説明

カメラ装置用の遮蔽体、カメラ取付部材、車両周辺撮像装置及び車両周辺撮像装置用遮蔽体

【課題】迷光を防止し得るカメラ取付部材を提供すること。
【解決手段】カメラ取付部材40は、鍔状の取付孔係止部42と第1遮蔽部44と係合片46とを備えている。取付孔係止部42がバンパーの取付孔の周縁部にその外面側より係止した状態で、係合片46がカメラ装置30側の被係合突部34に係合することで、カメラ装置30がバンパーに取付けられる。取付孔係止部42の中央部には、カメラ装置30の撮像レンズ部32の前端部を外部に臨ませるための撮像用開口部42hが形成されている。第1遮蔽部44は、撮像用開口部42hの上部を覆うように、撮像用開口部42hの周縁部に一体形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載されるカメラ装置等に適用される技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CCDカメラ等のカメラ装置を自動車のバンパーの4隅等に取付けて、自動車の死角を撮像し、撮像された画像を車室内の表示装置に表示させる技術がある。
【0003】
また、このようなカメラ装置について、CCD素子等の撮像素子の中心とレンズの中心とをずらして光軸をシフトさせ、視野方向を変えたり、故意にケラレをつけることが提案されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように光軸をシフトさせて、カメラ装置の視野方向を下方に傾けて使用した場合には、カメラ装置の斜め上方から入射する光は不要となる。不要であるばかりか、斜め上方からの光はレンズやカメラケース内で反射し、迷光の発生原因となる。
【0005】
そこで、この発明の第1の課題は、迷光を防止し得る技術を提供することにある。
【0006】
また、この発明の第2の課題は、撮像画像内に映り込む遮蔽体の違和感を軽減させることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記第1の課題を解決すべく、請求項1記載の遮蔽体は、車両に取付けられるカメラ装置に対して、そのカメラ装置の撮像視野外からの光のうち少なくとも一部を遮るものである。
【0008】
また、請求項2記載のカメラ取付部材は、車両の被取付部に取付孔が形成され、この取付孔の周囲に配設されてカメラ装置を前記被取付部に取付けるためのカメラ取付部材であって、前記カメラ装置を外部に臨ませるための撮像用開口部が形成され、前記取付孔の周縁部に前記被取付部の一方面側より当接可能な取付孔係止部と、前記撮像用開口部の周縁部に一体形成され、前記カメラ装置の撮像視野外からの光のうち少なくとも一部を遮る第1遮蔽部と、を備えたものである。
【0009】
この場合、請求項3記載のように、前記第1遮蔽部は、前記カメラ装置のレンズ外面形状に倣う形状を有していてもよい。
【0010】
また、請求項4記載のように、前記取付孔係止部と前記第1遮蔽部とが、前記被取付部と略同色であってもよい。
【0011】
さらに、請求項5記載のように、前記取付孔係止部の一方面側であって前記撮像用開口部の外周囲に、その周方向に沿って延びる突条部が設けられていてもよい。
【0012】
また、上記第2の課題を解決すべく、請求項6記載の発明は、車両周辺景色を撮像する車両周辺撮像装置であって、車両周辺景色を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の撮像視野内に配置され、それが撮像画像内に映り込んだ際に、前記撮像手段の前記撮像視野に対応した車両の外形部分の形状を連想させる遮蔽物と、を備え、前記遮蔽物は、周辺景色が映り込んだ状態で前記撮像手段により撮像される映込面を有するものである。
【0013】
この場合、請求項7記載のように、前記映込面は、前記撮像装置の撮像面の法線に対して、40゜〜50゜の範囲で傾斜する面であることが好ましい。
【0014】
また、請求項8記載のように、前記映込面は、その幅方向中央部で膨出する面であってもよい。
【0015】
さらに、請求項9記載の発明は、車両周辺景色を撮像する車両周辺撮像装置に適用される遮蔽体であって、前記撮像手段の撮像視野内に配置され、それが撮像画像内に映り込んだ際に、前記撮像手段の前記撮像視野に対応した車両の外形部分の形状を連想させると共に、周辺景色が映り込んだ状態で前記撮像手段により撮像される映込面を有するものである。
