説明

カラオケ採点システム、及び携帯機器用プログラム

【課題】ユーザが採点入力待ちをすることなく、演奏開始時に席をはずしていたユーザであっても採点入力を行うことが可能なカラオケ採点システム及び携帯機器用プログラムを提供する。
【解決手段】カラオケ装置からカラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、当該カラオケ装置のカラオケ装置識別情報に対応付けられたユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザが使用する携帯機器に、カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ曲の選曲に用いられるリモコンと、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケシステムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カラオケ曲の歌唱者以外の複数の同席者が、リモコンから歌唱者の歌唱について採点入力することで総合得点が算出され表示部に表示されるカラオケシステムが知られている。しかしながら、採点入力するためのリモコンは、カラオケルームに1〜2台程度しか設置されていないため、多人数で採点を行う場合、採点入力をするためにリモコンが空くのを待つ必要があった。一方、特許文献1には、カラオケ曲の演奏の際に歌唱者以外の複数の同席者それぞれが所持するパーソナル通信端末であってカラオケ装置と関連付けられたパーソナル通信端末に採点入力許可情報を送信して採点入力画面を表示する歌唱採点システムが開示されている。この歌唱採点システムでは、各パーソナル通信端末に表示された採点入力画面から、各パーソナル通信端末の所持者が歌唱者の歌唱に対する採点入力を行うと、その平均値が算出されて各パーソナル通信端末に表示されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−288684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の歌唱採点システムでは、カラオケ曲の演奏開始時に、カラオケ装置と関連付けられたパーソナル通信端末に採点入力許可情報を送信する。このため、カラオケ曲の演奏開始タイミングに当該カラオケ曲と関連付けされていなかったパーソナル通信端末のユーザ(例えば、途中入室したユーザや、たまたま演奏開始時にトイレ等で席をはずしていたユーザ)は、他のユーザが採点入力している際に採点入力することができないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、以上の点等に鑑みてなされたものであり、各ユーザが採点入力待ちをすることなく、演奏開始時に席をはずしていたユーザであっても採点入力を行うことが可能なカラオケ採点システム及び携帯機器用プログラムを提供すること等を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケ採点システムにおいて、前記サーバ装置は、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、当該選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを、前記選曲装置又は前記カラオケ装置から受信する第1受信手段と、前記第1受信手段により受信された前記ユーザ識別情報と前記カラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録する第1記録手段と、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報を前記携帯機器から受信する第2受信手段と、前記第2受信手段により受信されたユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインを許可し、当該ユーザがログイン中であることを示すログイン情報を記録する第2記録手段と、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、当該カラオケ装置の前記カラオケ装置識別情報に対応付けられた前記ユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中である前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定する特定手段と、前記特定手段により特定された携帯機器に、前記カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させる制御手段と、前記携帯機器に表示された前記採点入力画面を通じて入力された採点を示す採点情報を前記携帯機器から取得する取得手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカラオケ採点システムにおいて、前記第3受信手段により受信された前記採点情報を前記演奏終了を通知した前記カラオケ装置へ送信する第2送信手段と、を備え、前記カラオケ装置は、前記サーバ装置から送信された前記採点情報を受信する第4受信手段と、前記第4受信手段により受信された前記採点情報を、当該カラオケ装置に対応付けられた前記選曲装置へ送信する第3送信手段と、を備え、前記選曲装置は、前記カラオケ装置から送信された前記採点情報を受信する第5受信手段と、前記第5受信手段により受信された前記採点情報を集計する集計手段と、前記集計手段により集計された集計結果を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のカラオケ採点システムにおいて、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知される際に、当該カラオケ曲の演奏中に歌唱したユーザの前記ユーザ識別情報が通知され、前記特定手段は、当該通知されたユーザ識別情報に基づき、前記歌唱したユーザ以外の前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載のカラオケ採点システムにおいて、前記特定手段は、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、ログイン中である前記ユーザで、且つ前記カラオケ曲の演奏開始時にログイン中であった前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか一項に記載のカラオケ採点システムにおいて、前記サーバ装置は、前記カラオケ曲の演奏開始から演奏終了までの間にログインしているユーザごとにログイン時間を計測する算出手段を備え、前記特定手段は、前記カラオケ装置識別情報に対応付けられた前記ユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中である前記ユーザの人数が所定人数より多い場合に、前記算出手段により算出されたログイン時間の長いユーザを優先して前記所定人数選定し、当該選定したユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の携帯機器用プログラムの発明は、カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置であり、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、前記選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録するサーバ装置と、を備えるカラオケシステムにおいて前記携帯機器に含まれるコンピュータに、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報を含むログイン要求を前記サーバ装置へ送信するステップと、前記ログイン要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれると前記サーバ装置に判定されることにより当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインが許可された場合において、前記カラオケ装置による前記カラオケ曲の演奏が終了することに応じて前記サーバ装置から送信された採点入力要求情報を受信するステップと、前記採点入力要求情報に基づいて、前記カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させるステップと、前記表示された前記採点入力画面を通じて入力された採点を示す採点情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、カラオケ装置からカラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、当該カラオケ装置のカラオケ装置識別情報に対応付けられたユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザが使用する携帯機器に、カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させるように構成したので、各ユーザが採点入力待ちをすることなく、演奏開始時に席をはずしていたユーザであっても採点入力を行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、選曲装置から入力された採点と、携帯機器から入力された採点とを合わせて集計することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、歌唱者が自身の採点を行うことを防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、採点対象曲をフルコーラス聴いたと思われるユーザにのみ採点してもらうことで、採点精度を上げることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、ログイン中であるユーザが多くて全員が採点入力するまで時間がかかる場合、より長い時間曲を聴いている人を優先して審査員になってもらうことで採点集計待ち時間を減らしつつ、より精度の高い採点をしてもらうことができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、各ユーザが採点入力待ちをすることなく、演奏開始時に席をはずしていたユーザであっても携帯機器から採点入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。
【図2】(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。(D)は、携帯端末Tnの概要構成例を示すブロック図である。
【図3】コマンダ2と携帯端末Tnとのくくり付け動作を示すシーケンス図である。
【図4】採点入力と採点集計動作を示すシーケンス図である。
【図5】リモコン1における採点情報受付及び採点集計処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、例えばカラオケ店舗において利用されるカラオケシステムに対して、本発明のカラオケ採点システムを適用した場合の実施形態である。
【0020】
[1.カラオケシステムの構成及び動作の概要]
始めに、図1を参照して、本実施形態に係るカラオケシステムの構成の概要について説明する。図1は、本実施形態に係るカラオケシステムSの概要構成例を示す図である。なお、図1に示す例では、説明の便宜上、カラオケ店舗のカラオケルーム(客室)を1室のみ示し、リモコン1及びカラオケ装置2を夫々1台ずつ示している。なお、カラオケ装置を、以下、「コマンダ」という。
【0021】
図1に示すように、カラオケシステムSは、リモコン1、コマンダ2、及び管理サーバ3を含んで構成される。管理サーバ3には、カラオケ店舗の利用者であるユーザにより所有される携帯端末Tn(n=1、2、3、4)が携帯基地局B及びネットワークNWを介して接続可能になっている。ネットワークNWは、例えば、インターネット、携帯通信網、及びゲートウェイ等により構成される。
【0022】
リモコン1は、カラオケ曲(楽曲)の選曲に用いられる選曲装置である。なお、リモコン1は、ナビ端末又は検索端末ともいう。リモコン1には、リモコンIDが付与されている。リモコンIDは、リモコン1を識別するための識別情報である。リモコンIDは、リモコン1を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよいが、例えばリモコン1に割り当てられたIPアドレスがリモコンIDとされる。
【0023】
