説明

カメラ映像提供装置、監視カメラシステム、映像提供方法及びプログラム

【課題】監視カメラの映像をユーザが簡単且つ迅速に見ることができる技術を提供する。
【解決手段】映像提供装置20は、時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、同所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する装置であって、イベント受付部と、ユーザアクセス受付部と、映像表示制御部と、を備える。イベント受付部は、サービス受付装置40よりサービスの開始を示すイベントとサービスの終了を示すイベントとを受け付ける。ユーザアクセス受付部は、所定のサービスの開始を示すイベントに応じてユーザからのアクセスを受け付ける。映像表示制御部は、イベント受付部がサービスの開始を示すイベントを受け付けてからサービスの終了を示すイベントを受け付ける前であって且つユーザアクセス受付部がユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、ユーザに監視カメラの映像を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視用等に使用されるカメラ映像をユーザに提供する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パーキング等のサービスが提供される公共スペースにおいては、盗難や損壊等の被害の発生をいち早く把握すべく、監視カメラが設置されている。従来、この監視カメラの映像は、専らスペースを管理する者(スペースのオーナー等)による監視目的のために用いられていたが、このような映像をサービスの提供を受ける者(以下、ユーザと呼ぶ。)に配信するサービスも提案されている(例えば、特許文献1参照)。例えば、託児所においては、預けている子供の様子をカメラで撮像し、子供の保護者であるユーザに配信するサービスが提供される。
【0003】
このように、セキュリティの心配等から自分の所有物や保護対象のリアルタイムの映像の提供を望むシチュエーションは、今後も増加することが見込まれる。例えば、今後の電気自動車の普及により、公共スペースでの充電手段(充電スタンド等)が増えることが考えられるが、ガソリン給油よりも時間を要する充電中にはユーザが自動車から目を離してもセキュリティが保たれることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−339708号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、公共のスペースにおいて、自分の所有物や保護対象を監視するための監視カメラの映像の活用が望まれている。しかし、従来の技術では、監視カメラの映像の配信サービスを受けるためには、事前にユーザの登録手続きを行い、更に認証操作(ログイン等)が必要である等、煩雑な手続きが必要な上、映像の閲覧が可能になるまでに時間がかかった。また、一度ユーザ登録され認証されると、たとえ自分の所有物や保護対象が当該スペースにない時間の映像、つまり他者の所有物や保護対象の映像も見られる可能性があり、プライバシーが害され得る。更に、パーキング、電気自動車の充電、託児所、ペットホテル等では、時間貸しのサービスも増えつつあり、迅速且つ簡単な映像の提供が望まれる。
【0006】
本発明は、監視カメラの映像をユーザが簡単且つ迅速に見ることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点による映像提供装置は、時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、同所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する映像提供装置であって、イベント受付部と、ユーザアクセス受付部と、映像表示制御部と、を備える。イベント受付部は、上記所定のサービスを受け付けるサービス受付装置より同所定のサービスの開始を示すイベントと同所定のサービスの終了を示すイベントとを受け付ける。ユーザアクセス受付部は、同所定のサービスの開始を示すイベントに応じてユーザからのアクセスを受け付ける。映像表示制御部は、イベント受付部が同所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けてから同所定のサービスの終了を示すイベントを受け付ける前であって且つユーザアクセス受付部がユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、ユーザに監視カメラの映像を提供する。
【0008】
ここで、ユーザのアクセスを受け付けるとは、ユーザからのアクセスを受信することだけでなく、例えば、ユーザの認証も含む場合がある。また、監視カメラの映像を提供するとは、映像を直接ユーザに配信することだけでなく、例えば、ウエブページの生成等、ユーザに映像を提供できる状態を映像提供装置側で生成する場合もある。
【0009】
この映像提供装置では、サービスの開始に応じて監視カメラの映像をユーザに提供できるため、煩雑なユーザ登録を行う必要がなく、簡単且つ迅速に映像を取得することができる。また、サービスの終了に応じて映像の提供を終了させるため、不必要に他人に自己の所有物の映像が配信されることがなく、プライバシーを保護することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、監視カメラの映像をユーザが簡単且つ迅速に見ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態に係る監視カメラシステムの例を示す図。
【図2】同監視カメラシステムの構成例を示す図。
【図3】同実施形態に係る監視カメラの構成例を示すブロック図。
【図4】同実施形態に係る映像提供装置であるサーバーの機能ブロック図。
【図5】同実施形態に係る発券機の概略構成と、同発券機により発行される駐車券の一例を示す図。
【図6】同実施形態に係る映像提供装置が格納する管理テーブルの一例を示す図。
【図7】同実施形態に係る監視カメラシステムによる処理を示すフローチャート。
【図8】本発明の第2実施形態に係る監視カメラシステムの例を示す図。
【図9】同実施形態に係る監視カメラシステムによる処理を示すフローチャート。
【図10】同実施形態に係る映像提供装置が格納する管理テーブルの一例を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る監視カメラシステムの例を示す図。
【図12】同実施形態に係る充電装置の概略構成を示す図。
【図13】同実施形態に係る監視カメラシステムによる処理を示すフローチャート。
【図14】同実施形態に係る映像提供装置が格納する管理テーブルの一例を示す図。
【図15】本発明の第4実施形態に係る監視カメラシステムの例を示す図。
