説明

カラオケ演奏装置における歌詞文字表示システム

【課題】 歌唱者にとって歌詞テロップの文字サイズが小さすぎる場合であっても、歌唱者が容易に歌詞を思い出すきっかけを与えることが可能なカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムを提供する。
【解決手段】 カラオケ楽曲の演奏に同期して表示させる歌詞文字データ及びその表示タイミングデータ33bをカラオケ楽曲毎に記憶する歌詞文字データ記憶手段(楽曲データベース34a)と、任意のカラオケ楽曲の演奏に際して、当該カラオケ楽曲の表示タイミングデータ33bに基づいて複数の歌唱フレーズをそれぞれ識別し、各歌唱フレーズにおいて歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる歌詞文字表示サイズ制御手段39とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムに関し、歌唱者にとって歌詞テロップの文字サイズが小さすぎる場合であっても、歌唱者が容易に歌詞を思い出すきっかけを与えることが可能なシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
カラオケ演奏装置を利用してカラオケを楽しむには、表示装置の表示画面に表示される歌詞テロップを見ながら歌詞を確認すると共に、歌詞文字の色変わりタイミングに合わせて歌唱を行うのが一般的である。頻繁に歌唱している楽曲の場合には歌詞を覚えていることが多いが、たまにしか歌唱しない楽曲や初めて歌唱する楽曲の場合には、歌詞テロップの表示を頼りに歌唱を行うことになる。
【0003】
この際、若者のように視力が良い歌唱者の場合には、小さな歌詞文字であっても認識することができるが、老人のように視力が良くない歌唱者の場合には、小さな歌詞文字では認識することができない場合がある。そして、歌詞文字を認識できないと、上手に歌うことができないため、カラオケの楽しさを十分に味わうことができない。
【0004】
そこで、従来、歌詞テロップの文字サイズを変更することが可能なカラオケ演奏装置が種々開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1に記載された技術は、表示される歌詞文字の文字サイズを設定することにより、所望の大きさの文字サイズで歌詞文字を表示できるようにしたものである。
【0005】
また、特許文献2に記載された技術は、予め複数の文字サイズや文字形態(漢字、ひらがな等の形態)の表示データを用意しておき、歌唱者の所望に応じて適宜な文字サイズや文字形態で歌詞文字を表示できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−334178号公報
【特許文献2】特開2002−82678号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、現在のカラオケ演奏装置には、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示し、楽曲の歌唱だけではなく、背景映像の美しさを楽しむことができるものがある。このようなカラオケ演奏装置では、背景映像を楽しませることが目的の一つであるため、背景映像と共に表示される歌詞テロップ(歌詞文字)を縮小表示させることができるようになっている。
【0008】
すなわち、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示するカラオケ演奏装置では、歌詞テロップを縮小表示できるようになっており、これにより、歌詞テロップが邪魔にならずに高精細な背景映像を見ることができるので、迫力と臨場感がある美しい映像により、カラオケの楽しさをさらに増加させることができる。
【0009】
上述したように、歌詞テロップを縮小表示した場合に、頻繁に歌唱している楽曲であれば、歌詞をほぼ暗記しているため歌詞テロップの縮小表示が問題となることは殆ど無い。また、視力が良い歌唱者であれば、歌詞テロップが縮小表示されていても文字を認識することができるが、視力がそれほど良くない歌唱者にとっては、歌詞テロップが縮小表示されていると文字を認識することができず、カラオケの楽しさを十分に味わうことができない場合もある。さらに、一般的な文字サイズで歌詞テロップが表示されている場合であっても、表示装置から離れていたり、視力があまり良くなかったりする歌唱者にとっては、歌詞文字が小さすぎて歌詞を確認できないこともある。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、歌唱者にとって歌詞テロップの文字サイズが小さすぎる場合であっても、歌唱者が容易に歌詞を思い出すきっかけを与えることが可能なカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムは、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明のカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムは、歌詞テロップを表示する際に、各歌唱フレーズにおける各歌詞文字の表示サイズを変更することが可能なカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムであって、歌詞文字データ記憶手段と、歌詞文字表示サイズ制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0012】
歌詞文字データ記憶手段は、カラオケ楽曲の演奏に同期して表示させる歌詞文字データ及びその表示タイミングデータをカラオケ楽曲毎に記憶するための手段である。歌詞文字表示サイズ制御手段は、任意のカラオケ楽曲の演奏に際して、当該カラオケ楽曲の表示タイミングデータに基づいて複数の歌唱フレーズをそれぞれ識別し、各歌唱フレーズにおいて歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させるための手段である。
【0013】
また、上述した構成に加えて、歌詞文字縮小表示制御手段をさらに備えることが可能である。歌詞文字縮小表示制御手段は、歌詞文字をデフォルトサイズよりも小さく表示させるための手段である。この場合、歌詞文字表示サイズ制御手段は、歌詞文字縮小表示制御手段により歌詞文字データの縮小表示制御が行われている場合に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる制御を行う。
