説明

カラオケ歌唱における声量レベル判定システム

【課題】 歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声してマイクロホンから入力された入力声量レベルと目標声量レベルとを比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを報知する。
【解決手段】 演奏されるカラオケ楽曲について、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを設定する目標声量レベル設定手段40と、所定の表示装置25において、目標声量レベルを表示させる目標声量レベル表示制御手段41と、マイクロホン24から入力された歌唱音声の入力声量レベルを検知する入力声量レベル検知手段42と、所定の表示装置25において、入力声量レベルを表示させる入力声量レベル表示制御手段43とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声した入力声量レベルと目標声量レベルとを比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを歌唱者に報知することが可能なカラオケ歌唱における声量レベル判定システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラオケ歌唱では、楽曲毎に適した声量レベルで歌うことにより、上手に歌唱したと言うことができる。すなわち、楽曲の全体を通してほぼ均一な声量レベルで歌唱するのではなく、特に聴取者に訴えたいサビ部分では声量レベルを大きくする一方、じっくりと語りかけるように歌唱する部分では声量レベルを小さくする等、声量レベルに変化を付けて歌唱することが歌唱上級者の決め手となる。このように、上手に歌唱するには声量レベルをコントロールしなければならないが、歌唱が未熟な利用者にとって声量レベルを適切にコントロールすることは難しい。一方、歌唱が上手な利用者であっても、初めて歌唱する楽曲のように練習が不足している場合には、その楽曲に適した声量レベルで歌唱することが難しい場合もある。
【0003】
また、歌唱の練習を行う際に、自らの判断で声量レベルを変化させるのではなく、指示された声量レベルに基づいて歌唱音声の大きさを変化させることにより、客観的に声量レベルをコントロールすることができるようになるのも事実である。
【0004】
従来、声量レベルに対する注意を喚起するための技術が開示されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、伴奏音楽に合わせて歌唱する歌唱者の歌声音量が大きすぎた場合に、歌唱者にそのことを改まって注意するまでもなく、さりげなく気付かせて自発的に歌声音量を下げさせる有効なきっかけを与え、これにより、カラオケ利用の楽しみを損なうことなく、歌唱者の歌声音量レベルを下げさせるための技術である。すなわち、このカラオケ演奏装置は、マイクロホンからの歌唱音声入力の振幅レベルの移動平均を求めつつ、求めた移動平均レベルが予め設定された基準レベルを超えた場合に、伴奏音楽の出力音量を低減させるようになっている。
【0005】
また、歌唱中に歌唱音声に対する採点結果を逐次知ることができるようにした技術が開示されている(特許文献2参照)。この特許文献2に記載された技術は、演奏曲再生部により、演奏データに基づく演奏曲信号を再生してスピーカから演奏曲を出力し、表示制御部により、演奏データに対応する歌詞データに基づいて演奏曲の歌詞をカラオケ表示部に表示する。また、マイクから演奏曲に対する歌唱音の歌唱音声信号を入力し、音声信号/音声データ変換部により、歌唱音声信号を音声データに変換する。そして、採点機能部により、音声データと演奏データとを比較し、比較結果に基づいて歌詞中の演奏曲との音程外れ、音量不足、テンポ外れ等の不一致が生じた箇所の表示色を変化させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−17998号公報
【特許文献2】特開2000−29473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された従来の技術では、過大な声量レベルでの歌唱を抑制することはできるが、結局は、歌唱者自らの判断に基づいて声量レベルを変化させるにとどまり、楽曲の曲調に合わせて声量レベルを変化させることにより、上手に歌唱を行うことは難しかった。すなわち、聴衆にとってうるさいと感じられる過大な声量レベルを抑制するだけでは、上手に歌唱を行っているとは言えない。
【0008】
また、上述した特許文献2に記載された技術では、声量レベルが不足している箇所を指摘することはできるが、どの程度の声量レベルで歌唱すれば、上手な歌唱と言えるかについては何ら指摘していないので、歌唱の練習に利用する場合には、さらなる工夫が必要であった。
【0009】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声した入力声量レベルと目標声量レベルとを比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを歌唱者に報知することが可能な声量レベル判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システムは歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声した入力声量レベルと目標声量レベルとを比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを歌唱者に報知することが可能なカラオケ歌唱における声量レベル判定システムであって、目標声量レベル設定手段と、目標声量レベル表示制御手段と、入力声量レベル検知手段と、入力声量レベル表示制御手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
目標声量レベル設定手段は、演奏されるカラオケ楽曲について、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを設定するための手段である。目標声量レベル表示制御手段は、所定の表示装置において、目標声量レベルを表示させるための手段である。入力声量レベル検知手段は、マイクロホンから入力された歌唱音声の入力声量レベルを検知するための手段である。入力声量レベル表示制御手段は、所定の表示装置において、入力声量レベルを表示させるための手段である。
【0012】
