説明

カメラ用フォーカルプレンシャッタ

【課題】撮影時に駆動部材を回転させる駆動ばねの付勢力を、その駆動部材自身の制動にも積極的に作用させるようにしたカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供すること。
【解決手段】撮影時に先羽根用駆動ばね7の付勢力によって回転させられる先羽根用駆動部材6は、その回転の終了段階において、駆動ピン6eが、取付け軸1fに取り付けらたコイルばね21の付勢力と、同じく取付け軸1fに取り付けられた板ばね19などからなる摩擦付与手段の摩擦抵抗力に抗して、第1ブレーキ部材15を反時計方向へ回転させ、第2ブレーキ部材13を時計方向へ回転させることによって制動されるが、このときには、先羽根用駆動ばね7の腕部が、第1ブレーキ部材15の被押動部15cに接触するようになり、第1ブレーキ部材15の反時計方向への回転を抑制するので、先羽根用駆動部材6に対する制動力が、より大きく且つより確実に作用するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ用フォーカルプレンシャッタに関する。
【背景技術】
【0002】
最近のカメラ用フォーカルプレンシャッタには、一つのシャッタ羽根を備えたものと、先羽根,後羽根などといわれている二つのシャッタ羽根を備えたものが知られているが、いずれの場合も、各々のシャッタ羽根の基本構成は同じであって、一端をシャッタ地板に枢着された二つ(三つの場合も稀にはある)のアームと、それらの他端(自由端)に向けて、連結軸部材を介して順に枢支された複数枚(1枚の場合も稀にはある)の羽根とからなっている。また、各シャッタ羽根は、各々の駆動部材によって露光開口の開閉作動をさせられるが、その駆動部材は、シャッタ地板に往復回転可能に取り付けられていて、駆動ピンをシャッタ羽根のアームの一つに連結させており、撮影時には、駆動ばねの付勢力によって一方方向へ回転させられるように構成されているのが普通である。
【0003】
また、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの中には、先羽根用の駆動部材と後羽根用の駆動部材とを一つずつ備えているもののほか、下記の特許文献1に記載されているように、先羽根用の駆動部材の方だけを、同軸上に回転可能に取り付けられた二つの駆動部材で構成し、それらのうちの第1の駆動部材には上記の駆動ピンを設け、第2の駆動部材には上記の駆動ばねを掛けることによって、露光作動時には、第2の駆動部材が、駆動ばねの付勢力によって回転させられるとき、第1の駆動部材を押して回転させるようにしたものも知られている。
【0004】
更に、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの中には、下記の特許文献2に記載されているように、後羽根用の駆動部材の方だけを、同軸上に回転可能に取り付けられた二つの駆動部材で構成するようにし、それらのうちの第1の駆動部材には上記の駆動ピンを設け、第2の駆動部材には上記の駆動ばねを掛けることによって、露光作動時には、第2の駆動部材が、駆動ばねの付勢力によって回転させられるとき、第1の駆動部材を押して回転させるようにしたものも知られている。
【0005】
ところで、これらのフォーカルプレンシャッタのシャッタ羽根は、撮影時には、極めて高速で作動させられ、その作動終了時には、ストッパに当接して停止させられる。そのため、何も対策を講じていないと、ストッパに当接したときの衝撃で、シャッタ羽根が破壊されたり、大きくバウンドしたりしてしまう。そして、大きくバウンドすると、露光開口を開くように作動したシャッタ羽根の場合には、一時的に露光開口の一部を覆ってしまうし、露光開口を閉じるように作動したシャッタ羽根の場合には、一時的に露光開口の一部を開いてしまうという不都合が生じる。そこで、これまでにも、撮影時におけるシャッタ羽根の作動を、その終了直前段階で直接又は間接に制動するために、各種の制動方法を講じたり、その作動停止時における衝撃を緩和するために、ストッパにゴム製の緩衝部材を取り付けたりしている。
【0006】
また、制動方法としては、大別して、制動手段を駆動部材に直接接触させて制動する方法と、アームと羽根を連結している連結軸に直接接触させて制動する方法と、羽根に直接接触させて制動する方法とがあって、それらを単独で使用したり併用したりしているが、それらの制動方法のうち、駆動部材を直接制動するようにした一般的な構成として、シャッタ地板に、ブレーキ部材を回転可能に取り付けておき、撮影時における作動終了直前の段階において、そのブレーキ部材に対して上記の駆動ピンを当接させ、摩擦付与手段(板ばねや摩擦板など)によって与えられる摩擦力に抗して、ブレーキ部材を回転させるようにしたものがある。
【0007】
下記の特許文献3には、そのようなブレーキ部材を一つだけ備えた構成の一例が記載されており、また、下記の特許文献4には、特許文献3に記載の構成に加えて、ブレーキ部材にコイルばねを掛けるようにした構成の一例が記載されているが、摩擦付与手段を設けずにコイルばねを掛けるだけであっても制動効果を得ることはできる。そして、この種の構成は、上記のような一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタにも、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタにも採用することができるし、また、特許文献1、2に記載されているフォーカルプレンシャッタのように、先羽根用駆動部材又は後羽根用駆動部材を二つの駆動部材で構成するようにしたものにも採用することが可能である。
【0008】
更に、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタに採用する場合には、特許文献4に記載されているように、二つのシャッタ羽根の各々の駆動部材に対してこの種のブレーキ機構を採用することもあるし、一方のシャッタ羽根に対しては、上記したようなその他の種類の一つ又は複数の制動手段だけを採用し、他方のシャッタ羽根の駆動部材に対してだけ、この種のブレーキ機構を採用することもある。本発明は、このように、駆動部材の駆動ピンによって回転させられるブレーキ部材を少なくとも一つ有したブレーキ機構を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタに関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2007−298544号公報
【特許文献2】特開2001−305605号公報
【特許文献3】実公平6−24826号公報
【特許文献4】特開2010−8647号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、最近では、撮影時におけるシャッタ羽根の作動速度が非常に高速化してきているうえに、デジタルカメラの普及により撮影回数が格段に増えている。しかも、連写を行う回数や、一回の連写における撮影枚数も多くなって、フォーカルプレンシャッタの使用条件が非常に過酷になっている。そのため、特許文献3,4に記載されているような種類のブレーキ機構を備えているフォーカルプレンシャッタの場合には、これまで以上に大きな制動力が得られ、しかも、過酷な使用条件に対しても確実に性能を維持し続けるブレーキ機構の出現が要求されている。