図2(A)は、リモコン1の概要構成例を示すブロック図である。図2(A)に示すように、リモコン1は、制御部11、記憶部12、ビデオRAM13、映像制御部14、表示部15、操作部16、操作処理部17、赤外線送信部18、及び無線LAN(Local Area Network)通信部19等を備えて構成される。制御部11は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部12は、例えば、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部12には、OS(オペレーティングシステム)及びリモコン処理プログラムが記憶されている。制御部11は、OS及びリモコン処理プログラムを実行することにより、リモコン1全体を統括制御する。また、記憶部12には、選曲対象となるカラオケ曲の情報を登録する楽曲リストが記憶されている。カラオケ曲の情報には、カラオケ曲番号、曲名、及び歌手名等が含まれる。カラオケ曲番号は、カラオケ曲ごとに付与される。カラオケ曲番号は、曲IDともいう。この楽曲リストに含まれるカラオケ曲の曲名等は、制御部11により、ビデオRAM13及び映像制御部14を介して表示部15に選択可能に表示される。また、制御部11は、ユーザによる操作部16からの指示を、操作処理部17を介して受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又はカラオケ曲の選曲、音量調整等の指示がある。また、制御部11は、赤外線送信部18を介してコマンダ2の赤外線受信部29cへ各種指令を送信することができる。例えば、ユーザにより操作部16から選曲されたカラオケ曲の予約指令が送信される。また、無線LAN通信部19は、例えばIEEE 802.11の諸規格に準拠する無線LANの通信(例えばWi-Fi)を行うためのものである。これにより、制御部11は、無線LAN通信部19により無線LANのアクセスポイントAP、及び有線LANを介してコマンダ2と通信を行うことができる。制御部11は、ユーザにより操作部16から選曲されたカラオケ曲の予約指令を、無線LAN通信部19を介して送信することもできる。つまり、選曲されたカラオケ曲の予約指令は、無線LAN及び有線LANを介して、リモコン1とくくり付け状態にあるコマンダ2へ送信される。ここで、リモコン1は、同じカラオケルーム内に設置されたコマンダ2との間でくくり付けが行われている。なお、くくり付けは、対応付け、又はペアリングとも呼ばれる。記憶部12には、リモコン1のリモコンIDと、このリモコン1にくくり付け状態にあるコマンダ2のコマンダIDとが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部12には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、リモコン1は、無線LAN、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へアクセスし、通信することができる。
【0024】
次に、コマンダ2は、予約されたカラオケ曲を演奏する演奏装置である。コマンダIDは、コマンダ2を識別するためのカラオケ装置識別情報の一例である。コマンダIDは、コマンダ2を一意に特定できる情報であれば、どのような情報であってもよいが、例えばコマンダ2に割り当てられたIPアドレスがコマンダIDとされる。
【0025】
図2(B)は、コマンダ2の概要構成例を示すブロック図である。図2(B)に示すように、コマンダ2は、制御部21、記憶部22、ビデオRAM23、映像再生部24、映像制御部25、マイク制御部26、シンセサイザ27、ミキシングアンプ28、操作部29a、操作処理部29b、赤外線受信部29c、及びLAN通信部29d等を備えて構成される。制御部21は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部22は、例えば、ハードディスク等により構成される。記憶部22には、OS及びコマンダ処理プログラムが記憶されている。制御部21は、OS及びコマンダ処理プログラムを実行することにより、コマンダ2全体を統括制御する。また、記憶部22には、演奏予約されたカラオケ曲の演奏予約リストが記憶されている。この演奏予約リストには、例えば、カラオケ曲番号が予約順に記録(登録)される。また、記憶部22には、カラオケ曲に対応する楽曲データ、及び映像データ等が記憶される。シンセサイザ27は、楽曲データを用いてカラオケ曲の演奏を行い、演奏信号をミキシングアンプ28へ出力する。また、マイク制御部26は、マイクにより集音されたユーザの歌唱音声信号をミキシングアンプ28へ出力する。ミキシングアンプ28は、演奏信号と歌唱音声信号とをミキシングしてスピーカへ出力する。また、映像データ等はビデオRAM23及び映像再生部24により再生される。そして、映像制御部25は、再生された映像信号をディスプレイへ出力する。また、制御部21は、ユーザによる操作部29aからの指示を、操作処理部29bを介して受け付ける。また、制御部21は、赤外線受信部29cを介して、リモコン1からの各種指令を受信することができる。例えば、制御部21は、リモコン1から予約指令を受信すると、カラオケ曲の予約を受け付ける。この予約指令には、予約対象のカラオケ曲のカラオケ曲番号が含まれる。そして、制御部21は、予約を受け付けたカラオケ曲のカラオケ曲番号を演奏予約リストに登録する。また、制御部21は、LAN通信部29dを介して、コマンダ2とくくり付け状態にあるリモコン1からカラオケ曲の予約指令を受け付けることもできる。また、記憶部22には、コマンダ2のコマンダIDと、このコマンダ2とくくり付け状態にあるリモコン1のリモコンIDとが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部22には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、コマンダ2は、有線LAN、ルータR及びインターネットを介して管理サーバ3へアクセスし、通信することができる。更に、制御部21は、携帯端末Tnのユーザのログイン期間中、携帯端末Tnにおいて選曲されたカラオケ曲の予約を、管理サーバ3を介して受け付け、カラオケ曲番号を演奏予約リストに記録するようになっている。
【0026】
次に、管理サーバ3は、本発明のサーバ装置の一例である。管理サーバ3は、インターネットに接続されており、Webサーバとしての機能を有する。
【0027】
図2(C)は、管理サーバ3の概要構成例を示すブロック図である。図2(C)に示すように、管理サーバ3は、制御部31、記憶部32、及び通信部33等を備えて構成される。制御部31は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部32は、例えば、ハードディスク等により構成される。記憶部32には、OS及びサーバプログラム等が記憶されている。制御部31は、OS及びサーバプログラムを実行することにより、管理サーバ3全体を制御する。また、制御部31は、本発明における第1受信手段、第2受信手段、第1記録手段、第2記録手段、特定手段、制御手段、取得手段、及び算出手段等として機能し、後述する処理を行う。
【0028】
