説明

カラー印刷システム、装置、方法、プログラム、記録媒体

【課題】本発明の課題は、ユニバーサルデザインの原則に従い、誰にとっても読みやすい配色のカラー印刷物を作成するシステムを提供することである。
【解決手段】色情報を有する保険約款文書データを格納する保険約款格納領域と、記憶手段と、契約者端末装置が送信する色覚テスト要求を受け付けて、色覚異常か否かを判定する色覚テストWebページを返信する色覚テスト送信手段と、契約者端末装置が送信する色覚テスト結果を受け付けて、テスト結果が色覚異常を判定する情報を含んでいれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚異常者が識別できない色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換手段と、保険約款文書データの色覚異常者が識別できない色情報を色覚対応色情報に取り替えて、これをカラー印刷機を具備する契約者端末装置に送信する保険約款文書送信手段と、を備えることを特徴とする約款サーバー装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誰にとっても読みやすいカラー配色の保険約款を印刷するシステム、方法、プログラム、記録媒体に関するものである。元発明は特に、保険会社のサーバー装置が提供する保険約款を契約者の端末装置でカラー印刷する際に、色覚に異常がある場合に好適な色の印刷物を提供することで、カラー印刷された保険約款の可読性を向上させるのに有用である。
【背景技術】
【0002】
保険会社からは、多種多様な保険が販売されており、自分にとってふさわしい保険を選ぶ必要がある。販売されている保険の内容は、事細かに定められており、契約書には約款内容が詳細に記載されている。そこで、保険契約する顧客が保険を選ぶためには、顧客と保険会社の契約の意図との間に食い違いが生じないように、顧客は保険契約書を読み、約款を正確に理解することが益々重要となっている。近時、保険会社の保険金不払い問題が多数発生し、2008年4月には、金融庁から保険会社に、約款の改善命令が出されるという事態も生じた。保険会社は、この改善命令を受けて、「どのような人にとっても、読みやすく、内容を理解しやすい約款」を作成することに力を入れている。
【0003】
《A.カラー印刷された保険約款文書》
そこで、保険会社は、たとえば、カラー印刷した保険約款文書を提供することで、保険約款にメリハリを付けて、重要な箇所に対して、見落としがなく、読みやすく、理解の手助けとなるように工夫をしている。
《B.ユニバーサルデザイン》
保険約款文書をカラー印刷する場合には、ユニバーサルデザインの原則に従い、色覚異常がある場合でも読みやすい配色となるように配慮する必要がある。
たとえば、特許文献1では、予めクライアント(パソコン)ごとに、医療機関で使用する色覚検査表で色覚異常者の色覚障害の程度を検査して色補正内容を定めて、サーバーにて前記クライアントに提供されるマークアップランゲージ文書中の表示関連の色情報を色補正内容に基づき色補正を行い、色補正したマークアップランゲージ文書を前記クライアントで表示させる技術が開示されている。
【0004】
ここで、図4を用いて、色覚に異常がない場合とある場合にカラー印刷文書の見え方に相違があることを説明する。図4の(a)は、色覚に異常がない場合の見え方の例である。
色覚が正常な場合は、保険約款文書の「赤」色の文字列252や「緑」色の文字列251を容易に識別して読み取ることができる。図4の(b)は、色覚に異常がある場合の見え方の例である。色覚に異常がある場合は、保険約款文書の「赤」色の文字列254や「緑」色の文字列253に対して、両者ともに茶色の文字列に見えてしまい、2つの色の識別が困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−298133号公報(段落0028−段落0040、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、マークアップランゲージ文書とはクライアント端末で表示させるものであるので、これを印刷しても、文字の大きさが印刷物としては大き過ぎたり、割付体裁が乱れたりして、印刷文書としては不適である。
また、特許文献1の技術では、色調整したクライアントの表示装置を用いて、医療機関で使用される色覚検査表の微妙な配色を表示できないという煩わしさがある。
【0007】
本発明は以上のような点を解決するためになされたものであって、本発明の課題は、ユニバーサルデザインの原則に従い、誰にとっても読みやすい配色のカラー印刷物を作成するシステム、サーバー装置、方法、プログラム、記録媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以下の各態様に記載の手段により、前記課題を解決する。
すなわち、本願発明の第1の発明は、
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用データを格納する色覚テストデータ格納領域と、
保険約款文書データを格納する保険約款格納領域と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト要求を受け付けて、色覚テスト用データを返信する色覚テスト送信手段と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト結果を受け付けて、テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚に異常がある場合に識別し難い色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換手段と、
