説明

カラーフィルタ

【課題】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、エッジライト型の面光源装置を有する液晶表示装置全体の輝度を均一にすることが可能であり、液晶表示装置の生産性を向上させ、かつ製造コストを削減することを可能とするカラーフィルタ、および輝度ムラの低減が可能であり、かつ生産性の高い液晶表示装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】透明基板と、上記透明基板上に形成され開口部を有する遮光部と、上記遮光部の上記開口部に形成され、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を含む複数色の着色層から構成される複数色の副画素と、各色の上記副画素から構成される複数の画素部とを有し、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことを特徴とするカラーフィルタを提供することにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶パネルおよびエッジライト型の面光源装置を有する液晶表示装置に用いられるカラーフィルタ、および上記カラーフィルタを用いた液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを背面側から照明する面光源装置が広く普及している(例えば、特許文献1〜3参照)。面光源装置は、大別すると、光学部材の直下に光源を配置する直下型と、光学部材の側方に光源を配置するエッジライト型と、に分類される。エッジライト型の面光源装置は、直下型の面光源装置と比較して、面光源装置の厚さを薄くすることができるといった利点を有している。
【0003】
エッジライト型の面光源装置では、光源の側方に導光板が設けられており、光源からの光は、導光板の側面(入光面)から導光板内に入射する。導光板へ入射した光は、導光板の対向する一対の主面において反射を繰り返し、入光面に略直交する方向(導光方向)に導光板内を進んでいく。導光板内を進む光は、導光板からの光学的な作用により、導光板内を進むにつれて少しずつ出光面から出射していくようになる。この結果、導光板の出光面からの出射光量が導光方向に沿って均一化されるようになる。
【0004】
ところで、液晶表示装置において良好な画像表示を行う場合は、液晶表示装置全体の輝度を均一なものとし、輝度ムラの発生を抑制することが求められる。
そのため、液晶表示装置に用いられるエッジライト型の面光源装置においては、上述した液晶表示装置の輝度ムラの発生を抑制するために、導光板における出射光量の面内分布の均一性をより向上させることが求められている。
【0005】
導光板における出射光量の面内分布の均一性を向上させる方法としては、例えば導光板の出光面にドット状の開口部を設ける方法や、導光板に屈折率の異なる材料を埋め込む方法等の導光板に直接処理を施す方法や、また例えば導光板の出光面に、導光板からの出射光を拡散させる拡散機能を有する拡散シート等の光学的機能を有する光学シ−トを配置する方法等が挙げられる。
【0006】
しかしながら、上述した方法は、導光板に加工を施したり、光学シートを形成する必要があることから、上記エッジライト型の面光源装置を有する液晶表示装置においては、製造時の工程数が多くなるため、液晶表示装置の生産性を向上させることが困難となり、また製造コストが高くなるといった問題があった。
【0007】
そこで、上述したエッジライト型の面光源装置を用いた場合であっても、輝度ムラが少なく、低コストで、かつ生産性の高い液晶表示装置が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−227405号公報
【特許文献2】特開2008−296587号公報
【特許文献3】特開平9−145931号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、導光板に特殊な加工を行うことなく、液晶表示装置全体の輝度を均一にすることができ、液晶表示装置の生産性を向上させ、かつ製造コストを削減することを可能とするカラーフィルタ、および輝度ムラの低減が可能であり、かつ生産性の高い液晶表示装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決するために、導光板および上記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有する液晶表示装置に用いられるカラーフィルタであって、透明基板と、上記透明基板上に形成され開口部を有する遮光部と、上記遮光部の上記開口部に形成され、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を含む複数色の着色層から構成される複数色の副画素と、各色の上記副画素から構成される複数の画素部とを有し、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことを特徴とするカラーフィルタを提供する。
【0011】
本発明によれば、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことから、液晶表示装置全体の輝度が均一になるように、上記カラーフィルタ内での上記複数の画素部の開口率をそれぞれ調整することが可能となる。よって、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置においては、輝度ムラの発生を防止することができ、良好な画像表示を行うことが可能となる。
また、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置全体の輝度の調整を行うことが可能となることから、上記面光源装置における導光板に特殊な加工等を行う必要がなくなるため、液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることが可能となり、また製造コストについても削減することが可能となる。
