説明

カメラ収納ボックス

【課題】カメラを確実に固定できるカメラ収納ボックスを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のカメラ収納ボックス1は、開口部10が設けられた壁板8と、該壁板8を貫通して該壁板8の両側に延びる2本の棒状支持体12と、前記壁板の一方の側の前記2本の棒状支持体12の間に架設されたカメラ支持部材31上に設置されたカメラ5と、前記壁板8の他方の側の前記2本の棒状支持体12の間に架設されたミラー支持部材14上に配置され、且つ容器の像を前記開口部10通して前記カメラ5に導くためのミラー部品2と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビール壜等の容器の検査装置に取り付けられた検査用カメラを収納するカメラ収納ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
容器の検査装置に取り付けられたカメラ収納ボックスは、ミラー収納部と、ミラー収納部の左右に配置された一対のカメラ収納部とを備える。ミラー収納部は箱形のハウジング状に構成され、カメラ収納部は中空円筒状に形成されている。カメラ収納部及びミラー収納部内部には、ミラー収納部とカメラ収納部とを隔てる側壁を挿通して固定された一本のカメラ支持ロッドが配置されている。そしてカメラ支持ロッドのカメラ収納部内に延びる部分にはキーが設けられ、カメラ支持ロッドの当該キーが設けられた部分にはスライダを介して、カメラが固定されたL型ブラケットが滑動可能に取り付けられている。そしてスライダに設けられた溝がカメラ支持ロッドに設けられたキーと嵌合することにより、スライダは周方向に関して回り止めされている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−279222号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、キーと溝との間には若干の遊びが存在しており、この遊びによってカメラ支持ロッドに対するカメラのぐらつきを完全に防止することができず、画像もわずかにぐらつくという問題がある。そこで、本発明は、カメラを確実に固定できるカメラ収納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、開口部(10)が設けられた壁板(8)と、該壁板(8)を貫通して該壁板(8)の両側に延びる複数本の棒状支持体(12)と、前記壁板(8)の一方の側に延びる前記複数本の棒状支持体(12)上に固定されたカメラ(5)と、前記壁板(8)の他方の側に延びる前記複数本の棒状支持体(12)上に設置され、且つ容器の像を前記開口部(10)通して前記カメラ(5)に導くためのミラー部品(2)と、を備えたカメラ収納ボックス(1)を提供することで上記課題を解決する。
【0005】
本発明のカメラ収納ボックスによれば、カメラが複数本の棒状支持体上に固定され、またミラー部品が複数本の棒状支持体上に固定されている。従って、1本の棒状支持体に固定されている場合と比べて、カメラやミラー部品の、棒状支持体の回りでの回転が防止され、カメラやミラー部品のぐらつきが防止される。
【0006】
本発明の一形態において、前記壁板(8)の一方の側に設けられた、該一方の側に延びる前記棒状支持体(12)及び前記カメラ(5)を覆うカメラカバー(6)と、前記壁板(8)の他方の側に設けられた、該他方の側に延びる前記棒状支持体(12)及び前記ミラー部品(2)を覆うミラーカバー(3)と、を備えてもよい。これによると、カメラカバーとミラーカバーとがそれぞれ壁板の両側に別個に取り付けられているため、メンテナンス時に両方同時に外す必要がなく、保守管理作業を効率よく行うことができる。
【0007】
更に、本発明の一形態において、前記カメラ(5)が前記複数の棒状支持体(12)の間に架設されたカメラ支持部材(31)上に固定され、前記ミラー部品(2)が前記複数の棒状支持体(12)の間に架設されたミラー支持部材(14)上に設置されていてもよい。これによると、棒状支持体上にカメラ支持部材及びミラー支持部材が架設されているため、棒状支持体へのカメラ及びミラー部材の取付が容易である。
【0008】
また、本発明の一形態において、前記複数本の棒状支持体(12)の間に、補強体(25)を架設してもよい。これによると、複数本の棒状支持体の互いに対するねじれや回転をより防止することができる。0
【0009】
前記搬送中の容器の像を前記カメラ(5)に導くように前記ミラー部品(2)を前記容器に追従して駆動させる駆動部(21)を備えてもよい。これによると、ミラー部品が搬送中の容器に追従して移動するため、搬送中の容器の像をそれぞれある程度の時間撮影することができるため、より確実な検査が可能となる。
【0010】
前記棒状支持体(12)の本数は2本であってもよい。これによると、最小の本数でカメラやミラー部品の、棒状支持体の回りでの回転を防止することができる。
