説明

カラオケ演奏管理システム

【課題】本発明は、カラオケ演奏端末に対して楽曲選択のための表示を提供するためのカラオケ演奏管理システムに関し、処理が容易であり、利用者に対して満足度をより向上させた楽曲選択を可能とする図ることを目的とする。
【解決手段】各カラオケ演奏端末より利用者の登録者IDに関連づけられて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報をユーザリストおよび/または履歴リストとしてユーザリストDB30等に格納し、ランキング演算手段26が当該リストの楽曲情報を登録者IDで特定される少なくとも年齢範囲で分類し、分類毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成してランキングDB31に格納し、当該分類毎のリストファイルの全部または一部を、利用者による楽曲検索に応じてカラオケ演奏端末で表示させるためにデータ配信処理手段27が適時に転送する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ演奏端末に対して楽曲選択のための表示を提供するためのカラオケ演奏管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信カラオケの施設が全国的に広がりを見せ、記憶技術や記録技術の発展、また通信技術の発展により利用者に対して種々のサービスを提供することができるようになってきている。例えば、楽曲数の増加や利用者による楽曲の検索、選択を容易にさせる電子楽曲目録の提供等がある。一方で楽曲選択を補助する楽曲リストを表示させることも行われているが、利用者の満足度を向上させるための楽曲選別を行う必要がある。
【0003】
従来、通信カラオケを利用する利用者において、歌唱する楽曲を楽曲目録本や電子楽曲目録を用いて検索し、選択しているが、次曲を選択するにあたり所定数の楽曲名を表示して利用者における楽曲選択を補助することが行われている。この楽曲選択を補助するための楽曲を抽出する手法として、例えば、楽曲に各年代にヒットした付属情報を付加しておき、当該利用者の馴染みのある年代を検索条件とさせることが知られている。
【0004】
また、上記の各年代にヒットした楽曲を所定数表示させても、当該ヒット曲が高度な歌唱力を要するようなものは、利用者にとって必ずしも歌唱したい楽曲ではないことから、利用者が歌唱したい楽曲を抽出する手法も提案されている。その一例が、以下の特許文献で提案されている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−52965号公報
【0006】
上記特許文献には、全国的な顧客の利用履歴を反映した楽曲を推薦することを目的とした通信カラオケシステム等が開示されており、推薦曲を抽出する手法の一例として、各楽曲毎に選曲者属性数値を対応付けして、歌唱された選曲者属性数値に近似した選曲者属性数値の楽曲を所定数抽出することが開示されている。上記選曲者属性数値は、演奏された楽曲に、歌唱した顧客の氏名、性別、年齢等と関連づけられた顧客IDを対応付けた演奏履歴を記憶させ、これらを全国的に収集した演奏履歴データに基づいて、各楽曲毎に各顧客の男性比率、若者比率、地元比率、人気比率で演算させることが示されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献に開示されている上記手法を含めた各手法で抽出される推薦曲は、要約すれば、当該楽曲が歌唱された後に歌唱される頻度の高い楽曲であり、抽出するにあって上記選曲者属性数値等で表したものである。すなわち、推薦曲が上記比率で歌唱される頻度の高い楽曲であることから、利用者にとっては歌唱可能でよく歌唱されている楽曲が示されることで満足度の高いものとなっているが、より処理が容易で、より細かな範囲での楽曲選択が望まれる。
【0008】
そこで、本発明は上記課題に鑑みなされたもので、処理が容易であり、利用者に対して満足度をより向上させた楽曲選択を可能とするカラオケ演奏管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、請求項1の発明では、利用者の所定情報と関連づけられた登録者IDを用いて歌唱させる手段を備えるカラオケ演奏端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備えるカラオケ演奏管理システムであって、前記カラオケ演奏端末の各利用者の前記所定情報および登録者IDを格納する第1格納手段と、前記通信ネットワークに接続された前記各カラオケ演奏端末より前記利用者の登録者IDに関連づけて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報を格納する第2格納手段と、前記第2格納手段