説明

カラー印刷装置およびカラー印刷制御方法

【課題】カラー印刷装置におけるキャリブレーション処理と印刷処理を両立させること。
【解決手段】あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置において、印刷データを受信した際にキャリブレーションを実行した場合、あるいはキャリブレーションの実行中に印刷データを受信した場合、受信した印刷データの解析を実行する印刷データ解析手段と、印刷データ解析手段の結果に基づいて、キャリブレーション手段の実行と独立に、印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段と、キャリブレーションの実行後に、第1の画像データ生成手段によって処理されない印刷データを新たに生成された補正データを使用して処理し、第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像を含めてページ単位の印刷画像を生成する第3の画像データ生成手段と備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー印刷装置およびカラー印刷制御方法に関し、より詳細には、自己診断によるキャリブレーション機能を有するカラー印刷装置、及びカラー印刷制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー印刷を行う印刷装置には、印刷物の色再現を一定に制御する機能が組み込まれているのが一般的である。この処理は一般にキャリブレーション処理と呼ばれており、印刷に使用する3色または4色の印刷インクや印刷トナー毎の印刷用紙上に反映される階調特性を一定の特性に制御するように補正係数を作成し、プリント時にその補正係数を使用して出力することで、環境条件等に関わらず一定のあるいは所望する色再現を実現する技術である。
【0003】
続いて、いわゆる電子写真プロセスを応用する印刷装置、例えばレーザー・プリンタ(以下LBPと称する)においてキャリブレーション処理が必要な理由について説明する。電子写真は感光体上にレーザー光を照射して形成した静電潜像に帯電させたトナー(紛体インク)を付着させることで現像を行い、この像を用紙に転写して熱と圧力で定着させるという手順を基本とする印刷処理方式である。カラーLBPやカラー複写機では、3色(イエロー、マゼンタ、シアン。YMCと表記することが多い)または4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック。YMCKまたはYMCBkと表記することが多い。本発明ではYMCKと表現することとし、以下の説明中においてカラーLBPはYMCKの4色でカラー印刷をするものとする。ただし本発明は3色でカラー印刷を行うカラーLBPにおいても有効であることは自明である)のトナーで描いた画像を一旦中間転写体の表面に形成し、これを用紙に転写して定着させるという方式が用いられている。
【0004】
このような電子写真プロセスにおいて、階調特性が変動する要因としては環境温度と環境湿度が上げられる。環境温度と湿度の変動で、具体的には以下のような影響が、電子写真プロセスに現れる。
・感光体上に形成される静電潜像の状態が変わり、次の現像工程でもたらされる画像の濃度が変化する。
・トナーの帯電状態が変わり、次の現像工程でもたらされる画像の濃度が変化する。
・感光ドラムから中間転写体への転写率が変わり、中間転写体上に形成される画像の濃度が変化する。
・中間転写体から用紙への転写率が変わり、用紙上に形成される画像の濃度が変化する。
・定着温度が変わり、定着時のトナーの溶融度合いが変わるため、発色が変わる。
【0005】
以上のように、環境温度、湿度の変動によって、電子写真プロセスの複数の工程において濃度特性の変動が発生する。キャリブレーション処理とは環境温度、湿度が変動しても一定の色再現をもたらすための処理と位置付けることができる。
【0006】
続いて一般的なLBPのキャリブレーション処理についてさらに詳細に説明し、LPBが人手を必要とせずに自己診断によるキャリブレーションが可能であることを説明する。LBPには前述のように、用紙に転写すべきカラー画像を形成する中間転写体がある。LBPにおけるキャリブレーション処理は、次のように実行される。まず、この中間転写体上にパッチ・パターンと呼ばれる、予め濃度が定められた微小領域を複数個形成する。次に中間転写体上に形成された、個々のパッチ・パターンの実濃度を、中間転写体近傍に配置された濃度センサで読み取って、指定濃度と実濃度の関係である実特性をまず求める。次に、この実特性から、実現したい濃度特性を得るための濃度変換特性を導き出す。この導き出した濃度変換特性は、中間転写体にカラー画像を形成する際に使用される。すなわち、LBPは、中間転写体近傍に濃度センサを配置することにより、中間転写体を介して自己診断を行うことが可能な構成を備えており、その自己診断結果を使用して、印刷データを処理する際の補正データを自動生成している。ここで、中間転写体上に形成したパッチ・パターンは、中間転写体近傍に配置されている濃度センサが読み取った後に消去される。
【0007】
図3は、中間転写体上に形成するパッチ・パターンの一例を示し、201は1つの色についてのパッチ・パターン全体である。211、212、213、214は、それぞれ20%、40%、60%、80%濃度の矩形領域(パッチ)である。ここで言う濃度とは、例えばディザを使用した濃度表現において、トナーを載せるピクセルの数的に考えた濃度であって、言い換えれば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(B)それぞれについて、トナーの付着面積率が0%から100%までのそれぞれのパーセント表現の濃度を言う。なお、それぞれの(色の)濃度のパッチは、通常、キャリブレーション補正係数による処理回路を通さずに、生成される。補正係数を使用して生成した場合は、その補正係数は、最終的な補正係数算出を算出する際に組み入れられる。
【0008】
図3は、中間転写体上に形成したパッチ・パターンを読み取る様子を模式的に描いた図で、2010は中間転写体である。それぞれの色について、中間転写体2010上にはパッチ・パターン01が順番に形成され、濃度センサ2044が各濃度のパッチの濃度を読み取ってゆく。
【0009】
このようにしてパッチ・パターンを形成して、その濃度特性を読み取ると、例えば、ある色のパッチ・パターンは、言い換えれば、ある色の補正係数を使用せずに印刷した際の濃度特性は、図4(a)のような特性を示す。図4(a)において黒丸で示した4点が、それぞれ20%、40%、60%、80%のパッチをセンサで読み取った濃度であって、これらの4点から全体の特性を算出する。算出した特性曲線が、図4(a)に実線で示してある。一方図4(a)において破線で示してある線形特性が、補正によって実現しようとする特性(以下、理想特性と称する)であるとすると、図4(b)に実線曲線で示すような、補正特性を求めることができる。すなわち、それぞれの濃度を表す信号に対して、中間転写体上に出力された濃度レベルの濃度値が、図4(a)に破線で示した理想特性となるような濃度レベルを図4(a)の実線の濃度特性曲線から求め、これらを特性曲線化したものが図4(b)の濃度変換特性である。
【0010】
入力濃度信号を図4(b)の濃度変換特性に従って変換した上で利用することで、入力濃度レベルに対する出力濃度が、図4(c)に示すように、理想特性となる。また、ある色を表現しようとするとき、その色をYMCKで表現するための各々の濃度が決まったら、図4(b)の濃度変換特性に従って濃度を変換し、この濃度を使用することで、目的の色が表現できる。
【0011】
以上では20%、40%、60%、80%の4濃度のパッチ・パターン信号を利用する例を説明したが、濃度をより細かく刻んでもよい。ただし濃度を細かくとるほど処理すべき情報量の増加と、パッチ読み取り回数の増加によってキャリブレーション処理全体の所要時間が増加する。
【0012】
