説明

カメラ及びカメラ制御プログラム

【課題】利便性が高いカメラを提供する。
【解決手段】カメラは、発光部を有するアクセサリーを制御する。また、カメラは、プリキャプチャー画像と前記撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する際に、撮影が開始されるタイミングと、発光部が最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ及びカメラ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カメラは、閃光装置等のアクセサリーとともに使用されることがある(例えば、特許文献1参照)。アクセサリーは、カメラのアクセサリーシュー(シュー座、ホットシュー等ともよばれる)に接続されて、使用される。アクセサリーシューは、アクセサリーを制御する制御信号をアクセサリーへ出力する端子を有する。カメラは、アクセサリーシューの端子を介してアクセサリーに制御信号を送信し、アクセサリーを制御することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0329302号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カメラ及びアクセサリーを備えるカメラシステムは、使い勝手がよい(利便性が高い)ことが期待される。またカメラシステムは、連写した静止画(複数の候補画像)の中からより撮影状態のよい推奨画像を選択することも要求される。本発明は、上記の事情に鑑み成されたものであって、利便性が高いカメラ、及びカメラ制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様のカメラは、発光部を有するアクセサリーを制御するとともに、所定の操作に基づく画像の撮影時に、その操作直前までの時間的に連続するプリキャプチャー画像を前記所定の操作の後に撮影された時間的に連続する撮影画像とともに記憶するプリキャプチャー機能を備えるカメラであって、前記アクセサリーの発光部の点灯を制御するとともに、前記カメラにおける撮影処理を制御するカメラ制御部、を備え、前記カメラ制御部は、前記プリキャプチャー画像と前記撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する所定の撮影モードにおいて、前記所定の操作により撮影が開始されるタイミングと、前記発光部が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と前記撮影画像から選択する画像の枚数とを設定することを特徴とする。
【0006】
本発明の第2の態様のカメラ制御プログラムは、発光部を有するアクセサリーを制御するとともに、所定の操作に基づく画像の撮影時に、その操作直前までの時間的に連続するプリキャプチャー画像を前記所定の操作の後に撮影された時間的に連続する撮影画像とともに記憶するプリキャプチャー機能を備えるカメラ内のコンピュータを、前記アクセサリーの発光部の点灯を制御する手順と、前記プリキャプチャー画像と前記撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する所定の撮影モードにおいて、前記所定の操作により撮影が開始されるタイミングと、前記発光部が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と前記撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する手順と、を実行するカメラ制御部として機能させるためのカメラ制御プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性が高い、カメラ、及びカメラ制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態のカメラシステムの外観を示す図である。
【図2】本実施形態のカメラシステムを図1とは反対側から見た図である。
【図3】本実施形態のアクセサリーシューの外観を示す図である。
【図4】本実施形態のアクセサリーシューを示す図である。
【図5】本実施形態のコネクターの外観を示す図である。
【図6】本実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。
【図7】本実施形態のアクセサリーの構成を示す図である。
【図8】充電制御において各処理を行うタイミングを示す図である。
【図9】本実施形態のカメラシステムにおける通信処理の手順を示す図である。
【図10】本実施形態のカメラシステムにおける充電制御処理の手順を示す図である。
【図11】初期通信シーケンスにおける充電制御処理の手順を示す 図である。
【図12】定常通信シーケンスにおける充電制御処理の手順を示す図である。
【図13】撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図14】照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。
【図15】照明光発光部の点灯タイミングを示す図である。
【図16】候補画像の選択の手順を示す図である。
【図17】候補画像の第1の選択例を示す図である。
【図18】候補画像の第2の選択例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施形態について説明する。以下の説明において、同様の構成要素については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。
【0010】
(カメラシステム1の外観構成)
図1は、本実施形態のカメラシステム1の外観を示す図である。図2は、本実施形態のカメラシステム1を図1とは反対側から見た図である。
図1及び図2に示すカメラシステム1は、カメラ10(カメラボディ100及び撮影レンズ200)及びアクセサリー400を備える。本実施形態のアクセサリー400は、発光機能を有し、被写体を照らすことができる。カメラ10は、アクセサリー400と通信して、アクセサリー400を制御することができる。カメラシステム1は、例えば、アクセサリー400によって被写体を照らしながら、カメラ10によって被写体の像を撮像することができる。
【0011】
図1に示すように、カメラ10は、カメラボディ100及び撮影レンズ(交換レンズ)200を備える。カメラボディ100は、撮影レンズ200を取り付け可能なレンズマウント11を備える。なお、撮影レンズ200は、カメラボディ100とマウントするためのレンズ側マウント(不図示)を備えている。撮影レンズ200はそのレンズ側マウントを介して、レンズマウント11に対して着脱可能である。カメラボディ100は、レンズマウント11が配置されている正面12に対して側方を向く側面のうち上部に配置された頂面(上面)13と、正面12とは反対側に配置された背面14とを有する。
【0012】
カメラボディ100は、それぞれ頂面13に配置された、レリーズ釦16、アクセサリーシュー(以下、シュー座15という)、及び電源スイッチ31を備える。カメラ10は、レリーズ釦16が押下されたことを検出して、撮像処理等の各種処理を行う。シュー座15は、アクセサリー400を取り付け可能なように、構成されている。電源スイッチ31は、カメラボディ100のオン状態とオフ状態とを切替えるスイッチである。
【0013】
本実施形態において、図1等に示すXYZ直交座標系を設定し、構成要素の位置関係等を説明することがある。このXYZ直交座標系において、Y軸方向は、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向である。
【0014】
アクセサリー400は、アクセサリー本体410、コネクター420、及び発光部425を備える。発光部425は、それぞれ光を射出する射出面を備えた閃光発光部430及び照明光発光部435を備える。アクセサリー本体410は、照明光発光部435及び各種電気部品などを収容している。コネクター420は、アクセサリー本体410の下方に設けられている。コネクター420は、カメラボディ100のシュー座15に対して着脱可能である。アクセサリー400は、コネクター420がシュー座15に装着されることによって、カメラボディ100に装着されてカメラボディ100に対して固定される。
【0015】
閃光発光部430は、アクセサリー本体410に対してコネクター420とは反対側(上方)に設けられている。閃光発光部430は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で且つ閃光発光部430の射出面がカメラボディ100の正面12側(+Y方向側)の方向を向いている場合には、撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に閃光照明光(Xe管からの閃光発光)を発することができる。閃光発光部430はその射出面の向き(姿勢)を、アクセサリー本体410に対して変化(姿勢変化)できるように設けられている。例えば、閃光発光部430の射出面を、アクセサリー本体410の上方(+Z側)に向けて閃光照明光を発することもできる。一方、照明光発光部435は、アクセサリー400がカメラボディ100に取り付けられた状態で、カメラボディ100の正面12側(+Y側)に向けて(撮影レンズ200の光軸とほぼ平行な方向に)連続照明光(例えばLED照明光)を発することができる。
【0016】
図2に示すように、カメラボディ100は、背面14に配置された表示部102と、背面14に配置された設定スイッチ104とを備える。表示部102は、液晶表示素子や有機エレクトロルミネッセンス表示素子等の表示素子を備える。表示部102は、撮像される画像、各種設定を示す画像、アクセサリー400の状態を示す画像、撮像条件を示す画像等を表示することができる。設定スイッチ104は、カメラ10とアクセサリー400の各種設定項目を変更するためのユーザーからの入力を、受け付けることができる。各種設定項目は、ズーム倍率設定、撮影モード設定、ホワイトバランス設定、露光時間設定、表示切り替え設定のうちの少なくとも1つを含む。撮影モード設定は、例えば、オートモード設定又はマニュアルモード設定である。
【0017】
図2に示すように、アクセサリー400は、第1パイロットランプ455、第2パイロットランプ460、第1操作部424、及び第2操作部471を備える。第1パイロットランプ455は、図1に示した閃光発光部430の動作状態に応じて発光する。第2パイロットランプ460は、図1に示した照明光発光部435の動作状態に応じて発光する。第1操作部424は、アクセサリー400をカメラボディ100から取り外すために、ユーザーによって操作される操作部材である。第2操作部471は、アクセサリー400の機能全体のオン状態とオフ状態とを切替えるために、ユーザーによって操作される操作部材である。
【0018】
(シュー座の構成)
図3は、本実施形態のシュー座15の外観を示す図である。図4は、シュー座15を図3の上から(図3の天板部22から−Z軸方向に)、部分的に透過して見た平面図である。 シュー座15は、底板部21、天板部22、底板部21と天板部22との間に配置された側板部23、底板部21と天板部22との間に配置された開口24、及び底板部21に配置された端子部25を備える。
底板部21は、図1に示したカメラボディ100の頂面13に取付けられている。底板部21は、カメラボディ100の頂面13に取付けるのに用いられる取り付け孔26と、アクセサリー400を係止するのに用いられる係止孔27とを有する。底板部21は、取り付け孔26の内側に配置されるネジ等によって、カメラボディ100の頂面13に固定される。本実施形態において、+Z軸方向を「上方」ということがある。
【0019】
天板部22は、上方(Z軸方向)から見た平面形状がほぼU字形状である。開口24は、底板部21から天板部22へ向かう方向(Z軸方向)に対して交差する方向に向って、開いている。開口24は、側板部23の内壁の延在方向(Y軸方向)にほぼ平行な方向に向って、開いている。開口24は、コネクター420を挿入することができるように、寸法及び形状が設定されている。
【0020】
端子部25は、図4において符号Tp1からTp12で示される複数(12個)の端子を有する。アクセサリー400は、シュー座15の開口24にコネクター420を挿入して所定の方向(+Y軸方向)にスライド移動させることによって、シュー座15に取付けられる(図1参照)。
【0021】
図5は、本実施形態のコネクター420の外観を示す図である。コネクター420は、底部421と、底部421からコネクター420の外部に向って突出する可動部材(以下、係止爪422という)と、底部421に設けられた端子部423とを備える。コネクター420は、開口24に挿入された状態で、底板部21と天板部22との間に配置され、底板部21から天板部22に向う方向においてシュー座15に対する移動が規制される。 第1操作部424(図2参照)は、係止爪422を所定の方向に移動させるために、ユーザーによって操作可能な操作部材である。係止爪422は、操作部424のリンク機構から受ける力によって、所定の方向(図5の+Z軸方向)に移動する。つまり係止爪422は、図3に示した係止孔27に係止されている状態で操作部424が操作された場合に、係止孔27の内側から退避するように+Z側に移動する。これにより、アクセサリー400は、カメラボディ100に対する位置の規制が解除され、カメラボディ100から取り外すことが可能な状態になる。
【0022】
(カメラシステムの機能構成)
図6は、本実施形態のカメラシステムの機能構成を示すブロック図である。図6に示すように、撮影レンズ200は、光学系210、光学系駆動部220、及び光学系制御部230を含む。被写体から撮影レンズ200へ入射した光は、光学系210を通ってカメラボディ100の撮像素子121の受光面へ入射する。
【0023】
光学系駆動部220は、光学系210を駆動するアクチュエータ、光学系210における光学部品の位置を検出するエンコーダ、及び手振れ等による光学系210の移動を検出するセンサーを備える。光学系駆動部220のアクチュエータは、例えば、フォーカシング制御用モータ、パワーズーム制御用モータ、絞り開口制御用モータ、手ブレ補正(Vibration Reduction;VR)制御用モータ、伸筒・縮筒制御用モータを含む。
【0024】
光学系駆動部220は、光学系制御部230からの制御指令に従って光学系駆動部220のアクチュエータを動作させることによって、フォーカシング制御、ズーミング制御、露出制御、VR制御、及び撮影レンズ200の伸縮制御を行うことができる。アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、及び不揮発性メモリー445を含む。アクセサリー400の詳細については、後述する。
【0025】
カメラボディ100は、電池収納部110、撮像処理部120、シャッター駆動部130、表示部制御回路135、メモリー140、メモリー制御回路145、入力部150、操作検出回路155、記憶部158、及びカメラ制御部170を備える。電池収納部110に収納された電池BATは、カメラシステム1の構成要素、例えば表示部102や撮影レンズ200、アクセサリー400等の動作に必要な電力(PWR)を供給することができる。
【0026】
撮像処理部120は、撮像素子121、撮像素子制御回路122、及び画像回路123を備える。撮像素子121は、二次元的に配列された複数の画素を備える。撮像素子121の各画素は、CCD(Charge Coupled device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の受光素子を備える。撮像素子121の受光素子は、光学系210から各画素へ入射した光の光量に応じた電荷を信号に変換する。撮像素子121は、光学系210を介して撮像素子121の受光面に形成された像(光学像)に応じたアナログの画像信号を生成する。画像回路123は、撮像素子121から出力された画像信号を増幅し、アナログの画像信号をデジタル信号に変換する。撮像素子制御回路122は、撮像素子121を制御する。
【0027】
シャッター駆動部130は、カメラボディ100に収容されているシャッターの開閉を制御する。表示部制御回路135は、例えば、表示部102の点灯や明るさ調整、消灯等の表示制御や、カメラ制御部170から出力される画像データを表示部102に表示させる処理を行う。
メモリー140は、例えば、メモリーカード等のようにカメラボディ100から抜き差し可能な記憶媒体である。メモリー140は、例えば、カメラ制御部170によって生成される画像データ等を記憶する。メモリー制御回路145は、カメラ制御部170とメモリー140との間の情報の入出力を制御する。
【0028】
入力部150は、ユーザーが操作することが可能な設定スイッチ104及びレリーズ釦16を備える。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を検出する。操作検出回路155は、入力部150に入力されたユーザーの操作を示す操作情報を生成し、生成した操作情報をカメラ制御部170に出力する。
【0029】