【0014】
このような構成からなるカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムでは、楽曲データベース等からなる歌詞文字データ記憶手段により、楽曲毎に、演奏に同期して表示させる歌詞文字データ及びその表示タイミングデータを記憶する。そして、カラオケ楽曲を演奏する際に、当該カラオケ楽曲の背景映像データに同期させて、歌詞文字データ記憶手段に記憶されている歌詞文字データ及びその表示タイミングデータに基づいて生成される歌詞文字を表示装置の表示画面に表示させる。
【0015】
この際、歌詞文字表示サイズ制御手段の機能により、カラオケ楽曲の表示タイミングデータに基づいて複数の歌唱フレーズをそれぞれ識別し、各歌唱フレーズにおいて歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる。例えば、各歌唱フレーズの先頭文字あるいは先頭文字から所定数の文字を、それ以降の文字よりも大きく表示したり、各歌唱フレーズの末尾側から先頭側に向かって徐々に文字サイズを大きくしたりする。
【0016】
また、例えば、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示するカラオケ演奏装置では、迫力と臨場感がある美しい背景映像を楽しませるために、歌詞文字縮小表示制御手段の機能により、歌詞文字をデフォルトサイズよりも小さく表示させる場合がある。この場合には、歌詞文字表示サイズ制御手段の機能により、上述した歌詞文字サイズの変更表示を行わせる。すなわち、歌詞文字縮小表示制御手段の機能により歌詞文字が縮小表示されている場合に、歌詞文字表示サイズ制御手段の機能により、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムによれば、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させることにより、視力が弱い歌唱者や表示装置から遠い位置にいる歌唱者であっても、歌詞文字の先頭側の文字を認識し易くなる。そして、歌詞文字の先頭側の文字を認識できれば、それに続く歌詞文字を思い出すきっかけになり、歌詞文字の全体を認識できない場合であっても歌唱を行うことができるので、カラオケの楽しさを十分に味わうことが可能となる。
【0018】
また、このように、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示する制御は、特に、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示するカラオケ演奏装置のように、歌詞テロップが縮小表示されている場合に有効となる。すなわち、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示するカラオケ演奏装置では、歌詞文字を縮小表示することにより、歌詞テロップが邪魔にならずに、迫力と臨場感がある美しい映像を楽しむことができるが、この場合にも、高詳細な背景映像を楽しむことができると共に、歌詞文字の先頭側の文字を容易に確認して、それに続く歌詞文字を思い出したり、連想したりするきっかけを与えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムの構成を示すブロック図。
【図2】歌詞文字の表示タイミングデータの構成を示す説明図。
【図3】歌詞テロップの表示例(1)を示す模式図。
【図4】歌詞テロップの表示例(2)を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明のカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システム(以下、歌詞文字表示システムと記す)の実施形態について説明する。図1〜図4は本発明の実施形態に係る歌詞文字表示システムを示すもので、図1は歌詞文字表示システムの構成を示すブロック図、図2は表示タイミングデータの構成を示す説明図、図3及び図4は歌詞テロップの表示例を示す模式図である。
【0021】
<歌詞文字表示システムの概要>
本発明の実施形態に係る歌詞文字表示システムは、カラオケ演奏装置の構成要素として実現されるシステムであって、各歌唱フレーズにおいて歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させることにより、歌唱者が容易に歌詞を思い出したり、連想したりするきっかけを与えることができるようしたシステムである。この歌詞文字表示システムは、歌詞文字データ記憶手段(例えば、HDDに記憶された楽曲データベース)及び歌詞文字表示サイズ制御手段により構成される。また、これらの手段に加えて、歌詞文字縮小表示制御手段を備えることが可能である。各手段については、後に詳述する。
【0022】
上述した各手段及び以下に説明する各手段は、例えば、CPU等のハードウェアが、ROM等に記憶されたプログラムに従って動作することにより実現されるものである。なお、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0023】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係る歌詞文字表示システムを適用するカラオケ演奏装置10は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、マイクロホン24、表示装置25、ミキシングアンプ26を備えている。
【0024】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作や、歌詞文字の縮小表示設定等を行うことができる。
【0025】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ本体21で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0026】
<マイクロホン>
マイクロホン24は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン24から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ26により、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ23へ出力される。
