カメラ付き携帯電話端末装置及びカメラ付き携帯端末装置の表示方法
【課題】自分を被写体として撮影して表示する場合に、自然な目線の撮像画面を表示できるようにする。
【解決手段】撮像部16を上側筐体10の表示部15より上側の中央に配設し、受話部17を撮像部16の上方左右又は斜め方向に配設し、受話部17の取り付け位置に溝状のスリット部102を設ける。撮像部16を表示部15の上側の中央に配設すると、使用者が自分の顔の中心が撮像部16に来るように顔を向けつつ、表示部15の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。撮像部16の上方左右又は斜め方向に受話部17が配設されているため、撮像部16や受話部17を配設するためのスペースが十分に確保できる。受話孔部17からの音をスリット部102を通じて出力させることで、筐体の中心付近を耳に当てている場合でも、受話音が耳まで通る。
【解決手段】撮像部16を上側筐体10の表示部15より上側の中央に配設し、受話部17を撮像部16の上方左右又は斜め方向に配設し、受話部17の取り付け位置に溝状のスリット部102を設ける。撮像部16を表示部15の上側の中央に配設すると、使用者が自分の顔の中心が撮像部16に来るように顔を向けつつ、表示部15の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。撮像部16の上方左右又は斜め方向に受話部17が配設されているため、撮像部16や受話部17を配設するためのスペースが十分に確保できる。受話孔部17からの音をスリット部102を通じて出力させることで、筐体の中心付近を耳に当てている場合でも、受話音が耳まで通る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分の顔を被写体として撮像すると、撮像した自分の顔の撮像画面が表示部に鏡像表示されるものに用いて好適なカメラ付き携帯電話端末装置及びカメラ付き携帯端末装置の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付き携帯電話端末には、撮像部の撮像方向と表示部の表示方向とを同一の方向に向けて配置し、自分の顔を被写体として撮像すると、撮像した自分の顔の撮像画面が左右反転され、表示部に鏡像表示されるハンドミラー機能と呼ばれる機能に設定可能なものがある。このようなハンドミラー機能では、自分撮りを行ったときに、違和感無く自分自身を撮影できると共に、カメラ付き携帯電話端末を手鏡のように扱え、髪型や、化粧のチェックのときに利用できる。
【0003】
また、カメラ付き携帯電話端末で撮影した自分自身の顔を加工して提示するような各種のサービスが実用化されている。例えば、カメラ付き携帯電話端末で自分自身の顔を撮影し、髪型変更サーバに送信すると、その顔画像の髪型を変更して、携帯電話端末に送信するようなサービスが行われている。
【0004】
なお、カメラで撮影した画面を左右反転し、表示部に鏡像表示するような機能を備えた撮像装置については、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−298650号公報
【特許文献1】特開2001−309226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カメラ付き携帯電話端末で自分自身の顔を撮影する場合、使用者は、顔の中心がカメラの位置に合うように、カメラに対して顔を向け、表示部に表示される自分自身の顔を見ることになる。この場合、カメラの位置と表示部の位置との関係によっては、撮影された画像が目の位置が不自然になってしまうことがある。
【0007】
つまり、図12に示すように、カメラ付き携帯電話端末の筐体501に表示部511が配設され、その下方に、撮像部512が配設されているとする。この場合、使用者は、下方にある撮像部512に顔の向きを合わせつつ、その上にある表示部511を見ることになる。このため、図13に示すように、使用者の目は、上目になってしまう。
【0008】
そこで、図14に示すように、カメラ付き携帯電話端末の筐体601の表示部611の中心の右側又は左側に、撮像部612を設けることが考えられる。このようにすれば、撮像部612と表示部611の高さが同一になり、上目になることはなくなる。ところが、この場合には、撮像部612で被写体を斜め横から撮影することとなり、使用者の目が横を向いたようになってしまう。また、この場合には、撮影画像が横からの画面となり、顔を撮影し任意の髪型に差し替え合成するような髪型変更サービスを行う場合に、元の髪型の除去が左右非対称のため、複雑化したり、差し替える髪型の回転処理が入るため処理が増え、システム負荷やシステムコストへの影響がある。
【0009】
また、このようなカメラ付け携帯電話端末の表示部の上側には、受話部の受話孔が配設されており、使用者が受話孔と撮像孔とを誤認することが考えられる。使用者が受話孔と撮像孔とを誤認して、受話孔に向かって撮影を行ってしまうと、目の位置が狂ったような撮影画面になってしまう。
【0010】
これを軽減するために、撮像部を分離、自在に配置したり、表示部と撮像部との位置の違いに対して被写体との距離を十分に開けられるよう表示部を大型化するなどのことが行われてきたが、このようにすると、機器の大型化を招く。
【0011】
上述の課題を鑑み、本発明は、自分を被写体として撮影して表示する場合に、自然な目線の撮像画面を表示できるカメラ付き携帯電話端末装置及びカメラ付き携帯端末装置の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明に係るカメラ付き携帯電話端末装置は、音声通信を行うための送話手段及び受話手段と、被写体像を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成するハンドミラー機能処理部と、左右反転された鏡像画面を表示する表示手段とを有し、撮像手段をその撮像方向が表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置すると共に、撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、受話手段を表示手段の上側で、撮像手段の周囲に配設したことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るカメラ付き携帯端末装置の表示方法は、被写体像を撮像する撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、音声通信を行うための受話手段を表示手段の上側で、撮像手段に対して上下若しくは左右方向又は斜め方向の何れかに配設しておき、撮像手段をその撮像方向が表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置し、撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成し、左右反転された鏡像画面を表示手段に表示するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像部を表示部の上側中央部に配置しているので、使用者が自分の顔の中心が撮像部に来るように顔を向けつつ、表示部の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。また、本発明によれば、受話部を表示手段の上側で、撮像部の周囲に配置しているので、撮像部や受話部を配設するためのスペースが十分に確保でき、実装効率の低下が防げる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の主要部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の場合の使用者の目の位置の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の撮像部及び受話部の取り付け機構の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の撮像部及び受話部の取り付け機構の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の上側筐体の断面図及びその説明図である。
