説明

カメラモジュール

【課題】レンズバレルとボディの衝突時に衝撃を緩和してカメラモジュールが損傷を受けることを防止できるカメラモジュールを提供する。
【解決手段】本発明に係るカメラモジュールは、結像部に光を入射させるレンズを支持するレンズバレルと、レンズバレルを光軸に沿って移動させる駆動部と、レンズバレルを内部に収容するボディと、レンズバレルとボディの衝突時にレンズバレルとボディとの間に介在される緩衝部と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、携帯電話、PDA、携帯用PCなどの携帯通信端末機は、文字或いは音声データの転送だけでなく、写真撮影や画像データの転送も行っている。このような傾向に応えて写真を撮影して画像データを転送したり、画像チャットをしたりすることができるように、携帯通信端末機にカメラモジュールが基本的に設けられている。
【0003】
このようなカメラモジュール中、フィルムまたはイメージセンサにレンズの焦点を自動で合わせるためのオートフォーカス機能を有するものもあるが、この場合、カメラモジュールのレンズバレルは光軸に沿って移動するように形成される。
【0004】
しかし、カメラモジュールのレンズバレルが光軸方向への動きに対する自由度を有するため、外部からカメラモジュールに衝撃が加わると、レンズバレルがハウジングなどの他の部品と衝突して損傷を受けることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は、レンズバレルが他の部品と衝突して衝撃を受けることを防止できるカメラモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、結像部に光を入射させるレンズを支持するレンズバレルと、上記レンズバレルを光軸に沿って移動させる駆動部と、上記レンズバレルを内部に収容するボディと、上記レンズバレルと上記ボディの衝突時に上記レンズバレルと上記ボディとの間に介在される緩衝部と、を含むカメラモジュールが提供される。
【0007】
上記緩衝部は、上記レンズバレルと上記ボディのうちの少なくとも1つから突出するように形成されてもよい。
【0008】
上記緩衝部は、上記レンズバレルの移動方向側の端部に、上記ボディに向かって突出するように形成されてもよい。
【0009】
上記レンズバレルは、上記レンズバレルの移動をガイドするように突出形成されたガイド部をさらに含み、上記緩衝部は、上記ガイド部の端部に配置されてもよい。
【0010】
上記緩衝部は、上記ボディに、上記レンズバレルの移動方向側の端部に向かって突出するように形成されてもよい。
【0011】
上記ボディは、上記レンズバレルをカバーするハウジング及び基板を含み、上記緩衝部は、上記ハウジング及び上記基板のうち少なくとも1つに配置されてもよい。
【0012】
上記ハウジングは、上記レンズバレルの移動方向側で上記レンズバレルをカバーする隔壁を含み、上記緩衝部は、上記隔壁に上記レンズバレルと対向するように配置されてもよい。
【0013】
上記緩衝部は、弾性体を含んでなることができる。
【0014】
上記緩衝部は、ゴム、シリコン及びシリコンゴムのうち少なくとも1つを含んでなることができる。
【0015】
上記緩衝部は、上記レンズバレルまたは上記ボディに塗布または接着により形成されてもよい。
【0016】
上記緩衝部は、上記レンズバレルと上記ボディとの間に介在される板状の緩衝パッドを含むことができる。
【0017】
上記ボディは、上記レンズバレルをカバーするハウジングを含み、上記緩衝パッドは、上記ハウジングにおいて上記レンズバレルと対向する面に付着されてもよい。
【0018】
上記緩衝パッドは、弾性体を含んでなることができる。
【0019】
上記緩衝パッドは、ゴム、シリコン及びシリコンゴムのうちの少なくとも1つを含んでなることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、レンズバレルとボディとの衝突時に衝撃を緩和して衝突によるカメラモジュールの損傷を防止することができる。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例に係るカメラモジュールを示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施例に係るカメラモジュールを示す部分切開図である。
【図3】本発明の一実施例に係るカメラモジュールのレンズバレルに設けられた緩衝部を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例に係るカメラモジュールのボディに設けられた緩衝部を示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施例に係るカメラモジュールを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施例に係るカメラモジュールを示す分解斜視図であり、図2は、本発明の一実施例に係るカメラモジュールを示す部分切開図である。
【0025】
本発明の一実施例に係るカメラモジュールは、レンズバレル10、駆動部20、ボディ30、及び緩衝部40を含む。
【0026】