【0012】
本発明においては、上記光源から最も遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率に対する、上記光源から最も近い距離に配置される上記画素部の上記開口率の比が、0.7〜0.98の範囲内であることが好ましい。上述のように複数の画素部の開口率が調整されていることにより、液晶表示装置における輝度ムラの発生を好適に防止することが可能となる。
【0013】
本発明は、上述したカラーフィルタと、導光板および上記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有することを特徴とする液晶表示装置を提供する。
【0014】
本発明によれば、上記カラーフィルタを用いることにより、上記液晶表示装置の輝度が均一となるように調整を行うことが可能となることから、輝度ムラが低減され、良好な画像表示を行うことが可能な液晶表示装置とすることができる。
また、上記カラーフィルタを用いて、液晶表示装置全体の輝度の調整を行うことが可能となることから、上記面光源装置における導光板に特殊な加工等を行う必要がなくなるため、液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることが可能となり、また製造コストについても削減することが可能となる。よって、生産性が高く、かつコスト的にも有利な液晶表示装置とすることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のカラーフィルタは、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことから、液晶表示装置の輝度が均一となるように調整することができる。よって、上記液晶表示装置に用いた場合に、輝度ムラを低減可能であり、良好な画像表示を行うことが可能となるといった効果を奏する。
また、本発明によれば、カラーフィルタを用いて液晶表示装置の輝度を調整することが可能であることから、面光源装置に用いられる導光板については、上述した輝度調整のための処理を施さなくてもよくなるため、液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることができ、かつ製造コストを削減することが可能となるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明のカラーフィルタの一例を示す概略図である。
【図3】本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図である。
【図4】本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図である。
【図5】本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図である。
【図6】本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図である。
【図7】本発明の比較例における遮光部のパターンを示す概略平面図である。
【図8】本発明の実施例および比較例における遮光部のパターンを示す概略平面図である。
【図9】本発明の実施例における遮光部のパターンを示す概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のカラーフィルタ、および液晶表示装置について説明する。
【0018】
A.カラーフィルタ
まず、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、導光板および上記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有する液晶表示装置に用いられるものであって、透明基板と、上記透明基板上に形成され開口部を有する遮光部と、上記遮光部の上記開口部に形成され、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を含む複数色の着色層から構成される複数色の副画素と、各色の上記副画素から構成される複数の画素部とを有し、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことを特徴とするものである。
【0019】
なお、本発明における「画素部の開口率」とは、1つの画素部を区画する遮光部の中心部を囲んだ領域の面積Wに対する、1つの画素部を構成する各色の副画素の面積の総和Sの比率S/Wを指す。また、「副画素の面積」とは、遮光部の開口部において単色の着色層が形成されている面積を指す。
【0020】
また、本発明において「上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きい」とは、カラーフィルタ内に存在する複数の画素部のうち少なくとも1つ以上の画素部の開口率が上記画素部よりも光源から近い距離に配置される他の画素部の開口率より大きいことを指す。
【0021】
ここで、本発明のカラーフィルタについて図を用いて説明する。
図1は、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置の一例を示す模式図である。また、図2(a)は、本発明のカラーフィルタの一例を示す概略平面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図、図2(c)は図2(a)のB−B線断面図、図2(d)は図2(a)のC部分の拡大図である。
【0022】
図1に示すように、本発明のカラーフィルタ10は、面光源装置20と、液晶パネル30とを有する液晶表示装置100に用いられるものである。なお、液晶表示装置100については、後述する「B.液晶表示装置」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