【図7】髪型変更システムの概要を示すブロック図である。
【図8】髪型変更システムの説明に用いるシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の説明図である
【図10】本発明の第3の実施形態の説明図である
【図11】本発明の第4の実施形態の説明図である
【図12】カメラ付き携帯電話端末で表示部の下方に撮像部を配置した場合の説明図である。
【図13】カメラ付き携帯電話端末で表示部の下方に撮像部を配置した場合の使用者の目の位置の説明図である。
【図14】カメラ付き携帯電話端末で表示部の左右に撮像部を配置した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の外観構成を示す斜視図である。
【0017】
本発明に係るカメラ付き携帯電話端末1は、図1に示すように、上側筐体10と、下側筐体11と、上側筐体10と下側筐体11とを回動自在に連結させるヒンジ部12とからなる、折畳み構造となっている。
【0018】
下側筐体11には、その略々全面に渡って、操作部13が配設される。操作部13は、電話番号の入力等に用いるテンキー13aや、カーソルを移動させるためのカーソルキー13bや、通話開始及び終了キー13c及び13d等、各種のキーを含んでいる。また、下側筐体11の下側の中心に、送話部14が配設される。送話部14は、電話使用時に送話入力を行うマイクロホンからなる。
【0019】
上側筐体10には、その略々全面に渡って、表示部15が配設される。表示部15は例えば液晶ディスプレイからなる。表示部15には、電話利用時に、着信や送信の電話番号や住所録が表示される他、インターネット利用時には、ウェブページが表示される。また、表示部15は、カメラ撮影時に、ビューファインダとして用いられる。また、表示部15には、撮影した画像の再生画面を表示するのに用いられる。更に、本発明の第1の実施形態においては、操作部13からの入力により、ハンドミラー機能が設定できる。ハンドミラー機能に設定すると、撮影された像が左右反転されて鏡像となり、表示部15に表示される。
【0020】
上側筐体10における表示部15の上側の中央には、すなわち下側筺体11と連結された下側と反対側の中央には、撮像部16が配設される。撮像部16は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Field Effect TransistorMOS)等のイメージセンサからなる。撮像部16は、写真撮影に利用される他、バーコード入力等に利用される。更に、本発明の第1の実施形態においては、撮像部16は、ハンドミラー機能に設定したときに、自分自身を被写体として撮影するのに用いられる。
【0021】
また、撮像部16の更に上方において、表示部15を正面視した状態で左側となる位置には、受話部17が配設される。受話部17は、電話使用時に受話部出力を行うスピーカからなる。なお、以下において、左、右、または左右という場合には、特に断りがある場合を除いて、上記同様に、上側筺体10の下側筺体11と連結された側を下側として表示部15を正面視した状態における左、右または左右を意味する。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の主要部の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、主制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、カメラ付き携帯電話端末1の全体の動作の制御を行っている。ROM(Read Only Memory)22には、ブートプログラム、基本プログラム、各種のアプリケーションプログラムが保存されている。フラッシュメモリ23には、各種のプリセットデータ、電話帳データ、メールのデータ、電話履歴、写真情報等、各種のデータが記憶される。RAM(Random Access Memory)24は、画像処理用のメモリも含んでいる。
【0024】
また、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1においては、主制御部21は、ハンドミラー機能を実現するためのハンドミラー機能処理部25を含んでいる。ハンドミラー機能処理部25は、撮像部16で撮影された画像データを左右反転させて、表示部15に表示させる処理を行う。撮像部16で撮影された画像データを左右反転させるためには、表示部15のスキャン方向を左右反転させても良いし、また、撮像部16で撮影された画像データをRAM24に一時保存し、RAM24から左右反転させて読み出すようにしても良い。
【0025】
無線通信部26は、基地局との間で、電波の送受信を行うものである。通信方式としては、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(Wideband CDMA)等がある。音声処理部27は、入力音声信号や出力音声信号の処理を行っている。
【0026】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、ハンドミラー機能に設定することができる。ハンドミラー機能に設定すると、撮像部16で撮影された画面は左右反転されて鏡像となり、表示部15に表示される。
【0027】
そして、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、図1に示したように、撮像部16の撮像方向と表示部15の表示方向とが同一であり、使用者は、撮像部15で自分自身を撮像しながら、その表示画面を表示部15で確認できる。
【0028】
撮像部16は、上側筐体10の表示部15より上側の中央に配設されている。また、受話部17は、撮像部16の更に上方の左側に配設されている。すなわち、受話部17は、表示部15の上側の撮像部16に対して左斜め上側に配置される。そして、受話部17の取り付け位置には、溝状のスリット部102が設けられている。スリット部102は、表示部15の上側において中央を含み、左右方向に延設されている。
【0029】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像部16が表示部15の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部16に来るように顔を向けつつ、表示部15の表示画面を見て確認する場合に、図3に示すように、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0030】
また、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像部16の斜め左上側に、受話部17が配設されている。このため、撮像部16や受話部17を配設するためのスペースが十分に確保できる。
【0031】
