説明

カラオケ装置

【課題】娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置を提供する。
【解決手段】演奏曲の出力に伴ってマイクロフォン40から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する演奏評価手段72と、その演奏評価手段72の評価結果に基づいて、歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を映像表示装置30の画面30s内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するゲーム実行手段76とを、備えたものであることから、映像表示装置30に表示される歌詞文字映像84と絡めて娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行できる。すなわち、娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置16を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケボックス等で使用されるカラオケ装置に関し、特に、演奏評価機能の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させると共に、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置が知られている。斯かるカラオケ装置によれば、予め記憶装置に記憶された多数のカラオケ演奏曲からリモコン装置等により選択(選曲)されたカラオケ演奏曲の音楽情報を出力させると共に、そのカラオケ演奏曲の歌詞情報を含む映像をその出力に同期して画面に表示させることで、所望の歌のカラオケ演奏を楽しむことができる。
【0003】
ところで、近年普及しているカラオケ装置には、上述のようなカラオケ装置としての機能のみならず、マイクから入力される音声情報に基づいて歌唱力等を評価(採点)する演奏評価機能を備えたものがある。例えば、特許文献1に記載されたカラオケ装置がそれである。斯かるカラオケ装置によれば、音程、テンポ、音量等を基準としてマイクロフォンから入力される音声情報とカラオケ演奏曲の演奏情報とを比較することで、その入力される音声情報に応じて歌唱の評価を採点することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−173628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、近年においては、演奏評価機能を備えたカラオケ装置が広く普及したことにより、前記従来の技術による演奏評価機能は特に目新しいものではなくなった。このため、娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本発明の要旨とするところは、多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させると共に、その演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する演奏評価手段と、その演奏評価手段の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記映像表示装置の画面内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するゲーム実行手段とを、備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
このようにすれば、前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する演奏評価手段と、その演奏評価手段の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記映像表示装置の画面内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するゲーム実行手段とを、備えたものであることから、前記映像表示装置に表示される歌詞文字映像と絡めて娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行できる。すなわち、娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置を提供することができる。
【0009】
ここで、好適には、前記ゲーム実行手段は、前記画面内に積み上げられた複数の前記落下体に関して、各落下体に対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立した場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである。このようにすれば、前記映像表示装置に表示される歌詞文字映像と絡めて更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0010】
また、好適には、前記ゲーム実行手段は、前記演奏評価手段の評価結果が予め定められた閾値未満であった演奏に係る歌詞文字映像に関して、その歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記画面内に落下させる一方、前記演奏評価手段の評価結果が予め定められた閾値以上であった演奏に係る歌詞文字映像に関して、その歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記画面内に落下させないものである。このようにすれば、前記映像表示装置に表示される歌詞文字映像と絡めて実用的な態様で娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0011】
また、好適には、前記演奏評価手段は、前記演奏の内容の評価に加えて、前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置から入力される音声に加点対象となる歌い方が含まれているか否かを判定するものであり、前記ゲーム実行手段は、その演奏評価手段により加点対象となる歌い方が含まれていると判定された場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである。このようにすれば、例えばビブラートやしゃくり上げ等の技巧的な歌い方が判定された場合に落下体を消去する、更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0012】
また、好適には、前記ゲーム実行手段は、予め定められた特定文字に対応する落下体が落下した場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである。このようにすれば、前記映像表示装置に表示される歌詞文字映像と絡めて更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明のカラオケ装置が好適に適用されるカラオケシステムを説明する概略図である。
【図2】本発明の一実施例であるカラオケ装置の構成を例示するブロック線図である。
【図3】図2のカラオケ装置のCPUに備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図2のカラオケ装置によるゲームの適用対象となるカラオケ演奏に際して、映像表示装置の画面に表示される歌詞文字映像を例示する図である。
