カラーインクジェット記録装置
【目的】 印字ヘッドのノズル面上のノズル群内とノズル群間で、インクの混色を防止し、印字ヘッドの高密度化、小型化を可能とする。
【構成】 印字ヘッド1には同一色のインク2を吐出するノズル3を垂直方向に配列した各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが印字走査方向に垂直方向に配列されている。ノズル面5上において、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内には表面処理6に対するインク2の接触角が80°以上となる撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には同接触角が30°以下となる親水処理6bを施す。また、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内に撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間に親水処理6bを施す。
【構成】 印字ヘッド1には同一色のインク2を吐出するノズル3を垂直方向に配列した各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが印字走査方向に垂直方向に配列されている。ノズル面5上において、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内には表面処理6に対するインク2の接触角が80°以上となる撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には同接触角が30°以下となる親水処理6bを施す。また、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内に撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間に親水処理6bを施す。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数色のカラーインクを吐出する印字ヘッドを備えたカラーインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェットプリンターにおいて高印字品質を実現し常に安定した印字効果を得るためには、ノズルから吐出するインクが常にノズル面に対して垂直に吐出する必要がある。
【0003】吐出時にノズル周縁部に不均一なインクの溜りが存在したり、吐出中に形成されると、吐出するインクがインク溜りに引かれ、インク滴が正規の飛翔方向から離脱したり、さらにはこのインク溜りによってノズル内のインクのメニスカスの安定化が損なわれ、正常な吐出が得られない。また、印字品質を向上させるために、ノズルの配列密度を高めた場合、これに応じてノズル間の配列距離は狭くなるため、ノズル周縁部での不均一なインクの溜りの影響をより受け易くなる。
【0004】このため、ノズルの周縁部にインクを弾く撥水性を有する表面処理層を施して上述の問題を解決し、安定したインク滴の吐出を得る提案が多数報告されている。
【0005】また、逆に、ノズルの周縁部にインクを濡らす親水性を有する表面処理層を施してノズル周縁部の均一な濡れを確保する提案も報告されている。
【0006】これらは単色のインクを吐出するインクジェット記録装置における提案である。 複数の異なるインクを吐出するカラーインクジェット記録装置においては、使用するインクの表面張力は色調にむらがないようにするため、浸透性のある表面張力の低い物性のインクを利用することが多い。このため、ノズル面全体に親水処理のみを施した場合、ノズル面上でインクが混色をするの当然であり、また、逆に撥水処理のみを施した場合でもノズル周縁部のインクを確実に弾くことは難しい。このため、異なるインクを吐出する隣合うノズル内のインクがノズル面上で混色する可能性が大きい。この結果、混色したインクがノズルから吐出され、記録紙上で所望の印字色が得られなくなったり、インクの安定した吐出を確保できなくなる。このため、カラーインクジェット記録装置では、ノズル面での混色を避ける対策が必要となる。
【0007】この混色防止の対策として、従来利用されているカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドとして実開昭58−3245に開示されるような印字ヘッドが知られている。
【0008】図8は従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドを示す平面図である。
【0009】図において、印字ヘッド11の各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKには印字走査方向に対して垂直方向に等間隔で同一色のインク2を吐出するノズル3を配列してなるノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKが形成され、ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKは印字走査方向に吐出色分平行に配置されている。
【0010】なお、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間には、溝部18が設けられ、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間を隔てている。溝部18は、印字ヘッド11自体がプラスチック樹脂等で形成される場合は射出成形で、またその他の材料の場合はダイシング等の切削加工で形成される。
