説明

カメラ制御機能付携帯電話機

【課題】 より低コストで操作も簡便な遠隔監視システムを構成でき、空き巣や車上荒らし、留守宅の子供やペットの状況を容易に確認できるカメラ制御機能付携帯電話機を提供する。
【解決手段】筺体Aに対して筺体BがU、D方向の開閉動作(上下方向動作)と、L、R方向の回転動作(左右方向動作)を可能とし、筺体Bのカメラ部106の撮影角度を調整可能としたカメラ制御機能付携帯電話機を遠隔制御機器から電子メール等により遠隔操作することにより、カメラ角度の上下左右の位置、ズーム機能、露出等を指定し、指定した設定状態でのカメラ部106からの撮影画像を電子メールで取得する。また、マイク部により監視場所の音を監視し、予め記憶部に設定した音量以上の音を確認したときカメラ撮影を実行し、また、ある一定時間であるn時間毎に撮影を行い、撮影毎に画像差分を抽出し、カメラ角度やズーム調整を自動的に行うことで差分箇所を常に撮影画像のセンターに位置させるように差分箇所を追従させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付携帯電話機に関し、特に、カメラ付携帯電話機により遠隔監視システムを構築できるカメラ制御機能付携帯電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遠隔監視システムは、現地に設置したテレビ監視システムと、これを操作する操作機器と、それら双方の通信を電話回線や無線を用いて実現する通信手段とにより構成されている。また、現地のテレビカメラにより撮影した画像情報をインターネットを介して配信し、現地の状況をリアルタイムに遠隔で確認することを可能とする遠隔監視システムも知られている。
【0003】
図11は従来の遠隔監視システムの一例の全体構成を示す図である。監視センター1101と、監視場所に設置した監視装置1105と、警備会社1104とから構成される。監視センター1101は、契約者の監視場所の状況を集中管理する集中制御部1102と、契約者の監視場所との通信を行う通信制御部1103とを備え、監視装置1105は、監視センター1101との通信を行う通信制御部1106と、赤外線にて不審者を認識する赤外線感知機1108と、監視用の複数のカメラ部1109、1110、1111と、それらカメラ部を制御するためのカメラ制御部1107とを備える。警備会社1104は監視センター1101と接続されており、監視場所で空き巣等、問題が発生した際に、監視員が当該監視場所へ急行する運用が行われる。
【0004】
また、遠隔操作によりカメラの撮影を可能にしたカメラ付き携帯電話であって、外部より制御用の電子メールを当該カメラ付き携帯電話に向けて送信するだけで、直接に当該カメラ付き携帯電話を操作することなしに、遠隔より被写体の撮影を行うことができ当該画像を自動で取得可能に構成したものも知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−281064
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の前者の遠隔監視システムは、遠隔監視システム専用の機器による遠隔監視システムを構築する必要があり、かかるシステムを設置することは、費用面、機器調整、設置等技術的な面において困難であるから一般家庭においては十分に普及していない。
【0006】
また、前記特許文献1に示されたカメラ付き携帯電話機は遠隔より撮影画像を取得可能であるから、留守宅等の様子を知ることが可能であるが、これはカメラ付き携帯電話機を置いた状態での固定的した画像のみが取得可能なものであり、真に有用な撮影画像を得ることができるものではなく、また、データ量の大きい撮影画像を単に伝送するものであり伝送効率的にも好適なものではなかった。
このように、従来の技術では空き巣や車上荒らし等の犯罪の監視、ペットや子供等、不在自宅の状況の確認等に有用な簡易な遠隔監視システムを構成できるものではなかった。
【0007】
(発明の目的)
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、空き巣や車上荒らし、自宅のペットや子供等の状況の確認に好適で簡易な遠隔監視システムを構築できるカメラ制御機能付携帯電話機を提供することを目的とする。
本発明は、撮影角度等を制御可能で簡易な遠隔監視システムを構築できるカメラ制御機能付携帯電話機を提供することを目的とする。
本発明は、撮影角度、露出、ズーム等のカメラの設定項目を制御可能なカメラ制御機能付携帯電話機を提供することを目的とする。
本発明は、遠隔監視用の有用な画像のみを効率的に送信できるカメラ制御機能付携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えばカメラ付携帯電話機の電子メール(メール)機能等とカメラ機能を用い、制御信号により遠隔操作によりカメラを制御して遠隔監視する機能を備えるカメラ付携帯電話機に関する。また、カメラ付携帯電話機のメール機能等とマイク機能を用い、遠隔操作によりマイクを制御して有用な画像の取得を管理する機能を備えるカメラ制御機能付携帯電話機に関する。
【0009】
本発明は、カメラ部により撮影した画像をメールに添付して送信する機能を持つカメラ制御機能付携帯電話機のカメラ制御方法に関し、当該カメラ制御機能付携帯電話機は、カメラ部の上下左右の角度、ズーム、露出を制御する手段と、カメラ部の上下左右の角度を制御するための電気モータを有する折り畳みヒンジの手段と、を有し、遠隔制御機器からメールにてカメラ制御機能付携帯電話機のカメラアングルの上下左右の位置、ズーム機能、露出等を指定することにより、所望のカメラアングルでカメラ撮影した画像を添付メールにより遠隔制御機器側に返送することを特徴とする。
【0010】
また、カメラ制御機能付携帯電話機はマイクによりその周囲の音を監視し、予め設定した音量以上の音を確認したとき、カメラ撮影する手段を有することを特徴とする。更にある一定時間であるN時間毎に撮影を行い、撮影毎に画像差分を抽出し、カメラ角度やズーム調整を自動的に行うことで差分(画像)箇所を常に撮影画像の中央(センター)に位置させて差分箇所を追従する手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
更に、キー操作によりDTMF信号で遠隔操作して、カメラの上下左右の角度、ズーム、露出を制御する手段と、カメラの左右の角度を実現すべく電気モータにて左右に回転する折り畳みヒンジの手段と、マイクにより現地の音を監視し、予め記憶部に設定した音量以上の音を確認したとき、カメラ撮影する機能と、を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のカメラ制御機能付携帯電話機は、カメラ部による撮影が遠隔操作機器からの制御信号により遠隔制御が可能なカメラ制御機能付携帯電話機であって、前記制御信号によりカメラ部の撮影角度を制御するカメラ制御部と、カメラ部で撮影した画像を添付した画像添付メールを遠隔操作機器宛てに送信する制御回路と、を有することを特徴とし、携帯電話機筺体がキースイッチ部を備える第1の筐体と前記カメラ部を備える第2の筐体とで構成され、前記第1及び第2の筺体の端部間に各筺体を互いに折り畳み及び回転可能に結合する可動機構を備えることを特徴とする。また、前記可動機構は、前記第1及び第2の筺体の相互間の折り畳み及び回転を駆動する電気モータを備えることを特徴とし、前記カメラ制御部は、前記制御信号によりカメラ部の露出の設定又はズーム撮影の設定を制御する機能を有することを特徴とする。更に、前記制御信号は制御情報を含むメール又はDTMF信号として受信されることを特徴とする。
【0013】
本発明のカメラ制御機能付携帯電話機は、カメラ部は所定時間毎に撮影を実行し、撮影した画像間の差分の画像箇所を検出した場合に、撮影した画像を添付した画像添付メールの送信を指示する画像制御部を備えることを特徴とし、更に前記画像制御部は、差分の画像箇所を画面の中央に位置するように自動的にカメラ部の撮影角度及びズーム撮影の設定を調整する機能を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機は、周囲の音を集音するマイク部を備え、集音した音が所定の音量以上の場合に、カメラ部の撮影の実行と撮影した画像を添付した画像添付メールの送信を指示する音声監視制御部を備えることを特徴とする。
【0015】
そして、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機は、パスワードを記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されたパスワードと前記制御信号に含まれるパスワードとを照合するための命令判別部とを備え、パスワードの一致によりカメラ部の撮影の遠隔制御を可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、制御信号によるカメラ制御機能を有する携帯電話機であるから、カメラ機能の制御情報を有する電子メールや多周波信号等の制御信号によりカメラ機能の遠隔操作を可能としており、大がかりな監視システムを導入することなく、簡易的な遠隔監視システムを実現することが可能である。つまり、使用者は日常的に使用可能なカメラ制御機能付携帯電話機を監視したい場所に置き、遠隔操作機器からメール等の制御信号によりカメラ制御機能付携帯電話機のカメラ機能を操作することにより、カメラの撮影角度等を制御でき、自宅のペットや子供の状況、空き巣等の留守宅の状況、自動車の車上荒らし等をより低コストで簡便な操作により監視することが可能であり、これらの確認により使用者に安全と安心を与えることができる。
【0017】
本発明によれば、マイクの音量を監視し所定音量以上の周囲音の検出時に、画像添付メールの画像をカメラ撮影を行うように構成することにより、異常時等の撮影画像を取得することができから、監視場所の異常の確認が可能であり、かつ異常のない画像を繰り返し撮影し送信することの無駄を省くことが可能であり、膨大なデータ量でなる監視画像を効率良く送受信することが可能である。
【0018】
また、撮影画像を所定の時間間隔で撮影し、その前後の撮影画像から画像の差分である画像の変化箇所が検出されたときのみ、当該撮影画像の画像添付メールを送信することにより、監視場所の状況の変化を自動的に送信することができるから、有用な監視画像のみを取得可能であり、同様に画像の伝送効率を向上させることが可能である。
【0019】
更に、変化する画像箇所を画面のセンターに位置するように自動的にカメラ部の撮影角度及びズーム撮影の設定を調整するように構成することにより、監視場所の光景の変化箇所を追跡して確認することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の実施の形態1について図面を参照して詳細に説明する。
(構成の説明)
図1は、カメラ制御機能付携帯電話機の構成の一例を示す図である。本実施の形態1の携帯電話機筺体(本体)は、フロント側にキースイッチ部104や機能キー等を有する筺体Aと、フロント側にレシーバ部101やLCDパネル等の表示部102を有し、リア側にカメラ部106を有する筺体Bとが、少なくともフロント同士が密着可能に開閉できるとともに、両筺体A、Bを開いた状態で相対的に互いに回動可能に結合するヒンジ部103を備える折り畳み可能な構造、つまり各筐体の端部間を結合する機構であって、筺体A、Bを相互に折り畳み及び回転が可能に結合する可動機構を備える。
【0021】