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、撮影時に駆動部材を回転させるための強力な駆動ばねの付勢力を、その駆動部材自身の制動にも積極的に作用させるようにした、簡単な構成であるにもかかわらず大きな制動力が得られて耐久性にも極めて優れたブレーキ機構を備えているカメラ用フォーカルプレンシャッタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、露光開口の開閉作動を行う一つ又は二つのシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根に連結させた駆動ピンを有していてシャッタ地板に対して回転可能に取り付けられており往復回転によって前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる一つ又は二つの駆動部材と、コイルばねであって一方の腕部を前記駆動部材のばね掛け部に掛けておりセット作動時には前記駆動部材が一方へ回転することによって緊張させられ撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を他方へ回転させる一つ又は二つの駆動ばねと、前記一つの駆動部材に対して設けられているか前記二つの駆動部材のうちの少なくとも一方の駆動部材に対して設けられていて該駆動部材の前記他方への回転をその終了直前の段階で制動するブレーキ機構と、を備えており、前記ブレーキ機構は、第1被押動部と第2被押動部と第3被押動部とを有していて前記シャッタ地板に立設された取付け軸に対して回転可能に取り付けられておりセット状態においては該第1被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり前記駆動部材の前記他方への回転の最終段階においては一方では該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて初期位置から回転させられると共に他方では前記駆動ばねの前記腕部が該第2被押動部に接触して押され上記の初期位置からの回転に抗する力を与えられセット作動時には該第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧と該第2被押動部に対する前記腕部の押圧とを解かれるブレーキ部材と、少なくとも1枚の板ばねを有していて前記取付け軸に取り付けられており前記ブレーキ部材の回転に対して摩擦抵抗力を与える摩擦付与手段と、を備えていて、前記ブレーキ部材は、セット作動時においては前記第3被押動部を前記駆動ピン又は前記駆動部材に設けられた押動部に押されて初期位置へ復帰させられるようにする。
【0013】
また、上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用フォーカルプレンシャッタは、露光開口の開閉作動を行う一つ又は二つのシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根に連結させた駆動ピンを有していてシャッタ地板に対して回転可能に取り付けられており往復回転によって前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる一つ又は二つの駆動部材と、コイルばねであって一方の腕部を前記駆動部材のばね掛け部に掛けておりセット作動時には前記駆動部材が一方へ回転することによって緊張させられ撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を他方へ回転させる一つ又は二つの駆動ばねと、前記一つの駆動部材に対して設けられているか前記二つの駆動部材のうちの少なくとも一方の駆動部材に対して設けられていて該駆動部材の前記他方への回転をその終了直前の段階で制動するブレーキ機構と、を備えており、前記ブレーキ機構は、第1被押動部と第2被押動部とを有していて前記シャッタ地板に立設された取付け軸に対して回転可能に取り付けられておりセット状態においては該第1被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり前記駆動部材の前記他方への回転の最終段階においては一方では該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて初期位置から回転させられると共に他方では前記駆動ばねの前記腕部が該第2被押動部に接触して押され上記の初期位置からの回転に抗する力を与えられセット作動時には該第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧と該第2被押動部に対する前記腕部の押圧とを解かれるブレーキ部材と、前記ブレーキ部材に掛けられていて前記ブレーキ部材が初期位置から回転させられるときには緊張させられ前記第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧が解かれたときにはその付勢力によって前記ブレーキ部材を初期位置へ復帰させるブレーキ部材用コイルばねと、を備えているようにする。
【0014】
また、そのように前記ブレーキ機構に前記ブレーキ部材用コイルばねを備えている場合には、そのほかに、前記取付け軸には、少なくとも1枚の板ばねを有していて前記ブレーキ部材の回転に対して摩擦抵抗力を与える摩擦付与手段が取り付けられているようにすると、ブレーキ部材用コイルばねだけを備えている場合よりも駆動部材に対する制動力が大きくなる。
【0015】
また、上記の各カメラ用フォーカルプレンシャッタが前記取付け軸に前記ブレーキ部材と前記摩擦付与手段を取り付けている場合は、前記取付け軸には、第1被押動部と第2被押動部とを有している補助ブレーキ部材が回転可能に取り付けられており、該補助ブレーキ部材は、前記ブレーキ部材と共に前記摩擦付与手段によって摩擦抵抗力を与えられていて、セット状態においては、該第1被押動部を前記駆動部材の駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり、撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて回転され、セット作動時には該第2被押動部を前記駆動部材に設けた押動部又は前記駆動ピンに押され初期位置へ復帰させられるようにすると、前記ブレーキ部材と前記摩擦付与手段だけを備えている場合よりも駆動部材に対する制動力が大きくなる。
【0016】
また、前記取付け軸に前記ブレーキ部材が取り付けられている場合には、前記取付け軸に前記摩擦付与手段が取り付けられている場合であっても、取り付けられていない場合であっても、被押動部を有していて前記取付け軸に回転可能に取り付けられており前記ブレーキ部材と共に前記摩擦付与手段によって該回転に対して摩擦抵抗力を与えられていてセット状態においては該被押動部を前記駆動部材の駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において該被押動部を前記駆動ピンに押されて回転させられる補助ブレーキ部材と、前記補助ブレーキ部材に掛けられていて前記補助ブレーキ部材が初期位置から回転させられるときには緊張させられ前記被押動部に対する前記駆動ピンの押圧が解かれたときにはその付勢力によって前記補助ブレーキ部材を初期位置へ復帰させる補助ブレーキ部材用コイルばねと、を備えているようにすると、駆動部材に対する制動力が、さらに大きくなる。
【0017】
