説明

カリウムイオンチャネル調節剤およびその使用

式(I)の化合物ならびにその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ:
【化1】
(式中、ArおよびArは、アリールまたはヘテロアリールであり、aは0〜5であり、Rは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノまたはシアノであり、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、bは0〜5であり、Rは、アルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルコキシカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ニトロ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノまたはシアノであり、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、Xは、水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルコキシアルキル、アリールオキシアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ポリアルキレングリコール、アミノアルキル、モノアルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル、カルボキシアルキル、アルコキシカルボニルアルキル、ハロアルコキシカルボニルアルキルまたはアラルキルオキシカルボニルアルキルであり、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、R3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素、アルキル、シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜2であり、かつpは0〜2である)は、カリウムイオンチャネル調節剤であり、疼痛、下部尿路疾患などの病気の治療および予防に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンチャネル調節剤、より詳細には、KCNQ2(Kv7.2)、KCNQ3(Kv7.3)およびKCNQ2/3電位依存性カリウムチャネルを調節する(好ましくは、開く)複素環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
電位依存性カリウム(Kv)チャネルは、その膜電位の変化に応答してカリウムイオン(K)を細胞膜に透過させ、それにより、細胞の電気的活動を調節する(増加または減少させる)ことによって細胞の興奮性を調節することができる。
【0003】
機能的なKvチャネルは、4つのαサブユニットおよび4つのβサブユニットの会合によって形成された多量体構造として存在する。αサブユニットは、6つの膜貫通領域、孔形成ループおよび電位センサーを含み、中心孔の周りに対称的に配置されている。βすなわち補助サブユニットは、αサブユニットと相互作用し、チャネルの電気生理学的または生物物理学的特性、発現レベルまたは発現パターンにおける変化(これらに限定されない)などのチャネル複合体の特性を変更することができる。
【0004】
機能的なKvチャネルは、同一または異なるKvαおよびおよび/またはKvβサブユニットのいずれか一方の会合によって形成される多量体構造として存在することができる。
【0005】
9つのKvチャネルαサブユニットファミリーが同定されており、Kv1〜Kv9と呼ばれている。従って、サブファミリーの多様性、サブファミリー内のホモメリックおよびヘテロメリックなサブユニットの両方からの形成、およびβサブユニットとの会合によるさらなる効果のために、Kvチャネルの機能には非常に多くの多様性がある(M. J. Christie, Clinical and Experimental
Pharmacology and Physiology, 1995, 22 (12), 944-951)。
【0006】
Kv7チャネルファミリーは、以下の哺乳類のチャネル:Kv7.1、Kv7.2、Kv7.3、Kv7.4、Kv7.5、および任意の哺乳類または非哺乳類のその均等体または変異体(スプライス変異体など)のうちの1つまたは複数を含む少なくとも5つのメンバーからなる。また、このファミリーのメンバーはそれぞれ、KCNQ1、KCNQ2、KCNQ3、KCNQ4およびKCNQ5と呼ばれている(Dalby-Brown. W et
al., Current Topics in Medicinal
Chemistry, 2006, 6, 999-1023)。
【0007】
このファミリーの5つのメンバーは、それらの発現パターンが異なる。Kv7.1の発現は、心筋、末梢上皮筋および平滑筋に限定されているが、Kv7.2〜Kv7.4の発現は、海馬、皮質神経細胞および後根神経節神経細胞などの神経系に限定されている(概説は、Delmas.P & Brown.D, Nature, 2005, 6, 850-862を参照)。
【0008】
神経細胞のKv7チャネルは、神経細胞の興奮を制御する際に重要な役割を担っていることが実証されている。Kv7チャネル、特にKv7.2/Kv7.3ヘテロダイマーは、複数の神経細胞型に認められるM電流、すなわち不活性化カリウム電流の基礎をなす。この電流は、複数の興奮性の刺激に応答して膜電位の安定化を生じさせる特徴的な時間および電位依存性を有する。このように、M電流は、神経細胞の興奮性の制御で中心的な役割を果たしている(概説は、Delmas.P & Brown.D, Nature, 2005, 6, 850-862を参照)。
【0009】
また、Kv7チャネルは、5つのうちの4つのメンバーの遺伝子における突然変異が複数のヒトの疾患を引き起こすため、臨床的に価値のある標的でもある。例えば、KCNQ2またはKCNQ3の遺伝子における突然変異によって、良性の家族性新生児痙攣(BNFC)と呼ばれる若年性てんかんが引き起こされる(Jentsch,
T.J., Nature Reviews Neuroscience, 2000, 1 (1), 21-30)。
【0010】
従って、神経系におけるKv7チャネルの重要な生理学的役割および複数の疾患におけるこららのチャネルの関与を鑑みると、Kv7チャネルの調節剤の開発は非常に望ましい。
【0011】
KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3調節剤は、「下部尿路疾患」を含む複数の病気の症状すなわち病状の治療、予防、阻害、寛解または軽減において潜在的有用性を有する。下部尿路疾患は、有痛性(患者が、痛みを生じるまたは痛みをもたらすと主観的に表現する感覚または症状を伴う任意の下部尿路疾患)および無痛性下部尿路疾患(軽度または全身の不快感を含む、痛みを生じないまたは痛みをもたらさないと主観的に表現される感覚または症状を伴う任意の下部尿路疾患)の両方を包含する。「下部尿路疾患」は、失禁、頻尿、尿意切迫感および夜間頻尿を伴うおよび/または伴わない過活動膀胱を特徴とする任意の下部尿路疾患も含む。従って、下部尿路疾患としては、過活動膀胱もしくは過活動性膀胱(例えば、過活動排尿筋、排尿筋不安定、排尿筋過反射、感覚性尿意切迫感(sensory
urgency)および排尿筋過活動症状)、切迫性尿失禁もしくは急迫性尿失禁、腹圧性尿失禁もしくは緊張性尿失禁、尿路閉塞(obstructive urinary)症状を含む下部尿路症状、例えば、排尿遅延、排尿後尿滴下、排尿困難および/または許容可能な速度での排尿のために力まなければならない状態、または頻繁および/または緊急などの煩わしい症状が挙げられる。また、下部尿路疾患としては、発作、パーキンソン病、糖尿病、多発性硬化症、末梢神経障害または脊髄損傷(これらに限定されない)などの疾患による神経障害によって生じる神経因性膀胱も挙げられる。また、下部尿路疾患としては、前立腺炎、間質性膀胱炎、良性の前立腺肥大および、脊髄を損傷した患者における痙性膀胱も挙げられる。
【0012】
「不安症および不安関連疾患」としては、不安症、全般性不安障害、パニック不安、強迫神経症、社会恐怖症、パフォーマンス不安(performance anxiety)、心的外傷後ストレス障害、急性ストレス反応、適応障害、心気障害、分離不安障害、広場恐怖症および特定恐怖症が挙げられるが、これらに限定されない。具体的な不安関連恐怖症としては、動物、昆虫、嵐、運転、飛行、高所もしくは橋横断、閉所もしくは狭い空間、水、血もしくは怪我への恐怖、ならびに予防接種もしくは他の侵襲的医療処置または歯科的処置への極度の恐怖が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
「てんかん」としては、単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化発作、全般性発作(例えば、欠神発作、ミオクローヌス発作、間代発作、強直発作、強直間代発作および無緊張発作)のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
「疼痛性障害」とは、筋骨格系疼痛、術後疼痛および手術疼痛(surgical
pain)などの急性疼痛、慢性の炎症性疼痛(例えば、関節リウマチおよび変形性関節症)、神経障害性疼痛(例えば、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛および交感神経依存性疼痛)および癌に関連する疼痛および線維筋痛症などの慢性疼痛、片頭痛に関連する疼痛、疼痛(慢性および急性の両方)、および/または、発熱および/またはリウマチ熱などの病気の炎症、インフルエンザもしくは他のウイルス感染(例えば、風邪)に関連する症状、腰痛および頸部痛、頭痛、歯痛、捻挫および筋挫傷、筋炎、神経痛、滑膜炎、関節リウマチなどの関節炎、変形性関節症などの変形性関節疾患、痛風および強直性脊椎炎、腱炎、滑液包炎、皮膚関連疾患(例えば、乾癬、湿疹、火傷および皮膚炎)、外傷(例えば、スポーツでの外傷および手術および歯科的処置によって生じる外傷)のうちの1つまたは複数が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「婦人科痛」、例えば、月経困難症、陣痛および子宮内膜症に関連する疼痛。
【0016】
「心不整脈」としては、心房細動、心房粗動、心房性不整脈および上室性頻拍症が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
脳卒中などの「血栓塞栓イベント」。
【0018】
狭心症、高血圧症および鬱血性心不全などの「心血管疾患」。
【0019】
耳鳴りなどの「聴覚系の障害」。
【0020】
「片頭痛」
【0021】
炎症性腸疾患、関節リウマチ、移植拒絶反応、喘息、慢性の閉塞性肺疾患、多発性硬化症、嚢胞性線維症およびアテローム性動脈硬化症などの「炎症性および免疫疾患」(すなわち免疫抑制疾患)。
【0022】
逆流性食道炎、機能性消化不良、機能障害(便秘および下痢など)、および過敏性腸症候群などの「消化器疾患」。
【0023】
喘息、肺高血圧症、慢性の閉塞性肺疾患、成人呼吸窮迫症候群、末梢血管疾患(間欠性跛行など)、静脈不全、インポテンス、脳動脈および冠動脈攣縮ならびにレイノー病などの「血管および内臓平滑筋障害」。
【0024】
再狭窄および癌(白血病など)などの「細胞増殖性疾患」;軽度および高度悪性腫瘍の治療または予防を含む、神経膠腫の治療または予防。
【0025】
糖尿病(糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症および糖尿病性神経障害を含む)、インスリン抵抗性/非感受性および肥満症などの「代謝異常」。
【0026】
アルツハイマー病および認知症などの「記憶障害」。
【0027】
パーキンソン病および運動失調などの他の「CNS媒介性運動機能障害」。
【0028】
高眼圧症などの「眼疾患」。
【0029】
レチガビンは、その作用機序によって神経細胞におけるカリウムチャネル開口活性を引き起こす(最初に欧州特許第0554543号に記載された)抗てんかん薬である。レチガビンは、KCNQ2/3チャネルの特異的活性化によってカリウム電流を増加させる(Wickenden,
A.D., Molecular Pharmacology, 2000, 58, 591-600)。しかし、レチガビンは、神経細胞において複数の作用を有することが報告されている。その作用としては、ナトリウムおよびカルシウムチャネル阻害活性(Rundfeldt,
C, 1995, Naunyn-Schmiederberg’s Arch Pharmacol, 351 (Suppl): R160)、ならびにラットの神経細胞におけるGABA(γ−アミノ酪酸)合成および伝達に対する作用(Kapetanovic,
I.M., 1995, Epilepsy Research, 22, 167-173, Rundfeldt, C, 1995,
Naunyn-Schmiederberg’s Arch Pharmacol, 351 (Suppl):R160)が挙げられる。
【0030】
従って、望ましくない副作用を克服するために、より選択的なKv7チャネル調節剤が必要である。
【0031】
国際公開第WO04035037号には、KCNQ2、KCNQ3およびKCNQ2/3チャネルの調節剤としてのN−フェニルアントラニル酸誘導体の使用が開示されている。これらの誘導体は、N−フェニルアントラニル酸部分のフェニル基のうちの1つに様々なリンカーを介して連結されているヒドロキシアルキルまたはポリアルキレングリコール部分を含む置換基を有する。そこに開示されている化合物は全て、前記アリールまたはヘテロアリール基を、他のアリールまたはヘテロアリール基に連結する基に対してオルト位になるように、アリールまたはヘテロアリール基のうちの1つに(CR3a3bCON(R3b)Xまたは(CR3a3bN(R3b)CO(X)置換基が必要である。
【0032】
下部尿路疾患、炎症性および免疫疾患ならびに疼痛兆候を含む複数の病状の予防または治療のためのより選択的なKv7チャネル調節剤を同定することが望ましいであろう。細胞株において組み換えにより発現されるKCNQ2、KCNQ3およびKCNQ2/3チャネルに対するカリウムイオンチャネルパッチクランプアッセイを用いて、KCNQ2、KCNQ3および/またはKCNQ2/3チャネルを通るカリウムイオンフラックスの優れた選択的な調節剤であるN−フェニルアントラニル酸化合物の新しいファミリーが発見された。
【発明の概要】
【0033】
本発明の第一の態様では、式(I)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグが提供され:
【化1】