より総ての楽曲情報を読み込み、関連づけられた前記登録者IDより前記第1格納手段を参照して、少なくとも所定の年齢範囲で分類し、年齢範囲毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成するランキング演算手段と、前記ランキング演算手段で年齢範囲毎に作成されたそれぞれの年齢範囲別のリストファイルを格納する第3格納手段と、前記カラオケ演奏端末での利用者による楽曲検索に対し、当該登録者IDより特定される年齢に応じて、前記年齢範囲別のリストファイルにおける楽曲リストの全部または一部を表示させるために、当該カラオケ演奏端末に対して適時に前記第3格納手段に格納されている年齢範囲別のリストファイルの全部または一部を転送するデータ配信処理手段と、を有する構成とする。
【0010】
請求項2の発明では、前記ランキング演算手段は、前記年齢範囲に加えて、前記利用者の所定情報としての少なくとも性別、住所地、職業のうちの少なくとも何れかで分類し、分類毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成する構成である。
【0011】
請求項3および4の発明では、「前記第2格納手段は、前記指定楽曲の情報が前記各利用者による持ち歌の楽曲として前記カラオケ演奏端末より所定数登録されるものであり、当該利用者の登録者ID毎にユーザリストとして格納する」構成であり、
「前記各カラオケ演奏端末は利用者による歌唱を評価するための評価処理手段を備えるもので、当該カラオケ演奏端末より前記登録者IDに関連づけられて評価要求および歌唱楽曲の情報を取得した際に、前記第2格納手段は、前記指定楽曲としての当該歌唱楽曲の情報を当該登録者IDに関連づけて履歴リストとして格納する」構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各カラオケ演奏端末より利用者の登録者IDに関連づけられて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報をユーザリストおよび/または履歴リストとして格納し、当該リストより関連づけられた登録者IDで特定される少なくとも年齢範囲で分類し、分類毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成して格納し、当該分類毎のリストファイルの全部または一部を、利用者による楽曲検索に応じてカラオケ演奏端末で表示させるために適時に転送する構成とすることにより、少なくとも年齢範囲別でよく歌唱される楽曲を容易な処理でリスト化することができ、利用者の年齢に応じてより精緻な楽曲選択を可能として利用者の満足度を向上させることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の最良の実施形態を図により説明する。
図1に、本発明に係るカラオケ演奏管理システムのネットワーク接続状況の模式図を示す。図1において、カラオケ演奏管理システムとしてのカラオケ演奏管理サーバ11は、利用者の所定情報と関連づけられた登録者IDを用いて歌唱させる手段を備えるカラオケ演奏端末を通信ネットワークを介して管理するシステムとして、一般公衆電話回線やこれを用いたADSLあるいはインターネット、さらには、LANなどの通信ネットワーク12上に接続される。
【0014】
上記通信ネットワーク12上には、利用者による関連づけられた登録者IDを例えばICカード用いて歌唱させるカード読取手段(図3で説明する)を備える所定数のカラオケ演奏端末13(13A〜13N)が接続されるもので、例えば、カラオケ演奏装置で使用されるディスプレイ付きリモコン装置等の遠隔入出力装置14(14A〜14N)がそれぞれ備えられる。
【0015】
そこで、図2に、本発明に係るカラオケ演奏管理システムのブロック構成図および登録者DBの格納内容の一例の説明図を示す。図2(A)において、カラオケ演奏管理システムとしての管理サーバ11は、適宜、制御手段21、バス22、通信手段23、RAM24、リスト作成手段25、ランキング演算手段26、データ配信処理手段27、DB管理手段28、第1格納手段である登録者DB(データベース)29、第2格納手段であるユーザリストDB30および第3格納手段であるランキングDB31を備える。なお、上記DB管理手段28、登録者DB29、ユーザリストDB30およびランキングDB31は、当該サーバ内ではなく外部のDBサーバまたは外部記憶装置として、全部または個別に設置される構成としてもよい。
【0016】
ここで、上記登録者DB29は、カラオケ演奏端末13(13A〜13N)の各利用者が例えば会員として予め所定情報を格納しておくもので、その所定情報としては、例えば、図2(B)に示すように、登録者ID、氏名、セカンドネーム、郵便番号、住所、電話、年齢、性別が含まれ、適宜、登録者の顔写真等のイメージファイル名が関連づけられている。当該各イメージファイルは、図示しないが、当該登録者DB29に設けられたフォルダに格納される。