また、本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システムにおいて、目標声量レベル設定手段は、所定の条件に従って目標声量レベルを変化させるように機能させることが可能である。
【0013】
また、本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システムは、前記構成に加えて、目標達成度判定手段と、目標達成度表示制御手段を、さらに備えることが可能である。目標達成度判定手段は、所定の歌唱区間毎に、目標声量レベルと入力声量レベルとを比較して、目標達成度を判定するための手段である。目標達成度表示制御手段は、所定の表示装置において、目標達成度を表示させるための手段である。
【0014】
このような構成からなるカラオケ歌唱における声量レベル判定システムでは、カラオケ演奏装置でカラオケ楽曲を演奏する際に、目標声量レベル設定手段により、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを設定する。目標声量レベルの設定では、各カラオケ楽曲の曲調に従って、歌唱区間毎に設定したり、歌唱練習を目的として、所定レベルの声量を維持させ、あるいは声量を変化させたりすることができる。具体的には、各カラオケ楽曲について、特に聴取者に訴えたいサビ部分では声量レベルを大きくする一方、じっくりと語りかけるように歌唱する部分では声量レベルを小さくする等、声量レベルに変化を付けて歌唱するように目標声量レベルを設定したり、任意に目標声量レベルを変化させて、指示通りの声量で発声するという歌唱練習を行わせたりする。
【0015】
設定された目標声量レベルは、目標声量レベル表示制御手段の機能により、背景画像や歌詞テロップを表示するための表示装置の表示画面に表示させる。これにより、歌唱者は、目標声量レベルを認識することができる。目標声量レベルの表示は、例えば、レベルメータによる表示であってもよいし、最大声量レベルを100%とした場合のパーセント表示であってもよい。
【0016】
歌唱者は、表示された目標声量レベルとなるように声量を調整して歌唱を行う。そして、入力声量レベル検知手段の機能により、マイクロホンから入力された歌唱音声の入力声量レベルを検知し、入力声量レベル表示制御手段の機能により、上述した表示装置の表示画面に、入力声量レベルを表示させる。入力声量レベルの表示は、例えば、レベルメータによる表示であってもよいし、最大声量レベルを100%とした場合のパーセント表示であってもよい。これにより、歌唱者は、自らの入力声量レベルを認識することができる。
【0017】
また、目標達成度判定手段の機能により、所定の歌唱区間毎に、目標声量レベルと入力声量レベルとを比較して、目標達成度を判定し、目標達成度表示制御手段の機能により、上述した表示装置の表示画面に、目標達成度を表示させる。目標達成度の表示は、例えば、目標声量レベルと入力声量レベルとがほぼ一致している場合には、青色のランプを点灯させ、目標声量レベルと入力声量レベルとが若干ずれている場合には、黄色のランプを点灯させ、目標声量レベルと入力声量レベルとが大きくずれている場合には、赤色のランプを点灯させる。あるいは、目標声量レベルと入力声量レベルとの一致度を数値化して、上述した表示装置の表示画面に表示させてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システムによれば、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声した入力声量レベルと比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを歌唱者に報知することができる。したがって、歌唱者は、目標声量レベルに応じて発声する声量レベル(入力声量レベル)を変化させることにより、声量レベルを適切にコントロールすることができるようになる。
【0019】
また、各楽曲の曲調に合わせて、歌唱区間毎に目標声量レベルを設定して表示すれば、歌唱者は、上手に歌唱するために必要な声量レベルを認識して発声を行うことができ、歌唱の楽しさを十分に味わうことができる。また、歌唱者が声量レベルをコントロールできているか否かを客観的に認識することができるので、声量レベルを適切にコントロールする練習を行ったり、指示された目標声量レベルで歌唱するゲームを行ったりすることができる。
【0020】
さらに、目標声量レベルと入力声量レベルとを比較して、目標達成度を判定して表示する構成とした場合には、歌唱者に対して、入力声量レベルをコントロールできているか否かを、より一層明確に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る声量レベル判定システムの概要を示す機能説明図。
【図2】本発明の実施形態に係る声量レベル判定システムを適用したカラオケ演奏装置のブロック図。
【図3】声量レベルの表示例を示す表示画面の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ歌唱における声量レベル判定システム(以下、声量レベル判定システムと略記する)の実施形態について説明する。図1〜図3は本発明の実施形態に係る声量レベル判定システムを示すもので、図1は声量レベル判定システムの機能説明図、図2は声量レベル判定システムを適用したカラオケ演奏装置のブロック図、図3は声量レベルの表示例を示す表示画面の模式図である。
【0023】
<声量レベル判定システムの概要>
本発明の実施形態に係る声量レベル判定システム10は、図1に示すように、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示装置25の表示画面に表示して、実際に歌唱者が発声してマイクロホン24から入力された入力声量レベルと目標声量レベルとを比較することにより、目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを報知することが可能なシステムであって、目標声量レベル設定手段40と、目標声量レベル表示制御手段41と、入力声量レベル検知手段42と、入力声量レベル表示制御手段43とを備えており、さらに目標達成度判定手段44と、目標達成度表示制御手段45を備えることが可能である。なお、以下の説明において、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウエアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0024】
