カラオケ装置とその近辺で使用されるタブレットコンピュータが相互に通信して協働するカラオケ活用システム
【課題】不使用タブレットコンピュータに飲食物映像を表示させその注文を受け付ける。
【解決手段】カラオケ装置は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信し、その応答に非活動中電文を受信した際、映像データベースから飲食物品目IDが付帯した映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信し、タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行って選曲予約プログラムと飲食物注文プログラムを含むアプリケーションプログラムを実行し、それを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットし、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文を返信し、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示し、表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡す。
【解決手段】カラオケ装置は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信し、その応答に非活動中電文を受信した際、映像データベースから飲食物品目IDが付帯した映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信し、タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行って選曲予約プログラムと飲食物注文プログラムを含むアプリケーションプログラムを実行し、それを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットし、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文を返信し、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示し、表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラオケ装置とその近辺で使用されるタブレットコンピュータが相互に通信して協働するカラオケ活用システムに関し、とくに、使用されていないタブレットコンピュータに飲食物関連の映像を表示させ、その飲食物を簡単に注文できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のカラオケ店では、分厚いカラオケ目次本に代わり、タブレットコンピュータにより構成された電子目次本装置(DAMステーション、デンモク、キョクNAVI、ナビカラなどの商品名)が普及している。タブレットコンピュータの持つ演算能力・記憶能力・通信能力はきわめて大きいので、以下に例示するように、この種の電子目次本装置をカラオケに関連したさまざまな用途に供する開発が進められている。
【0003】
《特許第3649679号》「キープボトル管理システムに特徴を有するカラオケ店の情報処理システム」
客室端末のディスプレイに客のキープボトルの残量をリアルに表示させ、そのボトルの飲み物を注文すると、残量が少なくなったキープボトル映像が表示される。
《特許第3645192号》「利用者別のアルバムを制作するカラオケ録音システム」
カラオケ装置と連携する客室端末をカラオケ録音コントローラとして使用し、客のIDに対応付けしてカラオケ録音作品を制作し、客別のディスク媒体に録音作品を記録して持ち帰ることができる。
《特許第3629450号》「カラオケ接客支援装置を統合したカラオケ装置」
カラオケ装置と連携する客室端末に顧客データベースを保有させ、来店した顧客IDを入力すると、入店者リストの表示に加わり、リストから顧客を選択すると、その顧客用に作成されている選曲リストが表示され、その中からカラオケ装置にリクエストできる。
《特開2005−338147号》「カラオケ演奏に伴う付加機能を利用者の希望により有料で実行する電子マネー課金式カラオケシステム」
カラオケ歌唱を録音するといった有料サービスの料金を、客室端末に設けた電子マネー取り扱いシステムにより決済できる。その際に生じるおつりをカラオケ店が独自に管理できる。
【0004】
また、非特許文献1に説明されているように電子目次本装置を電子メニュー式セルフオーダー装置としても機能させるセルフオーダーPOSシステムが実用化された。
【非特許文献1】株式会社エクシング「オーダーエントリーシステム」、[online]、平成17年11月9日、[平成17年12月20日検索]、インターネット<URL:http://www.xing.co.jp/news/news051109.html>
【0005】
なお、セルフオーダーPOSシステムについても、以下に例示するように多数の技術文献が開示されている。
《実開昭63−179557号》「タッチセンサー付・ビジュアルメニューオーダーシステム」
ビデオディスクプレーヤでメニュー映像を再生してパソコンのタッチパネル付モニターテレビに表示し、客がタッチ入力した飲食物の注文情報をPOSレジスタと厨房プリンターに無線伝送して注文伝票を印刷するとともに会計処理を行う。
《特開平5−314149号》「料理オーダ装置」
客がテーブルに座って切り換えスイッチを切り替えると、テレビ番組などを映していたタッチパネル表示装置にメニュービデオ装置で再生される料理メニューが表示される。画面の各料理には文字スーパーインポーズによって値段も同時に表示される。
《特開平10−74218号》「電子メニュー装置及び電子オーダーリングシステム」
メニューの変更を行うにあたって、電子スチルカメラで商品を撮影してメニューデータ記憶部に格納するだけで良いため、通常のメニューのように写真の現像や印刷を待つ必要がなく、手軽に行うことができる。
《特開2001−338035号》「飲食店のサービスネットワークシステム」
セルフオーダーPOSシステムの基本機能に加えて、テレビやビデオやインターネットを閲覧するサービス、占いなどのゲームやアンケートを行うサービス、姉妹店やその他の店の紹介などのサービスを行う。
《特開2003−317155号》「レストラン等におけるオーダリングサービスシステム」
注文した料理が配膳されてくる間に、客席端末にプログラムされている懸賞やクイズ等のゲームを楽しむことができる。
《特開2005−84897号》「レストラン等におけるオーダリングサービスシステムとそのための表示部」
料理が配膳されるまでの間や食後のひとときの楽しみを増すように、客席端末に備えたデジタルカメラで仲間などを撮影してプリントを受け取ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人は、カラオケボックスで使用される多用途タブレットコンピュータに高度な電子目次本機能や電子メニュー式セルフオーダー機能を搭載したりするシステム開発を行っている。このようなタブレットコンピュータを用いれば、コンピュータの高度な情報処理機能によって、印刷物の目次本やメニューではなかった高度な機能が様々に実現できるものである。
【0007】
そのように多額の開発費や導入費をつぎ込んでカラオケ店舗に導入したタブレットコンピュータも、カラオケ演奏中には客がみな歌唱に聞き入ったりあわせて歌ったり、演奏の合間には飲食や仲間とのおしゃべりを楽しんだりしていて、誰にも使われずに放置されているケースも少なくはない。それではもったいないので、使用されていないタブレットコンピュータを有効に利用したいと、本発明者らは考えた。
【0008】
そこで、使用されていないタブレットコンピュータに、店舗で提供可能な飲食物に関連する映像を表示させ、それを見た客が簡単な操作で映像の飲食物を注文できれば、タブレットコンピュータの有効利用になるだけでなく、店舗の売り上げも向上する、と考えて本発明を創作した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るカラオケ活用システムは、つぎの事項(1)〜(14)により特定されるものである。
(1)カラオケ装置とタブレットコンピュータが通信可能に接続されるとともに、タブレットコンピュータがPOSシステムに通信可能に接続されたカラオケ活用システムであること
(2)カラオケ装置は、映像データベースにアクセス可能であるとともに、第1〜第3処理を可能とすること
(3)映像データベースは、飲食物品目IDが付帯した映像作品を格納すること
(4)第1処理は、タブレットコンピュータから演奏予約電文を受信した際、電文中の楽曲IDを待ち行列に登録すること
(5)第2処理は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信すること
(6)第3処理は、第2処理で送信した現況点検電文の応答としてタブレットコンピュータから非活動中電文を受信した際、映像データベースから映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信すること
(7)タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行うアプリケーションプログラムの実行が可能であるとともに、第4〜第7処理を可能とすること
