説明

カメラ機能付携帯電話機による撮影規制システム

【課題】特定機能を禁止する場所へ出入りする携帯通信端末を対象に、ユーザの利便性とセキュリティの実現を両立する機能制限システムを提供する。
【解決手段】ユーザはMS赤外線送受信部11をBS赤外線送受信部13へ向けた状態で、携帯電話機20の個人データの送信を選択してユーザ情報16を送信する。カメラ機能制御装置12はBS赤外線送受信部13で受信したユーザ情報16と装置内に登録されている管理データ14を照合し、一致するデータが存在しなければユーザを入場者と認識し、ユーザ情報16をカメラ機能制御装置12に管理データ14として登録して受信処理を終了し、BS赤外線送受信部13からカメラ制御信号17を送信する。携帯電話機20はこの制御信号17を受信すると受信機能を終了し、カメラ機能の停止設定を行うとともにLCD表示部にカメラ機能停止表示を行い、制御信号17が受信できなかったときにはエラーメッセージを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型無線端末の特定機能規制システムに関し、特にカメラ機能付携帯電話機による撮影を禁止するエリアにおける撮影規制に好適なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯電話機においては、搭載される機能が多様化しており、特にカメラ機能や赤外線通信機能はキャリアを問わずほとんどの携帯電話機が標準で実装している機能となっている。特にカメラ機能に関しては、どこでも簡単に写真が撮影できるという利点が災いして多くの弊害が生まれており、社会的に問題となっている。その問題の一つとして例えば企業の内部情報の漏洩がある。
【0003】
カメラ付き携帯電話機を持っていれば、外部から来ている人間が会社にとって重要な書類や社内の様子をこっそり撮影して社外へ持ち出したり、逆に内部の人間による意図的な企業秘密の漏洩に使われたりする可能性がある。その対策として、社内へ入場する際に受付で携帯電話機を預かったり、社内の人間に対しては携帯電話機自体を持ち込み禁止にしたりしている。しかしそうすると今度は、社内においてカメラ以外の機能、例えば通話やメールを行ったり、スケジュールの確認などができなくなってしまう等の不便が生じてしまう。
【0004】
一方、携帯電話機の使用禁止区域を設定し、該使用禁止区域内あるいは該使用禁止区域内に携帯電話機を持って入場する際に、携帯電話機の機能制限を行い、該使用禁止区域外あるいは該使用禁止区域内から退場する際に機能制限の解除を行う技術が、以前より種々提案されている。
【0005】
例えば特許文献1では、携帯電話機の使用禁止区域内の出入口に、携帯電話装置の使用禁止区域であることを指示する指示信号を発信する無線通信モジュールを設置し、携帯電話機に、該無線通信モジュールから発信された指示信号を受信する受信手段と、該受信手段により受信された指示信号に基づいて携帯電話機の使用者の使用禁止区域への入場または退場のいずれの状態であるかを判定し、使用禁止区域内に入場した時点で携帯電話機の機能制限を行い、前記使用禁止区域から退場した時点で、携帯電話機を元の状態に復帰させるように制御する制御手段を備え、使用禁止区域内における携帯電話機の特定の機能を制限する技術が記載されている。
【0006】
また、特許文献2では、カメラ機能付き携帯通信端末を携行したユーザが入口より撮影制限エリア内に入場したときに、携帯通信端末に内蔵された近距離無線通信部が、入口に設置された撮影制限情報送信装置の無線送信機からの撮影制限情報を受信し、携帯通信端末のメモリにダウンロードすることにより、ユーザが撮影制限エリア内で上記携帯通信端末を用いて撮影を行う場合に、制御部が、メモリ内の上記撮影制限情報に基づいて撮影動作を規制し、ユーザが出口から撮影制限エリア外へ出るときに、携帯通信端末の近距離無線通信部が、出口に設置されたリセット信号送信機からのリセット信号を受信して、メモリ内に格納されている上記撮影制限情報をリセットして撮影制限を解除する技術が記載されている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−047042号公報