式中、
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれがアリール基またはヘテロアリール基であり、
aは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、
Xは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロアルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ポリアルキレングリコール残基、アミノアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されている)、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、ハロアルコキシカルボニルアルキル基およびアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であり、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、
3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択され、
n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜2の整数であり、かつ
pは0〜2の整数であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない。
【0034】
本発明の好ましい化合物としては以下のものが挙げられる:
(2)ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、5〜14個の炭素原子を有するアリール基あるいは1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(3)ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが6〜10個の炭素原子を有するアリール基あるいは1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(4)ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、フェニル、ピリジル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択されるが、
但し:
(i)Arがフェニル基である場合、Arはピリジル基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(5)ArおよびArはそれぞれフェニルであるが、
但し:
(i)−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(ii)−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(6)aは0〜3の整数である、(1)〜(5)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(7)aは0または1である、(1)〜(5)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(8)Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、(1)〜(7)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(9)Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、(1)〜(7)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(10)bは0〜4の整数である、(1)〜(9)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(11)bは0〜3の整数である、(1)〜(9)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(12)Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、(1)〜(11)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(13)Rは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、(1)〜(11)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(14)Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜3個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびシアノ基からなる群から選択される、(1)〜(11)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(15)Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、式中、R4aおよびR4bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、(1)〜(14)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(16)Wは、NR4a、OおよびSからなる群から選択され、式中、R4aは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、(1)〜(14)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(17)Wは、式NR4aの基であり、式中、R4aは、水素原子、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル基からなる群から選択される、(1)〜(14)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(18)YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、(1)〜(17)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(19)YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=OおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、(1)〜(17)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(20)YおよびZはそれぞれ、式(CR5a5bn1の基であり、式中、各n1は0である、(1)〜(17)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(21)Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0〜2の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのハロアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むハロアルコキシアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜4の整数であり、c3は1〜20の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは、同一であっても互いに異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むモノアルキルアミノアルキル基、窒素原子上で2つのアルキル基(アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜14員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、2〜7個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むハロアルコキシカルボニルアルキル基、および5〜14個の炭素原子を有するアリール基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む少なくとも1つのアラルキルオキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基である、(1)〜(20)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(22)Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが水素原子および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜3の整数であり、c3は1〜10の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜4個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている)を含むモノアルキルアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有する2つのアルキル基で置換されており、2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜8員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、および2〜5個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基である、(1)〜(20)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(23)Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bはそれぞれ水素原子であり、かつXは、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、モルホリン−4−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、ピリジン−2−イルおよび4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル基から選択される基で置換されている1または2個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択される、(1)〜(20)のいずれか1つに係る化合物およびその薬理学的に許容される塩およびプロドラッグ;
(24)ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、5〜14個の炭素原子を有するアリール基あるいは1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基であり、
aは0〜3の整数であり、
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜4の整数であり、
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOまたはC(R4a4bからなる群から選択され、式中、R4aおよびR4bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0〜2の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのハロアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むハロアルコキシアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜4の整数であり、c3は1〜20の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは、同一であっても互いに異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むモノアルキルアミノアルキル基、窒素原子上で2つのアルキル基(アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜14員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、2〜7個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むハロアルコキシカルボニルアルキル基、および5〜14個の炭素原子を有するアリール基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む少なくとも1つのアラルキルオキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ;
(25)ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、6〜10個の炭素原子を有するアリール基あるいは1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基であり、
aは0または1であり、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜3の整数であり、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Wは、NR4a、OまたはSからなる群から選択され、式中、R4aは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=OおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが水素原子および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜3の整数であり、c3は1〜10の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜4個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている)を含むモノアルキルアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有する2つのアルキル基で置換されており、2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜8員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、および2〜5個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、かつ
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ;
(26)ArおよびArはそれぞれフェニルであり、
aは0または1であり;
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜3であり、
は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびシアノ基からなる群から選択され、
Wは、式NR4aの基であり、式中、R4aは、水素原子、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル基からなる群から選択され、
YおよびZはそれぞれ、式(CR5a5bn1の基であり、式中、各n1は0であり、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bはそれぞれ水素原子であり、かつXは、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、モルホリン−4−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、ピリジン−2−イルおよび4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル基から選択される基で置換されている1または2個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択されるが、
但し:
(i)ArおよびArががどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、(1)に係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ;および
(27)以下からなる群から選択される(1)に係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ:
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−[3−(2,4,6−トリクロロフェニルアミノ)フェニル]アセトアミド、
{2−[5−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−2−フルオロフェニル]−アセチルアミノ}酢酸、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド、
{2−[4−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−フェニル]−アセチルアミノ}酢酸、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−[4−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]アセトアミド、
3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシ−エチル)ベンズアミド、
2−[2−フルオロ−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)アセトアミド、
2−[2−フルオロ−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミド、
5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−1−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)エタノン、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)プロピオンアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−エチル]アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ピリジン−2−イル−エチル)アセトアミド、および
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−ピリジン−2−イルメチルアセトアミド。
【0035】
本発明の第2の態様では、薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、その有効成分としての(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物が提供される。
【0036】
本発明の第3の態様では、薬剤として使用される、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
【0037】
本発明の第4の態様では、KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルが関与する疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0038】
本発明の第5の態様では、KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルの開口によって寛解される病気または疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0039】
本発明の第6の態様では、下部尿路疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、以下に定義する式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される:
【化2】