(8)アプリケーションプログラムは、選曲予約プログラムと、飲食物注文プログラムを含むこと
(9)選曲予約プログラムは、楽曲索引データベースにアクセスして楽曲を検索してカラオケ装置に演奏予約電文を送信する動作を可能とすること
(10)飲食物注文プログラムは、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目を検索してPOSシステムに注文電文を送信する動作を可能とすること
(11)第4処理は、アプリケーションプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットすること
(12)第5処理は、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文をカラオケ装置に返信すること
(13)第6処理は、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示すること
(14)第7処理は、第6処理の映像作品表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡すこと
【0010】
この発明において、タブレットコンピュータは、充電架台にセットすることにより充電可能な2次電池を内蔵し、前記第4処理は、アプリケーションプログラムプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続しているとともに、充電架台にセットされていることを検知した場合に、非活動中フラグをセットすることが望ましい。
【0011】
さらに、以下の(21)〜(23)のいずれかを選択的に適用することが望ましい。
(21)映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点に対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡すこと
(22)映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、 第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点までに対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡すこと
(23)映像作品には、複数の飲食物品目IDが非時系列に対応付けされて付帯し、第7処理は、利用者入力があった際、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDをすべて飲食物注文プログラムに引き渡すこと
【0012】
また、飲食物注文プログラムは、第7処理により飲食物品目IDが引き渡された際、第8、第9処理を行わせ、第8処理は、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目IDに該当する飲食物情報を抽出して表示させ、注文入力を受付可能とし、第9処理は、第8処理にて受け付けた注文入力に基づいて注文電文を作成してPOSシステムに送信することが望ましい。
【0013】
その場合にはさらに、第8処理は、引き渡された飲食物品目IDが複数である場合、各品目IDに該当する飲食物情報の概要一覧を表示させ、利用者の選択入力を受付可能とし、選択入力があった際に選択された飲食物情報の詳細を表示させ、注文入力を受付可能とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明のカラオケ活用システムによれば、電子目次本装置やセルフオーダー装置などとして使える多機能なタブレットコンピュータが、客に操作されていないときには自動的に映像を表示するので、タブレットコンピュータを不使用のまま遊ばせる機会を減らし、システム利用の効率化を図れる。しかも、飲食物の注文を勧誘するような映像を表示させて、そこから簡単な操作で注文できるので、飲食物の売り上げも増加し、営業効率が向上する。
【実施例】
【0015】
===システムの概要===
本発明の実施例に係るカラオケ活用システムは、カラオケ店舗に設置されたカラオケ装置10と1台〜数台のタブレットコンピュータ20により構成される。図1に本実施例のカラオケ活用システムを含むネットワーク構成を例示している。カラオケ店舗100には多数の客室120が備わり、各客室に1台のカラオケ装置10と、1〜数台のタブレットコンピュータ20が設置されている。それぞれの装置は店舗内LAN50に接続され、これらのカラオケ装置10とタブレットコンピュータ20と外部のカラオケサーバーにより、周知の通信カラオケシステムが構築されている。
また、この通信カラオケシステムは、周知のPOSシステムに接続されている。
【0016】
===カラオケ装置10の基本構成===
カラオケ装置10は、周知の通信カラオケシステムの演奏端末であって、汎用パソコンの応用装置である。図2にそのブロック構成を例示しているように、中央制御部11が全体を統括する。ハードディスク装置12には、メインコンピュータのプログラムのほか、カラオケデータベース、映像データベースなどの各種情報を格納している。操作/表示パネル部13は、利用者により各種の情報が入力可能であるとともに、利用者に向けて各種の情報を表示可能である。通信処理部14は、通信回線を介して外部のカラオケサーバーや事業者運営の各種サーバーと通信する。またLAN50を介して同室内のタブレットコンピュータ20と通信可能に構成されている。
【0017】
カラオケ利用者が、操作/表示パネル13や、カラオケリモコン装置としてのタブレットコンピュータ20を用いて指定したリクエスト曲について、カラオケ装置10はカラオケデータベースから該当の楽曲のカラオケデータを取り出して、演奏処理部15に受け渡す。
【0018】
各曲のカラオケデータは、楽曲IDとMIDI演奏データと録音データと歌詞字幕データと背景映像指定データとを組織化したデータ集合である。メインコンピュータ11の制御によって演奏処理部15が、カラオケデータに基づいてステレオ伴奏音楽を演奏し、音楽信号をミキシングアンプ16で増幅してスピーカより放音する。また映像処理部17が、該当楽曲用の歌詞字幕データに基づいて、演奏の進行に同期して歌詞字幕を色替え表示するとともに、背景映像指定データに基づいて映像データベースから背景映像データを取り出して、歌詞字幕の背景映像をディスプレイ18に表示する。
【0019】
===タブレットコンピュータ20の構成===
本実施例のタブレットコンピュータ20の外観斜視図を図3(A)に、これを充電架台にセットした状態を図3(B)に例示している。また、そのブロック構成を図4に例示しているように、タブレットコンピュータ20は周知のタブレットタイプの汎用コンピュータであって、CPU・RAM・ROMを含む中央制御部21の他、ハードディスク装置22・タッチパネルディスプレイ23・通信インタフェース24を備えている。タッチパネルディスプレイ23の表示部は映像処理部25を介してCPUバスにつながっており、操作入力部は入力検出回路26を介してCPUバスにつながっている。通信インタフェース24は無線アクセスポイント40を介してLAN50に接続されている。
【0020】
ハードディスク装置22には、演奏予約などの操作対象となる付近(同室内)のカラオケ装置10の所在情報(IPアドレスなど)が記憶され、カラオケ装置10とLAN50を介して通信可能に構成される。また、このタブレットコンピュータ20は内蔵2次電池によって動作し、タブレットコンピュータ20を用意されている充電架台30にセットすることにより、その2次電池が充電される。
【0021】
ハードディスク装置22には、カラオケ装置10に蓄積されているものと同様のカラオケ楽曲の目次情報が記憶された楽曲索引データベースを格納する。そして、通常の動作モード(通常モード)において、楽曲索引データベースから利用者の希望する楽曲の目次情報を検索して提示したり、利用者の演奏予約する旨の指示入力を受け付けて、演奏予約電文を生成しカラオケ装置10に転送したりする、選曲予約プログラムを内蔵している。
【0022】
ハードディスク装置22には、その他にも、よく知られたカラオケ採点機能やカラオケ録音機能などを実行するアプリケーションプログラムを格納しており、通常モードで実行可能である。
【0023】
また、ハードディスク装置22には、店舗で提供可能な飲食物品目の情報(飲食物情報)を集約し、飲食物品目IDをキー情報として管理する飲食物品目データベースを格納する。そして周知のセルフオーダー装置として、飲食物品目データベースから客が希望する飲食物の飲食物情報を検索して提示したり、利用者の注文入力を受け付けたりするメニュー処理を行い、受け付けた受注情報をPOSシステムに出力する飲食物注文プログラムも格納している。
【0024】
===映像データベース===
この実施例のカラオケ装置10は、カラオケ楽曲に関連した映像データベースとして、図2に示しているように、主映像データベースと副映像データベースとに論理的に区分したデータベースをハードディスク装置12に蔵置している。主映像データベースには、カラオケ演奏時に歌詞字幕映像とともにディスプレイ18に表示するために用意された映像(背景映像とする)が集約されている。よく知られているように、背景映像としては、楽曲IDに対応付けされた楽曲専用の映像作品と、複数の楽曲で使い回しされる共用映像とが存在する(特許第3294526号公報参照)。
