説明

カラオケ装置、カラオケシステム

【課題】マイク、電気楽器を接続可能な接続端子を有し、録音内容を出力可能なカラオケ装置等であって、録音内容が出力されるサーバにおける管理負担を軽減し得るカラオケ装置等を提供する。
【解決手段】カラオケシステムは、カラオケ装置1、サーバ70を有している。カラオケ装置1は、マイクMが接続された第1接続端子41と、追加用マイクMa、電気楽器Eと接続可能に構成された第2接続端子42を有し、第1入力音声信号Aa、第2入力音声信号Ab、伴奏音声信号B等を、録音装置55により録音し、サーバ70へアップロードし得る。カラオケ装置1は、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含む場合(S4:YES)、録音装置55による録音内容を、サーバ70へ投稿し(S9)、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含まない場合(S4:NO)、録音装置55の録音内容を消去し、サーバ70への投稿を禁止する(S11)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ歌唱の内容を記録可能な歌唱室用のカラオケ装置、カラオケシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、歌唱者の歌唱内容を記録可能なカラオケ装置が提案されている。例えば、特許文献1記載のカラオケ録音装置は、歌唱者の歌声を伴奏音楽と共に記録する。又、カラオケシステムにおいては、カラオケ歌唱に関する投稿データをサーバへアップロードし、アップロードされた投稿データを用いた種々のサービスを提供するものも存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2003−167592号公報
【特許文献2】特開2005−062896号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、カラオケサービスの一つとして、例えば、特許文献1記載のカラオケ録音装置によって、歌唱者のカラオケ歌唱の様子を記録したデータを、特許文献2に係る投稿データとして、サーバへアップロードし、アップロードされたデータを閲覧可能とすることで、歌唱者のカラオケ歌唱の様子を公開するというサービスも存在する。
【0005】
このようなサービスを提供する場合、アップロードされた投稿データの内容を公開するというサービスの内容の関係上、サーバ管理者は、アップロードされたデータの内容を吟味し、一般に公開するには公序良俗に反する不適切なデータの削除等を行い、厳密にデータ管理を行う必要がある。
【0006】
ここで、カラオケ装置においては、マイクを追加接続するための接続端子が配設されている場合がある。そして、当該接続端子には、エレキギターやエレキベース等の電気楽器の出力端子を接続することも可能である。従って、電気楽器等をカラオケ店舗の客室内に持ち込み、カラオケ録音装置により、カラオケ楽曲の伴奏楽音と共に、電気楽器の演奏音を録音することも可能となってしまう。このような演奏室(ユーザが楽器を用いて楽曲の演奏を行い、必要であればユーザが歌唱等も行う室、例えば、演奏スタジオ等)としての利用態様は、歌唱室での用途(楽曲の演奏をカラオケ装置が行い、ユーザが歌唱する用途)として設置されたカラオケ装置やカラオケ店舗の利用態様として、不適切なものであり、この利用態様に基づき録音されたデータがアップロードされた場合、サーバ管理者は、当該データを聴いて、「演奏音は、カラオケ装置自身から発せられた伴奏音による音なのか、利用者の電気楽器の演奏による音なのか」を吟味し、随時削除等の作業を行わなければならない。更に、このような不適切なデータがアップロードされた時点で、既に不適切なデータがネット上に出力されてしまう状態になる、という技術的な問題も生じている。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、接続端子を介して入力された音声を記録し、サーバ等へアップロード可能なカラオケ装置であって、歌唱室に設置されたカラオケ装置から不適切なデータの出力を低減し、サーバ管理者等の作業負担を軽減し得る、歌唱室用のカラオケ装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る請求項1記載のカラオケ装置は、記憶手段と、スピーカと、マイクと、接続端子と、記録手段と、判断手段と、制御手段と、を有するカラオケ装置であって、前記記憶手段は、カラオケ楽曲の伴奏音を含むカラオケデータを記憶し、前記スピーカは、前記記憶手段に記憶されているカラオケデータに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音を再生出力し、前記マイクは、所定範囲内に生じた音声を集音し、当該マイクの出力端子を介して、集音した音声に基づく音声信号を出力し、前記接続端子は、前記マイクの出力端子、及び、電気楽器の演奏に伴う音声信号が出力される電気楽器の出力端子と接続可能に構成され、前記記録手段は、前記マイク及び前記接続端子から入力された音声信号に基づく楽音記録データを記録し、前記判断手段は、前記接続端子に入力された音声信号が、前記カラオケデータに基づく伴奏音に係る音声信号を含むか否かを判断し、前記制御手段は、前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容し、前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を禁止することを特徴とする。