更に、受話部17に対してスリット部102が設けられているため、使用者が撮像部16と受話部17とを誤認しにくくなっている。その一方、使用者が上側筐体10の上側の中心に耳を当てたとしても、受話部17が斜め左上側に配置されているにもかかわらず、スリット部107を通じて受話音を良好に聞くことができる。
【0032】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1における撮像部16及び受話部17の取り付け機構について詳述する。
【0033】
図4及び図5は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の撮像部16及び受話部17の取り付け機構を説明するものである。図4に示すように、上側筐体10には、表示部15が配設されている。この表示部15の上側中央に、撮像孔101が形成される。撮像部16を構成するカメラモジュール110は、図5に示すように、撮像孔101と対応する位置となるように取り付けられる。
【0034】
また、図4に示すように、撮像孔101の更に上側に、撮像孔101を中心とした周囲略円周上となる位置に、スリット部102が形成される。スリット部102の左端に、受話孔103が配置されている。図5に示すように、受話部17は、3つのスピーカ音孔112、113、114を有している。これら3つあるスピーカ音孔112、113、114のうち、右側の1つのスピーカ音孔114がスリット部102内の受話孔103と対応する位置となるように、受話部17が取り付けられる。また、受話孔103が撮像孔101よりも小さいため、撮像孔101と受話孔103とは、使用者にとって誤認しにくくなっている。
【0035】
なお、ここでは、受話部17として、スピーカ音孔が3つあるものを用いているが、受話部17としては、1つのスピーカ音孔のものを用いて良い。この例では、部品実装効率のため横長形状になっているのに合わせると共に、部品強度の問題や、筐体の音に対する共振を考慮して、スピーカ音孔が3つあるものを使っている。撮像孔101より受話孔103を目立たなくさせるために受話孔103を小さくすることが目的であるので、1つのスピーカー音孔のものを用いる場合では、受話孔からスピーカー音孔の全部または一部が見えるような構成としてもよい。
【0036】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像孔101を中心とした周囲略円周上となる位置に、スリット部102が配置され、このスリット部102内に、受話孔103が形成され、この受話孔103に、スピーカ音孔114が取り付けられる。このような配置することで、使用者が上側筐体10の上側の中心に耳を当てた状態でも、スピーカ音孔114からの音が耳の空洞部分の何れかからスリット部102へと流れるようになり、使用者は受話音を良好に聞くことができる。
【0037】
また、図6は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の上側筐体10の断面図である。この図6(A)に示す断面図は、図6(B)に示すように、上側筐体10を受話孔103中心を通る線(A−A)で切ったときの断面図である。
【0038】
図6(A)において、上側筐体10の筐体面10aから、スリット部102の部分が一段下がるように形成されている。またスリット部102には受話孔103が開口されている。受話孔103の直下に、スピーカ音孔114が配置されている。
【0039】
図6(A)に示すように、受話孔103及びスピーカ音孔114は、受話孔103からスピーカ音孔114までの間に隙間115が生じるように、配置されている。受話孔103及びスピーカ音孔114をこのように配置した理由の1つは、外部からの圧力で部品同士が接触干渉すると、期待された音響特性が出せない場合があるためである。受話孔103からスピーカ音孔114までの間に隙間115が生じるようにすると、使用者の耳が該当部に当たっても、部品同士が接触することが無い。
【0040】
また、受話孔103及びスピーカ音孔114をこのように配置した別の理由は、スピーカ音孔112〜113から出る音がこの隙間115を介して受話孔103から出ていくようにするためでもある。ただし、スピーカの部品構造によっては、スピーカ音孔112〜113の一部を塞いでも期待される音響特性で出力される部品もあるので、必ずしも後者の理由で隙間115が必要となる訳ではない。
【0041】
このように構成することで、撮像部16を上側筐体10の上側の中央部に配設し、受話部17の受話孔103を撮像部16の上方の左側に配置した構造としても、受話孔103から出た再生音が、スリット部102によって形成された溝状のスリット部102を介して、上側筐体10の左右の中心部まで音が通ることになり、使用者が筐体の中心付近を耳に当てている場合でも、受話音が使用者の耳まで音が通るようになる。
【0042】
なお、ここでは受話孔103が左側に配置された例で説明したが、右側でも良い。また、ここでは、スリット部102は、上側筐体10の中央を中心とした左右対称の形状としたが、このような形状に限定されるものではない。スリット部102の形状は、受話部17からの音が中央付近に当てられた耳まで届けば良いので、耳と筐体とでできる空洞を十分カバーできる範囲であれば良く、例えばスリット部102は中心部まであれば良い。
【0043】
また、受話孔103が撮像孔101の上下方向に配置された場合は、そこから左右の何れかで、撮像孔101を中心とした周囲、略円周上に配置されていれば良い。
【0044】
また、スリット部102は、撮像孔101を中心とした周囲、略円周上に配置されれば良いとしたが、スリット部102は、撮像孔101近傍を通過する直線状に構成されていても良い。スリット部102は、耳が撮像孔付近にあてられ、耳と筐体との空洞を通過するような形状であれば良い。
【0045】
また、スリット部102に配置された受話孔103を、フィルムシート等の加飾部材で覆うようにしても良い。
【0046】
<髪型変更サービス>
次に、本発明が適用された携帯電話端末で利用できる髪型変更システムについて説明する。図7は、髪型変更システムの概要を示すものである。図7に示すように、このような髪型変更システムは、カメラ付き携帯電話端末1と、髪型変更サーバ51と、インターネット等の通信路52とからなる。
【0047】
カメラ付き携帯電話端末1は、前述したように、ハンドミラー機能を備え、自分自身の顔を撮影して、髪型変更サーバ51に送信することができる。
【0048】
髪型変更サーバ51は、髪型データベース55が設けられる。この髪型データベース55には、多数の髪型モデルが蓄積されている。また、髪型変更サーバ51は、被写体の顔写真の画像のうちの髪型部分を除去する髪型マスク56と、被写体の顔写真の画像の髪型の部分に、髪型データベース55からの髪型を合成する髪型合成部57を有している。
【0049】
図8は、髪型変更システムの動作を示すシーケンス図である。図8において、使用者は、カメラ付き携帯電話端末1で自分の顔画像を撮影し、この撮影した顔写真の画像を髪型変更サーバ51に送信する(ステップS101)。
【0050】
髪型変更サーバ51は、髪型データベース55から髪型サンプルを読み出し、このサンプルを送信する(ステップS102)。カメラ付き携帯電話端末1は、このサンプル画像を表示し、使用者は、その中から髪型を選択して、髪型変更サーバ51に送信する(ステップS103)。髪型変更サーバ51は、カメラ付き携帯電話端末1から送られてきた顔画像に、髪型を合成して、髪型変更データをカメラ付き携帯電話端末1に送信する(ステップS104)。
【0051】