色覚対応色情報に変更した保険約款文書データを契約者端末装置に送信する保険約款文書送信手段と、
を備えることを特徴とする約款サーバー装置である。
【0009】
このように、色覚に異常があると判定した契約者には、色覚に異常のある者にとっても読みやすい配色の保険約款文書を提供することが可能である。
【0010】
本発明の第2の発明は、
第1の発明に記載の約款サーバー装置において、
前記色変換手段は、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する機能と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色の条件を満たすH値を、補色の値に変換する機能と、
HSVの値を、RGBの値に変換する機能と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする約款サーバー装置である。
【0011】
本発明の第3の発明は、
約款サーバー装置と、カラー印刷機を具備する契約者端末装置がネットワーク接続された色覚対応カラー文書印刷システムにおいて、
前記約款サーバー装置は、
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用Webページを格納する色覚テストデータ格納領域と、
保険約款文書データを格納する保険約款格納領域と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト要求を受け付けて、色覚テスト用データを返信する色覚テスト送信手段と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト結果を受け付けて、色覚テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚に異常がある場合に識別できない色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換手段と、
色覚対応色情報に変更した保険約款文書データを契約者端末装置に送信する保険約款文書送信手段と、
を備えて、
前記契約者端末装置は、
色覚テスト要求を約款サーバー装置に送信して、返信された色覚テスト用データを表示して、テスト回答の選択情報の入力を受け付けて、選択されたテスト回答に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報を含む色覚テスト結果を作成して回答するWEBブラウザ、
約款サーバー装置が送信する印刷用保険約款文書データを受信して、カラー印刷機にて保険約款文書をカラー印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする色覚対応カラー文書印刷システムである。
【0012】
本発明の第4の発明は、
第3の発明に記載の色覚対応カラー文書印刷システムにおいて、
前記約款サーバー装置は、前記色変換手段が、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する機能と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色の条件を満たすH値を、補色の値に変換する機能と、
HSVの値を、RGBの値に変換して色覚対応色情報に変換する機能と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする色覚対応カラー文書印刷システムである。
【0013】
本発明の第5の発明は、
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用データを送信する色覚テスト送信ステップと、
送信した色覚テスト用データを表示させて、契約者が入力したテスト回答を受け付けて、色覚テスト結果を作成して返信する色覚テスト結果返信ステップと、
返信された色覚テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚異常の場合に識別し難い色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換ステップと、
保険約款文書データの色覚に異常がある場合に識別し難い色情報を色覚対応色情報に変換して、色覚対応色情報を有する保険約款文書データを作成する保険約款文書作成ステップと、
色覚対応色情報を有する保険約款文書データを用いて、カラー印刷する印刷ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする色覚対応カラー文書印刷方法である。
【0014】
本発明の第6の発明は、
第5の発明に記載の色覚対応カラー文書印刷方法において、
前記色変換ステップが、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する工程と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色を定義する条件を満たすH値を、補色の値に変換する工程と、
HSVの値を、RGBの値に変換して色覚対応色情報として設定する工程と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする色覚対応カラー文書印刷方法である。