【図5】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、所定の歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応するブロックが映像表示装置の画面内を落下させられる様子を例示する図である。
【図6】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、所定の歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応するブロックが映像表示装置の画面内を落下させられる様子を例示する図である。
【図7】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内を落下させられたブロックがその画面の最下部に積み上げられる様子を例示する図である。
【図8】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内を落下させられたブロックがその画面内に積み上げられると共に、歌詞文字映像の背景映像として機能する様子を例示する図である。
【図9】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内に積み上げられた複数のブロックに対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立する様子を例示する図である。
【図10】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内に積み上げられた複数のブロックに対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立する様子を例示する図である。
【図11】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内に積み上げられた複数のブロックの上にボーナスブロックが落下させられる様子を例示する図である。
【図12】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内に積み上げられた複数のブロックの上に特定文字に対応する特殊ブロックが落下させられる様子を例示する図である。
【図13】図2のカラオケ装置によるゲームにおいて、映像表示装置の画面内に積み上げられたブロックが最上部まで達して、ゲームが中途終了させられる様子を例示する図である。
【図14】図2のカラオケ装置のCPUにより実行される演奏評価/ゲーム制御の要部を説明するフローチャートである。
【図15】図2のカラオケ装置によるゲームの他の一例として、映像表示装置の画面内を落下させられた文字映像がその画面内に積み上げられると共に、歌詞文字映像の背景映像として機能する様子を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明のカラオケ装置が好適に適用されるカラオケシステム10を説明する概略図である。この図1に示すように、上記カラオケシステム10では、カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗12における複数の個室14a、14b、14c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に個室14と称する)にそれぞれ1台乃至は複数台ずつ(図1では1台ずつ)本発明の一実施例であるカラオケ装置16a、16b、16c、・・・(以下、特に区別しない場合には単にカラオケ装置16と称する)が設置されている。これら複数のカラオケ装置16は、ルータ28を介して公衆電話回線等による通信回線18に接続されており、同じくその通信回線18に接続されたカラオケサービス提供会社のサーバ装置(センタ装置)20との相互間でその通信回線18を介して情報の通信が可能とされている。このサーバ装置20は、カラオケ情報(楽曲データ)、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Contents)の保管や入出力管理の基本的な制御を行うサーバであり、上記通信回線18を介して上記カラオケ装置16に定期的にコンテンツの配信を行うと共に、そのカラオケ装置16からの要求に応じて所定の機能制御プログラムを送信するものである。また、上記カラオケシステム10は、複数の電子早見本装置22a、22b、22c、・・・(以下、特に区別しない場合には単に電子早見本装置22と称する)を備えており、上記カラオケ装置16の利用に際して、各利用者(グループ)毎に1台乃至数台ずつの電子早見本装置22が貸与され、各個室14において後述するように上記カラオケ装置16の遠隔操作装置として用いられるようになっている。上記店舗12内には上記複数のカラオケ装置16を相互に接続するLAN24が敷設されており、上記電子早見本装置22からのカラオケ装置16への入力は、所定のアクセスポイント26及びLAN24を介したLAN通信等により行われる。
【0016】
図2は、上記カラオケ装置16の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記カラオケ装置16は、CRT(Cathode-ray Tube)やTFT(Thin Film Transistor Liquid Crystal)等の映像表示装置30と、ビデオボード等の映像出力制御部32と、映像情報デコーダ34と、ビデオミキサ36と、音源であるシンセサイザ38と、音声入力装置であるマイクロフォン40と、そのマイクロフォン40から入力される音声をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバータ41と、アンプミキサ42と、スピーカ44と、操作パネル46と、その操作パネル46等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス48と、中央演算処理装置であるCPU50と、読出専用メモリであるROM52と、随時書込読出メモリであるRAM54と、記憶装置であるハードディスク56と、モデム58と、LANポート60と、上記電子早見本装置22やリモコン装置64等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部62とを、備えて構成されている。
【0017】
前記映像出力制御部32は、前記CPU50において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置として機能する他、前記映像表示装置30による種々の映像表示を制御する表示制御装置である。また、前記映像情報デコーダ34は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク56に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ34により再生された背景映像は、前記ビデオミキサ36へ送られる。また、そのビデオミキサ36は、前記CPU50において生成され且つ前記映像出力制御部32から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ34により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置30に表示させる映像合成装置である。