続いてキャリブレーションを行うべきタイミングについて説明する。上述したように、電子写真方式のカラー印刷装置において、環境温度、湿度が変動すると、それぞれの色の階調特性が変動する傾向がある。一方キャリブレーションは環境条件の変動に対して、安定した色再現性能をもたらすための機能なので、環境温度、湿度の変動が発生した場合には、パッチ・パターンの形成、読み取り、実濃度特性(図4(a)の実線特性)の算出、濃度変換特性(図4(b)の実線特性)の作成という、一連のキャリブレーション処理をやり直し、そのときの環境条件に合致した補正係数を作成する必要がある。したがって、印刷出力を実行する直前に行うことが望ましいが、このようにすると印刷結果を得るまでに時間を要するので、一般には、電源立ち上げ時や連続印刷によって機内温度が変動した場合に行われる。また、印刷処理枚数をカウントしておいて、一定量を印刷したらキャリブレーションを実行したり、電源立ち上げからの経過時間に応じて行われる場合もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上に説明したように、安定した色再現性を求める場合、キャリブレーション処理は必須の処理と言えるが、キャリブレーションに際しては、実際に中間転写体にパッチを形成して濃度センサで濃度を測定するという処理を行うため、その間LBPの本来の目的である印刷出力を行えず、しかも、その間に印刷データを受け付けてもキャリブレーション処理が完了するまで、言い換えれば、印刷データの処理に必要な新たな補正データが得られるまで、その補正データを使用した画像生成処理は待たされるという問題点があった。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、印刷装置として安定した色再現性を実現しつつ、キャリブレーション処理中であっても、あるいはキャリブレーション処理を実行した場合であっても、実際にユーザーからの要求された印刷処理に対して、印刷出力するまでの時間を少しでも低減し、印刷速度の低下を少なくするカラー印刷装置およびカラー印刷制御方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、カラー印刷装置であって、外部から送られた印刷データを受信する印刷データ受信手段と、印刷データ等を保持するデータ保持手段と、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するキャリブレーション手段と、前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行をあらかじめ定めた各種の条件に基づいて決定し、前記キャリブレーション手段を実行させる決定手段と、前記キャリブレーション手段の実行と独立に、印刷データの解析を実行する印刷データ解析手段と、前記印刷データ受信手段によって印刷データを受信した後に前記決定手段でキャリブレーションの実行を決定した際に、あるいは前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行処理中に前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データを前記データ保持手段に保持するようにし、保持した印刷データを前記印刷データ解析手段で解析させるように制御する制御手段と、前記印刷データ解析手段による解析結果に応じて、前記キャリブレーションの実行処理中に、前記データ保持手段に保持された印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のカラー印刷装置であって、前記印刷データ解析手段は、ページ毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断手段であり、前記第1の画像データ生成手段は、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成を実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納することを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のカラー印刷装置であって、印刷画像データを受けて、印刷用紙上に印刷出力を得る出力手段を備え、前記制御手段は、キャリブレーションの実行完了を検出した際に、前記データ保持手段に格納された印刷画像データをページ毎に前記出力手段に送り、印刷出力を得るように制御することを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のカラー印刷装置であって、前記印刷データ解析手段は、ページ内のバンド毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断手段であり、前記第2の画像データ生成手段は、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納することを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のカラー印刷装置であって、キャリブレーション後の補正データを使用して、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データ以外の印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納する第2の画像データ生成手段と、前記第1および第2の画像データ生成手段によるバンド毎の画像データをページ毎に結合するページ・マージ手段をさらに備え、前記制御手段は、キャリブレーションの実行完了を検出した後に、前記第1および第2の画像データ生成手段の実行の進行に応じて、前記ページ・マージ手段を制御し、前記ページ・マージ手段により結合された画像データが前記出力手段によって出力することを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、カラー印刷制御方法であって、外部から送られた印刷データを受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信した印刷データを記憶装置に格納する格納ステップと、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するキャリブレーション・ステップと、前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行をあらかじめ定めた各種の条件に基づいて決定し、前記キャリブレーション・ステップを実行させる決定ステップ手段と、前記キャリブレーション・ステップの実行と独立に、印刷データの解析を実行する解析ステップと、前記受信ステップによって印刷データを受信した後に前記決定ステップでキャリブレーションの実行させた際に、あるいは前記キャリブレーション・ステップの実行処理中に前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データを記憶装置に保持するようにし、保持した印刷データを前記解析ステップで解析させるように制御する制御ステップと、前記解析ステップによる解析結果に応じて、前記キャリブレーションの実行処理中に、記憶装置に保持された印刷データを処理して、記憶装置中に印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップとを備えたことを特徴とする。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のカラー印刷制御方法であって、前記解析ステップは、ページ毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断ステップであり、前記第1の画像データ生成ステップは、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成を実行し、生成された印刷画像を記憶装置に格納することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のカラー印刷制御方法であって、印刷画像データを受けて、印刷用紙上に印刷出力を得る出力ステップを備え、前記制御ステップは、キャリブレーションの実行完了を検出した際に、記憶装置に格納された印刷画像データをページ毎に前記出力ステップの入力として設定することを特徴とする。
【0023】