【発明の効果】
【0016】
この発明の請求項1記載の遮蔽体によると、撮像視野外からの光のうち少なくとも一部が遮蔽体によって遮られるため、カメラ装置における迷光が防止される。
【0017】
この発明の請求項2記載のカメラ取付部材によると、撮像視野外からの光のうち少なくとも一部が第1遮蔽部によって遮られるため、カメラ装置における迷光が防止される。また、第1遮蔽部は取付孔係止部に一体形成されているため、構成部品点数を少なくすることができる。
【0018】
また、請求項3記載の発明によれば、前記第1遮蔽部は、前記カメラ装置のレンズ外面形状に倣う形状を有しているため、第1遮蔽部を小さく見せることが可能であるうえ、意匠性も向上する。
【0019】
さらに、請求項4記載の発明によれば、前記取付孔係止部と前記第1遮蔽部とが、被取付部と略同色であるため、意匠性に優れる。
【0020】
また、請求項5記載の発明によれば、前記撮像用開口部の外周囲に、その周方向に沿って延びる突条部が設けられているため、カメラ装置側へのゴミやワックス等の異物の付着を防止することができる。
【0021】
この発明の請求項6記載の車両周辺撮像装置によると、周辺景色が映込面にが映り込んだ状態で、遮蔽物が撮像手段により撮像され、撮像画像内に表示される。このため、車両の外形部分を連想させる形状として撮像画像内に映り込む遮蔽物の違和感を軽減させることができる。
【0022】
また、請求項7記載のように、前記映込面が、記撮像装置の撮像面の法線に対して、40゜〜50゜の範囲で傾斜する面であると、周囲の状況が適切に映り込む。
【0023】
さらに、請求項8記載のように、前記映込面が、その幅方向中央部で膨出する面であると、より広範囲なものを映り込ませることができ、より違和感を低減させることができる。
【0024】
また、請求項9記載の発明によると、周辺景色が映込面にが映り込んだ状態で、遮蔽物が撮像手段により撮像され、撮像画像内に表示される。このため、車両の外形部分を連想させる形状として撮像画像内に映り込む遮蔽物の違和感を軽減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
{第1実施形態}
以下、この発明の第1実施形態に係るカメラ装置用の遮蔽体について説明する。
【0026】
図1はカメラ装置10と遮蔽体20とを示す説明図である。
【0027】
このカメラ装置10は、車両の被取付部であるバンパー16に取付けられる。カメラ装置10は、バンパー16内に配設された態様で該バンパー16に取付けられており、バンパー16に形成された取付孔16hを通じて外部の景色を撮像する。
【0028】
カメラ装置10は、レンズ系12と、そのレンズ系12により結像された画像を撮像するCCD等の撮像素子14とを備えている。
【0029】
撮像素子14の受光面の中心を通る中心法線O1は、レンズ系12の中心光軸O2に対して、所定方向(ここでは略上方向)に所定寸法だけ平行移動された位置に配設されている。このため、このカメラ装置10では、撮像視野Aの中心方向O3がレンズ系12の中心光軸O2に対して斜めにずれている。本実施の形態では、撮像視野Aの中心方向O3が水平方向に対して所定の角度で斜め下方に傾くように設定されている。これにより、本カメラ装置10により、車両の斜め下方の景色が撮像されるようになっている。この撮像画像は、例えば車室内の表示装置に表示される。
【0030】
遮蔽体20は、カメラ装置10の撮像視野外Bからの光を遮る位置に配設されている。
【0031】
本実施の形態では、遮蔽体20は板状に形成されており、バンパー16の外面側であって、取付孔16hのうち撮像視野Aの上方部分に配設されている。これにより、撮像視野外Bからの光が、遮蔽体20によって遮られるようになっている。
【0032】
このように構成されたカメラ装置用の遮蔽体20によると、撮像視野外Bからの光が、遮蔽体20によって遮られ、レンズ系12内に入射することが防止される。従って、撮像視野外Bからの光に起因する、カメラ装置10における迷光が防止される。
【0033】
{第2実施形態}
この発明の第2実施形態に係るカメラ取付部材及び車両周辺撮像装置について説明する。
【0034】
図2は車両周辺撮像装置を示す斜視図であり、図3は同装置を示す正面図、図4は同装置を示す側面図、図5は同装置を示す底面図、図6は図3のVI−VI線断面図、図7はカメラ取付部材を示す正面図、図8はカメラ取付部材を示す斜視図である。
