説明

カラーフィルタおよびその製造方法並びに発光装置

【課題】光取り出し効率を高めつつ、各色間でのクロストークの発生を抑制することが可能なカラーフィルタおよびその製造方法並びに発光装置を提供する。
【解決手段】封止パネル20において、カラーフィルタ層22側の一部が連結してなる複数の突部41が、カラーフィルタ層22に接して色ごとに設けられ、各突部41の側面には、反射鏡膜42が形成されている。各突部41へ入射した各色光は、突部41内を直進あるいは反射鏡膜42によって反射されて通過したのち、対応するカラーフィルタへ入射する。カラーフィルタ層22と複数の突部41との間に接着層や他の基板を介在させる場合に比べ、各突部41からの出射光が対応するカラーフィルタへ入射し易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば有機EL(Electroluminescence:電界発光)素子などの自発光素子に用いられるカラーフィルタおよびその製造方法並びにこれを用いた発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子などの自発光素子は、基板に、第1電極,発光層を含む有機層および第2電極を順に有し、第1電極と第2電極との間に直流電圧を印加すると発光層において正孔−電子再結合が起こり、光を発生するものである。発生した光は、例えば第2電極の側から、つまり開口率を上げるためにTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)や配線を含む回路とは反対側から取り出される場合もある。第2電極の側から光を取り出す場合には、第1電極として高反射の金属電極を用いることが一般的である。
【0003】
このような有機EL素子が複数形成された発光装置では、素子内部における屈折率が高い(例えば屈折率1.5以上)ため、空気層(屈折率1.0)との界面において全反射が生じ易い。このため、発光光を外部に十分に取り出すことが困難である。そこで、有機EL素子の光取り出し側に反射板(リフレクタ)を配設することにより、発光光の放射角を補正して光取り出し効率を高める手法が提案されている(例えば、特許文献1,2)。リフレクタは、ガラス基板上に、有機EL素子の配列に対応して複数の突部が形成され、各突部の側面が反射鏡膜によって覆われたものである。
【0004】
一方、上記複数の有機EL素子が、例えば赤色(R:Red)、緑色(G:Green)および青色(B:Blue)の3原色の色光を発生する場合であっても、色純度を高めたり、明所コントラストを高めるために、有機EL素子ごとに各色のカラーフィルタを設けることが有効である。この場合、各色カラーフィルタは、有機EL素子を封止するための封止基板の一面に各有機EL素子ごとに形成される。そして、上記リフレクタは、このカラーフィルタの表面に接着層を介して貼り合わせられる。このような構成により、各有機EL素子から発生した各色光はそれぞれ、リフレクタの各突部において放射角が補正されたのち、対応するカラーフィルタを通過して、3原色の色光として取り出される。
【0005】
【特許文献1】特許第3573393号公報
【特許文献2】特表2005−531102号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、各色カラーフィルタとリフレクタにおける各突部との間には、上述したように、接着層やガラス基板が介在している。これらの接着層やガラス基板は、少なくとも10μm以上の厚みを有するため、発光層から発せられた光の一部が、各突部を通過したのち、上記厚み部分において、他色のカラーフィルタ側へ浸入してしまうことがある。これにより、各色間でクロストークが発生するという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光取り出し効率を高めつつ、各色間でのクロストークの発生を抑制することが可能なカラーフィルタおよびその製造方法並びに発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカラーフィルタは、基板上に設けられた複数色のカラーフィルタ層と、複数色のカラーフィルタ層に接して色ごとに設けられると共に、カラーフィルタ層側の一部が互いに連結した複数の突部と、各突部の側面を覆うように形成された反射鏡膜と備えたものである。
【0009】
本発明の発光装置は、複数の自発光素子と、これら複数の自発光素子を駆動する駆動素子とを有する駆動パネルと、駆動パネルに対向配置された封止パネルとを備えたものである。ここで、封止パネルは、基板上に上記本発明のカラーフィルタを有するものである。
【0010】
本発明のカラーフィルタおよび発光装置では、各突部へ入射した光は、突部内を直進あるいは反射鏡膜によって反射されて通過したのち、対応するカラーフィルタ層へ入射する。このとき、カラーフィルタ層側の一部が連結してなる複数の突部がそれぞれ、各カラーフィルタ層に接して色ごとに設けられていることにより、カラーフィルタ層と突部との間に接着層や他の基板を介在させる場合に比べ、カラーフィルタ層と突部との間の距離が小さくなり、各突部からの出射光が対応するカラーフィルタ層へ入射し易くなる。
【0011】
