説明

カメラ用シャッタ

【課題】不安定な隙間を生じさせることなく、安定したシャッタ作動を行うことの出来るカメラ用シャッタを提供する。
【解決手段】シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、第一主動カム、第一主動カム爪、閉鎖部材、第二主動カム、第二主動カム爪、電磁石を備え、シャッタレリーズ作動に連動して制御される電磁石によって、第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに第一主動カム爪を作動して第一主動カムを釈放することにより露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に電磁石によって第二主動カム爪と第二主動カムとの係合を解除し、第二主動カムにより閉鎖部材が作動されて閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用シャッタの開閉機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来におけるカメラ用シャッタの開閉機構としては、例えば特開平5−210144号公報に記載されているものが知られている。当該特許公報に開示された技術内容によれば、図10に示すように、単一のモータmにより作動される駆動部材dと、モータmの正転により駆動部材dを介して閉鎖羽根cpを所定値に設定する絞り部材nと、閉鎖羽根cpを閉鎖位置へ作動する閉鎖部材cmと、開放方向に付勢されたシャッタ羽根sとを備え、駆動部材dは、絞り設定経過におけるモータmの逆転作動により、所定絞りを設定すると共にシャッタ羽根sを解放し、続くモータmの作動により閉鎖部材cmの係止を解いて閉鎖羽根cpを閉鎖させるように構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−210144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、単一のモータでモータ駆動シャッタの駆動制御と自動焦点調節とを行うもので、モータの正転により駆動部材を介して絞り羽根を作動しその逆転によって所定値に設定するとともに、シャッタ羽根を解放し、続くモータの作動により閉鎖部材の係止を解いて絞り羽根を閉鎖させるものである。
【0005】
しかしながら、単一のモータの正転と逆転とによって絞り値の設定とシャッタ羽根の開放作動とを行い、さらに絞り羽根の閉鎖作動を制御するため、それぞれの部品相互の隙間および各部品間の係合状態に基因する作動の不安定さが生じ易く、さらに故障の原因にもなる。
【0006】
また、これとは別にシャッタ羽根の開放作動の開始を第一の電磁石によって制御し、さらに絞り羽根の閉鎖作動を第二の電磁石によって制御する方法も考えられるが、構成が複雑になり作動の不安定さと故障を生じやすくなる恐れがある。
【0007】
本発明はこのような不安定な隙間を生じさせることなく、安定したシャッタ作動を行うことの出来るカメラ用シャッタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため請求項1に記載の発明は、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪の作動タイミングを制御する電磁石とを備え、シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成される。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、さらに前記第二主動カム爪のほかに、前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪を備え、シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成される。
【0010】
さらに、請求項3に記載の発明は、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、さらに前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーを備え、シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成される。
【0011】
さらに、請求項4に記載の発明は、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、さらに前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪と、前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーとを備え、シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記鉄片レバーが前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成される。
