説明

カルシウムチャンネルブロッカーとしての2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体

式Iによって表される2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体または医薬的に許容されるそれらの塩。医薬組成物は、単独のまたは1種以上の他の治療有効化合物と組合せた有効量の本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを含む。例えば、急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症痛、神経障害痛、尿失禁、痒み、アレルギー性皮膚炎、癲癇、炎症性腸症候群、抑鬱、不安、多発性硬化症、双極性異常症および卒中を含むナトリウムチャンネル活動に付随するまたは起因する状態の治療方法は、有効量の本発明の化合物を単独でまたは1種以上の他の治療有効化合物と組合せて投与する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体に関する。より特定的には本発明は、慢性および神経障害性疼痛を含むさまざまな疼痛状態の治療に有用なN型カルシウムチャンネルブロッカーとしての2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体に関する。本発明の化合物はまた、膀胱機能障害、掻痒症、痒み、アレルギー性皮膚炎および(卒中、癲癇、躁うつ病、双極性異常症、抑鬱、不安のような)中枢神経系(CNS)障害ならびに糖尿病性神経障害を含む状態の治療に有用である。
【背景技術】
【0002】
イオンチャンネルは興奮性および非興奮性の双方の細胞の様々な細胞活動を調節する(Hille,2002)。イオンチャンネルは、多くの生理的プロセスに関与するので有望な治療ターゲットである。興奮性細胞では、イオンチャンネルのレジデントセットの協調機能が細胞の電気的ふるまいを調節する。電位依存性カルシウムチャンネルは、形質膜の電気的活動と、筋肉収縮、神経伝達物質放出、ホルモン分泌および遺伝子発現のような細胞内カルシウムに依存する細胞活動との間の重要なリンクを提供する。電位依存性カルシウムチャンネルは、形質膜の電気的活動を細胞内カルシウム濃度変化に組込みおよび変換する機能を有しており、この機能を高速に実行できる。
【0003】
細胞生理学に重要なこのような役割を有するので、カルシウムチャンネル活動の調節は重大な効果を有し得る。カルシウムチャンネルサブユニットの突然変異は、家族性片麻痺性偏頭痛、脊髄小脳性運動失調、チモシー症候群、先天性不完全定常夜盲および家族性低カリウム性同期生麻痺を含むいくつかの遺伝性疾患に関与していた。c−AMP−依存性タンパク質キナーゼおよびGタンパク質を含むシグナル伝達経路による電位依存性カルシウムチャンネルの調節は、ホルモンおよび神経伝達物質によるシグナル伝達の重要な構成要素である(Catterall,2000)。カルシウムチャンネルの薬理学的調節は、有意な治療効果を有することができ、例えば、高血圧の治療におけるL型カルシウムチャンネル(Cav1.2)ブロッカーの使用(Hockermanら,1997)や、より最近では、難治性疼痛治療用のN型カルシウムチャンネル(Cav2.2)のペプチドブロッカーであるジコニチドの使用(Staatsら,2004)がある。ジコチニドはイモガイ毒から単離されたペプチド毒素コノトキシンに由来する。ジコニチドは、脊髄の活動部位に接近できるが心血管機能の調節に関与する自律神経系のチャンネルにできるだけ接触しないように鞘内注射によって使用しなければならない。ジコニチドはまた、全身性および病巣性虚血のラットモデルで神経保護薬として極めて有効であることが判明し(Colburneら,Stroke(1999)30,662−668)、N型カルシウムチャンネル(Cav2.2)の調節が卒中の治療に関与することを示唆する。
【0004】
ジコニチドおよび類縁ペプチドによる臨床実験および症状発現前実験は、脊髄に痛感性シグナルを伝達するときのN型カルシウムチャンネルの基幹的な役割を確証する。全身的に投与され痛感性シグナル伝達経路のN型カルシウムチャンネルを効果的に遮断(ブロック)するが末梢のN型カルシウムチャンネル機能は維持するN型カルシウムチャンネルブロッカーが同定できれば、いくつかの形態の疼痛に対して有力な新しい治療用ツールが得られるであろう。本発明は、病理学的痛感性シグナル伝達を維持するために必要なN型カルシウムチャンネル活動を遮断するが正常な心血管機能の維持に関与するN型カルシウムチャンネルの遮断効果は低いという機能選択性を示すN型カルシウムチャンネル(Cav2.2)のブロッカーを記載する。
【発明の開示】
【0005】
(発明の要旨)
本発明の目的は、急性疼痛、慢性疼痛、癌痛、内臓痛、炎症痛、神経障害痛、ヘルペス後神経痛、糖尿病性神経障害、三叉神経痛、偏頭痛、線維筋痛症および卒中の治療に有用なN型カルシウムチャンネル(Cav2.2)ブロッカーである2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン誘導体のシリーズである。本発明の化合物はまた、膀胱機能障害、掻痒症、痒み、アレルギー性皮膚炎、ならびに、不安、抑鬱、癲癇、躁うつ病および双極性異常症のような中枢神経系(CNS)の障害を含む他の状態の治療に有用である。本発明はまた、単独のまたは1種以上の治療有効化合物と組合せた本発明の化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0006】
本発明はさらに、本発明の化合物および医薬組成物を投与する段階を含む、急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症痛、神経障害痛、ならびに、癲癇、躁うつ病、抑鬱、不安および双極性異常症を非限定的に含むCNS障害の治療方法を含む。
【0007】
(発明の詳細な説明)
本発明の化合物は、式(I)
【0008】
【化2】

によって表されるかまたは医薬的に許容されるその塩であり、式中の、
Aは、−C(R)(R)、C=O、C(O)O、N(R)(C=O)、SOまたは−N(R)SOであり、
Bは、−(CH0−4−、−C(C−Cアルキル)、C(O)O、N(R)(C=O)、SOまたはN(R)SOであり、
は、
(a)C−Cアルキル、
(b)C−Cシクロアルキル、
(c)C−Cアルキル−アリール、
(d)アリール−アリール、
(e)アリール−ヘテロアリール、
(f)C−Cアルキル−ヘテロアリール、
(g)C−Cアルキル−C(O)−N−C−Cアルキル−R
(h)C−Cアルキル(N−C(O)−複素環)(C−Cアルキル−アリール)、
(i)C−Cアルキル(N−C(O)O−C−Cアルキル)(C−C−アルキル−C−Cペルフルオロアルキル)、
(j)C−Cアルキル−N−C(O)−アリール、
(k)C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cシクロアルキル、または、
(l)O−R
であり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環のおのおのは独立に、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、−NH(C=O)O−C−Cアルキル、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、前記アリールまたはヘテロアリールの隣り合う2つの置換基はアリールと共に複素環を形成することができ、
は、
(a)H、
(b)アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されたC−C−アルキルであり、前記アリールまたはヘテロアリールの隣り合う2つの置換基はアリールと共に複素環を形成することができ、
(c)C−Cシクロアルキル、または、
(d)C−Cアルキル−アリール
であり、前記アリールは、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、
は、
(e)H、
(f)C−C−アルキル、
(g)アリール、または、
(h)ヘテロアリール
であり、前記アリールは、ハロゲン、アリール、O−C(O)−C−Cアルキル、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、O−CF、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換され、前記ヘテロアリールは、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、
は、
(a)H、
(b)−C−C−アルキル、または、
(c)アリール
であり、
は、
(a)H、
(b)C−Cアルキル、
(c)C−C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、
(d)−C−C−アルコキシ、
(e)アリール、
(f)C−Cアルキル−アリール、
(g)ヘテロアリール、または、
(h)C−Cアルキル−ヘテロアリール
であり、
は、
(a)H、または、
(b)C−Cアルキルである。
【0009】
本発明の第一の実施態様は、Aが−C(R)(R)である化合物を含む。
【0010】
本発明の第二の実施態様は、AがC=Oである化合物を含む。
【0011】
本発明の第三の実施態様は、AがSOである化合物を含む。
【0012】
本発明の第四の実施態様は、Aが−N(R)(C=O)である化合物を含む。
【0013】
本発明の第五の実施態様は、Aが−N(R)SOである化合物を含む。
【0014】
本発明の第六の実施態様は、Aが−C(R)(R)−であり、BがCHである化合物を含む。
【0015】
本発明の第七の実施態様は、Aが−C(R)(R)−であり、BがCOである化合物を含む。
【0016】
本発明の第八の実施態様は、Aが−C(R)(R)−であり、BがSOである化合物を含む。
【0017】
本発明の第九の実施態様は、Rがハロゲン、CF、CN、O−CFおよびSO−C−C−アルキルから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されたフェニルである化合物を含む。
【0018】
本発明の第十の実施態様は、Rが、
水素、または、
−Cシクロアルキル
である化合物を含む。
【0019】
本発明の第十一の実施態様は、Rが−CH−CH(アリール)であり、前記アリールがハロゲン、CF、CN、O−CFおよびSO−C−C−アルキルから選択された1つ以上の置換基で場合により置換された化合物を含む。
【0020】
本発明の第十二の実施態様は、Rが、フェニル、ハロゲン、CF、CN、O−CFおよびSO−C−C−アルキルから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されたフェニルである化合物を含む。
【0021】
本発明の追加の実施態様は、式Ia
【0022】
【化3】

