説明

カラーコーン回収装置

【課題】路上に設置されているカラーコーンを車両の荷台等に回収する簡単な構造のカラーコーン回収装置を提供する。
【解決手段】車両と車両に取り付けたカラーコーン傾倒用バーと駆動コンベアとで構成し、傾倒用バーは車両走行方向に直角、水平で路面からの高さはカラーコーン頂部より少し低い高さで車両から伸びる支持部材に取り付ける。駆動コンベアは車両上では水平で車両の端から路面に向け斜めに傾斜する屈折した形状とし、傾斜部先端は車両の前進移動により傾倒用バーが路上カラーコーンを傾倒させたときにカラーコーンの傾いた基盤部と路面との隙間に入り込み、車両の更なる前進によりカラーコーンの傾きが増してその頂部が傾倒用バーの下をすり抜け、車両側に倒れた際にカラーコーンが駆動コンベアに載った状態となるように車両に取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路上に設置されているカラーコーン(登録商標)を車両の荷台等に回収するカラーコーン回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
道路工事や建築工事の現場では、車両や通行人に立ち入り禁止や駐車禁止を知らせる標識としてカラーコーン(登録商標)が路上に所定間隔で並べて設置される。カラーコーン1は図1に示すように、内部が空洞で先端部は丸みを帯びた円錐状の本体部2と、これを支える四角形状の基盤部3とからなる。カラーコーン1は合成樹脂で製作され、風で倒れたり移動したりしないよう基盤部3にゴム製の重しを被せ、路面との摩擦は大きくなるように形成されている。
【0003】
カラーコーンは重量があり、高さも70センチ程度あるため、数が多い場合には手作業での設置や回収は簡単ではない。このため、その設置や回収作業を機械化する提案が従来より数多くされている。例えば、特許文献1には、トラック等の車両の荷台に設置され、ラバーコーン(カラーコーンのこと)を位置決めして複数個積み重ねることが可能な構造のテーブル等のラバーコーン載置位置決め手段と、該車両に設置され、ラバーコーン検出用のセンサー及び車両の走行方向に移動可能であり、かつ、その移動速度が制御可能なラバーコーン把持ハンドをその作用端に備え、路面上とテーブル等との間を移動自在としたセンサー付アーム部を具備したロボットアームとを備えたラバーコーン払出し及び収納装置が開示されている。しかし、このようなセンサー付きロボットアームを備える装置は構造、制御が複雑であり高価になる。他にも多数の装置が提案されているが(特許文献2〜5参照)、いずれも装置が複雑、大掛かりである問題点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−232215号公報
【特許文献2】特開平8−92921号公報
【特許文献3】特開平5−311622号公報
【特許文献4】特開平5−65709号公報
【特許文献5】特開平7−71011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題は、路上に設置されているカラーコーンを車両の荷台等に回収できる簡単な構造のカラーコーン回収装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、路上に設置されているカラーコーンを車両上に回収するカラーコーン回収装置であって、車両と該車両に取り付けられたカラーコーン傾倒用バーと駆動コンベアとからなり、傾倒用バーは車両の走行方向に直角、水平で路面からの高さはカラーコーンの頂部より少し低い高さで車両荷台から路上カラーコーンに向けて伸びる支持部材に取り付けてあり、駆動コンベアは、車両上では水平で車両荷台の端から路面に向け斜めに傾斜する屈折した形状をなし、傾斜部先端は車両の前進移動により傾倒用バーが路上のカラーコーンを傾倒させたときにカラーコーンの傾いた基盤部と路面との隙間に入り込み、車両の更なる前進によりカラーコーンの傾きが増してその頂部が傾倒用バーの下をすり抜け、車両側に倒れた際にカラーコーンが駆動コンベアに載った状態となるように車両に取り付けてあることを特徴とするカラーコーン回収装置である。
【0007】
このようなカラーコーン回収装置を使用すれば、作業者による手作業に頼ることなく路上に設置された一連のカラーコーンを車両の荷台上に回収できる。そして、このカラーコーン回収装置は従来開示されている装置に比べて構造が簡単である利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】カラーコーンの外観図である。
【図2】本発明に係るカラーコーン回収装置の側面図である。
【図3】カラーコーン回収装置の平面図である。
【図4】カラーコーン傾倒用バーがカラーコーンを傾倒させ始めた状態の説明図。
【図5】カラーコーン頂部が傾倒用バーの高さまで傾倒した状態の説明図。
【図6】カラーコーン頂部が傾倒用バーの下をすり抜けてコンベアに載った状態の説明図。
【図7】カラーコーンが車両上に向けて搬送されている状態の説明図。
【図8】カラーコーンが車両上に回収された状態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係るカラーコーン回収装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図2は本発明に係るカラーコーン回収装置5の側面図、図3は平面図である。カラーコーン回収装置5は移動可能な車両6、カラーコーン傾倒用バー7、駆動コンベア8を備えて構成されている。