【0027】
<表示装置>
表示装置25は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。この表示装置25は、一般的に普及している液晶ディスプレイ等であってもよいし、フルハイビジョンに対応した液晶ディスプレイ等であってもよい。
【0028】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、図1に示すように、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、映像再生制御手段38、歌詞文字表示サイズ制御手段39、歌詞文字縮小表示制御手段40を備えている。
【0029】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0030】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。
【0031】
本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33a、歌詞文字の表示タイミングデータ33bが記憶されている。予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。歌詞文字の表示タイミングデータ33bは、楽曲データベース34aから抽出した歌詞文字の表示タイミングに関するデータである。
【0032】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34bが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0033】
<楽曲データベース(歌詞文字データ記憶手段)>
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字データ、歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。本実施形態では、この楽曲データベース34aが歌詞文字データ記憶手段として機能する。
【0034】
<表示タイミングデータ>
歌詞文字の表示タイミングデータ33bは、MIDI規格により構成されており、例えば、図2に示すように、最初の歌詞のワイプ開始時刻を示すコーラスマーク、最後の歌詞のワイプ終了時刻を示すエンディングマーク、間奏区間の直前におけるワイプ終了時刻を示す間奏マーク、歌詞文字表示における各ページの最初のフレーズのワイプ開始タイミングを示すフレーズマーク等がある。本実施形態では、これらの表示タイミングデータ33bのうちのコーラスマーク及びフレーズマークを利用して、一連の歌詞文字群を複数に分割して、複数の歌唱パートを形成する。歌詞テロップ(歌詞文字)は、各歌唱パートを一区切りとして表示される。
【0035】
<映像データベース>
映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応して表示される背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。なお、背景映像データは、複数のカラオケ楽曲に対応したデータであってよいし、各カラオケ楽曲にそれぞれ対応したデータであってもよい。また、背景映像データを、フルハイビジョンに対応した高精細な映像データとすることが可能である。
【0036】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0037】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。カラオケ演奏は、予約待ち行列33aに登録された楽曲ID順に行われ、演奏が終了した楽曲及び予約をキャンセルした楽曲については、その楽曲IDが予約待ち行列から削除される。
【0038】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ26に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ26は、マイクロホン24から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0039】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段38は、カラオケ楽曲を演奏する際に、映像データベース34bから抽出した当該カラオケ楽曲の背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて生成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置25に出力するためのプログラムからなる。
【0040】
<歌詞文字表示サイズ制御手段>
歌詞文字表示サイズ制御手段39は、任意のカラオケ楽曲の演奏に際して、当該カラオケ楽曲の表示タイミングデータに基づいて複数の歌唱フレーズをそれぞれ識別し、各歌唱フレーズにおいて歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させるためのプログラムからなる。
【0041】
歌詞文字表示サイズ制御手段39の文字サイズ制御では、例えば、各歌唱フレーズの先頭文字あるいは先頭文字から所定数の文字を、それ以降の文字よりも大きく表示したり、各歌唱フレーズの末尾側から先頭側に向かって徐々に文字サイズを大きくしたりすることができる。
【0042】
また、歌詞文字表示サイズ制御手段39は、歌詞文字縮小表示制御手段40により歌詞文字データの縮小表示制御が行われている場合に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示するように機能させることも可能である。
【0043】
なお、歌詞文字表示サイズ制御手段39を機能させるか否かを設定可能な構成とすることが好ましい。すなわち、サービスマンやカラオケ店員がサービススイッチを操作して、デフォルト設定として、歌詞文字データの表示サイズを制御するか否かを設定することが可能である。また、歌唱者がカラオケリモコン装置22等を用いて設定を行うことにより、楽曲毎に歌詞文字データの表示サイズを制御するか否かを設定することも可能である。いずれの場合であっても、歌唱者がカラオケリモコン装置22等を用いてデフォルト設定を変更することが可能である。
