説明

カメラ及び制御装置及びプログラム

【課題】標準化された通信フォーマットにより制御される監視カメラにおいて、監視カメラによって対応できる機能が異なる場合があり、ある機能を持たない監視カメラにおいてもその機能を使用できるようにする。
【解決手段】第1の監視カメラに、標準化された通信フォーマットによる制御機能と、独自の通信フォーマットによる制御機能と、監視カメラ制御装置としてのクライアント機能を持たせる。これにより、同一ネットワーク上の第2の監視カメラからの情報を取得し、独自機能を施して第1の監視カメラ経由でネットワークへ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステムに関し、特に異なる通信フォーマットに基づいた機器や機能を使用できる監視カメラシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本技術分野の背景技術として特許文献1がある。ここには「固定型のIPカメラ102は、動体検知、不動体検知あるいはセンサ入力検知に伴って、検知情報を含むメタデータを、ネットワークに送出する。PTZ型のIPカメラ103は、IPカメラ102からネットワーク101に送出されたメタデータを受信する。IPカメラ103は、受信したメタデータに基づいて、予め予約された動作を行う。IPカメラ103は、IPカメラ102から出力されたメタデータに対応したコマンドを、サーバ104を経由して受け取るものではなく、例えば、IPカメラ102が異常検知(動体検知、不動体検知あるいはセンサ入力検知)を行ってから異常領域の高解像度の画像データを取得するまでの時間を短くできる。」と記載されている(要約)。
【0003】
また、特許文献2では、プライバシー保護を目的とした監視カメラ映像に適切にマスク処理を施す技術が発明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−085832号
【特許文献2】特開2010−193227号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、IP(Internet Protocol)伝送を用いた監視カメラシステムが普及しつつある。IP監視カメラシステムでは、複数の監視カメラ及び監視レコーダ、監視カメラ制御装置(IPネットワーク機器)がネットワークを介して接続されており、アナログ監視カメラに比べて設置が容易であり、遠距離監視が可能である。更に高画質化も可能である。従来のIP伝送を用いた監視カメラシステムでは、システムごとに独自の通信インターフェースを用いてIPネットワーク機器間の制御を行っている場合が多く、前記通信インターフェースに対応していない監視機器を使用することができなかった。しかし、これらIPネットワーク機器間の通信プロトコルや通信フォーマットなどの通信インターフェースを標準化することで、柔軟に機器を選択し監視システムを構築することが可能となりつつある。例えば、標準インターフェースを用いてカメラ設定などの要求、制御を行うことができ、標準インターフェースに対応した機器であれば製造メーカなどを問わずに利用することが可能である。
【0006】
このような標準インターフェースに対応したネットワーク機器が普及しつつあるが、機器によって能力が異なり、対応している機能に差がある。また、標準インターフェースで提供されていない、独自機能を提供したい場合がある。また、その独自機能を他のネットワーク機器でも利用したい場合がある。
【0007】
例えば、監視カメラで撮影される範囲に個人のプライバシーを侵害するような箇所が含まれる場合があり、プライバシー保護のため、映像の一部にマスク処理を施すプライバシーマスク機能が挙げられる。また、例えば監視カメラで異常検出を行う機能も挙げられる。
【0008】
しかし、特許文献1記載の技術では、固定型IPカメラ102とPTZ型IPカメラ103間で通信されるメタデータは互換性のあるものである必要がり、使用するIPカメラが制限されてしまうという課題が残る。
【0009】
本発明の目的は、前記した問題に鑑み、能力の異なるネットワーク機器を用いたカメラシステムにおいて、機能を広く利用できる監視カメラ及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題の全てまたは一部を解決または改善するために、本発明は例えば特許請求の範囲に記載の発明を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によって、ユーザの使用勝手が向上するカメラ及びそのシステムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】監視カメラシステムのシステム構成
【図2】監視カメラシステムの構成例
【図3】監視カメラシステムにおけるデータの流れ
【図4】監視カメラシステムにおけるデータの流れ
【図5】カメラ識別子設定フロー
【図6】機能制御フロー
【図7】機能制御フロー
【図8】映像送信フロー
【図9】マスク映像送信フロー
【図10】マスク映像送信フロー
【図11】マスク映像送信フロー
【図12】機能制御フロー
【図13】マスク映像受信フロー