【0017】
上記ユーザリストDB30は、通信ネットワーク12に接続された各カラオケ演奏端末13(13A〜13N)より利用者の登録者IDに関連づけて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報に基づいて、後述のリスト作成手段25が作成した当該利用者の登録者ID毎の持ち歌の楽曲としてのユーザリスト(図4(B)で説明する)を格納する。また、上記ランキングDB31は、後述のランキング演算手段26で年齢範囲毎に作成されたそれぞれの年齢範囲別のリストファイル(図5で説明する)を格納する。そして、これら登録者DB29、ユーザリストDB30およびランキングDB31に対して、情報の更新、閲覧(抽出)等が上記DB管理手段28で管理されるものである。
【0018】
上記制御手段21は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM24等に展開されて実行される。上記通信手段23は、通信ネットワーク12上のカラオケ演奏端末13およびその遠隔入出力装置14との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成される。上記RAM24は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0019】
上記リスト作成手段25は、カラオケ演奏端末13より利用者の登録者IDに関連づけて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報に基づいて各利用者による持ち歌の楽曲として当該利用者の登録者ID毎にユーザリストを作成して上記ユーザリストDB30に格納するもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。上記ランキング演算手段26は、ユーザリストDB30より総ての楽曲情報を読み込み、関連づけられた登録者IDより上記登録者DB29を参照して、年齢範囲(ここでは、10歳範囲とする)で分類し、年齢範囲毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイル(図5で説明する)を作成するもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。
【0020】
上記データ配信処理手段27は、所定のカラオケ演奏端末13(13A〜13N)での利用者による楽曲検索に対し、当該登録者IDより特定される年齢に応じて、後述の図5で示す年齢範囲別のリストファイルにおける楽曲リストの全部または一部を表示させるために、当該カラオケ演奏端末13に対して適時にランキングDB31に格納されている年齢範囲別のリストファイルの全部または一部を転送するもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。また、カラオケ演奏端末13(13A〜13N)からのログイン要求に対して、登録者情報ファイル(登録者DB29)の作成・更新やユーザリスト(ユーザリストDB30)の作成・更新等の所定の機能のアクセス対象を選択させるための表示ファイルを作成して送信する処理も行うもので、そのためのプログラムがRAM24に展開されて実行される。
【0021】
ここで、図3に、図1のカラオケ演奏端末のブロック構成図を示す。図3に示すカラオケ演奏端末13(13〜13N)は、少なくとも、利用者の所定情報と関連づけられた登録者IDを用いて歌唱させる手段を備えるものとして、制御手段41、バス42、RAM43、記憶手段44、楽曲検索手段45、映像出力手段46、表示手段47、操作制御手段48、音声入力手段49、マイク50、音楽曲出力手段51、スピーカ52、表示ファイル作成手段53、送信ファイル作成手段54、カード読取手段55、送受信手段56および通信手段57を適宜備える。
【0022】
上記制御手段41は、このシステムを統括的に制御するもので、例えば物理的なCPUに制御のためのプログラムが格納され、当該プログラムはRAM43等に展開されて実行される。当該RAM43は、種々のプログラムを展開、実行させるための作業領域としての役割をするものであり、例えば半導体メモリで構成され、仮想的にハードディスク上に構築される場合をも含む概念である。
【0023】
上記記憶手段44は、例えばハードディスク(HDD)等の記憶装置であり、少なくとも、楽曲元データ(ファイル)61、楽曲コード(テーブル)62、映像データ(ファイル)63、登録者データ(メモリ)64およびランキングデータ(メモリ)65を備える。楽曲元データ(ファイル)61は、楽曲コード62毎にデジタル的な楽曲データを保存するもので、当該楽曲(ファイル)コード61は楽曲コードと楽曲名が関連付けられている。映像データ(ファイル)63は、楽曲(コード)に対応した背景等の映像データを保存する。
