説明

カラオケ装置、カラオケシステム

【課題】
本発明の目的は、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができるカラオケ装置及びカラオケシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
カラオケ装置は、ルータからMACアドレスを取得すると、センターサーバSVへ取得したMACアドレスを送信する。センターサーバSVは、MACアドレスを受信すると、MACアドレスに対応付けられたルータが、P2P機能を備えていない一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。カラオケ装置K3は、判定結果に基づいて、カラオケデータの要求を、P2P機能を備えたルータERに向けて送信するか、センターサーバSVに向けて送信するかを設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。具体的には、ネットワークを介したカラオケデータの取得方法を、カラオケ装置が接続する情報機器に応じて変更可能に実現する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
カラオケ装置がインターネットを介して通信を行う場合、各店舗に設定されたルータを経由してインターネットへ接続することが一般的である。近年では、カラオケシステムで配信されるデータの通信効率を向上させるために、特殊な機能を備えたルータが設置される場合がある。例えば、特許文献1には、P2P機能が備えられたるルータにより、カラオケで用いるカラオケデータを配信する技術が開示されている。店舗に備えられたカラオケ装置から、カラオケデータの取得要求を受信すると、P2P機能を備えたルータが、複数のカラオケ店舗に備えられたルータへ、P2P機能を用いてカラオケデータの検索を行う。所望のカラオケデータが発見された場合、発見されたカラオケデータを記憶する他店舗のルータから、所望のカラオケデータが取得される。このようにルータが取得したカラオケデータが、カラオケ装置により取得される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−64974号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実際のカラオケシステムにおいては、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境である。この環境の中では、カラオケ装置が設置された店舗に、P2P機能を備えたルータが接続されているとは限らない。このため、各カラオケ店舗に設置されるルータの種類に合わせて、カラオケ装置の通信設定を手動で決定する必要があり、効率的にカラオケシステムを利用することができなかった。
【0005】
本発明は、以上のことを鑑みてなされたものである。本発明の目的は、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができるカラオケ装置及びカラオケシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、ルータを介してインターネットへ接続可能なカラオケ装置であって、前記カラオケ装置と接続されるルータを識別可能な識別情報を、前記ルータまたはホスト装置へ要求する第1要求手段と、前記第1要求手段により要求された前記識別情報を、前記ルータまたはホスト装置から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された前記識別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する判別手段と、前記判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介して前記ホスト装置から取得する第2取得手段と、前記判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、前記カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能による前記カラオケデータの取得を要求する第2要求手段と、前記第2要求手段により要求した前記カラオケデータを、前記カラオケ装置と接続されるルータから取得する第3取得手段と、を備えることを特徴とするカラオケ装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、前記第1要求手段は、前記識別情報として、前記カラオケ装置と接続されるルータのMACアドレスを要求し、前記第1取得手段は、前記第1要求手段により要求された前記MACアドレスを取得し、前記カラオケ装置は、前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに基づいて、前記MACアドレスが示すルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報を前記ホスト装置へ要求する第3要求手段をさらに備え、前記判別手段は、前記第3要求手段により要求された前記ルータ判別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、前記第1要求手段は、前記識別情報と、前記カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求し、前記カラオケ装置は、前記第1要求手段により要求された前記回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、ルータを介してインターネットへ接続可能なカラオケ装置とホスト装置を備えるカラオケシステムであって、前記カラオケ装置は、前記カラオケ装置と接続されるルータを識別可能な識別情報を、前記ルータまたはホスト装置へ要求する第1要求手段と、前記第1要求手段により要求された前記識別情報を、前記ルータまたはホスト装置から取得する第1取得手段と、前記第1取得手段により取得された前記識別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する判別手段と、前記判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介して前記ホスト装置から取得する第2取得手段と、前記判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、前記カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能による前記カラオケデータの取得を要求する第2要求手段と、前記第2要求手段により要求した前記カラオケデータを、前記カラオケ装置と接続されるルータから取得する第3取得手段と、を備えることを特徴とするカラオケシステムである。