【図16】同実施形態に係る受付装置の概略構成を示す図。
【図17】同実施形態に係る監視カメラシステムによる処理を示すフローチャート。
【図18】同実施形態に係る映像提供装置が格納する管理テーブルの一例を示す図。
【図19】本発明の他の実施形態に係る監視カメラシステムによる処理を示すフローチャート。
【図20】同実施形態に係る映像提供装置が格納する管理テーブルの一例と、提供される映像態様の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<1 第1実施形態>
以下、本発明の実施形態における監視カメラシステムについて説明する。
図1は、いわゆる時間貸しの駐車場において本発明の監視カメラシステムを適用した例を示す。この駐車場では、自動車がゲートから入ると、ユーザの操作を介して発券機(サービス受付装置の一例)40によりサービスの開始を受け付け、ユーザに駐車券が発券され、ユーザは駐車スペースP1〜P6のいずれかに自動車を駐車する。サービスの終了時には、ユーザは発券機40に駐車券を挿入し、料金の支払い等の精算を行ってゲートから出る。本実施形態に係る監視カメラシステムは、監視カメラ10により撮像した駐車中の自動車の映像を、ユーザが見ることができるサービスを提供するものである。
【0013】
また、監視カメラシステムには、図2に示すように、監視装置50が接続され、監視カメラ10の監視を常時行っている。この監視装置50は、コンピュータ端末等であり、例えば、監視カメラシステムとは別に設けられた中央監視室等に設置され、駐車場のオーナー等により管理されている。この監視装置50は、複数の駐車場の監視カメラを監視するものであってもよい。
【0014】
<1.1 監視カメラシステム1の構成>
図2は、本実施形態に係る監視カメラシステム1の構成例を示す。監視カメラシステム1は、駐車場の所定の箇所に設置された複数の監視カメラ10と、監視カメラ10に通信ネットワーク(IP網等)を介して接続される映像提供装置20とを備える。
監視カメラシステム1は更に、通信ネットワークを介して発券機40と接続され、後述するように発券機40から映像提供装置20に発券通知や精算通知が送信される。また、監視カメラシステム1はまた、通信ネットワークを介してユーザの所有する端末装置(以下、ユーザ端末と呼ぶ。)と接続され、後述するようにユーザに映像を提供するための通信を行う。
【0015】
<1.1.1 監視カメラ10>
図3は、本実施形態に係る監視カメラ10の構成例を概略的に示す。
監視カメラ10は、撮像部11と、DSP(Digital Signal Processor)12とネットワークIF部13とを備える。撮像部11は、被写体の撮像を行うCCDやC−MOS等の撮像素子や、ズーム、フォーカス、パン、チルト等の撮像制御を行う撮像制御機構を有する。DSP12は、信号処理部12a及び画像圧縮部12bを含み、撮像部11より取得された画像のデジタル信号処理を行う。信号処理部12aは、撮像部11から取得した画像をデジタル変換し、所定の画像処理を行う。画像圧縮部12bは、デジタル画像をJPEGやMPEG−4により圧縮する。ネットワークIF部13は、ネットワークのインターフェース部であり、イーサネット(登録商標)カード等のLANカードに相当する。ネットワークIF部13は、圧縮画像を通信ネットワークを介して、映像提供装置20に送信する。
なお、監視カメラ10が多数設置されている場合、これらの監視カメラ10はローカルネットワークに接続され、ローカルネットワークを介して外部の通信ネットワークに映像を送信するようにしてもよい。
【0016】
<1.1.2 映像提供装置20>
図4は、本実施形態に係る映像提供装置20の機能構成例を示す。映像提供装置20は、上記監視カメラ10から取得した映像を逐次格納し、その映像をユーザがリアルタイムに閲覧できるウエブページを生成する。映像提供装置20は、例えばサーバーとして機能するコンピュータ装置であり、イベント受付部21と、ID情報生成部22と、ID情報解除部23と、ID情報格納部24と、ユーザアクセス受付部25と、映像受信部26と、映像格納部27と、ページ生成部(映像表示制御部の一例)28と、を有する。
【0017】
イベント受付部21は、発券機40から駐車券の発券又は料金の精算を示すイベントの通知を受信する。イベントとは、サービスの開始又は終了を示すイベントであって、ここでは、ユーザが駐車場に入場したときの駐車券の「発券」の通知か、駐車場から退場するときの「精算」の通知を示す情報である。イベント受付部21はまた、受信したイベントの通知が「発券」であるか「精算」であるかを判断する。イベント受付部21はまた、後述するようにID情報生成部22によりID情報が生成された場合、例えば、当該ID情報と映像の提供を行うウエブサイトのURL(Uniform Resource Locator)情報を発券機40に通知し、これらの情報を含む図5(b)に示すような駐車券の発券を発券機40に指令する。
【0018】
ID情報生成部22は、イベント受付部21からのイベントのうち「発券」の通知を受けて、ID情報を生成する。ここで、ID情報とは、例えばログイン用のIDやパスワードである(以下、ユーザID情報とする)。これらのユーザID情報は、図6(a)に示すように、発券される駐車券の識別情報(例えば、一意の発券番号)と対応付けられて、ランダムに生成され、ID情報格納部24に格納される。
【0019】
ID情報解除部23は、イベント受付部21からのイベントのうち「精算」の通知を受けて、ID情報格納部24に格納された、当該駐車券に対応するユーザID情報を無効にする。ここで、ユーザID情報を無効にするとは、図6(a)に示すユーザID情報とその対応する駐車券識別情報を削除又は破棄してもよいし、フラグ等を用いてこれらの情報を無効にしてもよい。
【0020】
ID情報格納部24は、ID情報生成部22により生成されたユーザID情報を格納する。ユーザID情報は駐車券の識別情報と対応付けられて格納される。
ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受け付け、ユーザ端末より送信されたユーザID情報と、ID情報格納部24のユーザID情報とを照合して、認証を行う。ユーザアクセス受付部25は、ID情報格納部24にユーザ端末より送信されたユーザID情報と一致する有効なユーザID情報があるかどうかを判断する。一致するユーザID情報がある場合は、ページ生成部28により当該ウエブサイトにおいてユーザ用のウエブページを生成させると共に、映像格納部27より当該ユーザに対応する映像を取得し、ユーザ端末30からのアクセスに応じて映像が閲覧可能な状態にする。
【0021】
