説明

カメラ機器

【課題】簡素な機構で補助ランプとビューファインダとの間の遮光を達成し、且つキャビネットの薄型化を達成する。
【解決手段】カメラ機器は、キャビネット2に、ランプ3とビューファインダ4を設けている。キャビネット2には、ランプ3の光が透過する第1窓10と、ビューファインダ4となる第2窓11が一体に形成された透光パネル1が設けられている。透光パネル1内にて、第1窓10と第2窓11の間には、遮光性接着剤が充填される穴12が開設されている。穴12の上下長さは、ランプ3からの放射光が第2窓11に達しない長さに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートフォーカス用の補助ランプを設けたカメラ機器、具体的にはデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
斯種デジタルカメラには、オートフォーカス機能、即ち対物レンズを前後に移動させて自動的に画像を撮像素子に合焦させる機能を有している。合焦させる方法としては、、対物レンズを前後に移動させ、撮像素子に入射する被写体画像のコントラストが最大となる点で対物レンズの移動を停止するパッシブ方式がある。しかし、低輝度状態では被写体のコントラストが最大となる点が明確でなく、オートフォーカス動作が行いにくい。
この点に鑑みて、図6に示すように、キャビネット(2)上に被写体を照らす補助ランプ(3)を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。キャビネット(2)上にて該補助ランプ(3)の近傍には、被写体を覗くビューファインダ(4)があり、該補助ランプ(3)の光がビューファインダ(4)に入射すると、ビューファインダ(4)から被写体を見難くなる。従って、補助ランプ(3)の光が、ビューファインダ(4)に入射することを防ぐ必要がある。
【0003】
【特許文献1】特開平10−62680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、デジタルカメラのキャビネット(2)は、金属板をプレス加工して形成されることが多い。この場合、プレス加工によって、補助ランプ(3)とビューファインダ(4)との間に、十分な高さの遮光壁を形成することは難しい。従って、補助ランプ(3)とビューファインダ(4)との間に、遮光壁となる部材を貼り付ける、又は補助ランプ(3)を透明部材に対向させ、該透明部材とビューファインダ(4)の間に遮光材を設ける等の対策が採られていた。しかし、これでは遮光壁となる部材又は遮光材を設けるのに、手間が掛かる。また、キャビネット(2)の前後厚みも増加するので、キャビネット(2)の薄型化を求める市場の要求に反していた。
本発明の目的は、簡素な機構で補助ランプとビューファインダとの間の遮光を達成し、且つキャビネットの薄型化を達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
キャビネット(2)には、ランプ(3)の光が透過する第1窓(10)と、ビューファインダ(4)となる第2窓(11)が一体に形成された透光パネル(1)が設けられ、
透光パネル(1)内にて、第1窓(10)と第2窓(11)の間には、遮光性物質が充填される穴(12)が開設されている。
【発明の効果】
【0006】
透光パネル(1)の穴(12)に遮光性物質を充填するだけで、ランプ(3)とビューファインダ(4)との間の遮光を達成することができるから、簡素な機構で該遮光を達成することができる。また、穴(12)の深さは、透光パネル(1)の厚み以上にならないので、キャビネット(2)の薄型化をも達成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施例を図を用いて詳述する。
図1は、キャビネット(2)の斜視図である。キャビネット(2)は、第1キャビネット半体(20)と第2キャビネット半体(21)を合わせて構成され、両キャビネット半体(20)(21)は金属板をプレス加工して形成される。第1キャビネット半体(20)には、鏡筒(図示せず)を保護するレンズ環(25)、補助ランプ(3)からの光が通る第1窓(10)、ビューファインダ(4)が設けられており、補助ランプ(3)は前記の如く、オートフォーカスの合焦用である。
図2は、第1キャビネット半体(20)の裏面図である。第1キャビネット半体(20)の裏面には、凹面(22)が形成され、該凹面(22)に第1孔(23)、第2孔(24)が開設されている。凹面(22)には、透明な合成樹脂から形成された透光パネル(1)が嵌まり、該透光パネル(1)は前記第1窓(10)と、ビューファインダ(4)となる第2窓(11)、両窓(10)(11)間に開設され上下に延びたスリット状の穴(12)を具えている。透光パネル(1)上には、デザインの観点から両窓(10)(11)と穴(12)を除いて黒色のシルク面(13)が形成されている。第1窓(10)が第1孔(23)に、第2窓(11)が第2孔(24)に夫々対向する。
【0008】
図3は、透光パネル(1)の斜視図であり、図4は、透光パネル(1)の平面図である。第1窓(10)には補助ランプ(3)が対向し、穴(12)には遮光性のある接着剤が充填される。補助ランプ(3)の光は、第1窓(10)の周囲を照らし、一部の光はビューファインダ(4)に向かう。しかし、該光は穴(12)に充填された遮光性のある接着剤により遮られるから、ビューファインダ(4)から被写体を見難くなることは防止される。
図5は、図4の透光パネル(1)の正面図である。補助ランプ(3)からの光は、前記の如く、穴(12)に充填された遮光性接着剤により遮られるが、穴(12)の上下長さH1は、補助ランプ(3)の光が第2窓(11)に達しない長さであればよい。例えば、図5にて、補助ランプ(3)の中心から穴(12)までの距離をX1、穴(12)から第2窓(11)までの距離をX2、第2窓(11)の上下長さをH2とすれば、穴(12)の上下長さH1は、
(数1)
H1=H2*X1/(X1+X2)
以上であればよい。
【0009】
本例にあっては、透光パネル(1)の穴(12)に遮光性物質を充填するだけで、ランプ(3)とビューファインダ(4)との間の遮光を達成することができるから、簡素な機構で該遮光を達成することができる。また、穴(12)の深さは、透光パネル(1)の厚み以上にならないので、キャビネット(2)の薄型化をも達成できる。
上記記載では、補助ランプ(3)はオートフォーカス用としたが、これに代えて、セルフタイマ時に発光するランプであってもよい。また、穴(12)に充填される遮光性物質には、接着剤に代えて、速乾性のインク等を用いても良い。
【0010】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】キャビネットの斜視図である。
【図2】第1キャビネット半体の裏面図である。
【図3】透光パネルの斜視図である。
【図4】透光パネルの平面図である。
【図5】図4の透光パネルの正面図である。
【図6】従来のキャビネットの斜視図である。
【符号の説明】
【0012】
(1) 透光パネル
(2) キャビネット
(3) 補助ランプ
(10) 第1窓
(11) 第2窓
(12) 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネット(2)に、ランプ(3)とビューファインダ(4)を設けたカメラ機器に於いて、
キャビネット(2)には、ランプ(3)の光が透過する第1窓(10)と、ビューファインダ(4)となる第2窓(11)が一体に形成された透光パネル(1)が設けられ、
透光パネル(1)内にて、第1窓(10)と第2窓(11)の間には、遮光性物質が充填される穴(12)が開設されたことを特徴とするカメラ機器。
【請求項2】
穴(12)の上下長さは、ランプ(3)からの放射光が第2窓(11)に達しない長さに形成された請求項1に記載のカメラ機器。
【請求項3】
ランプ(3)は、オートフォーカス用の補助ランプであり、遮光性物質は、遮光性のある接着剤である請求項1又は2に記載のカメラ機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−106376(P2006−106376A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293265(P2004−293265)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】