カラーマッピング装置及び方法
【発明の詳細な説明】
技術分野 この発明はデジタル画像技術に関し、特に限られたカラーパレットから画像を強調(enhance)する装置及び方法に関する。
背景技術 デジタル画像表示やデジタル画像処理の分野では、並列なカラーバス、例えば16ビット幅のカラーバスを一般に使用する。カラーバスは、特定の時点に画像の特定の画素について、それぞれ0〜31または0〜(25−1)の33レベルをもつ画素の赤、緑、青(RGB)成分のデジタル値を同時に伝送することができる。25とおりの赤の値、26とおりの緑の値、及び25とおりの青の値(=25+6+5=216)の範囲のためには16ビット幅のバスが必要となるわけである。
各R.G.Bの成分が0〜(25−1)の幅の任意の値をとり得るとき高品質の連続フルカラー解像度モニター及び画像が可能となる。今日例えば256,000色のカラーパレットを持つ表示モニターは珍しくない。これはもちろん各カラー成分の値の範囲を大きくとって取り得るRGB値の組み合せの数を大きくしたことによるものである。
しかしながら、画像の解像度をあげるため、1画像につき300,000画素を越えるディスプレイ、例えば640×480のディスプレイ(すなわち、307,200画素)も珍しくない。それゆえ容易に理解されるように、カラー解像度(分解能)が高く、かつ画素解像度も高いようなデジタル画像ディスプレイを提供しようとすればメモリーと速度の問題が大きくクローズアップされる。上の例で言えば1フレーム分の画像を表示するだけでも307,200の16ビット画素の記憶と検索を必要とする。このような画像を多数高速に表示する必要のある動画ビデオやフルモーションビデオではこれらの問題はいっそう深刻になる。
以上の理由から画像の解像度をあげつつ画像装置にかかる大きな負担を軽減するための技術が探し続けられている。
一つのアプローチは連続パレットから選択する入力パレットのカラー数を減らすことである。例えば入力パレットのカラー数を16に減らせば各画素のカラーを4ビットの数値だけで表現できる。このように、各カラーがあらかじめ定めたRGB成分を記憶する16カラーの固定入力パレットを用意することにより、特定の画素を表現するのに必要なビット数を減らすことができる。各選択カラーは極めて大きな連続カラーパレット(そのRGB成分がRGB成分の全範囲から選択されるパレット)の中の所望のカラーであり得るが、選択できるカラーの数が比較的少数に制限されるため別の問題が生じる。しばしば画像の品質に大幅な劣化が生じ、例えば肌色の部分に斑点がついてみえたりする輪郭劣化(contouring)現象が生じる。このために数多くのエラー拡散(error diffusing)技術が開発され、入力カラーの限られたパレットで連続カラー画像をできるだけ近似しようとする試みがなされてきた。このような技術の一例が“カラー画像のための大きなカラーパレットから少数のカラーを最適選択する手順(A Procedure for Optimum Choice of a Small Number of Colors from a Large Color Pallete for Color Imagihg"(Proceedings of the Electronic Imaging86 Exposition and Conference,ボストン,マサチューセット州,11月3〜6日,1986年,第75〜79頁,Institute for Graphic Comunnications,ボストン,マサチューセット州、において発表された)に記載されている。
以上の理由及びその他の理由により、限られたカラーパレットから、あたかも目に心地良く正確に知覚される大きなカラーパレットを用いて作られたように見える画像を、簡単にかつ高速にシュミレートできる装置と方法が強く望まれている。
発明の概要 この発明は、各画素が複数のカラー成分(RGB成分)をもつ第1画素からカラーマップド画像を生成するもので、まず原画像となる第1画像において、互いに近接する画素を1グループとして、第1画像の画素を複数のグループに分ける。後述する実施例では、各グループは隣り合う1対の画素からなっている。各グループの画素の各カラー成分の平均をとり、その平均化画素を特定の知覚カラーと関連づける。各知覚カラーは、あらかじめ選択されている入力カラーパレットの複数の入力カラーのそれぞれの組み合せと関数的に関係づけられており、したがって知覚カラーが決まると、それに対応する、入力カラーの組み合せも決まる。この選択された入力カラーの組み合せを第1画像の各グループの画素の代わりに用いることによってマップド画像が生成される。
平均化画素と知覚カラーとの関連づけは、第1画像に使用される多数のカラー(連続カラー)をエントリーとして含むアレイを用いることによって行われる。このアレイは、各連続カラーに関連する知覚カラーへのインデックスも含んでおり、平均化画素のカラーに対応するエントリーのインデックスを調べることにより、関連する知覚カラーを知ることができる。
実施例の詳細な説明 本発明の新規な特徴はクレームに述べられている。しかしながら、、本発明とこの本発明の他の特徴および効果は、添付図面と共に以下の好適な実施例を参照することにより最もよく理解されるであろう。
まずこの発明の原理をデジタルオーディオの分野に適用した例について述べ、次に画像に適用した例について述べる。次に広い概念のレベルでの実施例を簡単に説明して他の簡単な実施例と共にこの発明の基本的な技術思想を明らかにする。その後で代表的な画像取込表示装置を含む本発明を更に詳細に説明する。
この発明の原理を説明するため、まず一例として簡単な問題を説明する。第1図において信号発生器10Aは参照符号12Aで示すように0ボルトと0.6ボルトと1ボルトの3種類の出力状態しか取り得ないものとする。この装置10Aを用いて出力状態の限られた“パレット”に与えられる0.5ボルトの定信号を生成することを考えてみる。なお説明の便宜上デジタルオーディオのサンプリングレートは44.1KHzとする。
第2図に従来技術によるこの問題の解決策を図示する。解決策としてエラー拡散を使用するにしろディザを使用するにしろ、発生器12Aが所望のレベルに最も近い2つの状態を選択して両状態の間で振動させるというのが従来技術の基本的な結果である。この場合で言えば、0.5ボルトの所望レベルを生成するたけ、一つの解決策は参照符号16Aに示すように0.6ボルトを5回出力しては0ボルトの状態を1回出力する。これにより、RMSエラー(実効値誤差)を最少にして所望の平均値である0.5ボルトを得ることができる。これによって知覚される信号を参照符号18Aで示す。この解決法は出力状態の数が限られているために必然的にノイズを明らかに発生させる。しかし、従来技術の解決法で問題となるのはノイズレベルではなく、ノイズの周波数である。第2図のノイズスペクトル14Aに示すようにこの例ではほぼ7.4KHzの周波数とその高周波において明らかに耳で聞き取れるノイズが発生する。
この問題に対し、この発明では、第3図に示すように所望の0.5ボルトレベルに最も近いわけではない出力状態を使用して全く別の解決策をとる。これは従来技術とは対照的である。従来技術では0.5ボルトの所望レベルに最も近い0.6ボルトのレベルを頻繁に使用し、この0.6ボルトが0.5ボルトを越える分を補うために時折0ボルトを使用する。この発明の解決法では第3図の参照符号20Aに示すように最短時間で平均が所望レベルになるような出力状態を選択する。すなわち装置10Aではサンプリング周波数で0と1ボルトの状態を混ぜ、わずか2サイクルで所望の平均値0.5を得ることができ、従来技術のように6サイクルを必要としない。
この発明の解決法の重要な1つの特徴は従来の方法よりRMSノイズの大きい(具体的にはほぼ7デシベル)信号を生成することである。しかし、従来技術の参照符号14Aに対して参照符号22Aでノイズスペクトルを示すように、この発明の解決法の場合全てのノイズは22KHzに集中する。したがって実際にはこのノイズはオーディオシステムで減衰され、耳には聞こえない。したがって聴者は第2図の参照符号18Aに対して参照符号24Aに示すような純粋な0.5ボルトの信号を知覚することになる。
この発明の装置の詳細な説明に進む前にこの発明の基本的な原理をいっそう明確にするため、画像における第2の実例の問題をとりあげ、それに対してなされる従来技術の解決法とこの発明の解決法を述べる。第4図において、先の問題のデジタルオーディオ装置がそうであったように、図示の画像装置は限られた出力状態しかとり得ず、例えばパレット26Aに示すように純粋な黒48A、純粋な白42A及び40%の灰色44Aの画素しか生成しえない。ここで50%の灰色46Aとして知覚される画像を作る場合を考えてみる。
第5図に従来技術の装置による解決法を例示する。従来技術の装置では所望の50%の灰色46Aに最も近い状態すなわち40%の灰色の状態44Aを頻繁に使用し、所望の状態との誤差を補償するため時折白色の状態42Aのような他の状態を使用する。詳細には従来技術では5つの40%灰色画素44Aを配置しては1つの白画素42Aを配置して所望の50%灰色の平均値を達成する。画像の領域でのこの解決策は第2図においてデジタルオーディオに対してとった従来の解決法すなわち、所望の0.5ボルトに一番近い0.6ボルトの状態を最も高い頻度で使用する解決法に似ている。
オーディオの例から類推されるように画像問題に対する従来の解決法では、2つの状態を繰り返し発生させるので空間周波数領域にノイズを生じさせる。空間周波数領域におけるノイズの正確な発生場所はもちろんディザ法を使用したかエラー拡散法を使用したかに依存する。しかしながら、前記オーディオの場合から類推されるように、白画素42Aのサンプルをどのように配置したにしろ、この例では、帯域幅の中央の4分の1の領域に含まれる低周波数のノイズが常に発生する。したがって観察者には画像34Aに示すようなドットパターンの画像が知覚されてしまう。
第6図にこの発明による解決法を示す。この発明では黒画素48Aと白画素42Aを選択して混ぜ合わせる。黒画素48Aと白画素42Aは、所望の50%灰色画素46Aに最も近い色ではないが2つの画素だけで正しい平均の陰影を得ることができ、第5図に示す従来技術のように所望の平均陰影を得るのに6つの画素を必要としない。すなわち第6図6図の画像36Aに示すようにこの発明では白と黒の画像を格子板状に配置する。これによりRMSノイズは大きくなるが、縦と横の方向に交互に配置されているので、空間周波数ノイズスペクトル38Aに示すようにノイズは全て空間周波数帯域幅の対角方向の先端に集中する。これらの先端は装置が水平又は垂直の解像度(grating)として発生する最高周波数の1.414(2の平方根)倍の周波数である。したがってこれらの先端にあるノイズは通常、表示装置により大幅に減衰され観察者の目には無視され、その結果参照符号40Aで示すように所望の50%灰色画像が知覚される。
従来技術の効果とこの発明の効果との違いは第5図と第6図を遠くから眺めてみることにより、実際に観察される。すなわちこうすることによって34Aと40Aにそれぞれ対応する画像を表示装置に表示した場合と同様の効果が得られる。画像に対するこの発明のアプローチはオーディオ情報に関する第3図の場合と似ており、この発明のアプローチでは全体の画像を達成するために、他の取り得るサンプルよりも所望のサウンドレベルから離れたサンプルを選択している。このようにこの発明は大きさが量子化されていない信号を使用できる量子化状態の列に変換するものである。この変換はパレットによる画像表示、デジタルオーディオ圧縮等に有効なものである。従来技術の基本的な特徴は所望の量子化されていない信号に最も近い使用可能な量子化状態をミックスしてある程度のスパンで所望の量子化されていない信号を平均化する点にある。
これに対しこの発明では、取り得る状態から選択される量子化された状態は、量子化されていないレベルに最も近いものではないが、最少のサンプル数のスパンでその平均が所望の量子化されていないレベルになるものである。したがってノイズの絶対量は多くなるが、その位置は装置の応答特性に合わせて工夫されている。すなわち、ノイズは装置の最高周波数に局所化されるため、観察者には知覚されない。
以上でこの発明の一般的な原理を述べたので次に二つの簡単な実施例について説明し、その後でこの発明の代表的な装置について詳細に説明する。
以下説明する本発明の第1実施例において、入力カラーパレットとして13色のパレットを用いるものとする。第1実施例はこのパレットを用いて従来技術ではずっと大きなパレットを使用しなければ得ることのできないようなカラー明瞭度(articulation)をもつ画像を生成する。また表示装置の解像度は水平方向が640画素で垂直方向が480画素とする。マップすべき連続階調画像は、この解像度の丁度半分すなわち水平320画素×垂直480画素とし、この解像度でとり込まれたかあるいはもっと高い解像度のものからこの解像度に下げたものとする。
さらに簡単のため表示画素は2つずつグループ化され、2つで1つのイメージ画素の領域を占めるものとする。さらに2つの画素の平均がイメージ画素に可能な限り近いものとする。この場合“平均化ゾーン”は2画素から成るということができる。しかしながら、もっと複雑な構成例では平均化ゾーンは縦に2画素、横に2画素の4つの画素の正方形となり得、さらにその他の広さの平均化ゾーンも可能である。
画素を2つずつグループ化するようにしたので入力パレットから与えられる13色のオリジナルカラーだけでなく2つのカラーのすべての組み合せ、すなわち13×12)/2すなわち78色のカラーを加えて使用できる。これらのカラーはできるだけ均一になるように分配するのが好ましい。具体的には、パレットカラーを選択する際に結果として同一のカラーとなってしまう2つのカラーの組み合せの重複を避けるようにする。オーディオシステムに適用する場合には、デジタルオーディオシステムの電圧レベルを選択する際に、状態の規則的な配置を避け規則的な配置により状態を2つずつ平均化した場合に生じる重複を避けるようにする。