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板上に形成された複数色のカラーフィルタ層の表面に、カラーフィルタ層側の一部が連結してなる複数の突部を形成する工程と、各突部の側面に反射鏡膜を形成する工程とを含むものである。これにより、カラーフィルタ層と突部との間に接着層や他の基板を介在させることなく、複数の突部が一括形成される。この各突部の側面に、反射鏡膜が形成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明のカラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法ならびに発光装置によれば、カラーフィルタ層側の一部が互いに連結してなる複数の突部をそれぞれ、各カラーフィルタ層に接して色ごとに設けるようにしたので、カラーフィルタ層と突部との間に他の基板や接着層を介在させる場合に比べ、他色のカラーフィルタへの光漏れを低減させることができる。よって、光取り出し効率を高めつつ、各色間でのクロストークの発生を抑制することが可能となる。これにより、発光装置では、色純度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施の形態に係る発光装置1の断面構成を表すものである。この発光装置1は、薄型の有機発光カラーディスプレイ装置などとして用いられる。この発光装置1では、駆動パネル10と封止パネル20とが、熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂などの接着層30を介して貼り合わせられている。本実施の形態の封止パネル20では、カラーフィルタ層22上にリフレクタ40が一体的に形成されており、これらカラーフィルタ層22およびリフレクタ40が、本発明のカラーフィルタに対応する。以下、各部の構成について説明する。
【0015】
駆動パネル10は、駆動用基板11上に、赤色の光を発生する有機EL素子10Rと、緑色の光を発生する有機EL素子10Gと、青色の光を発生する有機EL素子10Bとが、順に全体としてマトリクス状に形成されたものである。駆動用基板11は、例えばTFT(Thin Film Transistor;薄膜トランジスタ)などを含んで構成されている。
【0016】
ここで、図2に、駆動用基板11における回路構成の一例を示す。また、図3に、画素駆動回路140の一例を示す。このように、駆動用基板11では、上記有機EL素子10R,10G,10Bからなる表示領域110の周辺に、映像表示用のドライバである信号線駆動回路120および走査線駆動回路130が設けられ、表示領域110内には、画素駆動回路140が形成されている。画素駆動回路140は、後述する第1電極12の下層に形成され、駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2と、その間のキャパシタ(保持容量)Csと、第1の電源ライン(Vcc)および第2の電源ライン(GND)の間において駆動トランジスタTr1に直列に接続された有機EL素子10R(または10G,10B)とを有するアクティブ型の駆動回路である。駆動トランジスタTr1および書き込みトランジスタTr2は、一般的な薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))により構成され、その構成は例えば逆スタガー構造(いわゆるボトムゲート型)でもよいしスタガー構造(トップゲート型)でもよく特に限定されない。
【0017】
画素駆動回路140において、列方向には信号線120Aが複数配置され、行方向には走査線130Aが複数配置されている。各信号線120Aと各走査線130Aとの交差点が、有機EL素子10R,10G,10Bのいずれか一つ(サブピクセル)に対応している。各信号線120Aは、信号線駆動回路120に接続され、この信号線駆動回路120から信号線120Aを介して書き込みトランジスタTr2のソース電極に画像信号が供給されるようになっている。各走査線130Aは走査線駆動回路130に接続され、この走査線駆動回路130から走査線130Aを介して書き込みトランジスタTr2のゲート電極に走査信号が順次供給されるようになっている。
【0018】
有機EL素子10R,10G,10Bは、それぞれ、駆動用基板11の側から、陽極としての第1電極12、絶縁膜13、後述する発光層を含む有機層14、および陰極としての第2電極15がこの順に積層された構成を有し、必要に応じて保護膜16により被覆されている。なお、駆動用基板11には、上述した画素駆動回路140および平坦化層(図示せず)が設けられており、この平坦化層の上に第1電極12が形成されている。また、有機発光素子10R,10G,10Bの各発光面は、リフレクタ40の各突部41(後述)の光入射面(有機EL素子側の面)よりも大きな面積となるように構成されることが望ましい。あるいは、発光面が各突部41の光入射面と同等以下の面積である場合には、両者が同一形状(相似形状を含む)となるように構成されていることが望ましい。均一な放射特性を実現し易くするためである。
【0019】
第1電極12は、有機EL素子10R,10G,10Bの各々に対応して形成され、絶縁膜13により互いに電気的に分離されている。また、第1電極12は、発光層で発生した光を反射させる反射電極としての機能を有しており、できるだけ高い反射率を有するようにすることが発光効率を高める上で望ましい。第1電極12は、例えば、厚みが100nm以上1000nm以下、具体的には50nm程度であり、アルミニウム(Al)あるいはアルミニウム(Al)を含む合金、または、銀(Ag)あるいは銀(Ag)を含む合金により構成されている。また、第1電極12は、クロム(Cr),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),ニッケル(Ni),モリブデン(Mo),銅(Cu),タンタル(Ta),タングステン(W),白金(Pt)あるいは金(Au)などの他の金属元素の単体または合金により構成されていてもよい。
【0020】