ここで、当該ユーザに対応する映像とは、駐車した当該ユーザの自動車を撮像範囲とする監視カメラ10の映像である。本実施形態の場合、一台の監視カメラ10に対し複数の駐車スペースを撮像している。例えば、図1では駐車スペースP1〜P3は1台の監視カメラ10により撮像されている。よって、駐車券が発券された時点では、ユーザがどこの駐車スペースを使用するは未知である。本実施形態では、映像提供装置20は、ユーザ端末30がログインした時点でユーザが使用する駐車スペースの識別情報(例えば、駐車スペースの番号)の入力を受け付け、対応する映像を表示させる。なお、映像提供装置20は、図6(b)に示すように、駐車スペースの識別情報と監視カメラ10の識別情報とを対応付けて、メモリ(図示省略)に予め格納しておく。映像提供装置20は、ユーザがウエブページにログインしたとき、ユーザによる駐車スペースの識別情報の入力を受け付けて、対応する監視カメラ10を特定し、当該監視カメラ10の映像を表示させる。
【0022】
映像受信部26は、監視カメラ10より通信ネットワークを介して映像をリアルタイムに受信し、逐次映像格納部27に格納する。
映像格納部27は、映像受信部26より受信する画像を格納する。
【0023】
ページ生成部28は、ユーザアクセス受付部25によりユーザID情報が一致すると判断された場合は、当該ウエブサイトにおいて映像を表示させるためのユーザ用のウエブページを生成し、ユーザ端末30のアクセスに応じてウエブページを表示させ、映像格納部27に格納されているライブ映像をユーザが閲覧可能にする。なお、この映像の提供は、ユーザのアクセス毎に一定時間提供してもよいし、ユーザのアクセスに応じて提供を開始し再びユーザから終了を指定するまで提供するようにしてもよい。
【0024】
上記映像提供装置20は、CPU、メモリ、ネットワークカード等を有するコンピュータ装置である。例えば、上記イベント受付部21、ID情報生成部22、ID情報解除部23、ユーザアクセス受付部25、映像受信部26、及びページ生成部28の各機能は、映像提供装置20の制御部に相当するCPUがメモリに格納された所定のプログラムを読み込み実行することにより実現される。また、ID情報格納部24や映像格納部27は、映像提供装置20の内部や外部に設けられたメモリにより実現される。
【0025】
<1.1.3 ユーザ端末30>
ユーザ端末30は、例えば携帯電話やPC等のコンピュータ端末であり、タッチスクリーンやプッシュボタン等の入力部と、液晶や有機ELディスプレイ等の表示部と、CPU等からなる制御部と、メモリと、ネットワークインターフェースや無線アンテナ等の通信部と、を有する。ユーザ端末30は、入力部から駐車券に付与されたURLとユーザID情報を入力し、通信部を介して映像提供装置20にアクセスする。ユーザ端末30はまた、表示部に映像提供装置20のウエブページを表示させ、映像を表示する。
【0026】
<1.1.4 発券機40>
発券機40は、ユーザの操作により駐車券を発券し、また精算処理を行う。
図5(a)は、発券機40の概略構成を示す。発券機40は、ボタンやタッチスクリーン等のユーザによる入力を受け付ける入力部41、駐車券を印刷、発券し、精算を受け付ける発券・精算部42、ネットワークとの接続部である通信部43、LCD等の画面からなる表示部44、及び映像提供装置20からの情報やユーザ入力に応じて生成した情報等を格納するメモリ45を含む。
駐車券は例えば、図5(b)に示すように、発券番号、入場時間、更にサービスを受けるためのアクセス先であるURLや、ログイン用のユーザID情報を含む。なお、URLはQRコードやバーコード等により印字されていてもよい。
【0027】
<1.2 監視カメラシステム1の動作>
以下において、図7を参照しながら、監視カメラシステム1の動作について説明する。
S101:映像提供装置20のイベント受付部21は、発券機40よりイベントの通知を受信する。なお、受信したイベントの通知が「発券」の通知である場合、イベント受付部21は、発券機40の通信部43より、駐車券識別情報(例えば、発券番号)を受け付ける。
【0028】
S102:イベント受付部21は、受信したイベントの通知が「発券」の通知か「精算」の通知かを判断する。「発券」の通知である場合はステップS103に進み、「精算」の通知である場合はステップS108に進む。
【0029】
S103:ID情報生成部22は、ユーザID情報を生成し、図6(a)に示すように、上記駐車券識別情報と対応付けてID情報格納部24に格納する。更にイベント受付部21は、ID情報生成部22のユーザID情報の生成を受けて、当該ユーザID情報及びURL情報を含む駐車券の発券を発券機40に指令する。
【0030】
S104:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信したかどうかを判断する。このとき、ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30から上述のように駐車スペースの識別情報の入力も受け付ける。
【0031】
S105:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信した場合、ユーザ端末30から送信されたユーザID情報とID情報格納部24に格納されたユーザID情報との照合を行い、当該ユーザID情報が一致したかどうかを判断する。一致した場合はステップS106に進み、一致しない場合はステップS104に戻る。
【0032】
S106:ページ生成部28は、当該ユーザID情報に対応するウエブページを生成し、映像がユーザ端末30により閲覧可能な状態を生成する。また、ページ生成部28は、図6(b)に示すテーブルを参照し、入力された駐車スペースの識別情報に対応する監視カメラ10を特定し、当該監視カメラ10の映像をユーザ端末30を介して提供する。
【0033】
S107:イベント受付部21は、当該ユーザID情報に対応する駐車券識別情報を含む「精算」の通知を受信したかどうかを判断する。「精算」の通知を受信した場合はステップS108に進み、受信していない場合はステップS104に戻る。
【0034】
S108:当該ユーザID情報に対応する「精算」の通知があった場合は、ID情報解除部23はユーザID情報、及びユーザID情報と対応させた駐車券識別情報を無効にし、対応するウエブページを削除する。
なお、上記監視カメラシステム1による処理の流れは一例であり、各処理の順序やタイミング等は上記に限定されない。例えば、ページ生成部28によるウエブページの生成は、ユーザID情報の生成を受けてから行ってもよい。
【0035】
<1.3 第1実施形態の特徴>
上記監視カメラシステム1においては、サービスの開始に応じて自動的に監視カメラ10の映像をユーザが閲覧可能な状態にする。従って、ユーザは、煩雑なユーザ登録を行う必要がなく、簡単且つ迅速に監視カメラの映像を閲覧することができ、車上狙いや損壊等に対するセキュリティ対策をとることができる。また、サービスの終了に応じて自動的に映像の提供を終了させるため、不必要に他人に自己の所有物の映像が閲覧されることがなく、プライバシーを保護することができる。
【0036】