次に13色の全ての対から成るパレットテーブルを作成して合計91色のパレットカラーが選択できるようにする。各パレットカラーのデジタル表現は最初に暗い方のカラーを置き後に明るい方のカラーを置く形で記憶される。暗さと明るさは従来からよく知られた方法に従って標準の輝度の公式を使用して赤、緑、青の値から計算できる。イメージの実際のマッピングは従来と基本的に変わりない。すべてのイメージの画素について、装置は78のパレットエントリーの中から最も近いものを見つけ出し、選択されたカラー対を定める情報を単一画素として表示画素に写し取り、その後は従来と同様にエラー拡散処理又はディザ処理を施す。パレットからのカラー対を表示画素に写し取る場合には第6図で述べたように対角線方向のチェック模様で明暗を形成するのが好ましい。これを達成するため偶数行では対の中の暗い方のカラーを明るい方のカラーの左にコピーし奇数行では暗い方のカラーを明るい方のカラーの右にコピーする。
上記の例では原画像が表示解像度の半分であることを想定した。しかしながら原画像が表示解像度と等しい場合もある。この場合にもこの発明の装置及び方法を適用可能である。そこで次に原画像と表示(デスプレイ)の解像度がともに640×480である例について述べる。なお入力カラーパレットとしては同じ13色のパレットを使用するものとする。
まず二つのルックアップテーブルを作成する。第1のルックアップテーブルは上述したのと同様に最も近いカラー対を定め、第2のルックアップテーブルは従来技術のように13色の中から最も近い単一カラーを定める。行と列の和が偶数の画素を偶数画素とみなし、行と列の和が奇数の画素を奇数画素とみなすことにする。これにより第6図に示すように順序づけられた偶数画素のチェック模様が作られる。
次に画像の取込みのために画像を走査する。偶数画素のところでは1つ前の例と同様に1番近いカラー対をルックアップする。この対の中の暗い方のカラーを画像に配置し、エラーの半分を縦方向に拡散する。このエラーは第2のカラーはまだ配置していないがカラー対の平均に基づくものである。次にエラーの残りの部分をすでに配置済みの単一カラーにのみ基づいて水平方向に拡散する。奇数画素のところでは一番近い単一カラーをルックアップし、画像中に配置し、従来と同様にそのエラーの半分を垂直方向に拡散し、エラーの残りを水平方向に拡散する。
このようにして、偶数画素に対して2画素シーケンスを開始して“予定された”(まだ配置していない)第2のカラーに基づく垂直方向のエラー拡散処理を行なう。これにより画像のカラーに変化がなければ水平方向のエラー拡散処理を行い次画素を“予定された”第2のカラーとする。その後、奇数画素に対して2画素シーケンスを行なう。すなわち融合(fusion)により“予定された”第2のカラーに対して第1のカラーを補ってその平均が正しい値になるようにするので、最も近いカラーが選択される。もっとも、画像が変化した場合には、画像のディーテールの明瞭度(articulation)が最も良くなるような別の最も近いカラーを選んで十分な解像度が保たれるようにする。
第7図にこの発明にしたがってデジタル画像のマッピング表示を行なうコンピューター化されたデジタル画像取込表示装置10を示す。コンピューター16は画像の取り込みの制御、デジタル画素情報処理及び適当なモニター28に表示する処理画像の出力制御を行なう機能をもっている。これらの機能は、キーボード30のような通常の入力装置による適当な入力とともに後述する適当なコンピュータプログラムによって制御される。
第7図の装置はさらに画像12を変換するカメラ14を備える。変換された画像は電気信号の形で取り込まれ、後にコンピューター16で処理される。デジタル化のためにコンピューター16に供給されるアナログイメージデータは、ビデオテープやディスクにあらかじめ、アナログの形式で“取り込まれた”ものであっても良い。この場合、適当なVCR、ディスクプレーヤー等によりイメージデータがコンピューターにより与えられることになる。
コンピューター16はカメラ14からのアナログイメージデータをデジタル化して処理に適した形式に変換するための適当なハードウェアとソフトウェアを備えている。代表的な装置はモデル70パーソナルシステム/2コンピュータ、8514モニター、適当なソフトウェア、例えばIBM製のオーディオビジュアルコネクション(Audio Visual Connection)ソフトウェアコンピューター16に組み込まれるビデオ取り込み周辺カード、(これらはすべてニューヨーク州アーモンクのインターナショナルビジネスマシーンズ社から入手できる)及び適当なカメラ例えばパラソニック社から入手できるモデル300CLEを含む。デジタル画像の入手(“取り込み”)方法はこの発明の一部をなすものではないが完全を期すために説明した。記憶装置やコンピューターが読み取り可能な媒体上にデジタル化したイメージをおいておき最初からデジタルイメージをコンピュータが利用できるようにしてもよい。
この発明はここまで述べてきたような特定のハードウェア装置に限定されるものではなく、多くの異なる装置での実現が可能であり、本発明の利点はデジタル画像処理と表示能力をもつ、任意の汎用デジタルコンピューターでも享受しうるものである。第7図の説明を続けると、コンピューター16はマイクロプロセッサー18に加え、RAM,ROM,光学又は磁気のディスク記憶装置等あるいはこれらの組み合せでありうる記憶媒体を含む。詳細にはこの記憶装置は原デジタル取込画像データと平均化したデジタル取込画像データとを記憶する原画像記憶装置20を含む。さらに記憶装置にはルックアップテーブル22とマップド画像記憶装置24が含まれる。記憶装置とテーブル20〜24の各種の記憶場所は通常のI/O技術により周知の仕方でマイクロプロセッサー18と相互接続するシステムバス26を介してアクセス可能である。
装置10の全体の動作の概要を述べると、記憶装置20にある原画像の画素のRGB成分の値をマイクロプロセッサー18により実行される適当なソフトウェアにより平均化する。これらの平均化された画素の値をルックアップテーブル22と比較してその中から原画像の各平均化画素のRGB成分に最も良く一致するRGB成分をもつ知覚カラーを見つける。ルックアップテーブル22から見つけ出した知覚カラーは実際には入力パレットカラーの対を並べて表示することによって作り出される。隣い合せの入力パレットカラー画素対は目によって“混ぜ合わされ(blended)”所望の知覚画像として知覚される。入力パレットカラーの数は限られている。したがって正味の知覚カラーのRGB成分の数が大きくなる理由は入力パレットカラーの組み合せの多さによるものである。各知覚カラーは特定の知覚カラーを定める入力パレットカラーの対とともにルックアップテーブル22に記憶されている。
マイクロプロセッサー18の制御のもとでルックアップテーブル22のなかから原画像20の隣り合う2つの画素の平均のRGB成分に最も良く一致するRGB成分をもつ知覚カラーを見つけ出したら、この特定の知覚カラーを与える二つの入力パレットカラーをテーブル22から取り出し、マップド画像記憶装置24に原画像20の2つの平均画素に対応し(空間位置的に)それにとって代わるように記憶する。この処理を原画像の全ての平均画素対について繰り返して、マップド画像記憶装置24がそれぞれの平均原画画素対の代用である入力カラー画素対で一杯になったら、マップド画像記憶装置24のデジタル画像データをモニター38に表示するために出力する。
以上装置の動作の概要について述べたので以下その詳細を説明しあわせて従来技術による画像のマッピング法について述べて、この発明の新規性を明らかにする。
種々のシステムの制約から実用の表示装置では入力カラーパレットとして、デジタル画像を生成するのに容易に取り扱かえる程度にカラー数を限ったパレットを使用する必要がある。第14図に代表的な入力カラーパレットを示す(便宜上一部のみを示す)。この発明は図示のような特定のパレットに限定されるものではないが図示の入力カラーパレットのカラー数は16なのでその中の任意のカラーを4ビットのニブルで表現できる。このようにして表現される各カラーはシステムバス26上で伝送される16ビットのワードに対応する。ここに16ビットワードはそれぞれ0から(25−1)の範囲をもつRGB成分から成る。(0,0,0)から(25−1,25−1,25−1)の範囲をもつRGBの中からどの16色を選ぶかは単に選択の問題である。
第8図にモニター28の表示画面32を示す。モニター28に表示されるデジタル画像は実際には画素34に示すように連続的なカラースペクトルから選択した離散画素から成る。これらの画素は通常行と列に並べられる(例えば480行×640列のように)。この場合640×480の解像度の画面となる。第8図に隣り合う画素36と38を示す。隣り合う画素36と38は例えばバラ色と水色であり連続カラースペクトルにおけるRGB成分としてそれぞれ4,7,9と6,3,1の値をもつ。
第14図のような限られた数のカラー入力パレットを使用する従来技術ではフルカラーの原画像の各画素を近似するために入力パレットの中から原画像の連続カラー画素に最も近いカラーをもつ画素を選択する。これはすなおで常識的な方法である。第8図と第14図を例にとると、バラ色の4,7,9に最も近いカラーはRGB成分4,7,8をもつカラー#4であるので画素36の代わりとしてP1′のピンク色の画素40を使用する。RGBのカラーにつけた名前は説明のためであり、表示画面に実際に現われるカラーを意図しているものではない。
同様にRGB成分6,3,1をもつ水色のP2画素38に最も近いのは第14図の入力カラーパレットの中で6,2,1のRGB成分をもつ青色のカラー#9である。したがってこの青色のカラー#9をもつ符号42で示す画素P2′が画素38のカラーに最も良く近似するものである。しかしながら、一見すると第14図のような限られたカラーパレットを用いて第8図の連続カラー画像32を最適に近似する方法は、このような置換処理を繰り返すこと、すなわち原画像32の各画素をそれに最も近いカラーをもつ入力カラーパレットのカラーの画素で置き換えることであるように見えることは重要である。。
ここで第9図を参照して第14図の限られたカラーのパレットにより原画像32を近似する別の方法を説明する。この方法はこの発明による方法であり、上述した方法より優れた結果をもたらすものである。第9図において原画像32の隣り合う画素36と38は前と同様にバラ色と水色でありそのRGB成分の値はそれぞれ、4,7,9と6,3,1であるとする。第9図に示すようにこれらの画素のRGB成分の平均値(赤色成分4+6,緑色成分7+3,青色成分9+1,の各平均をとることによって得られる)は5,5,5である。第9図においてこれらの原画素36と38はRGB成分の平均値をもつ画素44と46(P1″とP1″)で置き換えられる。このRGBの平均値5,5,5に対応するカラーは紫色である。
第14図からわかるようにこの置換カラーのRGB成分5,5,5に一致するカラーは入力パレットにはない。ここで従来の方法を使用すればこの紫の平均カラーに最も近いカラーを第14図のカラーパレットから選択することになる。しかしこの発明では入力パレットからシアンとマゼンタの色相をもちそれぞれ3,1,8と7,9,2のRGB成分値をもつカラー#6とカラー#16を置換画素48と50(第9図のP1■とP2■)として選択する。この置換カラーの特徴はRGB成分の平均をとってみればわかる。すなわちシアンとマゼンタのRGB成分の平均をとると結果のRGB成分値は5,5,5(すなわちシアンとマゼンタの赤成分3+7、その緑成分1+9、その青成分8+2の各平均)となる。置き換えたシアンカラーはバラ色ではなく又、オリジナルのバラ色画素36と水色画素38の平均である紫色でもなく又置き換えたマゼンタカラーもオリジナルの水色画素38でもなければ平均の紫画素でもない。さらに第14図の入力パレットの中には平均の紫色画素に十分近いカラーはないにもかかわらず置き換えたシアン画素48とマゼンタ画素50のRGB成分の平均値(5,5,5)は画素36と38のRGB成分の平均値に一致する。
第9図で述べた置換法は第8図で述べた素直で常識的なアプローチより生理学及び画像のリアルで自然な出来上りのよい画像をしばしばもたらすものである。フルカラーの原画像における隣り合うバラ色と水色の画素は目で知覚した場合には平均化されて紫色に見えるものである。第9図では入力カラーパレットからカラーの対としてその平均が原画素の2つの画素の平均に最も近いものを選択する。この方法は上述した従来技術の方法すなわち原画素のそれぞれに最も近いカラーを入力パレットから単に選択する方法と対照的なものである。
以上でこの発明の動作を簡単な例について説明したので以下より具体的な例について後続の図面を参照して説明する。
第15図に入力カラーパレットの実施例を示す。この入力カラーパレットは13色のカラーをもち、その赤色緑色青色成分の値は図示の通りの値をもつ。入力カラーパレットの3つのエントリーはテキストや透明な画像の重ね書きのために確保されている。
上述したようにシステムの帯域幅や表示装置の電子銃の特性、ビデオ増幅器の帯域幅の制約等によるシステム固有の非線形性のために入力カラーパレットから選んだ2つのカラーのRGB成分をそのまま使って表示画面に隣り合う画素として表示させた場合に、実際にモニター38に現われる画素から知覚されるカラーは単純な算術平均ではなく使用する装置の特性に依存する関数的な関係をもつものになる。例えば入力カラー#8(R.G.B=8,8,8)とカラー#3(R.G.B=2,2,2)を表示したとするとこの隣り合う画素によって形成されるカラーはそのRGB成分の平均(8+2)/2,(8+2)/2,(8+2)/2,すなわち5,5,5に相当するカラーのようには見えない。
したがってこの発明では使用する装置に合わせて関数的な関係を経験的に求め、入力パレットのカラー画素のRGB成分にその関数的関係を適用して結果のRGB成分値を得る。これらのRGB成分値を使用して画素を表示することにより隣り合う画素としてそれぞれ入力パレットカラーの画素を表示したのとほぼ同様に知覚されるようなカラーを得ることができる。したがってn個(nは小さく例えば2である)の入力パレットカラーの全ての組み合せ(重複は除く)にこの関数的な関係を適用することにより、第16図に一部を示すような知覚カラーパレットをオフラインで作成することができる。