【0010】
車両6はカラーコーン1を路上から回収する際にカラーコーン1に向けて低速前進し、回収したカラーコーン1をその荷台に載せるためのものである。小型トラックでもよいし、手押し台車でもよい。荷台は低い方が好ましい。
【0011】
カラーコーン傾倒用バー7は、カラーコーン1の先端より少し下部分を車両6と反対側に押して傾倒させるための水平バーである。車両6の荷台からカラーコーン1方向に伸びる支持部材10に、車両6の走行方向に直角、水平の姿勢で取り付けてある。路面からの高さはカラーコーン1の頂部より少し低い高さにしてある。
【0012】
駆動コンベア8は路上のカラーコーン1を車両6の荷台上に搬送するためのコンベアである。ベルト式でもよいし、ローラー式でもよい。駆動コンベア8は側面から見て「ヘ」字状に屈折した形状をなし、車両6の荷台上は水平、車両6の荷台端から路面に向け斜めに傾斜した姿勢で車両6に固定されている。
【0013】
駆動コンベア8の路面側先端は、車両6がカラーコーン1方向へ前進移動してカラーコーン傾倒用バー7が路上のカラーコーン1を大きく傾倒させたときに、カラーコーン1の傾いた基盤部3と路面との隙間に入り込む姿勢となるように調整してある。
【0014】
次に、このような構成のカラーコーン回収装置5を使用して路上のカラーコーンを回収する操作と動作を図2、図4〜図8を参照して説明する。最初に駆動コンベア8を駆動させた状態で図2に示すように車両6をカラーコーン1方向へ低速で前進させる。前進によりカラーコーン傾倒用バー7がカラーコーン1の頂部の少し下部分に当接して図4に示すようにカラーコーン1を傾かせる。カラーコーン1が傾くと、その基盤部3と路面との間に隙間ができる。カラーコーン1の基盤部3下面は、風などによる移動を防止するため路面との摩擦係数が大きくなるよう形成されているので、頂部下部分に水平方向の力が加えられた場合には、路面上を滑るのではなく図4に示すように傾倒する。
【0015】
車両6の更なる前進によりカラーコーン1の傾きは増していく。傾きが増すにつれカラーコーン1の頂部の路面からの高さは低くなり、やがて図5に示すようにカラーコーン1の頂部高さはカラーコーン傾倒用バー7の高さに等しくなる。カラーコーン1の基盤部3は、風で倒れたりしないようゴム製の重しを被せたりして重く形成されているのでカラーコーン1の全体の重心位置は低い。従って、図5に示すように傾いた状態でも重心は旋回中心15よりも駆動コンベア8側にあり、カラーコーン1は駆動コンベア8側に倒れようとしている。このとき駆動コンベア8の先端はカラーコーン1の傾いた基盤部3と路面との隙間に入り込んでいる。
【0016】
この状態から車両6が更に前進すると、カラーコーン1の頂部はカラーコーン傾倒用バー7の下をすり抜けて駆動コンベア8側に倒れる。そして、図6に示すように駆動コンベア8の先端部分に載った状態となる。駆動コンベア8は駆動されているので、カラーコーン1は図7に示すように車両6の荷台に向けて搬送される。荷台上では水平搬送されて図8に示すように駆動コンベア8の端に到達する。その後は駆動コンベア8の駆動を継続させて荷台上に落下させてもよいし、作業者が手作業で荷台上に積み上げてもよい。
【0017】
このようなカラーコーン回収装置を使用すれば、作業者による手作業に頼ることなく路上に設置された一連のカラーコーンを車両の荷台上に回収できる。そして、このカラーコーン回収装置は従来開示されている装置に比べて構造が簡単である利点を有する。
【符号の説明】
【0018】
図面中、1はカラーコーン、2はカラーコーン回収装置、3は基盤部、6は車両、7はカラーコーン傾倒用バー、8は駆動コンベア、10は支持部材を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路上に設置されているカラーコーンを車両上に回収するカラーコーン回収装置であって、
車両と該車両に取り付けられたカラーコーン傾倒用バーと駆動コンベアとからなり、
前記傾倒用バーは前記車両の走行方向に直角、水平で路面からの高さは前記カラーコーンの頂部より少し低い高さで車両荷台から路上カラーコーンに向けて伸びる支持部材に取り付けてあり、
前記駆動コンベアは、車両上では水平で車両荷台の端から路面に向け斜めに傾斜する屈折した形状をなし、傾斜部先端は車両の前進移動により前記傾倒用バーが路上のカラーコーンを傾倒させたときにカラーコーンの傾いた基盤部と路面との隙間に入り込み、車両の更なる前進によりカラーコーンの傾きが増してその頂部が傾倒用バーの下をすり抜け、車両側に倒れた際にカラーコーンが駆動コンベアに載った状態となるように車両に取り付けてあることを特徴とするカラーコーン回収装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−207526(P2012−207526A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2012−131537(P2012−131537)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【出願人】(302005307)
【Fターム(参考)】