(式中、
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれがアリール基またはヘテロアリール基であり、
aは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、
Xは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロアルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ポリアルキレングリコール残基、アミノアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されている)、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、ハロアルコキシカルボニルアルキル基およびアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であり、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、
3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択され、
n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜2の整数であり、かつ
pは0〜2の整数である。
【0040】
本発明の第7の態様では、不安症および不安関連疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0041】
本発明の第8の態様では、てんかんの予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0042】
本発明の第9の態様では、疼痛性障害の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0043】
本発明の第10の態様では、婦人科痛の予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0044】
本発明の第11の態様では、心不整脈の予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0045】
本発明の第12の態様では、血栓塞栓イベントの予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0046】
本発明の第13の態様では、心血管疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0047】
本発明の第14の態様では、聴覚系の障害の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0048】
本発明の第15の態様では、片頭痛の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0049】
本発明の第16の態様では、炎症性および免疫疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0050】
本発明の第17の態様では、消化器疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0051】
本発明の第18の態様では、血管および内臓平滑筋障害の予防または治療のための薬剤の調製における、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0052】
本発明の第19の態様では、細胞増殖性疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0053】
本発明の第20の態様では、代謝異常の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0054】
本発明の第21の態様では、記憶障害の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0055】
本発明の第22の態様では、CNS媒介性運動機能障害の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0056】
本発明の第23の態様では、眼疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用が提供される。
【0057】
本発明の第24の態様では、KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3が関与する疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0058】
本発明の第25の態様では、KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルの開口によって寛解される病気または疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0059】
本発明の第26の態様では、下部尿路疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0060】
本発明の第27の態様では、不安症および不安関連疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0061】
本発明の第28の態様では、てんかんの予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0062】
本発明の第29の態様では、疼痛性障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0063】
本発明の第30の態様では、婦人科痛の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0064】
本発明の第31の態様では、心不整脈の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0065】
本発明の第32の態様では、血栓塞栓イベントの予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0066】
本発明の第33の態様では、心血管疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0067】
本発明の第34の態様では、聴覚系の障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0068】
本発明の第35の態様では、片頭痛の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0069】
本発明の第36の態様では、炎症性および免疫疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0070】
本発明の第37の態様では、消化器疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0071】
本発明の第38の態様では、血管および内臓平滑筋障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0072】
本発明の第39の態様では、細胞増殖性疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0073】
本発明の第40の態様では、代謝異常の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0074】
本発明の第41の態様では、記憶障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0075】
本発明の第42の態様では、CNS媒介性運動機能障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0076】
本発明の第43の態様では、眼疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法が提供される。
【0077】
本発明の第44の態様では、本発明の第4、第5、第7、第8、第9、第14、第15、第16、第19、第20、第21、第22および第23の態様のいずれか1つに記載されている任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
【0078】
本発明の第45の態様では、本発明の第6、第10、第11、第12、第13、第17および第18の態様のいずれか1つに記載されている任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグが提供される。
【0079】
本発明の第46の態様では、薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、本発明の第4、第5、第7、第8、第9、第14、第15、第16、第19、第20、第21、第22および第23の態様のいずれか1つに記載されている任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、(1)〜(27)のいずれか1つに係る化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物が提供される。
【0080】
本発明の第47の態様では、薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、本発明の第6、第10、第11、第12、第13、第17および第18の態様のいずれか1つに記載されている任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、本発明の第6の態様で定義した式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物が提供される。
【0081】
本発明の第48の態様では、薬理学的に許容される希釈剤または担体および少なくとも2種の有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬、α1アドレナリン受容体拮抗薬、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、(1)〜(27)のいずれか1つに係る少なくとも1種の化合物または本発明の第6の態様で定義した少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が提供される。
【0082】
本発明の第48の態様に係る好ましい薬剤の組み合わせとしては、
(1)薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分の組み合わせを含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬およびα1アドレナリン受容体拮抗薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、(1)〜(27)のいずれか1つに係る少なくとも1種の化合物または本発明の第6の態様で定義した少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物、および
(2)薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分の組み合わせを含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、(1)〜(27)のいずれか1つに係る少なくとも1種の化合物または本発明の第6の態様で定義した少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物が挙げられる。
【0083】
好ましい選択肢(1)の組み合わせは、下部尿路疾患の予防または治療に特に有用である。好ましい選択肢(2)の組み合わせは、疼痛の予防または治療に特に有用である。
【0084】
本発明の第49の態様では、下部尿路疾患の予防または治療のための薬剤の製造における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る少なくとも1種の化合物または本発明の第6の態様で定義した少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびにムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬およびα1アドレナリン受容体拮抗薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の使用が提供される。
【0085】
本発明の第50の態様では、疼痛の予防または治療のための薬剤の製造における、(1)〜(27)のいずれか1つに係る少なくとも1種の化合物または本発明の第6の態様で定義した少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびにニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の使用が提供される。
【0086】
本発明の第51の態様では、本発明の第4〜第23の態様に記載されている任意の疾患または病気の予防または治療のために、本発明の第48の態様に係る医薬組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0087】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、R、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5b、R6a、R6b、R6c、R6dおよびXの定義におけるアルキル基は、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、最も好ましくはメチル基である。
【0088】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5bおよびXの定義におけるシクロアルキル基は、好ましくは3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、より好ましくは5または6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、最も好ましくはシクロヘキシルである。
【0089】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Ar、Ar、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5bおよびXの定義におけるアリール基は、好ましくは5〜14個の炭素原子を有するアリール基である。未置換のアリール基の例としては、フェニル、インデニル、ナフチル、フェナントレニルおよびアントラセニル基が挙げられる。より好ましいアリール基としては、フェニル基が挙げられる。
【0090】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Ar、Ar、R3a、R3b、R4a、R4b、R5a、R5bおよびXの定義におけるヘテロアリール基は、好ましくは1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基である。例としては、フリル、チエニル、ピロリル、アゼピニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピラニル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニルおよびピラジニル基が挙げられる。より好ましいヘテロアリール基としては、フリル、チエニル、ピロリルおよびピリジルが挙げられる。
【0091】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるアルコキシ基は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、より好ましくは、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、最も好ましくは、メトキシまたはエトキシ基である。
【0092】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるハロアルコキシ基は、好ましくは、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されている上に定義したアルコキシ基である。より好ましくは、ハロアルコキシ基は、少なくとも1つの塩素またはフッ素原子で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基であり、最も好ましくは、クロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基およびテトラフルオロエトキシ基である。
【0093】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるハロアルキル基は、好ましくは、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されている上に定義したアルキル基である。より好ましくは、当該ハロアルキル基は、少なくとも1つの塩素またはフッ素原子で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基であり、最も好ましくは、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基およびテトラフルオロエチル基である。
【0094】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるアルコキシカルボニル基は、好ましくは、上に定義したアルコキシ基で置換されているカルボニル基であり、より好ましくは、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニル基である。
【0095】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるヒドロキシアルキル基は、好ましくは、1つまたは複数のヒドロキシ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチルまたは2−ヒドロキシエチル基である。
【0096】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるモノアルキルアミノ基は、好ましくは、上に定義した1つのアルキル基で置換されているアミノ基であり、より好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノまたはt−ブチルアミノ基である。
【0097】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、R、RおよびXの定義におけるジアルキルアミノ基は、好ましくは、上に定義した2つのアルキル基(アルキル基は、同一であっても互いに異なっていてもよい)で置換されているアミノ基であり、より好ましくは、ジメチルアミノまたはジエチルアミノ基である。
【0098】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、RおよびRの定義におけるアシルアミノ基は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するアシル基で置換されているアミノ基であり、より好ましくは、アセチルアミノまたはプロピオニルアミノ基である。
【0099】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、RおよびRの定義におけるアルコキシカルボニルアミノ基は、好ましくは、上に定義したアルコキシカルボニル基で置換されているアミノ基であり、より好ましくは、メトキシカルボニルアミノまたはエトキシカルボニルアミノ基である。
【0100】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、RおよびRの定義におけるアルキルスルホニル基は、好ましくは、上に定義したアルキル基で置換されているスルホニル基であり、より好ましくは、メチルスルホニルまたはエチルスルホニル基である。
【0101】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、RおよびRの定義におけるアルキルスルホニルアミノ基は、好ましくは、上に定義したアルキル基で置換されているスルホニルアミノ基であり、より好ましくは、メチルスルホニルアミノまたはエチルスルホニルアミノ基である。
【0102】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるポリアルキレングリコール残基は、好ましくは、式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜4の整数であり、c3は、1〜20の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)の基であり、より好ましくは、式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜3の整数であり、c3は、1〜10の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)の基であり、最も好ましくは、式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1または2であり、c3は1〜6の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dはそれぞれ同一であるか異なっていて、水素原子である)の基である。
【0103】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるアルコキシアルキル基は、好ましくは、上に定義したアルコキシ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基または2−エトキシエチル基である。
【0104】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるハロアルコキシアルキル基は、好ましくは、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、ジフルオロメトキシメチル基、トリクロロメトキシメチル基、2−トリクロロメトキシエチル基または2−テトラフルオロエトキシエチル基である。
【0105】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるアリールオキシアルキル基は、好ましくは、酸素原子に結合した上に定義したアリール基を含むアリールオキシ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、フェノキシメチル基または2−フェノキシエチル基である。
【0106】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義における式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基は、好ましくは、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜14員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基であり(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、上に定義したアルキル基、ハロゲン原子、上に定義したハロアルキル基、上に定義したアルコキシ基、上に定義したアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、上に定義したモノアルキルアミノ基、上に定義したジアルキルアミノ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、より好ましくは、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、モルホリン−4−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イルおよび4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル基である。
【0107】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるアミノアルキル基は、好ましくは、1つまたは複数のアミノ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、アミノメチル、1−アミノエチルまたは2−アミノエチル基である。
【0108】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるモノアルキルアミノアルキル基は、好ましくは、上に定義した1つまたは複数のモノアルキルアミノ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、1−メチルアミノエチルまたは2−メチルアミノエチル基である。
【0109】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるジアルキルアミノアルキル基は、好ましくは、上に定義した1つまたは複数のジアルキルアミノ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくはジメチルアミノメチルまたは2−ジメチルアミノエチル基である。
【0110】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるカルボキシアルキル基は、好ましくは、1つまたは複数のカルボキシ基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、カルボキシメチル基または2−カルボキシエチル基である。
【0111】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるアルコキシカルボニルアルキル基は、好ましくは、上に定義したアルコキシカルボニル基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基または2−エトキシカルボニルエチル基である。
【0112】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるハロアルコキシカルボニルアルキル基は、好ましくは、上に定義したアルコキシカルボニル基(ここで、アルコキシ部分は、1つまたは複数のハロゲン原子で置換されている)を含むハロアルコキシカルボニル基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、ジクロロメトキシカルボニルメチル基、ペンタフルオロエトキシカルボニルメチル基、2−トリクロロメトキシカルボニルエチル基または2−テトラフルオロエトキシカルボニルエチル基である。
【0113】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物では、Xの定義におけるアラルキルオキシカルボニルアルキル基は、好ましくは、オキシカルボニル部分に結合した上に定義したアリール基で置換されている上に定義したアルキル基を含むアラルキルオキシカルボニル基で置換されている上に定義したアルキル基であり、より好ましくは、ベンジルオキシカルボニルメチル基および2−ベンジルオキシカルボニルエチル基である。
【0114】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物は、薬理学的に許容される塩を形成することができ、これらは、本発明の一部をなす。そのような塩の例としては、アンモニウム塩などの無機塩、t−オクチルアミン塩、ジベンジルアミン塩、モルホリン塩、グルコサミン塩、フェニルグリシンアルキルエステル塩、エチレンジアミン塩、N−メチルグルカミン塩、グアニジン塩、ジエチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、プロカイン塩、ジエタノールアミン塩、N−ベンジル−N−フェネチルアミン塩、ピペラジン塩、テトラメチルアンモニウム塩およびトリス(ヒドロキシメチル)アミンメタン塩などの有機アミン塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩およびヨウ化水素酸塩などのヒドロハロゲン化塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩およびリン酸塩などの無機酸塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩およびエタンスルホン酸塩などの低級アルカンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩などのアリールスルホン酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩およびマレイン酸塩などの有機酸塩、およびオルニチン酸塩(ornithinate)、グルタミン酸塩およびアスパラギン酸塩などのアミノ酸塩が挙げられる。これらのうち、有機アミン塩がより好ましく、トリエチルアミン塩が最も好ましい。
【0115】
本発明の式(I)および(Ia)の化合物は、プロドラッグの形態で投与することができる。プロドラッグは、薬理学的に活性な化合物の誘導体であり、ここで、前記化合物上の1つまたは複数の置換基は、患者への投与後にインビボでの生物学的プロセス(例えば、加水分解)によって後に除去可能な基で保護されている。多くの好適なプロドラッグが当業者によく知られており、例えば、“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”, 4th
Edition, 2006, Wiley-VCHに記載されている。そのようなプロドラッグの好適な例としては、式(I)または(Ia)を有する化合物の薬理学的に許容されるエステルが挙げられ、ここで、式(I)または(Ia)を有する化合物のカルボキシル部分は、エステル化されている。薬理学的に許容されるエステルは、特に限定されず、当業者が選択することができる。前記エステルの場合、そのようなエステルは、インビボでの加水分解などの生物学的プロセスによって開裂可能であることが好ましい。前記エステルを構成する基(そのエステルが−COORと表現される場合にRと示される基)は、例えば、メトキシエチル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−(イソプロポキシ)エチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、1,1−ジメチル−1−メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチル、イソプロポキシメチル、ブトキシメチルまたはt−ブトキシメチルなどのC〜CアルコキシC〜Cアルキル基、2−メトキシエトキシメチルなどのC〜Cアルコキシル化C〜CアルコキシC〜Cアルキル基、フェノキシメチルなどのC〜C10アリールオキシC〜Cアルキル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチルまたはビス(2−クロロエトキシ)メチルなどのハロゲン化C〜CアルコキシC〜Cアルキル基、メトキシカルボニルメチルなどのC〜CアルコキシカルボニルC〜Cアルキル基、シアノメチルまたは2−シアノエチルなどのシアノC〜Cアルキル基、メチルチオメチルまたはエチルチオメチルなどのC〜Cアルキルチオメチル基、フェニルチオメチルまたはナフチルチオメチルなどのC〜C10アリールチオメチル基、2−メタンスルホニルエチルまたは2−トリフルオロメタンスルホニルエチルなどの、場合によりハロゲン原子(1つまたは複数)で置換されていてもよいC〜CアルキルスルホニルC〜C低級アルキル基、2−ベンゼンスルホニルエチルまたは2−トルエンスルホニルエチルなどのC〜C10アリールスルホニルC〜Cアルキル基、ホルミルオキシメチル、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ピバロイルオキシメチル、バレリルオキシメチル、イソバレリルオキシメチル、ヘキサノイルオキシメチル、1−ホルミルオキシエチル、1−アセトキシエチル、1−プロピオニルオキシエチル、1−ブチリルオキシエチル、1−ピバロイルオキシエチル、1−バレリルオキシエチル、1−イソバレリルオキシエチル、1−ヘキサノイルオキシエチル、2−ホルミルオキシエチル、2−アセトキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、2−ピバロイルオキシエチル、2−バレリルオキシエチル、2−イソバレリルオキシエチル、2−ヘキサノイルオキシエチル、1−ホルミルオキシプロピル、1−アセトキシプロピル、1−プロピオニルオキシプロピル、1−ブチリルオキシプロピル、1−ピバロイルオキシプロピル、1−バレリルオキシプロピル、1−イソバレリルオキシプロピル、1−ヘキサノイルオキシプロピル、1−アセトキシブチル、1−プロピオニルオキシブチル、1−ブチリルオキシブチル、1−ピバロイルオキシブチル、1−アセトキシペンチル、1−プロピオニルオキシペンチル、1−ブチリルオキシペンチル、1−ピバロイルオキシペンチルまたは1−ピバロイルオキシヘキシルなどのC〜C脂肪族アシルオキシC〜Cアルキル基、シクロペンチルカルボニルオキシメチル、シクロヘキシルカルボニルオキシメチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシエチル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル、1−シクロペンチルカルボニルオキシプロピル、1−シクロヘキシルカルボニルオキシプロピル、1−シクロペンチルカルボニルオキシブチルまたは1−シクロヘキシルカルボニルオキシブチルなどのC〜CシクロアルキルカルボニルオキシC〜Cアルキル基、ベンゾイルオキシメチルなどのC〜C10アリールカルボニルオキシC〜Cアルキル基、メトキシカルボニルオキシメチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(メトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、エトキシカルボニルオキシメチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ペンチル、1−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、プロポキシカルボニルオキシメチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(プロポキシカルボニルオキシ)ブチル、イソプロポキシカルボニルオキシメチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソプロポキシカルボニルオキシ)ブチル、ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、イソブトキシカルボニルオキシメチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)エチル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(イソブトキシカルボニルオキシ)ブチル、t−ブトキシカルボニルオキシメチル、1−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル、ペンチルオキシカルボニルオキシメチル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(ペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、ヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチルまたは1−(ヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピルなどのC〜CアルコキシカルボニルオキシC〜Cアルキル基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシメチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)プロピル、1−(シクロペンチルオキシカルボニルオキシ)ブチル、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシメチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)エチル、1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)プロピルまたは1−(シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ)ブチルなどのC〜CシクロアルキルオキシカルボニルオキシC〜Cアルキル基、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−エチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−プロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、(5−イソプロピル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルまたは(5−ブチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルなどの[5−(C〜Cアルキル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル基、(5−フェニル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル、[5−(4−メチルフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−メトキシフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル、[5−(4−フルオロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチルまたは[5−(4−クロロフェニル)−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチルなどの[5−(フェニル(場合により、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲン原子(1つまたは複数)で置換されていてもよい))−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル]メチル基、あるいは、フタリジル、ジメチルフタリジルまたはジメトキシフタリジルなどの、場合により、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシ基(1つまたは複数)で置換されていてもよいフタリジル基とすることができ、好ましくは、ピバロイルオキシメチル基、フタリジル基または(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基であり、より好ましくは、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチル基である。
【0116】
式(I)および(Ia)の化合物あるいはその薬理学的に活性なプロドラッグまたは塩は、等量式が存在するいくつかの置換基を含み、前記置換基の代わりにそのような等量式を含む化合物も本発明の一部をなす。例えば、式(I)および(Ia)の化合物あるいはその薬理学的に活性なプロドラッグまたは塩がカルボキシル基を含む場合、これは、テトラゾリル基で置換することができる。
【0117】
式(I)および(Ia)の化合物の水和物または溶媒和物、そのプロドラッグおよび薬理学的に許容される塩も使用することができ、本発明の一部をなす。
【0118】
本発明の式(I)および(Ia)のいくつかの化合物およびそれらの薬理学的に許容される塩またはそのプロドラッグは、1つまたは複数の不斉炭素を有していてもよく、その分子中に不斉炭素原子(1つまたは複数)が存在するために、光学異性体(ジアステレオマーを含む)が存在することができる。これらの各異性体は、どちらも個々の異性体および全ての可能な比率でのその混合物として本発明に含まれる。
【0119】
本発明の一般式(I)および(Ia)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの投与形態の例としては、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末剤またはシロップ剤による経口投与、および注射、パッチまたは坐剤による非経口投与が挙げられる。さらに、本発明の一般式(I)および(Ia)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグは、粉末剤、溶液または懸濁液の形態で経肺投与によって投与することもできる。これらの投与のための製剤は、賦形剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯正剤、希釈剤などの添加剤を用いる公知の方法で製造される。
【0120】
賦形剤の例としては、糖誘導体(例えば、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールまたはソルビトール)、デンプン誘導体(例えば、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、αデンプン、デキストリンまたはカルボキシメチルデンプン)、セルロース誘導体(例えば、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルシウムカルボキシメチルセルロースまたは内部架橋ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、アラビアゴム、デキストランまたはプルランなどの有機賦形剤、およびケイ酸誘導体(例えば、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウムまたはメタケイ酸アルミニウムマグネシウム)、リン酸塩(例えば、リン酸カルシウム)、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)または硫酸塩(例えば、硫酸カルシウム)などの無機賦形剤が挙げられる。
【0121】
潤滑剤の例としては、ステアリン酸、およびステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸マグネシウムなどのステアリン酸金属塩、タルク、コロイド状シリカ、ミツガム(bee gum)または鯨ろうなどのワックス、ホウ酸、アジピン酸、硫酸ナトリウムなどの硫酸塩、グリコール、フマル酸、安息香酸ナトリウム、DL−ロイシン、脂肪酸ナトリウム塩、ラウリル硫酸ナトリウムまたはラウリル硫酸マグネシウムなどのラウリル硫酸塩、無水ケイ酸またはケイ酸水和物などのケイ酸、およびデンプン誘導体が挙げられる。
【0122】
結合剤の例としては、ポリビニルピロリドン、マクロゴールおよび上記賦形剤に類似した化合物が挙げられる。
【0123】
崩壊剤の例としては、上記賦形剤に類似した化合物、およびクロスナトリウムカルメロース、ナトリウムカルボキシメチルデンプンまたは架橋ポリビニルピロリドンなどの化学的に架橋されたデンプンおよびセルロースが挙げられる。
【0124】
安定剤の例としては、メチルパラベンまたはプロピルパラベンなどのパラオキシ安息香酸エステル、クロロブタノール、ベンジルアルコールまたはフェニルエチルアルコールなどのアルコール類、塩化ベンザルコニウム、フェノールまたはクレゾールなどのフェノール類、チメロサール、デヒドロ酢酸、およびソルビン酸が挙げられる。
【0125】
矯正剤の例としては、通常使用される甘味料、酸味料および芳香剤が挙げられる。
【0126】
本発明の一般式(I)および(Ia)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの経肺投与のための溶液または懸濁液を製造する場合、例えば、前記溶液または懸濁液は、本発明の結晶を水または水と補助溶媒(例えば、エタノール、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコール)との混合物に溶解または懸濁させることによって製造することができる。そのような溶液または懸濁液は、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム)、可溶化剤(例えば、Tween80またはSpan80などのポリソルベートあるいは塩化ベンザルコニウムなどの界面活性剤)、緩衝剤、等張剤(例えば、塩化ナトリウム)、吸収促進剤および/または増粘剤を含んでいてもよい。さらに、当該懸濁液は、懸濁化剤(例えば、微結晶セルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロース)をさらに含んでいてもよい。
【0127】
上記方法で製造された経肺投与のための組成物は、吸入剤の分野で典型的な手段によって(例えば、スポイト、ピペット、カニューレまたはアトマイザを用いて)鼻腔または口腔に直接投与される。アトマイザを用いる場合、本発明の結晶は、好適な噴霧剤(例えば、ジクロロフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンまたはジクロロテトラフルオロエタンなどのクロロフルオロカーボンあるいは二酸化炭素などの気体)と共に加圧パックの形態でエアロゾルとして噴霧したり、ネブライザを用いて投与したりすることができる。
【0128】
本発明の一般式(I)および(Ia)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用量は、症状、年齢、投与方法などによって異なり、単回投与で、あるいは症状に従って複数回投与に分割して投与してもよい。
【0129】
本発明の第47の態様に係る組み合わせにおいて、本発明の一般式(I)および(Ia)を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグと併用することができる化合物の各分類の典型例は以下のとおりである:
1.ムスカリン受容体拮抗薬の例(例えば、選択的M3拮抗薬であるが、これに限定されない)としては、エソキシブチニン(esoxybutynin)、オキシブチニン[特に、その塩化物]、トルテロジン[特に、その酒石酸塩]、ソリフェナシン[特に、そのコハク酸塩]、ダリフェナシン[特に、その臭化水素酸塩]、テミベリン、フェソテロジン、イミダフェナシンおよびトロスピウム[特に、その塩化物]が挙げられる。
2.β3アドレナリン受容体作動薬の例としては、YM−178およびソラベグロン、KUC−7483が挙げられる。
3.ニューロキニンK受容体拮抗薬(例えば、選択的NK−1拮抗薬)の例としては、シゾリルチンおよびカソピタントが挙げられる。
4.バニロイドVR1作動薬の例としては、カプサイシン、レシニフェラトキシンおよびNDG−8243が挙げられる。
5.カルシウムチャネルα2δリガンドの例としては、ガバペンチンおよびプレガバリンが挙げられる。
6.カリウムチャネル活性化剤(例えば、KCNQ、BKCaチャネル、KvチャネルおよびKATPチャネルの活性化剤)の例としては、KW−7158、NS−8およびレチガビンが挙げられる。
7.カルシウムチャネル阻害剤(例えば、Cav2.2チャネル阻害剤)の例としては、ジコノチドおよびNMED−160が挙げられる。
8.ナトリウムチャネル遮断薬の例としては、リドカイン、ラモトリギン、VX−409、ラルフィナミドおよびカルバマゼピンが挙げられる。
9.セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)の例としては、デュロキセチンおよびベンラファキシンが挙げられる。
10.5−HT拮抗薬の例としては、5−HT1a拮抗薬および5HT3拮抗薬が挙げられる。
11.α1アドレナリン受容体拮抗薬の例としては、タムスロシンが挙げられる。
12.三環系抗うつ薬の例としては、アミトリプチリン、アモキサピン、クロミプラミン、ドスレピン(ドチエピン)、ドキセピン、イミプラミン、ロフェプラミン、ノルトリプチリンおよびトリミプラミンが挙げられる。
13.N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬の例としては、ケタミン、メマンチン、アマンタジン、AVP−923、NP−1およびEVT−101が挙げられる。
14.カンナビノイド受容体作動薬の例としては、GW−1000(サティベックス)およびKDS−2000が挙げられる。
15.抗けいれん薬。例としては、ラコサミド、カルバマゼピン、トピラマート、オキシカルバゼピンおよびレベチラセタムが挙げられる。
16.アルドース還元酵素阻害剤の例としては、トルレスタット、ゾポルレスタット、ゼナレスタット、エパルレスタット、ソルビニル、AS−3201、フィダレスタット、リサレスタット、ポナルレスタットおよびアルレスタチンが挙げられる。
17.オピオイド(例えば、muオピオイド作動薬)の例としては、フェンタニルおよびタペンタドールが挙げられる。
18.αアドレナリン受容体作動薬の例としては、エトキサミン、フェニレフリン、オキシメタゾリン、テトラヒドララジンおよびキシロメタゾリンなどのaアドレナリン受容体作動薬ならびにクロニジン、グアナベンズ、グアンファシンおよびαメチルドパなどのaアドレナリン受容体作動薬が挙げられる。
19.P2X受容体拮抗薬の例としては、P2X2受容体拮抗薬およびP2X7受容体拮抗薬が挙げられる。
20.酸感受性イオンチャネル調節剤の例としては、アミロライドが挙げられる。
21.NGF受容体調節剤の例としては、trkAが挙げられる。
22.ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤の例としては、A−85380、テバニクリン、ABT−366833、ABT−202、ABT−894、エピバチジン類似体およびSIB−1663が挙げられる。
23.シナプス小胞タンパク質2Aリガンドの例としては、ブリバラセタムが挙げられる。
【0130】
本発明の組み合わせの投与形態の例は、一般式(I)および(Ia)の化合物ならびにその薬理学的に許容される塩について上に記載した投与形態と同じである。特定の形態は、治療される病気および併用投与される化合物の性質によって選択することができる。例えば、一般式(I)および(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグとリドカインとの組み合わせは、パッチによって経皮投与することができ、ジコノチドとの組み合わせは、経粘膜投与することができる。
【0131】
本発明の化合物の合成
式(I)または(Ia)の化合物(以下のスキームは、式(I)の化合物について示されている)(式中、ArおよびArはそれぞれフェニル基を表わし、Wは、式NHの基であり、YおよびZはそれぞれ単結合であり、かつVは、式−(CR3a3bCONR3bX(式中、Xは上に定義したとおりである)の基である)は、以下の一般的な反応スキームに従って調製することができる:
反応スキーム1
【化3】