【0025】
副映像データベースには、カラオケ演奏時にタブレットコンピュータ20のディスプレイ23に表示させるために用意された飲食物関連の映像作品が集約されている。副映像データベースの映像作品は、店舗で提供可能な飲食物に関連する映像である。たとえば、旬の食材を用いた店長のお薦め品目や、本日のセール品目、売り上げランキング上位の品目などを次々と紹介する映像作品などである。本実施例では、たとえば春のディナータイム用の映像作品、12月のランチタイム用の映像作品というように、季節や時間帯ごとに映像作品が制作されており、再生する時刻により1作品を特定できるものとしている。
【0026】
後述するように、これらの映像作品はタブレットコンピュータ20が使用されていない時にタブレットコンピュータ20にストリーミング送信するので、それに都合がよいように、高能率圧縮符号化されたデジタルデータの形式で副映像データベースに格納されている。
【0027】
また、各映像作品に含まれる複数の飲食物について、各飲食物の映像再生時系列に沿ってその飲食物の品目IDが対応付け(多重化)されており、映像再生中にはその再生対象の飲食物の品目IDが出力されるように構成されている。たとえば映像の再生タイミングを指定するタイミングデータに飲食物品目IDも対応付けすることにより、ある飲食物の映像再生区間とその飲食物品目IDとが対応付けされる。
【0028】
なお、映像データベースを必ずしもカラオケ装置10が保有する必要はない。LANやインターネット上に映像データベースサーバーを設け、複数のカラオケ装置10がそれぞれ、必要に応じて映像データベースにアクセスして所望の映像作品をダウンロードするようなシステムでもよい。
【0029】
===タブレットコンピュータ20の動作===
図5にタブレットコンピュータ20の電源を入れて起動させた場合の処理フローを例示している。タブレットコンピュータ20は、電源を入れて起動させると、まず初期化処理により、ディスプレイ23に通常モードのトップ画面が表示される(s10)。
【0030】
トップ画面には、図6に例示したように、選曲予約・カラオケ採点・カラオケ録音・飲食物注文など各種のアプリケーションプログラムを実行するためのボタンが配設されている。利用者によるいずれかのボタンを指示する操作入力を入力検出回路26が検知したときには、操作入力された指示内容に応じたアプリケーションプログラムを実行して各種の処理を行う(s12→s14)。
【0031】
一方、利用客が何も操作入力をせずに放置したまま所定時間が経過すると、入力検出回路26が利用客による操作入力を検知しないまま、所定時間が設定されたタイマが満了する(s12→s15)。そうすると、タブレットコンピュータ20は、動作モードを上記のような通常モードから節電モードに切り替えて、ディスプレイ23に何も表示させない状態にしたりスクリーンセーバーを表示させたりする。また、適宜な記憶部に、節電モードであることを示すための非活動中フラグをセットする(s16)。
【0032】
さらに、タブレットコンピュータ20が充電架台30にセットされていることを検知可能に構成し、節電モードであって、かつ充電架台30にセットされている場合にのみ、非活動中フラグをセットするように構成するとよい。後述するように本実施例は、非活動中フラグがセットされている不使用中(すなわち節電モードのとき)に、カラオケ装置10から受信した映像作品をディスプレイ23に再生出力するものである。そこで、節電モードであっても充電架台30にセットされていれば、受信した映像作品をディスプレイ23に表示することにより、ディスプレイ23に何も表示させないことによる節電効果が得られずに二次電池の消費が嵩んでしまうのを防止できる。
【0033】
なお、タイマは初期化処理にともなって起動させる(s11)。タイマが起動された後に満了する前(所定時間が経過する前)に、入力検出回路26が利用客による操作入力を検知すると、非活動中フラグをリセットする(s12→s13)。このときに起動されていたタイマをリセットし、再び起動し直して次の操作入力を待つ(s13→s12)。
【0034】
===カラオケ装置10とタブレットコンピュータ20の協働===
カラオケ装置10はタブレットコンピュータ20と協働してカラオケ演奏を開始する。すなわち、前述にしたがって利用客がタブレットコンピュータ20の選曲予約プログラムを実行させて、リクエスト曲を特定して演奏予約する操作入力を行うと、タブレットコンピュータ20はリクエスト曲の楽曲IDを含む演奏予約電文を生成して、同室内のカラオケ装置10に送信する。
カラオケ装置10は、同室内のタブレットコンピュータ20から演奏予約対象の楽曲IDを含んだ演奏予約電文を受け取ると、受け取った順に楽曲IDを待ち行列に登録して管理する。そして演奏を開始する際には、待ち行列に登録された順に楽曲IDを取り出して、前述したように、その楽曲用のカラオケデータを取り出して演奏処理部15に受け渡す。
【0035】
また、本実施例にかかるカラオケ装置10は、所定間隔で定期的に、または適宜な機会に、タブレットコンピュータ20の使用状況を確認している。その際の処理の流れを図7に例示している。カラオケ装置10はタブレットコンピュータ20の使用状況を問い合わせる際、所定形式の現況点検電文を生成して対象のタブレットコンピュータ20に送信する(s21)。
【0036】
タブレットコンピュータ20は、同室内のカラオケ装置10から現況点検電文を受信すると、非活動中フラグがセットされているか否かを確認する。非活動中フラグがセットされている場合には、その旨を通知するための所定形式の非活動中電文を生成して、カラオケ装置10に返送する。
【0037】
なお非活動中フラグがセットされていない(またはクリアされている)場合には、何も返送しなくてもよい。その場合には、カラオケ装置10は所定時間だけなんらかの返信を待って、非活動中電文の返送の有無を判断するように構成する。または、タブレットコンピュータ20が所定形式の活動中電文を生成して返送するようにしてもよい。
【0038】
===飲食物関連映像===
カラオケ装置10は、タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受信した場合には(s22)、副映像データベースから適宜に映像作品を抽出する(s23)。本実施例では、前述したように、季節や時間帯ごとに制作された映像作品が格納されており、映像作品を抽出しようとする現在の時刻に基づいて、現在の季節・時間帯にふさわしい映像作品を特定できるようにしている。たとえ現在時刻が5月25日19時であれば、春のディナータイム用に制作された映像作品を抽出する。この映像作品にはたとえば、春のお薦め山菜料理やディナータイム限定のセール品目やディナータイムのランキング上位品目などを含んでいる。
【0039】
カラオケ装置10は、抽出した映像作品をタブレットコンピュータ20に、RTSP(Real Time Streaming Protocol)などの所定のプロトコルでストリーミング送信する(s24)。
非活動中フラグがセットされている不使用のタブレットコンピュータ20は、映像作品のストリーミングデータをカラオケ装置10から受信すると、逐次映像処理部25に受け渡す。映像処理部25は受信したストリーミングデータを逐次再生し(図5のs17〜s18)、タッチパネルディスプレイ23に映像出力させる。
このようにして、不使用のタブレットコンピュータ20に飲食物関連の映像作品が表示されることになる。
【0040】
タブレットコンピュータ20が受信したストリーミングデータには、前述のとおり、再生対象の飲食物の品目IDが含まれている。タブレットコンピュータ20が映像作品のストリーミング送信を受けてこの映像を再生出力中に、利用者が再生中の飲食物を注文する旨の所定の操作を行った場合には、その飲食物の品目IDを取り出して、それに基づいて注文することが可能である。
【0041】
たとえば、図8に例示したように、映像作品表示中にディスプレイ23の片隅に「注文」ボタン81が表示されるように構成しておき、客がこれをタッチ入力し、入力検出回路26がそれを検知すると(s19)、タブレットコンピュータ20はストリーミングデータに付帯する品目IDを取り出すとともに飲食物注文プログラムを起動させる。飲食物注文プログラムが起動すると、まず飲食物品目データベースからその品目IDに対応する飲食物情報を取り出す。この飲食物情報は、品目名や価格、カロリー値、原材料、画像情報の所在などを含む。この飲食物情報に基づいて、図9に例示したように、その品目の詳細情報の表示とともに、注文数量91などを指定入力できる画面を表示させる。そして客が数量を指定して「注文する」ボタン92をタッチするなど注文する旨の操作入力を行うと、品目ID・注文数量・客室番号などを含む所定形式の注文電文を生成し、POSシステムの適宜な装置に出力する(s20)。本実施例では、POSシステムの厨房端末とPOSレジ端末に送信する。
【0042】
厨房端末ではこの受注情報に基づいて、付帯するプリンタで客室番号やその品目、個数などの情報を含む受注伝票が印刷出力される。その受注伝票に基づいて、店員が料理や配膳の作業を行う。
POSレジ端末は、受け取った受注情報を所定形式の精算データにして、客室番号別に蓄積する。客の退室時などにこの蓄積データに基づいて請求伝票を印刷し、料金精算処理を行う。
【0043】
===その他の処理===