また、請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載のカラー印刷制御方法であって、前記解析ステップは、ページ内のバンド毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断ステップであり、前記第2の画像データ生成ステップは、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を記憶装置に格納することを特徴とする。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のカラー印刷制御方法であって、キャリブレーション後の補正データを使用して、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データ以外の印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納する第2の画像データ生成ステップと、前記第1および第2の画像データ生成ステップによるバンド毎の画像データをページ毎に結合するページ・マージ・ステップをさらに備え、前記制御ステップは、キャリブレーションの実行完了を検出した後に、前記第1および第2の画像データ生成ステップの進行に応じて、前記ページ・マージ・ステップの実行を制御し、前記ページ・マージ・ステップにより結合された画像データが前記出力手段によって出力することを特徴とする。
【0025】
また、請求項11に記載の発明は、カラー印刷装置であって、あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置において、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行する印刷データ解析手段と、前記印刷データ解析手段の結果に基づいて、前記キャリブレーション手段の実行と独立に、前記印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段と、前記キャリブレーションの実行後に、前記第1の画像データ生成手段によって処理されない印刷データを新たに生成された補正データを使用して処理し、該第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像を含めてページ単位の印刷画像を生成する第3の画像データ生成手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0026】
また、請求項12に記載の発明は、カラー印刷装置であって、あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置において、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行して印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか解析する印刷データ解析手段と、前記印刷データ解析手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データを、前記キャリブレーションの実行と独立に、処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段とを備え、前記キャリブレーション手段の実行完了後、前記第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像データが1ページあるいは複数ページある場合、この印刷画像データを印刷用紙上に出力することを特徴とするものである。
【0027】
また、請求項13に記載の発明は、カラー印刷制御方法であって、あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置におけるカラー印刷制御方法であって、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行する印刷データ解析ステップと、前記印刷データ解析ステップの結果に基づいて、前記キャリブレーション手段の実行と独立に、前記印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップと、前記キャリブレーションの実行後に、前記第1の画像データ生成ステップによって処理されない印刷データを新たに生成された補正データを使用して処理し、該第1の画像データ生成ステップによって処理された印刷画像を含めてページ単位の印刷画像を生成する第3の画像データ生成ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0028】
また、請求項14に記載の発明は、カラー印刷制御方法であって、あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置におけるカラー印刷制御方法であって、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行して印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか解析する印刷データ解析ステップと、前記印刷データ解析手ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データを、前記キャリブレーションの実行と独立に、処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップとを備え、前記キャリブレーションの実行完了後、前記第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像データが1ページあるいは複数ページある場合、この印刷画像データを印刷用紙上に出力することを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0030】
図1は、本発明を適用するのに好適な印刷装置、特にカラー・レーザー・ビーム・プリンタ(以下、単に「プリンタ」と記す)の構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示すように、プリンタ1030は、パーソナル・コンピュータ等、情報処理装置としてのホスト・コンピュータ1001と通信線1002を介して接続され、印刷システムを構成する。プリンタ1030において、プリンタ・コントローラ1031は、本プリンタ全体の動作制御やデータ処理を実行する制御ユニットである。すなわち、プリンタ・コントローラ1031は、この制御ユニット全体におけるデータ処理を制御するCPU1033の上記制御の処理手順を記述したプログラムを格納するプログラムROM1034、およびCPU1033による上記制御において、制御コードやデータの解釈、印刷に必要な演算、さらには印刷データ処理等のためのワーク・エリアとして用いられるRAM1035を有して上記動作制御やデータ処理を実行することができる。
【0032】
プログラムROM1034には、同図に示されるようにホスト・コンピュータ1001からの印刷データに基づいて、後述するような所定の画像処理を行い本プリンタで印刷する画像オブジェクトを生成する処理プログラムである画像情報生成プログラム1041、この画像情報生成プログラム1041の処理における所定のテーブル・データを更新するための、後述されるキャリブレーションを実行する処理プログラムである色補正プログラム1044、および片面印刷または両面印刷の制御およびユーザーの指定による給紙口、排紙口の設定を行う処理プログラムである給排紙口設定プログラム1042も格納されている。
【0033】
また、プリンタ・コントローラ1031は、上記構成においてホスト・コンピュータ1001から送られる印刷データに基づいた印刷処理を実行するが、この際、入出力バッファ1032は、ホスト・コンピュータ1001とプリンタ間のデータの入出力を制御するホストI/F部1048を介して入出力されるデータを一時的に格納するものとして機能する。さらに、ビット・マップ画像転送部1040は、画像処理生成プログラム1041によって生成された画像オブジェクトをビット・マップ画像に展開し、エンジンI/F部1046を介して印刷エンジン部1036へ転送する。プリンタ1030には、上記構成の他にユーザーが本プリンタに関する種々の操作を行うための操作パネル1037が配されている。またプリンタ・コントローラ1031には前記操作パネル1037との信号接続を行うためのパネルI/F部1047、また印刷データや本プリンタの様々な情報等の保存に利用される、フロッピー(登録商標)・ディスク等の外部メモリ1038とこの外部メモリ1038とのデータ接続を行うためのメモリI/F部1039を備える。前記各デバイスはシステム・バス1043によって接続されている。