【図14】監視カメラシステムにおけるデータの流れ
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0014】
本発明の実施に好適な実施形態の例を説明する。ただし、本発明は本実施例に限定されない。
【0015】
図1は、本実施例におけるシステム構成である監視カメラシステム100の一例を示す図である。
【0016】
101は監視カメラ制御装置、151は監視カメラおよび制御装置、161は監視カメラ装置である。これらは190ネットワークを介して接続されている。
【0017】
101の監視カメラ制御装置では、102標準制御部、103独自制御部があり、独自制御部には104マスク制御部が含まれる。113標準通信I/F、114独自通信I/F、115内部メモリ、116表示部を持つ。102機能制御部は、IPネットワークで接続された監視カメラ装置に対して機能の制御を要求またはその応答を受信するものであり、113標準通信I/F、114独自通信I/Fから送受信信される。103独自制御部は、例えば104マスク制御部により、114独自通信I/Fを通してマスク設定要求を行う機能を持つ。受信した映像などのデータは116表示部に表示する。
【0018】
151監視カメラおよび制御装置は、152標準機能部、153標準制御部、154独自機能部を持つ。154独自機能部には、155マスク設定部、156マスク処理部、157フォーマット変換部を含む。また、160内部メモリ、161標準通信I/F、162独自通信I/Fを持つ。152標準機能部は、161標準通信I/Fから受信した標準機能に関する要求に対し該当機能を処理するブロックである。153標準制御部は、161標準通信I/Fを通して他の監視カメラ装置に対して標準機能の制御を行うブロックである。154独自機能部のうち、155マスク設定部は監視カメラ制御装置からのマスク設定要求に対する処理を行う。156マスク処理部では、実際に映像に対してマスク処理を施す。
【0019】
157フォーマット変換部は、独自の通信I/Fで受信したデータを標準通信I/Fで送信するよう、ネットワークに送出するデータフォーマットの変換を行う。なお、本発明では、マスク制御・設定・処理だけでなく、異常を検出する異常検出(動体検知、不動体検知あるいはセンサ入力検知など)であってもよいし、記録機能であってもよい。以下のフローチャートにおいてもこのことは同様である。
【0020】
なお、標準通信は、例えばONVIF(Open Network Video Interface Forum)などにより定められた通信が挙げられる。本実施例では説明簡単のため標準通信、独自通信などの用語を用いるが、本発明においては、監視カメラ制御装置とインターフェースが異なるなどの理由により通信できない監視カメラ装置が監視カメラシステムに存在すれば適用可能である。
【0021】
161監視カメラ装置は、162標準機能部、163内部メモリ、164標準通信I/Fから成る。監視カメラ制御装置からの164標準通信I/Fを通した標準機能要求に対し、162標準機能部で処理を行う。
【0022】
図2に一般的な監視カメラシステムの構成例を示す。101は監視カメラ制御装置1、121は監視カメラ制御装置2であり、複数の監視カメラ制御装置がIPネットワーク190を介して接続されている。また、同一ネットワーク上に監視カメラが複数接続されている。図1、図2により監視カメラシステムのシステム構成を示した。
【0023】
図3で、一般的な監視カメラシステムにおけるデータの流れの例を示す。ここでは監視カメラ制御装置は1台、監視カメラが2台とする。この場合、監視カメラ制御装置101と監視カメラ150との間のN1、監視カメラ161との間のN2でデータの送受信が行われる。
【0024】
図4で、本実施例による監視カメラシステムにおけるデータの流れの例を示す。ここでは、監視カメラ制御装置が1台、監視カメラであり監視カメラ制御が可能な機器が1台、監視カメラが1台とする。前記したように監視カメラ制御装置101からN1、N2でデータの送受信が行われる。更に、第1の監視カメラおよび監視カメラ制御装置151は監視カメラ制御が可能であるため、N3でもデータの送受信が行われることとなる。
【0025】
図3で一般的なサーバ、クライアントから成る監視カメラシステムにおけるデータの流れを説明し、図4では本実施例の場合の監視カメラシステムにおけるデータの流れを説明した。
【0026】
図5は、監視カメラおよび制御装置151における、同一ネットワーク上にある監視カメラ装置161の識別子設定に関する処理フローである。
ステップ501では、監視カメラおよび制御装置151から標準化された通信フォーマットに基づいて同一ネットワーク上にある監視カメラ161へ機能制御要求を送信する。例えば、映像を取得するための識別子であるURI(Uniform Resource Identifier)を取得する要求である。これに対し、監視カメラ装置161が応答として識別子Bを監視カメラおよび制御装置151へ返却する。本応答をステップ502で受信する。ここでは1台の監視カメラのURIを取得したが、複数台の監視カメラからの応答を受信しても良い。
【0027】