【0035】
この車両周辺撮像装置は、カメラ装置30とカメラ取付部材40とを備えており、車両の被取付部であるバンパー50に取付けられる(図5参照)。
【0036】
カメラ装置30は、カメラ本体部31と、撮像レンズ部32と、被係合部としての被係合突部34とを備えている。
【0037】
カメラ本体部31は、筺状に形成されており、その内部にCCD等の撮像素子31Aや所定の撮像回路等を内蔵している(図6参照)。
【0038】
撮像レンズ部32は、カメラ本体部31の正面側に設けられた略筒状部材であり、内部に適宜配列でレンズ系32Aを保持している(図6参照)。カメラ装置30がバンパー50に取付けられた状態で、撮像レンズ部32の前端がバンパー50に形成された取付孔50h内に配設され、カメラ装置30は、取付孔50hを通じて外部に臨んで外部景色を撮像することになる。
【0039】
なお、上記第1実施形態と同様に、カメラ本体部31内の撮像素子31Aの中心方向は、撮像レンズ部32内のレンズ系32Aの中心光軸に対して、所定方向(ここでは略上方向)に偏心している。これにより、カメラ装置30の撮像視野の中心方向が水平方向に対して所定の角度で斜め下方に傾くように設定され、車両の斜め下方の景色が撮像されるようになっている。かかる撮像画像は、例えば車室内の表示装置に表示される。
【0040】
また、被係合突部34は、撮像レンズ部32の両側部に突出形成された凸状部材である。カメラ取付部材40側の係合片46(後述する)が、被係合突部34に係合するように構成されている。
【0041】
また、このカメラ装置30には、弾性材により形成されるリテーナ部材38が取付けられている(図5参照)。このリテーナ部材38により、カメラ装置30がバンパー50の内側となる面から離反する方向に付勢されるようになっている。
【0042】
カメラ取付部材40は、樹脂等により形成された部材であり、取付孔係止部42と、第1遮蔽部44と、係合部としての係合片46とを備えている。このカメラ取付部材40は、カメラ装置30の取付固定を行うと共に取付孔50hの目隠しを行うという点で、エスカッションとも呼ばれる。
【0043】
取付孔係止部42は、取付孔50hよりも大きな広がりを持つ円板形状に形成されており、取付孔50hの周縁部にバンパー50の外側となる面側より係止可能に構成されている。
【0044】
また、取付孔係止部42の中央部には、カメラ装置30の撮像レンズ部32の前端部を外部に臨ませるための撮像用開口部42hが形成されている。カメラ装置30は、この撮像用開口部42hを通じて外部に臨んで外部景色を撮像する。
【0045】
また、取付孔係止部42には、上記取付孔50h内を通ってバンパー50内に向けて延びる係合片46が形成されている。そして、取付孔係止部42を取付孔50hの周縁部に係止させた状態で、係合片46が取付孔50h内を通ってバンパー50内のカメラ装置30側の被係合突部34に係合可能なようになっている。
【0046】
第1遮蔽部44は、上記撮像用開口部42hの周縁部に一体形成されており、カメラ装置30の撮像視野外からの光を遮る部材である。
【0047】
本実施の形態では、カメラ装置30は斜め下方の景色を撮像するため、撮像視野外である、カメラ装置30の斜め上方向からの光を遮るべく、第1遮蔽部44は、撮像用開口部42hの上部を覆うように、撮像用開口部42hの周縁部に一体形成されている。
【0048】
また、第1遮蔽部44は、カメラ装置30のレンズ外面32fの形状に倣う形状を有している。
【0049】
すなわち、撮像レンズ部32のレンズ系32Aとしては、より広範囲の外部景色を撮像するため、実際的には広角レンズの使用が想定される。このように広角レンズを使用した場合、バンパー50自体等が撮像視野内に入るのを防止するため、レンズ系32Aのレンズ外面32fはバンパー50と同一面若しくはバンパー50の外面より突出するように配設されることとなる。
【0050】
この場合に、第1遮蔽部44が平板形状である場合には、第1遮蔽部44の全体を取付孔係止部42から大きく突出させる必要があり、意匠性が悪化してしまう恐れがある。
【0051】
そこで、第1遮蔽部44を、広角レンズのレンズ外面32fの凸曲面形状に倣った曲面板状、即ち、椀形状の一部を切取った略瞼状の曲面形状に形成している。これにより、第1遮蔽部44は、取付孔係止部42の外面より徐々に隆起するような形状となり、意匠性を向上させることができ、また、小さく見せることが可能となる。
【0052】