【特許文献2】特開2004−023692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1〜2に記載の技術によれば、携帯電話機の持つ特定の機能を禁止するエリア内に入場している携帯電話機に対して、その特定機能の使用を自動的に制限することができる効果があるが、上記エリア内あるいはエリアの出入口に設置された特定機能制限情報送信装置から送信される情報を受信する機能が有効に動作しない携帯電話機あるいはそのような機能を備えていない携帯電話機の場合には、上記効果を得ることができないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、カメラ機能付き携帯通信端末を携行して撮影禁止の場所へ出入りする者を対象に、赤外線通信等の近距離無線通信の機能を利用してカメラの使用を制限するシステムにおいて、ユーザの利便性とセキュリティの実現を両立することができるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、撮影制限エリアの出入口に設置されたカメラ機能制御装置と、該カメラ機能制御装置と近距離無線通信を行って内蔵カメラ機能の使用制限制御を行うカメラ機能付携帯電話機とによって構成されるカメラ機能付携帯電話機の撮影規制システムにおいて、前記カメラ機能制御装置は、前記近距離無線通信により前記カメラ機能付携帯電話機からユーザ情報信号を受信したとき、該携帯電話機に対して前記近距離無線通信により前記携帯電話機のカメラ機能を制限するカメラ制御信号を送信する制御信号送信手段を有しており、前記カメラ機能付携帯電話機は、前記カメラ機能制御装置に対して前記近距離無線通信によりユーザ情報信号を送信するとともに該ユーザ情報信号に対する応答信号として前記カメラ機能制御装置から送信されたカメラ制御信号を受信する近距離無線通信手段と、該近距離無線通信手段により前記カメラ制御信号を受信したときに内蔵カメラ機能の使用制限制御を行うカメラ規制制御手段と、該カメラ規制制御手段によるカメラ撮影不可状態を表示するとともに、前記ユーザ情報信号に対する応答信号が所定時間内に受信されなかったときエラーメッセージを表示する表示手段を有していることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、撮影制限エリアの出入口に設置されたカメラ機能制御装置とカメラ機能付携帯電話機間の近距離無線通信により、撮影制限エリア内における当該カメラ機能付携帯電話機による撮影を自動的に制限するとともに通話やメール等のカメラ機能以外の機能は使うことができ、また制限不能のカメラ機能付携帯電話機は、その表示部にカメラ撮影規制中の状態が表示されないか、あるいはエラーメッセージが表示されるので、そのようなカメラ機能付携帯電話機については、撮影制限エリア内へ入場する際に受付で携帯電話機を預かったり、携帯電話機自体を持ち込み禁止することにより、ユーザの利便性とセキュリティの実現を両立させることができる。
【0012】
さらに前記ユーザ情報信号には電話番号とユーザ名を含ませることができ、前記カメラ機能制御装置は、受信した前記ユーザ情報信号から抽出した電話番号とユーザ名を管理データとして登録するとともに前記抽出した電話番号とユーザ名が前記管理データとして登録されているときには該管理データから前記抽出した電話番号とユーザ名を削除する手段と、ユーザが入退場した日にちと時間を前記電話番号及びユーザ名とともにログファイルに蓄積する手段を有する構成とすることにより、来場者の入退場の状況をカメラ制御装置で把握することができ、また万一不正行為が発覚した場合にトレーサビリティを高めることができる。
【0013】
前記近距離無線通信手段は、例えば赤外線を用いた通信手段によって構成することができる。その場合、例えば企業などへ入場する際、入り口に設置されているカメラ機能制御装置に対して携帯電話機の赤外線通信用の送光部からユーザ情報(自局番号、名前)を送信すると、カメラ機能制御装置は赤外線通信用の受光部で受信したユーザの情報を登録するとともに、カメラ規制制御信号を赤外線通信用の送光部から送信する。携帯電話機の赤外線通信用の受光部でこのカメラ規制制御信号を受信することによりカメラ機能を停止させる。退場する際はカメラ機能停止の状態で携帯電話機から再度個人データを送信し、カメラ機能制御装置で登録されているデータと照合して一致すればカメラ規制制御信号を送信する。携帯電話機はこのカメラ規制制御信号を受信することによりカメラ機能を再開させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、カメラ付き携帯電話機において撮影禁止の場所へ出入りする際に例えば赤外線通信の機能を利用してカメラ機能の使用を制限することにより、撮影禁止区域でもカメラ機能を規制した状態で通話やメール等カメラ以外の機能を使うことができるとともに、規制不能な携帯電話機を識別して、撮影禁止の場所への持込を禁止することができるので、写真撮影による重要情報の漏洩防止といったセキュリティ上のニーズにも対応することができる。
【0015】
またカメラ機能制御装置でカメラ付携帯電話機ユーザの入退場を把握することが可能であり、万一不正行為が発覚した場合のトレーサビリティを高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1及び図2は、本発明の実施形態において用いられるカメラ機能付携帯電話機の外観を示す図であり、図1は本実施例の携帯電話機を正面から見た図、図2は背面から見た図である。
