説明

カラーカメラの色調整システム、方法及びこのシステムを用いた文字・図形認識方法

【課題】例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識を可能にする。
【解決手段】色調整を行うカラーカメラの色調整システムに、像の赤、緑、青成分を電気信号に変換するイメージセンサ102と、赤、緑、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅部103-105と、増幅された電気信号から輝度を求める輝度演算部116と、増幅された電気信号の最大輝度を記憶する最大輝度記憶部113と、増幅された電気信号の最小輝度を記憶する最小輝度記憶部114と、記憶されている最大輝度と最小輝度の差を最大輝度差として記憶する輝度差記憶部115と、赤、緑、青成分の電気信号を増幅する増幅率を最小値に設定し、増幅率の1つを順次最大値に設定し地と文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行う最大輝度差取得色調整部117とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整システムに関する。特に、本発明は、例えば、背景が赤色の地に青色で記載された文字、図形の認識を可能にする色調整を行うカラーカメラの色調整システム及びこのシステムを用いた文字・図形認識方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラーカメラの色調整動作として白バランス調整動作が行われている。この白バランス調整動作では、撮影環境の光の色温度に影響されず、白いものが白く撮影できるように、撮影画像の赤成分、青成分、緑成分をそれぞれ積分し、赤成分、青成分、緑成分が同じになるように、赤成分増幅率、青成分増幅率、緑成分増幅率を調整し、白バランスが調整されている。
【0003】
一方、文字、1次元・2次元のバーコードが印刷されている場合、通常であれば、白色の地に黒色で記載される場合が多い。
白色部分と黒色部分で記載される場合、カラーカメラで一般的に行われている白バランスの色調整で、白色部分と黒色部分の輝度差が最大となり、輝度信号を利用して文字・図形を認識する際に、従来の認識率に影響を与えることない。
【0004】
しかしながら、白色地に黒色で記載される文字・図形以外の場合、例えば、赤色の地に青色で記載された文字・図形の場合には、背景の赤色の地と青色で記載された文字・図形の輝度差が小さくなり、背景の白色の地と黒色で記載される文字・図形と同様の輝度差を取得できないという問題がある。すなわち、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率が著しく低下するという問題がある。
【0005】
従来の画像表示装置では、フィールド毎に異なる色順で色信号を出力し、カラーセパレーションが視覚的な積分効果により色成分として感知しないようにするため、光源であるランプ11からの白色光より、R,G,Bの3原色の光を抽出し、DMDに供給する色抽出手段、入力されるG,R,B信号を時分割多重したのちDMDに供給する時分割多重回路、時分割多重回路の動作を制御するカラーシーケンス制御回路からなり、光源からの光が色抽出手段を経由し、DMDで反射され、スクリーンに投射されることにより画像が表示されるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1では、フィールド毎に異なる色順で色信号を出力し、カラーセパレーションが視覚的な積分効果により色成分として感知しないようにしているが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の画像処理装置では、カラー文書画像の特徴を利用することにより、より単純な構成でカラー文書画像の文字を認識するため、カラー文書画像を入力し、該カラー文書画像の文字認識を行う文字認識装置において、カラー文書画像を構成する各画素のカラー信号における複数の色成分信号の最大値または最小値を当該画素の代表値としてグレー画像に変換するグレー変換回路と、グレー変換回路で変換されたグレー画像を2値化する2値化回路と、2値化回路の2値データから文字認識をおこなう文字認識回路とを備えるものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
しかしながら、上記特許文献2では、白の地肌に色文字があるカラー文書画像の特徴を利用することにより文字を認識するが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の画像修正装置では、デジタル画像のRGBデータの分布状況を基に認識率の向上を実現し得る画像修正装置及び画像修正プログラムの提供を行うため、画像入力部から1フレーム分のデジタル画像データが入力されると、入力された画像データはRAMに転送され、ビットマップイメージで展開され、RAMへの展開が終わると、画像修正処理プログラムにしたがって処理対象のR、G、Bの値と周囲のデータのR、G、Bの値を比較し、処理対象が減光処理の対象(背景)なのか文字(前景)なのかを判定し、減光処理の対象について光量均一化による補正を行うようにしている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
しかしながら、上記特許文献3では、デジタル画像のRGBデータの分布状況を基に認識率の向上を行うが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の装置では、多色刷り画像文書からカラーを除去するための方法及びさまざまな行程を提供するため、文書の画像のすべての画素のすべてのカラー情報が同時に与えられ、すべての画素PELに関して、すべての与えられたカラーの画像信号が分析され、すべての画素に関して、画像文書の背景についてコントラストが最低のこのカラーに対するこの画像信号が選択されるようにしている。(例えば、特許文献4参照)。
【0009】
しかしながら、上記特許文献4では、多色刷り画像文書からカラーを除去するが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の画像処理装置では、画像読み取りセンサからのR、G、B信号をそれぞれ増幅する場合の各増幅率の設定を容易に行うため、画像読取部201−3で標準白色板を読み取って得られるRGB信号はそれぞれアナログ処理回路118〜120内の増幅器で増幅される。各増幅器の増幅率は標準とその±αとの3段階に設定可能で、先ず、標準に設定して、そのときのRGB信号のうち中間レベルを得た信号の増幅器の出力が所定値となるように上記白色板を照射する光量を調整する。その後、残りの2つの信号の各増幅器の増幅率を各増幅出力が飽和しないで最大となるように設定することにより、RGB信号
のレベルを均一に調整するようにしている。(例えば、特許文献5参照)。
【0010】
しかしながら、上記特許文献5では、画像読み取りセンサからのR、G、B信号をそれぞれ増幅する場合の各増幅率の設定を行うが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の光学式文字読取装置では、カラーイメージセンサの相対的な出力レベル差に影響されずに、正確な色判定を行い、ドロップアウトカラーを確実に除去するOCRを提供するため、赤,緑,青の色信号rd,gr,blは、色判定部31〜34と最大値検出部へ与えられ、色判定部は、それぞれ異なるクラスの基準値を基に色判定を行い、最大値検出部は色信号の最大値maxを検出し、ピーク検出部は最大値maxからピーク値peakを検出し、レベル判定部は、ピーク値peakから色信号レベルのクラスを判定し、判定結果cselを色情報選択部へ与え、色情報選択部は、判定結果cselに基づき、色判定部から出力される色判定結果の中から色信号レベルに対応する色判定結果bselを選択し、輝度信号選択部は、選択された色判定結果bselに基づいて輝度信号bwを選択出力するようにしている。(例えば、特許文献6参照)。
【0011】
しかしながら、上記特許文献6では、カラーイメージセンサの相対的な出力レベル差に影響されずに、正確な色判定を行い、ドロップアウトカラーを確実に除去するOCRを提供するが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の画像処理装置では、カラー画像から必要とする画像だけを抽出する画像処理装置及び光学式文字読取装置に関し、必要とする画像を確実に抽出できる画像処理装置及び光学式文字読取装置を提供することを目的とするため、カラー画像入力部により帳票のカラー画像をRGBの三原色で読み取り、抽出回路により読み取った三原色の成分から最大の値と最小の値を抽出し、抽出した最大値及び最小値から最大値を明度V値として、最小値を最大値で除算した値を彩度S値として抽出し、S値比較回路により彩度をS閾値と比較して、V閾値選択回路によりS値比較回路の比較結果に応じて大小2つのV閾値から1つのV閾値を選択し、V閾値選択回路で選択されたV閾値と抽出回路で抽出された明度と比較し、白又は黒を判定し、カラー画像から文字画像を抽出するようにしている。(例えば、特許文献7参照)。
【0012】
しかしながら、上記特許文献7では、カラー画像から文字画像を抽出するようにしているが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の画像読取装置では、透過原稿の種類に応じてランプの照明光量調整及び増幅器のゲイン調整を行うようにした画像読取装置を提供するため、CCDリニアイメージセンサから出力されるカラー画像信号を増幅する増幅器と、これらの増幅器の出力信号をデジタル信号に変換するAD変換器と、透過原稿を照明する光源と、光源の照明光量を変更するための着脱可能な光学的フィルタと、透過原稿の種類に応じてフィルタの特性から必要となる光源の照明光量の制御値及び増幅器の増幅ゲイン制御値を算出する制御手段とを備えた構成としたものがある。(例えば、特許文献8参照)。
【0013】
しかしながら、上記特許文献8では、透過原稿の種類に応じてランプの照明光量調整及び増幅器のゲイン調整を行うようにした画像読取装置を提供するが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
また、従来の書類撮影装置では、定型書式の複写式手書き書類のように、複写された手書き文字と予め印刷された文字とが混在している書類を撮影したときにも、両方の文字が鮮明に現れた画像を生成できる書類撮影装置の提供をおこなうため、画像処理部は、成分範囲選択増幅部でなっており、R成分範囲選択増幅部は、R成分データ及びR成分増幅パラメータを受け、パラメータの座標データで選択された所定領域枠の範囲に関するR成分データを、パラメータの増幅度のデータに従って増幅し、R成分画像補正データとして出力し、画像処理部は、青色の線を強調する処理を入力データに加えるために、地色のレベルより暗いレベルのR成分及びG成分を増幅し、暗い方向(輝度の低い方向)に下げるようにしている。(例えば、特許文献9参照)。
【0014】
しかしながら、上記特許文献9では、定型書式の複写式手書き書類のように、複写された手書き文字と予め印刷された文字とが混在している書類を撮影したときにも、両方の文字が鮮明に現れた画像を生成できる書類撮影装置の提供をおこなうが、前述のように、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識率を向上させる色調整を行うことができない。
【0015】
【特許文献1】特開2000−078602号公報
【特許文献2】特開2001−351068号公報
【特許文献3】特開2004−185183号公報
【特許文献4】特開平06−195509号公報
【特許文献5】特開平09−261494号公報
【特許文献6】特開平09−265510号公報
【特許文献7】特開平10−051655号公報
【特許文献8】特開平11−168601号公報
【特許文献9】特開平11−345318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、例えば、背景の赤色の地に青色で記載された文字・図形の認識を可能にする色調整を行うカラーカメラの色調整システム、方法及びこのシステムを用いた文字・図形認識方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、白バランス機能に本発明の新たな機能を加えるので、構成が複雑にならないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は前記問題点を解決するために、赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整システムにおいて、赤色、緑色、青色のうち1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換するイメージセンサと、前記イメージセンサで変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める輝度演算部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する最大輝度記憶部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する最小輝度記憶部と、前記最大輝度記憶部に記憶されている最大輝度と前記最小輝度記憶部に記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する輝度差記憶部と、前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記輝度差記憶部を介して前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行う最大輝度差取得色調整部とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整システムを提供する。