また、図1および図2(a)、(b)に示すように、本発明のカラーフィルタ10は、透明基板11と、透明基板11上に形成され開口部を有する遮光部12と、遮光部12の開口部に形成され、少なくとも赤色着色層13’R、緑色着色層13’G、および青色着色層13’Bから構成される副画素13(図1、および図2(a)、(b)においては、赤色副画素13R、緑色副画素13G、青色副画素13B)と、各色の副画素13R、13G、13Bから構成される複数の画素部14とを有するものである。
また、図2(a)、(c)に示すように、本発明のカラーフィルタ100は、光源から遠い距離に位置する画素部14の開口率が、光源から近い距離に位置する開口部14の開口率よりも大きいものである。なお、図2(a)、(c)においては、液晶表示装置における面光源装置の光源が辺Xに沿って配置される場合において、光源側の辺Xから遠い距離に位置する画素部14の開口率が、光源側の辺Xから近い距離に位置する開口部14の開口率よりも連続的に大きい例について示している。
【0023】
なお、本発明における「画素部の開口率」とは、図2(d)に示すように、1つの画素部14を区画する遮光部12の中心部を囲んだ領域(図2(c)においてW1で示される領域)の面積Wに対する、1つの画素部14を構成する各副画素13R、13G、13Bの面積S、S、Sの総和Sの比S/Wを指す。
【0024】
本発明によれば、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことから、液晶表示装置全体の輝度が均一になるように、上記カラーフィルタ内での上記複数の画素部の開口率をそれぞれ調整することが可能となる。よって、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置においては、輝度ムラの発生を防止することができ、良好な画像表示を行うことが可能となる。
【0025】
なお、本発明において「液晶表示装置全体の輝度が均一になる」とは、液晶表示装置に配置されたカラーフィルタにおける任意の2つの画素部の輝度を比較した場合に、各画素部の輝度の差が±1%以下となることを指す。
上記画素部の輝度の差は、上記カラーフィルタに導光板および上記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置を配置し、各画素部ごとの輝度を測定し、測定値から算出するものとする。
また、輝度の測定は、例えば分光放射計 SR-3(TOPCON社製)を用いることによって測定することができる。
【0026】
また、本発明によれば、上記カラーフィルタを液晶表示装置に用いることにより、液晶表示装置全体の輝度の調整を行うことが可能となることから、上記面光源装置における導光板に特殊な加工等を行う必要がなくなるため、液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることが可能となり、また製造コストについても削減することが可能となる。
【0027】
以下、本発明のカラーフィルタの詳細について説明する。
【0028】
1.画素部
本発明における画素部は、各色の副画素から構成されるものである。
また、本発明は、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きいことを特徴とするものである。
【0029】
また、上述したように、本発明における画素部の開口率は、1つの画素部を区画する遮光部の中心部を囲んだ面積Wに対する、上記1つの画素部内の各副画素の面積の総和Sの比を示すものである。
【0030】
本発明における画素部の開口率については、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合に、良好な画像表示を行うことが可能であれば特に限定されないが、0.55〜0.98の範囲内、なかでも0.58〜0.95の範囲内、特に0.60〜0.90の範囲内であることが好ましい。上記画素部の開口率が上記範囲に満たない場合は、画像表示に寄与する副画素の面積が小さくなるため、本発明のカラーフィルタを用いて所望の画像表示を行うことが困難となる可能性があるからである。また、上記画素部の開口率が上記範囲を超える場合は、遮光部を用いて画素部を区画することが困難となる可能性があるからである。
また、本発明において、複数の画素部の開口率については上述した範囲内で変化させることが好ましい。
【0031】
本発明における複数の画素部の開口率の調整方法としては、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きくなるように調整することにより、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置全体の輝度を均一なものに調整することが可能な方法であれば特に限定されない。
【0032】
ここで、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きくなるように調整することにより、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置全体の輝度を均一なものに調整することが可能となる理由については次のように考えられる。
【0033】
すなわち、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いる場合は、上記カラーフィルタは、通常、エッジライト型の面光源装置の導光板の出光面側に配置される。ここで、上記面光源装置は、導光板の4つの側面のうち少なくとも1つの側面の入光面とし、上記入光面の側方に光源が配置された構成を有するものである。また、上記面光源装置は、光源からの距離が近いほど導光板からの出射光量が多くなり、光源からの距離が遠いほど導光板からの出射光量が少なくなるといった傾向が高いものである。
【0034】
