カメラ制御装置、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラム
【課題】直感的にカメラの撮像方向を指示することのできるカメラ制御装置を提供する。
【解決手段】受信部101は、カメラの撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度データとを受信する。記憶部105は、カメラアイコンデータと、地図データと、カメラ位置データとを記憶する。第1の合成部106は、地図上のカメラ位置にカメラアイコンを合成し、第2の合成部106は、カメラアイコンを基準として受信部で受信した角度データに応じた方向に、撮像画像を合成する。表示部107は、合成した画像を表示する。操作部108は、表示部107が表示した撮像画像に対する移動の操作を受け付ける。検出部104は、撮像画像に対する移動の操作を検出する。指示部105は、移動の操作のカメラアイコンに対する移動角度に応じてカメラにパンの駆動の指示を行う。
【解決手段】受信部101は、カメラの撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度データとを受信する。記憶部105は、カメラアイコンデータと、地図データと、カメラ位置データとを記憶する。第1の合成部106は、地図上のカメラ位置にカメラアイコンを合成し、第2の合成部106は、カメラアイコンを基準として受信部で受信した角度データに応じた方向に、撮像画像を合成する。表示部107は、合成した画像を表示する。操作部108は、表示部107が表示した撮像画像に対する移動の操作を受け付ける。検出部104は、撮像画像に対する移動の操作を検出する。指示部105は、移動の操作のカメラアイコンに対する移動角度に応じてカメラにパンの駆動の指示を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラのパン方向を制御するカメラ制御装置、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ズームレンズと、水平方向の回動(パン)や垂直方向の回動(チルト)により撮像方向を変更する雲台を備えた雲台付きカメラを制御して、広い監視場所を監視できるようにした監視システムが知られている。
【0003】
このような監視システムにおいて、カメラアイコンをドラッグすると、カメラの水平方向の撮像方向(以下、パン方向と呼ぶ)を変更するとともに、地図上のカメラアイコンをパン方向へ向けるカメラ操作装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−154197
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のカメラ操作装置は、カメラが撮像した映像を映像ウィンドウに表示するとともに、地図ウィンドウに地図とカメラのカメラアイコンとを表示する。そしてオペレーターが、制御モードをパン変更モードに切り替えた上で、カメラアイコンを撮像したい方向にドラッグすると、カメラの雲台駆動部が水平方向の回転を行うので、パン方向を変更することができる。しかしながら、特許文献2に記載のカメラ操作装置では、カメラアイコンは地図上で小さく表示されるだけであるので操作がしづらく、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本願発明は以下の装置、方法、プログラムを提供するものである。
1)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示するとともにカメラの制御を行うカメラ制御装置において、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信部(101)と、カメラアイコンの画像のデータであるアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶部(105)と、アイコンデータと地図データとカメラ位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成部(106)と、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成部(106)と、第2の合成画像を表示する表示部(107)と、表示部が表示した撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作部(108)と、操作部の受け付けた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示部(104)とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
2)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示するとともにカメラの制御を行うカメラ制御装置におけるカメラ制御方法であって、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信ステップと、カメラアイコンの画像データであるアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶ステップと、アイコンデータと地図データと位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成ステップと、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成ステップと、第2の合成画像を表示する表示ステップと、表示ステップで表示された撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作ステップと、操作ステップで受け付けた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示ステップとを含むことを特徴とするカメラ制御方法。
3)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示部に表示させるとともにカメラの制御を行うコンピューターに用いられるカメラ制御プログラムであって、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信機能と、カメラアイコンの画像を示すアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶機能と、アイコンデータと地図データとカメラ位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成機能と、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成機能と、第2の合成画像を表示部に表示させる表示機能と、表示機能により表示部に表示された撮像画像に対する移動の操作を受け付ける操作機能と、操作機能により受け付けられた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示機能とをコンピューターに実現させることを特徴とするカメラ制御プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカメラ制御装置、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラムによれば、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のカメラ制御装置の一実施形態であるカメラ制御端末のブロック構成図である。
【図2】カメラ制御端末で制御するカメラのブロック構成図の例である。
【図3】カメラ制御端末を用いた監視システムの一実施例である。
【図4】カメラ制御端末における表示画像の合成処理の例を示すフローチャートである。
【図5】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第1の例である。
【図6】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第2の例である。
【図7】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第3の例である。
【図8】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第4の例である。
【図9】カメラ制御端末における表示画像の例である。
【図10】カメラ制御端末におけるズーム制御用GUIの合成の例である。
【図11】カメラ制御端末におけるパン制御の例を示すフリーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のカメラ制御装置の一実施例であるカメラ制御端末について、添付図面を参照して説明する。
[監視システムの構成]