本例では可動機構として、筺体Aの端部にヒンジ軸107において回動する円筒状部材108と、筺体Aの内部にパルスモータ等の2つの電気モータ(ヒンジモータ部)M1、M2とを備え、各電気モータの駆動をパルス数等で制御することにより、前記円筒状部材108を回動させるとともに、該円筒状部材108と結合する筺体Bをヒンジ軸と直角方向の回転軸109により回転可能にそれぞれ歯車を用いて駆動するように構成しており、筺体Aに対して筺体BがU、D方向の開閉動作(上下方向動作)と、L、R方向の回転動作(左右方向動作)を可能とし、筺体Bのカメラ部106の撮影角度(方向)を調整可能としている。なお、筺体A、Bの通常の手動開閉操作等は、前記ヒンジ軸及び回転軸の方向のそれぞれ円筒状部材108及び筺体Bとの機械的な結合軸を所定の摩擦力で空回りの回動を可能に結合することにより容易に実現可能である。
【0022】
本実施の形態1の携帯電話機の各部の機能は次のとおりである。レシーバ部101は受信信号の復調された信号を音声に変換し使用者へ伝達する。LCDパネル102は、カメラ制御機能付携帯電話機の設定内容やメール内容、カメラ画像、着呼した電話番号や発呼する電話番号等を表示する。キースイッチ部104は、カメラ制御機能付携帯電話機の各種設定、電話番号入力、メールの文字入力の操作部として使用される。マイク部105はカメラ制御機能付携帯電話機の使用者の声を電気信号に変換する。
【0023】
図2は、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の機能ブロックを示す図である。アンテナ201と、送受信及び無線通信制御を行う送受信回路202と、音声信号をデジタルあるいはデジタル信号を音声に変換する音声処理回路203と、復調された音声を使用者へ伝達するレシーバ部204と、使用者の声を相手先へ送信するために電気信号へ変換するマイク部205と、カメラ制御機能付携帯電話機に対する制御信号であって、例えばメールにて送信されてくるパスワードやカメラの角度の指定等を判別するための命令判別部207、カメラの角度の制御用の可動機構の電気モータ、露出、ズーム等を制御するためのカメラ制御部208を備え、その他、送受信制御、音声処理制御、表示制御等、携帯電話機の各種制御に加え、撮影した画像を添付したメール(画像添付メール)の作成の処理を行う制御回路206と、各種設定、その他各種制御を行うための複数のキーからなるキースイッチ部209と、着信音出力回路210と、着信音を鳴動するためのスピーカ部211と、カメラ部212と、カメラを制御するためのメールを判別するためのパスワードを設定、着信履歴や電話番号、撮影画像(データ)、各種データの設定値を記憶する記憶部213と、表示部212と、カメラ部212のカメラの角度を調整すべく動作するヒンジモータ部215と、マナーモード設定回路216を備えている。
【0024】
図3は、本発明のカメラ制御付携帯電話機を用いた遠隔監視システムの構成を示す概略構成を示す図である。遠隔監視システムは本実施の形態1のカメラ制御機能付携帯電話機303と、該カメラ制御機能付携帯電話機303をメールにより制御する遠隔操作機器301とから構成される。ここで、遠隔操作機器301は、メール機能、およびカメラ画像を表示できるLCD画面を備える携帯電話機やパーソナルコンピュータ、PDA等の一般的な電子機器で構成できる。
【0025】
遠隔監視システムを構成する遠隔操作機器301とカメラ制御機能付携帯電話機303の相互機能の概略は次のとおりである。遠隔操作機器301は、カメラ制御機能付携帯電話機303のメールアドレスを利用して、そのカメラ機能を制御する際のパスワードをメール302の本文冒頭に記載してカメラ制御機能付携帯電話機303へ送信する。カメラ制御機能付携帯電話機303は、メール302の本文冒頭に記載されている文字をパスワードとして認識し、認識したパスワードを予めカメラ制御機能付携帯電話機303内に登録されているパスワードと照合し、一致した場合にはカメラ撮影に関するメールと判断し、次にメール本文を認識する。カメラ撮影を指示している場合にはカメラ撮影を行い、遠隔操作機器301から送信されてきたメールのアドレス宛てにカメラ撮影した画像を添付したメール(画像添付メール)307を作成して返信する。
【0026】
遠隔操作機器304は画像添付メール307を受信すると当該画像を表示部に表示する。画像添付メールの作成及び送信動作は、予めカメラ制御機能付携帯電話機303の記憶部に設定された一定の時間(N時間)毎に繰り返して行われるので、遠隔操作機器304の表示部の表示はN時間毎に更新される。遠隔操作機器304の使用者は、表示部の画像を確認してカメラ撮影の対象や画像の構図の調整を必要と判断した場合に遠隔操作機器304を操作することにより、前記パスワードを含みカメラの角度の左右、上下の指定、あるいはズーム、ワイドの指定等を本文とするメール305を作成してカメラ制御機能付携帯電話機306へ送信する。カメラ制御機能付携帯電話機306は、カメラの角度等を指定するメール305を受信すると、メール305により指定された角度等にカメラを調整し、以降のカメラ撮影は調整後の角度等により行われた画像により画像添付メールが作成され遠隔操作機器304へ返信される。
【0027】
(動作の説明)
本発明のカメラ制御機能付携帯電話機のカメラ部に関し、遠隔操作機器からのカメラの制御用のメール(カメラ制御メール)の受信時の動作について説明する。
遠隔操作機器からのカメラ制御機能付携帯電話機303のカメラ機能の制御にあたり、予め使用者はカメラ制御メールの識別又は遠隔監視システムの利用に関するセキュリティのために必要なパスワードをキースイッチ部209を用いて入力する。入力されたパスワードは、制御回路206を介し記憶部213に記憶される。アンテナ201より遠隔操作機器から送信されたカメラ制御するためパスワードが記載されているメールを受信すると、送受信回路202は制御回路206へ受信したメールを出力し、命令判別部207が記憶部213に予め記憶されているパスワードと照合し、一致した場合には、カメラ制御部208がカメラ部212を動作させて撮影する。撮影した画像は、制御回路206によりメール添付された形で遠隔操作機器へ返信される。
【0028】