(式中、R、R、R3a、R3b、Xおよびpは上に定義したとおりである)。
【0132】
反応スキーム1の第1の工程では、脱離基Lを有する式(II)の3−ニトロフェニル酢酸誘導体を、式(III)のアミノ化合物と反応させて、式(IV)の3−ニトロフェニルメチルアミド誘導体を得る。脱離基Lは、式(III)のアミノ化合物の窒素原子による求核攻撃によって、式(II)の化合物において脱離基Lが結合しているカルボニル基から容易に脱離される任意の基とすることができる。そのような脱離基は、当業者によく知られており、ハロゲン原子、メシル基、トシル基およびトリフルオロメタンスルホニル基が挙げられる。塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子およびトシル基がより好ましく、塩素原子が最も好ましい。
【0133】
反応スキーム1の第2の工程では、式(IV)の3−ニトロフェニルメチルアミド誘導体を還元剤と反応させて、式(V)の3−アミノフェニルメチルアミド誘導体を得る。ニトロ基をアミノ基に還元させるのに適した任意の還元剤を使用することができ、その好適な例としては、接触水素化、亜鉛−酢酸法、スズ−アルコール法およびスズ−塩酸法が挙げられる。接触水素化が好ましい。
【0134】
反応スキーム1の最終工程では、ブッフバルト(Buchwald)反応によって、式(V)の3−アミノフェニルメチルアミド誘導体を場合により置換された式(VI)のブロモフェニル化合物と反応させて、目的の式(I)のN−フェニル−アミノフェニルメチルアミド誘導体を得る。
【0135】
反応スキーム2
【化4】