【0018】
さらに、前記最大輝度差取得色調整部は、1つの前記増幅率を最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差のみである場合前記画像が地だけでなると判断し最大輝度差取得の動作を停止し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最小輝度差のみである場合1つの前記増幅率を初期値の最小値に戻し、他の前記増幅率を最大に設定して次の最大輝度差の取得を行う。
前記最大輝度差取得色調整部は、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差である画素数が撮影像の画素数の1/2以上の場合には、最大輝度差である画素は地及び文字、図形の一方を形成し、最小輝度差である画素は地及び文字、図形の他方を形成すると判断する。
【0019】
さらに、前記最大輝度差取得色調整部は、前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号の任意の1つを増幅する増幅率を初期値である最小値に固定し、他の2つの電気信号の前記増幅率を順次最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶される輝度差が最大輝度差である場合の画素数と最大輝度差でない場合の画素数を比較し、地の画素数と文字、図形の画素数の大小を判断し、文字、図形の画素数が地の画素数よりも大きくなる場合、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差を反転し、文字、図形とした輝度を地の輝度とし、地とした輝度を文字、図形の輝度とする。
【0020】
さらに、本発明は、赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整システムにおいて、赤色、緑色、青色、黄色、シアン、マゼンタの1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換するイメージセンサと、前記イメージセンサで変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める輝度演算部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する最大輝度記憶部と、前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する最小輝度記憶部と、前記最大輝度記憶部に記憶されている最大輝度と前記最小輝度記憶部に記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する輝度差記憶部と、前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記輝度差記憶部を介して前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行い、前記輝度差記憶部に記憶される輝度差が最大輝度差である場合の画素数と、最大輝度差でない場合の画素数とを比較し、地の画素数と文字、図形の画素数の大小を判断し、文字、図形の画素数が地の画素数よりも大きくなる場合、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差を反転し、文字、図形とした輝度を地の輝度とし、地とした輝度を文字、図形の輝度とする最大輝度差取得色調整部とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整システムを提供する。
【0021】
さらに、前記最大輝度差取得色調整部は、1つの前記増幅率を最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差のみである場合、又は、最小輝度差のみである場合、1つの前記増幅率を初期値の最小値に戻し、他の前記増幅率を最大に設定して次の最大輝度差の取得を行う。
さらに、前記最大輝度差取得色調整部は前記イメージセンサに時分割多重化を要求する情報を提供し、前記イメージセンサは提供された情報を基に変換した赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重化し、前記最大輝度差取得色調整部は時分割多重化された赤成分、緑成分、青成分の電気信号を増幅する増幅率を前記増幅器に設定し、前記増幅部は前記最大輝度差取得色調整部により設定された増幅率で前記イメージセンサにより時分割多重化された赤成分、緑成分、青成分の電気信号を増幅する。
【0022】
さらに、本発明は、赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整方法において、赤色、緑色、青色のうち1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換する工程と、変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する工程と、増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める工程と、増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する工程と、増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する工程と、記憶されている最大輝度と記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する工程と、赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行う工程とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整方法を提供する。
さらに、本発明は、前記輝度差記憶部に記憶された輝度差を入力し、文字、図形を認識することを特徴とするカラーカメラの色調整システムを用いた文字・図形認識方法を提供する。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、通常の撮影動作には白バランス動作を用い、文字・図形認識動作には本発明の文字・図形認識色調動作を用いることで、文字・図形の記載されている色と背景の色によって文字・図形の認識率が低下することを回避することが可能になる。
例えば、赤地に青で記載された文字、図形の場合、カラーカメラで撮影し、輝度信号を抽出した場合、背景部分と文字・図形部分との輝度差がほとんどなく、輝度信号を用いて文字、図形を認識できなくなるが、赤成分、緑成分、青成分の増幅率を調整し、背景部分と文字・図形部分との輝度差を大きくし、白地に黒で記載された文字、図形の認識と同程度の輝度信号を抽出ことが可能になった。
【0024】
さらに、赤成分、緑成分、青成分の増幅率のうち任意の1つを固定して、他の2つの増幅率を調整し、背景部分と文字・図形部分との輝度差を大きくすることも可能である。
さらに、赤成分、緑成分、青成分だけでなく、黄色、シアン、マゼンタの中間色を加えた画像の撮影でも文字、図形の認識が可能になった。
さらに、赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重化し、カラーカメラへの本発明による新機能追加に対して回路構成の複雑化を回避することが可能になった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係るカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。なお、全図を通して同一の構成要素には同一の番号、符号を付す。
本図に示すように、カラーカメラの色調整システムにはレンズ101が設けられ、レンズ101は撮影像を集光する機能を有する。
【0026】
レンズ101の後部にはイメージセンサ102が設けられ、イメージセンサ102はレンズ101により集光された撮影像を結像し、結像した画像の赤成分、青成分、緑成分を電気信号にそれぞれ変換する機能を有する。
イメージセンサ102には赤成分増幅器103、緑成分増幅器104、青成分増幅器105が接続される。
【0027】
赤成分増幅器103はイメージセンサ102で変換された赤成分の電気信号を増幅する機能を有する。
緑成分増幅器104はイメージセンサ102で変換された緑成分の電気信号を増幅する機能を有する。
青成分増幅器105はイメージセンサ102で変換された青成分の電気信号を増幅する機能を有する。
【0028】
赤成分増幅器103、緑成分増幅器104、青成分増幅器105には赤成分A/D(Analog to Digital)変換器106、緑成分A/D変換器107、青成分A/D変換器108がそれぞれ接続される。
赤成分A/D変換器106は赤成分増幅器103で増幅された赤成分の電気信号をデジタル信号に変換する機能を有する。
【0029】
緑成分A/D変換器107は緑成分増幅器104で増幅された緑成分の電気信号をデジタル信号に変換する機能を有する。
青成分A/D変換器108は青成分増幅器105で増幅された青成分の電気信号をデジタル信号に変換する機能を有する。
赤成分A/D変換器106、緑成分A/D変換器107、青成分A/D変換器108には信号処理部112が接続され、信号処理部112はカラーカメラの通常撮影に用いられる白バランス調整のための色調整機能を有し、さらに、赤成分A/D変換器106、緑成分A/D変換器107、青成分A/D変換器108によりそれぞれ変換された赤成分のデジタル信号、緑成分のデジタル信号、青成分のデジタル信号を入力し、本発明に係る最大輝度差信号取得のための色調整機能を有する。
【0030】
本発明に係る最大輝度差信号取得のための色調整機能とカラーカメラの通常撮影に用いられる白バランス調整のための色調整機能は利用者により選択される。カラーカメラの通常撮影に用いられる白バランス調整のための色調整機能は本発明とは関係ないので、これ以上の説明を省略する。
信号処理部112から赤成分増幅器103には赤成分増幅率制御信号109が送られ、赤成分増幅率制御信号109は赤成分増幅器103の増幅率を制御するのに使用される。
【0031】
さらに、信号処理部112から緑成分増幅器104には緑成分増幅率制御信号110が送られ、緑成分増幅率制御信号110は緑成分増幅器104の増幅率を制御するのに使用される。
さらに、信号処理部112から青成分増幅器105には青成分増幅率制御信号111が送られ、青成分増幅率制御信号111は青成分増幅器105の増幅率を制御するのに使用される。
【0032】
赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111により制御される増幅率は初期値として全て最小値に設定され、1つずつ最大値に設定される。
信号処理部112からイメージセンサ102には画素位置情報信号119が送られ、画素位置情報信号119はイメージセンサ102から画素を取り込むのに使用される。
【0033】
信号処理部112には最大輝度記憶部113が設けられ、最大輝度記憶部113は初期値として最小値を記憶し、画素の輝度信号検出時に初期値より大きい画素の輝度を最大輝度として記憶する。
信号処理部112には最小輝度記憶部114が設けられ、最小輝度記憶部114は初期値として最小値を記憶し、画素の輝度信号検出時に初期値より大きい画素の輝度を最小輝度として記憶する。
【0034】
さらに、信号処理部112には輝度差記憶部115が設けられ、輝度差記憶部115は初期値として最小値を記憶し、画素の輝度信号検出時に初期値より大きい画素の輝度差を最大輝度差として記憶する。ここでは、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとし、輝度差が大きい画素は地を構成するとする。
さらに、信号処理部112には輝度信号演算部116が設けられ、輝度信号演算部116は赤成分A/D変換器106、緑成分A/D変換器107、青成分A/D変換器108からデジタル信号に変換された赤成分信号、緑成分信号、青成分信号を入力しこれらを演算し輝度信号を検出する。
【0035】
さらに、信号処理部112には最大輝度差取得色調整部117が設けられ、最大輝度差取得色調整部117は赤成分増幅率制御信号109だけを最大値に設定し、赤成分増幅器103の増幅率だけを最大にし、取り込んだ画素に対し、赤成分調整による最大輝度差取得動作を行う。
さらに、最大輝度差取得色調整部117は緑成分増幅率制御信号110だけを最大値に設定し、緑成分増幅器104の増幅率だけを最大にし、取り込んだ画素に対し、緑成分調整による最大輝度差取得動作を行う。
【0036】
さらに、最大輝度差取得色調整部117は青成分増幅率制御信号111だけを最大値に設定し、青成分増幅器105だけの増幅率を最大にし、取り込んだ画素に対し、青成分調整による最大輝度差取得動作を行う。
さらに、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を用いてイメージセンサ102に対して取り込む画素を要求する。
【0037】
さらに、信号処理部112には文字・図形認識部118が設けられ、文字・図形認識部118は輝度差記憶部115に得られた輝度差に対して、輝度差の小さい画素を文字202、図形203の画素として、輝度差の大きな画素を地の画素とし、輝度差を2値化し、白地に黒で記載された文字202、図形203と同様に、文字202、図形203の認識を行う。文字202、図形203の認識自体は周知の技術であるので説明を省略する。