【0018】
前記シンセサイザ38は、前記ハードディスク56から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ38により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ42へ送られる。そのアンプミキサ42では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン40を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ44から出力される。また、前記A/Dコンバータ41は、音声入力装置である前記マイクロフォン40から入力されるアナログ信号としての音声情報をディジタル信号に変換して前記CPU50等へ供給する。
【0019】
前記操作パネル46は、前記カラオケ装置16の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記カラオケ装置16には、前記操作パネル46の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置64が備えられており、前記リモコン受信部62は、そのリモコン装置64から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU50へ供給する。また、前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との対応付け(くくりつけ)処理も前記リモコン受信部62を介して行われ、そのようにして前記カラオケ装置16に対応付けられた電子早見本装置22も同様に入力装置として機能する。
【0020】
前記CPU50は、前記RAM54の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM52に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂マイクロコンピュータであり、前記電子早見本装置22やリモコン装置64等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに登録したり、その予約曲テーブルの演奏順に従って前記ハードディスク56から前記RAM54に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM54から前記シンセサイザ38へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して前記映像出力制御部32へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して前記映像出力制御部32へ送ったり、前記映像情報デコーダ34を制御して所定の背景映像を再生させたり、カラオケ演奏が行われていない間すなわち曲間において、新譜情報、選曲ランキング、店舗広告等の曲間情報を出力させたり、前記通信回線18を介した前記サーバ装置20との間の情報通信制御等の基本的な制御に加えて、後述する演奏評価制御及びゲーム実行制御等の各種制御を実行する。
【0021】
前記モデム58は、前記カラオケ装置16を公衆電話回線等による通信回線18に接続するための装置であり、前記CPU50から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線18に送り出すと共に、その通信回線18を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU50に供給する処理を行う。なお、前記店舗12に備えられた複数のカラオケ装置16のうち何れかのカラオケ装置16が前記ルータ28の機能を備えてマスターコマンダとして前記通信回線18に接続される態様も考えられ、その場合、前記モデム58はそのマスターコマンダとして機能するカラオケ装置16には必要とされるが、そのマスターコマンダを介して前記サーバ装置20との間で情報の通信を行う他のカラオケ装置16には必ずしも設けられなくともよい。
【0022】
前記LANポート60は、前記カラオケ装置16をLAN24を介して他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器に接続するための接続器であり、前記カラオケ装置16は、そのようにLAN24を介して接続されることで、他のカラオケ装置16や電子早見本装置22等の他の機器との間で情報の送受信が可能とされる。例えば、前記アクセスポイント26を介して受信される前記電子早見本装置22からの選曲入力を受け付けて前記RAM54に設けられた予約曲テーブルに記憶したり、そのアクセスポイント26を介して前記カラオケ装置16から電子早見本装置22へ所定の情報を送信したりというように、電波を介して前記カラオケ装置16と電子早見本装置22との間における相互の情報のやりとりが実行される。
【0023】
前記ハードディスク56には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケデータ(楽曲データ)を記憶するカラオケデータベース66、後述するゲーム実行制御に用いられるキーワードを定めるキーワードデータベース68、同じく後述するゲーム実行制御に用いられる特定文字(特殊文字)を定める特殊文字データベース70をはじめとする各種データベースが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数のカラオケ装置16のうち所定のカラオケ装置16例えば前記カラオケ装置16aは、前記モデム58を介して前記通信回線18に接続されており、前記複数のカラオケ装置16によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは常に新しいデータに基づいて後述するゲーム実行制御が行われるように、随時新たな楽曲データ等が前記サーバ装置20から前記通信回線18を介して配信され、前記ハードディスク56のカラオケデータベース66等に記憶される。また、そのようにして前記サーバ装置20から情報を取得したカラオケ装置16aとその他のカラオケ装置16との間で前記LAN24を介した通信が行われることにより、各カラオケ装置16のハードディスク56に記憶される情報が共有され、上記カラオケデータベース66等の内容が等価なものとされる。
【0024】
上記カラオケデータベース66は、前記カラオケ装置16により出力可能な演奏曲にそれぞれ対応する多数(例えば、数万曲分)のカラオケデータを記憶する。このカラオケデータは、前記シンセサイザ38により所定の楽器の演奏音を生成するための演奏情報と、歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報と、その歌詞情報に基づいて生成された歌詞文字映像を演奏の進行に合わせて順次色替わりさせてゆくための歌詞色替情報とを、含むものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。
【0025】