このように、このような髪型変更サービスでは、カメラ付き携帯電話端末1をハンドミラー機能モードに設定して、自分自身の顔を撮影し、髪型変更サーバ51に送信すると、その顔画像の髪型を変更して、カメラ付き携帯電話端末1に送信される。利用者は、この画像を見て、自分の髪型を好きなような変えたときの画像を楽しむことができる。
【0052】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態を示すものである。
【0053】
図9において、携帯電話端末の上側筐体201には、表示部210が配設されている。この表示部210の上側の中央に、撮像部211が配設され、その右側に、受話部212が配設される。このように、この第2の実施形態では、表示部210の上側の中央に撮像部211を配設し、撮像部211と同じ高さで、その右側に、受話部212を配設している。この第2の実施形態の場合にも、撮像部211が表示部210の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部211に来るように顔を向けつつ、表示部210の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0054】
なお、ここでは、撮像部211の右側に受話部212を配設しているが、撮像部211の左側に受話部212を配設しても良い。
【0055】
<第3の実施形態>
図10は、本発明の第3の実施形態を示すものである。図10において、携帯電話端末の上側筐体301には、表示部310が配設されている。この表示部310の上側の中央に、撮像部311が配設され、その上側の中央に、受話部312が配設される。このように、この第3の実施形態では、表示部310の上側の中央に撮像部311を配設し、撮像部311の上側の中央に、受話部312を配設している。この第3の実施形態の場合にも、撮像部311が表示部310の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部311に来るように顔を向けつつ、表示部310の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0056】
なお、ここでは、撮像部311の上側に受話部312を配設しているが、撮像部311の下側に受話部312を配設しても良い。
【0057】
<第4の実施形態>
前述までの実施形態で説明したように、撮像部を表示部の上側の中央に配置すると、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。ところが、このようなカメラ付け携帯電話端末では表示部の上側に受話部の受話孔が配設されており、使用者が受話孔と撮像孔とを誤認することが考えられる。この第4の実施形態は、このような受話孔と撮像孔とを誤認を防止することができるものである。
【0058】
図11は、本発明の第4の実施形態を示すものである。図11において、携帯電話端末の上側筐体401には、表示部410が配設されている。この表示部410の上側の中央に、撮像部を取り付ける撮像孔411が設けられ、その右側に、受話部となるスピーカを取り付ける受話孔412が設けられる。
【0059】
また、上側筐体401を覆う加飾シート420が設けられる。加飾シート420には、表示部410の部分に対応する四角形状の開口421と、撮像孔411の部分に対応する円形の開口422が設けられる。
【0060】
本発明の第4の実施形態では、このように、表示部410の上側の中央に撮像孔411が設けられ、その右側に、受話孔412が設けられている。このように、表示部410の上側の中央に撮像孔411が設けられているので、撮像画像が上目になることがなくなる。
【0061】
また、本発明の第4の実施形態では、携帯電話端末の上側筐体401に、四角形状の開口421と円形の開口422が設けられた加飾シート420が被装される。加飾シート420を上側筐体401に被装すると、この加飾シート420により、受話孔412の部分が隠匿される。これにより、使用者は、受話孔412を撮像孔411と誤認することがなくなる。
【0062】
なお、受話孔412に対して配設されるスピーカの音圧が低い場合や、加飾シート420が音に合わせて振動にくいような構造、例えば受話孔412が円形一か所のみで耳に接触してしまう位置であったり、加飾シート420として厚みの大きい素材のものであったりする場合は、加飾シート420の受話孔412に対応する部分に、目立たない微細な孔を開けて、音を通り易くしても良い。
【0063】
また、撮像孔411より比較的小さな受話孔412を形成する場合には、開口422に周辺と同一色で不織布のような音が通りやすい材質を部分的に配置しても良いし、周辺と同色の網状の部材を配置しても良い。
【0064】
また、加飾シート420の四角形状の開口421には、透明部材を設けるようにしても良い。また、加飾シート420の四角形状の開口421に透明部材を設けるようにした場合には、透明部材に印刷をして加飾する場合もある。また、円形の開口422も同様に、必ずしも物理的に開口している必要は無く、透明部材としても良い。
【0065】
また、加飾シート420の受話孔412に対応する部分に形成した微細な孔が目立たないように、撮像孔411の周辺に黒い塗装を施し、撮像孔411からその色が見えるように光学軸より広めに開口し、撮像部の位置をデザイン上目立たせることが好ましい。このようにすることで、受話孔412を目立たなく配置し、撮像孔411との誤認を防ぐことができる。また、加飾シート420により、受話孔412があることでの左右方向、ねじれ方向の筐体強度の低下を軽減できる。
【0066】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1:携帯電話端末
10:上側筐体
11:下側筐体
12:ヒンジ部
13:操作部
14:送話部
15:表示部
16:撮像部
17:受話部
25:ハンドミラー機能処理部
101:撮像孔
102:スリット部
103:受話孔
110:カメラモジュール
112〜114:スピーカ音孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、自分の顔を被写体として撮像すると、撮像した自分の顔の撮像画面が表示部に鏡像表示されるものに用いて好適なカメラ付き携帯電話端末装置及びカメラ付き携帯端末装置の表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
カメラ付き携帯電話端末には、撮像部の撮像方向と表示部の表示方向とを同一の方向に向けて配置し、自分の顔を被写体として撮像すると、撮像した自分の顔の撮像画面が左右反転され、表示部に鏡像表示されるハンドミラー機能と呼ばれる機能に設定可能なものがある。このようなハンドミラー機能では、自分撮りを行ったときに、違和感無く自分自身を撮影できると共に、カメラ付き携帯電話端末を手鏡のように扱え、髪型や、化粧のチェックのときに利用できる。
【0003】
また、カメラ付き携帯電話端末で撮影した自分自身の顔を加工して提示するような各種のサービスが実用化されている。例えば、カメラ付き携帯電話端末で自分自身の顔を撮影し、髪型変更サーバに送信すると、その顔画像の髪型を変更して、携帯電話端末に送信するようなサービスが行われている。
【0004】
なお、カメラで撮影した画面を左右反転し、表示部に鏡像表示するような機能を備えた撮像装置については、例えば特許文献1及び特許文献2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−298650号公報
【特許文献1】特開2001−309226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