【0038】
図2はレンズ101により撮影される撮影像の一例を示す図である。本図(a)に示すように、撮影像200には背景の赤色の地201に青色で文字202の「アイウ」が記載されており、本図(b)に示すように、撮影像200は赤色の地201に青色の図形(バーコード)203が記載されているとする。従来技術で説明したように、通常、撮影像200の赤色の地201と青色の文字202・図形203とは輝度がほぼ同じであり、双方の間には輝度差がない。
【0039】
本図(a)において、例えば、背景の赤色の地201が赤色で、文字202の「アイ」が青色で「ウ」が緑色であってもよい。すなわち、文字202、図形203の色は、地201の色以外の2色であても、後述する図5、図6、図7の説明するように、最大輝度差取得が可能であるからである。
なお、撮影像200の横方向、縦方向の矢印に従って画素がイメージセンサ102から最大輝度差取得色調整部117に取り込まれる。
【0040】
図3は図1における赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111に設定される値を説明する図である。本図に示すように、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111には初期値として最小値がそれぞれ設定される。
赤成分調整時には、赤成分増幅率制御信号109には最大値が設定され、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111には初期値の最小値がそれぞれ設定される。
【0041】
緑成分調整時には、緑成分増幅率制御信号110には最大値が設定され、青成分増幅率制御信号111、赤成分増幅率制御信号109には初期値の最小値がそれぞれ設定される。
青成分調整時には、青成分増幅率制御信号111には最大値が設定され、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110には初期値の最小値がそれぞれ設定される。
【0042】
図4は図1における最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114の初期値、赤、緑、青成分調整時の検出輝度信号の大きさを説明する図である。本図に示すように、最大輝度記憶部113の初期値を「a1」とし、最小輝度記憶部114の初期値を「b1」とする。
さらに、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111の全てに初期値(最小値)を設定した場合の検出輝度信号の大きさを「c1」とする。
【0043】
さらに、赤、緑、青成分調整時に赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111の1つに最大値を設定し他の2つに初期値(最小値)を設定した場合の検出輝度信号の大きさを「d1」とする。
さらに、輝度差記憶部115の初期値を「a1−b1」とする。
この場合、d1、a1、b1、c1には次の大小関係がある。
【0044】
d1>a1>c1>b1
a1−b1>a1−c1
図5、図6は図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
図5に示すように、ステップ301において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111を初期値(最小値)にそれぞれ設定し、輝度差記憶部115を初期値に設定する。
【0045】
ステップ302において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ303において、i=0、j=0とする。
ステップ304において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103に赤成分増幅率制御信号109の最大値を設定する。
【0046】
ステップ305において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103の調整を開始する。
ステップ306において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ307において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
【0047】
ステップ308において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ310に進む。
ステップ309において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
【0048】
ステップ310において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ312に進む。
ステップ311において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
【0049】
ステップ312において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ313に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ314に進む。
【0050】
ステップ313において、この場合、取り込んだ画素が緑成分又は青成分の画素で赤成分増幅率制御信号109の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし緑色又は青色の文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ316に進む。
【0051】
ステップ314において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ315において、この場合、取り込んだ画素が赤成分の画素で赤成分増幅率制御信号109の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景が赤色地となるべき画素数の計算を行う。
【0052】
ステップ316において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ317において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ306に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0053】
図6に示すように、ステップ318において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、赤成分増幅率制御信号109の最大値設定を解除する。
ステップ319において、赤成分増幅器103の調整を終了する。
ステップ320において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ323に進む。
【0054】
ステップ321において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は赤色のみの画素からなると判断する。
ステップ322において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
【0055】
ステップ323において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ329に進む。
ステップ324において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.999等しいか又はこれよりも小さい場合、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ325において、j/i+jと0.5を比較する。赤色の画素が地201になるか、又は、文字202、図形203になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ328に進む。
【0056】
ステップ326において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、赤色の画素を背景の地201の画素と確定する。
ステップ327において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図11における(1)又は(2)に示すように、地201が赤色、文字202、図形203が緑色、青色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202・図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0057】
すなわち、背景が赤色の地201に緑色又は青色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。処理を終了する。
ステップ328において、この場合、赤色の画素を背景の地201と確定することが不可能と判断して、ステップ331に進み、次の処理に委ねる。
ステップ329において、最大輝度差取得色調整部117は、この場合、撮影像200が赤色以外の画素からなると判断する。
【0058】
ステップ330において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度差取得の可能性があると判断する。
ステップ331において、最大輝度差取得色調整部117は、図7に進み、次の色調整の処理を行う。
図7、図8は図5、図6の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【0059】
図7に示すように、ステップ341において、図6のステップ331に続き、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115を初期値に設定する。
ステップ342において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ343において、i=0、j=0とする。
【0060】
ステップ344において、最大輝度差取得色調整部117は、緑成分増幅器104に緑成分増幅率制御信号110の最大値を設定する。
ステップ345において、最大輝度差取得色調整部117は、緑成分増幅器104の調整を開始する。
ステップ346において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
【0061】
ステップ347において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
ステップ348において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ350に進む。
【0062】
ステップ349において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
ステップ350において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ352に進む。
【0063】
ステップ351において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
ステップ352において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ353に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ354に進む。
【0064】
ステップ353において、この場合、取り込んだ画素が青成分又は赤成分の画素で緑成分増幅率制御信号110の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし青色又は赤色の文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ356に進む。
【0065】
ステップ354において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ355において、この場合、取り込んだ画素が緑成分の画素で緑成分増幅率制御信号110の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景が緑色の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0066】
ステップ356において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ357において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ346に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0067】
図8に示すように、ステップ358において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、緑成分増幅率制御信号110の最大値設定を解除する。
ステップ359において、緑成分増幅器104の調整を終了する。
ステップ360において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ363に進む。
【0068】
ステップ361において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は緑色のみの画素からなると判断する。