その場合、前記ブレーキ部材用コイルばねと前記補助ブレーキ部材用コイルばねとが、前記取付け軸に巻回された一つのコイルばねで構成されていて、一方の腕部を前記ブレーキ部材に掛け、他方の腕部を前記補助ブレーキ部材に掛けており、前記ブレーキ部材と前記補助ブレーキ部材とは、撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において前記駆動ピンに押されて各々の初期位置から前記一つのコイルばねの付勢力に抗して相反する方向へ回転させられ、セット作動時には前記一つのコイルばねの付勢力によって各々の初期位置へ復帰させられるようにすると、ブレーキ機構の配置スペース上からも、コスト上からも有利なものになる。
【0018】
更に、上記の各カメラ用フォーカルプレンシャッタは、前記二つの駆動部材のうちの一方の駆動部材が、前記シャッタ地板の同一軸上に回転可能に取り付けられた第1駆動部材と第2駆動部材との二つで構成されており、該第1駆動部材は前記駆動ピンを有していて、該第2駆動部材はそのばね掛け部に前記駆動ばねの前記腕部を掛けており、撮影時には、該第2駆動部材が前記駆動ばねの付勢力により該第1駆動部材を押して前記他方へ回転させるように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、シャッタ羽根に連結している駆動ピンを有していて、撮影時には駆動ばねの付勢力によって直接又は間接に回転させられる駆動部材が、その回転の最終段階において、駆動ピンにより、シャッタ地板に回転可能に取り付けられているブレーキ部材を、板ばね等の摩擦付与手段の摩擦抵抗力及び/又はコイルばねの付勢力に抗して回転させることによって、制動させられるようにした従来のブレーキ機構において、撮影時における駆動部材の最終回転段階で駆動ピンがブレーキ部材を押して回転させるときには、駆動部材を回転させている駆動ばねの付勢力が、そのようなブレーキ部材の回転を積極的に抑制するようにしたものであるから、簡単な構成でありながら大きな制動力が得られ、且つ従来の耐用撮影回数を大きく超えても、その性能を確実に維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】セット状態を示した実施例全体の平面図である。
【図2】図1の状態における先羽根駆動系だけを拡大して示した平面図である。
【図3】図2の左上側から見て示した斜視図である。
【図4】図2の左側から見てブレーキ機構の取付け構成を示した断面図である。
【図5】実施例の第1ブレーキ部材と第2ブレーキ部材を示した単品図であり、(a)は第1ブレーキ部材の平面図であり、(b)は第2ブレーキ部材の平面図である。
【図6】撮影時における先羽根用駆動部材の作動終了段階で、駆動ピンが第1ブレーキ部材に当接したときの状態を示した実施例の部分平面図である。
【図7】撮影時における先羽根用駆動部材の作動終了状態を示した実施例の部分平面図である。
【図8】露光作動終了直後の状態を示した実施例全体の平面図である。
【図9】先羽根用駆動部材のセット作動開始直後の状態を示した実施例の部分平面図である。
【図10】先羽根用駆動部材のセット作動の後半の状態を示した実施例の部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態を、図示した実施例で説明する。尚、実施例は、先羽根,後羽根といわれている二つのシャッタ羽根を先羽根用駆動部材と後羽根用駆動部材とによって開閉作動させるようにしたフォーカルプレンシャッタにおいて、本発明を、先羽根用の駆動系にだけ適用したものであるが、特許文献4にも記載されている態様のように、本発明は、後羽根用駆動系にも適用できるものである。また、実施例を挙げて説明するまでもなく、本発明は、一つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタにも適用することができるし、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタの場合であっても、特許文献1に記載されているように、先羽根用駆動部材を二つの駆動部材で構成しているものや、特許文献2に記載されているように、後羽根用駆動部材を二つの駆動部材で構成しているものにも適用することができるものである。
【0022】
更に、周知のように、フォーカルプレンシャッタの中には、撮影時に駆動ばねの付勢力によって回転させられる駆動部材を、その作動開始直前の状態で保持しておく構成の違いによって、特許文献1に記載されているようなダイレクトタイプと言われているものと、特許文献2〜4に記載されているような係止タイプと言われているものとがある。本発明は、それらのいずれのタイプのものにも適用することができるが、実施例は、係止タイプのフォーカルプレンシャッタとして構成したものである。
【実施例】
【0023】
先ず、図1〜図5を用いて、本実施例の構成を説明する。尚、それらのうち、図1〜図3は、セット状態、即ち撮影待機状態を示したものであって、図1は、本実施例の全体を示した平面図であり、図2は、図1に示されている先羽根駆動系だけを拡大して示した平面図であり、図3は、図2の左上側から見て示した斜視図である。また、図4は、図2の左側から見て、ブレーキ機構の取付け構成を示した断面図である。更に、図5は、本実施例の第1ブレーキ部材と第2ブレーキ部材、即ち本発明におけるブレーキ部材と補助ブレーキ部材の一例を示した単品図であって、図5(a)は第1ブレーキ部材、図5(b)は第2ブレーキ部材を示した平面図である。
【0024】
図1において、シャッタ地板1には、その略中央部に長方形を横長にした開口部1aが形成されている。また、シャッタ地板1の背面側には、所定の間隔を空けて、中間板2と補助地板3が順に取り付けられているが、それらの取付け構成は周知であって本発明とは直接関係がないので、図1においては、シャッタ地板1の一部を破断し、且つ中間板2の一部も破断することによって、それらの存在が分かるように示してある。また、本実施例のフォーカルプレンシャッタをデジタルカメラに組み込む場合、シャッタ地板1を撮像装置側にして組み付けても、補助地板3を撮像装置側にして組み付けても構わないが、以下の説明では、後者の場合として説明する。従って、図1の手前側は被写体側ということになる。
【0025】
また、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板2との間に先羽根の羽根室を構成し、中間板2と補助地板3との間に後羽根の羽根室を構成しているが、シャッタ地板1と中間板2との間を後羽根の羽根室とし、中間板2と補助地板3との間を先羽根の羽根室にしても差し支えない。そして、中間板2と補助地板3にも、開口部1aと類似の形状の開口部が、開口部1aと重なるようにして形成されている。通常は、本実施例のようなフォーカルプレンシャッタが一眼レフカメラに採用される場合などには、それらの三つの開口部のうちの複数によって露光開口を形成していることが多い。しかし、本実施例の場合には、開口部1aだけで露光開口を形成している。
【0026】
図1において、開口部1aの左側の領域には、円弧状の二つの長孔1b,1cが形成されており、それらの上端部には、平面形状が略C字状をしている周知のゴム製の緩衝部材4,5が取り付けられている。本実施例の場合には、後述の二つの駆動部材6,8が、撮影時においては反時計方向へ回転し、後述の二つのシャッタ羽根に、図1の下方から上方へ作動させるようにしているため、緩衝部材4,5は、長孔1b,1cの上端部に取り付けられている。しかしながら、二つのシャッタ羽根に、上方から下方へ作動させるようにした場合には、これらの緩衝部材4,5は、長孔1b,1cの下端部に取り付けられることになる。
【0027】