この発明は2つの入力パレットカラーの組み合せに制限されるものではなく又入力パレットカラーの組み合とから知覚パレットカラーのRGB成分の値を定めるための特定の関数的関係に制限されるものではないが、以下に示す関数が画像の品質を改善するのに有効であった。すなわち知覚カラー画素のRGB成分Rx,Gx,Bx(第16図の表の行)は2つの入力パレット画素のRGB成分Rn,Gn,BnとRm,Gm,Bm(第15図の表の行)から次の関数式によって得られるRx=sqrt[((Rn+9)**2+(Rm+9)**2)/2]-9Gx=sqrt[((Gn+18)**2+(Gm+18)**2)/2]-18Bx=sqrt[((Bn+9)**2+(Bm+9)**2)/2]-9 もちろん実際には上述したように関数は使用する表示装置の諸特性に依存するものである。したがって第16図の知覚パレットのエントリーは一般には次の形式で表わされる。
Rx,Gx,Bx=f(z)
ここにzは2あるいはそれ以上の入力パレットカラーのRGB成分値(例えば第1の入力パレットカラーのRGB成分Rn,Gn,Bn、第2の入力パレットカラーのRGB成分Rm,Gm,Bm)である。
二つのカラーRn,Gn,BnとRm,Gm,Bmの知覚平均値は実際に表示画面に現われる各カラーのルーメンの算術平均で与えられる。今関数f(c)をメモリーにあるデジタルカラー(c)を実際に表示されるルーメン(f(c))に変換する関数であるとする。この関数は表示装置やその調整によって変わるものである。しかしながらモニターとしてテレビジョン受信機を使用する場合には、この関数は製造において調整されておりほぼルーメン=Kx(c+9)2にしたがう。ここにcは0から64の範囲で変化しKは適当な明るさ定数である。
2つのデジタルカラーRn,Gn,BnとRm,Gm,Bmの知覚平均値を求めるにはまずデジタルカラーを関数f(c)にしたがってルーメンに変換する。次にルーメンの平均をとり最後に逆関数f-1(L)(Lは相対ルーメンを表わす)にしたがってルーメンをデジタルカラーの表現に戻す。具体的には赤成分についてRx=f-1[(f(Rn)+f(Rm))/2]
Rx=sqrt[((Rn+9)2+(Rm+9)2)/2]−9であり、同様に緑成分と青成分について繰り返す。
第15図の入力パレットに対する第16図の知覚パレットのエントリーの正しさを示すため上述した式の使用例を示す。2つの入力パレットカラーとしてそれぞれ19,0,0と2,2,2のRGB成分値をもつカラー#5とカラー#3を用いたとすると上記の関数から知覚パレットカラーとして13,1,1のRGB成分値が得られる。すなわちRx=13=sqrt[((19+9)2(2+9)2)/2]-9=13Gx=1=sqrt[((0+18)2+(2+18)2)/2]-18=1Bx=1=sqrt[((0+9)2+(2+9)2))/2]-9=1である。
上述したようにこの発明の目的の1つは大きなパレットから形成されるカラー画像を表示装置の限られた数のカラーを用いて最適に近似することである。第17図に連続カラーのアレイを示す。このアレイの各行は近似対象である連続カラースペクトルの中の個々のカラーに対応しており連続カラーのRGB成分値を含む。さらにアレイの各行のエントリーには第16図の知覚パレットの中で連続カラーに最も近い知覚カラーを指す(インデックスする)インデックス値が記憶される。この知覚パレットカラーは実際には更に限られた入力パレットの2つのカラーを組み合わせることによって形成されるものである。
いったん作成されたアレイは次のように使用される。第17図のアレイの中で15,0,0のRGB成分値をもつエントリーを例にとるとそのインデックス値は54である。このインデックス値54は第16図の知覚パレットの中で知覚パレットカラー#54が15,0,0のRGB成分値をもつ連続カラーに最も近いカラーであることを示す。第16図に示すようにこの知覚パレットカラー#54は、RGB成分が16,0,0であり知覚パレットの全ての行エントリーの中で第17図の連続カラーの15,0,0のRGB成分値に最も近いものである。このようにして連続カラー15,0,0は知覚カラー16,0,0をもつ知覚カラー#54によって最も近似される。この知覚カラー#54は第15図の入力カラーパレットの中からカラー#5,カラー#4,の画素を隣り合わせて表示することによって作られる。カラー#5とカラー#4のRGB成分値はそれぞれ19,0,0と9,0,0である。これらのRGB成分値を実験的な関数f(z)にしたがって組み合わせれば当然ながら知覚パレットの16,0,0の知覚カラーとなる。
もう一例あげると第17図の連続カラーアレイの中でRGB成分が0,0,2のカラーを近似する場合にはそのインデックス値33に対応する知覚パレットカラーを第16図の知覚パレットから選択すれば目的の連続カラーに最も近い知覚カラーが得られる。この知覚カラーのRGB成分は2,2,2である。第16図の知覚パレットを検索してみても、この知覚カラーより0,0,2の連続カラーに近い知覚カラーはない。第17図の連続カラーアレイのカラー数は第3図の知覚パレットのカラー数より多いので第17図の行エントリーの方が第16図の行エントリー数より多い。したがって第17図の連続カラーアレイの多数のカラーのそれよりカラー数が少ない第16図の知覚パレットで連続カラーを近似しようとするこの発明にあっては知覚パレットの1つのカラーで第17図の連続カラーアレイの2以上の連続カラーを近似する必要がある。
したがって例えば第17図の連続カラーアレイの中で0,0,1のカラーは0,0,2とのカラー同様に知覚パレットカラー#33で近似することになる(この知覚パレットカラー#33のRGB成分値2,2,2が0,0,1の連続カラーに最も近い知覚カラーである限り)。このようなわけで第17図の連続カラーの2以上の行が同一のインデックス値をもつことになる(各行はもちろん異なる連続カラーを表わしているが)。
さらにもう1例あげると第17図のアレイの中でRGB成分値が31,31,31の連続カラーはそのインデックス値f,fが示すように第16図の知覚パレットの中で知覚カラー#f,fによって近似される。この知覚カラー#f,fのRGB成分値は26,26,26である。第16図のパレットの中でこれにより31,31,31のRGB成分をもつ連続カラーに近い知覚カラーはない。
第17図の連続カラーアレイから第16図の知覚パレットへの参照に関するもう一つの特徴をここで述べる。第17図の連続カラーアレイの連続カラーを第16図の知覚パレットのカラーで近似する際に連続カラーアレイの中でインデックスは連続カラーに最も近い知覚パレットカラーをさすインデックスとして都合のよいものである。しかしながら、すでに述べたところからわかるようにこのインデックス値(上述した例におけるFF,54,53,33など)は実際には第15図の入力パレットへのエントリーないしインジケーターである。すなわち知覚カラーパレットカラー番号自体が入力パレットカラーのインジケーターであり、それによって指される画素を隣り合わせて表示すれば経験式に従って単一の知覚パレットカラーが知覚される。
したがってこの発明の装置により連続カラーを特定の知覚パレットカラーで近似する際にアレイ中の知覚カラーに対するインデックスから自動的に置換入力パレットカラーが定められ、これらの入力パレットカラーを使用することにより知覚パレットカラーを作ることができる。注目すべき点はモニター38上に表示される実際のカラーは各画素の単位ではあくまでも第15図に示す入力パレットカラーに限られるものであり、第16図のような数の多い知覚パレットカラーではないということである。知覚パレットのカラー数は入力カラーパレットのなかから重複なしでn個(第16図の場合にはn=2個)のカラーをとる組み合わせの総数であるので入力パレットのカラー数よりずっと数が多くなる。
以上で入力パレット、知覚パレット及び連続カラーアレイの概要説明を終え、以下実際の画像の作成について詳細に説明する。
第10図にRGB成分の値の例を記入した原画像を示す。この図ではモニター28上に実際の画素が配置されるのと同様の配置で画素を示しており、( )内にRGB成分値を示す。この例では表示装置として640×480画素の解像度を想定する。
上述したパレットとアレイを第7図のルックアップテーブル22に作成し、画像を取り込みデジタル化を施して第7図の原画像記憶装置22に記憶させた後、まず原画像の画素の値をマイクロプロセッサー18で平均化し、再度原画像記憶装置20に記憶する。詳細には1つの実施例では水平方向に隣り合う画素対を平均化する。例えば第10図の参照番号52に示す画素16,0,0と画素14,0,0の平均をとって第10図の参照番号54に示すように15,0,0の値をもつ画素を作る。同様に第10図の画素13,2,1と画素12,2,2の平均をとることにより平均化画素12,2,1が得られる(まるめにより)。この平均化処理を続けることにより第10図の参照番号54に示す半分の解像度の画像(320×480の画像)が得られる。これらの平均化画素の画素値は第7図の原画像記憶装置16のような適当な記憶装置に記憶される。
次に適当なソフトウェア制御のもとで、マイクロプロセッサー18により平均化した画素のそれぞれを事前にオフラインで作成したアレイ(ルックアップテーブル22におかれる)と照合して平均化画素に最も近いRGB成分をもつエントリーを見つけ出す。参照番号54の左上に示す最初の平均化画素(すなわち15,0,0のRGB成分をもつ画素)を第17図の連続カラーアレイの中から探し出すとそのインデックス値は54である。第16図の知覚パレットの54番目のエントリーをみるとこの知覚カラーのRGB成分は16,0,0であり他のどの知覚カラーよりも第10図の最初の平均化画素の画素値15,0,0に近い。
上述したようにこの知覚パレットカラー#54(RGB成分が16,0,0)は実際には第15図の入力パレットカラー#5(19,0,0のRGB成分)と入力パレットカラー#4(9,0,0のRGB成分)とを隣り合わせて表示することによって実現される。第11図の参照番号56に示すように16,0,0のRGB成分をもつ知覚カラーは原画像の2つの画素に置き換わったものである。一方第12図の参照番号58に示すように入力パレットカラー#5と#4(RGB成分がそれぞれ19,0,0と9,0,0)は第11図の16,0,0の知覚カラー画素に置き換わったものである。上述したように知覚カラーのRGB成分と近似すべき対象である第17図の連続カラーのRGB成分との間には連続カラーの数の方が知覚カラーの数よりも多いために誤差(エラー)がある。連続カラー15,0,0について述べるとこの連続カラーは知覚カラー16,0,0によって近似され一単位分の赤のエラーが発生する。この発明の好ましい実施例によれば連続カラーとそれに最も近い知覚カラーとの間の誤差は既知の方法により隣りの画素へと拡散される。例えば上の例における1単位分の赤のエラーは右と下の平均化画素すなわち第10図の13,0,1と12,2,1の画素に拡散できる。この結果これらの平均化画素は一単位分の赤のエラーを含んで13+1,0,1と12+1,2,1となる。しかしこの13+1,0,1の画素に最も近い知覚カラーを知覚カラーパレット(第16図)から探し出してみればわかるようにこの誤差は十分小さく、当初の平均化画素13,0,1に対して選択した知覚カラーと同じ知覚カラーが選択される。しかしながら原画像の画素の具合によっては拡散によりエラーが大きくなって拡散エラーを含めた平均化画素に最も近い知覚カラーが拡散エラーなしの平均化画素に対して選択した当初の知覚カラーとは別のものになることがあり得る。
第12図において入力パレットカラー#5と#4に対応する画素は第10図の参照番号52の中の2つの原画素(すなわち16,0,0と14,0,0)に置き換わったものである。原画像の次の2つの隣り合う画素14,0,1と12,1,1について処理を繰り返すとこの2つの画素の平均により第10図の平均化画素13,0,1が得られる。前と同様にしてこの平均化画素13,0,1を第17図の連続カラーアレイに照合して知覚カラーパレット(第16図)の中でこの平均化画素に最も近い知覚カラーを見つけ出す。さらにこの知覚パレットカラーを生じさせる2つの入力カラーを選び出し、この2つの入力カラーを原画像の画素14,0,1と12,1,1に置き換える。以上の処理を記憶装置20に記憶される原画像のすべての画素について繰り返し、原画像の偶数行では第1の方向で処理を行ない、奇数行では逆方向で処理を行なう。第12図の結果を明らかにするため第10図には平均化していない画素を示してあるがあらかじめ、640×480の解像度をもつ原画像52のすべての画素を第10図の参照番号54に示す320×480の解像度の平均化画素に変換し、この解像度を落とした画像を記憶装置20に記憶しておき、処理の際にこれらの平均化画素をルックアップテーブル22の知覚カラー画素に置き換え、エラーの拡散を行なうようにすれば都合が良い。第7図において各知覚カラーと原画像の平均化画素間のマッチングと知覚画素に対応する2つの入力パレットカラーの決定はルックアップテーブルに基づいて行なわれ、この情報は第7図のマップド画像記憶装置24に相当する別のバッファーに記憶され、マップド画像を表示する際にこのイメージ記憶装置24にある処理済みのデジタル情報をシステムバス26を介して出力してモニター38に表示する。
連続カラー画素を高速で2つの入力パレットカラー画素に置き換えるためにルックアップテーブル22を使用している点はこの発明の1つの重要な側面である。第1に発明の背景で述べたようにXが画素解像度クラスの表示装置を使用する場合、計算によって各画素の値を得ようとすればイメージのすべての値の画素を処理するのに大変な時間がかかり、特に本書で述べたように入力パレットカラーと知覚パレットカラー間で複雑な関数関係を使用する場合には処理時間の増大が著しいものになる。