【0012】
さらに、別の実施態様として、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、前述の構成に加えて、露出羽根には二つのピンを植設し、一方のピンを固定部材に形成した長溝に嵌合させるとともに他方のピンを作動リングに形成した穴に嵌合するように構成し、シャッタ作動に際して作動リングが作動することによって他方のピンを移動させるとともに一方のピンが固定部材に形成した長溝に沿って作動することによって露出羽根を作動するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪の作動タイミングを制御する電磁石とを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明によれば、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
さらに、前記第二主動カム爪の他に、前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪を備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【0015】
つまり、第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪を備えることにより、第二主動カム爪に荷担される第一主動カムと第二主動カムとの負荷が、第二主動カム爪と第二主動カム補助爪とにそれぞれ分担されるので、第一主動カム爪を作動する際の荷重が軽減されるので、作動が円滑に成り好ましい構成となる。
【0016】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
さらに、前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【0017】
つまり、プランジャーによって作動される鉄片レバーを、マグネットと第二主動カム爪および第一主動カム爪との間に介在させて作動するように構成したので、直接作動させる場合に比べて設計上のスペースの自由度が増すことになり効率的な設計が可能になる。
【0018】
さらに、請求項4に記載の発明によれば、シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記第二主動カム爪の他に、前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪と、前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーとを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記鉄片レバーが前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【0019】
つまり、このような構成をとることによって、作動が円滑になって好ましいうえに、設計上のスペースの自由度が増すことにもなって効率的な設計が可能になるというメリットがある。
【0020】
さらに、別の実施態様として、露出羽根には二つのピンを植設し、一方のピンを固定部材に形成した長溝に嵌合させるとともに他方のピンを作動リングに形成した穴に嵌合するように構成し、
シャッタ作動に際して作動リングが作動することによって他方のピンを移動させるとともに一方のピンが固定部材に形成した長溝に沿って作動することによって露出羽根を作動するように構成したカメラ用シャッタを提供できる。
【0021】
即ち、高速度で作動する露出羽根にはピンが形成され、これと摺動する面は固定部材である極めて厚い材料で構成されるから、従来の構成に比べると極めて大きな断面に摩擦熱がこの接触点に加わることになり、磨耗の発生が極めて軽減されシャッタの耐久性能が極度に向上させられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施例における構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明の一実施例における主要部の全体位置を表す平面図を示す。
【図3】本発明の一実施例における主要部を拡大したチャージ状態の説明図である。
【図4】本発明の一実施例における図3の状態からレリーズ作動直後の平面図を示す。
【図5】本発明の一実施例における露出羽根の全開状態の平面図を示す。
【図6】本発明の一実施例における閉鎖作動開始直後の状態の平面図を示す。
【図7】本発明の一実施例における露出作動終了状態を示す主要部平面図である。
【図8】本発明の一実施例における閉鎖羽根が形成する絞り形状の平面図である。
【図9】本発明の他の実施例における一部を変更した全体位置を表す平面図を示す。