更に、記憶部32には、登録ユーザリスト、ログインユーザリスト、及びコマンダ対応付けリストが記憶されている。登録ユーザリストは、会員登録されたユーザのユーザ情報を記録(登録)するリストである。このユーザ情報には、ユーザID、パスワード、氏名、ユーザが使用する携帯端末Tnの電話番号、及びメールアドレス等が含まれる。ここで、ユーザIDは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報の一例である。ログインユーザリストは、会員登録されたユーザのログイン有無を記録するリストである。例えば、ログインユーザリストには、ユーザID、ログインフラグ、及びログイン履歴が対応付けられて記録される。例えば、ログインフラグが「1」のときは、ユーザがログイン中であることを示す。一方、ログインフラグが「0」のときは、ユーザがログアウトしたことを示す。ログイン履歴には、ユーザのログイン時刻及びログアウト時刻が含まれる。また、コマンダ対応付けリストは、コマンダIDとユーザIDとを対応付けた対応付け情報を記録するリストである。さらに、対応付け情報に含まれるコマンダIDにより識別されるコマンダ2に携帯端末Tnがくくり付けられる場合、コマンダ対応付けリストには、対応付け情報に含まれるコマンダIDにこの携帯端末Tnの携帯端末IDが対応付けられて記録される。この携帯端末IDは、携帯端末Tnを識別するための識別情報である。携帯端末IDは、例えば、携帯端末Tnに割り当てられたIPアドレスと電話番号とから構成される。なお、ユーザがログアウトした場合、コマンダ対応付けリストにおけるコマンダIDとユーザIDと携帯端末IDとの対応付けは解除される。例えば、ログアウトされたユーザIDを含む対応付け情報及びこれに対応付けられた携帯端末IDがコマンダ対応付けリストから削除される。
【0029】
次に、携帯端末Tnは、本発明における携帯機器の一例である。携帯端末Tnの例としては、スマートフォン、携帯電話機、又はタブレット等が挙げられる。
【0030】
図2(D)は、携帯端末Tnの概要構成例を示すブロック図である。図2(D)に示すように、携帯端末Tnは、制御部41、記憶部42、表示部43、操作部44、スピーカ45、マイク46、及び携帯無線通信部47等を備えて構成される。制御部41は、CPU、ROM、及びRAM等により構成される。記憶部42は、例えば、不揮発性半導体メモリ等により構成される。記憶部42には、OS及び端末処理プログラム等が記憶されている。制御部41は、OS及び端末処理プログラムを実行することにより、携帯端末Tn全体を制御する。端末処理プログラムには、カラオケ用アプリケーションプログラムが含まれる。カラオケ用アプリケーションプログラムは、本発明の携帯機器用プログラムの一例である。カラオケ用アプリケーションプログラムは、コンピュータとしての制御部41に、ログイン要求を管理サーバ3へ送信するステップと、管理サーバ3から採点入力要求情報を受信するステップと、採点入力要求情報に基づき採点入力画面を表示させるステップと、採点入力画面を通じて入力された採点を示す採点情報を管理サーバ3へ送信するステップと、を実行させることができる。なお、カラオケ用アプリケーションプログラムは、例えば、他のサーバからネットワークNWを介してダウンロードされるようにしても良いし、CD−ROM等の記録媒体に記録されてドライブを介して読み込まれるようにしても良い。また、制御部41は、ユーザによる操作部44からの指示を受け付ける。ユーザによる指示としては、ユーザID等の入力、又は採点入力等の指示がある。なお、記憶部42には、管理サーバ3のIPアドレスも記憶されている。これにより、携帯端末Tnは、携帯無線通信部47、及びネットワークNWを介して管理サーバ3へアクセスし、通信することができる。
【0031】
[2.カラオケシステムSの動作]
次に、カラオケシステムSの動作について説明する。
【0032】
(2−1.コマンダ2と携帯端末Tnとのくくり付け動作)
先ず、図3を参照して、コマンダ2と携帯端末Tnとのくくり付け動作について説明する。図3は、コマンダ2と携帯端末Tnとのくくり付け動作を示すシーケンス図である。
【0033】
カラオケルームにおいて、リモコン1を持つユーザによる操作部16の操作により、ログイン画面が表示部15に表示される(ステップS1)。そして、ユーザにより操作部16からログイン画面を通じてユーザID及びパスワードが入力されると(ステップS2)、リモコン1は、入力されたユーザID及びパスワードを含むログイン要求をコマンダ2へ送信する(ステップS3)。つまり、リモコン1は、このリモコン1に既にくくり付け状態にあるコマンダ2へログイン要求を行う。なお、リモコン1は、ログイン要求を、コマンダ2へ送信する代わりに、管理サーバ3へ送信するように構成してもよい。
【0034】
コマンダ2は、リモコン1からログイン要求を受信すると、管理サーバ3のIPアドレスを用いて管理サーバ3へ、LAN、ルータR及びインターネットを介してアクセスする。そして、コマンダ2は、リモコン1から受信されたログイン要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS4)。
【0035】
管理サーバ3は、コマンダ2又はリモコン1からログイン要求を受信すると、ユーザ認証処理を実行する(ステップS5)。このユーザ認証処理では、受信されたログイン要求に含まれるユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されているか否かが確認される。そして、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されている場合、認証成功と判定される。一方、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されていない場合、認証失敗と判定される。管理サーバ3は、認証成功と判定した場合(ステップS6:YES)、受信したユーザIDと、このユーザIDを送信したコマンダ2のコマンダIDと、を対応付けた対応付け情報をコマンダ対応付けリストに記録する(ステップS7)。こうして、コマンダ2に対するリモコン1からのログインが完了する。なお、コマンダIDは、例えばコマンダ2が管理サーバ3にアクセスした際に管理サーバ3により取得される。そして、管理サーバ3は、認証結果をコマンダ2へ返信する(ステップS8)。この認証結果には、認証成功又は認証失敗が示される。
【0036】
コマンダ2は、管理サーバ3から認証結果を受信すると、認証結果が認証成功であるか否かを確認し、認証成功である場合には(ステップS9:YES)、上記受信されたユーザID及びパスワードを認証結果リストに記録する(ステップS10)。そして、コマンダ2は、上記認証結果をリモコン1へ返信する(ステップS11)。リモコン1は、コマンダ2から認証結果を受信すると、認証結果を表示部15に表示する(ステップS12)。
【0037】