【0011】上記の構成によれば、溝部18が各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間に設けられることにより、互いに隣り合う各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間でインク2の混色は発生しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッド11では、高密度、小型化のために各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間を近付けた場合、溝部18を形成する領域が確保しにくくなるため、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKはある程度の間隔を設けて配置しなければならなかったり、ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間の溝部18の幅Wを狭くする必要が生じ、加工上の問題点が多数生じる。このため、印字ヘッド11の高密度化、小型化に限界があるという問題点がある。
【0013】図9および10は従来例のノズル面でのインク吐出の状態を示す断面図である。
【0014】従来例の構造では、突起部19にノズル3が存在することになるため、図9に示すように、紙ジャムリやワイピングにより各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKの表面処理6がノズル面エッジ20aおよび20bから剥がれ易くなり、この結果、ノズル3周縁部の不均一な濡れを引き起こし、インク2が正規の方向から離脱した方向に吐出する可能性がある。また、図10に示すように、ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKに親水処理6aを施した場合は、ノズル3の周囲の濡れを均一にする必要から、ノズル軸からノズル面エッジ20aまでの距離Lを左右同じにしなければならなくなり、溝部18の加工に高い精度が要求される。
【0015】図11は従来例の印字ヘッドの紙ジャムリの状態を示す断面図である。
【0016】突起部19が片持ち梁の状態になるため、図に示すように印字紙23による紙ジャムリ、紙こすれ等の機械的な外力で変形しやすく、ノズル3の位置精度に狂いが生じたり、最悪は突起部19が欠けたり、支持部から割れたりして流路のリークを引き起こす可能性がある。また、溝部18を切削加工する場合には、加工時に無理な力を加え印字ヘッド11自体を破壊しかねない。
【0017】図12は従来例におけるノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。一般に各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKに付着した異物21はワイパーブレード22等でノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKを撫でることによって除去しているが、溝部18に異物21が付着した場合、従来のワイパーブレード22では溝部18内に付着したあるいは入り込んだ異物21を除去することは難しい。また、ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BK上でワイパーブレード22によって除去された異物21が再び溝部18に入り込みやすい、このため、溝部18内の異物21は放置されたままとなり、いずれはプリンター内を汚染するという問題がある。
【0018】そこで、本発明は従来のこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、ノズル面でのインクの混色を防止し、高ノズル密度でも問題の無い吐出特性を確保でき、且つ高印字品質を確保できるカラーインクジェット記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーインクジェット記録装置は、同一色のインクを吐出するノズルを配列してなるノズル群を、同一ノズル面上に複数色分配列して成る印字ヘッドを有するカラーインクジェット記録装置において、前記ノズル面上の前記ノズル群内と前記ノズル群間で、前記インクの前記ノズル面に対する撥水性が異なることを特徴とする。
【0020】また、前記ノズル面上の前記ノズル群内に親水処理が、前記ノズル群間に撥水処理が施されていることを特徴とする。
【0021】また、前記ノズル面上の前記ノズル群内に撥水処理が、前記ノズル群間に親水処理が施されていることを特徴とする。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【0024】図1において、印字ヘッド1には同一色のインク2を吐出するノズル3を垂直方向に配列した各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが垂直方向に配列されている。なお、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には従来例のような溝部18は設けず、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKは連続した同一ノズル面5上に存在している。
【0025】なお、ノズル面5上において、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内には表面処理6に対するインク2の接触角が80°以上となる撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には同接触角が30°以下となる親水処理6bを施してある。両表面処理6a、6bの接触角の差は大きく異なる方が望ましい。
【0026】親水処理6bとしては、ノズル面5がプラスチック樹脂等で形成されている場合、酸処理、プラズマ処理等によってノズル面5であるプラスチック樹脂表面に極性基を精製させて表面を親水化させる方法や、酸化物微粒子が分散したゾルを塗布し表面に酸化物層を形成させる方法等がある。ノズル面が金属で形成されている場合は、金属自体の親水性が高いため特に施す必要はない。
【0027】一方、撥水処理6aとしては、ノズル面5にフッ素系の撥水剤を塗布する方法や、フッ素系高分子粒子(PTFE)等の撥水剤を真空中で蒸着し表面に薄層を形成する方法や、ノズル面5が金属である場合は、PTFEとNI−Pを混在させた電解メッキを行なう共析メッキ法等がある。これらの表面処理6はノズル群4間が狭い領域でも容易に施すことができる。