【図10】従来例の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係るカメラ用シャッタの好適な実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明に係るカメラ用シャッタの開閉機構の実施形態の構成について、図1乃至図9を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各図面に示すカメラ用シャッタの開閉機構は、レンズシャッタに適用した場合の実施形態を示している。
【0024】
このカメラ用シャッタの開閉機構は、図1に示すように後群レンズLB(図示省略)を取り付ける外枠1と前群レンズLF(図示省略)を取り付ける地板2を結合した形態で構成される。そして、両者の間には露出羽根4と閉鎖羽根5との作動空間を仕切るための羽根押え板3が介在し、上側には露出羽根4、下側には閉鎖羽根5がそれぞれ組み込まれている。露出羽根4および閉鎖羽根5はそれぞれ五枚で構成されており、シャッタ開口6の周囲に配置されてシャッタ開口6の開閉作動を制御する。
【0025】
図2は、地板2の上面側に配置された本発明の開閉機構の主要部平面図を示している。地板2の中央にはレンズを通過する光線が通過するシャッタ開口6が形成され、露出羽根4および閉鎖羽根5によってこのシャッタ開口6の開閉作動がなされる。なお、図2においては説明図を簡略化するため、露出羽根4および閉鎖羽根5はそれぞれ一枚だけ示し他の羽根を省略してある。
【0026】
ここで図1に戻って、作動リング7を地板2に取り付けるためにリング押え板Lが地板2に固定され、閉鎖リング8を外枠3に取り付けるために閉鎖リング押え板Kが外枠に固定されている。リング押え板Lは、作動リング7と露出羽根4との作動時における干渉を防止し、また閉鎖リング押え板Kは、閉鎖リング8と閉鎖羽根5との作動時における干渉を防止する。
【0027】
露出羽根4にはピン4a、4bが植設されており、ピン4aがリング押え板Lの長溝Laに嵌合され、作動ピン4bが作動リング7に形成した穴7aに嵌合されている。また、作動リング7には作動ピン7bが植設され、シャッタ開口6の周りを回動可能に取り付けられている。
【0028】
一方、閉鎖羽根5は絞り口径を規制する機能を有し、閉鎖羽根5にはピン5a、5bが植設されており、ピン5aが閉鎖リング押え板Kの長溝Kaに嵌合され、作動ピン5bが閉鎖リング8に形成した穴8aに嵌合されている。また、閉鎖部材としての機能を有する閉鎖リング8には、作動ピン8b、8cが植設され、図示しないばねにより右旋回力が付勢されてシャッタ開口6の周りを回動可能に取り付けられている。作動ピン8cは絞りレバー9の一方の腕9aに係合し、作動ピン8bは第三主動カム10の溝に係合する。
【0029】
絞りレバー9は、軸9bの周りを回動自在に地板2に取り付けられており、他方の腕9cに植設されたピン9dが公知の方法で適正絞り値を設定するように構成されている。つまり、マニュアル設定によって図示しないが公知のカムなどの部材を作動させてピン9dの位置を設定したり、明るさを検出して自動的に適正絞り値を選択する機構によってピン9dの位置を設定したりする方法が考えられる。このような設定によって、一方の腕9aが作動ピン8cを介して閉鎖リング8を所定の絞り値に対応させた位置へ設定する。
【0030】
第三主動カム10は、軸10aによって地板2に回動自在に取り付けられており、閉鎖リング8の作動ピン8bを挟む溝10bが形成された腕10cと作動腕10dとで構成されている。なお、第三主動カム10は、作動ピン8bを挟む溝10bによって作動位置が規制され、常時右旋回力を付勢されている。これは絞りレバー9のピン9dが変位される位置に対応して、閉鎖リング8の作動ピン8bが図示しないばねにより、シャッタ開口6の周りに右旋回力が付勢されて変位しているからである。
【0031】
次に、シャッタの開閉作動を行う駆動部の構成について説明する。第一主動カム11は、軸11aにより回動自在に地板2に取り付けられ、作動リング7のピン7bに嵌合する溝11bおよび曲げ部11cが形成されるとともに、図示しないばねにより右旋回力を付勢されている。さらに、係合面としての右端面11dと左端面11eとが形成され、上方に突出したチャージピン11fが植設されている。
【0032】
また、第二主動カム12は、第一主動カム11と同軸11a上で回動自在に取り付けられ、図示しないばねにより右旋回力を付勢されており、ピン12aが第一主動カム11の右端面11dに当接してチャージ状態にあり、曲げ部12bが形成されている。
【0033】
第一主動カム爪13は、軸13aにより回動自在に地板2に取り付けられ、係止部13bと操作腕13cとが形成されるとともに、図示しないばねにより左旋回力が付勢されている。そして、チャージ状態においては、係止部13bが第一主動カム11の曲げ部11cに係合することによって第一主動カム11の右方向回動を阻止している。
【0034】