第13図にコンピュータープログラムの機能ブロック図を示す。コンピュータープログラムは周知のコードで実現され、上述した本発明の諸機能を実行する。処理ルーチン62に入る前に、第13図の符号84に示すようにオフラインで、第15図に示したような入力カラーパレットを選択する。次にこの限定されたカラーパレットが選択されると、同じくオフラインで入力カラーの組み合せと入力カラーの組み合わせのために知覚カラーを得るために使用される関数関係f(z)とを用いて第17図に示すようなアレイを作成する(ステップ86)。前と同様にアレイのテーブルは複数のエントリーを含み、各エントリーは、所定の連続カラーのRGB成分値より指示される大きな連続カラースペクトラムから得られるカラーの一つに対応する。さらに各エントリーはエントリーの連続カラーに最も近いRGB成分をもつ知覚カラーを指すインデックス値をもつ。知覚カラーは選択した関数f(z)によって関数的に組み合わされる入力パレットの2又はそれ以上の入力カラーのRGB成分によって表現される。
オフラインで適当なテーブルを作成した後、第13図の処理ルーチンに入り(ステップ62)、ここで第7図の装置10はイメージをデジタル化してそれぞれRGB成分で表現される一連の画素を形成し、この画素情報を原画像記憶装置20に記憶する(ステップ64)。このイメージの取り込みとデジタル化のステップは必らずしもこの発明の不可欠な一部を成すものではなく、あらかじめデジタルイメージをCD−ROMやその他の記憶媒体(総括的に画像記憶装置20で示す。)に取り込んでおいても良い。
原画像のデジタル情報を記憶した後、コンピューター16は隣り合う画素の平均を取る(ステップ66)。これによりブロック68に示す当初の高解像度の画像がブロック70に示すそれより低い解像度の画像に変換される。図ではこのステップを隣り合う画素のRGB成分の単純な算術平均として示しているがこの発明はこれに制限されるものではなく適当な関数で隣り合う画素を組み合わせるものであれば良い。すなわちこれらの画素はすべての隣り合う画素である必要はなく、組み合わせの関数は算術平均である必要はなく、要は少なくとも2つの隣り合う画素のRGB成分を何らかの方法で関数的に組み合せるものであればよい。組み合せの結果はブロック70に示すように解像度の低い画像に対応したデジタル情報として一時的に記憶される。
隣り合う画素に対するRGB成分の組み合せ処理を実行し、結果を例えば画像記憶装置20内の一時バッファーに記憶させた後、ブロック70からブロック72への矢印で示すように記憶装置から平均化画素の1つを取り出し(ステップ72)、この平均化画素のRGB成分値をルックアップテーブル22(すなわち17図に示すようなオフラインで事前に作成したアレイのテーブル)の各カラーエントリーのRGB成分値と比較する。ブロック74に示すように、平均化画素のRGB成分をアレイテーブルのエントリーのRGB成分と比較して、インデックスの値から平均値カラーに最も近いRGB成分をもつ知覚カラーをアレイテーブルの中から探し出す。
上述したようにこのインデックス値はテーブルに組み込まれているもので第17図の連続カラーに最も近い知覚カラーを指すものである。さらにこのインデックス値は、実際には関数f(z)にしたがって関数的に組み合わされることにより、知覚カラーを生じさせる入力パレットカラーを表わすものである。デジタル化された平均化画素に適合する知覚カラーに対応する入力カラーを保存して(ステップ76)、第7図のマップド記憶装置24に記憶する。これにより平均化された原画像における画素が入力カラーによって置き換えられたことになる。このようにして第13図のブロック78に示すように640×480のマップド画像が再構成される。
上述したように、各平均化画素をアレイテーブル内の知覚カラーにマッチングさせる際に知覚カラーのRGB成分と連続カラーのRGB成分との間にエラーが生じうる。そこでこのエラーを隣りの画素に拡散する(ブロック80)。上述した例では知覚カラーを入力カラーパレットの2つのカラーの関数として示したがこの発明はこれに限定されるものではない。また上述したように種々のエラー拡散技術が知られており、連続カラーと知覚カラーとのエラーをどの画素に対し、どのように拡散させるかは重要なことではなく、公知の種々のエラー拡散法が使用できる。
更に第13図を参照すると、第13図で機能的に示すプログラムにより、ブロック82で各平均化画素がアレイテーブルから見付けられたかおよびそれが対応する知覚カラーにマッチするか調べ、さらに知覚カラーに対応する入力パレットからの入力カラーがブロック78のマップド画像記憶装置に記憶されたかどうかを調べる。処理すべき平均化画素が残ってなければ矢印90に示すように処理は終了する(ステップ92)。しかし82のチェックで、最も近い知覚カラーおよび知覚カラーを規定する対応する入力カラーとそれぞれ一致されるべき平均化画素が残っていれば、88に示すように処理を戻して繰り返す。処理が完了すれば78のマップド画像は完成しており、そのデジタル情報は入力パレットのカラーの対を表わす。各カラー対は平均をとった原画像の画素対に順次対応するものである。さらに入力カラーをf(z)関数で組み合せば、どの知覚カラーよりも原画素の平均のRGB成分に近い知覚カラーが得られる。
このようにしてマップド画像が作成され、イメージ記憶装置24に記憶される。マップド画像の画素解像度は原画素の解像度に等しい(図示の例では640×480の解像度)。原画像を構成する画素のカラーは大きな連続的なカラースペクトルを通じてさまざまに変化する。これに対し、この発明によって選択されるカラーはそれよりはるかにカラー数の少ない入力カラーパレットから選び出されるものである。しかしながら重要な特徴として平均化された原画素の各対に置き換えるために入力カラーパレットから選択するカラーは知覚カラー関数に基づいて選択されるものであり、選択カラーを隣り合せで表示することにより、目には原画像の2つの隣り合う画素のRGB成分の平均のカラーに非常に近いものとして知覚されることになる。このような独自の入力パレットカラー選択法を使用することにより入力カラーパレットで使用できる数より多くの数のカラーを知覚カラーパレットから得ることができる。したがってマップド画像記憶装置24からマップド画像をモニター38上に表示した場合には、従来のように原画像の各画素をそれに最も近い入力カラーパレットのカラーの画素に単純に置き換える方法に比べ、カラーの品質の優れた画像が得られる。
以上実施例を参照して本発明を説明して来たが、この発明の精神および範囲から逸脱しない範囲内で種々の変形、変更が可能であることは当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来技術の3つの量子化状態の装置の概要図、第2図は知覚される信号とノイズスペクトラムを含み第1図1図の3量子化状態を使用して信号の近似を実現する従来技術の方法を示す図、第3図は知覚される信号とノイズスペクトラムを含み第1図と第2図の信号近似化問題をこの発明に従って実現する方法を示す図、第4図は画像信号を近似するために使用される3つの量子化状態を持つ制限された入力パレットの概念図、第5図はノイズスペクトラムと知覚される画像を含み第4図の3量子化状態を使用して画像信号を近似化する従来の解決法を示す図、第6図は空間周波数ノイズスペクトラムと知覚される画像を含み第4図の画像信号の近似を3量子化状態を使用してこの発明により第4図の画像信号の近似化を達成する方法を示す図、第7図はこの発明の装置の機能ブロック図、第8図は従来技術によるカラーマッピングを示す図、第9図はこの発明のカラーマッピッグ技術を示す図、第10図はこの発明で使用する画素の平均化ステップにかかる画像の一部を示す図、第11図はこの発明の入力パレットカラー対置換ステップを示す図、第12図はこの発明の入力パレットカラー対置換ステップをさらに示す図、第13図はこの発明の装置を実現するコンピュータープログラムのフローチャート、第14図は入力カラーパレットを示す図、第15図は具体的な入力カラーパレットの構成を示す図、第16図は知覚カラーパレットを示す図、第17図は連続カラーアレイを示す図である。
20A:メモリ信号、22A:ノイズスペクトル、24A:知覚される信号、26A:パレット、36A:メモリ画像、38A:空間周波数ノイズスペクトル、40A:知覚される画像、20:原画像記憶装置、22:ルックアップテーブル、24:マップド画像記憶装置、28:モニター、36,38:原画像の隣り合う画素、44,48:平均化画素、48,50:入力パレットカラーの画素、52:原画像、54:平均化画像、56:知覚パレットカラーによる画像、58:マップド画像(入力パレットカラーによる画像)。
技術分野 この発明はデジタル画像技術に関し、特に限られたカラーパレットから画像を強調(enhance)する装置及び方法に関する。
背景技術 デジタル画像表示やデジタル画像処理の分野では、並列なカラーバス、例えば16ビット幅のカラーバスを一般に使用する。カラーバスは、特定の時点に画像の特定の画素について、それぞれ0〜31または0〜(25−1)の33レベルをもつ画素の赤、緑、青(RGB)成分のデジタル値を同時に伝送することができる。25とおりの赤の値、26とおりの緑の値、及び25とおりの青の値(=25+6+5=216)の範囲のためには16ビット幅のバスが必要となるわけである。
各R.G.Bの成分が0〜(25−1)の幅の任意の値をとり得るとき高品質の連続フルカラー解像度モニター及び画像が可能となる。今日例えば256,000色のカラーパレットを持つ表示モニターは珍しくない。これはもちろん各カラー成分の値の範囲を大きくとって取り得るRGB値の組み合せの数を大きくしたことによるものである。
しかしながら、画像の解像度をあげるため、1画像につき300,000画素を越えるディスプレイ、例えば640×480のディスプレイ(すなわち、307,200画素)も珍しくない。それゆえ容易に理解されるように、カラー解像度(分解能)が高く、かつ画素解像度も高いようなデジタル画像ディスプレイを提供しようとすればメモリーと速度の問題が大きくクローズアップされる。上の例で言えば1フレーム分の画像を表示するだけでも307,200の16ビット画素の記憶と検索を必要とする。このような画像を多数高速に表示する必要のある動画ビデオやフルモーションビデオではこれらの問題はいっそう深刻になる。
以上の理由から画像の解像度をあげつつ画像装置にかかる大きな負担を軽減するための技術が探し続けられている。
一つのアプローチは連続パレットから選択する入力パレットのカラー数を減らすことである。例えば入力パレットのカラー数を16に減らせば各画素のカラーを4ビットの数値だけで表現できる。このように、各カラーがあらかじめ定めたRGB成分を記憶する16カラーの固定入力パレットを用意することにより、特定の画素を表現するのに必要なビット数を減らすことができる。各選択カラーは極めて大きな連続カラーパレット(そのRGB成分がRGB成分の全範囲から選択されるパレット)の中の所望のカラーであり得るが、選択できるカラーの数が比較的少数に制限されるため別の問題が生じる。しばしば画像の品質に大幅な劣化が生じ、例えば肌色の部分に斑点がついてみえたりする輪郭劣化(contouring)現象が生じる。このために数多くのエラー拡散(error diffusing)技術が開発され、入力カラーの限られたパレットで連続カラー画像をできるだけ近似しようとする試みがなされてきた。このような技術の一例が“カラー画像のための大きなカラーパレットから少数のカラーを最適選択する手順(A Procedure for Optimum Choice of a Small Number of Colors from a Large Color Pallete for Color Imagihg"(Proceedings of the Electronic Imaging86 Exposition and Conference,ボストン,マサチューセット州,11月3〜6日,1986年,第75〜79頁,Institute for Graphic Comunnications,ボストン,マサチューセット州、において発表された)に記載されている。
以上の理由及びその他の理由により、限られたカラーパレットから、あたかも目に心地良く正確に知覚される大きなカラーパレットを用いて作られたように見える画像を、簡単にかつ高速にシュミレートできる装置と方法が強く望まれている。
発明の概要 この発明は、各画素が複数のカラー成分(RGB成分)をもつ第1画素からカラーマップド画像を生成するもので、まず原画像となる第1画像において、互いに近接する画素を1グループとして、第1画像の画素を複数のグループに分ける。後述する実施例では、各グループは隣り合う1対の画素からなっている。各グループの画素の各カラー成分の平均をとり、その平均化画素を特定の知覚カラーと関連づける。各知覚カラーは、あらかじめ選択されている入力カラーパレットの複数の入力カラーのそれぞれの組み合せと関数的に関係づけられており、したがって知覚カラーが決まると、それに対応する、入力カラーの組み合せも決まる。この選択された入力カラーの組み合せを第1画像の各グループの画素の代わりに用いることによってマップド画像が生成される。
平均化画素と知覚カラーとの関連づけは、第1画像に使用される多数のカラー(連続カラー)をエントリーとして含むアレイを用いることによって行われる。このアレイは、各連続カラーに関連する知覚カラーへのインデックスも含んでおり、平均化画素のカラーに対応するエントリーのインデックスを調べることにより、関連する知覚カラーを知ることができる。
実施例の詳細な説明 本発明の新規な特徴はクレームに述べられている。しかしながら、、本発明とこの本発明の他の特徴および効果は、添付図面と共に以下の好適な実施例を参照することにより最もよく理解されるであろう。
まずこの発明の原理をデジタルオーディオの分野に適用した例について述べ、次に画像に適用した例について述べる。次に広い概念のレベルでの実施例を簡単に説明して他の簡単な実施例と共にこの発明の基本的な技術思想を明らかにする。その後で代表的な画像取込表示装置を含む本発明を更に詳細に説明する。