【0034】
図2は、プリンタの、主に前記印刷エンジン部1036の機構を示す模式的断面図である。プリンタ1030は、図2に示すように、筐体2001の内部に、印刷エンジン1036を構成するための各要素が格納されている。また、上述したプリンタ・コントローラ1031、及び印刷エンジン1036における各要素によるそれぞれの印刷プロセス処理(例えば、給紙処理など)を制御するエンジン制御部1049を構成した制御ボードを収納する制御ボード収納部2003、も内部に設けられている。
【0035】
エンジン部1036を構成する機構として、レーザー光によって感光ドラム2005上に静電潜像を形成し、その静電潜像を顕像化し、その顕像を中間転写体2010に多重転写し、多重転写されたカラー画像を転写材(印刷用紙)2027へ更に転写する処理を行う光学処理機構、転写材2027に転写されたトナー像を定着させるための定着機構、印刷用紙2027の給紙機構、印刷用紙2027の搬送機構がそれぞれ設けられている。
【0036】
光学処理機構は、レーザー・スキャナ部2020を有し、そのレーザー・ドライバ2006は、プリンタ・コントローラ1031から供給されたビット・マップ・イメージ・データに応じて半導体レーザー(図示せず)をオン、オフ駆動し、これによって半導体レーザーから射出されたレーザー光は回転多面鏡2007に入射し主走査方向に振られる。そして、その主走査方向に振られたレーザー光は反射ミラー2008を介して感光ドラム2005に導かれ、感光ドラム2005上を主走査方向に露光走査する。感光ドラム2005は、ドラム・ユニット2004の一次帯電器2023によって予め帯電されており、上述のレーザー光による露光走査によって感光ドラム2005上には静電潜像が形成される。その潜像は現像ロータリ2011の各色現像器2012Y、2012M、2012Cまたは黒現像器2012Kから供給されるトナーによってトナー像に顕像化され、さらにこのトナー像は、トナー像とは逆特性の電圧が印加されることによって感光ドラム2005上から中間転写体2010上に転写される。
【0037】
カラー画像形成時には、中間転写体2010の1回転毎に、感光ドラム2005と関連して現像ロータリ2011が回転し、それぞれイエロー現像器2012Y、マゼンタ現像器2012M、シアン現像器2012C、次いで黒現像器2012Kの順で上述の現像工程がなされる。すなわち、中間転写体2010は、4回転し、その回転中にイエロー、マゼンタ、シアン、黒のそれぞれの可視像が順次形成される。なお、この場合、これらの可視像の形成毎に転写材が繰り返し搬送されてフル・カラー画像が印刷される。一方、モノクロ画像形成時は、黒現像器2012Kのみで現像工程がなされ、中間転写体2010が1回転して黒の可視像が形成され、モノクロ可視像が中間転写体2010上に形成される。
【0038】
中間転写体2010上に形成されたトナー像は、レジスト・シャッタ2028によってその搬送を待機させておいた転写材2027が搬送転写位置に搬送されることによって転写が行われる。すなわち、給紙処理機構により、中間転写体の回転に同期して給紙、搬送される転写材2027を転写ローラ2013によって中間転写体2010に圧接すると同時に、この転写ローラ2013にトナーと逆特性の電圧を印加することにより、中間転写体2010上のトナー像が転写材2027に転写される。
【0039】
以上の機構において、感光ドラム2005や各色の現像器、すなわちイエロー現像器2012Y、マゼンタ現像器2012M、シアン現像器2012C、黒現像器2012Kは着脱可能に設けられており、黒以外の現像器は、現像ロータリ2011内に設けられている。また、反射ミラー2008は半透過型ミラーであり、その裏面側にはビーム・ディテクタ2009が配置されている。ビーム・ディテクタ2009はレーザー光を検出し、その検出信号はプリンタ・コントローラ1031に与えられる。プリンタ・コントローラ1031は、このビーム・ディテクタ2009の検出信号に基づき主走査方向への露光タイミングを定める水平同期信号を生成し、その水平同期信号はエンジン制御部1049へ出力される。さらに、クリーナ2022は、感光ドラム2005上の残存トナーを取り除き、この取り除かれたトナーは、ドラム・ユニット2004内に廃トナーとして貯えられる。前露光ランプ2021は、感光ドラム2005を光除電するものである。
【0040】
転写材へトナー像を転写する際に、転写材を押圧する転写ローラ2013は、図中、上下方向に移動可能に設けられており、また、この移動を駆動する機構を設けられている。これにより、中間転写体2010に4色の各トナー像が形成される間、その形成された画像を乱さないように、図中、実線で示す下方に位置し、中間転写体2010とは離隔されている。中間転写体2010に各色のトナー像の形成が終わった後、転写材2027にカラー画像を転写するタイミングでは、転写ローラは上記駆動機構における不図示のカム部材により図中、破線で示す上方の位置に移動させられる。すなわち、転写材2027を介して中間転写体2010に所定の圧力で押し付けられる。このとき、上述したように転写ローラには、所定の電圧が印加され、これによって中間転写体2010上のトナー画像は転写材2027に転写される。
【0041】
また、以上の印刷動作において、本実施形態では、2種類の解像度の印刷を行うことが可能であり、解像度が600dpiの場合と1200dpiの2通り解像度で印刷を行うことができる。解像度が1200dpiの印刷の場合、感光ドラム2005に対するレーザー光の露光走査の速度は600dpiの場合と同じものとし1ライン当たりのドット数を倍にする。また、中間転写体の回転速度を600dpiの場合の1/2として副走査方向の600dpiの1/2にすることによって、副走査方向のドット密度を倍にする。
【0042】
以上のようにしてトナー像が転写された転写材2027は、定着機構まで搬送されトナー像の定着が行われる。この定着機構は、転写材2027に転写されたトナー像を熱圧によって定着させるための定着器2014を有し、定着器2014には、転写材2027に熱を加えるための定着ローラ2015と、転写材2027を定着ローラ2015に圧接させるための加圧ローラ2016とが設けられている。これらの各ローラは中空のローラであり、その内部にそれぞれヒータ2017、2018を有している。また、これらローラが回転駆動されることによって同時に転写材2027の搬送も行われる。それぞれのローラに内蔵されるヒータは、所定の定着温度が得られるようにエンジン制御部1049によって加熱駆動が制御される。本実施形態のプリンタは、普通紙、厚紙等、用紙の種類に応じて定着器2014の通過時間を変更する。例えば、厚紙の場合には、材質の違いから、普通紙にトナーを定着させるよりもトナー像の加熱時間を長くする必要があるため通過時間を長くする。また、これに代わってもしくはこれとともに、定着器の加熱温度を切り替えてもよい。
【0043】
印刷用紙(転写材)の給紙機構は、転写材2027を収容するカセット2024と手差し用トレイ2025とを有し、カセット2024の印刷用紙または手差しトレイ2025の印刷用紙を選択的に給紙するように構成されている。カセット2024は筐体2001内に装着され、このカセット2024には、その内部の仕切り板(図示せず)の設定位置に応じて印刷用紙のサイズを電気的に検知するサイズ検知機構が設けられている。カセット2024からは、ピックアップ・ローラ2026が回転駆動されることにより、最上の印刷用紙から1枚単位で給紙が行われ、印刷用紙は給紙ローラ2038まで搬送される。ピックアップ・ローラ2026は、給紙毎に駆動手段(図示せず)によって間欠的に回転駆動され、そのカム部によって1回転で1枚の印刷用紙の給紙が可能となる。
【0044】
給紙ローラ2038は、印刷用紙をその先端部がレジスト・シャッタ2028に対応する位置まで搬送し、レジスト・シャッタ2028は、給紙された印刷用紙の押圧及びその解除によって、その印刷用紙の給紙停止及びその解除を行う。このようなレジスト・シャッタ2028の動作は、レーザー光の主走査に同期するように制御される。
【0045】
以上のカセットからの給紙に対し、手差しトレイ2025はその一部が筐体2001の外部に突き出すように設けられ、ユーザーによって手差しトレイ2025に搭載された印刷用紙は、給紙ローラ2029でレジスト・シャッタ2028に向けて給紙される。