第二主動カム爪14は、軸14aにより回動自在に地板2に取り付けられ、係止部14bと操作腕14cとが形成されるとともに、図示しないばねにより右旋回力が付勢されている。また、第二主動カム補助爪15は軸14aにより回動自在に地板2に取り付けられ、図示しないばねにより右旋回力を付勢されており、係止部15aが曲げ部12bに係合して第二主動カム12を、図2および図3に示したチャージ状態に保持している。さらに、第二主動カム補助爪15には、曲げ部15bと第一主動カム11の左端面11eに係合する曲げ部15cとが形成されている。しかも、作動開始前のチャージ状態では第二主動カム爪14は、係止部14bが第二主動カム12の曲げ部12bに係合しない退避状態にあり、鉄片レバー16による作動開始に伴って係合位置へ変位するように構成されている。つまり、第二主動カム補助爪15aにより第二主動カム12の曲げ部12bが係止されているから、第二主動カム爪14の係止部14bは、曲げ部12bとの間に僅かな隙間が確保されるように構成されている。
【0035】
鉄片レバー16は、軸16aにより回動自在に地板2に取り付けられており、第二主動カム爪14の操作腕14cおよび第一主動カム爪13の操作腕13cに係合する曲げ部16b、さらにマグネットMのプランジャーPに形成された溝Paに嵌合するピン16cが形成されている。
【0036】
ここで、マグネットMは、公知の電子制御回路(図示しない)に接続されており、シャッタの露出時間を制御すべく通電されることにより、プランジャーPをマグネットM側へ吸引させ、さらには離反するように作動する。プランジャーPがこのように作動することによって、溝Paに嵌合するピン16cを作動して鉄片レバー16を左回動方向と右回動方向とに順次作動させる。
【0037】
次に、シャッタ機構をチャージするための構成について説明する(図2および図8参照)。地板2に取り付けられた駆動モータDが、シャッタ巻上げ電子回路(図示しない)によって作動されると、歯車輪列Rによって駆動モータDの回転が順次減速される。そして、歯車輪列Rの最終段の歯車Rnに植設されたピンNで支持されたセット板17が、歯車Rnの回転に従って往復揺動される。
【0038】
その結果、セット板17の他端に形成された溝17aに嵌合するチャージピン11fを、図5に示す作動終了位置から軸11aの周りに左旋回させ、第一主動カム11を図2に示すチャージ状態に移行する。なお、歯車輪列Rの最終段の歯車Rnは、駆動モータDによる一回のチャージ作動に対してほぼ一回転するように歯車輪列Rによって減速される。
【0039】
なお、銀塩フィルムを結像面に配置したフィルムカメラの場合には、露出羽根4がシャッタ開口6を閉鎖した後に、閉鎖羽根5が開放するように構成しなければならないが、CCDやCMOSなどのセンサーを結像面に配置したデジタルカメラの場合にはそのような配慮は必要ない。つまり、画像信号としてセンサーから取り出す作動は、後述するように露出終了信号に基づいて行われるのが一般的であり、且つそれで実用上十分だからである。
【0040】
また、セット板17の他端に形成された溝17aは、先端方向に長く伸びているのでシャッタ作動に際してチャージピン11fが所定の作動範囲を移動しても、第一主動カム11の作動を阻害することがないように構成されている。
【0041】
次に、このように構成されたカメラ用シャッタの開閉機構の作動方法を、以下詳細に説明する。図2に示す状態からシャッタ作動開始のため、公知の電子制御回路に接続されたマグネットMに通電されると、マグネットMに生じる磁界によってプランジャーPをマグネットM側へ吸引するように作動する。この作動によってプランジャーPの溝Paに嵌合したピン16cが作動され、鉄片レバー16が軸16aの周りに左旋回されて、曲げ部16bに追従して第二主動カム爪14の操作腕14cが右回動方向へ作動し、それに伴って係止部14bが第二主動カム12の曲げ部12bを係止する位置へ変位する。
【0042】
続く鉄片レバー16の左旋回によって、曲げ部16bが第一主動カム爪13の操作腕13cに作用して、第一主動カム爪13を軸13aの周りに右旋回させて、係止部13bによる第一主動カム11の曲げ部11cの係止を解除する(図4参照)。この作動によって第一主動カム11が右旋回して溝11bに嵌合するピン7bを作動し、作動リング7を光軸の周りに左旋回させて露出羽根4を開放作動させる。
【0043】
第一主動カム11が右旋回し、作動の終期に左端面11eによって第二主動カム補助爪15の曲げ部15cを押して、係止部15aによる第二主動カム12の曲げ部12bの係止を解除する(図5参照)。また、第一主動カム11は、右旋回の終期に図示しないが公知の閃光同調スィッチを作動して閃光撮影を可能にする。この閃光同調スィッチ作動は、露出羽根4が全開した直後に閃光発光させる場合に利用される。
【0044】
一方、曲げ部12bが既に第二主動カム爪14の係止部14Bによって係止されているので、第二主動カム12は右旋回することなく略図示位置に留まる。
【0045】
シャッタの露出時間を制御すべく所定時間が経過し、マグネットMへ逆方向の通電がなされることにより、プランジャーPが元の位置へ急速に変位して溝Paにより鉄片レバー16のピン16cを作動する。鉄片レバー16は軸16aの周りに右旋回して、曲げ部16bによって操作腕14cに係合し、第二主動カム爪14を軸14aの周りに左旋回させる。第二主動カム爪14は、この作動によって曲げ部12bが、係止部14bによる係止を解除され(図6参照)、第二主動カム12が右旋回を始め、ピン12aが作動腕10dに作用して、第三主動カム10を軸10aの周りに左旋回させる。