シャッタ地板1の被写体側の面には、軸1d,1eと、ブレーキ機構取付け用の取付け軸1f(図2,図4参照)と、柱1gとが立設されているほか、円筒形をしたストッパ1hが立設されている。このほかにも、シャッタ地板1の被写体側の面には、周知のセット部材を回転可能に取り付けるための軸や、周知の電磁石などを取り付けるための支持板を、シャッタ地板1と平行にして取り付けるための複数の柱が立設されているが、それらは、本発明とは直接関係がないので、図示を省略してある。但し、上記の柱1gは、そのような支持板を取り付けるための柱の一つであるが、本実施例の説明には必要であるため記載されている。
【0028】
また、シャッタ地板1の背面、即ち撮像装置側の面には、軸1i,1jが立設されている。更に、図示が困難なので示されていないが、シャッタ地板1の背面には、上記の軸1d,1eと同心上に、二つの軸が立設されている。そして、軸1dの同心上にある軸と上記の軸1iは、後述する先羽根(撮影時に露光開口の開き作動を行うシャッタ羽根)を取り付けるためのものであり、軸1eの同心上にある軸と上記の軸1jとは、後述する後羽根(撮影時に露光開口の閉じ作動を行うシャッタ羽根)を取り付けるためのものである。
【0029】
シャッタ地板1に立設されている上記の軸1dには、合成樹脂製の先羽根用駆動部材6が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材6は、被係止部6aと筒部6bとを有しているほか、被写体側には、ローラ6cとばね掛け部6dが設けられ、シャッタ地板1側には、駆動ピン6eとローラー6fが設けられていて、軸1dに対して筒部6bを回転可能に嵌合させている。また、駆動ピン6eは、長孔1bを貫通していて、羽根室内で、後述する先羽根に連結しているが、図3においては、その一部だけを破線で示しており、先端側の図示は省略してある。
【0030】
この先羽根用駆動部材6の筒部6bには、コイルばねである先羽根用駆動ばね7のコイル部が緩く嵌装されている。そして、この先羽根用駆動ばね7は、一方の腕部を、図示していない周知の付勢力調整部材(通常、ラチェット部材など言われていて、上記の図示していない支持板に取り付けられている)に掛け、他方の腕部を上記の先羽根用駆動部材6のばね掛け部6dに掛けていて、先羽根用駆動部材6を反時計方向へ回転させるように付勢している。
【0031】
シャッタ地板1に立設されている上記の軸1eには、合成樹脂製の後羽根用駆動部材8が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材8は、被係止部8aと、筒部8bと、孔形状のばね掛け部8cとを有しているほか、被写体側には、ローラ8dが設けられ、シャッタ地板1側には、駆動ピン8eが設けられていて、軸1eに対して筒部8bを回転可能に嵌合させている。そして、駆動ピン8eは、長孔1cを貫通しており、羽根室内で、後述する後羽根に連結している。
【0032】
後羽根用駆動部材8の筒部8bには、コイルばねである後羽根用駆動ばね9のコイル部が緩く嵌装されている。そして、この後羽根用駆動ばね9は、一方の腕部を、図示していない周知の付勢力調整部材に掛け、他方の腕部を上記のばね掛け部8cに掛けており、後羽根用駆動部材8を反時計方向へ回転させるように付勢している。
【0033】
シャッタ地板1に立設されている上記の取付け軸1fには、複数の部材からなるブレーキ機構が取り付けられており、その先端に取り付けられたカバープレート10は、シャッタ地板1に立設された上記の柱1gにも取り付けられている。即ち、柱1gは長さ方向の略中間にリング状の段差面を有していて、先端側の直径が小さくなっている。そのため、カバープレート10は、一端に形成された孔を、柱1gの先端側からその段差面まで嵌め込んでおいて、他端に形成された孔を、取付け軸1fの先端に形成されたねじ孔に合わせ、ねじ11によって螺着されている。そして、このカバープレート10には、折曲部10aが形成されており、取付け軸1fへの取り付け状態においては、折曲部10aの先端は、シャッタ地板1に近接するようになっている。
【0034】
図4に示されているように、取付け軸1fには、シャッタ地板1側から順に、ワッシャ12、第2ブレーキ部材13、ワッシャ14、第1ブレーキ部材15、ワッシャ16、3枚の板ばね17,18,19、スリーブ部材20が取り付けられている。それらのうち、三つのワッシャ12,14,16は、薄い合成樹脂製であって、それらの円形の孔を、取付け軸1fの直径の大きな軸部に回転可能に嵌合させている。
【0035】
ワッシャ12の次に取付け軸1fに取り付けられていて、本発明の補助ブレーキ部材に相当する第2ブレーキ部材13は金属製であり、図5(b)に示されているように、孔13aと、当接部13bと、ばね掛け部13cと、二つの被押動部13d,13eとを有していて、孔13aを、取付け軸1fの直径の大きな軸部に回転可能に嵌合させている。そして、当接部13bは、第2ブレーキ部材13が反時計方向へ回転させられたとき、上記のカバープレート10の折曲部10aに当接する部位であり、ばね掛け部13cは、後述するコイルばね21の一端を掛ける部位である。また、被押動部13dは、撮影時に先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eによって押される部位であり、被押動部13eは、セット作動時に先羽根用駆動部材6のローラ6fによって押される部位である。
【0036】
また、ワッシャ14の次に取付け軸1fに取り付けられていて、本発明のブレーキ部材に相当する第1ブレーキ部材15も金属製であり、図5(a)に示されているように、孔15aと、三つの被押動部15b,15c,15dとを有していて、孔15aを、取付け軸1fの直径の大きな軸部に回転可能に嵌合させている。そして、被押動部15bは、撮影時に先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eによって押される部位であり、被押動部15dは、セット作動時に先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eによって押される部位である。また、折曲部として形成されている被押動部15cは、撮影時における先羽根用駆動部材6の回転の最終段階で、先羽根用駆動ばね7の腕部によって押される部位であるが、シャッタ地板1に設けられている上記のストッパ1hに当接する当接部の役目と、後述するコイルばね21の他端を掛けるばね掛け部の役目もしている。
【0037】
3枚の板ばね17,18,19は、直接重ねられて、取付け軸1fの直径の大きな軸部に取り付けられている。明示していないが、これらの板ばね17,18,19は、いずれも同じ形状であって、鍵穴状の欠損部を有する略U字形の平面形状に形成されており、二つの開脚端が上記のカバープレート10の折曲部10aを挟持し、欠損部の一番奥に180度よりも大きな角度範囲で不完全な円形形状(略C状)に形成された嵌合部を、取付け軸1fに回転可能に嵌合させている。そのため、上記のカバープレート10の折曲部10aは、上記のように、第2ブレーキ部材13のストッパの役目をしていると同時に、このような平面形状をした板ばね17,18,19の回り止めの役目もしている。
【0038】
スリーブ部材20は、中央部に形成された孔を、取付け軸1fの直径の小さな軸部に対して回転可能に嵌合させ、板ばね19に接触させられており、その上から、上記のようにして、カバープレート10がねじ11によって取り付けられている。そして、ねじ11を締めると、取付け軸1fの直径の大きな軸部に取り付けられている上記の各部材12〜19間の接触圧が大きくなり、ねじ11を緩めると、それらの各部材12〜19間の接触圧が小さくなる。そのため、本実施例の場合には、製作時において、ねじ11の締め込み具合を調節することによって、二つのブレーキ部材13,15の回転に対する摩擦抵抗力を調整し得るようになっている。