[式中、R、RおよびRは式Iと同義である。]で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0023】
本発明の別の実施態様は、式Ib
【0024】
【化4】

[式中、RおよびRは式Iと同義であり、Rは、N(Rで置換されたC−CアルキルまたはC−Cアルキル−フェニルであり、該フェニルはフェニルで置換されており、Rは場合によりフェニルで置換されている。]で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0025】
本発明の別の実施態様は、式Ic
【0026】
【化5】

[式中、RおよびRは式Iと同義であり、Rは場合によりフェニルで置換されている。]
で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0027】
本発明のまた別の実施態様は、式Id
【0028】
【化6】

[式中、Rは式Iと同義であり、Rは、N(Rで置換されたC−CアルキルまたはC−Cアルキル−フェニルであり、該フェニルはフェニルで置換されており、Rは場合によりフェニルで置換されている。]
で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0029】
本発明のまた別の実施態様は、式Ie
【0030】
【化7】

[式中、Rは式Iと同義であり、Rは場合によりフェニルで置換されている。]
で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0031】
本発明のまた別の実施態様は、式Ig
【0032】
【化8】

[式中、Rは式Iと同義であり、Rは場合によりフェニルで置換されている。]
で表される化合物または医薬的に許容されるその塩を含む。
【0033】
本文中に使用した“アルキル”、ならびに、例えばアルコキシ、アルカノイル、アルケニルおよびアルキニルのような接頭辞“アルク”を有する他の基は、直鎖状または分枝状または双方の混在する炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシルならびにヘプチルを含む。“アルケニル”、 “アルキニル”および他の同様の用語は、少なくとも1つの不飽和C−C結合を含有する炭素鎖を含む。
【0034】
“シクロアルキル” という用語は、特定した数の炭素原子を有している1つの環を含有する飽和炭化水素を表す。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
【0035】
“C0−4アルキル”という用語は、炭素原子数4、3、2、1または0のアルキルを含む。炭素原子数0のアルキルは、アルキルが末端基であるときは水素原子置換基であり、アルキルが架橋基であるときは直接結合である。
【0036】
単独でまたは組合せて本文中に使用した“アルコキシ” という用語は、オキシ連結原子に連結されたアルキル基を含む。“アルコキシ”という用語はまたアルキルエーテル基を含み、この場合の“アルキル” という用語は上記の定義と同義であり、“エーテル”は、2つのアルキル基が中間の酸素原子で連結された基を意味する。アルコキシ基の適例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メトキシメタン(“ジメチルエーテル”とも呼ばれる)およびメトキシエタン(“エチルメチルエーテル”とも呼ばれる)を含む。
【0037】
本文中に使用した“アリール”は、各環が7員までの安定な単環式または二環式炭素環を意味しており、この場合、少なくとも1つの環が芳香族である。このようなアリール要素の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニルまたはビフェニルを含む。
【0038】
本文中に使用した“複素環”または“複素環式”という用語は注釈がある場合を除いて、安定な5−から7−員環の単環式のまたは安定な8−から11−員環の二環式の複素環式環系を表す。これらは飽和または不飽和であり、また、炭素原子と、N、OおよびSから成るグループから選択された1から4個のヘテロ原子とから構成され、ヘテロ原子である窒素およびイオウは場合によっては酸化され、窒素は場合によっては第四級化されており、上記に定義の複素環のいずれかがベンゼン環に融合した二環式基を含む。複素環は安定な構造を形成するいずれかのヘテロ原子または炭素原子に付着し得る。複素環は、1つの環が芳香族で他方が非芳香族の二環式環系を含む。複素環基の例は非限定的に、アゼチジン、クロマン、ジヒドロフラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、ジオキソラン、ヘキサヒドロアゼピン、イミダゾリジン、イミダゾリジノン、イミダゾリン、イミダゾリノン、インドリン、イソクロマン、イソインドリン、イソチアゾリン、イソチアゾリジン、イソキサゾリン、イソキサゾリジン、モルホリン、モルホリノン、オキサゾリン、オキサゾリジン、オキサゾリジノン、オキセタン、2−オキソヘキサヒドロアゼピン、2−オキソピペラジン、2−オキソピペリジン、2−オキソピロリジン、ピペラジン、ピペリジン、ピラン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリンおよびオキシンドール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、チアモルホリン、チアゾリン、チアゾリジン、チオモルホリンおよびそれらのN−オキシドを含む。
【0039】
本文中に使用した“ヘテロアリール” という用語は注釈がある場合を除いて、安定な5−から7−員環の単環式のまたは安定な9−から10−員環の融合二環式の複素環式環系を表す。これらは1つの芳香環を含有し、いずれかの環は、ピペリジニルのような飽和、部分飽和またはピリジニルのような不飽和であり、また、炭素原子と、N、OおよびSから成るグループから選択された1から4個のヘテロ原子とから構成され、ヘテロ原子である窒素およびイオウは場合によっては酸化され、窒素は場合によっては第四級化されており、上記に定義の複素環のいずれかがベンゼン環に融合した二環式基を含む。複素環は安定な構造を形成するいずれかのヘテロ原子または炭素原子に付着し得る。このようなヘテロアリール基の例は非限定的に、ベンズイミダゾール、ベンズイソチアゾール、ベンズイソキサゾール、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、ベンゾチオフェン、ベンゾトリアゾール、ベンズオキサゾール、カルボリン、シンノリン、フラン、フラザン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリジン、イソキノリン、イソチアゾール、イソキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、キナゾリン、キノリン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアジン、トリアゾールおよびそれらのN−オキシドを含む。
【0040】
ヘテロシクロアルキルの例は、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、イミダゾリニル、ピロリジン−2−オン、ピペリジン−2−オン、および、チオモルホリニルを含む。
【0041】
“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0042】
“哺乳動物”、“哺乳類の”または“哺乳類”という用語は、ヒトならびにイヌ、ネコ、ウマ、ブタおよびウシのような動物を含む。
【0043】
本文中に記載の化合物は1つ以上の二重結合を含有でき、従って、シス/トランス異性体および他の立体配座異性体を生じ得る。本発明は特に否定の記述がない限りこのような可能な異性体とこのような異性体の混合物をすべて包含する。
【0044】
本発明の化合物は1つ以上の非対称中心を含有し、従って、ラセミ体、ラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして存在し得る。
【0045】
本文中に使用した構造式Iの化合物という表現は、医薬的に許容されるその塩を含意し、また、遊離化合物への前駆体として使用されるときまたは他の合成操作で使用されるときは医薬的に許容されない塩も包含する。
【0046】
本発明の化合物は医薬的に許容される塩の形態で投与され得る。“医薬的に許容される塩”という用語は、医薬的に許容される無毒性塩基または酸から製造された塩を表す。本発明の化合物が酸性であるとき、対応するその塩は無機塩基および有機塩基を含む医薬的に許容される無毒性塩基から簡便に製造できる。このような無機塩基から誘導された塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅(第二および第一)、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン(第二および第一)、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。医薬的に許容される無毒性有機塩基から誘導された塩は、第一級、第二級および第三級アミン、環状アミン、天然および合成の置換アミンのような置換アミンを含む。塩を形成できる他の医薬的に許容される無毒性有機塩基は、イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトロメタミンを含む。
【0047】
本発明の化合物が塩基性のとき、対応するその塩は、無機および有機の酸を含む医薬的に許容される無毒性酸から簡便に製造できる。このような酸は例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコ酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸などを含む。
【0048】
本発明の医薬組成物は、有効成分である本発明の化合物(または医薬的に許容されるその塩)と、医薬的に許容される担体と、場合により1種以上の追加の治療剤またはアジュバントとを含む。このような追加の治療剤は例えば、i)アヘン剤アゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)NMDA受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的インヒビター、vii)NK1アンタゴニスト、viii)非ステロイド系抗炎症薬(“NSAID”)、xi)選択的セロトニン再吸収インヒビター(“SSRI”)および/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再吸収インヒビター(“SSNRI”)、x)三環系抗うつ薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロエート、xiv)ニューロンチン(ギャバペンチン)、および、xv)ナトリウムチャンネルブロッカーを含み得る。本発明の組成物は、経口、直腸、外用および非経口投与(皮下、筋肉内および静脈内を含む)に適した組成物を含むが、所与の症例に最適の経路は、個々の宿主、有効成分投与の対象となる状態の種類および重篤度に左右されるであろう。医薬組成物は製薬業界で公知の方法のいずれかによって調製され単位剤形として提供されるのが便利である。
【0049】
本発明の化合物および組成物は、慢性、内臓性、炎症性および神経障害性疼痛症候群の治療に有用である。それらは、外傷性神経傷害、神経の圧迫または捕捉、ヘルペス後神経痛、三叉神経痛および糖尿病性神経障害が原因の疼痛の治療に有用である。本発明の化合物および組成物はまた、慢性背下部痛、幻肢痛、慢性骨盤痛、神経腫痛、複合限局性疼痛症候群、慢性関節炎痛および関連神経痛、癌、化学療法、HIVおよびHIV治療誘発神経障害に付随する疼痛の治療に有用である。本発明の化合物はまた、局部麻酔薬として使用できる。本発明の化合物は、炎症性腸症候群および関連障害ならびにクローン病の治療に有用である。
【0050】
本発明の化合物は、癲癇ならびに部分的および全身的強直性発作の治療に臨床用途を有している。それらはまた、卒中または神経外傷で生じた虚血状態下の神経保護のために、また、多発性硬化症の治療にために有用である。本発明の化合物は、頻拍性不整脈の治療に有用である。さらに本発明の化合物は、抑鬱のような情緒異常症、より特定的には、単一エピソード性もしくは再発性主要うつ障害のようなうつ異常症、胸腺機能不全異常症、または、I型双極性異常、II型双極性異常のような双極性異常症、循環気質異常症;不安異常症、例えば、広場恐怖症を伴うかもしくは伴わないパニック異常症、パニック異常症の病歴のない広場恐怖症、特定対象恐怖症例えば特定動物恐怖症、社会恐怖症、強迫異常症、外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、ならびに、全身的不安異常症を含む神経精神性異常症の治療に有用である。
【0051】
ヒトのような霊長類以外に、様々な他の哺乳類を本発明の方法に従って治療できる。例えば非限定的にウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、モルモットを含む哺乳類またはウシ属、ヒツジ属、ウマ属、イヌ属、ネコ属、齧歯類例えばマウスのようなその他の種を治療できる。また、トリ属(たとえばニワトリ)のような他の種に対して方法を実施してもよい。
【0052】
抑鬱または不安の治療には本発明の化合物は、ノルエピネフリン再吸収インヒビター、選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビター(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再吸収インヒビター(SNRI)、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、異型抗鬱薬、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト特に5−HT1A部分アゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、および、医薬的に許容されるそれらの塩のような他の抗鬱薬または抗不安薬と併用し得ることが理解される。
【0053】
さらに本発明の化合物が、上述の状態および障害を予防するため、また、ナトリウムチャンネル活動に付随する他の状態および障害を予防するために、予防的に有効な用量レベルで投与できることが理解される。
【0054】
本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液または懸濁液は外用に使用できる。口内洗剤および含嗽剤は本発明の目的にかなう外用の範囲に含まれる。
【0055】
炎症痛および神経障害痛の治療には1日に体重1kgあたり約0.01mg/kgから約140mg/kg、あるいは、1日に患者一人あたり約0.5mgから約7gの用量レベルが有用である。例えば、炎症痛は、1日に体重1kgあたり約0.01mgから約75mg、あるいは1日に患者一人あたり約0.5mgから約3.5gの化合物の投与によって有効に治療し得る。神経障害痛は、1日に体重1kgあたり約0.01mgから約125mg、あるいは1日に患者一人あたり約0.5mgから約5.5gの化合物の投与によって有効に治療し得る。
【0056】
単一剤形を調製するために担体材料に組合せる有効成分の量は、治療される宿主および個々の投与モード次第で変更される。たとえば、ヒトに経口投与する予定の配合物は、全組成物の約5から約95パーセントの範囲の好適量の担体材料と配合した約0.5mgから約5gの有効薬剤を含有するのが便利であろう。単位剤形は一般に、約1mgから約1000mg、典型的には、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgの有効成分を含有する。
【0057】
しかしながら、個々の患者に対する具体的な投与量レベルは様々な要因に左右されることが理解される。このような患者関連要因は、患者の年齢、体重、全身健康状態および食事を含む。他の要因は、投与時間、投与経路、排泄速度、併用薬物および個々の治療対象疾患の重篤度を含む。
【0058】
