説明

カラオケ装置、カラオケシステム

【課題】歌詞テロップ等の撮影を禁止し得るカラオケ装置等を提供する。
【解決手段】カラオケシステムは、カラオケ装置100と、サーバ600を有し、カラオケ装置100は、コマンダ200、STB300、カメラ410、第1ディスプレイ421等を有する。著作権フラグが付帯された再生映像データPvに係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影し、アップロードする場合、カラオケ装置100は、第1ディスプレイ421等にビデオ信号Viを出力すると共に、カメラ410に著作権信号Crを出力する(S5)。著作権信号Crに基づき、カメラ410は、アクチュエータ416を制御し、第1ディスプレイ421等の表示側偏光フィルタ425を透過した直線偏光Pを、撮影側偏光フィルタ415で遮断しつつ、歌唱者Sの様子を撮影する(S12〜S15)。カラオケ装置100は、撮影内容に係る投稿動画データCoを、サーバ600へアップロードする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歌唱者の映像を記録することができるカラオケ装置、カラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歌唱者の歌唱内容を記録可能なカラオケ装置が提案されている。例えば、特許文献1記載のカラオケ録音装置は、歌唱者の歌声を伴奏音楽と共に記録する。又、当該カラオケ録音装置は、伴奏音楽のみを記録し得るように構成されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−167592号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、カラオケ装置の分野においては、歌唱者の歌声のみならず歌唱者の歌唱の様子を撮影し映像として記録することにより、サービスの多様化、充実化を図り得る。このようなサービスを提供することは、カラオケ事業者にとって、集客力の向上という観点から好ましい。
【0005】
通常、カラオケシステムにおいて、歌唱者は、ディスプレイに表示された歌詞テロップを見ながら歌唱を行う。又、楽曲の再生中、所定の背景映像が前記ディスプレイに表示される。ここで、歌唱者の歌唱の様子を撮影する場合、前記ディスプレイの内容が、歌唱者と共に撮影・記録され得る。この点、歌詞テロップや背景映像の記録が禁止されたコンテンツを用いてカラオケ歌唱が行われる場合、当該歌詞テロップや背景映像の記録を禁止し得る構成が必要である。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、記録が禁止されているカラオケコンテンツを用いた場合であっても、歌唱者の歌唱の様子を撮影し映像として記録し得るカラオケ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る請求項1記載のカラオケ装置は、ディスプレイ、カメラ、記録手段、映像出力制御手段、音声出力手段、とを備えるカラオケ装置であって、前記音声出力手段は、カラオケデータに含まれる楽音情報に基づいて、音声信号を出力し、前記映像出力制御手段は、前記カラオケデータに含まれる映像信号を前記ディスプレイに出力可能であり、前記カラオケデータに対する制御情報を取得し、前記制御情報に基づいて、前記カメラに対して制御信号を出力し、前記ディスプレイは、前記カラオケデータに含まれる映像信号に基づく光を出射する映像出力装置と、前記映像出力装置から出射された光における特定の直線偏光のみを透過する第1偏光手段と、を有し、前記カメラは、レンズを介して前記カメラの撮像手段の撮像面に入射された光に基づき撮影し、前記撮像面側に配設され、当該撮像面へ向かう光における特定の直線偏光のみを透過する第2偏光手段と、前記制御信号を受信した場合に、当該制御信号に基づいて、前記第2偏光手段を前記撮像面を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する偏光制御手段と、を有し、前記記録手段は、前記カメラが撮影した映像信号を記録することを特徴とする。
【0008】
当該カラオケ装置は、カラオケデータに対する制御情報に基づく制御信号に従って、前記偏光制御手段により、第2偏光手段を撮像面を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する。この場合、前記ディスプレイに、カラオケデータに基づく映像信号に係る映像が表示されていても、カメラが撮影した映像信号は、ディスプレイに表示されている映像内容を含むことはない。これにより、当該カラオケ装置は、映像の記録が禁止されている場合に、当該映像が記録されることを効率的に防止し得る。又、歌唱者等は、第2偏光手段を介することなく、第1偏光手段を介した光により、ディスプレイに表示された映像を把握し得るので、当該カラオケ装置は、カラオケサービスの魅力を損なうことはない。
【0009】
本発明の一側面に係る請求項2記載のカラオケ装置は、請求項1記載のカラオケ装置であって、前記カラオケデータは、背景画像及び歌詞テロップを含み、前記制御情報は、当該カラオケデータに含まれる背景画像と歌詞テロップの少なくとも一方に関する記録の禁止するか否かを示し、前記偏光制御手段は、前記記録の禁止を示す制御情報に基づく制御信号を受信した場合に、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸に回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断し、前記記録の許可を示す制御情報に基づく制御信号を受信した場合に、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸に回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を前記撮像面へ透過させることを特徴とする。
【0010】
当該カラオケ装置は、再生するカラオケデータに係る背景画像と歌詞テロップの少なくとも一方の記録を禁止するか否かを示す制御情報に応じて、偏光制御手段を制御し、第2偏光手段によって、第1偏光手段を透過した光を撮像面へ透過するか否かを制御する。これにより、当該カラオケ装置は、映像の記録が禁止されている場合に、当該歌詞テロップや背景映像が記録されることを効率的に防止し得る。
【0011】
本発明の一側面に係る請求項3記載のカラオケ装置は、請求項1又は請求項2記載のカラオケ装置であって、前記偏光制御手段は、前記第2偏光手段の吸収軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記第2偏光手段によって遮断し、前記第2偏光手段の偏光軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記撮像面へ透過させることを特徴とする。
【0012】