<1.4 第1実施形態の変形例>
上記第1実施形態においては、映像提供装置20は、ユーザ端末30がログインした時点でユーザが使用する駐車スペースの識別情報(例えば、駐車スペースの番号)を入力させ、対応する映像を表示させるが、これに限定されない。
例えば、映像提供装置20は、複数の監視カメラの画像をいったんユーザのウエブページに表示しておき、ユーザの自動車の映像に該当する監視カメラ映像をユーザにより選択させるようにしてもよい。
或いは、ユーザによる駐車スペースの特定は行わず、駐車場内の全ての監視カメラ10の映像をウエブページに表示するようにしてもよい。
【0037】
<2 第2実施形態>
<2.1 監視カメラシステム2の構成>
図8は、いわゆる時間貸しの駐車場において本発明の監視カメラシステムを適用した例を示す。本実施形態に係る監視カメラシステム2は、各駐車スペースに配された監視カメラ10と、監視カメラ10に通信ネットワーク(IP網等)を介して接続される映像提供装置20とを備える。本実施形態においては、駐車スペースP1〜P6毎に監視カメラ10を設置した点において第1実施形態と異なる。このような構成により、各ユーザは、1台の監視カメラ10の映像を専有的に閲覧することができる。
【0038】
なお、以下において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
監視カメラ10(図3)、映像提供装置20(図4)、及びユーザ端末30は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0039】
発券機40は、第1実施形態と同様の構成に加え、後述するように、ユーザが駐車スペースを事前に指定できるインターフェースを有する、このインターフェースは、例えば、タッチスクリーン、ボタン、音声入力手段等である。
【0040】
<2.2 監視カメラシステム2の動作>
以下において、図9を参照しながら、監視カメラシステム1の動作について説明する。
S201:映像提供装置20のイベント受付部21は、発券機40の通信部43よりイベントの通知を受信する。なお、受信したイベントの通知が「発券」の通知である場合、イベント受付部21は、発券機40から、駐車券識別情報(例えば、発券番号)を受け付ける。更に、イベント受付部21は、発券機40の上記インターフェースを介して入力された駐車スペースの識別情報を受け付ける。
【0041】
S202:イベント受付部21は、受信したイベントの通知が「発券」の通知か「精算」の通知かを判断する。「発券」の通知である場合はステップS203に進み、「精算」の通知である場合はステップS208に進む。
【0042】
S203:ID情報生成部22は、ユーザID情報を生成し、図6(a)に示すように、上記駐車券識別情報と対応付けてID情報格納部24に格納する。更にイベント受付部21は、ID情報生成部22のユーザID情報の生成を受けて、当該ID情報及びURL情報を含む駐車券の発券を発券機40に指令する。
【0043】
また、ID情報生成部22は、受信した駐車スペースの識別情報について、図10(a)に示すような予めメモリに格納されたテーブルを参照して、当該駐車スペースに対応する監視カメラを特定する。そして、ID情報生成部22は、図10(b)に示すように、当該監視カメラとユーザID情報とを対応付けて、メモリ等に格納しておく。
【0044】
S204:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信したかどうかを判断する。
S205:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信した場合、ユーザ端末30から送信されたユーザID情報とID情報格納部24に格納されたユーザID情報との照合を行い、当該ユーザID情報が一致したかどうかを判断する。一致した場合はステップS206に進み、一致しない場合はステップS204に戻る。
【0045】
S206:ページ生成部28は、当該ユーザID情報に対応するウエブページを生成する。ページ生成部28は更に、当該ユーザID情報に基づき、メモリに格納された図10(b)に示すようなテーブルを参照し、対応する監視カメラ10を特定し、その映像をユーザ端末30により閲覧可能な状態にする。
【0046】
S207:イベント受付部21は、当該ユーザID情報に対応する駐車券識別情報を含む「精算」の通知を受信したかどうかを判断する。「精算」の通知を受信した場合はステップS208に進み、受信していない場合はステップS204に戻る。
【0047】
S208:当該ユーザID情報に対応する「精算」の通知があった場合は、ID情報解除部23はユーザID情報、ユーザID情報と対応する駐車券識別情報(図6(a))、及びユーザID情報と対応する監視カメラ識別情報(図10(b))等を無効にし、対応するウエブページを削除する。
なお、上記監視カメラシステム2による処理の流れは一例であり、各処理の順序やタイミング等は上記に限定されない。
【0048】
<2.3 第2実施形態の変形例>
上記第2実施形態においては、映像提供装置20が駐車スペースの識別情報と監視カメラの識別情報とを対応付けていたが、発券機40側で対応付けるようにしてもよい。この場合、発券機40は、ユーザにより選択された駐車スペースに対応する監視カメラ10の識別情報を映像提供装置20に通知し、映像提供装置20は、図10(b)に示すようにユーザID情報と通知された監視カメラ識別情報IDとを対応付けて、記憶するようにしてもよい。
【0049】
<3 第3実施形態>
<3.1 監視カメラシステム3の構成>
図11は、本発明の監視カメラシステムを、電気自動車の充電ステーションに適用した例を示す。各駐車スペースP1〜P3には充電装置40Aと監視カメラ10とが設置される。
本実施形態に係る監視カメラシステム3は、各駐車スペースP1〜P3に配された監視カメラ10と、監視カメラ10に通信ネットワーク(IP網等)を介して接続される映像提供装置20とを備える。監視カメラ10(図3)、映像提供装置20(図4)、及びユーザ端末30は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0050】
充電装置40Aは、電気自動車に電気を供給する装置である。充電装置40Aは、例えば、図12に概略的に示すように、入力部41A、精算部42A、通信部43A、表示部44A、メモリ45A、充電制御部46Aを含む。入力部41Aは、ボタンやタッチスクリーン等であって、ユーザによる充電開始、ユーザが希望する充電量の入力、精算等を受け付ける。精算部42Aは、充電開始時や充電終了後の精算を受け付け、課金処理等を行う。通信部43Aは、ネットワークとの接続部である。表示部44Aは、LCD等の画面からなり、上記入力部41Aによる入力項目の他、現在の充電量、充電完了の有無、充電量に応じた金額等を表示する。メモリ45Aは、映像提供装置20からの情報やユーザ入力に応じて生成した情報等を格納する。充電制御部46Aは、プラグに対し放電開始を指示したり、充電終了を通知したりする。
