説明

カメラ付属品のアクセサリ−シユ−装着部

【目的】 カメラボディに有するホットシュ−にストロボ本体を確実に装着できるようにし、相互の通電接点部の位置ズレを防止する。
【構成】 ストロボ本体23のホットシュ−挿入部27には、上下方向に弾発力を有するホットシュ−係止金具1が装着されており、この係止金具1の先端部には係止爪3が形成されている。ホットシュ−挿入部27をカメラボディに設けられたホットシュ−19に挿入し、固定ナット30を締め付けるとホットシュ−係止金具1は押し下げられて係止爪3がホットシュ−先端部と係合する。
【効果】 ホットシュ−係合金具1の係止爪3がホットシュ−19の先端部と係合するため、ストロボ本体23のホットシュ−挿入部27の後方移動が規制され、ストロボ本体23の脱落及び通電接点部の位置ズレが防止される。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ストロボ等のカメラ付属品をカメラボディのアクセサリ−シュ−に確実に装着するための構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 カメラ本体には外付ストロボを装着するためのホットシュ−が設けられている。図3はホットシュ−を設けた従来のカメラボディの一例を示した平面図であり、カメラボディ10には内蔵ストロボ開閉蓋11、ファインダ−部12、シャッタ−ボタン13、電源スイッチ14、セルフタイマ−ボタン15、フォ−カスレバ−16、露出補正・設定ボタン17等の各操作部が設けられている。またカメラボディ10の中央部には液晶表示パネル18が設けられており、露出状態、フィルム巻き上げ、巻き戻し、セルフタイマ−等、撮影中に確認したい情報が集中表示されるようになっている。
【0003】 このカメラボディ10ではボディ上面のグリップ部側にホットシュ−19が設けられている。ホットシュ−19は、左右両側にコ字状に屈曲したガイド部20,20が形成され、先端部にストッパ−用突片21が形成されている。また底面部にはストロボと通電する複数の接点部22が設けられている。
【0004】 図4及び図5は前述のホットシュ−19に装着されるストロボの一例を示したものである。ストロボ本体23の前面部には発光部24、オ−トフォ−カス補助投光部25、オ−トストロボ用受光部26が備えられ、背面部には各種操作スイッチ29a,29bが設けられている。またストロボ本体23の下端部には、固定ナット30を螺合したネジ状脚部28と、その脚部28に固定されたフランジ状のホットシュ−挿入部27が設けられている。なおホットシュ−挿入部27の裏面には図示しないが、前記ホットシュ−19の接点部22と導通する接点部が設けられている。
【0005】 このようなストロボ本体23を上述のカメラボディホットシュ−19に装着する場合は、図6に示すようにストロボ本体23のホットシュ−挿入部27をホットシュ−19の左右ガイド部20,20に挿入した後、固定ナット30を回転させ左右ガイド部20,20の上面に締め付け、ホットシュ−挿入部27をホットシュ−ガイド部20,20に固定していた。
【0006】 しかしながら、上述した従来のストロボ取付構造では、特に大型ストロボの場合、持ち運び中に固定ナット30が自然に緩んだり、ストロボ本体23に外圧が加わったときにストロボ本体23が移動することがある。このためストロボ本体23のホットシュ−挿入部27に有する接点部とホットシュ−接点部22が接触不良を起こし、ストロボが誤作動したり、極端な場合はストロボ本体がホットシュ−から外れる等の問題があった。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、ストロボ等を装着するホットシュ−、その他のアクサリ−シュ−にカメラ付属品を確実に固定し、カメラ付属品のアクセサリ−シュ−からの脱落を防止すると共に、相互の通電接点部の接触不良を防止することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本考案が採用した手段は、アクセサリ−シュ−挿入部と、該アクセサリ−シュ−挿入部をカメラボディのアクセサリ−シュ−に固定するための固定手段を備えたカメラ付属品であって、 前記カメラ付属品のアクセサリ−シュ−挿入部に、前記固定手段に応動してアクセサリ−シュ−端部と係合する係止手段を設けたことを特徴とする。
【0009】
【実施例】
以下、本考案の実施例を、上述した図4及び図5のストロボに適用した場合を例にとって説明する。図1はストロボ下端部のホットシュ−装着部の拡大概略図であり、ストロボ本体23の下端部にはネジ状脚部28が突設され、このネジ状脚部28に固定ナット30が螺合されている。固定ナット30はこれを回転することによりネジ状脚部28に沿って上下方向に移動するようになっている。このネジ状脚部28の下端部にはフランジ状のホットシュ−挿入部27が固定されている。これらストロボ本体23、ネジ状脚部28、固定ナット30、ホットシュ−挿入部27の構成は図4及び図5に示した従来例と同じである。