このように構成された車両周辺撮像装置をバンパー50に取付ける手順について説明する。
【0053】
まず、カメラ装置30にリテーナ部材38を取付けておく。
【0054】
そして、カメラ取付部材40の係合片46を取付孔50h内に挿入する。次に、リテーナ部材38の付勢力に抗して、カメラ装置30をカメラ取付部材40側に押付け、カメラ装置30側の被係合突部34をカメラ取付部材40側の係合片46の係合孔部に係合させる。
【0055】
これにより、取付孔係止部42が取付孔50hの周縁部にその外面側より係止した状態で、リテーナ部材38がカメラ装置30を、バンパー50の内面側から離反する方向に付勢する。これにより、カメラ装置30の取付作業が終了する。取付作業の終了後の外観は、図9に示すようになる。
【0056】
以上のように構成されたカメラ取付部材40及び車両周辺撮像装置によると、上記第1実施形態と同様に、撮像視野外からの光が、第1遮蔽部44により遮られ、レンズ系32A内に入射することが防止される。従って、撮像視野外からの光に起因する、カメラ装置30における迷光が防止される。
【0057】
また、第1遮蔽部44は取付孔係止部42に一体形成されているため、構成部品点数を少なくすることができ、また、第1遮蔽部44と取付孔係止部42との間に切れ目の無い連続的な外観を呈するため、意匠性も向上する。
【0058】
なお、取付孔係止部42と第1遮蔽部44とを、バンパー50と略同色にしておくことが好ましい。これにより、意匠性の向上を図ることができる。
【0059】
図10は変形例に係るカメラ取付部材40Bを示す正面図であり、図11はカメラ取付部材40Bを示す斜視図である。
【0060】
このカメラ取付部材40Bでは、取付孔係止部42の一方面側(外方に向く面側)に突条部41Bが形成されている。突条部41Bは、撮像用開口部42hの外周囲であって第1遮蔽部44の形成部分を除く部分に、当該撮像用開口部42hの周方向に沿って延びるように突出形成されている。
【0061】
なお、突条部41Bの外周囲形状と上記第1遮蔽部44の弧状外周部分の形状とは、それらが連続的につながるように、略同一の曲率半径に形成しておくことがこのましい。これにより、意匠性が向上する。
【0062】
この変形例に係るカメラ取付部材40Bでは、撮像用開口部42hの外周囲に突条部41Bが形成されているため、図12に示すように、例えば、洗車時やワックスがけを行った場合等に、その周囲からのゴミやワックスが当該突条部41Bで受止められ、でレンズ外面32fへの移動を抑止される。従って、レンズ外面32fへのゴミやワックス等の付着を防止することができる。
【0063】
{第3実施形態}
この発明の第3実施形態に係るカメラ取付部材及び車両周辺撮像装置について説明する。なお、本実施形態の説明において、上記第2実施形態で説明したものと同様構成要素については同一符号を付して説明を省略し、相違点を中心に説明する。
【0064】
図13(a)はカメラ取付部材を示す正面図であり、図13(b)はカメラ取付部材を示す側面図であり、図13(c)はカメラ取付部材を示す斜視図である。
【0065】
このカメラ取付部材140では、取付孔係止部42に、第2遮蔽部148が一体形成されている。その他の構成は、第2実施形態で説明したカメラ取付部材40と同様構成であり、そこで説明したのと同様態様にてカメラ装置30をバンパー50に取付保持する。
【0066】
第2遮蔽部148は、カメラ装置30(図2〜図6参照)の撮像視野内に配設され、該カメラ装置30による撮像画像内において車両の外形部分の形状を連想させる形状として映り込む形状に形成されている。
【0067】
具体的には、カメラ装置30は、車両の斜め下方向を撮像する態様を想定しているので、第2遮蔽部148は、取付孔係止部42の外面であって撮像用開口部42hの周縁部の下部に形成されている。また、第2遮蔽部148は、円板の一部を所定の弦に沿って切取った扁平形状を呈しており、水平方向に沿って延びるように取付孔係止部42の外面に突設されている。
【0068】
図14はカメラ装置30より撮像された撮像画像の例を示す図であり、図15は車両周辺撮像装置の取付例を示す説明図である。
【0069】
図15に示すように、本車両周辺撮像装置は、車両60の四隅において、バンパー50のコーナー部に取付けられる。このうち、車両60の前方左隅に取付けられた車両周辺撮像装置について考えると、該車両周辺撮像装置は、当該車両60の前方左隅周辺部を撮像する。
