説明

カリウムチャンネルインヒビター

本発明は、心不整脈などを治療するカリウムチャンネルインヒビターとして有用な構造(I)を有しているピリジン置換エタノール化合物およびその誘導体に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は広義にはカリウムチャンネルインヒビターとして有用な化合物に関する。このクラスの化合物は心不整脈などを治療および予防するKv1.5アンタゴニストとして有用であろう。
【背景技術】
【0002】
心房細動(AF)は臨床実態のもっとも多い持続性心不整脈であり、人口の高齢化に伴って罹病率が増加する傾向にある。AFは、命にかかわることはめったにないけれども、心機能を損傷し、うっ血性心不全、血栓塞栓症または心室細動の発症のような合併症につながる。
【0003】
現行の可用な抗不整脈薬は心室および心房/上室の不整脈を治療するために開発されたものである。悪性の心室不整脈は生命の危機に直結し、緊急な対応が必要である。心室不整脈の薬物療法は、クラスIa(例えば、プロカインアミド、キニジン)、クラスIc(例えば、フレカイニド、プロパフェノン)、および、クラスIII(アミオダロン)の薬剤を含むが、これらの薬剤には有意な催不整脈の危険がある。クラスIおよびIIIのこれらの薬剤は、AFを洞律動に転換しAFの再発を防止することを示したが(Mounsey,JP,DiMarco,JP,Circulation,102:2665−2670)、死に至る可能性のある心室催不整脈という容認できない危険をもたらし、これによって死亡率は高まるであろう(Pratt,CM,Moye,LA,Am J.Cardiol,55:20B−29B,1990;Waldoら,Lancet,348:7−12,1996;Torp−Pedersenら,Expert Opin.Invest.Drugs,9:2695−2704,2000)。これらの所見は、心房不整脈を治療するためのより安全でより有効な薬剤の開発という医学界の要望がいまだ満たされていないことをはっきりと示す。クラスIIIの抗不整脈薬は心伝導または心収縮の機能を有意に低下させずにAPDの選択的延長を引き起こす。心房細動への臨床使用が認可された唯一の選択的クラスIII薬剤はドフェチリドであり、この薬剤は、ヒトの心房および心室の双方に見出されるIの高速活動成分であるIKrを遮断することによってその抗不整脈効果を発揮する。(Mounsey,JP,DiMarco,JP,Circulation,102:2665−2670)。IKrブロッカーは伝導自体に影響を及ぼすことなく心房および心室の双方でAPDおよび不応期を延長するので、理論的にはAFのような不整脈に有望な治療薬である(Torp−Pedersenら,Expert Opin.Invest.Drugs,9:2695−2704,2000)。しかしながらこれらの薬剤は、低心拍数で催不整脈の危険を増加させる傾向が顕著である。
【0004】
超高速の遅延整流性K電流IKurはヒトの心房で特定的に観察され心室では観察されなかった。ヒト心房におけるIKurの分子相関現象はKv1.5と命名されたカリウムチャンネルである。IKurはヒト心房の再分極に有意に寄与すると考えられている。
【0005】
従って、Kv1.5を遮断する化合物である特異的IKurブロッカーは、現行のクラスIII薬剤による治療中に観察される不整脈起動性後脱分極および後天性QT延長症候群の原因となる心室再分極の遅延を生じることなくヒト心房の再分極を遅延させて不応期を延長することによって他の化合物の欠点を克服するであろう。これらの特性を示すKv1.5ブロッカーは記載されている(Peukertら,J.Med.Chem.,46:486−498,2003;Knoblochら,Naunyn−Schmedieberg’s Arch.Pharmacol.366:482−287,2002;Merck & Co.,Inc.WO0224655,2002)。
【0006】
本発明に記載の化合物はKv1.5アンタゴニストである。
【発明の開示】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、Kv1.5カリウムチャンネルに拮抗作用する式I:
【化6】

の化合物に関する。
【0008】
本発明の化合物は、心不整脈などの治療および予防に有用である。式Iの化合物と医薬担体とを含む医薬配合物も本発明の範囲に包含される。
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、式I:
【化7】

の化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0010】
式中の、
AおよびLは、
1)アリール環、
2)ヘテロアリール環、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9または10員環の飽和または不飽和二環
から成るグループから選択される、
3)C−C10アルキル、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
4)C−C10シクロアルキル環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、並びに
5)N、OおよびSから成るグループから選択された1、2または3個のヘテロ原子環原子をもつ4から6員環の飽和複素環
から成るグループから独立に選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび飽和複素環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
Dは、
1)アリール環、または、
2)ヘテロアリール環、
であり、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子または窒素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9または10員環の飽和または不飽和二環
から成るグループから選択されており、
前記アリールまたはヘテロアリール環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるか、またはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
Eは、
1)アリール環、ここに安定なアリール環原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
2)ヘテロアリール環、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子または窒素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8−、9−または10員環の飽和または不飽和二環
から成るグループから選択される、
3)C−C10シクロアルキル環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、並びに
4)N、OおよびSから成るグループから選択された1、2または3個のヘテロ原子環原子をもつ4から6員環の飽和複素環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
から成るグループから選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび飽和複素環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
環Eの炭素または窒素環原子に結合したGは、
ハロゲン、
−C1−6アルキレン−L、
−CH(OH)−L、
−NH−L、
−N(C1−6アルキル)−L、
−NHC(O)NH−L、
−NH(C(O)C1−6アルキル)−L、
−O−L、
−O−C1−6アルキレン−L、
−C(O)−L、
−C(O)NH−L、
−C(O)N(C1−6アルキル)−L、
−C(O)NH(C1−6アルキレン)−L、
−C(O)N(C1−6アルキル)C1−6アルキレン−L、および、
−L
から成るグループから選択され、ここにC1−6アルキルおよびC1−6アルキレンは未置換であるかまたはハロゲンで置換されており、
Mは、O、NHおよびN(C1−6アルキル)から成るグループから選択され、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)複素環、
6)C−C10シクロアルキル、
7)OR、および、
8)CHOR
から成るグループから選択され、前記アルキル、アリール、複素環およびシクロアルキルは、未置換であるかまたはRから選択された少なくとも1つの置換基で置換されており、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR=C(R
6)C≡CR
7)(CROR
8)(CRN(R
9)(CRC(O)R
10)(CRC(O)OR
11)(CR
12)(CRS(O)
13)(CRS(O)N(R
14)OS(O)
15)N(R)C(O)R
16)N(R)S(O)
17)(CRN(R)R
18)(CRN(R)(CRC(O)N(R
19)(CRN(R)(CRC(O)OR
20)N(R)(CR
21)N(R)(CRN(R
22)(CRC(O)N(R
23)(CRC(O)NH(CR
24)(CRC(O)NHC(R(CRN(R、および、
25)C(O)NH(CR)(CR
から成るグループから選択され、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)未置換または置換C−Cアルキル、
3)未置換または置換C−C10シクロアルキル、
4)未置換または置換アリール、
5)未置換または置換複素環、
6)CF
7)未置換または置換C−Cアルケニル、および、
8)未置換または置換C−Cアルキニル
から成るグループから選択されるか、あるいは,RがRでジ置換された窒素原子に結合している場合にはRのおのおのが独立にC−Cアルキルから選択され、窒素原子が各Rと一緒になって環を形成しており、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)未置換または置換C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)オキソ、
5)OR
6)CF
7)未置換または置換アリール、
8)未置換または置換C−C10シクロアルキル、
9)未置換または置換複素環、
10)S(O)N(R
11)C(O)OR
12)C(O)R
13)CN、
14)C(O)N(R
15)N(R)C(O)R
16)N(R)C(O)OR
17)N(R)C(O)N(R
18)OC(O)N(R
19)S(O)
20)OS(O)
21)NO
22)N(R
23)SC(O)R、および、
24)N(R)S(O)
から成るグループから選択され、
mは独立に0、1または2であり、
nは出現毎に独立に、0、1、2、3、4、5または6から選択され、但し、MがN(C1−6アルキル)であるときはAがC1−10アルキルでない。
【0011】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の別の実施態様では、Aがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、該不飽和ヘテロアリール環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されている。
【0012】
この実施態様の好ましいグループでは、Aがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、該不飽和ヘテロアリール環が未置換である。
【0013】
この実施態様のより好ましいグループでは、Aが
【化8】