絶縁膜13は、第1電極12と第2電極15との絶縁性を確保すると共に発光領域を正確に所望の形状にするためのものであり、例えば、感光性のアクリル,ポリイミド,ポリベンズオキサゾールなどの有機材料、または酸化シリコン(SiO2 )などの無機絶縁材料により構成されている。絶縁膜13は、第1電極12の発光領域に対応して開口部を有している。なお、有機層14および第2電極15は、発光領域だけでなく絶縁膜13の上にも連続して設けられていてもよいが、発光が生じるのは絶縁膜13の開口部だけである。
【0021】
有機層14は、例えば、第1電極12の側から順に、正孔注入層,正孔輸送層,発光層および電子輸送層を積層した構成を有するが、これらのうち発光層以外の層は必要に応じて設ければよい。また、有機層14は、有機EL素子10R,10G,10Bの発光色によってそれぞれ構成が異なっていてもよい。正孔注入層は、正孔注入効率を高めるためのものであると共に、リークを防止するためのバッファ層である。正孔輸送層は、発光層への正孔輸送効率を高めるためのものである。発光層は、電界をかけることにより電子と正孔との再結合が起こり、光を発生するものである。電子輸送層は、発光層への電子輸送効率を高めるためのものである。なお、電子輸送層と第2電極15との間には、LiF,Li2Oなどよりなる電子注入層(図示せず)を設けてもよい。
【0022】
有機EL素子10Rの正孔注入層の構成材料としては、例えば、4,4’,4”−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)あるいは4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATA)が挙げられる。有機EL素子10Rの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、ビス[(N−ナフチル)−N−フェニル]ベンジジン(α−NPD)が挙げられる。有機EL素子10Rの発光層の構成材料としては、例えば、8−キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6−ビス[4−[N−(4−メトキシフェニル)−N−フェニル]アミノスチリル]ナフタレン−1,5−ジカルボニトリル(BSN−BCN)を40体積%混合したものが挙げられる。有機EL素子10Rの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0023】
有機EL素子10Gの正孔注入層の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられる。有機EL素子10Gの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられる。有機EL素子10Gの発光層の構成材料としては、例えば、Alq3にクマリン6(Coumarin6)を3体積%混合したものが挙げられる。有機EL素子10Gの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0024】
有機EL素子10Bの正孔注入層の構成材料としては、例えば、m−MTDATAあるいは2−TNATAが挙げられる。有機EL素子10Bの正孔輸送層の構成材料としては、例えば、α−NPDが挙げられる。有機EL素子10Bの発光層の構成材料としては、例えば、スピロ6Φ(spiro6Φ)が挙げられる。有機EL素子10Bの電子輸送層の構成材料としては、例えば、Alq3が挙げられる。
【0025】
第2電極15は、例えば、厚みが5nm以上50nm以下であり、アルミニウム(Al),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ナトリウム(Na)などの金属元素の単体または合金により構成されている。中でも、マグネシウムと銀との合金(MgAg合金)、またはアルミニウム(Al)とリチウム(Li)との合金(AlLi合金)が好ましい。また、第2電極15は、ITO(インジウム・スズ複合酸化物)またはIZO(インジウム・亜鉛複合酸化物)により構成されていてもよい。
【0026】
保護膜16は、例えば、厚みが500nm以上10000nm以下であり、酸化シリコン(SiO2),窒化シリコン(SiN)などにより構成されている。
【0027】
封止パネル20は、接着層30と共に有機EL素子10R,10G,10Bを封止する封止用基板21を有している。封止用基板21は、有機EL素子10R,10G,10Bで発生した光に対して透明なガラスなどの材料により構成されている。この封止用基板21には、例えば、カラーフィルタ層22およびブラックマトリクスとしての遮光膜23が設けられている。
【0028】
カラーフィルタ層22は、有機EL素子10R,10G,10Bで発生した各色光の色純度を高め、コントラストを改善するものである。このカラーフィルタ層22は、赤色のカラーフィルタ22R,緑色のカラーフィルタ22Gおよび青色のカラーフィルタ22Bを有しており、有機EL素子10R,10G,10Bに対応して順に配置されている。
【0029】
これらのカラーフィルタ22R,22G,22Bは、それぞれ駆動用基板11上の有機層14に対向して形成され、それぞれの色の顔料を混入した樹脂により構成されている。これにより、赤,緑あるいは青の波長域における光透過率が高く、他の波長域における光透過率が低くなるように調整されている。
【0030】
遮光膜23は、有機EL素子10R,10G,10B並びにその間の配線において反射された光や迷光を吸収し、コントラストを改善するものである。この遮光膜23は、カラーフィルタ22R,22G,22B同士の境界に沿って設けられている。遮光膜23は、例えば黒色の着色剤を混入した黒色の樹脂膜、あるいはクロム(Cr)などの金属,金属窒化物あるいは金属酸化物よりなる薄膜を1層以上積層したものである。このようなカラーフィルタ層22および遮光膜23の表面には、リフレクタ40が配設されている。