【0028】上記の構造によれば、図2に示すようにノズル面5上で各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内は撥水処理6aを施してあるためノズル3周縁部のインク2は弾かれノズル3内に引き込まれ、ノズル3周縁部でのインク2の不均一な濡れは発生しない。このため、インク2の安定した吐出が確保できる。また、ノズル3内の引き込まれないインク2は親水処理6bを施してある各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間で保持される。このため隣合う各インク2−Y、2−M、2−C、2−BK同士の混色を防ぐことができる。
【0029】この構成であれば、従来例のようにに溝部18を形成する領域を確保するためにノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の距離を広げる必要がなく、ノズル面5上の表面処理6のみでインク2の混色を防ぐことができるため、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間を極力近づけることができる。このため、印字ヘッド1の高密度化、小型化が可能となる。
【0030】また、突起部19が存在しないため、各ノズル面5は分断されることはなく、連続して同一平面上にあり、紙ジャムリやノズル面5のワイピングによりノズル面エッジから表面処理6が剥がれることは少なくなる。また、印字ヘッド1の変形も少なくノズル3の位置精度に狂いが生じたりすることもない。さらに、ノズル面5上に付着した異物21は確実に除去できる。このため、ノズル3の周縁部のインク2の不均一な濡れは発生し難く、ノズル3の位置精度も確保した高印字品質の印字が達成可能となる。
【0031】図3は本発明の第2の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【0032】図3において、印字ヘッド1の構造は図1と同様であり、異なるのは、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内のノズル面5上には親水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間のノズル面上5には撥水処理6bを施してある点である。本実施例においても両表面処理6の接触角は大きく異なる方が望ましい。
【0033】図4は本発明の第2の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。上記の構造によれば、図4に示すようにノズル面5上で各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内は親水処理6bを施してあるため吐出直後、ノズル3の周縁部にインク2は広がり、ノズル3の近傍でのインク2の均一な濡れにより安定した吐出が確保できる。また、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間にまで濡れ広がったインク2は各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の撥水処理6a部に弾かれ、隣合うインク2の混色を防ぐことができる。この構成は表面処理6の撥水性が図1の実施例と逆であり、図1の第1の従来例と同様の効果が得られる。
【0034】図5は本発明の第3の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。図5において、印字ヘッド1の構造は図1R>1と同様であり、異なる点は、表面処理6の境界が水平方向に対してθ°斜めになっている点である。
【0035】上記の構造によれば、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内の撥水処理6bで弾かれたインク2は各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の各親水処理6a部で保持されるが、各親水処理6a部が斜めになっているため、境界に沿って斜めに伝わり落ちる。このため、インク2がノズル面5の端によせられインク2が回収し易くなる。θの値は微小でよく本発明者の実験によれば5°以下で十分である。
【0036】ノズル面5上に撥水処理6aと親水処理6bの両処理を施す方法としては、レジストによるマスキングによる方法が一般的である。
【0037】以下のその方法を図によって説明する。図6R>6は本発明のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面の表面処理方法を示す断面図である。
【0038】まずノズル面5上の目的の表面処理6を必要としない領域に光硬化性樹脂(ドライフィルム)等のレジスト7をマスキングし、ノズル面5全面に撥水処理6aあるいは親水処理6bのいずれかの表面処理6を施した後(図6(a))、レジスト7を溶剤等で溶かし未処理部を露出させる(図6(b))。次に、既処理部をマスキングし、未処理部に図6(a)と逆の表面処理6を施す(図6(c))。最後にレジスト7を溶かすことで、撥水処理6aと親水処理6bの両表面処理6がノズル面5上に施される。
【0039】上記の方法は、一つの方法であり、ノズル面5上に両表面処理6を施すことが可能な方法であればよい。
【0040】図7は本発明のノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【0041】図において、ノズル面5の表面処理6によってノズル面6で保持されたインク2は、ワイパーブレード22がノズル面5上を移動し、ノズル面5を撫でること(ワイピングと呼ぶ)で除去される。ワイパーブレード22の移動方向は、それの移動によって、ノズル面5上でインクの混色が起こらない方向であればよい。ここで、ワイパーブレードは吸水性のある材料であればワイピング中にインクを吸水しインクの除去はさらに向上する。
【0042】図では本発明の第1および第2の実施例のノズル面5のワイパーブレード22の移動方向を示しているが、ワイパーブレード22の移動方向は撥水処理6aと親水処理6bの境界線の方向、つまり各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKの配列方向に対して垂直な方向となる。
【0043】なお、第3の実施例では、ワイパーブレードの移動方向は水平線からθ傾いた処理境界線の方向が混色を抑える意味で望ましい。