である。
【0014】
Aのこれらのサブセット中の他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0015】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の別の実施態様では、Dがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、該ヘテロアリール環が未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環まの安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されている。
【0016】
この実施態様の好ましいグループでは、Dがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、該ヘテロアリール環が未置換である。
【0017】
この実施態様のより好ましいグループでは、Dが
【化9】

である。
【0018】
Dのこれらのサブセット中の他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0019】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の別の実施態様では、Eが、
1)アリール環、および、
2)ヘテロアリール環
から成るグループから選択され、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子または窒素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環から成るグループから選択され、該アリールまたはヘテロアリール環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、可変要素Gは環炭素原子に結合しており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されている。
【0020】
この実施態様の好ましいグループでは、Eが、
1)アリール環、および、
2)ヘテロアリール環
から成るグループから選択され、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子または窒素原子であり、ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環から成るグループから選択され、該アリールまたはヘテロアリール環が未置換であり、可変要素Gは環炭素原子に結合している。
【0021】
この実施態様のより好ましいグループでは、E−Gが、
【化10】

から成るグループから選択される。
【0022】
EおよびE−Gのこれらのサブセット中の他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0023】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の別の実施態様では、Gが、
ハロゲン、
−NH−L、
−N(CH)−L、
−CH−L、
−CH(OH)−L、
−OCH−L、
−C(O)−L、
−C(O)N(CH)−L、
−C(O)N(CH)CH−L、
−C(O)NHCH−L、および、
−L
から成るグループから選択される。
【0024】
Gのこれらのサブセット中の他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0025】
式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩の別の実施態様では、Lが、
【化11】

から成るグループから選択される。
【0026】
Lのこれらのサブセット中の他のすべての可変要素は原定義と同義である。
【0027】
本発明の別の実施態様は、
1.2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン、
2.2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−メチルピリジン−3−アミン、
3.N−[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−アミン、
4.3−[(1,1−ビフェニル−2−イルオキシ)(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
5.[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル](フェニル)メタノン、
6.[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル](フェニル)メタノール、
7.3−[[2−(ベンジルオキシ)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
8.3−[(2−ベンジルフェノキシ)(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
9.2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチル−N−フェニルベンズアミド、
10.3−{ピリジン−3−イル[2−ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]メチル}ピリジン、
11.N−ベンジル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ベンズアミド、
12.N−ベンジル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチルベンズアミド、
13.3−[[2−(1−ナフチル)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
14.3−[[2−(2−ナフチル)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
15.N−シクロヘキシル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチルベンズアミド、
16.3−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−N,N−ジメチルベンズアミド、
17.4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、
18.N−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゼン−1,2−ジアミン、
19.1−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−1H−ベンズイミダゾール、
20.2−(4−クロロフェニル)−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン、
21.2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン、
22.4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル、
23.3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン、
24.3−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル、
25.3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン、および、
26.3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリジン
から成るグループから選択される化合物を含む。
【0028】
上記に列挙した化合物の構造を以下に示す:
【化12】