【0015】
本発明の第7の発明は、
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを第1または第2の発明に記載の約款サーバー装置として動作させるコンピュータプログラムである。
【0016】
本発明の第8の発明は、
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを第3または第4の発明に記載の色覚対応カラー文書印刷システムとして動作させるコンピュータプログラムである。
【0017】
本発明の第9の発明は、
第7または第8の発明に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、
(1)色覚に異常がある場合に読みやすい配色の保険約款文書を提供することが可能である。
(2)簡単で容易に、色覚異常の有無を判定することが可能である。
従って、元発明によれば、ユニバーサルデザインの原則に則った保険約款カラー印刷物を印刷できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】元発明の実施例による色覚対応カラー文書印刷システムの概要を説明する図である。
【図2】色覚対応の保険約款文書のカラー印刷作業手順を説明する図である。
【図3】色覚テスト用データをWEBブラウザで表示した画面を説明する図である。
【図4】色覚に異常がない場合とある場合のカラー印刷した保険約款文書の見え方を説明する図である。(参考)
【図5】色覚テスト結果に基づいて色を変更した保険約款文書の例を説明する図である。(実施例1)
【図6】保険約款文書の色変換処理を説明する図である。
【図7】保険約款文書データを説明する図である。
【図8】RGB値をHSV値に変換する処理方法を説明する図である。
【図9】HSV値をRGB値に逆変換する処理の計算方法を説明する図である。
【図10】約款サーバー装置300の詳細な構成図である。
【図11】色変換のフローチャートである。
【図12】色覚対応色396の算出例である。
【図13】契約者端末装置100の構成図である。
【図14】カラー背景を有するカラー文字の保険約款文書の色を変更した例を説明する図である。(実施例2)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面等を参照しながら、元発明の実施の形態について、更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、元発明の実施例による色覚対応カラー文書印刷システム1の概要を説明する図である。色覚対応カラー文書印刷システム1は、約款サーバー装置300と、契約者端末装置100がネットワーク900で接続されて構成される。約款サーバー装置300は、既存のWWWサーバープログラムを備えたサーバーコンピュータ−に、後述する専用プログラムを搭載したものである。契約者端末装置100は、既存のWebブラウザを備えるパーソナルコンピュータ−である。契約者端末装置100は、カラープリンター500を有する。カラープリンター500は、ネットワークプリンターであってもよい。
【0022】
図2は、保険約款文書のカラー印刷作業の大まかな手順を説明する。
《A.色覚テスト》
契約者は、契約者端末装置100のWebブラウザを用いて、約款サーバー装置300にアクセスして、所望する保険約款文書データを取得する前に、色覚テスト用のデータを取得する。取得した色覚テスト用のデータはWebブラウザ上に表示される。(図2(1))。
契約者は契約者端末装置100に表示された色覚テスト用データの文字を読んで、読み難いか否かの回答を行うと、Webブラウザは契約者が回答した色覚テストの結果を約款サーバー装置300に送信する(同(2))。
《B色変換》
約款サーバー装置300は、契約者端末装置100から受信した色覚テストの結果が「読み難い」であれば、保険約款文書データの文字の色を、契約者にとって識別し易い色(=色覚対応色情報)に変更して、契約者端末装置100に送信する(同(3))。
《C.カラー印刷》
契約者は、契約サーバー装置300から送信してきた保険約款文書データを契約者端末装置100で受信し、保険約款文書データをカラー印刷する(同(4))。
つまり、色覚テスト画面の色文字が読み難い契約者にとって、カラー印刷した保険約款文書の文字の色が識別し易い色に変更されているので、保険約款文書が読み易くなっている。
【0023】
図3は、色覚テスト画面を説明する図である。テスト画面110は、契約者端末装置100が契約サーバー装置300から色覚テスト用データを受信し、Webブラウザで表示したときの状態である。テスト画面110は、色覚に異常がある場合でも読みやすいように、保険約款文書データの色情報を色覚対応色に変換した保険約款ドキュメントを送付する必要があるかを決めるためのテスト画面である。テスト画面110は、「薄緑」色の背景113と、「薄赤」色のテスト用の文字列112と、テスト回答の選択肢117/118からで構成されている。テスト用の文字列については、図3の形態に限定されることなく保険約款文書データの一部を利用して作成してもよい。そうすることによって、実際の保険約款文書データのレイアウト、文字サイズ、フォントを利用した状態で、顧客の文字列の読み易さ、読み難さがわかる。また文字列の代わりに赤、青、黄、緑の4色のカラーパッチを用意して、それぞれ何色に見えるかをチェックしてもよい。テスト回答の選択肢には、それぞれ、色覚が正常な場合と色覚が異常な場合の保険約款文書データを約款サーバー装置300に要求する情報が埋め込まれている。たとえば、テスト回答の選択肢のうち、「(A)読み易い」の選択肢117には、色覚が正常な場合の保険約款文書データを要求する情報と約款サーバー装置300に接続するためのアドレスを含んだURLが埋め込まれている。また、回答の選択肢のうち、「(B)読み難い」の選択肢118には、色覚に異常がある場合の保険約款文書データの要求情報と約款サーバー装置300に接続するためのアドレスを含んだURLが埋め込まれている。