【0044】以上に説明した実施例は、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが垂直に直列に配置されているものであったが、その配置方法は特に限定するものではなく、並列や千鳥の配列のノズル面5も表面処理6のパターンニングを変えるだけで簡単に対応できる。また、ヘッドの姿勢もノズル面が垂直でなくてもよく、下向き、上向きでもかまわない。さらに、インク色もY、M、C、BKの4色に限らない。
【0045】
【発明の効果】本発明では、ノズル群内とノズル群間で、ノズル面上のインクに対する撥水性が異なるので、ノズル面上のノズル群内とノズル群間の境界でインクが保持または弾かれ、隣合うインク同士の混色を防ぐことができる。
【0046】また、ノズル面に表面処理を施すことで、インクの混色を防ぐことができるため、各ノズル群間を極力近づけることができる。このため、印字ヘッドの高密度化、小型化が可能となる。
【0047】また、各色ノズル面は分断されることはなく同一平面上に形成されるため紙ジャムリやノズル面のワイピングによりエッジから表面処理が剥がれることは少なくなる。また、印字ヘッドの変形も少なくノズルの位置精度に狂いが生じたりすることもない。さらに、ノズル面上に付着した異物は確実に除去できる。このため、ノズル周縁部のインクの不均一な濡れは発生し難く、ノズル位置精度も確保した高印字品質の印字が達成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図6】本発明のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面の表面処理方法を示す断面図である。
【図7】本発明のノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【図8】従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドを示す断面図である。
【図9】従来におけるのインクの吐出の状態を示す断面図である。
【図10】従来におけるのインクの吐出の状態を示す断面図である。
【図11】従来例の印字ヘッドの紙ジャムリの状態を示す断面図である。
【図12】従来例におけるノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド
2 インク
3 ノズル
4 ノズル群
5 ノズル面
6a撥水処理
6b親水処理
7 レジスト
11 印字ヘッド
14 ノズル群
15 ノズル面
18 溝部
19 突起部
20 ノズル面エッジ
21 異物
22 ワイパーブレード
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数色のカラーインクを吐出する印字ヘッドを備えたカラーインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェットプリンターにおいて高印字品質を実現し常に安定した印字効果を得るためには、ノズルから吐出するインクが常にノズル面に対して垂直に吐出する必要がある。
【0003】吐出時にノズル周縁部に不均一なインクの溜りが存在したり、吐出中に形成されると、吐出するインクがインク溜りに引かれ、インク滴が正規の飛翔方向から離脱したり、さらにはこのインク溜りによってノズル内のインクのメニスカスの安定化が損なわれ、正常な吐出が得られない。また、印字品質を向上させるために、ノズルの配列密度を高めた場合、これに応じてノズル間の配列距離は狭くなるため、ノズル周縁部での不均一なインクの溜りの影響をより受け易くなる。
【0004】このため、ノズルの周縁部にインクを弾く撥水性を有する表面処理層を施して上述の問題を解決し、安定したインク滴の吐出を得る提案が多数報告されている。
【0005】また、逆に、ノズルの周縁部にインクを濡らす親水性を有する表面処理層を施してノズル周縁部の均一な濡れを確保する提案も報告されている。
【0006】これらは単色のインクを吐出するインクジェット記録装置における提案である。 複数の異なるインクを吐出するカラーインクジェット記録装置においては、使用するインクの表面張力は色調にむらがないようにするため、浸透性のある表面張力の低い物性のインクを利用することが多い。このため、ノズル面全体に親水処理のみを施した場合、ノズル面上でインクが混色をするの当然であり、また、逆に撥水処理のみを施した場合でもノズル周縁部のインクを確実に弾くことは難しい。このため、異なるインクを吐出する隣合うノズル内のインクがノズル面上で混色する可能性が大きい。この結果、混色したインクがノズルから吐出され、記録紙上で所望の印字色が得られなくなったり、インクの安定した吐出を確保できなくなる。このため、カラーインクジェット記録装置では、ノズル面での混色を避ける対策が必要となる。
【0007】この混色防止の対策として、従来利用されているカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドとして実開昭58−3245に開示されるような印字ヘッドが知られている。
【0008】図8は従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドを示す平面図である。
【0009】図において、印字ヘッド11の各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKには印字走査方向に対して垂直方向に等間隔で同一色のインク2を吐出するノズル3を配列してなるノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKが形成され、ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKは印字走査方向に吐出色分平行に配置されている。
【0010】なお、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間には、溝部18が設けられ、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間を隔てている。溝部18は、印字ヘッド11自体がプラスチック樹脂等で形成される場合は射出成形で、またその他の材料の場合はダイシング等の切削加工で形成される。