なお、各充電装置40Aは、それぞれ一意の識別情報を有する。
【0051】
<3.2 監視カメラシステム3の動作>
以下において、図13を参照しながら、監視カメラシステム3の動作について説明する。
【0052】
S301:映像提供装置20のイベント受付部21は、充電装置40Aの通信部43Aよりイベントの通知を受信する。更に、イベント受付部21は、イベントを通知した充電装置40Aの識別情報を受信する。
【0053】
S302:イベント受付部21は、受信したイベントの通知が「充電開始」の通知か「充電完了」の通知かを判断する。「充電開始」の通知である場合はステップS303に進み、「充電完了」の通知である場合はステップS308に進む。
【0054】
S303:ID情報生成部22は、ユーザID情報を生成し、ID情報格納部24に格納する。このとき、ID情報生成部22は、図14(a)に示すように、充電装置の識別情報と監視カメラの識別情報とを対応付けてメモリに記憶したテーブルを参照し、受信した充電装置40Aの識別情報に対応する監視カメラ10を特定する。ID情報生成部22は更に、図14(b)に示すように、特定された監視カメラ10の識別情報と、生成したユーザID情報とを対応付けて、ID情報格納部24に格納する。
【0055】
更にイベント受付部21は、ID情報生成部22のユーザID情報の生成を受けて、当該ユーザID情報及びURL情報を充電装置40Aを介してユーザに通知する。この通知の手段としては、充電装置40Aは、表示部44Aに表示させもよいし、発券を行ってもよい。
【0056】
S304:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信したかどうかを判断する。
S305:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信した場合、ユーザ端末30から送信されたユーザID情報とID情報格納部24に格納されたユーザID情報との照合を行い、当該ユーザID情報が一致したかどうかを判断する。一致した場合はステップS306に進み、一致しない場合はステップS304に戻る。
【0057】
S306:ページ生成部28は、当該ユーザID情報に対応するウエブページを生成する。ページ生成部28は更に、図14(b)に示すテーブルを参照して当該ユーザID情報に対応する監視カメラ10の映像がユーザ端末30により閲覧可能な状態を生成する。これにより、当該監視カメラ10の映像がユーザ端末30を介して提供される。
【0058】
S307:イベント受付部21は、当該ユーザID情報に対応する充電装置40Aの識別情報を含む「充電完了」の通知を受信したかどうかを判断する。「充電完了」の通知を受信した場合はステップS308に進み、受信していない場合はステップS304に戻る。
【0059】
S308:当該ユーザID情報に対応する「充電完了」の通知があった場合は、ID情報解除部23はユーザID情報と対応する監視カメラの識別情報(図14(b))を無効にし、対応するウエブページを削除する。
【0060】
なお、本実施形態において、精算は前払いであっても後払いであってもよい。前払いの場合、ユーザが充電装置40Aの入力部41Aを介して予め充電量を入力すると、精算部42Aによって計算された充電量に応じた金額が提示され、ユーザはカードや現金等で精算する。また、後払いの場合、精算部42Aは、充電制御部46Aから充電完了の通知を受けて、充電量に応じた金額を計算する。この場合、例えば、表示部44A上でユーザに精算を促し、ユーザが精算を終了すると、当該充電装置40Aの識別情報と共にイベント終了通知として映像提供装置20に通知する。これを受けて映像提供装置20はユーザID情報を無効にする。
なお、上記監視カメラシステム3による処理の流れは一例であり、各処理の順序やタイミング等は上記に限定されない。
【0061】
<3.3 第3実施形態の変形例>
<3.3.1 変形例1>
上記第3実施形態においては、ユーザの充電装置40Aに対する入力操作をイベントの開始としていたが、これに限定されない。例えば、充電装置40Aの充電プラグの作動開始/終了検知に応じてイベント開始/終了を通知してもよい。この場合、充電装置40Aの充電プラグには、充電対象(自動車等)のプラグ差込口への差込みを検知する検知手段を設ける。充電装置40Aは、このプラグが差込口へ差し込まれたことを検知したらイベント開始(充電開始)通知を行い、その後、差込口から抜かれたことを検知したらイベント終了(充電終了)通知を行うことができる。
【0062】
<3.3.2 変形例2>
充電装置40Aは、自己の識別情報と対応する監視カメラ10の識別情報を保持しておいてもよい。この場合、充電装置40Aは、充電開始指示を受け付けると、自己の識別情報と対応する監視カメラ10の識別情報を、イベント開始の通知と共に映像提供装置20に通知する。この場合、映像提供装置20は、図14(b)に示すように生成したユーザID情報に対応付けた監視カメラ識別情報IDを記憶する。また、充電装置40Aは、充電を完了すると、当該監視カメラ10の識別情報をイベント終了の通知と共に映像提供装置20に通知する。これを受けて映像提供装置20はユーザID情報及び対応する監視カメラ識別情報IDを無効にする。
【0063】
<4 第4実施形態>
<4.1 監視カメラシステム4の構成>
図15は、本発明の監視カメラシステムを、託児所において適用して例を示す。保護対象となる子供の映像を監視カメラ10により撮像し、ユーザに提供する。
本実施形態に係る監視カメラシステム4は、託児ルームに配された監視カメラ10と、監視カメラ10に通信ネットワーク(IP網等)を介して接続される映像提供装置20とを備える。監視カメラ10(図3)、映像提供装置20(図4)、及びユーザ端末30は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。
受付装置40Bは、例えば、図16に概略的に示すように、入力部41B、精算部42B、通信部43B、表示部44B、メモリ45Bを含む。入力部41Bは、ボタンやタッチスクリーン等であって、ユーザによるサービス開始、ユーザが希望するサービス時間の入力、精算等を受け付ける。精算部42Bは、サービス終了後の精算を受け付け、課金処理を行う。通信部43Bは、ネットワークとの接続部である。表示部44Bは、LCD等の画面からなり、上記入力部41Bによる入力項目の他、サービス時間やサービス時間に応じた金額等を表示する。メモリ45Bは、映像提供装置20からの情報やユーザ入力に応じて生成した情報等を格納する。
【0064】
<4.2 監視カメラシステム4の動作>
以下において、図17を参照しながら、監視カメラシステム4の動作について説明する。