【0031】
リフレクタ40は、有機EL素子10R,10G,10Bからの各色光の放射角を補正することにより光取り出し効率を高めるためのものである。このリフレクタ40は、カラーフィルタ層22に接して形成された複数の突部41と、各突部の側面41bを覆うように形成された反射鏡膜42とを有している。
【0032】
複数の突部41は、カラーフィルタ層22側の一部(連結部41a)により互いに連結されている。各突部41は、カラーフィルタ層22におけるカラーフィルタ22R,22G,22Bの配置に対応して、色ごとに設けられている。この突部41のカラーフィルタ層22側の平面積S1は、カラーフィルタ22R,22G,22Bの各開口面積S2以下(S1≦S2)なるように構成されている。このような突部41は、例えば紫外線硬化型や熱硬化型の樹脂材料、具体的にはスリーボンド製のThreebond3021J(商品名)などにより構成され、ピッチ(幅)は例えば20μm〜100μm、厚みは例えばピッチの0.5倍〜1倍程度である。連結部41aの厚みdは、画素ピッチに対して15%程度以下であり、隣の素子への光漏れを低減させるために、できるだけ小さいことが好ましい。
【0033】
ここで、図4(A),(B)を参照して、各突部41の具体的な形状について説明する。但し、図4(A)は、突部41を斜め上方からみたものであり、図4(B)は、上面図および側面図である。但し、側面図は、基板面内において互いに直交する2方向D1,D2に沿った方向からみたものである。突部41は、例えば軸Aを中心とした回転対称形状となっており、側面41b、下底面(カラーフィルタ層22側の面、以下同様)41c1および上底面(有機層14側の面、以下同様)41c2を有している。これらのうち、下底面41c1および上底面41c2は、互いに平行な平坦面であり、平面形状はそれぞれ円形状となっている。
【0034】
側面41bは、例えば放物面から構成され、少なくとも方向D1,D2からみた側面形状b1,b2が互いに等しいものである。但し、本実施の形態では、2方向に限らず、全方向からみた側面形状41b1,41b2…が互いに等しくなっている。すなわち、各方向における側面41bのテーパが互いに等しくなっている。
【0035】
反射鏡膜42は、突部41の上底面41c2側から入射した光を反射させることにより、外部の空気層との間で全反射が起こらないような角度方向に補正して出射させるものである。この反射鏡膜42は、厚みが例えば50nm〜200nm程度であり、アルミニウム(Al)、銀(Ag)単体あるいはこれらの金属を含む合金により構成されている。
【0036】
この反射鏡膜42による放射特性(配光特性)は、発光装置1の用途に応じて、上述した突部41のピッチや厚み、あるいは側面41bのテーパ等を変化させることにより、適宜調整することが可能である。例えば、テレビ用途の場合には、広視野角となるように設定され、携帯電話機に用いられる場合には、正面方向の輝度が高くなるように設定される。
【0037】
上記発光装置1は、例えば次のようにして製造することができる。
【0038】
まず、駆動用基板11に有機EL素子10R,10G,10Bを形成して駆動パネル10を形成する。すなわち、まず、上述した材料よりなる駆動用基板11の上に画素駆動回路140および平坦化層(図示せず)を形成し、例えばスパッタ法により、上述した材料よりなる第1電極12を形成し、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、所定の形状にパターニングする。次いで、駆動用基板11の全面にわたり感光性樹脂を塗布し、露光および現像処理により開口部を設けたのち、焼成して、絶縁膜13を形成する。続いて、例えば蒸着法により、上述した材料よりなる有機層14および第2電極15を成膜し、有機EL素子10R,10G,10Bを形成し、上述した材料よりなる保護膜16で覆う。これにより、駆動パネル10が形成される。
【0039】
一方、封止用基板21に、上述した材料よりなる遮光膜23を成膜し、所定の形状にパターニングする。次いで、封止用基板21の上に、カラーフィルタ22R,22G,22Bの材料を、例えばスピンコートなどにより塗布し、フォトリソグラフィ技術によりパターニングして焼成することにより、それぞれ形成する。これにより、封止用基板21上にカラーフィルタ層22および遮光膜23が形成される。
【0040】
次いで、形成したカラーフィルタ層22および遮光膜23上に、リフレクタ40を形成する。この際、まず、図5(A)に示したように、例えばポリカーボネート(PC)などよりなる原盤(スタンパ)41−1の表面に、例えばKrFエキシマレーザを用いたマスクイメージング法により、複数の突部41の反転パターン41−2を形成する。これにより、パターン転写用のスタンパ41−1が形成される。続いて、図5(B)に示したように、スタンパ41−1の表面(反転パターン41−2が形成されている面)の全面に、例えばアクリル系UV硬化樹脂よりなる樹脂層41−3を塗布形成する。
【0041】
次いで、図6(A)に示したように、樹脂層41−3が形成されたスタンパ41−1を、カラーフィルタ層22と樹脂層41−3とが向かい合うようにして、押し合わせる。この際、樹脂層41−3の各突部41と、各カラーフィルタ層22R,22G,22B同士が互いに対向するように位置合わせを行う。続いて、例えばスタンパ41−1の側から紫外光UVを全面に照射することにより、樹脂層41−3を硬化させる。
【0042】
続いて、図6(B)に示したように、スタンパ41−1を剥離する。これにより、カラーフィルタ層22の表面に、複数の突部41が一括して転写される。このとき、カラーフィルタ層22と突部41の突形状との間には、スタンパ41−1の持つ形状とは別に、樹脂材料の層が形成される。これは、スタンパ41−1によって成型されなかった樹脂材料が残存したものであるが、この樹脂材料の層により、突部41のカラーフィルタ層22に対する密着性が高まる。言い換えると、複数の突部41のカラーフィルタ層22側の一部が互いに連結された構成となる。