【0017】
図1〜図2において、携帯電話機は、電話あるいはメール等の通信において無線電波を送受信するためのアンテナ1、通信相手の音声を出力する装置であるレシーバ2、携帯電話機の機能に関する各種情報を表示する装置であるLCD表示部3、携帯電話機におけるユーザインタフェース部のうち、数字や文字を入力する際に使用する装置であるキー入力部4、通話時に自分の音声を入力する装置であるマイク5、ユーザデータ保存用の外部記憶媒体として携帯電話機本体に脱着可能な外部記憶装置9、着信があった時等に点灯してユーザに知らせる装置である発光部10を有している。
【0018】
さらに本実施形態の携帯電話機には、写真を撮るための機能としてカメラ6が実装されており、LCD表示部3はカメラ撮影モード時にはファインダとしての機能も有している。また、赤外線通信や赤外線リモコンの機能としてのMS赤外線装置11が実装されている。
【0019】
図3は、図1〜図2に示す携帯電話機の機能ブロック図であり、電話あるいはメール等の通信では、アンテナ1にて通信相手からの音声データを電波として受信し、制御回路部8を介してデジタル/アナログ変換された音声が、レシーバ2から通信相手の音声として送出される。またマイク5へ入力されたユーザの音声は、制御回路部8を介してアナログ/デジタル変換され、無線周波数で変調されてアンテナ1から電波として送信される。
【0020】
また、キー入力部4を用いてユーザが入力したデータは、制御回路部8にてどのようなデータか解析され、その結果をLCD表示部3にてユーザが視覚的に分かるように表示される。カメラ撮影時には、カメラ6を通じて入力された画像は、制御回路部8を介してLCD表示部3にカメラのファインダ機能として表示される。
【0021】
図中の記憶装置7は、ユーザが取得したユーザデータを記憶する装置を示している。さらに記憶したユーザデータは制御回路部8を介して外部記憶装置9へも保存可能である。発光部10は、制御回路部8で指定された発光色にて点灯を行う。赤外線通信においては制御回路部8にて生成された出力波形がMS赤外線装置11より送出され、また波形受信時はMS赤外線装置11にて受光し、受信データとして制御回路部8へ送られる。制御回路部8は接続される各装置を統括的に制御する回路である。
【0022】
図4は、本実施形態のカメラ機能制御の動作を示す図であり、図5は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【0023】
カメラ機能制御装置12はカメラ撮影禁止エリアの出入口近辺に設置されており、カメラ機能の停止/再開を制御する信号を生成してBS赤外線送受信部13から送信し、入場者の個人情報を管理データ14としてリストに登録する装置である。BS赤外線送受信部13は、通常は受信状態のままで待機している。また、ユーザが入退場した日にちと時間を記録として残しておくログファイル15を有している。管理データ14からは現在入場している者が誰か把握することができ、ログファイル15からは誰がいつ入退場したかを後でトレースすることができる。
【0024】
BS赤外線送受信部13はカメラ機能制御装置12で生成されたカメラ制御信号17を送信し、ユーザ情報16を受信する装置である。携帯電話機20は赤外線通信の機能を搭載している携帯電話機であり、MS赤外線送受信部11は赤外線通信に使用する赤外線LEDである。カメラ制御信号17はカメラ機能の停止/再開を制御するトリガー信号であり、ユーザ情報16はユーザの個人情報である携帯電話機の電話番号及びユーザの名前とする。
【0025】
まずカメラ機能を停止する場合の動作を説明する。ユーザはMS赤外線送受信部11をBS赤外線送受信部13へ向けた状態で、携帯電話機20のメニュー項目から赤外線通信の個人データの送信を選択し、ユーザ情報16を送信する。送信したら送信処理は終了し、次に受信処理を開始して待機する。
【0026】
カメラ機能制御装置12はBS赤外線送受信部13で受信したユーザ情報16と装置内に登録されている管理データ14を照合し、一致するデータが存在しなければユーザを入場者と認識し、ユーザ情報16をカメラ機能制御装置12に管理データ14として登録する。そして受信処理を終了し、BS赤外線送受信部13からカメラ制御信号17を送信する。
【0027】
携帯電話機20はBS赤外線送受信部13から送出されたカメラ制御信号17を受信すると受信機能を終了し、カメラ機能の停止設定を行うとともに、LCD表示部3にカメラ機能規制中であることを表示する。ここで、カメラ機能制御装置12は管理データ14にリストへ登録した日にちと時間を付加したデータを装置内のログファイル15へ書き込む。これによりどのユーザがいつ入場したかを管理することができる。