【0039】
本実施例においては、スリーブ部材20の周囲にコイルばね21が巻回されており、その一方の腕部を上記の第2ブレーキ部材13のばね掛け部13cに掛け、他方の腕部を上記の第1ブレーキ部材15の被押動部15cに掛けている。そのため、図1及び図2においては、このコイルばね21の付勢力によって、第2ブレーキ部材13は、反時計方向へ回転させられ、その当接部13bを、カバープレート10の折曲部10aに当接させており、第1ブレーキ部材15は、時計方向へ回転させられ、その被押動部15cを、シャッタ地板1のストッパ1hに当接させている。尚、図3においては、このコイルばね21の図示が省略されている。
【0040】
尚、本実施例においては、先羽根用駆動部材6に対しては、このような構成のブレーキ機構を備えているが、後羽根用駆動部材8に対しては、同じようなブレーキ機構を備えていない。その理由は、後羽根系については、後羽根に対して、図示していない周知の制動手段が複数講じられていることを前提にしているからである。しかしながら、特許文献4に記載されている実施例のように、後羽根用駆動部材8に対してブレーキ機構を備えても差し支えなく、その場合のブレーキ機構は、上記のような本実施例の構成と同じであっても、異なるものであっても差し支えない。また、本発明のフォーカルプレンシャッタのブレーキ機構は、本実施例のように、先羽根用駆動部材6に対して備えることを必須とせず、後羽根用駆動部材8に対してだけ備えるようにしてもよい。
【0041】
最後に、図1を用いて、シャッタ地板1の背面側に配置されている先羽根と後羽根の構成を説明する。但し、それらの構成は、周知の構成であるため、簡単に説明することにする。先ず、先羽根は、軸1dと同心上に設けられている図示していない軸に対して一端を枢着されたアーム22と、軸1iに対して一端を枢着されたアーム23と、それらのアーム22,23の両方に対してそれらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根24,25,26とで構成されており、それらのアーム22,23の最も先端に枢支されている羽根26をスリット形成羽根としている。また、周知のように、アーム22には孔が形成されていて、上記の先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、その孔に嵌合している。
【0042】
他方、後羽根は、先羽根と同じ構成をしているが、先羽根を裏返した状態にして配置されている。そして、その後羽根は、軸1eと同心上に設けられている図示していない軸に対して一端を枢着されたアーム27と、軸1jに対して一端を枢着されたアーム28と、それらのアーム27,28の両方に対してそれらの先端に向けて順に枢支された3枚の羽根29,30,31とで構成されており、それらのアーム27,28の最も先端に枢支されている羽根31をスリット形成羽根としている。また、周知のように、アーム27には孔が形成されていて、上記の後羽根用駆動部材8の駆動ピン8eが、その孔に嵌合している。
【0043】
次に、このように構成されている本実施例の作動を説明する。図1は、シャッタのセット状態、即ち撮影待機状態を示したものである。そのため、先羽根用駆動部材6は、図示していない先羽根用係止部材によって被係止部6aを係止され、先羽根用駆動ばね7の付勢力による反時計方向の回転を阻止されている。そして、このとき、先羽根の3枚の羽根24〜26は展開され、開口部1aを覆っている。
【0044】
また、このとき、図2に示されているように、二つのブレーキ部材13,15は、コイルばね21によって相反する方向へ回転するように付勢されているが、第1ブレーキ部材15はその被押動部15cをストッパ1hに当接させることにより、また、第2ブレーキ部材13はその当接部13bをカバープレート10の折曲部10aに当接させることによって、それらの回転を阻止され、それぞれの被押動部13d,15bを、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eの作動軌跡内に臨ませている。二つのブレーキ部材13,15にとっては、この図2に示されている位置が初期位置である。
【0045】
他方、後羽根用駆動部材8は、図示していない後羽根用係止部材によって被係止部8aを係止され、後羽根用駆動ばね9の付勢力による反時計方向への回転を阻止されている。そして、このとき、後羽根の3枚の羽根29〜31は重畳され、開口部1aの下方位置に格納されている。
【0046】
撮影に際して、カメラのレリーズボタンが押されると、周知のように、図示していない先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に通電され、図示していない先羽根用係止解除部材に取り付けられた鉄片部材と後羽根用係止解除部材に取り付けられた鉄片部材が吸着保持される。そして、その直後には、最初に先羽根用電磁石の通電が断たれ、所定時間後には後羽根用電磁石の通電が断たれるため、先羽根用係止解除部材と後羽根用係止解除部材は、夫々のばねの付勢力によって順に作動を開始し、上記の図示していない先羽根用係止部材と後羽根用係止部材を順に回転させ、先羽根用駆動部材6と後羽根用駆動部材8に対する係止を解く。
【0047】
そこで先ず、先に係止を解かれた先羽根用駆動部材6は、先羽根用駆動ばね7の強力な付勢力によって反時計方向へ回転させられ、駆動ピン6eによってアーム22を反時計方向へ回転させる。そのため、先羽根の3枚の羽根24〜26は、隣接する羽根同士の重なりを大きくしながら上方へ移動してゆき、開口部1aを下方から開いていく。他方、先羽根用駆動部材6よりも遅れて係止を解かれた後羽根用駆動部材8は、後羽根用駆動ばね9の強力な付勢力によって反時計方向へ回転させられ、駆動ピン8eによってアーム27を反時計方向へ回転させる。そのため、後羽根の3枚の羽根29〜31は、隣接する羽根同士の重なりを小さくしながら上方へ移動してゆき、開口部1aを下方から閉じていく。そして、その後は、先羽根のスリット形成羽根26と後羽根のスリット形成羽根31との間に形成されたスリットにより撮像面を露光させていくことになる。
【0048】
このようにして、露光作動が行われてゆき、その終了段階になると、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、二つのブレーキ部材13,15の被押動部13d,15bに当接する。その場合、駆動ピン6eは、第2ブレーキ部材13の被押動部13dに当接してから第1ブレーキ部材15の被押動部15bに当接するようにしてもよいし、両方の被押動部13d,15bに同時に当接するようにしてもよいが、本実施例の場合には、第1ブレーキ部材15の被押動部15bに当接してから第2ブレーキ部材13の被押動部13dに当接するように構成されている。そして、駆動ピン6eが、先ず、第1ブレーキ部材15の被押動部15bに当接した瞬間の状態が、図6に示されている。尚、図6の場合には、図2に示されていたカバープレート10の図示が省略されているが、このことは、以下の図6,図7,図9,図10においても同じである。
【0049】
そこで先ず、図6に示されているように、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、第1ブレーキ部材15の被押動部15bに当接すると、第1ブレーキ部材15は反時計方向へ回転させられる。そのとき、第1ブレーキ部材15は、取付け軸1hに嵌合されている板ばね17〜19等からなる摩擦付与手段によって与えられている摩擦抵抗力と、コイルばね21によって与えられている付勢力とに抗して回転させられるので、それらの力が、先羽根用駆動部材6の制動力として作用することになる。