【0046】
第三主動カム10は、左旋回することによって腕10cに形成された溝10bが作動ピン8bを挟んで、閉鎖リング8を光軸周りに左旋回させ、所定の絞り口径を形成している閉鎖羽根5を閉鎖して露出作動を終了する。図7はこの状態を示している。
【0047】
なお、第三主動カム10が作動開始するのとほぼ同時に、図示しないが公知の第二閃光同調スィッチを作動して閃光撮影を可能にできる。この閃光同調スィッチ作動は、閉鎖羽根5が閉鎖作動を開始する直前に閃光発光させる場合に利用される。
【0048】
ここで、前述の第一主動カム11が右旋回の終期に閃光同調スィッチを作動させる場合と、第三主動カム10が作動開始するとほぼ同時に第二の閃光同調スィッチを作動させる場合とを選択することによって、それぞれ異なる閃光発光の効果を得るようにすることが出来る。
【0049】
以上の作動で一回のシャッタ作動が完了するが、この終了信号に基づいて駆動モータDが作動を開始すると、歯車輪列Rによって歯車Rnが旋回されて、セット板17によってチャージピン11fが、図5に示す位置から右方向へ変位され、第一主動カム11、第二主動カム12、第三作動カム10がそれぞれ図2に示すチャージ位置へ変位される。
【0050】
また、上記シャッタ作動が完了すると同時に、この作動完了信号に基づいてセンサーに蓄積された画像信号が画像処理回路に転送されて静止画像として保存処理される。
【0051】
上記構成において、露出羽根4にはピン4a、4bが植設されており、ピン4aがリング押え板Lの長溝Laに嵌合され、作動ピン4bが作動リング7に形成した穴7aに嵌合されている。また、閉鎖羽根5にはピン5a、5bが植設されており、ピン5aが閉鎖リング押え板Kの長溝Kaに嵌合され、作動ピン5bが閉鎖リング8に形成した穴8aに嵌合されている。
【0052】
このような構成は従来シャッタの構成とは異なり、本発明において採用された新規な構成であって、シャッタの作動耐久性能を向上させる面から極めて有効な構成である。
【0053】
つまり、高速度で作動する従来のシャッタ羽根においては、薄板で形成された羽根に丸穴と長溝とを形成し、この丸穴と長溝とに作動ピンおよび固定ピンを嵌合させて作動するように構成されていた。そのために、丸穴と作動ピンおよび長溝と固定ピンとの摺動によって羽根に生じる磨耗が極めて激しく、耐久性能の劣化が激しかった。即ち、薄板で形成された羽根の丸穴と長溝とが、それぞれ極めて薄い板の断面でピンと接触する構成であるから、摩擦熱が集中してこの接触点に加わることになっていた。
【0054】
これに対して上記本発明の構成では、薄板で構成された露出羽根4にはピン4a、4bが植設されており、露出羽根4に比べて極めて厚い材料で構成されたリング押え板Lの長溝Laにピン4aが嵌合され、同様に作動リング7に形成した穴7aに作動ピン4bが嵌合されている。即ち、高速度で作動する露出羽根4には二つのピンが植設され、これと摺動する面は極めて厚い材料で構成されているから、従来の構成に比べると極めて大きな断面積を占めるこの接触部に摩擦熱が加わることになり、磨耗の発生が極めて軽減されシャッタの耐久性能が極度に向上させられる。また、作動リング7と閉鎖羽根5との関係においても同様の構成であるからその効果も同様に顕著なものが見られる。
【0055】
ここで上記説明において、リング押え板Lが作動リング7と露出羽根4との作動時における干渉を防止し、また閉鎖リング押え板Kが閉鎖リング8と閉鎖羽根5との作動時における干渉を防止する効果を有する。この干渉を防止する効果を有する機能が、リング押え板Lおよび閉鎖リング押え板Kを、地板2または外枠1に直接ねじ止めまたはバヨネット取り付けなどによって構成されるならば、リング押え板Lおよび閉鎖リング押え板Kを省略できる。そしてその場合には、長溝La、Kaは地板2または外枠3などに形成されることになる。さらに、作動リング側に穴を形成し固定部に長溝を形成した実施形態を示したが、これに限定されることなく作動リング側に長溝を形成し固定部に穴を形成しても本発明を実施できる。
【0056】
以上、本発明の技術思想の具現化に係わる実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜実施形態を変更して実施することができる。
【0057】
例えば、上記実施形態における鉄片レバー16を削除することによって、プランジャーPが第二主動カム爪14の操作腕14cおよび第一主動カム爪13の操作腕13cを直接作動するように構成することが可能である。この場合には上記説明におけるプランジャーPの作動方向が、上記の場合とは逆になることは容易に理解できるであろう。
【0058】
また、第三主動カム10は、単なる方向変換手段であって発明の必須の構成要件ではない。即ち、閉鎖リング8に植設した作動ピン8bを第二主動カム12の近傍に配置して、直接第二主動カム12によって作動するように構成することによって同一の作用効果を得ることが出来る。
【0059】