映像作品が表示されている間に画面上の「注文」ボタン81以外の部分にタッチするなど、利用者が所定の注文入力以外の操作を行って、入力検出回路26がそれを検知した場合には(s18→s12)、タブレットコンピュータ20は動作モードを通常モードに復帰させるとともに、映像作品の再生出力処理は停止する。また、非活動中フラグをリセットする(s13)。
このようにして、映像作品再生中に客が注文入力以外の操作入力を行えば、タブレットコンピュータ20は節電モードから通常モードに復帰して、トップ画面(図6)を表示させる。
【0044】
なお、タブレットコンピュータ20は、非活動中フラグをリセットした際には(s13)、その旨をカラオケ装置10に通知するようにしてもよい。通知を受けたカラオケ装置10は、タブレットコンピュータ20に対する映像作品のストリーミング送信を停止する。
【0045】
===他の実施形態===
映像作品の形態やその副映像データベースからの抽出方式については、上記実施例に限定されない。副映像データベースの映像作品に適宜な属性項目を対応付けて管理しておくことにより、周知のようにデータベースの多様な属性項目に基づいて様々な方式で検索して、多数の映像作品のなかから適当な映像作品を抽出するように構成することも可能である。たとえば、カラオケ楽曲に関連した映像作品を多数制作して副映像データベースに格納する。一例として、映像作品をカラオケ楽曲のジャンルや歌詞内容(たとえば歌詞に出てくる飲食物、風景)にふさわしいものとする。副映像データベースの属性項目として「楽曲ジャンル」や「歌詞内容」を設け、各映像作品に対応付けてその属性値を記述して管理する。そして、タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受け取った際には(s22)、演奏中のカラオケ楽曲、あるいはその直前に演奏済みのカラオケ楽曲、あるいはこれから演奏しようとするカラオケ楽曲のジャンルや歌詞内容に基づいて副映像データベースを検索し、その楽曲にふさわしい映像作品を抽出するように構成できる。
【0046】
カラオケ楽曲に専用の映像作品(たとえばカラオケ楽曲の内容にあわせて制作されたビールの商品宣伝用の映像作品や、原曲アーティストの好みの飲食物からなる映像作品など)を制作し、楽曲IDを属性項目として管理してもよい。タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受け取った際(s22)に演奏中・あるいは演奏前後のカラオケ楽曲の楽曲IDに基づいて、専用映像作品を抽出する。
【0047】
上記実施例では、利用者入力があった際に再生中の飲食物1種類を注文可能な構成としているが、これに限らない。
たとえば、映像作品に再生時系列に対応づけられて含まれている複数の品目IDについて、利用者入力があった時点までに再生された飲食物の品目IDをすべて注文可能とすることもできる。タブレットコンピュータ20は、再生済みの飲食物の品目IDをメモリに一時記憶させておく。利用者が「注文」ボタン81を指示するなどの入力を行えば、その時点で再生中の飲食物の品目IDも追加記憶させ、それらメモリに記憶されている複数の品目IDに基づいて、それぞれに対応する飲食物情報を飲食物品目データベースから取り出して、図10に例示したように、ディスプレイ23に品目名や価格を一覧表示させるとともに、それぞれの品目の注文数量93を指定入力可能に表示させる。利用者が、注文したくない品目の数量はゼロとするなど、適宜に数量を指定して注文する旨の入力をおこなうと、タブレットコンピュータ20はそれら1または複数の品目IDとそれぞれの注文数量、客室番号などを含む所定形式の発注電文を生成して、POSシステムに出力する。
【0048】
複数品目が一覧表示されている画面でさらに1品目を特定する旨の入力を利用客が行うと、その品目についての摂取カロリーや栄養成分などの詳細情報を表示させたり、その品目の注文入力を受けつけたりするように構成してもよい(図9参照)。
【0049】
あるいは、映像作品に付帯させる品目IDは、再生時系列に対応づけることなく、映像作品ファイルのヘッダー部分などに含めてもよい。その場合には、映像再生中に利用者入力があれば、その作品に含まれているすべての品目IDについて、前記と同様に注文可能に構成する(図9、図10参照)。
【0050】
タブレットコンピュータ20はカラオケ装置10からの状態問い合わせを待たずに、自発的に不使用であることを通知する方式もとれる。たとえば、節電モードに切り替えて非活動中フラグをセットする際に(あるいは非活動中フラグをセットする代わりに)非活動中電文を生成して、カラオケ装置10に状態を通知する。通知を受けたカラオケ装置10が、その時刻に基づいて副映像データベースから対応する映像作品を取り出してタブレットコンピュータ20に送信する。
【0051】
本発明のカラオケ活用システムは、もちろんカラオケ装置10が1台設置されたカラオケパブのような業態の店舗にも適用できる。カラオケ装置10の付近に設置されたタブレットコンピュータ20について、上記実施例をそのまま適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例に係るカラオケ活用システムを含むネットワーク構成を例示した図である。
【図2】本実施例に係るカラオケ装置のハードウェア構成を例示している。
【図3】本実施例に係るタブレットコンピュータの外観斜視図である。
【図4】同上タブレットコンピュータのハードウェア構成を例示している。
【図5】同上タブレットコンピュータにおける状態管理の処理フロー図である。
【図6】同上タブレットコンピュータのトップ画面例である。
【図7】本実施例に係るカラオケ装置における処理フロー図である。
【図8】本実施例に係る飲食物関連映像の表示画面例である。
【図9】本実施例に係る飲食物注文の画面例である。
【図10】本実施例に係る飲食物注文の一覧画面例である。
【符号の説明】
【0053】
10 カラオケ装置
20 タブレットコンピュータ
23 タッチパネルディスプレイ
30 充電架台
【技術分野】
【0001】
この発明は、カラオケ装置とその近辺で使用されるタブレットコンピュータが相互に通信して協働するカラオケ活用システムに関し、とくに、使用されていないタブレットコンピュータに飲食物関連の映像を表示させ、その飲食物を簡単に注文できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のカラオケ店では、分厚いカラオケ目次本に代わり、タブレットコンピュータにより構成された電子目次本装置(DAMステーション、デンモク、キョクNAVI、ナビカラなどの商品名)が普及している。タブレットコンピュータの持つ演算能力・記憶能力・通信能力はきわめて大きいので、以下に例示するように、この種の電子目次本装置をカラオケに関連したさまざまな用途に供する開発が進められている。
【0003】
《特許第3649679号》「キープボトル管理システムに特徴を有するカラオケ店の情報処理システム」
客室端末のディスプレイに客のキープボトルの残量をリアルに表示させ、そのボトルの飲み物を注文すると、残量が少なくなったキープボトル映像が表示される。
《特許第3645192号》「利用者別のアルバムを制作するカラオケ録音システム」
カラオケ装置と連携する客室端末をカラオケ録音コントローラとして使用し、客のIDに対応付けしてカラオケ録音作品を制作し、客別のディスク媒体に録音作品を記録して持ち帰ることができる。
《特許第3629450号》「カラオケ接客支援装置を統合したカラオケ装置」
カラオケ装置と連携する客室端末に顧客データベースを保有させ、来店した顧客IDを入力すると、入店者リストの表示に加わり、リストから顧客を選択すると、その顧客用に作成されている選曲リストが表示され、その中からカラオケ装置にリクエストできる。
《特開2005−338147号》「カラオケ演奏に伴う付加機能を利用者の希望により有料で実行する電子マネー課金式カラオケシステム」
カラオケ歌唱を録音するといった有料サービスの料金を、客室端末に設けた電子マネー取り扱いシステムにより決済できる。その際に生じるおつりをカラオケ店が独自に管理できる。
【0004】
また、非特許文献1に説明されているように電子目次本装置を電子メニュー式セルフオーダー装置としても機能させるセルフオーダーPOSシステムが実用化された。
【非特許文献1】株式会社エクシング「オーダーエントリーシステム」、[online]、平成17年11月9日、[平成17年12月20日検索]、インターネット<URL:http://www.xing.co.jp/news/news051109.html>
【0005】
なお、セルフオーダーPOSシステムについても、以下に例示するように多数の技術文献が開示されている。
《実開昭63−179557号》「タッチセンサー付・ビジュアルメニューオーダーシステム」
ビデオディスクプレーヤでメニュー映像を再生してパソコンのタッチパネル付モニターテレビに表示し、客がタッチ入力した飲食物の注文情報をPOSレジスタと厨房プリンターに無線伝送して注文伝票を印刷するとともに会計処理を行う。
《特開平5−314149号》「料理オーダ装置」
客がテーブルに座って切り換えスイッチを切り替えると、テレビ番組などを映していたタッチパネル表示装置にメニュービデオ装置で再生される料理メニューが表示される。画面の各料理には文字スーパーインポーズによって値段も同時に表示される。
《特開平10−74218号》「電子メニュー装置及び電子オーダーリングシステム」