(式中、R、R、R3a、R3b、Xおよびpは上に定義したとおりである)。
【0136】
反応スキーム2の第1の工程では、脱離基Lを有する式(VII)の4−ニトロフェニル酢酸誘導体を式(III)のアミノ化合物と反応させて、式(VIII)の4−ニトロフェニルメチルアミド誘導体を得る。脱離基Lは、式(III)のアミノ化合物の窒素原子による求核攻撃によって、式(VII)の化合物において脱離基Lが結合しているカルボニル基から容易に脱離される任意の基とすることができる。そのような脱離基は、当業者によく知られており、ハロゲン原子、メシル基、トシル基およびトリフルオロメタンスルホニル基が挙げられる。塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子およびトシル基がより好ましく、塩素原子が最も好ましい。
【0137】
反応スキーム2の第2の工程では、式(VIII)の4−ニトロフェニルメチルアミド誘導体を還元剤と反応させて、式(IX)の4−アミノフェニルメチルアミド誘導体を得る。ニトロ基をアミノ基に還元させるのに適した任意の還元剤を使用することができ、その好適な例としては、接触水素化、亜鉛−酢酸法、スズ−アルコール法およびスズ−塩酸法が挙げられる。接触水素化が好ましい。
【0138】
反応スキーム2の最終工程では、ブッフバルト反応によって、式(IX)の4−アミノフェニルメチルアミド誘導体を場合により置換された式(VI)のブロモフェニル化合物と反応させて、目的の式(I)のN−フェニル−アミノフェニルメチルアミド誘導体を得る。
【実施例】
【0139】
上記反応スキーム1に記載されている一般的な手順を用いて、以下の化合物を調製した。
【0140】
実施例1:N−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−[3−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−アセトアミド
【化5】