カメラ付き携帯電話端末で自分自身の顔を撮影する場合、使用者は、顔の中心がカメラの位置に合うように、カメラに対して顔を向け、表示部に表示される自分自身の顔を見ることになる。この場合、カメラの位置と表示部の位置との関係によっては、撮影された画像が目の位置が不自然になってしまうことがある。
【0007】
つまり、図12に示すように、カメラ付き携帯電話端末の筐体501に表示部511が配設され、その下方に、撮像部512が配設されているとする。この場合、使用者は、下方にある撮像部512に顔の向きを合わせつつ、その上にある表示部511を見ることになる。このため、図13に示すように、使用者の目は、上目になってしまう。
【0008】
そこで、図14に示すように、カメラ付き携帯電話端末の筐体601の表示部611の中心の右側又は左側に、撮像部612を設けることが考えられる。このようにすれば、撮像部612と表示部611の高さが同一になり、上目になることはなくなる。ところが、この場合には、撮像部612で被写体を斜め横から撮影することとなり、使用者の目が横を向いたようになってしまう。また、この場合には、撮影画像が横からの画面となり、顔を撮影し任意の髪型に差し替え合成するような髪型変更サービスを行う場合に、元の髪型の除去が左右非対称のため、複雑化したり、差し替える髪型の回転処理が入るため処理が増え、システム負荷やシステムコストへの影響がある。
【0009】
また、このようなカメラ付け携帯電話端末の表示部の上側には、受話部の受話孔が配設されており、使用者が受話孔と撮像孔とを誤認することが考えられる。使用者が受話孔と撮像孔とを誤認して、受話孔に向かって撮影を行ってしまうと、目の位置が狂ったような撮影画面になってしまう。
【0010】
これを軽減するために、撮像部を分離、自在に配置したり、表示部と撮像部との位置の違いに対して被写体との距離を十分に開けられるよう表示部を大型化するなどのことが行われてきたが、このようにすると、機器の大型化を招く。
【0011】
上述の課題を鑑み、本発明は、自分を被写体として撮影して表示する場合に、自然な目線の撮像画面を表示できるカメラ付き携帯電話端末装置及びカメラ付き携帯端末装置の表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述の課題を解決するために、本発明に係るカメラ付き携帯電話端末装置は、音声通信を行うための送話手段及び受話手段と、被写体像を撮像する撮像手段と、撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成するハンドミラー機能処理部と、左右反転された鏡像画面を表示する表示手段とを有し、撮像手段をその撮像方向が表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置すると共に、撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、受話手段を表示手段の上側で、撮像手段の周囲に配設したことを特徴とする。
【0013】
本発明に係るカメラ付き携帯端末装置の表示方法は、被写体像を撮像する撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、音声通信を行うための受話手段を表示手段の上側で、撮像手段に対して上下若しくは左右方向又は斜め方向の何れかに配設しておき、撮像手段をその撮像方向が表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置し、撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成し、左右反転された鏡像画面を表示手段に表示するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、撮像部を表示部の上側中央部に配置しているので、使用者が自分の顔の中心が撮像部に来るように顔を向けつつ、表示部の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。また、本発明によれば、受話部を表示手段の上側で、撮像部の周囲に配置しているので、撮像部や受話部を配設するためのスペースが十分に確保でき、実装効率の低下が防げる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の外観構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の主要部の内部構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の場合の使用者の目の位置の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の撮像部及び受話部の取り付け機構の説明図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の撮像部及び受話部の取り付け機構の説明図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末の上側筐体の断面図及びその説明図である。
【図7】髪型変更システムの概要を示すブロック図である。
【図8】髪型変更システムの説明に用いるシーケンス図である。
【図9】本発明の第2の実施形態の説明図である
【図10】本発明の第3の実施形態の説明図である
【図11】本発明の第4の実施形態の説明図である
【図12】カメラ付き携帯電話端末で表示部の下方に撮像部を配置した場合の説明図である。
【図13】カメラ付き携帯電話端末で表示部の下方に撮像部を配置した場合の使用者の目の位置の説明図である。
【図14】カメラ付き携帯電話端末で表示部の左右に撮像部を配置した場合の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の外観構成を示す斜視図である。
【0017】
本発明に係るカメラ付き携帯電話端末1は、図1に示すように、上側筐体10と、下側筐体11と、上側筐体10と下側筐体11とを回動自在に連結させるヒンジ部12とからなる、折畳み構造となっている。
【0018】
下側筐体11には、その略々全面に渡って、操作部13が配設される。操作部13は、電話番号の入力等に用いるテンキー13aや、カーソルを移動させるためのカーソルキー13bや、通話開始及び終了キー13c及び13d等、各種のキーを含んでいる。また、下側筐体11の下側の中心に、送話部14が配設される。送話部14は、電話使用時に送話入力を行うマイクロホンからなる。
【0019】
上側筐体10には、その略々全面に渡って、表示部15が配設される。表示部15は例えば液晶ディスプレイからなる。表示部15には、電話利用時に、着信や送信の電話番号や住所録が表示される他、インターネット利用時には、ウェブページが表示される。また、表示部15は、カメラ撮影時に、ビューファインダとして用いられる。また、表示部15には、撮影した画像の再生画面を表示するのに用いられる。更に、本発明の第1の実施形態においては、操作部13からの入力により、ハンドミラー機能が設定できる。ハンドミラー機能に設定すると、撮影された像が左右反転されて鏡像となり、表示部15に表示される。
【0020】
上側筐体10における表示部15の上側の中央には、すなわち下側筺体11と連結された下側と反対側の中央には、撮像部16が配設される。撮像部16は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Field Effect TransistorMOS)等のイメージセンサからなる。撮像部16は、写真撮影に利用される他、バーコード入力等に利用される。更に、本発明の第1の実施形態においては、撮像部16は、ハンドミラー機能に設定したときに、自分自身を被写体として撮影するのに用いられる。