使用者は画像添付メールの画像を遠隔操作機器のLCD画面上にて確認し、カメラの角度や露出、ズーム等を変えたい場合には、角度を右に+3(3°)、ズームを×3(3倍)等、メールに記載してカメラ制御機能付携帯電話機へ送信することにより指示する。アンテナ201は遠隔操作機器より送信されてきたメールを受信する。制御回路206は、命令判別部207によりメールに記載されているカメラの制御情報(制御内容)を判別する。命令判別部207は、判別したカメラ制御内容をカメラ制御部208へ出力する。カメラ制御部208は、カメラの角度等の指定による制御内容をパルス数又はアナログ信号等の電気モータの駆動信号に変換してヒンジモータ部215へ出力する。ヒンジモータ部215は、電気モータの駆動信号に従って動作することによりカメラの角度の左右方向、上下方向の調整が実行される。
【0029】
また、カメラ制御メールに記載されるカメラの制御内容である、露出、ズーム等については、命令判別部207が制御内容を判別して、カメラ制御部208へ出力し指示する。カメラ制御部208は、カメラ部212を制御することで露出、ズーム等の調整を行う。更に、カメラ制御部208は、ある一定時間経過後、カメラ部212へ撮影を制御する信号を出力することで、カメラ部212は当該露出、ズーム等の設定により撮影対象の撮影を実行する。そして、撮影された画像は、制御回路206により遠隔操作機器への返信メールに添付され送信される。
【0030】
図4は本実施の形態1のカメラ制御機能付携帯電話機の動作のフローチャートを示す図である。カメラ制御メールと通常のメールとの識別又はセキュリティ確保のために、カメラ制御メールのメール本文の冒頭の文字はパスワードとし、使用者は予めカメラ撮影機能のカメラ制御メールに記載するパスワードと同じパスワードをカメラ制御機能付携帯電話機に登録しておく。カメラ制御機能付携帯電話機を所望の監視場所に筐体A側を下にし、筐体Bのカメラ部の撮影方向が監視方向を向くように設置し、遠隔操作機器から当該カメラ制御機能付携帯電話機にカメラ制御メールを送信してカメラ角度及びカメラ撮影等を制御する。
【0031】
通常、遠隔監視の開始時にカメラ撮影のカメラ制御メールを送り、その後必要により所望回数のカメラ調整用のカメラ制御メールを送り、遠隔監視の終了時にカメラ撮影を停止するカメラ制御メールを送ることにより、カメラ制御機能付携帯電話機により所望の監視を行う。
【0032】
次に、カメラ制御機能付携帯電話機の具体的な動作を図4に示すフローチャートにより説明する。
カメラ制御機能付携帯電話機は、メールを受信すると(ステップ401)、制御回路(命令判別部)において、まず該メール本文の冒頭の文字を取り出して認識する(ステップ402)。次に、取り出した冒頭の文字と予めカメラ制御機能付携帯電話機に登録されているパスワードとを照合する(ステップ403)。パスワードが一致した場合にカメラ制御メールであることを認識し、更にメール本文の文字認識を行う(ステップ404)。なお、ステップ403においてパスワードが不一致の場合には、受信したメールは一般的なメールとしてのみ取り扱われ、カメラ制御機能は動作しない(ステップ405)。
【0033】
最初のカメラ制御メールはカメラ撮影の開始を指示するメールであり、カメラ制御機能付携帯電話機のカメラ制御機能がONになり(ステップ406)、カメラ部はカメラ撮影を行い撮影画像は制御回路206でメールに添付され、受信メールのアドレスにより遠隔操作機器に返信され(ステップ407)、使用者はステップ407で返信されたメールに添付されている監視場所の画像を遠隔操作機器の表示部で確認することができ遠方監視が可能となるとともに、カメラ制御メールを送信することによりカメラの撮影角度等の制御が可能となる。
【0034】
カメラ制御機能付携帯電話機ではカメラ調整用のカメラ制御メールが受信されなければ(ステップ408)、カメラ部ではN時間毎に所定の方向の画像を撮影し、それぞれの撮影画像は制御回路206でメールに添付され、受信メールのアドレスにより遠隔操作機器に返信される(ステップ411)。
【0035】
使用者が画像の確認後、監視場所に設置したカメラ撮影の機能設定等を調整する場合は、カメラ制御メールの本文に角度、露出、ズーム等、カメラの制御内容を記載してカメラ制御機能付携帯電話機へ送信する。
この場合、カメラ制御機能付携帯電話機は、このカメラ制御メールをステップ402〜403と同様のメール受信、冒頭文字認識及びパスワードの一致等の処理により受信、認識し(ステップ408)、次にメール本文の文字を認識する(ステップ409)。カメラ制御メールにはカメラ調整用の制御内容を有しており、該制御内容に従って制御回路のカメラ制御部208はカメラ部へ露出、ズーム等を指示し、又はカメラ制御部208はヒンジ部の電気モータへカメラの上下左右角度の制御を指示する等、各種の設定を行う(ステップ410)、以後の動作はステップ410で行われたカメラの設定条件で撮影が行われ、N時間毎の画像添付メールが遠隔操作機器に返信される(ステップ411)。
【0036】
引き続き使用者からカメラ調整用のカメラ制御メールが送信されると(ステップ412、408)、その制御内容に応じたカメラ機能の制御が繰り返されるので、遠隔操作機器の表示部にはカメラ制御機能付携帯電話機の上下左右の状況、ズーム等による様々な監視場所の様子が観察される。つまり、遠隔操作機器の表示部には所定のN時間毎に撮影画像が更新表示され、その間にカメラ制御メールが送信されることによりカメラ角度の調整、露出、ズーム等を制御することが可能である。
【0037】
使用者がカメラ制御機能付携帯電話機による画像取得又は監視を終了する場合は、遠隔操作機器よりカメラ制御付携帯電話機へカメラ撮影の停止の制御内容を記述したカメラ制御メールを送信する。
この場合、カメラ制御機能付携帯電話機は、このカメラ制御メールをステップ402〜403と同様の処理により受信、認識し(ステップ412)、カメラ撮影の停止のカメラ制御メールと判断し、カメラ制御機能をOFFとし(ステップ413)、遠方監視動作は終了する。
【0038】
(本発明の他の実施の形態2)