実際上、本発明の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩は有効成分として医薬担体と共に均質混合物を形成するように慣用の医薬配合技術に従って混合され得る。担体は、経口または非経口(静脈内を含む)などの投与に望ましい製剤形態次第で様々な形態を有し得る。従って本発明の医薬組成物は、おのおのが所定量の有効成分を含有するカプセル、カシェ剤または錠剤のような経口投与に適した個別単位として提供できる。組成物はさらに、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型エマルションまたは油中水型液体エマルションとして提供できる。上記に挙げた常用の剤形以外にも、本発明の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩は調節放出手段および/またはデリバリーデバイスによって投与できる。組成物は製薬方法のいずれかによって調製できる。このような方法は一般に、1種以上の必要成分を構成する担体に有効成分を会合させる段階を含む。組成物は一般に、有効成分を液体担体または微細分割固体担体または双方と均一かつ均質に混合することによって調製される。次に生成物を適宜付形して所望の形態にすることができる。
【0059】
従って本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される担体と式I、Ia、Ib、IdまたはIeの化合物または医薬的に許容されるその塩とを含む。本発明の化合物または医薬的に許容されるそれらの塩はまた、1種以上の治療有効化合物と組合せて医薬組成物に含有され得る。
【0060】
使用される医薬担体は例えば、固体、液体または気体である。固体担体の例は、乳糖、白土、ショ糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアガム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸を含む。液体担体の例は、糖シロップ、ピーナツ油、オリーブ油および水である。気体担体の例は二酸化炭素および窒素を含む。
【0061】
経口剤形の組成物を調製するためには、任意の便利な医薬媒体を使用し得る。例えば、水、グリコール、油、アルコール、着香料、保存料、着色料などは、懸濁液、エリキシル剤および溶液のような経口液体製剤を形成するために使用し得る。また、デンプン、糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤および崩壊剤のような担体は、散剤、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤を形成するために使用できる。投与し易いという理由で錠剤およびカプセルが有利な経口投与単位であり、これらには固体医薬担体が使用される。場合によっては、水性または非水性の標準技術によって錠剤に剤皮をかけてもよい。
【0062】
本発明の組成物を含有する錠剤は、場合によっては1種以上の補助成分またはアジュバントと共に、圧縮または成形によって調製し得る。圧縮錠剤は、粉末または顆粒のような自由流動形態の有効成分を、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合し適当な機械で圧縮することによって調製し得る。成形錠剤は、粉末にして不活性液体希釈剤で湿潤させた化合物を適当な機械で成形することによって調製し得る。各錠剤が約0.1mgから約500mgの有効成分を含有し、各カシェ剤またはカプセルが約0.1mgから約500mgの有効成分を含有するのが有利である。従って、錠剤、カシェ剤またはカプセルが、0.1mg、1mg、5mg、25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mgまたは500mgの有効成分を含有し、1または2個の錠剤、カシェ剤またはカプセルを1日に1、2または3回服用するのが便利である。
【0063】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、有効化合物の水溶液または水懸濁液として調製し得る。例えばヒドロキシプロピルセルロースのような適当な界面活性剤を含有させ得る。分散液はグリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの油中混合物として調製し得る。さらに、有害な微生物の増殖を防ぐために保存料を含有させ得る。
【0064】
注射用の適当な本発明の医薬組成物は無菌の水溶液または分散液を含む。さらに、組成物は、このような無菌の注射用溶液または懸濁液を用時調製するための無菌粉末の形態でもよい。すべての場合に、注射可能な最終形態は、無菌であり実際に注射容易な流体でなければならない。医薬組成物は製造および保存の条件下で安定であり、従って、細菌および真菌のような微生物の汚染作用を防御しなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油およびそれらの適当な混合物を含有する溶媒または分散媒体でよい。
【0065】
本発明の医薬組成物は、例えばエアゾール、クリーム、軟膏、ローションおよび散布粉末のような外用に適した形態でもよい。さらに組成物は経皮デバイスによる使用に適した形態でもよい。これらの配合物は、本発明に示した化合物または医薬的に許容されるその塩を使用し慣用の加工方法によって調製し得る。一例として、クリームまたは軟膏は、所望の粘稠度を有するクリームまたは軟膏が得られるように親水性材料と水を約5重量%から約10重量%の化合物と混合することによって調製する。
【0066】
本発明の医薬組成物は、直腸投与に適した形態でもよい。この場合担体は、例えば混合物が単位薬用量の座薬を形成するように固体である。適当な担体は、カカオ脂および当業界で常用の他の材料を含む。坐薬剤は、最初に組成物を(1種以上の)軟化または融解担体と混合し次いで型で冷却し付形することによって簡便に調製できる。
【0067】
上記の担体成分に加えて、上述の医薬配合物は、希釈剤、緩衝剤、着香料、結合剤、界面活性剤、増粘剤、滑沢剤および保存料(抗酸化剤を含む)のような追加の1種以上の担体成分を適宜含み得る。さらに、配合物を予定レシピエントの血液と等張性にするための他のアジュバントを含有させてもよい。本発明の化合物または医薬的に許容されるその塩を含有する組成物はまた、粉末または液体濃縮形態で調製できる。
【0068】
本発明の化合物および医薬組成物はナトリウムチャンネルを遮断することが知見された。従って本発明の1つの目的は、哺乳動物に有効量の本発明の化合物を投与することによって、ニューロン性ナトリウムチャンネル遮断を介して軽減される哺乳動物の状態を治療および予防することである。このような状態は例えば、急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症痛および神経障害痛を含む。本発明の化合物および組成物は、ヒトならびにイヌおよびネコのようなヒト以外の哺乳類の急性疼痛、慢性疼痛、内臓痛、炎症痛および神経障害痛を含む上述の状態の治療および予防に有用である。ヒト以外の哺乳類の治療は、上述の状態に相関関係を有しているヒト以外の哺乳類の病気の治療を包含することは理解されよう。
【0069】
さらに、上述のように、本発明の化合物は、1種以上の治療有効化合物と併用できる。特に、本発明の化合物は、i)アヘン剤アゴニストまたはアンタゴニスト、ii)カルシウムチャンネルアンタゴニスト、iii)5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、5−HT1A部分アゴニストを含む5HT受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、iv)ナトリウムチャンネルアンタゴニスト、v)N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、vi)COX−2選択的インヒビター、vii)ニューロキニン受容体1(NK1)アンタゴニスト、viii)非ステロイド系抗炎症薬(“NSAID”)、xi)選択的セロトニン再吸収インヒビター(“SSRI”)および/または選択的セロトニンおよびノルエピネフリン再吸収インヒビター(“SSNRI”)、x)三環系抗うつ薬、xi)ノルエピネフリンモジュレーター、xii)リチウム、xiii)バルプロエート、xiv)ノルエピネフリン再吸収インヒビター、xv)モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、xvi)モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビター(RIMA)、xvii) −アドレナリン受容体アンタゴニスト、xviii)異型抗欝薬、xix)ベンゾジアゼピン、xx)コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、および、xxi)ニューロンチン(ギャバペンチン)と有利に併用できる。
【0070】
本文中に使用した略号は以下の意味を有している(ここに示さない略号は特に否定の記述がないならば常用の意味を有している):Ac(アセチル)、Bn(ベンジル)、Boc(tert−ブトキシカルボニル)、CAMP(環状アデノシン−3’,5’−一リン酸塩)、DAST((ジエチルアミノ)三フッ化イオウ)、DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン)、DIBAL(ジイソブチルアルミニウム水素化物)、DMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、EDC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩)、EtN(トリエチルアミン)、GST(グルタチオントランスフェラーゼ)、HOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)、LAH(リチウムアルミニウム水素化物)、Ms(メタンスルホニル;メシル;またはSOMe)、MsO(メタンスルホネートまたはメシラート)、NBS(N−ブロモスクシンイミド)、NCS(N−クロロスクシンイミド)、NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)、PDE(ホスホジエステラーゼ)、Ph(フェニル)、r.t.またはRT(室温)、Rac(ラセミ)、SAM(アミノスルホニル;スルホンアミドまたはSONH)、SPA(シンチレーション近接アッセイ)、Th(2−または3−チエニル)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、Thi(チオフェンジイル)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、TMEDA(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)、TMSI(トリメチルシリルヨージド)、Trまたはtrityl(N−トリフェニルメチル)、C(アリル)、Me(メチル)、Et(エチル)、n−Pr(ノーマルプロピル)、i−Pr(イソプロピル)、n−Bu(ノーマルブチル)、i−Butyl(イソブチル)、s−Bu(第二級ブチル)、t−Bu(第三級ブチル)、c−Pr(シクロプロピル)、c−Bu(シクロブチル)、c−Pen(シクロペンチル)、c−Hex(シクロヘキシル)。
【0071】
本発明化合物は、以下に示した一般スキームおよび実施例に示した手順に従って製造できる。以下のスキームおよび実施例は本発明の範囲をより詳細に示すが本発明の範囲を限定しない。
【0072】
特に否定の記述がないならば、実験手順は以下の条件下で行った。すべての処理は室温または周囲温度、すなわち、18から25℃の範囲の温度で行った。溶媒の蒸発は回転蒸発器を減圧下(600−4000パスカル:4.5−30mmHg)で使用し60℃以下の浴温度で行った。反応の進行は、薄層クロマトグラフイー(TLC)または高圧液体クロマトグラフィー−質量分析法(HPLC−MS)によって追跡した。反応時間は代表例として示したにすぎない。すべての最終生成物の構造および純度は以下の技術の少なくとも1つによって確認した:TLC、質量分析法、核磁気共鳴(NMR)分光法または微量分析データ。収率が示されているとき、これは単なる例である。NMRデータは、指示溶媒を使用して300MHz、400MHzまたは500MHzで測定したテトラメチルシラン(TMS)内部標準に相対的な主要診断プロトンのデルタ(δ)値の形態であり、パーツパーミリオン(ppm)単位で示す。シグナル形態に使用した慣用の略号は:s.singlet;d.doublet;t.triplet;m.multiplet;br.Broad;などである。さらに、“Ar”は芳香族シグナルを意味する。化学記号は常用の意味を有している。以下の略号を使用する:v(容量)、w(重量)、b.p.(沸点)、m.p.(融点)、L(リットル)、mL(ミリリットル)、g(グラム)、mg(ミリグラム)、mol(モル)、mmol(ミリモル)、eq(当量)。
【0073】
アッセイ実施例1:チャンネル開口を開始させるためにカリウム脱分極を使用するCav2.2チャンネルの蛍光アッセイ
ヒトCav2.2チャンネルは電位依存性カルシウムチャンネルのアルファ2−デルタサブユニットおよびベータサブユニットと共にKEK293細胞中で安定に発現された。細胞外カリウム濃度によって細胞膜電位をより正確に制御できる内向き整流カリウムチャンネル(Kir2.3)もこれらの細胞中で発現された。浴のカリウム濃度が低いとき膜電位は相対的に負であり、浴のカリウム濃度が上昇すると脱分極される。このように浴のカリウム濃度を使用してチャンネルの電位依存性コンホメーションを調節できる。化合物を細胞と共に、低濃度(4mM)カリウムまたは高濃度(12、25または30mM)カリウムの存在下で温置して、4mMカリウムの静止(閉鎖)チャンネルを遮断する化合物のアフィニティー、または、12、25もしくは30mMカリウムの開口不活性化チャンネルを遮断するアフィニティーを測定する。温置期間の終了後、細胞をさらに脱分極させるために、より高濃度のカリウム(最終濃度70mM)の添加によってCav2.2チャンネルの開口をトリガする。種々のカリウム濃度で温置後の化合物の阻害効力から状態依存性遮断の程度を推定できる。
【0074】
Cav2.2チャンネルからのカルシウム流入はカルシウム感受性蛍光色素を蛍光プレートリーダーと共に使用して測定する。蛍光変化は、VIPR(Aurora Instruments)またはFLIPR(Molecular Devices)プレートリーダーによって測定した。
【0075】
プロトコル
1.ポリ−D−リシンをコートした96−または384−ウェルのプレートに細胞を播種し、37℃−10%COのインキュベーターに一夜維持する。
2.培地を除去し、細胞を0.2ml(96−ウェルプレート)または0.05ml(384−ウェルプレート)の量のカルシウムおよびマグネシウム含有ダルベッコのリン酸塩緩衝生理食塩水(D−PBS)(Invitrogen;14040)で洗浄する。
3.10mMのグルコースおよび10mMのHepes/NaOH;pH7.4を補充したカルシウムおよびマグネシウム含有D−PBS(Invitrogen;14040)中で調製した0.1ml(96−ウェルプレート)または0.05ml(384−ウェルプレート)の量の4μMのfluo−4(Molecular Probes;F−14202)および0.02%のプルロニック酸(Molecular Probes;P−3000)を添加する。
4.暗中、25℃で60−70分間温置する。
5.色素を除去し、細胞を0.1ml(96−ウェルプレート)または0.06ml(384−ウェルプレート)の4、12、25または30mMのカリウムプレ分極バッファ(PPB)で洗浄する。
6.0.1ml(96−ウェルプレート)または0.03ml(384−ウェルプレート)の4、12、25、30mMのPPBを被験化合物と共に、または、被験化合物なしで加える。
7.暗中、25℃で30分間温置する。
8.細胞プレートをVIPR計器で、励起=480nm、発光=535nmにして読取る。
9.VIPRで連続読取りを実行しながら、最終アッセイ濃度の2倍にあたる0.1ml(96−ウェルプレート)または0.03ml(384−ウェルプレート)の脱分極バッファを細胞プレートに加える。
【0076】
【表2】