レンズバレル10は、フィルムまたはイメージセンサのような結像部7に光を入射させるレンズ5を支持する部分であって、結像部7とレンズ5の焦点を合わせるために光軸6に沿って移動可能に形成される。
【0027】
本実施例によれば、レンズバレル10は柱状に形成され、柱状の中心線に沿ってレンズ5が配置される。また、焦点調節のために、レンズバレル10は柱の長手方向に沿って移動可能に形成される。
【0028】
駆動部20は、焦点調節のために、レンズバレル10を光軸6に沿って移動させる部分であって、レンズバレル10を移動させるアクチュエータを含む。
【0029】
本実施例では、レンズバレル10の側面からレンズバレル10を押して移動させる圧電振動子がアクチュエータとして用いられる。
【0030】
ボディ30は、レンズバレル10を内部に収容する空間が形成される部分である。また、ボディ30の内部には、レンズバレル10のレンズ5を介して入射した光が結像されるイメージセンサまたはフィルムなどの結像部7が配置される。これによって、レンズバレル10は、ボディ30の内部で光軸方向に沿って移動してレンズ5と結像部7の焦点を合わせることになる。
【0031】
具体的に本実施例のボディ30は、カメラモジュールの部品をカバーするハウジング32と、ハウジング32をカバーする基板35と、を含む。ここで、ハウジング32はレンズバレル10の設置を容易にするために、上部ハウジング33と下部ハウジング34に分離される。基板35には光軸6上に配置されるイメージセンサが実装されている。
【0032】
緩衝部40は、レンズバレル10とボディ30の衝突時に衝撃を緩和させるための部分であって、本実施例における緩衝部40は、衝突時にレンズバレル10とボディ30との間に介在されるように、レンズバレル10とボディ30のうちの少なくとも1つから突出形成される。これにより、緩衝部40は外部の衝撃などでレンズバレル10とボディ30が衝突する場合、2つの部品が直接衝突して損傷されることを防止することができる。
【0033】
図3は、本発明の一実施例に係るカメラモジュールのレンズバレル10に設けられた緩衝部40を示す斜視図である。
【0034】
本実施例によれば、緩衝部40は、レンズバレル10の移動方向側の端部にボディ30を向かって突出形成されるため、レンズバレル10がボディ30に衝突するとき、緩衝部40がボディ30に先に接触して緩衝作用を果たす。すなわち、光軸6に沿って移動するレンズバレル10の光軸方向の端部に、ボディ30に対向する突出形状の緩衝部40が形成されてもよい。
【0035】
具体的に、図3に示すように、本実施例のレンズバレル10は上述したように柱状で、長手方向に移動可能に形成される。したがって、柱状のレンズバレル10の上面及び下面がボディ30と衝突する部分であるため、上面または下面に緩衝部40が形成される。
【0036】
特に、緩衝部40はレンズバレル10をガイドするガイド部12の端部に配置されてもよい。本実施例によるレンズバレル10は、移動する際にレンズバレル10の移動経路をガイドするように突出形成されたガイド部12を含むことができる。ガイド部12は、ハウジング32において光軸方向に形成されたガイド溝34bに挿入されて移動するため、レンズバレル10は光軸方向に沿って移動することになる。
【0037】
ガイド部12は、レンズバレル10に設けられた部分であって、衝突時に衝撃を受けても相対的にレンズ5などの内部部品にあまり影響を及ぼさない部分である。したがって、ガイド部12の端部、すなわち、レンズバレル10の移動時にボディ30に向かう部分に緩衝部40を形成することにより、衝突による衝撃を最小化することができる。
【0038】
一方、緩衝部40はボディ30に形成されてもよい。
【0039】
図4は、本発明の一実施例に係るカメラモジュールのボディ30に設けられた緩衝部40を示す斜視図である。
【0040】
本実施例の緩衝部40は、ボディ30において、レンズバレル10の移動方向側の端部と対向する部分に突出形成されてもよい。すなわち、緩衝部40は、光軸6に沿って移動するレンズバレル10が近づく部分に突出形成されて、レンズバレル10がボディ30に衝突する場合、先にレンズバレル10に接触して緩衝作用を果たすことができる。
【0041】
具体的に、図4に示すように、本実施例の緩衝部40は、レンズバレル10をカバーするハウジング32の隔壁33a,34aのうちレンズバレル10を移動方向側でカバーする隔壁33a,34aに、レンズバレル10と対向するように配置されてもよい。すなわち、緩衝部40は、光軸方向に沿って移動するレンズバレル10と衝突するハウジング32の光軸方向の隔壁33a,34aに、レンズバレル10に向かって突出形成されてもよい。したがって、レンズバレル10がボディ30に衝突する場合、緩衝部40が先にレンズバレル10に接触して緩衝作用を果たす。また、緩衝部40は、レンズバレル10を移動方向側でカバーする基板35に、レンズバレル10と対向するように配置されてもよい。
【0042】
ここで、緩衝部40は、ゴム、シリコン及びシリコンゴムなどの弾性体からなり、衝突による衝撃を効果的に吸収することができる。また、緩衝部40は、非粘性物質からなり、衝突後に駆動部20を用いてレンズバレル10とボディ30を分離するときに、粘性による分離し難いことを解決することができる。
【0043】
また、緩衝部40は、接着剤のような緩衝物質をレンズバレル10またはボディ30に塗布したり、接着したりすることにより、容易に形成できる。