次に、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の他の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。
(構成の説明)
図5は、本発明の実施の形態2の機能ブロックを示す図である。本実施の形態2は、カメラ制御機能付携帯電話機が設置された監視場所等の周囲の音を検出して、異常等が検出された場合にカメラ撮影を行い、当該撮影画像を添付メールとして遠隔操作機器に返信するように構成したものである。本実施の形態2ではマイク部205の感度を高める等の制御を行い、マイク部205から検出される音声、騒音等の音量を検出するマイク制御部501と、マイク制御部501で検出した音声、騒音等の音量が記憶部213に予め記憶されている音量の設定値以上(所定の音量以上)か否かを認識し、前記設定値以上の場合にのみ、カメラ制御部208によりカメラ部212での撮影を行わせるように制御する音量監視制御部502とを有する。なお、同図において実施の形態1と同様の機能を有するブロックは同一符号を付している。
【0039】
カメラ制御機能付携帯電話機のカメラ撮影の制御を行う際に、予め必要なパスワードと音量(レベル)の設定値をカメラ制御機能付携帯電話機にキースイッチ部209を用いて入力する。入力されたパスワード及び音量の設定値は、制御回路206を介し記憶部213に記憶される。遠隔操作機器から本実施の形態のカメラ制御メールを受信したときの動作について説明する。
【0040】
遠隔操作機器から送信されたカメラ制御メールをアンテナ201より受信すると、送受信回路202は制御回路206へ受信したメールを出力する。命令判別部207は記憶部215に予め記憶されているパスワードと照合し一致が確認され、カメラ部212、カメラ制御部208等のカメラ制御機能が動作状態ONとなる。カメラ制御機能付携帯電話機はカメラ制御部208によりカメラ部212で撮影を開始し、制御回路206が撮影した画像を添付した画像添付メールを作成して送受信回路202を介して遠隔操作機器へ返信する。遠隔操作機器の使用者は表示部のLCD画面上にてカメラ制御機能付携帯電話機が撮影した画像を確認することができる。
【0041】
使用者がカメラ角度や露出、ズームを変更する場合には、右+3、ズーム×3等により、カメラ制御メールに記載してカメラ制御機能付携帯電話機へ送信して指示する。アンテナ201、送受信回路202でカメラ制御メールを受信すると、制御回路206は命令判別部507によりカメラ制御メールに記載されているカメラの制御内容を判別する。命令判別部207は判別した制御内容をカメラ制御部208へ出力する。
【0042】
カメラ制御部208は、カメラの角度の制御内容については電気モータの駆動信号に変換してヒンジモータ部215へ出力し、ヒンジモータ部215は駆動信号に従って動作しカメラの角度の左右上下が調整される。また、カメラの露出、ズーム等の制御内容についてはこれらを制御する信号に変換してカメラ部212へ出力し、露出、ズーム等が調整される。
【0043】
本実施の形態2では、マイク制御部501によりマイク部205の集音する音声、騒音等を高感度で検出可能に設定して音量を検出し、音量監視制御部502はマイク制御部501で検出された音声、騒音等の音量と、予め記憶部213に記憶されている音量の設定値とを比較し、前記設定値以上の音量を認識した場合にのみ、カメラ制御部208を制御し、カメラ制御部208はカメラ部212を動作させて撮影する。撮影した画像は制御回路206によりメールに添付し画像添付メールとして使用者が操作している遠隔操作機器へ返信される。
【0044】
(動作の説明)
図6は、本実施の形態2の動作のフローチャートを示す図である。使用者は予めカメラ制御機能付携帯電話機に任意のパスワードと規定の音量の設定値(数値)を登録した後、監視場所等に設置し、遠隔制御機器からカメラ制御機能付携帯電話機を制御するカメラ制御メールを送信する。
【0045】
カメラ制御機能付携帯電話機は、受信したメール(ステップ401)のメール本文の冒頭の文字を取り出し、制御回路206にて認識する(ステップ402)。次に予めカメラ制御機能付携帯電話機に登録されているパスワードと照合し(ステップ403)、パスワードが一致した場合に、カメラ制御メールであることを認識し、次にメール本文の文字認識を行い(ステップ404)、制御内容を判断する(ステップ404)。なお、ステップ403でパスワードが不一致の場合には受信したメールは一般的なメールとしてのみ取り扱われる(ステップ405)。
【0046】
最初のカメラ撮影メールはカメラ撮影を開始を指示するメールであり、カメラ制御機能付携帯電話機のカメラ制御機能が動作状態(ON)となり(ステップ406)、カメラ部は画像を撮影し、撮影画像はメールに添付され、受信メールのアドレスにより遠隔操作機器に返信される(ステップ407)。使用者はステップ407で返信されたメールに添付されている監視場所の画像を確認することができ遠方監視が実現される。
【0047】
使用者が画像の確認中にカメラの調整が必要であると判断した場合には、カメラの角度、露出、ズーム等を調整する制御内容をメール本文に記載したカメラ制御メールをカメラ制御機能付携帯電話機へ送信する。
この場合、カメラ制御機能付携帯電話機はこのカメラ制御メールをステップ402〜403と同様のメール受信、冒頭文字認識及びパスワードの一致等の処理により受信、認識し(ステップ408)、次にメール本文の文字を認識する(ステップ601)。カメラ制御メールにはカメラ調整用の制御内容を有しており、該制御内容に従って制御回路のカメラ制御部からカメラ部へ角度、露出、ズーム等の調整を行い(ステップ602)、この設定でカメラ撮影を行い画像添付メールを返信する(ステップ407)。所定時間以内の同様の制御は引き続き可能であり適宜カメラ調整をカメラ制御メールにより実施可能である。
【0048】