【0077】
アッセイ実施例2:全自動電気生理学計器を使用するCav2.2チャンネル遮断の電気生理学的測定
N型カルシウムチャンネルの遮断は、Ion Works HT 384ウェル全自動パッチクランプ電気生理学デバイスを使用して評価する。この計器は、384ウェルから同期書込みができる(一度に48)。各ウェルで1つの全細胞記録を行う。内部隔膜をアンホテリシンBで潅流することによって全細胞記録を達成できる。
【0078】
電圧プロトコルは、使用量依存性遮断を検出するように設計する。2Hzの脱分極列(25ms幅の20パルス列で+20mVまで)。実験シーケンスは、対照列(化合物使用前)、化合物を加えた細胞の5分間温置、次いで第二列(化合物使用後)から成る。化合物による使用量依存性遮断は、列の第一パルスの遮断分率を20番目のパルスの遮断に比較することによって推定する。
【0079】
プロトコル
平行パッチクランプ電気生理学アッセイは、Ion Works HT(Molecular Devices Corp.)を使用し、本質的に、Kissとその共同研究者によって記載された手順で行う[Kissら,2003;Assay and Drug Development Technologies,1:127−135]。簡単に説明すると、N型カルシウムチャンネルサブユニット(アルファ1B、アルファ−デルタ、ベータ3a)と内向き整流カリウムチャンネル(Kir2.3)とを発現している安定なHEK 293細胞系(CBKで表す)を使用して、N型カルシウムチャンネルを流れるバリウム電流を記録する。使用前にT75培養プレートで細胞を60−90%単層集密状態まで増殖させる。細胞を10mlのPBS(Ca/Mg非含有)で3×洗浄し、次いで1.0mlの1×トリプシンをフラスコに加える。細胞が球状になりプレートから離れるまで(通常は1から3分)細胞を37℃で温置する。次に細胞を、血清および抗生物質を含有する13mlのCBK培地と共に15mlの円錐管に移し入れ、卓上遠心管で設定目盛り2にして2分間回転させる。上清を傾瀉し、細胞ペレットを外部溶液(単位mM):120 NaCl、20 BaCl、4.5 KCl、0.5 MgCl、10 HEPES、10 ブドウ糖,pH=7.4)に再浮遊させる。浮遊液中の細胞濃度が1000−3000細胞/ウェルとなるように調整する。再浮遊した細胞を直ちに使用する。内部溶液は、(単位mM):100 K−グルコネート、40 KCl、3.2 MgCl、3 EGTA、5 HEPESを含み、KOHでpH7.3とする。穿孔パッチ全細胞記録は、穿孔剤アンホテリシンBを内部溶液に添加することによって行う。処理毎にDMSO中の36mg/mlのアンホテリシンBの予製液を新たに調製する。166μlのこの予製液を50mlの内部溶液に加えると、120ug/mlの最終処理溶液が得られる。
【0080】
電圧プロトコルおよび膜電流の記録は、Ion Works HTソフトウェア/ハードウェアシステムを使用して行う。電流を1.25kHzでサンプリングし、保持電位から10mV段階を使用し直線状漏れコンダクタンスを仮定して漏れを減算する。液体ジャンクション電位の補正はしない。細胞を−70mVで10秒間電圧クランプし、次いで2Hz、25ms幅の20パルス列で+20mVにする。対照列の後、細胞を化合物と共に5分間温置し、第二列を印加する。第一パルスの遮断分率を20番目のパルスの遮断に比較することによって化合物使用量依存性遮断を推定する。試験電位(+20mV)で70MOhm未満のシール抵抗または0.1nA未満のBa電流を示すウェルを分析から除外する。電流振幅はIon Worksソフトウェアで計算する。相対電流、阻害パーセントおよびIC50はカスタムExcel/Sigmaplot macroで計算する。
【0081】
96ウェルの化合物プレートからフルイディックスヘッドで細胞に化合物を加える。添加中の化合物の希釈を補償するために、化合物プレート濃度はパッチプレートの最終濃度の3×以上にする。
【0082】
一般的に2種類の実験、篩分けおよび滴定を行う。篩分けモードでは、10から20種類の化合物を単一濃度(通常は3uM)で試験する。阻害パーセントは、ビヒクル対照ウェルの比に標準化した化合物の存在下および非存在下の電流振幅の比から計算する。IC50を判定するために、パッチプレートあたり2から4種類の化合物で10点滴定を行う。被験濃度範囲は一般に0.001から20uMである。データにヒルの式を当てはめてIC50を計算する。ヒルの式を以下の形で使用する。
【0083】
【数1】