【0028】
次にカメラ機能を再開する場合の動作を説明する。前述のカメラ機能停止動作と同様に携帯電話機20からユーザ情報16を送信する。BS赤外線送受信部13で受信すると、カメラ機能制御装置12はそのデータと登録してある管理データ14を照合し、データが存在すれば退場者と認識してBS赤外線送受信部13からカメラ制御信号17を送信して、登録してある管理データ14を消去する。
【0029】
携帯電話機20はMS赤外線送受信部11でカメラ制御信号17を受信すると、カメラ機能の停止解除設定を行うとともに、LCD表示部3のカメラ機能規制中表示を消す。ここで、カメラ機能制御装置12は管理データ14にリストから消去した日にちと時間を付加したデータを装置内のログファイル15へ書き込む。これによりどのユーザがいつ退場したかを管理することができる。
【0030】
また、カメラ制御信号17の受信動作時において、携帯電話機20が一定時間何の信号も受信されないと判断した場合、赤外線受信機能を終了し、その旨のメッセージをLCD表示部3へ表示する。
【0031】
従って、カメラ規制が設定されない携帯電話機には、LCD表示部3のカメラ機能規制中表示がなされないので、カメラ機能規制中表示がされていないカメラ機能付携帯電話機は、カメラ機能が規制されていないものとして撮影禁止の場所への持込を禁止することができる。カメラ機能が規制されている場合には、LCD表示部3には例えば図7−1に示すような表示がなされる。
【0032】
次にカメラ機能の停止及び解除設定に関して、図5のカメラ機能規制の処理フローチャートを参照して詳細に説明する。
【0033】
ここで図中のカメラ規制中フラグとは、携帯電話機の記憶装置で持っており、このフラグがONの時は携帯電話機のカメラ撮影機能が規制中で使用不可能である状態を表し、OFFの時は規制が解除され使用可能である状態を表すのに使用される。また携帯電話機はカメラ制御信号を受信した際、このフラグのON/OFFの状態を見てカメラ機能の停止/再開の設定の判断を行う。
【0034】
まずユーザが携帯電話機のメニュー項目から赤外線通信によるユーザ情報の送信を選択し、その後、赤外線受信処理を開始する(ST5−1)。そしてカメラ制御信号を受信したら(ST5−2)、その時点で赤外線受信処理を終了させる(ST5−3)。次に現在のカメラ規制の状態を判定する(ST5−4)。携帯電話機の記憶装置で持っているカメラ規制中フラグがONであったらカメラ機能の規制を解除し(ST5−5)、カメラ規制中フラグをOFFにする(ST5−6)。
【0035】
そして携帯電話機のLCD表示部に表示されているカメラ機能の規制中を表す表示を消去する(ST5−7)。また、カメラ規制中フラグがOFFであったらカメラ機能の停止設定を行い(ST5−8)、カメラ規制中フラグをONにする(ST5−9)。そして携帯電話機のLCD表示部3にカメラ機能規制中を表す表示を例えば図7−1に示すよう点ける(ST5−10)。
【0036】
また赤外線受信処理において、カメラ制御信号以外の赤外線通信用の信号を受信した場合(ST5−11)は、通常の赤外線通信処理を行う(ST5−12)。受信処理は何らかの信号を受信するまで継続するが、何の信号も受信せず一定時間経過した場合(ST5−13)、LCD表示部3にタイムアウトのエラーメッセージを表示し処理を中断する。
【0037】
撮影禁止エリアの入口では、入場する際に、カメラ機能制御装置12との間の赤外線通信によりLCD表示部3にカメラ規制中が表示された携帯電話機の入場は許可するが、カメラ規制中が表示されていないカメラ機能付携帯電話機については、受付で当該携帯電話機を預かったり、携帯電話機自体を持ち込み禁止する措置をとることができる。なお、カメラ機能を備えていない携帯電話機は入場規制の対象外であり、当然入場許可される。
【0038】
上記実施形態では、カメラ機能の規制をその対象としているが、カメラ機能規制以外に通話やメール等の通信規制を行う場合、あるいは携帯電話機に搭載されている全機能を規制する場合、あるいはカメラ機能規制とこれらを組み合わせて、カメラ撮影禁止区域内でさらに通話禁止区域や携帯電話機の機能全てを不可とするような高いセキュリティを要する区域を設ける場合にも本発明を適用することができる。
【0039】
図6は、本発明の他の実施形態における処理を示すフローチャートである。
【0040】
本実施形態では、カメラ規制、通信規制、全機能規制の信号を送信する制御装置はそれぞれ個別にあるものとし、さらに各々の規制は独立して制御可能としている。但し全機能規制中でも赤外線通信のユーザ情報送信は使用可能とする。以下、図6を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0041】