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、前記第1要求手段は、前記識別情報として、前記カラオケ装置と接続されるルータのMACアドレスを要求し、前記第1取得手段は、前記第1要求手段により要求された前記MACアドレスを取得し、前記カラオケ装置は、前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに基づいて、前記MACアドレスが示すルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報を前記ホスト装置へ要求する第3要求手段をさらに備え、前記判別手段は、前記第3要求手段により要求された前記ルータ判別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていなルータかを判別し、前記ホスト装置は、前記識別情報としてのMACアドレスと、前記ルータ判別情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに対応するルータ判別情報を、前記記憶手段に記憶された複数の前記MACアドレスと前記ルータ判別情報との中から決定する決定手段と、前記決定手段により決定された前記ルータ判別情報を前記カラオケ装置へ送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、前記第1要求手段は、前記識別情報と、前記カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求し、前記カラオケ装置は、前記第1要求手段により要求された前記回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する制御手段をさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、判別手段は、第1取得手段により取得された識別情報に基づいて、カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する。第2取得手段は、判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介してホスト装置から取得する。第2要求手段は、判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能によるカラオケデータの取得を要求する。この結果、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、第3要求手段は、第1取得手段により取得されたMACアドレスに基づいて、MACアドレスが示すルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報をホスト装置へ要求する。判別手段は、第3要求手段により要求されたルータ判別情報に基づいて、カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する。この結果、ホスト装置が管理するルータのMACアドレスと、ルータ判別情報とを用いて、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、第1要求手段は、識別情報と、カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求する。制御手段は、第1要求手段により要求された回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する。この結果、ルータが使用可能な回線速度が遅い場合に、カラオケ装置で使用可能な所定の機能を自動で制限することで、ルータが使用可能な回線速度に応じたカラオケサービスを提供することができ、カラオケシステムを効率的に運用することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、判別手段は、第1取得手段により取得された識別情報に基づいて、カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する。第2取得手段は、判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介してホスト装置から取得する。第2要求手段は、判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能によるカラオケデータの取得を要求する。この結果、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、第3要求手段は、第1取得手段により取得されたMACアドレスに基づいて、MACアドレスが示すルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報をホスト装置へ要求する。判別手段は、第3要求手段により要求されたルータ判別情報に基づいて、カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する。この結果、ホスト装置が管理するルータのMACアドレスと、ルータ判別情報とを用いて、P2P機能を備えたルータと、P2P機能を備えていない一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、第1要求手段は、識別情報と、カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求する。制御手段は、第1要求手段により要求された回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する。この結果、ルータが使用可能な回線速度が遅い場合に、カラオケ装置で使用可能な所定の機能を自動で制限することで、ルータが使用可能な回線速度に応じたカラオケサービスを提供することができ、カラオケシステムを効率的に運用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態のカラオケシステムSの概要構成図である。
【図2】本実施形態のルータの種類を問い合わせる方法を説明する説明図である。
【図3】本実施形態のカラオケ装置が、P2P機能を備えたルータへカラオケデータを問い合わせる方法を説明する説明図である。