【0141】
(3−ニトロフェニル)−酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエステル
3−ニトロフェニル酢酸(1.00g、5.53mmol)およびジメチルホルムアミド(触媒量、3滴)のジクロロメタン(50ml)撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.59ml、6.91mmol)をシリンジで滴下し、反応物を室温で30分間撹拌した。N−ヒドロキシスクシンアミド(0.667g、5.80mmol)およびトリエチルアミン(1.92ml、13.81mmol)を一度に添加し、反応物を室温で一晩撹拌し続けた。反応物を水で洗浄し、分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、シリカ上に真空濃縮した。反応物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%MeOH:DCM)で精製して、指定の生成物(0.937g)を得た。Rf値(2%MeOH:DCM)0.10;LCMS保持時間=3.43分、m/z(ES+)296(M+HO)。
【0142】
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(3−ニトロフェニル)アセトアミド
(3−ニトロフェニル)−酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエステル(0.465g、1.67mmol)のアセトニトリル(10ml)撹拌溶液に、2−アミノエタノール(111μL、1.84mmol)を一度に添加し、反応物を室温で一晩撹拌し続けた。反応物を濾過し、シリカ上に真空濃縮して、カラムクロマトグラフィー(溶離液:10%MeOH:DCM)で精製して指定の生成物(0.205g)を得た。Rf値(5%MeOH:DCM)0.13;LCMS保持時間=2.04分、m/z(ES+)225(M+H)。
【0143】
2−(3−アミノフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(3−ニトロフェニル)アセトアミド(0.205g、0.92mmol)のメタノール(10ml)撹拌溶液に、窒素雰囲気下で10%Pd/C(10Wt%、20mg)を一度に添加した。反応物を取り出し、水素雰囲気下(1バール)に置き、一晩激しく撹拌した。反応物をセライトで濾過し、濾液を真空濃縮した。粗製混合物をSCX固相抽出カートリッジ(溶離液:10%MeOH:DCM)で精製して指定の生成物(0.175g)を得た。LCMS保持時間=1.30分、m/z(ES+)195(M+H)。
【0144】
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−[3−(2,4,6−トリクロロフェニルアミノ)フェニル]−アセトアミド
2−(3−アミノフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド(0.09g、0.46mmol)、2,4,6−トリクロロ−1−ブロモベンゼン(0.151g、0.46mmol)、KCO(0.160g、1.15mmol)およびキサントホス(0.027g、0.046mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)撹拌溶液に、窒素下、マイクロ波管中でPddba(0.021g、0.023mmol)を一度に添加し、その管を密閉した。反応物をマイクロ波中160℃で75分間撹拌しながら加熱した。反応物を冷却した後、セライトで濾過し、真空濃縮した。反応混合物を、酸性溶離液を用いる分取カラムクロマトグラフィーで精製して指定の生成物(22.8mg)を得た。LCMS保持時間=3.62分、m/z(ES+)375(M+H)。
【0145】
実施例2:{2−[5−(3,5−ジクロロ−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−アセチルアミノ}−酢酸
【化6】

【0146】
[2−(2−フルオロ−5−ニトロ−フェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル
2−フルオロ−5−ニトロフェニル酢酸(1.00g、5.0mmol)のDCM(40ml)撹拌溶液に、HATU(2.11g、7.5mmol)を一度に添加し、反応物を5分間撹拌した。グリシンt−ブチルエステル(1.03ml、7.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.78ml、10mmol)を添加し、反応物を一晩撹拌した。反応物を水で洗浄し、分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過してシリカ上に真空濃縮した。反応物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:100%EtOAc)で精製して指定の生成物(1.57g)を得た。LCMS保持時間=3.48分、m/z(ES+)257(MH−t−ブチル)。
【0147】
[2−(フルオロ−5−アミノフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル
[2−(フルオロ−5−ニトロフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル(1.57g、5.0mmol)のメタノール(50ml)撹拌溶液に、窒素雰囲気下で10%Pd/C(水分50%)(10Wt%、300mg)を一度に添加した。反応物を取り出し、水素雰囲気下(1バール)に置き、一晩激しく撹拌した。反応物をセライトで濾過し、濾液を真空濃縮した。粗製混合物をSCX固相抽出カートリッジ(溶離液:MeOH:5%水酸化アンモニウム)で精製して指定の生成物(1.27g)を得た。LCMS保持時間=2.11分、m/z(ES+)283(M+H)。
【0148】
{2−[5−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−2−フルオロフェニル]−アセチルアミノ}−酢酸tert−ブチルエステル
[2−(フルオロ−5−アミノフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル(0.160g、0.57mmol)、3,5−ジクロロ−1−ブロモベンゼン(0.156g、0.69mmol)、KCO(0.147g、1.06mmol)およびキサントホス(0.031g、0.057mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)撹拌溶液に、窒素下、マイクロ波管中でPddba(0.024g、0.028mmol)を一度に添加し、その管を密閉した。反応物をマイクロ波中160℃で60分間撹拌しながら加熱した。反応物を冷却した後、セライトで濾過し、真空濃縮した。反応混合物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:1:1EtOAc:ヘキサン)で精製して指定の生成物(145mg)を得た。LCMS保持時間=4.57分、m/z(ES−)425(M−H)。
【0149】
{2−[5−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−2−フルオロフェニル]−アセチルアミノ}−酢酸tert−ブチルエステル(145mg、0.34mmol)のDCM(3ml)撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸(0.30ml)を添加し、反応物を一晩撹拌した。反応物を真空濃縮し、分取クロマトグラフィーで精製して指定の生成物(35mg)を得た。LCMS保持時間=3.86分、m/z(ES+)371(M+H)。
【0150】
実施例3:2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミド
【化7】

【0151】
(4−ニトロフェニル)−酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエステル
4−ニトロフェニル酢酸(1.00g、5.53mmol)およびジメチルホルムアミド(触媒量、3滴)のジクロロメタン(50ml)撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.59ml、6.91mmol)をシリンジで滴下し、反応物を室温で30分間撹拌した。N−ヒドロキシスクシンアミド(0.667g、5.80mmol)およびトリエチルアミン(1.92ml、13.81mmol)を一度に添加し、反応物を室温で一晩撹拌し続けた。反応物を水で洗浄し、分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過してシリカ上に真空濃縮した。反応物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:5%MeOH:DCM)で精製して指定の生成物(1.021g)を得た。Rf値(2%MeOH:DCM)0.08;LC保持時間=3.44分。
【0152】
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(4−ニトロフェニル)−アセトアミド
(4−ニトロフェニル)−酢酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イルエステル(0.500g、1.80mmol)のアセトニトリル(10ml)撹拌溶液に、2−アミノエタノール(119μL、1.98mmol)を一度に添加し、反応物を室温で一晩撹拌し続けた。反応物を濾過してシリカ上に真空濃縮し、カラムクロマトグラフィー(溶離液:10%MeOH:DCM)で精製して指定の生成物(0.237g)を得た。Rf値(5%MeOH:DCM)0.13;LCMS保持時間=2.06分、m/z(ES+)225(M+H)。
【0153】
2−(4−アミノフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−(4−ニトロフェニル)アセトアミド(0.237g、1.06mmol)のメタノール(15ml)撹拌溶液に、窒素雰囲気下で10%Pd/C(10Wt%、24mg)を一度に添加した。反応物を取り出し、水素雰囲気下(1バール)に置き、一晩激しく撹拌した。反応物をセライトで濾過し、濾液を真空濃縮した。粗製混合物をSCX固相抽出カートリッジ(溶離液:10%MeOH:DCM)で精製して指定の生成物(0.130g)を得た。LCMS保持時間=0.98分、m/z(ES+)195(M+H)。
【0154】
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−[4−(2,4,6−トリクロロフェニルアミノ)フェニル]−アセトアミド
2−(4−アミノフェニル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド(0.100g、0.52mmol)、2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルブロモベンゼン(0.189g、0.65mmol)、KCO(0.178g、1.30mmol)およびキサントホス(0.030g、0.052mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)撹拌溶液に、窒素下、マイクロ波管中でPddba(0.024g、0.026mmol)を一度に添加し、その管を密閉した。反応物をマイクロ波中160℃で75分間撹拌しながら加熱した。反応物を冷却した後、セライトで濾過し、真空濃縮した。反応混合物を、酸性溶離液を用いる分取カラムクロマトグラフィーで精製して指定の生成物(38.2mg)を得た。LCMS保持時間=3.75分、m/z(ES+)407(M+H)。
【0155】
実施例4:{2−[4−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−フェニル]−アセチルアミノ}−酢酸
【化8】