【0029】
本発明の化合物は、キラル中心、例えば、1つのキラル中心(2つの立体異性体(R)および(S)を与える)または2つのキラル中心(4つまでの立体異性体(R,R)、(S,S)、(R,S)および(S,R)を与える)を有し得る。本発明はすべての光学異性体およびそれらの混合物を包含する。具体的に異なる記述がなければ、1つの異性体に関する記述は可能な異性体のいずれにも通用する。異性体組成物が特定されていない場合には可能なすべての異性体が含まれる。
【0030】
式Iに定義した化合物の互変異性体も本発明の範囲に包含される。例えば、カルボニル− CHC(O)−基(ケト形)を含む化合物は互変異性化によってヒドロキシル−CH=C(OH)−基(エノール形)を形成し得る。ケト形およびエノール形の双方が本発明の範囲に包含される。
【0031】
さらに炭素−炭素二重結合をもつ化合物はZ−およびE−形で存在でき、化合物のすべての異性体形態が本発明に包含される。
【0032】
本発明の化合物はアトロプ異性体、すなわち、キラル回転異性体として存在し得る。本発明はラセミ化したおよび分割されたアトロプ異性体を包含する。
【0033】
上記に挙げた化合物は後述するKv1.5アッセイの1つ以上で有効である。
【0034】
本発明の別の実施態様は、Kv1.5の阻害に有効な量の式Iの化合物の投与を含む、Kv1.5阻害によってその治療または予防が達成または促進される哺乳動物の状態の治療または予防方法である。
【0035】
好ましい実施態様は、治療有効量の式Iの化合物の投与を含む、哺乳動物の心不整脈、例えば、心房細動、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍の治療または予防方法である。
【0036】
別の好ましい実施態様は、卒中のような血栓塞栓イベントの予防方法である。
【0037】
別の好ましい実施態様は、うっ血性心不全の予防方法である。
【0038】
別の好ましい実施態様は、本発明の化合物で患者を治療する段階を含む、心房細動がある患者に正常な洞律動状態を誘発する方法であり、該方法で誘発される律動は、患者と同様の体格的および年齢的特徴をもつ個人の正常な律動である。
【0039】
別の好ましい実施態様は、患者の頻拍(すなわち、毎分の拍動例えば100以上の高心拍数)の治療方法として、請求項1の化合物と組合せた頻拍治療デバイス(例えば、除細動器またはペースメーカー)で患者を治療することを含む方法である。
【0040】
本発明はまた、医薬的に許容される担体と式Iの化合物または医薬的に許容されるその結晶形もしくは水和物とを含む医薬配合物を包含する。好ましい実施態様は、第二薬剤をさらに含む式Iの化合物の医薬組成物である。
【0041】
略号の一覧
AAS 原子吸光分光法
AF 心房細動
ACE アンギオテンシン変換酵素
CHO チャイニーズハムスター卵巣
DMSO ジメチルスルホキシド
DMF ジメチルホルムアミド
EDTA エチレンジアミン四酢酸
EGTA エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸
FAAS 炎光原子吸光分光法
FBS ウシ胎仔血清
HBSS ハンクス平衡塩類溶液
HEPES N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LYS 溶解液
NMR 核磁気共鳴
NSAID 非ステロイド系抗炎症薬
PBS リン酸塩緩衝生理的食塩水
RMS 二乗平均平方根偏差
RT 室温
注釈がある場合を除いて本文中に使用した“アルキル”は、特定した数の炭素原子を有している分枝状および直鎖状の飽和脂肪族炭化水素をすべての異性体も含めて包含する。明細書全体を通じてアルキル基の常用の略号を使用し、例えば、メチルは“Me”またはCHで表し、エチルは“Et”またはCHCHで表し、プロピルは“Pr”またはCHCHCHで表し、ブチルは“Bu”またはCHCHCHCHで表す、などである。例えば“C1−6アルキル”(または“C−Cアルキル”)は、特定した数の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキル基を全ての異性体も含めて意味する。C1−6アルキルは、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体のすべてならびにn−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを包含する。“C1−4アルキル”は、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを意味する。“アルコキシ”という用語は、酸素ブリッジを介して結合した指定数の炭素原子を有している直鎖状または分枝状のアルキル基を表す。
【0042】
“アルケニル”という用語は、二重結合によって結合した少なくとも2つの炭素原子を含有する分枝状および直鎖状の不飽和炭化水素基を含む。アルケンエチレンは例えば“CHCH”あるいは“HC=CH”によって表される。例えば、“C2−5アルケニル”(または“C−Cアルケニル”)は、2から5個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状アルケニル基を意味しており、ペンテニル異性体のすべてならびに1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−プロペニル、2−プロペニルおよびエテニル(またはエチレニル)を含む。“C2−3アルケニル”のような類似の用語は同様の意味を有している。
【0043】
“アルキニル”という用語は、三重結合によって結合した少なくとも2つの炭素原子を含有する分枝状および直鎖状の不飽和炭化水素基を含む。アルキンアセチレンは例えば“CHCH”あるいは“HC≡CH”によって表される。例えば、“C2−5アルキニル”(または“C−Cアルキニル”)は、2から5個の炭素原子を有している直鎖状または分枝状アルキニル基を意味しており、ペンチニル異性体のすべてならびに1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−プロピニル、2−プロピニルおよびエチニル(またはアセチニル)を含む。“C2−3アルキニル”のような類似の用語は同様の意味を有している。
【0044】
“未置換の”だけまたは“置換された”だけのように他の具体的な注釈がなければ、アルキル、アルケニルおよびアルキニル基は未置換であるか、または、各炭素原子上の1から3個の置換基で置換されている。置換基は、ハロ、C1−20アルキル、CF、NH、−NH(C1−アルキル)、−N(C1−アルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C1−アルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C0−アルキル)S(O)0−2−、(C0−アルキル)S(O)0−2(C0−アルキル)−、(C0−アルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C1−アルキル)CF、(C0−アルキル)C(O)−、(C0−アルキル)OC(O)−、(C0−アルキル)O(C1−アルキル)−、(C0−アルキル)C(O)1−2(C0−アルキル)−、(C0−アルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルから選択される。
【0045】
“C0−6アルキル”のような表現中に使用した“C”という用語は、直接共有結合を意味する。同様に、1つの基中の原子の存在数を定義する整数がゼロに等しいとき、この用語は、その隣接原子が直接結合していることを意味する。例えば、構造
【化13】

において、sが0、1または2に等しい整数であるとき、sが0ならば構造は
【化14】

である。
【0046】
“C3−8シクロアルキル”(または“C−Cシクロアルキル”)という用語は、炭素原子総数3から8のシクロアルカン環を意味する(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)。“C3−7シクロアルキル”、“C3−6シクロアルキル”および“C5−7シクロアルキル”という用語は同様の意味を有している。
【0047】
“不飽和”という用語は、環に関して使用されたとき、最大数の非累積環二重結合を有している環を意味する。“飽和”という用語は、環に関して使用されたとき、部分飽和(少なくとも1つの環二重結合を有するが最大数の環二重結合よりも少ない)または完全飽和(環二重結合を全く有していない)の環を意味する。
【0048】
“ハロゲン”(または“ハロ”)という用語はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す(あるいは、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)と表す)。
【0049】
“C1−6ハロアルキル”(あるいは、“C−Cハロアルキル”または“ハロゲン化C−Cアルキル”と表す)は、1つ以上のハロゲン置換基をもつ上記に定義のCからCの直鎖状または分枝状アルキル基を意味する。“C1−4ハロアルキル”という用語は同様の意味を有している。“C1−6フルオロアルキル”という用語は、ハロゲン置換基がフルオロに限定される以外は同様の意味を有している。適当なフルオロアルキルは、(CH0−4CFシリーズ(すなわち、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピルなど)を含む。
【0050】
本文中に使用した“炭素環”という用語(および“炭素環式”または“カルボシクリル”のようなその変形)は、異なる指示がなければ、(i)CからCの単環式の飽和または不飽和環、または、(ii)CからC12の二環式の飽和または不飽和環系を表す。(ii)の環のおのおのは、他方の環から独立するかまたは他方の環に融合しており、各環は飽和または不飽和である。炭素環は安定な化合物を形成するいずれかの炭素で分子の残部に結合し得る。融合二環式炭素環は炭素環のサブセットである。すなわち、“融合二環式炭素環”という用語は一般に、各環が飽和または不飽和であり、環系の各環が隣合う2つの炭素原子を共有しているCからC10の二環式環系を表す。一方の環が飽和し他方が飽和している融合二環式炭素環は飽和二環式環系である。一方の環がベンゼンで他方が飽和している融合二環式炭素環は不飽和二環式環系である。一方の環がベンゼンで他方が不飽和の融合二環式炭素環は不飽和環系である。飽和炭素環はシクロアルキル環と表すこともでき、例えば、シクロプロピル、シクロブチルなどがある。異なる注釈がなければ、炭素環は未置換であるかまたはC1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキニル、アリール、ハロゲン、NHもしくはOHで置換されている。融合二環式炭素環のサブセットは、一方の環がベンゼン環で他方の環が飽和または不飽和であり、2つの環が安定な化合物を形成するいずれかの炭素を介して結合した二環式炭素環である。このサブセットの代表例は以下を含む。
【0051】
【化15】