図3は、前記カラオケ装置16のCPU50に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図3に示す演奏評価手段72は、前記カラオケ装置16による所定のカラオケ情報に基づく演奏曲の出力に際して、その演奏曲の出力に伴って前記マイクロフォン40から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する。例えば、前記マイクロフォン40により入力されて前記A/Dコンバータ41によりディジタル信号に変換された音声情報と、前記カラオケデータベース66から読み出される演奏情報(MIDIデータ)に基づいて前記シンセサイザ38により出力される演奏情報とを比較し、メロディなどの基本音程と入力される音声から抽出される音程との相対的なずれやその音声の絶対的な声量などを基準として評価を行う。また、好適には、評価対象となる演奏曲の出力開始から出力終了までの間、前記A/Dコンバータ41によりディジタル信号に変換された音声情報を継続的に前記RAM54等の記憶装置に記憶しておき、対象となる演奏曲が出力される間すなわち演奏開始から演奏終了までの間に所定のタイミング(例えば、0.5秒に1回といった短い間隔)で定期的に上記評価を実行する。また、好適には、評価対象となる演奏曲に係るフレーズ(各演奏曲において演奏の区切りとなる旋律又は歌詞の区分)毎に上記評価を行う。この評価の態様としては、例えば、千点満点中何点というように数値的に採点を行うものであってもよいし、可(評価が予め定められた閾値以上)乃至不可(評価が予め定められた閾値未満)の何れに当てはまるかを判定するというように簡易なものであってもよい。
【0026】
図3に示すように、上記演奏評価手段72は、加点対象判定手段74を含んでいる。この加点対象判定手段74は、前記カラオケ装置16による所定のカラオケ情報に基づく演奏曲の出力に際して、前記マイクロフォン40から入力される音声に加点対象となる歌い方が含まれているか否かを判定する。例えば、前記マイクロフォン40により入力されて前記A/Dコンバータ41によりディジタル信号に変換され、前記RAM54に記憶された一連の音声情報に、ビブラート又はしゃくり上げに相当する部分が含まれるか否かを判定する。このビブラートとは、フレーズの最後等において音声を細かく震わせる歌唱技法であり、例えば所定区間の音程が一定以上の周期で上下させられる場合に対応する。すなわち、上記加点対象判定手段74は、前記マイクロフォン40から入力される音声に係る所定区間の音程が一定以上の周期で上下させられている場合に、その区間にビブラートが含まれていることを判定する。また、しゃくり上げとは、演歌等の歌い始めにおいて低音から高音に向かって持ち上げるように歌う、所謂小節をきかせるに相当する歌唱技法であり、例えば演奏開始から所定区間の音程が低音から高音へ連続的に変化している場合に対応する。すなわち、上記加点対象判定手段74は、前記マイクロフォン40から入力される音声に係る演奏開始から所定区間の音程が低音から高音へ連続的に変化している場合に、その区間にしゃくり上げが含まれていることを判定する。また、上記加点対象判定手段74は、前記マイクロフォン40から入力される音声に対応する音量の変化(変化曲線)が、評価対象となる演奏情報(MIDI)のベロシティカーブと合致していた(誤差の範囲内であった)場合、その音声に加点対象となる歌い方が含まれていることを判定する。
【0027】
図3に示すゲーム実行手段76は、前記演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記カラオケ演奏に際して前記映像表示装置30の画面に表示される歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を、その映像表示装置30の画面内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行する。また、斯かるゲームを実行するために、上記ゲーム実行手段76は、ブロック落下制御手段78、ブロック消去制御手段80、及び言葉成立判定手段82を含んでいる。以下、これらの制御機能について、図4乃至図13等を用いて詳述する。
【0028】
図4は、上記ゲーム実行手段76によるゲームの適用対象となるカラオケ演奏に際して、前記映像表示装置30の画面30sに表示される歌詞文字映像84を例示する図である。この図4に示すように、前記カラオケ装置16によるカラオケ演奏制御においては、その演奏に係るカラオケ情報に含まれる歌詞情報に基づく歌詞文字映像が前記CPU50により作成され、演奏情報の出力すなわち前記シンセサイザ38による演奏音の再生と同期して前記映像出力制御部32によりその歌詞文字映像84が前記映像表示装置30の画面30sに表示される。また、対象となるカラオケ情報に含まれる歌詞色替情報に基づいて、前記映像表示装置30の画面30sに表示された歌詞文字映像84が順次色替表示させられる。この歌詞文字映像84の色替表示制御は、前記シンセサイザ38による演奏音の再生と併行して実行されるものであり、前記歌詞色替情報に基づいて実行されるその歌詞文字映像84の色替タイミングに従って歌唱を行うことで正しい演奏となるように定められている。
【0029】
また、上述のような歌詞文字映像84の表示制御及び前記シンセサイザ38による演奏音の再生制御と併行して、前記演奏評価手段72による演奏評価及び前記加点対象判定手段74による判定が実行される。例えば、前述のように、対象となるカラオケ演奏曲の演奏開始から演奏終了までの間、例えば0.5秒に1回といったタイミングで定期的に前記演奏評価及び加点対象の判定が実行される。ここで、そのように一定の時間間隔で演奏の評価が行われた場合、各タイミングの評価は必ずしも前記歌詞文字映像84における各文字映像(例えば、図4に示す例では「初」、「め」、「て」、「会」、・・・といった単位フォントに相当する各文字)に対応しないが、対象となるカラオケ情報における歌詞色替情報と各評価のタイミングとを照合することで、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応する演奏評価を大まかに決定することができる。
【0030】
前記ブロック落下制御手段78は、前記ゲーム実行手段76により実行されるゲームにおいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応する落下体としてのブロック86の表示制御を行う。すなわち、前記演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記映像表示装置30の画面30s内に落下させて積み上げてゆく表示制御を行う。図5及び図6は、前記ブロック落下制御手段78による歌詞文字映像「壊れそうな気持ち」に対応するブロック86の落下表示制御について説明する図である。前記ブロック落下制御手段78は、図4に示す歌詞文字映像「壊れそうな気持ち」に対応する落下体として、その歌詞文字映像に含まれる各文字映像(単位フォント)に相当する「壊」、「れ」、「そ」、「う」、・・・それぞれについて個別のブロック86a、86b、86c、86d、・・・(以下、特に区別しない場合には単にブロック86と称する)を作成し、図5に示すように前記画面30sの最上部(本実施例では上端までに若干の余裕を残している、以下の説明について同じ)に表示させた後、図6に示すようにそれらのブロック86を前記画面30s内を(図6に示す例では左から順に)落下させてゆく表示制御を行う。
【0031】