メニューの変更を行うにあたって、電子スチルカメラで商品を撮影してメニューデータ記憶部に格納するだけで良いため、通常のメニューのように写真の現像や印刷を待つ必要がなく、手軽に行うことができる。
《特開2001−338035号》「飲食店のサービスネットワークシステム」
セルフオーダーPOSシステムの基本機能に加えて、テレビやビデオやインターネットを閲覧するサービス、占いなどのゲームやアンケートを行うサービス、姉妹店やその他の店の紹介などのサービスを行う。
《特開2003−317155号》「レストラン等におけるオーダリングサービスシステム」
注文した料理が配膳されてくる間に、客席端末にプログラムされている懸賞やクイズ等のゲームを楽しむことができる。
《特開2005−84897号》「レストラン等におけるオーダリングサービスシステムとそのための表示部」
料理が配膳されるまでの間や食後のひとときの楽しみを増すように、客席端末に備えたデジタルカメラで仲間などを撮影してプリントを受け取ることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
出願人は、カラオケボックスで使用される多用途タブレットコンピュータに高度な電子目次本機能や電子メニュー式セルフオーダー機能を搭載したりするシステム開発を行っている。このようなタブレットコンピュータを用いれば、コンピュータの高度な情報処理機能によって、印刷物の目次本やメニューではなかった高度な機能が様々に実現できるものである。
【0007】
そのように多額の開発費や導入費をつぎ込んでカラオケ店舗に導入したタブレットコンピュータも、カラオケ演奏中には客がみな歌唱に聞き入ったりあわせて歌ったり、演奏の合間には飲食や仲間とのおしゃべりを楽しんだりしていて、誰にも使われずに放置されているケースも少なくはない。それではもったいないので、使用されていないタブレットコンピュータを有効に利用したいと、本発明者らは考えた。
【0008】
そこで、使用されていないタブレットコンピュータに、店舗で提供可能な飲食物に関連する映像を表示させ、それを見た客が簡単な操作で映像の飲食物を注文できれば、タブレットコンピュータの有効利用になるだけでなく、店舗の売り上げも向上する、と考えて本発明を創作した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係るカラオケ活用システムは、つぎの事項(1)〜(14)により特定されるものである。
(1)カラオケ装置とタブレットコンピュータが通信可能に接続されるとともに、タブレットコンピュータがPOSシステムに通信可能に接続されたカラオケ活用システムであること
(2)カラオケ装置は、映像データベースにアクセス可能であるとともに、第1〜第3処理を可能とすること
(3)映像データベースは、飲食物品目IDが付帯した映像作品を格納すること
(4)第1処理は、タブレットコンピュータから演奏予約電文を受信した際、電文中の楽曲IDを待ち行列に登録すること
(5)第2処理は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信すること
(6)第3処理は、第2処理で送信した現況点検電文の応答としてタブレットコンピュータから非活動中電文を受信した際、映像データベースから映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信すること
(7)タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行うアプリケーションプログラムの実行が可能であるとともに、第4〜第7処理を可能とすること
(8)アプリケーションプログラムは、選曲予約プログラムと、飲食物注文プログラムを含むこと
(9)選曲予約プログラムは、楽曲索引データベースにアクセスして楽曲を検索してカラオケ装置に演奏予約電文を送信する動作を可能とすること
(10)飲食物注文プログラムは、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目を検索してPOSシステムに注文電文を送信する動作を可能とすること
(11)第4処理は、アプリケーションプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットすること
(12)第5処理は、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文をカラオケ装置に返信すること
(13)第6処理は、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示すること
(14)第7処理は、第6処理の映像作品表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡すこと
【0010】
この発明において、タブレットコンピュータは、充電架台にセットすることにより充電可能な2次電池を内蔵し、前記第4処理は、アプリケーションプログラムプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続しているとともに、充電架台にセットされていることを検知した場合に、非活動中フラグをセットすることが望ましい。
【0011】
さらに、以下の(21)〜(23)のいずれかを選択的に適用することが望ましい。
(21)映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点に対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡すこと
(22)映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、 第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点までに対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡すこと
(23)映像作品には、複数の飲食物品目IDが非時系列に対応付けされて付帯し、第7処理は、利用者入力があった際、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDをすべて飲食物注文プログラムに引き渡すこと
【0012】
また、飲食物注文プログラムは、第7処理により飲食物品目IDが引き渡された際、第8、第9処理を行わせ、第8処理は、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目IDに該当する飲食物情報を抽出して表示させ、注文入力を受付可能とし、第9処理は、第8処理にて受け付けた注文入力に基づいて注文電文を作成してPOSシステムに送信することが望ましい。
【0013】
その場合にはさらに、第8処理は、引き渡された飲食物品目IDが複数である場合、各品目IDに該当する飲食物情報の概要一覧を表示させ、利用者の選択入力を受付可能とし、選択入力があった際に選択された飲食物情報の詳細を表示させ、注文入力を受付可能とすることが望ましい。
【発明の効果】
【0014】
この発明のカラオケ活用システムによれば、電子目次本装置やセルフオーダー装置などとして使える多機能なタブレットコンピュータが、客に操作されていないときには自動的に映像を表示するので、タブレットコンピュータを不使用のまま遊ばせる機会を減らし、システム利用の効率化を図れる。しかも、飲食物の注文を勧誘するような映像を表示させて、そこから簡単な操作で注文できるので、飲食物の売り上げも増加し、営業効率が向上する。
【実施例】
【0015】
===システムの概要===
本発明の実施例に係るカラオケ活用システムは、カラオケ店舗に設置されたカラオケ装置10と1台〜数台のタブレットコンピュータ20により構成される。図1に本実施例のカラオケ活用システムを含むネットワーク構成を例示している。カラオケ店舗100には多数の客室120が備わり、各客室に1台のカラオケ装置10と、1〜数台のタブレットコンピュータ20が設置されている。それぞれの装置は店舗内LAN50に接続され、これらのカラオケ装置10とタブレットコンピュータ20と外部のカラオケサーバーにより、周知の通信カラオケシステムが構築されている。
また、この通信カラオケシステムは、周知のPOSシステムに接続されている。
【0016】
===カラオケ装置10の基本構成===
カラオケ装置10は、周知の通信カラオケシステムの演奏端末であって、汎用パソコンの応用装置である。図2にそのブロック構成を例示しているように、中央制御部11が全体を統括する。ハードディスク装置12には、メインコンピュータのプログラムのほか、カラオケデータベース、映像データベースなどの各種情報を格納している。操作/表示パネル部13は、利用者により各種の情報が入力可能であるとともに、利用者に向けて各種の情報を表示可能である。通信処理部14は、通信回線を介して外部のカラオケサーバーや事業者運営の各種サーバーと通信する。またLAN50を介して同室内のタブレットコンピュータ20と通信可能に構成されている。
【0017】
カラオケ利用者が、操作/表示パネル13や、カラオケリモコン装置としてのタブレットコンピュータ20を用いて指定したリクエスト曲について、カラオケ装置10はカラオケデータベースから該当の楽曲のカラオケデータを取り出して、演奏処理部15に受け渡す。
【0018】