次に、同じカラオケルームにおいて、携帯端末Tnを持つユーザによる操作部44の操作により、カラオケ用アプリケーションプログラムが起動すると、例えばカラオケWebサイトのログイン画面が表示部43に表示される(ステップS13)。そして、ユーザにより操作部44からログイン画面を通じてユーザID及びパスワードが入力されると(ステップS14)、携帯端末Tnは管理サーバ3のIPアドレスを用いて管理サーバ3へ、携帯基地局B及びネットワークNWを介してアクセスする。そして、携帯端末Tnは、ログイン画面を通じて入力されたユーザID及びパスワードを含むログイン要求を管理サーバ3へ送信する(ステップS15)。なお、ステップS14で携帯端末Tnから入力されるユーザIDは、ステップS2でリモコン1から入力されるユーザIDとは異なるものであってもよい。例えば、リモコン1から入力されるユーザIDは、例えばカラオケシステムSを利用するために会員登録を行ったユーザに対して発行されるID(以下、「カラオケ用ユーザID」という)である一方、携帯端末Tnから入力されるユーザIDは、携帯端末Tnからアクセス可能な楽曲提供サイトで会員登録を行ったユーザに対して発行されるID(以下、「携帯端末用ユーザID」という)である場合が想定されるためのである。この場合、双方のユーザIDは、登録ユーザリストに記録される。
【0038】
管理サーバ3は、携帯端末Tnからログイン要求を受信すると、上記ステップS5と同じようにユーザ認証処理を実行する(ステップS16)。そして、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されている場合、認証成功と判定され(ステップS17:YES)、ステップS18に進む。一方、ユーザID及びパスワードの組が登録ユーザリストに記録されていない場合、認証失敗と判定される。ステップS18では、管理サーバ3は、携帯端末Tnから受信されたログイン要求に含まれるユーザIDが、コマンダ対応付けリストに記録された対応付け情報に含まれるか否かを判定する。そして、管理サーバ3は、ユーザIDが対応付け情報に含まれると判定した場合には(ステップS18:YES)、このユーザIDにより識別されるユーザの採点システムへのログインを許可し、当該ユーザがログイン中であることを示すログイン情報をログインユーザリストに記録する(ステップS19)。より具体的には、ログインユーザリストにおいて、対応付け情報に含まれると判定されたユーザIDに対応付けられたログインフラグが「1」にセットされる。また、このとき、ログイン時刻がログイン履歴としてログインユーザリストに記録される。こうして、採点システムに対する携帯端末Tnからログインが完了する。
【0039】
なお、携帯端末Tnから入力されるユーザID(カラオケ用ユーザID)が、リモコン1から入力されるユーザID(携帯端末用ユーザID)とは異なる場合、上記ステップS18で管理サーバ3は、携帯端末Tnから受信されたログイン要求に含まれる携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザIDが、コマンダ対応付けリストに記録された対応付け情報に含まれるか否かを判定する。そして、管理サーバ3は、ユーザIDが対応付け情報に含まれると判定した場合には(ステップS18:YES)、このユーザIDにより識別されるユーザの採点システムへのログインを許可することになる。なお、「携帯端末用ユーザIDに対応するカラオケ用ユーザID」は、例えば登録ユーザリストから特定することができる。
【0040】
次いで、管理サーバ3は、上記対応付け情報(つまり、認証成功とされたユーザIDを含む対応付け情報)に含まれるコマンダIDに対応付けて携帯端末Tnの携帯端末IDを例えばコマンダ対応付けリストに記録する(ステップS20)。これにより、コマンダ2に携帯端末Tnがくくり付けられることになる。なお、携帯端末IDは、例えば、携帯端末Tnに割り当てられたIPアドレスと電話番号とから生成される。携帯端末TnのIPアドレスは、携帯端末Tnが管理サーバ3にアクセスした際に管理サーバ3により取得される。また、携帯端末Tnの電話番号は、ユーザIDをキーとして登録ユーザリストから取得される。一方、管理サーバ3は、ユーザIDが対応付け情報に含まれないと判定した場合には(ステップS18:NO)、ユーザの採点システムへのログインを許可しない。そして、管理サーバ3は、ログイン結果を携帯端末Tnへ返信する(ステップS21)。このログイン結果には、ログイン許可又はログイン不許可が示される。携帯端末Tnは、管理サーバ3からログイン結果を受信すると、ログイン結果を表示部43に表示する(ステップS22)。
【0041】
なお、上記動作は、同じカラオケルームを利用するユーザごとに行われる。その結果、各ユーザの携帯端末Tnが、1台のコマンダ2にくくり付けられることになる。つまり、各ユーザの携帯端末Tnの携帯端末IDが、コマンダ2のコマンダIDに対応付けられて記録される。
【0042】
(2−2.採点入力と採点集計動作)
次に、図4を参照して、採点入力と採点集計動作について説明する。図4は、採点入力と採点集計動作を示すシーケンス図である。
【0043】
カラオケルームにおける各ユーザがログインした後、リモコン1を持つユーザが操作部16から採点予約を行うと、リモコン1は、採点予約指令をコマンダ2へ送信する(ステップS31)。これにより、コマンダ2において採点予約が受け付けられる。また、各ユーザは、リモコン1から自身のユーザIDを選択し、所望のカラオケ曲を選曲すると、選曲されたカラオケ曲の予約指令がコマンダ2へ送信される(ステップS32)。この予約指令には、選曲したユーザのユーザIDが付加される。これにより、選曲されたカラオケ曲の予約がコマンダ2により受け付けられる。なお、予約された各カラオケ曲のカラオケ曲番号は、これから歌唱するユーザのユーザIDが対応付けられて演奏予約リストに記録される。そして、演奏予約リストに記録された順にカラオケ曲の演奏が開始される(ステップS33)。このとき、カラオケ曲の演奏開始時刻が記録される。カラオケ曲の演奏が終了すると(ステップS34)、審査員として採点入力を促す情報をディスプレイに出力する。これにより、例えば、採点入力お願い表示がなされる。次いで、コマンダ2は、管理サーバ3へアクセスし、カラオケ曲の演奏終了を管理サーバ3へ通知する(ステップS35)。この通知には、コマンダ2のコマンダIDが含まれる。なお、この通知に、歌唱したユーザのユーザID、及びカラオケ曲の演奏開始時刻等が含まれるように構成してもよい。
【0044】
次いで、管理サーバ3は、コマンダ2からカラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、演奏終了を通知したコマンダ2にくくり付けられた携帯端末Tnを例えば携帯端末IDにより特定する(ステップS36)。言い換えれば、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられた携帯端末IDがコマンダ対応付けリストから抽出される。このように特定される携帯端末Tnは、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDにより識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザが使用する携帯端末Tnである。例えば、図1に示す例で、カラオケ曲の演奏終了時にログイン中であるユーザA〜Dが夫々使用する携帯端末T1〜T4が特定される。こうして特定された携帯端末T1〜T4のユーザA〜Dは、審査員として、歌唱に対する採点入力を行うことができる。