【0024】
登録者データ(メモリ)64は、利用者の保持する後述のICカード71より読み取った当該利用者の登録者IDと、年齢、性別、職業、住所地等のランキングデータの分類に応じた何れかを一旦記憶する。ランキングデータ(メモリ)65は、上記管理サーバ11のランキングDB31に格納されている年齢範囲別のランキングリストの全部または一部を当該管理サーバ11より通信ネットワーク12を介して適時(随時または定期的)にアップロードして記憶する。
【0025】
上記楽曲検索手段45は、例えば新曲、歌手名、曲名、ランキング(上記年齢範囲別等のランキングリスト)、ジャンルおよび履歴のそれぞれについて、上記記憶手段44に記憶されている楽曲を検索するためのもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。なお、年齢範囲別等のランキングリストの検索については図6で説明する。
【0026】
上記映像出力手段46は、遠隔入出力装置14に種々の表示をさせるための映像を出力すると共に、選択された楽曲コードに対応した映像データを当該楽曲に同期させて表示手段47に出力するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。遠隔入出力装置14はGUI機能を付帯し、例えば液晶ディスプレイ(LCD)とタッチセンサとを積層した入出力用の利用者インタフェイスが搭載され、当該タッチセンサにより楽曲の選択などのデータを入力することができるものである。そして、操作制御手段48は、当該タッチセンサからの入力データを制御するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0027】
上記音声入力手段49は、マイク50からのアナログ音声データをA/Dコンバータ(図示省略)を介してデジタル変換する処理を主体とし、上記音楽曲出力手段51は、記憶手段44より選択された楽曲の楽曲元データ61をデジタル再生してアナログ変換すると共に、上記マイク50からのデジタル音声データをアナログ変換し、ミキシングしてスピーカ52に出力する。
【0028】
上記表示ファイル作成手段53は、カラオケ演奏端末13やその付帯する遠隔入出力装置14において、利用者の選曲、歌唱採点等を表示手段47に表示させるためのファイルや、通信カラオケ管理サーバ11からの表示ファイルおよびコマンドに応じたファイル表示をするためのファイルデータを転送するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。上記送信ファイル作成手段54は、通信カラオケ管理サーバ11に対して利用者(登録者)に関する所定の情報を送信する際に送信ファイルを作成するもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。
【0029】
上記カード読取手段55は、登録者である利用者が所持する非接触型のICカード(利用者カード)71を読み取る装置であり、利用者の登録者IDと共に、年齢、性別、職業、住所地等のランキングデータの分類に応じた何れかのデータを読み取る。上記送受信手段56は、遠隔入出力装置14との間で有線方式ないし無線方式(ブルートゥース機構のピコネット接続方式)を利用してデータ授受を行うためのもので、そのための回路基板およびプログラムを備える。当該遠隔入出力装置14は当該カラオケ演奏端末13に対して種々の操作および表示が可能であり、上記操作制御手段48によって当該操作信号が制御される。
【0030】
そして、上記通信手段57は、通信ネットワーク12上の通信カラオケ管理サーバ11との間で定められた通信プロトコルによって通信を行うためのもので、当該通信ネットワーク12の通信方式と整合性をとるための例えば物理的な通信用回路やプラットフォーム等のソフトウエアにより構成されるものである。
【0031】
そこで、図4に本発明に係るカラオケ演奏管理システムにおけるユーザリスト作成のフローチャートおよびユーザリストの一例の説明図を示すと共に、図5に、作成された楽曲ランキングの一例の説明図を示す。図4(A)において、まず、所定のカラオケ演奏端末13(13A〜13N)の利用者が所持する自己のICカード71を当該演奏端末のカード読取手段55にセットすることで、当該カード読取手段55において登録者IDを読み取り、一旦記憶手段44の登録者データ領域64に記憶する。そして、当該利用者が表示を見ながら管理サーバ11に対して当該登録者IDと共にログイン要求を行う(ステップ(S)1)。
【0032】