【0046】
次に、印刷用紙の搬送処理機構は、レジスト・シャッタ2028による押圧が解除された印刷用紙を中間転写体2010の位置へ搬送する搬送ローラ2039と、定着器2014から排出された印刷用紙を筐体2001上部に形成された排紙トレイFDまで導くための各フラッパ2036、2037と各搬送ローラ2040、2041、2042と、これらのローラを駆動するための駆動手段(図示せず)とを備えている。
【0047】
フラッパ2037は、その切り替え動作によって、筐体2001上部に形成された排紙トレイFD、または筐体2001側面に形成された排紙トレイFU、のいずれかに排紙先を切り替えることができる。
【0048】
また、フラッパ2036の切り替え動作によって、両面印刷を行うことができる。すなわち、2030は反転給紙ユニットであり、搬送ローラ2031、2032、2033、およびフラッパ2034を備える。両面印刷を行いフェース・ダウンで印刷する場合(排紙トレイFDにおいて印刷用紙の表面が図中下、裏面が図中上に来るような両面印刷)は、転写材2027にはまず裏面の印刷から行われる。この場合、カセット2024から給紙された場合(図中矢印▲1▼)、まず裏面が印字され(矢印▲2▼)、次いでフラッパ2036の搬送切替えおよび搬送ローラ2035、2031の搬送によって反転給紙ユニットへ導かれる(矢印▲3▼、▲4▼)。そして、不図示のセンサがこの搬送される転写材2027の後端を検知すると、搬送ローラ2031を逆回転させ、また、フラッパ2034を切り替えることにより、転写材2027を搬送ローラ2032の搬送路に搬送し、反転給紙ユニット2030内に給紙カセット2024と平行に転写材2027が納められる(矢印▲5▼、▲6▼、▲7▼)。このとき、転写材の印刷が行われた面(裏面)は、図中上を向いた状態となっている。その後、給紙が反転給紙ユニット2030から行われる旨を指定すると、搬送ローラ2033、給紙ローラ2038を経て(矢印▲8▼)、再度、中間転写体2010、定着器2014を通り表面が印字され(矢印▲9▼)、フラッパ2036、2037を切り替えることによって、排紙トレイFD(矢印○10)、あるいは、排紙トレイFUへ排紙されることになる。一方、両面印刷を行いフェース・アップで印刷する場合(排紙トレイFUに排紙する場合に用紙の表面が図中下、裏面が図中上に来るような両面印刷)は、一例として、まず反転給紙ユニット2030に排紙し、その後、表面を印刷して、さらに、反転給紙ユニット2030から給紙して裏面を印刷する。
【0049】
プリンタ1030の筐体2001には、操作パネル部1037を構成する操作パネル2002が取り付けられている。操作パネル2002には、指示入力操作のためのスイッチ群、情報表示のためのLED表示器やLCD表示器が設けられている。また、筐体2001内には、印刷データ等の記憶に利用される外部メモリ部1038を構成する外部メモリ・ユニット2043が取り付けられている。
【0050】
以上に示したプリンタ1030の構成に基づく印刷処理について以下に説明する。
【0051】
ホスト・コンピュータ1001において、ユーザーの指示によって印刷の実行が指示されると、ホスト・コンピュータ1001から通信線1002を介して印刷のための制御コードや印刷データが送られ、これらは、ホストI/F部1048を介して入出力バッファ1032に一時的に格納された後、所定のタイミングでRAM1035に格納される。
【0052】
CPU1033は、プログラムROM1034に格納されたプログラムである画像情報生成1041によって、画像データの処理を行ない、図形や文字、イメージ・データ等(画像オブジェクト)についての画像情報を生成する。
【0053】
この画像情報の生成では、ホスト・コンピュータ1001から送られたR、G、Bの輝度データをトナーの各色に対応したC、M、Y、Kの濃度データに変換し、また、最終的にビット・マップ・データを得るための2値化を行う必要があり、そのための輝度濃度変換、色修正、UCR、出力γ補正、2値化等の画像処理が行われる。本実施形態のキャリブレーションは、これらの画像処理のうち、出力γ補正に用いるテーブルに対して行うものである。なお、これらの画像処理で用いられるテーブルは、印刷時にはRAM1035に格納されて用いられる。
【0054】
1ページ全ての画像情報が生成し終わると、この情報はビット・マップ画像展開/転送部1040において実際に印刷するビット・マップ画像に展開された後、印刷エンジン部1036に送られる。印刷エンジン部1036では、このビット・マップ・データに基づいて、上述したように印刷動作が行われる。例えば、片面印刷の場合には、カセットより給紙がなされ、これに印刷が行われた後、排紙口FDより排紙される。また、両面印刷の場合で、フェース・ダウンで印字を行う場合には、裏面の画像が先にビット・マップ画像展開/転送部1040に展開され、展開された裏面のビット・マップ画像が印刷装置エンジン部1036に送られるとともに、カセットより給紙が行われてその印刷用紙に印刷が行われた後、反転給紙ユニット2030へ排紙される。続いて、表面の画像がビット・マップ画像展開/転送部1040に展開され、展開された表面のビット・マップ画像が印刷装置エンジン部1036に送られることにより、反転給紙ユニット2030より給紙された印刷用紙の表面に印刷が行われた後、排紙口FDへ排紙が行われる。
【0055】
次に、本実施形態のキャリブレーションを実行するプログラムである色補正プログラム1044の処理について説明する。
【0056】
本実施形態で示されるような、カラー・レーザー・プリンタの場合、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4色のトナーを用いてフル・カラー可視像を形成する。この場合、前述したように、このトナーや現像器、感光ドラム等の性能が、製造してからの経年変化や気温、使用頻度等、種々の要因で変化し、その結果として、印刷される画像の濃度、色合いといった印刷特性が変化することがある。そこで、この印刷特性を所定のものに維持する目的で、たとえば、電源立ち上げ後に実行され、その後、例えば一定時間経過毎に、あるいは所定の印刷枚数を出力する毎に、キャリブレーションを行うことがある。本実施形態の色補正プログラム1044は、まずキャリブレーションが必要であるか否かを、各種の情報を基に判断する。キャリブレーションの実行が必要であるとした場合には、中間転写体2010上に通常のフル・カラー印刷と同様な手順によって、C、M、Y、Kのそれぞれについて所定のパッチ画像を形成するよう本実施形態のプリンタ1030を制御し、パッチの濃度を色センサ2044(図2参照)を用いて検出する。色補正プログラム1044はさらにその検出濃度に基づき、画像情報生成プログラム1041で用いる、上述したC、M、Y、Kそれぞれのγ補正テーブルの内容を更新する処理を行う。
【0057】
なお、キャリブレーションの内容は上述のものに限られないことは勿論であり、キャリブレーションの対象となる処理を初めとして、公知のキャリブレーションのいずれを用いた構成であっても構わない。また、キャリブレーションによって得た補正データは、不揮発性の記憶装置あるいはメモリに書き込まれている場合、電源立ち上げ直後にキャリブレーションが必ずしも実行されるとは限らない。
【0058】
以上のように構成された本実施形態のカラー・レーザー・ビーム・プリンタにおける印刷処理を図5のフローチャートを用いて説明する。ここでは、ページ毎にプリント出力してから次ページのデータを受ける方式を例にした場合を示し、そしてキャリブレーションの実行処理に対して印刷データ受信の処理、印刷データの解析処理そして印刷画像の生成処理それぞれは独立に処理されて、それぞれの処理の統括制御を行う場合を示している。
【0059】
同図において、プリンタ1030に電源が投入されると、まずプリンタ各部の初期化を行い、ホスト・コンピュータ1001からの印刷データが送信されてくるのを待機する(ステップS500)。データの受信がないときは印刷処理以外の処理の実行、あるいはスリープ状態に入って電力の消費節減の処理を行う(ステップS501)。なお、一般的にホスト装置からの印刷データ等のデータ受信は、割り込み処理で独立に行われ、印刷処理等と並行して実行されるが、本実施形態の説明では、その説明を簡単にするために1つの流れとして示す。
【0060】