【0052】
“アリール”という用語は、芳香族モノ−およびポリ−炭素環式環系を表し、多環系の個々の炭素環は単結合を介して互いに融合または結合している。適当なアリール基はフェニル、ナフチルおよびビフェニレニルを含む。
【0053】
“複素環”という用語(および“複素環式”または“ヘテロシクリル”のようなその変形)は広義には、(i)安定な4−から8−員環の飽和または不飽和の単環式環、または、(ii)安定な7−から12−員環の二環式環系を表す。(ii)の各環は架橋、融合またはスピロシクリックであり、独立に飽和または不飽和であり、単環式環または二環式環系が、N、OおよびSから選択された1つ以上のヘテロ原子(たとえば、1から6個のヘテロ原子または1から4個のヘテロ原子)と、バランス数の炭素原子とを含有する(単環式環は典型的には少なくとも1つの炭素原子を有しており環系は典型的には少なくとも2個の炭素原子を有している)。ヘテロ原子である窒素およびイオウの1つ以上は場合により酸化されており、窒素ヘテロ原子の1つ以上は場合により第四級化されている。複素環は、結合によって安定な構造を形成できるヘテロ原子または炭素原子のいずれかに結合できる。複素環が置換基を有するとき、置換基は、安定な化学構造を形成できるならばヘテロ原子であるか炭素原子であるかを問わず環のいずれかの原子に結合できると理解される。
【0054】
“未置換の”だけまたは“置換された”だけのように具体的に他の注釈がなければ、シクロアルキル、アリールおよび複素環基は未置換であるかまたは置換されている。本文中に使用した“置換C−C10シクロアルキル”、“置換アリール”および“置換複素環”という用語は、化合物の残部への結合点以外に1から4個の置換基を有している環状基を含意する。好ましくは置換基が、非限定的にハロ、C−C20アルキル、CF、NH、−NH(C−Cアルキル)、−N(C−Cアルキル)、NO、オキソ、CN、N、−OH、−O(C−Cアルキル)、C−C10シクロアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、(C−Cアルキル)−S(O)0−2−、アリール−S(O)0−2−、(C−Cアルキル)S(O)0−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)NH−、HN−C(NH)−、−O(C−Cアルキル)CF、(C−Cアルキル)C(O)−、(C−Cアルキル)OC(O)−、(C−Cアルキル)O(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)C(O)1−2(C−Cアルキル)−、(C−Cアルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール、シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルを含むグループから選択される。
【0055】
飽和複素環系は、複素環の1つのサブセットを形成する。すなわち、“飽和複素環式”という用語は一般に、環系(単環式または多環式)が飽和している上記に定義の複素環を表す。“飽和複素環”という用語は、4から8員環の飽和単環式環、または、安定な7から12員環の二環式環系を表し、炭素原子とN、OおよびSから選択された1つ以上のヘテロ原子から構成されている。代表例は、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、インドリル、テトラヒドロキノリニル、ベンズオキサジニル、テトラヒドロキノキサリニル、ベンゾジオキシニル、ジアザスピロ[4.4]ノナニル、ピペラジノンおよびテトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)を含む。
【0056】
ヘテロ芳香族系は複素環の別のサブセットを形成する。すなわち、“ヘテロ芳香族”(あるいは“ヘテロアリール”)という用語は一般に、全環系(単環式または多環式)が芳香環系である上記に定義の複素環を表す。“ヘテロ芳香環”という用語は、5もしくは6員環の単環式芳香環または7から12員環の二環系を表し、炭素原子とN、OおよびSから選択された1つ以上のヘテロ原子とから構成されている。少なくとも1つの窒素原子を含有する置換ヘテロアリール環の場合(例えば、ピリジン)、このような置換基がN−オキシドを形成してもよい。ヘテロ芳香環の代表例は、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チエニル(またはチオフェニル)、チアゾリル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリルおよびチアジアゾリルを含む。
【0057】
二環式複素環の代表例は、ベンゾトリアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、テトラヒドロキノリニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ピリジノン、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニル(すなわち
【化16】

)、イミダゾ(2,1−b)(1,3)チアゾール(すなわち
【化17】

)、および、ベンゾ−1,3−ジオキソリル(すなわち
【化18】

)を含む。あるいは、本文中のいくつかの文脈で
【化19】

は、隣り合う2つの炭素原子に結合したメチレンジオキシを置換基として有するフェニルと表される。
【0058】
明白な否定の記述がなければ、“飽和”環は部分飽和環または完全飽和環である。例えば、“飽和単環式C炭素環”はシクロヘキサンを表す。
【0059】
明白な否定の記述がなければ、本文中に引用したすべての範囲は両端値を含む。例えば、“1から4個のヘテロ原子”を含有すると記述された複素環は、複素環が1、2、3または4個のヘテロ原子を含有できることを意味する。
【0060】
本発明の化合物を図示および記述するいずれかの成分またはいずれかの式中にいずれかの可変要素が2回以上出現する場合、出現毎のその定義は他の出現毎のその定義から独立している。また、置換基および/または可変要素の組合せは、このような組合せが安定な化合物を形成するときに限って許容される。
【0061】
“置換された”という用語(例えば、“1つ以上の置換基で場合により置換されたアリール”)は、単置換および多置換(同一部位の多置換を含む)が化学的に許容される範囲内の指定置換基によるモノ置換およびポリ置換を含む。
【0062】
N−オキシド部分例えばピリジルN−オキシド部分を有している本発明の化合物中でN−オキシド部分は慣用の表示法を使用して構造的に図示される。例えばピリジル−N−オキシド部分は構造的に
【化20】

として表され、双方は等価の意味を有している。
【0063】
反復項例えば(CR[式中、rは整数2であり、Rは定義された可変要素であり、Rは定義された可変要素である]を有する項を含む可変定義の場合,Rの意味は出現毎に異なってもよく、Rの意味は出現毎に異なってもよい。例えば、RおよびRがメチル、エチル、プロピルおよびブチルから成るグループから独立に選択される場合、(CR
【化21】

であり得る。
【0064】
医薬的に許容される塩は金属(無機)塩および有機塩の双方を含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th Edition,pg.1418(1985)にこれらの塩のリストが与えられている。物理的および化学的安定性、流動性、吸湿性および溶解性に基づいて適切な塩の形態が選択されることは当業者に公知である。医薬的に許容される塩が非限定的に、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩のような無機酸の塩、または、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩またはパルモエート、サリチル酸塩およびステアリン酸塩のような有機酸の塩を含むことは当業者に理解されよう。同じく医薬的に許容されるカチオンは非限定的に、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウム(特に第二級アミンとのアンモニウム塩)を含む。上記に挙げた理由から本発明の好ましい塩は、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびアンモニウムの塩を含む。また、式Iの化合物の結晶形、水和物および溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
【0065】
本発明の化合物の製造方法を以下のスキームおよび実施例に示す。他の合成プロトコルは当業者にきわめて明らかであろう。スキームおよび実施例は式Iの化合物の製造例であり、特許請求の範囲に記載の本発明がこれらに限定されると解釈してはならない。以下に記載の実施例は本発明の別の実施態様を含む。
【0066】
【化22】