【0156】
[2−(4−ニトロフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル
4−ニトロフェニル酢酸(1.00g、5.53mmol)およびジメチルホルムアミド(触媒量、3滴)のジクロロメタン(25ml)撹拌溶液に、塩化オキサリル(0.59ml、6.91mmol)をシリンジで滴下し、反応物を室温で30分間撹拌した。グリシンtert−ブチルエステル(1.44g、11.06mmol)を一度に添加し、反応物を室温で1時間撹拌し続けた。反応物を水で洗浄し、分離し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過して、シリカ上に真空濃縮した。反応物を、カラムクロマトグラフィー(溶離液:1:1EtOAc:ヘキサン)で精製して指定の生成物(0.900g)を得た。LCMS保持時間=3.30分、m/z(ES+)295(M+H)。
【0157】
[2−(4−アミノフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル
[2−(4−ニトロフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル(1.10g、4.17mmol)のメタノール(20ml)撹拌溶液に、窒素雰囲気下で、10%Pd/C(水分50%)(7Wt%、150mg)を一度に添加した。反応物を取り出し、水素雰囲気下(1バール)に置き、一晩激しく撹拌した。反応物をセライトで濾過し、濾液を真空濃縮して指定の生成物(0.900g)を得た。LCMS保持時間=2.57分、m/z(ES+)265(M+H)。
【0158】
{2−[4−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−フェニル]−アセチルアミノ}酢酸
[2−(4−アミノフェニル)−アセチルアミノ]−酢酸tert−ブチルエステル(0.200g、0.76mmol)、3,5−ジクロロ−1−ブロモベンゼン(0.186g、0.83mmol)、KCO(0.524g、3.80mmol)およびキサントホス(0.050g、0.087mmol)の1,4−ジオキサン(2ml)撹拌溶液に、窒素下、マイクロ波管中でPddba(0.050g、0.054mmol)を一度に添加し、その管を密閉した。反応物をマイクロ波中160℃で75分間撹拌しながら加熱した。反応物を冷却した後、セライトで濾過し、真空濃縮した。反応混合物を、酸性溶離液を用いる分取カラムクロマトグラフィーで精製した。精製したtert−ブチルエステル生成物を3:1DCM:トリフルオロ酢酸(4ml)に溶解し、反応物を室温で一晩撹拌した。反応物を真空濃縮し、粗生成物を分取クロマトグラフィーで精製して指定の生成物(10.6mg)を得た。LCMS保持時間=3.76分、m/z(ES+)353(M+H)。
【0159】
上記一般的な方法を用いて、以下の化合物も調製した:
【表1】



【0160】
試験例
要約
この研究の目的は、全自動同時測定(parallel)パッチクランプシステムであるPatchXpress 7000A
(Molecular Devices社製)を用いて、哺乳類細胞中で発現されるKCNQ2/KCNQ3カリウムチャネル電流に対する実施例化合物のインビトロでの効果を調べることであった。試験化合物は30μMで評価し、3つの細胞(n=3)においてこの濃度を試験した。試験化合物濃度に対する曝露時間は5分であった。実施例化合物は、電流の濃度依存的な増加を生じさせることが分かった。表1は、実施例化合物の個々の結果を示す。陽性対照であるフルピルチン(表2)の結果は、KCNQ2/KCNQ3電流の増加を検出する試験装置の感受性を確認するものである。
【0161】
方法
細胞処理
全ての実験を周囲温度で行なった。各細胞はそれ自体の対照として機能した。
【0162】
被験物質処理群
30μMの濃度の試験化合物を、使い捨てのポリエチレン製マイクロピペットチップによって未感作細胞(n=2、ここでn=細胞数)に曝露した。4つ1組で実施した各溶液交換は、Sealchip16の細胞外ウェルの全50μLの体積のうちの45μLの吸引および置換で構成されていた。
【0163】
陽性対照処理群
5分の曝露間隔でビヒクルを未感作細胞(n≧2、ここでn=細胞数)に曝露した。4つ1組で実施した各溶液交換は、Sealchip16の細胞外ウェルの全50μLの体積のうちの45μLの吸引および置換で構成されていた。ビヒクルの曝露後、陽性対照を同様に曝露して、アッセイの感受性を確認した。
【0164】
自動パッチクランプ手順
記録セッションのための準備では、細胞内溶液をSealchip16平坦電極の細胞内区画に充填した。細胞懸濁液をSealchip16平坦電極の細胞外区画にピペットで分注した。ホールセル構成(whole cell configuration)の確立後、PatchXpress(登録商標)装置内のデュアルチャネルパッチクランプ増幅器を用いて膜電流を記録した。デジタル化の前に、電流記録をサンプリング周波数の5分の1で低域濾過した。
【0165】
データ分析
pCLAMPプログラム一式(カリフォルニア州ユニオンシティーのAxon Instruments社製)を用いてデータ収集および分析を行なった。一定の割合の経時的変化(線形時間依存)を限定することによって定常状態を定義した。被験物質の曝露前および曝露後の定常状態を使用して各濃度で阻害される電流の割合を計算した。異なる細胞から得られた結果を平均化し、平均値±標準偏差として表わした(表1および2を参照)。
【表2】

陽性対照
【表3】

【0166】
本願の実施例化合物がKCNQ2/KCNQ3カリウムチャネル電流の優れた増加を示したことが表1の結果から分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ:
【化1】

(式中、
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれがアリール基またはヘテロアリール基であり、
aは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、
Xは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロアルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ポリアルキレングリコール残基、アミノアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されている)、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、ハロアルコキシカルボニルアルキル基およびアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であり、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、
3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択され、
n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜2の整数であり、かつ
pは0〜2の整数であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない)。
【請求項2】
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、5〜14個の炭素原子を有するアリール基あるいは1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、6〜10個の炭素原子を有するアリール基あるいは1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、フェニル、ピリジル、フリル、チエニルおよびピロリル基から選択されるが、
但し:
(i)Arがフェニル基である場合、Arはピリジル基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
ArおよびArはそれぞれフェニルであるが、
但し:
(i)−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(ii)Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
aは0〜3の整数である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項7】
aは0または1である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項9】
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項10】
bは0〜4の整数である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項11】
bは0〜3の整数である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項12】
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよい、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜3個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびシアノ基からなる群から選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項15】
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、式中、R4aおよびR4bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項16】
Wは、NR4a、OおよびSからなる群から選択され、式中、R4aは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項17】
Wは、式NR4aの基であり、式中、R4aは、水素原子、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル基からなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項18】
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項19】
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=OおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項20】
YおよびZはそれぞれ、式(CR5a5bn1の基であり、式中、各n1は0である、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項21】
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0〜2の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのハロアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むハロアルコキシアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜4の整数であり、c3は1〜20の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは、同一であっても互いに異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むモノアルキルアミノアルキル基、窒素原子上で2つのアルキル基(アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜14員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、2〜7個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むハロアルコキシカルボニルアルキル基、および5〜14個の炭素原子を有するアリール基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む少なくとも1つのアラルキルオキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項22】
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが水素原子および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜3の整数であり、c3は1〜10の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜4個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、前記アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている)を含むモノアルキルアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、前記アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有する2つのアルキル基で置換されており、前記2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜8員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、および2〜5個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項23】
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bはそれぞれ水素原子であり、かつXは、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、モルホリン−4−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、ピリジン−2−イルおよび4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル基から選択される基で置換されている1または2個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択される、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項24】
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが5〜14個の炭素原子を有するアリール基あるいは1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基であり、
aは0〜3の整数であり、
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜4の整数であり、
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜6個の炭素原子を有するアシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基(ここで、前記アルコキシ基は1〜6個の炭素原子を有する)、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜6個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOまたはC(R4a4bからなる群から選択され、式中、R4aおよびR4bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0〜2の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、および1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、1〜6個の炭素原子を有する少なくとも1つのハロアルコキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むハロアルコキシアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリールオキシ基、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基、5〜14個の炭素原子を有するアリール基、1〜3個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5〜7員の芳香族複素環式基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜4の整数であり、c3は1〜20の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは、同一であっても互いに異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基、窒素原子上で1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むモノアルキルアミノアルキル基、窒素原子上で2つのアルキル基(前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアミノアルキル基を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜14員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜6個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜6個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、2〜7個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基、1〜6個の炭素原子を有するハロアルコキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むハロアルコキシカルボニルアルキル基、および5〜14個の炭素原子を有するアリール基で置換されている1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む少なくとも1つのアラルキルオキシ基で置換されている2〜7個の炭素原子を有するカルボニルアルキル基を含むアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−CO−を表わす場合、Vは、式−CH(CH)−C(=O)NHの基を表わし得ず、かつ
(iii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項25】
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれが、6〜10個の炭素原子を有するアリール基あるいは1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基であり、
aは0または1であり、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜3の整数であり、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Wは、NR4a、OまたはSからなる群から選択され、式中、R4aは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=OおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、式中、n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0または1であり、かつR5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、6〜10個の炭素原子を有するアリール基、および1または2個の硫黄原子、酸素原子および/または窒素原子を含む5または6員の芳香族複素環式基からなる群から選択され、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bは同一であるか異なっていて、それぞれが水素原子および1〜4個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択され、かつXは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、一般式HO−[(CR6a6bc1−O−(CR6c6dc2c3−(式中、c1およびc2は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜3の整数であり、c3は1〜10の整数であり、かつR6a、R6b、R6cおよびR6dは同一であっても異なっていてもよく、それぞれが水素原子または1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)のポリアルキレングリコール残基、1〜4個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシアルキル基、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、前記アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基で置換されている)を含むモノアルキルアミノアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアミノアルキル基(ここで、前記アミノ基は、1〜4個の炭素原子を有する2つのアルキル基で置換されており、前記2つのアルキル基は同一であっても異なっていてもよい)を含むジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、1つまたは複数のさらなる窒素、酸素または硫黄原子をさらに含む1つまたは複数の環を有する4〜8員の飽和もしくは部分不飽和窒素含有複素環式基(1つまたは複数の環を有する飽和もしくは部分不飽和橋架け複素環式基を含む)を形成する)の基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基(ここで、前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基で置換されているカルボニル基を含むアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、各アルキル基は同一であるか異なっていて、それぞれが1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である)およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基で置換されている)、少なくとも1つのカルボキシ基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むカルボキシアルキル基、および2〜5個の炭素原子を有する少なくとも1つのアルコキシカルボニル基で置換されている1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を含むアルコキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であるが、
但し:
(i)Arがアリール基である場合、Arは、チアゾリル、チオフェニルおよびピリジルから選択される基にはなり得ず、かつ
(ii)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項26】
ArおよびArはそれぞれフェニルであり、
aは0または1であり、
は、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜4個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜4個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)、ジアルキルアミノ基(ここで、前記アルキル基は同一であっても異なっていてもよく、それぞれが1〜4個の炭素原子を有する)、ニトロ基、1〜4個の炭素原子を有するアシルアミノ基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜3であり、
は、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基、ハロゲン原子、1〜3個の炭素原子を有するハロアルキル基、1〜3個の炭素原子を有するアルコキシ基、1〜3個の炭素原子を有するハロアルコキシ基、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基およびシアノ基からなる群から選択され、
Wは、式NR4aの基であり、式中、R4aは、水素原子、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基およびフェニル基からなる群から選択され、
YおよびZはそれぞれ、式(CR5a5bn1の基であり、式中、各n1は0であり、かつ
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、式中、pは0または1の整数であり、R3aおよびR3bはそれぞれ水素原子であり、かつXは、ヒドロキシル基、メトキシ基、エトキシ基、カルボキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、メトキシ基、エトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ピペラジン−1−イル基、4−メチルピペラジン−1−イル基、モルホリン−4−イル、3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル、4,4−ジフルオロ−ピペリジン−1−イル、ピリジン−2−イルおよび4−メトキシカルボニルピペラジン−1−イル基から選択される基で置換されている1または2個の炭素原子を有するアルキル基からなる群から選択されるが、
但し:
(i)ArおよびArがどちらもフェニル基であって、−Y−W−Z−部分が一緒になって−NH−を表わす場合、Vは、式−CO−NHまたはCO−Phの基を表わし得ない、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項27】
下記からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ:
N−(2−ヒドロキシエチル)−2−[3−(2,4,6−トリクロロフェニルアミノ)フェニル]アセトアミド、
{2−[5−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−2−フルオロフェニル]−アセチルアミノ}酢酸、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−アセトアミド、
{2−[4−(3,5−ジクロロフェニルアミノ)−フェニル]−アセチルアミノ}酢酸、
N−(2−ヒドロキシ−エチル)−2−[4−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]アセトアミド、
3−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−N−(2−ヒドロキシ−エチル)ベンズアミド、
2−[2−フルオロ−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)アセトアミド、
2−[2−フルオロ−5−(2,4,6−トリクロロ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)−アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)アセトアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−アセトアミド、
5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−N−(2−ヒドロキシ−エチル)−ベンズアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−1−(3−ヒドロキシ−ピロリジン−1−イル)エタノン、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメトキシ−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ヒドロキシ−エチル)プロピオンアミド、
2−[4−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−フェニル]−N−(2−モルホリン−4−イル−エチル)アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−[2−(4,4−ジフルオロピペリジン−1−イル)−エチル]アセトアミド、
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−(2−ピリジン−2−イル−エチル)アセトアミド、および
2−[5−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル−フェニルアミノ)−2−フルオロ−フェニル]−N−ピリジン−2−イルメチルアセトアミド。
【請求項28】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物。
【請求項29】
薬剤として使用される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項30】
KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルが関与する疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項31】
KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルの開口によって寛解される病気または疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項32】
下部尿路疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、以下に定義する式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用:
【化2】