【図4】本実施形態のルータの種類を問い合わせる方法を説明する説明図である。
【図5】本実施形態のカラオケ装置が、一般的なルータBRを介してセンターサーバSVへカラオケデータを問い合わせる方法を説明する説明図である。
【図6】本実施形態のカラオケ装置K1の電気的構成を示す説明図である。
【図7】本実施形態のセンターサーバSVの電気的構成を示す説明図である。
【図8】本実施形態のカラオケ装置K1のメイン動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[最良の実施形態]
以下、図面に沿って、本発明を適用した最良の実施形態について説明する。
【0020】
[1.カラオケシステムの構成及び動作の概要]
図1は、本実施形態のカラオケシステムSの概要を示す概要図である。図1に示すように、カラオケシステムSは、カラオケ装置K1からK4と、センターサーバSVと、一般的なルータBRと、P2P(Peer to Peer)機能を備えたルータERとを備える。P2P機能とは、複数のルータER間でP2P通信を実現できる機能である。例えば、カラオケ装置K1とカラオケ装置K2とは、カラオケ店舗KS1に備えられている。また、カラオケ装置K3とカラオケ装置K4とは、カラオケ店舗KS2に備えられている。そして、カラオケ店舗KS1と、カラオケ店舗KS2の夫々には、ルータが備えられている。図1の例では、カラオケ店舗KS1には、一般的なルータBRが備えられている。一般的なルータBRは、例えば、P2P機能を備えていないルータである。一般的なルータは、P2P機能を備えていない一般的に使用される公知のルータである。一方、カラオケ店舗KS2には、P2P機能を備えたルータERが備えられている。図1は、各カラオケ店舗ごとに、ルータが1台備えられている例である。カラオケ店舗に、複数台ルータが設置されていても良い。なお、一般的には、各カラオケ装置K1からK4には、それぞれ専用のリモコン装置が備えられているが、図示していない。各カラオケ装置K1からK4は、各カラオケ店舗に備えられたブロードバンドルータBRまたはP2P機能を備えたルータERを介して、ネットワークNWに接続する。なお、本実施形態のセンターサーバSVは、本発明のホスト装置の一例である。
【0021】
図1に示すように、本実施形態のP2P機能を備えたルータERは、オーバーレイネットワークOLに参加する。オーバーレイネットワークOLに参加することで、P2P機能を備えたルータERは、オーバーレイネットワークOLに参加する複数のルータER間で、P2P通信することが可能になる。これにより、P2P機能を備えた複数のルータER間で、カラオケデータを送受信することができる。なお、オーバーレイネットワークOL及びP2P通信の詳細は、特開2011−64974号公報等で公知のため、詳細な説明は省略する。
【0022】
[2.カラオケ装置のデータ取得動作の概要]
以下、図2から図5を参照して、本実施形態のカラオケデータの取得動作について説明する。
【0023】
[2.1 P2P機能を備えたルータERからのデータ取得動作の概要]
まず、P2P機能を備えたルータERから、カラオケ装置がカラオケデータを取得する方法について説明する。図2は、本実施形態のルータの種類を問い合わせる方法を説明する説明図である。図3は、本実施形態のカラオケ装置が、P2P機能を備えたルータERへカラオケデータを問い合わせる方法を説明する説明図である。なお、カラオケシステムSで配信されるデータが、本実施形態のカラオケデータである。具体的には、本実施形態のカラオケデータは、カラオケシステムSで配信される楽曲データである。例えば、楽曲データは、MIDIデータ、または、生音のデータである。また、カラオケデータは、例えば、カラオケシステムSで通信される動画データであっても良い。
【0024】
まず、図2に示すように、カラオケ装置K3が、カラオケ店舗KS2に設置されると、カラオケ店舗KS2に備えられたルータに向けて、MACアドレスの取得が要求される(図2:(1))。図2の例では、カラオケ装置K3が備えられるカラオケ店舗KS2には、P2P機能を備えたルータERが設置されている。このため、カラオケ装置K3は、P2P機能を備えたルータERに向けて、MACアドレスの取得を要求する。例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)を用いて、MACアドレスの取得要求が、P2P機能を備えたルータERへ向けて送信される。
【0025】
そして、MACアドレスの取得要求を受けたP2P機能を備えたルータERは、P2P機能を備えたルータERのMACアドレスを、カラオケ装置K3へ送信する(図2:(2))。
【0026】
カラオケ装置K3は、MACアドレスを取得すると、センターサーバSVへ取得したMACアドレスを送信する(図2:(3))。
【0027】
センターサーバSVは、MACアドレスを受信すると、MACアドレスに対応付けられたルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。具体的には、センターサーバSVは、カラオケシステムSで用いられるルータのMACアドレスと、種類情報とを対応付けて記憶している。種類情報は、MACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判別する情報である。これにより、センターサーバSVは、受信したMACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。センターサーバSVは、判定した判定結果を、カラオケ装置K3へ送信する(図2:(4))。図2の例では、センターサーバSVは、カラオケ装置K3へ判定結果として、接続するルータがP2P機能を備えたルータであることを示す種類情報を送信する。なお、本実施形態の種類情報が、本発明の識別情報の一例である。また、本実施形態の種類情報が、ルータ判別情報の一例である。
【0028】
カラオケ装置K3は、判定結果として、接続するルータがP2P機能を備えたルータであることを示す種類情報をセンターサーバSVから受信すると、カラオケデータの要求を、P2P機能を備えたルータERに向けて送信するように設定される。図3に示すように、カラオケ装置K3は、カラオケデータの要求を、P2P機能を備えたルータERへ送信する(図3:(5))。
【0029】