【0045】
なお、上記ステップS36において、管理サーバ3は、歌唱したユーザの携帯端末Tnを、特定する携帯端末Tnから除外するように構成してもよい。この構成の場合、コマンダ2からカラオケ曲の演奏終了が通知される際に、カラオケ曲の演奏中に歌唱したユーザのユーザIDが管理サーバ3に通知される。管理サーバ3は、通知されたユーザIDに基づき、歌唱したユーザ以外のユーザが使用する携帯端末Tnを特定する。つまり、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられた携帯端末IDのうち、歌唱したユーザのユーザID以外のユーザIDが対応付けられた携帯端末IDが特定される。例えば、歌唱者がユーザAであったとすると、ユーザA以外のユーザB〜Dが審査員として歌唱に対する採点入力を行うことができる。これにより、歌唱者が自身の採点を行うことを防止することができる。
【0046】
また、上記ステップS36において、管理サーバ3は、カラオケ曲の演奏終了が通知された時にログイン中であるユーザで、且つカラオケ曲の演奏開始時にログイン中であったユーザが使用する携帯端末Tnを特定するように構成してもよい。この構成の場合、コマンダ2からカラオケ曲の演奏終了が通知される際に、カラオケ曲の演奏開始時刻が管理サーバ3に通知される。管理サーバ3は、ログインユーザリストを参照して、ログイン中であるユーザのユーザIDに対応付けられたログイン時刻(ログイン履歴)がカラオケ曲の演奏開始時刻以前であるユーザIDを、演奏開始時及び演奏終了時ともにログインしていたユーザのユーザIDとして特定する。そして、管理サーバ3は、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられた携帯端末IDのうち、特定したユーザID(つまり、演奏開始時及び演奏終了時ともにログインしていたユーザのユーザID)が対応付けられた携帯端末IDを特定する。これにより、採点対象曲をフルコーラス聴いたと思われるユーザにのみ採点してもらうことで、採点精度を上げることができる。
【0047】
また、上記ステップS36において、管理サーバ3は、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDにより識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザの人数が所定人数(例えば、3人)より多い場合に、ログイン時間の長いユーザを優先して所定人数選定し、当該選定したユーザが使用する携帯端末Tnを特定するように構成してもよい。この構成の場合、管理サーバ3は、カラオケ曲の演奏開始から演奏終了までの間にログインしているユーザごとにログイン時間を算出する。例えば、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDがコマンダ対応付けリストから抽出される。そして、抽出されたユーザIDに対応付けられた直近のログイン時刻がログインユーザリストからユーザIDごとに抽出される。そして、抽出されたログイン時刻から現在時刻までの時間がログイン時間としてユーザIDごとに算出される。これにより、ログイン中であるユーザが多くて全員が採点入力するまで時間がかかる場合、より長い時間曲を聴いている人を優先して審査員になってもらうことで採点集計待ち時間を減らしつつ、より精度の高い採点をしてもらうことができる。
【0048】
なお、上記ステップS36において、管理サーバ3は、演奏終了を通知したコマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDにより識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザの人数が所定人数より多い場合に、ログイン時刻の早い順(先着順)にユーザを優先して所定人数選定し、当該選定したユーザが使用する携帯端末Tnを特定するように構成してもよい。
【0049】
次いで、管理サーバ3は、上記ステップS36で特定した携帯端末Tnの携帯端末IDに基づいて、カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を、上記特定した携帯端末Tnに表示させる処理を実行する。この処理では、管理サーバ3から携帯端末Tnへ採点入力要求情報が送信される(ステップS37)。この処理により採点入力画面を携帯端末Tnに表示させる方法としては、以下の(i)〜(iii)の方法が一例として挙げられる。
【0050】
(i)プッシュ型メール送信により表示させる方法
この方法の場合、管理サーバ3は、上記特定した携帯端末Tnの携帯端末IDに対応付けられているユーザIDをキーとして、上述した登録ユーザリストからメールアドレスを取得する。そして、管理サーバ3は、取得したメールアドレス宛てに、採点入力画面を表示するWebページのURL(Uniform Resource Locator)を記述した電子メールを送信する。この電子メールは、採点入力要求情報の一例である。これにより、携帯端末Tnは、送信された電子メールをメールサーバから取得し表示部43に表示する。そして、携帯端末Tnのユーザは、電子メールに記述されたURLを操作部44により指定することでWebページが例えば管理サーバ3から取得され表示部43に採点入力画面が表示されることになる。
【0051】
(ii)Webページにポップアップ表示させる方法
この方法の場合、管理サーバ3は、Webページ(例えば、ユーザのマイページ)を表示する携帯端末Tnへ採点入力画面の表示データを送信することで、このWebページ上に採点入力画面をポップアップ表示させる。この採点入力画面の表示データは、採点入力要求情報の一例である。また、Webページ(例えば、ユーザのマイページ)は、例えば、採点システムにログインしているユーザIDと同じユーザIDでログインしているカラオケサービスサイトから提供されるものである。なお、管理サーバ3から携帯端末Tnへの採点入力画面の表示データの送信は、上記特定された携帯端末Tnの携帯端末IDに含まれるIPアドレスにしたがって行われる。
【0052】
(iii)専用カラオケサービスプログラムによるプッシュ通知により表示させる方法
この方法の場合、携帯端末Tnにプッシュ通知受信を行う専用のカラオケサービスプログラムをあらかじめインストールして起動させておく。そして、管理サーバ3は、上記特定した携帯端末Tnの携帯端末IDに含まれるIPアドレスにしたがって採点表示プッシュ通知を携帯端末Tnに送信する。採点表示プッシュ通知は、採点入力要求情報の一例である。そして、携帯端末Tnのカラオケサービスプログラムが、採点表示プッシュ通知を受信すると、表示部43に採点入力画面が表示されることになる。
【0053】