記憶部158は、不揮発性メモリー160及びバッファメモリー165を備える。不揮発性メモリー160は、カメラ制御部170を動作させるプログラムや、撮像により生成された画像データ、装置の状態を示す情報、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報、ユーザーから入力された各種設定や撮像条件等の情報を記憶する。バッファメモリー165は、カメラ制御部170の制御処理に用いられる一時的な情報の記憶部である。
【0030】
カメラ制御部170は、不揮発性メモリー160に記憶されたプログラムに基づいてカメラボディ100の構成要素の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電子部品とを備える。カメラ制御部170は、例えば、操作検出回路155がカメラ制御部170に出力した操作情報に応じて、カメラボディ100への電源の投入や、光学系駆動部220を介した光学系210の駆動制御、撮像素子制御回路122を介した撮像素子121の駆動制御、表示部制御回路135を介した表示部102の表示制御、画像回路123に出力された画像信号に対する処理の制御等を行う。
【0031】
カメラ制御部170は、画像処理部171、表示制御部172、撮像制御部173、操作検出処理部174、電力制御部175、及び通信部176を含む。画像処理部171は、画像回路123から出力された画像信号に基づいて、画像データを生成する画像処理を行う。画像処理部171は、画像処理により生成した画像データをバッファメモリー165に記憶させる。
【0032】
表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、読み出した画像データを表示部102に繰り返し表示させる。また、表示制御部172は、画像処理部171によって生成されバッファメモリー165に記憶された画像データを一定時間間隔ごとに読み出し、動画形式のデータ(動画データ)としてメモリー140に記録させる。また、表示制御部172は、後述する電力制御部175の判定結果に応じて、電池BATの充電残量を表示部102に表示させる。
【0033】
操作検出処理部174は、操作検出回路155が出力した操作情報に基づいて操作検出回路155が検出したユーザーの操作を判定し、判定した情報をバッファメモリー165に記憶させる。操作検出処理部174は、ユーザーからの操作に応じた各種処理の制御指令を、操作に対応する処理を実行する構成要素(機能部)に出力する。操作検出処理部174は、例えば撮像処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、撮像処理の実行を要求する制御指令を撮像制御部173に出力する。
【0034】
また、操作検出処理部174は、例えばオートフォーカス(AF)処理の実行を要求する旨の入力部150への入力を操作検出回路155が検出した場合に、操作検出回路155が操作検出処理部174に出力した操作情報に基づいて、AF処理の実行を要求する制御指令を出力する。AF処理において、光学系制御部230は、操作検出処理部174が出力した制御指令に基づいて、光学系210を介して撮像素子121で検出された画像を利用した測距結果を参照しつつ、光学系駆動部220のフォーカシング制御用モータを制御して、例えばユーザーが指定した被写体にピントが合うように、光学系210の焦点を調整する。
【0035】
撮像制御部173は、操作検出回路155が出力した制御指令に基づいて、カメラシステム1の構成要素に撮像処理を実行させるための制御信号を、カメラシステム1の構成要素に出力する。撮像制御部173は、撮像処理に関連する処理として、例えば以下のような処理を実行させる。撮像処理において、撮像制御部173は、予めユーザーから入力された撮像条件に応じて、光学系制御部230を介して光学系210のフォーカシング制御、露出制御、ズーミング制御、VR制御等の制御を行う。また、撮像制御部173は、撮像処理において、シャッター駆動部130を制御することによって、シャッターが開いている時間(露光時間)を制御し、撮像素子121の受光面に光学系210からの光を露光時間だけ照射させる。また、撮像制御部173は、必要に応じて、アクセサリー400を制御して、撮影タイミングに同期させてアクセサリー400から光を照射させる。
【0036】
電力制御部175は、電池BATから出力される電源電圧を検出した結果と判定閾値とを比較することにより、電池BATにおける電力の残量を判定する。また、電力制御部175は、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を示す情報を収集し、カメラシステム1の各負荷部の消費電力を監視する。
【0037】
通信部176は、カメラボディ100の内部の各負荷部を制御する負荷制御部と通信可能に接続される。カメラボディ100の内部の負荷部は、例えば表示部102等であり、負荷制御部は、例えば表示部制御回路135等である。また、通信部176は、カメラシステム1のうちカメラボディ100の外部に配置される外部装置に対して、各外部装置の制御部と通信可能な状態で接続される。本実施形態のアクセサリー400は、外部装置の1つであり、アクセサリー制御部440が通信部176と通信可能に接続される。
【0038】
(アクセサリー400の構成とカメラ10との接続関係)
図7は、本実施形態のアクセサリー400の構成、及びアクセサリー400とカメラ10(上述したカメラボディ100及び撮影レンズ200)との接続関係を示す図である。
【0039】
まず、カメラ10について説明する。カメラ10は、負荷部30、電源スイッチ31、電源部32、及びアクセサリー電源制御部33を備える。
負荷部30は、既述のシャッター駆動部130や表示部102等のようにカメラボディ100の負荷部と、光学系駆動部220や光学系制御部230等のようにカメラボディ100の外部の負荷部とを含む。電源スイッチ31は、電池BATから負荷部30の重負荷部への電力の供給を遮断するスイッチである。
【0040】
電源部32は、電池BATから供給される電力に基づいて、電池BATの出力電圧を安定化して負荷部30の軽負荷部及びカメラ制御部170に供給する。電源部32は、電池BATの出力電圧を安定化する定電圧回路を備える。アクセサリー電源制御部33は、第1端子、第2端子、及び制御端子を備える。アクセサリー電源制御部33は、制御端子に入力される制御信号に応じて、第1端子と第2端子の間を導通状態にするか否かを切替えるスイッチである。
【0041】
カメラボディ100の端子部25は、アクセサリー400の端子部423と電気的に接続可能である。端子部25は、符号Tp1から符号Tp12で示される複数の端子を含む(図4参照)。図4及び図7に示すように、カメラボディ100の端子部25における各端子は、次のように割り付けられる。
【0042】
端子部25において、電源端子Tp11とTp12は、それぞれ、カメラボディ100内の電池BATからの電力PWRをアクセサリー400側に供給する端子である。接地端子Tp1とTp2は、それぞれ、電源端子Tp11とTp12に対応する接地端子である。接地端子Tp1及びTp2は、電位が電力PWRの基準電位になる端子である。また接地端子Tp1及びTp2は、電力PWRを利用するカメラボディ100内の回路(負荷部30の重負荷部)用の接地端子である。
【0043】
基準電位端子Tp3とTp5は、それぞれ、電位が基準電位SGND(シグナルグランド)になる端子である(即ち、信号の授受を行うための基準となる電位となる端子である)。また基準電位端子Tp3及びTp5は、カメラボディ100内の回路(カメラ制御部170、電源部32、負荷部30の軽負荷部)用の接地端子である。同期信号端子Tp4は、アクセサリー400側で生成する通信用クロック信号である同期信号(クロック信号)CLKがアクセサリー400から入力される端子である。
【0044】
通信信号端子Tp6は、カメラ側データ(各種コマンドを含む)を含む通信信号DATAをアクセサリー400側に出力する端子でもあり、且つその逆に、アクセサリー400側の各種情報(アクセサリー400の固有情報や設定情報など)を含む通信信号DATAがアクセサリー400側から入力される端子でもある。
起動状態検出端子Tp7は、シュー座15に対してコネクター420が装着された状態であり且つアクセサリー起動可能状態を示す(換言すれば、アクセサリー400が起動して機能できる状態を示す)起動検出レベル(電気的なLレベル)DETを、アクセサリー400側が提供しているか否かを検出するための端子である。
【0045】
発光制御信号端子Tp8は、アクセサリー400の閃光発光部430と照明光発光部435の少なくとも一方の発光を制御する発光制御(発光指令)信号Xをアクセサリー400に対して出力する端子である。発光制御(発光指令)信号Xは、ひらたく言えば、閃光発光部430または照明光発光部435に対して発光開始を指示する制御指令である。
通信制御信号端子Tp9は、カメラ10からアクセサリー400に対して通信を始める際に通信制御(通信開始)信号Csをカメラ10からアクセサリー400に対して出力する端子である。この通信制御信号Csは、前述の通信信号端子Tp6を介したカメラ10とアクセサリー400との間のDATA通信の通信開始タイミングを定める信号である。
オープン端子Tp10は、電力と信号の双方が供給されない端子であり、いわゆるオープン端子である。このオープン端子Tp10は、システムの将来的な機能拡張のために予備的に設けられている端子である。
【0046】
カメラ制御部170は、端子部25及び端子部423を介して、アクセサリー400と通信してアクセサリー400を制御するための制御信号を、アクセサリー400に供給する。本実施形態において、カメラ制御部170がアクセサリー400に供給する制御信号は、アクセサリー400における発光部425の発光を制御する発光制御信号X、通信信号DATA、及びカメラ10とアクセサリー400との間の通信タイミングを定める通信制御信号Csである。
【0047】
カメラ制御部170は、図6に示した不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶されている情報を読み出して、読み出した情報をアクセサリー制御部440へ送信する。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した情報を不揮発性メモリー160とバッファメモリー165の少なくとも一方に記憶させる。
不揮発性メモリー160に記憶されている情報は、カメラ10の初期状態を示すカメラ初期状態情報、及びカメラ10の設定状態を示すカメラ設定状態情報を含む。
【0048】
カメラ初期状態情報は、カメラ10の種類を示す情報、カメラ10が有する機能の種類を示す情報、カメラ10が有する各機能の特性を示す情報等を含む。カメラ10が有する機能の種類を示す情報は、例えば、AE制御を行うか否かを示す情報、AWB制御を行うか否かを示す情報等である。
【0049】
カメラ設定状態情報は、カメラ10が有する各機能を機能させるか否かを示す設定情報、カメラ10の撮影モードを示す情報等である。撮影モードを示す情報は、例えば、カメラ10が動画として画像を撮像する撮影モードに設定されているか否かを示す情報、カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されている否かを示す情報等である。カメラ10が静止画として画像を撮像する撮影モードに設定されていることを示す情報は、例えば、単写と連写のいずれを行うモードに設定されているか否かを示す情報である。単写を行うモードは、例えば、レリーズ釦16が押下されるたびに1枚の画像を撮像する撮影モードである。連写を行うモードは、レリーズ釦16が押下されている間に、複数の画像を撮像する撮影モードである。
【0050】
(カメラ10における各構成要素の接続関係)
次に、図7を参照してカメラ10における各構成要素の接続関係について説明する。以下の説明における電池BATは、電池収納部110に収納された状態とする。電池BATの正極は、電源線40(PWR)を介して、電源スイッチ31の一端に接続されている。電源スイッチ31の他端は、負荷部30の重負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の重負荷部の接地端子は、接地線41(PGND)を介して、電池収納部110に収納された電池BATの負極に接続されている。
【0051】
また、電池BATの正極は、電源線40を介して、電源部32の入力端子に接続されている。電源部32の第1出力端子は、負荷部30の軽負荷部の電源端子に接続されている。負荷部30の軽負荷部の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。また、電源部32の第2出力端子は、カメラ制御部170の電源端子に接続されている。第2出力端子の電位は、第1出力端子の電位と異なっている。カメラ制御部170の接地端子は、接地線42(SGND)を介して、電池BATの負極に接続されている。
【0052】
接地端子Tp1は、接地線43(GND)を介して、電池BATの負極に接続されている。接地端子Tp2は、接地端子Tp1とは並列に、接地線43を介して電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp3は、接地線42を介して、電池BATの負極に接続されている。基準電位端子Tp5は、基準電位端子Tp3とは並列に、接地線42を介して電池BATの負極に接続されている。なお、本実施形態のカメラ10のグランドは、いわゆる一点グランド(一点アース)を採用している。
【0053】
同期信号端子Tp4、通信信号端子Tp6、起動状態検出端子Tp7、発光制御信号端子Tp8、及び通信制御信号端子Tp9は、それぞれ、信号線を介してカメラ制御部170に接続されている。オープン端子Tp10は、カメラ制御部170、電源線40、接地線41、接地線42、及び接地線43等の他の回路と絶縁されている。
【0054】
通信信号端子Tp6に接続しているラインにはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部32の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Tp6における電位(レベル)は、アクセサリー400の装着前及びアクセサリー400との通信開始前にHレベルに維持される。なお、起動状態検出端子Tp7に接続しているラインにも、上記通信信号端子Tp6と同様に、プルアップ抵抗が設けられている。これについては図9を参照して後述する。
【0055】
電源端子Tp11は、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。電源端子Tp12は、電源端子Tp11と並列に、アクセサリー電源制御部33の第1端子に接続されている。アクセサリー電源制御部33の第2端子は、電源線40を介して、電池BATの正極に接続されている。アクセサリー電源制御部33は、その制御端子にカメラ制御部170から入力される制御信号によって、電池BATから電源端子Tp11と電源端子Tp12への電力供給を遮断することができる。
【0056】
(アクセサリー400の構成)
次に、図7を参照して、アクセサリー400の構成について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、カメラ10から供給される電力PWRによって動作する。アクセサリー400は、閃光発光部430、照明光発光部435、アクセサリー制御部440、記憶部444、第1電源部(電源部1)450−1、第2電源部(電源部2)450−2、第1スイッチ部465(MSW)、及び第2スイッチ部470(PCSW)を備える。
【0057】
閃光発光部430は、閃光光源431及び充電部432を備える。閃光光源431は、キセノン管など周知の閃光照明光源を備える。
充電部432は、カメラボディ100から供給された電圧を昇圧する昇圧回路部と、その昇圧回路部で昇圧された電圧に基づいて閃光光源431を発光させるのに必要な電力を蓄積可能な蓄積回路部(蓄積部/コンデンサ/又はキャパシタ)とを備える。充電部432は、蓄積部(蓄積回路部)に蓄積された電力を閃光光源431に供給することによって、閃光光源431を発光させる。
【0058】
充電部432は、アクセサリー制御部440から供給される信号に従って、充電部432の蓄積部への充電を開始又は停止する。充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中に蓄積部の電極間の電圧(充電電圧)を検出することによって、蓄積部が蓄積している充電量(蓄電量、電荷量)を検出することができる。充電部432は、検出した蓄積部の充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。
なお、充電部432は、周知の発光制御回路(例えば周知のIGBTのように発光の開始・停止を制御する回路)を備えており、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、閃光光源431を撮影タイミングに同期させて発光させること、及び閃光光源431の発光量を制御することができる。
【0059】