【0011】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明のカメラ収納ボックスによれば、カメラのぐらつきを防止することができ、容器の安定した画像の取得が可能となり、容器外周の傷等の欠陥をより正確且つ高精度で検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の一形態にかかるカメラ収納ボックス1を横から見た図である。図示したように、本形態のカメラ収納ボックス1はミラー部品2を内部に備え、ミラーカバー3で覆われたミラー収納部4と、カメラ5を内部に備え、カメラカバー6で覆われたカメラ収納部7とを備え、そのミラー収納部4とカメラ収納部7との間は壁板8で区切られている。また、カメラ収納部7の先端側には、エンドキャップ9が取り付けられている。
【0014】
図2は、図1のII-II線に沿ったミラー収納部4の断面図であり、図3は、図1のカメラ収納部7のIII−III線に沿った断面図である。また、図4は、図1のカメラ収納ボックス1からミラーカバー3とカメラカバー6とを外した状態を示した図である。
【0015】
図2で特に示したように壁板8は、矩形の板部材であって、中央のやや上よりの部分には開口部10が設けられている。その開口部10は、カメラ5の先端が挿通されている円形の上部開口部10aと、その上部開口部10aから下に延びる、配線挿通用の下部開口部10bとからなる。更にその下部開口部10bの両側には、2つの貫通孔11が設けられている。
【0016】
貫通孔11には、ミラー収納部4とカメラ収納部7とに延びる棒状支持体である支持ロッド12が2本挿通されている。なお、支持ロッドの数は2本に限定されず、複数本であればよい。支持ロッド12は丸棒部材で製造されており、ミラーカバー収納部3側において、図4で示したように上面が平坦になるように切込部13が設けられている。また、その切込部13にはそれぞれ2箇所づつロッド孔13aが設けられている。
【0017】
切込部13の上面には、2本の支持ロッド12に跨って、ミラー支持部材である矩形のミラー支持板14が水平に架設されている。そのミラー支持板14の4角の、上述のロッド孔13aに対応する位置には、それぞれ板孔14aが設けられている。そして支持ロッド12の下から挿入されたボルト15が、支持ロッド12のロッド孔13a、支持ロッド12の上に置かれたワッシャ16、及びミラー支持板14の板孔14aを貫き、ミラー支持板14の上部において蝶ナット17で固定されている。
【0018】
ミラー支持板14の中央部には板中央孔14bが設けられ、その板中央孔14bには、ミラー部品2が挿入されている。ミラー部品2は、矩形のミラー材19を丸棒材で製造された支柱20に設けたスリット20aに挟んで形成されたものである。支柱20の下端は、ミラー支持板14の板中央孔14bを挿通し、下部においてモータ21の回転軸に連結されている。このモータ21によってミラー部品2が搬送中の容器に追従して駆動され、容器からの光が開口部10を通してカメラ収納部7に導かれる。なお、図示しないが、このモータ21の配線は、壁板8の下部開口部10bを通してカメラ収納部7に延びている。
【0019】
また、支持ロッド12の切込部13が設けられた部分より更に壁板8に対して離間した位置に、両支持ロッド12の互いのずれやねじれを更に防止するために、両支持ロッド12の間に棒状補強体である補強ロッド25が架設されている。
【0020】
これらの、壁板8の他方の側であるミラー収納部側4に存在する、支持ロッド12の部分、ミラー部品2、モータ21、ミラー支持板14及びの補強ロッド25は、その全体を、図1〜図3に示したように、箱形のミラーカバー3で覆われている。このミラーカバー3は、一方の側部が開口した箱状体であり、その開口を壁板8側にし、図1に示したように、その開口の縁部を壁板8の周囲に設けられた溝8aにはめ込むことによって壁板8に取り付けられている。また、ミラーカバー3の側面には、ガラスやプラスチック等の透明材料で形成された窓23が設けられている。そしてこの窓23を通して搬送中の容器の画像がミラー部品2へと入射する。
【0021】
壁板8の一方の側であるカメラ収納部7に延びる2本の支持ロッド12の、略中央付近の、互いに対向する側面には、図2及び図4において特に示したように、それぞれ横溝30が設けられている。その横溝30の間には、矩形のカメラ支持板31が両支持ロッド12間を架橋する形ではめ込まれている。カメラ支持板31は、支持ロッド12の横溝30が設けられた部分の当該横溝30が設けられていない側から横溝30を通して挿通されるボルト32によって支持ロッド12に固定されている。カメラ支持板31の上にはコの字形の下部支持部材33が上部に向って開く形で配置されている。そしてカメラ支持板31に設けられた穴の下から下部支持部材33を貫通してボルト34が挿入され、カメラ支持板31に下部支持部材33が固定されている。また、この下部支持部材33のコの字形に開いた中に、先端を壁板8の開口部10に挿通させたカメラ5の胴部がはめ込まれている。そしてカメラ5の上部より、同様にコの字形の上部支持部材35を被せて、下部支持部材33と上部支持部材35とで矩形の枠を形成し、上部支持部材35側から下部支持部材33側へとボルト36を締め付け、カメラ5を上部支持部材35と下部支持部材33との間に固定することにより、カメラ5が支持ロッド12に対して固定される。