P2P機能を備えたルータERは、カラオケデータの要求を受信すると、P2P機能を備えたルータERが参加するオーバーレイネットワークOLへ向けてカラオケデータの検索を依頼する(図3:(6))。検索した結果、P2P機能を備えたルータERは、カラオケ装置K3から要求されたカラオケデータを、オーバーレイネットワークOLに参加するルータのいずれかから取得する。なお、カラオケデータの要求を受信したP2P機能を備えたルータERが、カラオケデータを記憶していた場合、図3の(6)の処理は実行されず、P2P機能を備えたルータERが記憶するカラオケデータが、要求元のカラオケ装置K3へ送信されることになる。なお、P2P機能を用いたカラオケデータの取得方法の詳細は、特開2011−64974号公報等で公知のため、詳細な説明は省略する。
【0030】
P2P機能を備えたルータERは、カラオケデータを取得すると、カラオケデータの要求元のカラオケ装置K3へ、取得したカラオケデータを送信する(図3:(7))。これにより、カラオケ装置K3は、P2P機能を備えたルータERからカラオケデータを取得することができる。
【0031】
[2.2 一般的なルータBRに接続されたカラオケ装置のデータ取得動作の概要]
次に一般的なルータBRに接続されたカラオケ装置のカラオケデータを取得する方法について説明する。図4は、本実施形態のルータの種類を問い合わせる方法を説明する説明図である。図5は、本実施形態のカラオケ装置が、一般的なルータBRを介してセンターサーバSVへカラオケデータを問い合わせる方法を説明する説明図である。
【0032】
まず、図4に示すように、カラオケ装置K2が、カラオケ店舗KS1に設置されると、カラオケ店舗KS1に備えられたルータに向けて、MACアドレスの取得が要求される(図4:(8))。図4の例では、カラオケ装置K2が備えられるカラオケ店舗KS1には、一般的なルータBRが設置されている。このため、カラオケ装置K2は、一般的なルータBRに向けて、MACアドレスの取得を要求する。例えば、ICMP(Internet Control Message Protocol)を用いて、MACアドレスの取得要求が、一般的なルータBRへ向けて送信される。
【0033】
そして、MACアドレスの取得要求を受けた一般的な備えたルータBRは、一般的なルータBRのMACアドレスを、カラオケ装置K2へ送信する(図4:(9))。
【0034】
カラオケ装置K2は、MACアドレスを取得すると、センターサーバSVへ取得したMACアドレスを送信する(図4:(10))。
【0035】
センターサーバSVは、MACアドレスを受信すると、MACアドレスに対応付けられたルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。具体的には、センターサーバSVは、カラオケシステムSで用いられるルータのMACアドレスと、種類情報とを対応付けて記憶している。種類情報は、MACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判別する情報である。これにより、センターサーバSVは、受信したMACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。センターサーバSVは、判定した判定結果を、カラオケ装置K2へ送信する(図4:(11))。図4の例では、センターサーバSVは、カラオケ装置K2へ判定結果として、接続するルータが一般的なルータであることを示す種類情報を送信する。
【0036】
カラオケ装置K2は、判定結果として、接続するルータが一般的なルータであることを示す種類情報をセンターサーバSVから受信すると、カラオケデータの要求を、一般的なルータBRを介して、センターサーバSVに向けて送信するように設定される。また、センターサーバSVとは別装置の、カラオケデータを管理するホスト装置に向けて、カラオケデータの要求が送信されるように設定されても良い。この結果、図5に示すように、カラオケ装置K2は、カラオケデータの要求を、一般的なルータBRを介して、センターサーバSVへ送信する(図5:(12))。
【0037】
センターサーバSVは、カラオケデータの要求を受信すると、要求元のカラオケ装置K2へ、要求されたカラオケデータを送信する(図5:(13))。これにより、カラオケ装置K2は、センターサーバSVからカラオケデータを取得することができる。
【0038】
このように、本実施形態では、P2P機能を備えたルータと、一般的なルータとが混在するネットワーク環境であっても、カラオケデータを取得する通信設定を、カラオケ装置が自動で設定し、カラオケデータを取得することができる。
【0039】
また、本実施形態の図2の(4)または図4の(11)の処理により、センターサーバSVは、判定した判定結果として種類情報を、カラオケ装置K2またはK3へ送信する。種類情報に加えて、回線情報がセンターサーバSVからカラオケ装置K2またはK3へ送信されても良い。回線情報は、ルータが接続されるネットワーク環境を示す。センターサーバSVは、MACアドレスと、種類情報とを対応付けて記憶することに加え、MACアドレスと回線情報とを対応付けて記憶する。具体的には、MACアドレスと、MACアドレスが付与されたルータの回線情報とが対応付けてセンターサーバSVに記憶される。例えば、ルータが光回線に接続されている場合、光回線を示す回線情報が、ルータのMACアドレスと対応付けられてセンターサーバSVに記憶される。また、ルータがADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)に接続されている場合、ADSLを示す回線情報が、ルータのMACアドレスと対応付けられてセンターサーバSVに記憶される。
【0040】
カラオケ装置K2またはK3は回線情報を取得すると、取得した回線情報に基づいて、カラオケ装置K2またはK3で使用されるカラオケサービスを制限するか否かを判定する。具体的には、例えば、カラオケ装置K2またはK3が、ADSLを示す回線情報を取得した場合、光回線より通信速度が遅いとして、カラオケサービスの所定の機能の使用を制限する。一方、カラオケ装置K2またはK3が、光回線を示す回線情報を取得した場合、十分な通信速度が出るとして、カラオケサービスの所定の機能の使用を制限しない。本実施形態では、制限される所定の機能として、例えば、カラオケ装置K2またはK3から、ネットワークに接続された他の装置へのデータのアップロード機能が制限される。回線速度が遅い場合に大容量のデータアップロードを行うと、アップロード通信に回線が圧迫され、より重要な通信が滞ることが懸念される。そのため、回線速度が遅いことを予め検知しておき、大容量アップロードの機能自体を停止することにより、他の通信サービスへの悪影響を軽減できる。この結果、ルータが使用可能な回線速度が遅い場合に、カラオケ装置で使用可能な所定の機能を自動で制限することで、ルータが使用可能な回線速度に応じたカラオケサービスを提供することができ、カラオケシステムを効率的に運用することができる。
【0041】
[3.電気的構成概要]