【0024】
ここで、テスト画面110の見え方について説明する。テスト画面110の文字列は、色覚が正常な場合と色覚に異常がある場合とでは、見え方が異なる。たとえば、色覚が正常な場合には、テスト画面の文字列112の「薄赤」が背景113の「薄緑」色に映えて目立って見えるので、文字列112が読み易い。そこで、回答者が、回答の選択肢「(A)読み易い」117を選択してクリックすると、該当するURLを含む、色覚正常者用のデータを要求するHTTPリクエストが約款サーバー装置300に送信される。
他方、色覚に異常がある場合には、テスト画面の文字列112の「薄赤」色と、背景113の「薄緑」色とは、ともに「茶」色に見えるので2つの色の識別が困難となり、文字列112が背景113に埋もれて読み難い。そこで、回答者が、回答の選択肢「(B)読み難い」118を選択してクリックすると、該当するURLを含む、色覚に異常がある場合の保険約款文書データを要求するHTTPリクエスト(=該当するURLを含む色覚テスト結果)が約款サーバー装置300に送信される。
【0025】
図5は、色覚対応色で印刷した保険約款文書の例である。例示された保険約款文書250は、色覚テスト結果に基づいて元の色を、色覚に異常がある場合でも約款が読みやすいように色覚対応色に変更した保険約款文書の例である。色覚対応色に変更した色覚対応の保険約款文書250は、図4(a)にて説明した保険約款文書の文字列252の「赤」色と文字例251の「緑」色を、それぞれ、色覚対応色として「青」色と「マゼンダ」色とに変換した文書である。
「青」色と「マゼンダ」色は、色覚に異常がある場合でも色の識別が容易であるので、「青」色の文字列256と「マゼンダ」色の文字列257を容易に識別して読むことができる。
なお、ここでは、色覚対応色として補色を用いている。すなわち、「青」は、「赤」の補色であって、「マゼンダ」は、「緑」の補色である。
【0026】
次に、図6に沿って、保険約款文書の色変換処理の詳細な流れを説明する。
《B.色変換》
約款サーバー装置300のWWWサーバープログラムは、契約者端末装置100から顧客が選択した色覚テストの結果を受信する。受信した色覚テスト結果が色覚対応用の保険約款文書データを要求する情報(=色覚に異常がある場合の保険約款文書データの要求情報)が含まれていれば、保険約款文書を色覚対応色に変更するために、CGI(=Common Gateway Interface)により、専用プログラムを呼び出す。専用プログラムは、保険約款文書データ392から文字の色情報(=RGB(Red、Green、Blueの略)情報)を抽出する(図6(3−1))。
【0027】
図7にて、保険約款文書データ392を説明する。図7の(a)は、保険約款文書データ392の形式を説明する図である。保険約款文書データ392は、ISO26300:2006やISO/IEC29500として標準化されたXML(eXtensible Markup Languageの略)記述の文書ファイルである。
保険約款文書データ392は、XML記述のテキストコンテンツ921とXML記述の割付情報922とを含んで構成される。
テキストコンテンツ921は、文字の色情報を記述するXMLタグや、文字列を記述するXMLタグを含む保険約款文書の文字列から成っている。ここで、テキストコンテンツの文字の色情報を記述するXMLタグは、「 〈w:color w:val="R値G値B値"/〉 」である。また、文字列を記述するXMLタグは、「 <w:t> 」と「 </w:t> 」である。割付情報922は、テキストコンテンツ921の文字列の割付を定義する情報である。
【0028】
図7の(b)は、XML記述のテキストコンテンツを説明する図である。例示されたテキストコンテンツの例として「 <w:rPr> <w:rFonts w:hint="eastAsia" /> <w:b /> <w:bCs /> <w:color w:val="FF0000" /> </w:rPr> <w:t>個人普通自動車特約条項</w:t> 」923を説明する。この例の意味は、文字列「 個人普通自動車特約条項 」に、文字の色情報394として、R値=「 FF 」、G値=「 00 」、B値=「 00 」が対応付けられているということである。
【0029】
図6のステップ(3−2)に戻って、説明を続ける。約款サーバー装置300の専用プログラムは、保険約款文書データ392から抽出した文字の色情報に対して、色覚に異常がある場合に識別し難い色を定めた条件(以下色覚対応条件393)を適用して、色覚に異常がある場合に識別し難い色情報394を抽出する。更に、抽出した色情報394を色覚異常でも読み易い色覚対応色の色396(たとえば、補色に色変換)に変換する(図6(3−2))。ここで、色覚対応条件393とは、色覚に異常がある場合に識別し難い色の条件を定義するものである。ここでは、色空間の色相H値を用いて定義するものである。色覚対応条件393としては、たとえば、「 0 ° ≦ H値 <25 ° 」や、「 95 °< H値 <145 ° 」や、「 331 °< H値 <359 ° 」などのようにH値の範囲を定めたものである。色覚対応条件のH値の範囲は、色覚に異常がある場合への対応の程度に合せて、適宜に設定してよい。