また、前記ブロック落下制御手段78は、図6に示すように落下させられたブロック86が前記画面30sの最下部(本実施例では下端までに若干の余裕を残している、以下の説明について同じ)まで落ちきったところで、それらのブロック86を図7に示すように固定する。そして、以降に落下させられるブロック86を図8に示すように前記画面30sの最下部から上へ向かって積み上げてゆく表示制御を行う。すなわち、図8に示す例では、前記画面30sの最下部に固定された前記ブロック86a、86b、86c、・・・、86hの上に、それらの後に落下させられたブロック86a′、86b′、86c′、・・・、86h′が積み上げられ、更にそれらブロック86a′、86b′、86c′、・・・、86h′の上に、それらの後に落下させられたブロック86a″、86b″、86c″、・・・、86h″が積み上げられている。また、本実施例においては、後述する言葉成立判定手段82による判定等のために、各ブロック86は前記画面30s内における縦横に複数行(図4乃至図13に示す例では横6行)複数列(図4乃至図13に示す例では縦8列)を成すように積み上げられる。なお、図8では簡略化のために全てのブロックに符号を付しておらず、以下の説明について同じである。
【0032】
ここで、前記ブロック落下制御手段78は、好適には、前記演奏評価手段72の評価結果が予め定められた閾値未満であった演奏に係る歌詞文字映像84に関して、その歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記画面30s内に落下させる一方、前記演奏評価手段72の評価結果が予め定められた閾値以上であった演奏に係る歌詞文字映像86に関して、その歌詞文字映像86に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記画面30s内に落下させない。換言すれば、前記演奏評価手段72の評価結果が予め定められた閾値未満であった演奏に係る歌詞文字映像84に関してのみ、その歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記画面30s内に落下させる表示制御を行う。この判定の基準となる閾値は、例えば前記演奏評価手段72により千点満点中何点というように数値的な採点が行われる場合には、予め定められた所定の基準点であり、前記演奏評価手段72による評価が可乃至不可の何れに当てはまるかを判定するものである場合には、その判定の閾値がそのまま適用される。
【0033】
例えば、前述した図4に示す例においては、第1のフレーズ(歌詞文字映像の表示区分)である「初めて会った時」、第2のフレーズである「いきなり感じた」、及び第3のフレーズである「壊れそうな気持ち」に対応する歌詞文字映像86が、それぞれ改行されて前記画面30s内に表示されている。ここで、前記演奏評価手段72による第1のフレーズ及び第2のフレーズに対応する評価結果が前記閾値以上であり、第3のフレーズに対応する評価結果が前記閾値未満であった場合には、歌詞文字映像「初めて会った時」及び「いきなり感じた」に対応するブロック86は表示(生成)されず、歌詞文字映像「壊れそうな気持ち」に対応する前記ブロック86a〜86hのみが生成され、図5及び図6に示すように前記画面30s内を落下させられる。なお、この落下タイミングとしては、前記画面30s内に表示される歌詞文字映像84が切り替わるタイミング、すなわちその画面30s内において表示されていた歌詞文字映像84が消えて次の歌詞文字映像84が表示されるまでのタイミングと一致させられるのが好ましい。
【0034】
なお、本実施例においては、前記演奏評価手段72による評価結果に基づいて、前記画面30sにおける歌詞文字映像84の改行単位(歌詞情報に定められたもの)である各フレーズについてそれぞれのフレーズに対応する演奏の評価が前記閾値以上であったか否かを判定している。そして、各フレーズに相当する歌詞文字映像84に関し一括してその歌詞文字映像84に含まれる文字映像に係るブロック86の落下制御を行っているが、前記歌詞文字映像84における各文字映像(単位フォント)それぞれについて、各文字映像に対応する演奏の評価結果が前記閾値以上であったか否かを判定し、個別に前記ブロック86を落下させるか否かを判定するものであってもよい。更には、いちどきに前記映像表示装置30sに表示される歌詞文字映像84を単位として(すなわち歌詞文字映像84が切り替わってから次に切り替わるまでの区間を評価単位として)前記演奏評価手段72による評価結果を行い、各画面に相当する歌詞文字映像84に関し一括してその歌詞文字映像84に含まれる文字映像に係るブロック86の落下制御を行うものであってもよい。
【0035】
また、図8に示すように、好適には、前記画面30s内を落下させられるブロック86及びその画面30s内に積み上げられたブロック86は、前記歌詞文字映像84の背景映像として機能する。すなわち、前記画面30s内を落下させられるブロック86及びその画面30s内に積み上げられたブロック86に対する前面側レイヤに前記歌詞文字映像84が表示される。或いは、前記画面30s内を落下させられるブロック86及びその画面30s内に積み上げられたブロック86が前記歌詞文字映像84に対する前面側レイヤに表示される態様も考えられる。この場合、前記ブロック86は所定の透明度でその背面側における映像を一応視認可能とすることが望ましく、斯かる態様によれば、前記画面30s内にブロック86が積み上げられるほどに前記歌詞文字映像84が視認し難くなるという要素を付加することができる。
【0036】
前記ブロック消去制御手段78は、前記ゲーム実行手段76により実行されるゲームにおいて所定の条件が成立した場合に、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。このブロック消去制御手段78による消去の態様としては、(a)前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の全てを消去(オールクリア)する、(b)前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86のうち横1列乃至複数列を消去する、(c)前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86のうち縦1行乃至複数行を消去する等の制御が考えられる。なお、前記ブロック消去制御手段78により記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86のうち縦1行乃至複数行を消去する制御を行った場合、前記ブロック落下制御手段78によりそれ以降落下させられるブロック86は、その消去に係る1行乃至複数行(積み上げられたブロック86の消去によってできた穴)に入れるようにする等の制御を行うものであってもよい。
【0037】
前記言葉成立判定手段82は、前記ゲーム実行手段76により実行されるゲームにおいて、前記画面30内に積み上げられた複数のブロック86に関して、各ブロック86に対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立したか否かを判定する。好適には、各ブロック86に対応する文字映像の縦並び、横並び、或いは斜めの並びにより、前記キーワードデータベース68に記憶されたキーワードが成立したか否かを判定する。
【0038】
前記キーワードデータベース68は、前記言葉成立判定手段82による判定の基準となる複数のキーワードを記憶する。また、好適には、各キーワードに対応してそのキーワードに係る複数の表記(バリエーション)を記憶する。例えば、全員といった意味にあたる「みんな」という読みに対応するキーワードに関して、「ミンナ」、「皆んな」、「み(い)んな」等の表記を併せて記憶する。このキーワードデータベース68に記憶されるキーワードとしては名詞、動詞、形容詞等の別を問わないが、「こころ」、「だいすき」、「あなた」等、一般に広く知られている簡単な単語であることが好ましい。