なお、上記(i)〜(iii)の方法以外の方法で、採点入力画面を携帯端末Tnに表示させるように構成してもよい。
【0054】
以上のように、携帯端末Tnは、管理サーバ3から送信された採点入力要求情報に基づいて、カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示部43に表示する(ステップS38)。そして、ユーザにより操作部44から採点入力画面を通じて採点入力がなされると(ステップS39)、携帯端末Tnは、入力された採点を示す採点情報及びユーザIDを管理サーバ3へ送信する(ステップS40)。
【0055】
一方、管理サーバ3は、携帯端末Tnから受信した採点情報及びユーザIDをコマンダ2へ転送する(ステップS41)。そして、コマンダ2は、管理サーバ3から受信した採点情報及びユーザIDをリモコン1へ転送する(ステップS42)。
【0056】
一方、リモコン1では、上記ステップS31で採点予約指令をコマンダ2へ送信した後、例えばコマンダ2から、上記ステップS10で認証結果リストに記録されたユーザID等を取得する(ステップS43)。そして、リモコン1では、コマンダ2から取得されたユーザIDの数の審査員(例えばアバター)画像を表示する審査員一覧画面を表示する(ステップS44)。そして、例えば携帯端末Tnを所有していないユーザによりリモコン1の操作部16から採点入力がなされると(ステップS45)、リモコン1は、入力された採点を示す採点情報で画面の表示内容を更新する(ステップS46)。このとき、リモコン1から採点入力したユーザのユーザIDが、入力された採点に対応付けられて記録される。一方、リモコン1は、コマンダ2から採点情報及びユーザIDを受信すると、受信された採点情報で画面の表示内容を更新する(ステップS47)。なお、ステップS45の採点入力、及びコマンダ2からの採点情報の受信は、集計開始ボタンがユーザにより押下されるまで受け付け可能になっている。そして、集計開始ボタンがユーザにより押下されると(ステップS48)、リモコン1は、上記採点情報を集計する(ステップS49)。例えば採点情報に示される採点点数の平均値又は合計値が集計結果として算出される。そして、リモコン1は、集計した集計結果をコマンダ2へ出力する(ステップS50)。これにより、集計結果が、コマンダ2のディスプレイに表示される(ステップS51)。なお、集計結果は、リモコン1の表示部15に表示されるように構成してもよい。リモコン1から採点入力を行うユーザがいない場合、採点情報の集計は管理サーバ3で行われるように構成してもよい。この場合、集計結果は、管理サーバ3からコマンダ2に送信されることで、コマンダ2のディスプレイに表示される。また、集計結果は、管理サーバ3から、上記ステップS36で特定された携帯端末Tnへ送信され、表示部43に表示されるように構成してもよい。
【0057】
図5は、リモコン1における採点情報受付及び採点集計処理の詳細を示すフローチャートである。この採点情報受付及び採点集計処理は、図4に示すステップS45〜ステップS50の処理の詳細を示すものである。図5に示すステップS101では、図5に示すような審査員一覧画面51が表示される。そして、リモコン1は、ユーザにより集計開始ボタン51aがユーザにより押下されたか否かを判定する(ステップS102)。そして、リモコン1は、ユーザにより集計開始ボタン51aがユーザにより押下されたと判定した場合には(ステップS102:YES)、ステップS103に進む。なお、ステップS103の処理は上記ステップS49の処理と同様であり、ステップS104の処理は上記ステップS50の処理と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0058】
一方、ユーザにより集計開始ボタン51aがユーザにより押下されていないと判定した場合には(ステップS102:NO)、ステップS105に進む。ステップS105では、リモコン1は、コマンダ2から採点情報及びユーザIDを受信したか否かを判定する。そして、リモコン1は、採点情報及びユーザIDを受信したと判定した場合には(ステップS105:YES)、ステップS113に進む。一方、リモコン1は、採点情報及びユーザIDを受信していないと判定した場合には(ステップS105:NO)、ステップS106に進む。
【0059】
ステップS106では、リモコン1は、ユーザにより採点参加ボタン51b(図5に示す例では、”ゲスト審査員で参加”ボタン)がユーザにより押下されたか否かを判定する。そして、リモコン1は、ユーザにより採点参加ボタン51bがユーザにより押下されていないと判定した場合には(ステップS106:NO)、ステップS102に戻る。リモコン1は、ユーザにより採点参加ボタン51bがユーザにより押下されたと判定した場合には(ステップS106:YES)、ステップS107に進む。ステップS107では、図5に示すような採点入力画面52が表示され、採点入力待機状態となり、ステップS108に進む。ステップS108では、リモコン1は、コマンダ2から採点情報及びユーザIDを受信したか否かを判定する。そして、リモコン1は、採点情報及びユーザIDを受信していないと判定した場合には(ステップS108:NO)、ステップS109に進む。ステップS109では、リモコン1は、採点入力画面52を通じて採点入力が完了したか否かを判定する。そして、リモコン1は、採点入力画面52を通じて採点入力が完了していないと判定した場合には(ステップS109:NO)、ステップS108に戻る。一方、リモコン1は、採点入力画面52を通じて採点入力が完了したと判定した場合には(ステップS109:YES)、採点入力画面52を閉じて、ステップS113に進む。なお、図示しないが、採点入力画面52が表示される前に、リモコン1から採点入力しようとしているユーザのユーザIDがリモコン1上で指定できるようになっている。
【0060】
一方、上記ステップS108において、リモコン1は、採点情報及びユーザIDを受信したと判定した場合には(ステップS108:YES)、ステップS111に進む。ステップS111では、リモコン1は、採点入力画面52を通じて採点入力しようとしているユーザのユーザIDと、上記ステップS108で受信されたユーザIDとを比較する。この比較結果、ユーザIDが一致する場合には(ステップS112:YES)、リモコン1は、採点入力画面52を閉じて(ステップS110)、ステップS113に進む。一方、ユーザIDが一致しない場合(ステップS112:NO)、つまり、受信されたユーザIDのユーザと、採点入力画面52を通じて採点入力しようとしているユーザが異なる場合、リモコン1は、上記ステップS108に移行する。ステップS113では、受信された採点情報、又は採点入力画面52を通じて入力された採点情報で画面の表示内容を更新する。
【0061】