当該カラオケ装置は、前記偏光制御手段により、前記第2偏光手段の吸収軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記第2偏光手段によって遮断し、前記第2偏光手段の偏光軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記撮像面へ透過させる。これにより、当該カラオケ装置は、映像の記録が禁止されている場合に、より確実に、当該映像が記録されることを防止し得る。
【0013】
本発明の一側面に係る請求項4記載のカラオケ装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカラオケ装置であって、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイにより構成されていることを特徴とする。
【0014】
当該カラオケ装置は、第1偏光手段及び映像出力装置を有するディスプレイを、液晶ディスプレイにより構成し得る。従って、当該カラオケ装置は、映像の記録が禁止されている場合に、汎用の液晶ディスプレイを用いて、当該映像が記録されることを効率的に防止し得る。
【0015】
本発明の一側面に係る請求項5記載のカラオケシステムは、ディスプレイ、カメラ、コマンダからなるカラオケシステムにおいて、前記ディスプレイは、カラオケデータに含まれる映像信号に基づく光を出射する映像出力装置と、前記映像出力装置から出射された光における特定の直線偏光のみを透過する第1偏光手段と、を有し、前記カメラは、レンズを介して前記カメラの撮像手段の撮像面に入射された光に基づき撮影し、前記撮像面側に配設され、当該撮像面へ向かう光における特定の直線偏光のみを透過する第2偏光手段と、前記制御信号を受信した場合に、当該制御信号に基づいて、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する偏光制御手段と、を有し、前記コマンダは、前記ディスプレイに接続され、前記カラオケデータに含まれる映像信号を、前記ディスプレイに出力可能であり、前記カメラに接続され、前記カメラが撮影した映像信号を記憶する記憶手段と、を有し、前記カラオケデータに対する制御情報を取得し、前記制御情報に基づいて、前記カメラに対して制御信号を出力することで、前記偏光制御手段を制御して、前記第1偏光手段を透過した光を遮断することを特徴とする。
【0016】
当該カラオケシステムは、カラオケデータに対する制御情報に基づく制御信号に従って、前記偏光制御手段により、第2偏光手段を撮像面を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する。これにより、当該カラオケシステムは、映像の記録が禁止されている場合に、当該映像が記録されることを効率的に防止し得る。又、歌唱者等は、第2偏光手段を介することなく、第1偏光手段を介した光により、ディスプレイに表示された映像を把握し得るので、当該カラオケシステムは、カラオケサービスの魅力を損なうことはない。
【0017】
本発明の一側面に係る請求項6記載のカラオケシステムは、請求項5記載のカラオケシステムであって、前記ディスプレイは、液晶ディスプレイにより構成されていることを特徴とする。
【0018】
当該カラオケシステムは、第1偏光手段及び映像出力装置を有するディスプレイを、液晶ディスプレイにより構成し得る。従って、当該カラオケシステムは、映像の記録が禁止されている場合に、汎用の液晶ディスプレイを用いて、当該映像が記録されることを効率的に防止し得る。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、記録が禁止されているカラオケコンテンツを用いた場合であっても、歌唱者の歌唱の様子を撮影し、映像として記録し得る。これにより、本発明は、カラオケ事業におけるサービスの多様化・充実化に貢献し得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】カラオケシステムに関する説明図である。
【図2】カラオケシステムの制御構成に関する説明図である。
【図3】再生映像データに関する説明図である。
【図4】コマンダ制御処理プログラムのフローチャートである。
【図5】カメラ制御処理プログラムのフローチャートである。
【図6】STB制御処理プログラムのフローチャートである。
【図7】記録が許可されている場合の撮影に関する説明図である。
【図8】記録が禁止されている場合の撮影に関する説明図である。
【図9】ディスプレイの表示内容と撮影内容の関係を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0022】
(システム構成)
先ず、本発明の一実施形態に係るカラオケシステムの構成について、図1、図2を参照しつつ説明する。本実施形態に係るカラオケシステムは、各地のカラオケ店舗等に設置されたカラオケ装置100と、通信網Nと、サーバ600と、によって基本的に構成される(図2参照)。カラオケ装置100は、カラオケ店舗の客室ごとに設置されている。カラオケ装置100は、例えば、カラオケ店舗内に設置されるルータを介して、通信網Nによってサーバ600と接続される。
【0023】
尚、通信網Nは、どのような形態でもよく、例えば、有線、無線、有線及び無線の併用の何れであっても良い。更に、通信網Nは、インターネットを利用したVPN(Virtual Private Network)であってもよい。
【0024】
(カラオケ装置の構成)
続いて、カラオケ装置100の構成について説明する。当該カラオケ装置100は、コマンダ200、STB300(セットトップボックス、Set Top Box)、カメラ410、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422、マイク430、スピーカ450から構成されている。図1に示すように、歌唱者Sは、スピーカ450から出力される所望の楽曲に係る伴奏に合わせて、マイク430を用いてカラオケ歌唱を行う。この時、歌詞テロップ及び背景画像が、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422に表示される(例えば、図9(a)、(c)参照)。従って、歌唱者Sは、第2ディスプレイ422等における歌詞テロップの表示に従って、カラオケ歌唱を行い得る。
【0025】
そして、カメラ410は、通常、歌唱者Sを撮影可能な位置に配置されている。従って、当該カラオケ装置100は、カラオケ歌唱を行う歌唱者Sを撮影し得る。尚、当該カメラ410は、自由に移動させることができる。
【0026】
尚、図1に示すカラオケ装置100の外観は単なる一例であり、本発明は、当該外観を有するカラオケ装置100に限定されるものではない。例えば、本実施形態においては、ディスプレイの数を2つとしているが、第2ディスプレイ422を省略して、第1ディスプレイ421のみで構成することも可能である。
【0027】
(コマンダの構成)
次に、カラオケ装置100を構成するコマンダ200について、図2を参照しつつ説明する。コマンダ200は、CPU、ROM、RAM、映像データ再生部210、再生映像データ記憶部220、指示入力部230、音声再生部、補助記憶部を有している。
【0028】