【0044】
以下に、本発明の他の実施例に係るカメラモジュールについて説明する。
【0045】
図5は、本発明の他の実施例に係るカメラモジュールを示す分解斜視図である。
【0046】
図5に示すように、本実施例に係るカメラモジュールは、レンズバレル10とボディとの間に介在される板状の緩衝パッド45を緩衝部40として用いる点が、上述した実施例と異なる。
【0047】
具体的に、本実施例における緩衝パッド45は、上部ハウジング33においてレンズバレル10と対向する面に付着されて設けられてもよい。これにより、上部ハウジング33上に均一な高さの緩衝部40を容易に形成することができる。したがって、レンズバレル10が移動して上部ハウジング33と衝突しても、緩衝パッド45によりレンズバレル10が全体的に均一に支持されることになる。
【0048】
ここで、緩衝パッド45は、ゴム、シリコン及びシリコンゴムなどの弾性体からなるため、衝突による衝撃を効果的に吸収することができる。
【0049】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0050】
5 レンズ
6 光軸
7 結像部
10 レンズバレル
12 ガイド部
20 駆動部
30 ボディ
32 ハウジング
33a,34a 隔壁
34b ガイド溝
35 基板
40 緩衝部
45 緩衝パッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結像部に光を入射させるレンズを支持するレンズバレルと、
前記レンズバレルを光軸に沿って移動させる駆動部と、
前記レンズバレルを内部に収容するボディと、
前記レンズバレルと前記ボディの衝突時に、前記レンズバレルと前記ボディとの間に介在される緩衝部と、
を含むことを特徴とするカメラモジュール。
【請求項2】
前記緩衝部が、前記レンズバレルと前記ボディのうちの少なくとも1つから突出するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記緩衝部が、
前記レンズバレルの移動方向側の端部に、前記ボディに向かって突出するように形成されることを特徴とする請求項2に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記レンズバレルが、前記レンズバレルの移動をガイドするように突出形成されたガイド部をさらに含み、
前記緩衝部が、前記ガイド部の端部に配置されることを特徴とする請求項2または3に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記緩衝部が、
前記ボディに、前記レンズバレルの移動方向側の端部に向かって突出するように形成されることを特徴とする請求項2から4の何れか1項に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記ボディが、前記レンズバレルをカバーするハウジング及び基板を含み、
前記緩衝部が、前記ハウジング及び前記基板のうち少なくとも1つに配置されることを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記ハウジングが、前記レンズバレルの移動方向側で前記レンズバレルをカバーする隔壁を含み、
前記緩衝部が、前記隔壁に、前記レンズバレルと対向するように配置されることを特徴とする請求項6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記緩衝部が、弾性体を含んでなることを特徴とする請求項2から7の何れか1項に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記緩衝部が、ゴム、シリコン及びシリコンゴムのうちの少なくとも1つを含んでなることを特徴とする請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
前記緩衝部が、前記レンズバレルまたは前記ボディに塗布または接着により形成されることを特徴とする請求項2から9の何れか1項に記載のカメラモジュール。
【請求項11】
前記緩衝部が、前記レンズバレルと前記ボディとの間に介在される板状の緩衝パッドを含むことを特徴とする請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項12】
前記ボディが、前記レンズバレルをカバーするハウジングを含み、
前記緩衝パッドが、前記ハウジングにおいて前記レンズバレルと対向する面に付着されることを特徴とする請求項11に記載のカメラモジュール。
【請求項13】
前記緩衝パッドが、弾性体を含んでなることを特徴とする請求項11または12に記載のカメラモジュール。
【請求項14】
前記緩衝パッドが、ゴム、シリコン及びシリコンゴムのうちの少なくとも1つを含んでなることを特徴とする請求項13に記載のカメラモジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−28267(P2011−28267A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−161923(P2010−161923)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】