この発明の原理を説明するため、まず一例として簡単な問題を説明する。第1図において信号発生器10Aは参照符号12Aで示すように0ボルトと0.6ボルトと1ボルトの3種類の出力状態しか取り得ないものとする。この装置10Aを用いて出力状態の限られた“パレット”に与えられる0.5ボルトの定信号を生成することを考えてみる。なお説明の便宜上デジタルオーディオのサンプリングレートは44.1KHzとする。
第2図に従来技術によるこの問題の解決策を図示する。解決策としてエラー拡散を使用するにしろディザを使用するにしろ、発生器12Aが所望のレベルに最も近い2つの状態を選択して両状態の間で振動させるというのが従来技術の基本的な結果である。この場合で言えば、0.5ボルトの所望レベルを生成するたけ、一つの解決策は参照符号16Aに示すように0.6ボルトを5回出力しては0ボルトの状態を1回出力する。これにより、RMSエラー(実効値誤差)を最少にして所望の平均値である0.5ボルトを得ることができる。これによって知覚される信号を参照符号18Aで示す。この解決法は出力状態の数が限られているために必然的にノイズを明らかに発生させる。しかし、従来技術の解決法で問題となるのはノイズレベルではなく、ノイズの周波数である。第2図のノイズスペクトル14Aに示すようにこの例ではほぼ7.4KHzの周波数とその高周波において明らかに耳で聞き取れるノイズが発生する。
この問題に対し、この発明では、第3図に示すように所望の0.5ボルトレベルに最も近いわけではない出力状態を使用して全く別の解決策をとる。これは従来技術とは対照的である。従来技術では0.5ボルトの所望レベルに最も近い0.6ボルトのレベルを頻繁に使用し、この0.6ボルトが0.5ボルトを越える分を補うために時折0ボルトを使用する。この発明の解決法では第3図の参照符号20Aに示すように最短時間で平均が所望レベルになるような出力状態を選択する。すなわち装置10Aではサンプリング周波数で0と1ボルトの状態を混ぜ、わずか2サイクルで所望の平均値0.5を得ることができ、従来技術のように6サイクルを必要としない。
この発明の解決法の重要な1つの特徴は従来の方法よりRMSノイズの大きい(具体的にはほぼ7デシベル)信号を生成することである。しかし、従来技術の参照符号14Aに対して参照符号22Aでノイズスペクトルを示すように、この発明の解決法の場合全てのノイズは22KHzに集中する。したがって実際にはこのノイズはオーディオシステムで減衰され、耳には聞こえない。したがって聴者は第2図の参照符号18Aに対して参照符号24Aに示すような純粋な0.5ボルトの信号を知覚することになる。
この発明の装置の詳細な説明に進む前にこの発明の基本的な原理をいっそう明確にするため、画像における第2の実例の問題をとりあげ、それに対してなされる従来技術の解決法とこの発明の解決法を述べる。第4図において、先の問題のデジタルオーディオ装置がそうであったように、図示の画像装置は限られた出力状態しかとり得ず、例えばパレット26Aに示すように純粋な黒48A、純粋な白42A及び40%の灰色44Aの画素しか生成しえない。ここで50%の灰色46Aとして知覚される画像を作る場合を考えてみる。
第5図に従来技術の装置による解決法を例示する。従来技術の装置では所望の50%の灰色46Aに最も近い状態すなわち40%の灰色の状態44Aを頻繁に使用し、所望の状態との誤差を補償するため時折白色の状態42Aのような他の状態を使用する。詳細には従来技術では5つの40%灰色画素44Aを配置しては1つの白画素42Aを配置して所望の50%灰色の平均値を達成する。画像の領域でのこの解決策は第2図においてデジタルオーディオに対してとった従来の解決法すなわち、所望の0.5ボルトに一番近い0.6ボルトの状態を最も高い頻度で使用する解決法に似ている。
オーディオの例から類推されるように画像問題に対する従来の解決法では、2つの状態を繰り返し発生させるので空間周波数領域にノイズを生じさせる。空間周波数領域におけるノイズの正確な発生場所はもちろんディザ法を使用したかエラー拡散法を使用したかに依存する。しかしながら、前記オーディオの場合から類推されるように、白画素42Aのサンプルをどのように配置したにしろ、この例では、帯域幅の中央の4分の1の領域に含まれる低周波数のノイズが常に発生する。したがって観察者には画像34Aに示すようなドットパターンの画像が知覚されてしまう。
第6図にこの発明による解決法を示す。この発明では黒画素48Aと白画素42Aを選択して混ぜ合わせる。黒画素48Aと白画素42Aは、所望の50%灰色画素46Aに最も近い色ではないが2つの画素だけで正しい平均の陰影を得ることができ、第5図に示す従来技術のように所望の平均陰影を得るのに6つの画素を必要としない。すなわち第6図6図の画像36Aに示すようにこの発明では白と黒の画像を格子板状に配置する。これによりRMSノイズは大きくなるが、縦と横の方向に交互に配置されているので、空間周波数ノイズスペクトル38Aに示すようにノイズは全て空間周波数帯域幅の対角方向の先端に集中する。これらの先端は装置が水平又は垂直の解像度(grating)として発生する最高周波数の1.414(2の平方根)倍の周波数である。したがってこれらの先端にあるノイズは通常、表示装置により大幅に減衰され観察者の目には無視され、その結果参照符号40Aで示すように所望の50%灰色画像が知覚される。
従来技術の効果とこの発明の効果との違いは第5図と第6図を遠くから眺めてみることにより、実際に観察される。すなわちこうすることによって34Aと40Aにそれぞれ対応する画像を表示装置に表示した場合と同様の効果が得られる。画像に対するこの発明のアプローチはオーディオ情報に関する第3図の場合と似ており、この発明のアプローチでは全体の画像を達成するために、他の取り得るサンプルよりも所望のサウンドレベルから離れたサンプルを選択している。このようにこの発明は大きさが量子化されていない信号を使用できる量子化状態の列に変換するものである。この変換はパレットによる画像表示、デジタルオーディオ圧縮等に有効なものである。従来技術の基本的な特徴は所望の量子化されていない信号に最も近い使用可能な量子化状態をミックスしてある程度のスパンで所望の量子化されていない信号を平均化する点にある。
これに対しこの発明では、取り得る状態から選択される量子化された状態は、量子化されていないレベルに最も近いものではないが、最少のサンプル数のスパンでその平均が所望の量子化されていないレベルになるものである。したがってノイズの絶対量は多くなるが、その位置は装置の応答特性に合わせて工夫されている。すなわち、ノイズは装置の最高周波数に局所化されるため、観察者には知覚されない。
以上でこの発明の一般的な原理を述べたので次に二つの簡単な実施例について説明し、その後でこの発明の代表的な装置について詳細に説明する。
以下説明する本発明の第1実施例において、入力カラーパレットとして13色のパレットを用いるものとする。第1実施例はこのパレットを用いて従来技術ではずっと大きなパレットを使用しなければ得ることのできないようなカラー明瞭度(articulation)をもつ画像を生成する。また表示装置の解像度は水平方向が640画素で垂直方向が480画素とする。マップすべき連続階調画像は、この解像度の丁度半分すなわち水平320画素×垂直480画素とし、この解像度でとり込まれたかあるいはもっと高い解像度のものからこの解像度に下げたものとする。
さらに簡単のため表示画素は2つずつグループ化され、2つで1つのイメージ画素の領域を占めるものとする。さらに2つの画素の平均がイメージ画素に可能な限り近いものとする。この場合“平均化ゾーン”は2画素から成るということができる。しかしながら、もっと複雑な構成例では平均化ゾーンは縦に2画素、横に2画素の4つの画素の正方形となり得、さらにその他の広さの平均化ゾーンも可能である。
画素を2つずつグループ化するようにしたので入力パレットから与えられる13色のオリジナルカラーだけでなく2つのカラーのすべての組み合せ、すなわち13×12)/2すなわち78色のカラーを加えて使用できる。これらのカラーはできるだけ均一になるように分配するのが好ましい。具体的には、パレットカラーを選択する際に結果として同一のカラーとなってしまう2つのカラーの組み合せの重複を避けるようにする。オーディオシステムに適用する場合には、デジタルオーディオシステムの電圧レベルを選択する際に、状態の規則的な配置を避け規則的な配置により状態を2つずつ平均化した場合に生じる重複を避けるようにする。
次に13色の全ての対から成るパレットテーブルを作成して合計91色のパレットカラーが選択できるようにする。各パレットカラーのデジタル表現は最初に暗い方のカラーを置き後に明るい方のカラーを置く形で記憶される。暗さと明るさは従来からよく知られた方法に従って標準の輝度の公式を使用して赤、緑、青の値から計算できる。イメージの実際のマッピングは従来と基本的に変わりない。すべてのイメージの画素について、装置は78のパレットエントリーの中から最も近いものを見つけ出し、選択されたカラー対を定める情報を単一画素として表示画素に写し取り、その後は従来と同様にエラー拡散処理又はディザ処理を施す。パレットからのカラー対を表示画素に写し取る場合には第6図で述べたように対角線方向のチェック模様で明暗を形成するのが好ましい。これを達成するため偶数行では対の中の暗い方のカラーを明るい方のカラーの左にコピーし奇数行では暗い方のカラーを明るい方のカラーの右にコピーする。
上記の例では原画像が表示解像度の半分であることを想定した。しかしながら原画像が表示解像度と等しい場合もある。この場合にもこの発明の装置及び方法を適用可能である。そこで次に原画像と表示(デスプレイ)の解像度がともに640×480である例について述べる。なお入力カラーパレットとしては同じ13色のパレットを使用するものとする。
まず二つのルックアップテーブルを作成する。第1のルックアップテーブルは上述したのと同様に最も近いカラー対を定め、第2のルックアップテーブルは従来技術のように13色の中から最も近い単一カラーを定める。行と列の和が偶数の画素を偶数画素とみなし、行と列の和が奇数の画素を奇数画素とみなすことにする。これにより第6図に示すように順序づけられた偶数画素のチェック模様が作られる。
次に画像の取込みのために画像を走査する。偶数画素のところでは1つ前の例と同様に1番近いカラー対をルックアップする。この対の中の暗い方のカラーを画像に配置し、エラーの半分を縦方向に拡散する。このエラーは第2のカラーはまだ配置していないがカラー対の平均に基づくものである。次にエラーの残りの部分をすでに配置済みの単一カラーにのみ基づいて水平方向に拡散する。奇数画素のところでは一番近い単一カラーをルックアップし、画像中に配置し、従来と同様にそのエラーの半分を垂直方向に拡散し、エラーの残りを水平方向に拡散する。
このようにして、偶数画素に対して2画素シーケンスを開始して“予定された”(まだ配置していない)第2のカラーに基づく垂直方向のエラー拡散処理を行なう。これにより画像のカラーに変化がなければ水平方向のエラー拡散処理を行い次画素を“予定された”第2のカラーとする。その後、奇数画素に対して2画素シーケンスを行なう。すなわち融合(fusion)により“予定された”第2のカラーに対して第1のカラーを補ってその平均が正しい値になるようにするので、最も近いカラーが選択される。もっとも、画像が変化した場合には、画像のディーテールの明瞭度(articulation)が最も良くなるような別の最も近いカラーを選んで十分な解像度が保たれるようにする。
第7図にこの発明にしたがってデジタル画像のマッピング表示を行なうコンピューター化されたデジタル画像取込表示装置10を示す。コンピューター16は画像の取り込みの制御、デジタル画素情報処理及び適当なモニター28に表示する処理画像の出力制御を行なう機能をもっている。これらの機能は、キーボード30のような通常の入力装置による適当な入力とともに後述する適当なコンピュータプログラムによって制御される。
第7図の装置はさらに画像12を変換するカメラ14を備える。変換された画像は電気信号の形で取り込まれ、後にコンピューター16で処理される。デジタル化のためにコンピューター16に供給されるアナログイメージデータは、ビデオテープやディスクにあらかじめ、アナログの形式で“取り込まれた”ものであっても良い。この場合、適当なVCR、ディスクプレーヤー等によりイメージデータがコンピューターにより与えられることになる。
コンピューター16はカメラ14からのアナログイメージデータをデジタル化して処理に適した形式に変換するための適当なハードウェアとソフトウェアを備えている。代表的な装置はモデル70パーソナルシステム/2コンピュータ、8514モニター、適当なソフトウェア、例えばIBM製のオーディオビジュアルコネクション(Audio Visual Connection)ソフトウェアコンピューター16に組み込まれるビデオ取り込み周辺カード、(これらはすべてニューヨーク州アーモンクのインターナショナルビジネスマシーンズ社から入手できる)及び適当なカメラ例えばパラソニック社から入手できるモデル300CLEを含む。デジタル画像の入手(“取り込み”)方法はこの発明の一部をなすものではないが完全を期すために説明した。記憶装置やコンピューターが読み取り可能な媒体上にデジタル化したイメージをおいておき最初からデジタルイメージをコンピュータが利用できるようにしてもよい。
この発明はここまで述べてきたような特定のハードウェア装置に限定されるものではなく、多くの異なる装置での実現が可能であり、本発明の利点はデジタル画像処理と表示能力をもつ、任意の汎用デジタルコンピューターでも享受しうるものである。第7図の説明を続けると、コンピューター16はマイクロプロセッサー18に加え、RAM,ROM,光学又は磁気のディスク記憶装置等あるいはこれらの組み合せでありうる記憶媒体を含む。詳細にはこの記憶装置は原デジタル取込画像データと平均化したデジタル取込画像データとを記憶する原画像記憶装置20を含む。さらに記憶装置にはルックアップテーブル22とマップド画像記憶装置24が含まれる。記憶装置とテーブル20〜24の各種の記憶場所は通常のI/O技術により周知の仕方でマイクロプロセッサー18と相互接続するシステムバス26を介してアクセス可能である。