【0021】
また、撮像部16の更に上方において、表示部15を正面視した状態で左側となる位置には、受話部17が配設される。受話部17は、電話使用時に受話部出力を行うスピーカからなる。なお、以下において、左、右、または左右という場合には、特に断りがある場合を除いて、上記同様に、上側筺体10の下側筺体11と連結された側を下側として表示部15を正面視した状態における左、右または左右を意味する。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の主要部の内部構成を示すブロック図である。
【0023】
図2において、主制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等からなり、カメラ付き携帯電話端末1の全体の動作の制御を行っている。ROM(Read Only Memory)22には、ブートプログラム、基本プログラム、各種のアプリケーションプログラムが保存されている。フラッシュメモリ23には、各種のプリセットデータ、電話帳データ、メールのデータ、電話履歴、写真情報等、各種のデータが記憶される。RAM(Random Access Memory)24は、画像処理用のメモリも含んでいる。
【0024】
また、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1においては、主制御部21は、ハンドミラー機能を実現するためのハンドミラー機能処理部25を含んでいる。ハンドミラー機能処理部25は、撮像部16で撮影された画像データを左右反転させて、表示部15に表示させる処理を行う。撮像部16で撮影された画像データを左右反転させるためには、表示部15のスキャン方向を左右反転させても良いし、また、撮像部16で撮影された画像データをRAM24に一時保存し、RAM24から左右反転させて読み出すようにしても良い。
【0025】
無線通信部26は、基地局との間で、電波の送受信を行うものである。通信方式としては、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)、WCDMA(Wideband CDMA)等がある。音声処理部27は、入力音声信号や出力音声信号の処理を行っている。
【0026】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、ハンドミラー機能に設定することができる。ハンドミラー機能に設定すると、撮像部16で撮影された画面は左右反転されて鏡像となり、表示部15に表示される。
【0027】
そして、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、図1に示したように、撮像部16の撮像方向と表示部15の表示方向とが同一であり、使用者は、撮像部15で自分自身を撮像しながら、その表示画面を表示部15で確認できる。
【0028】
撮像部16は、上側筐体10の表示部15より上側の中央に配設されている。また、受話部17は、撮像部16の更に上方の左側に配設されている。すなわち、受話部17は、表示部15の上側の撮像部16に対して左斜め上側に配置される。そして、受話部17の取り付け位置には、溝状のスリット部102が設けられている。スリット部102は、表示部15の上側において中央を含み、左右方向に延設されている。
【0029】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像部16が表示部15の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部16に来るように顔を向けつつ、表示部15の表示画面を見て確認する場合に、図3に示すように、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0030】
また、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像部16の斜め左上側に、受話部17が配設されている。このため、撮像部16や受話部17を配設するためのスペースが十分に確保できる。
【0031】
更に、受話部17に対してスリット部102が設けられているため、使用者が撮像部16と受話部17とを誤認しにくくなっている。その一方、使用者が上側筐体10の上側の中心に耳を当てたとしても、受話部17が斜め左上側に配置されているにもかかわらず、スリット部107を通じて受話音を良好に聞くことができる。
【0032】
次に、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1における撮像部16及び受話部17の取り付け機構について詳述する。
【0033】
図4及び図5は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の撮像部16及び受話部17の取り付け機構を説明するものである。図4に示すように、上側筐体10には、表示部15が配設されている。この表示部15の上側中央に、撮像孔101が形成される。撮像部16を構成するカメラモジュール110は、図5に示すように、撮像孔101と対応する位置となるように取り付けられる。
【0034】
また、図4に示すように、撮像孔101の更に上側に、撮像孔101を中心とした周囲略円周上となる位置に、スリット部102が形成される。スリット部102の左端に、受話孔103が配置されている。図5に示すように、受話部17は、3つのスピーカ音孔112、113、114を有している。これら3つあるスピーカ音孔112、113、114のうち、右側の1つのスピーカ音孔114がスリット部102内の受話孔103と対応する位置となるように、受話部17が取り付けられる。また、受話孔103が撮像孔101よりも小さいため、撮像孔101と受話孔103とは、使用者にとって誤認しにくくなっている。
【0035】
なお、ここでは、受話部17として、スピーカ音孔が3つあるものを用いているが、受話部17としては、1つのスピーカ音孔のものを用いて良い。この例では、部品実装効率のため横長形状になっているのに合わせると共に、部品強度の問題や、筐体の音に対する共振を考慮して、スピーカ音孔が3つあるものを使っている。撮像孔101より受話孔103を目立たなくさせるために受話孔103を小さくすることが目的であるので、1つのスピーカー音孔のものを用いる場合では、受話孔からスピーカー音孔の全部または一部が見えるような構成としてもよい。
【0036】
このように、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1では、撮像孔101を中心とした周囲略円周上となる位置に、スリット部102が配置され、このスリット部102内に、受話孔103が形成され、この受話孔103に、スピーカ音孔114が取り付けられる。このような配置することで、使用者が上側筐体10の上側の中心に耳を当てた状態でも、スピーカ音孔114からの音が耳の空洞部分の何れかからスリット部102へと流れるようになり、使用者は受話音を良好に聞くことができる。
【0037】
また、図6は、本発明の第1の実施形態に係るカメラ付き携帯電話端末1の上側筐体10の断面図である。この図6(A)に示す断面図は、図6(B)に示すように、上側筐体10を受話孔103中心を通る線(A−A)で切ったときの断面図である。
【0038】