図6は、本実施形態のカラオケシステムSを構成するカラオケ装置K1〜K4の電気的構成を説明する説明図である。本実施形態では、カラオケ装置K1〜K4の代表として、カラオケ装置K1の電気的構成について説明する。なお、カラオケ装置K1〜K4の電気的構成は、図6に示す構成と同じである。
【0042】
図6に示すように、カラオケ装置K1は、制御部21と、LANインターフェース部22と、記憶部23と、操作部24と、赤外線受信部25と、操作処理部26と、シンセサイザ27と、マイク制御部28と、スピーカ29と、ミキシングアンプ30と、ビデオRAM31と、映像再生部32と、映像制御部33とを備える。
【0043】
制御部21は、LANインターフェース部22と、記憶部23と、操作処理部26と、シンセサイザ27と、ビデオRAM31と、映像再生部32と、映像制御部33と電気的に接続される。制御部21は、カラオケ装置K1の各種構成を制御する。制御部21は、例えば、CPU及びRAM等から構成されるコントローラである。本実施形態の制御部21は、カラオケ装置のコンピュータとして機能する。
【0044】
LANインターフェース部22は、カラオケ装置K1とネットワークNWと接続する。LANインターフェース部22により、インターネットを介して、ネットワークNWに接続されたセンターサーバSV、P2P機能を備えたルータER、及び、一般的なルータBRと通信可能になる。
【0045】
操作処理部26は、操作部24と、赤外線受信部25と電気的に接続される。操作部24は、カラオケ装置K1のユーザにより操作される。操作部24により操作され、入力された信号が操作処理部26に出力される。また、赤外線受信部25は、図示しないリモコンにより送信された赤外線を受信する。受信された赤外線の信号は、操作処理部26に出力される。操作処理部26は、出力された夫々の信号にも基づいて、操作内容を決定する。決定された操作内容に基づいて、制御部21は、カラオケ装置K1を制御する。
【0046】
記憶部23は、カラオケ装置K1で出力する楽曲データ及び映像データを記憶する。記憶部23は、例えば、HardDisk(HD)等の高容量の記憶媒体である。操作処理部26により決定された操作内容に基づいて、記憶部23に記憶された楽曲データまたは映像データが制御部21により読み出される。そして、記憶部23に記憶された映像データに従って、制御部21は、ビデオRAM31または映像再生部32または映像制御部33に、映像を出力させる指令を送信する。
【0047】
また、記憶部23は、MACアドレス記憶領域231と、ルータ情報記憶領域232と、プログラム記憶領域233とを含む。MACアドレス記憶領域231は、P2P機能を備えたルータERまたは一般的なルータBRから取得したMACアドレスを記憶する。ルータ情報記憶領域232は、カラオケ装置K1が接続するルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを示す種類情報を記憶する。また、回線情報が使用される場合、カラオケ装置K1が接続するルータの回線情報も、ルータ情報記憶領域232に記憶される。ルータ情報記憶領域232に記憶される種類情報は、センターサーバSVから取得される。なお、本実施形態の種類情報は、本発明のルータ判別情報の一例である。
【0048】
プログラム記憶領域233は、カラオケ装置K1のプログラムが記憶される。カラオケ装置K1のプログラムは、カラオケ装置K1を制御するプログラムである。なお、カラオケ装置K1のプログラムは、例えば、ネットワーク上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしても良い。
【0049】
図6に示すように、制御部21は、ビデオRAM31と映像再生部32と、映像制御部33とに電気的に接続される。また、映像制御部33は、表示部34と電気的に接続される。なお、本実施形態では、カラオケ装置K1の外部に設置された表示部34と電気的に接続される。ビデオRAM31は、読み出された映像データを一時記憶する。制御部21により出力される指令に従って、映像再生部32は、ビデオRAM31に一時記憶された映像データを、表示部34に出力させる信号に変換する。変換された信号は、映像制御部33に送信される。制御部21により送信された指令に従って、映像制御部33は、表示部34に映像を表示させる指令を送信する。映像制御部33は、映像再生部32により送信された信号に基づいて、表示部34に所定の映像を表示させる。表示部34は、例えば、ディスプレイである。
【0050】
また、記憶部23に記憶された楽曲データに従って、制御部21は楽曲データを出力させる指令を、シンセサイザ27に送信する。そして、制御部21により送信された指令に従って、シンセサイザ27は、楽曲データに基づいて音信号を生成する。音信号は、ミキシングアンプ30を介してスピーカ29により音を出力させるための信号である。図2に示すように、シンセサイザ27は、ミキシングアンプ30と電気的に接続される。また、ミキシングアンプ30は、マイク制御部28とスピーカ29とに電気的に接続される。
【0051】
マイク制御部28は、図示しないマイクと接続される。マイクにより入力された情報に基づいて、マイク制御部28は、音声信号を生成する。マイク制御部28は、生成された音声信号をミキシングアンプ30に出力する。マイク制御部28により送信された音声信号またはシンセサイザ27により送信された音信号に基づいて、ミキシングアンプ30は、マイクにより入力された音声または楽曲データの音をスピーカ29により出力させる。マイク制御部28により送信された音声信号とシンセサイザ27により送信された音信号との両方が、ミキシングアンプ30に送信された場合、ミキシングアンプ30は、マイクにより入力された音声と楽曲データの音とを合成してスピーカ29により出力させる。なお、スピーカ29は、カラオケ装置K1の外部に設定されて、カラオケ装置K1と電気的に接続されても良い。
【0052】
[4 センターサーバSVの電気的構成]
図7は、本実施形態のカラオケシステムSを構成するセンターサーバSVの電気的構成を説明する説明図である。図7に示すように、センターサーバSVは、制御部35と、LANインターフェース部36と、記憶部37とを備える。
【0053】
制御部35は、LANインターフェース部36と、記憶部37と電気的に接続される。制御部35は、センターサーバSVの各種構成を制御する。制御部35は、例えば、CPU及びRAM等から構成されるコントローラである。本実施形態の制御部35は、センターサーバSVのコンピュータとして機能する。
【0054】