ここで、H値とは色相を円形に配置(=色相環)したときに、色相の位置を示す円の中心角度である。従って、H値は0°以上360°未満の範囲の値をとる。
【0030】
ステップ(3−2)の色変換処理では、ステップ(3−1)で抽出した色情報394のRGB値をHSV(Hue、Saturation、Valueの略)値に変換し、色覚対応条件に当てはまるH値に補色変換として「180 ° 」を加算し、このHSV値をRGB値に逆変換している。ここで、補色変換においてH値に加算する値は、180 °から±5°程度の範囲内で変更してもよい。
【0031】
また、色覚対応色に色変換する方法としては、色覚対応条件393のHの範囲に応じて、異なる値を加算する方法を用いてもよい。たとえば、色覚対応条件の中で「 95 °< H値 <145 ° 」の場合には、90 °(あるいは、120 °)を加算して、「 0 ° ≦ H値 <25 ° 」や、「 331 °< H値 <359 ° 」の場合には、180 °を加算し、このHSV値をRGB値に逆変換してもよい。
【0032】
約款サーバー装置300の専用プログラムは、保険契約文書データの変換前のRGB値に補色(=逆変換して得られたRGB値)の色情報(=色覚対応色396)を対応付けて設定して、色覚対応色に色変換した保険約款文書データ398を作成する(同(3−3))。
【0033】
ここで、図8と図9とを用いて、補色に色変換する処理の手順を説明する。図8は、RGB値をHSV値に変換する処理の計算方法を説明する図である。約款サーバー装置300は、色覚対応条件393に当てはまる色情報394を保険約款文書データ392から抽出して、色情報394のRGBの値を比較してR値が最大値のときは、ステップ(1)の計算式を用いてRGB値をHSV値に変換する。具体的には、変換式3951「H =60 × ( G値 と B値 の差の値 ) / (R値 − G値 と B値 の最小値 )」と、「S =( R値 − G値 とB値 の最小値 ) / R値 」と、「V = R値」とを用いて、RGB値をHSV値395に変換する(図8(1))。
色情報394のRGB値の値を比較してG値が最大値のときは、ステップ(2)の計算式を用いてRGB値をHSV値に変換する。具体的には、変換式3952「 H = 60 × ( R値と B値 の差の値 ) / (G値 − R値と B値 の最小値 )」と、「 S =( G値 − R値 とB値 の最小値 ) / G値 」と、「 V = R値」とを用いてRGB値をHSV値395に変換する(同(2))。
色情報394のRGBの値を比較して、B値が最大値のときは、RGB値をHSV値に変換せず、補色変換を行わない。
【0034】
図9は、HSV値をRGB値に逆変換する処理の計算方法を説明する図である。
約款サーバー装置300は、Hi算出式3971「 Hi = Floor ( H / 60 )」を用いて、HSV値395のH値から整数値「Hi」を算出する(図9(1))。
ここで、Floorとは、整数値を算出する関数である。更にf算出式3972「 f=H / 60 −Hi 」を用いて、「f」を算出する。
ステップ(1)で求めた「Hi」と「f」を利用して約款サーバー装置300は、「 Hi = 0 」のときは、Hiが0のときの変換式3990「R=V」と、「G=V(1−(1−f)S)」と、「B=V(1−S)」を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(図9(2)(A))。
【0035】
Hi=1のときは、Hiが1のときの変換式3991「R=V(1−fS)」と、「G=V」と、「B=V(1−S)」を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(図9(2)(B))。
Hi=2のときは 、Hiが2のときの変換式3992「R=V(1−S)」と、「G=V」」と、「B=V(1−(1−f)S)」を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(図9(2)(C))。
Hi=3のときは 、Hiが3のときの変換式3993「R=V(1−S)」と、「G=V(1−fS)」と、「B=V」と、を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(図9(2)(D))。
約款サーバー装置300は、Hi=4のときは、Hiが4のときの変換式3994「R=V(1−(1−f)S)」と、「G=V(1−S)」と、「B=V」と、を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(同(3)(E))。
Hi=5のときは、Hiが5のときの変換式3995「R=V」と、「G=V(1−S)」と、「B=V(1−fS)」と、を用いて、HSV値395をRGB値397に変換する(図9(2)(F))。
【0036】
図10は、約款サーバー装置300の詳細な構成図である。
約款サーバー装置300は、CPU301と、ネットワーク通信部302と、記憶部309と専用プログラムとを備えており、CPU301と、ネットワーク通信部302と、記憶部309とは、BUS399で接続されている。
【0037】
CPU301は、中央演算装置である。ネットワーク通信部302は、LANアダプターである。LANアダプターはLANコネクターに接続される。
【0038】