本発明のカメラ制御端末10の一実施例を用いた監視システムについて、図3に基づき説明する。図3の監視システムは店舗の内部を監視する監視システムの例であり、店舗の内部を監視するための監視カメラ20と、監視カメラ20のズームやパンを制御したり、監視カメラ20で撮像した画像を閲覧したりするためのカメラ制御端末10とを有している。説明を簡略化するため監視カメラ20が1台の例で説明するが、監視カメラ20が複数台あってもよいことはもちろんである。
【0011】
監視カメラ20は、店舗の内部を見渡せるよう、天井などの高所に取り付けられている。カメラ制御端末10は、監視カメラ20と同じ店舗の内部に設置したり、警備員室などに設置したりしてもよい。
【0012】
ネットワーク30はハブなどのネットワーク機器から構成されている。カメラ制御端末10と監視カメラ20とは、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してネットワーク30と接続されており、ネットワーク30を介してカメラ制御端末10と監視カメラ20とが相互に通信を行う。なお、カメラ制御端末10と監視カメラ20との通信は、LANケーブルを介した通信に限らず、無線LANや携帯電話回線など他の通信であってもよい。
[監視カメラの構成]
図2は、本実施例のカメラ制御端末10で制御する監視カメラ20のブロック構成図の例である。本実施例では、監視カメラ20はネットワークカメラであり、撮像した画像をネットワークを介して送信したり、ネットワークを介して受信した制御信号にしたがって撮像方向を変更したりする。
【0013】
撮像部201は、周囲の被写体を撮像し、撮像した画像を圧縮部202へ送る。圧縮部202は、撮像部201で撮像した画像を、たとえばJPEG(Joint Picture Expert Group)やMPEG(Moving Picture Expert Group)−4などの規格でディジタル画像圧縮し、通信部203へ送る。
【0014】
パン角度センサー206は、現在の撮像部201の撮像方向の水平方向の角度を、パンデータとして出力する。ズームセンサー208は、現在のズームレンズ208の倍率を、ズーム倍率データとして出力する。
【0015】
通信部203は、要求に応じて、圧縮部202で圧縮された圧縮ディジタル画像と、パンデータと、ズーム倍率データとを、カメラ制御端末10へ送信する。通信部203はまた、カメラ制御端末10から送信される制御信号を受信して、制御部204へ送る。
【0016】
制御部204は、通信部203が受信した制御信号に基づき、雲台駆動部205にパンを行わせたり、ズームレンズ駆動部207へズームレンズ208を駆動するための制御信号を送ったりする。
【0017】
雲台駆動部205は、制御部204から送られる制御信号にしたがって、撮像部201をパンさせて、撮像方向を変更する。
【0018】
ズームレンズ駆動部207は、制御部204から送られる制御信号にしたがって、ズームレンズ208を駆動してズーム倍率を変更する。
【0019】
[カメラ制御端末の構成]
図1は本発明のカメラ制御装置の一実施例であるカメラ制御端末10のブロック構成図である。カメラ制御端末10は、たとえば汎用のパーソナルコンピューターに制御用のアプリケーションソフトウェアをインストールしたものである。
【0020】
カメラ制御端末10において、通信処理部101は、監視カメラ20との間で、撮像画像データ、ズーム倍率データ、ズーム指示データ、パンデータ、パン指示データを送受信する。
【0021】
撮像画像データ取得処理部102は、通信処理部101で監視カメラ20から受信した、JPEGやMPEG−4などの規格の圧縮ディジタル画像を復号し、合成処理部106へ送る。
【0022】
ズーム倍率データ取得処理部103は、通信処理部101を通して、監視カメラ20からズーム倍率データを取得して、データ管理処理部105へ送る。ズーム倍率データ取得処理部103はまた、操作部からの入力とデータ管理処理部105のデータとから、ズーム倍率を変更するためのズーム指示データを算出し、通信処理部101へ送る。
【0023】
パンデータ取得処理部104は、通信処理部101を通して、監視カメラ20からパンデータを取得して、データ管理処理部105へ送る。パンデータ取得処理部104はまた、操作部108からの入力とデータ管理処理部105のデータとから、パン方向を変更するためのパン指示データを算出し、通信処理部101送る。
【0024】
データ管理処理部105は、あらかじめ記憶された地図データと、カメラアイコンデータと、カメラ位置データと、ズーム操作用GUIのデータと、ズーム倍率データ取得部103で取得したズーム倍率データと、パンデータ取得処理部104で取得したパンデータとを管理して、必要に応じてそのデータを提供する。地図データとは、監視カメラ20が設置されている店舗などの領域全体を示す地図のデータである。カメラアイコンデータとは、地図上に表示するカメラアイコンの画像を示すデータである。カメラの位置データとは、地図上の監視カメラ20の位置を示すデータである。ズーム操作用GUIのデータとは、地図上の撮像画像の近傍に表示してズームを操作するためのズーム操作用GUIのデータである。
【0025】
合成処理部106は、撮像画像データ取得処理部102で処理を行った撮像画像データと、データ管理処理部105に記憶されている地図データと、カメラアイコンデータと、カメラアイコンの位置データと、ズームデータと、パンデータとを用いて、表示画像データを合成する。表示画像データの合成方法の詳細は後述する。
【0026】
表示部107は液晶モニタやプロジェクタなどで構成されており、合成処理部106で合成した表示画像データを表示する。
【0027】
操作部108はマウスやタッチパネルなどで構成されており、オペレーターが表示部107に表示された表示画像データをみながら操作部104を操作して、種々の指示を行う。
【0028】
表示画像データの合成方法]
本実施例のカメラ制御端末10の合成処理部106における表示画像データの合成方法について、図4のフローチャートに基づき説明する。カメラ制御端末10は、起動した状態では通常表示モードとして、以下のように動作する。
【0029】
合成処理部106は、まず背景作成処理として、データ管理処理部105に記憶されている地図データを読み出し、背景として描画する(ステップS401)。
【0030】
合成処理部106は、次にカメラアイコン重畳処理として、データ管理処理部105に記憶されているカメラアイコンデータとカメラ位置データとを読み出し、カメラ位置データに応じた地図上のカメラの位置に、カメラアイコンデータに応じたカメラアイコンを描画する(ステップS402)。
【0031】
合成処理部106は、次に撮像画像データ表示態様算出処理として、あらかじめ記憶されているカメラ位置データと、監視カメラ20から受信したズーム倍率データとパンデータとをデータ管理処理部105から読み出し、撮像画像を背景の地図上に表示する態様を以下のようにして算出する(ステップS403)。
【0032】
データ管理処理部105は、あらかじめパンデータに対するオフセット値θoffを記憶しており、パンデータにオフセット値θoffを加算して画像角度データを算出するものとする。オフセット値は、監視カメラ20の撮像方向が地図データに対して上向きのときに画像角度データが0°となるように設定する。
【0033】
カメラアイコンの中心座標を(X1、Y1)、画像角度データをθ、カメラアイコンの中心点と重畳する撮像画像の中心点との距離をDとしたとき、合成処理部106は、重畳する撮像画像の中心点の座標を、(X1+D × sinθ、Y1+D × cosθ)とする。
【0034】
図5、図6、図7及び図8に、カメラアイコンと重畳する撮像画像の例を示す。図5は、重畳する撮像画像の第1の例で、ズーム倍率データによりDの長さを設定する例である。図5a)に示すように、(X1、Y1)を中心に、まずカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、カメラアイコン50から角度θの方向、すなわちパン方向に、距離D0だけ離れた点51aを、撮像画像52aの中心点とする。ズーム倍率データがZ2のとき、カメラアイコン50から角度θの方向に距離D1だけ離れた点51bを、撮像画像51bの中心点とする。距離Dの算出は、図5a)、b)の例ではズーム倍率データと距離Dとを反比例させ、ズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど距離Dを大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど距離Dを大きくしてもよい。図5の例では、撮像画像の大きさは一定の所定の値としている。
【0035】
また、撮像画像52がカメラアイコン50に対応したものであることを示すため、撮像画像52の外形とカメラアイコン50とを線で結んだり、中心同士を線で結ぶなどして、撮像画像52とカメラアイコン50とを画面上で連結させて表現することも好適である。
【0036】