【0009】
ここで、前記電気楽器とは、楽器の作る振動を、電気信号として取り出し、何らかの処理をして音声を出力する仕組みを持った楽器(例えば、エレキギター、エレキベース、電気ピアノ等)のみならず、電子回路による演算によって波形信号を作り出す電子楽器(例えば、キーボード、ドラムマシン)も含む。
【0010】
当該カラオケ装置は、記憶手段と、スピーカと、マイクと、記録手段を有しており、所望のカラオケ楽曲に関するカラオケ歌唱を行い、当該カラオケ歌唱に係る楽音記録データを生成し得る。又、当該カラオケ装置は、マイクの出力端子、電気楽器の出力端子と接続可能に構成された接続端子を有している。そして、当該カラオケ装置は、判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、当該接続端子にマイクが接続されているものと判断し、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容する。一方、判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、当該カラオケ装置は、楽音記録データの出力を禁止する。接続端子に電気楽器が接続されている場合、スピーカから出力する伴奏音を集音することはない。つまり、接続端子に電気楽器が接続されている場合、当該カラオケ装置は、前記判断処理により、確実に楽音記録データの出力を禁止する。この結果、電気楽器の演奏音を含む楽音記録データが出力・利用されることはないため、当該カラオケ装置は、サーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【0011】
本発明の一側面に係る請求項2記載のカラオケ装置は、請求項1記載のカラオケ装置であって、前記記憶手段は、前記カラオケデータとして、カラオケ楽曲に基づくカラオケ歌唱の音程に関する評価基準を記憶し、前記カラオケ装置は、前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、接続端子に入力された音声信号に基づく音程と、当該カラオケデータの評価基準に基づく音程とを比較する比較手段と、を有し、前記制御手段は、前記比較手段により、前記接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致する場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容し、前記比較手段により、前記接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致しない場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を禁止することを特徴とする。
【0012】
当該カラオケ装置は、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、比較手段により、接続端子に入力された音声信号に基づく音程と、当該カラオケデータの評価基準に基づく音程とを比較する。ここで、カラオケ楽曲においては、アカペラ(無伴奏)で歌唱する部分を有するものも存在する。この場合、接続端子にマイクを接続して、当該アカペラ部分のカラオケ歌唱を行ったとしても、接続端子から入力される音声信号は、伴奏音を含むことはない。この点、当該カラオケ装置は、前記接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致する場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容する。つまり、当該カラオケ装置は、アカペラ部分を有するカラオケ楽曲を用いた場合でも、適切に、楽音記録データの出力制御を行い得る。又、当該カラオケ装置は、接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致しない場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を禁止する。この結果、アカペラ部分を有するカラオケ楽曲を用いた場合でも、電気楽器の演奏音を含む楽音記録データが出力・利用されることはないため、当該カラオケ装置は、より適切に、サーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【0013】