ホスト・コンピュータ1001から印刷データを受信するとステップS500からステップS502以降で、その印刷データに従って印刷処理を実行する。通常の印刷処理は、印刷データを処理して印刷画像を生成、すなわちビット・マップ展開を行い、生成された印刷画像を、印刷エンジン部を介して印刷用紙上に出力する。しかし、本実施形態では、印刷を実行する前に、その印刷データを受信した時点で本プリンタがキャリブレーションを実行すべき状態か否かの判断を行う(ステップS503)。具体的には、図に示す様に、その前に、先ず、ステップS502でキャリブレーションを実行中か否かを判断し、実行中でない場合に、ステップS503でキャリブレーションを実行すべき状態か否かの判断を行うことになる。
【0061】
このステップS503における判断およびそれに従って実行されるキャリブレーションに関する処理は、主に上述した色補正プログラム1044によって行う。ステップS503は、キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行をあらかじめ定めた各種の条件に基づいて決定するステップであり、キャリブレーション実行のタイミングか否かの判断基準としては、電源投入時からの印刷枚数や経過時間等、種々のものを用いることができる。判断の結果、キャリブレーションを実行するタイミングであると決定した場合、ステップS504に進み、そこでキャリブレーションの実行を開始させ、ステップS505に進む。ただし、ステップS503のまえのステップS502で、すでにキャリブレーションを実行中とした場合は、ステップS502からステップS505に進む。
【0062】
ステップS504で開始されたキャリブレーションに関する処理は、図5に示す制御フローの進行とは独立して実行される。
【0063】
ステップS505では、ページを構成する印刷データが、キャリブレーション終了まで印刷画像が生成できないカラーであるか、またはキャリブレーションの影響を受けない白黒であるか解析処理の実行を開始させる。なお、キャリブレーション処理と、解析処理は並行して独立に実行されるものとして説明する。次のステップS506で、解析処理の完了を受けて、ページを構成する印刷データが白黒と判断された場合、すなわちカラー成分はないと判断された場合は、ステップS507で、ページ番号に関わらず先行してそのページを構成する印刷データの印刷画像を生成し、保存を行う処理を開始させる。そしてキャリブレーションの終了(S508)を確認するまで、対象のページの印刷データに関して、印刷画像の生成/保存処理を実行させる。
【0064】
キャリブレーション処理が終了するとS509に進み、そこで印刷するページが、すでに生成済みであるのか否かを判断する。生成済み(YES)と判断された場合には、ステップS511で保存された印刷画像を読み出して印刷を行う。またそうでない場合(NO)はS510で、ステップS507で開始された処理を継続し、あるいは、ステップS507で開始された白黒以外のページについて、ステップS504で開始されたキャリブレーション処理後の新しい補正データを使用して対象ページの印刷画像の生成する。いずれにしても、印刷画像の生成が完了するとステップS511に進み、生成された印刷画像のページの印刷を行う。
【0065】
ステップS503で。キャリブレーションを実行しないと判断した場合は、ステップS510に進み、従来の方法で印刷データの処理を行い、ステップS511で印刷を行う。
【0066】
以上において、説明を簡単化するために、キャリブレーション実行前、そしてキャリブレーション実行中に受信した印刷データについての、キャリブレーション処理完了後の処理を、ステップS510で代表させて説明した。しかし、ステップS510の処理を区分すると、(イ)ステップS503から進んだ場合、(ロ)ステップS509から進み、ステップS507で開始した処理が完了していない場合、そして、(ハ)ステップS506からステップS508そしてステップS509と進んできた場合、のそれぞれの場合に区分できる。
【0067】
ここで、受信した印刷データが1ページの場合のステップS510の処理を説明する。
(イ)の場合、従来の方法による印刷データの処理を実行する。
(ロ)の場合、ステップS507で開始した処理を継続する。
(ハ)の場合、上述の(イ)の場合と同様にであるが、新しい補正データを使用することになる。
【0068】
次に、受信した印刷データが複数ページの場合を説明する。
(イ)の場合、従来の方法による印刷データの処理を実行する。
(ロ)の場合、ステップS507で開始した処理を、1ページ分完了するまで継続して完了させる。そして処理されない残りのページについて、従来の方法による印刷データの処理を実行する。ただし、この処理では新しい補正データを使用することになる。
(ハ)の場合、上述の(イ)の場合と同様であるが、受信した印刷データの全てを新しい補正データを使用して処理することになる。
【0069】
なお、複数ページを受信した場合は、ステップS506とステップS507において、白黒のみのページを抽出し、白黒のみのページを連続して処理することになる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、キャリブレーションを実行する場合においても、あるいは実行中においても、キャリブレーションの結果に影響されない白黒印刷の印刷データについての処理をキャリブレーション実行中に、キャリブレーション処理と並列して行うことで、印刷データを受信してから出力するまでのトータルの印刷時間を少なくすることが可能となる。
【0071】
次に、図6を用いて本発明の第二の実施形態について説明する。本実施形態は第一の実施形態におけるステップS504の白黒印刷データの判断を改良したものであり、同ページ内にカラー・データが含まれ、残りの部分は白黒データである場合においても印刷画像生成の処理を実行できるように工夫したものである。受信した印刷データのページを複数のバンドに区分し、各バンド毎に白黒印刷データがあるか否かの判断を持たせたことを特徴とする。説明の際に、前述した処理と同じものに関しては同符号を付し、説明を省略する。
【0072】
図6において、図5のステップS504に相当するステップS604では本発明の特徴であるページ内のバンド単位で、そのバンドを構成する印刷データがキャリブレーション終了まで印刷画像が生成できないカラーであるか、またはキャリブレーションの影響を受けない白黒であるかの判断を行う。白黒と判断されたバンドに対しては、先行してバンド印刷画像の生成/保存を行う(S606)。そしてキャリブレーションの終了(S608)まで前述のステップを繰り返し行う。キャリブレーションが終了するとステップS609に進み、ここで印刷するページの各バンド(ページを構成する全てのバンド)がステップS606で生成済みのものなのか否かを判断する。生成済み(YES)と判断された場合には保存されたバンド印刷画像を読み出し印刷を行う。またそうでない場合(NO)はステップS610で、残りのバンドに対して、キャリブレーション後の補正データを使用してバンド印刷画像を生成し、ページを構成する全てのバンドについての処理を完了させ、ステップS611に進み、ここで印刷を行う。
【0073】
また、第1の実施形態におけるステップS510について説明したようなことが、本実施形態におけるステップS611について言うことができる。すなわち、(イ)ステップS603から進んだ場合、(ロ)ステップS609から進み、ステップS607で開始した処理が完了していない場合、そして、(ハ)ステップS606からステップS608そしてステップS609と進んできた場合、それぞれの場合がある。
【0074】
ここで、受信した印刷データが1ページの場合のステップS610の処理を説明する。
(イ)の場合、従来の方法による印刷データの処理を実行する。
(ロ)の場合、ステップS607で開始した処理を継続し、完了させる。完了後に、残っているバンドがある場合、その残りのバンドの処理を新しい補正データを使用して完了させる。その後、印刷出力する際に、バンド毎に処理された印刷画像を、順次ページ毎にページ・マージをすることになる。
(ハ)の場合、上述の(イ)の場合と同様であるが、新しい補正データを使用することになる。
【0075】
次に、受信した印刷データが複数ページの場合を説明する。
(イ)の場合、従来の方法による印刷データの処理を実行する。