記憶部309は、半導体メモリーや磁気メモリーである。記憶部309は、色覚テスト格納領域091と、保険約款格納領域092と、OS380と、WWWサーバープログラム385と、専用プログラムとを記憶する。色覚テスト格納領域091は、色覚異常の有無を判定する色覚テスト用データ391を格納する。保険約款格納領域092は、ドキュメントの色情報を保持している保険約款文書データ392を格納する。その他、色覚対応条件393、色情報394、HSV値395、色覚対応色396を格納する。
色覚テスト用データ391は、保険約款文書データ392を所望する顧客が保険契約端末装置100から約款サーバー装置300にアクセスしてきたときに、顧客に保険約款文書データ392を色覚対応色に変更して契約者端末装置100に送信する必要があるかをチェックするためのテスト用データである。保険約款文書データ392は、複数種類用意されていてもよく、顧客がいずれかの保険約款文書データを選択したときに、色覚テスト用データが契約者端末100に送信される。色覚対応条件393は、色覚に異常がある場合に読み難い色の条件を定めたファイルである。色情報394は、保険約款文書データ392から色覚対応条件393に当てはまる色情報を抽出したものである。HSV値395は、色覚対応色に変換するために色情報394をHVS値に変換した値である。色覚対応色396は、HSV値395を色覚に異常がある場合でも読みやすい色に変換した値をRGB値に変換した値である。OS380は、約款サーバー装置300のハードウエアとソフトウエアを制御するオペレーティングシステムである。WWWサーバープログラム385は、Webブラウザと情報の送受信を行うプログラムである。
【0039】
このほかに、色覚テスト用データ送信手段310と、色変換手段320と、保険約款文書送信手段330を備える。これらの各手段は、それぞれの専用プログラムによって実現され、専用プログラムがCPU301に解釈・実行されることによって機能する。
【0040】
色覚テスト用データ送信手段310は、契約者端末装置100が送信するテスト要求を受け付けて、色覚テスト用データ391を返信する。
なお、契約者端末装置100のWebブラウザは、色覚テスト用データ391を受け取って、Webブラウザの機能を用いて色覚テスト用データを画面に表示する。
【0041】
色変換手段320は、契約者端末装置100で顧客が選択した色覚テストの結果を受け付けて、色覚テストの結果に色覚対応の保険約款文書データ392を要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データ392が有する色情報を、色覚対応条件393に当てはまる色情報394を色覚対応色396に変換する。
【0042】
前記色変換手段320は、RGB−HSV変換機能と、加算機能と、色覚対応色設定機能を含んで構成される。RGB−HSV変換機能は、色情報394を構成するRGBの値をHSVの値に変換する機能である。加算機能は、H値が色覚対応条件393を満たす場合には、H値に180°を加算する機能である。
色覚対応色設定機能は、加算機能で算出したHSV値395をRGBの値に変換して色覚対応色396として設定する。このとき、色覚対応色設定機能は、元の色情報394と色覚対応色396とを対応付けた対応表を設定しても良い。
【0043】
保険約款文書送信手段330は、色変換手段320が変換した色覚対応色396を読み取って、保険約款文書データの変換前のRGB値を色覚対応色396に変更して保険約款文書データ398を作成して、契約者端末装置100に送信する。
このとき、保険約款文書送信手段330は、色変換手段320が変換した色覚対応色396と元の色情報394の対応表を読み取って、保険約款文書データの変換前のRGB値を色覚対応色396に変更して保険約款文書データ398を作成してもよい。
【0044】
図11は、色変換のフローチャートである。
(1)色変換手段320は、保険約款文書データ392から色覚対応条件393に当てはまる色情報394を読み出し、色情報394を構成するRGBの値を読み出す。(ステップS100)
(2)色変換手段320は、RGBの値のいずれが最大値であるか否かを比較する。(ステップS110)
R値が最大値であれば、ステップ120に進む。G値が最大値であれば、ステップ120に進む。B値が最大値であれば、終了する。
(3)色変換手段320は、図8のステップ(1)または図8のステップ(2)の式を用いてRGB値をHSV値395に変換する。(ステップS120)
(4)H値が、色覚対応条件393である「 0 ° < H値 <30 ° 」あるいは、「 95 °< H値 < 145 ° 」「 335 ° < H値 <359 ° 」を満たすか否かを判定する。(ステップS130)
H値が色覚対応条件を満たせば、ステップS140に進む。
H値が色覚対応条件を満たさなければ、終了する。
(5)色変換手段320は、H値に、180°を加算する。(ステップS140)
(6)色変換手段320は、S値V値H値をRGB値397に逆変換して色覚対応色396を設定する。(ステップS150)
【0045】
図12は、色覚対応色396の算出例である。
色変換手段320は、「赤色」の色情報394を構成するRGBの値(255、0,0)をHSVの値に変換する。詳細には、色変換手段320は、RGBの各値を比較して、R値が最大値であると判定して、R値が最大値のときの変換式3951を用いて、「V = 255」、「S = 255 / 255=1」 、「H =60 × 0 / (255 − 0 ) = 0」を算出する(図12(1))。