<カラオケ演奏装置>
以下、本発明の実施形態に係る声量レベル判定システム10を適用したカラオケ演奏装置20について説明する。本発明の実施形態に係る声量レベル判定システム10を適用したカラオケ演奏装置20は、図2に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、マイクロホン24、表示装置25、ミキシングアンプ26を備えている。
【0025】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作等が行われる。
【0026】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ演奏装置20で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0027】
<マイクロホン>
マイクロホン24は、歌唱音声の入力を行うための装置であり、本実施形態では、マイクロホン24から入力された歌唱音声が声量レベルの検知に用いられる。マイクロホン24から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ26に入力され、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅されてスピーカ23へ出力される。また、本実施形態では、マイクロホン24から入力された歌唱音声は、A/Dコンバータ38でデジタル変換されて、入力声量レベルの検知に用いられる。
【0028】
<表示装置>
表示装置25は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。また、本実施形態の表示装置25は、目標声量レベル、入力声量レベル、目標達成度の表示にも用いられる。
【0029】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、A/Dコンバータ38、映像再生制御手段39、目標声量レベル設定手段40、目標声量レベル表示制御手段41、入力声量レベル検知手段42、入力声量レベル表示制御手段43を備えている。また、目標達成度判定手段44及び目標達成度表示制御手段45を備えることが可能である。
【0030】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0031】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33aが記憶されるようになっている。この予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルである。
【0032】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34b、目標声量レベルデータベース34cが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0033】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース34aは、演奏制御データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏制御データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応した背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータである。
【0034】
<目標声量レベルデータベース>
目標声量レベルデータベース34cは、各カラオケ楽曲の歌唱区間毎に、当該カラオケ楽曲の曲調に合わせて、目標とすべき声量レベルを設定したデータベースである。なお、楽曲データベース34aに格納されているすべての楽曲について目標声量レベルを設定する必要はなく、目標声量レベルを表示する旨の設定がなされている楽曲についてのみ、目標声量レベルデータベース34cの構成楽曲とすればよい。また、各楽曲の曲調に合わせて目標声量レベルを表示するのではなく、ランダムに目標声量レベルを設定する場合には、目標声量レベルデータベース34cを参照する必要はない。
【0035】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0036】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。
【0037】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏制御データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ26に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ26は、マイクロホン24から入力された歌唱音声の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0038】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段39は、カラオケ楽曲の演奏中に、映像データベース34bから抽出した背景映像データと、楽曲データベース34aに含まれる歌詞描出データ(テロップデータ)とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置25に出力するためのプログラムからなる。
【0039】
<目標声量レベル設定手段>
目標声量レベル設定手段40は、演奏されるカラオケ楽曲について、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを設定するためのプログラムからなる。また、目標声量レベル設定手段40は、所定の条件に従って目標声量レベルを変化させてもよい。すなわち、目標声量レベル設定手段40は、目標声量レベルデータベース34cを参照して、目標声量レベルを表示すべき楽曲の曲調に合わせて目標声量レベルを設定してもよいし、楽曲の曲調とは無関係に、ランダムに目標声量レベルを設定してもよい。
【0040】
<目標声量レベル表示制御手段>
目標声量レベル表示制御手段41は、目標声量レベルを表示装置25の表示画面に表示させるためのプログラムからなる。すなわち、目標声量レベル設定手段40で目標声量レベルが設定されると、目標声量レベル表示制御手段41の機能により、当該目標声量レベルを表示装置25の表示画面に表示させる。目標声量レベルは、例えば図3に示すように、レベルメータ及び最大声量レベルを100%とした場合のパーセント表示として表示される。なお、レベルメータ及びパーセント表示の双方を表示するのではなく、いずれか一方のみを表示してもよいし、利用者が目標声量レベルを認識できる他の表示方法を採用してもよい。