標準化のためおよび最大と最小を決定するためにビヒクル対照(DMSO)および0.3mMのCdCl(チャンネルを完全に阻止する)を各プレートに用いる。
【0084】
アッセイ実施例3:全細胞電圧クランプおよびPatchXpress全自動電気生理学計器を使用するCav2.2チャンネル遮断の電気生理学的測定
N型カルシウムチャンネルの遮断を手動および全自動(PatchXpress)のパッチクランプ電気生理学を使用して評価する。電圧プロトコルは、状態依存性遮断を検出するように設計する。分極(−90mV)または脱分極(−40mV)保持電位からパルス(50ms)を低周波(0.067Hz)で印加する。不活性化/開口チャンネルを静止チャンネルよりも優先的に遮断する化合物は−90mVに比べて−40mVで高い力価を有するであろう。
【0085】
プロトコル:
N型カルシウムチャンネルサブユニット(アルファ1B、アルファ−デルタ、ベータ3a)と内向き整流カリウムチャンネル(Kir2.3)とを発現している安定なHEK293細胞系(CBKで表す)を使用して、被覆したカバーガラス上(手動EP)またはT75培養プレート中(PatchXpress)で細胞を増殖させる。PatchXpressの場合には、トリプシンを使用して細胞をフラスコから遊離させる。双方の場合の外部溶液は(単位mM):120 NaCl、20 BaCl、4.5 KCl、0.5 MgCl、10 HEPES、10 ブドウ糖を含み、NaOHでpH7.4にする。内部溶液は(単位mM):130 CsCl、10 EGTA、10 HEPES、2 MgCl、3 MgATPを含み、CsOHでpH7.3にする。
【0086】
標準技術(Hamillら,Pfluegers Archiv 391:85−100(1981))を使用する手動全細胞パッチクランプによってバリウム電流を測定する。微小電極は、ホウケイ酸ガラスから作製し、火炎研磨する。電極抵抗は、標準内部生理食塩水が満たされているときは一般に2から4MOhmである。参照電極は銀−塩化銀ペレットである。内部溶液と外部溶液との間の液体ジャンクション電位に関する電圧補正は行わず、漏れはP/n手順を使用して減算する。重力を利用した浴潅流によって溶液を細胞に作用させる。実験室容積は〜0.2mlであり、潅流速度は0.5から2ml/分である。室内で溶液流が常に維持される。電流振幅の測定は、PULSEFITソフトウェア(HEKA Elektronik)で行う。
【0087】
PatchXpress(Molecular Devices)は、完全集積フルイディクスと非同期に動作する16−ウェル全細胞全自動パッチクランプデバイスである。高抵抗(ギガオーム)シールが50から80%の成功率で得られる。キャパシタンスおよび直列抵抗の補償は全自動である。液体ジャンクション電位の補正は使用しない。漏れはP/n手順を使用して減算する。96−ウェル化合物プレートから化合物をピペット器で細胞に加える。電圧プロトコルおよび膜電流の記録は、PatchXpressソフトウェア/ハードウェアシステムを使用して行う。電流振幅はDataXpressソフトウェアで計算する。
【0088】
手動および全自動の双方のパッチクランプで、細胞を−40mVまたは−90mVに電圧クランプし、50msパルスを+20mVまで15秒毎(0.067Hz)に印加する。阻害%を測定するために化合物を漸増量で添加する。阻害パーセントは、化合物の存在下および非存在下の電流振幅の比から計算する。細胞あたり複数の用量が得られるときはIC50を計算する。被験濃度範囲は一般に0.1から30uMである。IC50はデータにヒルの式を当てはめて計算する。使用したヒルの式は、
【0089】
【数2】