この応答を受信した後、ステップ503で、監視カメラおよび制御装置151がネットワーク上にある監視カメラ装置161に対する識別子Aを生成する。この識別子は、監視カメラ映像を配信し、取得するためのURIであり、この識別子は監視カメラ装置161が応答し提供するURIと異なるものである。ステップ504では、生成したカメラ識別子Aと、取得したカメラ識別子Bを対応付ける。ステップ505では、生成した識別子Aと取得した識別子Bを監視カメラおよび制御装置151の内部メモリ160に保持する。
【0028】
図6に、監視カメラ制御装置101が、標準化された通信フォーマットで監視カメラおよび制御装置151に機能要求を行う際の処理フローを示す。
【0029】
ステップ601では、監視カメラおよび制御装置151が、機能制御要求を受信し、処理を行った後、ステップ602で、応答を監視カメラ制御装置101に対して標準化された通信フォーマットを用いて送信する。
【0030】
図7に、監視カメラ制御装置101が、標準化された通信フォーマットで監視カメラおよび制御装置151を経由して監視カメラ装置161に機能要求を行う際の処理フローを示す。
【0031】
ステップ701で監視カメラおよび制御装置151が機能制御要求を監視カメラ制御装置101から受信する。これは例えば映像を取得するためのURIの取得要求である。その後、図5のステップ500へ進む。ステップ702では、監視カメラおよび制御装置151がステップ503で生成された識別子を監視カメラ制御装置101に送信する。
【0032】
図8に、監視カメラ制御装置101が、標準化された通信フォーマットで監視カメラおよび制御装置151を経由して監視カメラ装置161に映像配信要求を行う際の処理フローを示す。
【0033】
ステップ801で、監視カメラおよび制御装置151が標準化された通信フォーマットで映像配信要求を監視カメラ制御装置101から受信する。この要求は図5のステップ503で作成した識別子Aを用いて行われる。ステップ802で監視カメラおよび制御装置151の内部メモリに保持した監視カメラ装置161の映像配信用の識別子Bを利用し、標準化された通信フォーマットで映像配信要求を監視カメラ装置161に行う。これにより、ステップ803で監視カメラおよび制御装置151は、監視カメラ161から映像を受信する。ステップ804では監視カメラおよび制御装置151が通信フォーマットの変換の要否を判定し、必要な場合はステップ805に進む。不要な場合はステップ805に進む。ステップ806では通信フォーマットの変換を行う。本例では標準化された通信フォーマットを用いて映像を受信、また映像を送信するため不要であるが、受信及び送信のフォーマットが異なる場合は変換が必要である。ステップ806では標準化された通信フォーマットを用いて映像を送信する。
【0034】
図9に、監視カメラおよび制御装置151が、監視カメラ装置161からマスク処理された映像受信を行う際の処理フローを示す。
【0035】
ステップ901で、監視カメラ制御装置101が独自または標準化された通信フォーマットを用いた、マスク設定要求を監視カメラおよび制御装置151に送信する。ここで、監視カメラおよび制御装置151で撮影する映像のどの位置をマスクするかといった位置情報が設定される。ステップ902で監視カメラ161に対し、標準化された通信フォーマットに基づき映像取得要求を行う。ステップ903で監視カメラ161より映像を受信する。ステップ904では、監視カメラおよび制御装置151の映像や、監視カメラ161の映像の画像特徴や、設置位置情報などを用いて監視カメラおよび制御装置151に設定された位置から、監視カメラ161の映像のどの位置をマスクするかを推定し、決定する。
【0036】
ステップ904ではマスクする位置情報を内部メモリ160に保持する。その後、ステップ1100に進み、ステップ1104でマスク処理を施した映像を監視カメラ制御装置101に送信する。図11については後述する。
【0037】
監視カメラおよび制御装置151で撮像した映像にマスク処理を施した映像と、監視カメラ161から取得した映像にマスク処理を施した映像とを監視カメラ制御装置101に連続的に送信し、映像を配信しながら、ステップ905で監視カメラ制御装置101からの配信停止要求を受信していないかを判定し、配信停止要求が無い場合はステップ1100へ進み連続して配信を続ける。配信停止要求を受信した場合は、ステップ906へ進み、監視カメラおよび制御装置151の配信停止処理を行い、ステップ907で監視カメラ161へ配信停止要求を行う。これにより監視カメラ及び制御装置151の映像及び、第1の監視カメラ及び制御装置151を経由した第2の監視カメラ映像の配信開始、配信及び停止処理を実現する。なお、本発明において、監視カメラ及び制御装置151の映像の配信は行わなくてもよい。
【0038】
次に図9の変形例を説明する。図10に、監視カメラ及び制御装置151が、監視カメラ装置161からマスク処理された映像受信を行う際の処理フローを示す。図9のフローと異なり、監視カメラ161のマスク位置を推定するのではなく、ユーザが任意に設定する点が異なる。
【0039】