【0043】
次いで、図7(A)に示したように、形成した複数の突部41の表面を覆うように、上述した材料よりなる反射鏡膜42を、例えば真空蒸着法、スパッタリング法や塗布法により成膜する。
【0044】
続いて、図7(B)に示したように、反射鏡膜42のうち、各突部41の上底面41c2を覆っている部分を、例えばウェットエッチングなどにより除去する。これにより、突部41の上底面41c2に、開口が形成される。あるいは、このような開口は、次のようにして形成してもよい。例えば、上記反射鏡膜42を形成する際に、突部41の上底面41c2に対向する領域を予めマスクしておき、上底面41c2にのみ反射鏡膜42が形成されないようにしてもよい。これにより、カラーフィルタ22上にリフレクタ40が配設された封止パネルが形成される。
【0045】
最後に、駆動パネル10と封止パネル20とを、有機EL素子10R,10G,10Bとリフレクタ40における各突部41とが互いに向かい合うように位置合わせをして、接着層30を用いて貼り合わせる。以上により、図1に示した発光装置1を完成する。
【0046】
次に、上記のような発光装置1の作用、効果について図1〜図9を参照して説明する。図8は、緑色有機層14Gからの発光光の光路について模式的に表すものである。図9は、比較例に係る発光装置100の概略構成を表す断面図である。
【0047】
発光装置1では、走査線駆動回路130から供給される走査信号と、信号線駆動回路120から供給される画像信号に基づいて、各有機EL素子10R,10G,10Bに駆動電流が注入されると、各有機EL素子10R,10G,10Bにおける有機層14において正孔と電子とが再結合して発光が起こる。この光は、第2電極15の上方へ向けて出射され、接着層30、リフレクタ40、カラーフィルタ層22を順に通過して、封止パネル20の上方から赤色、緑色および青色の色光として取り出される。
【0048】
ここで、図8を参照して、発光装置1における光取り出しについて説明する。但し、簡便化のため、3つの有機EL素子10R,10G,10Bのうち、緑色光を発生する有機EL素子10Gを例に挙げて説明する。図8に示したように、緑色有機層14Gで発生した緑色光の一部(LG1)は、リフレクタ40における突部41の上底面41c2から入射して、突部41内部を直進し、対応するカラーフィルタ22Gを通過して、封止用基板21の上方へ緑色光として取り出される。一方、緑色有機層14Gで発生した緑色光のうち、放射角の大きな光、突部41に所定の角度以上の角度で入射する光LG2は、反射鏡膜42により、界面A1に対する入射角が臨界角以下の角度となるように光路変換され、カラーフィルタ22Gへ入射する。これにより、光取り出し効率が向上する。
【0049】
続いて、図9を参照して、比較例に係る発光装置100について説明する。発光装置100は、駆動用基板1011に有機発光素子1010R,1010G,1010Bが形成された駆動パネル1010と、封止用基板1021にカラーフィルタ1022が形成された封止パネル1020とを、接着層1030を間にして貼り合わせた構成を有している。封止パネル1020のカラーフィルタ1022側には、リフレクタ1040が設けられている。
【0050】
有機発光素子1010R,1010G,1010Bは、駆動用基板1011側から順に、第1電極1012,有機層1014および第2電極1015を積層した構成を有し、保護層1016で覆われている。第1電極1012は、各有機発光素子1010R,1010G,1010Bごとにパターニングされており、絶縁膜1013により互いに電気的に分離されている。このような構成において、第2電極1015の側から光が取り出される。封止パネル1020には、いわゆるブラックマトリクスとして遮光膜1023と、カラーフィルタ1022(赤色フィルタ1022R,緑色フィルタ1022Gおよび青色フィルタ1022B)とが形成されている。
【0051】
リフレクタ1040は、ガラスなどよりなる基板1041上に、複数の突部1042が形成され、各突部1042の側面に反射鏡膜1043が形成されたものである。各突部1042は、上記有機発光素子1010R,1010G,1010Bのそれぞれに対向するように配置されている。
【0052】
発光装置100では、このようなリフレクタ1040は、上記封止パネル1020に対して、ガラス基板1041とカラーフィルタ1022とが互いに向かい合うように、接着層1031を介して貼り合わせられている。このような構成では、カラーフィルタ1022と突部1042との間に、ガラス基板1041および接着層1031が介在することとなる。ところが、これらの接着層1031やガラス基板1041は、少なくとも10μm以上の厚みを有するため、発光光の一部が、上記厚み部分において、他色のカラーフィルタへ浸入することがある。これにより、各色間でのクロストークが発生してしまう。また、ガラス基板1041や接着層1031の厚みの分、カラーフィルタ1022と有機発光素子1010R,1010G,1010Bとの間の距離が長くなり、視野角特性が悪化する。これは、カラーフィルタ1022と各有機発光素子との間の距離が長くなると、リフレクタ1040から斜めに出射した光が遮光膜1023に入射して吸収され、特に斜め方向における輝度が低下するためである。
【0053】