本発明の一側面に係る請求項3記載のカラオケシステムは、カラオケ装置と、前記カラオケ装置と通信可能に接続されたサーバと、を有するカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、記憶手段と、スピーカと、マイクと、接続端子と、記録手段と、判断手段と、制御手段と、を有し、前記記憶手段は、カラオケ楽曲の伴奏音を含むカラオケデータを記憶し、前記スピーカは、前記記憶手段に記憶されているカラオケデータに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音を再生出力し、前記マイクは、所定範囲内に生じた音声を集音し、当該マイクの出力端子を介して、集音した音声に基づく音声信号を出力し、前記接続端子は、前記マイクの出力端子、及び、電気楽器の演奏に伴う音声信号が出力される電気楽器の出力端子と接続可能に構成され、前記記録手段は、前記マイク及び前記接続端子から入力された音声信号に基づく楽音記録データを記録し、前記判断手段は、前記接続端子に入力された音声信号が、前記カラオケデータに基づく伴奏音に係る音声信号を含むか否かを判断し、前記制御手段は、前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの前記サーバに対する出力を許容し、前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの前記サーバに対する出力を禁止し、前記サーバは、前記カラオケ装置から出力された楽音記録データを、外部アクセス可能に管理することを特徴とする。
【0014】
当該カラオケシステムは、カラオケ装置と、サーバとにより構成される。カラオケ装置は、記憶手段と、スピーカと、マイクと、記録手段を有しており、所望のカラオケ楽曲に関するカラオケ歌唱を行い、当該カラオケ歌唱に係る楽音記録データを生成し得る。サーバは、カラオケ装置から出力された楽音記録データを、外部アクセス可能に管理する。ここで、当該カラオケ装置は、マイクの出力端子、電気楽器の出力端子と接続可能に構成された接続端子を有している。そして、当該カラオケ装置は、判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、当該接続端子にマイクが接続されているものと判断し、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容する。一方、判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、当該カラオケ装置は、楽音記録データの出力を禁止する。接続端子に電気楽器が接続されている場合、スピーカから出力する伴奏音を集音することはない。つまり、接続端子に電気楽器が接続されている場合、当該カラオケ装置は、前記判断処理により、確実に楽音記録データの出力を禁止する。この結果、電気楽器の演奏音を含む楽音記録データがサーバへ出力され・広く公衆に公開されることはないため、当該カラオケシステムは、サーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カラオケ装置等は、接続端子から入力された音声信号に伴奏音に係る音声信号が含まれているか否かに応じて、接続端子に接続されている対象がマイクであるか、電気楽器であるかを判断し、記録手段により記録された楽音記録データの出力制御を行う。これにより、本発明は、カラオケ事業におけるサービス提供者(サーバ管理者)の作業負担を軽減し得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】カラオケシステムの制御構成に関する説明図である。
【図2】カラオケ装置の音声処理部に関する説明図である。
【図3】録音制御処理プログラムのフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0018】
(カラオケシステムの構成)
先ず、本発明の一実施形態に係るカラオケシステムの構成について、図1を参照しつつ説明する。カラオケシステムは、カラオケ装置1と、サーバ70により構成されている。当該カラオケ装置1は、各地のカラオケ店舗等に設置されており、例えば、カラオケ店舗内に設置されるルータを介して、通信網Nによってサーバ70と接続されている。又、当該カラオケ装置1は、カラオケ店舗の客室ごとに設置されている。サーバ70は、カラオケ装置1で生成された録音データのアップロードを受け付け、アップロードされた録音データ(即ち、投稿データ)を外部アクセス可能な態様で管理する。
【0019】
(カラオケ装置の構成)
続いて、当該カラオケシステムを構成するカラオケ装置1について、図1、図2を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係るカラオケ装置1は、制御部10と、カラオケデータ記憶部15と、コントロールパネル20と、ディスプレイ30と、音声処理部40と、スピーカ50と、録音装置55と、通信I/F60と、マイクMを有している。従って、歌唱者は、スピーカ50から出力される所望の楽曲に係る伴奏に合わせて、マイクMを用いてカラオケ歌唱を行う。この時、歌詞テロップ及び背景画像が、ディスプレイ30に表示される。従って、歌唱者は、ディスプレイ30における歌詞テロップの表示に従って、カラオケ歌唱を行い得る。又、当該カラオケ装置1は、録音装置55により、カラオケ歌唱の様子を録音した録音データを生成し、通信I/F60及び通信網Nを介して、当該録音データをサーバ70へアップロードし得る。
【0020】
制御部10は、CPU、ROM、RAMを有している。制御部10のCPUは、種々のプログラム(例えば、後述する録音制御処理プログラム等)を実行する。制御部10のROMは、種々のデータを記憶する。具体的には、制御部10のROMは、録音制御処理プログラム等(図3参照)を記憶している。制御部10のRAMは、種々のデータを一時的に記憶する。
【0021】