コマンダ200のCPUは、種々のプログラム(例えば、後述するコマンダ側制御処理プログラム)を実行する。コマンダ200のROMは、種々のデータを記憶する。具体的には、コマンダ200のROMは、コマンダ側制御処理プログラム(図4参照)を記憶している。コマンダ200のRAMは、種々のデータを一時的に記憶する。
【0029】
映像データ再生部210は、再生映像データ記憶部220に格納されている再生映像データPvを読み出し、当該再生映像データPvに基づく映像の再生を行う。即ち、当該映像データ再生部210は、当該再生映像データPvと共に、マイク430から入力された音声信号Voを、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422へ出力する。尚、映像データ再生部210は、ホスト(図示せず)から送信された再生映像データPvに基づいて、ストリーミング再生を行うことも可能である。
【0030】
再生映像データ記憶部220は、カラオケ歌唱に用いられる楽曲に対応する再生映像データPvを記憶している。当該再生映像データPvに基づく映像は、カラオケ歌唱に際し、映像データ再生部210を介して、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422に表示される。
【0031】
ここで、再生映像データPvは、図9(a)、(c)に示すように、背景映像及び歌詞テロップを含む。当該再生映像データPvに含まれる背景映像、歌詞テロップは、カラオケ歌唱のための「再生」は許可されているが、「記憶」が禁止されている場合がある。図1に示す歌唱態様においては、カメラ410が撮影する映像に、背景映像、歌詞テロップが映ることが想定される(図9(b)参照)。
【0032】
本実施形態に係るカラオケシステムにおいては、歌詞テロップ、背景映像の記録が禁止されている場合、著作権フラグが、当該再生映像データPvに対して付帯される(図3参照)。再生映像データPvに対する著作権フラグの有無は、背景映像、歌詞テロップの記憶が禁止されているか否かを示す。従って、コマンダ200のCPUは、著作権フラグの有無を確認することで、当該再生映像データPvに係る背景映像、歌詞テロップの記憶が禁止されているか否かを把握し得る。
【0033】
尚、本実施形態では、再生映像データPvに対して著作権フラグを付帯させていたが、楽曲(再生映像データPv)毎の著作権フラグをテーブルとして定義してもよい。この場合、当該テーブルは、コマンダ200の記憶装置(例えば、再生映像データ記憶部220や、後述する補助記憶部)に記憶される。
【0034】
指示入力部230は、カラオケ装置100に関する各種指示の入力を受け付ける。当該指示入力部230は、コマンダ200に配設されたコントロールパネルや、リモコン(図示せず)に対するユーザの操作入力を受け付ける。当該リモコンは、指示入力部230との間で、赤外線通信や電波通信可能に無線接続されている。そして、当該指示入力部230は、ユーザの操作に基づく撮影開始信号St、撮影終了信号Enや、後述する著作権信号Crを、カメラ410の制御部411へ出力する。又、当該指示入力部230は、ユーザの操作に基づくアップロード信号Uを、STB300へ出力する。
【0035】
コマンダ200の音声再生部は、カラオケデータを構成する楽曲の再生を行う。コマンダ200の補助記憶部は、例えば、楽曲の再生に必要な音声データ(楽音信号)等を記憶する。従って、当該音声再生部は、ユーザ所望の楽曲に係る音声データを読み出し、読み出した音声データを再生する。
【0036】
尚、これらのデータは、サーバ600からダウンロードすることができる。又、これらのデータのダウンロードは、ルータ(図示せず)を用いてもよい。ここで、リクエストされた楽曲は、リクエスト毎にサーバ600のカラオケデータベースから補助記憶部へダウンロードしてもよい。又、リクエストされた楽曲を、ホストまたはコマンダ200に一時的に記憶しておくように構成してもよい。更に、一度ダウンロードした楽曲は、所定時間のみ、ホストまたはコマンダ200に記憶されるように構成し得る。
【0037】
又、コマンダ200から出力される音声信号Voは、マイク430から入力された音声信号Voのみに限定されるものではなく、楽音信号と、マイク430からの音声信号Voと、を混合した音声信号(以下、「混合音声信号」という。)の場合を含む。
【0038】
(STBの構成)
続いて、カラオケ装置100を構成するSTB300について、図2を参照しつつ説明する。STB300は、CPU、ROM、RAM、エンコーダ310、記憶部320を有している。
【0039】
STB300のCPUは、各種制御プログラム(例えば、後述するSTB側制御処理プログラム)に基づいて、STB300全体を制御する。STB300のROMは、種々のデータを記憶する。具体的には、STB300のROMは、STB側制御処理プログラム(図6参照)を記憶している。STB300のRAMは、種々のデータを一時的に記憶する。
【0040】
エンコーダ310は、カメラ410から入力されたビデオ信号Viと、マイク430から入力された音声信号Voをエンコードし、撮影データを生成する。ここで、撮影データのフォーマットは適宜選択することができる。撮影データのフォーマットとしては、例えば、MPEGフォーマットを採用し得る。尚、本実施形態においては、MPEGフォーマットで生成された撮影データを「MPEGデータM」という。
【0041】
記憶部320は、エンコーダ310で生成されたMPEGデータMを、投稿動画データCoとして記憶する。これにより、カメラ410からのビデオ信号Vi及びマイク430からの音声信号Voは、STB300によってキャプチャされる。そして、記憶部320に記憶された投稿動画データCoは、後述するサーバ600へのアップロードの対象となる。即ち、記憶部320に記憶された投稿動画データCoは、コマンダ200から入力されるアップロード信号Uに基づいて、通信網Nを介して、サーバ600の動画データベース620にアップロードされる。ここで、投稿動画データCoのアップロードに用いるルータは、カラオケデータをダウンロードする際に用いるルータと別個に構成してもよい。
【0042】
尚、STB300は、コマンダ200に接続されている。そして、当該STB300は、コマンダ200に対する外部接続装置として機能する。即ち、本発明は、既存のコマンダ200に対し、STB300を接続することで実現し得る。コマンダ200と、STB300は、制御線を介して接続されており、種々の制御信号を用いて互いの機器を制御し得る。
【0043】
(カメラの構成)
次に、カラオケ装置100を構成するカメラ410について、図2を参照しつつ説明する。カメラ410は、基本的に、所謂、デジタルビデオカメラであり、制御部411、画像形成部412、位置センサ413、撮影側偏光フィルタ415、アクチュエータ416、レンズ(図示せず)を有している。
【0044】