照明光発光部435は、照明光光源437及び照明光光源駆動部436を備える。本実施形態の照明光光源437は、連続照明光を発光可能な発光ダイオード(LED)等の固体光源を備える。照明光光源駆動部436は、照明光光源437に電流を供給することによって、照明光光源437を点灯(発光)させる。もちろん照明光光源437は、照明光光源駆動部436によって間欠的に電流が供給されることにより、連続照明光ばかりでなく照明光を間欠的に発光(点滅点灯)することも可能である。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440の制御により、照明光光源437を撮影タイミングに同期させて発光させる。照明光光源駆動部436は、アクセサリー制御部440から入力された信号に従って、照明光光源437を点灯させる時間(点灯時間)を制御する。
【0060】
本実施形態において、閃光発光部430の最大の発光量は、照明光発光部435の最大の発光量よりも多い。閃光発光部430は、例えば静止画の撮像時に点灯され、照明光発光部435の点灯時よりも被写体を明るく照らすことができる。本実施形態において、照明光発光部435の最長の点灯時間(最長点灯時間)は、閃光発光部430の最長の発光時間よりも長い。照明光発光部435は、例えば動画の撮像時に点灯され、閃光発光部430の点灯時間よりも被写体を長時間にわたって照らすことができる。
本実施形態において、閃光発光部430が発する光を閃光と称し、閃光発光部430が閃光を発する機能を閃光発光機能と称すことがある。また、照明光発光部435が発する光を照明光と称し、照明光発光部435が照明光を発する機能を照明発光機能と称すことがある。また、照明光発光部435が発光することを点灯と称することがある。
【0061】
本実施形態において、第1スイッチ部465(MSW)は、既述した係止爪422(図5参照)に機械的に連動している。第1スイッチ部465は、係止爪422が所定の方向(Z軸方向)に移動することによって、内部のスイッチ回路を閉路(クローズ)又は遮断(オープン)する。この第1スイッチ部465は、アクセサリー400のカメラ10への装着が完了された場合に、スイッチ回路を閉路する。また、第2スイッチ部470(PCSW)は、既述した第2操作部471(図2参照)に機械的に連動している。第2スイッチ部470は、第2操作部471が操作されることによって、内部のスイッチ回路を閉路又は遮断する。
【0062】
第1電源部(電源部1)450−1は、カメラ10から供給された電力の電圧を安定化(定電圧制御)する定電圧回路を備える。電源部450−1は、定電圧回路によって電圧が安定化された電力を、第2電源部(電源部2)450−2及び照明光発光部435へ供給することができる。第2電源部450−2は、第1電源部450−1から供給された電力から、アクセサリー制御部440用の電力を生成する。
【0063】
記憶部444(図6参照)は、不揮発性メモリー445を備える。不揮発性メモリー445は、アクセサリー400に電力が供給されない状態でも情報を保持しておくことができる。不揮発性メモリー445は、記憶しているデータを書き換え可能なメモリーと、記憶しているデータを書き換え不能なメモリー(例えばROM)の少なくとも一方を含む。不揮発性メモリー445は、アクセサリー制御部440を動作させるプログラムや、アクセサリー400の状態(初期状態及び、アクセサリー制御部440内のメモリーに現在設定されている様々なアクセサリーの設定状態)を示す情報、カメラ10から取得したカメラの状態(初期状態及び設定状態)を示す情報等の情報を記憶する。
【0064】
アクセサリー制御部440は、不揮発性メモリー445に記憶されたプログラムに基づいてアクセサリー400の構成要素の動作を制御するCPUと、ASIC等の電子部品とを備える。アクセサリー制御部440は、端子部423及び端子部25を介して、カメラ制御部170と通信する。アクセサリー制御部440は、記憶部444に記憶されているアクセサリー初期状態情報又はアクセサリー設定状態情報に含まれる各種の情報のうちの少なくとも1つの情報を、カメラ制御部170へ送ることができる。また、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信した情報を、記憶部444に記憶させる。
【0065】
アクセサリー初期状態情報は、アクセサリー400の種類を示すアクセサリー種類情報を含む。アクセサリー種類情報は、アクセサリー400に電池が搭載されているか否かを示す電池有無情報、アクセサリー400が有する各機能の種類を示す機能種類情報、及びアクセサリー400が有する各機能の特性を示す特性情報を含む。機能種類情報は、閃光発光機能の有無を示す情報、照明発光機能の有無を示す情報、及び拡張機能の有無を示す情報を含む。拡張機能は、閃光発光機能と照明発光機能のいずれにも該当しない他の機能であり、例えば調光機能、GPS(Global Positioning System)機能、カメラボディ100以外の装置との通信機能等である。閃光発光機能の特性情報は、閃光発光部430の発光特性を示す情報(プロファイル情報)を含む。照明発光機能の特性情報は、照明光発光部435の発光特性を示す情報(照明プロファイル情報)、及び照明光発光部435が連続して発光可能な最長の時間(最長点灯時間)を示す情報を含む。
アクセサリー設定状態情報は、閃光発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報、及び照明発光機能がオン状態(有効)とオフ状態(無効)のいずれの状態であるかを示す情報を含む。
【0066】
アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された制御信号に基づいて、アクセサリー400の構成要素を制御する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から供給された発光制御信号Xに従って、閃光発光部430又は照明光発光部435を発光させる発光制御を行う。閃光発光部430を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、閃光光源431がカメラ側の撮影タイミングと同期して発光するように、充電部432を制御する。照明光発光部435を発光させる発光制御において、アクセサリー制御部440は、照明光光源437が撮影タイミングと同期して発光するように、照明光光源駆動部436を制御する。
【0067】
(閃光発光部430内の充電部432の制御方法)
ここで、図8を参照して、アクセサリー制御部440による充電部432の制御方法について説明する。
図8は、充電制御において各処理を行うタイミングを示す図である。本実施形態のアクセサリー400は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電するための電源(電池)を具備(内蔵)しておらず、カメラ10から供給される電力により充電を行う。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から、蓄積部(電荷蓄積部)への充電開始を指示する充電指令を受信すると、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)への充電を開始させる。
【0068】
ここで、充電部432がアクセサリー制御部440の制御の下で行う充電動作には、大別して2種類ある。一つは「モニタ充電動作」と呼ばれるものである。充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電中に蓄積部における充電量(充電電圧)を検出できるように構成されている。しかしながら充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)への上記充電中を除くと、所望時点での蓄積部の充電量を検出できない。そこで、アクセサリー制御部440は、蓄積部の所望時点での充電量を検出するための特別な充電動作として、「モニタ充電動作」を行わせるようになっている。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間経過後にモニタ充電を停止する。このモニタ充電による充電時間は、ほんの僅か(例えば10ms程度)である。
【0069】
もう一つの充電動作は、閃光光源431を発光させるのに必要な充電量を確保するために行われる本充電動作(以下、「本充電」という)である。通常、本充電動作の充電時間は、前述のモニタ充電動作の充電時間よりもはるかに長い。この本充電中において、充電部432は、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量(充電電圧)を検出し、その充電量を示す情報をアクセサリー制御部440に供給する。アクセサリー制御部440は、充電量が図8に示す所定量(後述する充電停止レベル)に達してなければ、その所定量(充電停止レベル)に達するまで充電動作を継続するよう充電部432を制御する。
【0070】
ところで、本実施形態において、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から上述の「充電指令」を受信していない状態では、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電動作(上述のモニタ充電動作及び本充電動作)を開始させないように構成されている。そのためアクセサリー制御部440は、カメラ制御部170に対して、「充電指令」を送信するよう要求(以下、「充電要求」という)を出す。この充電要求には上述のモニタ充電の指令をカメラ10に要求する場合の「モニタ充電要求」と、上述の本充電の指令をカメラ10に要求する場合の本充電要求とがある(本実施形態ではこれら2種類の充電要求を総称して「充電要求」と呼ぶ)。「モニタ充電要求」は、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で行われる初期通信シーケンス(詳細は後述)や、両者間で定期的(周期的に)に行われる定常通信シーケンス(詳細は後述)の中で、アクセサリー制御部440からカメラ制御部170に対して送信される。一方「本充電要求」は上述したモニタ充電の結果、充電量が図8に示す「充電要求レベル」を下回った場合や、発光動作の直後に行われた定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から出力される。
【0071】
アクセサリー制御部440は、アクセサリー400側からの各「充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される各「充電指令」を受信することによって、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)を充電することが可能になる。
【0072】
ここで、図8を参照しつつ一般的な充電シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、充電部432が充電動作中でない場合(初期通信シーケンス時や定常通信シーケンス時)に、「モニタ充電要求」をカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力された「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を開始させる(図8中の時刻t1)。アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量(以下、「モニタ充電量」という)を示す情報を、充電部432から取得する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電が開始されてから所定時間(例えば10ms)経過後にモニタ充電を停止する。
【0073】
アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電部432の充電状態に関する判定を行う。アクセサリー制御部440は、充電量が閃光光源431を発光させるのに最低限度必要な充電量(図8中の「発光許可レベル」)以上であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル以上であると判定した場合に、閃光発光部430が発光可能な状態(以下、「レディ状態」という)であると判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が発光許可レベル未満であると判定した場合に、閃光発光部430が発光不能な状態であると判定する。アクセサリー制御部440は、閃光発光部430が「レディ状態」であるか否かを示す発光可否情報を、充電部432の充電状態を示す「充電状態情報」の1項目として、不揮発性メモリー445に記憶させる。
【0074】
また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した充電量(モニタ充電量又は本充電量)を示す情報に基づいて、充電量が予め定められている閾値(図8中の「充電要求レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電要求レベル」は、「発光許可レベル」よりも高いレベルに設定される。
【0075】
アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、本充電を開始する指令(以下、本充電指令という)をカメラ10から送信してもらうために、カメラ制御部170に対して本充電要求を出力する。アクセサリー制御部440は、本充電要求に基づくカメラ制御部170からの本充電指令に応じて、本充電を開始させる(図8中の時刻t2)。なお、閃光発光機能を停止するように設定されている場合には、アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベルよりも少ないと判定した場合であっても本充電要求をカメラ制御部170に出力しない。
【0076】
また、アクセサリー制御部440は、本充電中に充電部432が検出した本充電量を示す情報に基づいて、本充電量が予め設定された閾値(図8中の「充電停止レベル」)以上であるか否かを判定する。「充電停止レベル」は、蓄積部(電荷蓄積部)に蓄積可能な蓄電量の最大値に応じて予め設定されているものであり、前述の「充電要求レベル」よりも高いレベルに設定されている。アクセサリー制御部440は、本充電量が充電完了レベル以上であると判定した場合に、カメラ制御部170の制御によらずに、充電部432を制御して蓄積部(電荷蓄積部)の本充電を停止する(図8中の時刻t3)。
【0077】
なお、アクセサリー制御部440は、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に対する充電の停止を要求する指令(以下、「充電停止指令」という)をカメラ制御部170から受けた場合には、その「充電停止指令」に従って、本充電量がたとえ充電停止レベル未満であったとして、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)の充電を停止させる。
【0078】
このように本実施形態のアクセサリー400及びカメラ10のカメラシステムでは、アクセサリー400側からの「充電要求」に応じてカメラ10が充電指令を出力し、その指令を受けることによってアクセサリー400側はカメラ10から受ける電力を用いて充電を行うようになっている。このようにアクセサリー400側で充電を行うときには、必ず、カメラ10側に許可(充電の制御指令)を得るように伺い(充電許可)を出すシステム構成にしている。このため例えば、カメラ10側で重負荷動作(例えばレンズ駆動動作など)を行っているときに、アクセサリー400側が勝手に本充電動作を行ってしまって、システム全体として過大な電力消費を招いてしまうことにより、カメラ10側の動作に不都合(カメラ側の動作停止など)を招く虞を抑制することができる。
【0079】
ところで、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、充電の停止後(図8中の時刻t3以降)に、リーク等によって時間経過とともに減少していく。アクセサリー制御部440は、充電を停止させた後に、「モニタ充電要求」を周期的にカメラ制御部170に送る。そしてアクセサリー制御部440は、その周期的な「モニタ充電要求」に応じてカメラ制御部170から周期的に出力される「モニタ充電指令」に応じて、充電部432にモニタ充電を周期的に行わせる。
【0080】
また、アクセサリー制御部440は、モニタ充電中に充電部432が検出した充電量を示す情報に基づいて、モニタ充電量が充電要求レベル未満であるか否かを判定する。アクセサリー制御部440は、モニタ充電量が充電要求レベル未満であると判定した場合に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る(図8中の時刻t4)。そしてアクセサリー制御部440は、その「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t5)。
【0081】
また、閃光発光部430が発光(図8中の時刻t6)した場合に、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量は、発光許可レベル未満に減少する場合がある。そこで、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後に、カメラ制御部170に「本充電要求」を送る。そしてアクセサリー制御部440は、その発光後の「本充電要求」に応じてカメラ制御部170から出力される「本充電指令」に応じて、充電部432に本充電を行わせる(図8中の時刻t7)。