各曲のカラオケデータは、楽曲IDとMIDI演奏データと録音データと歌詞字幕データと背景映像指定データとを組織化したデータ集合である。メインコンピュータ11の制御によって演奏処理部15が、カラオケデータに基づいてステレオ伴奏音楽を演奏し、音楽信号をミキシングアンプ16で増幅してスピーカより放音する。また映像処理部17が、該当楽曲用の歌詞字幕データに基づいて、演奏の進行に同期して歌詞字幕を色替え表示するとともに、背景映像指定データに基づいて映像データベースから背景映像データを取り出して、歌詞字幕の背景映像をディスプレイ18に表示する。
【0019】
===タブレットコンピュータ20の構成===
本実施例のタブレットコンピュータ20の外観斜視図を図3(A)に、これを充電架台にセットした状態を図3(B)に例示している。また、そのブロック構成を図4に例示しているように、タブレットコンピュータ20は周知のタブレットタイプの汎用コンピュータであって、CPU・RAM・ROMを含む中央制御部21の他、ハードディスク装置22・タッチパネルディスプレイ23・通信インタフェース24を備えている。タッチパネルディスプレイ23の表示部は映像処理部25を介してCPUバスにつながっており、操作入力部は入力検出回路26を介してCPUバスにつながっている。通信インタフェース24は無線アクセスポイント40を介してLAN50に接続されている。
【0020】
ハードディスク装置22には、演奏予約などの操作対象となる付近(同室内)のカラオケ装置10の所在情報(IPアドレスなど)が記憶され、カラオケ装置10とLAN50を介して通信可能に構成される。また、このタブレットコンピュータ20は内蔵2次電池によって動作し、タブレットコンピュータ20を用意されている充電架台30にセットすることにより、その2次電池が充電される。
【0021】
ハードディスク装置22には、カラオケ装置10に蓄積されているものと同様のカラオケ楽曲の目次情報が記憶された楽曲索引データベースを格納する。そして、通常の動作モード(通常モード)において、楽曲索引データベースから利用者の希望する楽曲の目次情報を検索して提示したり、利用者の演奏予約する旨の指示入力を受け付けて、演奏予約電文を生成しカラオケ装置10に転送したりする、選曲予約プログラムを内蔵している。
【0022】
ハードディスク装置22には、その他にも、よく知られたカラオケ採点機能やカラオケ録音機能などを実行するアプリケーションプログラムを格納しており、通常モードで実行可能である。
【0023】
また、ハードディスク装置22には、店舗で提供可能な飲食物品目の情報(飲食物情報)を集約し、飲食物品目IDをキー情報として管理する飲食物品目データベースを格納する。そして周知のセルフオーダー装置として、飲食物品目データベースから客が希望する飲食物の飲食物情報を検索して提示したり、利用者の注文入力を受け付けたりするメニュー処理を行い、受け付けた受注情報をPOSシステムに出力する飲食物注文プログラムも格納している。
【0024】
===映像データベース===
この実施例のカラオケ装置10は、カラオケ楽曲に関連した映像データベースとして、図2に示しているように、主映像データベースと副映像データベースとに論理的に区分したデータベースをハードディスク装置12に蔵置している。主映像データベースには、カラオケ演奏時に歌詞字幕映像とともにディスプレイ18に表示するために用意された映像(背景映像とする)が集約されている。よく知られているように、背景映像としては、楽曲IDに対応付けされた楽曲専用の映像作品と、複数の楽曲で使い回しされる共用映像とが存在する(特許第3294526号公報参照)。
【0025】
副映像データベースには、カラオケ演奏時にタブレットコンピュータ20のディスプレイ23に表示させるために用意された飲食物関連の映像作品が集約されている。副映像データベースの映像作品は、店舗で提供可能な飲食物に関連する映像である。たとえば、旬の食材を用いた店長のお薦め品目や、本日のセール品目、売り上げランキング上位の品目などを次々と紹介する映像作品などである。本実施例では、たとえば春のディナータイム用の映像作品、12月のランチタイム用の映像作品というように、季節や時間帯ごとに映像作品が制作されており、再生する時刻により1作品を特定できるものとしている。
【0026】
後述するように、これらの映像作品はタブレットコンピュータ20が使用されていない時にタブレットコンピュータ20にストリーミング送信するので、それに都合がよいように、高能率圧縮符号化されたデジタルデータの形式で副映像データベースに格納されている。
【0027】
また、各映像作品に含まれる複数の飲食物について、各飲食物の映像再生時系列に沿ってその飲食物の品目IDが対応付け(多重化)されており、映像再生中にはその再生対象の飲食物の品目IDが出力されるように構成されている。たとえば映像の再生タイミングを指定するタイミングデータに飲食物品目IDも対応付けすることにより、ある飲食物の映像再生区間とその飲食物品目IDとが対応付けされる。
【0028】
なお、映像データベースを必ずしもカラオケ装置10が保有する必要はない。LANやインターネット上に映像データベースサーバーを設け、複数のカラオケ装置10がそれぞれ、必要に応じて映像データベースにアクセスして所望の映像作品をダウンロードするようなシステムでもよい。
【0029】
===タブレットコンピュータ20の動作===
図5にタブレットコンピュータ20の電源を入れて起動させた場合の処理フローを例示している。タブレットコンピュータ20は、電源を入れて起動させると、まず初期化処理により、ディスプレイ23に通常モードのトップ画面が表示される(s10)。
【0030】
トップ画面には、図6に例示したように、選曲予約・カラオケ採点・カラオケ録音・飲食物注文など各種のアプリケーションプログラムを実行するためのボタンが配設されている。利用者によるいずれかのボタンを指示する操作入力を入力検出回路26が検知したときには、操作入力された指示内容に応じたアプリケーションプログラムを実行して各種の処理を行う(s12→s14)。
【0031】
一方、利用客が何も操作入力をせずに放置したまま所定時間が経過すると、入力検出回路26が利用客による操作入力を検知しないまま、所定時間が設定されたタイマが満了する(s12→s15)。そうすると、タブレットコンピュータ20は、動作モードを上記のような通常モードから節電モードに切り替えて、ディスプレイ23に何も表示させない状態にしたりスクリーンセーバーを表示させたりする。また、適宜な記憶部に、節電モードであることを示すための非活動中フラグをセットする(s16)。
【0032】
さらに、タブレットコンピュータ20が充電架台30にセットされていることを検知可能に構成し、節電モードであって、かつ充電架台30にセットされている場合にのみ、非活動中フラグをセットするように構成するとよい。後述するように本実施例は、非活動中フラグがセットされている不使用中(すなわち節電モードのとき)に、カラオケ装置10から受信した映像作品をディスプレイ23に再生出力するものである。そこで、節電モードであっても充電架台30にセットされていれば、受信した映像作品をディスプレイ23に表示することにより、ディスプレイ23に何も表示させないことによる節電効果が得られずに二次電池の消費が嵩んでしまうのを防止できる。
【0033】
なお、タイマは初期化処理にともなって起動させる(s11)。タイマが起動された後に満了する前(所定時間が経過する前)に、入力検出回路26が利用客による操作入力を検知すると、非活動中フラグをリセットする(s12→s13)。このときに起動されていたタイマをリセットし、再び起動し直して次の操作入力を待つ(s13→s12)。
【0034】
===カラオケ装置10とタブレットコンピュータ20の協働===
カラオケ装置10はタブレットコンピュータ20と協働してカラオケ演奏を開始する。すなわち、前述にしたがって利用客がタブレットコンピュータ20の選曲予約プログラムを実行させて、リクエスト曲を特定して演奏予約する操作入力を行うと、タブレットコンピュータ20はリクエスト曲の楽曲IDを含む演奏予約電文を生成して、同室内のカラオケ装置10に送信する。
カラオケ装置10は、同室内のタブレットコンピュータ20から演奏予約対象の楽曲IDを含んだ演奏予約電文を受け取ると、受け取った順に楽曲IDを待ち行列に登録して管理する。そして演奏を開始する際には、待ち行列に登録された順に楽曲IDを取り出して、前述したように、その楽曲用のカラオケデータを取り出して演奏処理部15に受け渡す。
【0035】
また、本実施例にかかるカラオケ装置10は、所定間隔で定期的に、または適宜な機会に、タブレットコンピュータ20の使用状況を確認している。その際の処理の流れを図7に例示している。カラオケ装置10はタブレットコンピュータ20の使用状況を問い合わせる際、所定形式の現況点検電文を生成して対象のタブレットコンピュータ20に送信する(s21)。
【0036】
タブレットコンピュータ20は、同室内のカラオケ装置10から現況点検電文を受信すると、非活動中フラグがセットされているか否かを確認する。非活動中フラグがセットされている場合には、その旨を通知するための所定形式の非活動中電文を生成して、カラオケ装置10に返送する。
【0037】
なお非活動中フラグがセットされていない(またはクリアされている)場合には、何も返送しなくてもよい。その場合には、カラオケ装置10は所定時間だけなんらかの返信を待って、非活動中電文の返送の有無を判断するように構成する。または、タブレットコンピュータ20が所定形式の活動中電文を生成して返送するようにしてもよい。