管理サーバ11では、ログイン要求に応じてデータ配信処理手段27がアクセス対象を選択させるためのメニュー表示データを当該カラオケ演奏端末13に送信する(S2)。当該カラオケ演奏端末13よりユーザリストの要求があると(S3)、データ配信処理手段27が取得した登録者IDに基づいてユーザリストDB30より当該登録者IDのユーザリストを抽出して当該リストデータを送信する(S4)。すなわち、ユーザリストDB30には、図4(B)に示すように、登録者ID毎に登録された楽曲コード、楽曲名、アーティストが列挙されて格納されており、対象の登録者IDのリストデータを抽出するものである。
【0033】
カラオケ演奏端末13において、自己のユーザリストが表示され、このユーザリストにある所定の楽曲を削除する場合には(S5)、削除対象の楽曲を指定して送信する(S6)。管理サーバ11では、リスト作成手段25において当該ユーザリストに列挙されている楽曲のうち、削除対象の楽曲を削除する更新処理を行い(S7)、更新された当該ユーザリストのデータを送信する(S8)。また、表示された自己のユーザリストに新たに楽曲を追加する場合には(S9)、追加する楽曲を記憶手段44に記憶されている中から楽曲検索手段45で検索し(S10)、検索された楽曲のうち選択された楽曲情報(楽曲コード、楽曲名、アーティスト)のデータを送信する(S11)。
【0034】
そして、管理サーバ11では、リスト作成手段25において当該ユーザリストに列挙されている楽曲のうち、対象の楽曲を追加する更新処理を行い(S12)、更新された当該ユーザリストのデータを送信するものである(S13)。
【0035】
一方、管理サーバ11のランキング演算手段26では、更新されたユーザリストDB30に対して、定期的または随時に、総てのユーザリストを読み込み、関連づけられた登録者IDより登録者DB29を参照して、読み込んだ各楽曲に登録者IDで特定された年齢の情報を一時的に付加し、これらの楽曲情報を年齢範囲(例えば10歳範囲とする)で分類し、10齢範囲毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成する。すなわち、図5に示すように、例えば1〜10歳、11〜20歳、・・・、81〜90歳の年齢範囲で多数登録された楽曲順のランキングリスト(カウント、楽曲名、アーティスト)とするものである。
【0036】
そして、作成された年齢範囲毎のランキングリストはランキングDB31に格納され、データ配信処理手段27が随時または定期的に総てのカラオケ演奏端末13に送信し、当該カラオケ演奏端末13では取得したランキングリストを記憶手段44のランキングデータ領域65に記憶するものである。
【0037】
続いて、図6に、カラオケ演奏端末における楽曲ランキング検索の説明図を示す。カラオケ演奏端末13では、上述のように管理サーバ11のランキングDB31に格納されている楽曲ランキングが記憶手段44のランキングデータ領域65に記憶されている。そこで、当該カラオケ演奏端末13において利用者が歌唱する楽曲を選択するに際し、図3における楽曲検索手段44を立ち上げ、図6(A)に示すように、検索種類のタブの中からランキング検索を選択すると、当該利用者の情報を入力する画面が表れる。
【0038】
当該画面では、例えば利用者の年齢、性別、職業および住所地を要求しており、例えば、図のように「34歳」、「男性」、「会社員」、「東京都」が入力されたとする。なお、ランキングリストは年齢範囲でのみ作成されていることから、年齢の入力要求で十分であるが、ここでは後述する他の要素を含めたランキングリストが作成する場合もあるとして他の条件も入力要求するものとしている。
【0039】
そこで、楽曲検索手段44は、入力された年齢(34歳)に基づいて、当該年齢を含む年齢範囲のランキングリストを記憶手段44のランキングデータ領域65より抽出する。上記の年齢によれば、図5に示す31〜40歳の範囲のランキングリストのデータが抽出される。そして、図6(B)に示すように、抽出したランキングリストデータに基づいて対象のアーティストおよび楽曲名がリストアップ(例えば、ベスト10、ベスト20等)されて表示されるものである。なお、当該検索結果の表示上で指定選択した場合にそのまま楽曲を演奏させることとしてもよい。
【0040】
このように、年齢範囲別でよく歌唱される楽曲を容易な処理でリスト化することができるもので、このリストアップされた楽曲は利用者にとってはよく知っている楽曲が多数含まれることとなる。すなわち、年齢に応じてより精緻な楽曲選択を可能として利用者の満足度を向上させることができるものである。
【0041】