【0070】
第2遮蔽部148は、車両60の前方左側コーナー部62を連想させるような形状及びカメラ装置30に対する位置関係に設定されている。
【0071】
この場合、車両60の車幅延長線64Sを含むように、第2遮蔽部148が撮像画像内に映り込むことが好ましい。ここで、車幅延長線64Sとは、車両60の幅寸法を規定する延長線をいう。図14及び図15では、車両60の車幅延長線64Sと車両60の前側ライン延長線64F(車両60の全長を規定するラインのうち前側の延長線)と車幅延長線64Sとの交差部分近傍を含むように、第2遮蔽部148が像148Fとして撮像画像内に映り込むように設定されている。なお、車両周辺撮像装置が車両60の後方左又は右隅に取付けられている場合には、車両60の車幅延長線64Sと車両60の後側ライン延長線(車両60の全長を規定するラインのうち後側の延長線)と車幅延長線64Sとの交差部分近傍を含むように、第2遮蔽部148が撮像画像内に映り込むように設定する。
【0072】
これにより、車両60の車幅又は前部、後部と障害物Xとの距離関係を含む位置関係を、視認者により容易に認識させることができる。
【0073】
このように構成されたカメラ取付部材40及びこれを含む車両周辺撮像装置によると、上記第2実施形態で得られた効果に加えて、第2遮蔽部148が、撮像画像において車両の外形部分である車両60のコーナー部62を連想させる形状として映り込むため、撮影方向や、表示される撮像画像中の各部の景色と自車両60との位置関係を、視認者に容易に認識させることができる。
【0074】
特に、車両60の車幅延長線64S等を含むように、第2遮蔽部148が撮像画像に映り込むように設定されているため、車両60の車幅等と障害物Xとの距離関係を含む位置関係を、視認者により容易に認識させることができる。
【0075】
しかも、第2遮蔽部148は、取付孔係止部42に一体形成されているため、構成部品点数を削減することができる。
【0076】
なお、取付孔係止部42と第1遮蔽部44と第2遮蔽部148とが、被取付部であるバンパー50と略同色に形成されていることが好ましい。これにより、意匠性の向上を図ることができる。また、第2遮蔽部148がバンパー50と略同色を呈して撮像画像に映り込むことになるため、視認者側にバンパー50そのものが映り込んでいるような感覚を与えるため、違和感を低減させることができる。
【0077】
図16(a)〜図16(c)は第3実施形態の第1変形例に係るカメラ取付部材140Bを示す図である。
【0078】
このカメラ取付部材140Bでは、第2遮蔽部148Bが取付孔係止部42における撮像用開口部42hの周縁部から取付孔係止部42の外周側に向けて順次高さ寸法が低くなる形状を有するように、肉付けされた形状となっている。
【0079】
これにより、第2遮蔽部148Bの強度向上が図られる。また、第2遮蔽部148Bは、取付孔係止部42の前側表面から徐々に膨らむ形状となるため、意匠性も向上する。
【0080】
図17(a)〜図17(c)は第3実施形態の第2変形例に係るカメラ取付部材140Cを示す図である。
【0081】
このカメラ取付部材140Cでは、上記第2実施形態における変形例(図10〜図12参照)と同様に、取付孔係止部42の一方面側(外方に向く面側)に突条部141Cが形成されている。突条部141C、撮像用開口部42hの外周囲であって第1遮蔽部44及び第2遮蔽部148Bの形成部分を除く部分に、当該撮像用開口部42hの周方向に沿って延びる突条に形成されている。
【0082】
このカメラ取付部材140Cでは、撮像用開口部42hの外周囲に突条部141Cが形成されているため、第2実施形態における変形例の説明にて述べたのと同様の理由により、レンズ外面32fへのゴミやワックス等の付着を防止することができる。
【0083】
なお、図17(a)〜図17(c)では、上記第1変形例に係るカメラ取付部材140Bの撮像用開口部42hの外周囲に突条部141Cを設けた例を示しているが、このような突条部141Cは、第3実施形態におけるカメラ取付部材140や後述する第3変形例に係るカメラ取付部材140Dにも適用できる。
【0084】
図18(a)〜図18(c)は第3実施形態の第3変形例に係るカメラ取付部材140Dを示す図である。
【0085】
この第3実施形態の第3変形例は、次の課題を有している。
【0086】