制御部411は、CPU、ROM、RAMを有している。制御部411のCPUは、各種制御プログラム(例えば、後述するカメラ側制御処理プログラム)に基づいて、カメラ410全体を制御する。具体的には、制御部411のCPUは、カメラ側制御プログラムに従って、後述するアクチュエータ制御信号Acを出力し、アクチュエータ416を制御する。又、制御部411のCPUは、コマンダ200から出力された著作権信号Cr、撮影開始信号St、撮影終了信号Enに応じて、カメラ410による撮影に関する制御を行う。
【0045】
制御部411のROMは、種々のデータを記憶する。具体的には、制御部411のROMは、カメラ側制御処理プログラム(図5参照)を記憶している。そして、制御部411のRAMは、種々のデータを一時的に記憶する。
【0046】
画像形成部412は、撮像面を有しており、レンズを介して、当該撮像面に入射された光(即ち、撮影映像信号R)に基づいて、ビデオ信号Viを生成する。そして、当該画像形成部412は、生成したビデオ信号Viを、STB300のエンコーダ310へ出力する。当該画像形成部412の構成については、既に公知であるため、その詳細な説明を省略する。
【0047】
位置センサ413は、当該カメラ410の姿勢を検出し、検出結果(位置検出信号Po)を制御部411へ出力する。当該位置センサ413は、当該カメラ410の姿勢(レンズを軸とした傾き)を検出する。当該位置センサ413は、例えば、携帯電話の縦横位置に応じて画面表示情報を縦横に回転させる際に用いられる周知の加速度センサにより構成される。本実施形態においては、当該カメラ410の設置面に対して、カメラ410に規定されているX軸(水平軸、横軸)が平行である場合を「縦位置」といい、カメラ410の設置面に対して、カメラ410に規定されているY軸(鉛直軸、縦軸)が平行である場合を「横位置」という。
【0048】
撮影側偏光フィルタ415は、フィルム状に形成され、画像形成部412の撮像面よりも、光の入射方向側に配設されている。当該撮影側偏光フィルタ415は、複数本の偏光軸Paと、複数本の吸収軸を有している(図7、図8参照)。偏光軸Paは、当該偏光フィルタが透過する特定の直線偏光の方向を示す。当該偏光軸Paは、撮影側偏光フィルタ415において、所定方向に直線状に延び、相互に平行な状態で形成される(図7、図8参照)。吸収軸は、当該偏光軸Paに直交する方向に直線状に延び、撮影側偏光フィルタ415に入射した光の所定成分を吸収する。そして、当該吸収軸は、撮影側偏光フィルタ415において、各吸収軸の間で、相互に平行な状態で形成される。従って、当該撮影側偏光フィルタ415は、偏光軸Paに基づく特定の直線偏光を透過する。
【0049】
アクチュエータ416は、撮影側偏光フィルタ415を、画像形成部412の撮像面中心軸Cを中心に、回転駆動させる。当該アクチュエータ416は、制御部411から入力されるアクチュエータ制御信号Acに従って、回転駆動量を制御される。
【0050】
尚、本実施形態においては、通常(即ち、著作権フラグが付帯されていない再生映像データPvを第1ディスプレイ421に表示する場合)、アクチュエータ416は、当該撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paが表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行な状態となるように、撮影側偏光フィルタ415の位置を調整する。
【0051】
(その他の構成)
続いて、カラオケ装置100を構成するその他の構成について、図1、図2を参照しつつ説明する。第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422は、所謂、液晶ディスプレイにより構成される。即ち、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422は、映像出力部と、表示側偏光フィルタ425と、を有している。
【0052】
第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422の映像出力部は、入力された映像信号(例えば、再生映像データPv)に基づく光を、画面から外方向に出射する。尚、当該映像出力部は、ブラウン管ディスプレイ、プラズマディスプレイにより構成し得る。
【0053】
表示側偏光フィルタ425は、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422に係る映像出力部の画面上に配設されている。当該表示側偏光フィルタ425は、複数本の偏光軸Paと、複数本の吸収軸を有している(図7、図8参照)。そして、表示側偏光フィルタ425は、偏光軸Paが第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422の縦方向と平行となる状態で、各映像出力部の画面上に配設されている(図7、図8参照)。従って、表示側偏光フィルタ425は、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422の映像出力部から出力された光の内、当該偏光軸Paに対応する特定の直線偏光Pのみを透過する。
【0054】
マイク430は、歌唱者Sがカラオケ歌唱を行う際に用いられ、当該歌唱等に基づく音声信号Voを、コマンダ200及びエンコーダ310に入力する。尚、マイク430の個数は、適宜設定可能である。そして、スピーカ450は、アンプ(図示せず)を介して、コマンダ200と接続されている。コマンダ200から出力された音声信号Voは、アンプにより増幅されて、当該スピーカ450から出力される(図1参照)。
【0055】
次に、本実施形態に係るカラオケシステムを構成するサーバ600の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図2に示すように、サーバ600は、投稿動画データベース610を有している。投稿動画データベース610は、カラオケ装置100からアップロードされた投稿動画データCoを記憶している。又、投稿動画データベース610は、パソコン等を介して、アクセスされ得る。
【0056】
又、当該サーバ600は、カラオケデータベース(図示せず)を有している。当該カラオケデータベースは、カラオケ楽曲の再生に用いられるカラオケデータを記憶している。カラオケデータは、カラオケ楽曲の生成起源となる音声データと、カラオケ楽曲の再生中に表示される歌詞テロップ及び背景映像(動画、静止画)の生成起源となる再生映像データPvと、を含む。又、サーバ600は、カラオケデータベースに記憶されているカラオケデータを、各カラオケ店舗に配信する。
【0057】
尚、上記内部構成は単なる一例である。又、本発明は、上述した内部構成と均等な内部構成で実現することができることはいうまでもない。
【0058】
(コマンダ側制御処理の内容)
続いて、カラオケ装置100に係るコマンダ200で実行されるコマンダ側制御処理プログラムについて、図4を参照しつつ詳細に説明する。当該コマンダ側制御処理プログラムは、コマンダ200のCPUによって、実行される。
【0059】
先ず、S1においては、コマンダ200は、リモコン等からの操作信号に基づいて、楽曲再生指示があったか否かを判断する。楽曲再生指示があった場合(S1:YES)、コマンダ200は、S2に処理を移行する。楽曲再生指示がない場合(S1:NO)、コマンダ200は、処理を待機する。