カメラ制御機能付携帯機は所定時間を経過すると、マイク部から集音された音の音量を音声監視制御部502で監視する(ステップ603)。音声監視制御部502は音量が使用者により予め設定した規定音量の設定値(数値)MdB以上か否かを判断する(ステップ604)。MdB以上になると音声監視制御部502はカメラ制御部208を制御し、カメラ部はカメラ撮影を行い、制御回路206は撮影画像をメールに添付して遠隔操作機器へ返信する(ステップ605)。以降も周囲で大きな異常音等が発生した場合はステップ604〜605により画像添付メールが返信される。例えば、窓ガラスが割れる等により周囲に大きい音が発生したときに異常状態として自動的にカメラ撮影を行い、画像添付メールが遠隔制御機器に通知される。周囲の音量がMdB未満の場合にはステップ604からステップ603の監視に戻り、監視する音量がMdB未満を維持する場合にはカメラ撮影及び画像添付メールの送信は休止状態を維持する。
【0049】
使用者が遠隔操作機器よりカメラ制御機能付携帯電話機へカメラ制御機能停止のカメラ制御メールを送信すると、カメラ制御機能付携帯電話機はカメラ制御機能をOFFとし、遠方監視動作が終了する(ステップ607)。
【0050】
(本発明の他の実施の形態3)
次に、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の他の実施の形態3について図面を参照して詳細に説明する。
(構成の説明)
図7は、本発明の他の実施の形態3の機能ブロックを示す図である。本実施の形態3はカメラ撮影対象に変化が現れたときカメラ撮影及び画像添付メールの返信を開始し、更に変化箇所を追跡して撮影するようにしたものである。カメラ撮影で得られた撮影画像に基づいて撮影毎に前後の撮影画像の差分を認識し、差分が生じた場合にはカメラ撮影を行い画像添付メールを送信するとともに、差分箇所が撮影画像のセンターに位置するようにカメラ部の角度等を制御して差分箇所を追跡するように制御する画像制御部809を備える。なお、同図において実施の形態1〜2と同様の機能を有するブロックには同一符号を付している。
【0051】
次に、本発明の他の実施の形態3のブロック図を用いて構成を説明する。使用者は、遠隔操作機器よりカメラ制御を行う際、予め、必要なパスワードをキースイッチ部209を用いて入力する。入力されたパスワードは制御回路206を介し記憶部213に記憶される。その後、アンテナ201より遠隔操作機器から送信されたパスワードが記載されているカメラ制御メールを受信すると、送受信回路202は制御回路206へ受信したメールを出力する。命令判別部207はカメラ制御メールのパスワードと記憶部213に予め記憶されているパスワードとを照合し、一致した場合にはカメラ制御部701等が動作状態(ON)となる。その後、カメラ制御機能付携帯機はカメラ制御部701によりカメラ部212を制御し一定のn時間毎に撮影を行う。また、ヒンジモータ部215はカメラ制御部701から制御する信号により撮影画像の差分箇所が撮影画像のセンターに位置するようにカメラ部813の角度を調整し、また、撮影画像の差分箇所が撮影画像のセンターに位置するようにズーム機能を調整する。
【0052】
以後、使用者が遠隔操作機器よりカメラ制御機能を停止するカメラ制御メールをカメラ制御機付携帯電話に送信するまで、カメラ制御機能付携帯電話機はn時間毎に撮影を行い、その撮影画像に差分が発生した際には、撮影画像をメールに添付して遠隔操作機器へ返信し、差分箇所が撮影画像のセンターに位置するようカメラの角度、ズームを調整する動作を繰り返す。このように実施の形態3は、カメラ制御機能付携帯電話機がカメラ撮影画像の差分から移動する被写体を認識することによりカメラ部が自動的に追従し撮影することを特徴とする。
【0053】
図8は、本実施の形態3のカメラ撮影画像を示す図である。同図により撮影画像の差分箇所の追跡動作を説明する。まず最初に、使用者は本実施の形態に従ってカメラ撮影及びカメラの角度、ズーム、露出を調整する。カメラ制御付携帯電話機は、ある一定の時間であるn時間毎に撮影を繰り返す動作を開始する。ファインダ801は当初の撮影画像を示しており、ファインダ803のようにマーク802が右に移動してマーク804の位置に移動すると、撮影画像に差分が発生しカメラ制御機能付携帯電話機は当該画像を撮影し、その画像をメールに添付して遠隔操作機器へ返信する。次に、画像制御部702はマ−ク804の位置をファインダ画面のセンターへ位置する様にカメラ制御部701を制御し、カメラ角度、ズームを調整する。調整後の画像をファインダ805で示す。以下同様に、再びマーク806が画面右下へ移動したとき、画像制御部702は、画面の差分を認識して撮影を行い、その画像をメールに添付して遠隔操作機器へ返信する。その撮影画像をファインダ807で示す。その後、画像制御部702は、マーク808が画面のセンターに位置するようカメラの角度、ズームを調整する。調整後の画像をファインダ809に示す。マーク810が画面のセンターに位置するように自動制御される。
【0054】
(動作の説明)
図9は、本実施の形態3の動作のフローチャートを示す図である。以下、実施の形態3の動作を説明する。
使用者は、予めカメラ制御機能付携帯電話機に任意のパスワードの設定、画像の差分の検出及び差分位置の追尾機能の設定を登録しておく。カメラ制御機能付携帯電話機は、受信したメール(ステップ401)からメール本文の冒頭の文字を取り出して制御回路206にて認識する(ステップ402)。更に、予めカメラ制御機能付携帯電話機に登録されているパスワードと照合する(ステップ403)。パスワードが一致した場合にはカメラ制御メールと認識し、メール本文の文字認識を行う(ステップ404)。なお、パスワードが不一致の場合には受信したメールは一般的なメールとしてのみ取り扱われカメラ制御機能は動作しない(ステップ405)。
【0055】
最初のカメラ撮影メールはカメラ撮影を開始を指示するメールであり、カメラ制御機能付携帯電話機のカメラ制御機能が動作状態(ON)となり(ステップ406)、カメラ部は画像を撮影し、撮影画像はメールに添付され、受信メールのアドレスにより遠隔操作機器に返信される(ステップ407)。使用者はステップ407で返信されたメールに添付されている監視場所の画像を確認することができる。