S401:映像提供装置20のイベント受付部21は、受付装置40Bの通信部43Bよりイベント開始の通知を受信する。映像提供装置20はまた、ユーザにより選択されたサービス時間(ユーザがサービスを受ける時間)を受信する。映像提供装置20は、受信したサービス時間を、図示を省略した所定の計時手段(内蔵された時計等)を用いてカウントする。
【0065】
なお、サービス開始の通知は、受付装置40Bから次のようにして映像提供装置20に送信される。受付装置40Bは、ユーザ又は託児所の職員から、サービス時間の選択と、託児サービスの開始指示の入力とを受け付け、サービス開始の指示とサービス時間とを映像提供装置20に通知する。
【0066】
S402:ID情報生成部22は、ユーザID情報を生成し、ID情報格納部24に格納する。このとき、ID情報生成部22は、図18(a)に示すように、ユーザID情報と選択されたサービス時間の終了時間とを対応付けてID情報格納部24に格納する。
更にイベント受付部21は、ID情報生成部22のユーザID情報の生成を受けて、当該ユーザID情報及びURL情報を受付装置40Bの表示部44Bを介してユーザに通知する。この通知の手段としては、表示部44Bにこれらの情報を表示させてもよいし、発券を行ってもよい。
【0067】
S403:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信したかどうかを判断する。
【0068】
S404:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信した場合、ユーザ端末30から送信されたユーザID情報とID情報格納部24に格納されたユーザID情報との照合を行い、当該ユーザID情報が一致したかどうかを判断する。一致した場合はステップS405に進み、一致しない場合はステップS403に戻る。
【0069】
S405:ページ生成部28は、当該ユーザID情報に対応するウエブページを生成する。ページ生成部28は更に、監視カメラ10の映像がユーザ端末30により閲覧可能な状態を生成する。これにより、当該監視カメラ10の映像がユーザ端末30を介して提供される。
【0070】
S406:イベント受付部21は、サービス時間が終了したかどうかを判断する。具体的には、イベント受付部21が上記計時手段により計時されたサービス時間の経過を確認し、サービス時間が終了したかどうかを判断する。サービス時間が終了した場合は、イベント受付部21はイベントの終了と判断し、ステップS407に進み、終了していない場合はステップS403に戻る。
【0071】
S407:当該ユーザID情報に対応するサービス時間が終了した場合は、ID情報解除部23はユーザID情報(図18(a))を無効にし、対応するウエブページを削除する。
なお、上記監視カメラシステム4による処理の流れは一例であり、各処理の順序やタイミング等は上記に限定されない。
【0072】
<4.3 第4実施形態の変形例>
<4.3.1 変形例1>
上記第4実施形態においては、サービス時間は映像提供装置20の計時手段により管理していたが、これに代えて、受付装置40Bに設けた時計等の計時手段によりサービス時間を管理してもよい。
この場合、受付装置40Bは、託児所サービス開始のユーザ操作を受け付けると、受付毎に固有のID(受付ID)を発行し、映像提供装置20にサービス開始として通知する。このとき、映像提供装置20は、図18(b)に示すように、当該受付IDとユーザID情報とを対応付けて記憶しておく。受付装置40Bは、サービス時間が経過したら、対応する受付IDと共にサービス終了の通知を映像提供装置20に送信する。映像提供装置20は、サービス終了の通知を受けたら、通知に含まれる受付IDと対応付けられているユーザID情報を無効にする。
【0073】
<4.3.2 変形例2>
上記第4実施形態においては、サービス時間の終了をイベントの終了としていが、これに限定されない。例えば、映像提供装置20は、精算を終了イベントとして、ユーザID情報を無効にしてもよい。
この場合、受付装置40Bは、託児所サービス開始の操作を受け付けると、受付毎に固有のID(受付ID)を発行し、映像提供装置20にサービス開始として通知する。このとき、映像提供装置20は、図18(b)に示すように、当該受付IDとユーザID情報とを対応付けて記憶しておく。受付装置40Bは、ユーザ又は職員の操作によってサービスの終了、つまり精算を指示する操作を受け付けると、指定された受付IDと共にサービス終了の通知を映像提供装置20に送信する。映像提供装置20は、当該精算の通知を受信したら、通知に含まれる受付IDと対応するユーザID情報とを無効にする。
【0074】
<4.3.3 変形例3>
上記第4実施形態はペットホテル(監視対象はペット)においても適用できる。
【0075】
<5 その他実施形態>
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の修正、変更及び組み合わせが可能である。また、前述の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
例えば、以下のような変更が可能である。
【0076】
<5.1>
上記実施形態においては、イベント受付部21がID情報生成部22のID情報の生成を受けて、当該ID情報及びURL情報を含む駐車券の発券を発券機40に指令しているが、本発明はこれに限定されない。
例えば、映像提供装置20と発券機40とにはそれぞれ、予め発券番号等の識別情報と対応付けたユーザID情報を格納しておく。発券機40はサービスの開始を受け付けたとき、発券番号と対応するユーザID情報とを含む駐車券を即座に発券する。発券の通知を受けた映像提供装置20は、当該発券番号に対応する格納したユーザID情報を有効にする。またサービスの終了時(つまり精算時)には、ID情報解除部23が当該ユーザID情報を無効にする。
これにより、ユーザによるサービス受付時にユーザID情報の生成を待って発券する必要がなくなり、より迅速且つ簡単にサービスの受付とユーザID情報のユーザへの通知を行なうことができる。
【0077】
<5.2>
映像を提供するウエブページのURLは、サービスの開始毎に生成され、サービスの終了に応じて無効にされてもよい。この場合、URLはランダムに生成され、事前に生成されたユーザID情報や発券番号等の識別情報に対応付けられて映像提供装置20に事前に格納されている。
本実施形態に係る映像提供装置20の動作を図7のフローチャートを用いて説明する。映像提供装置20は、イベント開始の通知(発券)を受信すると(ステップS101〜S102)、事前に生成されたID情報と対応するURL情報とを取得し、発券機40に送信する(ステップS103)。そして、映像提供装置20は、ユーザ端末30からのアクセスを受けて(ステップS104)、ユーザID情報の一致を判断すると(ステップS105)、当該ユーザID情報に対応するURLを読み込み、当該ウエブページで映像を提供する(ステップS106)。
【0078】