前述の図5で説明した処理(ST5−2〜ST5−10)に加えて通信制御信号を受信した場合と全機能制御信号を受信した場合の処理を付加する。ここで図中の通信規制中フラグとは、携帯電話機の記憶装置で持っており、このフラグがONの時は携帯電話機の通信機能が規制中で使用不可能である状態を表し、OFFの時は規制が解除され使用可能である状態を表すのに使用される。
【0042】
また携帯電話機は通信制御信号を受信した際、このフラグのON/OFFの状態を見て通信機能の停止/再開の設定の判断を行う。さらに全機能規制中フラグとは、携帯電話機の記憶装置で持っており、このフラグがONの時は携帯電話機の全機能が規制中で使用不可能である状態を表し、OFFの時は規制が解除され使用可能である状態を表すのに使用される。また携帯電話機は全機能制御信号を受信した際、このフラグのON/OFFの状態を見て全機能の停止/再開の設定の判断を行う。
【0043】
まずユーザが携帯電話機のメニュー項目から赤外線通信によるユーザ情報の送信を選択し、その後、赤外線受信処理を開始する(ST6−1)。そして通信制御信号を受信したら(ST6−11)、その時点で赤外線受信処理を終了させる(ST6−12)。次に現在の通信規制の状態を判定する(ST6−13)。携帯電話機の記憶装置で持っている通信規制中フラグがONであったら通信機能の規制を解除し(ST6−14)、通信規制中フラグをOFFする(ST6−15)。
【0044】
そして携帯電話機のLCD表示部に表示されている通信規制中を表す表示を消去する(ST6−16)。また、通信規制中フラグがOFFであったら通信機能の停止設定を行い(ST6−17)、通信規制中フラグをONする(ST6−18)。そして携帯電話機のLCD表示部に通信規制中を表す表示を点ける(ST6−19)。全機能制御信号を受信したら(ST6−20)、その時点で赤外線受信処理を終了させる(ST6−21)。
【0045】
次に現在の全機能規制の状態を判定する(ST6−22)。携帯電話機の記憶装置で持っている全機能規制中フラグがONであったら全機能の規制を解除し(ST6−23)、全機能規制中フラグをOFFする(ST6−24)。そして携帯電話機のLCD表示部に表示されている全機能規制中を表す表示を消去する(ST6−25)。
【0046】
また、全機能規制中フラグがOFFであったら全機能の停止設定を行い(ST6−26)、全機能規制中フラグをONする(ST6−27)。そして携帯電話機のLCD表示部に全機能規制中を表す表示を点ける(ST6−28)。ここで、LCD表示部の通信規制中及び全機能規制中を表す表示例を図7−2、7−3に示す。また、図7−4は各制御信号を全て受信した時の表示例である。
【0047】
また赤外線受信処理において、これらの制御信号以外の赤外線通信用の信号を受信した場合(ST6−29)は、通常の赤外線通信処理を行う(ST6−30)。受信処理は何らかの信号を受信するまで継続するが、何の信号も受信せず一定時間経過した場合は(ST6−31)、LCD表示部にタイムアウトのエラーメッセージを表示し(ST6−32)、処理を中断する。
【0048】
そして、各機能規制エリアの入口では、入場する際に、カメラ機能制御装置12との間の赤外線通信によりLCD表示部3に図7−2、7−3または図7−4に示す規制表示がなされた携帯電話機の入場は許可するが、規制表示されていないカメラ機能付携帯電話機については、受付で当該携帯電話機を預かったり、携帯電話機自体を持ち込み禁止する措置をとることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施形態において用いられるカメラ機能付携帯電話機の外観(正面)を示す図である。
【図2】図1に示すカメラ機能付携帯電話機の外観(背面)を示す図である。
【図3】図1に示すカメラ機能付携帯電話機の機能ブロック図である。
【図4】本実施形態のカメラ機能制御の動作を示す図である。
【図5】本実施形態のカメラ機能制御の処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施形態おける処理を示すフローチャートである。
【図7】各種規制表示のLCD表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 アンテナ
2 レシーバ
3 LCD表示部
4 キー入力部
5 マイク
6 カメラ
7 記憶装置
8 制御回路部
9 外部記憶装置
10 発光部
11 MS赤外線装置
12 カメラ機能制御装置
13 BS赤外線送受信部
14 管理データ
15 ログファイル
16 ユーザ情報
17 カメラ制御信号