【0050】
また、このようにして第1ブレーキ部材15を反時計方向へ回転させ始めた直後には、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、第2ブレーキ部材13の被押動部13dに当接して、第2ブレーキ部材13を時計方向へ回転させる。そのときにも、第2ブレーキ部材13は、板ばね17〜19等の摩擦付与手段によって与えられている摩擦抵抗力と、コイルばね21によって与えられている付勢力とに抗して回転させられることになるので、上記の第1ブレーキ部材15の回転に起因する制動力と共に、それらの力が制動力として先羽根用駆動部材6に作用することになる。
【0051】
更に、本実施例の場合には、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、第2ブレーキ部材13の被押動部13dに当接するのと相前後して、先羽根用駆動部材6のばね掛け部6dに掛けている先羽根用駆動ばね7の腕部が、第1ブレーキ部材15の被押動部15cに当接する。そのため、それ以後は、先羽根用駆動ばね7の付勢力が、第1ブレーキ部材15を時計方向へ回転させるように作用し、第1ブレーキ部材15の反時計方向への回転を抑制するので、第1ブレーキ部材15を介しての先羽根用駆動部材6の回転に対する制動力が一段と大きくなる。尚、本実施例の場合には、先羽根用駆動ばね7の腕部は、このようなタイミングで、第1ブレーキ部材15の被押動部15cに当接するが、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが第1ブレーキ部材15の被押動部15bに当接するのと相前後して、第1ブレーキ部材15の被押動部15cに当接するようにしてもよい。
【0052】
このように、先羽根用駆動部材6は、二つのブレーキ部材13,15を介して、摩擦付与手段と、コイルばね21と、先羽根用駆動ばね7とによって好適に制動を受けながら回転し、駆動ピン2bが長孔1bの上端に取り付けられている緩衝部材4に当接することによって、衝撃を吸収され且つバウンドを抑制されて停止する。そのため、停止時の衝撃により、先羽根が破壊されてしまうことがないし、大きくバウンドして、スリット形成羽根26が一時的に開口部1aの一部を閉じてしまうようなことがない。図7は、そのようにして停止した状態を示したものであるが、このとき、先羽根の3枚の羽根24〜26は重畳され、開口部1aの上方位置に格納されている。
【0053】
尚、本実施例は、このような構成によって好適に制動が行えるものであるが、本発明は、あくまでも、ブレーキ部材を介して行う駆動部材の制動に、その駆動部材を回転させる駆動ばねの付勢力を積極的に関与させ、従来よりも大きな制動力を得ることを可能にし、しかも、従来の耐用撮影回数より多く撮影しても、その性能を確実に維持できるようにすることである。そのため、各々のシャッタの設計仕様に応じて、そのようなにすることが可能であるならば、本発明の構成は、本実施例の構成に限定されるものではない。
【0054】
即ち、本発明のブレーキ機構は、本実施例における第1ブレーキ部材15と、摩擦付与手段とを備えているだけにし、第2ブレーキ部材13と、コイルばね21とを備えていない構成にしてもよい。また、第1ブレーキ部材15と、その第1ブレーキ部材15だけを回転方向へ付勢する第1コイルばねとを備えているだけにし、第2ブレーキ部材13と、摩擦付与手段とを備えていない構成にしてもよい。但し、後者の構成においては、第1コイルばねのほかに、摩擦付与手段を備えているようにしてもよく、そのようにすると、制動力をより大きくすることが可能になる。
【0055】
また、上記の各構成の中で、摩擦付与手段を備えている構成の場合には、制動力をより大きくするために、第1ブレーキ部材15のほかに、本実施例のような第2ブレーキ部材13を追加的に備えるようにしてもよい。更に、第2ブレーキ部材13を備える場合には、摩擦付与手段を備えている場合であっても、備えていない場合であっても、その第2ブレーキ部材13だけを回転方向へ付勢するための第2コイルばねを備えるようにしてもよい。そして、そのようにして、上記の第1コイルばねを備えているうえに第2コイルばねも備える場合には、第1コイルばねと第2コイルばねとを、本実施例のコイルばね21のように、一つのコイルばねにすることがコスト上で有利になる。従って、本実施例の構成は、本発明の各構成の中でも、低コストで最も大きな制動力を得ることを可能にした構成であるといえる。
【0056】
上記のようにして、先羽根用駆動部材6の回転が好適に停止した後、後羽根用駆動部材8が、図示していない他の適宜な制動手段に制動されつつ、その駆動ピン8eを緩衝部材5に当接させて、好適に停止させられる。そのため、その当接によって生じる衝撃で、後羽根が破壊されてしまうようなことがないし、大きくバウンドして、スリット形成羽根31が一時的に開口部1aの一部を開いてしまうようなことがない。図8は、そのようにして、後羽根用駆動部材8も停止したときの状態を示したものであり、このとき、後羽根の3枚の羽根29〜31は展開され、開口部1aを完全に覆っている。尚、この図8においては、図1において記載されていたカバープレート10の全体形状の図示が省略されている。
【0057】
このようにして露光作動が終了すると、図示していない周知のセット部材によってセット作動が開始されるが、そのセット作動は、銀塩フィルムカメラの場合には、直ちに開始され、デジタルカメラの場合には、撮像情報を記憶装置に記憶させてから開始される。そして、本実施例の場合、その図示していないセット部材は、先羽根用駆動部材6と後羽根用駆動部材8との略中間位置よりも開口部1a側に寄った位置において、シャッタ地板1に対して回転可能に取り付けられており、カメラ本体側の部材が、セット部材に掛けられた復帰ばねの付勢力に抗して、初期位置からセット部材を反時計方向へ回転させることによって、セット作動が行われるように構成されている。
【0058】
そこで、そのように構成されている図示していないセット部材が、図8の状態において、反時計方向への回転を開始させられると、先ず、セット部材の押動部がローラ6cを押して、先羽根用駆動部材6を、先羽根用駆動ばね7の付勢力に抗して時計方向へ回転させ始める。また、それによって、開口部1aの上方位置に格納されていた先羽根の3枚の羽根24〜26は、隣接する羽根同士の重なり量を少なくしながら、スリット形成羽根26を先頭にして、下方へ作動を開始する。
【0059】
そのため、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eは、図7の状態から、第1ブレーキ部材15の被押動部15bと、第2ブレーキ部材13の被押動部13dから離れる方向へ移動していくことになり、それらの被押動部15b,13dに対する押圧を解いていく。他方、先羽根用駆動ばね7は、ばね掛け部6dに掛けている腕部が第1ブレーキ部材15の被押動部15cから離れる方向へ移動してゆき、被押動部15cに対する押圧を解いていく。そのため、第1ブレーキ部材15は、コイルばね21の付勢力によって時計方向へ回転させられ、第2ブレーキ部材13は、コイルばね21の付勢力によって反時計方向へ回転させられるようになる。図9は、そのようにして二つのブレーキ部材13,15が図7の状態から回転を開始した直後の状態を示したものである。
【0060】