そして、カラオケデータ記憶部15は、カラオケ歌唱に用いられる楽曲に対応するカラオケデータを記憶している。当該カラオケデータは、楽音データ、再生映像データ、評価基準データを含んでいる。楽音データは、ある楽曲に係る伴奏音楽データであり、当該楽音データをスピーカ50から出力することにより、カラオケ歌唱に用いられる。再生映像データは、ディスプレイ30へ出力される映像データであり、背景映像データと、歌詞テロップデータにより構成される。評価基準データは、カラオケ歌唱に係る音程に関する巧拙を評価するためのデータであり、当該カラオケ楽曲の歌唱に関する基準音程を規定している。当該評価基準データは、カラオケ装置1におけるカラオケ採点機能を実現する際等に用いられる。
【0022】
コントロールパネル20は、カラオケ装置1に関する各種指示の入力を受け付ける。当該コントロールパネル20は、コントロールパネルに配設された各種操作キーや、リモコン(図示せず)に対するユーザの操作入力を受け付ける。当該リモコンは、コントロールパネル20を介して、カラオケ装置1との間で、赤外線通信や電波通信可能に無線接続されている。
【0023】
ディスプレイ30は、所謂、液晶ディスプレイにより構成される。ディスプレイ30は、映像再生部35を介して、制御部10に接続されており、制御部10により、カラオケデータに基づいて入力されたビデオ信号に係る映像を画面上に描画・表示する。
【0024】
映像再生部35は、カラオケデータ記憶部15に格納されているカラオケデータの再生映像データを読み出し、当該再生映像データに基づく映像の再生を行う。即ち、当該映像再生部35は、MPEGデコーダを有している。MPEGデコーダは、MPEGフォーマットで生成されている再生映像データ(即ち、背景映像データや歌詞テロップデータ)をデコードし、ビデオ信号を、ディスプレイ30へ出力する。
【0025】
音声処理部40は、制御部10の制御に基づいて、カラオケ装置1における音声制御に関する処理を実行する。図1、図2に示すように、当該音声処理部40は、第1接続端子41と、第2接続端子42と、楽曲再生部43と、音声比較部44と、ミキシングアンプ45を有している。
【0026】
第1接続端子41は、マイクMの出力端子と接続されており、マイクMが集音した音声に基づく音声信号(第1入力音声信号Aa)を、音声比較部44及びミキシングアンプ45に対して入力する(図2参照)。当該第1入力音声信号Aaに基づく音声は、ミキシングアンプ45を介して、スピーカ50から音声出力され、録音装置55により録音される。
【0027】
マイクMは、歌唱者がカラオケ歌唱を行う際に用いられ、所定範囲内に生じた音声を集音し、集音した音声に基づく音声信号を出力端子から出力する。従って、カラオケ歌唱に際しては、マイクMは、歌唱者のカラオケ歌唱に係る音声と、スピーカ50から出力される伴奏音に係る音声を含んで集音し、集音した音声に基づく音声信号を、第1接続端子41を介して、音声比較部44及びミキシングアンプ45に入力する(図2参照)。尚、本実施形態においては、マイクMは、第1接続端子41と有線接続されているものとするが、ワイヤレスマイクであってもよい。
【0028】
第2接続端子42は、基本的に、カラオケ歌唱に用いるマイクの本数を増やす際に、接続ケーブルCを介して、追加用マイクMaの出力端子と接続される。又、当該第2接続端子42は、接続ケーブルCを介して、電気楽器Eの出力端子とも接続可能である。当該第2接続端子42は、追加用マイクMa、若しくは、電気楽器Eから入力された音声信号(第2入力音声信号Ab)を、音声比較部44及びミキシングアンプ45に対して入力する(図2参照)。当該第2入力音声信号Abに基づく音声についても、第1入力音声信号Aaと同様に、ミキシングアンプ45を介して、スピーカ50から音声出力され、録音装置55により録音され得る。
【0029】
追加用マイクMaは、接続ケーブルCを介して、第2接続端子42に接続可能なマイクである。当該追加用マイクMaは、上述したマイクMと同様に、歌唱者がカラオケ歌唱を行う際に用いられ、所定範囲内に生じた音声を集音し、集音した音声に基づく音声信号を出力端子から出力する。従って、追加用マイクMaが第2接続端子42に接続されている場合、追加用マイクMaは、歌唱者のカラオケ歌唱に係る音声と、スピーカ50から出力される伴奏音に係る音声を含んで集音し、集音した音声の音声信号を、第2接続端子42を介して、音声比較部44及びミキシングアンプ45に入力する(図2参照)。
【0030】
電気楽器Eは、当該電気楽器Eの演奏音に基づく音声信号を出力する出力端子を有しており、接続ケーブルCを介して、第2接続端子42と接続可能に構成されている。そして、電気楽器Eには、マイクMや追加用マイクMaのような集音機能は存在しない。従って、電気楽器Eが第2接続端子42に接続されている場合、電気楽器Eは、電気楽器Eの演奏音に基づく音声信号のみを、第2接続端子42を介して、音声比較部44及びミキシングアンプ45に入力する。
【0031】
尚、本実施形態における電気楽器Eは、「楽器の作る振動を、電気信号として取り出し、何らかの処理をして音声を出力する仕組みを持った楽器」のみならず、「電子回路による演算によって波形信号を作り出す電子楽器」を包含する。従って、本実施形態に係る電気楽器Eとしては、エレキギター、エレキベース、電気ピアノ、電子ヴァイオリン、クラビネット、コンボオルガン、メロトロン、マグナオルガン、電気オルガン、キーボード、ドラムマシン等を用いることができる。
【0032】