【0060】
S2に移行すると、コマンダ200は、ユーザ所望の楽曲を再生する。この時、コマンダ200は、当該楽曲に係る再生映像データPvを再生映像データ記憶部220から読み出し、マイク430から入力された音声信号Voとともに、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422、スピーカ450へ出力する。その後、コマンダ200は、S3に処理を移行する。
【0061】
S3では、コマンダ200は、リモコン等からの操作信号に基づいて、投稿指示があったか否かを判断する。投稿指示があった場合(S3:YES)、コマンダ200は、アップロード信号UをSTB300に出力する。アップロード信号Uを出力した後、コマンダ200は、S4に処理を移行する。投稿指示がなかった場合(S3:NO)、コマンダ200は、S7に処理を移行する。
【0062】
S4においては、コマンダ200は、当該楽曲に係る再生映像データPvに対して、著作権フラグが付帯されているか否かを判断する。著作権フラグが付帯されている場合(S4:YES)、コマンダ200は、S5に処理を移行する。著作権フラグが付帯されていない場合(S4:NO)、コマンダ200は、S6に処理を移行する。
【0063】
S5に移行すると、コマンダ200は、著作権信号出力処理を実行する。著作権信号出力処理(S5)では、コマンダ200は、当該楽曲の再生映像データPvに著作権フラグが付帯されているため、再生映像データPvの記録が禁止されているものと判断し、著作権信号Crをカメラ410へ出力する。著作権信号Crを出力した後、コマンダ200は、S6に処理を移行する。
【0064】
S6では、コマンダ200は、撮影開始信号出力処理を実行する。撮影開始信号出力処理(S6)においては、コマンダ200は、撮影開始信号Stを、カメラ410に出力する。これにより、カメラ410は、歌唱者Sの歌唱の様子に関する撮影を開始する。撮影開始信号Stを出力した後、コマンダ200は、S7に処理を移行する。
【0065】
S7においては、コマンダ200は、楽曲(即ち、再生映像データPvに基づく映像)の再生が終了したか否かを判断する。楽曲の再生を終了した場合(S7:YES)、コマンダ200は、S8に処理を移行する。一方、楽曲が未だ再生中である場合(S7:NO)、コマンダ200は、楽曲の再生が終了するまで、処理を待機する。
【0066】
S8に移行すると、コマンダ200は、撮影終了信号出力処理を実行する。撮影終了信号出力処理(S8)では、コマンダ200は、楽曲の再生終了に伴い、歌唱者Sの歌唱が終了したものと判断し、撮影終了信号Enをカメラ410に出力する。これにより、カメラ410は、歌唱者Sの歌唱の様子に関する撮影を終了し、コマンダ側制御処理プログラムを終了する。
【0067】
(カメラ側制御処理の内容)
次に、カラオケ装置100に係るカメラ410で実行されるカメラ側制御処理プログラムについて、図5を参照しつつ詳細に説明する。当該カメラ側制御処理プログラムは、カメラ410の制御部411(即ち、CPU)により実行される。
【0068】
尚、当該カメラ側制御処理プログラムの実行を開始する前に、カメラ410の制御部411は、初期設定処理を実行する。当該初期設定処理について説明する。通常カラオケボックスでは、店員がカラオケシステムの電源オン操作や初期設置(例えば、カメラ410を横位置にして設置する)等を行う。よって、電源オンになると、制御部411は、カメラ410を横位置(横位置の状態が著作権フラグ無し)であるとして、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paが表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行になる位置になるように、アクチュエータ416を駆動制御し、カメラ410の初期位置を設定する。
【0069】
この点、カメラ410に操作入力手段を設けておき、電源オンを行った後、店員が、カメラ410の初期位置を入力することで、カメラ位置の初期設定を行うように構成することもできる。この場合、後述するS13の状態に応じて、アクチュエータ416を回転制御すればよい。
【0070】
先ず、S11においては、制御部411は、コマンダ200から出力された撮影開始信号Stを受信したか否かを判断する。撮影開始信号Stを受信している場合(S11:YES)、制御部411は、歌唱者Sの歌唱の様子に関する撮影を開始すると共に、S12に処理を移行する。一方、撮影開始信号Stを受信していない場合(S11:NO)、制御部411は、カメラ410による撮影を行うことなく、処理を待機する。
【0071】
S12に移行すると、制御部411は、コマンダ200から出力された著作権信号Crを受信したか否かを判断する。著作権信号Crを受信した場合(S12:YES)、制御部411は、S13に処理を移行する。一方、著作権信号Crを受信していない場合(S12:NO)、制御部411は、S16に処理を移行する。
【0072】
S13では、制御部411は、位置センサ413の検出結果に基づいて、当該カメラ410の姿勢が縦位置(X)であるか、横位置(Y)であるかを判断する。当該カメラ410の位置が縦位置である場合(S13:X)、制御部411は、S14に処理を移行する。一方、当該カメラ410の位置が横位置である場合(S13:Y)、制御部411は、S15に処理を移行する。
【0073】
S14においては、制御部411は、X軸を基準としたアクチュエータ制御処理を実行する。アクチュエータ制御処理(S14)では、制御部411は、アクチュエータ制御信号Acを出力し、アクチュエータ416を駆動制御する。このアクチュエータ416の駆動により、撮影側偏光フィルタ415は、撮像面中心軸Cを中心に、X軸を基準として所定量回転する。この結果、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paは、縦方向に延びる表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと撮像面において直交する。同時に、撮影側偏光フィルタ415の吸収軸は、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行な位置となる。アクチュエータ416により、撮影側偏光フィルタ415を所定量回転させた後、制御部411は、S16に処理を移行する。
【0074】
S15に移行すると、制御部411は、Y軸を基準としたアクチュエータ制御処理を実行する。アクチュエータ制御処理(S15)では、制御部411は、アクチュエータ制御信号Acを出力し、アクチュエータ416を駆動制御する。このアクチュエータ416の駆動により、撮影側偏光フィルタ415は、撮像面中心軸Cを中心に、Y軸を基準として所定量回転する。この場合も、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paは、縦方向に延びる表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと撮像面において直交する。同時に、撮影側偏光フィルタ415の吸収軸は、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行な位置となる。アクチュエータ416により、撮影側偏光フィルタ415を所定量回転させた後、制御部411は、S16に処理を移行する。