<5.3>
ユーザID情報はなくともよく、ユーザはURLをユーザ端末30に入力するとすぐに映像閲覧のためのウエブページが表示されるようにしてもよい。
この場合、映像提供装置20は、URL情報を発券機40等のサービス受付装置に通知しなくともよい。例えば、映像提供装置20と発券機40とにはそれぞれ、予め発券番号等の識別情報と対応付けたURL情報を格納しておく。発券機40はユーザによるサービス開始を受け付けたとき、発券番号等の識別情報と対応するURL情報とを含む駐車券を即座に発券する。発券の通知を受けた映像提供装置20は、当該発券番号等の識別情報に対応する格納したURL情報を有効にする。またサービスの終了時には、当該URL情報を無効にする。これにより、ユーザによるサービス受付時にURLの生成を待って発券する必要がなくなり、より迅速且つ簡単にサービスの受付とURL情報のユーザへの通知を行なうことができる。
【0079】
<5.4>
ユーザがICカードや携帯電話等で精算を行なう場合、そのID情報を用いてウエブページにログインするようにしてもよい。
また、ウエブサイトのURLにアクセスした後、発券番号をID情報として入力してウエブページにログインするようにしてもよい。
【0080】
<5.5>
上記実施形態において、サービスが解除された場合、映像提供装置20は、予め登録されたユーザのアドレスに解除通知送信するようにしてもよい。この場合、ユーザのアドレスは、例えばログイン時に任意で登録しておき、通知を行なうようにしてもよい。
【0081】
<5.6>
上記実施形態においては、ユーザは監視カメラ10より主にライブ映像(MPEG−4圧縮)の提供を受けているが、これに限定されない。例えば、監視カメラ10により撮像された録画映像(JPEG圧縮)も映像提供装置20に格納しておき、ユーザの選択により時間を遡った映像を提供することも可能である。
【0082】
以下、図19を参照しながら、この場合の監視カメラシステム1の動作について説明する。
S501:映像提供装置20のイベント受付部21は、受付装置よりイベント開始の通知を受信する。映像提供装置20はまた、イベント開始の時間、つまりサービス開始時間をメモリに記憶する。
S502:ID情報生成部22は、ユーザID情報を生成し、ID情報格納部24に格納する。このとき、ID情報生成部22は、例えば図20(a)に示すように、生成したユーザID情報とサービス開始時間とを対応付けて、メモリに格納する。
【0083】
S503:イベント受付部21は、イベント開始から所定時間経過したかどうかを判断する。なお、この所定時間は、上記第4実施形態と同様に所定の計時手段によりカウントされる。所定時間経過している場合はステップS508に進み、所定時間経過していない場合はステップS504に進む。
本実施形態においては、サービス時間を終了(イベントの終了)してもユーザに対して録画映像を提供できるようにするため、この判断処理を行う。映像提供装置20は、例えば図20(a)に示すように、イベントの開始から所定時間経過したユーザID情報についてはフラグを「0」に設定し、経過していないユーザID情報についてはフラグを「1」に設定する。これにより、サービス時間が終了しても、所定時間が経過していないユーザID情報については有効とされ、ユーザは映像提供装置20にアクセスできる。
【0084】
S504:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信したかどうかを判断する。
S505:ユーザアクセス受付部25は、ユーザ端末30からのアクセスを受信した場合、ユーザ端末30から送信されたユーザID情報とID情報格納部24に格納されたユーザID情報との照合を行い、当該ユーザID情報が一致したかどうかを判断する。
一致した場合はステップS505に進み、一致しない場合はステップS503に戻る。
【0085】
S506:ページ生成部28は、当該ユーザID情報に対応するウエブページを生成する。ページ生成部28は更に、監視カメラ10の映像がユーザ端末30により閲覧可能な状態を生成する。これにより、当該監視カメラ10の映像がユーザ端末30を介して提供される。
【0086】
このとき、映像端末装置20は、ユーザID情報に対応付けられているサービス開始時間から終了時間に係る録画映像(JPEG圧縮)を表示可能なページも生成する。このページは、例えば、図20(b)に示すようなスライドバーでサービス開始時間〜終了時間に係る映像を再生できる態様である。
【0087】
S507:イベント受付部21は、サービス時間が終了したかどうかを判断する。終了した場合は、ステップS503に戻り、更に所定時間経過したかどうかを判断する。終了していない場合は、ステップS504に戻る。
S508:映像提供装置20は、サービス開始から所定の時間経過後に対応するユーザID情報を無効にする。
なお、上記監視カメラシステム1による処理の流れは一例であり、各処理の順序やタイミング等は上記に限定されない。
【0088】
<5.7>
上記実施形態においては、映像提供装置20は、HTTPプロトコル以外のアプリケーションを介して映像を提供(例えば、配信)するようにしてもよい。
【0089】
<5.8>
上記実施形態においては、映像提供装置20は、映像を提供することに対しユーザに課金するようにしてもよい。この場合、サービス受付時又はユーザからのアクセス時にユーザに対し課金内容の確認をした上で、サービスの精算時に映像提供に対する支払いを受けるようにしてもよい。
【0090】
<5.9>
上記実施形態においては、映像提供装置20は、一つの装置であることに限定されず、複数の装置から構成されていてもよい。またその場合、装置に限られず、システムであってもよい。
また、映像提供装置20は、複数のサービス提供箇所と接続されてもよい。更に、映像提供装置20は、複数種のサービに関する映像提供を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0091】
上記技術は、監視カメラの映像を提供する装置、システム、方法又はコンピュータプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0092】
1 監視カメラシステム
10 監視カメラ
11 撮像部
12 DSP
12a 信号処理部
12b 画像圧縮部
13 ネットワークIF部
20 映像提供装置
21 イベント受付部
22 ID情報生成部
23 ID情報解除部
24 ID情報格納部
25 ユーザアクセス受付部
26 映像受信部
27 映像格納部
28 ページ生成部
30 ユーザ端末
40 発券機(サービス受付装置)
40A 充電装置(サービス受付装置)
40B 受付装置(サービス受付装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、前記所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する映像提供装置であって、