よって、上記光源から遠い距離に配置される上記画素部の上記開口率が、上記光源から近い距離に配置される上記画素部の上記開口率よりも大きくなるように複数の画素部の開口率を調整することにより、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合、面光源装置の光源からの距離が遠い部分においては、画素部の開口率が大きいことから、導光板からの出射光量が少ない場合であっても、光の利用効率を向上させることが可能となる。一方、面光源装置の光源からの距離が近い部分においては、画素部の開口率が小さいことから、遮光部の面積を大きくすることができるため、導光板から過剰に出光する光を効率よく吸収することが可能となる。したがって、面光源装置における光源からの距離の差による出射光量の差に起因する輝度ムラの発生を好適に防止することが可能となる。
【0035】
以下、光源からの距離に合わせて複数の画素部の開口率を調整する調整方法(以下、単に開口率の調整方法と称して説明する)。について詳述する。
【0036】
(1)開口率の調整方法
本発明における開口率の調整方法としては、光源から遠い距離に配置される画素部の開口率が、光源から近い距離に配置される画素部の開口率よりも大きくなるように、各々の画素部の開口率を調整することができ、かつ、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合に輝度ムラの発生を防止することが可能であれば特に限定されない。
ここで、面光源装置における光源は、通常、導光板の入光面全体に配置されるものである。よって、カラーフィルタにおいては、通常、導光板の入光面に対応する少なくとも1辺に全体的に光源が配置される。
よって、本発明においては、図2(a)に示すように、光源側の辺Xから遠い距離に位置する画素部14の開口率が、辺Xから近い距離に位置する画素部14の開口率よりも大きくなるように、各々の画素部14の開口率を調整することが好ましい。また、辺Xから同等の距離に位置する画素部14の開口率については同等であることが好ましい。
【0037】
さらに、この場合、少なくともカラーフィルタの一部分において、光源側の辺から遠い距離に配置される画素部の開口率が、光源側の辺から近い距離に配置される画素部の開口率よりも大きくなるように調整することができれば特に限定されないが、例えば図3に示すように、光源側の辺Xからの距離が遠くなるにしたがって、複数の画素部14の開口率が段階的に大きくなるように、各々の画素部14の開口率を調整してもよい。
なお、本発明において「複数の画素部の開口率が段階的に大きくなる」とは、光源側の辺からの距離が遠くなるにしたがって、複数個毎に画素部が大きくなることを指し、図3においては、3個おきに画素部14が大きくなる例について示している。
【0038】
また例えば図2(a)に示すように、光源側の辺Xからの距離が遠くなるにしたがって、複数の画素部14の開口率が連続的に大きくなるように、各々の画素部14の開口率を調整してもよい。
【0039】
また、本発明においては、本発明のカラーフィルタとともに用いられる面光源装置における光源の数により、カラーフィルタの画素部の開口率を調整する必要がある。
ここで、上記面光源装置は、導光板の側面のうち、少なくとも1つの側面の側方に光源を有するものであれば特に限定されないが、液晶表示装置においては、導光板の対向する2つの側面の側方に光源が配置された面光源装置、または導光板のすべての側面の側方に光源が配置された面光源装置が好適に用いられる。
【0040】
よって、本発明のカラーフィルタが、導光板の対向する2つの側面の側方に上記光源が配置された面光源装置と併用される場合は、図4(a)に示すように、光源が配置される導光板の対向する2つの側面に対応する2辺X1、X2のそれぞれの辺からの距離を考慮して、2辺X1、X2から遠い距離に配置される画素部14の開口率が、2辺X1、X2から近い距離に配置される画素部14の開口率よりも大きくなるように、各々の画素部14の開口率を調整することが好ましい。
また、本発明のカラーフィルタが上述した導光板のすべての側面の側方に光源が配置された面光源装置と併用される場合は、図4(b)に示すように、光源が配置される導光板の側面に対応する4辺X3〜X6のそれぞれの辺からの距離を考慮して、4辺X3〜X6から遠い距離に位置する画素部14の開口率が、4辺X3〜X6から近い距離に位置する画素部14の開口率よりも大きくなるように、各々の画素部14の開口率を調整することが好ましい。
なお、図4(a)、(b)は、本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図であり、説明していない符号については図1(a)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0041】
また、光源からの距離に合わせて複数の画素部の開口率を調整する場合、光源から最も遠い距離に配置される画素部の開口率に対する、光源から最も近い距離に配置される画素部の開口率の比率としては、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置全体の輝度を均一なものとすることが可能であれば特に限定されないが、0.70〜0.98の範囲内、なかでも0.73〜0.95の範囲内、特に0.75〜0.90の範囲内であることが好ましい。上記比率が上記範囲に満たない場合は、画素部の開口率差による視認性の低下が生じるおそれがあるからであり、上記比率が上記範囲を超える場合は、輝度ムラの発生を防止することが困難となる可能性があるからである。
【0042】
本発明における画素部の開口率は、通常、画素部および副画素を区画する遮光部の線幅を調整することにより調整されるものである。
【0043】