【0011】上記の構成によれば、溝部18が各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間に設けられることにより、互いに隣り合う各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間でインク2の混色は発生しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッド11では、高密度、小型化のために各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間を近付けた場合、溝部18を形成する領域が確保しにくくなるため、各ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BKはある程度の間隔を設けて配置しなければならなかったり、ノズル群14−Y、14−M、14−C、14−BK間の溝部18の幅Wを狭くする必要が生じ、加工上の問題点が多数生じる。このため、印字ヘッド11の高密度化、小型化に限界があるという問題点がある。
【0013】図9および10は従来例のノズル面でのインク吐出の状態を示す断面図である。
【0014】従来例の構造では、突起部19にノズル3が存在することになるため、図9に示すように、紙ジャムリやワイピングにより各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKの表面処理6がノズル面エッジ20aおよび20bから剥がれ易くなり、この結果、ノズル3周縁部の不均一な濡れを引き起こし、インク2が正規の方向から離脱した方向に吐出する可能性がある。また、図10に示すように、ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKに親水処理6aを施した場合は、ノズル3の周囲の濡れを均一にする必要から、ノズル軸からノズル面エッジ20aまでの距離Lを左右同じにしなければならなくなり、溝部18の加工に高い精度が要求される。
【0015】図11は従来例の印字ヘッドの紙ジャムリの状態を示す断面図である。
【0016】突起部19が片持ち梁の状態になるため、図に示すように印字紙23による紙ジャムリ、紙こすれ等の機械的な外力で変形しやすく、ノズル3の位置精度に狂いが生じたり、最悪は突起部19が欠けたり、支持部から割れたりして流路のリークを引き起こす可能性がある。また、溝部18を切削加工する場合には、加工時に無理な力を加え印字ヘッド11自体を破壊しかねない。
【0017】図12は従来例におけるノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。一般に各ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKに付着した異物21はワイパーブレード22等でノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BKを撫でることによって除去しているが、溝部18に異物21が付着した場合、従来のワイパーブレード22では溝部18内に付着したあるいは入り込んだ異物21を除去することは難しい。また、ノズル面15−Y、15−M、15−C、15−BK上でワイパーブレード22によって除去された異物21が再び溝部18に入り込みやすい、このため、溝部18内の異物21は放置されたままとなり、いずれはプリンター内を汚染するという問題がある。
【0018】そこで、本発明は従来のこのような問題点を解決するもので、その目的とするところは、ノズル面でのインクの混色を防止し、高ノズル密度でも問題の無い吐出特性を確保でき、且つ高印字品質を確保できるカラーインクジェット記録装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーインクジェット記録装置は、同一色のインクを吐出するノズルを配列してなるノズル群を、同一ノズル面上に複数色分配列して成る印字ヘッドを有するカラーインクジェット記録装置において、前記ノズル面上の前記ノズル群内と前記ノズル群間で、前記インクの前記ノズル面に対する撥水性が異なることを特徴とする。
【0020】また、前記ノズル面上の前記ノズル群内に親水処理が、前記ノズル群間に撥水処理が施されていることを特徴とする。
【0021】また、前記ノズル面上の前記ノズル群内に撥水処理が、前記ノズル群間に親水処理が施されていることを特徴とする。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面にもとづいて説明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。また、図2は本発明の第1の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【0024】図1において、印字ヘッド1には同一色のインク2を吐出するノズル3を垂直方向に配列した各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが垂直方向に配列されている。なお、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には従来例のような溝部18は設けず、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKは連続した同一ノズル面5上に存在している。
【0025】なお、ノズル面5上において、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内には表面処理6に対するインク2の接触角が80°以上となる撥水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間には同接触角が30°以下となる親水処理6bを施してある。両表面処理6a、6bの接触角の差は大きく異なる方が望ましい。
【0026】親水処理6bとしては、ノズル面5がプラスチック樹脂等で形成されている場合、酸処理、プラズマ処理等によってノズル面5であるプラスチック樹脂表面に極性基を精製させて表面を親水化させる方法や、酸化物微粒子が分散したゾルを塗布し表面に酸化物層を形成させる方法等がある。ノズル面が金属で形成されている場合は、金属自体の親水性が高いため特に施す必要はない。