図6は、重畳する撮像画像の第2の例で、距離Dを一定の値として、ズーム倍率データにより、重畳する撮像画像の大きさを設定する例である。図6a)に示すように、図5と同様、(X1、Y1)を中心にカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、撮像画像62aの幅をW1とする。またカメラアイコン50から角度θの方向、すなわちパン方向に、距離Dだけ離れた点61を、撮像画像62aの中心点とする。
【0037】
ズーム倍率データがZ2のとき、撮像画像の幅をW2とする。また図6a)と同じく点61を、撮像画像62bの中心点とする。幅W1、W2の算出は、図6a)、b)の例ではズームデータZ1、Z2と幅W1、W2とを比例させ、ズームデータが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど幅を大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど幅を大きくしてもよい。
【0038】
合成処理部106は、最後に撮像画像重畳処理として、撮像画像を幅W1、W2に合わせて拡大・縮小処理を行い、背景の地図上の算出した中心点を撮像画像の中心として、拡大・縮小した撮像画像を描画する(ステップS404)。
【0039】
図7は重畳する撮像画像の第3の例で、ズーム倍率データによりDの長さを設定する例である。図7a)に示すように、(X1、Y1)を中心に、まずカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、カメラアイコン50から角度(180°+θ)の方向、すなわちパン方向と反対の方向に、距離D3だけ離れた点71aを、撮像画像72aの中心点とする。
【0040】
ズーム倍率データがZ2のとき、カメラアイコン50から角度θの方向に距離D4だけ離れた点71bを、撮像画像71bの中心点とする。距離Dの算出は、図7a)、b)の例ではズーム倍率データと距離Dとを反比例させ、ズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど距離Dを大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど距離Dを大きくしてもよい。図7の例では、撮像画像の大きさは一定の所定の値としている。
【0041】
図8は重畳する撮像画像の第4の例で、距離Dを一定の値として、ズーム倍率データにより、重畳する撮像画像の大きさを設定する例である。図8a)に示すように、図7と同様、(X1、Y1)を中心にカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、撮像画像82aの幅をW1とする。またカメラアイコン50から角度(180°+θ)の方向、すなわちパン方向と反対の方向に、距離D5だけ離れた点81を、撮像画像82aの中心点とする。
【0042】
ズーム倍率データがZ2のとき、撮像画像の幅をW2とする。図8a)と同じく点81を、撮像画像82bの中心とする。幅W1、W2の算出は、図8a)、b)の例ではズーム倍率データZ1、Z2と幅W1、W2とを比例させ、ズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど幅を大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど幅を大きくしてもよい。
【0043】
合成処理部106は、最後に撮像画像重畳処理として、撮像画像データ幅W1、W2に合わせて拡大・縮小処理を行い、背景の地図上の算出した中心点を撮像画像の中心として、拡大・縮小した撮像画像を描画する(ステップS404)。
【0044】
図5、図6、図7および図8の例のように、合成処理部106は地図上にカメラアイコンと撮像画像とを重畳した表示画像を合成し、合成した表示画像を表示部107に送る。表示部107は送られた表示画像を表示する(ステップS405)。
【0045】
図9に表示画像の例を示す。図9は店舗に設置された監視システムにおけるカメラ制御端末の表示画像の例であり、図5の態様で撮像画像を表示する例を示している。図9において、91は地図、92a、92b、92c、92dはカメラアイコン、93a、93b、93c、93dは撮像画像である。地図91の上の、カメラアイコン位置に応じて、カメラアイコン92が合成され、カメラアイコン92の近傍に、図5の例に従って撮像画像が表示されている。
【0046】
本実施例のカメラ制御端末10は、表示される面積の大きい撮像画像の表示態様によってズーム倍率を表現するので、オペレーターは表示部107に表示された画像を見れば、直感的にズーム倍率を把握することができる。たとえば、図5及び図7に示した例では、カメラアイコンと撮像画像との距離によってズーム倍率を表現するので、直感的にズーム倍率を把握することができる。図6及び図8に示した例では、撮像画像の大きさによってズーム倍率を表現するので、直感的にズーム倍率を把握することができる。
【0047】
また、本実施例のカメラ制御端末10は、表示される面積の大きい撮像画像のカメラアイコンに対する角度によってパン方向を表現するので、オペレーターは表示部107に表示された画像を見れば、直感的にパン方向を把握することができる。
【0048】
また、本実施例のカメラ制御端末10は、カメラアイコンの近傍に撮像画像を表示するので、どの画像がどのカメラで撮像したものかを直感的に知ることができる。
【0049】
なお、カメラアイコン50の方向は、固定としてもよいしパン方向にあわせて回転させてもよい。
[パン方向の制御方法]
本実施例のカメラ制御端末10が監視カメラ20のパン方向を制御する制御方法について、以下に説明する。オペレーターは、カメラ制御端末10のマウスなどの操作部108で、地図上に重畳された撮像画像をドラッグすることにより、監視カメラ20のパン方向の制御を行うことができる。
【0050】
カメラ制御端末10のパンデータ取得処理部104は、オペレーターの操作により、操作部108が撮像画像をドラッグしたことを検出すると、操作モードに移行する。操作モードについて、図11のフローチャートに基づき説明する。
【0051】
パンデータ取得処理部104は、操作部108からの位置データと、カメラアイコンの位置データとから、ドラッグした撮像画像の中心のカメラアイコンに対する角度である画像角度データθ2を算出する(ステップS1101)。次に、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2からパン指示データを生成する(ステップS1102)。図5及び図6の例では、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2からオフセット値θoffを減算して、監視カメラ20のデータ形式に合わせたパン指示データを生成する。図7及び図8の例では、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2から180°とオフセット値θoffとを減算して、監視カメラ20のデータ形式に合わせたパン指示データを生成する。そしてパンデータ取得処理部104は、生成したパン指示データを、通信処理部101から監視カメラ20に送信する(ステップS1103)。パン指示データを受信した監視カメラ20は、パン角度センサー206の値がパン指示データに到達するまでパン駆動部205を駆動し、撮像部201のパンを行う。
【0052】
いったんパン指示データを送信すると、パンデータ取得処理部104は、パン指示データをパンデータとしてデータ管理処理部105へ送り(ステップS1104)、その後は操作待ちモードとして所定の時間パンデータの変更を禁止して同じ値を保持させる(ステップS1105)。ネットワーク30を介して通信を行うときの遅延や、監視カメラ20のパンの駆動にかかる時間などの積み重ねによって、パン指示データを送信してから、実際にパン方向を変更したパンデータが送られるまでのタイムラグが生じる。このようなタイムラグがあると、操作が受け付けられていないものと勘違いして操作を行ってしまう恐れがある。そこでパンデータ取得処理部104は、パン方向の変更の指示を行ったら、指示したパン方向に移動したものとみなして、データ管理処理部105のパンデータを書き換える。これにより、合成処理部106は撮像画像データの表示位置を指示したパン方向に移動させる。パンデータ取得処理部104は、その後実際にパンが完了するまで所定の時間操作待ちモードとして撮像画像データの表示位置を固定する。
【0053】
パンデータ取得処理部104は、操作待ちモードが所定の時間経過すると(ステップS1106:YES)操作待ちモードを解除してパンデータの書き換えを許可して(ステップS1107)通常表示モードに移行する。一方、操作待ちモードが所定の時間経過していない場合(ステップS1106:NO)、更に操作部108が撮像画像をドラッグしたことをパンデータ取得処理部104が検出すると(ステップS1108:YES)、ステップS1101の処理に移り操作モードに移行する。これは、変更を指示したパン方向が好ましくないとオペレーターが判断して更にパン方向の変更を指示しているものであるので、現在のパンの終了を待つ必要はなく、次のパン方向の変更の指示を受け付けるものである。操作部108が撮像画像をドラッグしたことを検出しない場合(ステップS1108:NO)、ステップS1106に戻り操作待ちモードを維持して所定の時間の経過を監視する。撮像画像は、画像を確認するために一般にカメラアイコンやズーム線よりも大きく表示されるので、操作しやすい。また、実際に表示されている画像を操作するので、直感的に操作しやすい。