以上説明したように、コマンダ2からカラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、コマンダ2のコマンダIDに対応付けられたユーザIDにより識別されるユーザで、且つログイン中であるユーザが使用する携帯端末Tnに、カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させるように構成したので、各ユーザが採点入力待ちをすることなく、演奏開始時に席をはずしていたユーザであっても採点入力を行うことができる。
【符号の説明】
【0062】
1 リモコン
2 コマンダ
3 管理サーバ
Tn 携帯端末
S カラオケシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置と、を備えるカラオケ採点システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、当該選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを、前記選曲装置又は前記カラオケ装置から受信する第1受信手段と、
前記第1受信手段により受信された前記ユーザ識別情報と前記カラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録する第1記録手段と、
前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報を前記携帯機器から受信する第2受信手段と、
前記第2受信手段により受信されたユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれる場合、当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインを許可し、当該ユーザがログイン中であることを示すログイン情報を記録する第2記録手段と、
前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、当該カラオケ装置の前記カラオケ装置識別情報に対応付けられた前記ユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中である前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された携帯機器に、前記カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させる制御手段と、
前記携帯機器に表示された前記採点入力画面を通じて入力された採点を示す採点情報を前記携帯機器から取得する取得手段と、
を備えることを特徴とするカラオケ採点システム。
【請求項2】
前記第3受信手段により受信された前記採点情報を前記演奏終了を通知した前記カラオケ装置へ送信する第2送信手段と、
を備え、
前記カラオケ装置は、
前記サーバ装置から送信された前記採点情報を受信する第4受信手段と、
前記第4受信手段により受信された前記採点情報を、当該カラオケ装置に対応付けられた前記選曲装置へ送信する第3送信手段と、
を備え、
前記選曲装置は、
前記カラオケ装置から送信された前記採点情報を受信する第5受信手段と、
前記第5受信手段により受信された前記採点情報を集計する集計手段と、
前記集計手段により集計された集計結果を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のカラオケ採点システム。
【請求項3】
前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知される際に、当該カラオケ曲の演奏中に歌唱したユーザの前記ユーザ識別情報が通知され、前記特定手段は、当該通知されたユーザ識別情報に基づき、前記歌唱したユーザ以外の前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケ採点システム。
【請求項4】
前記特定手段は、前記カラオケ装置から前記カラオケ曲の演奏終了が通知された場合に、ログイン中である前記ユーザで、且つ前記カラオケ曲の演奏開始時にログイン中であった前記ユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のカラオケ採点システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記カラオケ曲の演奏開始から演奏終了までの間にログインしているユーザごとにログイン時間を計測する算出手段を備え、
前記特定手段は、前記カラオケ装置識別情報に対応付けられた前記ユーザ識別情報により識別されるユーザで、且つログイン中である前記ユーザの人数が所定人数より多い場合に、前記算出手段により算出されたログイン時間の長いユーザを優先して前記所定人数選定し、当該選定したユーザが使用する前記携帯機器を特定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のカラオケ採点システム。
【請求項6】
カラオケ曲の選曲に用いられる選曲装置と、
カラオケ曲を演奏するカラオケ装置と、
携帯機器がネットワークを介して接続されるサーバ装置であり、前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報であって前記選曲装置から入力された前記ユーザ識別情報と、前記選曲装置に対応付けられた前記カラオケ装置を識別するためのカラオケ装置識別情報とを対応付けた対応付け情報を記録するサーバ装置と、
を備えるカラオケシステムにおいて前記携帯機器に含まれるコンピュータに、
前記携帯機器のユーザを識別するためのユーザ識別情報を含むログイン要求を前記サーバ装置へ送信するステップと、
前記ログイン要求に含まれる前記ユーザ識別情報に対応するユーザ識別情報が前記対応付け情報に含まれると前記サーバ装置に判定されることにより当該ユーザ識別情報により識別される前記ユーザのログインが許可された場合において、前記カラオケ装置による前記カラオケ曲の演奏が終了することに応じて前記サーバ装置から送信された採点入力要求情報を受信するステップと、
前記採点入力要求情報に基づいて、前記カラオケ曲の演奏中の歌唱に対する採点入力を行うための採点入力画面を表示させるステップと、
前記表示された前記採点入力画面を通じて入力された採点を示す採点情報を前記サーバ装置へ送信するステップと、
を実行させることを特徴とする携帯機器用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−37147(P2013−37147A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−172402(P2011−172402)
【出願日】平成23年8月5日(2011.8.5)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】