【0075】
S16では、制御部411は、ビデオ信号出力処理を実行する。ビデオ信号出力処理(S16)では、制御部411は、画像形成部412により、当該カメラ410で撮影したビデオ信号Viを、STB300へ出力する。ビデオ信号出力処理を終了すると、制御部411は、S17に処理を終了する。
【0076】
S17においては、制御部411は、コマンダ200から出力された撮影終了信号Enを受信したか否かを判断する。撮影終了信号Enを受信している場合(S17:YES)、制御部411は、歌唱者Sの歌唱の様子に関する撮影を終了し、カメラ側制御処理プログラムを終了する。一方、撮影終了信号Enを受信していない場合(S17:NO)、制御部411は、S12に処理を戻す。
【0077】
(STB側制御処理の内容)
続いて、カラオケ装置100に係るSTB300で実行されるSTB側制御処理プログラムについて、図6を参照しつつ詳細に説明する。当該STB側制御処理プログラムは、STB300のCPUによって、実行される。
【0078】
先ず、S21においては、STB300は、カメラ410から出力されたビデオ信号Viを受信したか否かを判断する。ビデオ信号Viを受信している場合(S21:YES)、STB300は、S22に処理を移行する。ビデオ信号Viを受信していない場合(S21:NO)、STB300は、処理を待機する。
【0079】
S22に移行すると、STB300は、投稿動画生成処理を実行する。投稿動画生成処理(S22)では、STB300は、先ず、撮影された全てのビデオ信号Viと、音声信号Voとをエンコーダ310によりエンコードして、MPEGデータMを生成する。そして、STB300は、生成したMPEGデータMを、投稿動画データCoとして記憶部320に格納する。投稿動画データCoを記憶部320に格納した後、STB300は、S23に処理を移行する。
【0080】
S23では、STB300は、コマンダ200から出力されたアップロード信号Uを受信したか否かに基づいて、アップロード指示があったか否かを判断する。アップロード指示があった場合(S23:YES)、STB300は、S24に処理を移行する。一方、アップロード指示がなかった場合(S23:NO)、STB300は、処理を待機する。
【0081】
S24においては、STB300は、投稿動画アップロード処理を実行する。投稿動画アップロード処理(S24)では、STB300は、投稿動画生成処理(S22)で生成された投稿動画データCoを、記憶部320から読み出し、通信網Nを介して、サーバ600の投稿動画データベース610へアップロードする。サーバ600への投稿動画データCoのアップロードを終了すると、STB300は、投稿動画アップロード処理を終了し、STB側制御処理プログラムを終了する。
【0082】
(記録許可映像再生時の撮影内容)
次に、本実施形態に係るカラオケシステムにおいて、記録許可映像が第1ディスプレイ421等で再生されている場合における撮影内容について、図8、図9を参照しつつ詳細に説明する。ここで、記録許可映像とは、歌詞テロップ、背景映像の記録が許可されている映像であり、著作権フラグが付帯されていない再生映像データPvを意味する。
【0083】
ここで、記録許可映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影する場合、第1ディスプレイ421、第2ディスプレイ422(以下、第1ディスプレイ421等という)は、当該記録許可映像に係る再生映像データPvに基づいて、歌詞テロップ、背景映像を含む映像を出力する(図9(a)参照)。この時、第1ディスプレイ421等の映像出力部は、当該再生映像データPvに基づく光を、表示側偏光フィルタ425へ向かって出射する。当該映像出力部から出射された光は、例えば、円偏光又は楕円偏光である。
【0084】
第1ディスプレイ421等の映像出力部から出射された光は、表示側偏光フィルタ425を透過する際に、当該表示側偏光フィルタ425の吸収軸によって、当該光の所定成分が吸収され、当該表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paに対応する特定の直線偏光Pとなって、第1ディスプレイ421等の外部へ出射される(図7参照)。
【0085】
上述したように、本実施形態に係るカラオケシステムにおいては、コマンダ200は、記録許可映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影する場合、著作権信号Crをカメラ410に出力することなく、当該歌唱者Sの撮影を行う。この時、撮影側偏光フィルタ415は、当該撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paが表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行になる位置に位置する(図7参照)。
【0086】
従って、第1ディスプレイ421等の映像出力部から表示側偏光フィルタ425を透過した直線偏光Pは、撮影側偏光フィルタ415の吸収軸により除去されることなく、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paによって、そのまま、画像形成部412の撮像面に入射される(図7参照)。
【0087】
尚、表示側偏光フィルタ425を透過していない光(即ち、自然光等)は、撮影側偏光フィルタ415を透過すると、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paに対応する直線偏光Pとなり、画像形成部412の撮像面に入射される。従って、歌唱者Sの歌唱の様子等は、確実にカメラ410により撮影される。
【0088】
この結果、図9(c)に示すように、記録許可映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影した場合、当該撮影映像は、第1ディスプレイ421等の表示内容(即ち、歌詞テロップ及び背景映像)を把握し得る状態で含む。従って、当該カラオケ装置100は、歌唱者Sと共に、記録許可映像を表示する第1ディスプレイ421等を撮影し得る。そして、当該カラオケ装置100は、ユーザからのアップロード信号Uに基づいて、記録許可映像に係る第1ディスプレイ421等の表示内容を含む投稿動画データCoを、サーバ600の投稿動画データベース610にアップロードし得る。
【0089】
(記録禁止映像再生時の撮影内容)
続いて、本実施形態に係るカラオケシステムにおいて、記録禁止映像が第1ディスプレイ421等で再生されている場合における撮影内容について、図8、図9を参照しつつ詳細に説明する。ここで、記録禁止映像とは、歌詞テロップ、背景映像の記録が禁止されている映像であり、著作権フラグが付帯されている再生映像データPvを意味する。