【0041】
<入力声量レベル検知手段>
入力声量レベル検知手段42は、マイクロホン24から入力された歌唱音声の入力声量レベルを検知するための電子機器及びプログラムからなる。すなわち、マイクロホン24から入力された歌唱音声は、A/Dコンバータ38でデジタル変換されてカラオケ本体21に入力され、入力声量レベル検知手段42の機能により、その声量レベルが検知される。
【0042】
<入力声量レベル表示制御手段>
入力声量レベル表示制御手段43は、入力声量レベルを表示装置25の表示画面に表示させるためのプログラムからなる。すなわち、入力声量レベル検知手段42で入力声量レベルが設定されると、入力声量レベル表示制御手段43の機能により、当該入力声量レベルを表示装置25の表示画面に表示させる。入力声量レベルは、例えば図3に示すように、レベルメータ及び最大声量レベルを100%とした場合のパーセント表示として表示される。なお、レベルメータ及びパーセント表示の双方を表示するのではなく、いずれか一方のみを表示してもよいし、利用者が入力声量レベルを認識できる他の表示方法を採用してもよい。
【0043】
<目標達成度判定手段>
目標達成度判定手段44は、所定の歌唱区間毎に、目標声量レベルと入力声量レベルとを比較して、目標達成度を判定するためのプログラムからなる。すなわち、目標達成度判定手段44の機能により、目標声量レベルと入力声量レベルとを比較し、両者の相違を数値化して目標達成度を判定する。なお、目標達成度の判定を行わない場合には、目標達成度判定手段44及び目標達成度表示制御手段45は不要となる。
【0044】
<目標達成度表示制御手段>
目標達成度表示制御手段45は、目標達成度を表示装置25の表示画面に表示させるためのプログラムからなる。目標達成度の表示は、例えば図3に示すように、目標声量レベルと入力声量レベルがほぼ一致している場合には、青色のランプを点灯させ、目標声量レベルと入力声量レベルが若干ずれている場合には、黄色のランプを点灯させ、目標声量レベルと入力声量レベルが大きくずれている場合には、赤色のランプを点灯させる。また、目標声量レベルと入力声量レベルとの一致度を数値化して、表示装置25の表示画面に表示させてもよい。さらに、ランプ点灯と数値表示の双方により、目標達成度を表示させてもよい。
【0045】
なお、図3に示すように、目標声量レベル、入力声量レベル、目標達成度を同時に表示させてもよいし、順次表示を切り替えながら別個に表示させてもよい。また、目標声量レベル、入力声量レベル、目標達成度の表示位置、表示方法は、図3に示すものに限られず、利用者がこれらを認識することができれば、どのような表示であってもよい。さらに、スピーカ23から案内音声を発声させることにより、目標声量レベル、入力声量レベル、目標達成度を報知してもよい。
【0046】
<他の実施形態>
本発明の声量レベル判定システム10、これを適用したカラオケ演奏装置20及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ本体21を単体で動作させるのではなく、ホスト装置にネットワーク接続したカラオケ演奏端末として動作させてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 声量レベル判定システム
20 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 スピーカ
24 マイクロホン
25 表示装置
26 ミキシングアンプ
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
34c 目標声量レベルデータベース
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 A/Dコンバータ
39 映像再生制御手段
40 目標声量レベル設定手段
41 目標声量レベル表示制御手段
42 入力声量レベル検知手段
43 入力声量レベル表示制御手段
44 目標達成度判定手段
45 目標達成度表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歌唱者が発声すべき目標声量レベルを表示して、実際に歌唱者が発声してマイクロホンから入力された入力声量レベルと前記目標声量レベルとを比較することにより、前記目標声量レベルの声量で発声出来ているか否かを報知することが可能なカラオケ歌唱における声量レベル判定システムであって、目標声量レベル設定手段と、目標声量レベル表示制御手段と、入力声量レベル検知手段と、入力声量レベル表示制御手段と、を備え、
前記目標声量レベル設定手段は、演奏されるカラオケ楽曲について、歌唱者が発声すべき目標声量レベルを設定し、
前記目標声量レベル表示制御手段は、所定の表示装置において、前記目標声量レベルを表示させ、
前記入力声量レベル検知手段は、マイクロホンから入力された歌唱音声の入力声量レベルを検知し、
前記入力声量レベル表示制御手段は、所定の表示装置において、前記入力声量レベルを表示させる、
ことを特徴とするカラオケ歌唱における声量レベル判定システム。
【請求項2】
前記目標声量レベル設定手段は、所定の条件に従って前記目標声量レベルを変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ歌唱における声量レベル判定システム。
【請求項3】
目標達成度判定手段と、目標達成度表示制御手段とを、さらに備え、
前記目標達成度判定手段は、所定の歌唱区間毎に、前記目標声量レベルと前記入力声量レベルとを比較して、目標達成度を判定し、
前記目標達成度表示制御手段は、所定の表示装置において、前記目標達成度を表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のカラオケ歌唱における声量レベル判定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−15554(P2013−15554A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146178(P2011−146178)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】