【0054】
このように、本実施例のカメラ制御端末10は、画面に表示した撮像画像を操作することによりパン方向の変更の指示を行うので、直感的にパン方向の変更の指示を行うことができる。
[ズーム倍率の制御方法]
本実施例のカメラ制御端末10が監視カメラ20のズーム倍率を制御する制御方法について、以下に説明する。オペレーターは、カメラ制御端末10のマウスなどの操作部108で、地図上に重畳された撮像画像を操作することにより、監視カメラ20のズーム倍率の制御を行うことができる。
【0055】
カメラ制御端末10のズーム倍率データ取得処理部103は、オペレーターの操作により、操作部108が撮像画像を選択したことを検出すると、操作モードに移行し、以下のような動作を行う。
【0056】
ズーム倍率データ取得処理部103はまず、合成処理部106に、ズーム操作用GUI(Graphical User Interface)の表示の指示を行う。指示を受けた合成処理部106は、データ管理処理部105から、ズーム操作用GUIデータを読み出し、撮像画像に重畳させて、或いは撮像画像の近傍に、ズーム操作用GUIを表示させる。ズーム操作用GUIの例を図10に示す。図10a)は撮像画像1000の右上に重畳させて、ズーム操作用GUI1001を表示する例、図10b)は撮像画像1000の右横にズーム操作用GUI1001を表示する例である。ズーム操作用GUI1001はズームインボタン1011とズームアウトボタン1012とを備えている。
【0057】
ズーム倍率データ取得処理部103は、操作部108がズーム操作用GUI1001のズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を選択したことを検出すると、ズームイン信号/ズームアウト信号を、通信処理部101から監視カメラ20に送信する。監視カメラ20は、ズームイン信号/ズームアウト信号を受信すると、所定の量だけズーム駆動部207を駆動して、ズームイン/ズームアウトを行う。
【0058】
いったんズームイン信号/ズームアウト信号を送信すると、ズーム倍率データ取得処理部103は、ズーム倍率データに所定の値を増減させて新しいズーム倍率データとしてデータ管理処理部105へ送り、その後は操作待ちモードとして所定の時間ズームデータの変更を禁止して同じ値を保持させる。ネットワークを介して通信を行うときの遅延や、監視カメラ20のズームレンズの駆動にかかる時間などの積み重ねによって、ズームイン信号/ズームアウト信号を送信してから、ズーム倍率を変更したズーム倍率データが送られるまでのタイムラグが生じる。このようなタイムラグがあると、操作が受け付けられていないものと勘違いしてなんども同じ操作を行ってしまう恐れがある。そこでズーム倍率データ取得処理部103は、ズームイン/ズームアウトの指示を行ったら、ズーム倍率が変更されたものとみなして、カメラのズーム駆動部207の駆動の所定の量に対応した所定の値だけズーム倍率データを変化させて、データ管理処理部105のズーム倍率データを書き換える。これにより、合成処理部106は撮像画像データの位置を移動させ、あるいは大きさを変更する。ズーム倍率データ取得処理部103は、その後実際にズームイン/ズームアウトが完了するまで所定の時間操作待ちモードとして撮像画像データの表示位置あるいは大きさを固定する。
【0059】
ズーム倍率データ取得処理部103は操作待ちモードが所定の時間経過すると操作待ちモードを解除して通常表示モードに移行する。操作待ちモードが所定の時間経過していない場合、更に操作部108がズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を選択したことをズーム倍率データ取得処理部103が検出すると、操作モードに移行する。これは先に指示したズームイン/ズームアウトが好ましくないとオペレーターが判断して更にズームイン/ズームアウトを指示しているものであるので、現在のズーム倍率の変更の終了を待つ必要はなく、次のズームイン/ズームアウトの指示を受け付けるものである。操作部108がズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を操作したことを検出しない場合、操作待ちモードを維持して所定の時間の経過を監視する。
【0060】
また、ズーム倍率データ取得処理部103は操作部108のマウスカーソルの位置を検出し、マウスカーソルがズーム制御用GUI1001から所定の時間、はずれていることを検出すると、通常表示モードに移行し、合成処理部106に指示を行ってズーム制御用GUI91の表示を取りやめる。
【0061】
このように、本実施例のカメラ制御端末10は、画面に表示した撮像画像の内部または周辺に表示した操作部を操作することによりズームの指示を行うので、直感的にズームの指示を行うことができる。
【0062】
また、本発明は上記した装置の機能をコンピューターに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られコンピューターに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピューターに取り込まれてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 カメラ制御端末
20 監視カメラ
30 ネットワーク
101 通信処理部
102 撮像画像データ取得処理部
103 ズーム倍率データ取得処理部
104 パンデータ取得処理部
105 データ管理処理部
106 合成処理部
107 表示部
108 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラのパン方向を制御するカメラ制御装置、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ズームレンズと、水平方向の回動(パン)や垂直方向の回動(チルト)により撮像方向を変更する雲台を備えた雲台付きカメラを制御して、広い監視場所を監視できるようにした監視システムが知られている。
【0003】
このような監視システムにおいて、カメラアイコンをドラッグすると、カメラの水平方向の撮像方向(以下、パン方向と呼ぶ)を変更するとともに、地図上のカメラアイコンをパン方向へ向けるカメラ操作装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−154197
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載のカメラ操作装置は、カメラが撮像した映像を映像ウィンドウに表示するとともに、地図ウィンドウに地図とカメラのカメラアイコンとを表示する。そしてオペレーターが、制御モードをパン変更モードに切り替えた上で、カメラアイコンを撮像したい方向にドラッグすると、カメラの雲台駆動部が水平方向の回転を行うので、パン方向を変更することができる。しかしながら、特許文献2に記載のカメラ操作装置では、カメラアイコンは地図上で小さく表示されるだけであるので操作がしづらく、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本願発明は以下の装置、方法、プログラムを提供するものである。
1)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示するとともにカメラの制御を行うカメラ制御装置において、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信部(101)と、カメラアイコンの画像のデータであるアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶部(105)と、アイコンデータと地図データとカメラ位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成部(106)と、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成部(106)と、第2の合成画像を表示する表示部(107)と、表示部が表示した撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作部(108)と、操作部の受け付けた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示部(104)とを備えることを特徴とするカメラ制御装置。