楽曲再生部43は、制御部10の制御により、カラオケデータを構成する楽音データに基づいて、楽曲の伴奏音楽に係る音声信号(伴奏音声信号B)を、音声比較部44及びミキシングアンプ45へ出力する(図2参照)。これにより、カラオケ楽曲の伴奏音楽は、ミキシングアンプ45を介して、スピーカ50から音声出力され、録音装置55によって録音される。
【0033】
音声比較部44は、周波数帯域単位のフィルタリング機能を有しており、第2接続端子42から入力された第2入力音声信号Abと、他のデータ(伴奏音声信号B又は評価基準データ)との比較を行う(図2参照)。音声比較部44による処理内容については、後に詳細に説明する。
【0034】
図2に示すように、ミキシングアンプ45は、楽曲再生部43から入力された伴奏音声信号Bを増幅して、スピーカ50、録音装置55へ出力する。又、ミキシングアンプ45は、第1接続端子41、第2接続端子42と接続されており、第1入力音声信号Aa、第2入力音声信号Abを増幅して、スピーカ50へ出力する。そして、ミキシングアンプ45は、伴奏音声信号B、第1入力音声信号Aa及び第2入力音声信号Abが入力された場合、伴奏音声信号B、第1入力音声信号Aa及び第2入力音声信号Abを混合した混合音声信号を、スピーカ50へ出力する。尚、ミキシングアンプ45は、録音制御処理プログラムが実行された場合、混合音声信号を録音装置55へ出力する。
【0035】
スピーカ50は、ミキシングアンプ45に接続されており、楽曲再生部43から出力された伴奏音声信号Bに基づくカラオケ楽曲の伴奏音楽、第1入力音声信号Aa、第2入力音声信号Abに基づく音声(例えば、カラオケ歌唱に係る歌唱音声)等を音声出力する(図2参照)。
【0036】
図2に示すように、録音装置55は、ミキシングアンプ45に接続されており、当該ミキシングアンプ45から入力された混合音声信号を、デジタル音声データに変換して録音データ(投稿データ)を生成する。又、当該録音装置55は、生成した録音データを格納する録音データ記憶部を有しており、投稿データのアップロードが行われる場合、制御部10は、当該録音データ記憶部から、指定された録音データを読み出し、通信I/F60を介して、サーバ70へアップロードする。
【0037】
通信I/F60は、通信網Nを介して、サーバ70と双方向通信を行う為のインターフェースである。従って、当該カラオケ装置1は、通信I/F60を介して、サーバ70に対して、投稿データのアップロードを行い得る。又、当該カラオケ装置1は、通信I/F60を介して、サーバ70からカラオケデータの配信を受けることができる。
【0038】
(サーバの構成)
次に、サーバ70の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、サーバ70は、通信網Nを介して、カラオケ装置1と接続されており、投稿データベース71を有している。投稿データベース71は、カラオケ装置1からアップロードされた投稿データを記憶している。当該投稿データは、録音装置55により録音された楽音データである。又、投稿データベース71は、パーソナルコンピュータ等を介して、アクセスされ得る。投稿された楽音データ(投稿データ)の利用者は、パーソナルコンピュータ等を介して、投稿データベース71から投稿データを読み出して再生することで、投稿された楽音データを観賞し得る。
【0039】
又、当該サーバ70は、カラオケデータベース(図示せず)を有している。当該カラオケデータベースは、カラオケ楽曲の再生に用いられるカラオケデータを記憶している。又、サーバ70は、カラオケデータベースに記憶されているカラオケデータを、各カラオケ店舗に配信する。
【0040】
尚、上記内部構成は単なる一例である。又、本発明は、上述した内部構成と均等な内部構成で実現することができることはいうまでもない。
【0041】
(録音制御処理プログラムの内容)
次に、本実施形態に係るカラオケ装置1で実行される録音制御処理プログラムについて、図3を参照しつつ詳細に説明する。尚、当該録音制御処理プログラムは、制御部10により実行される。
【0042】
S1においては、制御部10は、コントロールパネル20からの操作信号に基づいて、楽曲再生指示があったか否かを判断する。楽曲再生指示があった場合(S1:YES)、制御部10は、S2に処理を移行する。楽曲再生指示がない場合(S1:NO)、制御部10は、楽曲再生指示があるまで、処理を待機する。
【0043】
S2では、制御部10は、楽曲再生指示に基づいて、指定されたカラオケ楽曲の再生を開始すると共に、録音装置55による録音を開始する。カラオケ楽曲の再生開始に伴い、当該カラオケ楽曲に係る伴奏音声信号Bは、随時、楽曲再生部43から、音声比較部44及びミキシングアンプ45へ入力される。又、第1接続端子41、第2接続端子42に対する音声入力(カラオケ歌唱や演奏)があった場合、入力音声信号(第1入力音声信号Aa、第2入力音声信号Ab)は、入力があった接続端子から、音声比較部44及びミキシングアンプ45に入力される。ミキシングアンプ45は、入力された音声信号(伴奏音声信号B、第1入力音声信号Aa、第2入力音声信号Ab)に基づく混合音声信号に出力する。従って、当該カラオケ装置1は、ミキシングアンプ45からの混合音声信号に基づいて、スピーカ50からの音声出力、録音装置55による録音を開始し得る。
【0044】
S3に移行すると、制御部10は、音声比較部44により、入力音声信号比較処理を実行する。入力音声信号比較処理(S3)においては、制御部10は、第2入力音声信号Abに伴奏音声信号Bが含まれているか否かを判断する為に、音声比較部44によって、第2入力音声信号Abと、伴奏音声信号Bを比較する。