上記遮光部の線幅の調整方法としては、遮光部の開口部に設けられる各色の着色層が所望のパターン配列を有することができ、かつ複数の画素部がそれぞれ所望の開口率を有することが可能であれば特に限定されないが、図5(a)に示すように、カラーフィルタの光源側の辺Xに対して略平行方向に配置される遮光部12aと、略垂直方向に配置される遮光部12bとのうち、遮光部12aの線幅のみを変えて調整してもよく、図5(b)に示すように、遮光部12bの線幅のみを変えて調整してもよく、図1(a)に示すように、カラーフィルタ10の光源側の辺Xに対して略平行方向および略垂直方向に配置される遮光部12の線幅を変えて調整してもよい。なお、図5(a)、(b)は、本発明のカラーフィルタの他の例を示す概略平面図であり、図5において説明していない符号については図1(a)等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0044】
(2)画素部
本発明における画素部は、各色の副画素から構成されるものである。なお、後述するように、本発明における副画素は、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を有するものであることから、本発明における1つの画素部は、少なくとも赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素から構成されるものである。
【0045】
本発明においては、1つの画素部における各色の副画素の面積としては、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置において良好な画像表示を行うことが可能であれば特に限定されず、各色の副画素の面積が同等であってもよく、異なってもよい。
また、1つの画素部における各色の副画素の形状についても、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置において良好な画像表示を行うことが可能であれば特に限定されず、同じ形状であってもよく、異なる形状であってもよい。
【0046】
本発明における画素部の数としては、カラーフィルタ内において、開口率の異なる画素部を有することが可能であれば特に限定されず、本発明のカラーフィルタの用途に応じて適宜選択されるものであるが、32000個以上、なかでも40000個〜12000000個の範囲内、特に51200個〜3000000個の範囲内であることが好ましい。本発明における画素部の数が上記範囲に満たない場合は、カラーフィルタ内における複数の画素部の開口率がそれぞれ異なるように調整した場合であっても、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置の輝度ムラの発生を十分に防止することが困難となる可能性があるからである。
なお、上記画素部の数の上限値は、24000000個程度である。
【0047】
2.副画素
本発明における副画素は、上記遮光部の上記開口部に形成され、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を含む複数色の着色層から構成されるものである。
また、本発明のカラーフィルタにおいては、少なくとも赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素が用いられる。
【0048】
本発明における各色の副画素の面積としては、本発明における画素部が所望の開口率を有することができ、かつ、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置において良好な画像表示を行うことが可能な程度の面積であれば特に限定されず、カラーフィルタの用途等に応じて適宜選択される。
【0049】
本発明における副画素を構成する着色層としては、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層が含まれる。また、本発明においては、上述した色以外の着色層についても必要に応じて用いることが可能である。
【0050】
上記副画素を構成する着色層の配列としては、本発明のカラーフィルタを液晶表示装置に用いた場合に、所望のカラー表示を行うことが可能な配列であれば特に限定されず、一般的なカラーフィルタに用いられる着色層の配列と同様とすることができる。具体的には、ストライプ配列、モザイク配列、デルタ配列等が挙げられる。
【0051】
上記着色層の材料としては、顔料、および樹脂材料が用いられる。上記顔料、および樹脂材料等については、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられる顔料、および樹脂材料等と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0052】
上記着色層の形成方法については、所望の副画素を構成する着色層を形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的なカラーフィルタにおける着色層の形成方法と同様とすることができる。具体的には、フォトリソグラフィー法、インクジェット法、印刷法等を挙げることができる。
【0053】
3.遮光部
本発明における遮光部は、透明基板上に形成され、開口部を有するものである。
【0054】
遮光部のパターン形状については、通常、上述した画素部の開口率、および副画素を構成する着色層の配列等を考慮して適宜選択される。
【0055】
上記遮光部の線幅としては、遮光部の開口部に画素部を設けることができ、かつ、上述したように画素部の開口率を調整することが可能であれば特に限定されないが、5μm〜60μmの範囲内、なかでも6μm〜55μmの範囲内、特に7μm〜50μmの範囲内とすることが好ましい。遮光部の線幅が上記範囲に満たない場合は、遮光部を用いて画素部を区画することが困難となる可能性があるからであり、遮光部の線幅が上記範囲を超える場合は、遮光部の開口部が小さくなるため、画像表示に寄与する副画素の面積が小さくなることから、本発明のカラーフィルタを用いた液晶表示装置の視認性が低下するおそれがあるからである。
【0056】
本発明における遮光部の材料としては、上記画素部を区画することが可能であれば特に限定されず、例えば、黒色着色剤をバインダ樹脂中に分散または溶解させた樹脂製遮光部や、クロム、酸化クロム等の金属薄膜等が挙げられる。