2)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示するとともにカメラの制御を行うカメラ制御装置におけるカメラ制御方法であって、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信ステップと、カメラアイコンの画像データであるアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶ステップと、アイコンデータと地図データと位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成ステップと、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成ステップと、第2の合成画像を表示する表示ステップと、表示ステップで表示された撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作ステップと、操作ステップで受け付けた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示ステップとを含むことを特徴とするカメラ制御方法。
3)カメラと通信回線を介して接続され、カメラの撮像した撮像画像を表示部に表示させるとともにカメラの制御を行うコンピューターに用いられるカメラ制御プログラムであって、カメラで撮像した撮像画像の画像データと、カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信機能と、カメラアイコンの画像を示すアイコンデータと、カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶機能と、アイコンデータと地図データとカメラ位置データとから地図上のカメラの位置にカメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成機能と、第1の合成画像に、カメラアイコンを基準として角度データに応じた方向に、撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成機能と、第2の合成画像を表示部に表示させる表示機能と、表示機能により表示部に表示された撮像画像に対する移動の操作を受け付ける操作機能と、操作機能により受け付けられた移動の操作に応じて移動する撮像画像のカメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるようカメラにパンの指示を行う指示機能とをコンピューターに実現させることを特徴とするカメラ制御プログラム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のカメラ制御装置、カメラ制御方法及びカメラ制御プログラムによれば、直感的にカメラのパン方向の変更を指示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明のカメラ制御装置の一実施形態であるカメラ制御端末のブロック構成図である。
【図2】カメラ制御端末で制御するカメラのブロック構成図の例である。
【図3】カメラ制御端末を用いた監視システムの一実施例である。
【図4】カメラ制御端末における表示画像の合成処理の例を示すフローチャートである。
【図5】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第1の例である。
【図6】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第2の例である。
【図7】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第3の例である。
【図8】カメラ制御端末における撮像画像の合成の第4の例である。
【図9】カメラ制御端末における表示画像の例である。
【図10】カメラ制御端末におけるズーム制御用GUIの合成の例である。
【図11】カメラ制御端末におけるパン制御の例を示すフリーチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のカメラ制御装置の一実施例であるカメラ制御端末について、添付図面を参照して説明する。
[監視システムの構成]
本発明のカメラ制御端末10の一実施例を用いた監視システムについて、図3に基づき説明する。図3の監視システムは店舗の内部を監視する監視システムの例であり、店舗の内部を監視するための監視カメラ20と、監視カメラ20のズームやパンを制御したり、監視カメラ20で撮像した画像を閲覧したりするためのカメラ制御端末10とを有している。説明を簡略化するため監視カメラ20が1台の例で説明するが、監視カメラ20が複数台あってもよいことはもちろんである。
【0011】
監視カメラ20は、店舗の内部を見渡せるよう、天井などの高所に取り付けられている。カメラ制御端末10は、監視カメラ20と同じ店舗の内部に設置したり、警備員室などに設置したりしてもよい。
【0012】
ネットワーク30はハブなどのネットワーク機器から構成されている。カメラ制御端末10と監視カメラ20とは、LAN(Local Area Network)ケーブルを介してネットワーク30と接続されており、ネットワーク30を介してカメラ制御端末10と監視カメラ20とが相互に通信を行う。なお、カメラ制御端末10と監視カメラ20との通信は、LANケーブルを介した通信に限らず、無線LANや携帯電話回線など他の通信であってもよい。
[監視カメラの構成]
図2は、本実施例のカメラ制御端末10で制御する監視カメラ20のブロック構成図の例である。本実施例では、監視カメラ20はネットワークカメラであり、撮像した画像をネットワークを介して送信したり、ネットワークを介して受信した制御信号にしたがって撮像方向を変更したりする。
【0013】
撮像部201は、周囲の被写体を撮像し、撮像した画像を圧縮部202へ送る。圧縮部202は、撮像部201で撮像した画像を、たとえばJPEG(Joint Picture Expert Group)やMPEG(Moving Picture Expert Group)−4などの規格でディジタル画像圧縮し、通信部203へ送る。
【0014】
パン角度センサー206は、現在の撮像部201の撮像方向の水平方向の角度を、パンデータとして出力する。ズームセンサー208は、現在のズームレンズ208の倍率を、ズーム倍率データとして出力する。
【0015】
通信部203は、要求に応じて、圧縮部202で圧縮された圧縮ディジタル画像と、パンデータと、ズーム倍率データとを、カメラ制御端末10へ送信する。通信部203はまた、カメラ制御端末10から送信される制御信号を受信して、制御部204へ送る。
【0016】
制御部204は、通信部203が受信した制御信号に基づき、雲台駆動部205にパンを行わせたり、ズームレンズ駆動部207へズームレンズ208を駆動するための制御信号を送ったりする。
【0017】
雲台駆動部205は、制御部204から送られる制御信号にしたがって、撮像部201をパンさせて、撮像方向を変更する。
【0018】
ズームレンズ駆動部207は、制御部204から送られる制御信号にしたがって、ズームレンズ208を駆動してズーム倍率を変更する。
【0019】
[カメラ制御端末の構成]
図1は本発明のカメラ制御装置の一実施例であるカメラ制御端末10のブロック構成図である。カメラ制御端末10は、たとえば汎用のパーソナルコンピューターに制御用のアプリケーションソフトウェアをインストールしたものである。
【0020】
カメラ制御端末10において、通信処理部101は、監視カメラ20との間で、撮像画像データ、ズーム倍率データ、ズーム指示データ、パンデータ、パン指示データを送受信する。
【0021】
撮像画像データ取得処理部102は、通信処理部101で監視カメラ20から受信した、JPEGやMPEG−4などの規格の圧縮ディジタル画像を復号し、合成処理部106へ送る。
【0022】
ズーム倍率データ取得処理部103は、通信処理部101を通して、監視カメラ20からズーム倍率データを取得して、データ管理処理部105へ送る。ズーム倍率データ取得処理部103はまた、操作部からの入力とデータ管理処理部105のデータとから、ズーム倍率を変更するためのズーム指示データを算出し、通信処理部101へ送る。
【0023】
パンデータ取得処理部104は、通信処理部101を通して、監視カメラ20からパンデータを取得して、データ管理処理部105へ送る。パンデータ取得処理部104はまた、操作部108からの入力とデータ管理処理部105のデータとから、パン方向を変更するためのパン指示データを算出し、通信処理部101送る。
【0024】
データ管理処理部105は、あらかじめ記憶された地図データと、カメラアイコンデータと、カメラ位置データと、ズーム操作用GUIのデータと、ズーム倍率データ取得部103で取得したズーム倍率データと、パンデータ取得処理部104で取得したパンデータとを管理して、必要に応じてそのデータを提供する。地図データとは、監視カメラ20が設置されている店舗などの領域全体を示す地図のデータである。カメラアイコンデータとは、地図上に表示するカメラアイコンの画像を示すデータである。カメラの位置データとは、地図上の監視カメラ20の位置を示すデータである。ズーム操作用GUIのデータとは、地図上の撮像画像の近傍に表示してズームを操作するためのズーム操作用GUIのデータである。