【0067】
A、D、EおよびGは上記の定義と同義である。
【実施例1】
【0068】
【化23】

【0069】
3−(2.3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−メチルピリジン−3−アミン(1−3)
4−(3−クロロピリジン−2−イル)−3−4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(1−1)の製造
無水ジオキサン(3mL)中の3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(198mg,1.47mmol)の溶液に、60%水素化ナトリウム/鉱油(90mg,2.25mmol)を添加し、周囲温度で15分間撹拌した。次に2,3−ジクロロピリジン(264mg,1.78mmol)を添加し、混合物を80℃に加温した。ベンゾキサジンが完全になくなるまで24時間超を要して定期的にNaHを少量ずつ(〜10mg)および追加量の90mgの2,3−ジクロロピリジンを添加した。冷却し、酢酸エチルで希釈し、酢酸で中和し、次に、NaHCO溶液次いで水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。10−15%アセトン/ヘキサン勾配で溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによってこの残渣を精製すると標題化合物が粘性油として生成し、ゆっくりと凝固した(168mg,46%収率)。H−NMR(500MHz,CDCl):δ8.35(1H,d,J=4.6Hz),7.74(1H,d,J=8.1Hz),7.05(1H,dd,J=4.7,8.0Hz),6.90(1H,d,J=7.4Hz),6.83(1H,t,J=7.3Hz),6.75(1H,t,J=7.3Hz),6.55(1H,d,J=7.8Hz),4.39(2H,t,J=4.3),3.84(2H,t,J=4.Hz)。m/e(m+1):247.0。
【0070】
[2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン(1−2)の製造
無水ジオキサン(1.5mL)中の(ジピリジン−3−イルメチル)アミン(139mg,0.75mmol) ドイツ特許DE 2447258(1976)の手順に従って製造)および4−(3−クロロピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(183mg,0.75mmol)の溶液に、ナトリウムt−ブトキシド(91mg,0.95mmol)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(30mg,0.058mmol)を添加した。容器を隔壁キャップでシールし、ガス抜きし(3×)、100℃で8時間加熱した。反応混合物を冷却し、メチレンクロリドで希釈し、NaHCO溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。20−90%アセトン/ヘキサン勾配で溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が透明ガラスとして得られた。H−NMR(500MHz,CDCl):δ8.60(2H,s),8.56(2H,d,J=4.4Hz),7.91(1H,d,J=4.6Hz),7.54(1H,d,J=7.8Hz),7.26(1H,t,J=7.5Hz),6.97(1H,ddJ=4.6,7.8Hz),6.87(1H,d,J=7.8Hz),6.77−6.81(3H,m),6.37(1H,d,J=7.6Hz),5.57(1H,d,J=4.4Hz),4.77(1H,d,J=4.1Hz),4.40(2H,t,J=4.4Hz),3.76(2H,br s)。m/e(m+1):396.2。
【0071】
2−(2.3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−メチルピリジン−3−アミン(1−3)の製造
無水DMF(1.5mL)中の2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン(82mg,0.207mmol)の溶液に60%水素化ナトリウム/鉱油(16mg,0.40mmol)を添加し、室温で15分間撹拌した。1時間超でヨウ化メチル(3滴)を添加した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、酢酸で中和し、水洗した(3×)。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。20−90%アセトン/ヘキサン勾配で溶出させるシリカゲルクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が白色固体として得られた。H−NMR(500MHz,CDCl):δ8.50(2H,d,J=4.6Hz),8.19(2H,s),8.16(1H,d,J=4.4Hz),7.25(2H,d,J=6.4Hz),7.15−7.17(2H,m),7.01(2H,m),6.75−6.84(4H,m),6.57(1H,d,J=7.8Hz),6.01(1H,s),4.16(2H,t,J=4.4Hz),3.86(2H,t,J=4.4Hz),2.53(3H,s)。m/e(m+1):410.2。
【0072】
【化24】