【0027】一方、撥水処理6aとしては、ノズル面5にフッ素系の撥水剤を塗布する方法や、フッ素系高分子粒子(PTFE)等の撥水剤を真空中で蒸着し表面に薄層を形成する方法や、ノズル面5が金属である場合は、PTFEとNI−Pを混在させた電解メッキを行なう共析メッキ法等がある。これらの表面処理6はノズル群4間が狭い領域でも容易に施すことができる。
【0028】上記の構造によれば、図2に示すようにノズル面5上で各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内は撥水処理6aを施してあるためノズル3周縁部のインク2は弾かれノズル3内に引き込まれ、ノズル3周縁部でのインク2の不均一な濡れは発生しない。このため、インク2の安定した吐出が確保できる。また、ノズル3内の引き込まれないインク2は親水処理6bを施してある各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間で保持される。このため隣合う各インク2−Y、2−M、2−C、2−BK同士の混色を防ぐことができる。
【0029】この構成であれば、従来例のようにに溝部18を形成する領域を確保するためにノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の距離を広げる必要がなく、ノズル面5上の表面処理6のみでインク2の混色を防ぐことができるため、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間を極力近づけることができる。このため、印字ヘッド1の高密度化、小型化が可能となる。
【0030】また、突起部19が存在しないため、各ノズル面5は分断されることはなく、連続して同一平面上にあり、紙ジャムリやノズル面5のワイピングによりノズル面エッジから表面処理6が剥がれることは少なくなる。また、印字ヘッド1の変形も少なくノズル3の位置精度に狂いが生じたりすることもない。さらに、ノズル面5上に付着した異物21は確実に除去できる。このため、ノズル3の周縁部のインク2の不均一な濡れは発生し難く、ノズル3の位置精度も確保した高印字品質の印字が達成可能となる。
【0031】図3は本発明の第2の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【0032】図3において、印字ヘッド1の構造は図1と同様であり、異なるのは、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内のノズル面5上には親水処理6a、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間のノズル面上5には撥水処理6bを施してある点である。本実施例においても両表面処理6の接触角は大きく異なる方が望ましい。
【0033】図4は本発明の第2の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。上記の構造によれば、図4に示すようにノズル面5上で各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内は親水処理6bを施してあるため吐出直後、ノズル3の周縁部にインク2は広がり、ノズル3の近傍でのインク2の均一な濡れにより安定した吐出が確保できる。また、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間にまで濡れ広がったインク2は各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の撥水処理6a部に弾かれ、隣合うインク2の混色を防ぐことができる。この構成は表面処理6の撥水性が図1の実施例と逆であり、図1の第1の従来例と同様の効果が得られる。
【0034】図5は本発明の第3の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。図5において、印字ヘッド1の構造は図1R>1と同様であり、異なる点は、表面処理6の境界が水平方向に対してθ°斜めになっている点である。
【0035】上記の構造によれば、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK内の撥水処理6bで弾かれたインク2は各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BK間の各親水処理6a部で保持されるが、各親水処理6a部が斜めになっているため、境界に沿って斜めに伝わり落ちる。このため、インク2がノズル面5の端によせられインク2が回収し易くなる。θの値は微小でよく本発明者の実験によれば5°以下で十分である。
【0036】ノズル面5上に撥水処理6aと親水処理6bの両処理を施す方法としては、レジストによるマスキングによる方法が一般的である。
【0037】以下のその方法を図によって説明する。図6R>6は本発明のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面の表面処理方法を示す断面図である。
【0038】まずノズル面5上の目的の表面処理6を必要としない領域に光硬化性樹脂(ドライフィルム)等のレジスト7をマスキングし、ノズル面5全面に撥水処理6aあるいは親水処理6bのいずれかの表面処理6を施した後(図6(a))、レジスト7を溶剤等で溶かし未処理部を露出させる(図6(b))。次に、既処理部をマスキングし、未処理部に図6(a)と逆の表面処理6を施す(図6(c))。最後にレジスト7を溶かすことで、撥水処理6aと親水処理6bの両表面処理6がノズル面5上に施される。
【0039】上記の方法は、一つの方法であり、ノズル面5上に両表面処理6を施すことが可能な方法であればよい。
【0040】図7は本発明のノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【0041】図において、ノズル面5の表面処理6によってノズル面6で保持されたインク2は、ワイパーブレード22がノズル面5上を移動し、ノズル面5を撫でること(ワイピングと呼ぶ)で除去される。ワイパーブレード22の移動方向は、それの移動によって、ノズル面5上でインクの混色が起こらない方向であればよい。ここで、ワイパーブレードは吸水性のある材料であればワイピング中にインクを吸水しインクの除去はさらに向上する。