【0025】
合成処理部106は、撮像画像データ取得処理部102で処理を行った撮像画像データと、データ管理処理部105に記憶されている地図データと、カメラアイコンデータと、カメラアイコンの位置データと、ズームデータと、パンデータとを用いて、表示画像データを合成する。表示画像データの合成方法の詳細は後述する。
【0026】
表示部107は液晶モニタやプロジェクタなどで構成されており、合成処理部106で合成した表示画像データを表示する。
【0027】
操作部108はマウスやタッチパネルなどで構成されており、オペレーターが表示部107に表示された表示画像データをみながら操作部104を操作して、種々の指示を行う。
【0028】
表示画像データの合成方法]
本実施例のカメラ制御端末10の合成処理部106における表示画像データの合成方法について、図4のフローチャートに基づき説明する。カメラ制御端末10は、起動した状態では通常表示モードとして、以下のように動作する。
【0029】
合成処理部106は、まず背景作成処理として、データ管理処理部105に記憶されている地図データを読み出し、背景として描画する(ステップS401)。
【0030】
合成処理部106は、次にカメラアイコン重畳処理として、データ管理処理部105に記憶されているカメラアイコンデータとカメラ位置データとを読み出し、カメラ位置データに応じた地図上のカメラの位置に、カメラアイコンデータに応じたカメラアイコンを描画する(ステップS402)。
【0031】
合成処理部106は、次に撮像画像データ表示態様算出処理として、あらかじめ記憶されているカメラ位置データと、監視カメラ20から受信したズーム倍率データとパンデータとをデータ管理処理部105から読み出し、撮像画像を背景の地図上に表示する態様を以下のようにして算出する(ステップS403)。
【0032】
データ管理処理部105は、あらかじめパンデータに対するオフセット値θoffを記憶しており、パンデータにオフセット値θoffを加算して画像角度データを算出するものとする。オフセット値は、監視カメラ20の撮像方向が地図データに対して上向きのときに画像角度データが0°となるように設定する。
【0033】
カメラアイコンの中心座標を(X1、Y1)、画像角度データをθ、カメラアイコンの中心点と重畳する撮像画像の中心点との距離をDとしたとき、合成処理部106は、重畳する撮像画像の中心点の座標を、(X1+D × sinθ、Y1+D × cosθ)とする。
【0034】
図5、図6、図7及び図8に、カメラアイコンと重畳する撮像画像の例を示す。図5は、重畳する撮像画像の第1の例で、ズーム倍率データによりDの長さを設定する例である。図5a)に示すように、(X1、Y1)を中心に、まずカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、カメラアイコン50から角度θの方向、すなわちパン方向に、距離D0だけ離れた点51aを、撮像画像52aの中心点とする。ズーム倍率データがZ2のとき、カメラアイコン50から角度θの方向に距離D1だけ離れた点51bを、撮像画像51bの中心点とする。距離Dの算出は、図5a)、b)の例ではズーム倍率データと距離Dとを反比例させ、ズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど距離Dを大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど距離Dを大きくしてもよい。図5の例では、撮像画像の大きさは一定の所定の値としている。
【0035】
また、撮像画像52がカメラアイコン50に対応したものであることを示すため、撮像画像52の外形とカメラアイコン50とを線で結んだり、中心同士を線で結ぶなどして、撮像画像52とカメラアイコン50とを画面上で連結させて表現することも好適である。
【0036】
図6は、重畳する撮像画像の第2の例で、距離Dを一定の値として、ズーム倍率データにより、重畳する撮像画像の大きさを設定する例である。図6a)に示すように、図5と同様、(X1、Y1)を中心にカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、撮像画像62aの幅をW1とする。またカメラアイコン50から角度θの方向、すなわちパン方向に、距離Dだけ離れた点61を、撮像画像62aの中心点とする。
【0037】
ズーム倍率データがZ2のとき、撮像画像の幅をW2とする。また図6a)と同じく点61を、撮像画像62bの中心点とする。幅W1、W2の算出は、図6a)、b)の例ではズームデータZ1、Z2と幅W1、W2とを比例させ、ズームデータが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど幅を大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど幅を大きくしてもよい。
【0038】
合成処理部106は、最後に撮像画像重畳処理として、撮像画像を幅W1、W2に合わせて拡大・縮小処理を行い、背景の地図上の算出した中心点を撮像画像の中心として、拡大・縮小した撮像画像を描画する(ステップS404)。
【0039】
図7は重畳する撮像画像の第3の例で、ズーム倍率データによりDの長さを設定する例である。図7a)に示すように、(X1、Y1)を中心に、まずカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、カメラアイコン50から角度(180°+θ)の方向、すなわちパン方向と反対の方向に、距離D3だけ離れた点71aを、撮像画像72aの中心点とする。
【0040】
ズーム倍率データがZ2のとき、カメラアイコン50から角度θの方向に距離D4だけ離れた点71bを、撮像画像71bの中心点とする。距離Dの算出は、図7a)、b)の例ではズーム倍率データと距離Dとを反比例させ、ズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど距離Dを大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど距離Dを大きくしてもよい。図7の例では、撮像画像の大きさは一定の所定の値としている。
【0041】
図8は重畳する撮像画像の第4の例で、距離Dを一定の値として、ズーム倍率データにより、重畳する撮像画像の大きさを設定する例である。図8a)に示すように、図7と同様、(X1、Y1)を中心にカメラアイコン50を配置する。そしてズーム倍率データがZ1のとき、撮像画像82aの幅をW1とする。またカメラアイコン50から角度(180°+θ)の方向、すなわちパン方向と反対の方向に、距離D5だけ離れた点81を、撮像画像82aの中心点とする。
【0042】
ズーム倍率データがZ2のとき、撮像画像の幅をW2とする。図8a)と同じく点81を、撮像画像82bの中心とする。幅W1、W2の算出は、図8a)、b)の例ではズーム倍率データZ1、Z2と幅W1、W2とを比例させ、ズーム倍率データが大きい、即ちズーム倍率が大きいほど幅を大きくしている。これとは逆にズーム倍率データが小さい、即ちズーム倍率が小さいほど幅を大きくしてもよい。
【0043】
合成処理部106は、最後に撮像画像重畳処理として、撮像画像データ幅W1、W2に合わせて拡大・縮小処理を行い、背景の地図上の算出した中心点を撮像画像の中心として、拡大・縮小した撮像画像を描画する(ステップS404)。
【0044】
図5、図6、図7および図8の例のように、合成処理部106は地図上にカメラアイコンと撮像画像とを重畳した表示画像を合成し、合成した表示画像を表示部107に送る。表示部107は送られた表示画像を表示する(ステップS405)。
【0045】
図9に表示画像の例を示す。図9は店舗に設置された監視システムにおけるカメラ制御端末の表示画像の例であり、図5の態様で撮像画像を表示する例を示している。図9において、91は地図、92a、92b、92c、92dはカメラアイコン、93a、93b、93c、93dは撮像画像である。地図91の上の、カメラアイコン位置に応じて、カメラアイコン92が合成され、カメラアイコン92の近傍に、図5の例に従って撮像画像が表示されている。
【0046】
本実施例のカメラ制御端末10は、表示される面積の大きい撮像画像の表示態様によってズーム倍率を表現するので、オペレーターは表示部107に表示された画像を見れば、直感的にズーム倍率を把握することができる。たとえば、図5及び図7に示した例では、カメラアイコンと撮像画像との距離によってズーム倍率を表現するので、直感的にズーム倍率を把握することができる。図6及び図8に示した例では、撮像画像の大きさによってズーム倍率を表現するので、直感的にズーム倍率を把握することができる。
【0047】