これに対し、本実施の形態では、カラーフィルタ層22側の一部が連結された複数の突部41が、カラーフィルタ層22に接して設けられているため、カラーフィルタ層22と突部41との間には、上記のような厚みの大きなガラス基板や接着層が介在しない。このため、リフレクタ40の各突部41から出射した各色光は、他の層を介することなく、カラーフィルタ層22において対応する各色カラーフィルタ22G,22R,22Bのそれぞれに入射する。従って、各有機EL素子10R,10G,10Bから発生した各色光が、他色のカラーフィルタへ浸入することが抑制される。また、ガラス基板や接着層が配置されていない分、カラーフィルタ層22と各有機EL素子10R,10G,10Bとの間の距離が短くなるため、上記のような遮光膜23に入射する光が生じにくい。よって、良好な視野角特性が実現される。
【0054】
以上のように本実施の形態では、カラーフィルタ層22側の一部が連結された複数の突部41を、カラーフィルタ層22に接するように設けたので、カラーフィルタ層22と突部41との間の厚みを低減して、各有機EL素子10R,10G,10Bから発せられた各色光が他色のカラーフィルタへ浸入することを抑制することができる。よって、光取り出し効率を高めつつ、各色間でのクロストークの発生を抑制することが可能となる。
【0055】
また、各突部41の側面41bを放物面とし、各方向における側面形状41b1,41b2…が互いに等しくなるように構成すれば、突部41に入射した光を、全方角に対して均一に放射させることができる。これにより、全方向に対して均一な放射特性を得ることができる。
【0056】
さらに、各突部41のカラーフィルタ層22側の平面積S1を、カラーフィルタ22R,22G,22Bの各開口面積S2以下(S1≦S2)なるようにすれば、各突部41からそれぞれ出射する各色光が、対応するカラーフィルタ22R,22G,22Bに入射し易くなる。よって、各色間のクロストークの発生をより効果的に抑制することが可能となる。
【0057】
また、本実施の形態の実施例として、図10に示したような評価系を用いて、リフレクタの放射特性(配光特性)を評価するシミュレーション1,2を行った。具体的には、駆動用基板11と、カラーフィルタ22Gが形成された封止用基板21との間に、リフレクタ44を配設する際に、カラーフィルタ22Gとリフレクタ44との間に、厚みd1の中間層46が介在する構成を想定した。但し、シミュレーション1,2では、それぞれ以下のような光源(1)およびリフレクタ(2)を用いた。
(シミュレーション1)
1.光源:Lambert
2.リフレクタ:Liner Reflector
(シミュレーション2)
1.光源:Gauss
2.リフレクタ:CPC(Compound Parabolic Concentrator) Reflector
【0058】
このような構成において、中間層46の厚みd1を1μm〜40μmの範囲で段階的に変化させた場合のそれぞれについて、封止用基板21からの出射光の視野角に対する輝度を測定した。図11に、シミュレーション1における輝度分布、図12に、シミュレーション2における輝度分布をそれぞれ示す。但し、視野角については、基板面に垂直な正面方向を0°として、基板面に平行な方向を−90°,90°とする。また、図13には、各シミュレーション1,2における相対光取り出し効率についてまとめたものを示す。なお、この相対光取り出し効率とは、光源44から発せられた光量を1とした場合の測定光量の割合をいうものとする。
【0059】
図11に示したように、シミュレーション1では、正面方向を除いては、中間層46の厚みdが小さい場合には、輝度が高くなる傾向にあることがわかる。一方、図12に示したように、シミュレーション2では、厚みdによる輝度の差はさほど見られなかったものの、厚みdが小さい場合において輝度が若干向上した。また、図13に示したように、相対光取り出し効率は厚みdが大きくなるに従って、低減する傾向を示した。以上の結果から、本実施の形態のように、リフレクタとカラーフィルタとの間の厚みを低減することが、光取り出し効率の向上に寄与することがわかった。また、良好な視野角特性を示すこともわかった。
【0060】
次に、上記実施の形態のリフレクタにおける各突部の変形例について説明する。以下では、上記実施の形態の発光装置1と同様の構成要素については、同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0061】
(変形例1)
図14は、変形例1に係るリフレクタの突部47Aの形状を説明するためのものである。図14に示したように、突部47Aは、側面48a、下底面47a1および上底面47a2を有している。これら下底面41c1および上底面41c2の平面形状はそれぞれ円形状となっている。また、突部47Aは、基板面内の各方向D1,D2…からみた側面形状48a1,48a2…が、互いに等しくなっている。但し、本例では、各側面形状48a1,48a2…のテーパ部分が直線状である。言い換えると、突部47Aは円錐台形状となっている。このように、突部47Aの側面は上記放物面に限らず、直線状のテーパを有する曲面であってもよい。
【0062】
(変形例2)
図15(A)〜(C)は、変形例2に係るリフレクタの突部47D,47E,47Fの形状をそれぞれ説明するためのものである。図15(A)〜(C)に示したように、突部47D,47E,47Fは、直線状のテーパを有する側面48d,48e,48f、下底面47d1,47e1,47f1および上底面47d2,47e2,47f2をそれぞれ有している。また、上記突部47Cと同様、基板面内において直交する2つの方向D1,D2からみた側面形状48d1,48d2同士、側面形状48e1,48e2同士、側面形状48f1,48f2同士がそれぞれ互いに異なっている。
【0063】