【0056】
使用者が画像の確認中にカメラの調整が必要であると判断した場合には、カメラの角度、露出、ズーム等を調整する制御内容をメール本文に記載したカメラ制御メールをカメラ制御機能付携帯電話機へ送信する。
この場合、カメラ制御機能付携帯電話機はこのカメラ制御メールをステップ402〜403と同様のメール受信、冒頭文字認識及びパスワードの一致等の処理により受信、認識し(ステップ408)、次にメール本文の文字を認識する(ステップ901)。カメラ制御メールにはカメラ調整用の制御内容を有しており、該制御内容に従って制御回路のカメラ制御部からカメラ部へ角度、露出、ズーム等の調整を行い(ステップ902)、この設定でカメラ撮影を行い画像添付メールを返信する(ステップ407)。所定時間以内の同様の制御は引き続き可能であり適宜カメラ調整をカメラ制御メールにより実施可能である。
【0057】
使用者がカメラ角度やズームを調整し(ステップ901、902)又は調整せずに所定時間が経過すると、カメラ制御機能付携帯電話機は撮影を開始しn時間毎に撮影を行う(ステップ903)。そして、カメラ制御機能付携帯電話機の画像制御部702は、撮影毎に前回の撮影画像との差分の有無を認識する(ステップ904)。差分が検出された場合には、制御回路は撮影した画像をメールに添付して遠隔操作機器へ返信する(ステップ905)。次に、画像制御部702は差分箇所が撮影画像のセンターに位置するようにカメラ部の角度をヒンジ部の電気モータを駆動することで調整し、またカメラ制御部によってズーム調整する(ステップ906)。
【0058】
ステップ904で撮影画像に差分がなかった場合には、カメラ制御機能付携帯電話機は、引き続き、ある一定時間であるn時間毎に撮影し(ステップ903)、ステップ904又はステップ904〜906を繰り返す。以上の動作は遠隔操作機器からのカメラ制御機能停止の命令が記載されたカメラ制御メールを受信するまで行われる(ステップ907)。そして、ステップ907でカメラ制御機能停止のメールを受信した場合には、カメラ制御機能付携帯電話機はカメラ制御機能をOFFする(ステップ908)。
【0059】
(本発明の他の実施の形態4)
次に、本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の他の実施の形態4について説明する。以上の実施の形態1〜3では、遠隔制御機器からの制御信号として制御情報を含むメールを使用した例を説明したが、本発明の他の実施の形態としてメールに代えて多周波信号(Dual Tone Multi frequency:「DTMF信号」という。)を使用することが可能である。この制御は、例えば通常の通話着信に対するカメラ制御機能付携帯電話機の自動応答機能によるオフフック動作状態での音声回線へDTMF信号を送信することにより実施できる。
【0060】
図10は、カメラ制御機能付携帯電話機の遠隔操作をDTMF信号によって行う実施の形態4の全体構成を示す図である。本実施の形態4では遠隔操作機器として携帯電話機1001の使用を示しており、選択キー又はカーソルキーのキースイッチ1002、1003、1004、1005、1006を押圧することにより、異なるDTMF信号1009をカメラ制御機能付携帯電話機1007へ発信する。カメラ制御付携帯電話機1007は、受信されたDTMF信号1009に従ってカメラ制御機能付携帯電話機1007に内蔵されているカメラの角度、露出、ズーム等を制御する。同図では被写体であるマーク1008を画像として撮影する例を示しており、カメラ制御機能付携帯電話機1007が撮影した画像の返信は他の実施の形態と同様にメールが用いられ、画像添付メール1010として遠隔操作機器1001へ送信される。
【0061】
画像添付メール1010の送信は実施の形態1と同様に遠隔操作機器1001の使用者がカメラ制御機能付携帯電話機1007へカメラ遠隔操作機能の終了のDTMF信号1009を発信するまで繰り返し行われるように構成することができ、また、実施の形態2、3と同様に周囲の音又は撮影画像の差分の発生時にのみ送信するように構成することができる。
【0062】
本実施の形態4のカメラ遠隔操作の一例としては、例えば、携帯電話機1001の使用者により、マーク1008の撮影において、カーソル機能等を有するキースイッチ1002の押下でカメラの角度を上向きへ移動させ、その長押しでズーム拡大させ、キースイッチ1003の押下でカメラの角度を右向きへ移動させ、キースイッチ1005の押下でカメラの角度を左向きに移動させ、キースイッチ1004の押下でカメラの角度を下向きへ移動させ、その長押しでズーム縮小させることで、それぞれの設定による撮影可能にし、更に、キースイッチ1006の押下によりカメラ制御機能付携帯電話機1007がカメラ撮影を行うように、それぞれ異なる制御信号としてのDTMF信号を送信する。カメラ制御機能付携帯電話機1007は制御回路においてそれぞれのDTMF信号を判定しカメラ制御部が対応するカメラ動作を実行するように制御し、撮影画像をメールに添付して画像添付メール1010として遠隔操作機器1001へ送信する制御を行う。
【0063】
以上の実施の形態では、カメラ制御機能付携帯電話機の可動機構としてヒンジ軸及び回動軸を用いた構造を示したが、各種の機構の変形が実施可能である。例えば、筐体Bに対しカメラ部106自体が上下左右に可動するように図1に示す可動機構等を適用することにより本発明を実施可能であることは明らかである。
【0064】
また、前記実施の形態としては、カメラ制御機能付携帯電話機の周囲の音により撮影添付メールの送信を制御する実施の形態2と、撮影画像の差分箇所の発生時に撮影添付メールの送信を制御する実施の形態3とを独立した実施の形態として説明したがこれらの組み合わせも可能である。つまり、異常音と画像の変化とにより撮影添付メールを送信するように構成することができる。更にいずれの実施の形態においても制御信号として実施の形態4のDTMF信号を利用可能である。