【0090】
記録禁止映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影する場合、第1ディスプレイ421等は、当該記録禁止映像に係る再生映像データPvに基づいて、歌詞テロップ、背景映像を含む映像を出力する(図9(b)参照)。この場合、第1ディスプレイ421等の映像出力部は、当該再生映像データPvに基づく光(例えば、円偏光又は楕円偏光)を、表示側偏光フィルタ425へ向かって出射する。
【0091】
この場合も、第1ディスプレイ421等の映像出力部から出射された光は、表示側偏光フィルタ425を透過する際に、当該表示側偏光フィルタ425の吸収軸によって、当該光の所定成分が吸収され、当該表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paに対応する特定の直線偏光Pとなって、第1ディスプレイ421等の外部へ出射される(図8参照)。
【0092】
ここで、本実施形態に係るカラオケシステムにおいては、コマンダ200は、記録禁止映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影する場合、著作権信号Crをカメラ410に出力し、アクチュエータ416を駆動制御した後、当該歌唱者Sの撮影を行う。この時、撮影側偏光フィルタ415は、当該撮影側偏光フィルタ415の吸収軸が表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行になる位置に位置する。この時、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paは、画像形成部412の撮像面に投影した場合に、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと直交する(図8参照)。
【0093】
従って、第1ディスプレイ421等の映像出力部から表示側偏光フィルタ425を透過した直線偏光Pは、撮影側偏光フィルタ415の吸収軸により除去される。即ち、第1ディスプレイ421等の表示側偏光フィルタ425を透過した光は、撮影側偏光フィルタ415により遮断され、画像形成部412の撮像面に到達することはない(図8参照)。
【0094】
この結果、図9(d)に示すように、記録禁止映像に係る楽曲を歌唱する歌唱者Sの様子を撮影した場合、当該撮影映像は、第1ディスプレイ421等の表示内容(即ち、歌詞テロップ及び背景映像)を把握し得る態様で含むことはない。従って、当該カラオケ装置100は、記録禁止映像を表示する第1ディスプレイ421等の内容を記録することなく、歌唱者Sの歌唱の様子を撮影し得る。そして、当該カラオケ装置100は、ユーザからのアップロード信号Uに基づいて、記録禁止映像に係る第1ディスプレイ421等の表示内容を含むことなく、歌唱者Sの様子を撮影した投稿動画データCoを、サーバ600の投稿動画データベース610にアップロードし得る。
【0095】
以上、説明したように、本発明は、カラオケ装置100と、サーバ600と、を有するカラオケシステムであって、カラオケ装置100は、コマンダ200、STB300、カメラ410等を有する。著作権フラグが付帯されている再生映像データPvに係る楽曲について歌唱者Sが歌唱する様子を、カメラ410で撮影し、その内容をアップロードする場合、カラオケ装置100は、再生映像データPvに係るビデオ信号Viを第1ディスプレイ421等に出力する。この時、当該カラオケ装置100は、カメラ410のアクチュエータ416を制御し、撮影側偏光フィルタ415を、撮影側偏光フィルタ415の吸収軸と表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paが平行な状態とする。これにより、第1ディスプレイ421等における撮影禁止映像の表示に伴う光は、撮影側偏光フィルタ415により遮断され、カメラ410により記録されることはない。従って、当該カラオケシステム及びカラオケ装置は、記録禁止映像の内容を含む映像データを記録することはなく、当該映像データをサーバ600にアップロードすることもない。
【0096】
一方、著作権フラグが付帯されていない再生映像データPv係る楽曲について歌唱者Sが歌唱する様子を、カメラ410で撮影し、その内容をアップロードする場合、カラオケ装置100は、再生映像データPvに係るビデオ信号Viを第1ディスプレイ421等に出力する。この場合、当該カラオケ装置100は、カメラ410のアクチュエータ416を制御し、撮影側偏光フィルタ415を、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paと表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paが平行な状態とする。これにより、第1ディスプレイ421等における撮影許可映像の表示に伴う光は、撮影側偏光フィルタ415を透過し、カメラ410により記録される。従って、当該カラオケシステム及びカラオケ装置は、記録許可映像の内容を含む映像データを記録し、当該映像データをサーバ600にアップロードし得る。
【0097】
この結果、記録が禁止されているカラオケコンテンツ(即ち、記録禁止映像)を用いた場合であっても、歌唱者Sの歌唱の様子を撮影し、アップロードすることができるので、当該カラオケシステム及びカラオケ装置は、カラオケ事業におけるサービスの多様化・充実化に貢献し得る。記録が許可されているカラオケコンテンツ(即ち、記録許可映像)を用いた場合、歌唱者Sの歌唱の様子と共に、第1ディスプレイ421等の表示内容を撮影し、アップロードすることができるので、当該カラオケシステム及びカラオケ装置は、カラオケ事業におけるサービスの多様化・充実化に貢献し得る。
【0098】
又、第1ディスプレイ421等から光は、撮影側偏光フィルタ415により遮断されるので、記録禁止映像の内容は、カメラ410での撮影映像においてのみ、把握不能な態様となる。即ち、歌唱者Sを含むユーザは、第1ディスプレイ421等を把握し得るので、記録禁止映像に含まれる歌詞テロップ及び背景映像を見ながら、カラオケサービスを楽しむことができる。
【0099】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、上述した実施形態においては、カメラ410は、デジタルビデオカメラにより構成されているが、この態様に限定されるものではない。即ち、本発明は、カメラ410に、フィルムカメラを用いた場合であっても、上述の実施形態と同様の効果を奏する。又、当該カメラ410は、静止画を撮影するものであってもよい。
【0100】
又、上述した実施形態において、著作権フラグが付帯されていない再生映像データPvを、第1ディスプレイ421等に出力する際に、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと平行になるように、アクチュエータ416を制御することも可能である。これにより、当該カラオケシステム等によれば、カメラ410が縦位置であるか横位置であるかに関わらず、記録許可映像を含む歌唱者Sの歌唱の様子を撮影し得る。