【0039】
図9及び図10は、前記言葉成立判定手段82による判定について説明する図である。前記画面30s内に図9に示すように複数のブロック86が積み上げられた場合を考える。この場合、文字映像「み」に対応するブロック86e″、文字映像「ん」に対応するブロック86e′、及び文字映像「な」に対応するブロック86eの縦並びにより、「みんな」という一続きの言葉(単語)が成立している。この言葉が前記キーワードデータベース68に記憶されたものである場合に、前記言葉成立判定手段82による判定が肯定される。なお、図9に示す例では、複数のブロック86による横の並びにより「大好き」等の言葉が成立しているが、本実施例においてはフレーズ毎にブロック86の生成を行うと共にそれらブロック86を横並びのまま落下させる制御を行っており、横並びに関しては必然的に言葉が成立するため、前記言葉成立判定手段82は、各ブロック86に対応する文字映像の横の並びに関しては判定を行っていない。
【0040】
前記ブロック消去制御手段80は、前記言葉成立判定手段82の判定が肯定される場合、すなわち前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86に関して、各ブロック86に対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立した場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。すなわち、図9に示すようにブロック86e、86e′、86e″の並びにより「みんな」という言葉が成立し、その言葉が前記キーワードデータベース68に記憶されたものであると判定された場合には、図10に示すようにそれらブロック86e、86e′、86e″の並びにより「みんな」という言葉が成立した旨を前記画面30sに表示させた後、その画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。そのようにして前記画面30s内に積み上げられたブロック86が例えば全部消去された場合、新たに落下するブロック86は再び前記画面30sの最下部から上へ向かって積み上げられてゆく。
【0041】
また、前記ブロック消去制御手段80は、前記加点対象判定手段74の判定が肯定される場合、すなわち前記演奏曲の出力に伴って前記マイクロフォン40から入力される音声に加点対象となる歌い方が含まれていると判定された場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。例えば、図11に示すように、前記加点対象判定手段74の判定が肯定されたことに応じて前記画面30s内にボーナスブロック88を出現(落下)させ、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の上にそのボーナスブロック88が積み上げられた際に、それら複数のブロック86を爆発させる等の映像効果と共にそれら複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。
【0042】
また、前記ブロック消去制御手段80は、予め定められた特定文字に対応する特殊ブロック90が落下した場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。例えば、図12に示すように、前記特殊文字データベース70に特定文字として記憶されたエクスクラメーションマーク「!」に対応する落下体である特殊ブロック90が前記画面30s内を落下させられ、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の上にその特殊ブロック90が積み上げられた際に、それら複数のブロック86を爆発させる等の映像効果と共にそれら複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御を行う。
【0043】
前記特殊文字データベース70は、上記特殊ブロック90を生成するための判定の基準となる複数の特定文字(特殊文字)を記憶する。例えば、エクスクラメーションマーク「!」、クエスチョンマーク「?」、星マーク「☆」等を、上記特殊ブロック90に対応する特殊文字として記憶する。また、好適には、前記画面30s内に積み上げられたブロック86を消去させる効果のみならず、他の効果に対応する特殊文字を記憶するものであってもよい。例えば、文字「悪」を消去不可能なブロックを生成するための特殊文字として記憶し、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86上にその「悪」の文字に対応するブロック86が積み上げられた場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の最下段に消去不可能な(ブロック消去制御手段80による消去を受け付けない)ブロックの段(横1列乃至複数列のブロック)を挿入する等の表示制御を行うものであってもよい。
【0044】
また、前記ゲーム実行手段76は、好適には、前記ブロック落下制御手段78により前記画面30s内を落下させられる前記ブロック86が、図13に示すようにその画面30sの最上部まで積み重なってしまった場合には、対象となるカラオケ演奏が終了していない場合であっても前記ゲームを中途終了(ゲームオーバー)させると共に、そのカラオケ演奏をも中途終了させる。一方、対象となるカラオケ演奏曲の演奏終了まで前記画面30s内を落下させられる前記ブロック86がその画面30sの最上部まで積み重なることなく歌いきることができた場合には、前記ゲームを正常終了(ゲームクリア)させると共に、対象となるカラオケ演奏全体を通してのゲームの総合評価(或いはカラオケ演奏の総合評価)を算出し、前記映像表示装置30の画面30sに表示させる。
【0045】
図14は、前記カラオケ装置16のCPU50により実行される演奏評価/ゲーム制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0046】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、前記RAM54における予約曲テーブルに記憶された選曲番号に従い、所定のカラオケ情報に基づくカラオケ演奏が開始される。すなわち、前記シンセサイザ38によりそのカラオケ情報に含まれる演奏情報に基づく演奏音の再生が開始されると共に、そのカラオケ情報に含まれる歌詞情報及び歌詞色替情報に基づいて前記映像表示装置30に歌詞文字映像84が順次表示され、その色替表示制御が行われる。次に、S2において、前記RAM54等の記憶装置により、前記マイクロフォン40から前記A/Dコンバータ41を介して入力される音声情報の記憶が開始される。次に、S3において、演奏評価を実行するタイミングであるか否かが判断される。このS3の判断が否定される場合には、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S3の判断が肯定される場合には、S4において、前記RAM54等に記憶された音声情報と、対象となるカラオケ情報に含まれる演奏情報とが比較されることにより、そのRAM54等に記憶された所定区間の音声情報に対応する演奏内容が評価される。次に、S5において、前記映像表示装置30に表示された歌詞文字映像(テロップ)84の切替タイミングであるか否かが判断される。このS5の判断が否定される場合には、S3以下の処理が再び実行されるが、S5の判断が肯定される場合には、S6以下の処理が実行される。