先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、このような図9の状態になった段階では、先羽根のスリット形成羽根26は、後羽根のスリット形成羽根31との重なり量が所定量に達している。そして、この段階になると、図示していないセット部材は、ローラ8dを押して、後羽根用駆動部材8を、後羽根用駆動ばね9の付勢力に抗して時計方向へ回転させ始めることになるため、それまで、開口部1aを覆っていた後羽根の3枚の羽根29〜31は、隣接する羽根同士の重なり量を大きくしながら、図8の状態から下方へ作動し始める。従って、それ以後は、先羽根用駆動部材6と後羽根用駆動部材8とは、共に時計方向への回転を続けることになる。
【0061】
図10は、そのようにして、先羽根用駆動部材6が、セット作動行程の半分以上を回転したときの状態を示したものである。このとき、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eは、二つのブレーキ部材13,15の被押動部13d,15bから大きく離れており、先羽根用駆動ばね7の腕部も、第1ブレーキ部材15の被押動部15cから大きく離れている。また、このとき、二つのブレーキ部材13,15は、コイルばね21の付勢力により、摩擦付与手段の摩擦抵抗力に打ち勝って回転している。そのため、この図10の状態においては、第1ブレーキ部材15は、その被押動部15cがストッパ1hに当接することによって時計方向への回転を停止させられ、第2ブレーキ部材13は、その当接部13bが折曲部10aに当接することによって反時計方向への回転を停止させられ、いずれも、それらの初期位置へ復帰させられている。
【0062】
ところが、既に説明したように、製作時において、ねじ11の締め具合を変えることによって、摩擦付与手段による摩擦抵抗力を好適に調整しておいたとても、長期にわたるカメラの使用中においては、湿気やゴミの付着等が原因で、駆動ピン6eの方が図10の状態に達しているにもかかわらず、二つのブレーキ部材13,15の少なくとも一方が、図9に示した正規の停止位置、即ちそれらにとっての初期位置に達しておらず、回転の途中で停止しているような事態の発生することが考えられる。
【0063】
そこで、本実施例の場合には、そのような事態が発生する可能性のあることを想定し、そのような事態が発生したときには、先羽根用駆動部材6の駆動ピン6eが、例えば図7の状態のままになっている第1ブレーキ部材15の被押動部15dを突き押し、また、先羽根用駆動部材6のローラ6fが、例えば図7の状態のままになっている第2ブレーキ部材13の被押動部13eを突き押すことによって、それ以後は、コイルばね21の付勢力によって、図10に示された正規の停止位置まで回転し得るようにしている。従って、上記のような事態が発生することを想定する必要がないときは、本実施例のように、二つのブレーキ部材13,15に被押動部13e,15dを設ける必要はないし、先羽根用駆動部材6にローラ6fを設ける必要もないことになる。
【0064】
尚、本実施例は、このような構成をしているが、既に説明したように、本発明においては、本実施例におけるコイルばね21を備えることを必須としていない。そのため、本発明の構成が、本実施例の第1ブレーキ部材15に相当するブレーキ部材と、そのブレーキ部材の回転に摩擦抵抗力を与える摩擦付与手段とを備えているが、そのブレーキ部材を回転方向へ付勢するコイルばねと、本実施例の第2ブレーキ部材13に相当する補助ブレーキ部材とを備えていない構成の場合には、セット作動時には、そのブレーキ部材は、本実施例の駆動ピン6eに相当する駆動ピンによって押されるか、特許文献3に記載されている復帰ピン(2b)のような、駆動部材に設けられた押動部によって押されるようにして、初期位置まで回転させられるようにする必要がある。
【0065】
また、そのような構成に加えて、さらに、本実施例の第2ブレーキ部材13に相当する補助ブレーキ部材を備えるようにした場合にも、その補助ブレーキ部材を、セット作動時に、初期位置へ復帰させる必要があるが、その補助ブレーキ部材を回転方向へ付勢するコイルばねを備えていない場合には、上記のブレーキ部材の場合と同様に、駆動部材の駆動ピンによって復帰させるようにするか、駆動部材に設けられた押動部によって復帰させるようにする必要がある。しかし、そのような構成にする場合には、上記のブレーキ部材が駆動ピンによって押されるようにしたときは、補助ブレーキ部材は、本実施例のローラ6fに相当する押動部で押されるように構成するのが好ましい。
【0066】
このようにして、セット作動が続けられてゆき、後羽根の3枚の羽根29〜31が重畳されて開口部1aの下方位置に格納され、先羽根の3枚の羽根24〜26が展開されて開口部1aを覆った状態になると、先羽根用駆動部材6の被係止部6aと、後羽根用駆動部材8の被係止部8aとが、図示していない夫々の係止部材によって係止可能状態になる。他方、このようなセット作動時において、セット部材は、上記した図示していない周知の先羽根用係止解除部材に取り付けられた鉄片部材と後羽根用係止解除部材に取り付けられた鉄片部材とを、先羽根用電磁石と後羽根用電磁石に対して接触させ、次の撮影に際してそれらの電磁石に吸着保持されるまで、他の部材によって、その接触状態を維持し得るようにさせる。
【0067】
そして、そのような状態になると、それまでセット部材を反時計方向へ回転させていた図示していないカメラ本体側の部材による押圧力が解かれるので、セット部材は、復帰ばねの付勢力によって時計方向へ逆転させられ、初期位置へ復帰する。そのため、先羽根用駆動部材6と後羽根用駆動部材8は、セット部材の逆転に追従して、先羽根用駆動ばね7と後羽根用駆動ばね9の付勢力によって、僅かではあるが時計方向へ回転し、被係止部6a,8aを夫々の係止部材に係止されることによって停止させられる。このようにして、セット作動の終了した状態が、図1に示されたセット状態、即ち次の撮影の待機状態である。
【0068】
尚、本実施例は、二つのシャッタ羽根を備えたフォーカルプレンシャッタであって、先羽根用駆動部材6に対してだけ、本発明における典型的なブレーキ機構を備えるようにしたものであるが、本実施例において、先羽根用駆動部材6と、先羽根用駆動ばね7と、先羽根とを取り外してしまい、後羽根用駆動部材8に対してブレーキ機構を備えるようにすると、本発明の実施態様の一つである、一つのシャッタ羽根を備えた係止タイプのフォーカルプレンシャッタが得られることになる。
【符号の説明】
【0069】
1 シャッタ地板
1a 開口部
1b,1c 長孔
1d,1e,1i,1j 軸
1f 取付け軸
1g 柱
1h ストッパ
2 中間板
3 補助地板
4,5 緩衝部材
6 先羽根用駆動部材
6a,8a 被係止部
6b,8b 筒部
6c,6f,8d ローラ
6d,8c,13c ばね掛け部
6e,8e 駆動ピン
7 先羽根用駆動ばね
8 後羽根用駆動部材
9 後羽根用駆動ばね
10 カバープレート
10a 折曲部
11 ねじ
12,14,16 ワッシャ
13 第2ブレーキ部材
13a,15a 孔
13b 当接部
13d,13e,15b,15c,15d 被押動部
15 第1ブレーキ部材
17,18,19 板ばね
20 スリーブ部材
21 コイルばね
22,23,27,28 アーム
24,25,26,29,30,31 羽根