である。
【0090】
インビボアッセイ:(齧歯類CFAモデル):
雄のスプレーグ−ドーリーラット(300−400gm)に対して、試験の3日前に200マイクロリットルのCFA(完全フロインドアジュバント)を投与した。CFAは結核菌を生理食塩水に懸濁させて(1:1;Sigma)、0.5mg結核菌/mlを含有するエマルションとしたものである。CFAを左後趾の扁平領域に注射した。
【0091】
化合物を経口投与するために試験の前夜だけラットを絶食させる。試験当日の朝、Ugo Basile装置を使用し、2つのベースラインサンプルを1時間おきに採取する。ラットをタオルにくるむ。趾をボールベアリングに載せ、圧力装置下におく。フットペダルを踏んで一定の直線圧力をかける。ラットが趾を引っ込めたり、鳴いたり、もがいたりしたときに圧力を中止する。次に右趾を試験する。次いでラットに化合物を投与し、所定の時点で検査する。
【0092】
化合物はDMSO(15%)/PEG300(60%)/水(25%)中で調製し、2ml/kgの量で投与した。
【0093】
最大可能効果%(%MPE)は:(処理後−処理前)/(傷害前閾値−処理前)×100として計算した。応答個体%は、化合物投与後に常時MPE.30%を有しているラットの数である。治療効果は、Dunnの事後検定を伴う一元ANOVA反復測定フリードマン検定によって判定した。
【0094】
合成方法
本発明の化合物は以下に与えたスキームおよび実施例に与えたプロトコルに従って製造できる。否定の記述がある場合または平均的な当業者に明白な場合を除いて、置換基は前出の式と同義である。
【0095】
本発明の新規な化合物は、例えば、Advanced Organic Chemistry,March,5th Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,2001;Advanced Organic Chemistry,Carey and Sundberg,Vol.A and B,3rd Ed.,Plenum Press,Inc.,New York,NY,1990;Protective groups in Organic Synthesis,Green and Wuts,2nd Ed.,John Wiley and Sons,New York,NY,1991;Comprehensive Organic Transformations,Larock,VCH Publishers,Inc.,New York,NY,1988;Handbook of Heterocyclic Chemistry,Katritzky and Pozharskii,2nd Ed.,Pergamon,New York,NY,2000およびそれらに引用された参考文献に記載されているような当業者に公知の技術を使用して容易に合成できる。本発明化合物の出発材料は、Aldrich Chemical Co.(Milwaukee,WI);Sigma Chemical Co.(St.Louis,MO);Lancaster Synthesis(Windham,N.H.);Ryan Scientific(Columbia,S.C);Maybridge(Cornwall,UK);Matrix Scientific(Columbia,S.C);Arcos,(Pittsburgh,PA)およびTrans World Chemicals(Rockville,MD)を含む市販ソースから入手容易な化学的前駆物質の標準合成変換を使用して製造し得る。
【0096】
本文中に記載の化合物合成手順は、再結晶化、蒸留、カラムクロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、放射状クロマトグラフィーおよび高圧クロマトグラフイー(HPLC)のような保護基操作および精製の段階を1つ以上含み得る。生成物は、プロトンおよび炭素−13核磁気共鳴(Hおよび13C NMR)、赤外線および紫外線(IRおよびUV)分光法、X線結晶学、元素分析およびHPLCと質量分析法(HPLC−MS)を含む化学分野で公知の様々な技術を使用して特性決定できる。保護基操作、精製、構造同定および定量は化学合成の当業者に公知である。
【0097】
適切な溶媒は、反応体の1つまたは全部を少なくとも部分的に溶解し反応体または生成物と不利な相互作用を生じない溶媒である。適切な溶媒は、芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン)、ハロゲン化溶媒(例えば、メチレンクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジグリム、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ニトリル(例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル)、ケトン(例えば、2−ブタノン、ジメチルケトン、tert−ブチルメチルケトン)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)および水である。2種以上の溶媒の混合物も使用できる。適切な塩基は一般にアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム;アルカリ金属水素化物およびアルカリ土類金属水素化物、例えば、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化カルシウム;アルカリ金属アミド、例えば、リチウムアミド、ナトリウムアミドおよびカリウムアミド;アルカリ金属炭酸塩およびアルカリ土類金属炭酸塩、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム;アルカリ金属アルコキシドおよびアルカリ土類金属アルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド、マグネシウムエトキシド;アルカリ金属アルキル、例えば、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、アルキルマグネシウムハロゲン化物、有機塩基、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピリジン、コリジン、ルチジン、4−ジメチルアミノピリジン;二環式アミン、例えば、DBUおよびDABCOである。
【0098】
前述したように、経口剤形の組成物を調製する場合、常用の医薬媒体のいずれかを使用できる。例えば、懸濁液、エリキシル剤および溶液のような経口液体製剤の場合、水、グリコール、油、アルコール、着香料、保存料、着色料などを使用するとよい。あるいは、散剤、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤の場合には、デンプン、糖、微晶質セルロース、希釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような担体を含有させ得る。投与し易いという理由で錠剤およびカプセルは固体医薬担体を使用する最も有利な経口剤形を表す。所望ならば水性または非水性の標準技術によって錠剤に剤皮をかけてもよい。本発明の化合物および組成物の投与には、上記に挙げたような常用の剤形以外にも、調節放出手段および/またはデリバリーデバイスを使用し得る。
【0099】
以下のスキームに記載の化合物に存在する官能基は、本発明に記載の所望化合物を得るために当業者に可用な標準的官能基変換技術を使用して適宜処理できると理解される。
【0100】
また、以下のスキームおよび表に列挙した1つ以上の立体中心を含有している化合物は単一の鏡像異性体もしくはジアステレオマーとしてまたは2つ以上の鏡像異性体もしくはジアステレオマーを何らかの割合で含有する混合物として製造できると理解される。
【0101】
当業者に明白な他の変更または修正は本発明の範囲および教示に包含される。本発明は特許請求の範囲に記載された以外には限定されない。
【0102】
(1S,4S)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンおよび(1R,4R))−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンはトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンからJordisら,Synthesis,1990,925に記載された手順で製造できる。あるいは、(1S,4S)−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.l]ヘプタンは(2S,4R)−2−(アジドメチル)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ヒドロキシピロリジンからRosenら,J.Med.Chem.,1988,31,1598−1611およびJ.Org.Chem.,1988,55,1580−1582に記載された手順で製造できる。
【0103】
式Iの化合物は、2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタンの適宜保護された誘導体を使用してスキーム1に略述した手順で製造できる。
【0104】
【化9】