前記所定のサービスを受け付けるサービス受付装置より前記所定のサービスの開始を示すイベントと前記所定のサービスの終了を示すイベントとを受け付けるイベント受付部と、
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて前記ユーザからのアクセスを受け付けるユーザアクセス受付部と、
前記イベント受付部が前記所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けてから前記所定のサービスの終了を示すイベントを受け付ける前であって且つ前記ユーザアクセス受付部が前記ユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、前記ユーザに前記監視カメラの映像を提供する映像表示制御部と、
を備える、映像提供装置。
【請求項2】
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて、前記ユーザのID情報を生成するID情報生成部と、
前記所定のサービスの終了を示すイベントに応じて、前記ユーザのID情報を無効にするID情報解除部と、
を更に備え、
前記ユーザアクセス受付部は、前記ID情報に基づき前記ユーザのアクセスを受け付ける、
請求項1に記載の映像提供装置。
【請求項3】
前記映像表示制御部は、
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて、前記監視カメラの映像を前記ユーザに提供するためのページを生成し、
前記所定のサービスの終了を示すイベントに応じて、前記ページを破棄する、
請求項1に記載の映像提供装置。
【請求項4】
前記所定のサービスの時間を計時する計時手段を更に備え、
前記イベント受付部は、前記計時手段により計時されたサービス時間の終了を前記所定のサービスの終了を示すイベントとして受け付ける、
請求項1に記載の映像提供装置。
【請求項5】
請求項1に記載の映像提供装置と、
前記所定のサービスが提供されるスペースに設置された一以上の監視カメラと、
を備える、監視カメラシステム。
【請求項6】
前記所定のサービスは、時間貸し駐車サービスであり、
前記所定のサービスの開始を示すイベントは駐車券の発券の通知であり、
前記所定のサービスの終了を示すイベントは精算の通知である、
請求項5に記載の監視カメラシステム。
【請求項7】
前記所定のサービスは、充電サービスであり、
前記所定のサービスの開始を示すイベントは充電開始の通知であり、
前記所定のサービスの終了を示すイベントは充電完了の通知である、
請求項5に記載の監視カメラシステム。
【請求項8】
前記所定のサービスは、託児サービスであり、
前記所定のサービスの開始を示すイベントは前記託児サービスの受付の通知であり、
所定時間の経過が前記託児サービスの時間の終了である、
請求項5に記載の監視カメラシステム。
【請求項9】
時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、前記所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する映像提供方法であって、
前記所定のサービスを受け付けるサービス受付装置より前記所定のサービスの開始を示すイベントと前記所定のサービスの終了を示すイベントとを受け付けるイベント受付ステップと、
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて前記ユーザからのアクセスを受け付けるユーザアクセス受付ステップと、
前記イベント受付ステップにおいて前記所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けてから前記所定のサービスの終了を示すイベントを受け付ける前であって且つ前記ユーザアクセス受付ステップにおいて前記ユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、前記ユーザに前記監視カメラの映像を提供する映像表示制御ステップと、
を備える、映像提供方法。
【請求項10】
時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、前記所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する映像提供方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記所定のサービスを受け付けるサービス受付装置より前記所定のサービスの開始を示すイベントと前記所定のサービスの終了を示すイベントとを受け付けるイベント受付ステップと、
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて前記ユーザからのアクセスを受け付けるユーザアクセス受付ステップと、
前記イベント受付ステップにおいて前記所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けてから前記所定のサービスの終了を示すイベントを受け付ける前であって且つ前記ユーザアクセス受付ステップにおいて前記ユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、前記ユーザに前記監視カメラの映像を提供する映像表示制御ステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項11】
時間単位で提供される所定のサービスを利用するユーザに対し、前記所定のサービスを受ける対象を撮像した監視カメラの映像を提供する映像提供装置であって、
前記所定のサービスを受け付けるサービス受付装置より前記所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けるイベント受付部と、
前記所定のサービスの開始を示すイベントに応じて前記ユーザからのアクセスを受け付けるユーザアクセス受付部と、
前記イベント受付部が前記所定のサービスの開始を示すイベントを受け付けてからユーザが前記所定のサービスを受ける時間より長い所定時間の経過前であって且つ前記ユーザアクセス受付部が前記ユーザのアクセスを受け付けた場合のみ、前記ユーザに前記監視カメラの映像を提供する映像表示制御部と、
を備える、映像提供装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−222634(P2012−222634A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86836(P2011−86836)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000223182)TOA株式会社 (190)
【Fターム(参考)】