【0073】
xはハロゲンである。
A、D、EおよびGは上記と同義である。
【実施例2】
【0074】
【化25】

【0075】
2−ブロモ−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン(2−2)
0℃でDMF(10mL)中の2−ブロモ−3−ヒドロキシピリジン(0.90g,5.18mmol)および3−[クロロ(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン(2−1)(0.82g,3.99mmol)の溶液にCsCO(1.95g,5.98mmol)を添加した。混合物を一夜撹拌し、水(100mL)に注ぎ、EtOAc(3×100mL)で抽出した。集めた有機層を乾燥し、濾過し、濃縮して固体とした。シリカゲルクロマトグラフィー(3%MeOH/CHCl)によって固体を精製すると、2−ブロモ−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン(2−2)が得られた。LRMS m/z(M+H)計算値:343.2、測定値:343.0。
【0076】
4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(2−3)
無水ジオキサン(5mL)中の2−ブロモ−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン(150mg,0.438mmol)および3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(59mg,0.438mmol)の溶液にナトリウムt−ブトキシド(63mg,0.658mmol)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(22mg,0.044mmol)を添加した。混合物を100℃で6時間加熱した。反応混合物を冷却し、水で希釈し、メチレンクロリドで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を蒸発させた。シリカゲルクロマトグラフィー(3−5%MeOH/CHCl)によって残渣を精製すると、4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン(2−3)が得られた。LRMS m/z(M+H)計算値:397.5、測定値:397.1。
【0077】
以下に記載の方法を使用して本発明の代表的化合物を評価し、本発明の化合物がKv1.5アッセイで活性を示すことを知見し、Kv1.5インヒビターおよび抗不整脈薬として効用を有することを証明および確認した。この種の化合物は前進的速度依存性を示し、脱分極速度または心拍数が増加したときに外向きK電流をほとんどまたは優先的に遮断する。このような化合物は後述するような電気生理学試験で同定できる。例えば、1Hzおよび3Hzの周波数で送出される脱分極パルス列中で、3Hzの10秒パルス列中に観察される遮断の量が1Hzで観察される遮断の量よりも多いならば、遮断は“速度依存性”である。Kv1.5ブロッカーはまた、外向きK電流の遮断が使用量に伴ってまたは心臓細胞の反復的脱分極中に増加する使用量依存性を示す。遮断の使用量依存性は大抵は、所与の速度または周波数のパルス列またはパルスシーケンス中の連続する各脱分極と共に生じる。例えば、1Hzの周波数の10の脱分極パルス列中で、列の10番目のパルスの遮断の量が列の最初のパルスの遮断の量よりも多いならば、遮断は“使用量依存性”である。Kv1.5ブロッカーは使用量依存性および速度依存性の双方を示す。
【0078】
Kv1.5ブロッカーはまた、ヒト、ラット、マウス、イヌ、サル、フェレット、ウサギ、モルモットまたはヤギを非限定的に含む様々な種の心筋細胞または他の組織を使用する先天性IKurの電気生理学試験によって同定し得る。先天性組織中のKv1.5はホモオリゴマーとしてもしくは他のKvファミリー構成員とのヘテロオリゴマーとして存在するか、または、β−サブユニットとの複合体として存在し得る。本発明の化合物はKv1.5ホモ−もしくはヘテロ−オリゴマーまたはβ−サブユニットとの複合体中のKv1.5を遮断し得る。
【0079】
Kv1.5アッセイ
高スループットKv1.5プレーナパッチクランプアッセイは組織的一次スクリーンである。このアッセイは、Kv1.5カリウムチャンネルに特異的に影響を与える薬剤の活性を確認しその効力の機能測定値を与える。Kissら(Assay and Drug Dev.Tech.,1(1−2):127−135,2003)およびSchroederら(J.of Biomol.Screen.,8(1);50−64,2003)は、Kv1.5ならびに他の電位依存性イオンチャンネルにこの計器を使用することを記載している。
【0080】
ヒトKv1.5カリウムチャンネルアルファサブユニットを安定に発現しているヒト心臓からクローニングしたチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)を、10%のFBS、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、1000μg/mlのG−418スルフェートを補充したハムのF12培地で90−100%の単層集密状態まで増殖させる。細胞をVerseneで処理することによって継代培養し、次いでリン酸塩緩衝生理的食塩水(PBS)に浮遊させ、遠心分離する。細胞ペレットをPBSに再浮遊させ、得られた浮遊液をIon WorksTM HT instrumentの細胞貯蔵庫に入れる。
【0081】
電気生理学記録は、100mMのK−グルコネート、40mMのKCl、3.2mMのMgCl、3mMのEGTA、5mMのN−2−ヒドロキシルエチルピペラジン−N’−2−エタンスルホン酸(HEPES)を含有するpH7.3に調整した細胞内溶液で行う。アンホテリシン(Sigma)は30mg/mlの予製液として調製し、内部バッファ溶液で0.1mg/mlの最終使用濃度に希釈する。外部溶液は、ダルベッコのPBS(Invitrogen)であり、0.90mMのCaCl、2.67mMのKCl、1.47mMのKPO、0.50mMのMgCl、138mMのNaCl、8.10mMのNaPOを含有し、pH7.4を有している。全部の化合物はDMSO中10mM予製液として調製する。化合物を外部バッファで希釈し、次いで薬剤プレートから実験中のパッチプレートに移す(最終DMSO濃度<0.66容量%)。
【0082】
Kvl.5イオン電流は室温で記録する。膜電流を増幅し(RMS〜10pA)、10kHzでサンプリングする。全部の実験で、漏れコンダクタンスを測定するために試験パルスの200ms前に160msの超分極(10mV)プレパルスを印加することによって漏洩消去を行った。
パッチクランプ刺激は以下のプロトコルで行う。
1.パッチプレートウェルに3.5μLの外部バッファを充填する。
2.プレーナマイクロピペットのホール抵抗(Rp)を、各ホールに10mV、160ms電位差を印加することによって測定する(ホールテスト)。
3.細胞をピペットでパッチプレートに注入し、各パッチプレートウェルの底部に1−2μm孔との間に高抵抗シールを形成する。シールを形成した細胞を有するパッチプレートウェルの数を測定するためにシールテストスキャンを行う。
4.細胞への電気アクセスを得るために、アンホテリシンを含有する細胞内溶液をパッチプレートの底部側に4分間循環させる。
5.パッチプレートの各ウェルに化合物添加前のテストパルスを印加する。プロトコルは以下の通りとする。細胞を−80mVの膜保持電位で15秒間電圧クランプする。この後に5Hz刺激パルス列を(+40mVまでの150ms脱分極×27回)印加する。+40mVまでの膜電位ステップは外向き(正の)イオン電流を誘発する。
6.パッチプレートの各ウェルに化合物を加える。化合物を5分間インキュベートする。
7.化合物添加後テストパルスのプロトコルを行う。プロトコルは以下の通りとする。細胞を−80mVの膜保持電位で15秒間電圧クランプする。この後に5Hz刺激パルス列を(+40mVまでの150ms脱分極×27回)印加する。
【0083】
データ解析はオフラインで行う。薬剤添加前および薬剤添加後の対比較を使用して各化合物の阻害効果を決定する。+40mVまでの(5Hzのパルス列中の)27回目の脱分極パルス中のピーク対照電流の阻害%をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットする。電流を50%阻害するために要した薬剤の濃度(IC50)は、濃度応答データにヒルの式を当てはめることによって算定する:
対照の%=100×(1+([薬剤]/IC50−1
【0084】
各細胞について4つの測定数値を得る:
1)シール抵抗
2)ベースライン測定値(+40mVまでの最初の脱分極パルス前の5から45ms間の−70mVの平均電流)
3)電流増加測定値(+40mVまでの最初の脱分極パルス中の化合物添加前平均電流振幅から+40mVまでの27回目の脱分極パルス中の化合物添加前平均電流振幅を減算した値)
4)ピーク電流(+40mVまでの5Hzパルス列中の27回目の脱分極パルス中の最大電流振幅)。
【0085】
すべての測定値は化合物添加前および添加後の追跡中に得られる。以下の値を示した細胞は以後の分析から除外する:
1)シール抵抗が<50MΩである。
2)化合物添加前のベースライン測定値が>+/−100pAである。
3)電流増加測定値が>−0.2nAである。
4)読取り前ピーク測定値が<400pAである。
【0086】
前出の表に挙げた化合物は上述の高スループットKv1.5プレーナパッチクランプアッセイで33μM以下の濃度で≧20%阻害を与える。
【0087】
本発明の化合物は、本発明の対象となる障害、疾患および疾病を治療または予防するために、有効成分化合物を温血動物の体内の作用部位に接触させるいずれかの手段によって投与できる。投与は例えば経口、経皮を含む外用、眼内、口腔内、鼻腔内、吸入、膣内、直腸内、槽内および非経口でよい。本文中に使用した“非経口”という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、関節内の注射または注入、胸骨内および腹腔内を含む投与モードを表す。
【0088】
化合物は、医薬品に関連して可用ないずれかの慣用手段によって個別治療薬または合一治療薬として投与できる。化合物は単独で投与することもできるが、一般には選択投与経路および標準製薬行為に基づいて選択された医薬担体と共に投与される。
【0089】
この開示において温血動物は恒常機構を有している動物界の構成員であり、哺乳類および鳥類を含む。
【0090】
投与される用量は、レシピエントの年齢、健康および体重、疾患の程度、併用治療があればその種類、投与頻度および望まれる効果の種類により異なる。一般的に、有効成分化合物の1日用量は約1から500mg/日であろう。普通には、1回以上で使用される10から100mg/日の用量が所望結果を得るために効果的であろう。これらの用量は、上記の障害、疾患および疾病、例えば、心房細動、心房粗動、心房不整脈および上室性頻拍のような心不整脈、卒中およびうっ血性心不全のような血栓塞栓イベント、免疫調節異常のような自己免疫疾患、ならびに、心不全特に拡張期機能低下によって生じる心不全の治療および予防に有効な量である。
【0091】
免疫調節異常は、全身性ループス・エリテマトーデス、慢性リウマトイド関節炎、I型およびII型真性糖尿病、炎症性腸疾患、胆汁性肝硬変、ブドウ膜炎、多発性硬化症を含む様々な種類の自己免疫性および慢性炎症性疾患、ならびに、クローン病、潰瘍性大腸炎、水疱性類天疱瘡、サルコイドーシス、乾癬、魚鱗癬、グレーヴス眼病および喘息のような他の障害に存在する。本発明の化合物はこれらの免疫調節異常のような自己免疫障害の治療および予防に有用である。
【0092】
本発明はまた、心不整脈または血栓塞栓イベントのようなKv1.5阻害によって治療効果が得られるかまたは治療が促進される哺乳動物の状態を治療する医薬を製造するための本発明の化合物の使用を含む。本発明はまた、心不整脈または血栓塞栓イベントのようなKv1.5阻害によって治療効果が得られるかまたは治療が促進される哺乳動物の状態を予防する医薬を製造するための本発明の化合物の使用を含む。
【0093】
有効成分は、カプセル、錠剤、トローチ剤、糖衣錠、顆粒および散剤のような固体剤形、または、エリキシル剤、シロップ、エマルション、分散液および懸濁液のような液体剤形で経口投与できる。有効成分はまた、分散液、懸濁液または溶液のような滅菌液体剤形で非経口投与できる。有効成分を投与するために、外用投与用の軟膏、クリーム、滴剤、経皮貼付薬もしくは粉末、眼内投与用の眼科溶液もしくは懸濁液すなわち点眼剤、、吸入もしくは鼻腔内投与用のエアゾールスプレーまたは粉末組成物、または、直腸内もしくは膣内投与用のクリーム、軟膏、スプレーもしくは座薬のような他の剤形も使用できる。
【0094】
ゼラチンカプセルは、有効成分と、乳糖、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などのような粉末状担体とを含有する。圧縮錠剤の製造にも同様の希釈剤を使用できる。錠剤およびカプセル剤の双方は、数時間にわたって医薬を連続放出する持続放出製品として製造できる。圧縮錠剤は、不快な味を隠蔽しまた錠剤を外気から保護するために糖コーティングもしくはフィルムコーティングされてもよくまたは胃腸管で選択的崩壊を生じるように腸溶コーティングされてもよい。