【0082】
なお、アクセサリー制御部440は、閃光発光部430の発光後やアクセサリー400の起動後等のように、蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル未満である場合に、カメラ制御部170の制御により充電部432に第1充電速度で充電動作を行わせる(図8中の時刻t7から時刻t8)。また、アクセサリー制御部440は、充電部432が検出した蓄積部(電荷蓄積部)の充電量が発光許可レベル以上になった場合(図8中のt8)には、(カメラ制御部170の制御により)充電部432に第2充電速度で充電を行わせる(図8中の時刻t8以降)。この第2充電速度は、前述の第1充電速度よりも遅い充電速度に予め設定されている。本実施形態において、第1充電速度で行われる本充電動作を「通常充電」と呼び、第2充電速度で行われる本充電動作を「スロー充電」と呼ぶことがある。
【0083】
また、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す「充電状態情報」をカメラ制御部170に送る。充電状態情報は、記憶部444に記憶されるアクセサリー設定状態情報の一部である。充電状態情報には、「充電要求」があるか否かを示す「充電要求情報」、充電部432がその時点(現在)で充電中であるか否かを示す「充電経過情報」、充電部432が充電可能であるか否かを示す「充電可否情報」、及び閃光発光部430が発光可能な状態(既述のレディ状態)であるか否かを示す「発光可否情報」を含む。
【0084】
(アクセサリー400における各構成要素の接続関係)
次に、図7を参照して、アクセサリー400における各構成要素の接続関係について説明する。
接地端子Ts1と接地端子Ts2は、図7に示す接続パターンを介して接続されている。これら接地端子Ts1と接地端子Ts2は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、カメラ10側の端子Tp1,Tp2を介して、カメラ10側の接地線43に接続される。この接地端子Ts1及び接地端子Ts2は、アクセサリー400側の、電力PWRを利用する回路(充電部432)用の接地端子であり、アクセサリー400側において、供給される電圧の基準電位となる端子であり、また充電電圧の基準電位となる端子である。
【0085】
電源端子Ts11は、電源線481に接続されている。電源端子Ts12は、電源端子Ts11と並列に、電源線481に接続されている。この電源線481は、2つの電源端子(電源端子Ts11及びTs12)を介してカメラ10から供給された大電流を流せるよう、回路基板上において比較的太い配線パターン(Ts11に直接接続している配線パターンの線幅と、Ts12に直接接続している配線パターンの線幅とを足し合わせた線幅以上の線幅を持つ配線パターン)にする。なお、カメラ10側のアクセサリー電源制御部33に接続している配線パターンも、アクセサリー400側と同様に、比較的太い配線パターンにする。
【0086】
基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、図7に示すように接続用ラインを介して接続されている。そしてこれら基準電位端子Ts3と基準電位端子Ts5は、基準電位線480(SGND)に並列に接続されている。この基準電位線480は、アクセサリー400がカメラ10に接続されると、基準電位端子Ts3及びTs5と、カメラ10側の端子Tp3及びTp5とを介して、カメラ10側の基準電位線(SGND)42に接続される。この基準電位端子Ts3、基準電位端子Ts5は、アクセサリー400内の各回路(MSW465、PCSW470、不揮発性メモリー445、第1電源部450―1、第2電源部450−2、アクセサリー制御部440、照明光発光部435)において、信号の授受を行うための基準電位となる端子である。
【0087】
起動状態提供端子Ts7は、第1スイッチ部465(MSW)と第2スイッチ部470(PCSW)とを介して、基準電位線480に接続されている。
同期信号端子Ts4は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信信号端子Ts6に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。このため通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0088】
通信制御信号端子Ts9は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。通信制御信号端子Ts9に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0089】
発光制御信号端子Ts8は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。発光制御信号端子Ts8に接続している信号線にはプルアップ抵抗が設けられている。このプルアップ抵抗は電源部450の出力側に電気的に接続されている。よって通信信号端子Ts6における電位(レベル)は、カメラ10への装着前及びカメラ10との通信開始前にHレベルに維持される。
【0090】
閃光発光部430の閃光光源431における主放電用の第1の電極は充電部432に接続されている。主放電用の第2の電極は電源線481に接続されている。充電部432の電源端子は、電源線481に接続されている。充電部432の接地端子は、接地端子Ts1に接続する接地線に接続されている。
照明光光源駆動部436の電源端子は、第1電源部450−1に接続されている。照明光光源駆動部436の接地端子は、基準電位線480に接続されている。照明光光源駆動部436の制御端子は、信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。
照明光光源437は、固体光源のアノードが照明光光源駆動部436に接続され、固体光源のカソードが、基準電位線480に接続されている。
【0091】
第1電源部(電源部1)450−1の入力端子は、電源線481に接続されている。第1電源部450−1の接地端子は、基準電位線480に接続されている。第1電源部450−1の出力端子は、第2電源部(電源部2)450−2の入力端子と、照明光光源駆動部436とに接続されている。第2電源部450−2の出力端子は、アクセサリー制御部440の電源端子に接続されている。第2電源部450−2の接地端子は、基準電位線480に接続されている。
【0092】
(カメラ10とアクセサリー400との接続関係)
次に、カメラ10とアクセサリー400との接続関係について説明する。アクセサリー400がカメラ10に装着されている状態(装着状態)において、接地端子Ts1は、カメラ10の接地端子Tp1に接続される。接地端子Ts2は、装着状態において、カメラ10の接地端子Tp2に接続される。そのため、接地端子Ts1、Ts2及びそれらに接続している箇所の電位は、装着状態において、電池BATの負極の電位に応じた基準電位になる。
【0093】
電源端子Ts11は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp11に接続される。電源端子Ts12は、装着状態において、カメラ10の電源端子Tp12に接続される。そのため、アクセサリー電源制御部33は、カメラ制御部170の制御に従って、電池BATからアクセサリー電源制御部33に供給された電力PWRを、電源線481を介してアクセサリー400内の各回路や電気部品に供給することができる。
【0094】
基準電位端子Ts3は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp3に接続される。基準電位端子Ts5は、装着状態において、カメラ10の基準電位端子Tp5に接続される。基準電位端子Ts3の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp3の電位(基準電位)になる。基準電位端子Ts5の電位は、装着状態において、基準電位端子Tp5の電位(基準電位)になる。
【0095】
起動状態提供端子Ts7は、アクセサリー400がカメラ10に装着された状態であって、かつ第2スイッチ部470が回路を閉路している状態(オン状態)において、基準電位線480を介して、接地線42に接続される。そのため、カメラ制御部170は、第2スイッチ部470がオン状態で且つカメラ10に接続されている状態であるときに、アクセサリー400を起動可能であることを示す起動検出レベルDET(Lレベル)を、起動状態提供端子Ts7及び起動状態検出端子Tp7を介して検出することができる。
【0096】
同期信号端子Ts4は、装着状態において、カメラ10の同期信号端子Tp4に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、同期信号端子Tp4及び同期信号端子Ts4を介して、カメラ制御部170に接続される。これにより、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170と同期通信を行うための同期信号CLKを、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、カメラ制御部170へ送信することができる。また、カメラ制御部170は、アクセサリー400に下記のモニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、同期信号端子Ts4及び同期信号端子Tp4を介して、アクセサリー制御部440へ送信することができる。
【0097】
なお、モニタ発光は、本撮像に用いる本発光よりも前に行われる発光である。モニタ発光による撮像(モニタ撮像)の結果は、オートホワイトバランス(AWB)制御等のようなホワイトバランスの調整と、オート露光(AE)制御等のような露光制御の少なくとも一方に用いられる。
【0098】
通信信号端子Ts6は、装着状態において、カメラ10の通信信号端子Tp6に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440は、装着状態において、通信信号端子Tp6及び通信信号端子Ts6を介して、シリアルデータ通信を行うことができる。この通信信号端子Tp6及びTs6はいずれも入力/出力機能を切り替え可能であり、これら両端子間における通信は、通信方向を切り替え可能な双方向通信である。通信信号DATAとして通信されるデータは次のようなものがある。
カメラ10側から出力されるデータとしては、カメラ制御部170がアクセサリー400に処理を実行させる指令(コマンド)や、カメラ10に関する情報(カメラデータ)などである。一方、アクセサリー400側から出力されるデータとしては、アクセサリー400に関する情報(アクセサリー情報)などである。なお、通信信号DATAは、カメラ制御部170が送信する場合とアクセサリー制御部440が送信する場合のいずれにおいても、アクセサリー400側から出力される同期信号CLKに同期させて送信される。
【0099】
例えば、カメラ制御部170は、指定した項目の情報をカメラ制御部170からアクセサリー制御部440へ送信することを通知する送信通知コマンド(指令)を、アクセサリー制御部440に送信する。カメラ制御部170は、送信通知コマンドの送信終了後に、所定の時間間隔をあけて送信通知コマンドの送信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をアクセサリー制御部440へ送信する。
【0100】
また、例えば、カメラ制御部170は、指定した情報をアクセサリー制御部440からカメラ制御部170へ送信することを要求する送信要求コマンドを、アクセサリー制御部440へ送信することができる。アクセサリー制御部440は、送信要求コマンドの受信完了後に、送信通知コマンドの受信に続いて、送信通知コマンドに指定された項目の情報をカメラ制御部170へ送信する。
【0101】
通信制御信号端子Ts9は、装着状態において、カメラ10の通信制御信号端子Tp9に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、通信制御信号端子Tp9及び通信制御信号端子Ts9を介して、アクセサリー制御部440へ通信制御信号Csを供給することができる。
【0102】
なお、アクセサリー400側から上述の「充電要求」などの情報をカメラ10側に送信したい場合には、アクセサリー制御部440は、上記の通信制御信号端子Ts9でカメラ10側から受信した通信制御信号Csをきっかけとして開始される定常通信シーケンス(後述)において、カメラ制御部170に情報を送信する。
【0103】
この通信制御信号Csは、通信信号端子Ts6を介したカメラ10とアクセサリー400との間の通信の通信開始タイミングを定める信号である。アクセサリー400側において、通信制御信号端子Ts9に接続している配線パターンにはプルアップ抵抗が接続されている。このため通信信号端子Ts6における通信制御信号Csの信号レベルは、通信開始前にHレベルに維持される。通信制御信号Csの信号レベルは、通信信号端子Ts6を介したデータ通信を開始する際に、カメラ制御部170によってLレベルに立ち下げられて維持される。通信制御信号Csの信号レベルがLレベルに維持されている期間に、通信信号DATAとして複数ビットのデータが同期信号CLKに同期して送受信される。複数ビットのデータが送受信された後に、通信制御信号Csの信号レベルは、次回の通信信号DATAの送信までの期間において、再び上述のプルアップ抵抗によってHレベルに維持される。このように、通信制御信号Csは、通信信号DATA及び同期信号CLKと比較して、信号レベル(HレベルとLレベルの)の単位時間あたりの切替わり回数が少ない信号である。
【0104】
発光制御信号端子Ts8は、装着状態において、カメラ10の発光制御信号端子Tp8に接続される。すなわち、アクセサリー制御部440は、装着状態において、発光制御信号端子Tp8及び発光制御信号端子Ts8を介して、カメラ制御部170に接続される。そのため、カメラ制御部170は、撮影タイミングと同期してアクセサリー400に発光(本発光)を実行させる発光制御信号Xを、発光制御信号端子Ts8及び発光制御信号端子Tp8を介して、アクセサリー制御部440へ供給することができる。アクセサリー制御部440は、発光制御信号Xに従って、発光制御を行う。
【0105】
充電部432は、電源線481を介して供給される電力の電圧を昇圧する昇圧回路と、その昇圧回路で昇圧された電圧により充電される蓄積部(電荷蓄積部)とを備える。また、充電部432は、第1信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。アクセサリー制御部440は、第1信号線を介して、充電部432を制御する信号を充電部432に供給することができる。充電部432は、第2信号線を介して、アクセサリー制御部440に接続されている。充電部432は、充電部432の充電量を示す情報を、第2信号線を介してアクセサリー制御部440に供給することができる。
【0106】
アクセサリー制御部440は、照明光光源駆動部436を制御する信号を、信号線を介して照明光光源駆動部436へ供給する。そのため、照明光光源437は、電源線481及び照明光光源駆動部436を介して供給される電力によって、発光することができる。
第1電源部450−1は、電源線481から供給される電力に基づいて、電源部450の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。第2電源部450−2は第1電源部450−1から供給される電力に基づいて、第2電源部450−2の入力端子に入力される電圧を安定化して後段の回路に供給する。
【0107】
第1スイッチ部465は、カメラボディ100とアクセサリー400との着脱に応じてその状態を切替える。第1スイッチ部465は、可動部材(係止爪422)、及び係止爪422の移動に連動する電気スイッチを備える。係止爪422は、アクセサリー400がカメラボディ100に装着される際にカメラボディ100から受ける力によって所定の方向(Z軸方向の+Z側)に移動する。コネクター420がシュー座15の所定の位置まで挿入されると、第1スイッチ部465の電気スイッチが閉路(クローズ)する。また、第1スイッチ部465は、取外し操作(コネクター420をシュー座15から取り外すための操作)がなされると、その操作により電気スイッチが開路(オープン)する。
【0108】
第2スイッチ部470(PCSW)は、ユーザーが第2操作部471に対して機能オン操作または機能オフ操作することに応じて、操作部471の移動に連動する電気スイッチによって閉路又は開路(オープン)する(機能オン操作でクローズ、機能オフ操作でオープン)。
【0109】
アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7は、第1スイッチ部465が閉路した状態であって、且つ、第2スイッチ部470が閉路した状態(「オン」の位置)である場合に、第1スイッチ部465及び第2スイッチ部470を介して、上述の基準電位線480に接続される。
【0110】