装置10の全体の動作の概要を述べると、記憶装置20にある原画像の画素のRGB成分の値をマイクロプロセッサー18により実行される適当なソフトウェアにより平均化する。これらの平均化された画素の値をルックアップテーブル22と比較してその中から原画像の各平均化画素のRGB成分に最も良く一致するRGB成分をもつ知覚カラーを見つける。ルックアップテーブル22から見つけ出した知覚カラーは実際には入力パレットカラーの対を並べて表示することによって作り出される。隣い合せの入力パレットカラー画素対は目によって“混ぜ合わされ(blended)”所望の知覚画像として知覚される。入力パレットカラーの数は限られている。したがって正味の知覚カラーのRGB成分の数が大きくなる理由は入力パレットカラーの組み合せの多さによるものである。各知覚カラーは特定の知覚カラーを定める入力パレットカラーの対とともにルックアップテーブル22に記憶されている。
マイクロプロセッサー18の制御のもとでルックアップテーブル22のなかから原画像20の隣り合う2つの画素の平均のRGB成分に最も良く一致するRGB成分をもつ知覚カラーを見つけ出したら、この特定の知覚カラーを与える二つの入力パレットカラーをテーブル22から取り出し、マップド画像記憶装置24に原画像20の2つの平均画素に対応し(空間位置的に)それにとって代わるように記憶する。この処理を原画像の全ての平均画素対について繰り返して、マップド画像記憶装置24がそれぞれの平均原画画素対の代用である入力カラー画素対で一杯になったら、マップド画像記憶装置24のデジタル画像データをモニター38に表示するために出力する。
以上装置の動作の概要について述べたので以下その詳細を説明しあわせて従来技術による画像のマッピング法について述べて、この発明の新規性を明らかにする。
種々のシステムの制約から実用の表示装置では入力カラーパレットとして、デジタル画像を生成するのに容易に取り扱かえる程度にカラー数を限ったパレットを使用する必要がある。第14図に代表的な入力カラーパレットを示す(便宜上一部のみを示す)。この発明は図示のような特定のパレットに限定されるものではないが図示の入力カラーパレットのカラー数は16なのでその中の任意のカラーを4ビットのニブルで表現できる。このようにして表現される各カラーはシステムバス26上で伝送される16ビットのワードに対応する。ここに16ビットワードはそれぞれ0から(25−1)の範囲をもつRGB成分から成る。(0,0,0)から(25−1,25−1,25−1)の範囲をもつRGBの中からどの16色を選ぶかは単に選択の問題である。
第8図にモニター28の表示画面32を示す。モニター28に表示されるデジタル画像は実際には画素34に示すように連続的なカラースペクトルから選択した離散画素から成る。これらの画素は通常行と列に並べられる(例えば480行×640列のように)。この場合640×480の解像度の画面となる。第8図に隣り合う画素36と38を示す。隣り合う画素36と38は例えばバラ色と水色であり連続カラースペクトルにおけるRGB成分としてそれぞれ4,7,9と6,3,1の値をもつ。
第14図のような限られた数のカラー入力パレットを使用する従来技術ではフルカラーの原画像の各画素を近似するために入力パレットの中から原画像の連続カラー画素に最も近いカラーをもつ画素を選択する。これはすなおで常識的な方法である。第8図と第14図を例にとると、バラ色の4,7,9に最も近いカラーはRGB成分4,7,8をもつカラー#4であるので画素36の代わりとしてP1′のピンク色の画素40を使用する。RGBのカラーにつけた名前は説明のためであり、表示画面に実際に現われるカラーを意図しているものではない。
同様にRGB成分6,3,1をもつ水色のP2画素38に最も近いのは第14図の入力カラーパレットの中で6,2,1のRGB成分をもつ青色のカラー#9である。したがってこの青色のカラー#9をもつ符号42で示す画素P2′が画素38のカラーに最も良く近似するものである。しかしながら、一見すると第14図のような限られたカラーパレットを用いて第8図の連続カラー画像32を最適に近似する方法は、このような置換処理を繰り返すこと、すなわち原画像32の各画素をそれに最も近いカラーをもつ入力カラーパレットのカラーの画素で置き換えることであるように見えることは重要である。。
ここで第9図を参照して第14図の限られたカラーのパレットにより原画像32を近似する別の方法を説明する。この方法はこの発明による方法であり、上述した方法より優れた結果をもたらすものである。第9図において原画像32の隣り合う画素36と38は前と同様にバラ色と水色でありそのRGB成分の値はそれぞれ、4,7,9と6,3,1であるとする。第9図に示すようにこれらの画素のRGB成分の平均値(赤色成分4+6,緑色成分7+3,青色成分9+1,の各平均をとることによって得られる)は5,5,5である。第9図においてこれらの原画素36と38はRGB成分の平均値をもつ画素44と46(P1″とP1″)で置き換えられる。このRGBの平均値5,5,5に対応するカラーは紫色である。
第14図からわかるようにこの置換カラーのRGB成分5,5,5に一致するカラーは入力パレットにはない。ここで従来の方法を使用すればこの紫の平均カラーに最も近いカラーを第14図のカラーパレットから選択することになる。しかしこの発明では入力パレットからシアンとマゼンタの色相をもちそれぞれ3,1,8と7,9,2のRGB成分値をもつカラー#6とカラー#16を置換画素48と50(第9図のP1
第9図で述べた置換法は第8図で述べた素直で常識的なアプローチより生理学及び画像のリアルで自然な出来上りのよい画像をしばしばもたらすものである。フルカラーの原画像における隣り合うバラ色と水色の画素は目で知覚した場合には平均化されて紫色に見えるものである。第9図では入力カラーパレットからカラーの対としてその平均が原画素の2つの画素の平均に最も近いものを選択する。この方法は上述した従来技術の方法すなわち原画素のそれぞれに最も近いカラーを入力パレットから単に選択する方法と対照的なものである。
以上でこの発明の動作を簡単な例について説明したので以下より具体的な例について後続の図面を参照して説明する。
第15図に入力カラーパレットの実施例を示す。この入力カラーパレットは13色のカラーをもち、その赤色緑色青色成分の値は図示の通りの値をもつ。入力カラーパレットの3つのエントリーはテキストや透明な画像の重ね書きのために確保されている。
上述したようにシステムの帯域幅や表示装置の電子銃の特性、ビデオ増幅器の帯域幅の制約等によるシステム固有の非線形性のために入力カラーパレットから選んだ2つのカラーのRGB成分をそのまま使って表示画面に隣り合う画素として表示させた場合に、実際にモニター38に現われる画素から知覚されるカラーは単純な算術平均ではなく使用する装置の特性に依存する関数的な関係をもつものになる。例えば入力カラー#8(R.G.B=8,8,8)とカラー#3(R.G.B=2,2,2)を表示したとするとこの隣り合う画素によって形成されるカラーはそのRGB成分の平均(8+2)/2,(8+2)/2,(8+2)/2,すなわち5,5,5に相当するカラーのようには見えない。
したがってこの発明では使用する装置に合わせて関数的な関係を経験的に求め、入力パレットのカラー画素のRGB成分にその関数的関係を適用して結果のRGB成分値を得る。これらのRGB成分値を使用して画素を表示することにより隣り合う画素としてそれぞれ入力パレットカラーの画素を表示したのとほぼ同様に知覚されるようなカラーを得ることができる。したがってn個(nは小さく例えば2である)の入力パレットカラーの全ての組み合せ(重複は除く)にこの関数的な関係を適用することにより、第16図に一部を示すような知覚カラーパレットをオフラインで作成することができる。
この発明は2つの入力パレットカラーの組み合せに制限されるものではなく又入力パレットカラーの組み合とから知覚パレットカラーのRGB成分の値を定めるための特定の関数的関係に制限されるものではないが、以下に示す関数が画像の品質を改善するのに有効であった。すなわち知覚カラー画素のRGB成分Rx,Gx,Bx(第16図の表の行)は2つの入力パレット画素のRGB成分Rn,Gn,BnとRm,Gm,Bm(第15図の表の行)から次の関数式によって得られるRx=sqrt[((Rn+9)**2+(Rm+9)**2)/2]-9Gx=sqrt[((Gn+18)**2+(Gm+18)**2)/2]-18Bx=sqrt[((Bn+9)**2+(Bm+9)**2)/2]-9 もちろん実際には上述したように関数は使用する表示装置の諸特性に依存するものである。したがって第16図の知覚パレットのエントリーは一般には次の形式で表わされる。
Rx,Gx,Bx=f(z)
ここにzは2あるいはそれ以上の入力パレットカラーのRGB成分値(例えば第1の入力パレットカラーのRGB成分Rn,Gn,Bn、第2の入力パレットカラーのRGB成分Rm,Gm,Bm)である。
二つのカラーRn,Gn,BnとRm,Gm,Bmの知覚平均値は実際に表示画面に現われる各カラーのルーメンの算術平均で与えられる。今関数f(c)をメモリーにあるデジタルカラー(c)を実際に表示されるルーメン(f(c))に変換する関数であるとする。この関数は表示装置やその調整によって変わるものである。しかしながらモニターとしてテレビジョン受信機を使用する場合には、この関数は製造において調整されておりほぼルーメン=Kx(c+9)2にしたがう。ここにcは0から64の範囲で変化しKは適当な明るさ定数である。
2つのデジタルカラーRn,Gn,BnとRm,Gm,Bmの知覚平均値を求めるにはまずデジタルカラーを関数f(c)にしたがってルーメンに変換する。次にルーメンの平均をとり最後に逆関数f-1(L)(Lは相対ルーメンを表わす)にしたがってルーメンをデジタルカラーの表現に戻す。具体的には赤成分についてRx=f-1[(f(Rn)+f(Rm))/2]
Rx=sqrt[((Rn+9)2+(Rm+9)2)/2]−9であり、同様に緑成分と青成分について繰り返す。
第15図の入力パレットに対する第16図の知覚パレットのエントリーの正しさを示すため上述した式の使用例を示す。2つの入力パレットカラーとしてそれぞれ19,0,0と2,2,2のRGB成分値をもつカラー#5とカラー#3を用いたとすると上記の関数から知覚パレットカラーとして13,1,1のRGB成分値が得られる。すなわちRx=13=sqrt[((19+9)2(2+9)2)/2]-9=13Gx=1=sqrt[((0+18)2+(2+18)2)/2]-18=1Bx=1=sqrt[((0+9)2+(2+9)2))/2]-9=1である。
上述したようにこの発明の目的の1つは大きなパレットから形成されるカラー画像を表示装置の限られた数のカラーを用いて最適に近似することである。第17図に連続カラーのアレイを示す。このアレイの各行は近似対象である連続カラースペクトルの中の個々のカラーに対応しており連続カラーのRGB成分値を含む。さらにアレイの各行のエントリーには第16図の知覚パレットの中で連続カラーに最も近い知覚カラーを指す(インデックスする)インデックス値が記憶される。この知覚パレットカラーは実際には更に限られた入力パレットの2つのカラーを組み合わせることによって形成されるものである。
いったん作成されたアレイは次のように使用される。第17図のアレイの中で15,0,0のRGB成分値をもつエントリーを例にとるとそのインデックス値は54である。このインデックス値54は第16図の知覚パレットの中で知覚パレットカラー#54が15,0,0のRGB成分値をもつ連続カラーに最も近いカラーであることを示す。第16図に示すようにこの知覚パレットカラー#54は、RGB成分が16,0,0であり知覚パレットの全ての行エントリーの中で第17図の連続カラーの15,0,0のRGB成分値に最も近いものである。このようにして連続カラー15,0,0は知覚カラー16,0,0をもつ知覚カラー#54によって最も近似される。この知覚カラー#54は第15図の入力カラーパレットの中からカラー#5,カラー#4,の画素を隣り合わせて表示することによって作られる。カラー#5とカラー#4のRGB成分値はそれぞれ19,0,0と9,0,0である。これらのRGB成分値を実験的な関数f(z)にしたがって組み合わせれば当然ながら知覚パレットの16,0,0の知覚カラーとなる。
もう一例あげると第17図の連続カラーアレイの中でRGB成分が0,0,2のカラーを近似する場合にはそのインデックス値33に対応する知覚パレットカラーを第16図の知覚パレットから選択すれば目的の連続カラーに最も近い知覚カラーが得られる。この知覚カラーのRGB成分は2,2,2である。第16図の知覚パレットを検索してみても、この知覚カラーより0,0,2の連続カラーに近い知覚カラーはない。第17図の連続カラーアレイのカラー数は第3図の知覚パレットのカラー数より多いので第17図の行エントリーの方が第16図の行エントリー数より多い。したがって第17図の連続カラーアレイの多数のカラーのそれよりカラー数が少ない第16図の知覚パレットで連続カラーを近似しようとするこの発明にあっては知覚パレットの1つのカラーで第17図の連続カラーアレイの2以上の連続カラーを近似する必要がある。
したがって例えば第17図の連続カラーアレイの中で0,0,1のカラーは0,0,2とのカラー同様に知覚パレットカラー#33で近似することになる(この知覚パレットカラー#33のRGB成分値2,2,2が0,0,1の連続カラーに最も近い知覚カラーである限り)。このようなわけで第17図の連続カラーの2以上の行が同一のインデックス値をもつことになる(各行はもちろん異なる連続カラーを表わしているが)。
さらにもう1例あげると第17図のアレイの中でRGB成分値が31,31,31の連続カラーはそのインデックス値f,fが示すように第16図の知覚パレットの中で知覚カラー#f,fによって近似される。この知覚カラー#f,fのRGB成分値は26,26,26である。第16図のパレットの中でこれにより31,31,31のRGB成分をもつ連続カラーに近い知覚カラーはない。