【0038】
===飲食物関連映像===
カラオケ装置10は、タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受信した場合には(s22)、副映像データベースから適宜に映像作品を抽出する(s23)。本実施例では、前述したように、季節や時間帯ごとに制作された映像作品が格納されており、映像作品を抽出しようとする現在の時刻に基づいて、現在の季節・時間帯にふさわしい映像作品を特定できるようにしている。たとえ現在時刻が5月25日19時であれば、春のディナータイム用に制作された映像作品を抽出する。この映像作品にはたとえば、春のお薦め山菜料理やディナータイム限定のセール品目やディナータイムのランキング上位品目などを含んでいる。
【0039】
カラオケ装置10は、抽出した映像作品をタブレットコンピュータ20に、RTSP(Real Time Streaming Protocol)などの所定のプロトコルでストリーミング送信する(s24)。
非活動中フラグがセットされている不使用のタブレットコンピュータ20は、映像作品のストリーミングデータをカラオケ装置10から受信すると、逐次映像処理部25に受け渡す。映像処理部25は受信したストリーミングデータを逐次再生し(図5のs17〜s18)、タッチパネルディスプレイ23に映像出力させる。
このようにして、不使用のタブレットコンピュータ20に飲食物関連の映像作品が表示されることになる。
【0040】
タブレットコンピュータ20が受信したストリーミングデータには、前述のとおり、再生対象の飲食物の品目IDが含まれている。タブレットコンピュータ20が映像作品のストリーミング送信を受けてこの映像を再生出力中に、利用者が再生中の飲食物を注文する旨の所定の操作を行った場合には、その飲食物の品目IDを取り出して、それに基づいて注文することが可能である。
【0041】
たとえば、図8に例示したように、映像作品表示中にディスプレイ23の片隅に「注文」ボタン81が表示されるように構成しておき、客がこれをタッチ入力し、入力検出回路26がそれを検知すると(s19)、タブレットコンピュータ20はストリーミングデータに付帯する品目IDを取り出すとともに飲食物注文プログラムを起動させる。飲食物注文プログラムが起動すると、まず飲食物品目データベースからその品目IDに対応する飲食物情報を取り出す。この飲食物情報は、品目名や価格、カロリー値、原材料、画像情報の所在などを含む。この飲食物情報に基づいて、図9に例示したように、その品目の詳細情報の表示とともに、注文数量91などを指定入力できる画面を表示させる。そして客が数量を指定して「注文する」ボタン92をタッチするなど注文する旨の操作入力を行うと、品目ID・注文数量・客室番号などを含む所定形式の注文電文を生成し、POSシステムの適宜な装置に出力する(s20)。本実施例では、POSシステムの厨房端末とPOSレジ端末に送信する。
【0042】
厨房端末ではこの受注情報に基づいて、付帯するプリンタで客室番号やその品目、個数などの情報を含む受注伝票が印刷出力される。その受注伝票に基づいて、店員が料理や配膳の作業を行う。
POSレジ端末は、受け取った受注情報を所定形式の精算データにして、客室番号別に蓄積する。客の退室時などにこの蓄積データに基づいて請求伝票を印刷し、料金精算処理を行う。
【0043】
===その他の処理===
映像作品が表示されている間に画面上の「注文」ボタン81以外の部分にタッチするなど、利用者が所定の注文入力以外の操作を行って、入力検出回路26がそれを検知した場合には(s18→s12)、タブレットコンピュータ20は動作モードを通常モードに復帰させるとともに、映像作品の再生出力処理は停止する。また、非活動中フラグをリセットする(s13)。
このようにして、映像作品再生中に客が注文入力以外の操作入力を行えば、タブレットコンピュータ20は節電モードから通常モードに復帰して、トップ画面(図6)を表示させる。
【0044】
なお、タブレットコンピュータ20は、非活動中フラグをリセットした際には(s13)、その旨をカラオケ装置10に通知するようにしてもよい。通知を受けたカラオケ装置10は、タブレットコンピュータ20に対する映像作品のストリーミング送信を停止する。
【0045】
===他の実施形態===
映像作品の形態やその副映像データベースからの抽出方式については、上記実施例に限定されない。副映像データベースの映像作品に適宜な属性項目を対応付けて管理しておくことにより、周知のようにデータベースの多様な属性項目に基づいて様々な方式で検索して、多数の映像作品のなかから適当な映像作品を抽出するように構成することも可能である。たとえば、カラオケ楽曲に関連した映像作品を多数制作して副映像データベースに格納する。一例として、映像作品をカラオケ楽曲のジャンルや歌詞内容(たとえば歌詞に出てくる飲食物、風景)にふさわしいものとする。副映像データベースの属性項目として「楽曲ジャンル」や「歌詞内容」を設け、各映像作品に対応付けてその属性値を記述して管理する。そして、タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受け取った際には(s22)、演奏中のカラオケ楽曲、あるいはその直前に演奏済みのカラオケ楽曲、あるいはこれから演奏しようとするカラオケ楽曲のジャンルや歌詞内容に基づいて副映像データベースを検索し、その楽曲にふさわしい映像作品を抽出するように構成できる。
【0046】
カラオケ楽曲に専用の映像作品(たとえばカラオケ楽曲の内容にあわせて制作されたビールの商品宣伝用の映像作品や、原曲アーティストの好みの飲食物からなる映像作品など)を制作し、楽曲IDを属性項目として管理してもよい。タブレットコンピュータ20から非活動中電文を受け取った際(s22)に演奏中・あるいは演奏前後のカラオケ楽曲の楽曲IDに基づいて、専用映像作品を抽出する。
【0047】
上記実施例では、利用者入力があった際に再生中の飲食物1種類を注文可能な構成としているが、これに限らない。
たとえば、映像作品に再生時系列に対応づけられて含まれている複数の品目IDについて、利用者入力があった時点までに再生された飲食物の品目IDをすべて注文可能とすることもできる。タブレットコンピュータ20は、再生済みの飲食物の品目IDをメモリに一時記憶させておく。利用者が「注文」ボタン81を指示するなどの入力を行えば、その時点で再生中の飲食物の品目IDも追加記憶させ、それらメモリに記憶されている複数の品目IDに基づいて、それぞれに対応する飲食物情報を飲食物品目データベースから取り出して、図10に例示したように、ディスプレイ23に品目名や価格を一覧表示させるとともに、それぞれの品目の注文数量93を指定入力可能に表示させる。利用者が、注文したくない品目の数量はゼロとするなど、適宜に数量を指定して注文する旨の入力をおこなうと、タブレットコンピュータ20はそれら1または複数の品目IDとそれぞれの注文数量、客室番号などを含む所定形式の発注電文を生成して、POSシステムに出力する。
【0048】
複数品目が一覧表示されている画面でさらに1品目を特定する旨の入力を利用客が行うと、その品目についての摂取カロリーや栄養成分などの詳細情報を表示させたり、その品目の注文入力を受けつけたりするように構成してもよい(図9参照)。
【0049】
あるいは、映像作品に付帯させる品目IDは、再生時系列に対応づけることなく、映像作品ファイルのヘッダー部分などに含めてもよい。その場合には、映像再生中に利用者入力があれば、その作品に含まれているすべての品目IDについて、前記と同様に注文可能に構成する(図9、図10参照)。
【0050】
タブレットコンピュータ20はカラオケ装置10からの状態問い合わせを待たずに、自発的に不使用であることを通知する方式もとれる。たとえば、節電モードに切り替えて非活動中フラグをセットする際に(あるいは非活動中フラグをセットする代わりに)非活動中電文を生成して、カラオケ装置10に状態を通知する。通知を受けたカラオケ装置10が、その時刻に基づいて副映像データベースから対応する映像作品を取り出してタブレットコンピュータ20に送信する。
【0051】
本発明のカラオケ活用システムは、もちろんカラオケ装置10が1台設置されたカラオケパブのような業態の店舗にも適用できる。カラオケ装置10の付近に設置されたタブレットコンピュータ20について、上記実施例をそのまま適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例に係るカラオケ活用システムを含むネットワーク構成を例示した図である。
【図2】本実施例に係るカラオケ装置のハードウェア構成を例示している。
【図3】本実施例に係るタブレットコンピュータの外観斜視図である。
【図4】同上タブレットコンピュータのハードウェア構成を例示している。
【図5】同上タブレットコンピュータにおける状態管理の処理フロー図である。
【図6】同上タブレットコンピュータのトップ画面例である。
【図7】本実施例に係るカラオケ装置における処理フロー図である。
【図8】本実施例に係る飲食物関連映像の表示画面例である。
【図9】本実施例に係る飲食物注文の画面例である。
【図10】本実施例に係る飲食物注文の一覧画面例である。
【符号の説明】
【0053】
10 カラオケ装置
20 タブレットコンピュータ