【0065】
更に、前記実施の形態における周期的な撮影及び画像添付メールの送信におけるN(n)時間毎等の時間間隔は、遠隔操作機器での画像の確認とカメラ部の制御時間等を考慮して数分間隔等の適宜必要な間隔とするように遠隔操作機器から制御するように構成することも可能である。
【0066】
また前記実施の形態では、全てのメール受信においてパスワードの一致によりカメラ制御メールを判別するように構成したが、パスワードの一致は最初のカメラ制御メールのみとし、後続のカメラ制御メール(カメラ調整用メール等)ではこの処理を省略することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明のカメラ制御付携帯電話機を用いた遠隔監視システムの概略構成を示す図である。
【図4】本実施の形態1のカメラ制御機能付携帯電話機の動作のフローチャートを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態2の機能ブロックを示す図である。
【図6】本実施の形態2のカメラ制御機能付携帯電話機の動作のフローチャートを示す図である。
【図7】本発明のカメラ制御機能付携帯電話機の他の実施の形態3の機能ブロックを示す図である。
【図8】本実施の形態3のカメラ撮影画像を示す図である。
【図9】本実施の形態3のカメラ制御機能付携帯電話機の動作のフローチャートを示す図である。
【図10】カメラ制御機能付携帯電話機の遠隔操作をDTMF信号によって行う実施の形態4の全体構成を示す図である。
【図11】従来の遠隔監視システムの全体構成を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
101、204 レシーバ部
102、214 表示部(LCDパネル)
103 ヒンジ部
104、209 キースイッチ部
105、205 マイク部
106、212 カメラ部
107 ヒンジ軸
108 歯車
109 回転軸
201 アンテナ
202 送受信回路
203 音声処理回路
206 制御回路
207 命令判別部
208 カメラ制御部
210 着信音出力回路
213 記憶部
215 ヒンジモータ部
208 カメラ制御部
501 マイク制御部
502 音量監視制御部
702 画像制御部
801〜809 ファインダ
M1、M2 ヒンジモータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ部による撮影が遠隔操作機器からの制御信号により遠隔制御が可能なカメラ制御機能付携帯電話機であって、前記制御信号によりカメラ部の撮影角度を制御するカメラ制御部と、カメラ部で撮影した画像を添付した画像添付メールを遠隔操作機器宛てに送信する制御回路と、を有することを特徴とするカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項2】
携帯電話機筺体がキースイッチ部を備える第1の筐体と前記カメラ部を備える第2の筐体とで構成され、前記第1及び第2の筺体の端部間に各筺体を互いに折り畳み及び回転可能に結合する可動機構を備えることを特徴とする請求項1記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項3】
前記可動機構は、前記第1及び第2の筺体の相互間の折り畳み及び回転を駆動する電気モータを備えることを特徴とする請求項2記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項4】
前記カメラ制御部は、前記制御信号によりカメラ部の露出の設定又はズーム撮影の設定を制御する機能を有することを特徴とする請求項1乃至3記載の何れかの請求項記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項5】
前記制御信号は制御情報を含むメール又はDTMF信号として受信されることを特徴とする請求項1乃至4の何れかの請求項記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項6】
周囲の音を集音するマイク部を備え、集音した音が所定の音量以上の場合に、カメラ部の撮影の実行と撮影した画像を添付した画像添付メールの送信を指示する音声監視制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかの請求項記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項7】
カメラ部は所定時間毎に撮影を実行し、撮影した画像間の差分の画像箇所を検出した場合に、撮影した画像を添付した画像添付メールの送信を指示する画像制御部を備えることを特徴とする請求項1乃至6の何れかの請求項記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項8】
前記画像制御部は、差分の画像箇所を画面の中央に位置するように自動的にカメラ部の撮影角度及びズーム撮影の設定を調整する機能を有することを特徴とする請求項7記載のカメラ制御機能付携帯電話機。
【請求項9】
パスワードを記憶するための記憶部と、記憶部に記憶されたパスワードと前記制御信号に含まれるパスワードとを照合するための命令判別部とを備え、パスワードの一致によりカメラ部の撮影の遠隔制御を可能とすることを特徴とする請求項1乃至8の何れかの請求項記載のカメラ制御機能付携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2005−217549(P2005−217549A)
【公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−19054(P2004−19054)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】