但し、図15(A)に示した突部47Dでは、下底面47d1が楕円形状、上底面47d2が円形状となっている。このように、突部47Dの下底面47d1および上底面47d2はそれぞれ同一の形状でなくともよい。また、図15(B)に示した突部47Eのように、下底面47e1および上底面47e2の平面形状が、長軸方向(短軸方向)が互いに同一の楕円形状となっていてもよい。一方、図15(C)に示した突部47Fのように、下底面47f1および上底面47f2の平面形状が、長軸方向(短軸方向)が互いに直交する楕円形状となっていてもよい。
【0064】
(変形例3)
図16(A)〜(D)は、変形例3に係るリフレクタの突部47I,47J,47K,47Mの形状をそれぞれ説明するためのものである。図16(A)に示したように、突部47Iは、上底面47i1の平面形状が正方形、下底面47i2の平面形状が円形となっており、方向D1,D2からみた側面形状48i1,48i2が互いに等しくなっている。また、図16(B)に示したように、突部47Jは、上底面47j1の平面形状が矩形、下底面47j2の平面形状が円形となっており、方向D1,D2からみた側面形状48j1,48j2が互いに異なっている。
【0065】
図16(C),(D)に示したように、突部47K,47Mは、上底面47k1,47m1の平面形状が矩形、下底面47k2,47m2の平面形状が楕円形であり、方向D1,D2からみた側面形状48k1,48k2同士、および側面形状48m1,48m2同士が互いに異なっている。但し、突部47Kでは、上底面47k1の長手方向と下底面47k2の長軸が平行となっている。一方、突部47Mでは、上底面47m1の長手方向と下底面47m2の長軸が直交している。上記のように、突部の側面形状、上底面および下底面の平面形状は、様々な形状の組み合わせが可能である。これにより、リフレクタの放射特性を自由に調整することができる。
【0066】
なお、上述した実施の形態および変形例1〜3の各突部の側面は、放物面、円錐曲面および円柱曲面などに限定されず、球面や非球面などの他の曲面であってもよい。また、各突部の平面形状は、円形、楕円形、正方形および矩形に限定されず、三角形や五角形以上の多角形であってもよい。
【0067】
(モジュールおよび適用例)
以下、上記実施の形態および変形例で説明した発光装置の適用例について説明する。上記実施の形態の発光装置は、テレビジョン装置,デジタルカメラ,ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0068】
(モジュール)
上記実施の形態等の発光装置は、例えば、図17に示したようなモジュールとして、後述する適用例1〜5などの種々の電子機器に組み込まれる。このモジュールは、例えば、駆動用基板11の一辺に、封止パネル20から露出した領域210を設け、この露出した領域210に、信号線駆動回路120および走査線駆動回路130の配線を延長して外部接続端子(図示せず)を形成したものである。外部接続端子には、信号の入出力のためのフレキシブルプリント配線基板(FPC;Flexible Printed Circuit)220が設けられていてもよい。
【0069】
(適用例1)
図18は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0070】
(適用例2)
図19は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるデジタルカメラの外観を表したものである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部410、表示部420、メニュースイッチ430およびシャッターボタン440を有しており、その表示部420は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0071】
(適用例3)
図20は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0072】
(適用例4)
図21は、上記実施の形態等の発光装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0073】
(適用例5)
図22は、上記実施の形態等の発光装置が適用される携帯電話機の外観を表したものである。この携帯電話機は、例えば、上側筐体710と下側筐体720とを連結部(ヒンジ部)730で連結したものであり、ディスプレイ740,サブディスプレイ750,ピクチャーライト760およびカメラ770を有している。そのディスプレイ740またはサブディスプレイ750は、上記各実施の形態等に係る発光装置により構成されている。
【0074】
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能である。例えば、上記実施の形態において説明した各層の材料および厚み、または成膜方法および成膜条件などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよく、または他の成膜方法および成膜条件としてもよい。
【0075】
また、上記実施の形態等では、リフレクタ40を形成する際に、ポリカーボネート原盤にマスクイメージング法を用いて突部41の反転パターンを形成することにより、転写用のスタンパを形成したが、スタンパの形成方法はこれに限定されない。例えば、以下の(1)〜(4)のような方法を用いることができる。なお、基体41に用いる樹脂材料は、使用するスタンパの材料によって異なるが、例えば以下の(2)のゼオノアスタンパを用いる場合には、樹脂との剥離性が良好であるため、多種のUV硬化樹脂を用いることができる。
(1)ポリカーボネート原盤からニッケル(Ni)電鋳を作成し、Ni電鋳スタンパを得る方法
(2)Ni電鋳スタンパからゼオノアフィルムにパターンを熱転写し、ゼオノアスタンパを得る方法
(3)スタンパとなるポリカーボネートや金属などの基板に、バイト切削や集光レーザなどを用いて直接パターンを形成する方法