ステップ1001で、独自または標準化された通信フォーマットに基づき、マスク設定要求を監視カメラ制御装置101から受信する。これにより、監視カメラ161に対し、標準化された通信フォーマットを用いて映像配信要求を送信する。ここでは前記した、監視カメラ161から通知済の識別子Bを用いて行う。ステップ1003では、自カメラからの映像を要求フォーマットに基づきカメラ制御装置101へ送信する。ステップ1002の要求により、監視カメラ161から、監視カメラおよび制御装置151に対して映像を配信し、ステップ1004で映像を受信する。ステップ1005では通信フォーマットの変換の要否を判定し、必要な場合はステップ1006に進む。不要な場合はステップ1007に進む。ステップ1006では通信フォーマットの変換を行う。受信及び送信のフォーマットが異なる場合は変換が必要である。ステップ1007では、監視カメラ及び制御装置151が独自または標準化された通信フォーマットを用いて映像を監視カメラ制御装置101に送信する。ここで、カメラのID情報も送信する。
【0040】
監視カメラ制御装置101では、監視カメラ及び制御装置151と監視カメラ161の映像を取得できるため、それぞれの映像を確認しながらユーザが任意にマスク位置を決定する。設定方法は座標の値を入力する形式でもよく、表示されている映像上で矩形を描画することで指定するような形式でもよい。決定した座標の情報をカメラのIDと対応付けて独自または標準化された通信フォーマットに基づいて送信されるため、ステップ1008でこれを受信する。ステップ1009で受信したマスク設定値を内部メモリ160に保持し、ステップ1100に進む。映像を配信しながら、ステップ1010で監視カメラ制御装置101からの配信停止要求を受信していないかを判定し、配信停止要求が無い場合はステップ1100へ進み連続して配信を続ける。配信停止要求を受信した場合は、ステップ1011へ進み、第1の監視カメラおよび制御装置151の配信停止処理を行い、ステップ1012で第2の監視カメラ161へ配信停止要求を行う。これにより監視カメラ及び制御装置151の映像及び、監視カメラ及び制御装置151を経由した監視カメラ161の映像の配信開始、配信及び停止処理を実現する。
【0041】
図10に示すフローによれば、ユーザが任意にマスク位置を設定可能であり、使い勝手が向上するなどの効果を奏する。
【0042】
図11に、マスク処理を施した映像の配信処理フローを示す。ステップ1101で、監視カメラ及び制御装置151が監視カメラ161から標準化された通信フォーマットに基づいて映像を受信する。ステップ1102で、内部メモリに保持したマスク位置情報を読み出し、ステップ1103で映像にマスク処理を施す。ステップ1104で、要求された際の通信フォーマットに基づいてマスク処理を行った映像を監視カメラ制御装置101に送信する。
【0043】
以上で、監視カメラ及び制御装置151から監視カメラ161より取得した映像及びマスク処理を施した映像を送信する点に関して説明した。 図12に、監視カメラおよび制御装置151を制御できる監視カメラ制御装置101の処理フローを示す。
【0044】
ステップ1201で、独自の通信フォーマットを用いて監視カメラ及び制御装置151に対して、機能制御要求を行う。例えば、本要求は、監視カメラおよび制御装置151と、監視カメラ161の識別子を要求するものである。これにより、ステップ1202において映像配信に必要なURIなどの識別子を取得する。ステップ1203では例えば取得した識別子を用いて映像の配信を要求し、ステップ1204で映像を取得する。
【0045】
ここで、監視カメラおよび制御装置151に対しては、独自または標準化された通信フォーマットを用いて通信を行う。これは監視カメラおよび制御装置151が持つ独自の機能を利用するためであり、独自機能は例えば監視カメラおよび制御装置151を通して監視カメラ161の制御や映像の取得を行う機能である。
【0046】
図13に、監視カメラおよび制御装置151を制御できる監視カメラ制御装置101がマスク処理を施された映像を取得する際の処理フローを示す。
【0047】
ステップ1301で、独自の通信フォーマットを用いて監視カメラおよび制御装置151にマスク設定要求を送信する。ステップ1302で監視カメラおよび制御装置151から映像を受信し、ステップ1303では前記装置を通して監視カメラ161からの映像を受信する。ここで、同時にカメラ映像を取得するための識別子についても取得する。受信した映像を表示部116に表示する。ユーザは表示部に表示された映像を確認しながら、ユーザはマスク位置を決定してもよい。設定方法は座標の値を入力する形式でもよく、表示されている映像上で矩形を描画することで指定するような形式でもよい。決定したマスク設定値をステップ1304およびステップ1305で監視カメラおよび制御装置151に送信する。ここでステップを2つに分割したが、同時に送信する形式でもよい。ステップ1302及び1303で取得した識別子を用い、標準化された通信フォーマットを用いてステップ1306で監視カメラおよび制御装置151に映像配信の要求を行い、ステップ1307で前記装置を経由した監視カメラ161の映像配信要求を行う。ここで取得できる映像は監視カメラおよび制御装置151を経由しマスク処理が施されている映像となる。
【0048】
以上で説明した映像取得や映像受信処理に関して、映像は断続的に送信及び受信してもよい。
【0049】