LANインターフェース部36は、センターサーバSVとネットワークNWと接続する。LANインターフェース部36により、センターサーバSVは、インターネットを介して、カラオケ装置K1〜K4、P2P機能を備えたルータER、及び、一般的なルータBRと通信可能になる。
【0055】
記憶部37は、例えば、HardDisk(HD)等の高容量の記憶媒体である。記憶部37は、種類情報記憶領域371と、カラオケデータ記憶領域372と、センターサーバプログラム記憶領域373とを含む。
【0056】
種類情報記憶領域371は、カラオケシステムSで用いられるルータのMACアドレスと、種類情報とを対応付けて記憶している。種類情報は、MACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判別する情報である。これにより、センターサーバSVは、受信したMACアドレスが示すルータが、一般的なルータか、P2P機能を備えたルータかを判定する。また、種類情報記憶領域371は、カラオケシステムSで用いられるルータのMACアドレスと、回線情報とを対応付けて記憶している。カラオケデータ記憶領域372は、カラオケシステムSで用いられるカラオケデータを記憶する。
【0057】
センターサーバプログラム記憶領域373は、センターサーバSVのプログラムが記憶される。センターサーバSVのプログラムは、センターサーバSVを制御するプログラムである。なお、センターサーバSVのプログラムは、例えば、ネットワーク上の所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしても良い。
【0058】
[5.カラオケ装置K1の動作]
以上説明した構成からなる本実施形態のカラオケ装置K1〜K4の動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。まず、カラオケ装置K1〜K4のメイン動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。本実施形態では、カラオケ装置K1〜カラオケ装置K4の代表として、カラオケ装置K1のメイン動作について説明する。なお、カラオケ装置K1〜K4のメイン動作は、図8に示すフローチャートと同じ処理である。図8は、カラオケ装置K1におけるメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。カラオケ装置K1のメイン動作は、カラオケ装置K1の電源がオンにされたことにより、遂行される。以下に示すメイン動作処理は、制御部21により処理される。
【0059】
まず、ステップS101では、種類情報が取得済みであるか否かが判定される。種類情報が取得済みであるか否かは、ルータ情報記憶領域232に、種類情報が記憶されているか否かにより判定される。ルータ情報記憶領域232に、種類情報が記憶されていると判定された場合、種類情報が取得済みであると判定される。ルータ情報記憶領域232に、種類情報が記憶されていると判定されなかった場合、種類情報が取得済みでないと判定される。種類情報が取得済みであると判定された場合(ステップS101:YES)、ステップS106が実行される。種類情報が取得済みであると判定されなかった場合(ステップS101:NO)、ステップS102が実行される。
【0060】
ステップS102では、接続されているルータへ向けて、ICMPが送信される。つまり、カラオケ装置K1が接続しているルータへ向けて、MACアドレスが要求される。本実施形態のカラオケ装置のコンピュータと、ステップS102とは、本発明の第1要求手段の一例である。
【0061】
ステップS103では、ARP(Address Resolution Protocol)により、ルータのMACアドレスが取得される。取得されたMACアドレスが、MACアドレス記憶領域231に記憶される。本実施形態のカラオケ装置のコンピュータと、ステップS103とは、本発明の第1取得手段の一例である。
【0062】
ステップS104では、ステップS103で取得されたMACアドレスが、センターサーバSVに送信される。つまり、カラオケ装置K1に接続されるルータの種類情報が、センターサーバSVへ要求される。本実施形態のカラオケ装置のコンピュータと、ステップS104とは、本発明の第3要求手段の一例である。
【0063】
ステップS105では、センターサーバSVから、種類情報と、回線情報とを取得する。ステップS105で取得される種類情報と回線情報とは、ステップS103で取得されたMACアドレスと対応付けてセンターサーバSVに記憶された種類情報と回線情報である。取得した種類情報と回線情報とは、ルータ情報記憶領域232に記憶される。
【0064】
ステップS106では、ステップS105で取得した回線情報に基づいて、サービスに対応した回線であるか否かが判定される。具体的には、ステップS105で取得した回線情報が、所定の通信速度より速い回線であるか否かが判定される。つまり、所定の通信速度よりも速い回線の場合、サービスに対応した回線であると判定される。また、所定の通信速度よりも遅い回線の場合、サービスに対応した回線でないと判定される。本実施形態では、ステップS105で取得した回線情報が光回線の場合、所定の通信速度より速いと判定される。一方、ステップS105で取得した回線情報がADSLの場合、所定の通信速度より遅いと判定される。サービスに対応した回線であると判定された場合(ステップS106:YES)、ステップS108が実行される。サービスに対応した回線であると判定されなかった場合(ステップS106:NO)、ステップS107が実行される。
【0065】
ステップS107では、カラオケサービスの所定の機能の使用が制限される。本実施形態では、制限される所定の機能として、例えば、カラオケ装置K2またはK3から、ネットワークに接続された他の装置へのデータのアップロード機能が制限される。アップロード機能以外のカラオケのサービスが制限されても良い。ステップS107で所定の機能の使用を制限する設定が実行される。本実施形態のカラオケ装置のコンピュータと、ステップS107とは、本発明の制御手段の一例である。
【0066】
ステップS108では、カラオケ装置K1に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータであるか否かが判定される。具体的には、ルータ情報記憶領域232に記憶された種類情報が、P2P機能を備えたルータを示す場合、カラオケ装置K1に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータであると判定される。一方、ルータ情報記憶領域232に記憶された種類情報が、一般的なルータを示す場合、カラオケ装置K1に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータでないと判定される。カラオケ装置K1に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータであると判定された場合(ステップS108:YES)、ステップS109が実行される。カラオケ装置K1に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータであると判定されなかった場合(ステップS108:NO)、ステップS110が実行される。本実施形態のカラオケ装置のコンピュータと、ステップS108とは、本発明の判別手段の一例である。