(式中、
ArおよびArは同一であるか異なっていて、それぞれがアリール基またはヘテロアリール基であり、
aは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、aは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
bは0〜5の整数であり、
は、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、ハロアルコキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル基、アルキルスルホニルアミノ基およびシアノ基からなる群から選択され、ここで、bは1よりも大きく、各置換基Rは同一であっても異なっていてもよく、
Vは、(CR3a3bCON(R3b)Xおよび(CR3a3bN(R3b)CO(X)からなる群から選択され、ここで、前記基は、置換基Zに対して3(メタ)位もしくは4(パラ)位にあり、
Wは、NR4a、O、S、S=O、SOおよびC(R4a4bからなる群から選択され、
Xは、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、ハロアルコキシアルキル基、アリールオキシアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、ポリアルキレングリコール残基、アミノアルキル基、モノアルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、式NR8R9(式中、R8およびR9は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、場合により、窒素、酸素および硫黄原子から選択される少なくとももう1つのヘテロ原子を含む飽和もしくは部分不飽和複素環式基を形成する)の基で置換されているアルキル基(前記飽和もしくは部分不飽和複素環式基は、場合により、アルキル基、ハロゲン原子、ハロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基およびヒドロキシル基からなる群から選択される1つまたは複数の置換基でさらに置換されている)、カルボキシアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、ハロアルコキシカルボニルアルキル基およびアラルキルオキシカルボニルアルキル基からなる群から選択される置換基であり、
YおよびZは同一であるか異なっていて、それぞれが、(CR5a5bn1、C=O、SO、C(=O)NR5a、C(=O)NR5aSOおよびC=O(R5a5bn2からなる群から選択される置換基であり、
3a、R3b、R4a、R4b、R5aおよびR5bは同一であるか異なっていて、それぞれが、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基およびヘテロアリール基からなる群から選択され、
n1およびn2は同一であるか異なっていて、それぞれが0〜2の整数であり、かつ
pは0〜2の整数である)。
【請求項33】
不安症および不安関連疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項34】
てんかんの予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項35】
疼痛性障害の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項36】
婦人科痛の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項37】
心不整脈の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項38】
血栓塞栓イベントの予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項39】
心血管疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項40】
聴覚系の障害の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項41】
片頭痛の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項42】
炎症性および免疫疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項43】
消化器疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項44】
血管および内臓平滑筋障害の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項45】
細胞増殖性疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項46】
代謝異常の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項47】
記憶障害の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項48】
CNS媒介性運動機能障害の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項49】
眼疾患の予防または治療のための薬剤の調製における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用。
【請求項50】
KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3が関与する疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項51】
KCNQ2、KCNQ3またはKCNQ2/3チャネルの開口によって寛解される病気または疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項52】
下部尿路疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項53】
不安症および不安関連疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項54】
てんかんの予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項55】
疼痛性障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項56】
婦人科痛の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項57】
心不整脈の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項58】
血栓塞栓イベントの予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項59】
心血管疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項60】
聴覚系の障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項61】
片頭痛の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項62】
炎症性および免疫疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項63】
消化器疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項64】
血管および内臓平滑筋障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項65】
細胞増殖性疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項66】
代謝異常の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項67】
記憶障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項68】
CNS媒介性運動機能障害の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項69】
眼疾患の予防または治療方法であって、それを必要としている患者に有効量の請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを含む方法。
【請求項70】
請求項30、31、33〜35、40〜42および45〜49のいずれか1項に記載の任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項71】
請求項32、36〜39、43および44のいずれか1項に記載の任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ。
【請求項72】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、請求項30、31、33〜35、40〜42および45〜49のいずれか1項に記載の任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物。
【請求項73】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、請求項32、36〜39、43および44のいずれか1項に記載の任意の疾患または病気の予防または治療に使用される、請求項32に記載の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグである医薬組成物。
【請求項74】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および少なくとも2種の有効成分を含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬、α1アドレナリン受容体拮抗薬、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、請求項1〜27のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物または請求項32に記載の少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
【請求項75】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分の組み合わせを含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬およびα1アドレナリン受容体拮抗薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、請求項1〜27のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物または請求項32に記載の少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
【請求項76】
薬理学的に許容される希釈剤または担体および有効成分の組み合わせを含む医薬組成物であって、前記有効成分が、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル活性化剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物と共に、請求項1〜27のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物または請求項32に記載の少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物。
【請求項77】
下部尿路疾患の予防または治療のための薬剤の製造における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物または請求項32に記載の少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびにムスカリン受容体拮抗薬、β3アドレナリン受容体作動薬、ニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、5−HT拮抗薬およびα1アドレナリン受容体拮抗薬からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項78】
疼痛の予防または治療のための薬剤の製造における、請求項1〜27のいずれか1項に記載の少なくとも1種の化合物または請求項32に記載の少なくとも1種の式(Ia)の化合物またはその薬理学的に許容される塩もしくはプロドラッグ、ならびにニューロキニンK受容体拮抗薬、バニロイドVR1作動薬、カルシウムチャネルα2δリガンド、カリウムチャネル阻害剤、カルシウムチャネル阻害剤、ナトリウムチャネル遮断薬、セトロニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)、三環系抗うつ薬、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、カンナビノイド受容体作動薬、抗けいれん薬、アルドース還元酵素阻害剤、オピオイド、αアドレナリン受容体作動薬、P2X受容体拮抗薬、酸感受性イオンチャネル調節剤、NGF受容体調節剤、ニコチン性アセチルコリン受容体調節剤、シナプス小胞タンパク質2Aリガンドおよび非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)からなる群から選択される少なくとも1種の化合物の使用。
【請求項79】
請求項30〜49に記載の任意の疾患または病気の予防または治療のための、請求項74〜76のいずれか1項に記載の医薬組成物。

【公表番号】特表2011−529037(P2011−529037A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−519241(P2011−519241)
【出願日】平成21年7月20日(2009.7.20)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050887
【国際公開番号】WO2010/010380
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(511015939)ラモット アット テル アビブ ユニバーシティ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】