ステップ362において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
【0069】
ステップ363において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ369に進む。
ステップ364において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.999等しいか又はこれよりも小さい場合、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ365において、j/i+jと0.5を比較する。緑色の画素が地201になるか、又は、文字202、図形203になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ368に進む。
【0070】
ステップ366において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、緑色の画素を背景の地201の画素と確定する。
ステップ367において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図11における(3)又は(4)に示すように、地201が緑色、文字202、図形203が青色、赤色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0071】
すなわち、背景が緑色の地201に青色又は赤色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。処理を終了する。
ステップ368において、この場合、緑色の画素を背景の地201と確定することが不可能と判断して、ステップ371に進み、次の処理に委ねる。
ステップ369において、最大輝度差取得色調整部117は、この場合、撮影像200が赤色、緑色以外の画素からなると判断する。
【0072】
ステップ370において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度差取得の可能性があると判断する。
ステップ371において、最大輝度差取得色調整部117は、図9に進み、次の色調整の処理を行う。
図9、図10は図7、図8の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【0073】
図9に示すように、ステップ381において、図8のステップ371に続き、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115を初期値に設定する。
ステップ382において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ383において、i=0、j=0とする。
【0074】
ステップ384において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105に青成分増幅率制御信号111の最大値を設定する。
ステップ385において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105の調整を開始する。
ステップ386において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
【0075】
ステップ387において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
ステップ388において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ390に進む。
【0076】
ステップ389において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
ステップ390において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ392に進む。
【0077】
ステップ391において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
ステップ392において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ393に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ394に進む。
【0078】
ステップ393において、この場合、取り込んだ画素が赤成分又は緑成分の画素で青成分増幅率制御信号111の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし赤色又は緑色の文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ396に進む。
【0079】
ステップ394において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ395において、この場合、取り込んだ画素が青成分の画素で青成分増幅率制御信号111の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景が青色の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0080】
ステップ396において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ397において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ386に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0081】
図10に示すように、ステップ398において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、青成分増幅率制御信号111の最大値設定を解除する。
ステップ399において、青成分増幅器105の調整を終了する。
ステップ400において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ403に進む。
【0082】
ステップ401において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は青色のみの画素からなると判断する。
ステップ402において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
【0083】
ステップ403において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ404において、最大輝度差取得色調整部117は青色の画素を背景の地201の画素と確定する。
【0084】
ステップ405において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図11における(5)又は(6)に示すように、地201が青色、文字202、図形203が赤色、緑色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0085】
すなわち、背景が青色の地201に赤色又は緑色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。処理を終了する。
以上の説明では、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111の順番で赤成分増幅器103、緑成分増幅器104、青成分増幅器105に対して、最大増幅率の設定を行ったが、この順番は一例でありこれに制限されず、他の順番でもよい。以下同様である。
【0086】
また、図6のステップ320、図8のステップ360、図10のステップ400ではj/i+jと0.001の比較を行っているが、比較の対象である「0.001」は一例であり、文字・図形認識部118による文字202、図形203の認識に最適な数値が選択される。以下同様である。
さらに、図6のステップ323、図8のステップ363ではj/i+jと0.999の比較を行っているが、比較の対象である「0.999」は一例であり、文字・図形認識部118による文字202、図形203の認識に最適な数値が選択される。以下同様である。
【0087】
さらに、以上の説明では、地201の輝度を文字202、図形203の輝度よりも大きいとしたが、逆にであってもよい。文字・図形認識部118でどちらかに決めておけばよいことだからである。以下同様である。
図11は図2における撮影像200の地201と文字202、図形203との赤色、緑色、青色の3原色の組み合わせを説明する図である。撮影像200における背景の地201の色、文字202、図形203の色の組み合わせ例として、本図(a)に示すように、地201の赤色には文字202、図形203の緑色又は青色が対応し、地201の緑色には文字202、図形203の青色又は赤色が対応し、地201の青色には文字202、図形203の赤色又は緑色が対応する組み合わせがある。
【0088】
前述のように、図11の(1)、(2)の組み合わせに対して、最大輝度差を取得するためには、図5、図6の処理が必要であり、図11の(3)、(4)の組み合わせに対して、最大輝度差を取得するためには、図5、図6→図7、図8の処理が必要であり、図11の(5)、(6)の組み合わせに対して、最大輝度差を取得するためには、図5、図6→図7、図8→図9、図10の処理が必要である。
本図(b)に示すように、地201の赤色には文字202、図形203の緑色及び青色が対応し、地201の緑色には文字202、図形203の青色及び赤色が対応し、地201の青色には文字202、図形203の赤色及び緑色が対応する組み合わせであってもよい。この場合でも、最大輝度差取得が可能である。地201と文字202、図形203の組み合わせの数を増すことが可能になる。
【0089】
したがって、本発明によれば、増幅率を最小に設定した赤成分、緑成分、青色成分の増幅器の増幅率を順番に最大にして、例えば、背景の赤色の地201に青色で記載された文字202、図形203に対しては、赤成分増幅器の増幅率を最大にして背景の赤色の地201の画素の輝度差を最大にし、青色で記載された文字202、図形203の画素の輝度差を最小にする色調整を行うようにしたので、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、文字202、図形203の認識が可能になる。
【実施例1】
【0090】
図12は図1の第1の変形例で1つの増幅器の増幅率を最小に固定した場合のカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、図1と比較して、一例として、赤成分増幅器103、青成分増幅器105の増幅率を調整可能にし、緑成分増幅器104の増幅率を固定にしている。すなわち、赤成分増幅率制御信号109、青成分増幅率制御信号111が赤成分増幅器103、青成分増幅器105の増幅率をそれぞれ制御するようにしてある。
【0091】
上記例は一例であるので、増幅率を固定するものは、赤成分増幅器103、緑成分増幅器104、青成分増幅器105のうちいずれでもよい。
さらに、信号処理部112には輝度差反転部120が設けられ、輝度差反転部120は最小輝度記憶部114の輝度差を反転する機能を有する。
このようにしても、例えば、背景の赤色の地201に青色の文字202、図形203に対して、背景の赤色の地201の画素の輝度を最大にし、青色で記載された文字202、図形203の画素の輝度を最小にすることが以下のように可能である。
【0092】
図13、図14は図12における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
図13に示すように、ステップ421において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110を初期値(最小値)にそれぞれ設定し、輝度差記憶部115を初期値に設定する。
【0093】
ステップ422において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ423において、i=0、j=0とする。
ステップ424において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103に赤成分増幅率制御信号109の最大値を設定する。
【0094】
ステップ425において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103の調整を開始する。
ステップ426において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ427において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
【0095】
ステップ428において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ430に進む。
ステップ429において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
【0096】
ステップ430において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ432に進む。
ステップ431において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
【0097】