【0042】図では本発明の第1および第2の実施例のノズル面5のワイパーブレード22の移動方向を示しているが、ワイパーブレード22の移動方向は撥水処理6aと親水処理6bの境界線の方向、つまり各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKの配列方向に対して垂直な方向となる。
【0043】なお、第3の実施例では、ワイパーブレードの移動方向は水平線からθ傾いた処理境界線の方向が混色を抑える意味で望ましい。
【0044】以上に説明した実施例は、各ノズル群4−Y、4−M、4−C、4−BKが垂直に直列に配置されているものであったが、その配置方法は特に限定するものではなく、並列や千鳥の配列のノズル面5も表面処理6のパターンニングを変えるだけで簡単に対応できる。また、ヘッドの姿勢もノズル面が垂直でなくてもよく、下向き、上向きでもかまわない。さらに、インク色もY、M、C、BKの4色に限らない。
【0045】
【発明の効果】本発明では、ノズル群内とノズル群間で、ノズル面上のインクに対する撥水性が異なるので、ノズル面上のノズル群内とノズル群間の境界でインクが保持または弾かれ、隣合うインク同士の混色を防ぐことができる。
【0046】また、ノズル面に表面処理を施すことで、インクの混色を防ぐことができるため、各ノズル群間を極力近づけることができる。このため、印字ヘッドの高密度化、小型化が可能となる。
【0047】また、各色ノズル面は分断されることはなく同一平面上に形成されるため紙ジャムリやノズル面のワイピングによりエッジから表面処理が剥がれることは少なくなる。また、印字ヘッドの変形も少なくノズルの位置精度に狂いが生じたりすることもない。さらに、ノズル面上に付着した異物は確実に除去できる。このため、ノズル周縁部のインクの不均一な濡れは発生し難く、ノズル位置精度も確保した高印字品質の印字が達成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施例におけるインクの吐出状態を説明する断面図である。
【図5】本発明の第3の実施例を示すカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面を示す斜視図である。
【図6】本発明のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドのノズル面の表面処理方法を示す断面図である。
【図7】本発明のノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【図8】従来のカラーインクジェット記録装置の印字ヘッドを示す断面図である。
【図9】従来におけるのインクの吐出の状態を示す断面図である。
【図10】従来におけるのインクの吐出の状態を示す断面図である。
【図11】従来例の印字ヘッドの紙ジャムリの状態を示す断面図である。
【図12】従来例におけるノズル面のワイピングの状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 印字ヘッド
2 インク
3 ノズル
4 ノズル群
5 ノズル面
6a撥水処理
6b親水処理
7 レジスト
11 印字ヘッド
14 ノズル群
15 ノズル面
18 溝部
19 突起部
20 ノズル面エッジ
21 異物
22 ワイパーブレード
【特許請求の範囲】
【請求項1】 同一色のインクを吐出するノズルを配列してなるノズル群を同一ノズル面上に複数色分配列して成る印字ヘッドを有するカラーインクジェット記録装置において、前記ノズル面上の前記ノズル群内と前記ノズル群間で、前記インクの前記ノズル面に対する撥水性が異なることを特徴とするカラーインクジェット記録装置。
【請求項2】 前記ノズル面上の前記ノズル群内に親水処理が、前記ノズル群間に撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1記載のカラーインクジェット記録装置。
【請求項3】 前記ノズル面上の前記ノズル群内に撥水処理が、前記ノズル群間に親水処理が施されていることを特徴とする請求項1記載のカラーインクジェット記録装置。
【請求項1】 同一色のインクを吐出するノズルを配列してなるノズル群を同一ノズル面上に複数色分配列して成る印字ヘッドを有するカラーインクジェット記録装置において、前記ノズル面上の前記ノズル群内と前記ノズル群間で、前記インクの前記ノズル面に対する撥水性が異なることを特徴とするカラーインクジェット記録装置。
【請求項2】 前記ノズル面上の前記ノズル群内に親水処理が、前記ノズル群間に撥水処理が施されていることを特徴とする請求項1記載のカラーインクジェット記録装置。
【請求項3】 前記ノズル面上の前記ノズル群内に撥水処理が、前記ノズル群間に親水処理が施されていることを特徴とする請求項1記載のカラーインクジェット記録装置。
【図2】
【図4】
【図7】
【図1】
【図3】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図4】
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【図8】
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【図10】
【図11】
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【公開番号】特開平6−122210
【公開日】平成6年(1994)5月6日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−273151
【出願日】平成4年(1992)10月12日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【公開日】平成6年(1994)5月6日
【国際特許分類】
【出願日】平成4年(1992)10月12日
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
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