なお、樹脂製遮光部に用いられる黒色着色剤、およびバインタ樹脂については、一般的なカラーフィルタの遮光部に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0057】
また、上記遮光部の形成方法としては、遮光部が所望のパターン形状を有するように形成することが可能であれば特に限定されない。
例えば、上記遮光部が樹脂製遮光部である場合は、フォトリソグラフィー法、印刷法等を挙げることができる。
また例えば、上記遮光部が金属薄膜である場合は、金属マスクを用いた蒸着法、スパッタ法や、透明基板上に金属薄膜を形成した後、エッチング処理を施す方法等を挙げることができる。
【0058】
また、本発明においては、図6に示すように、各色の副画素13R、13G、13Bを構成する各色の着色層13’R、13’G、13’Bのうち、少なくとも2色の着色層(図6においては赤色着色層13’Rおよび青色着色層13’B)を積層させた着色層積層体123を、遮光部として用いることが可能である。
【0059】
また、この場合、本発明のカラーフィルタにおける遮光部の全てに上述した着色層積層体を用いてもよく、上記遮光部の一部に上記着色層積層体を用いてもよい。
【0060】
遮光部の一部に着色層積層体を用いる場合は、例えば、図5(a)に示すように、異なる色の副画素13間に配置される遮光部12(図5(a)においては、遮光部12b)に着色層積層体を用い、同色の副画素13間に配置される遮光部12(図5(a)においては、遮光部12a)を金属薄膜または樹脂製遮光部を用いることが好ましい。
遮光部の構成を上述の構成とすることにより、金属薄膜等を用いて形成される遮光部のパターン形状を簡素なものとすることができることから、遮光部の線幅を変更して、複数の画素部の開口率が調整しやすくなる。また、異なる色の副画素間に配置される遮光部については、副画素を構成する着色層の形成時に同時形成することができる。
【0061】
4.透明基板
本発明における透明基板は、上述した遮光部、副画素を構成する着色層等を支持するものである。
【0062】
本発明における透明基板については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0063】
5.その他の部材
本発明のカラーフィルタは、上述した画素部、遮光部、および透明基板を有するものであれば特に限定されるものではなく、他にも必要な部材を適宜選択して用いることが可能である。
このような部材としては、例えば、柱状スペーサ、オーバーコート層、液晶配向制御突起等を挙げることができる。
なお、上述した部材については、いずれも一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0064】
6.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法としては、複数の画素部の開口率を上述したように調整して形成することが可能な方法であれば特に限定されず、一般的なカラーフィルタの製造方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0065】
7.液晶表示装置
本発明のカラーフィルタは、導光板および上記導光板の側面に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有する液晶表示装置に用いられるものである。
本発明のカラーフィルタが用いられる液晶表示装置については、後述する「B.液晶表示装置」の項で説明するので、ここでの説明は省略する。
【0066】
B.液晶表示装置
次に、本発明の液晶表示装置について説明する。
本発明の液晶表示装置は、上述した「A.カラーフィルタ」の項に記載のカラーフィルタと、導光板および上記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有することを特徴とするものである。
【0067】
ここで、本発明の液晶表示装置について図を用いて説明する。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を示す模式図である。図1に示すように、本発明の液晶表示装置100は、カラーフィルタ10と、導光板21および導光板21の側方に配置された光源22を有する面光源装置20と、液晶パネル30とを有するものである。なお、カラーフィルタ10については、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したので、ここでの説明は省略する。
【0068】
本発明によれば、上記カラーフィルタを用いることにより、上記液晶表示装置の輝度が均一となるように調整を行うことが可能となることから、輝度ムラが低減され、良好な画像表示を行うことが可能な液晶表示装置とすることができる。
また、上記カラーフィルタを用いて、液晶表示装置全体の輝度の調整を行うことから可能となることから、面光源装置における導光板の加工等を行わなくてもよくなるため、液晶表示装置の製造工程を簡便なものとすることが可能となり、また製造コストについても削減することが可能となる。よって、生産性が高く、かつコスト的にも有利な液晶表示装置とすることができる。
【0069】
以下、本発明の液晶表示装置について詳述する。
【0070】
1.カラーフィルタ
本発明におけるカラーフィルタについては、上述した「A.カラーフィルタ」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0071】
2.面光源装置
本発明における面光源装置は、導光板と、上記導光板の側面に配置された光源とを有するものである。
【0072】
(1)導光板
本発明における導光板は、通常、出光面と、出光面に対向する背面と、出光面および背面の間に位置する側面とを有し、光源が配置されている側の導光板の側面を入光面として用いるものである。また、上記導光板においては、光源からの光を入光面から入光させ、拡散させた後、出光面から均一な光を出射する。