コネクター420がシュー座15に接続された状態(装着状態)で、アクセサリー400の起動状態提供端子Ts7がカメラボディ100の接地線42と電気的に接続され、起動状態提供端子Ts7の電位は、L(ロー)レベルになる。コネクター420がシュー座15に接続された状態で、カメラボディ100の起動状態検出端子Tp7の電位がアクセサリー400の起動状態提供端子Ts7と短絡することによって、起動検出レベルDETはLレベルになる。すなわち、アクセサリー400がカメラ10に装着されている場合において、第1操作部424に対してコネクター420をシュー座15から取り外すための操作がなされても、或いは第2操作部471に対して機能オフ操作がなされても、そのいずれの操作の場合であっても起動検出レベルDETはHレベルになる。
【0111】
(カメラ制御部170とアクセサリー400との間の通信処理)
次に、カメラシステムにおける通信処理の手順について、説明する。以下の説明において、同様の処理については、同じ符号を付してその説明を簡略化あるいは省略することがある。図9は、カメラシステムにおける通信処理の手順を示すフローチャートである。カメラシステム1は、アクセサリー400を起動するための一連の処理(起動シーケンス)を行う。
カメラシステム1は、起動シーケンス(ステップS101)において、カメラ10とアクセサリー400との間で通信ができるように準備する一連の処理C(通信準備シーケンス)を行う(ステップS102)。カメラシステム1は、起動シーケンスにおいて通信準備シーケンスの終了後に、撮像に必要な情報をカメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(初期通信シーケンス)を行う(ステップS103)。カメラシステム1は、初期通信シーケンスの終了後に、設定変更等で変化した情報を更新できるように、カメラ制御部170とアクセサリー制御部440との間で相互に通信する一連の処理(定常通信シーケンス)を行う(ステップS104)。
【0112】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスの終了後に、割込要求が有るか否かを判定する判定処理を行う(ステップS105)。カメラシステム1は、割込要求が無いとステップS105で判定した場合(ステップS105;No)に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。カメラシステム1は、割込要求が有るとステップS105で判定した場合(ステップS105;Yes)に、割込処理(ステップS106)を行う。割込処理は、例えば、撮影シーケンスに含まれる一連の処理である。カメラシステム1は、割込処理の終了後に、定常通信シーケンスの処理を再度行う。すなわち、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、定常通信シーケンスの処理を行わない。
【0113】
カメラシステム1は、通信準備シーケンスにおいて、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されているか否かを検出する。カメラシステム1は、カメラボディ100にアクセサリー400がオン状態で装着されている場合に、アクセサリー400に電力の供給を開始し、また、カメラボディ100は、アクセサリー400に通信を許可することを通知する。
【0114】
また、カメラシステム1は、初期通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。カメラ10とアクセサリー400は、初期通信シーケンスにおいて、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。初期通信シーケンスにおける処理の初期条件として、アクセサリー400の記憶部444には、アクセサリー種類を示すアクセサリー種類情報を含む情報(第1の応答情報)が予め記憶されている。アクセサリー種類情報は、機能種類情報と電池有無情報を含む。
【0115】
機能種類情報は、アクセサリー制御部440の制御対象の種類を示す情報(種類情報)である。アクセサリー制御部440の制御対象は、照明発光機能を機能させる照明光発光部435、閃光発光機能を機能させる閃光発光部430、GPS機能を機能させるGPS機能部、多灯コマンダ機能を機能させる多灯コマンダ機能部等である。電池有無情報は、アクセサリー400側に、電池などの電源を備えているか否かを示す情報である。この電池有無情報は、カメラ10がアクセサリー400に電力を供給する制御等に使われる情報である。
【0116】
また、カメラシステム1は、定常通信シーケンスにおいて、カメラ10とアクセサリー400との間で撮影に必要とされる情報を相互に送る。定常通信シーケンスは、図9に示したように割込要求が発生していない期間において、例えば周期が200ms程度の周期で繰り返し実行される。カメラ10とアクセサリー400は、繰り返し行われる定常通信シーケンスのそれぞれにおいて、初期通信シーケンスと同様に、複数の情報を予め定められた順に従って送受信する。
【0117】
また、カメラ10とアクセサリー400は、それぞれ、前回の初期通信シーケンス又は前回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報を、必要に応じて、今回の定常通信シーケンスにおいて受信した情報に更新する。また、カメラシステム1は、初期状態情報を更新する場合に、初期通信シーケンスをやり直すこと、又は更新が必要な項目を指定して初期状態情報を更新することができる。
【0118】
(閃光発光部430に対する充電制御の処理)
図10は、閃光発光機能において機能させる閃光発光部430に対する充電制御の処理の手順を示す図である。カメラシステム1は、充電制御を開始すると、初期通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行し(ステップS107)、次いで定常通信シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS108)。カメラシステム1は、ステップS108の処理を終了した後に、撮像処理(割込処理)を実行するか否かを判定する(ステップS109)。カメラシステム1は、撮像処理を実行するとステップS109でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS109;Yes)に、撮影シーケンスの各処理を実行する。
【0119】
本実施形態において、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮像処理、AF制御、AE制御、AWE制御等を含む撮影処理を行う。また、カメラシステム1は、撮影シーケンスにおいて、撮影処理とともに撮影シーケンスにおける充電制御の各処理を実行する(ステップS110)。カメラシステム1は、撮影シーケンスにおける撮影処理と充電制御の各処理とが終了した後、又は撮像処理を実行しないとステップS109でカメラ制御部170が判定した場合(ステップS109;No)に、ステップS108に戻って定常通信シーケンスにおける充電制御を再度行う。
【0120】
上記のように、定常通信シーケンスは、撮像処理を行わない期間において一定の周期(例えば200ms)で繰り返し行われる。また、撮影シーケンスに続く定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの直前に行った定常通信シーケンスから、撮影シーケンスの処理を行う期間の長さに応じた時間が経過した後に行われる。すなわち、定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われる。
【0121】
各定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440は、充電部432に対する制御の制御状態を示す充電状態情報を含んだ充電状態情報を、カメラ制御部170に送信する。定常通信シーケンスは、一定又は不定の周期で繰り返し行われるので、アクセサリー制御部440は、充電状態情報を、一定又は不定の周期で繰り返しカメラ制御部170に送ることになる。カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から受信した充電状態情報に基づいて、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる。
【0122】
ところで、撮像シーケンスを開始する場合に定常通信シーケンスが休止されるので、アクセサリー制御部440は、カメラ10が撮影処理を行う状態にある期間において、充電状態情報をカメラ制御部170に送信しないことになる。撮像シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信しなくとも、アクセサリー制御部440に充電部432を制御させる指令を、アクセサリー制御部440に送る。
【0123】
以上のように、カメラシステム1において、閃光発光部430に対する充電制御は、各シーケンスに対応して行われる。以下、閃光発光部430に対する充電制御のうち、各シーケンスにおいて処理を、シーケンスごとに説明する。
【0124】
まず、閃光発光部430に対する充電制御のうち、初期通信シーケンスにおける充電制御について説明する。本実施形態のアクセサリー400は、アクセサリー400の消費電力を供給する電源(電池)が搭載されていない。また、アクセサリー400の充電部432は、蓄積部を充電する充電処理中を除くと蓄積部に蓄積されている蓄電量(充電量)を検出することができない。すなわち、本実施形態のアクセサリー400は、初期通信シーケンスが開始される時点における充電部432の充電量を示す情報を保持していない。
そこで、カメラ制御部170は、初期通信シーケンスにおいて、設定情報としてアクセサリー400側(充電部432)におけるモニタ充電動作を許可することを示すモニタ充電情報を含んだカメラ初期状態情報をアクセサリー制御部440に送信し、アクセサリー制御部440にモニタ充電を行わせる。モニタ充電情報は、カメラ制御部170がアクセサリー制御部440に対して、モニタ充電動作を許可するか否かを示す情報である。モニタ充電情報は、モニタ充電の「許可」及び「禁止」を“0(ゼロ)”及び“1”で表すモニタ充電許可フラグデータである。モニタ充電情報は、記憶部158に予め記憶される。以下、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理フローの一例を説明する。
【0125】
図11は、初期通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、送信通知コマンドCsをアクセサリー制御部440に送信する(ステップS201)。アクセサリー制御部440は、送信通知コマンドCsを受信し(ステップS202)、カメラ制御部170からデータが送信されことを検出する。
続いて、カメラ制御部170からアクセサリー制御部440に「初期状態情報」を送信する(ステップS203)。このカメラ初期状態情報は、上述したモニタ充電「許可」情報を含む。アクセサリー制御部440は、初期状態情を受信する(ステップS204)。
【0126】
アクセサリー制御部440は、カメラ初期状態情報を受信すると、このカメラ初期状態情報を記憶部444に記憶させる。アクセサリー制御部440は、モニタ充電「許可」情報に基づいて、充電部432の蓄積部を僅かに充電するモニタ充電処理を充電部432に開始させる(ステップS301)。充電部432は、モニタ充電処理によって充電部432に蓄積された蓄電量(モニタ充電量)を検出し、このモニタ充電量に基づいて現時点での蓄積部の充電電荷量を算出する。アクセサリー制御部440は、充電部432からこの充電電荷量を示す情報を取得する(ステップS302)。アクセサリー制御部440は、ステップS402において取得した蓄積電荷量を示す情報に基づいて、初期通信シーケンスに続く定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を生成し、生成した充電状態情報を記憶部444に記憶させる。初期通信シーケンスにおける充電制御は、アクセサリー制御部440が充電状態情報を記憶部444に記憶させた後に、終了される。
【0127】
以上のように、アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170との周期的な通信(定常通信シーケンス)を開始する前に、モニタ充電量を示す情報を取得する。また、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送ることなくモニタ充電を充電部432に行わせることができる。これにより、アクセサリー制御部440は、初期通信シーケンスに続く初回の定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170に送信する充電状態情報を、初期通信シーケンスにおいて準備することができる。結果として、カメラ制御部170は、初回の定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電状態情報を受信し、受信した充電状態情報に基づいて充電制御を開始することができる。
【0128】
(定常通信シーケンスにおける充電制御)
次に、閃光発光部430に対する充電制御のうち、定常通信シーケンスにおける充電制御について説明する。
【0129】
カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440からアクセサリー設定状態情報を受信し、受信したアクセサリー設定状態情報に含まれている充電状態情報に基づいて、充電部432の充電状態を判定する。なお充電状態情報には、既述したように、充電要求があるか否かを示す充電要求情報、充電部432が充電中であるか否かを示す充電経過情報、充電部432が充電可能であるか否かを示す充電可否情報、及び閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)であるか否かを示す発光可否情報が含まれる。
【0130】
また、本実施形態のカメラシステム1は、定常通信シーケンスにおける充電制御の処理として、閃光発光部430が発光可能な状態(レディ状態)になっていない場合に、カメラシステム1において行われる複数の処理のうち充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理を優先させて行う。
例えば、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でない場合に、AF制御やパワーズーム制御等のカメラ10側の動作を中断(動作禁止状態に設定)し、充電部432の蓄積部(電荷蓄積部)に充電する処理をAF制御やパワーズーム制御よりも優先させる。カメラ制御部170は、動作禁止状態に設定した場合に、予め設定された第1充電速度で、充電部432に充電(通常充電)を行わせる。また、カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態である場合に、第1充電速度よりも遅い第2充電側で、充電部432に充電(スロー充電)を行わせ、また動作禁止状態を解除する。
【0131】
図12は、定常通信シーケンスにおける充電制御の処理の手順を示す図である。
まず、カメラ制御部170は、アクセサリー制御部440から、充電状態情報を含んだアクセサリー設定状態情報を受信する(ステップS401)。カメラ制御部170は、定常通信シーケンスにおいて取得した充電状態情報のうちの既述した充電可否情報に基づいて、充電部432が充電可能であるか否かを判定する(ステップS402)。カメラ制御部170がステップS402において、充電部432が充電不可である、と判定した場合(ステップS402;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は、終了する。
【0132】
カメラ制御部170は、充電部432が充電可能であるとステップS402で判定した場合(ステップS402;Yes)に、ステップS401において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、モニタ充電要求があるか否かを判定する(ステップS403)。カメラ制御部170は、モニタ充電要求があるとステップS403で判定した場合(ステップS403;Yes)に、アクセサリー制御部440にモニタ充電の開始を要求する指令(モニタ充電指令)をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS404)。この定常通信シーケンスにおける充電制御は、ステップS404の処理が終了した後に終了される。
【0133】
カメラ制御部170は、モニタ充電要求がないとステップS403で判定した場合(ステップS403;No)に、ステップS401において取得した充電状態情報のうちの充電要求情報に基づいて、本充電要求があるか否かを判定する(ステップS405)。カメラ制御部170は、本充電要求があるとステップS405で判定した場合(ステップS405;Yes)に、ステップS401において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS406)。