【0047】
S6においては、S4の評価に係る演奏内容にビブラートやしゃくり上げ等の加点対象となる歌い方が含まれていたか否かが判断される。このS6の判断が肯定される場合には、S7において、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86を消去するための前記ボーナスブロック88を含む、S4の評価結果に応じた前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86が前記画面30s内に落下させられる表示制御が行われた後、S9以下の処理が実行されるが、S6の判断が否定される場合には、S8において、S4の評価結果に応じた前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86が前記画面30s内に落下させられる表示制御が行われた後、S9において、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86に関して、各ブロック86に対応する文字映像の並びにより前記キーワードデータベース68に予め定められた言葉(キーワード)が成立したか否かが判断される。このS9の判断が肯定される場合には、S10において、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去する表示制御が行われた後、S13以下の処理が実行されるが、S9の判断が否定される場合には、S11以下の処理が実行される。
【0048】
S11においては、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の上に前記ボーナスブロック88が落下したか否かが判断される。このS11の判断が肯定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S11の判断が否定される場合には、S12において、前記特殊文字データベース70に記憶された特定文字に対応するブロック86が前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の上に落下したか否かが判断される。このS12の判断が肯定される場合には、S10以下の処理が実行されるが、S12の判断が否定される場合には、S13において、前記画面30s内を落下させられる前記ブロック86が図13に示すようにその画面30sの最上部まで一部又は全部が積み重なってしまったか否かが判断される。このS13の判断が肯定される場合には、S14において、ゲームが中途終了させられると共にその旨が前記映像表示装置30に表示され、更に対象となるカラオケ演奏が中途終了させられた後、本ルーチンが終了させられるが、S13の判断が否定される場合には、S15において、対象となるカラオケ演奏が終了であるか否か、すなわち対象となるカラオケ演奏曲の演奏が最後まで行われたか否かが判断される。このS15の判断が否定される場合には、S3以下の処理が再び実行されるが、S15の判断が肯定される場合には、S16において、前記マイクロフォン40から前記A/Dコンバータ41を介して入力される音声情報の記憶が終了させられる。そして、S17において、ゲームが正常終了させられると共に、対象となるカラオケ演奏全体を通してのゲームの総合評価が算出され、その総合評価結果が前記映像表示装置30の画面30sに表示された後、本ルーチンが終了させられる。
【0049】
以上の制御において、S2〜S6が前記演奏評価手段72の動作に、S6が前記加点対象判定手段74の動作に、S7〜S17が前記ゲーム実行手段76の動作に、S7及びS8が前記ブロック落下制御手段78の動作に、S10が前記ブロック消去制御手段80の動作に、S9が前記言葉成立判定手段82の動作にそれぞれ対応する。
【0050】
このように、本実施例によれば、前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置であるマイクロフォン40から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する演奏評価手段72(S2〜S6)と、その演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応する落下体としてのブロック86を前記映像表示装置30の画面30s内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するゲーム実行手段76(S7〜S17)とを、備えたものであることから、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像84と絡めて娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行できる。すなわち、娯楽性の高い新たな演奏評価機能を備えたカラオケ装置16を提供することができる。
【0051】
また、前記ゲーム実行手段76は、前記画面30s内に積み上げられた複数の前記ブロック86に関して、各ブロック86に対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立した場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去するものであるため、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像84と絡めて更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0052】
また、前記ゲーム実行手段76は、前記演奏評価手段72の評価結果が予め定められた閾値未満であった演奏に係る歌詞文字映像84に関して、その歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記画面30s内に落下させる一方、前記演奏評価手段72の評価結果が予め定められた閾値以上であった演奏に係る歌詞文字映像84に関して、その歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記画面30s内に落下させないものであるため、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像84と絡めて実用的な態様で娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0053】
また、前記演奏評価手段72は、前記演奏の内容の評価に加えて、前記演奏曲の出力に伴ってマイクロフォン40から入力される音声に加点対象となる歌い方が含まれているか否かを判定するものであり、前記ゲーム実行手段76は、その演奏評価手段72により加点対象となる歌い方が含まれていると判定された場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去するためのボーナスブロック88を出現させるものであるため、例えばビブラートやしゃくり上げ等の技巧的な歌い方が判定された場合にブロック86を消去する、更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0054】
また、前記ゲーム実行手段76は、予め定められた特定文字に対応する特殊ブロック90が落下した場合には、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の一部又は全部を消去するものであるため、前記映像表示装置30に表示される歌詞文字映像84と絡めて更に娯楽性の高い演奏評価ゲームを実行することができる。