すなわち、上記第3実施形態とその第1及び第2変形例では、撮像画像内に映し出される遮蔽部148,148Bを手がかりとして、表示画像中の各部の景色と自車との位置関係を認識し易くできる。
【0087】
ところが、上記遮蔽部148,148Bは、あくまで車両の外形部分を連想させる形状として映り込む疑似的な遮蔽物であるため、視認者において違和感を生じることがある。
【0088】
そこで、この変形例は、車両の外形部分を連想させる形状として撮像画像内に映り込む遮蔽物の違和感を軽減させる課題を有している。
【0089】
このカメラ取付部材140Dでは、第2遮蔽部148Dは、取付孔係止部42における撮像用開口部42hの周縁部から取付孔係止部42の外周側に向けて順次突出寸法が高くなる形状を有しており、撮像視野の中心方向O3(図18(b)参照)に向けて外方に傾斜する傾斜面(映込面)148Daを有している。この傾斜面148Daは、第2遮蔽部148Dの外表面であって撮像画面内に映し出される面である。なお、その他の構成は、上記第3実施形態で説明したのと同様構成である。
【0090】
これにより、本カメラ取付部材140Dの周辺景色(他車のヘッドランプや街灯等)が該傾斜面148Daに映り込み、このように周辺景色が映り込んだ状態で第2遮蔽部148Dがカメラ装置30で撮像され、撮像画像内に表示される。例えば、地面に白線がある場合には、傾斜面148Daにぼんやり白線が映り込み、撮像画像では、あたかも実物のバンパーが撮像されているかのように、ぼんやり白線が映り込んだ第2遮蔽部148Dが撮像される。なお、ここでは、傾斜面148Daに、より広範囲なものを映り込ませるため、傾斜面148Daは幅方向中央部で膨出する形状に形成されている。
【0091】
従って、撮像画像内において、第2遮蔽部148Dの違和感を低減させることができることができる。また、第2遮蔽部148Dは、取付孔係止部42の前面から徐々に膨出する形状となるため、その強度も向上する。
【0092】
なお、図19(a)〜図19(c)に示すように、取付孔係止部42の前面(或はカメラ装置30の撮像面、通常これらは略鉛直方向に沿って配設される)の法線方向に対する傾斜面148Daの傾斜角度θは、40度〜50度の範囲内であることが好ましい。
【0093】
すなわち、傾斜角度θが40度よりも小さい場合、路面の白線や周囲にある車両のヘッドランプ、テールランプ等の明るいもの等、周囲の状況が傾斜面148Daに映り込み難くなり、従って、第2遮蔽部148Dを撮像画像内において認識し難い。一方、傾斜角度θが50度よりも大きい場合、周辺景色からの光が傾斜面148Daにおいて前方に反射され、レンズ外面32fに入射し難くなるので、撮像画像内において第2遮蔽部148Dが暗くなってしまうからである。
【0094】
なお、この第3変形例では、映り込ませ用の傾斜面148Daを持つ第2遮蔽部148Dを、カメラ取付部材40の取付孔係止部42の表面に設けた形態について説明したが、必ずしもこの例に限られない。例えば、カメラ装置30等を直接バンパーに取付けた場合には、第2遮蔽部148Dをバンパーの外表面に設けてもよいし、また、カメラ装置30等を車両のグリルやドアミラー等に直接取付けた場合には、第2遮蔽部148Dをグリルやドアミラー等に設けてもよい。要するに、カメラ装置30等の撮像手段により、周辺景色を映し込んだ状態で撮像される位置に、第2遮蔽部148Dのような遮蔽物が設けてあればよい。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】この発明の第1実施形態に係る遮蔽体を示す説明図である。
【図2】この発明の第2実施形態に係る車両周辺撮像装置を示す斜視図である。
【図3】同上の車両周辺撮像装置を示す正面図である。
【図4】同上の車両周辺撮像装置を示す側面図である。
【図5】同上の車両周辺撮像装置を示す底面図である。
【図6】図3のVI−VI線断面図である。
【図7】カメラ取付部材を示す正面図である。
【図8】カメラ取付部材を示す斜視図である。
【図9】カメラ取付部材にてカメラ装置を取付けた状態を示す斜視図である。
【図10】第2実施形態の変形例に係るカメラ取付部材を示す正面図である。
【図11】同上のカメラ取付部材を示す斜視図である。
【図12】同上のカメラ部材においてワックス等の付着状況を説明する図である。
【図13】図13(a)はこの発明の第3実施形態に係るカメラ取付部材を示す正面図であり、図13(b)は同カメラ取付部材を示す側面図であり、図13(c)は同カメラ取付部材を示す斜視図である。