【0105】
N−tert−ブトキシカルボニル−2,5−ジアザ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン1は、適当なアルキル化剤(例えば、アルキルハロゲン化物、アルキルスルホネート、ベンジルハロゲン化物、ジアリールメチルクロリド(またはブロミド)またはヘテロアリール−アルキルハロゲン化物)と共に、適当な塩基(例えば、EtN、ジイソプロピルエチルアミン、DBU、NaCO、KCOまたはCsCO)の存在下、適当な溶媒(例えば、トルエン、エタノール、THF、ジオキサン、DMFまたはDMSO)中で、0℃から反応溶媒の還流温度までの範囲の温度で反応させると、対応するアルキル化生成物2を形成できる。アシル誘導体3は、略述したように適当なカルボン酸またはアシルハロゲン化物との反応によって製造できる。適当な酸性試薬(例えば、無水トリフルオロ酢酸またはHCl)を使用して3から保護基を除去するとアミン5が得られるので、これを略述したようにさらにアシル化すると、ビス−アシル化誘導体6が得られる。また、アミン5を上記のような適当なアルキル化剤と反応させるとアルキル化誘導体10が得られる。また、1と適当なイソシアナート(またはクロロホーメート)とを反応させると適当なウレア(またはカーバメート)4が得られる。同様に、1と適当なスルホニルクロリドとを反応させるとスルホンアミド7が得られる。7からN−保護基を除去して得られたアミン11は、アシル化試薬と反応して化合物8を形成するかまたはスルホニルクロリドと反応して化合物12を形成する。また、ウレア(またはカーバメート)9はアミン11から略述した手順で製造できる。
【実施例1】
【0106】
【化10】

【0107】
CHCl(1mL)中の(1S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(0.04g,0.2mMol)の溶液に、3,3−ジフェニルプロピオン酸(0.05g,0.22mMol)および1−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)(0.06g,0.31mMol)を室温で添加し、混合物を一夜撹拌した。反応混合物をEtOAc(10mL)で希釈し、水、NaHCO飽和水溶液および水で洗浄した。無水NaSOで乾燥後、有機相を濃縮すると粗生成物が得られたので、これを放射状クロマトグラフィーでアセトン−ヘキサン(1:2)を使用することによって精製すると、標題化合物が白色固体として得られた(0.076g)。
【0108】
H−NMR(CDCl):δ1.46(s,9H),1.66 (d,2H),2.89−3.33( complex m,6H),4.20−4.86(m,3H),7.34−7.15(m,10H)。質量スペクトル(m/e):407.55(M+H)および351.49(M−56+H)。
【実施例2】
【0109】
【化11】

【0110】
実施例1で得られたN−Boc化合物(0.07g)をCHCl(0.5mL)と無水トリフルオロ酢酸(TFA)(0.5mL)との混合物に溶解し、室温で1時間撹拌した。次に反応混合物を減圧下で濃縮し、得られた残渣をCHCl(1mL)に溶解し、4MのHClを含有する無水エーテル(0.5mL)で処理した。次に混合物を濃縮し、残渣をエーテルと研和し、濾過すると、標題化合物が塩酸塩として得られた。
【0111】
H−NMR(CDOD):δ1.66(d,2H),2.94−3.66(complex m,6H),4.20−4.86(m,3H),7.34−7.15(m,10H)。質量スペクトル(m/e):307.4(M+H)。
【実施例3】
【0112】
【化12】

【0113】
実施例2で得られたアミン化合物(0.025g)のDMF(0.5mL)溶液にブロモジフェニルメタン(0.025g)およびCSCO(0.03g)を添加した。混合物をマイクロ波下、100℃で10分間加熱し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を水洗し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:1)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた。
【0114】
H−NMR(CDCl):δ1.66(d,2H),2.76−3.45(complex m,6H),3.65(m,1H),4.13(d,1H),4.29(d,1H),4.48(d,1H),4.70(s,1H),7.18−7.45(m,20H)。質量スペクトル(m/e):473.5(M+H)。
【実施例4】
【0115】
【化13】

【0116】
実施例2で得られたアミン化合物(0.02g)のCHCl(0.5mL)溶液に、3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド(0.025g)およびEtN(0.05mL)を添加し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水洗した。有機相を乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(2:3)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた(0.03g)。
【0117】
H−NMR(CDCl):δ1.66(d,2H),2.76−3.45( complex m,6H),3.65(m,1H),4.13(d,1H),4.29(d,1H),4.48(d,1H),4.70(s,1H),7.18−7.85(m,14H)。質量スペクトル(m/e):514.5(M+H)。
【実施例5】
【0118】
【化14】