【0101】
そして、上述した実施形態において、記録禁止映像の撮影を行う際に、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paが、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと、撮像面に投影した場合に直交するように構成していたが、この態様に限定するものではない。即ち、撮影側偏光フィルタ415が、表示側偏光フィルタ425を透過した直線偏光Pを遮断し、記録禁止映像の内容を把握しえない態様で撮影することができれば、撮影側偏光フィルタ415及び表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paがなす角度は問わない。例えば、撮影側偏光フィルタ415の偏光軸Paが、表示側偏光フィルタ425の偏光軸Paと、70度から110度の角度で交差するように構成することも可能である。
【0102】
更に、上述した各フローチャートは単なる一例であり、該各フローチャートの処理と同等の結果を得ることできるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
【0103】
そして、上述したカラオケ装置、カラオケシステム、STBに係る方法、該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、該プログラムを記録した記録媒体等としても本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0104】
100 カラオケ装置
200 コマンダ
220 再生映像データ記憶部
300 STB
320 記憶部
410 カメラ
411 制御部
412 画像形成部
415 撮影側偏光フィルタ
416 アクチュエータ
421 第1ディスプレイ
422 第2ディスプレイ
425 表示側偏光フィルタ
450 スピーカ
Pv 再生映像データ
Cr 著作権信号
P 直線偏光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ、カメラ、記録手段、映像出力制御手段、音声出力手段、とを備えるカラオケ装置であって、
前記音声出力手段は、カラオケデータに含まれる楽音情報に基づいて、音声信号を出力し、
前記映像出力制御手段は、
前記カラオケデータに含まれる映像信号を前記ディスプレイに出力可能であり、
前記カラオケデータに対する制御情報を取得し、
前記制御情報に基づいて、前記カメラに対して制御信号を出力し、
前記ディスプレイは、
前記カラオケデータに含まれる映像信号に基づく光を出射する映像出力装置と、
前記映像出力装置から出射された光における特定の直線偏光のみを透過する第1偏光手段と、を有し、
前記カメラは、
レンズを介して前記カメラの撮像手段の撮像面に入射された光に基づき撮影し、
前記撮像面側に配設され、当該撮像面へ向かう光における特定の直線偏光のみを透過する第2偏光手段と、
前記制御信号を受信した場合に、当該制御信号に基づいて、前記第2偏光手段を前記撮像面を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する偏光制御手段と、を有し、
前記記録手段は、前記カメラが撮影した映像信号を記録する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケ装置であって、
前記カラオケデータは、背景画像及び歌詞テロップを含み、
前記制御情報は、当該カラオケデータに含まれる背景画像と歌詞テロップの少なくとも一方に関する記録の禁止するか否かを示し、
前記偏光制御手段は、
前記記録の禁止を示す制御情報に基づく制御信号を受信した場合に、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸に回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断し、
前記記録の許可を示す制御情報に基づく制御信号を受信した場合に、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸に回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を前記撮像面へ透過させる
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載のカラオケ装置であって、
前記偏光制御手段は、
前記第2偏光手段の吸収軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記第2偏光手段によって遮断し、
前記第2偏光手段の偏光軸が前記第1偏光手段の偏光軸と平行な状態にすることで、前記第1偏光手段を透過した光を、前記撮像面へ透過させる
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れかに記載のカラオケ装置であって、
前記ディスプレイは、
液晶ディスプレイにより構成されている
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項5】
ディスプレイ、カメラ、コマンダからなるカラオケシステムにおいて、
前記ディスプレイは、
カラオケデータに含まれる映像信号に基づく光を出射する映像出力装置と、
前記映像出力装置から出射された光における特定の直線偏光のみを透過する第1偏光手段と、を有し、
前記カメラは、
レンズを介して前記カメラの撮像手段の撮像面に入射された光に基づき撮影し、
前記撮像面側に配設され、当該撮像面へ向かう光における特定の直線偏光のみを透過する第2偏光手段と、
前記制御信号を受信した場合に、当該制御信号に基づいて、前記第2偏光手段を前記撮像面の中心を軸として回転させ、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する偏光制御手段と、を有し、
前記コマンダは、
前記ディスプレイに接続され、
前記カラオケデータに含まれる映像信号を、前記ディスプレイに出力可能であり、
前記カメラに接続され、
前記カメラが撮影した映像信号を記憶する記憶手段と、を有し、
前記カラオケデータに対する制御情報を取得し、
前記制御情報に基づいて、前記カメラに対して制御信号を出力することで、前記偏光制御手段を制御して、前記第1偏光手段を透過した光を遮断する
ことを特徴とするカラオケシステム。
【請求項6】
請求項5記載のカラオケシステムであって、
前記ディスプレイは、
液晶ディスプレイにより構成されている
ことを特徴とするカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−137983(P2011−137983A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297701(P2009−297701)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】