ステップ432において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ433に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ434に進む。
【0098】
ステップ433において、この場合、取り込んだ画素が緑成分又は青成分の画素で赤成分増幅率制御信号109の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし緑色又は青色の文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ436に進む。
【0099】
ステップ434において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ435において、この場合、取り込んだ画素が赤成分の画素で赤成分増幅率制御信号109の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景が赤色の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0100】
ステップ436において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ437において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ426に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0101】
図14に示すように、ステップ438において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、赤成分増幅率制御信号109の最大値設定を解除する。
ステップ439において、赤成分増幅器103の調整を終了する。
ステップ440において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ443に進む。
【0102】
ステップ441において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は赤色のみの画素からなると判断する。
ステップ442において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
【0103】
ステップ443において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ450に進む。
ステップ444において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.999等しいか又はこれよりも小さい場合、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ445において、j/i+jと0.5を比較する。赤色の画素が地201になるか、又は、文字202、図形203になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ448に進む。
【0104】
ステップ446において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、赤色の画素を背景の地201の画素と確定する。
ステップ447において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図17における(1)又は(2)に示すように、地201が赤色、文字202、図形203が緑色、青色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0105】
すなわち、背景が赤色の地201に緑色又は青色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。処理を終了する。
ステップ448において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は輝度差反転部120に対して輝度差記憶部115に記憶されている輝度差のデータを反転させる。
ステップ449において、最大輝度差取得色調整部117は、輝度差記憶部115の反転された輝度差に対して、赤色の画素を文字202、図形203の画素として確定し、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。ステップ487に進む。すなわち、後述する図17における(4)又は(5)に示すように、地201が緑色又は青色、文字202、図形203が赤色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0106】
ステップ450において、最大輝度差取得色調整部117は、この場合、撮影像200が赤色以外の画素からなると判断する。
ステップ451において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度差取得の可能性があると判断する。
ステップ452において、最大輝度差取得色調整部117は、図15に進み、次の色調整の処理を行う。
【0107】
図15、図16は図13、図14の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
図15に示すように、ステップ461において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115を初期値に設定する。
ステップ462において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
【0108】
ステップ463において、i=0、j=0とする。
ステップ464において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105に青成分増幅率制御信号111の最大値を設定する。
ステップ465において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105の調整を開始する。
【0109】
ステップ466において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ467において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
ステップ468において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ470に進む。
【0110】
ステップ469において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
ステップ470において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ472に進む。
【0111】
ステップ471において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
ステップ472において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ473に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ474に進む。
【0112】
ステップ473において、この場合、取り込んだ画素が赤成分又は緑成分の画素で青成分増幅率制御信号111の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし赤色又は緑色の文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ476に進む。
【0113】
ステップ474において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ475において、この場合、取り込んだ画素が青成分の画素で青成分増幅率制御信号111の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景が青色の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0114】
ステップ476において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ477において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ466に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0115】
図16に示すように、ステップ478において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、青成分増幅率制御信号111の最大値設定を解除する。
ステップ479において、青成分増幅器105の調整を終了する。
ステップ480において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ483に進む。
【0116】
ステップ481において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は青色のみの画素からなると判断する。
ステップ482において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
ステップ483において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を可能と判断する。
【0117】
ステップ484において、j/i+jと0.5を比較する。青色の画素が地201になるか、又は、文字202、図形203になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ487に進む。
ステップ485において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、青色の画素を背景の地201の画素と確定する。
【0118】
ステップ486において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図17における(6)に示すように、地201が青色、文字202、図形203が緑色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0119】
すなわち、背景が青色の地201に緑色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。処理を終了する。
ステップ487において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は輝度差反転部120に対して輝度差記憶部115に記憶されている輝度差のデータを反転させる。
ステップ488において、最大輝度差取得色調整部117は、輝度差記憶部115の反転された輝度差に対して、青色の画素を文字202、図形203の画素として確定し、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。ステップ488に進む。すなわち、後述する図17における(3)に示すように、地201が緑色、文字202、図形203が青色に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
すなわち、背景が緑色の地201に青色で記載された文字202、図形203の認識が可能になる。
【0120】
以上における図13−16の説明では、赤成分増幅率制御信号109、青成分増幅率制御信号111の順番で赤成分増幅器103、青成分増幅器105に対して、最大増幅率の設定を行ったが、この順番は一例でありこれの逆であってもよい。
図17は図11を用いて図13−図16の最大輝度差取得色調整部117の最大輝度差取得動作例に基づく、撮影像200の地201の色と文字202、図形203の色の組み合わせを説明する図である。
【0121】
輝度差反転部120を設けて、最大輝度差と最小輝度差の画素を相互に反転するようにし、図11の組み合わせの実現を可能にするようにした。
最大輝度差を取得するためには、前述のように、図13、図14の処理、図13、図14(反転:ステップ448、ステップ449参照)の処理、図13、図14→図15、図16の処理、図13、図14→図15、図16(反転:ステップ487、ステップ488参照)の処理が必要である。
【0122】
したがって、本発明によれば、緑成分増幅器104の増幅率を固定し、赤成分増幅器103、青成分増幅器105の増幅率を可変にすることにより、例えば、背景の赤色の地201に青色の文字202、図形203に対して、背景の赤色の地201の画素の輝度を最大にし、青色で記載された文字202、図形203の画素の輝度を最小にすることが可能になる。
【0123】
図12の構成例では緑成分増幅器104の増幅率を固定し、図13−図16の例では、赤成分増幅器103、青成分増幅器105の増幅率を可変にしたが、この例は一例であり、赤成分増幅器103、緑成分増幅器104、青成分増幅器105のうち任意の1つを固定し、他の2つを可変にするように同様の効果を得ることが可能である。
したがって、本発明によれば、増幅率を最小に設定した赤成分、緑成分、青色成分の増幅器の任意の1つの増幅率を最小に固定し、他の2つを交互に最大にして、増幅率を最小に設定した赤成分、青色成分の増幅器の増幅率を順番に最大にして、例えば、背景の赤色の地201に青色で記載された文字202、図形203に対しては、赤成分増幅器の増幅率を最大にして背景の赤色の地201の画素の輝度差を最大にし、青色で記載された文字202、図形203の画素の輝度差を最小にする色調整を行うようにし、背景の赤色の地201に青色で記載された文字202、図形203に対しては、青成分増幅器の増幅率を最大にした場合には、得られた輝度差を反転するようにしたので、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、文字202、図形203の認識が可能になる。