【0073】
上記導光板としては、一般的なエッジライト型の面光源装置に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0074】
(2)光源
本発明に用いられる光源は、導光板の側方に配置されるものである。なお、上記光源は、通常、導光板の入光面に配置されるものである。
【0075】
光源としては、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯、点状のLED(発光ダイオード)、白熱電球等を用いることができる。中でも、色再現性、小型化、低消費電力化に優れる点から、LEDが好ましい。
光源が白色発光するLEDである場合、光源の数が少なくとも均一な白色とすることができる。また、光源がそれぞれ、光の三原色に近い色の発光を行う3種類のLEDである場合、これら3種類のLEDがそれぞれ独立して配置されることにより白色の照明光が放出されるので、色バランス調整を容易に行うことができ、表示部の品位を高め、画像をより美しく見せることができる。
光源が複数のLEDが配列されたものである場合、LEDのピッチは、入光面の幅、上述したカラーフィルタの遮光部のピッチ等に応じて適宜調整される。
【0076】
(3)その他の構成
本発明における面光源装置は、上述した導光板、および光源を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要な構成を適宜選択して追加することができる。
以下、このような構成としては、導光板の背面側に配置され、導光板の背面から出射した光を反射させて、再び導光板内に入射させる反射シート、導光板の出光面側に配置され、透過光を拡散させる機能を有する拡散シート、導光板の出光面側に配置され、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有する偏光反射シート等を挙げることができる。
【0077】
3.液晶パネル
本発明に用いられる液晶パネルとしては、一般的な液晶パネルを用いることができる。
なお、液晶パネルの詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されているため、ここでの説明は省略する。
【0078】
4.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、上述したカラーフィルタ、面光源装置、および液晶パネルを有するものであれば特に限定されるものではなく、他にも必要な構成を適宜選択して用いることができる。
【0079】
5.用途
本発明の液晶表示装置の用途としては、例えば、テレビ、パソコン、モニター、デジタルサイネージ等を挙げることができる。
【0080】
6.液晶表示装置の製造方法
本発明の液晶表示装置の製造方法については、一般的な方法と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0081】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0082】
以下、本発明について、実施例を挙げて説明する。
【0083】
以下の手順により、カラーフィルタ1およびカラーフィルタ2を作製した。
【0084】
[カラーフィルタ1の作製]
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
【0085】
(硬化性樹脂組成物の調製)
次に下記材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399) 24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン-1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
【0086】
(遮光部の形成)
まず、下記分量の成分を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調整した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 23質量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
【0087】
次に、下記分量の成分を十分混合して、遮光部用組成物を得た。
<遮光部用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
【0088】
透明基板として厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材)上に上記遮光部用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約1μmの遮光部形成用層を形成した。当該遮光部形成用層を、超高圧水銀ランプで遮光パターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して遮光部を形成した。
なお、遮光部のパターンは、図7に示すように、面内を36分割し、分割された各領域に図8に示すように複数の副画素を有する複数の画素部を備えたパターンとした。なお、カラーフィルタ1においては、複数の画素部の開口率が同等である。
【0089】
(着色層の形成)
上記のようにして遮光部を形成した透明基板上に、下記組成の赤色着色層形成用塗工液をスピンコーティング法により塗布(塗布厚み1.5μm)し、その後、70℃のオーブン中で3分間乾燥して赤色着色層形成用層を得た。次いで、赤色着色層形成用層から100μmの距離にフォトマスクを配置してプロキシミティアライナにより2.0kWの超高圧水銀ランプを用いて赤色着色層の形成領域に相当する領域のみに紫外線を10秒間照射した。次いで、0.05wt%水酸化カリウム水溶液(液温23℃)中に1分間浸漬してアルカリ現像し、赤色着色層形成用層の未硬化部分のみを除去した。その後、上記透明基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより赤色着色層(赤色副画素)を形成した。