【0067】
ステップS109では、P2P機能を備えたルータERへ、カラオケデータを要求する設定が実行される。なお、実行された設定は、記憶部23の所定の記憶領域に記憶される。具体的には、カラオケ装置K1によりカラオケデータの取得が要求される場合、カラオケデータの要求が、P2P機能を備えたルータへ向けて送信されるように設定される。なお、P2P機能を用いたカラオケデータの取得方法は、特開2011−64974号公報等で公知のため、詳細な説明は省略する。
【0068】
ステップS110では、一般的なルータを介して、センターサーバSVへカラオケデータを要求する設定が実行される。なお、実行された設定は、記憶部23の所定の記憶領域に記憶される。具体的には、一般的なルータを介して、センターサーバSVへカラオケデータの要求が、送信されるように設定される。
【0069】
ステップS111では、カラオケデータの取得要求があったか否かが判定される。カラオケデータの取得要求があったと判定された場合(ステップS111:YES)、ステップS112が実行される。一方、カラオケデータの取得要求があったと判定されなかった場合(ステップS111:NO)、ステップS116が実行される。
【0070】
ステップS112では、P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定であるか否かが判定される。記憶部23の所定の記憶領域に、P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定が記憶されているか否かが判定される。P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定が記憶されている場合、P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定であると判定される。P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定が記憶されていない場合、P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定でないと判定される。P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定であると判定された場合(ステップS112:YES)、ステップS113が実行される。P2P機能を備えたルータへカラオケデータを要求する設定であると判定されなかった場合(ステップS112:NO)、ステップS115が実行される。
【0071】
ステップS113では、P2P機能を備えたルータERへカラオケデータの取得要求が送信される。なお、本実施形態のカラオケ装置のコンピュータとステップS113とは、本発明の第2要求手段の一例である。
【0072】
ステップS114では、P2P機能を備えたルータERからカラオケデータが取得される。なお、本実施形態のカラオケ装置のコンピュータとステップS114とは、本発明の第3取得手段の一例である。
【0073】
ステップS115では、一般的なルータBRを介して、センターサーバSVからカラオケデータが取得される。なお、本実施形態のカラオケ装置のコンピュータとステップS115とは、本発明の第2取得手段の一例である。
【0074】
ステップS116では、カラオケ装置K1の図示しない電源がオフされたか否かが判定される。電源がオフされたと判定された場合(ステップS116:YES)、メイン動作処理は終了される。一方、電源がオフされたと判定されなかった場合(ステップS116:NO)、ステップS111が再度実行される。
【0075】
本実施形態では、カラオケシステムSに接続されるルータのMACアドレスと、MACアドレスが示すルータの種類情報及び回線情報とを、センターサーバSVが記憶している。そして、カラオケ装置は、カラオケ装置に接続されたルータからMACアドレスを取得する。取得したMACアドレスに基づいて、カラオケ装置がセンターサーバSVに問い合わせることで、カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、一般的なルータかを判定していたが、これに限定されるものではない。変形例として、カラオケ装置がMACアドレスを取得する代わりに、カラオケ装置に接続されるルータがP2P機能を備えたルータか、一般的なルータかを示す種類情報が、カラオケ装置に接続されるルータから直接取得されても良い。ルータから取得した種類情報に基づいて、P2P機能を備えたルータか、一般的なルータかを判定しても良い。
【0076】
また、カラオケ装置に接続されるルータからMACアドレスを取得する代わりに、ルータを一意に識別可能な情報が、カラオケ装置に接続されるルータから取得されても良い。この場合、センターサーバSVは、ルータを一意に識別する識別情報と、識別情報が示すルータの種類情報及び回線情報とを対応付けて記憶する。カラオケ装置は、ルータから取得した識別情報をセンターサーバSVへ送信する。センターサーバSVは、カラオケ装置から送信された識別情報を受信する。受信した識別情報に基づいて、センターサーバSVは、識別情報と対応付けて記憶された種類情報及び回線情報を決定する。そして、センターサーバSVは、決定された種類情報及び回線情報をカラオケ装置へ送信する。カラオケ装置は、受信した種類情報に基づいて、P2P機能を備えたルータか、一般的なルータかを判定しても良い。
【0077】
本実施形態では、センターサーバSVは、MACアドレスと、種類情報及び回線情報とを対応付けて記憶していたが、少なくとも、MACアドレスと種類情報とが対応付けられてセンターサーバSVに記憶されていれば良い。
【符号の説明】
【0078】
21 制御部
22 LANインタフェース部
23 記憶部
24 操作部
25 赤外線受信部
26 操作処理部
27 シンセサイザ
28 マイク制御部
29 スピーカ
30 ミキシングアンプ
31 ビデオRAM
32 映像再生部
33 映像制御部
34 表示部
35 制御部
36 LANインタフェース部
37 記憶部
231 MACアドレス記憶領域
