの前記基板120への接続を可能にする。その結果、前記バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aと前記基板120との間の電気的信号が接続可能になる。すなわち、前記バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aは、COF(Chip on Film)法で基板と接続される。
【0023】
図4Fに示すように、前記イメージセンサーチップ112bに貼り付けられている保護フィルム118を除去し、前記基板120に形成された貫通孔1220の下面には赤外線遮断フィルタ130を取り付ける。
【0024】
図4Gに示すように、前記信号接続用バンプ114a付きイメージセンサーチップ112aの反対側に位置するイメージセンサーチップ112bと前記基板120とを、ワイヤ114bでボンディングすることにより、前記イメージセンサーチップ112bと前記基板120との間の電気的信号を接続可能にする。
【0025】
図4Hに示すように、前記基板120の上下にホルダー140a、140bをそれぞれ設け、前記各ホルダー140a、140bにレンズ150a、150bをセットする。このようにして、本発明に係る両方向撮影の可能なカメラモジュールを完成する。
【0026】
このような製造方法により得られた本発明のカメラモジュールによれば、一つのカメラモジュールで前後両方向の撮影が可能になるので、前記カメラモジュールが設けられる機器の小型化が図れる。さらに、2枚のイメージセンサーウェーハを貼り合わせて新たな両面イメージセンサウェーハを得、それを個片化することができるので、製造工程の簡略化が図れ、端子削減が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のカメラモジュールの構造を示す図。
【図2A】図2Aは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図2B】図2Bは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図2C】図2Cは、従来のカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図3】本発明に係るカメラモジュールの構造を示す図。
【図4A】図4Aは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4B】図4Bは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4C】図4Cは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4D】図4Dは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4E】図4Eは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4F】図4Fは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4G】図4Gは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【図4H】図4Hは、本発明に係るカメラモジュールの製造方法を説明するための図。
【符号の説明】
【0028】
110a、110b イメージセンサーウェーハ
112a、112b イメージセンサーチップ
114a 信号接続用バンプ
114b ワイヤ
116 非伝導性接着剤
120 基板
122 貫通孔
130 赤外線遮断フィルタ
140a、140b ホルダー
150a、150b レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために、各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、
前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、前記第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、
前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、
前記基板の上下に設けられた第1及び第2のホルダーと、
前記第1及び第2のホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、
を備えることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項2】
2枚のイメージセンサーウェーハを用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハには信号接続用バンプを形成し、前記2枚のイメージセンサーウェーハの各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせるステップと、
前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハのうち、信号接続用バンプが付かない、他方のイメージセンサーウェーハの表面に保護フィルムを貼り付け、その後それを切断(sawing)して、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップに個片化するステップと、
相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップが実装されると共に、前記イメージセンサーチップが実装される領域に貫通孔が形成された、基板を提供し、前記基板に、前記信号接続用バンプによって前記バンプ付きイメージセンサーチップと前記基板との電気的信号を接続可能にするために、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップを下方に向けて実装するステップと、
前記イメージセンサーチップに貼り付けられている保護フィルムを除去し、前記基板に形成された貫通孔の下面に赤外線遮断フィルタを取り付けるステップと、
前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップの反対側に位置するイメージセンサーチップと前記基板との間の電気的信号を接続可能にするために、前記イメージセンサーチップと基板とをワイヤでボンディングするステップと、
前記基板の上下にホルダーをそれぞれ設け、前記各ホルダーにレンズをセットするステップと、
を含むことを特徴とするカメラモジュールの製造方法。
【請求項1】
イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために、各背面が非伝導性接着剤で貼り合わせられた第1及び第2のイメージセンサーチップと、
前記第1及び第2のイメージセンサーチップのうち、第1のイメージセンサーチップは信号接続用バンプによって電気的信号が接続され、第2のイメージセンサーチップはワイヤによって電気的信号が接続されるように実装されると共に、前記第1のイメージセンサーチップが実装される領域の内側部に貫通孔が形成された、基板と、
前記基板の貫通孔に設けられた赤外線遮断フィルタと、
前記基板の上下に設けられた第1及び第2のホルダーと、
前記第1及び第2のホルダーにそれぞれセットされた第1及び第2のレンズと、
を備えることを特徴とするカメラモジュール。
【請求項2】
2枚のイメージセンサーウェーハを用意し、前記用意されたイメージセンサーウェーハのうちどちらか一方のイメージセンサーウェーハには信号接続用バンプを形成し、前記2枚のイメージセンサーウェーハの各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせるステップと、
前記貼り合わせられた2枚のイメージセンサーウェーハのうち、信号接続用バンプが付かない、他方のイメージセンサーウェーハの表面に保護フィルムを貼り付け、その後それを切断(sawing)して、イメージ領域部が相互に反対方向を向いているようにするために各背面を非伝導性接着剤で貼り合わせた状態でイメージセンサーチップに個片化するステップと、
相互に反対方向に貼り合わせられた個々のイメージセンサーチップが実装されると共に、前記イメージセンサーチップが実装される領域に貫通孔が形成された、基板を提供し、前記基板に、前記信号接続用バンプによって前記バンプ付きイメージセンサーチップと前記基板との電気的信号を接続可能にするために、前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップを下方に向けて実装するステップと、
前記イメージセンサーチップに貼り付けられている保護フィルムを除去し、前記基板に形成された貫通孔の下面に赤外線遮断フィルタを取り付けるステップと、
前記信号接続用バンプ付きイメージセンサーチップの反対側に位置するイメージセンサーチップと前記基板との間の電気的信号を接続可能にするために、前記イメージセンサーチップと基板とをワイヤでボンディングするステップと、
前記基板の上下にホルダーをそれぞれ設け、前記各ホルダーにレンズをセットするステップと、
を含むことを特徴とするカメラモジュールの製造方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【公開番号】特開2007−306387(P2007−306387A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133912(P2006−133912)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(506161234)テラセム コーポレイション,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Terrasem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】17−6 Block,Ohchang Science Industrial Park,Cheongwon−gun,Chungbuk Province,Korea 363−880
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(506161234)テラセム コーポレイション,リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】Terrasem Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】17−6 Block,Ohchang Science Industrial Park,Cheongwon−gun,Chungbuk Province,Korea 363−880
【Fターム(参考)】
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