20 携帯電話機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型無線端末に備えられている特定機能の使用を禁止するエリアの出入口に設置された特定機能制御装置と、該特定機能制御装置と近距離無線通信を行って該携帯型無線端末に内蔵されている前記特定機能の使用制御を行う携帯型無線端末とによって構成される携帯型無線端末の特定機能規制システムにおいて、
前記特定機能制御装置は、前記近距離無線通信により前記携帯型無線端末からユーザ情報信号を受信したとき、該携帯型無線端末に対して前記近距離無線通信により前記携帯型無線端末が備える前記特定機能の使用を制御するための制御信号を送信する制御信号送信手段を有しており、
前記携帯型無線端末は、前記特定機能制御装置に対して前記近距離無線通信によりユーザ情報信号を送信するとともに該ユーザ情報信号に対する応答信号として前記特定機能制御装置から送信された前記制御信号を受信する近距離無線通信手段と、該近距離無線通信手段により前記制御信号を受信したとき前記特定機能の使用を制御する特定機能使用制御手段と、該特定機能使用制御手段により前記特定機能の使用停止制御がなされているときに該特定機能使用不可状態を表示するとともに、前記ユーザ情報信号に対する応答信号が所定時間内に受信されなかったときエラーメッセージを表示する表示手段を有している
ことを特徴とする携帯型無線端末の特定機能規制システム。
【請求項2】
前記ユーザ情報信号には電話番号とユーザ名が含まれており、前記特定機能制御装置は、受信した前記ユーザ情報信号から抽出した電話番号とユーザ名を管理データとして登録するとともに前記抽出した電話番号とユーザ名が前記管理データとして登録されているときには該管理データから前記抽出した電話番号とユーザ名を削除する手段と、ユーザが入退場した日にちと時間を前記電話番号及びユーザ名とともにログファイルに蓄積する手段と、を有していることを特徴とする請求項1に記載の携帯型無線端末の特定機能規制システム。
【請求項3】
前記近距離無線通信手段は、赤外線を用いた通信手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯型無線端末の特定機能規制システム。
【請求項4】
前記携帯無線端末はカメラ機能付携帯電話機であり、前記特定機能は前記カメラ機能付携帯電話機によるカメラ撮影機能であり、前記特定機能制御装置はカメラ機能制御装置であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の携帯型無線端末の特定機能規制システム。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型無線端末の特定機能規制システムにおいて使用されるカメラ機能付携帯電話機であって、
前記カメラ機能制御装置に対して、前記近距離無線通信により当該カメラ機能付携帯電話機の電話番号とユーザ名を含むユーザ情報信号を送信するとともに、該ユーザ情報信号に対する応答信号として前記カメラ機能制御装置から送信されたカメラ制御信号を受信する近距離無線通信手段と、該近距離無線通信手段により前記カメラ制御信号を受信したときに内蔵カメラ機能の使用制限制御を行うカメラ規制制御手段と、該カメラ規制制御手段によるカメラ撮影不可状態を表示し、前記ユーザ情報信号に対する応答信号が所定時間内に受信されなかったときエラーメッセージを表示する表示手段を有していることを特徴とするカメラ機能付携帯電話機。
【請求項6】
請求項4に記載の携帯型無線端末の特定機能規制システムにおいて使用されるカメラ機能制御装置であって、
前記近距離無線通信により前記カメラ機能付携帯電話機から該携帯電話機の電話番号とユーザ名を含むユーザ情報信号を受信したとき、該携帯電話機に対して前記近距離無線通信により前記携帯電話機のカメラ機能を制限するカメラ制御信号を送信する制御信号送信手段と、受信した前記ユーザ情報信号から抽出した電話番号とユーザ名を管理データとして登録するとともに前記抽出した電話番号とユーザ名が前記管理データとして登録されているときには該管理データから前記抽出した電話番号とユーザ名を削除する手段と、ユーザが入退場した日にちと時間を前記電話番号及びユーザ名とともにログファイルに蓄積する手段と、を有していることを特徴とするカメラ機能制御装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2006−245811(P2006−245811A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56377(P2005−56377)
【出願日】平成17年3月1日(2005.3.1)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】