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光開口の開閉作動を行う一つ又は二つのシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根に連結させた駆動ピンを有していてシャッタ地板に対して回転可能に取り付けられており往復回転によって前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる一つ又は二つの駆動部材と、コイルばねであって一方の腕部を前記駆動部材のばね掛け部に掛けておりセット作動時には前記駆動部材が一方へ回転することによって緊張させられ撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を他方へ回転させる一つ又は二つの駆動ばねと、前記一つの駆動部材に対して設けられているか前記二つの駆動部材のうちの少なくとも一方の駆動部材に対して設けられていて該駆動部材の前記他方への回転をその終了直前の段階で制動するブレーキ機構と、を備えており、前記ブレーキ機構は、第1被押動部と第2被押動部と第3被押動部とを有していて前記シャッタ地板に立設された取付け軸に対して回転可能に取り付けられておりセット状態においては該第1被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり前記駆動部材の前記他方への回転の最終段階においては一方では該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて初期位置から回転させられると共に他方では前記駆動ばねの前記腕部が該第2被押動部に接触して押され上記の初期位置からの回転に抗する力を与えられセット作動時には該第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧と該第2被押動部に対する前記腕部の押圧とを解かれるブレーキ部材と、少なくとも1枚の板ばねを有していて前記取付け軸に取り付けられており前記ブレーキ部材の回転に対して摩擦抵抗力を与える摩擦付与手段と、を備えていて、前記ブレーキ部材は、セット作動時においては前記第3被押動部を前記駆動ピン又は前記駆動部材に設けられた押動部に押されて初期位置へ復帰させられるようにしたことを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項2】
露光開口の開閉作動を行う一つ又は二つのシャッタ羽根と、前記シャッタ羽根に連結させた駆動ピンを有していてシャッタ地板に対して回転可能に取り付けられており往復回転によって前記シャッタ羽根に開閉作動を行わせる一つ又は二つの駆動部材と、コイルばねであって一方の腕部を前記駆動部材のばね掛け部に掛けておりセット作動時には前記駆動部材が一方へ回転することによって緊張させられ撮影時にはその付勢力によって前記駆動部材を他方へ回転させる一つ又は二つの駆動ばねと、前記一つの駆動部材に対して設けられているか前記二つの駆動部材のうちの少なくとも一方の駆動部材に対して設けられていて該駆動部材の前記他方への回転をその終了直前の段階で制動するブレーキ機構と、を備えており、前記ブレーキ機構は、第1被押動部と第2被押動部とを有していて前記シャッタ地板に立設された取付け軸に対して回転可能に取り付けられておりセット状態においては該第1被押動部を前記駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり前記駆動部材の前記他方への回転の最終段階においては一方では該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて初期位置から回転させられると共に他方では前記駆動ばねの前記腕部が該第2被押動部に接触して押され上記の初期位置からの回転に抗する力を与えられセット作動時には該第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧と該第2被押動部に対する前記腕部の押圧とを解かれるブレーキ部材と、前記ブレーキ部材に掛けられていて前記ブレーキ部材が初期位置から回転させられるときには緊張させられ前記第1被押動部に対する前記駆動ピンの押圧が解かれたときにはその付勢力によって前記ブレーキ部材を初期位置へ復帰させるブレーキ部材用コイルばねと、を備えていることを特徴とするカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項3】
前記取付け軸には、少なくとも1枚の板ばねを有していて前記ブレーキ部材の回転に対して摩擦抵抗力を与える摩擦付与手段が取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項4】
前記取付け軸には、第1被押動部と第2被押動部とを有している補助ブレーキ部材が回転可能に取り付けられており、該補助ブレーキ部材は、前記ブレーキ部材と共に前記摩擦付与手段によって摩擦抵抗力を与えられていて、セット状態においては、該第1被押動部を前記駆動部材の駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり、撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において該第1被押動部を前記駆動ピンに押されて回転され、セット作動時には該第2被押動部を前記駆動部材に設けた押動部又は前記駆動ピンに押され初期位置へ復帰させられるようにしたことを特徴とする請求項1又は3に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項5】
被押動部を有していて前記取付け軸に回転可能に取り付けられており前記ブレーキ部材と共に前記摩擦付与手段によって該回転に対して摩擦抵抗力を与えられていてセット状態においては該被押動部を前記駆動部材の駆動ピンの作動軌跡内に臨ませた初期位置にあり撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において該被押動部を前記駆動ピンに押されて回転させられる補助ブレーキ部材と、前記補助ブレーキ部材に掛けられていて前記補助ブレーキ部材が初期位置から回転させられるときには緊張させられ前記被押動部に対する前記駆動ピンの押圧が解かれたときにはその付勢力によって前記補助ブレーキ部材を初期位置へ復帰させる補助ブレーキ部材用コイルばねと、を備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項6】
前記ブレーキ部材用コイルばねと前記補助ブレーキ部材用コイルばねとが、前記取付け軸に巻回された一つのコイルばねで構成されていて、一方の腕部を前記ブレーキ部材に掛け、他方の腕部を前記補助ブレーキ部材に掛けており、前記ブレーキ部材と前記補助ブレーキ部材とは、撮影時には前記駆動部材の回転最終段階において前記駆動ピンに押されて各々の初期位置から前記一つのコイルばねの付勢力に抗して相反する方向へ回転させられ、セット作動時には前記一つのコイルばねの付勢力によって各々の初期位置へ復帰させられるようにしたことを特徴とする請求項5に記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。
【請求項7】
前記二つの駆動部材のうちの一方の駆動部材が、前記シャッタ地板の同一軸上に回転可能に取り付けられた第1駆動部材と第2駆動部材との二つで構成されており、該第1駆動部材は前記駆動ピンを有していて、該第2駆動部材はそのばね掛け部に前記駆動ばねの前記腕部を掛けており、撮影時には、該第2駆動部材が前記駆動ばねの付勢力により該第1駆動部材を押して前記他方へ回転させるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のカメラ用フォーカルプレンシャッタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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