図6(A)において、上側筐体10の筐体面10aから、スリット部102の部分が一段下がるように形成されている。またスリット部102には受話孔103が開口されている。受話孔103の直下に、スピーカ音孔114が配置されている。
【0039】
図6(A)に示すように、受話孔103及びスピーカ音孔114は、受話孔103からスピーカ音孔114までの間に隙間115が生じるように、配置されている。受話孔103及びスピーカ音孔114をこのように配置した理由の1つは、外部からの圧力で部品同士が接触干渉すると、期待された音響特性が出せない場合があるためである。受話孔103からスピーカ音孔114までの間に隙間115が生じるようにすると、使用者の耳が該当部に当たっても、部品同士が接触することが無い。
【0040】
また、受話孔103及びスピーカ音孔114をこのように配置した別の理由は、スピーカ音孔112〜113から出る音がこの隙間115を介して受話孔103から出ていくようにするためでもある。ただし、スピーカの部品構造によっては、スピーカ音孔112〜113の一部を塞いでも期待される音響特性で出力される部品もあるので、必ずしも後者の理由で隙間115が必要となる訳ではない。
【0041】
このように構成することで、撮像部16を上側筐体10の上側の中央部に配設し、受話部17の受話孔103を撮像部16の上方の左側に配置した構造としても、受話孔103から出た再生音が、スリット部102によって形成された溝状のスリット部102を介して、上側筐体10の左右の中心部まで音が通ることになり、使用者が筐体の中心付近を耳に当てている場合でも、受話音が使用者の耳まで音が通るようになる。
【0042】
なお、ここでは受話孔103が左側に配置された例で説明したが、右側でも良い。また、ここでは、スリット部102は、上側筐体10の中央を中心とした左右対称の形状としたが、このような形状に限定されるものではない。スリット部102の形状は、受話部17からの音が中央付近に当てられた耳まで届けば良いので、耳と筐体とでできる空洞を十分カバーできる範囲であれば良く、例えばスリット部102は中心部まであれば良い。
【0043】
また、受話孔103が撮像孔101の上下方向に配置された場合は、そこから左右の何れかで、撮像孔101を中心とした周囲、略円周上に配置されていれば良い。
【0044】
また、スリット部102は、撮像孔101を中心とした周囲、略円周上に配置されれば良いとしたが、スリット部102は、撮像孔101近傍を通過する直線状に構成されていても良い。スリット部102は、耳が撮像孔付近にあてられ、耳と筐体との空洞を通過するような形状であれば良い。
【0045】
また、スリット部102に配置された受話孔103を、フィルムシート等の加飾部材で覆うようにしても良い。
【0046】
<髪型変更サービス>
次に、本発明が適用された携帯電話端末で利用できる髪型変更システムについて説明する。図7は、髪型変更システムの概要を示すものである。図7に示すように、このような髪型変更システムは、カメラ付き携帯電話端末1と、髪型変更サーバ51と、インターネット等の通信路52とからなる。
【0047】
カメラ付き携帯電話端末1は、前述したように、ハンドミラー機能を備え、自分自身の顔を撮影して、髪型変更サーバ51に送信することができる。
【0048】
髪型変更サーバ51は、髪型データベース55が設けられる。この髪型データベース55には、多数の髪型モデルが蓄積されている。また、髪型変更サーバ51は、被写体の顔写真の画像のうちの髪型部分を除去する髪型マスク56と、被写体の顔写真の画像の髪型の部分に、髪型データベース55からの髪型を合成する髪型合成部57を有している。
【0049】
図8は、髪型変更システムの動作を示すシーケンス図である。図8において、使用者は、カメラ付き携帯電話端末1で自分の顔画像を撮影し、この撮影した顔写真の画像を髪型変更サーバ51に送信する(ステップS101)。
【0050】
髪型変更サーバ51は、髪型データベース55から髪型サンプルを読み出し、このサンプルを送信する(ステップS102)。カメラ付き携帯電話端末1は、このサンプル画像を表示し、使用者は、その中から髪型を選択して、髪型変更サーバ51に送信する(ステップS103)。髪型変更サーバ51は、カメラ付き携帯電話端末1から送られてきた顔画像に、髪型を合成して、髪型変更データをカメラ付き携帯電話端末1に送信する(ステップS104)。
【0051】
このように、このような髪型変更サービスでは、カメラ付き携帯電話端末1をハンドミラー機能モードに設定して、自分自身の顔を撮影し、髪型変更サーバ51に送信すると、その顔画像の髪型を変更して、カメラ付き携帯電話端末1に送信される。利用者は、この画像を見て、自分の髪型を好きなような変えたときの画像を楽しむことができる。
【0052】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図9は、本発明の第2の実施形態を示すものである。
【0053】
図9において、携帯電話端末の上側筐体201には、表示部210が配設されている。この表示部210の上側の中央に、撮像部211が配設され、その右側に、受話部212が配設される。このように、この第2の実施形態では、表示部210の上側の中央に撮像部211を配設し、撮像部211と同じ高さで、その右側に、受話部212を配設している。この第2の実施形態の場合にも、撮像部211が表示部210の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部211に来るように顔を向けつつ、表示部210の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0054】
なお、ここでは、撮像部211の右側に受話部212を配設しているが、撮像部211の左側に受話部212を配設しても良い。
【0055】
<第3の実施形態>
図10は、本発明の第3の実施形態を示すものである。図10において、携帯電話端末の上側筐体301には、表示部310が配設されている。この表示部310の上側の中央に、撮像部311が配設され、その上側の中央に、受話部312が配設される。このように、この第3の実施形態では、表示部310の上側の中央に撮像部311を配設し、撮像部311の上側の中央に、受話部312を配設している。この第3の実施形態の場合にも、撮像部311が表示部310の上側の中央に配設されているため、ハンドミラー機能を使って、使用者が自分の顔の中心が撮像部311に来るように顔を向けつつ、表示部310の表示画面を見て確認する場合に、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。
【0056】
なお、ここでは、撮像部311の上側に受話部312を配設しているが、撮像部311の下側に受話部312を配設しても良い。
【0057】
<第4の実施形態>
前述までの実施形態で説明したように、撮像部を表示部の上側の中央に配置すると、使用者の目が上を向くことが無く、自然な画像が撮影できる。ところが、このようなカメラ付け携帯電話端末では表示部の上側に受話部の受話孔が配設されており、使用者が受話孔と撮像孔とを誤認することが考えられる。この第4の実施形態は、このような受話孔と撮像孔とを誤認を防止することができるものである。
【0058】
図11は、本発明の第4の実施形態を示すものである。図11において、携帯電話端末の上側筐体401には、表示部410が配設されている。この表示部410の上側の中央に、撮像部を取り付ける撮像孔411が設けられ、その右側に、受話部となるスピーカを取り付ける受話孔412が設けられる。
【0059】