【0095】
経口投与用の液体剤形は患者が受け容れ易いように着色料および香味料を含有できる。
【0096】
一般に、水、適当な油、生理的食塩水、水性デキストロース(グルコース)および類縁の糖溶液ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールのようなグリコール類が非経口溶液の適当な担体である。非経口投与用の溶液は好ましくは、有効成分の水溶性塩、適当な安定化剤および必要ならば緩衝物質を含有している。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸のような抗酸化剤は単独でまたは組合せて適当な安定化剤である。また、クエン酸およびその塩、EDTAナトリウムも使用される。非経口溶液はさらに、ベンズアルコニウムクロリド、メチル−またはプロピルパラベンおよびクロロブタノールのような保存料を含有できる。
【0097】
適当な医薬担体は、この分野の標準参考書であるRemington’s Pharmaceutical Sciences,A.Osolに記載されている。
【0098】
吸入によって投与するためには、加圧パックまたはネブライザーから送出されるエアゾールスプレーの形態で本発明の化合物を送達するのが便利である。また配合可能粉末として化合物を送達し、粉末組成物を吹入粉末吸入器を用いて吸入してもよい。好ましい吸入用送達システムは計量吸入(MDI)エアゾールであり、これは、式Iの化合物がフルオロカーボンまたは炭化水素のような適切な噴射剤中の懸濁液または溶液として製剤化することができる。
【0099】
眼内投与される眼科用製剤は、式Iの化合物を適切な眼科用ビヒクル中の適切な重量パーセント溶液または懸濁液として配合し、化合物が眼球表面に十分に長時間接触して化合物が目の角膜領域および内方領域に浸透できるように調製する。
【0100】
本発明の化合物の投与に有用な医薬剤形は非限定的に、硬質および軟質ゼラチンカプセル、錠剤、非経口注射剤および経口懸濁液を含む。
【0101】
標準二分割型硬質ゼラチンカプセルのおのおのに100mgの粉末状有効成分、150mgの乳糖、50mgのセルロース及び6mgのステアリン酸マグネシウムを充填することによって多数の単位カプセル剤を調製する。
【0102】
ダイズ油、綿実油またはオリーブ油のような消化性油中の有効成分を加えた混合物を調製し、容量形ポンプを用いてゼラチンに注入し、100mgの有効成分を含有する軟質ゼラチンカプセルを形成する。カプセルを洗浄し乾燥する。
【0103】
100mgの有効成分、0.2mgのコロイド状二酸化ケイ素、5mgのステアリン酸マグネシウム、275mgの微晶質セルロース、11mgのデンプンと98.8mgの乳糖を含有する用量単位となるように慣用の手順に従って多数の錠剤を調製する。
口当たりをよくするため又は吸収を遅らせるために適切なコーティングを施してもよい。
【0104】
注射による投与に適した非経口組成物は、1.5重量%の有効成分を10容量%のプロピレングリコール中で撹拌することによって調製する。溶液に水を加えて注射に適した容量とし、滅菌する。
【0105】
経口投与用の水性懸濁液は、各5mLが100mgの微細分割有効成分、100mgのカルボキシメチルセルロースナトリウム、5mgの安息香酸ナトリウム、1.0gのU.S.P.ソルビトール溶液及び0.025mLのバニリンを含有するように調製する。
【0106】
本発明の組成物を別の治療薬と順次進行でまたは同時進行で投与するときにも一般的に同じ剤形を使用できる。薬剤を物理的統合形態で投与するとき、剤形および投与経路は、統合薬剤の適合性に従って選択しなければならない。従って、同時投与という用語は、2種類の薬剤の同時または順次の投与、あるいは、定量統合形態の2種類の有効化合物の投与を含むと理解される。
【0107】
本発明の化合物は、単独有効成分として投与することもでき、または、第二有効成分と併用で投与することもできる。第二有効成分としては、キニジン、プロパフェノン、アンバシリド、アミオダロン、フレカイニド、ソタロール、ブレチリウム、ドフェチリド、アルモカラント、ベプリジル、クロフィリウムのようなKv1.5遮断活性を有している他の抗不整脈薬、クロトリマゾール、ケトコナゾール、ブピバカイン、エリスロマイシン、ベラパミル、ニフェジピン、ザテブラジン、ビスインドリルマレイミドのようなKv1.5阻害活性を有している他の化合物、または、他の心血管薬例えば非限定的にベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリルエルブミン、キナプリル、ラミプリルおよびトランドラプリルのようなACEインヒビター、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンのようなアンギオテンシンIIアンタゴニスト、ジゴキシンのような強心性配糖体、L−型カルシウムチャンネルブロッカー、T−型カルシウムチャンネルブロッカー、選択的および非選択的ベータブロッカー、免疫抑制化合物、エンドテリンアンタゴニスト、トロンビンインヒビター、アスピリン、ナプロキセンのようなアスピリン以外の非選択的NSAID類、ワルファリン、Xa因子インヒビター、低分子量ヘパリン、未分画ヘパリン、クロポドグレル、チクロピジン、チロフィバンのようなIIb/IIIa受容体アンタゴニスト、5HT受容体アンタゴニスト、インテグリン受容体アンタゴニスト、トロンボキサン受容体アンタゴニスト、TAFIインヒビター、P2T受容体アンタゴニストが含まれる。本発明の化合物はまた、単独有効成分として、または、ペースメーカーもしくは除細動器と併用して投与できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、
AおよびLは、
1)アリール環、
2)ヘテロアリール環、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9または10員環の飽和または不飽和二環
から成るグループから選択される、
3)C−C10アルキル、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
4)C−C10シクロアルキル環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、並びに
5)N、OおよびSから成るグループから選択された1、2または3個のヘテロ原子環原子をもつ4から6員環の飽和複素環
から成るグループから独立に選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび飽和複素環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリールまたは複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
Dは、
1)アリール環、または、
2)ヘテロアリール環、
であり、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子または窒素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9または10員環の飽和または不飽和二環
から成るグループから選択されており、
前記アリールまたはヘテロアリール環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるか、またはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
Eは、
1)アリール環、ここに安定なアリール環原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
2)ヘテロアリール環、ここに、ヘテロアリール環との結合点は炭素原子または窒素原子であり、前記ヘテロアリール環は、
a)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ5員環の不飽和単環、
b)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ6員環の不飽和単環、および、
c)N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子環原子をもつ8、9または10員環の飽和または不飽和二環から成るグループから選択される、
3)C−C10シクロアルキル環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、並びに
4)N、OおよびSから成るグループから選択された1、2または3個のヘテロ原子環原子をもつ4から6員環の飽和複素環、ここに安定な原子は独立して未置換であるかまたはRから選択された基で置換されている、
から成るグループから選択され、
前記アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルおよび飽和複素環は未置換であるかまたはRでモノ置換されるか、Rから独立に選択された基でジ置換されるか、Rから独立に選択された基でトリ置換されるかまたはRから独立に選択された基でテトラ置換されており、ヘテロアリール環または複素環の安定なSまたはN原子は未置換であるかまたはオキソで置換されており、
環Eの炭素または窒素環原子に結合したGは、
ハロゲン、
−C1−6アルキレン−L、
−CH(OH)−L、
−NH−L、
−N(C1−6アルキル)−L、
−NHC(O)NH−L、
−NH(C(O)C1−6アルキル)−L、
−O−L、
−O−C1−6アルキレン−L、
−C(O)−L、
−C(O)NH−L、
−C(O)N(C1−6アルキル)−L、
−C(O)NH(C1−6アルキレン)−L、
−C(O)N(C1−6アルキル)C1−6アルキレン−L、および、
−L
から成るグループから選択され、ここにC1−6アルキルおよびC1−6アルキレンは未置換であるかまたはハロゲンで置換されており、
Mは、O、NHおよびN(C1−6アルキル)から成るグループから選択され、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)アリール、
5)複素環、
6)C−C10シクロアルキル、
7)OR、および、
8)CHOR
から成るグループから選択され、前記アルキル、アリール、複素環およびシクロアルキルは、未置換であるかまたはRから選択された少なくとも1つの置換基で置換されており、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)ハロゲン、
3)NO
4)CN、
5)CR=C(R
6)C≡CR
7)(CROR
8)(CRN(R
9)(CRC(O)R
10)(CRC(O)OR
11)(CR
12)(CRS(O)
13)(CRS(O)N(R
14)OS(O)
15)N(R)C(O)R
16)N(R)S(O)
17)(CRN(R)R
18)(CRN(R)(CRC(O)N(R
19)(CRN(R)(CRC(O)OR
20)N(R)(CR
21)N(R)(CRN(R
22)(CRC(O)N(R
23)(CRC(O)NH(CR
24)(CRC(O)NHC(R(CRN(R、および、
25)C(O)NH(CR)(CR
から成るグループから選択され、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)未置換または置換C−Cアルキル、
3)未置換または置換C−C10シクロアルキル、
4)未置換または置換アリール、
5)未置換または置換複素環、
6)CF
7)未置換または置換C−Cアルケニル、および、
8)未置換または置換C−Cアルキニル
から成るグループから選択されるか、あるいは,RがRでジ置換された窒素原子に結合している場合にはRのおのおのが独立にC−Cアルキルから選択され、窒素原子が各Rと一緒になって環を形成しており、
は出現毎に独立に、
1)水素、
2)未置換または置換C−Cアルキル、
3)ハロゲン、
4)オキソ、
5)OR
6)CF
7)未置換または置換アリール、
8)未置換または置換C−C10シクロアルキル、
9)未置換または置換複素環、
10)S(O)N(R
11)C(O)OR
12)C(O)R
13)CN、
14)C(O)N(R
15)N(R)C(O)R
16)N(R)C(O)OR
17)N(R)C(O)N(R
18)OC(O)N(R
19)S(O)
20)OS(O)
21)NO
22)N(R
23)SC(O)R、および、
24)N(R)S(O)
から成るグループから選択され、
mは独立に0、1または2であり、
nは出現毎に独立に、0、1、2、3、4、5または6から選択され、但し、MがN(C1−6アルキル)であるときはAがC1−10アルキルでない]
の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項2】
Aがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、前記ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、前記不飽和ヘテロアリール環が未置換である請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項3】
Aが
【化2】