なお、上記例では、ランキングリストを作成するにあたって、年齢範囲を10歳範囲としたが、1歳(これも年齢範囲とする)から適宜設定することができるもので、範囲が狭まるほど利用者の歌唱可能性の高い楽曲をリスト化することが可能となるものである。この場合、年齢範囲に加えて、さらに性別、職業、住所地の何れかまたは複数で絞り込んでランキングリストを作成するとさらに歌唱可能性の高い楽曲をより精緻にリストアップすることができるものである。また、上記例では、管理サーバ11で作成したランキングリストのデータを、カラオケ演奏端末13のそれぞれに記憶させておく場合を示したが、管理サーバ11のみで保有しておき、通信ネットワーク12を介して当該管理サーバ11においてランキング検索することとしてもよい。これらのことは、以下の実施形態においても適用することができるものである。
【0042】
次に、図7に、本発明に係るカラオケ演奏管理システムにおける他のランキングリスト作成の構成説明図を示す。上記例では、ランキングリストを作成する対象を各利用者が持ち歌として楽曲登録しているユーザリストとした場合を示したが、ここでは特別な歌唱評価のサービスを受けた利用者の履歴をランキングリスト作成の対象としたものである。この場合の特別な歌唱評価には、例えば歌唱採点の結果で同一楽曲での全国順位を行う場合や、歌唱音声データを管理サーバ11に送信させて段級位を認定するもの等がある。
【0043】
すなわち、図7(A)において、カラオケ演奏端末13には、上記特別な歌唱評価のための構成要素として、評価処理手段である歌唱採点手段58を備えると共に、記憶手段44には採点ログ記憶領域(メモリ)66および歌唱音声データ記憶領域(メモリ)67を備える。また、管理サーバ11には、歌唱音声データDB32および履歴DB33が備えられる。
【0044】
上記カラオケ演奏端末13における歌唱採点手段58は、例えば採点テーブルを備え、選択された楽曲元データに基づいて音楽曲出力手段51でデジタル再生された楽曲の主旋律のピッチ基準条件と、マイク52より入力されてくる歌唱データをデジタル変換したデジタル歌唱データから抽出した歌唱ピッチとを上記採点テーブルを参照して比較し、これを例えば1小節ごとの区間毎の比較した結果の得点として例えば平均することにより採点結果とするもので、そのためのプログラムがRAM43に展開されて実行される。また、記憶手段44における採点ログ記憶領域66は、歌唱採点手段58で採点した結果を当該登録者IDに紐付けして歌唱毎に順次記憶する。そして、歌唱音声データ記憶領域66は、利用者の歌唱した歌唱音声データを当該登録者IDおよび楽曲コードと共に一旦記憶し、当該利用者が歌唱後にオーディションまたは歌唱検定を選択したときに、管理サーバ11に送信されるもので、次曲が選択されるまで保持するものである。
【0045】
また、管理サーバ11における歌唱音声データDB32は、上記段級位認定サービスを希望する利用者によって当該カラオケ演奏端末13より送信された音声データ(記憶手段44の音声データ記憶領域67)を格納するもので、履歴DB33は、上記の特別な歌唱評価のサービスを希望する利用者から送られてきた当該登録者IDが関連づけられた楽曲情報を格納するものである。
【0046】
そこで、図7(B)において、まず、所定のカラオケ演奏端末13より(13A〜13N)の利用者が所持する自己のICカード71を当該演奏端末のカード読取手段55にセットすることで、当該カード読取手段55において登録者IDを読み取り、一旦記憶手段44の登録者データ領域64に記憶する。そして、当該利用者が表示を見ながら管理サーバ11に対して当該登録者IDと共にログイン要求を行う(S21)。
【0047】
管理サーバ11では、ログイン要求に応じてデータ配信処理手段27がいずれの歌唱評価を選択させるための歌唱評価メニュー表示データを当該カラオケ演奏端末13に送信する(S22)。カラオケ演奏端末13では、利用者が楽曲の検索(直接選曲でもよい)を行い(S23)、いずれの歌唱評価かを選択した後に(S24)、歌唱される(S25)。そして、歌唱後に、歌唱評価データ(採点結果データまたは歌唱音声データ)および登録者ID、楽曲コード、楽曲名、アーティストのデータを管理サーバ11に送信する(S26)。
【0048】
管理サーバ11では、受信した歌唱評価データを歌唱音声データDB32等に記憶すると共に、登録者ID、楽曲コード、楽曲名、アーティストのデータに基づいて、履歴DB33に日付と共に記録する(S27)。そこで、ランキング演算手段26が履歴DB33に対して、定期的または随時に、総ての履歴データの楽曲等を読み込み、関連づけられた登録者IDより登録者DB29を参照して、読み込んだ各楽曲に登録者IDで特定された年齢の情報を一時的に付加し、これらの楽曲情報を年齢範囲(例えば10歳範囲とする)で分類し、10齢範囲毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成する。すなわち、図5に示すように、例えば1〜10歳、11〜20歳、・・・、81〜90歳の年齢範囲で多数登録された楽曲順のランキングリスト(カウント、楽曲名、アーティスト)とするものである。