また、上側筐体401を覆う加飾シート420が設けられる。加飾シート420には、表示部410の部分に対応する四角形状の開口421と、撮像孔411の部分に対応する円形の開口422が設けられる。
【0060】
本発明の第4の実施形態では、このように、表示部410の上側の中央に撮像孔411が設けられ、その右側に、受話孔412が設けられている。このように、表示部410の上側の中央に撮像孔411が設けられているので、撮像画像が上目になることがなくなる。
【0061】
また、本発明の第4の実施形態では、携帯電話端末の上側筐体401に、四角形状の開口421と円形の開口422が設けられた加飾シート420が被装される。加飾シート420を上側筐体401に被装すると、この加飾シート420により、受話孔412の部分が隠匿される。これにより、使用者は、受話孔412を撮像孔411と誤認することがなくなる。
【0062】
なお、受話孔412に対して配設されるスピーカの音圧が低い場合や、加飾シート420が音に合わせて振動にくいような構造、例えば受話孔412が円形一か所のみで耳に接触してしまう位置であったり、加飾シート420として厚みの大きい素材のものであったりする場合は、加飾シート420の受話孔412に対応する部分に、目立たない微細な孔を開けて、音を通り易くしても良い。
【0063】
また、撮像孔411より比較的小さな受話孔412を形成する場合には、開口422に周辺と同一色で不織布のような音が通りやすい材質を部分的に配置しても良いし、周辺と同色の網状の部材を配置しても良い。
【0064】
また、加飾シート420の四角形状の開口421には、透明部材を設けるようにしても良い。また、加飾シート420の四角形状の開口421に透明部材を設けるようにした場合には、透明部材に印刷をして加飾する場合もある。また、円形の開口422も同様に、必ずしも物理的に開口している必要は無く、透明部材としても良い。
【0065】
また、加飾シート420の受話孔412に対応する部分に形成した微細な孔が目立たないように、撮像孔411の周辺に黒い塗装を施し、撮像孔411からその色が見えるように光学軸より広めに開口し、撮像部の位置をデザイン上目立たせることが好ましい。このようにすることで、受話孔412を目立たなく配置し、撮像孔411との誤認を防ぐことができる。また、加飾シート420により、受話孔412があることでの左右方向、ねじれ方向の筐体強度の低下を軽減できる。
【0066】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
【符号の説明】
【0067】
1:携帯電話端末
10:上側筐体
11:下側筐体
12:ヒンジ部
13:操作部
14:送話部
15:表示部
16:撮像部
17:受話部
25:ハンドミラー機能処理部
101:撮像孔
102:スリット部
103:受話孔
110:カメラモジュール
112〜114:スピーカ音孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声通信を行うための送話手段及び受話手段と、
被写体像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成するハンドミラー機能処理部と、
前記左右反転された鏡像画面を表示する表示手段とを有し、
前記撮像手段をその撮像方向が前記表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置すると共に、
前記撮像手段を前記表示手段の上側中央に配設し、
前記受話手段を前記表示手段の上側で、前記撮像手段の周囲に配設した
ことを特徴とするカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項2】
前記受話手段は音孔を有し、
前記受話手段の音孔の一部を受話孔から露出させ、前記受話孔から受話音を出力させることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項3】
前記受話手段の受話孔が、表示手段の上側中央を含み左右方向に延びる溝状部内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項4】
前記受話手段の受話孔が隠匿するように筐体面を覆う加飾部材を設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項5】
被写体像を撮像する撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、
音声通信を行うための受話手段を前記表示手段の上側で、前記撮像手段に対して上下若しくは左右方向又は斜め方向の何れかに配設しておき、
前記撮像手段をその撮像方向が前記表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置し、
前記撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成し、
前記左右反転された鏡像画面を前記表示手段に表示する
ようにしたことを特徴とするカメラ付き携帯端末装置の表示方法。
【請求項1】
音声通信を行うための送話手段及び受話手段と、
被写体像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成するハンドミラー機能処理部と、
前記左右反転された鏡像画面を表示する表示手段とを有し、
前記撮像手段をその撮像方向が前記表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置すると共に、
前記撮像手段を前記表示手段の上側中央に配設し、
前記受話手段を前記表示手段の上側で、前記撮像手段の周囲に配設した
ことを特徴とするカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項2】
前記受話手段は音孔を有し、
前記受話手段の音孔の一部を受話孔から露出させ、前記受話孔から受話音を出力させることを特徴とする請求項1に記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項3】
前記受話手段の受話孔が、表示手段の上側中央を含み左右方向に延びる溝状部内に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項4】
前記受話手段の受話孔が隠匿するように筐体面を覆う加飾部材を設けることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のカメラ付き携帯電話端末装置。
【請求項5】
被写体像を撮像する撮像手段を表示手段の上側中央に配設し、
音声通信を行うための受話手段を前記表示手段の上側で、前記撮像手段に対して上下若しくは左右方向又は斜め方向の何れかに配設しておき、
前記撮像手段をその撮像方向が前記表示手段の表示方向と同一の方向となるように配置し、
前記撮像手段により撮像した撮像画面を左右反転して鏡像画面を生成し、
前記左右反転された鏡像画面を前記表示手段に表示する
ようにしたことを特徴とするカメラ付き携帯端末装置の表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−84975(P2012−84975A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227497(P2010−227497)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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