【実施例2】
【0124】
以上は、赤色、緑色、青色の3原色について説明したが、さらに、中間色として、黄色、シアン、マゼンタを加えた場合の最大輝度差取得について、図1の構成を用いて、説明する。
図18、図19は図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【0125】
図18に示すように、ステップ501において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111を初期値(最小値)にそれぞれ設定し、輝度差記憶部115を初期値に設定する。
ステップ502において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
【0126】
ステップ503において、i=0、j=0とする。
ステップ504において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103に赤成分増幅率制御信号109の最大値を設定する。
ステップ505において、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分増幅器103の調整を開始する。
【0127】
ステップ506において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ507において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
ステップ508において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ510に進む。
【0128】
ステップ509において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
ステップ510において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ512に進む。
【0129】
ステップ511において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
ステップ512において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ513に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ514に進む。
【0130】
ステップ513において、この場合、取り込んだ画素が赤成分増幅率制御信号109の最大値設定にもかかわらずその輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ516に進む。
【0131】
ステップ514において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ515において、この場合、取り込んだ画素が赤成分増幅率制御信号109の最大値設定でその輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0132】
ステップ516において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ517において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ506に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0133】
図19に示すように、ステップ518において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、赤成分増幅率制御信号109の最大値設定を解除する。
ステップ519において、赤成分増幅器103の調整を終了する。
ステップ520において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ521に進む。
【0134】
ステップ521において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は赤色、黄色、マゼンタのみの画素からなると判断する。すなわち、撮影像200は赤色、黄色、マゼンタ単独の画素の場合と、さらに、赤色と黄色の画素、黄色とマゼンタの画素、マゼンタと赤色の画素からなる2つの色の組み合わせの場合がある。
【0135】
撮影像200が赤色と黄色の画素、黄色とマゼンタの画素、マゼンタと赤色の画素である場合には、一方の色が地201であり、他方の色が文字202、図形203である場合があり、最大輝度差取得の可能性がある。このため、ステップ530に進み、図14、図15で最大輝度差取得の処理を行う。なお、撮影像200が赤色、黄色、マゼンタ単独の画素である場合には最大輝度差取得が不可であるので、この場合には、後述する図23のステップ602で最大輝度差取得不可の処理を行う。
【0136】
ステップ522において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ529に進む。
ステップ523において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.999等しいか又はこれよりも小さい場合、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ524において、j/i+jと0.5を比較する。赤色、黄色又はマゼンタのいずれか1つの画素が地201の画素になるか、又は、文字202、図形203の画素になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ527に進み、図20−図23の処理に委ねる。
【0137】
ステップ525において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、赤色、黄色又はマゼンタのいずれか1つの画素を背景の地201の画素と確定する。
ステップ526において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図24の(1)、(2)、(8)、(9)、(15)、(23)、(24)、(26)、(27)が対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。処理を終了する。
【0138】
ステップ527において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は輝度差反転部120に対して輝度差記憶部115に記憶されている輝度差のデータを反転させる。
ステップ528において、最大輝度差取得色調整部117は、輝度差記憶部115の反転された輝度差に対して、赤色、黄色又はマゼンタのいずれか1つの画素を文字202、図形203の画素と確定し、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。ステップ526に進む。すなわち、後述する図24の(4)、(5)、(11)、(16)、(19)、(20)が対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0139】
ステップ529において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、撮影像200が赤色、黄色、マゼンタ以外の画素からなると判断し、図20−図23の処理に委ねる。
ステップ530において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度差取得の可能性があると判断する。
【0140】
ステップ5に531いて、最大輝度差取得色調整部117は、図20に進み、次の色調整の処理を行う。
図20、図21は図18、図19の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
図20に示すように、ステップ541において、図19のステップ532に続き、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115を初期値に設定する。
【0141】
ステップ542において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ543において、i=0、j=0とする。
ステップ345において、最大輝度差取得色調整部117は、緑成分増幅器104に緑成分増幅率制御信号110の最大値を設定する。
【0142】
ステップ544において、最大輝度差取得色調整部117は、緑成分増幅器104の調整を開始する。
ステップ546において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ547において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
【0143】
ステップ548において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ550に進む。
ステップ549において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
【0144】
ステップ550において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ552に進む。
ステップ551において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
【0145】
ステップ552において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ553に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ554に進む。
【0146】
ステップ553において、この場合、取り込んだ画素が緑成分増幅率制御信号110の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし文字202、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ556に進む。
【0147】
ステップ554において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ555において、この場合、取り込んだ画素が緑成分増幅率制御信号110の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0148】
ステップ556において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ557において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ346に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0149】
図21に示すように、ステップ558において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、緑成分増幅率制御信号110の最大値設定を解除する。
ステップ559において、緑成分増幅器104の調整を終了する。
ステップ560において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ563に進む。
【0150】
ステップ561において、最大輝度差取得色調整部117は、撮影像200が緑色、黄色、マゼンタのみの画素からなると判断する。すなわち、撮影像200は緑色、黄色、マゼンタ単独の画素の場合と、さらに、緑色と黄色の画素、黄色とマゼンタの画素、マゼンタと緑色の画素からなる2つの色の組み合わせの場合がある。
【0151】
撮影像200が緑色と黄色の画素、黄色とマゼンタの画素、マゼンタと緑色の画素である場合には、一方の色が地201であり、他方の色が文字202、図形203である場合があり、最大輝度差取得の可能性がある。このため、ステップ570に進み、図22、図23の処理に委ねる。
なお、撮影像200が緑色、黄色、マゼンタ単独の画素である場合には最大輝度差取得を不可であるので、この場合には、後述する図23のステップ602で最大輝度差取得不可の処理を行う。
【0152】
ステップ562において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ569に進む。
ステップ563において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.999等しいか又はこれよりも小さい場合、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ564において、j/i+jと0.5を比較する。緑色、黄色又はシアンのいずれか1つの画素が地201の画素になるか、又は、文字202、図形203の画素になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ567に進む。
【0153】
ステップ565において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、緑色、黄色又はシアンのいずれか1つの画素を背景の地201の画素と確定する。