【0010】 本考案では、前述のホットシュ−挿入部27にホットシュ−係止金具1が装着されている。ホットシュ−係止金具1は図2に示すようにホットシュ−ガイド部20,20に対応してア−ム部2,2を有しており、このア−ム部2,2の先端部は下方に屈曲して係止爪3,3(図1参照)が形成されている。またア−ム部2,2は後端屈曲部4,4において上方に折り曲げ加工され、この後端屈曲部4,4を支点として上下方向に弾発力が付勢されている。なおホットシュ−金具1の後端部5は断面コ字状に成形され、この後端部5が前記ホットシュ−挿入部27の後端部に嵌入されている。
【0011】 ホットシュ−金具1は本実施例では金属板であるが、これに代えて合成樹脂板で構成してもよい。またホットシュ−金具1とホットシュ−挿入部27との固定方法は、ネジ止め、接着その他の固定方法でもよく、合成樹脂板で構成する場合はホットシュ−挿入部27と一体成形するようにしてもよい。
【0012】 次に、上述した実施例の使用例を説明する。まずストロボ本体23のホットシュ−挿入部27を図3に示すカメラボディ10のホットシュ−ガイド部20,20の間に挿入し、そのホットシュ−挿入部27の先端部がストッパ−用突片21に当たるまで押し込む。このときホットシュ−挿入部27の後端部はホットシュ−ガイド部20,20の後端部からわずかに突出しており、後端屈曲部4,4から立ち上がったホットシュ−係止金具1のア−ム部2,2は、ホットシュ−ガイド部20,20の上方に位置した状態となる。
【0013】
その後、固定ナット30を回転して下方に移動させると、固定ナット30はホットシュ−金具ア−ム部2,2を押し下げ、ホットシュ−ガイド部20,20の上面に該ア−ム部2,2を押し当てた状態でホットシュ−ガイド部20,20を締め付ける。これによりホットシュ−挿入部27はホットシュ−ガイド部20,20に固定される。このときア−ム部2,2の先端係止爪3,3はホットシュ−ガイド部20,20の先端部と係合し、ホットシュ−挿入部27の後方移動(引き抜き方向の移動)が規制される。
【0014】 ストロボ本体23をホットシュ−19から取り外すときは、固定ナット30を緩めるとホットシュ−係止金具1のア−ム部2,2はその弾発力によりホットシュ−ガイド部20,20の上面から離れ、係止爪3,3とホットシュ−ガイド部20,20の先端部との係合関係が解除される。この状態でホットシュ−挿入部27をホットシュ−ガイド部20,20がら引き抜くことによってストロボ本体23を取り外すことができる。
【0015】 上述した実施例は本考案の一例であり、ストロボ本体23のホットシュ−固定手段としては、固定ナット30に代えて、例えばロックレバ−を操作することによりストロボ本体下端部から押圧部材が出没し、ホットシュ−挿入部27との間でホットシュ−ガイド部20,20をクランプするような機構であってもよい。
また上述の実施例では係止爪3,3がホットシュ−ガイド部20,20の先端部に係合するようになっているが、ストッパ−用突片21に係止爪が係合するようにホットシュ−係止金具1の形状を変更してもよい。なお、本考案は例えばストロボ本体を延長コ−ドを介して接続するときに使用されるホットシュ−アダプタのホットシュ−装着部や、延長コ−ドのホットシュ−装着部、その他のカメラ付属品のホットシュ−装着部にも適用することができ、さらにはホットシュ−のみならず他のアクセサリ−シュ−の装着部にも適用できる。
【0016】
【考案の効果】
以上説明した本考案によれば、カメラ付属品のホットシュ−挿入部に、ホットシュ−固定手段に応動してホットシュ−端部と係合する係止手段を設けたことにより、持ち運びの間に固定手段に多少の緩みが生じたり、カメラ付属品に外圧が加わったような場合でもカメラ付属品の脱落が防止され、またホットシュ−の接点部の位置ズレがなくなるため、カメラ付属品の誤作動等を防止できる。さらに構成が比較的簡単でホットシュ−の構成に変更を加えることなく、安価に実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例を示すストロボホットシュ−装着部の拡大概略図である。
【図2】本考案の実施例を示すホットシュ−係止金具の平面図である。
【図3】従来のカメラボディの平面図である。
【図4】従来のストロボの正面図である。
【図5】図4に示したストロボの側面図である。
【図6】従来のストロボホットシュ−装着部の拡大概略図である。
【符合の説明】
1 ホットシュ−係止金具
2 ホットシュ−係止金具ア−ム部
3 ホットシュ−係止金具係止爪
4 ホットシュ−係止金具後端屈曲部
6 ホットシュ−係止金具後端部
19 ホットシュ−
20 ホットシュ−ガイド部
23 ストロボ本体
27 ホットシュ−挿入部
30 固定ナット

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 アクセサリ−シュ−挿入部と、該アクセサリ−シュ−挿入部をカメラボディのアクセサリ−シュ−に固定するための固定手段を備えたカメラ付属品であって、前記カメラ付属品のアクセサリ−シュ−挿入部に、前記固定手段に応動してアクセサリ−シュ−端部と係合する係止手段を設けたことを特徴とするカメラ付属品のアクセサリ−シュ−装着部。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】実開平5−33140
【公開日】平成5年(1993)4月30日
【考案の名称】カメラ付属品のアクセサリ−シユ−装着部
【国際特許分類】
【出願番号】実願平3−90889
【出願日】平成3年(1991)10月11日
【出願人】(000000527)旭光学工業株式会社 (1,878)