【0119】
CHCl(1mL)中の(1S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(0.04g,0.2mMol)の溶液に、3−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリド(0.05g)、EtN(0.07mL)およびDMAP(0.001g)を添加し、反応混合物を室温で一夜撹拌した。反応混合物をEtOAcで希釈し、水洗した。有機相を乾燥し(NaSO4、)減圧下で濃縮した。得られた粗生成物を次にシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:2)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた(0.048g)。
【0120】
H−NMR(CDCl):δ1.46(s,9H),1.66(d,2H),2.76−3.45(complex m,6H),3.65(m,1H),4.13(d,1H),4.29(d,1H),4.48(d,1H),4.70(s,1H),7.18−7.65(m,4H)。質量スペクトル(m/e):407.3(M+H)。
【実施例6】
【0121】
【化15】

【0122】
(1S,4S)−2−tert−ブトキシカルボニル−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタンを2−クロロ−4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルクロリドと実施例5に記載のように反応させることによって標題化合物を製造した。得られた粗生成物を次にシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:2)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた。
【0123】
H−NMR(CDCl):δ1.46(s,9H),1.66(d,2H),2.76−3.45(complex m,6H),3.65(m,1H),4.13(d,1H),4.29(d,1H),4.48(d,1H),4.70(s,1H),7.18−7.65(m,3H)。質量スペクトル(m/e):441.5(M+H)。
【実施例7】
【0124】
【化16】

【0125】
実施例2で得られたアミン化合物(0.025g)のCHCl(0.5mL)溶液にEtN(0.025mL)、Boc−D−Leu(0.04g)、EDC(0.04g)およびDMAP(0.001g)を順次に添加した。混合物を室温で一夜撹拌し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を水洗し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:1)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた(0.026g)。
【0126】
質量スペクトル(m/e):520.6(M+H)。
【実施例8】
【0127】
【化17】

【0128】
実施例7で得られたN−Boc化合物(0.025 g)を4MのHCl含有ジオキサン(0.5mL)に溶解し、室温で4時間撹拌した。次に反応混合物を無水エーテルで希釈した。沈殿した固体をフィルターに収集し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥すると、所望のアミンが塩酸塩として得られた(0.021g)。
【0129】
質量スペクトル(m/e):420.6(M+H)。
【実施例9】
【0130】
【化18】

【0131】
段階1:
【0132】
【化19】

【0133】
実施例5で得られたN−Boc化合物(0.05g)を4MのHCl含有ジオキサン(1.0mL)に溶解し、室温で4時間撹拌した。次に反応混合物を減圧下で濃縮した。無水エーテルを添加し、沈殿した固体をフィルターに収集し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥すると、所望アミンが塩酸塩として得られた(0.042g)。
【0134】
質量スペクトル(m/e):307.5(M+H)。
【0135】
段階2
段階1で得られたアミン化合物(0.045g)のCHCl(0.5mL)溶液にEtN(0.03mL)、Boc−D−Leu(0.051g)、EDC(0.05g)およびDMAP(0.001g)を順次に添加した。混合物を室温で一夜撹拌し、次いで水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機相を水洗し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:2)を使用することによって精製すると、標題化合物が得られた(0.05g)。
【0136】
質量スペクトル(m/e):520.3(M+H)。
【実施例10】
【0137】
【化20】

【0138】
実施例9の段階2で得られたN−Boc化合物(0.04g)を4MのHCl含有ジオキサン(0.5mL)に溶解し、室温で4時間撹拌した。次に反応混合物を無水エーテルで希釈した。沈殿した固体をフィルターに収集し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥すると、所望アミンが塩酸塩として得られた(0.03g)。
【0139】
質量スペクトル(m/e):420.4(M+H)。
【実施例11】
【0140】
【化21】

【0141】
実施例2で得られたアミン塩酸塩(0.07g)のDMF(1.0mL)溶液に、4−フルオロベンジルブロミド(0.05mL)およびCsCO(0.2g)を添加し、混合物を100℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却し、水およびEtOAcで希釈した。有機相を水洗し、乾燥し(NaSO)、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーでEtOAc−ヘキサン(1:1)を使用することによって精製すると、標題化合物が泡として得られた。泡を4M HCl/ジオキサン(0.5mL)に溶解し、次いで無水エーテルを添加すると、所望化合物が塩酸塩として沈殿した(0.03g)。
H−NMR(CDOD):δ1.66(d,2H),2.94−3.66(complex m,6H),3.8(s,2H),4.20−4.86(m,3H),7.34−7.15。質量スペクトル(m/e):415.6(M+H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

[式中、Aは、−C(R)(R)、C=O、C(O)O、N(R)(C=O)、SOまたは−N(R)SOであり、
Bは、−(CH0−4−、−C(C−Cアルキル)、C(O)O、N(R)(C=O)、SOまたはN(R)SOであり、
は、
(a)C−Cアルキル、
(b)C−Cシクロアルキル、
(c)C−Cアルキル−アリール、
(d)アリール−アリール、
(e)アリール−ヘテロアリール、
(f)C−Cアルキル−ヘテロアリール、
(g)C−Cアルキル−C(O)−N−C−Cアルキル−R
(h)C−Cアルキル(N−C(O)−複素環)(C−Cアルキル−アリール)、
(i)C−Cアルキル(N−C(O)O−C−Cアルキル)(C−C−アルキル−C−Cペルフルオロアルキル)、
(j)C−Cアルキル−N−C(O)−アリール、
(k)C−Cアルキル−N−C(O)−C−Cシクロアルキル、または、
(l)O−R
であり、前記アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環のおのおのは独立に、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、−NH(C=O)O−C−Cアルキル、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、前記アリールまたはヘテロアリールの隣り合う2つの置換基はアリールと共に複素環を形成することができ、
は、
(a)H、
(b)アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されたC−C−アルキルであり、前記アリールまたはヘテロアリールの隣り合う2つの置換基はアリールと共に複素環を形成することができ、
(c)C−Cシクロアルキル、または、
(d)C−Cアルキル−アリール
であり、前記アリールは、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、
は、
(e)H、
(f)C−C−アルキル、
(g)アリール、または、
(h)ヘテロアリール
であり、前記アリールは、ハロゲン、アリール、O−C(O)−C−Cアルキル、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、O−CF、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換され、前記ヘテロアリールは、ハロゲン、アリール、C−Cペルフルオロアルキル、N(R、C−Cアルキル、CN、C−Cシクロアルキル、OH、−O−C−C−ペルフルオロアルキル、C(O)R、C(O)O−R、SOおよびヘテロアリールから選択された1つ以上の置換基で場合により置換されており、
は、
(a)H、
(b)−C−C−アルキル、または、
(c)アリール
であり、
は、
(a)H、
(b)C−Cアルキル、
(c)C−C−アルキル−ヘテロシクロアルキル、
(d)−C−C−アルコキシ、
(e)アリール、
(f)C−Cアルキル−アリール、
(g)ヘテロアリール、または、
(h)C−Cアルキル−ヘテロアリール
であり、
は、
(a)H、または、
(b)C−Cアルキルである。]
によって表される化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項2】
【表1】

によって表される請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項3】
不活性担体と有効量の請求項1に記載の化合物とを含む医薬組成物。
【請求項4】
治療有効量または予防有効量の請求項1に記載の化合物または医薬的に許容されるその塩を患者に投与する段階を含む、慢性または神経障害性疼痛の治療または予防の必要がある哺乳類患者の慢性または神経障害性疼痛の治療または予防方法。

【公表番号】特表2009−523794(P2009−523794A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551298(P2008−551298)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/000883
【国際公開番号】WO2007/084394
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】