【0022】
これらの、壁板8の一方の側のカメラ収納部7側に存在する支持ロッド12のカメラ収納部7側及びカメラ5の外側には、図1〜図3に示したように円筒形のカメラカバー6が被せられており、カメラカバー6の一端縁部は、壁板8のカメラ収納部7側に設けられた円形の溝8bにはめ込まれている。
【0023】
また、カメラカバー6の他端部には、上述したエンドキャップ9がはめ込まれている。エンドキャップ9はカメラカバー6の外径の長さと等しい内径を有する円筒部材であって、エンドキャップ9のカメラカバー6に対する反対側は閉じられている。また、その円筒の湾曲した側面には、配線等を通すための配線筒40が延びている。
【0024】
次に、本形態の作用について説明する。まず、検査装置の所定の位置に、窓23を通して搬送中の容器の画像が取得されるようにカメラ収納ボックス1を固定する。その際、モータ21から下部開口部10bを通してカメラ収納部7に通された配線を含むその他の全ての電気配線が配線筒40を通して外部へ導かれ、配線部分がすっきりと整理される。
【0025】
ミラー部品2を回転させて搬送中の容器の動きに追従する形で容器の画像をカメラ5に取り込む。この際、カメラ5が2本の支持ロッド12に固定されているため、画像のぶれが少ない。安定した画像を得ることができる。
【0026】
そして、メンテナンス時には、ミラー収納部4とカメラ収納部7とのカバー3、6を別個に開くことができるため、メンテナンスが容易である。
【0027】
以上、本形態の好適な形態について説明したが、本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施してよい。例えば、ミラーの形状は矩形に限定されず、円形であってもよく、また、ミラーカバーやカメラカバーの形も断面矩形や円形に限定されず、その他の形状であってもよい。更にエンドキャップから延びる配線筒も、側面でなく、端面に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一形態にかかるカメラ収納ボックスを横から見た図。
【図2】図1のII-II線に沿ったミラー収納部の断面図。
【図3】図1のカメラ収納部のIII−III線に沿った断面図。
【図4】図1のカメラ収納ボックスからミラーカバーとカメラカバーとを外した状態を示した図。
【符号の説明】
【0029】
1 カメラ収納ボックス
2 ミラー部品
5 カメラ
8 壁板
10 開口部
12 支持ロッド(棒状支持体)
14 ミラー支持部板(ミラー支持部材)
31 カメラ支持板(カメラ支持部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部が設けられた壁板と、該壁板を貫通して該壁板の両側に延びる複数本の棒状支持体と、前記壁板の一方の側に延びる前記複数本の棒状支持体上に固定されたカメラと、前記壁板の他方の側に延びる前記複数本の棒状支持体上に設置され、且つ容器の像を前記開口部を通して前記カメラに導くためのミラー部品と、を備えたカメラ収納ボックス。
【請求項2】
前記壁板の一方の側に設けられた、前記一方の側に延びる前記棒状支持体及び前記カメラを覆うカメラカバーと、前記壁板の他方の側に設けられた、前記他方の側に延びる前記棒状支持体及び前記ミラー部品を覆うミラーカバーと、を備えたことを特徴とする請求項1に記載のカメラ収納ボックス。
【請求項3】
前記カメラが前記複数の棒状支持体の間に架設されたカメラ支持部材上に固定され、前記ミラー部品が前記複数の棒状支持体の間に架設されたミラー支持部材上に設置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ収納ボックス。
【請求項4】
前記複数本の棒状支持体の間に補強体が架設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカメラ収納ボックス。
【請求項5】
前記搬送中の容器の像を前記カメラに導くように前記ミラー部品を前記容器に追従するように駆動させる駆動部を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のカメラ収納ボックス。
【請求項6】
前記棒状支持体の本数が2本であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のカメラ収納ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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