ステップ566において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図24における(3)、(7)、(12)、(17)、(22)、(28)、(30)に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。処理を終了する。
【0154】
ステップ567において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は輝度差反転部120に対して輝度差記憶部115に記憶されている輝度差のデータを反転させる。
ステップ568において、最大輝度差取得色調整部117は、輝度差記憶部115の反転された輝度差に対して、緑色、黄色、又はシアンのいずれか1つの画素を文字202、図形203の画素と確定し、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。ステップ566に進む。すなわち、後述する図24の(6)、(10)、(13)、(21)が対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字・図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0155】
ステップ569において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、撮影像200が緑色、黄色又はマゼンタ以外の画素からなると判断し、図22、図23の処理に委ねる。
ステップ570において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度差取得の可能性があるとと判断する。
【0156】
ステップ571において、最大輝度差取得色調整部117は、図22に進み、次の色調整の処理を行う。
図22、図23は図20、図21の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
図22に示すように、ステップ581において、最大輝度差取得色調整部117は、図21のステップ571に続き、輝度差記憶部115を初期値に設定する。
【0157】
ステップ582において、最大輝度差取得色調整部117は、取り込み画素位置の初期化を行う。
ステップ583において、i=0、j=0とする。
ステップ584において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105に青成分増幅率制御信号111の最大値を設定する。
【0158】
ステップ585において、最大輝度差取得色調整部117は、青成分増幅器105の調整を開始する。
ステップ586において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113に初期値(a1)を設定、最小輝度記憶部114に初期値(b1)を設定する。
ステップ587において、最大輝度差取得色調整部117は画素位置情報信号119を介して1画素輝度信号を取り込む。
【0159】
ステップ588において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最大輝度記憶部113の初期値(a1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)と等しいか又は小さい場合にはステップ590に進む。
ステップ589において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最大輝度記憶部113の初期値(a1)よりも大きい場合には、最大輝度記憶部113に設定されている初期値(a1)を輝度信号の大きさ(d1)に書き替える。
【0160】
ステップ590において、最大輝度差取得色調整部117は輝度信号演算部116からの検出輝度信号の大きさと最小輝度記憶部114の初期値(b1)とを比較する。検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)と等しいか又は大きい場合にはステップ592に進む。
ステップ591において、最大輝度差取得色調整部117は検出輝度信号の大きさが最小輝度記憶部114の初期値(b1)よりも小さい場合には、最小輝度記憶部114に設定されている初期値(b1)を輝度信号の大きさ(c1)に書き替える。
【0161】
ステップ592において、最大輝度差取得色調整部117は最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114に記憶されている値について、最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算を行い、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)と最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果と比較を行う。輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(a1−c1)よりも大きい場合にはステップ593に進み、輝度差記憶部115の初期値(a1−b1)が最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)と等しいか又は小さい場合にはステップ594に進む。
【0162】
ステップ593において、この場合、取り込んだ画素が青成分増幅率制御信号111の最大値設定にもかかわらず輝度が小さいことを意味する。すなわち、jは輝度差の小さい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の小さい画素は文字202、図形203を構成するとする。j=j+1とし文字、図形203となるべき画素数を計算し、ステップ596に進む。
【0163】
ステップ594において、最大輝度差取得色調整部117は輝度差記憶部115に設定されている初期値(a1−b1)を最大輝度記憶部113−最小輝度記憶部114の演算結果(d1−b1)に書き替える。
ステップ595において、この場合、取り込んだ画素が青成分増幅率制御信号111の最大値設定で輝度が大きくなったことを意味する。すなわち、iは輝度差の大きい画素の数を意味し、前述のように、輝度差の大きい画素は地201を構成するとする。i=i+1とし背景の地201となるべき画素数の計算を行う。
【0164】
ステップ596において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素であるか否かを判断する。
ステップ597において、最大輝度差取得色調整部117は取り込んだ画素が最終画素でない場合、取り込み画素のアドレスを加算し、ステップ586に戻り、次の画素に対する最大輝度差取得動作を続行する。
【0165】
図23に示すように、ステップ598において、最大輝度差取得色調整部117は取り込み画素が最終画素である場合、青成分増幅率制御信号111の最大値設定を解除する。
ステップ599において、青成分増幅器105の調整を終了する。
ステップ600において、最大輝度差取得色調整部117はj/i+jを演算しj/i+jと0.001を比較する。j/i+jが0.001と等しいか又はこれよりも大きい場合、ステップ603に進む。
【0166】
ステップ601において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jが0.001よりも小さい場合、撮影像200は青色、シアン又はマゼンタの単独画素からなると判断する。
ステップ602において、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を不可と判断して処理を終了する。
【0167】
ステップ603において、最大輝度差取得色調整部117は、j/i+jと0.999を比較する。j/i+jが0.999よりも大きい場合、ステップ605に進む。
ステップ604において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、撮影像200が文字202、図形203となるべき赤色、黄色又は緑色の単独画素からなると判断する。ステップ602に進み、最大輝度差取得不可の処理を行う。
【0168】
ステップ605において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は、最大輝度差取得を可能と判断する。
ステップ606において、j/i+jと0.5を比較する。青色、シアン又はマゼンタのいずれか1つの画素が地201の画素になるか、又は、文字202、図形203の画素になるかの判断を行う。j/i+jが0.5よりも大きい場合、ステップ609に進む。
ステップ607において、最大輝度差取得色調整部117、j/i+jが0.5と等しいか又は小さい場合、青色、シアン又はマゼンタのいずれか1つの画素を背景の地201の画素と確定する。
【0169】
ステップ608において、最大輝度差取得色調整部117は、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。すなわち、後述する図24の(25)、(29)に対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。処理を終了する。
【0170】
ステップ609において、この場合、最大輝度差取得色調整部117は輝度差反転部120に対して輝度差記憶部115に記憶されている輝度差のデータを反転させる。
ステップ610において、最大輝度差取得色調整部117は、輝度差記憶部115の反転された輝度差に対して、青色、シアン又はマゼンタのいずれか1つの画素を文字202、図形203の画素と確定し、文字・図形認識部118で文字202、図形203を認識することが可能と判断する。ステップ608に進む。すなわち、後述する図24の(14)、(18)が対応する。輝度差記憶部115の輝度差を文字・図形認識部118に送り、文字・図形認識部118に対して認識を行わせ、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、認識が可能になる。
【0171】
図24は図2における撮影像200の地201と文字202、図形203の赤色、緑色、青色の3原色、黄色、シアン、マゼンタの3つの中間色の組み合わせを説明する図である。
本図に示すように、地201と文字202、図形203の色の組み合わせでは、赤色、緑色、青色の3原色、黄色、シアン、マゼンタの3つの中間色から任意の異なる2つの色を選択して地201の色、文字202、図形203の色とした撮影像200は30種類の組み合わせがある。
【0172】
図24の30種類の組み合わせに対して、最大輝度差を取得するためには、前述のように、図18、図19の処理、図18、図19(反転:ステップ527、528参照)の処理、図18、図19→図20、図21の処理、図18、図19→図20、図21(反転:ステップ567、ステップ568参照)の処理、図18、図19→図20、図21→図22、図23の処理、図18、図19→図20、図21→図22、図23(反転:ステップ609、ステップ610参照)の処理が必要である。
【0173】
したがって、本発明によれば、増幅率を最小に設定した赤成分、緑成分、青色成分の増幅器の増幅率を順番に最大にして、赤色、緑色、青色の3原色、黄色、シアン、マゼンタの中間色のうち任意に組み合わせた2色の一方の地201の色の輝度差を最大にし、文字202、図形203の色の輝度差を最小にする色調整を行うようにしたので、従来のように、白色の地に黒色で記載されている文字202、図形203の認識と同様に認識率を低下させずに、文字202、図形203の認識が可能になる。
【実施例3】
【0174】
図25は図1の第3の変形例で画素の赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重にした場合のカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。本図に示すように、図1と比較して、イメージセンサ102と信号処理部112の間に増幅器131、A/D変換器132が設けられる。
イメージセンサ102は変換した画素の赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重化し増幅器131に出力する。
【0175】
増幅器131はイメージセンサ102で変換され、時分割多重化された画素の赤成分、緑成分、青成分の電気信号を増幅する機能を有する。
A/D変換器132は増幅器131で増幅された赤成分、緑成分、青成分の時分割多重の電気信号をデジタル信号に変換する機能を有する。
信号処理部112から増幅器131には増幅率制御信号133が送られ、増幅率制御信号133は増幅器131の増幅率を制御するのに使用される。
【0176】
このように、1対に減らした増幅器131、A/D変換器132に対してイメージセンサ102で変換された画素の赤成分、緑成分、青成分の電気信号が時分割多重化される。
さらに、増幅率制御信号133には、赤成分増幅率制御信号、緑成分増幅率制御信号、青成分増幅率制御信号が時分割多重化される。
図26は図25の最大輝度差取得色調整部117の時分割多重化時の動作例を説明する図である。
【0177】
本図(a)に示すように、最大輝度差取得色調整部117はイメージセンサ102に対して画素位置情報信号119を介し取り込まれる画素に関し、一例として、赤成分電気信号、緑成分電気信号、青成分電気信号の順番に時分割多重化するように要求する。
本図(b)に示すように、最大輝度差取得色調整部117は、赤成分電気信号、緑成分電気信号、青成分電気信号の順番に時分割多重化する要求に対し、増幅率制御信号133を介して、増幅器131に赤成分増幅率制御信号の最大設定(図5対応)、緑成分増幅率制御信号の最大設定(図7対応)、青成分増幅率制御信号の最大設定(図9対応)を行う。