(4)スタンパとなる基板に、フォトリソグラフィ技術を用いて直接パターンを形成する方法
【0076】
また、上記実施の形態等では、有機EL素子10R,10B,10Gの構成を具体的に挙げて説明したが、全ての層を備える必要はなく、また、他の層を更に備えていてもよい。
【0077】
また、本発明は、有機EL素子のほか、LED(Light Emitting Diode)、FED(Field Emission Display)、無機エレクトロルミネッセンス素子などの他の自発光素子を用いた自発光装置にも適用可能である。
【0078】
また、上記実施の形態等では、本発明の発光装置を表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の発光装置は、照明装置など、表示以外の他の目的の発光装置にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施の形態に係る発光装置の概略構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した駆動用基板の回路構成を表す図である。
【図3】図1に示した画素駆動回路の一例を表す等価回路図である。
【図4】図1に示した突部の形状を説明するための図である。
【図5】図1に示した発光装置の製造方法を工程順に表した断面図である。
【図6】図5に続く工程を表す断面図である。
【図7】図6に続く工程を表す断面図である。
【図8】有機層からの発光光の光路を模式的に表す図である。
【図9】比較例に係る発光装置の概略構成を表す断面図である。
【図10】シミュレーション1,2に係る評価系を説明するための図である。
【図11】シミュレーション1の視野角に対する輝度分布を示す特性図である。
【図12】シミュレーション2の視野角に対する輝度分布を示す特性図である。
【図13】シミュレーション1,2の相対光取り出し効率を示す図である。
【図14】変形例1に係る突部の形状を説明するための図である。
【図15】変形例2に係る突部の形状を説明するための図である。
【図16】変形例3に係る突部の形状を説明するための図である。
【図17】上記実施の形態の発光装置を含むモジュールの概略構成を表す平面図である。
【図18】上記実施の形態の発光装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図19】(A)は適用例2の表側から見た外観を表す斜視図であり、(B)は裏側から見た外観を表す斜視図である。
【図20】適用例3の外観を表す斜視図である。
【図21】適用例4の外観を表す斜視図である。
【図22】(A)は適用例5の開いた状態の正面図、(B)はその側面図、(C)は閉じた状態の正面図、(D)は左側面図、(E)は右側面図、(F)は上面図、(G)は下面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…発光装置、10…駆動パネル、10R,10G,10B…有機EL素子、11…駆動用基板、12…第1電極、13…絶縁膜、14…有機層、15…第2電極、16…保護膜、20…封止パネル、21…封止用基板、22…カラーフィルタ層、23…遮光膜、30…接着層、40…リフレクタ、41…突部、41a…連結部、42…反射鏡膜。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に設けられた複数色のカラーフィルタ層と、
前記複数色のカラーフィルタ層に接して色ごとに設けられると共に、前記カラーフィルタ層側の一部が互いに連結した複数の突部と、
前記複数の突部のそれぞれの側面を覆うように形成された反射鏡膜と
を備えたカラーフィルタ。
【請求項2】
各突部の全方向における側面形状が互いに等しい
請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】
各突部の側面は放物面である
請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】
各突部の直交する2方向からみた側面形状が互いに異なる
請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項5】
各突部の前記カラーフィルタ層側の平面積は、各カラーフィルタ層の開口面積以下である
請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項6】
基板上に形成された複数色のカラーフィルタ層の表面に、前記カラーフィルタ層側の一部が連結してなる複数の突部を形成する工程と、
前記複数の突部のそれぞれの側面に反射鏡膜を形成する工程と
を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項7】
複数の自発光素子と、前記複数の自発光素子を駆動する駆動素子とを有する駆動パネルと、
前記駆動パネルに対向配置された封止パネルとを備え、
前記封止パネルは、
基板と、
前記基板上に設けられた複数色のカラーフィルタ層と、
前記複数色のカラーフィルタ層に接して色ごとに設けられると共に、前記カラーフィルタ層側の一部が互いに連結した複数の突部と、
前記複数の突部のそれぞれの側面を覆うように形成された反射鏡膜と
を有する発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−134217(P2010−134217A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310510(P2008−310510)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】