【0055】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0056】
例えば、前述の実施例において、前記ゲーム実行手段76は、前記演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を生成し、それらブロック86を前記画面30s内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図15に示すように、前記演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像(テロップ)そのものすなわち文字映像92を前記画面30s内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するものであってもよい。この場合、前記画面30s内に積み上げられる文字映像92としては、等幅フォントに対応するものが好適に適用される。
【0057】
また、前述の実施例では、前記ゲーム実行手段76によるゲームに係るカラオケ演奏に際して、前記映像表示装置30の画面30sにはそのカラオケ演奏に対応する歌詞文字映像84が表示されると共に、前記ブロック86がその歌詞文字映像84の背面側レイヤに背景映像として表示されるものであったが、前記画面30s内に積み上げられるブロック86の更に背面側レイヤ(最背面レイヤ)に他の背景映像が再生されるものであってもよい。また、この場合、前記画面30s内に積み上げられた複数のブロック86の上に所定の文字又は記号に対応するブロック86が積み上げられること等に応じて、最背面レイヤにおける背景映像を切り替える制御を行うといった態様も考えられる。
【0058】
また、前述の実施例において、前記ゲーム実行手段76は、前記演奏評価手段72の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像84に含まれる各文字映像に対応するブロック86を前記映像表示装置30の画面30s内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するものであったが、例えば、映像表示装置としての前記電子早見本装置22のタッチパネルディスプレイに斯かるゲーム画面を表示させるものであってもよい。更に、前記演奏評価手段72及びゲーム実行手段76の一方又は両方が前記電子早見本装置22のCPUに備えられたものであってもよい。
【0059】
また、前述の実施例において、前記演奏評価手段72は、前記マイクロフォン40から入力される利用者の歌唱音声に対応して前記演奏評価を行うものであったが、例えば楽器の演奏音に対応して前記演奏評価を行うものであってもよい。すなわち、前記ゲーム実行手段76は、楽器演奏の演奏評価結果に基づいて前記ゲームを実行するものであってもよい。
【0060】
また、前述の実施例では特に言及していないが、前記ゲーム実行手段76は、種々の要素に応じてゲームの難易度を変更し得るものである。例えば、前記キーワードデータベース68に記憶されたキーワードの数によって、キーワードの数が多いほど難易度が高くなるようにブロック86の落下スピードを変化させるものであってもよい。また、前記演奏評価手段72による評価の結果に応じて落下する歌詞文字映像84が決定され、その決定された歌詞文字映像84に対応するブロック86が生成される際に、歌詞文字映像84の表示(例えば横並び)そのままのブロック86が落下させられるのではなく、その歌詞文字映像84に含まれる文字の並びをばらばらに入れ替えて落下させる制御を行う等の態様も考えられる。
【0061】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0062】
16:カラオケ装置
30:映像表示装置
30s:画面
40:マイクロフォン(音声入力装置)
72:演奏評価手段
76:ゲーム実行手段
84:歌詞文字映像
86:ブロック(落下体)
92:文字映像(落下体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の演奏曲のうちから選択される演奏曲を出力させると共に、該演奏曲の歌詞文字映像を映像表示装置に表示させるカラオケ装置であって、
前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置から入力される音声に応じて演奏の内容を評価する演奏評価手段と、
該演奏評価手段の評価結果に基づいて、前記歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記映像表示装置の画面内に落下させて積み上げてゆくゲームを実行するゲーム実行手段と
を、備えたものであることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
前記ゲーム実行手段は、前記画面内に積み上げられた複数の前記落下体に関して、各落下体に対応する文字映像の並びにより予め定められた言葉が成立した場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記ゲーム実行手段は、前記演奏評価手段の評価結果が予め定められた閾値未満であった演奏に係る歌詞文字映像に関して、該歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記画面内に落下させる一方、前記演奏評価手段の評価結果が予め定められた閾値以上であった演奏に係る歌詞文字映像に関して、該歌詞文字映像に含まれる各文字映像に対応する落下体を前記画面内に落下させないものである請求項1又は2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
前記演奏評価手段は、前記演奏の内容の評価に加えて、前記演奏曲の出力に伴って音声入力装置から入力される音声に加点対象となる歌い方が含まれているか否かを判定するものであり、
前記ゲーム実行手段は、該演奏評価手段により加点対象となる歌い方が含まれていると判定された場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである請求項1から3の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【請求項5】
前記ゲーム実行手段は、予め定められた特定文字に対応する落下体が落下した場合には、前記画面内に積み上げられた複数の落下体の一部又は全部を消去するものである請求項1から4の何れか1項に記載のカラオケ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図14】
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【図15】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−180451(P2011−180451A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45808(P2010−45808)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(396004833)株式会社エクシング (394)
【Fターム(参考)】