【0045】
具体的には、先ず、制御部10は、音声比較部44を制御することにより、第2入力音声信号Abの所定の周波数帯域に対して、フィルタリングをかける。ここで、歌唱音声が取り得る周波数帯域は、楽器演奏が取り得る周波数帯域と異なる特徴を有している。従って、歌唱音声に係る周波数帯域(例えば、87Hz〜880Hz)にフィルタリングをかけた場合、第2入力音声信号Abに、カラオケ歌唱に係る音声と、追加用マイクMaが集音した伴奏音楽に係る音声が含まれていれば、楽器演奏に係る音声信号(即ち、伴奏音声信号B)が、当該第2入力音声信号Abから抽出される。その後、制御部10は、第2入力音声信号Abから抽出された楽器演奏に係る音声信号と、楽曲再生部43から入力された伴奏音声信号Bを比較し、両者が一致するか否かを判断する。比較結果を制御部10のRAMに格納した後、制御部10は、入力音声信号比較処理(S3)を終了し、S4に処理を移行する。
【0046】
S4においては、制御部10は、入力音声信号比較処理(S3)の処理結果に基づいて、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含むか否かを判断する。第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含んでいる場合(S4:YES)、制御部10は、S5に処理を移行する。一方、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含んでいない場合(S4:NO)、制御部10は、S6に処理を移行する。
【0047】
S5では、制御部10は、カラオケ楽曲の再生を終了したか否かを判断する。カラオケ楽曲の再生を終了している場合(S5:YES)、制御部10は、S8に処理を移行する。一方、未だカラオケ楽曲の再生が継続している場合(S5:NO)、制御部10は、S3に処理を戻す。
【0048】
S6に移行すると、制御部10は、音声比較部44により、基準データ比較処理を実行する。基準データ比較処理(S6)では、制御部10は、第2入力音声信号Abに含まれる歌唱音声に係る音声信号が、当該カラオケ楽曲に係る評価基準データに準ずるものであるか否かを判断する為に、音声比較部44により、第2入力音声信号Abと、評価基準データを比較する。
【0049】
具体的には、先ず、制御部10は、音声比較部44を制御することにより、第2入力音声信号Abの歌唱音声に係る周波数帯域(例えば、87Hz〜880Hz)に対して、フィルタリングをかける。これにより、第2入力音声信号Abに、カラオケ歌唱に係る音声が含まれていれば、カラオケ歌唱に係る音声信号が、当該第2入力音声信号Abから抽出される。そして、制御部10は、カラオケデータ記憶部15から、演奏中のカラオケ楽曲に係る評価基準データを取得し、音声比較部44に入力する。音声比較部44は、第2入力音声信号Abから抽出されたカラオケ歌唱に係る歌唱音声と、評価基準データに規定されている音程等の評価基準を比較することにより、抽出されたカラオケ歌唱に係る歌唱音声が評価基準データに準ずるものであるか否かを判断する。尚、「評価基準データに準ずる」とは、当該評価基準データを用いて、カラオケ装置1における歌唱採点機能で、第2入力音声信号Abから抽出された歌唱音声を採点した場合に、所定の基準点(例えば、100点満点中、60点)以上となる状態を意味する。比較結果を制御部10のRAMに格納した後、制御部10は、基準データ比較処理(S6)を終了し、S7に処理を移行する。
【0050】
S7においては、制御部10は、基準データ比較処理(S6)の処理結果に基づいて、第2入力音声信号Abが基準音程に準ずるか否かを判断する。第2入力音声信号Abが基準音程に準ずる場合(S7:YES)、制御部10は、S5に処理を移行する。一方、第2入力音声信号Abが基準音程に準じていない場合(S7:NO)、制御部10は、S10に処理を移行する。
【0051】
S8においては、制御部10は、第2接続端子42に追加用マイクMaが接続された状態でカラオケ歌唱が行われたものと判断し、カラオケ楽曲の再生終了に伴って、録音装置55による録音を終了する。録音装置55による録音を終了した後、制御部10は、S9に処理を移行する。
【0052】
S9では、制御部10は、第2接続端子42に追加用マイクMaが接続された状態でカラオケ歌唱が行われているため、録音内容投稿処理を実行する。録音内容投稿処理(S9)では、制御部10は、録音装置55により生成された録音データを読み出し、投稿データとして、通信I/F60を介して、サーバ70の投稿データベース71へアップロードする。アップロードに際し、制御部10は、コントロールパネル20により、歌唱者や当該カラオケ楽曲に関する情報(例えば、ユーザID等)の入力を受け付ける。録音内容投稿処理(S9)を終了すると、制御部10は、録音制御処理プログラムを終了する。
【0053】
S10に移行すると、制御部10は、第2入力音声信号Abに伴奏音声信号Bが含まれておらず、且つ、第2入力音声信号Abが基準音程に準じていないことから、アカペラ歌唱部分に該当するものでなく、第2接続端子42に電気楽器Eが接続されているものと判断し、録音装置55による録音を終了する。録音装置55による録音を終了する。録音装置55による録音を終了した後、制御部10は、S11に処理を移行する。
【0054】
S11においては、制御部10は、アカペラ歌唱部分に該当するものでなく、第2接続端子42に電気楽器Eが接続されていると判断し得るため、投稿禁止処理を実行する。投稿禁止処理(S11)においては、制御部10は、現時点までに録音されている録音データを、録音装置55の録音データ記憶部から消去する。これにより、当該録音データの出力は禁止され、当該録音データのサーバ70へのアップロード及び公開・閲覧も禁止される。投稿禁止処理(S11)を終了した後、制御部10は、録音制御処理プログラムを終了する。
【0055】
以上、説明したように、本実施形態に係るカラオケシステムは、カラオケ装置1と、サーバ70とにより構成される。カラオケ装置1は、カラオケデータ記憶部15と、スピーカ50と、マイクMと、録音装置55を有しており、所望のカラオケ楽曲に関するカラオケ歌唱を行い、当該カラオケ歌唱に係る録音データを生成し得る。サーバ70は、投稿データベース71を有しており、カラオケ装置1からアップロードされた録音データを、投稿データとして投稿データベース71に格納し、外部アクセス可能に管理する。
【0056】
ここで、当該カラオケ装置1は、追加用マイクMaの出力端子、電気楽器Eの出力端子と接続可能に構成された第2接続端子42を有している。そして、当該カラオケ装置1は、第2接続端子42から入力された第2入力音声信号Abが伴奏音に係る伴奏音声信号Bを含むと判断された場合(S4:YES)、当該第2接続端子42に追加用マイクMaが接続されているものと判断し、録音装置55による録音完了時に、録音データを、投稿データとして、サーバ70へのアップロードを行う(S9)。一方、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含んでいないと判断された場合(S4:NO)、当該カラオケ装置1は、録音データを消去し、投稿データとしてのサーバ70へのアップロードを禁止する(S11)。
【0057】
第2接続端子42に電気楽器Eが接続されている場合、スピーカ50から出力される伴奏音を集音することはない。つまり、第2接続端子42に電気楽器Eが接続されている場合、当該カラオケ装置1は、確実に録音データを投稿データとしてサーバ70へアップロードすることはない。この結果、電気楽器Eの演奏音を含む録音データがサーバ70へ出力され・広く公衆に公開されることはないため、当該カラオケシステムは、サーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【0058】
又、本実施形態に係るカラオケ装置1は、第2入力音声信号Abが伴奏音声信号Bを含んでいないと判断された場合(S4:NO)、基準データ比較処理(S6)により、第2入力音声信号Abと、当該カラオケ楽曲の評価基準データとを比較する。ここで、カラオケ楽曲においては、アカペラ(無伴奏)で歌唱する部分を有するものも存在する。この場合、第2接続端子42に追加用マイクMaを接続して、当該アカペラ部分のカラオケ歌唱を行ったとしても、第2入力音声信号Abは、伴奏音声信号Bを含むことはない。
【0059】
この点、当該カラオケ装置1は、第2入力音声信号Abが評価基準データに準じている場合(S7:YES)、録音装置55により記録された録音データを、投稿データとしてサーバ70へアップロードすることを許容する(S9)。つまり、当該カラオケ装置1は、アカペラ部分を有するカラオケ楽曲を用いた場合でも、適切に、投稿データとして、録音データをサーバ70へアップロードし得る。又、当該カラオケ装置1は、第2入力音声信号Abが評価基準データに準じていない場合に、録音装置55により記録された録音データを消去し、投稿データとしてのサーバ70へのアップロードを禁止する(S11)。この結果、アカペラ部分を有するカラオケ楽曲を用いた場合でも、電気楽器Eの演奏音を含む録音データがサーバ70にアップロードされ、公開利用されることはないため、当該カラオケ装置1は、より適切に、サーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【0060】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。例えば、本実施形態においては、録音装置55により、音声のみを記録した録音データを、投稿データとして取り扱っていたが、この態様に限定されるものではなく、録音データを含むデータであれば、種々の態様を採用し得る。例えば、上述した実施形態に、デジタルビデオカメラを付加し、撮影動画データと、録音データを合成したデータを、投稿データとして用いる構成にすることもできる。
【0061】
又、本実施形態では、録音制御処理プログラムにおいて、第2接続端子42から音声比較部44へ入力される第2入力音声信号Abを対象として、入力音声信号比較処理(S3)、基準データ比較処理(S6)等の処理を行っていたが、この態様に限定されるものではない。例えば、第1接続端子41から音声比較部44へ入力される第1入力音声信号Aaに対しても、入力音声信号比較処理(S3)、基準データ比較処理(S6)等の処理を行う構成であってもよい。このように構成することで、第1接続端子41に接続されているマイクMを取り外し、当該第1接続端子41に電気楽器Eを接続した場合であっても、適切にサーバ管理者の管理負担を軽減し得る。
【0062】
更に、上述したフローチャートは単なる一例であり、該フローチャートの各処理と同等の結果を得ることできるものであれば、他のフローチャートによって処理を実現してもよい。
【0063】
そして、上述したカラオケ装置、カラオケシステム、方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、該プログラムを記録した記録媒体等としても本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 カラオケ装置
10 制御部
15 カラオケデータ記憶部
40 音声処理部
41 第1接続端子
42 第2接続端子
43 楽曲再生部
44 音声比較部
50 スピーカ
55 録音装置
Aa 第1入力音声信号
Ab 第2入力音声信号
B 伴奏音声信号
E 電気楽器
M マイク
Ma 追加用マイク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶手段と、スピーカと、マイクと、接続端子と、記録手段と、判断手段と、制御手段と、を有するカラオケ装置であって、
前記記憶手段は、カラオケ楽曲の伴奏音を含むカラオケデータを記憶し、
前記スピーカは、前記記憶手段に記憶されているカラオケデータに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音を再生出力し、
前記マイクは、所定範囲内に生じた音声を集音し、当該マイクの出力端子を介して、集音した音声に基づく音声信号を出力し、
前記接続端子は、前記マイクの出力端子、及び、電気楽器の演奏に伴う音声信号が出力される電気楽器の出力端子と接続可能に構成され、
前記記録手段は、前記マイク及び前記接続端子から入力された音声信号に基づく楽音記録データを記録し、
前記判断手段は、
前記接続端子に入力された音声信号が、前記カラオケデータに基づく伴奏音に係る音声信号を含むか否かを判断し、
前記制御手段は、
前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容し、
前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を禁止する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
請求項1記載のカラオケ装置であって、
前記記憶手段は、前記カラオケデータとして、カラオケ楽曲に基づくカラオケ歌唱の音程に関する評価基準を記憶し、
前記カラオケ装置は、
前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、接続端子に入力された音声信号に基づく音程と、当該カラオケデータの評価基準に基づく音程とを比較する比較手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記比較手段により、前記接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致する場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を許容し、
前記比較手段により、前記接続端子に入力された音声信号に基づく音程が、カラオケデータの評価基準に基づく音程と所定割合以上一致しない場合に、前記記録手段により記録された楽音記録データの出力を禁止する
ことを特徴とするカラオケ装置。
【請求項3】
カラオケ装置と、前記カラオケ装置と通信可能に接続されたサーバと、を有するカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、記憶手段と、スピーカと、マイクと、接続端子と、記録手段と、判断手段と、制御手段と、を有し、
前記記憶手段は、カラオケ楽曲の伴奏音を含むカラオケデータを記憶し、
前記スピーカは、前記記憶手段に記憶されているカラオケデータに基づいて、カラオケ楽曲の伴奏音を再生出力し、
前記マイクは、所定範囲内に生じた音声を集音し、当該マイクの出力端子を介して、集音した音声に基づく音声信号を出力し、
前記接続端子は、前記マイクの出力端子、及び、電気楽器の演奏に伴う音声信号が出力される電気楽器の出力端子と接続可能に構成され、
前記記録手段は、前記マイク及び前記接続端子から入力された音声信号に基づく楽音記録データを記録し、
前記判断手段は、
前記接続端子に入力された音声信号が、前記カラオケデータに基づく伴奏音に係る音声信号を含むか否かを判断し、
前記制御手段は、
前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含むと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの前記サーバに対する出力を許容し、
前記判断手段により、接続端子に入力された音声信号が伴奏音に係る音声信号を含んでいないと判断された場合、前記記録手段により記録された楽音記録データの前記サーバに対する出力を禁止し、
前記サーバは、
前記カラオケ装置から出力された楽音記録データを、外部アクセス可能に管理する
ことを特徴とするカラオケシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−73310(P2012−73310A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−216429(P2010−216429)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】