また、本実施例のカメラ制御端末10は、表示される面積の大きい撮像画像のカメラアイコンに対する角度によってパン方向を表現するので、オペレーターは表示部107に表示された画像を見れば、直感的にパン方向を把握することができる。
【0048】
また、本実施例のカメラ制御端末10は、カメラアイコンの近傍に撮像画像を表示するので、どの画像がどのカメラで撮像したものかを直感的に知ることができる。
【0049】
なお、カメラアイコン50の方向は、固定としてもよいしパン方向にあわせて回転させてもよい。
[パン方向の制御方法]
本実施例のカメラ制御端末10が監視カメラ20のパン方向を制御する制御方法について、以下に説明する。オペレーターは、カメラ制御端末10のマウスなどの操作部108で、地図上に重畳された撮像画像をドラッグすることにより、監視カメラ20のパン方向の制御を行うことができる。
【0050】
カメラ制御端末10のパンデータ取得処理部104は、オペレーターの操作により、操作部108が撮像画像をドラッグしたことを検出すると、操作モードに移行する。操作モードについて、図11のフローチャートに基づき説明する。
【0051】
パンデータ取得処理部104は、操作部108からの位置データと、カメラアイコンの位置データとから、ドラッグした撮像画像の中心のカメラアイコンに対する角度である画像角度データθ2を算出する(ステップS1101)。次に、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2からパン指示データを生成する(ステップS1102)。図5及び図6の例では、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2からオフセット値θoffを減算して、監視カメラ20のデータ形式に合わせたパン指示データを生成する。図7及び図8の例では、パンデータ取得処理部104は、画像角度データθ2から180°とオフセット値θoffとを減算して、監視カメラ20のデータ形式に合わせたパン指示データを生成する。そしてパンデータ取得処理部104は、生成したパン指示データを、通信処理部101から監視カメラ20に送信する(ステップS1103)。パン指示データを受信した監視カメラ20は、パン角度センサー206の値がパン指示データに到達するまでパン駆動部205を駆動し、撮像部201のパンを行う。
【0052】
いったんパン指示データを送信すると、パンデータ取得処理部104は、パン指示データをパンデータとしてデータ管理処理部105へ送り(ステップS1104)、その後は操作待ちモードとして所定の時間パンデータの変更を禁止して同じ値を保持させる(ステップS1105)。ネットワーク30を介して通信を行うときの遅延や、監視カメラ20のパンの駆動にかかる時間などの積み重ねによって、パン指示データを送信してから、実際にパン方向を変更したパンデータが送られるまでのタイムラグが生じる。このようなタイムラグがあると、操作が受け付けられていないものと勘違いして操作を行ってしまう恐れがある。そこでパンデータ取得処理部104は、パン方向の変更の指示を行ったら、指示したパン方向に移動したものとみなして、データ管理処理部105のパンデータを書き換える。これにより、合成処理部106は撮像画像データの表示位置を指示したパン方向に移動させる。パンデータ取得処理部104は、その後実際にパンが完了するまで所定の時間操作待ちモードとして撮像画像データの表示位置を固定する。
【0053】
パンデータ取得処理部104は、操作待ちモードが所定の時間経過すると(ステップS1106:YES)操作待ちモードを解除してパンデータの書き換えを許可して(ステップS1107)通常表示モードに移行する。一方、操作待ちモードが所定の時間経過していない場合(ステップS1106:NO)、更に操作部108が撮像画像をドラッグしたことをパンデータ取得処理部104が検出すると(ステップS1108:YES)、ステップS1101の処理に移り操作モードに移行する。これは、変更を指示したパン方向が好ましくないとオペレーターが判断して更にパン方向の変更を指示しているものであるので、現在のパンの終了を待つ必要はなく、次のパン方向の変更の指示を受け付けるものである。操作部108が撮像画像をドラッグしたことを検出しない場合(ステップS1108:NO)、ステップS1106に戻り操作待ちモードを維持して所定の時間の経過を監視する。撮像画像は、画像を確認するために一般にカメラアイコンやズーム線よりも大きく表示されるので、操作しやすい。また、実際に表示されている画像を操作するので、直感的に操作しやすい。
【0054】
このように、本実施例のカメラ制御端末10は、画面に表示した撮像画像を操作することによりパン方向の変更の指示を行うので、直感的にパン方向の変更の指示を行うことができる。
[ズーム倍率の制御方法]
本実施例のカメラ制御端末10が監視カメラ20のズーム倍率を制御する制御方法について、以下に説明する。オペレーターは、カメラ制御端末10のマウスなどの操作部108で、地図上に重畳された撮像画像を操作することにより、監視カメラ20のズーム倍率の制御を行うことができる。
【0055】
カメラ制御端末10のズーム倍率データ取得処理部103は、オペレーターの操作により、操作部108が撮像画像を選択したことを検出すると、操作モードに移行し、以下のような動作を行う。
【0056】
ズーム倍率データ取得処理部103はまず、合成処理部106に、ズーム操作用GUI(Graphical User Interface)の表示の指示を行う。指示を受けた合成処理部106は、データ管理処理部105から、ズーム操作用GUIデータを読み出し、撮像画像に重畳させて、或いは撮像画像の近傍に、ズーム操作用GUIを表示させる。ズーム操作用GUIの例を図10に示す。図10a)は撮像画像1000の右上に重畳させて、ズーム操作用GUI1001を表示する例、図10b)は撮像画像1000の右横にズーム操作用GUI1001を表示する例である。ズーム操作用GUI1001はズームインボタン1011とズームアウトボタン1012とを備えている。
【0057】
ズーム倍率データ取得処理部103は、操作部108がズーム操作用GUI1001のズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を選択したことを検出すると、ズームイン信号/ズームアウト信号を、通信処理部101から監視カメラ20に送信する。監視カメラ20は、ズームイン信号/ズームアウト信号を受信すると、所定の量だけズーム駆動部207を駆動して、ズームイン/ズームアウトを行う。
【0058】
いったんズームイン信号/ズームアウト信号を送信すると、ズーム倍率データ取得処理部103は、ズーム倍率データに所定の値を増減させて新しいズーム倍率データとしてデータ管理処理部105へ送り、その後は操作待ちモードとして所定の時間ズームデータの変更を禁止して同じ値を保持させる。ネットワークを介して通信を行うときの遅延や、監視カメラ20のズームレンズの駆動にかかる時間などの積み重ねによって、ズームイン信号/ズームアウト信号を送信してから、ズーム倍率を変更したズーム倍率データが送られるまでのタイムラグが生じる。このようなタイムラグがあると、操作が受け付けられていないものと勘違いしてなんども同じ操作を行ってしまう恐れがある。そこでズーム倍率データ取得処理部103は、ズームイン/ズームアウトの指示を行ったら、ズーム倍率が変更されたものとみなして、カメラのズーム駆動部207の駆動の所定の量に対応した所定の値だけズーム倍率データを変化させて、データ管理処理部105のズーム倍率データを書き換える。これにより、合成処理部106は撮像画像データの位置を移動させ、あるいは大きさを変更する。ズーム倍率データ取得処理部103は、その後実際にズームイン/ズームアウトが完了するまで所定の時間操作待ちモードとして撮像画像データの表示位置あるいは大きさを固定する。
【0059】
ズーム倍率データ取得処理部103は操作待ちモードが所定の時間経過すると操作待ちモードを解除して通常表示モードに移行する。操作待ちモードが所定の時間経過していない場合、更に操作部108がズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を選択したことをズーム倍率データ取得処理部103が検出すると、操作モードに移行する。これは先に指示したズームイン/ズームアウトが好ましくないとオペレーターが判断して更にズームイン/ズームアウトを指示しているものであるので、現在のズーム倍率の変更の終了を待つ必要はなく、次のズームイン/ズームアウトの指示を受け付けるものである。操作部108がズームインボタン1011/ズームアウトボタン1012を操作したことを検出しない場合、操作待ちモードを維持して所定の時間の経過を監視する。
【0060】
また、ズーム倍率データ取得処理部103は操作部108のマウスカーソルの位置を検出し、マウスカーソルがズーム制御用GUI1001から所定の時間、はずれていることを検出すると、通常表示モードに移行し、合成処理部106に指示を行ってズーム制御用GUI91の表示を取りやめる。
【0061】
このように、本実施例のカメラ制御端末10は、画面に表示した撮像画像の内部または周辺に表示した操作部を操作することによりズームの指示を行うので、直感的にズームの指示を行うことができる。