23 タッチパネルディスプレイ
30 充電架台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラオケ装置とタブレットコンピュータが通信可能に接続されるとともに、タブレットコンピュータがPOSシステムに通信可能に接続されたカラオケ活用システムであって、
カラオケ装置は、映像データベースにアクセス可能であるとともに、第1〜第3処理を可能とし、
映像データベースは、飲食物品目IDが付帯した映像作品を格納し、
第1処理は、タブレットコンピュータから演奏予約電文を受信した際、電文中の楽曲IDを待ち行列に登録し、
第2処理は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信し、
第3処理は、第2処理で送信した現況点検電文の応答としてタブレットコンピュータから非活動中電文を受信した際、映像データベースから映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信し、
タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行うアプリケーションプログラムの実行が可能であるとともに、第4〜第7処理を可能とし、
アプリケーションプログラムは、選曲予約プログラムと、飲食物注文プログラムとを含み、
選曲予約プログラムは、楽曲索引データベースにアクセスして楽曲を検索してカラオケ装置に演奏予約電文を送信する動作を可能とし、
飲食物注文プログラムは、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目を検索してPOSシステムに注文電文を送信する動作を可能とし、
第4処理は、アプリケーションプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットし、
第5処理は、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文をカラオケ装置に返信し、
第6処理は、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示し、
第7処理は、第6処理の映像作品表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡す
カラオケ活用システム。
【請求項2】
タブレットコンピュータは、充電架台にセットすることにより充電可能な2次電池を内蔵し、第4処理は、アプリケーションプログラムプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続しているとともに、充電架台にセットされていることを検知した場合に、非活動中フラグをセットする
請求項1に記載のカラオケ活用システム。
【請求項3】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点に対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項4】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点までに対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項5】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが非時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、利用者入力があった際、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDをすべて飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項6】
飲食物注文プログラムは、第7処理により飲食物品目IDが引き渡された際、第8、第9処理を行わせ、
第8処理は、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目IDに該当する飲食物情報を抽出して表示させ、注文入力を受付可能とし、
第9処理は、第8処理にて受け付けた注文入力に基づいて注文電文を作成してPOSシステムに送信する
請求項1から5のいずれかに記載のカラオケ活用システム。
【請求項7】
第8処理は、引き渡された飲食物品目IDが複数である場合、各品目IDに該当する飲食物情報の概要一覧を表示させ、利用者の選択入力を受付可能とし、選択入力があった際に選択された飲食物情報の詳細を表示させ、注文入力を受付可能とする
請求項6に記載のカラオケ活用システム。
【請求項1】
カラオケ装置とタブレットコンピュータが通信可能に接続されるとともに、タブレットコンピュータがPOSシステムに通信可能に接続されたカラオケ活用システムであって、
カラオケ装置は、映像データベースにアクセス可能であるとともに、第1〜第3処理を可能とし、
映像データベースは、飲食物品目IDが付帯した映像作品を格納し、
第1処理は、タブレットコンピュータから演奏予約電文を受信した際、電文中の楽曲IDを待ち行列に登録し、
第2処理は、タブレットコンピュータに現況点検電文を送信し、
第3処理は、第2処理で送信した現況点検電文の応答としてタブレットコンピュータから非活動中電文を受信した際、映像データベースから映像作品を抽出してタブレットコンピュータに送信し、
タブレットコンピュータは、利用者入力に応答して対話形式の処理を行うアプリケーションプログラムの実行が可能であるとともに、第4〜第7処理を可能とし、
アプリケーションプログラムは、選曲予約プログラムと、飲食物注文プログラムとを含み、
選曲予約プログラムは、楽曲索引データベースにアクセスして楽曲を検索してカラオケ装置に演奏予約電文を送信する動作を可能とし、
飲食物注文プログラムは、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目を検索してPOSシステムに注文電文を送信する動作を可能とし、
第4処理は、アプリケーションプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続している際、非活動中フラグをセットし、
第5処理は、カラオケ装置から現況点検電文を受信した際、非活動中フラグがセットされていれば、非活動中電文をカラオケ装置に返信し、
第6処理は、カラオケ装置から映像作品を受信した際、その映像作品を表示し、
第7処理は、第6処理の映像作品表示中に所定の利用者入力があった際、その映像作品に付帯されている飲食物品目IDを飲食物注文プログラムに引き渡す
カラオケ活用システム。
【請求項2】
タブレットコンピュータは、充電架台にセットすることにより充電可能な2次電池を内蔵し、第4処理は、アプリケーションプログラムプログラムを実質的に動作させる利用者入力のない状態が継続しているとともに、充電架台にセットされていることを検知した場合に、非活動中フラグをセットする
請求項1に記載のカラオケ活用システム。
【請求項3】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点に対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項4】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDの中から、利用者入力があった時点までに対応する1つの飲食物品目IDを抽出して飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項5】
映像作品には、複数の飲食物品目IDが非時系列に対応付けされて付帯し、
第7処理は、利用者入力があった際、表示中の映像作品に対応付けされた複数の飲食物品目IDをすべて飲食物注文プログラムに引き渡す
請求項1または2に記載のカラオケ活用システム。
【請求項6】
飲食物注文プログラムは、第7処理により飲食物品目IDが引き渡された際、第8、第9処理を行わせ、
第8処理は、飲食物品目データベースにアクセスして飲食物品目IDに該当する飲食物情報を抽出して表示させ、注文入力を受付可能とし、
第9処理は、第8処理にて受け付けた注文入力に基づいて注文電文を作成してPOSシステムに送信する
請求項1から5のいずれかに記載のカラオケ活用システム。
【請求項7】
第8処理は、引き渡された飲食物品目IDが複数である場合、各品目IDに該当する飲食物情報の概要一覧を表示させ、利用者の選択入力を受付可能とし、選択入力があった際に選択された飲食物情報の詳細を表示させ、注文入力を受付可能とする
請求項6に記載のカラオケ活用システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図10】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−310324(P2007−310324A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−142070(P2006−142070)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】
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