次に、下記組成の緑色着色層形成用塗工液を用いて、赤色着色層と同様の工程で、緑色着色層(緑色副画素)を形成した。
さらに、下記組成の青色着色層形成用塗工液を用いて、赤色着色層と同様の工程で青色着色層(青色副画素)を形成した。
これにより、赤色副画素、緑色副画素、および青色副画素を備えた複数の画素部を有するカラーフィルタを得た。
【0090】
<赤色着色層形成用塗工液の組成>
・C.I.ピグメントレッド177(Chromofine Red 6605、大日精化工業社製) 10質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82質量部
【0091】
<緑色着色層形成用塗工液の組成>
・C.I.ピグメントグリーン36(Heliogen Green D9360、BASF社製) 10質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82質量部
【0092】
<青色着色層形成用塗工液の組成>
・C.I.ピグメントブルー15:6(Fastogen Blue EP-7、DIC社製) 10質量部
・ポリスルホン酸型高分子分散剤 3質量部
・上記硬化性樹脂組成物 5質量部
・酢酸−3−メトキシブチル 82質量部
【0093】
[カラーフィルタ2の作製]
遮光部のパターンを以下のようなパターンとしたこと以外は、カラーフィルタ1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
カラーフィルタ2においては、図9に示すように、面内を36分割し、分割された各領域に図8に示すように複数の副画素を有する複数の画素部を有するパターンとした。また、図9に示す横方向の6列(A1〜A6)においては、横方向の画素部の開口率が、カラーフィルタ1の画素部の横方向の開口率を1とした場合に、A1およびA6では0.95となり、A2およびA5では0.97となり、A3およびA4では0.99となるように、それぞれの副画素の横方向の幅(図8でxで示す幅)を調整し、分割された各領域における画素部の開口率を変化させた。
また、図9に示す縦方向の6列(B1〜B6)においては、縦方向の画素部の開口率が、カラーフィルタ1の縦方向の開口率を1とした場合に、B1およびB6では0.95となり、B2およびB5では0.97となり、B3およびB4では0.99となるように、それぞれの副画素の縦方向の幅(図8でyで示す幅)を調整し、分割された各領域における画素部の開口率を変化させた。
【0094】
[評価]
カラーフィルタ2を実施例とし、カラーフィルタ1を比較例として以下の評価を行った。
実施例のカラーフィルタに、導光板および上記導光板の各側面(4つの側面)にエッジライト(光源)が配置されているバックライト(面光源装置)を取り付け、図9に示すI〜XVIの16ポイントの画素部の輝度を測定することにより、開口率の異なる画素部ごとの輝度を分光放射計SR-3(TOPCON社製)を用いて測定した。
また、比較例のカラーフィルタも同様に、上述のバックライトを取り付け、実施例において測定された画素部に対応する(図7に示すI〜XVIの16ポイント)画素部の輝度を測定した。
結果を表1に示す。
【0095】
【表1】

【0096】
表1における輝度差は、MaxのWhite輝度とMinのWhite輝度の差を示すものである。また、上記輝度差を用いることにより、上記輝度差が上述の16ポイントにおけるWhite輝度の平均値に対してどの程度振れ幅があるのかを数値化して調べることができる。また、上記輝度差が小さいほど、上記平均値に対する振れ幅が小さいことを示している。
上述のように開口率が変更された実施例における遮光部を用いる事で、開口率が一様の比較例における遮光部を用いる場合に比べて、輝度の振れ幅が抑えられていること、すなわち輝度ムラを防止することが可能となることが確認された。
【符号の説明】
【0097】
10 … カラーフィルタ
11 … 透明基板
12 … 遮光部
13 … 副画素
13’R… 赤色着色層
13’G… 緑色着色層
13’B… 青色着色層
14 … 画素部
20 … 面光源装置
21 … 導光板
22 … 光源
30 … 液晶パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光板および前記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、液晶パネルとを有する液晶表示装置に用いられるカラーフィルタであって、
透明基板と、前記透明基板上に形成され開口部を有する遮光部と、前記遮光部の前記開口部に形成され、少なくとも赤色着色層、緑色着色層、および青色着色層を含む複数色の着色層から構成される複数色の副画素と、
各色の前記副画素から構成される複数の画素部とを有し、
前記光源から遠い距離に配置される前記画素部の前記開口率が、前記光源から近い距離に配置される前記画素部の前記開口率よりも大きいことを特徴とするカラーフィルタ。
【請求項2】
前記光源から最も遠い距離に配置される前記画素部の前記開口率に対する、前記光源から最も近い距離に配置される前記画素部の前記開口率の比が、0.7〜0.98の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタと、
導光板および前記導光板の側方に配置された光源を有する面光源装置と、
液晶パネルと
を有することを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−15680(P2013−15680A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148441(P2011−148441)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】