【0044】
<歌詞文字縮小表示制御手段>
歌詞文字縮小表示制御手段40は、歌詞文字をデフォルトサイズよりも小さく表示させるためのプログラムからなる。例えば、フルハイビジョンに対応した高精細な背景映像を表示するカラオケ演奏装置10では、背景映像を楽しませるために、歌詞文字縮小表示制御手段40の機能により、歌詞文字をデフォルトサイズよりも小さく表示させればよい。
【0045】
なお、歌詞文字縮小表示制御手段40を機能させるか否かを設定可能な構成とすることが好ましい。すなわち、サービスマンやカラオケ店員がサービススイッチを操作して、デフォルト設定として、歌詞文字データを縮小表示させるか否かを設定することが可能である。また、歌唱者がカラオケリモコン装置22等を用いて設定を行うことにより、楽曲毎に歌詞文字データを縮小表示させるか否かを設定することも可能である。いずれの場合であっても、歌唱者がカラオケリモコン装置22等を用いてデフォルト設定を変更することが可能である。
【0046】
<歌詞文字の表示制御処理>
図3及び図4を参照して、本実施形態の歌詞文字表示制御処理について説明する。サービスマンやカラオケ店員の操作により、あるいは歌唱者の操作により、歌詞文字表示サイズ制御手段39が動作するような設定が行われると、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示する制御が行われる。
【0047】
図3に示す例では、各歌唱フレーズにおいて、歌詞テロップ(歌詞文字)の最先頭の1文字を、それ以降の文字よりも大きなサイズで表示する。これにより、歌詞テロップの表示を見ている歌唱者は、最先頭の1文字を視認して、この1文字に続く歌詞を思い出したり、連想したりするきっかけを得ることができる。なお、大きなサイズで表示する文字数は、最先頭の1文字に限られず、2文字あるいは3文字であってもよい。
【0048】
図4に示す例では、各歌唱フレーズにおいて、歌詞テロップ(歌詞文字)の先頭側から末尾側へ向かって歌詞文字が徐々に小さくなるように表示する。なお、最末尾の歌詞文字の文字サイズがデフォルトの文字サイズである。これにより、歌詞テロップの表示を見ている歌唱者は、先頭側の文字を視認して、この文字に続く歌詞を思い出したり、連想したりするきっかけを得ることができる。図4に示す例では、最先頭の文字が一番大きく表示され、末尾側へ向かって徐々に小さく表示されるので、最先頭の1文字あるいは2文字だけでは歌詞を連想できない場合であっても、続く3文字目あるいは4文字目により、歌詞を連想できる可能性を高めることができる。なお、すべての歌詞文字を徐々に小さく表示するのではなく、先頭から数文字の間でデフォルトの文字サイズに達するように、歌詞文字を徐々に小さく表示し、デフォルトの文字サイズに達した以降の歌詞文字は、すべてデフォルトの文字サイズで表示してもよい。
【0049】
上述した図3及び図4に示す例のように、歌詞文字は左側から右側へ向かって表示されることが一般的である。本実施形態では、歌詞テロップの先頭側である左側の文字を大きなサイズで表示するため、拡大表示された文字は画面の左隅に位置し、背景映像の邪魔になる可能性が低くなる。すなわち、本発明のように、各歌唱フーズにおいて歌詞テロップの先頭側の文字を拡大表示したとしても、背景映像表示の阻害を極力避けることができる。
【0050】
<他の実施形態>
本発明のシステム及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ本体21をカラオケサーバとネットワーク接続することにより、利用者情報等を一元的に管理することができる。
【符号の説明】
【0051】
10 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 スピーカ
24 マイクロホン
25 表示装置
26 ミキシングアンプ
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
33b 表示タイミングデータ
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 映像再生制御手段
39 歌詞文字表示サイズ制御手段
40 歌詞文字縮小表示制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歌詞テロップを表示する際に、各歌唱フレーズにおける各歌詞文字の表示サイズを変更することが可能なカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システムであって、歌詞文字データ記憶手段と、歌詞文字表示サイズ制御手段と、を備え、
前記歌詞文字データ記憶手段は、カラオケ楽曲の演奏に同期して表示させる歌詞文字データ及びその表示タイミングデータをカラオケ楽曲毎に記憶し、
前記歌詞文字表示サイズ制御手段は、任意のカラオケ楽曲の演奏に際して、当該カラオケ楽曲の前記表示タイミングデータに基づいて複数の歌唱フレーズをそれぞれ識別し、各歌唱フレーズにおいて前記歌詞文字データを表示させる際に、各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる、
ことを特徴とするカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システム。
【請求項2】
歌詞文字縮小表示制御手段をさらに備え、
前記歌詞文字縮小表示制御手段は、前記歌詞文字をデフォルトサイズよりも小さく表示させ、
前記歌詞文字表示サイズ制御手段は、前記歌詞文字縮小表示制御手段により歌詞文字データの縮小表示制御が行われている場合に、前記各歌唱フレーズにおける先頭側の文字サイズを末尾側の文字サイズよりも大きく表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のカラオケ演奏装置における歌詞文字表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−54046(P2013−54046A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190018(P2011−190018)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】