図14に、本実施例による監視カメラおよび制御装置151を通して監視カメラ161の制御を行う場合のデータの流れを示す。
N1、N2、N3は図4で説明した通りであるが、更に監視カメラおよび制御装置151でN3を経由してデータを受信し、処理を施しN4を通して監視カメラ装置101へ送信する。
【0050】
そのため、マスク処理を施した映像を受信する例の場合、N1から監視カメラおよび制御装置151で撮像した映像にマスク処理が施された映像を受信する。N2からは監視カメラ161の映像を受信し、N4からは監視カメラ161の映像にマスク処理が施された映像を受信する。よって、監視カメラ制御装置101では監視カメラ161の元映像とマスク処理された映像の2つを表示している。ユーザの使用用途によっては、標準化された通信インターフェースを用いて、N2側の通信を切断することでマスク処理された映像のみを表示することが可能である。
【0051】
以上、本実施例によれば標準化された通信インターフェースを用いたIPネットワーク機器のうちカメラ機能を持つ機器において、他のカメラが提供していない機能を代行して提供することができる。
【0052】
本発明に関して、実施例に沿って説明を行ったが、本発明はこれらの例に限定されない。監視カメラシステムだけでなく、TV会議システムやTV電話などのカメラが付属する機能、クライアント機能を持つ機器に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0053】
100・・・監視カメラシステム
101・・・監視カメラ制御装置
151・・・監視カメラおよび制御装置
161・・・監視カメラ装置
190・・・ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ映像をネットワークへ送信できる第1のカメラにおいて、
標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される標準機能部と、
独自の通信フォーマットに基づいて機能制御される独自機能部と、
標準化された通信フォーマットに基づいて同一のネットワーク上にある標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される第2のカメラを制御する標準制御部を有し、
カメラ制御装置による標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求に対し、
前記第1のカメラが応答する、前記第1のカメラと同ネットワーク上にある前記第2のカメラの制御に係る識別子は、前記カメラ制御装置による前記第2のカメラへの通信フォーマットに基づいた機能制御要求に対する前記第2のカメラの制御に係る識別子とは異なることを特徴とする第1のカメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の第1のカメラであって、
前記カメラ制御装置による標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求に対し、前記第1のカメラの制御及び、前記第1のカメラと同ネットワーク上にある標準化された通信フォーマットに基づいて機能制御される前記第2のカメラの制御を行う手段を有する第1のカメラ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の第1のカメラであって、
前記カメラ制御装置による独自または標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求に対し、前記第1のカメラの該機能制御及び、前記第1のカメラと同ネットワーク上にある前記第2のカメラから標準化された通信フォーマットを通して取得する映像に対して該機能制御を施す手段を有し、
前記カメラ制御装置による標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求に対し、標準化された通信フォーマットに基づき、前記第1の該機能制御結果及び、第2のカメラの該機能制御結果を送信する手段を有する第1のカメラ。
【請求項4】
請求項3に記載の第1のカメラであって、
独自のまたは標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求内容、及び該制御機能は映像に対する1つ以上の限定箇所をマスク処理する機能であって、
独自または標準化された通信フォーマットに基づいたマスク処理設定要求に対し、前記第1のカメラ装置で取得する映像にマスク処理を行う機能と、
前記第2のカメラ装置から標準化された通信フォーマットに基づき取得する映像に対し、取得した画像特徴を用いてマスク処理位置を推定しマスク処理を行う機能と、
前記カメラ制御装置による独自または標準化された通信フォーマットに基づいた映像配信要求に対し、前記第1のカメラ装置から前記第1のカメラ装置の映像にマスク処理を施した映像、及び前記第2のカメラ装置の映像にマスク処理を施した映像を前記第1のカメラから独自または標準化された通信フォーマットに基づき送信することを特徴とする第1のカメラ。
【請求項5】
請求項3に記載の第1のカメラであって、