したがって、本発明によれば、回路構成の複雑化を回避することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0178】
本発明は、デジタルのカラーカメラのみならず、カラーカメラ機能を有する携帯電話機簡易電話機(PHS)、携帯情報端末(PDA)等の携帯電子機器に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0179】
【図1】本発明に係るカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】レンズ101により撮影される撮影像の一例を示す図である。
【図3】図1における赤成分増幅率制御信号109、緑成分増幅率制御信号110、青成分増幅率制御信号111に設定される値を説明する図である。
【図4】図1における最大輝度記憶部113、最小輝度記憶部114の初期値、赤、緑、青成分調整時の検出輝度信号の大きさを説明する図である。
【図5】図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図6】図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図7】図5、図6の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図8】図5、図6の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図9】図7、図8の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図10】図7、図8の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得動作例を説明するフローチャートである。
【図11】図2における撮影像200の地201の色と文字202、図形203の色の組み合わせを説明する図である。
【図12】図1の第1の変形例で1つの増幅器の増幅率を最小に固定した場合のカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【図13】図12における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
【図14】図12における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
【図15】図13、図14の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
【図16】図13、図14の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で1つの増幅率を固定した動作例を説明するフローチャートである。
【図17】図11を用いて図13−図16の最大輝度差取得色調整部117の最大輝度差取得動作例に基づく、撮影像200の地201の色と文字202、図形203の色の組み合わせを説明する図である。
【図18】図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図19】図1における最大輝度差取得色調整部117の赤成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図20】図18、図19の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図21】図18、図19の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の緑成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図22】図20、図21の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図23】図20、図21の継続処理で、最大輝度差取得色調整部117の青成分調整による最大輝度差取得で中間色を加えた動作例を説明するフローチャートである。
【図24】図2における撮影像200の地201と文字202、図形203の赤色、緑色、青色の3原色、黄色、シアン、マゼンタの3つの中間色の組み合わせを説明する図である。
【図25】図1の第3の変形例で画素の赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重にした場合のカラーカメラの色調整システムの概略構成を示すブロック図である。
【図26】図25の最大輝度差取得色調整部117の時分割多重化時の動作例を説明する図である。
【符号の説明】
【0180】
101…レンズ
102…イメージセンサ
103…赤成分増幅器
104…緑成分増幅器
105…青成分増幅器
106…赤成分A/D変換器
107…緑成分A/D変換器
108…青成分A/D変換器
109…赤成分増幅率制御信号
110…緑成分増幅率制御信号
111…青成分増幅率制御信号
112…信号処理部
113…最大輝度記憶部
114…最小輝度記憶部
115…輝度差記憶部
116…輝度信号演算部
117…最大輝度差取得色調整部
118…文字・図形認識部
119…画素位置情報信号
120…輝度差反転部
131…増幅器
132…A/D変換器
133…増幅率制御信号
200…撮影像
201…地
202…文字
203…図形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整システムにおいて、
赤色、緑色、青色のうち1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換するイメージセンサと、
前記イメージセンサで変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める輝度演算部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する最大輝度記憶部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する最小輝度記憶部と、
前記最大輝度記憶部に記憶されている最大輝度と前記最小輝度記憶部に記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する輝度差記憶部と、
前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記輝度差記憶部を介して前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行う最大輝度差取得色調整部とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整システム。
【請求項2】
前記最大輝度差取得色調整部は、1つの前記増幅率を最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差のみである場合前記画像が地だけでなると判断し最大輝度差取得の動作を停止し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最小輝度差のみである場合1つの前記増幅率を初期値の最小値に戻し、他の前記増幅率を最大に設定して次の最大輝度差の取得を行うことを特徴とする、請求項1に記載のカラーカメラの色調整システム。
【請求項3】
前記最大輝度差取得色調整部は、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差である画素数が撮影像の画素数の1/2以上の場合には、最大輝度差である画素は地及び文字、図形の一方を形成し、最小輝度差である画素は地及び文字、図形の他方を形成すると判断することを特徴とする、請求項1に記載のカラーカメラの色調整システム。
【請求項4】
前記最大輝度差取得色調整部は、前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号の任意の1つを増幅する増幅率を初期値である最小値に固定し、他の2つの電気信号の前記増幅率を順次最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶される輝度差が最大輝度差である場合の画素数と最大輝度差でない場合の画素数を比較し、地の画素数と文字、図形の画素数の大小を判断し、文字、図形の画素数が地の画素数よりも大きくなる場合、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差を反転し、文字、図形とした輝度を地の輝度とし、地とした輝度を文字、図形の輝度とすることを特徴とする、請求項1に記載のカラーカメラの色調整システム。
【請求項5】
赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整システムにおいて、
赤色、緑色、青色、黄色、シアン、マゼンタの1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換するイメージセンサと、
前記イメージセンサで変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める輝度演算部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する最大輝度記憶部と、
前記増幅部で増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する最小輝度記憶部と、
前記最大輝度記憶部に記憶されている最大輝度と前記最小輝度記憶部に記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する輝度差記憶部と、
前記増幅部の赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記輝度差記憶部を介して前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行い、前記輝度差記憶部に記憶される輝度差が最大輝度差である場合の画素数と、最大輝度差でない場合の画素数とを比較し、地の画素数と文字、図形の画素数の大小を判断し、文字、図形の画素数が地の画素数よりも大きくなる場合、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差を反転し、文字、図形とした輝度を地の輝度とし、地とした輝度を文字、図形の輝度とする最大輝度差取得色調整部とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整システム。
【請求項6】
前記最大輝度差取得色調整部は、1つの前記増幅率を最大値に設定し、前記輝度差記憶部に記憶されている輝度差が最大輝度差のみである場合、又は、最小輝度差のみである場合、1つの前記増幅率を初期値の最小値に戻し、他の前記増幅率を最大に設定して次の最大輝度差の取得を行うことを特徴とする、請求項5に記載のカラーカメラの色調整システム。
【請求項7】
前記最大輝度差取得色調整部は前記イメージセンサに時分割多重化を要求する情報を提供し、前記イメージセンサは提供された情報を基に変換した赤成分、緑成分、青成分の電気信号を時分割多重化し、前記最大輝度差取得色調整部は時分割多重化された赤成分、緑成分、青成分の電気信号を増幅する増幅率を前記増幅器に設定し、前記増幅部は前記最大輝度差取得色調整部により設定された増幅率で前記イメージセンサにより時分割多重化された赤成分、緑成分、青成分の電気信号を増幅することを特徴とする、請求項1又は請求項5に記載のカラーカメラの色調整システム。
【請求項8】
赤成分、青成分、緑成分の色調整を行うカラーカメラの色調整方法において、
赤色、緑色、青色のうち1つの色の地に他方の色の文字、図形が記載された画像がレンズにより集光され結像された撮影像の赤成分、緑成分、青成分を電気信号に変換する工程と、
変換された赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する工程と、
増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号から輝度を求める工程と、
増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最大輝度を、前記地及び前記文字、図形の一方の輝度として、記憶する工程と、
増幅された赤成分、緑成分、青成分の電気信号の最小輝度を、前記地及び前記文字、図形の他方の輝度として、記憶する工程と、
記憶されている最大輝度と記憶されている最小輝度の輝度差を最大輝度差として記憶する工程と、
赤成分、緑成分、青成分の電気信号をそれぞれ増幅する増幅率を初期値として最小値に設定し、前記増幅率の1つを順次最大値に設定し前記地と前記文字、図形の間の最大輝度差を取得するように色調整を行う工程とを備えることを特徴とするカラーカメラの色調整方法。
【請求項9】
前記輝度差記憶部に記憶された輝度差を入力し、文字、図形を認識することを特徴とする、請求項1に記載のカラーカメラの色調整システムを用いた文字・図形認識方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2006−128777(P2006−128777A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−310872(P2004−310872)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】