【0062】
また、本発明は上記した装置の機能をコンピューターに実現させるためのプログラムを含むものである。これらのプログラムは、記録媒体から読み取られコンピューターに取り込まれてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてコンピューターに取り込まれてもよい。
【符号の説明】
【0063】
10 カメラ制御端末
20 監視カメラ
30 ネットワーク
101 通信処理部
102 撮像画像データ取得処理部
103 ズーム倍率データ取得処理部
104 パンデータ取得処理部
105 データ管理処理部
106 合成処理部
107 表示部
108 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示するとともに前記カメラの制御を行うカメラ制御装置において、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信部と、
カメラアイコンの画像のデータであるアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶部と、
前記アイコンデータと前記地図データと前記カメラ位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成部と、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成部と、
前記第2の合成画像を表示する表示部と、
前記表示部が表示した前記撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作部と、
前記操作部の受け付けた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示部と
を備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示するとともに前記カメラの制御を行うカメラ制御装置におけるカメラ制御方法であって、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信ステップと、
カメラアイコンの画像データであるアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶ステップと、
前記アイコンデータと前記地図データと前記位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成ステップと、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成ステップと、
前記第2の合成画像を表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示された前記撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作ステップと、
前記操作ステップで受け付けた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示ステップと
を含むことを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項3】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示部に表示させるとともに前記カメラの制御を行うコンピューターに用いられるカメラ制御プログラムであって、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信機能と、
カメラアイコンの画像を示すアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶機能と、
前記アイコンデータと前記地図データと前記カメラ位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成機能と、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成機能と、
前記第2の合成画像を表示部に表示させる表示機能と、
前記表示機能により表示部に表示された前記撮像画像に対する移動の操作を受け付ける操作機能と、
前記操作機能により受け付けられた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示機能と
をコンピューターに実現させることを特徴とするカメラ制御プログラム。
【請求項1】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示するとともに前記カメラの制御を行うカメラ制御装置において、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信部と、
カメラアイコンの画像のデータであるアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶部と、
前記アイコンデータと前記地図データと前記カメラ位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成部と、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成部と、
前記第2の合成画像を表示する表示部と、
前記表示部が表示した前記撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作部と、
前記操作部の受け付けた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示部と
を備えることを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項2】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示するとともに前記カメラの制御を行うカメラ制御装置におけるカメラ制御方法であって、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信ステップと、
カメラアイコンの画像データであるアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶ステップと、
前記アイコンデータと前記地図データと前記位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成ステップと、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成ステップと、
前記第2の合成画像を表示する表示ステップと、
前記表示ステップで表示された前記撮像画像を移動させるための操作を受け付ける操作ステップと、
前記操作ステップで受け付けた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示ステップと
を含むことを特徴とするカメラ制御方法。
【請求項3】
カメラと通信回線を介して接続され、前記カメラの撮像した撮像画像を表示部に表示させるとともに前記カメラの制御を行うコンピューターに用いられるカメラ制御プログラムであって、
カメラで撮像した撮像画像の画像データと、前記カメラの撮像方向の水平方向の角度を示す角度データとを受信する受信機能と、
カメラアイコンの画像を示すアイコンデータと、前記カメラが設置されている領域の地図を示す地図データと、前記カメラの位置を示すカメラ位置データとを記憶する記憶機能と、
前記アイコンデータと前記地図データと前記カメラ位置データとから前記地図上の前記カメラの位置に前記カメラアイコンを合成した第1の合成画像を合成する第1の合成機能と、
前記第1の合成画像に、前記カメラアイコンを基準として前記角度データに応じた方向に、前記撮像画像を合成した第2の合成画像を合成する第2の合成機能と、
前記第2の合成画像を表示部に表示させる表示機能と、
前記表示機能により表示部に表示された前記撮像画像に対する移動の操作を受け付ける操作機能と、
前記操作機能により受け付けられた移動の操作に応じて移動する前記撮像画像の前記カメラアイコンに対する移動角度に応じた水平方向の角度となるよう前記カメラにパンの指示を行う指示機能と
をコンピューターに実現させることを特徴とするカメラ制御プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−30924(P2013−30924A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164641(P2011−164641)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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