である請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項4】
Dがヘテロアリール環であり、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子であり、前記ヘテロアリール環がN、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環であり、前記不飽和ヘテロアリール環が未置換である請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項5】
Dが
【化3】

であり、
Eが、
1)アリール環、および、
2)ヘテロアリール環
から成るグループから選択され、ヘテロアリール環との結合点が炭素原子または窒素原子であり、前記ヘテロアリール環が、N、OまたはSから成るグループから選択された1、2、3または4個のヘテロ原子をもつ6員環の不飽和単環から成るグループから選択され、前記アリールまたはヘテロアリール環が未置換であり、可変要素Gが環炭素原子に結合している請求項4に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項6】
E−Gが、
【化4】

から成るグループから選択される請求項5に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項7】
Gが、
ハロゲン、
−NH−L、
−N(CH)−L、
−CH−L、
−CH(OH)−L、
−OCH−L、
−C(O)−L、
−C(O)N(CH)−L、
−C(O)N(CH)CH−L、
−C(O)NHCH−L、および、
−Lから成るグループから選択され、Lが、
【化5】

から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩またはその光学異性体。
【請求項8】
2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)ピリジン−3−アミン、
2−(2,3−ジヒドロ−4H−1,4−ベンゾキサジン−4−イル)−N−(ジピリジン−3−イルメチル)−N−メチルピリジン−3−アミン、
N−[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル]ピリジン−2−アミン、
3−[(1,1−ビフェニル−2−イルオキシ)(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル](フェニル)メタノン、
[2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)フェニル](フェニル)メタノール、
3−[[2−(ベンジルオキシ)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
3−[(2−ベンジルフェノキシ)(ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチル−N−フェニルベンズアミド、
3−{ピリジン−3−イル[2−ピロリジン−1−イルカルボニル)フェノキシ]メチル}ピリジン、
N−ベンジル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ベンズアミド、
N−ベンジル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチルベンズアミド、
3−[[2−(1−ナフチル)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
3−[[2−(2−ナフチル)フェノキシ](ピリジン−3−イル)メチル]ピリジン、
N−シクロヘキシル−2−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−N−メチルベンズアミド、
3−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−N,N−ジメチルベンズアミド、
4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−3,4−ジヒドロ−2H−1,4−ベンゾキサジン、
N−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゼン−1,2−ジアミン、
1−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]−1H−ベンズイミダゾール、
2−(4−クロロフェニル)−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン、
2−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン、
4−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル、
3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジン、
3−[3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)ピリジン−2−イル]ベンゾニトリル、
3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−[4−(メチルスルホニル)フェニル]ピリジン、および、
3−(ジピリジン−3−イルメトキシ)−2−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ピリジン
から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項9】
心不整脈または血栓塞栓イベントの治療用医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項10】
医薬的に許容される担体と請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその結晶形または水和物とを含む医薬配合物。

【公表番号】特表2009−525336(P2009−525336A)
【公表日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553298(P2008−553298)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/002472
【国際公開番号】WO2007/089743
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】