(ロ)の場合、ステップS607で開始した処理を、1バンド分完了するまで継続して完了させる。完了後に、残っているバンドがある場合、その残りのバンドの処理を新しい補正データを使用して完了させる。その後、印刷出力する際に、バンド毎に処理された印刷画像を、順次ページ毎にページ・マージをすることになる。
(ハ)の場合、上述の(イ)の場合と同様であるが、受信した印刷データの全てを新しい補正データを使用して処理することになる。
【0076】
白黒の印刷装置に比べて約4倍のバッファ・メモリ容量を必要とするカラー・プリンタでは、通常、ホスト・コンピュータとの間では、1ページ単位でデータ転送が実行され、1ページの印刷終了をまって、次のページの印刷データの転送が行われるようになっている。このようなデータ転送方式の場合でも、以上に説明した実施形態の方法は、トータルの印刷時間を少なくする効果を有するが、さらに印刷時間を少なくするには、バッファ・メモリの容量を大きくして、1ページ以上の印刷データと印刷画像データを保持するようにし、1ページ以上の印刷データを受信することを可能とすることがより効果的であることが理解されよう。
【0077】
この場合、キャリブレーションに要する時間内に並行して処理可能なページ数、あるいは処理結果として生成される印刷画像データの容量と、その受信データを保持する容量によって決定される容量を、バッファ・メモリが有することが望ましい。
【0078】
なお、複数ページを受信した場合は、ステップS606とステップS607において、白黒のみのバンドを抽出し、白黒のみのバンドを連続して処理することになる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本実施形態によれば、キャリブレーションを実行する場合においても、あるいは実行中においても、キャリブレーションの結果に影響されない白黒印刷データの処理を、ページ単位に、キャリブレーション実行中に、キャリブレーション処理と並列して行うことで、ユーザーによる印刷開始制御から印刷出力されるまでのトータルの印刷時間を、従来方法に較べ、少なくすることが可能となる。
【0080】
また、ページ内に白黒とカラーを含む場合においても、ページを構成するバンド単位に、白黒部分のバンドに対する印刷データの処理を、キャリブレーション実行中に、キャリブレーション処理と並列して行うことで、ユーザーによる印刷開始制御から印刷出力されるまでのトータルの印刷時間を、従来方法に較べ、少なくすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカラー印刷装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のカラー印刷装置の機械的構造を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるキャリブレーション用パッチの摸式図である。
【図4】本発明の一実施形態における色補正の概念図である。
【図5】本発明の一実施形態の印刷方式を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態の印刷方式を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1001  ホスト・コンピュータ
1002  通信線
1030  カラー・レーザー・ビーム・プリンタ
1031  プリンタ・コントローラ
1032  入出力バッファ
1033  CPU
1034  プログラムROM
1035  RAM
1036  エンジン部
1037  操作パネル部
1038  外部メモリ部
1039  メモリI/F
1040  ビット・マップ画像展開/転送部
1041  画像情報生成
1042  給排紙口設定
1043  システム・バス
1044  色調整実行/判断
1047  パネルI/F部
1048  ホストI/F部
2001  筐体
2002  操作パネル
2003  制御ボード収集部
2004  ドラム・ユニット
2005  感光ユニット(ドラム)
2006  レーザー・ドライバ
2007  回転多面鏡
2008  反射ミラー
2009  ビーム・ディテクタ
2010  中間転写体
2011  現像ロータリ
2012Y  イエロー現像器
2012M  マゼンタ現像器
2012C  シアン現像器
2013  転写ローラ
2014  定着器
2015  定着ローラ
2016  加圧ローラ
2017  ヒータ
2018  ヒータ
2020  レーザー・スキャナ部
2021  前露光ランプ
2022  クリーナ
2023  一次帯電器
2024  カセット
2025  給紙トレイ(手差しトレイ)
2026  ピックアップ・ローラ
2027  転写材(印刷用紙)
2028  レジスト・シャッタ
2029  給紙ローラ
2030  反転給紙ユニット
2031  搬送ローラ
2032  搬送ローラ
2033  搬送ローラ
2034  フラッパ
2035  搬送ローラ
2036  フラッパ
2037  フラッパ
2038  給紙ローラ
2039  搬送ローラ
2040  搬送ローラ
2041  搬送ローラ
2042  搬送ローラ
2043  外部メモリ・ユニット
2044  色センサ1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から送られた印刷データを受信する印刷データ受信手段と、
印刷データ等を保持するデータ保持手段と、
自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するキャリブレーション手段と、
前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行をあらかじめ定めた各種の条件に基づいて決定し、前記キャリブレーション手段を実行させる決定手段と、
前記キャリブレーション手段の実行と独立に、印刷データの解析を実行する印刷データ解析手段と、
前記印刷データ受信手段によって印刷データを受信した後に前記決定手段でキャリブレーションの実行を決定した際に、あるいは前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行処理中に前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データを前記データ保持手段に保持するようにし、保持した印刷データを前記印刷データ解析手段で解析させるように制御する制御手段と、
前記印刷データ解析手段による解析結果に応じて、前記キャリブレーションの実行処理中に、前記データ保持手段に保持された印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段と
を備えたことを特徴とするカラー印刷装置。
【請求項2】
前記印刷データ解析手段は、ページ毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断手段であり、前記第1の画像データ生成手段は、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成を実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納することを特徴とする請求項1に記載のカラー印刷装置。
【請求項3】
印刷画像データを受けて、印刷用紙上に印刷出力を得る出力手段を備え、前記制御手段は、キャリブレーションの実行完了を検出した際に、前記データ保持手段に格納された印刷画像データをページ毎に前記出力手段に送り、印刷出力を得るように制御することを特徴とする請求項2に記載のカラー印刷装置。
【請求項4】
前記印刷データ解析手段は、ページ内のバンド毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断手段であり、前記第2の画像データ生成手段は、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納することを特徴とする請求項2又は3に記載のカラー印刷装置。
【請求項5】
キャリブレーション後の補正データを使用して、前記色構成判断手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データ以外の印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納する第2の画像データ生成手段と、