さらに、マグネットMに対する通電によって、プランジャーPをマグネットMに吸引させた後に、非通電にすることによって再び復帰させるように構成すること、或はマグネットMには互いに巻き方向が逆になるように二つのコイルを巻装し、この二つのコイルに順次通電することによって、プランジャーPを往復作動させるように構成することも出来る。また、プランジャーPまたはマグネットMの一部に永久磁石を介在させるように構成して、コイルへの通電によって両者が相互に吸引または離反するように制御する方法も適用できる。
【0060】
また、図9に示すように、上記実施形態における第二主動カム補助爪15を削除することによって、第二主動カム爪14が直接第二主動カム12の係止と解除とを制御するように構成することが可能である。即ち、第二主動カム補助爪15を削除した場合においても、第一主動カム11の右端面11dによって第二主動カム12のピン12dが図3に示す位置にあり、鉄片レバー16の作動に伴って第二主動カム爪14の係止部14bは、曲げ部12bを係止する位置へ変位可能である。従って、その後の作動は上記の場合と同様に行うことが出来る。
【符号の説明】
【0061】
1……外枠
2……地板
3……羽根押え板
4……露出羽根
5……閉鎖羽根
6……シャッタ開口
7……作動リング
8……閉鎖リング(閉鎖部材)
9……絞りレバー
10……第三主動カム
11……第一主動カム
12……第二主動カム
13……第一主動カム爪
14……第二主動カム爪
15……第二主動カム補助爪
16……鉄片レバー
17……セット板
M……マグネット
P……プランジャー
D……駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪の作動タイミングを制御する電磁石とを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したことを特徴とするカメラ用シャッタ。
【請求項2】
シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪ならびに前記第二主動カム補助爪の作動タイミングを制御する電磁石とを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したことを特徴とするカメラ用シャッタ。
【請求項3】
シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪の作動タイミングを制御する電磁石と、前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーとを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて、前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したことを特徴とするカメラ用シャッタ。
【請求項4】
シャッタ作動の開始前に所定の絞り値に閉鎖羽根の開口位置を設定し、露出羽根によってシャッタの露出作動を開始するとともに閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するカメラ用シャッタにおいて、
前記露出羽根を作動する第一主動カムと、前記第一主動カムをセット位置に係止する第一主動カム爪と、前記閉鎖羽根を開口閉鎖位置へ作動する閉鎖部材と、前期閉鎖部材を作動して前記閉鎖羽根を閉鎖位置へ変位させる第二主動カムと、前記第二主動カムをセット位置に係止する第二主動カム爪と、前記第二主動カム爪と相前後して逆方向に作動される第二主動カム補助爪と、前記第一主動カム爪および前記第二主動カム爪ならびに前記第二主動カム補助爪の作動タイミングを制御する電磁石と、前記電磁石により吸引または離反位置を制御される鉄片レバーとを備え、
シャッタレリーズ作動に連動して制御される前記電磁石によって、前記鉄片レバーが前記第二主動カム爪を退避位置から係止位置へ変位させるとともに前記第一主動カム爪を作動して前記第一主動カムを釈放することにより前記露出羽根を作動させて露出作動を開始し、さらに第二主動カム補助爪を係止位置から退避位置へ変位させて前記第二主動カムを前記第二主動カム爪に係止せしめ、所定時間の経過後に前記電磁石によって前記鉄片レバーが作動されて前記第二主動カム爪と前記第二主動カムとの係合を解除し、前記第二主動カムにより前記閉鎖部材が作動されて前記閉鎖羽根を閉鎖位置に変位させて露出作動を終了するように構成したことを特徴とするカメラ用シャッタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−150405(P2012−150405A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−10915(P2011−10915)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【出願人】(506321355)マミヤ・デジタル・イメージング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】