色変換手段320は、変換したHSVの値(0,1,255)に対して、補色変換をする。「H =0」は、色覚条件「 0 °≦ H値 <25 °あるいは、 95 °< H値 <145 ° あるいは、 331 °< H値 <359 ° 」に該当するので、これに、180を加算して、「H = 180」を算出する(同(2))。
色変換手段320は、算出したH値「180」を用いて、Hi算出式3972を用いて、「 Hi = Floor ( 180 / 60 )=3 」を算出する(同(3))。
色変換手段320は、f算出式3971を用いて、「 f=H / 60 −Hi = 0 」を算出する(同(4))。
色変換手段320は、HSVの値395(0,1、255)をRGBの値に変換する。詳細には、色変換手段320は、「 Hi = 3 」のとき、Hiが3のときの変換式3993を用いて「R=V(1−S)=0」と、「G=V(1−fS)=255」と、「B=V=255」とを算出して、RGB値397(0、255,255)で構成される色覚対応色396を求める(同(5))。色覚対応色は、RGB値(0、255,255)のシアン色になる。
【0046】
図13は、契約者端末装置100の詳細な構成図である。
契約者端末装置100は、CPU101と、ネットワーク通信部102と、表示部103と、入力部104と、印刷機接続部105と、記憶部109と、専用プログラムとを備える。CPU101と、ネットワーク通信部102と、表示部103と、入力部104と、印刷機接続部105と、記憶部109とは、BUS199で接続される。
【0047】
CPU101は、中央演算装置である。ネットワーク通信部102は、LANアダプターである。LANアダプターはLANコネクター106に接続される。表示部103は、液晶表示装置やEL表示装置である。
入力部104は、マウスやキーボードである。表示部103に表示されたタッチスクリーンでも良い。
【0048】
印刷機接続部105は、USB(Universal Serial Bus)接続装置のような通信アダプターである。印刷機接続部105は、ローカルプリンター200と接続する。なお、印刷機接続部105にネットワークプリンター200(=共有プリンター)と接続する場合には、印刷機接続部105としては、LANアダプターを用いれば良い。
【0049】
記憶部109は、半導体メモリーや磁気メモリーであり、OS120と、Webブラザー130と、専用プログラムとを記憶する。このほかに、印刷手段150を備える。これらの各手段は、それぞれの専用プログラムによって実現され、専用プログラムがCPU301に解釈・実行されることによって機能する。
【0050】
OS120は、契約者端末装置100のハードウエアとソフトウエアを制御するオペレーティングシステムである。Webブラウザ130は、色覚テスト要求を約款サーバー装置300に送信して、返信された色覚テスト用データ391を受け取って、テスト画面110を表示する。
また、Webブラウザ130は、テスト回答の選択情報の入力を受け付けて、選択されたテスト回答に埋め込まれたURLを含むHTTPリクエストを色覚テスト結果として約款サーバー装置300に送信する。
【0051】
印刷手段150は、約款サーバー装置300が送信する保険約款文書データ392を受信して、印刷機接続部105に送信して、印刷機接続部105に接続されたカラープリンター200にて保険約款文書を印刷させる。
【実施例2】
【0052】
カラーの背景にカラー文字で印刷された保険約款文書について説明する。
図14は、カラー背景を有するカラー文字の保険約款文書の色を変更した約款文書の例を説明する図である。図14の(a)は、「薄緑」色の背景255に「赤」色の文字列256が割り付けられた保険約款文書250に対する、色覚異がある場合の見え方である。
色覚異常がある場合には、「薄緑」色の背景255が薄茶色の背景に見える。また、「赤」色の文字列256が茶色の文字列に見える。従って、薄茶色の背景に茶色の文字列が重なるので、約款はとても読み難い。
図14の(b)は、色覚テスト結果に基づいて色覚対応色に変更した保険約款文書250の例である。色覚対応色に変更された保険約款文書250は、図14の(a)で用いた保険約款文書の「薄緑」色と「赤」色を補色に変換して、「マゼンダ」色の背景257と、「青」色の文字列258に色変換した保険約款文書である。
色覚に異常がある場合には、色覚対応色に変更した保険約款文書250は、2つの色の識別が容易となり、「マゼンダ」色の背景257に「青」色の文字列258が映えて、読み易い保険約款文書となっている。
【符号の説明】
【0053】
1 色覚対応カラー文書印刷システム
100 契約者端末装置
110 色覚テスト画面
130 Webブラウザ
150 印刷手段
250 保険約款文書
300 約款サーバー装置
310 色覚テスト送信手段
320 色変換手段
330 保険約款文書送信手段
391 色覚テスト用Webページデータ
392 保険約款文書データ
394 色情報
395 HSV値
3951 R値が最大値のときの変換式
3952 G値が最大値のときの変換式
396 色覚対応色に色変換した色情報
397 色覚対応色に色変換したRGB値
3971 f算出式
3972 Hi算出式
398 色覚対応色に色変換した保険約款文書データ
921 テキストコンテンツ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用データを格納する色覚テストデータ格納領域と、