【図14】撮像画像例を示す図である。
【図15】車両周辺撮像装置の取付例を示す説明図である。
【図16】図16(a)はこの発明の第3実施形態の第1変形例に係るカメラ取付部材を示す正面図であり、図16(b)は同カメラ取付部材を示す側面図であり、図16(c)は同カメラ取付部材を示す斜視図である。
【図17】図17(a)はこの発明の第3実施形態の第2変形例に係るカメラ取付部材を示す正面図であり、図17(b)は同カメラ取付部材を示す側面図であり、図17(c)は同カメラ取付部材を示す斜視図である。
【図18】図18(a)はこの発明の第3実施形態の第3変形例に係るカメラ取付部材を示す正面図であり、図18(b)は同カメラ取付部材を示す側面図であり、図18(c)は同カメラ取付部材を示す斜視図である。
【図19】同上の第3変形例において傾斜面の傾斜角度の好ましい例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0096】
10 カメラ装置
12 レンズ系
16 バンパー
16h 取付孔
20 遮蔽体
30 カメラ装置
32A レンズ系
32f レンズ外面
40,40B カメラ取付部材
41B 突条部
42 取付孔係止部
42h 撮像用開口部
44 第1遮蔽部
50 バンパー
50h 取付孔
60 車両
62 コーナー部
140D カメラ取付部材
148D 第2遮蔽部
148Da 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取付けられるカメラ装置に対して、そのカメラ装置の撮像視野外からの光のうち少なくとも一部を遮る、カメラ装置用の遮蔽体。
【請求項2】
車両の被取付部に取付孔が形成され、この取付孔の周囲に配設されてカメラ装置を前記被取付部に取付けるためのカメラ取付部材であって、
前記カメラ装置を外部に臨ませるための撮像用開口部が形成され、前記取付孔の周縁部に前記被取付部の一方面側より当接可能な取付孔係止部と、
前記撮像用開口部の周縁部に一体形成され、前記カメラ装置の撮像視野外からの光のうち少なくとも一部を遮る第1遮蔽部と、
を備えたカメラ取付部材。
【請求項3】
請求項2記載のカメラ取付部材であって、
前記第1遮蔽部は、
前記カメラ装置のレンズ外面形状に倣う形状を有している、カメラ取付部材。
【請求項4】
請求項2又は請求項3記載のカメラ取付部材であって、
前記取付孔係止部と前記第1遮蔽部とが、前記被取付部と略同色である、カメラ取付部材。
【請求項5】
請求項2〜請求項4のいずれかに記載のカメラ取付部材であって、
前記取付孔係止部の一方面側であって前記撮像用開口部の外周囲に、その周方向に沿って延びる突条部が設けられた、カメラ取付部材。
【請求項6】
車両周辺景色を撮像する車両周辺撮像装置であって、
車両周辺景色を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像視野内に配置され、それが撮像画像内に映り込んだ際に、前記撮像手段の前記撮像視野に対応した車両の外形部分の形状を連想させる遮蔽物と、
を備え、
前記遮蔽物は、周辺景色が映り込んだ状態で前記撮像手段により撮像される映込面を有する、車両周辺撮像装置。
【請求項7】
請求項6記載の車両周辺撮像装置であって、
前記映込面は、前記撮像装置の撮像面の法線に対して、40゜〜50゜の範囲で傾斜する面である、車両周辺撮像装置。
【請求項8】
請求項6又は請求項7記載の車両周辺撮像装置であって、
前記映込面は、その幅方向中央部で膨出する面である、車両周辺撮像装置。
【請求項9】
車両周辺景色を撮像する車両周辺撮像装置に適用される遮蔽体であって、
前記撮像手段の撮像視野内に配置され、それが撮像画像内に映り込んだ際に、前記撮像手段の前記撮像視野に対応した車両の外形部分の形状を連想させると共に、周辺景色が映り込んだ状態で前記撮像手段により撮像される映込面を有する、車両周辺撮像装置用の遮蔽体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2005−145428(P2005−145428A)
【公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−5847(P2004−5847)
【出願日】平成16年1月13日(2004.1.13)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】