前記第1および第2の画像データ生成手段によるバンド毎の画像データをページ毎に結合するページ・マージ手段をさらに備え、
前記制御手段は、キャリブレーションの実行完了を検出した後に、前記第1および第2の画像データ生成手段の実行の進行に応じて、前記ページ・マージ手段を制御し、
前記ページ・マージ手段により結合された画像データが前記出力手段によって出力する
ことを特徴とする請求項4に記載のカラー印刷装置。
【請求項6】
外部から送られた印刷データを受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した印刷データを記憶装置に格納する格納ステップと、
自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するキャリブレーション・ステップと、
前記キャリブレーション手段によるキャリブレーションの実行をあらかじめ定めた各種の条件に基づいて決定し、前記キャリブレーション・ステップを実行させる決定ステップ手段と、
前記キャリブレーション・ステップの実行と独立に、印刷データの解析を実行する解析ステップと、
前記受信ステップによって印刷データを受信した後に前記決定ステップでキャリブレーションの実行させた際に、あるいは前記キャリブレーション・ステップの実行処理中に前記印刷データを受信した際に、受信した印刷データを記憶装置に保持するようにし、保持した印刷データを前記解析ステップで解析させるように制御する制御ステップと、
前記解析ステップによる解析結果に応じて、前記キャリブレーションの実行処理中に、記憶装置に保持された印刷データを処理して、記憶装置中に印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップと
を備えたことを特徴とするカラー印刷制御方法。
【請求項7】
前記解析ステップは、ページ毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断ステップであり、前記第1の画像データ生成ステップは、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成を実行し、生成された印刷画像を記憶装置に格納することを特徴とする請求項6に記載のカラー印刷制御方法。
【請求項8】
印刷画像データを受けて、印刷用紙上に印刷出力を得る出力ステップを備え、前記制御ステップは、キャリブレーションの実行完了を検出した際に、記憶装置に格納された印刷画像データをページ毎に前記出力ステップの入力として設定することを特徴とする請求項7に記載のカラー印刷制御方法。
【請求項9】
前記解析ステップは、ページ内のバンド毎に印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか判断する色構成判断ステップであり、前記第2の画像データ生成ステップは、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データの印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を記憶装置に格納することを特徴とする請求項7又は8に記載のカラー印刷制御方法。
【請求項10】
キャリブレーション後の補正データを使用して、前記色構成判断ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データ以外の印刷画像生成をバンド毎に実行し、生成された印刷画像を前記データ保持手段に格納する第2の画像データ生成ステップと、
前記第1および第2の画像データ生成ステップによるバンド毎の画像データをページ毎に結合するページ・マージ・ステップをさらに備え、
前記制御ステップは、キャリブレーションの実行完了を検出した後に、前記第1および第2の画像データ生成ステップの進行に応じて、前記ページ・マージ・ステップの実行を制御し、
前記ページ・マージ・ステップにより結合された画像データが前記出力手段によって出力する
ことを特徴とする請求項9に記載のカラー印刷制御方法。
【請求項11】
あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置において、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行する印刷データ解析手段と、
前記印刷データ解析手段の結果に基づいて、前記キャリブレーション手段の実行と独立に、前記印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段と、
前記キャリブレーションの実行後に、前記第1の画像データ生成手段によって処理されない印刷データを新たに生成された補正データを使用して処理し、該第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像を含めてページ単位の印刷画像を生成する第3の画像データ生成手段と、
を備えたことを特徴とするカラー印刷装置。
【請求項12】
あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置において、前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行して印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか解析する印刷データ解析手段と、
前記印刷データ解析手段の結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データを、前記キャリブレーションの実行と独立に、処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成手段とを備え、
前記キャリブレーション手段の実行完了後、前記第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像データが1ページあるいは複数ページある場合、この印刷画像データを印刷用紙上に出力する
ことを特徴とするカラー印刷装置。
【請求項13】
あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置におけるカラー印刷制御方法であって、
前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行する印刷データ解析ステップと、
前記印刷データ解析ステップの結果に基づいて、前記キャリブレーション手段の実行と独立に、前記印刷データを処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップと、
前記キャリブレーションの実行後に、前記第1の画像データ生成ステップによって処理されない印刷データを新たに生成された補正データを使用して処理し、該第1の画像データ生成ステップによって処理された印刷画像を含めてページ単位の印刷画像を生成する第3の画像データ生成ステップと、
を備えたことを特徴とするカラー印刷制御方法。
【請求項14】
あらかじめ定めた各種の条件に基づいて、自己診断によるキャリブレーションのフィードバック制御を実行するカラー印刷装置におけるカラー印刷制御方法であって、
前記キャリブレーションの実行中に、受信した印刷データの解析を実行して印刷データが白黒/カラーのいずれで構成されているか解析する印刷データ解析ステップと、
前記印刷データ解析手ステップの結果に基づき色補正に影響されない白黒の印刷データを、前記キャリブレーションの実行と独立に、処理して印刷画像を生成する第1の画像データ生成ステップとを備え、
前記キャリブレーションの実行完了後、前記第1の画像データ生成手段によって処理された印刷画像データが1ページあるいは複数ページある場合、この印刷画像データを印刷用紙上に出力する
ことを特徴とするカラー印刷制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2004−54143(P2004−54143A)
【公開日】平成16年2月19日(2004.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−214518(P2002−214518)
【出願日】平成14年7月23日(2002.7.23)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】