232 ルータ情報記憶領域
233 プログラム記憶領域
371 種類情報記憶領域
372 カラオケデータ記憶領域
373 センターサーバプログラム記憶領域
BR 一般的なルータ
ER P2P機能を備えたルータ
K1、K2、K3、K4 カラオケ装置
KS1、KS2 カラオケ店舗
OL オーバーレイネットワーク
NW ネットワーク
S カラオケシステム
SV センターサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ルータを介してインターネットへ接続可能なカラオケ装置であって、
前記カラオケ装置と接続されるルータを識別可能な識別情報を、前記ルータまたはホスト装置へ要求する第1要求手段と、
前記第1要求手段により要求された前記識別情報を、前記ルータまたはホスト装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された前記識別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えないルータかを判別する判別手段と、
前記判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介して前記ホスト装置から取得する第2取得手段と、
前記判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、前記カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能による前記カラオケデータの取得を要求する第2要求手段と、
前記第2要求手段により要求した前記カラオケデータを、前記カラオケ装置と接続されるルータから取得する第3取得手段と、
を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記第1要求手段は、前記識別情報として、前記カラオケ装置と接続されるルータのMACアドレスを要求し、
前記第1取得手段は、前記第1要求手段により要求された前記MACアドレスを取得し、
前記カラオケ装置は、
前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに基づいて、前記MACアドレスが示すルータがP2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報を前記ホスト装置へ要求する第3要求手段をさらに備え、
前記判別手段は、前記第3要求手段により要求された前記ルータ判別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記第1要求手段は、前記識別情報と、前記カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求し、
前記カラオケ装置は、
前記第1要求手段により要求された前記回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
ルータを介してインターネットへ接続可能なカラオケ装置とホスト装置を備えるカラオケシステムであって、
前記カラオケ装置は、
前記カラオケ装置と接続されるルータを識別可能な識別情報を、前記ルータまたはホスト装置へ要求する第1要求手段と、
前記第1要求手段により要求された前記識別情報を、前記ルータまたはホスト装置から取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段により取得された前記識別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別する判別手段と、
前記判別手段によりP2P機能を備えていないルータと判別された場合、カラオケで使用されるカラオケデータを、インターネットを介して前記ホスト装置から取得する第2取得手段と、
前記判別手段によりP2P機能を備えたルータと判別された場合、前記カラオケ装置と接続されるルータに向けて、P2P機能による前記カラオケデータの取得を要求する第2要求手段と、
前記第2要求手段により要求した前記カラオケデータを、前記カラオケ装置と接続されるルータから取得する第3取得手段と、
を備えることを特徴とするカラオケシステム。
【請求項5】
前記第1要求手段は、前記識別情報として、前記カラオケ装置と接続されるルータのMACアドレスを要求し、
前記第1取得手段は、前記第1要求手段により要求された前記MACアドレスを取得し、
前記カラオケ装置は、
前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに基づいて、前記MACアドレスが示すルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを示すルータ判別情報を前記ホスト装置へ要求する第3要求手段をさらに備え、
前記判別手段は、前記第3要求手段により要求された前記ルータ判別情報に基づいて、前記カラオケ装置に接続されるルータが、P2P機能を備えたルータか、P2P機能を備えていないルータかを判別し、
前記ホスト装置は、
前記識別情報としてのMACアドレスと、前記ルータ判別情報とを複数対応付けて記憶する記憶手段と、
前記第1取得手段により取得された前記MACアドレスに対応するルータ判別情報を、前記記憶手段に記憶された複数の前記MACアドレスと前記ルータ判別情報との中から決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された前記ルータ判別情報を前記カラオケ装置へ送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項4に記載のカラオケシステム。
【請求項6】
前記第1要求手段は、前記識別情報と、前記カラオケ装置が接続されるルータにより使用可能な回線速度を示す回線情報とを要求し、
前記カラオケ装置は、
前記第1要求手段により要求された前記回線情報に基づいて、回線速度が所定の回線速度より遅い場合、カラオケ装置における所定の機能を制限する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のカラオケシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−61514(P2013−61514A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−200239(P2011−200239)
【出願日】平成23年9月14日(2011.9.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】