第17図の連続カラーアレイから第16図の知覚パレットへの参照に関するもう一つの特徴をここで述べる。第17図の連続カラーアレイの連続カラーを第16図の知覚パレットのカラーで近似する際に連続カラーアレイの中でインデックスは連続カラーに最も近い知覚パレットカラーをさすインデックスとして都合のよいものである。しかしながら、すでに述べたところからわかるようにこのインデックス値(上述した例におけるFF,54,53,33など)は実際には第15図の入力パレットへのエントリーないしインジケーターである。すなわち知覚カラーパレットカラー番号自体が入力パレットカラーのインジケーターであり、それによって指される画素を隣り合わせて表示すれば経験式に従って単一の知覚パレットカラーが知覚される。
したがってこの発明の装置により連続カラーを特定の知覚パレットカラーで近似する際にアレイ中の知覚カラーに対するインデックスから自動的に置換入力パレットカラーが定められ、これらの入力パレットカラーを使用することにより知覚パレットカラーを作ることができる。注目すべき点はモニター38上に表示される実際のカラーは各画素の単位ではあくまでも第15図に示す入力パレットカラーに限られるものであり、第16図のような数の多い知覚パレットカラーではないということである。知覚パレットのカラー数は入力カラーパレットのなかから重複なしでn個(第16図の場合にはn=2個)のカラーをとる組み合わせの総数であるので入力パレットのカラー数よりずっと数が多くなる。
以上で入力パレット、知覚パレット及び連続カラーアレイの概要説明を終え、以下実際の画像の作成について詳細に説明する。
第10図にRGB成分の値の例を記入した原画像を示す。この図ではモニター28上に実際の画素が配置されるのと同様の配置で画素を示しており、( )内にRGB成分値を示す。この例では表示装置として640×480画素の解像度を想定する。
上述したパレットとアレイを第7図のルックアップテーブル22に作成し、画像を取り込みデジタル化を施して第7図の原画像記憶装置22に記憶させた後、まず原画像の画素の値をマイクロプロセッサー18で平均化し、再度原画像記憶装置20に記憶する。詳細には1つの実施例では水平方向に隣り合う画素対を平均化する。例えば第10図の参照番号52に示す画素16,0,0と画素14,0,0の平均をとって第10図の参照番号54に示すように15,0,0の値をもつ画素を作る。同様に第10図の画素13,2,1と画素12,2,2の平均をとることにより平均化画素12,2,1が得られる(まるめにより)。この平均化処理を続けることにより第10図の参照番号54に示す半分の解像度の画像(320×480の画像)が得られる。これらの平均化画素の画素値は第7図の原画像記憶装置16のような適当な記憶装置に記憶される。
次に適当なソフトウェア制御のもとで、マイクロプロセッサー18により平均化した画素のそれぞれを事前にオフラインで作成したアレイ(ルックアップテーブル22におかれる)と照合して平均化画素に最も近いRGB成分をもつエントリーを見つけ出す。参照番号54の左上に示す最初の平均化画素(すなわち15,0,0のRGB成分をもつ画素)を第17図の連続カラーアレイの中から探し出すとそのインデックス値は54である。第16図の知覚パレットの54番目のエントリーをみるとこの知覚カラーのRGB成分は16,0,0であり他のどの知覚カラーよりも第10図の最初の平均化画素の画素値15,0,0に近い。
上述したようにこの知覚パレットカラー#54(RGB成分が16,0,0)は実際には第15図の入力パレットカラー#5(19,0,0のRGB成分)と入力パレットカラー#4(9,0,0のRGB成分)とを隣り合わせて表示することによって実現される。第11図の参照番号56に示すように16,0,0のRGB成分をもつ知覚カラーは原画像の2つの画素に置き換わったものである。一方第12図の参照番号58に示すように入力パレットカラー#5と#4(RGB成分がそれぞれ19,0,0と9,0,0)は第11図の16,0,0の知覚カラー画素に置き換わったものである。上述したように知覚カラーのRGB成分と近似すべき対象である第17図の連続カラーのRGB成分との間には連続カラーの数の方が知覚カラーの数よりも多いために誤差(エラー)がある。連続カラー15,0,0について述べるとこの連続カラーは知覚カラー16,0,0によって近似され一単位分の赤のエラーが発生する。この発明の好ましい実施例によれば連続カラーとそれに最も近い知覚カラーとの間の誤差は既知の方法により隣りの画素へと拡散される。例えば上の例における1単位分の赤のエラーは右と下の平均化画素すなわち第10図の13,0,1と12,2,1の画素に拡散できる。この結果これらの平均化画素は一単位分の赤のエラーを含んで13+1,0,1と12+1,2,1となる。しかしこの13+1,0,1の画素に最も近い知覚カラーを知覚カラーパレット(第16図)から探し出してみればわかるようにこの誤差は十分小さく、当初の平均化画素13,0,1に対して選択した知覚カラーと同じ知覚カラーが選択される。しかしながら原画像の画素の具合によっては拡散によりエラーが大きくなって拡散エラーを含めた平均化画素に最も近い知覚カラーが拡散エラーなしの平均化画素に対して選択した当初の知覚カラーとは別のものになることがあり得る。
第12図において入力パレットカラー#5と#4に対応する画素は第10図の参照番号52の中の2つの原画素(すなわち16,0,0と14,0,0)に置き換わったものである。原画像の次の2つの隣り合う画素14,0,1と12,1,1について処理を繰り返すとこの2つの画素の平均により第10図の平均化画素13,0,1が得られる。前と同様にしてこの平均化画素13,0,1を第17図の連続カラーアレイに照合して知覚カラーパレット(第16図)の中でこの平均化画素に最も近い知覚カラーを見つけ出す。さらにこの知覚パレットカラーを生じさせる2つの入力カラーを選び出し、この2つの入力カラーを原画像の画素14,0,1と12,1,1に置き換える。以上の処理を記憶装置20に記憶される原画像のすべての画素について繰り返し、原画像の偶数行では第1の方向で処理を行ない、奇数行では逆方向で処理を行なう。第12図の結果を明らかにするため第10図には平均化していない画素を示してあるがあらかじめ、640×480の解像度をもつ原画像52のすべての画素を第10図の参照番号54に示す320×480の解像度の平均化画素に変換し、この解像度を落とした画像を記憶装置20に記憶しておき、処理の際にこれらの平均化画素をルックアップテーブル22の知覚カラー画素に置き換え、エラーの拡散を行なうようにすれば都合が良い。第7図において各知覚カラーと原画像の平均化画素間のマッチングと知覚画素に対応する2つの入力パレットカラーの決定はルックアップテーブルに基づいて行なわれ、この情報は第7図のマップド画像記憶装置24に相当する別のバッファーに記憶され、マップド画像を表示する際にこのイメージ記憶装置24にある処理済みのデジタル情報をシステムバス26を介して出力してモニター38に表示する。
連続カラー画素を高速で2つの入力パレットカラー画素に置き換えるためにルックアップテーブル22を使用している点はこの発明の1つの重要な側面である。第1に発明の背景で述べたようにXが画素解像度クラスの表示装置を使用する場合、計算によって各画素の値を得ようとすればイメージのすべての値の画素を処理するのに大変な時間がかかり、特に本書で述べたように入力パレットカラーと知覚パレットカラー間で複雑な関数関係を使用する場合には処理時間の増大が著しいものになる。
第13図にコンピュータープログラムの機能ブロック図を示す。コンピュータープログラムは周知のコードで実現され、上述した本発明の諸機能を実行する。処理ルーチン62に入る前に、第13図の符号84に示すようにオフラインで、第15図に示したような入力カラーパレットを選択する。次にこの限定されたカラーパレットが選択されると、同じくオフラインで入力カラーの組み合せと入力カラーの組み合わせのために知覚カラーを得るために使用される関数関係f(z)とを用いて第17図に示すようなアレイを作成する(ステップ86)。前と同様にアレイのテーブルは複数のエントリーを含み、各エントリーは、所定の連続カラーのRGB成分値より指示される大きな連続カラースペクトラムから得られるカラーの一つに対応する。さらに各エントリーはエントリーの連続カラーに最も近いRGB成分をもつ知覚カラーを指すインデックス値をもつ。知覚カラーは選択した関数f(z)によって関数的に組み合わされる入力パレットの2又はそれ以上の入力カラーのRGB成分によって表現される。
オフラインで適当なテーブルを作成した後、第13図の処理ルーチンに入り(ステップ62)、ここで第7図の装置10はイメージをデジタル化してそれぞれRGB成分で表現される一連の画素を形成し、この画素情報を原画像記憶装置20に記憶する(ステップ64)。このイメージの取り込みとデジタル化のステップは必らずしもこの発明の不可欠な一部を成すものではなく、あらかじめデジタルイメージをCD−ROMやその他の記憶媒体(総括的に画像記憶装置20で示す。)に取り込んでおいても良い。
原画像のデジタル情報を記憶した後、コンピューター16は隣り合う画素の平均を取る(ステップ66)。これによりブロック68に示す当初の高解像度の画像がブロック70に示すそれより低い解像度の画像に変換される。図ではこのステップを隣り合う画素のRGB成分の単純な算術平均として示しているがこの発明はこれに制限されるものではなく適当な関数で隣り合う画素を組み合わせるものであれば良い。すなわちこれらの画素はすべての隣り合う画素である必要はなく、組み合わせの関数は算術平均である必要はなく、要は少なくとも2つの隣り合う画素のRGB成分を何らかの方法で関数的に組み合せるものであればよい。組み合せの結果はブロック70に示すように解像度の低い画像に対応したデジタル情報として一時的に記憶される。
隣り合う画素に対するRGB成分の組み合せ処理を実行し、結果を例えば画像記憶装置20内の一時バッファーに記憶させた後、ブロック70からブロック72への矢印で示すように記憶装置から平均化画素の1つを取り出し(ステップ72)、この平均化画素のRGB成分値をルックアップテーブル22(すなわち17図に示すようなオフラインで事前に作成したアレイのテーブル)の各カラーエントリーのRGB成分値と比較する。ブロック74に示すように、平均化画素のRGB成分をアレイテーブルのエントリーのRGB成分と比較して、インデックスの値から平均値カラーに最も近いRGB成分をもつ知覚カラーをアレイテーブルの中から探し出す。
上述したようにこのインデックス値はテーブルに組み込まれているもので第17図の連続カラーに最も近い知覚カラーを指すものである。さらにこのインデックス値は、実際には関数f(z)にしたがって関数的に組み合わされることにより、知覚カラーを生じさせる入力パレットカラーを表わすものである。デジタル化された平均化画素に適合する知覚カラーに対応する入力カラーを保存して(ステップ76)、第7図のマップド記憶装置24に記憶する。これにより平均化された原画像における画素が入力カラーによって置き換えられたことになる。このようにして第13図のブロック78に示すように640×480のマップド画像が再構成される。
上述したように、各平均化画素をアレイテーブル内の知覚カラーにマッチングさせる際に知覚カラーのRGB成分と連続カラーのRGB成分との間にエラーが生じうる。そこでこのエラーを隣りの画素に拡散する(ブロック80)。上述した例では知覚カラーを入力カラーパレットの2つのカラーの関数として示したがこの発明はこれに限定されるものではない。また上述したように種々のエラー拡散技術が知られており、連続カラーと知覚カラーとのエラーをどの画素に対し、どのように拡散させるかは重要なことではなく、公知の種々のエラー拡散法が使用できる。
更に第13図を参照すると、第13図で機能的に示すプログラムにより、ブロック82で各平均化画素がアレイテーブルから見付けられたかおよびそれが対応する知覚カラーにマッチするか調べ、さらに知覚カラーに対応する入力パレットからの入力カラーがブロック78のマップド画像記憶装置に記憶されたかどうかを調べる。処理すべき平均化画素が残ってなければ矢印90に示すように処理は終了する(ステップ92)。しかし82のチェックで、最も近い知覚カラーおよび知覚カラーを規定する対応する入力カラーとそれぞれ一致されるべき平均化画素が残っていれば、88に示すように処理を戻して繰り返す。処理が完了すれば78のマップド画像は完成しており、そのデジタル情報は入力パレットのカラーの対を表わす。各カラー対は平均をとった原画像の画素対に順次対応するものである。さらに入力カラーをf(z)関数で組み合せば、どの知覚カラーよりも原画素の平均のRGB成分に近い知覚カラーが得られる。
このようにしてマップド画像が作成され、イメージ記憶装置24に記憶される。マップド画像の画素解像度は原画素の解像度に等しい(図示の例では640×480の解像度)。原画像を構成する画素のカラーは大きな連続的なカラースペクトルを通じてさまざまに変化する。これに対し、この発明によって選択されるカラーはそれよりはるかにカラー数の少ない入力カラーパレットから選び出されるものである。しかしながら重要な特徴として平均化された原画素の各対に置き換えるために入力カラーパレットから選択するカラーは知覚カラー関数に基づいて選択されるものであり、選択カラーを隣り合せで表示することにより、目には原画像の2つの隣り合う画素のRGB成分の平均のカラーに非常に近いものとして知覚されることになる。このような独自の入力パレットカラー選択法を使用することにより入力カラーパレットで使用できる数より多くの数のカラーを知覚カラーパレットから得ることができる。したがってマップド画像記憶装置24からマップド画像をモニター38上に表示した場合には、従来のように原画像の各画素をそれに最も近い入力カラーパレットのカラーの画素に単純に置き換える方法に比べ、カラーの品質の優れた画像が得られる。