【0049】
このように、ランキングリストを作成するにあたって、上記のユーザリストのほかに履歴情報に基づいても年齢範囲別でよく歌唱される楽曲を容易な処理でリスト化することができ、上記同様に、年齢に応じてより精緻な楽曲選択を可能として利用者の満足度を向上させることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のカラオケ演奏管理システムは、カラオケ演奏端末に対して顧客に応じた楽曲選択のサービス提供に利用させるに適する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るカラオケ演奏管理システムのネットワーク接続状況の模式図である。
【図2】本発明に係るカラオケ演奏管理システムのブロック構成図および登録者DBの格納内容の一例の説明図である。
【図3】図1のカラオケ演奏端末のブロック構成図である。
【図4】本発明に係るカラオケ演奏管理システムにおけるユーザリスト作成のフローチャートおよびユーザリストの一例の説明図である。
【図5】作成された楽曲ランキングの一例の説明図である。
【図6】カラオケ演奏端末における楽曲ランキング検索の説明図である。
【図7】本発明に係るカラオケ演奏管理システムにおける他のランキングリスト作成の構成説明図である。
【符号の説明】
【0052】
11 カラオケ演奏管理サーバ
12 通信ネットワーク
13 カラオケ演奏端末
14 遠隔入出力装置
25 リスト作成手段
26 ランキング演算手段
29 登録者DB(データベース)
30 ユーザリストDB
31 ランキングDB
33 履歴DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の所定情報と関連づけられた登録者IDを用いて歌唱させる手段を備えるカラオケ演奏端末と通信ネットワークを介して接続するための通信手段を備えるカラオケ演奏管理システムであって、
前記カラオケ演奏端末の各利用者の前記所定情報および登録者IDを格納する第1格納手段と、
前記通信ネットワークに接続された前記各カラオケ演奏端末より前記利用者の登録者IDに関連づけて送られてくる歌唱予定のまたは歌唱された指定楽曲の情報を格納する第2格納手段と、
前記第2格納手段より総ての楽曲情報を読み込み、関連づけられた前記登録者IDより前記第1格納手段を参照して、少なくとも所定の年齢範囲で分類し、年齢範囲毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成するランキング演算手段と、
前記ランキング演算手段で年齢範囲毎に作成されたそれぞれの年齢範囲別のリストファイルを格納する第3格納手段と、
少なくとも、前記カラオケ演奏端末での利用者による楽曲検索に対し、当該登録者IDより特定される年齢に応じて、前記年齢範囲別のリストファイルにおける楽曲リストの全部または一部を表示させるために、当該カラオケ演奏端末に対して適時に前記第3格納手段に格納されている年齢範囲別のリストファイルの全部または一部を転送するデータ配信処理手段と、
を有することを特徴とするカラオケ演奏管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載のカラオケ演奏管理システムであって、前記ランキング演算手段は、前記年齢範囲に加えて、前記利用者の所定情報としての少なくとも性別、住所地、職業のうちの少なくとも何れかで分類し、分類毎に同一楽曲の指定数でリスト化したリストファイルを作成することを特徴とするカラオケ演奏管理システム。
【請求項3】
請求項1または2記載のカラオケ演奏管理システムであって、前記第2格納手段は、前記指定楽曲の情報が前記各利用者による持ち歌の楽曲として前記カラオケ演奏端末より所定数登録されるものであり、当該利用者の登録者ID毎にユーザリストとして格納することを特徴とするカラオケ演奏管理システム。
【請求項4】
請求項1または2記載のカラオケ演奏管理システムであって、前記各カラオケ演奏端末は利用者による歌唱を評価するための評価処理手段を備えるもので、当該カラオケ演奏端末より前記登録者IDに関連づけられて評価要求および歌唱楽曲の情報を取得した際に、前記第2格納手段は、前記指定楽曲としての当該歌唱楽曲の情報を当該登録者IDに関連づけて履歴リストとして格納することを特徴とするカラオケ演奏管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−98832(P2006−98832A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−285966(P2004−285966)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】