独自または標準化された通信フォーマットに基づいた機能制御要求内容、及び該制御機能は映像に対する1つ以上の限定箇所をマスク処理する要求及び機能であり、
独自または標準化された通信フォーマットに基づいたマスク処理設定要求に対し、前記第1のカメラの映像を独自または標準化された通信フォーマットに基づいて送信する手段と、
前記第2のカメラの映像を標準化された通信フォーマットに基づいて取得する手段と、
前記第2のカメラを識別する識別子を保持する手段と、
前記第2のカメラから取得した映像を独自または標準化された通信フォーマットに基づいて送信する手段と、
前記第2のカメラを識別するID情報を送信する手段と、
前記カメラ制御装置による、独自または標準化された通信フォーマットに基づいた第1及び第2のカメラに関するマスク処理設定要求に対し、要求された1つ以上のマスク位置を前記第1のカメラ内に保持する手段と、
独自または標準化された通信フォーマットによる配信処理要求に対し、独自または標準通信フォーマットに基づき第1のカメラ映像または第2のカメラ映像に前記保持したマスク位置に相当する箇所をマスクした映像を送信することを特徴とする第一のカメラ。
【請求項6】
請求項5に記載の第1のカメラを制御できるカメラ制御装置において、
独自のフォーマットに基づいて、前記第1のカメラへ機能制御要求を行う手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラから第2のカメラ映像及びカメラの識別子を取得する手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラからカメラ映像を取得する手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラに対し、前記第1のカメラ及び第2のカメラの機能制御要求を行う手段を有することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項7】
請求項5に記載の第1のカメラを制御できるカメラ制御装置において、
独自のフォーマットに基づいて、前記第1のカメラへマスク処理設定要求を行う手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラからカメラ映像を取得する手段と、
取得した映像を制御装置に表示する手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラから前記第2のカメラ映像及びカメラの識別子を取得する手段と、
独自のフォーマットに基づいて前記第1のカメラに対し、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラのマスク位置設定処理要求を行う手段と、
標準化された通信フォーマットに基づいて前記第1及び第2のカメラを制御する手段を有することを特徴とするカメラ制御装置。
【請求項8】
第1のコンピュータにおいて、
第2のコンピュータから機能制御されるステップと、
第3のコンピュータを制御するステップと、
第3のコンピュータから送信される第3のコンピュータを制御するための第1の識別子を受信するステップと、
第3のコンピュータから受信した第1の識別子と異なる、第3のコンピュータを制御するための第2の識別子を生成するステップと、
前記第1の識別子と前記第2の識別子を対応付けるステップと、
前記生成した第2の識別子を第2のコンピュータへ送信するステップを持つプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを持つ第1のコンピュータにおいて、
第2のコンピュータから送信された第3のコンピュータを制御する第2の識別子を受信するステップと、
前記受信した第2の識別子に対応付けられた第3のコンピュータを制御するための第1の識別子を用いて第3のコンピュータを制御するステップを持つ第1のコンピュータ。
【請求項10】
カメラ機能と他のカメラをネットワークを介して制御する機能とを備える制御装置であって、
第1の通信フォーマットに基づいて、機能を制御する第1の機能部と、
第2の通信フォーマットに基づいて、機能を制御する第2の機能部と、を有し、
前記ネットワークには、1または複数のカメラと、前記1または複数のカメラを制御するカメラ制御装置があり、
前記第1の通信フォーマットに基づいて前記第2の機能部に関する要求を前記カメラに送信し、
前記カメラから前記要求に関する情報を前記第1の通信フォーマットに基づいて受信し、
前記受信された情報を前記第1または第2の通信フォーマットに基づいて前記カメラ制御装置に送信することを特徴とする制御装置。
【請求項11】
請求項10記載の制御装置であって、
前記カメラは、前記第2の通信フォーマットに基づいて通信を行うことが出来ないことを特徴する制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−26642(P2013−26642A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156256(P2011−156256)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】