以上実施例を参照して本発明を説明して来たが、この発明の精神および範囲から逸脱しない範囲内で種々の変形、変更が可能であることは当業者には理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来技術の3つの量子化状態の装置の概要図、第2図は知覚される信号とノイズスペクトラムを含み第1図1図の3量子化状態を使用して信号の近似を実現する従来技術の方法を示す図、第3図は知覚される信号とノイズスペクトラムを含み第1図と第2図の信号近似化問題をこの発明に従って実現する方法を示す図、第4図は画像信号を近似するために使用される3つの量子化状態を持つ制限された入力パレットの概念図、第5図はノイズスペクトラムと知覚される画像を含み第4図の3量子化状態を使用して画像信号を近似化する従来の解決法を示す図、第6図は空間周波数ノイズスペクトラムと知覚される画像を含み第4図の画像信号の近似を3量子化状態を使用してこの発明により第4図の画像信号の近似化を達成する方法を示す図、第7図はこの発明の装置の機能ブロック図、第8図は従来技術によるカラーマッピングを示す図、第9図はこの発明のカラーマッピッグ技術を示す図、第10図はこの発明で使用する画素の平均化ステップにかかる画像の一部を示す図、第11図はこの発明の入力パレットカラー対置換ステップを示す図、第12図はこの発明の入力パレットカラー対置換ステップをさらに示す図、第13図はこの発明の装置を実現するコンピュータープログラムのフローチャート、第14図は入力カラーパレットを示す図、第15図は具体的な入力カラーパレットの構成を示す図、第16図は知覚カラーパレットを示す図、第17図は連続カラーアレイを示す図である。
20A:メモリ信号、22A:ノイズスペクトル、24A:知覚される信号、26A:パレット、36A:メモリ画像、38A:空間周波数ノイズスペクトル、40A:知覚される画像、20:原画像記憶装置、22:ルックアップテーブル、24:マップド画像記憶装置、28:モニター、36,38:原画像の隣り合う画素、44,48:平均化画素、48,50:入力パレットカラーの画素、52:原画像、54:平均化画像、56:知覚パレットカラーによる画像、58:マップド画像(入力パレットカラーによる画像)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】画像表示装置とともに使用し、各画素が複数のカラー成分をもつ第1画像からカラーマップド画像を生成する方法であって、互いに近接する画素を1グループとして、前記第1画像の画素を複数のグループに分ける工程と、各グループの画素の各カラー成分の平均をとる工程と、複数の入力カラーをもつ入力カラーパレットを選択する工程と、前記入力カラーの異なる組み合せにそれぞれ関数的に関係する複数の知覚カラーを定める工程と、前記入力カラーの組み合せの1つに関係する前記知覚カラーの1つを各グループの平均化画素に関連づける工程と、前記各グループの各画素を前記入力カラーの組み合せの1つで構成される異なる知覚カラーの1つをもつ画素で置換することによって前記第1画素のマップド画像を生成する工程と、を含む方法。
【請求項2】画像表示装置とともに使用され、各画素が複数のカラー成分をもつ第1画像からカラーマップド画像を生成する装置であって、互いに近接する画素を1グループとして、前記第1画像の画素を複数のグループに分ける工程と、各グループの画素の各カラー成分の平均をとる手段と、複数の入力カラーをもつ入力カラーパレットを選択する手段と、前記入力カラーの異なる組み合わせにそれぞれ関数的に関係する複数の知覚カラーを定める手段と、前記入力カラーの組み合せの1つに関係する前記知覚カラーの1つを各グループの平均化画素に関連づける手段と、前記各グループの各画素を前記入力カラーの組み合せの1つで構成される異なる知覚カラーの1つをもつ画素で置換することによって前記第1画像のマップド画像を生成する手段と、を含む装置。
【請求項3】入力パレットを定める複数の入力カラーと知覚パレットからマップド画像を生成する装置であって、原画像である第1画像を記憶する手段と、それぞれが関連する平均化されたカラーをもつ複数の平均化画素のサブコンビネーションを規定するために、前記第1画像の画素のサブコンビネーションのカラー成分の平均をとる手段と、各エントリーが前記知覚パレットの異なるカラーを定める前記入力パレットカラーの異なるサブコンビネーションに対応する複数のエントリーのアレイを記憶するアレイ記憶手段と、前記アレイ記憶手段から、各平均化画素のサブコンビネーションについて、前記関連する平均カラーに最も近い知覚パレットカラーとこの知覚パレットカラーを定める入力パレットカラーとを選択する手段と、前記各平均化画素のサブコンビネーションに対して選択された知覚パレットカラーを定める入力パレットカラーによって構成されるマップド画像を記憶する手段と、を含む装置。
【請求項4】対応するRGB成分を有する複数の画素によって構成されるデジタル原画像である第1画像をカラーマッピングする方法であって、前記第1画像の隣り合う画素の平均のRGB成分に対応するRGB成分をもつ平均化画素によって構成される第2画像のデジタル表現を生成する工程と、各入力カラーのRGB成分で定められる複数の入力カラーを含む入力カラーパレットを選択する工程と、前記入力カラーの異なる組み合せの入力カラーのRGB成分の関数的な組み合せによって定められる複数の知覚カラーをもつ知覚カラーパレットを生成する工程と、連続するカラースペクトルの個々のカラーに対応するRGB成分を含む複数のエントリーと、前記連続スペクトルの個々のカラーのRGB成分に最も近いRGB成分の関数的な組み合せをもつ知覚カラーを指示し、さらにこの知覚カラーを定める入力カラーの異なる組み合せを指示する関連するインジケータとを有するアレイを生成する工程と、記憶されたマップド画像を生成する工程とを含み、前記マップド画像を生成する工程が、各平均化画素に対して前記アレイの中から平均化画素のRGB成分に最も近いRGB成分をもつ知覚カラーに対応するエントリーを選択する工程と、選択したエントリーに基づいて前記平均化画素に対応する選択された知覚カラーを定める入力カラーの異なる組み合せを検出する工程と、前記平均化画素を検出した入力カラーの異なる組み合せで置換する工程と、置換した入力カラーの組み合せをデジタル的にコード化した表現で記憶する工程と、前記選択する工程、前記検出する工程、前記置換する工程、および前記記憶する工程を平均化画素のそれぞれについて繰り返す工程と、を含む方法。
【請求項5】異なる大きさの複数の入力量子化状態および所定の周波数応答を有する装置から所望の出力信号を近似するための方法であって、前記複数の入力量子化状態の中から、その大きさが前記出力信号の大きさに近いかどうかとは無関係に前記出力信号を近似するための入力量子化状態を選択し、その選択された入力量子化状態の組み合わせの関数として近似した出力信号を生成する工程を含み、前記入力量子化状態の選択は、前記近似した出力信号を生成するための入力量子化状態の数をできるだけ少なくするように、選択される複数の入力量子化状態のそれぞれの大きさの関数として行われることを特徴とする方法。
【請求項1】画像表示装置とともに使用し、各画素が複数のカラー成分をもつ第1画像からカラーマップド画像を生成する方法であって、互いに近接する画素を1グループとして、前記第1画像の画素を複数のグループに分ける工程と、各グループの画素の各カラー成分の平均をとる工程と、複数の入力カラーをもつ入力カラーパレットを選択する工程と、前記入力カラーの異なる組み合せにそれぞれ関数的に関係する複数の知覚カラーを定める工程と、前記入力カラーの組み合せの1つに関係する前記知覚カラーの1つを各グループの平均化画素に関連づける工程と、前記各グループの各画素を前記入力カラーの組み合せの1つで構成される異なる知覚カラーの1つをもつ画素で置換することによって前記第1画素のマップド画像を生成する工程と、を含む方法。
【請求項2】画像表示装置とともに使用され、各画素が複数のカラー成分をもつ第1画像からカラーマップド画像を生成する装置であって、互いに近接する画素を1グループとして、前記第1画像の画素を複数のグループに分ける工程と、各グループの画素の各カラー成分の平均をとる手段と、複数の入力カラーをもつ入力カラーパレットを選択する手段と、前記入力カラーの異なる組み合わせにそれぞれ関数的に関係する複数の知覚カラーを定める手段と、前記入力カラーの組み合せの1つに関係する前記知覚カラーの1つを各グループの平均化画素に関連づける手段と、前記各グループの各画素を前記入力カラーの組み合せの1つで構成される異なる知覚カラーの1つをもつ画素で置換することによって前記第1画像のマップド画像を生成する手段と、を含む装置。
【請求項3】入力パレットを定める複数の入力カラーと知覚パレットからマップド画像を生成する装置であって、原画像である第1画像を記憶する手段と、それぞれが関連する平均化されたカラーをもつ複数の平均化画素のサブコンビネーションを規定するために、前記第1画像の画素のサブコンビネーションのカラー成分の平均をとる手段と、各エントリーが前記知覚パレットの異なるカラーを定める前記入力パレットカラーの異なるサブコンビネーションに対応する複数のエントリーのアレイを記憶するアレイ記憶手段と、前記アレイ記憶手段から、各平均化画素のサブコンビネーションについて、前記関連する平均カラーに最も近い知覚パレットカラーとこの知覚パレットカラーを定める入力パレットカラーとを選択する手段と、前記各平均化画素のサブコンビネーションに対して選択された知覚パレットカラーを定める入力パレットカラーによって構成されるマップド画像を記憶する手段と、を含む装置。
【請求項4】対応するRGB成分を有する複数の画素によって構成されるデジタル原画像である第1画像をカラーマッピングする方法であって、前記第1画像の隣り合う画素の平均のRGB成分に対応するRGB成分をもつ平均化画素によって構成される第2画像のデジタル表現を生成する工程と、各入力カラーのRGB成分で定められる複数の入力カラーを含む入力カラーパレットを選択する工程と、前記入力カラーの異なる組み合せの入力カラーのRGB成分の関数的な組み合せによって定められる複数の知覚カラーをもつ知覚カラーパレットを生成する工程と、連続するカラースペクトルの個々のカラーに対応するRGB成分を含む複数のエントリーと、前記連続スペクトルの個々のカラーのRGB成分に最も近いRGB成分の関数的な組み合せをもつ知覚カラーを指示し、さらにこの知覚カラーを定める入力カラーの異なる組み合せを指示する関連するインジケータとを有するアレイを生成する工程と、記憶されたマップド画像を生成する工程とを含み、前記マップド画像を生成する工程が、各平均化画素に対して前記アレイの中から平均化画素のRGB成分に最も近いRGB成分をもつ知覚カラーに対応するエントリーを選択する工程と、選択したエントリーに基づいて前記平均化画素に対応する選択された知覚カラーを定める入力カラーの異なる組み合せを検出する工程と、前記平均化画素を検出した入力カラーの異なる組み合せで置換する工程と、置換した入力カラーの組み合せをデジタル的にコード化した表現で記憶する工程と、前記選択する工程、前記検出する工程、前記置換する工程、および前記記憶する工程を平均化画素のそれぞれについて繰り返す工程と、を含む方法。
【請求項5】異なる大きさの複数の入力量子化状態および所定の周波数応答を有する装置から所望の出力信号を近似するための方法であって、前記複数の入力量子化状態の中から、その大きさが前記出力信号の大きさに近いかどうかとは無関係に前記出力信号を近似するための入力量子化状態を選択し、その選択された入力量子化状態の組み合わせの関数として近似した出力信号を生成する工程を含み、前記入力量子化状態の選択は、前記近似した出力信号を生成するための入力量子化状態の数をできるだけ少なくするように、選択される複数の入力量子化状態のそれぞれの大きさの関数として行われることを特徴とする方法。
【第1図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第11図】
【第6図】
【第7図】
【第8図】
【第9図】
【第10図】
【第14図】
【第12図】
【第13図】
【第15図】
【第16図】
【第17図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第11図】
【第6図】
【第7図】
【第8図】
【第9図】
【第10図】
【第14図】
【第12図】
【第13図】
【第15図】
【第16図】
【第17図】
【特許番号】第2566670号
【登録日】平成8年(1996)10月3日
【発行日】平成8年(1996)12月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−226421
【出願日】平成2年(1990)8月28日
【公開番号】特開平4−151779
【公開日】平成4年(1992)5月25日
【前置審査】 前置審査
【出願人】(999999999)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【復代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 潔 (外2名)
【参考文献】
【文献】特開 昭62−254275(JP,A)
【文献】特開 昭61−205073(JP,A)
【文献】特開 昭61−290884(JP,A)
【登録日】平成8年(1996)10月3日
【発行日】平成8年(1996)12月25日
【国際特許分類】
【出願日】平成2年(1990)8月28日
【公開番号】特開平4−151779
【公開日】平成4年(1992)5月25日
【前置審査】 前置審査
【出願人】(999999999)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション
【復代理人】
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 潔 (外2名)
【参考文献】
【文献】特開 昭62−254275(JP,A)
【文献】特開 昭61−205073(JP,A)
【文献】特開 昭61−290884(JP,A)
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