【0134】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態ではないとステップS406で判定した場合(ステップS406;No)に、負荷部30の一部の動作を制限(禁止)する動作禁止状態に設定する(ステップS407)。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS407で負荷部30のうち重負荷部の少なくとも一部の動作を制限する。本実施形態において、カメラ制御部170は、ステップS407で光学系駆動部220の動作を制限(禁止)する。
【0135】
カメラ制御部170は、ステップS407の処理の終了後に、通常充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に指令する通常充電指令を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS408)。通常充電指令は、予め設定された第1充電速度の本充電を行うことを要求する指令である。ステップS408の処理が終了した後、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0136】
ところで、充電部432が蓄積部(電荷蓄積部)を充電するのに必要とされる時間は、AF制御を開始してから合焦するまでに要する時間よりも長い。本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光部430が発光不能である(レディ状態に無い)場合に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電の方を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。これにより、カメラ制御部170は、閃光発光を伴う本撮影を行うためにレリーズ釦16が全押し操作されてから、実際に閃光発光を伴う撮影が可能になるまでに要する時間を短縮できる。
【0137】
一例として、閃光発光部430の発光を必要とする撮影状況において、AF制御を完了させて被写体にピントを合わせてから蓄積部の充電を開始すると、充電している間に被写体が動く等してシャッターチャンスを逃してしまう虞がある。本実施形態では、このような状況下において、AF制御等のカメラ10側の動作を禁止し、充電部432の蓄積部の充電を優先するので、シャッターチャンスを逃さずに撮影を行うことができる。
【0138】
なお、本実施形態のカメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させた撮影処理の直後にもステップS407と同様に、負荷部30の一部について動作禁止状態に設定し、充電部432の本充電を負荷部30の一部の動作よりも優先して行わせる。
【0139】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS406で判定した場合(ステップS406;Yes)に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS409)。カメラ制御部170は、負荷部30の動作禁止状態を解除した後に、スロー充電で充電部432に本充電を開始させることを、アクセサリー制御部440に対して指令するスロー充電指令を、アクセサリー制御部440に対して送信する(ステップS410)。スロー充電指令は、本充電を第1充電速度よりも遅い第2充電速度で行うことを要求する指令である。本実施形態において、第2充電速度は、予め設定された固定値(例えば、第1充電速度のほぼ半分)である。アクセサリー制御部440は、第2充電速度に指定して、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させる。ステップS410の処理が終了した後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0140】
カメラ制御部170は、本充電要求がないとステップS405で判定した場合(ステップS405;No)に、ステップS401において取得した充電状態情報のうちの充電経過情報に基づいて、充電部432が充電中であるか否かを判定する(ステップS411)。充電部432が充電中でないとカメラ制御部170がステップS411で判定した場合(ステップS411;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0141】
カメラ制御部170は、充電部432が充電中であるとステップS411で判定した場合(ステップS411;Yes)に、S401において取得した充電状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS412)。閃光発光部430がレディ状態ではないとカメラ制御部170がステップS412で判定した場合(ステップS412;No)に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0142】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS412で判定した場合(ステップS412;Yes)に、ステップS409と同様にスロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信する(ステップS413)。カメラ制御部170は、スロー充電指令をアクセサリー制御部440に送信した後に、ステップS410と同様に、負荷部30の動作禁止状態を解除する(ステップS414)。ステップS414の処理の終了後に、この定常通信シーケンスにおける充電制御は終了する。
【0143】
(閃光発光機能を機能させる撮影シーケンス)
次に、撮影シーケンスにおける処理について説明する。まず、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理を中心に説明する。
【0144】
図13は、撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、ステップS101の定常通信シーケンスの終了によりレリーズ釦16が操作されたことが検出されると、カメラ10の撮影モードが閃光発光機能を機能させる第2撮影モード(閃光撮像)であるか否かを撮影モード情報に基づいて、判定する(ステップS500)。
【0145】
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードでないとステップS500で判定した場合に(ステップS500;No)、カメラ10の撮影モードが照明発光機能を機能させる第1撮影モード(照明撮像)であるか否かを判定する(ステップS501)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードであるとステップS501で判定した場合に(ステップS501;Yes)、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスを実行する(ステップS111)。カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モードでないとステップS501で判定した場合に(ステップS501;No)、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない撮影シーケンスを実行する(ステップS112)。
【0146】
カメラ制御部170は、カメラ10の撮影モードが第2撮影モードであるとステップS500で判定した場合に(ステップS500;Yes)、ステップS4の定常通信シーケンスにおいてアクセサリー制御部440から受信したアクセサリー設定状態情報のうちの発光可否情報に基づいて、閃光発光部430がレディ状態であるか否かを判定する(ステップS502)。カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態でないとステップS502で判定した場合に(ステップS502;No)、ステップS503でレリーズ釦の操作がなかった(レリーズボタンの操作結果解除)とする。ステップS503の処理の終了後に、次回の定常通信シーケンスが開始される。
【0147】
カメラ制御部170は、閃光発光部430がレディ状態であるとステップS502で判定した場合に(ステップS502;Yes)、次回の定常通信シーケンスの開始を撮影シーケンスの終了まで停止(遅延)することを示す定常通信停止通知を、アクセサリー制御部440へ送信する(ステップS504)。カメラ制御部170は、ステップS504で送信した定常通信停止通知をアクセサリー制御部440が受信したことを検出した後に、アクセサリー制御部440とともに定常通信シーケンスを停止する(ステップS505)。ステップS505の処理の終了後に、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、開始される(ステップS113)。
【0148】
カメラ制御部170は、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスが開始された後に、ユーザーが指定する被写体にピントが合うように、AF制御を実行する。また、カメラ制御部170は、既述のモニタ充電指令をアクセサリー制御部440へ送信(ステップS510)し、アクセサリー制御部440に充電部432の充電を開始させる。充電部432による充電は、既述のように予め定められた所定時間だけ継続して行われる。
【0149】
カメラ制御部170は、ステップS510の処理の終了後に、カメラ10の設定状態に応じて、被写体の反射率を測定するために周知のモニタ発光(プリ発光)制御を行う(ステップS511)。モニタ発光制御において、カメラ制御部170は、モニタ発光を実行させるモニタ発光制御信号を、アクセサリー制御部440へ送信する。アクセサリー制御部440は、カメラ制御部170から受信したモニタ発光制御信号に従って、閃光発光部430を発光させる。カメラ制御部170は、カメラ10の設定状態に応じて、閃光発光部430がモニタ発光を実行したときに撮像(モニタ撮像)された結果を用いたAE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。なお、モニタ発光制御、AE制御、及びAWB制御のうちの少なくとも1つは、カメラ10の設定状態に応じて、省略されることがある。
【0150】
カメラ制御部170は、撮像(本撮像)の実行を指令する旨のレリーズ釦16の操作情報(レリーズ釦16の全押し操作)が検出された場合に、発光制御(本発光制御)を行う(ステップS512)。カメラ制御部170は、レリーズ釦16の操作情報(全押し操作)が検出されたタイミングに応じて設定される撮影タイミングに同期して閃光発光部430の発光を要求する発光制御信号Xを、アクセサリー制御部440へ送信する。発光制御信号Xは、アクセサリー400内において、発光制御の実行前にHレベルに維持されており、カメラ制御部170は、発光制御信号XをLレベルに立ち下げることによって、撮影タイミングをアクセサリー制御部440へ通知する。アクセサリー制御部440は、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたことを検出した場合に、発光制御信号XがLレベルに立ち下げられたタイミングに応じて、閃光発光部430を発光させる。
【0151】
カメラ制御部170は、閃光発光部430が発光するタイミングと同期して、撮像素子121に対する露光を開始する(ステップS513)。カメラ制御部170は、ステップS513で露光を開始してから、AE制御等によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了させる(ステップS514)。カメラ制御部170は、ステップS514の処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像を示す画像データを取り込む撮像処理を行う(ステップS515)。カメラ制御部170は、取り込んだ画像データを例えばメモリー140に記憶させる。ステップS515の処理の終了後に閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスは、終了される。
【0152】
次回の定常通信シーケンスは、撮影シーケンスの終了後に、開始される。上記のように、アクセサリー制御部440は、充電要求情報、充電経過情報、充電可否情報、及び発光可否情報を含む充電状態情報を、定常通信シーケンスにおいてカメラ制御部170へ送信する。しかしながら、カメラシステム1は、撮影シーケンスの処理を行っている間には定常通信シーケンスを休止させているので、アクセサリー制御部440が充電状態情報の送信を休止することになる。そこで、カメラ制御部170は、必要に応じて、アクセサリー制御部440に充電制御を実行させる指令をアクセサリー制御部440におくる(ステップS510参照)。このように、カメラ制御部170は、撮影シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から充電要求を受信することなく、アクセサリー制御部440に充電させることができる。また、アクセサリー制御部440は、撮影シーケンスにおいて、充電要求をカメラ制御部170に送信することなくカメラ制御部170からの指令を受けて、充電部432に蓄積部(電荷蓄積部)を充電させることができる。
【0153】
なお、閃光発光機能と照明発光機能のいずれも機能させない第3撮影モードの撮影シーケンス(ステップS112)における処理は、例えば、ステップS513からステップS515の処理を含む。第3撮影モードの撮影シーケンスは、発光制御を行わない点で閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと異なる。第3撮影モードの撮影シーケンスにおける処理は、発光制御を行わない点を除くと、閃光発光機能を機能させる撮影シーケンスと同様であるので、その説明を省略する。
【0154】
(照明発光機能を機能させる撮影シーケンス)
次に、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスについて説明する。アクセサリー制御部440は、カメラ10の撮影モードが第1撮影モード(照明撮影)に設定されている場合に、照明光発光部435の発光処理を制御する。第1撮影モードは、例えば、予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モード、あるいは予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードのいずれかの撮影モードである。
【0155】
アクセサリー400は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第1の処理として、カメラ10からの合焦完了情報を受信したタイミングで、照明光発光部435を点灯する。AE制御やAWB制御は、照明光発光部435が点灯している状態で行われる。
【0156】
また、カメラボディ100は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける第2の処理として、レリーズ釦16が全押しされるタイミングが遅れ、撮影が完了する前に(撮影時間内に)最長点灯時間の終了する場合は、後述するプリキャプチャー画像編集(候補画像選択シーケンス)を行う。カメラボディ100は、第2の処理の初期条件として、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始する前(図14のフローチャートを実行開始する前)に行われた上述の定常通信シーケンスにおいて、アクセサリー制御部440から照明発光機能の特性情報を受信している。照明発光機能の特性情報は、最長点灯時間(照明光発光部435を連続点灯可能な期間(時間)を示す情報)を示す情報を含んでいる。
【0157】
図14は、照明発光機能を機能させる撮影シーケンスにおける処理の手順を示す図である。カメラ制御部170は、照明発光機能を機能させる第1撮影モードの撮影シーケンスが開始した後に、撮像の準備を開始することを示すレリーズ釦16の操作(半押し)を検出(ステップS601)すると、AF制御を開始する(ステップS602)。カメラ制御部170は、AFセンサーによって合焦状態を検出してAF制御が終了(ステップS603)した後に、所望の被写体に対する合焦動作の完了(合焦状態に至ったこと)を示す合焦完了情報(合焦状態情報)をアクセサリー制御部440へ送信する(ステップS604)。アクセサリー制御部440は、この合焦状態情報を受信(ステップS605)した後に、照明光発光部435に点灯を開始させる(ステップS606)。
【0158】
カメラ制御部170は、ステップS604の処理の終了後に、AE制御及びAWB制御を開始(ステップS607)して、照明光発光部435が被写体を照らしている状態でAE制御及びAWB制御を行う。カメラ制御部170は、AE制御及びAWB制御が完了(ステップS608)すると、プリキャプチャーを開始する(ステップS609)。
【0159】
プリキャプチャーが開始されると、カメラ制御部170は、プリキャプチャーシーケンスを実行して、撮影処理部120から1枚のプリキャプチャー画像を読み込み、この読み込んだプリキャプチャー画像の画像データをメモリー140に記憶する。このプリキャプチャーシーケンスにおいては、通常の撮影処理の場合と同様に、カメラ制御部170は、撮像素子121に対して露光を開始(ステップS610A)させ、AE制御によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了(ステップS610B)させる。カメラ制御部170は、ステップS610Bの処理の終了後に、撮像素子121が撮像したプリキャプチャ画像の画像データを生成させ、生成した画像データを撮影時刻(或いは撮影の順番)を示す情報ととともにメモリー140等に取り込んで記憶させる(ステップS610C)。
【0160】
そして、カメラ制御部170は、ステップS610のプリキャプチャーシーケンスを実行して1枚のプリキャプチャー画像を読み込んだ後、ステップS611に移行して、撮像を要求することを示すレリーズ釦16の操作(全押し)が検出された否かを判定する。そして、カメラ制御部170は、レリーズ釦16の操作(全押し)が検出されていないと判定された場合(ステップS611;No)に、ステップS610に戻り、再度プリキャプチャーシーケンスを実行する。カメラ制御部170は、次のプリキャプチャー画像を読み込み、読み込んだ画像データを、撮影時刻(或いは撮影の順番)を示す情報ととともに、例えばメモリー140に取り込んで記憶させる。
【0161】
一方、カメラ制御部170は、撮像を要求することを示すレリーズ釦16の操作(全押し)が検出されたと判定された場合(ステップS611;Yes)に、プリキャプチャーシーケンスを終了して、撮影操作を開始する(ステップS612)。そして、カメラ制御部170は、プリキャプチャーシーケンスの場合と同様に、1画像ごとの撮影シーケンス(ステップS613)を実行する。この撮影シーケンスにおいて、カメラ制御部170は、露光開始(ステップS613A)と、AE制御によって設定された露光時間が経過したときに撮像素子121に対する露光を終了(ステップS613B)させるとともに、カメラ制御部170は、ステップS613Bの処理の終了後に、撮像素子121が撮像した撮像画像の画像データを生成させ、生成した画像データを撮影時刻(或いは撮影の順番)を示す情報ととともにメモリー140等に取り込んで記憶させる(ステップS613C)。
【0162】
カメラ制御部170は、ステップS13の処理の終了後に、ステップS615に移行し、照明光発光部435における最長点灯時間が経過したか否かを判定する(ステップS614)。
ステップS614の判定処理において、最長点灯時間を経過していないと判定された場合は、次にステップS615に移行し、カメラ制御部170は、撮影が終了(所定の撮影時間(例えば、撮影開始から2秒が経過)したか否かを判定する(ステップS615)。ステップS615の判定処理において撮影が終了していないと判定された場合(ステップS615;No)は、ステップS613に戻り、カメラ制御部170は、再度撮影シーケンスを実行して、次の撮影画像を読み込み、この読み込んだ画像データを、撮影時刻(或いは撮影の順番)を示す情報ととともに、メモリー140等に取り込んで記憶させる。
【0163】
また、ステップS615の判定処理において、撮影が終了したと判定された場合(ステップS615;Yes)は、次にステップS616に移行して撮影シーケンスを終了し(ステップS616)、カメラ制御部170は、撮影を終了したことをアクセサリー制御部440に通知する(ステップS617)。このステップS617の処理の後に、照明発光機能を用いた撮影シーケンスは終了する。
【0164】
一方、ステップS614の判定処理において、最長点灯時間を経過している判定された場合は、次にステップS618に移行して撮影を終了し(ステップS618)、カメラ制御部170は、撮影を終了したことをアクセサリー制御部440に通知する(ステップS619)。
【0165】
また、アクセサリー400側において、アクセサリー制御部440は、ステップS617およびステップS619の処理においてカメラ制御部170から撮影終了情報を受信(ステップS620)した後、照明光発光部435を消灯させる(ステップS621)。そして、ステップS617の処理またはステップS619の処理と、ステップS621の処理とが終了した後に、照明発光機能を用いた撮影シーケンスは終了する。
【0166】
その後、ステップS610のプリキャプチャーシーケンスおいて撮影したプリキャプチャー画像と、ステップS613の撮影シーケンスにおいて撮影した撮影画像とを基に、後述する候補画像選択シーケンス(ステップS700)が行われる。この候補画像選択シーケンスは、連写した静止画(複数の候補画像)の中から、所定の基準(例えば、明度やコントラストや色調等)により撮影状態のよい1枚の画像を推奨画像として選択する所定の撮影モードの場合に行われる処理である。なお、撮影モードが候補画像選択シーケンスを必要としないモードであれば、カメラ制御部170は、この候補画像選択シーケンスを実行しない。この候補画像選択シーケンスにおける処理の詳細については、後述する。
【0167】
また、図15は、撮影シーケンスの各処理を行うタイミングを示す図である。図15(A)には、最長点灯時間内に撮影が完了する場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図15(B)には、最長点灯時間内に撮影が完了しない場合の各処理を行うタイミングが図示されている。図15(A)及び図15(B)において、符号Tnは、撮影開始時刻から最長点灯時間(例えば6秒)の経過した時刻を示す。撮影を行う時間(撮影時間)は、撮影を開始(ステップS612)してから撮影を終了(ステップS616)するまでの時間であり、予め設定される時間(例えば2秒)である。
【0168】
本実施形態のカメラシステム1は、撮影時間の間に複数フレームの画像を撮像する。また、本実施形態のカメラシステム1は、撮影処理(図15中に「撮影」と示す)を行う所望の期間に先立ち、プリキャプチャー(ステップS610)を行う。プリキャプチャーは、レリーズ釦16が全押しされるよりも前に画像の取り込みを開始する処理である。ここでカメラシステム1は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した場合に、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻よりも前に撮像が開始されたものとする。すなわち、カメラシステム1は、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の前に続く所定の時間に取り込まれている画像(プリキャプチャー画像)と、レリーズ釦16の全押しを検出した時刻の後に続く所定の時間に取り込まれている画像(撮影画像)とを、撮像処理において撮像された画像とする。
【0169】
まず、最長点灯時間内に撮影が完了する場合の例について説明する。図15(A)に示すように、カメラ10は、時刻t10において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t10よりも後の時刻t11において、AF制御が完了(合焦完了)した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t11において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。
【0170】
本実施形態のカメラ10は、時刻t11よりも後の時刻t12において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。カメラ10は、時刻t12よりも後の時刻t13において、撮影処理を開始する。上記のように、カメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻よりも前に撮影を開始したものとする。すなわち、レリーズ釦16が全押しされたことをカメラ10が検出した時刻は、撮影処理が開始された時刻t13と撮影処理が終了される時刻t14との間のいずれかの時刻である。本例において、撮影開始時刻t13は、例えば点灯開始時刻(t11)から3秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から5秒経過した時刻t14(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t10から最長点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに終了することになる。このような場合に、カメラ10は、時刻t14において、撮影処理を終了するとともに照明光発光部435を消灯させる。
【0171】
次に、最長点灯時間内に撮影が完了しない場合の例について説明する。図15(B)に示すように、カメラ10は、時刻t10において、レリーズ釦16が半押しされたことを検出した時刻に応じてAF制御を開始する。また、カメラ10は、時刻t10よりも後の時刻t11において、AF制御が完了した時刻に応じて、アクセサリー400の照明光発光部435を点灯させる。また、カメラ10は、時刻t11において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を開始し、例えば被写体が照明光発光部435に照らされている状態において、AE制御とAWB制御の少なくとも一方を行う。また、カメラ10は、時刻t11よりも後の時刻t12において、AE制御とAWB制御とが完了した時刻に応じてプリキャプチャーを開始する。
【0172】
本実施形態のカメラ10は、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻に至る撮影開始時刻t13からの時間と、レリーズ釦16が全押しされたことを検出した時刻から撮影処理を完了させるべき撮影終了時刻t14までの時間とが予め定められている。本例において、撮影開始時刻t13は、例えば点灯開始時刻(t11)から5秒経過した時刻であるとする。この場合に、撮影時間が2秒であるとすると、撮影時間は、点灯開始時刻から7秒経過した時刻t14(第2の時刻)に終了することになる。この場合に、撮影処理は、点灯開始時刻t11から最長点灯時間(6秒)が経過する時刻Tn(第1の時刻)までに完了させることができない。このような場合に、カメラ10は、時刻Tnにおいて、撮影処理を終了するとともに照明光発光部435を消灯させる。
【0173】
このように、図15(B)に示す例(全押しタイミングが遅くなる例)おいて撮影される撮影画像の枚数は、図15(A)に示す例おいて撮影される撮影画像の枚数よりも少なくなる。すなわち、発光部(照明光発光部435)の点灯後、全押し操作のタイミングが遅れると、その分、撮影画像の枚数が減少する(逆に、プリキャプチャー画像の枚数は増加する)。
【0174】
また、図16は、図14に示した照明発光機能を機能させる撮影シーケンスの後に行われる候補画像選択シーケンス(ステップS700)の処理の手順を示す図である。この図16に示す候補画像選択シーケンスは、連写した静止画中(複数の候補画像)から所定枚数(例えば、10枚)の候補画像を選択するとともに、この所定枚数の候補画像から所定の基準(例えば、明度やコントラストや色調等)により撮影状態のよい1枚(または複数)の画像を推奨画像として選択する処理である。この候補画像選択シーケンスは、所定の撮影モードにおいて行われる処理であり、例えば、この所定の撮影モードには、予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードと予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードの少なくとも一方の撮影モードを含む。
この候補画像選択シーケンスは、図16(A)に示すように、第1撮影モードの撮影シーケンスが終了した後に行われる。なお、撮影モードが候補画像選択シーケンスを必要としない撮影モードであれば、カメラ制御部170は、この候補画像選択シーケンスを実行しない。
【0175】
以下、図16(B)に示す候補画像選択シーケンスの例を参照して、その処理手順について説明する。なお、図16(B)に示す例は、図14に示す撮影シーケンスで取得したプリキャプチャー画像と撮影画像の中から候補となる10枚の画像を選択して、この10枚の候補画像から1枚の推奨画像を選択する例である。また、候補となる画像を選択する際には、プリキャプチャー画像の枚数と撮影画像の枚数とが同じ枚数(それぞれが5枚)になるように選択することを基本にしている。なお、推奨画像は1枚ではなく、複数枚選択してもよい。
【0176】
図16(B)に示す候補画像選択シーケンスにおいて、カメラ制御部170がメモリー140を参照して、メモリー140に記憶された撮影画像の枚数Nを検出する(ステップS702)。
【0177】
カメラ制御部170は、ステップS701の処理の終了後に、撮影画像の枚数Nが5枚(予め設定される候補画像の数)以上であるか否かを判定する(ステップS702)。カメラ制御部170は、撮影画像の枚数Nが5枚以上であると判定された場合(ステップS702;Yes)に、メモリー140に記憶された撮影画像の中から、撮影時刻の早いものから順番(レリーズ釦16の全押しタイミングの直後に撮影された撮影画像から順番)に5枚の撮影画像を候補画像として選択する(ステップS703)。例えば、図17(A)に示すように、全押しタイミングt13の後、発光部(照明光発光部435)の最長点灯時間Tnが経過する前に、5枚(または5枚以上)の撮影画像が撮影できた場合は、撮影画像から5枚の候補画像を選択する。
【0178】
ステップS703の処理の終了後に、カメラ制御部170は、メモリー140から5枚のプリキャプチャー画像(撮影時刻の遅い順、すなわち、レリーズ釦16の全押しタイミンに近い順に5枚の画像)を選択する(ステップS704)。例えば、図17(B)に示すように、レリーズ釦16の全押しタイミングt13の前後の5枚の撮影画像と5枚のプリキャプチャー画像とが候補画像として選択される、
そして、ステップS704の処理の終了後に、カメラ制御部170は、選択した10枚の候補画像の中から所定の基準により1枚(または複数)の推奨画像を選択する(ステップS705)。
【0179】
一方、ステップS702の判定処理において、撮影画像の枚数Nが5枚以上でないと判定された場合(ステップS702;No)に、カメラ制御部170は、メモリー140に記憶されたN枚の撮影画像を全て選択する(ステップS706)。カメラ制御部170は、このステップS706の処理の終了後に、不足する画像の枚数P(必要となるプリキャプチャー画像の枚数P)を算出する(ステップS707)。
必要となるプリキャプチャー画像の枚数Pは、「P=10−N」で算出される。
例えば、図18(A)に示すように、レリーズ釦16の全押しタイミングt13の後、発光部(照明光発光部435)の最長点灯時間Tnが経過する前に、2枚の撮影画像(N=2)が撮影できた場合には、必要となるプリキャプチャー画像の枚数Pは8枚(P=10−2)となる。
【0180】
ステップS707の処理の終了後に、カメラ制御部170は、メモリー140からP枚のプリキャプチャー画像を選択する(ステップS708)。
ステップS708の処理を実行することにより、カメラ制御部170は、ステップS706において選択したN枚の撮影画像と、ステップS707において選択したP枚のプリキャプチャー画像とを候補画像(合計10枚の画像)として選択する。例えば、図18(B)に示すように、全押しタイミングt13の前後の、2枚の撮影画像と8枚のプリキャプチャー画像が候補画像として選択される。そして、カメラ制御部170は、この10枚の選択画像の中から所定の基準により1枚の推奨画像を選択する(ステップS709)。
なお、必要となるプリキャプチャー画像の枚数Pが、メモリー140に記憶されたプリキャプチャー画像の枚数よりも少ない場合は、メモリー140の記憶されたプリキャプチャー画像を全て候補画像として選択する。
【0181】
このように、本実施形態のカメラ10では、連写した静止画(複数の候補画像)の中から所定枚数(例えば10枚)の候補画像を選択し、さらに所定の基準(例えば、明度やコントラストや色調等)により撮影状態のよい1枚の画像を推奨画像として選択する撮影モードにおいて、全押し操作が行われた後に撮影された撮影画像の枚数が少ない場合でも、プリキャプチャー画像を候補画像として追加することにより、所定枚数の候補画像の中から1つの推奨画像を選択することができる。
【0182】
以上、本発明の実施形態について説明したが、ここで、本発明と上記実施形態との対応関係について補足して説明する。
上記実施形態において、本発明におけるカメラは、カメラ10が対応し、本発明におけるカメラ制御部は、カメラ制御部170が対応する。また、本発明におけるアクセサリーは、アクセサリー400が対応し、本発明における発光部は、照明光発光部435が対応する。
【0183】
(1)そして、上記実施形態において、カメラ10は、発光部(照明光発光部435)を有するアクセサリー400を制御するとともに、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)に基づく画像の撮影時に、その操作直前までの時間的に連続するプリキャプチャー画像を所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)の後に撮影された時間的に連続する撮影画像とともに記憶するプリキャプチャー機能を備えるカメラであって、アクセサリー400の発光部(照明光発光部435)の点灯を制御するとともに、カメラ10における撮影処理を制御するカメラ制御部170、を備え、カメラ制御部170は、プリキャプチャー画像と撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する所定の撮影モードにおいて、所定の操作(レリーズ釦の全押し操作)により撮影が開始されるタイミングと、発光部(照明光発光部435)が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する。
【0184】
このような構成のカメラ10では、所定の撮影モード、例えば、連写した静止画(複数の候補画像)の中から、所定の基準(例えば、明度やコントラストや色調等)により撮影状態のよい推奨画像を選択する撮影モードにおいて、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)により撮影が開始されるタイミングと、発光部(照明光発光部435)の連続点灯可能な時間が経過して消灯するタイミングと、に基づいて、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と撮影画像から選択する候補画像の枚数を設定する。
これにより、撮影開始から発光部(照明光発光部435)が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と撮影画像から選択する候補画像の枚数とを設定することができる。例えば、撮影画像の枚数が少ない場合は、プリキャプチャー画像を候補画像として増やして追加することができる。このため、利便性の高いカメラを提供することができる。
【0185】
(2)また、上記実施形態において、カメラ制御部170は、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)の前に撮影されたプリキャプチャー画像と所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)の後に撮影された撮影画像のそれぞれから候補画像を選択する際に、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)により撮影が開始されてから発光部(照明光発光部435)が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と撮影画像から選択する候補画像の枚数とを設定する。
このような構成のカメラ10では、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)が行われてから発光部(照明光発光部435)が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数を決定するようにしたので、これにより、撮影画像の枚数が少ない場合であっても、必要な枚数のプリキャプチャー画像を追加することができる。このため、利便性の高いカメラを提供することができる。
【0186】
(3)また、上記実施形態において、カメラ10は、プリキャプチャー画像及び撮影画像から候補画像を選択する際には、撮影タイミングが所定の操作(レリーズ釦16の全押しタイミング)が行われたタイミングに近い順に選択される。
これにより、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)が行われたタイミングを起点として、このタイミングの前後の画像(プリキャプチャー画像および撮影画像)から時間的に連続する候補画像を選択することができる。
【0187】
(4)また、上記実施形態において、カメラ10では、プリキャプチャー画像から選択される候補画像の第1枚数と、撮影画像から選択される候補画像の第2枚数と、の合計枚数が予め設定された所定枚数になるように設定されるとともに、第1枚数と第2枚数とが同じ枚数になるように設定することを基本とし、第1枚数と第2枚数とが同じ枚数になるように設定できない場合には、撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する画像の第1枚数が設定される。
このような構成のカメラ10では、所定枚数の候補画像を選択する際に、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と撮影画像から選択する候補画像の枚数とが同じ枚数になるように設定できない場合は、撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数を設定する。例えば、撮影画像の枚数が少ない場合は、その分、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数を増加させる。
これにより、撮影画像の枚数が少ない場合においても、所定枚数の候補画像を選択することができる。
【0188】
(5)また、上記実施形態において、カメラ10は、所定の操作(レリーズ釦16の全押し操作)による撮影の開始後から発光部(照明光発光部435)が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数が、候補画像の所定枚数の1/2未満の場合は、撮影画像の全てを候補画像として選択し、残りの候補画像をプリキャプチャー画像から選択する。
このような構成のカメラ10では、撮影画像の枚数が、候補画像の所定枚数の1/2未満の場合は、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の数と、撮影画像から選択する候補画像の枚数とを同じにできない。このため、撮影画像の全てを候補画像として選択し、残りの候補画像をプリキャプチャー画像から選択する。
これにより、撮影画像の枚数が少ない場合であっても、必要な枚数のプリキャプチャー画像を選択することができる。このため、利便性の高いカメラを提供することができる。
【0189】
(6)また、上記実施形態において、カメラ制御部170は、発光部(照明光発光部435)を連続して点灯可能とする最長点灯時間を示す情報をアクセサリー400から受信する。
これにより、カメラ10では、アクセサリー400から発光部(照明光発光部435)の最長点灯時間の情報を受信し、 この最長点灯時間の情報に基づいて、撮影シーケンス(連写を行う場合の撮影シーケンス)のタイミングを決定することができる。
【0190】
(7)また、上記実施形態において、所定の撮影モードは、予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードと予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードの少なくとも一方の撮影モードを含む。
このような構成のカメラ10では、複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードと予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードの少なくとも一方の撮影モード、すなわち、カメラ10の撮影モードが照明発光機能(照明光発光部435が照明光を連続して発する機能)を機能させる第1撮影モード(照明撮像)において、連写した静止画(プリキャプチャー画像と撮影画像)の中から所定枚数の候補画像を選択するとともに、この候補画像のうちから所定の基準(例えば、明度やコントラストや色調等)により撮影状態のよい1枚(または複数)の画像を推奨画像として選択する。
これにより、カメラ10の撮影モードが照明発光機能(照明光発光部435が照明光を連続して発する機能)を機能させる第1撮影モード(照明撮像)において、撮影開始から発光部(照明光発光部435)が消灯するままでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と撮影画像から選択する候補画像の枚数とを設定して、所定枚数の候補画像を選択することができる。そして、この候補画像のうちから所定の基準より撮影状態のよい1枚(または複数)の画像を推奨画像として選択することができる。このため、利便性の高いカメラを提供することができる。
【0191】
(8)また、上記実施形態において、所定の操作はレリーズ釦の半押し操作の後に行われるレリーズ釦の全押し操作であって、カメラ制御部170は、レリーズ釦16の半押し操作が行われた後に光学系において合焦完了したことを検出して発光部(照明光発光部435)を点灯させるとともに、レリーズ釦16の全押し操作により撮影が開始されるタイミングと、発光部(照明光発光部435)が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、予め設定される候補となる画像の枚数と、に基づいて、プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する。
このような構成のカメラ10では、カメラ制御部170は、レリーズ釦16の半押し操作が行われた後に光学系210において合焦完了したことを検出した場合にアクセサリー400の発光部(照明光発光部435)を点灯させる。そして、カメラ制御部170は、レリーズ釦16の全押し操作が行われ撮影が開始されるタイミングと、発光部(照明光発光部435)が消灯するタイミングと、候補画像の枚数と、に基づいて、レリーズ釦16の全押し操作の前に撮影されたプリキャプチャー画像とレリーズ釦16の全押し操作の後に撮影された撮影画像のそれぞれから1または複数の候補画像を選択し、これらの選択した候補画像の中から推奨画像を選択する。
これにより、連写した静止画(複数の候補画像)の中から候補画像を選択する際に、撮影開始から発光部(照明光発光部435)が消灯するままでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と、撮影画像から選択する候補画像の枚数とを設定することができる。例えば、撮影画像の枚数が少ない場合は、プリキャプチャー画像を候補画像として増やして追加することができる。このため、利便性の高いカメラを提供することができる。
【0192】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態で説明した構成要素のうち少なくとも1つの構成要素は、省略される場合がある。上記の実施形態で説明した各構成要素は、適宜、組み合わせることができる。
【0193】
なお、上述のカメラボディ100とアクセサリー400は、内部にコンピュータシステムを有している。そして、各機能部の動作の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータシステムが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでいうコンピュータシステムとは、CPU及び各種メモリーやOS、周辺機器等のハードウェアを含むものである。
【0194】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【符号の説明】
【0195】
1…カメラシステム、10…カメラ、15…シュー座、16…レリーズ釦、100…カメラボディ、170…カメラ制御部、400…アクセサリー、430…閃光発光部、431…閃光光源、432…充電部、435…照明光発光部、436…照明光光源駆動部、437…照明光光源、440…アクセサリー制御部、Ts1・・・接地端子、Ts2・・・接地端子、Ts3・・・基準電位端子、Ts4・・・クロック信号(同期信号)端子、Ts5・・・基準電位端子、Ts6・・・通信信号(データ信号)端子、Ts7・・・起動状態提供端子、Ts8・・・発光制御信号端子、Ts9・・・通信制御信号端子、Ts10・・・オープン端子、Ts11・・・電源端子、Ts12・・・電源端子、CLK・・・同期信号、DET・・・起動検出レベル、DATA・・・通信信号(データ信号)、PWR・・・電力、X・・・発光制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部を有するアクセサリーを制御するとともに、所定の操作に基づく画像の撮影時に、その操作直前までの時間的に連続するプリキャプチャー画像を前記所定の操作の後に撮影された時間的に連続する撮影画像とともに記憶するプリキャプチャー機能を備えるカメラであって、
前記アクセサリーの発光部の点灯を制御するとともに、前記カメラにおける撮影処理を制御するカメラ制御部、を備え、
前記カメラ制御部は、
前記プリキャプチャー画像と前記撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する所定の撮影モードにおいて、
前記所定の操作により撮影が開始されるタイミングと、前記発光部が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と前記撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する
ことを特徴とするカメラ。
【請求項2】
前記カメラ制御部は、
前記所定の操作の前に撮影されたプリキャプチャー画像と前記所定の操作の後に撮影された撮影画像のそれぞれから前記候補画像を選択する際に、
前記所定の操作により撮影が開始されてから前記発光部が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数に応じて、前記プリキャプチャー画像から選択する候補画像の枚数と前記撮影画像から選択する候補画像の枚数とを設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
【請求項3】
前記プリキャプチャー画像及び前記撮影画像から前記候補画像を選択する際には、撮影タイミングが前記所定の操作が行われたタイミングに近い順に選択される
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラ。
【請求項4】
前記プリキャプチャー画像から選択される候補画像の第1枚数と、前記撮影画像から選択される候補画像の第2枚数と、の合計枚数が予め設定された所定枚数になるように設定されるとともに、
前記第1枚数と前記第2枚数とが同じ枚数になるように設定することを基本とし、
前記第1枚数と前記第2枚数とが同じ枚数になるように設定できない場合には、
前記撮影画像の枚数に応じて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の第1枚数が設定される
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項5】
前記所定の操作による撮影の開始後から前記発光部が消灯するまでの間に撮影された撮影画像の枚数が、前記所定枚数の1/2未満の場合は、
前記撮影画像の全てを候補画像として選択し、残りの候補画像を前記プリキャプチャー画像から選択する
ことを特徴とする請求項4に記載のカメラ。
【請求項6】
前記カメラ制御部は、
前記発光部を連続して点灯可能とする最長点灯時間を示す情報を前記アクセサリーから受信する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項7】
前記所定の撮影モードは、
予め定められる所定時間内に複数回の静止画撮影処理を行う撮影モードと予め定められる所定時間継続する動画撮影処理を行う撮影モードの少なくとも一方の撮影モードを含む
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項8】
前記所定の操作はレリーズ釦の半押し操作の後に行われるレリーズ釦の全押し操作であって、
前記カメラ制御部は、
前記レリーズ釦の半押し操作が行われた後に光学系において合焦完了したことを検出して前記発光部を点灯させるとともに、
前記レリーズ釦の全押し操作により撮影が開始されるタイミングと、前記発光部が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、予め設定される候補となる画像の枚数と、に基づいて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と前記撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のカメラ。
【請求項9】
発光部を有するアクセサリーを制御するとともに、所定の操作に基づく画像の撮影時に、その操作直前までの時間的に連続するプリキャプチャー画像を前記所定の操作の後に撮影された時間的に連続する撮影画像とともに記憶するプリキャプチャー機能を備えるカメラ内のコンピュータを、
前記アクセサリーの発光部の点灯を制御する手順と
前記プリキャプチャー画像と前記撮影画像のそれぞれから1又は複数の画像を候補画像として選択し、これらの候補画像のうちから所定の基準により推奨画像を選択する所定の撮影モードにおいて、前記所定の操作により撮影が開始されるタイミングと、前記発光部が連続して点灯可能な最長点灯時間に応じて消灯するタイミングと、に基づいて、前記プリキャプチャー画像から選択する画像の枚数と前記撮影画像から選択する画像の枚数とを設定する手順と、
を実行するカメラ制御部
として機能させるためのカメラ制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−70116(P2013−70116A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205058(P2011−205058)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】