保険約款文書データを格納する保険約款格納領域と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト要求を受け付けて、色覚テスト用データを返信する色覚テスト送信手段と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト結果を受け付けて、テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚に異常がある場合に識別し難い色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換手段と、
色覚対応色情報に変更した保険約款文書データを契約者端末装置に送信する保険約款文書送信手段と、
を備えることを特徴とする約款サーバー装置。
【請求項2】
請求項1の約款サーバー装置において、
前記色変換手段は、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する機能と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色の条件を満たすH値を、補色の値に変換する機能と、
HSVの値を、RGBの値に変換する機能と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする約款サーバー装置。
【請求項3】
約款サーバー装置と、カラー印刷機を具備する契約者端末装置がネットワーク接続された色覚対応カラー文書印刷システムにおいて、
前記約款サーバー装置は、
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用Webページを格納する色覚テストデータ格納領域と、
保険約款文書データを格納する保険約款格納領域と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト要求を受け付けて、色覚テスト用データを返信する色覚テスト送信手段と、
契約者端末装置から送信される色覚テスト結果を受け付けて、色覚テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚に異常がある場合に識別できない色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換手段と、
色覚対応色情報に変更した保険約款文書データを契約者端末装置に送信する保険約款文書送信手段と、
を備えて、
前記契約者端末装置は、
色覚テスト要求を約款サーバー装置に送信して、返信された色覚テスト用データを表示して、テスト回答の選択情報の入力を受け付けて、選択されたテスト回答に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報を含む色覚テスト結果を作成して回答するWEBブラウザー、
約款サーバー装置が送信する印刷用保険約款文書データを受信して、カラー印刷機にて保険約款文書をカラー印刷する印刷手段と、
を備えることを特徴とする色覚対応カラー文書印刷システム。
【請求項4】
請求項3の色覚対応カラー文書印刷システムにおいて、
前記約款サーバー装置は、前記色変換手段が、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する機能と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色の条件を満たすH値を、補色の値に変換する機能と、
HSVの値を、RGBの値に変換して色覚対応色情報に変換する機能と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする色覚対応カラー文書印刷システム。
【請求項5】
色覚異常か否かを判定する色覚テスト用データを送信する色覚テスト送信ステップと、
送信した色覚テスト用データを表示させて、契約者が入力したテスト回答を受け付けて、色覚テスト結果を作成して返信する色覚テスト結果返信ステップと、
返信された色覚テスト結果に色覚対応の保険約款文書データを要求する情報が含まれていれば、保険約款文書データが有する色情報の中から色覚異常の場合に識別し難い色情報を取り出して、色覚対応色情報に色変換する色変換ステップと、
保険約款文書データの色覚に異常がある場合に識別し難い色情報を色覚対応色情報に変換して、色覚対応色情報を有する保険約款文書データを作成する保険約款文書作成ステップと、
色覚対応色情報を有する保険約款文書データを用いて、カラー印刷する印刷ステップと、
を含んだ手順でなされることを特徴とする色覚対応カラー文書印刷方法。
【請求項6】
請求項5に記載の色覚対応カラー文書印刷方法において、
前記色変換ステップが、
色情報を構成するRGBの値を、HSVの値に変換する工程と、
色覚に異常がある場合に識別し難い色を定義する色覚条件を満たすH値を、補色の値に変換する工程と、
HSVの値を、RGBの値に変換して色覚対応色情報として設定する工程と、
を含んで構成される、
ことを特徴とする色覚対応カラー文書印刷方法。
【請求項7】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項1または2に記載の約款サーバー装置として動作させるコンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータに組込むことによって、コンピュータを請求項3または4に記載の色覚対応カラー文書印刷システムとして動作させるコンピュータプログラム。
【請求項9】
請求項7または8に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate