説明

カルシウムチャンネル遮断薬

本発明は、一部に、ジヒドロピリミジン、ジヒドロピリミドン、ジヒドロピリミジンチオン、及びジヒドロピリジン化合物によるカルシウムチャンネル機能の調節方法を指向する。さらに、本発明は、本発明により同定される化合物による生物のタンパク質キナーゼ関連異常状態の予防又は治療方法を記載する。さらに、本発明は、遅い活性の発現及び長い活性期間を有するT−チャンネルアゴニストに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
発明の分野
本発明は、カルシウムチャンネル活性を調節することができるある種のジヒドロピリミジン、ジヒドロピリミドン、ジヒドロピリミジンチオン、及びジヒドロピリジン化合物に関する。これらの化合物は、カルシウムチャンネルに関連する心臓血管疾患などの疾患の治療にも用いることができる。
【0002】
関連技術分野の記載
カルシウムアンタゴニスト又はカルシウムチャンネル遮断薬の薬理機能及び重要性は、十分に証拠提供されている。例えば、R.A. Janis and D. J. Triggle "New developments in Ca2+channel antagonists" Journal of Medicinal Chemistry, 26, 775-785 (1983)を参照。カルシウムアンタゴニストの中で、ニフェジピンタイプの4−アリール−1,4−ジヒドロピリジン−3,5−ジカルボン酸ジエステル(DHP)は、心臓血管疾患の治療にはほとんど不可欠と言える。構造活性相関(SAR)については、S. Goldmann and J. Stoltefuss "1,4-Dihydropyridine: Effects of chirality and conformation on the calcium antagonist and calcium agonist activities "Angewandte Chemie International Edition (English) 30, 1559-1578 (1991)を参照。4−フェニル環上の置換が薬理活性に非常に重要であることは十分に証拠提供されている。オルト又はメタ位での置換によって活性が向上するのに対し、パラ置換では常に活性が低下する。オルト置換基の嵩高さによってカルシウムアンタゴニスト活性が向上することも公表されている。B. Loev. M. M. Goodman, K. M. Snader. R. Tedeschi, E. Macko, "Hantzsch-Type Dihydropyridine hypotensive Agents ", Journal of Medicinal Chemistry 17, 955-965 (1974)。
【0003】
電位依存性カルシウムチャンネルは、カルシウムイオンの細胞内濃度を制御する大きな膜貫通タンパク質である。該カルシウムチャンネルは、それらが活性化される膜電位によって高電位活性化チャンネル(HVA)及び低電位活性化チャンネル(LVA)に分類される。E. Corbone and H. D. Lux. "A Iow voltage activated, fully inactivating Ca channel in vertebrate sensory neurons" Nature, 310, 501-502, (l984): B. Nilius. P. Hess, J. B.Lansman and R. W.Tsien A novel type of cordiac calcium channel in ventricular cells. Nature. 316, 443-446. (1985).; M. C.Nowycky, A. P.Fox , R. W.Tsien, "Three types of neuronal calcium chnnels with different calcium agonist sensitivity" Nature 316 440-443 (1985)。LVAチャンネルは開口して急速に不活化するが、HVAカルシウムチャンネルより約10〜100倍遅く不活化する。HVAチャンネルは、活性化するためにはより強い膜の脱分極が必要であり、さらにそれらの薬理学的性質に基づいてN、P/Q、L型に分類することができる。LVAチャンネルは、心臓、脳、背根神経節、及び副腎などの種々の組織で検出することができる。哺乳動物の発現配列で標識したcDNAに対してあるいは線虫類線虫(Caenorhabditis elegans)の類似配列に対して異なる検索アルゴリズムを用いることによっていくつかの遺伝子が同定され、そのうちの3つは、LVAカルシウムチャンネル(T型チャンネル)をコードし、α1G、α1H、α1Iと呼ばれている;L. Lacinova, N. Klugbauer, F. Hofmann "Low voltage activated calciuum channels: from genes to function" Gen. Physiol. Biophys., 19, 121-136, (2000)の総説を参照のこと。先に述べたカルシウムチャンネルのタイプのうち、L型チャンネルが大きな注目を集めている。L型チャンネル遮断薬の中で、ジヒドロピリジン(DHP)は最も広く研究されている。しかしながら、ほとんどのDHPはT型チャンネルに対して選択的ではなく、T型チャンネルを阻害するDHPは未だほとんどない。
【0004】
電位依存性カルシウムチャンネルは、多くのタイプの細胞においてカルシウム流入の重要な調節因子である。これらのチャンネルを通ってカルシウムが進入することによって、遺伝子発現、カルシウム依存性第二メッセンジャーカスケード、及び細胞増殖の幅広い刺激から、神経系内での神経伝達物質の特異的放出並びに平滑筋及び心筋での収縮まで、過多の細胞内事象が活性化される(Tsien et al, 1988)(Wheeler et al, 1994); (Dunlap et al, 1995); (Tsien et al, 1991)。多くの異なるタイプのカルシウムチャンネルがネイティブな組織中に同定され、それらの生物物理学プロフィールに基づいて低電位活性化(LVA)及び高電位活性化(HVA)チャンネルに分類されている(Nowycky et al, 1985); (Tsien et al, 1991)。LVAチャンネルは、相対的に過分極の電位で最初活性化し、直ぐに不活化する(Akaike et al, 1989);(Takahashi et al, 1991)。対照的に、HVAチャンネルは、活性化するためにはより強い膜の脱分極が必要であり、さらにそれらの薬理学的性質に基づいてN型、P/Q型、R型、及びL型に分類することができる(総説に(Stea et al, 1995);(Zamponi, 1997)を参照のこと)。分子クローニングによって、HVAチャンネルは、孔を形成するαサブユニット、及び補助α−δ、β、及び可能性としてγサブユニットからなるヘテロマルチマーであることが証明されているのに対し(Pragnell et al, 1994);(Klugbauer et al, 1999);(Klugbauer et al, 2000);(総説に(Catterall, 2000)を参照のこと)、LVAチャンネルは、αサブユニットのみを含んでいるようである(Lacinova et al, 2000)。現在までに、10個の異なるタイプのカルシウムチャンネルαサブユニットが同定され、従前に同定されたネイティブなカルシウムチャンネルのアイソフォームをコードしていることが示されている。α1Aの選択的スプライシングによってP型及びQ型Ca2+チャンネルの双方が生じ(Bourinet, 1999)、α
1BはN型チャンネルをコードし(Dubel et al, 1992)、α1c、α1D、及びα1PはL型チャンネルであり(Williams et al, 1992b);(Bech-Hansen et al, 1998)、α1G、α1H、及びα1IはT型チャンネルを形成し(すなわち、McRory et al, 2001)、α1EはR型チャンネルをコードすることができ(Soong et al, 1993);(Tottene et al, 1996)、α1Eは骨格筋L型チャンネルアイソフォームをコードすること(Tanabe et al, 1987)が発現研究によって示されている。
【0005】
L型カルシウムチャンネルのジヒドロピリジン(DHP)アンタゴニストは、高血圧、アンギナ、不整脈、鬱血性心不全、心筋症、動脈硬化、並びに脳及び末梢血管障害の治療において広く用いられる治療剤である(Janis and Triggle, 1990) CRC Press, Cleveland。DHPは、ネイティブなL型カルシウムチャンネル活性を選択的に遮断し、かつ、増強する傾向を有する。B. P. (Bean, 1984);B.Z.(Petezson and Catterall, 1995)。L型チャンネル活性に加え、いくつかのDHPはT型チャンネル活性に感受性である(N. Akaike, H. Kanaide, T, Kuga, M, Nakamura, J. Sadoshima and Tomoike "Low Voltage Activated Calcium Current in rat Aorta Smooth Musche Cells In Primary Cultur" J Physiol 416, 141-160, (1989)。
【0006】
発明の概要
式Iの化合物、
【化1】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグが開示され、式中、
a)R〜Rは、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、低級アルキル及び低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化2】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、ここで、Aは、酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは、0〜4の間であり;ここで、環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立して任意選択により置換され;
b)Rは、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R10は、水素及び低級アルキルから成る群から選択されるか、式Iの化合物の窒素含有環が芳香族ピリジンである場合には該R10は任意選択により存在しない。
【0007】
さらに、式II
【化3】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグが開示され、式中、
a)R11〜R13及びR15〜R18は、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、アルコキシ、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、低級アルキル及び低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化4】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、Aは、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホン、及び−NHから成る群から選択され;R22は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され;nは、0〜4の間であり;環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、
b)R19は、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R20は、水素及び低級アルキルから成る群から選択され;
d)R21は、i)水素、アルキル、アルコキシ、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環;ii)COY(ここで、Yは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNR1314であり、ここで、R13は、水素又はC〜Cアルキルであり、R14は水素、C〜Cアルキル、又はC〜C14フェナルキルである);iii)X又はCOX(ここで、Xは、
【化5】

である);iv)ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、COONHR35、COON(R35、COOSO38、COONR35SON(R35、CO35、COON(R35、COOSON(R35、COOSO38;v)CONR2526(ここで、R25は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアリールアルキルから成る群から選択され、R26は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はハロ置換アルキルから成る群から選択され、あるいはR25及びR26は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル(その各々はアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフロロメチル、又はヒドロキシから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換される)を形成する);vi)Z、COOZ、又はC(O)(NH)Z(ここで、Zは、
【化6】

から成る群から選択され、ここで、A)p及びqは、各々独立して0〜10であり;B)R30は、ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、C1〜4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されるフェニルであり;C)R31は、水素、シアノ、OR38、COOR35、CON(R35、並びにハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC14アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルから成る群から選択され;D)R35及びR37は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、(CH0〜4CFから各々独立して選択される)から成る群から選択され;E)R38は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、及び(CH0〜4CFから成る群から選択され;
e)Xは、酸素又は硫黄であり;
f)Qは、酸素又は窒素であり、但し、Qが酸素であるとき、R13は存在しない。
【0008】
細胞を上記の化合物と接触する工程を含む、細胞中でのカルシウムチャンネル活性の調節方法も開示される。
【0009】
さらに、そのような治療が必要な被検体を同定する工程及び被検体に治療有効量の上記の化合物を投与する工程を含む、細胞カルシウムチャンネルと関連する疾患の治療方法も開示される。
【0010】
投与時から収縮期血圧の最大低下時までのin vivoでの収縮期血圧低下活性の発現が少なくとも3時間であり、かつ、in vivoでの投与時からその後に達成される収縮期血圧低下量が少なくとも20パーセント低下するまでの活性期間が少なくとも24時間である選択的T−チャンネルアンタゴニストを提供する工程と、該アンタゴニストを規則正しい用量で1日あたり1回以下の頻度で哺乳動物に投与する工程とを含む、カルシウムT−チャンネル活性の阻害方法も開示する。
【0011】
さらに、選択的T−チャンネルアンタゴニストを少なくとも1日おきに個々の投与量で患者に繰り返して投与する工程を含む、高血圧の治療方法も開示する。
【0012】
さらに、活性の発現の速さを測定するために候補化合物を試験する工程;活性期間を測定するために候補化合物を試験する工程;及びミベフラジルより活性の発現が遅く、かつ、活性期間が長い候補化合物を選択する工程を含む、所望の薬理学的プロフィールを有するカルシウムT−チャンネルアンタゴニストの選択方法を開示する。
【0013】
さらに、上記の化合物及び薬学的に許容できる担体、希釈剤、若しくは賦形剤、又はそれらの組み合わせを含有する医薬組成物を開示する。
【0014】
好ましい実施態様の詳細な説明
ここで、我々は、カシューナットシェル液中に存在するフェノール類成分であるアナカルド酸(anacardi acid)(Paul and Yeddanapalli, 1956),(1956)から誘導される新規な一連のDHP誘導体(1,4−ジヒドロ−4−(2’−アルコキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジアルキル)を報告する。これらの化合物は、カルシウムチャンネルアンタゴニストとしての活性を示し、これらのタイプの化合物が知られている種々の目的に用いることができる。
【0015】
I.本発明の化合物
したがって、本発明の態様は、式Iの化合物、
【化7】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグに関し、式中、
a)R〜Rは、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、低級アルキル及び低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化8】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、ここで、Aは、酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは、0〜4の間であり;ここで、環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立して任意選択により置換され;
b)Rは、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R10は、水素及び低級アルキルから成る群から選択されるか、式Iの化合物の窒素含有環がピリジンである場合には該R10は任意選択により存在しない。
【0016】
「薬学的に許容できる塩」との用語は、該塩を投与した生物に対して有意な刺激を引き起こすことがなく、かつ、化合物の生物活性及び生物学的性質を妨げない化合物の製剤をいう。薬学的な塩は、本発明の化合物を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸と反応させることにより得ることができる。本発明の化合物を塩基と反応させて、アンモニウム塩などの塩、ナトリウム又はカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム又はマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン、N−メチル−D−グルカミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどの有機塩基の塩、及びアルギニン、リシンなどのアミノ酸との塩を形成することによっても、薬学的な塩を得ることができる。
【0017】
「エステル」との用語は、式−(R)−COOR’を有する化学部分をいい、ここで、R及びR’はアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を通して結合される)、及び複素脂環(環炭素を通して結合される)から成る群から独立して選択され、nは0又は1である。
【0018】
「アミド」は、式−(R)−C(O)NHR’又は−(R)−NHC(O)R’を有する化学部であり、ここで、R及びR’はアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を通して結合される)、及び複素脂環(環炭素を通して結合される)から成る群から独立して選択され、nは0又は1である。アミドは、本発明の分子に結合したアミノ酸又はペプチド分子であることができ、それによってプロドラッグが形成される。
【0019】
本発明の化合物上の任意のアミン、ヒドロキシ、又はカルボキシル側鎖は、エステル化又はアミド化することができる。この目的を達成するために用いられる手順及び特定の基は、当業者に既知であり、Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rd Ed. , John Wiley & Sons, New York, NY, 1999などの参照に容易に見出すことができる。
【0020】
「プロドラッグ」は、in vivoで親薬物に変換される作用物質をいう。プロドラッグは、ある状況において親薬物より容易に投与することができるので、しばしば有用である。それらは例えば経口投与によって生物学的利用可能であるのに対し、親はそうではない。プロドラッグは、医薬組成物に対して親薬物より向上した溶解性を有することもできる。プロドラッグの例は、限定するものではないが、移動には水溶性が不利である細胞膜を通って移動するのを容易にするためにエステルとして投与されるが、水溶性が有利である細胞内部にひとたび入ると代謝により加水分解されて活性部分であるカルボン酸になる、本発明の化合物(「プロドラッグ」)であろう。プロドラッグのさらなる例は、ペプチドが代謝されて活性部分が現れることとなる酸性基に結合された短いペプチド(ポリアミノ酸)であってもよい。
【0021】
「芳香族の」との用語は、共役パイ電子系を有する環を少なくとも1つ有する芳香族基をいい、炭素環式アリール(例えば、フェニル)及び複素環式アリール基(例えば、ピリジン)の双方を含む。該用語には、単環式又は縮合環多環式(すなわち、隣接する炭素原子対を共有する環)基が含まれる。「炭素環式」との用語は、1つ以上の共有結合による閉環構造を含み、かつ、環の骨格を形成する原子がすべて炭素原子である化合物をいう。したがって、該用語によって、炭素環は、環骨格が炭素とは異なる少なくとも1つ原子を含有する複素環と区別される。「芳香族複素環式」との用語は、少なくとも1つ複素環を含有する芳香族基をいう。
【0022】
本明細書中に用いられる通り、「アルキル」との用語は、脂肪族炭化水素基をいう。アルキル部分は、アルケン又はアルキン部分のいずれも含有しないことを意味する「飽和アルキル」基であることができる。アルキル部分は、少なくとも1つアルケン又はアルキン部分を含有することを意味する「不飽和アルキル」部分であることもできる。「アルケン」部分は少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素二重結合から成る基をいい、「アルキン」部分は少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも1個の炭素−炭素三重結合から成る基をいう。アルキル部分は、飽和であろうと不飽和であろうと、分枝状、直鎖状、又は環状であることができる。
【0023】
アルキル基は、1〜40個の炭素原子を有することができる(これが本明細書中に現れる場合はいつでも、「1〜40」などの数の範囲は所与の範囲中の各々の整数をいい、例えば「1〜40個の炭素原子」とは、アルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、最高で40個(40個を含む)の炭素原子から成ることができることを意味するが、本定義は数の範囲が指定されていない「アルキル」との用語が現れた場合も包含する。)アルキル基は、1〜20個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであることもできる。アルキル基は、1〜5個の炭素原子を有する低級アルキルであることもできる。本発明の化合物アルキル基は、「C〜Cアルキル」として又は同様の指定として指定することができる。単なる例示として、「C〜Cアルキル」は、アルキル鎖中に1〜4個の炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖がメチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、及びt−ブチルから成る群から選択されること示している。
【0024】
アルキル基は、置換又は無置換であることができる。置換する場合、置換基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素脂環、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、及び一置換及び二置換アミノ基を含むアミノ、並びにそれらの保護誘導体から個々にかつ独立して選択される1つ以上の基であることができる。典型的なアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが含まれるが、全く限定するものではない。置換基が「任意選択により置換される」と記載されている場合はいつでも、その置換基を上記の置換基のうちの1つで置換することができる。
【0025】
それ自体で出現し、かつ、数の指定がない置換基「R」は、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール(環炭素を通して結合される)、及び複素脂環(環炭素を通して結合される)から成る群から選択される置換基をいう。
【0026】
「O−カルボキシ」基は、RC(=O)O−基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0027】
「C−カルボキシ」基は、−C(=O)OR基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0028】
「アセチル」基は、−C(=O)CH基をいう。
【0029】
「トリハロメタンスルホニル」基は、XCS(=O)−基(Xはハロゲンである)をいう。
【0030】
「シアノ」基は、−CN基をいう。
【0031】
「イソシアナート」基は、−NCO基をいう。
【0032】
「チオシアナート」基は、−CNS基をいう。
【0033】
「イソチオシアナート」基は、−NCS基をいう。
【0034】
「スルフィニル」基は、−S(=O)−R基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0035】
「S−スルホンアミド」基は、−S(=O)NR基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0036】
「N−スルホンアミド」基は、RS(=O)NH−基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0037】
「トリハロメタンスルホンアミド」基は、XCS(−O)NR−基(X及びRは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0038】
「O−カルバミル」基は、−OC(=O)−NR基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0039】
「N−カルバミル」基は、ROC(=O)NH−基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0040】
「O−チオカルバミル」基は、−OC(=S)−NR基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0041】
「N−チオカルバミル」基は、ROC(=S)NH−基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0042】
「C−アミド」基は、−C(=O)−NR基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0043】
「N−アミド」基は、RC(=O)NH−基(Rは本明細書中に定義する通りである)をいう。
【0044】
「パーハロアルキル」との用語は、すべての水素原子がハロゲン原子により置換されているアルキル基をいう。
【0045】
別に指摘しない限り、置換基を「任意選択により置換された」とする場合、置換基は、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、複素脂環、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、シアノ、ハロ、カルボニル、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、C−カルボキシ、O−カルボキシ、イソシアナート、チオシアナート、イソチオシアナート、ニトロ、シリル、トリハロメタンスルホニル、及び一置換及び二置換アミノ基を含むアミノ、並びにそれらの保護誘導体から個々にかつ独立して選択される1つ以上の基で置換することができる基であることを意味する。上記の置換基の保護誘導体を形成することができる保護基は、当業者に既知であり、上記のGreene and Wutsなどの参照に見出すことができる。
【0046】
ある種の実施態様では、式Iの化合物において、R及びRは各々独立して水素又は低級アルキルであることができる。他の実施態様では、R及びRは低級アルキルであることができる。低級アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から任意選択によりかつ独立して選択されることができる。いくつかの実施態様では、R及びRはメチルである。
【0047】
本発明のある種の実施態様は、R及びRが各々独立して水素又は低級アルキルであることができる式Iの化合物に関する。他の実施態様では、R及びRは低級アルキルであることができる。低級アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から任意選択によりかつ独立して選択することができる。ある種の実施態様では、Rはメチルであることができる一方、他の実施態様では、Rはエチルであることができる。いくつかの実施態様では、Rはイソプロピルであるこができる一方、他の実施態様では、Rはメチルであることができ、さらに他の実施態様では、Rはイソプロピルであることができる。
【0048】
いくつかの実施態様では、式I化合物のRは水素又は低級アルキルであることができる。ある種の実施態様では、Rは低級アルキルであることができる。低級アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から任意選択によりかつ独立して選択することができる。ある種の実施態様では、Rはメチルであることができる一方、他の実施態様では、Rはエチル又はイソプロピルであることができる。
【0049】
式Iの化合物のR〜R置換基は、いくつかの実施態様では、各々独立して水素又は低級アルキルであることができる。ある種の実施態様では、R〜Rは水素である。
【0050】
いくつかの実施態様は、Rが水素又はアルキルである式Iの化合物に関する。ある種の実施態様では、Rはアルキルであることができる。いくつかの実施態様では、Rは直鎖アルキルであることができる一方で、他の実施態様では、Rは分枝状アルキルであることができる。Rは、少なくとも30個、又は20個、又は15個、又は10個、又は8個、又は5個、又は少なくとも3個の炭素原子を含むことができる。いくつかの実施態様では、Rは式−CH(CH13CHを有するペンタデシルである。
【0051】
置換基R10は、存在していてもよいし、不存在でもよい。いくつかの実施態様では、R10は存在し、水素である。他の実施態様では、R10は不存在であり、式Iの化合物中の窒素含有環は芳香族ピリジンである。R10が窒素含有環の4位、すなわち、フェニル基が結合している位置に存在する場合、上記の式で示されていない追加の水素が結合されていると当業者は理解する。したがって、4位の炭素への単一結合が4つあり、環内の結合が2つ、フェニル基への結合が1つ、水素への結合が1つある(示していない)。しかしながら、R10が不存在である場合には、4位の炭素に水素は結合していない。環内の結合の他には、フェニル基がその炭素に結合した唯一の基であろう。
【0052】
ある種の実施態様では、Rは、
【化9】

であり、ここで、Aは酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R11は水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは0〜4の間である。
【0053】
「ジアゾ塩」は、Xがハロゲンである式−NNの基である。いくつかの実施態様では、ハロゲンは塩素である一方、他の実施態様では、ハロゲンはフッ素又は臭素である。
【0054】
いくつかの実施態様では、Aは酸素である一方、他の実施態様では、Aは硫黄であり、さらに他の実施態様では、Aは−NHである。
【0055】
ある種の実施態様では、R11は水素である。
【0056】
ある種の実施態様では、本発明は、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−カルボキシピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−メチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−イソプロピル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−((2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−メチル(5’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;及び1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−メチル(5’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピルから成る群から選択される式Iの化合物に関する。
【0057】
上記の化合物のいくつかの構造を表1に示す。
【化10】

【0058】
【表1】

【0059】
別の態様では、本発明は、式IIの化合物、
【化11】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグに関し、式中、
a)R11〜R13及びR15〜R18は、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、アルコキシ、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、低級アルキル及び低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化12】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、Aは、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホン、及び−NHから成る群から選択され;R22は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され;nは、0〜4の間であり;環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され;
b)R19は、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R20は、水素及び低級アルキルから成る群から選択され;
d)R21は、i)水素、アルキル、アルコキシ、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環;ii)COY(ここで、Yは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNR1314であり、ここで、R13は、水素又はC〜Cアルキルであり、R14は水素、C〜Cアルキル、又はC〜C14フェナルキルである);iii)X又はCOX(ここで、Xは、
【化13】

である);iv)ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、COONHR35、COON(R35、COOSO38、COONR35SON(R35、CO35、COON(R35、COOSON(R35、COOSO38;v)CONR2526(ここで、R25は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアリールアルキルから成る群から選択され、R26は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はハロ置換アルキルから成る群から選択され、あるいはR25及びR26は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル(その各々はアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフロロメチル、又はヒドロキシから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換される)を形成する);vi)Z、COOZ、又はC(O)(NH)Z(ここで、Zは、
【化14】

から成る群から選択され、ここで、A)p及びqは、各々独立して0〜10であり;B)R30は、ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、C1〜4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されるフェニルであり;C)R31は、水素、シアノ、OR38、COOR35、CON(R35、並びにハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC14アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルから成る群から選択され;D)R35及びR37は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、(CH0〜4CFから各々独立して選択される)から成る群から選択され;E)R38は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、及び(CH0〜4CFから成る群から選択され;
e)Xは、酸素又は硫黄であり;
f)Qは、酸素又は窒素であり、但し、Qが酸素であるとき、R13は存在しない。
【0060】
ある種の実施態様では、R11は水素又は任意選択により置換された低級アルキルである。いくつかのこれらの実施態様では、R11はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から選択される。いくつかの実施態様には、R11がメチル又はエチルであるものが含まれる。
【0061】
他の実施態様では、R11は、
【化15】

であり、ここで、Aは酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R22は水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは0〜4の間である。
【0062】
いくつかの実施態様では、Aは酸素である一方、他の実施態様では、Aは硫黄であり、さらに他の実施態様では、Aは−NHである。ある種の実施態様では、R22は水素である。
【0063】
いくつかの実施態様では、R12及びR13は、各々独立して水素又は低級アルキルである。いくつかのこれらの実施態様では、R12及びR13は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から各々独立して選択することができる。
【0064】
ある種の実施態様では、R15は水素又は低級アルキルである。これらの実施態様のいくつかでは、R15は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、及びペンチルから成る群から選択することができる。
【0065】
本発明の実施態様には、R16〜R18が各々独立して水素又は低級アルキルである式IIの化合物が含まれる。いくつかの実施態様では、R19は水素又はアルキルである。R19は、アルキルである場合に、直鎖アルキル又は分枝状アルキルであることができる。いずれの場合でも、R19は少なくとも30個の炭素原子、少なくとも20個の炭素原子、少なくとも15個の炭素原子、又は少なくとも10個の炭素原子を含有することができる。したがって、R19は、ペンタデシル(C1531)基、ドデシル(C1225)基、又はデシル(C1021)基であることができる。
【0066】
いくつかの実施態様では、R20は水素である。
【0067】
ある種の実施態様では、R21は水素、アルキル、及びアルコキシから成る群から選択することができる。R21は、アルコキシである場合に、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシから成る群から選択することができる。
【0068】
いくつかの実施態様では、R21は、Yは本明細書中に定義されたCOYである。ある種のこれらの実施態様では、Yは、C〜Cアルコキシ又はNR1314(R23は水素又はC〜Cアルキルであり、R24は水素、C〜Cアルキル、又はC〜C14フェナルキルである)である。「フェナルキル」基は、任意選択により置換されたフェニル基がアルキル置換基に結合しているものである。C−CH−は、Cフェナルキル基である。フェニル基は、本明細書中に示した通りに置換することができる。
【0069】
ある種の実施態様では、Yは、エトキシであることができるC〜Cアルコキシであることができる。他の実施態様では、Yは、R23及びR24が各々独立してC〜CアルキルであることができるNR2324であることができる。これらの実施態様のいくつかでは、R23及びR24は、各々、メチルである。
【0070】
いくつかの実施態様では、R21は、COONHR35、COO(R35、COOSO38、COONR35SON(R35、CO35、COON(R35、COOSON(R35)、及びCOOSO38から成る群から選択される。
【0071】
他の実施態様では、R21は、X又はCOX(Xは本明細書中に定義されている)である一方、さらに他の実施態様では、R21は、Z、COOZ、又はC(O)(NH)Z(Zは本明細書中に定義されている)である。R21がX置換基を含む場合、pは、0〜8、0〜5、0〜3、又は0〜2であることができる。いくつかの実施態様では、pは0である一方、他の実施態様では、pは2である。R21がZ置換基を含むことができる場合、p及びqは各々独立して0〜8、0〜5、0〜3、又は0〜2であることができる。いくつかの実施態様では、p及びqは各々独立して0である一方、他の実施態様では、p及びqは各々独立して2である。
【0072】
21がX置換基又はZ置換基を含む場合、R30はハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC1〜4アルキルから成る群から独立して選択された1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルである。いくつかの実施態様では、フェニルが無置換である一方、他の実施態様では、フェニルは置換されている。ある種のこれらの実施態様では、フェニルは、フッ素であることができるハロゲンで置換される。他の実施態様では、フェニルは(CH0〜4CO35で置換される。これらの後者の実施態様のいくつかでは、フェニルは−COOCHで置換することができる。
【0073】
ある種の実施態様では、Qは窒素である。これらの実施態様のいくつかでは、−C(O)QR1213部分は−C(O)NHであることができる。他の実施態様では、Qは、Qが単独で置換され、かつ、R13が存在しない場合、酸素である。
【0074】
したがって、上記の本発明の化合物のいくつかを表2に列記する。
【0075】
【表2−1】

【表2−2】

【表2−3】

【0076】
上記の化合物の構造を表3に示す。
【化16】

【0077】
【表3−1】

【表3−2】

【化17】

【0078】
II.併用療法
本発明の各化合物は、医薬組成物中の単独の活性成分として投与することができる一方、個々の患者におけるより明確な影響を引き起こすために、本発明の化合物を他の活性成分と組み合わせることができる。したがって、別の態様では、本発明は、上記の式I又はIIの化合物及び第2の化合物を含有する薬学的組み合わせに関する。
【0079】
ある種の実施態様では、第2の化合物は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤又はアンギオテンシンII受容体遮断薬(ARB)であるこができる。多くのACE阻害剤が市販されている。化学構造が若干類似しているこれらの化合物には、リシノプリル、エナラプリル、キナプリル、ラミプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、フォシノプリル、モエキシプリル、トランドラプリル、及びペリンドプリルが含まれる。ACE阻害剤は、一般に、アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換するアンギオテンシン変換酵素の作用を阻害する化合物である。本発明の範囲には、現在既知であるそれらのACE阻害剤すべて及び将来発見されるそれらのACE阻害剤すべてが含まれる。
【0080】
多くのARBも市販され、あるいは当該技術分野で既知である。これらの化合物には、ロサルタン、イルベサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、エポサルタン、及びバルサルタンが含まれる。ARBは、血管を弛緩することにより血圧を低下させる。これによって、より良好な血流となる。ARB機能は、管を正常に収縮させるであろうアンギオテンシンIIの結合を遮断する能力に由来する。本発明の範囲には、現在既知であるそれらのARBのすべて及び将来発見されるそれらのARBのすべてが含まれる。
【0081】
他の実施態様では、本発明の医薬組成物中の第2の化合物は、ベータ遮断薬であることができる。多くのベータ遮断薬が市販されている。これらの化合物には、アテノロール、コハク酸メトプロロール、酒石酸メトプロロール、塩酸プロプラノロール、ナドロール、アテノロール、塩酸アセブトロール、フマル酸ビソプロロール、ナドロール、ピンドロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸アセブトロール、塩酸ベタキソロール、硫酸ペンブトロール、マレイン酸チモロール、塩酸カルテオロール、塩酸エスモロール、及びアテノロールが含まれる。ベータ遮断薬は、一般に、ベータアドレナリン作動性受容体アゴニストによって引き起こされる陽性変時、陽性変力、気管支拡張、及び血管拡張応答を低下させるベータ及び/又はベータアドレナリン作動性受容体遮断剤である。本発明の範囲には、現在既知であるそれらのベータ遮断薬のすべて及び将来発見されるそれらのベータ遮断薬のすべてが含まれる。
【0082】
別の実施態様では、第2の化合物は、ジゴキシンなどの強心(又はジギタリス)配糖体である。
【0083】
別の態様では、本発明は、カルシウムチャンネル遮断薬及び第2の化合物を含有する医薬組成物に関する。カルシウムチャンネル遮断薬は、アムロジピン、ベプリジル、ジルチアゼム、イスラジピン、フェロジピン、ミベフラジル、ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、ニソルジピン、及びベラパミルから成る群から選択することができる。第2の化合物は、本明細書中に記載されたACE阻害剤及びARB又はベータ遮断薬であることができる。
【0084】
治療方法
別の態様では、本発明は、細胞を上記の式I又はIIの化合物と接触させる工程を含む細胞中でのカルシウムチャンネル活性の調節方法に関する。調節されるカルシウムチャンネルは、低電位活性化カルシウムチャンネル又は高電位活性化カルシウムチャンネルであることができる。
【0085】
さらなる態様では、本発明は、そのような治療が必要な被検体を同定する工程及び被検体に治療有効量の上記の式I又はIIの化合物を投与する工程を含む細胞カルシウムチャンネルに関連するの治療方法に関する。ある種の実施態様では、被検体は、哺乳動物であることができる。哺乳動物は、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、イヌ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、小型サル(monkeys)、チンパンジー、及び大型サル(apes)などの霊長類、並びにヒトから成る群から選択することができる。いくつかの実施態様では、被検体はヒトである。
【0086】
本発明の実施態様には、治療する疾患が心臓血管疾患であるものが含まれる。心臓血管疾患の例には、動脈硬化、アテローム性動脈硬化症、高血圧、不安定狭心症、心不整脈、心筋梗塞、心房細動、及び卒中が含まれる。
【0087】
本発明の他の実施態様では、治療する疾患は、片頭痛、レイノー現象(手足の動脈が痙攣を起こしている状態で蒼白が引き起こされる)、月経痙攣、脊髄損傷、腎不全、癌、又は早期分娩である。
【0088】
別の態様では、本発明は、in vivoでの収縮期血圧低下活性の発現が少なくとも3時間であり、かつ、in vivoでの活性期間が少なくとも24時間である選択的T−チャンネルアンタゴニストを提供する工程(ここで、活性の発現とは、投与時から収縮期血圧の最大低下時までをいい、活性期間とは、投与時からその後に達成される収縮期血圧低下量が少なくとも20パーセント低下するまでをいう)、及び該アンタゴニストを規則正しい用量で1日あたり1回以下の頻度で哺乳動物に投与する工程を含む、カルシウムT−チャンネル活性の阻害方法に関する。
【0089】
「活性の発現」との用語は、T−チャンネルアンタゴニストが投与された時点から収縮期血圧の最大低下が達成される時点までをいう。活性の発現期間後、収縮期血圧は、最終収縮期圧力が最終的にアンタゴニストの投与前と同じレベルに達するまで上昇し始める。したがって、やがて時間が経てば、収縮期血圧低下量は、最大低下から、最大低下の90%、最大低下の80%など、最大低下の20%まで減り、次いで最大低下の10%まで減る。「活性期間」とは、投与時からその後に達成される最大の収縮期血圧低下量が少なくとも20パーセント低下するまでをいう。
【0090】
ある種の実施態様では、T−チャンネルアンタゴニストは、少なくとも6個の炭素原子のペンデントアルキレン基を有する環構造を有する。他の実施態様では、T−チャンネルアンタゴニストは、上記I部で記載した式I又はIIの化合物であり、
【化18】

ここで、R〜R21は本明細書中に定義されている。
【0091】
ある種の実施態様では、T−チャンネルアンタゴニストはプロドラッグである。
【0092】
別の態様では、本発明は、選択的T−チャンネルアンタゴニストを1日おきに少なくとも1回個々の投与量で患者に繰り返し投与する工程を含む高血圧の治療方法に関する。
【0093】
さらなる態様では、本発明は、活性の発現の速さを測定するために候補化合物を試験する工程;活性期間を測定するために候補化合物を試験する工程;及びミベフラジルより活性の発現が遅く、かつ、活性期間が長い候補化合物を選択する工程を含む、所望の薬理学的プロフィールを有するカルシウムT−チャンネルアンタゴニストの選択方法に関する。
【0094】
いくつかの実施態様では、試験工程の少なくとも1つをin vitroで行うのに対し、他の実施態様では、試験工程の少なくとも1つをin vivoで行う。
【0095】
したがって、ミベフラジルより活性の発現が遅く、かつ、活性期間が長い選択的T−チャンネルアンタゴニストである化合物はいずれも、本発明の企図及び範囲内である。活性の発現及び活性期間は、本明細書中に記載するアッセイにより測定することができる。したがって、一態様において、本発明は、T−チャンネルアンタゴニストとしての化合物を同定し、本明細書中に記載する方法によりその活性の発現及び活性期間を決定し、それらの結果をミベフラジルで知られているデータと比較して、化合物がミベフラジルより活性の発現が遅く、かつ、活性期間が長いかを決定することに関する。
【0096】
本発明に関連して、いくつかの化合物を試験した。これらの試験により、投与化合物を慎重に選択することによって達成できる比較的遅い遮断時間経過を実証する。
【0097】
具体的には、T−チャンネル遮断に対するパッチクランプアッセイを用いて、個々のHEK細胞をin vitroで試験した。500nM及び1μMの濃度で試験を行い、遮断の時間経過を数分間追跡した。
【0098】
過去には、T−チャンネル活性に対するパッチクランアッセイでは、ほんの数分間、例えば2分間、3分間、又は5分間の経過にわたり、カルシウムイオン仲介電流の阻害を測定したであろう。我々は、驚くべきほど遅い活性の発現及び長時間の活性経過を示す多くの活性なT−チャンネル遮断薬があることを発見した。本明細書中に記載するアッセイを用いて、数秒間の遮断時定数を通常示す慣用的なタイプのT−チャンネル遮断薬と1分間及び2分間、4分間、5分間、又は10分間以上の間の時定数を示す長時間作用型T−チャンネル遮断薬との間の区別をすることができる。本発明においては、後者の群の化合物が特に対象であり、かつ、有用である。
【0099】
慣用的なT−チャンネル遮断薬であるミベフラジルは、約12秒の遮断時定数を示す。この時定数は、電流の完全な遮断を達成するのに必要な時間の3分の1として記載される。対照的に、本発明の化合物では非常により遅い遮断時間経過が実証された。さらなる研究による洗練を施す準備数は以下を示す。

化合物 時定数 .
PPK5 8分間
PPK12 分間
PPK22 1分間
PPK21 分間
PPK29 4.4分間
PPK35 10分間
PPK50 10分間
PPK51 13分間
【0100】
したがって、各々の化合物は、少なくとも1分間の時定数を示し、12秒の時定数を有するミベフラジルと比較して非常に遅い発現であることを示している。しかしながら、各々の場合において、ED50(T−チャンネル電流の50%遮断を達成するのに必要な投与量として定義される)は、約25nM及び約1000nMの間であった。
【0101】
参照されるin vitro研究に加えて、in vivo研究も行った。ここで用いたin vivo高血圧モデルは、化合物を尾部静脈注射することによる自然発症高血圧ラットIVへの化合物の投与を伴う。次いで、尾部カフを用いて収縮期血圧を測定する。
【0102】
図1に示されるこの研究では、単回投与研究及び及び多数回投与研究の双方でPPK5を投与した。単回投与研究(20mg/Kg)の結果により、収縮期圧力は、最初の5時間で約48mmHg低下し、最初の10時間で約55mmHg低下し、その後、24時間を過ぎてそのレベルを維持することが示された。比べて、市販されている既知のT−チャンネル遮断薬であるミベフラジルは、大きく変動するプロフィールを示す。ミベフラジルを投与した場合(30mg/Kg経口)、収縮期血圧は、最初の5時間で約85mmHg急低下し、次いで次の5時間ではゆっくり回復し、次いでより急速に回復し、結果として、収縮期血圧は24時間終了時までに約45mmHg回復した(ミベフラジルでのNDAのデータに基づく)。
【0103】
図2は、自然発症高血圧ラットでの多数回投与研究を参照する。したがって、研究では、約25時間おきにPPK5を3回注射することを用いた。血圧は、約55mmHg低下し、次いで2回目の注射まで安定的に維持し、その後、さらに約12mmHg低下し、それが3回目の注射を通って研究終了まで維持されることから、比較的遅い発現が見られる。対照的に、30mg/Kgの経口によるミベフラジルでは、85mmHgの急速な低下があり、続いて投与24時間以内に50%を上回って回復する。これにより、本発明の化合物を用いれば単回日用量で安定した収縮期圧力低下を容易に達成することができるが、in vitro研究では非常により早い発現を示す慣用的なT−チャンネル遮断薬では1日1回だけの投与は好適ではないことが実証される。
【0104】
IV.医薬組成物
別の態様では、本発明は、上記の式I又はIIの化合物、及びその薬学的に許容できる担体、希釈剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせを含有する医薬組成物に関する。
【0105】
「医薬組成物」との用語は、本発明の化合物と希釈剤又は担体などの他の化学成分との混合物をいう。医薬組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。経口、注射、エアゾール、非経口、及び局所投与を含むが限定するものではない多くの化合物投与技術が、当該技術分野に存在する。化合物を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸と反応させることにより、医薬組成物を得ることができる。
【0106】
「担体」との用語は、細胞又は組織への化合物の導入を容易にする化学化合物を定義する。例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)は、多くの有機化合物の生物細胞又は組織への取り込みを容易にするので、よく利用される担体である。
【0107】
「希釈剤」との用語は、対象の化合物を溶解し、さらに化合物の生物活性形態を安定化する水で希釈された化学化合物を定義する。緩衝溶液に溶解した塩は、当該技術分野において希釈剤として利用される。よく用いられる1つの希釈溶液はリン酸緩衝生理食塩水であるが、その理由は、それがヒト血液の塩の状態に似ているためである。緩衝塩は溶液のpHを低濃度に調節することができるので、緩衝希釈剤が化合物の生物活性を改変することはほとんどない。
【0108】
「薬学的に許容できる」との用語は、化合物の生物活性及び性質を妨げない担体又は希釈剤を定義する。
【0109】
本明細書中に記載された化合物は、それ自体であるいは併用治療において該化合物を他の活性成分又は好適な担体若しくは賦形剤と混合した医薬組成物で、ヒト患者に投与することができる。本出願の化合物の製剤化又は投与の技術は、"Remington's Pharmaceutical Sciences, "Mack Publishing Co., Easton, PA,18th edition, 1990に見出すことができる。
【0110】
a)投与経路
好適な投与経路には、例えば、経口、直腸、経粘膜、又は腸投与;筋内、皮下、静脈内、髄内注射を含む非経口送達、及び鞘内、直接脳室内、腹腔内、鼻腔内、又は眼内注射を含むことができる。
【0111】
あるいは、例えば固形腫瘍に化合物を直接注射することにより全身ではなく局所形式で、しばしばデポー又は徐放性製剤中で、化合物を投与することができる。さらに、標的標的薬物送達系で、例えば腫瘍特異的抗体でコーティングされたリポソームで薬物を投与することができる。リポソームは、腫瘍によって標的とされ、かつ、選択的に受容されることができる。
【0112】
b)組成物/製剤
本発明の医薬組成物は、それ自体が既知である形式で、例えば、慣用的な混合、溶解、顆粒化、糖衣錠製造、研和、乳化、カプセル化、エントラッピング、又は錠剤化プロセスにより、製造することができる。
【0113】
したがって、本発明による使用のための医薬組成物は、活性化合物を薬学的に用いることができる製剤に加工することを容易にする賦形剤及び助剤を含有する1以上の薬学的に許容できる担体を用いて、慣用的な形式で製剤化することができる。正確な製剤化は、選択される投与経路に依存する。周知の技術、担体、及び賦形剤のいずれも、好適なもの及び当該技術分野(例えば、上記のRemington's Pharmaceutical Sciences)で理解されているものとして用いることができる。
【0114】
注射用に、水溶液中、好ましくはハンクス(Hanks)溶液、リンガー(Ringer)溶液、又は生理食塩緩衝液などの生理学的に適合した緩衝液中で本発明の作用物質を製剤化することができる。経粘膜投与用には、浸透される障壁に対して適切な浸透剤を製剤中に用いることができる。そのような浸透剤は、当該技術分野において一般的に既知である。
【0115】
経口投与用に、活性化合物を当該技術分野で周知である薬学的に許容できる担体と合わせることにより、化合物を容易に製剤化することができる。そのような担体によって、治療される患者による経口摂取用に、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、水剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などとして本発明の化合物を製剤化することが可能となる。経口使用のための医薬製剤は、1つ以上の固体賦形剤を1つ以上の本発明の化合物と混合することにより得ることができ、任意選択により、得られた混合物を果粒化して果粒剤の混合物を加工し、所望する場合には好適な助剤を添加した後、錠剤又は糖衣錠コアを得るができる。好適な賦形剤は、具体的には、ラクトース、スクロース、マンニトール、又はソルビトールを含む糖などの増量剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ポテトデンプン、ゼラチン、トラガカントゴム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、及び/又はポリビニルピロリドン(PVP)などのセルロース調製物である。所望する場合、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、又はアルギン酸若しくはその塩(アルギン酸ナトリウムなど)などの崩壊剤を添加することができる。
【0116】
糖衣錠コアは好適なコーティングを伴って提供される。この目的のため、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶剤、及び好適な有機溶媒又は溶媒混合物を任意選択により含有することができる濃縮された糖溶液を用いることができる。識別のため又は活性化合物投与量の異なる組み合わせを特徴づけるため、染料又は色素を錠剤又は糖衣錠コーティングに添加することができる。
【0117】
経口的に用いることができる医薬製剤には、ゼラチンで作られる押込み嵌め(push-fit)カプセル剤、並びにゼラチン及びグリセロール又はソルビトールなどの可塑剤で作られるソフト密封カプセル剤が含まれる。押込み嵌めカプセル剤は、ラクトースなどの増量剤、デンプンなどの結合剤、及び/又はタルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、任意選択により安定剤と混合して、活性成分含有することができる。ソフトカプセル剤では、活性な化合物を脂肪油、流動パラフィン、又は液状ポリエチレングリコールなどの好適な液体に溶解又は懸濁することができる。さらに、安定剤を添加することができる。経口投与用の製剤はすべて、そのような投与に好適な投与量にしなければならない。
【0118】
口腔内投与用では、組成物は、慣用的な形式で製剤化された錠剤又は舐剤の形態をとることができる。
【0119】
吸入投与用では、本発明による使用のための化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、ジクロロテトラフロロエタン、二酸化炭素、又はその他の好適なガスを用いた加圧パック又はネビュライザーからエアゾール又はスプレーを出す形態で好都合に投与することができる。加圧エーロゾル剤の場合、バルブを用意して計量された量を送達することにより、用量単位を決定することができる。化合物とラクトース又はデンプンなどの好適な粉末基剤との粉末混合物を含有する吸入器又は注入器での使用のため、ゼラチンなどのカプセル剤及びカートリッジ剤を製剤化することができる。
【0120】
化合物は、注射、例えばボーラス注射、又は持続的点滴による非経口投与用に製剤化することができる。注射用製剤は、保存剤を添加した単位剤形で(例えば、アンプルで)あるいは多数回投与用容器で付与することができる。組成物は、油状又は水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又は乳液などの形態をとることができ、懸濁剤、安定化剤、及び/又は分散剤などの製剤用作用物質を含有することができる。
【0121】
非経口投与用医薬製剤には、水溶性の形態での活性化合物の水溶液が含まれる。さらに、活性化合物の懸濁液は、適切な油状の注射用懸濁液として調製することができる。好適な親油性溶媒又はビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、又はオレイン酸エチル若しくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、又はリポソームが含まれる。注射用懸濁水溶液は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、又はデキストランなどの懸濁液の粘性を増加する物質を含有することができる。任意選択により、懸濁液は、好適な安定剤、又は化合物の溶解性を増加させて高濃縮溶液の調製を可能とする作用物質を含有することができる。
【0122】
あるいは、活性成分は、好適なビヒクル、例えばパイロジェンフリー滅菌水との構成のため、使用前は粉末の形態であることができる。
【0123】
化合物は、例えばカカオバター又は他のグリセリドなどの慣用的な坐剤基剤を含有する坐剤又は停留浣腸剤などの直腸組成物で製剤化することができる。
【0124】
従前に記載された製剤に加えて、デポー製剤としても化合物を製剤化することができる。そのような長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下若しくは筋内)又は筋内注射により投与することができる。したがって、例えば、好適な高分子若しくは疎水性材料(例えば、許容できる油分中の乳剤として)又はイオン交換樹脂とともに、あるいはやや溶けにくい誘導体として、例えばやや溶けにくい塩として、化合物を製剤化することができる。
【0125】
本発明の疎水性化合物用の医薬担体は、ベンジルアルコール、非極性界面活性剤、水混和性有機ポリマー、及び水相を含む共溶媒系である。共溶媒系は、VPD共溶媒系であることができる。VPDは、合計で無水エタノール中の体積を構成する3%w/vベンジルアルコール、8%w/v非極性界面活性剤ポリソルベート80(登録商標)、及び65%w/vポリエチレングリコール300の溶液である。VPD共溶媒系(VPD:D5W)は、5%ブドウ糖水溶液で1:1希釈したVPDから成る。この共溶媒系は疎水性化合物をよく溶解し、全身投与の際にそれ自体低い毒性を生ずる。当然のことながら、共溶媒系の割合は、その溶解性及び毒性を壊さなければ大きく変わってもよい。さらに、共溶媒成分の同一性は変わってもよく:例えば、ポリソルベート80(登録商標)の代わりに他の毒性が低い非極性界面活性剤を用いることができ;ポリエチレングリコールの分画サイズは変動することができ;ポリエチレングリコールを他の生体適合性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンに置き換えることができ;ブドウ糖を他の糖又は多糖類に換えることができる。
【0126】
あるいは、疎水性医用化合物のための他の送達系を用いることができる。リポソーム及び乳剤は、疎水性薬物用の送達ビヒクル又は担体の周知例である。ジメチルスルホキシドなどのある種の有機溶媒も用いることができるが、通常、より大きな毒性という代償を払うことなる。さらに、治療剤を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスなどの徐放性系を用いて、化合物を送達することができる。種々の徐放性物質が認知され、当業者に周知である。徐放性カプセル剤は、その化学的性質に依存して、2〜3週間、最高で100日以上、化合物を放出することができる。治療剤の化学的性質及び生物学的安定性に依って、タンパク質の安定化のためにさらなる戦略を用いることができる。
【0127】
多くの本発明の化合物は、薬学的に適合した対イオンとの塩として提供することができる。薬学的に適合した塩は、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、などを含むが、限定するものではない、多くの酸により形成することができる。塩は、対応する遊離酸又は塩基の形態よりも水性又は他のプロトン性溶媒に可溶性である傾向がある。
【0128】
c)有効投与量
本発明での使用のための好適な医薬組成物には、その意図した目的を達成するのに有効な量で活性成分が含有されている組成物が含まれる。より具体的には、治療有効量とは、疾患の症状を予防、軽減、又は改善するか、治療される被検体の生存を延ばすのに有効な化合物の量を意味する。治療有効量の決定は、特に本明細書中に提供された詳細な説明に照らして、十分に当業者の能力範囲内である。
【0129】
本発明の方法で用いられる任意の化合物に対して、治療有効用量をまず細胞培養アッセイから評価することができる。例えば、動物モデルで用量を策定して、細胞培養で決定されるIC50を含む循環濃度範囲を達成することができる。そのような情報を用いて、ヒトでの有用な用量をより正確に決定することができる。
【0130】
本明細書中に記載された化合物の毒性及び治療の効力は、例えばLD50(ポピュレーションの50%致死用量)及びED50(ポピュレーションの50%治療有効用量)を決定するための細胞培養物又は実験動物での標準的な薬学的手順により決定することができる。毒性効果と治療効果との間の用量比は治療指数であり、LD50とED50との間の比として表すことができる。高い治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養アッセイ及び動物研究から得られたデータをヒトで使用するための投与量範囲の策定に用いることができる。そのような化合物の投与量は、毒性が全く無いか毒性がほとんど無いED50を含む循環濃度の範囲内であることが好ましい。投与量は、用いる剤形及び利用する投与系経路に依存して、この範囲内で変動することができる。正確な製剤、投与経路、及び投与量は、個々の医師が患者の状態に照らして選択することができる(例えば、Fingl et al. 1975, in "The Pharmacological Basis of Therapeutics", Ch. 1 p.1を参照のこと)。典型的には、患者に投与される組成物の用量範囲は、患者の体重の1kgあたり約0.5〜1000mgであることができる。投与は、患者の必要性に従って、単回投与とするか、あるいは一連の2回以上の投与を1日以上の経過で与えることとすることができる。
【0131】
成人ヒトの日投与処方計画は、例えば、式(I)化合物又は遊離塩基として計算されるその薬学的に許容できる塩が0.1mg及び500mgの間、好ましくは1mg及び250mgの間、例えば5〜200mgである経口用用量、あるいは0.01mg及び100mgの間、好ましくは0.1mg及び60mgの間、例えば1〜40mgである静脈内、皮下、又は筋内用用量とすることができ、化合物を1日あたり1〜4回投与することができる。あるいは、持続的静脈内点滴用では、本発明の化合物を好ましくは1日あたり最高で400mgの用量で投与することができる。したがって、経口投与用の合計日用量は1〜2000mgの範囲であり、非経口投与用の合計日用量は0.1〜400mgの範囲である。持続的治療の間、例えば1週間以上、化合物を投与することが好適である。
【0132】
投与量及び間隔を個々に調整して、調節効果又は最小有効濃度(MEC)を維持するのに十分である活性部分の血漿濃度を与えることができる。MECは各々の化合物で変動することができるが、当該技術分野で既知のアッセイを用いたin vitroデータ、例えば、50〜90%のカルシウムチャンネル遮断を達成するための濃度から評価することができる。MECを達成するのに必要な投与量は、個々の特徴及び投与経路に依存する。しかしながら、HPLCアッセイ又は生物アッセイを用いて血奬濃度を決定することができる。
【0133】
MEC値を用いて投与間隔も決定することができる。時間の10〜90%、好ましくは30〜90%の間、最も好ましくは50〜90%の間、MECを上回る血漿濃度を維持する処方計画を用いて、化合物を投与しなければならない。
【0134】
局所投与又は選択的取り込みの場合には、薬物の有効局所濃度は血奬濃度に関連していないくてもよい。
【0135】
投与される組成物の量は、治療される被検体の重量、病気の重篤度、投与形式、処方する医師の判断に当然に依存する。
【0136】
d)パッケージング
所望する場合、組成物は、活性成分を含有する1つ以上の単位剤形を含む包装あるいはディスペンサー装置で付与することができる。包装は、例えば、金属又はブリスター包装などのプラスチック箔を含むことができる。包装又はディスペンサー装置には投与使用説明書が付いていてもよい。包装又はディスペンサー装置には、薬剤の製造、使用、又は販売を統制する政府機関により指示される形式の収容物に関連する注意書が付いていてもよく、その注意書は、ヒト又は獣投与用の薬剤の形式についての機関による承認を示す。そのような注意書は、例えば、処方薬物又は承認製品挿入物に対して米国食品医薬品局によって承認された標示付けであることができる。適合する医薬担体中で製剤化された本発明の化合物を含有する組成物を調製し、適切な収容物に入れ、示した状態の治療用に標示付けすることもできる。
【0137】
V.式Iの化合物の合成
一般式Iの化合物を周知のハンチ(Hantzsch)ジヒドロピリジン合成により調製した。この方法では、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノールなどの不活性溶媒、1,2−ジメトキシエタン又はテトラヒドロフラン(THF)などのエーテル溶媒、ジメチルホルムアミド(DMF)又はN−メチルピロリドンなどのアミド溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はスルホランなどのスルホキシド溶媒、ベンゼン、トルエン、又はキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒中、ピペリジン及び酢酸の存在下で、適切なアルデヒドをアセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸イソプロピル、4−クロロアセト酢酸エチルなどの適切なベータケトエステルと縮合した。必要な場合、クネーベナーゲル(Knoevenagel)生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製し、3−アミノクロトン酸メチル、3−アミノクロトン酸エチル、3−アミノクロトン酸イソプロピルなどの適切なアミノクロトネートと反応させた。反応は、通常、室温〜200℃、好ましくは60〜140℃の温度で、1〜100時間、好ましくは6〜40時間で行う。対応するハンチ生成物をシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いたカラムクロマトグラフィーにより精製し、及び/又はヘキサン、石油エーテル(40〜60℃)、エタノールなどの適切な有機溶媒を用いて結晶化した。2−メルカプトベンズイミダゾール、(5−メチル)2−メルカプトベンズイミダゾール、2−アミノエタノールなどの基質、及び請求項1に言及するような基質をジヒドロピリジン環上の置換のために用いた。
【0138】
先に言及した方法のために、反応に関与する物質の任意の所望の比を用いることができる。しかしながら、一般には、反応物のモル比を用いて反応を行う。
【0139】
化合物の合成には、一般式Iの化合物のジアステレオマー混合物を慣例方法によって鏡像異性的に純粋なキラルアルコールから分離し、続いて鏡像異性的に純粋なカルボン酸を調製する方法、及び/又は鏡像異性体の分離に用いられる任意の方法、例えば、S. Goldmann and J. Stoltefuss [S.Goldmann and J. Stoltefuss "1,4-Dihydropyridine: Effects of chirality and conformation on the calcium antagonist and calcium agonist activities "Angewandte Chemie International Edition (English) 30,1559-1578 (1991)]により記載される方法などによって得られる鏡像異性的に純粋な形態が含まれる。
【0140】
先に述べた通り、本発明の化合物及び組成物はカルシウム進入遮断薬として有用であり、したがって、それらが、(i)心臓代謝に対するエネルギー節約効果を伴う顕著な及び長時間持続性血管拡張効果;(ii)心筋に対する抗不整脈及び抗狭心症作用;(iii)血管鎮痙作用;(iv)降圧作用;(v)胃腸管及び尿生殖路並びに脳血管系及び呼吸系の平滑筋に対する鎮痙作用;(vi)抗高コレステロール血症及び抗脂肪血症剤として;(vii)虚血性心筋層の保護;(viii)過敏性腸症候群及び食道痙攣の阻害;(ix)片頭痛の阻害;及び(x)癲癇を示す点で広範な薬理学的有用性を有する。いくつかは有用な強心剤でもある。この列記は、低電位活性化(LVA)及び高電位活性化(HVA)カルシウムチャンネルに関する心臓血管の問題のいずれも含むことができる。
【0141】
代表的な本発明の化合物は、血管のカルシウム収縮を阻害し、心臓収縮力を低下し、カルシウム仲介気管収縮を阻害し、下垂体細胞中でのカルシウム取り込みを阻害し、あるいは膜からトリチウム化ニトレンジピンを追い出すことができるであろう。
【0142】
VI.式IIの化合物の合成
本発明の化合物は、ピリミジン環の窒素(1位又は3位のいずれか)に置換基を有するもの及びその位置(すなわち、その位置が−NHで占められている場所)にいずれの置換基も有さないものの2つ一般分類に分けることができる。以下のスキーム1は、N−置換のない化合物合成用の合成手順を示している。
【化19】

X=O、S
R=アルキル鎖(特許請求の範囲に記載の通り)
a.硫酸ジアルキル、KCO、アセトン、還流4時間
b.LiAlH、テトラヒドロフラン、還流3時間
c.クロロクロム酸ピリジニウム、ジクロロメタン、室温3時間
d.適切なアセトアセテート、BF、O(Et)、(尿素又はチオ尿素)、テトラヒドロフラン
【0143】
スキーム2は、フェニル基に対しオルトである環窒素で置換された化合物合成用の合成手順を示している。
【化20】

X=O、S
R=アルキル鎖(特許請求の範囲に記載の通り)
a.硫酸ジアルキル、KCO、アセトン、還流4時間
b.LiAlH、テトラヒドロフラン、還流3時間
c.クロロクロム酸ピリジニウム、ジクロロメタン、室温3時間
d.適切なアセトアセテート、酢酸、ピペリジン、イソプロピルアルコール、室温4〜6時間
e.適切に置換された尿素又はチオ尿素、重炭酸ナトリウム、ジメチルホルムアミド、60℃で6〜8時間加熱
f.適切に置換されたクロロホルメート、ピリジン、ジクロロメタン
g.ピリジン、ジクロロメタン(X=Oに対して)
g.トリフロロ酢酸、エタンチオール、ジクロロメタン、室温12時間(X=Sに対して)
【0144】
実施例
以下の実施例は、本発明の実施態様のいくつかを単に例示し、特許請求の範囲を限定すると解釈すべきではない。
【0145】
実施例1:溶媒抽出したCNSLからのアナカルド酸(2−ヒドロキシ−6−ペンタデシル安息香酸)のエン混合物の抽出
市販の溶媒抽出されたカシューナットシェル液(CNSL)(100g)を5%メタノール水溶液(600mL)に溶解した。メタノール性溶液に、活性炭(20g)を加え、15分間攪拌し、次いでセライト床上で濾過し、不溶性物質のいずれも除去した。透明な濾液を2つの表面を有する還流冷却器及び機械攪拌器を備える3ッ首丸底フラスコに移した。水酸化カルシウム(50g)を何回かに分けて室温で加え、反応塊の温度を50℃に上昇させ、3時間維持した。反応の進行をヘキサン−酢酸エチル(8:2)を移動相として用いた薄層クロマトグラフィー(TLC)によりモニタリングした。反応完了後、沈殿したアナカルド酸カルシウムを濾過し、メタノール(200mL)で十分洗浄した。得られたケークを真空下で45〜50℃において2時間乾燥すると、アナカルド酸カルシウム(120g)を生じた。
【0146】
乾燥ケーク(120g)を蒸留水(440mL)に懸濁し、濃塩酸(33%、60mL)を加え、1時間攪拌した。得られた溶液を酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を蒸留水(2×500mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、アナカルド酸のエン混合物を生じた(収量:60g)。
【0147】
実施例2:アナカルド酸エン混合物の水素化
アナカルド酸エン混合物(30g)をメタノール(120ml)に溶解した。5%Pd/C(0.75g、2.5%)をゆっくり加え、この溶液を250mL水素化フラスコに移した。溶液を最初は窒素でフラッシュし、次いで水素でフラッシュした。水素化を2.5kg/cm水素ガス圧で2時間行った。次いで、溶液をセライト床を通して濾過すると、酵素の無い溶液が得られた。これを真空下で蒸発すると、粗製の飽和アナカルド酸が得られた。次いで、これを石油エーテル(収量:25g)から再結晶化した。
【0148】
実施例3:エチル2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンゾエートの合成
アナカルド酸(10.11g、29mmol)をアセトン(60mL)に溶解し、炭酸カリウム(4.0g、29mmol)を充填した。硫酸ジエチル(8.93g、58mmol)を攪拌下でゆっくり加えた。次いで、この溶液を還流冷却器及び機械攪拌器を備える3ッ首フラスコに移し、4時間還流した。反応の進行を薄層TLC(移動相:ヘキサン:EtOAc9:1)によりモニタリングした。反応完了後、それを濾過し、アセトンを真空下で蒸発させた。粗生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、水(2×50mL)、5%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、飽和塩水(50mL)で洗浄し、最後に蒸留水(2×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発すると、エチル2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンゾエートがオイルとして得られた。次いで、これを最小量の石油エーテル(40〜60℃)に溶解し、0℃に冷却すると、淡い茶色がかった結晶が得られた(収量:12g)。
【0149】
実施例4:2−イソプロポキシ−6−ペンタデシル−安息香酸イソプロポキシの合成
アナカルド酸(10.11g、29mmol)をイソブチルメチルケトン(60mL)に溶解した。これに細粉末化炭酸カリウム(4.0g、29mmol)及び塩化ベンジルトリブチルアンモニウム(1g)を加えた。臭化イソプロピル(7.13g、58mmol)をゆっくり加え、8時間還流した。TLCをヘキサン:EtOAc(9:1)中で点検した。溶液を濾過し、真空下で蒸発し、粘稠な液体が得られた。粗生成物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、水(2×50mL)、5%重炭酸ナトリウム溶液(50mL)、飽和塩水(50mL)で洗浄し、最後に水(2×50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で蒸発すると、イソプロピル2−イソプロポキシ−6−ペンタデシル−ベンゾエートがオイルとして得られた(収量:12g)。
【0150】
実施例5:2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンジルアルコールの合成
エチル2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンゾエート(10.9g、27mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(60mL)に溶解した。この溶液を還流冷却器及び機械攪拌器を備える乾燥250mL3ッ首丸底フラスコに移し、それを窒素雰囲気下で反応全体を通して維持した。これに水酸化リチウムアルミニウム(2.04g、54mmol)をゆっくり加えた。反応は非常に発熱性であった。添加後、溶液をゆっくり還流温度にし、その温度で約2時間維持し、ヘキサン:EtOAc(8:2)でのTLCを点検した。反応完了後、酢酸エチル(80mL)を滴下することにより、過剰の水酸化リチウムアルミニウムを分解した。これに、5MHCl(100mL)を加え、有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、真空下で濃縮すると、淡い茶色がかった固体が得られた。これを石油エーテル(40〜60℃)から再結晶化すると、白色の固体が得られた(収量:8g)。
【0151】
実施例6:2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンズアルデヒドの合成
還流冷却器を備える250mL丸底フラスコに、無水ジクロロメタン(100mL)中のクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)(16.1g、75mmol)を加えた。ジクロロメタン(10mL)中の2−エトキシ−6−ペンタデシル−ベンジルアルコール(18.1g、50mmol)を磁気攪拌した溶液に一回で加えた。1.5時間後、乾燥エーテル(100mL)を加え、上清を黒色のガム(black gum)からデカントした。不溶性残渣をジエチルエーテル(3×25mL)で十分に洗浄し、その際にそれが黒色の果粒状固体となった。有機溶液をセライトの短いパッドを通過させ、溶媒を蒸留によって除去すると、茶色がかった低融点固体(収量:15g)が得られた。
【0152】
実施例7:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化21】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及びアセト酢酸エチル(1.08g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが白色粉末として得られた。
【0153】
実施例8:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸エチルイソプロピルの合成
【化22】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及びアセト酢酸イソプロピル(1.19g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸エチルイソプロピルが粘稠な液体として得られた。
【0154】
実施例9:1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチルの合成
【化23】

2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3.1g、8.3mmol)及びアセト酢酸メチル(0.96g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、メチル−3−アミノクロトネート(0.97g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチルが粘稠な液体として得られた。
【0155】
実施例10:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−2−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化24】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及び4−クロロアセト酢酸エチル(1.36g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−2−クロロメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。この化合物(0.6g、1.2mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで2−メルカプト−1H−ベンズイミダゾール(0.18g、1.2mmol)及びNaOH(0.048g、1.2mmol)を充填した。触媒量の臭化テトラブチルアンモニウムを加え、室温で2時間磁気攪拌した。最終化合物を実施例7で言及した通りにカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0156】
実施例11:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5ピリジンジカルボン酸エチル2−メトキシエチルの合成
【化25】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及びメトキシアセト酢酸エチル(1.32g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5ピリジンジカルボン酸エチル2−メトキシエチルが得られた。
【0157】
実施例12:1,4−ジヒドロ−4−(2’−(2’’メトキシ)エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化26】

2−(2’−メトキシエトキシ)−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3.2g、8.3mmol)及びアセト酢酸エチル(1.08g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−(2’’メトキシ)エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。
【0158】
実施例13:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−((2’−アミノエトキシ)メチル)−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化27】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及び4−クロロアセト酢酸エチル(1.36g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−クロロメチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。この化合物(0.6.g、1mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、2−アミノエタノール(0.061g、1mmol)及びKOH(0.06g、1mmol)を加え、15分間磁気攪拌した。次いで、触媒量のジベンゾ−18−クラウン−6及び臭化テトラブチルアンモニウムを加え、1時間攪拌した。次いで、生成物を実施例7で言及した通りにカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0159】
実施例14:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化28】

2−エトキシ−3,5−ジニトロ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3.73g、8.3mmol)及びアセト酢酸エチル(1.08g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。
【0160】
実施例15:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’−アミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化29】

2−エトキシ−3−アセトアニリド−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3.46g、8.3mmol)及びアセト酢酸エチル(1.08g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’−アミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。
【0161】
実施例16:1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−2−5’’−メチル−2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルの合成
【化30】

2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)及び4−クロロアセト酢酸エチル(1.36g、8.3mmol)をn−ブタノール(20mL)に溶解した。酢酸(0.5g、8.3mmol)及びピペリジン(0.7g、8.3mmol)を加え、室温で3〜4時間攪拌した。次いで、エチル−3−アミノクロトネート(1.08g、8.3mmol)を加え、10時間還流した。n−ブタノールを蒸発し、反応混合物を蒸留水で洗浄し、ジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発し、化合物をヘキサン:EtOAc(94:6)溶媒系を有するシリカゲル(100〜200メッシュ)を用いてカラムクロマトグラフィーにより精製すると、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−2−クロロメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチルが得られた。この化合物(0.6g、1mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、次いで(5’−メチル)2−メルカプト−1H−ベンゾイミダゾール(0.164g、1mmol)及びNaOH(0.04g、1mmol)を充填した。触媒量の臭化テトラブチルアンモニウム及びベンゾ−18−クラウン−6を加え、室温で2時間磁気攪拌した。最終化合物を実施例7で言及した通りにカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0162】
実施例17:1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル]チオ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステルの合成
ジメチルホルムアミド(30mL)中の2−[[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]メチレン]−3−オキソブタン酸エチルエステル(3g、6.6mmol)、2−((4−メトキシフェニル)メチル)−2−チオプソイド尿素塩酸塩(1.2g、6.6mmol)、及び酢酸ナトリウム(0.6g、7mmol)を含有する反応混合物を70℃で4時間加熱した。反応物を室温に冷却し、エーテルで希釈し、濾過した。濾液を水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発して、化合物が褐色の粘稠な液体として得られた。
【0163】
実施例18:1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステルの合成
ジメチルホルムアミド(30mL)中の2−[[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]メチレン]−3−オキソブタン酸エチルエステル(3g、6.6mmol)、2−((4−メトキシフェニル)メチル)−2−オキソプソイド尿素塩酸塩(1.1g、6.6mmol)、及び酢酸ナトリウム(0.6g、7mmol)を含有する反応混合物を70℃で4時間加熱した。反応物を室温に冷却し、エーテルで希釈し、濾過した。濾液を水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を蒸発して、化合物が褐色の粘稠な液体として得られた。
【0164】
実施例19:5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−21)
テトラヒドロフラン(20mL)中の4(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)アセト酢酸エチル(2.3g、8.3mmol)、2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.3mmol)、及び尿素(1.0g、16.6mmol)の溶液を塩酸(30%)存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0165】
融点:87〜88℃
【0166】
IR(cm−1):3425(N−H),2920(C−H),1694(C=O)
【0167】
質量(エレクトロスプレー):663(M+1),661(M−1)
【0168】
HNMR(δppm):8.5(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.7(d,J=6Hz,1H,芳香族プロトン)7.5(m,1H,芳香族プロトン)7.25(m,3H,芳香族プロトン,N−H,DO交換可能)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.8(s,1H,C−H)4.6(s,1H,DO交換可能,N−H)4.5(s,2H,S−CH)4.0(m,J=6Hz,4H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)2.5(m,1H,ベンジルのもの)1.85−1.1(m,35H,アルキル鎖の(CH13,CH,CH,アリルのCH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0169】
実施例20:5−エトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−22)
【化31】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸エチル(1.13g、8.6mmol)、2−メトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.6mmol)、及び尿素(1.04g、17.3mmol)の溶液を塩酸(30%)存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0170】
融点:91〜93℃
【0171】
IR(cm−1):3420(N−H)、2922(C−H),1690(C=O)
【0172】
質量(エレクトロスプレー):501(M+1),499(M−1)
【0173】
HNMR(δppm):7.6(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.95(s,1H,C−H)4.95(s,1H,DO交換可能,N−H)4.0(m,2H,O−CH)3.8(s,3H,O−CH)3.15(m,1H,ベンジルのもの)2.5(m,1H,ベンジルのもの)2.25(s,3H,アリルのもの)1.85−0.95(m,29H,アルキル鎖からの(CH13,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0174】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0175】
実施例21:5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−23)
テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.5mmol)、及び尿素(1.00g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0176】
融点:127〜129℃
【0177】
IR(cm−1):3426(N−H),2920(C−H),1694(C=O)
【0178】
質量(エレクトロスプレー):501(M+1),499(M−1)
【0179】
HNMR(δppm):7.6(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.1(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.72(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.8(s,1H,C−H)4.8(s,1H,DO交換可能,N−H)4.0(q,2H,J=6Hz,O−CH)3.5(s,3H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)2.5(m,1H,ベンジルのもの)2.3(s,3H,アリルのもの)1.8−1.1(m,29H,アルキル鎖からの(CH13,CH)0.85(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0180】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0181】
実施例22:5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−24)
【化32】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−メトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3.1g、8.5mmol)、及び尿素(1.00g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0182】
融点:101〜102℃
【0183】
IR(cm−1):3425(N−H),2918(C−H),1690(C=O)
【0184】
質量(エレクトロスプレー):487(M+1),485(M−1)
【0185】
HNMR(δppm):7.6(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.73(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.8(s,1H,C−H)4.8(s,1H,DO交換可能,N−H)3.78(s,3H,O−CH)3.6(s,3H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)2.5(m,1H,ベンジルのもの)2.3(s,3H,アリルのもの)1.8−1.1(m,26H,アルキル鎖からの(CH13)0.85(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0186】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0187】
実施例23:5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−25)
【化33】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸エチル(1.25g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−ペンタデシルベンズアルデヒド(3g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0188】
融点:99〜100℃
【0189】
IR(cm−1):3420(N−H),2924(C−H),1690(C=O)
【0190】
質量(エレクトロスプレー):515(M+1),513(M−1)
【0191】
HNMR(δppm):7.35(bs,1H,D2O交換可能,N−H)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.72(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.8(s,1H,C−H)4.75(s,1H,DO交換可能,N−H)4.0(m,4H,O−CH)3.15(m,1H,ベンジルのもの)2.45(m,1H,ベンジルのもの)2.3(s,3H,アリルのもの)1.8−1.1(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0192】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0193】
実施例24:5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−26A)
テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルベンズアルデヒド(3.1g、8.5mmol)、及び尿素(1.00g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0194】
IR(cm−1):3427(N−H),2922(C−H),1691(C=O)
【0195】
質量(エレクトロスプレー):481(M+1),479(M−1)
【0196】
実施例25:5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−26B)
テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルベンズアルデヒド(3.1g、8.5mmol)、及び尿素(1.00g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0197】
IR(cm−1):3426(N−H),2920(C−H),1690(C=O)
【0198】
質量(エレクトロスプレー):483(M+1),481(M−1)
【0199】
実施例26:5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H−オン(PPK−26C)
テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−メトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルベンズアルデヒド(3.1g、8.5mmol)、及び尿素(1.00g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0200】
IR(cm−1):3424(N−H),2924(C−H),1692(C=O)
【0201】
質量(エレクトロスプレー):485(M+1),483(M−1)
【0202】
実施例27:5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−27A)
【化34】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸エチル(1.3g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0203】
IR(cm−1):3422(N−H),2920(C−H),1690(C=O)
【0204】
質量(エレクトロスプレー):509(M+1),507(M−1)
【0205】
実施例28:5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−27B)
【化35】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸エチル(1.3g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0206】
IR(cm−1):3424(N−H),2924(C−H),1691(C=O)
【0207】
質量(エレクトロスプレー):511(M+1),509(M−1)
【0208】
実施例29:5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−27C)
【化36】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸エチル(1.3g、8.5mmol),2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0209】
IR(cm−1):3423(N−H),2923(C−H),1691(C=O)
【0210】
質量(エレクトロスプレー):513(M+1),511(M−1)
【0211】
実施例30:5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−28A)
【化37】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0212】
IR(cm−1):3421(N−H),2920(C−H),1690(C=O)
【0213】
質量(エレクトロスプレー):495(M+1),493(M−1)
【0214】
実施例31:5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−28B)
【化38】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol)、2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0215】
IR(cm−1):3423(N−H),2921(C−H),1690(C=O)
【0216】
質量(エレクトロスプレー):497(M+1),495(M−1)
【0217】
実施例32:5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−28C)
【化39】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸メチル(1.2g、8.5mmol),2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0218】
IR(cm−1):3422(N−H),2921(C−H),1691(C=O)
【0219】
質量(エレクトロスプレー):499(M+1),497(M−1)
【0220】
実施例33:5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−29A)
【化40】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸イソプロピル(1.3g、8.5mmol),2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0221】
IR(cm−1):3421(N−H),2920(C−H),1690(C=O)
【0222】
質量(エレクトロスプレー):523(M+1),521(M−1)
【0223】
実施例34:5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−29B)
【化41】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸イソプロピル(1.3g、8.5mmol),2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0224】
IR(cm−1):3423(N−H),2921(C−H),1690(C=O)
【0225】
質量(エレクトロスプレー):525(M+1),523(M−1)
【0226】
実施例35:5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン(PPK−29C)
【化42】

テトラヒドロフラン(20mL)中のアセト酢酸イソプロピル(1.3g、8.5mmol),2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルベンズアルデヒド(3.2g、8.5mmol)、及び尿素(1.1g、17mmol)の溶液を塩酸(30%)の存在下で7時間加熱還流した(65〜70℃)。反応混合物を室温に冷却した後、粉いた氷(20g)に注ぎ込み、5分間攪拌した。粘稠な液体を酢酸エチル(40mL)で抽出し、1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0227】
IR(cm−1):3422(N−H),2921(C−H),1691(C=O)
【0228】
質量(エレクトロスプレー):527(M+1),525(M−1)
【0229】
実施例36:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル(PPK−30)
【化43】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸メチルエステル(3g、4.6mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.6g、4.7mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0230】
融点:121〜122℃
【0231】
IR(cm−1):3340(N−H),2921(C−H),1696(C=O)
【0232】
質量(エレクトロスプレー):559(M+1),557(M−1)
【0233】
HNMR(δppm):8.35(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.2(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.55(s,1H,C−H)4.25(q,2H,J=6Hz,O−CH)3.75(s,3H,O−CH)3.6(s,3H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)3.0(m,1H,ベンジルのもの)2.25(s,3H,アリルのもの)1.85−1.1(m,29H,アルキル鎖からの(CH13,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0234】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0235】
実施例37:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)(PPK−31)
【化44】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル(3g、4.7mmol)の溶液をクロロギ酸エチル(0.6g、4.7mmol)をアルゴン下で0℃において処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0236】
融点:109〜110℃
【0237】
IR(cm−1):3348(N−H),2920(C−H),1697(C=O)
【0238】
質量(エレクトロスプレー):573(M+1),571(M−1)
【0239】
NMR(δppm):8.1(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.55(s,1H,C−H)4.1(m,4H,O−CH)3.75(s,3H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)2.9(m,1H,ベンジルのもの)2.25(s,3H,アリルのもの)1.85−1.1(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0240】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0241】
実施例38:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−イソプロピルジエステル(PPK−32)
【化45】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.6mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸イソプロピルエステル(3g、4.8mmol)溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。
得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0242】
融点:100℃
【0243】
IR(cm−1):3341(N−H),2919(C−H),1698(C=O)
【0244】
質量(エレクトロスプレー):587(M+1),585(M−1)
【0245】
HNMR(δppm):8.3(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.2(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.57(s,1H,C−H)5.0(m,1H,OCH(CH)4.25(q,2H,J=6Hz,O−CH)3.75(s,3H,O−CH)3.2(m,1H,ベンジルのもの)3.0(m,1H,ベンジルのもの)2.25(s,3H,アリルのもの)1.9−1.0(m,35H,アルキル鎖からの(CH13,CH,(CH)0.87(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0246】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0247】
実施例39:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル(PPK−33)
【化46】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸メチルエステル(3g、4.7mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0248】
融点:103℃
【0249】
IR(cm−1):3346(N−H),2918(C−H),1698(C=O)
【0250】
質量(エレクトロスプレー):573(M+1),571(M−1)
【0251】
HNMR(δppm):7.4(bs,1H,N−H)7.15(t,J=7Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.6(s,1H,C−H)4.2(m,2H,O−CH)4.0(q,2H,J=6Hz,O−CH)3.6(s,3H,O−CH)3.15(m,1H,ベンジルのもの)2.95(m,1H,ベンジルのもの)2.28(s,3H,アリルのもの)1.85−1.0(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0252】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0253】
実施例40:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1,5−ジエチルジエステル(PPK−34)
【化47】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル(3g、4.65mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてエチルクロロギ酸(0.7g、4.7mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0254】
融点:112℃
【0255】
IR(cm−1):3342(N−H),2920(C−H),1697(C=O)
【0256】
質量(エレクトロスプレー):587(M+1),585(M−1)
【0257】
HNMR(δppm):7.25(bs,1H,N−H)7.15(t,J=7Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.6(s,1H,C−H)4.2(m,6H,O−CH)3.2(m,1H,ベンジルのもの)2.95(m,1H,ベンジルのもの)2.3(s,3H,アリルのもの)1.85−1.15(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0258】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0259】
実施例41:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−イソプロピルジエステル(PPK−35)
【化48】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸イソプロピルエステル(3g、4.8mmol)をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0260】
融点:110〜111℃
【0261】
IR(cm−1):3350(N−H),2920(C−H),1696(C=O)
【0262】
質量(エレクトロスプレー):601(M+1),599(M−1)
【0263】
HNMR(δppm):7.15(m,2H,1Hと交換可能なDO,N−H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.6(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.5(s,1H,C−H)5.0(m,1H,OCH(CH)4.25(m,2H,CH)4.0(q,2H,O−CH)3.25(m,1H,ベンジルのもの)3.0(m,1H,ベンジルのもの)2.3(s,3H,アリルのもの)1.85−1.0(m,38H,アルキル鎖からの(CH13,(CH,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0264】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0265】
実施例42:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル(PPK−36)
【化49】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸メチルエステル(3g、4.7mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてエチルクロロギ酸(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0266】
融点:120〜121℃
【0267】
IR(cm−1):3342(N−H),2921(C−H),1670(C=O)
【0268】
質量(エレクトロスプレー):587(M+1),585(M−1)
【0269】
HNMR(δppm):7.85(bs,1H,N−H)7.15(t,J=7Hz,1H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.55(s,1H,C−H)4.65(m,1H,OCH(CH)4.2(q,2H,J=6Hz,O−CH)3.6(s,3H,O−CH)3.0(m,2H,ベンジルのもの)2.28(s,3H,アリルのもの)1.95−1.0(m,35H,アルキル鎖からの(CH13,(CH,CH)0.85(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0270】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0271】
実施例43:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1,5−ジエチルジエステル(PPK−37)
【化50】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル(3g、4.6mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてエチルクロロギ酸(0.8g、4.7mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0272】
融点:90〜92℃
【0273】
IR(cm−1):3340(N−H),2920(C−H),1696(C=O)
【0274】
質量(エレクトロスプレー):601(M+1),599(M−1)
【0275】
HNMR(δppm):7.6(bs,1H,N−H)7.15(dt,1H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.55(s,1H,C−H)4.65(m,1H,OHC(CH)4.1(m,4H,O−CH)3.15(m,1H,ベンジルのもの)2.95(m,1H,ベンジルのもの)2.2(s,3H,アリルのもの)1.9−1.0(m,38H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH,(CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0276】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0277】
実施例44:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル1,5−イソプロピルジエステル(PPK−38)
【化51】

ジクロロメタン(15mol)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸イソプロピルエステル(3g、4.5mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてエチルクロロギ酸(0.85g、4.6mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサンから再結晶化すると、表題化合物の白色結晶固体が得られた。
【0278】
融点:88〜90℃
【0279】
IR(cm−1):3340(N−H),2918(C−H),1695(C=O)
【0280】
質量(エレクトロスプレー):615(M+1),613(M−1)
【0281】
HNMR(δppm):7.7(bs,1H,N−H)7.17(dt,1H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.7(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.5(s,1H,C−H)5.0(m,1H,OHC(CH)4.7(m,1H,OHC(CH)4.23(q,J=6Hz,2H,O−CH)3.2(m,1H,ベンジルのもの)3.0(m,1H,ベンジルのもの)2.25(s,3H,アリルのもの)1.9−1.0(m,41H,アルキル鎖からの(CH13,CH,(CH,(CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0282】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項、q−四重項。
【0283】
実施例45:3,6−ジヒドロ−4−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)
【化52】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(2.0mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル(3g、4.9mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.9mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物が得られた。
【0284】
IR(cm−1):3450(N−H),2921(C−H),1686(C=O)
【0285】
質量(エレクトロスプレー):721(M+1),719(M−1)
【0286】
HNMR(δppm):8.5(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.7(d,J=6Hz,1H,芳香族プロトン)7.5(m,1H,芳香族プロトン)7.25(m,2H,芳香族プロトン)7.15(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.85(d,J=8Hz,2H,芳香族プロトン)5.8(s,1H,C−H)4.6(s,1H,DO交換可能,N−H)4.5(s,2H,S−CH)4.0(m,J=6Hz,4H,O−CH)3.7(s,3H,O−CH)3.1(m,1H,ベンジルのもの)2.5(m,1H,ベンジルのもの)1.85−1.1(m,35H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH,アリルのCH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0287】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0288】
実施例46:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1,5−ビス(メチルエステル)
【化53】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)オキシ]−6−メチル−4−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸メチルエステル(3g、4.8mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物が得られた。
【0289】
IR(cm−1):3352(N−H),2921(C−H),1692(C=O)
【0290】
質量(エレクトロスプレー):573(M+1),571(M−1)
【0291】
HNMR(δppm):8.0(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.1(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.95(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.65(s,1H,C−H)4.0(s,3H,COOCH)3.75(s,3H,N−COOCH)3.0(m,1H,ベンジルのもの)2.85(m,1H,ベンジルのもの)2.2(s,3H,アリルのもの)1.85−1.1(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,(CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0292】
実施例47:3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−チオキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(メチルエステル)
【化54】

ジクロロメタン(15mL)及びピリジン(1.5mL)中の1,4−ジヒドロ−2−[[(4−メトキシフェニル)メチル)チオ]−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル(3g、4.7mmol)の溶液をアルゴン下で0℃においてクロロギ酸エチル(0.7g、4.8mmol)で処理した。添加終了後、反応物を室温で12時間攪拌し、次いでより多くのジクロロメタンで希釈した。得られた溶液を1N塩酸、水、重炭酸ナトリウム、及び塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を蒸発すると、淡い黄色のオイルが生じた。この粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物が得られた。
【0293】
IR(cm−1):3350(N−H),2921(C−H),1696(C=O)
【0294】
質量(エレクトロスプレー):589(M+1),587(M−1)
【0295】
HNMR(δppm):7.6(bs,1H,DO交換可能,N−H)7.1(t,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.8(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.65(d,J=8Hz,1H,芳香族プロトン)6.5(s,1H,C−H)4.05(m,4H,O−CH)3.7(s,3H,O−CH)3.05(m,1H,ベンジルのもの)2.95(m,1H,ベンジルのもの)2.2(s,3H,アリルのもの)1.85−1.1(m,32H,アルキル鎖からの(CH13,CH,CH)0.9(dt,3H,アルキル鎖からの末端CH
【0296】
bs−ブロードな一重項、t−三重項、d−二重項、s−一重項、m−多重項、dt−歪んだ三重項。
【0297】
実施例48:哺乳動物細胞でのT型チャンネルの発現
T型カルシウムチャンネル(α1G)をHEK293細胞中で安定的に発現し、DMEM中で37℃において維持した。細胞をトリプシン及びEGTA又はアクターゼを用いて皿から放出し、単離4時間以内に研究した。個々の細胞を倒立顕微鏡のステージ上に置き、0.8〜1.5Mオームの抵抗を有するアルミナケイ酸塩ガラス毛管から吸ったピペットで付した。アキソパッチ(Axopatch)200(アクソン・インスツルメンツ社(Axon Instruments,Inc.))及びクランプデータ取得ソフトウエア(8.1)を用いて電流を記録した。ピペット溶液は、KCl 130、EGTA 11、HEPES 10、MgATP 5(mM)(pH=7.4)を含有した。浴溶液は、NaCl 140、CaCl 1、HEPES 10((mM)(pH=7.4)を含有した。試験化合物を保存溶液(DMSO中3又は10mM)から浴溶液中に希釈して所望の濃度(100nM〜10μM)とした。電流測定を20〜23℃で行った。閉じた状態での占有率を最大化するために細胞を−110mVで保ち、種々の電位に対して100ミリ秒間脱分極した。16〜64の閾下応答(10又は20mVの電圧ステップ)を用いて電流を容量補正し、保持電位及び0mVでの電流間の一次補間に基づき、漏出を差し引いた。調節チェンバーから試験化合物を有するチェンバーへと細胞を取り除き、5秒毎に一度の−110mVの保持電位から100ミリ秒間−30mVにステップする電圧固定プロトコルを用いて薬物の効果を評価した。10〜13分間後毎に訓練プロトコルを中断して、十分な電流電圧曲線を得た。一般に、各化合物に対して、4個の細胞を最小の13分間研究し、2個は500nM、2個は1μMの薬物で研究した。他の濃度もいくつかの場合で研究した。Matlab(マスワークス(Mathworks)、マサチューセッツ州ナティック)を用いて、データを分析した。以下の関係を用いて薬物の効力を評価した:遮断分率=[薬物]/(IC50+[薬物])
【0298】
薬物による遮断の時間経過は、単一指数関数に合致した:ピーク電流=Aexp(−t/τ)+B。ここで、Aは、電流の初期振幅であり、Bは最終レベルであり、tは細胞が薬物に暴露された後の時間、τは時定数、すなわち、電流が最終値Bの1/e以内に低下するのにかかる時間である。一般に、緩和τ秒は、薬物のオン・レート及びオフ・レートの双方により影響されるが、たった1つの化合物に対しウォッシュ・アウトが達成可能であり、したがって、オフ率は非常に遅い(小さい)ので1/konを本質的に表すのにτ秒かかることできる。いくつかの化合物では、チェンバー中の薬物の存在に関わらず、緩和が遅れて起こった。これを緩和が最初に観察されたときから定量した。
【0299】
実施例49:遮断研究
PPK化合物による遮断を研究するために、研究されるすべてのイオン性条件下でチャンネルを十分に利用するのに十分な負の電位(約−100mV)で細胞を保った。細胞をチャンバー底から引き上げ、種々の濃度の薬物を有する溶液がフローしている第2のチャンバーに移した。細胞を薬物の無いチャンバーに移すことにより、逆の作用が得られた。図は、薬物のウォッシュ・イン及びウォッシュ・アウト(もしあれば)の際に得られた以下に表示されたピーク電流変化の時間経過を有する試料電流トレースを示している。薬物中の電流の大きさが安定するまで、細胞を10秒毎に一度−30mVに脱分極した。活性化されたコンフォーメーションでのチャンネルの蓄積を回避するため、この低周波数の刺激を選択した。
【0300】
実施例50:動物研究
これらの研究では、15匹の雄の自然発症高血圧ラット(SHR)を用いた。動物は到着時には加齢12週であり、研究開示時には加齢15週であった。動物を5つの群に分け、各々の群に動物3匹とした。研究に含まれるすべての動物の発現ベースライン収縮期血圧は、190〜220mmHgであった。動物を接触床に収容した。それらにピューリナ(Purina)5008を与えた。到着後6日して、研究開始前の4日間、動物を血圧器具に訓らした。
【0301】
化合物を動物に尾部静脈注射により投与した。用量レベルを0.5mLとした。各々の研究において、1群の動物を対照とした一方で、その他の群にはある投与量の化合物を注射した。
【0302】
以下に示すスケジュールを用いて研究を行った。
【0303】
【表4】

【0304】
参照:化合物の薬理活性の試験方法:1.カルシウムT型チャンネル(低電位活性化カルシウムチャンネル)に対するもの:
a) L. Lacinova, N. Klugbauer, F. Hofmann "Regulation of the calcium channel α1G subunit by divalent cations and organic blockers "Neuropharmacology, 39, 1254-1266 (2000).
b) J. P. Clozel, E. A. Ertel, S. I. Ertel "Discovery and main pharmacological properties of mibefradil (Ro 40-5967), the first selective T-type calcium channel blocker" Journal of hypertension 15, S17-S25 (1997).
c) G. Mehrke, X. G. Zong, V. Flockerzi, F. Hofmann "The Ca2+ channel blocker Ro 40-5967 blocks differently T-type and L-type Ca2+ channels" Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 271,1483-1488 (1994).
d) S. Richard, S. Diochot, J. Nargeot, M. Baldy-Moulinier, J. Valmier "Inhibition of T-type calcium currents by dihydropyridines in mouse embryonic dorsal root ganglion neurons" Neuroscience Letters 132, 229-234 (1991).
e) R. S. I. Chaung, H. Jaffe, L. Cribbs, E. Perez-Reyes, K. J. Swartz "Inhibition of T-type voltage gated calcium channel by a new scorpion toxin "Nature Neuroscience, 1,668-674 (1998).
2.カルシウムL型チャンネル(高電位活性化カルシウムチャンネル)に対するもの:
a) B. Z. Peterson, C. D. DeMaria, D. T. Yue "Calmodulin is the Ca2+ sensor for Ca2+- dependent inactivation of L-type calcium channels" Neuron, 22,549-558 (1999).
b) G. C. Rovnyak, S. D. Kimball, B. Beyer, G. Cucinotta, J. D. DiMarco, J. Gougoutas, A. Hedberg, M. Malley, J. P. McCarthy, R. Zhang, S. Moreland "Calcium Entry Blockers and Activators: Conformational and Structural Determinants of Dihydropyrimidine Calcium Channel Modulators "Journal of Medicinal Chemistry, 38, 199-129 (1995).
3.N型、P/Q型、及びR型のカルシウムチャンネルに対するもの:
a) Stea, A.; Soong, T. W.; Snutch, T. P. "Voltage gated calcium channels," in Handbook of Receptors and Channels, Ligand- and Voltage-Gated Ion Channels (North RA ed. ), 1995, 113-152, CRC Press Inc., Boca Raton, Florida.
b) Zamponi, G. W. "Antagonist sites of voltage dependent calcium channels," Drug Development Research, 1997, 42, 131-143.
c) Neelands, T. R.; King, A. P.; Macdonald, R. L. "Functional expression of L-, N-, P/Q-, and R-type calcium channels in the human NT2-N cell line," J. Neuroplaysiol. 2000, 84(6), 393-401.
【0305】
結論
したがって、当業者は、本明細書中に開示された化合物及び使用は、治療効果を与えるカルシウムチャンネル遮断薬として用いることができることを十分に理解する。
【0306】
目的を実施し、かつ、言及した結果及び利点並びにそこで特有のものを得るため、これらの方法及び化合物を改変すること及び改変することができることを当業者は十分に理解する。本明細書中に記載された方法、手順、及び化合物は、現在の好ましい実施態様の代表例であり、例示であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の真意の範囲内に包含され、かつ、特許請求の範囲により定義される本明細書中の変形及びその他の使用を当業者は思い付くであろう。
【0307】
本発明の範囲及び真意から逸脱することなく、本明細書中に開示された本発明に置き換え及び改変を施すことができることは当業者に明らかである。
【0308】
本明細書中に示された本発明の態様及び実施態様を互いに分けてあるいは互いに組み合わせて実施することができることを当業者は認識している。したがって、別々の実施態様の組み合わせは、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内である。
【0309】
本明細書中で言及した特許及び公表物はすべて、本発明が属する技術分野における当業者のレベルを示す。
【0310】
本明細書中に例示的に記載された本発明は、本明細書中に具体的に開示された要素及び限定のいずれも存在することない下で、実施することができる。したがって、例えば、本明細書中の各々の場合において、「含む」、「から本質的になる」、及び「から成る」との用語はいずれも、その他の2つ用語のいずれかと置き換えることができる。用いた用語及び表現は限定のためではなく説明のために用いられ、示し記載した特徴の均等物又はその一部をそのような用語及び表現の使用において除外することを示す意図はない。特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の改変が可能であることが認められる。したがって、本発明が好ましい実施態様及び任意選択による特徴によって具体的に開示されているが、当業者は本明細書中に開示された概念の改変及び変型に頼ってもよく、そのような改変及び変型は付随の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内であるとみなすと理解すべきである。
【0311】
さらに、本発明の特徴又は態様がマーカッシュ群に関して記載されている場合、本発明はそれによってマーカッシュ群の個々のメンバー又はサブグループに関しても記載されていると当業者は認識する。例えば、Xが臭素、塩素、及びヨウ素から成る群から選択されるとして記載されている場合、Xが臭素であるとの請求及びXが臭素及び塩素であるとの請求は十分に記載されている。
【0312】
その他の実施態様は、特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0313】
【図1】図1は、PPK−5、アムロジピン、及びミベフラジルを比較した自然発症高血圧ラットでの単回投与の効力を示す。
【図2】図2は、PPK−5及びミベフラジルを比較した自然発症高血圧ラットでの複数回投与の効力を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投与時から収縮期血圧の最大低下時までのin vivoでの収縮期血圧低下活性の発現が少なくとも3時間であり、かつ、投与時から収縮期血圧低下量が少なくとも20パーセント低下するまでのin vivoでの活性期間が少なくとも24時間である選択的T−チャンネルアンタゴニストを提供する工程と、前記アンタゴニストを規則正しい用量で1日あたり1回以下の頻度で哺乳動物に投与する工程とを含む、カルシウムT−チャンネル活性の阻害方法。
【請求項2】
前記T−チャンネルアンタゴニストが、少なくとも6個の炭素原子のペンデントアルキレン基を有する環構造を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記T−チャンネルアンタゴニストが、式I又はIIの化合物、
【化1】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグであり、式中、
a)R〜Rは、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、前記低級アルキル及び前記低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化2】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、ここで、Aは、酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは、0〜4の間であり;ここで、前記環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立して任意選択により置換され;
b)Rは、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R10は、水素及び低級アルキルから成る群から選択されるか、前記式Iの化合物の窒素含有環がピリジンである場合には該R10は任意選択により存在せず;
d)R11〜R13及びR15〜R18は、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、アルコキシ、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、前記低級アルキル及び前記低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化3】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、Aは、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホン、及び−NHから成る群から選択され;R22は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され;nは、0〜4の間であり;前記環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され;
e)R19は、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
f)R20は、水素及び低級アルキルから成る群から選択され;
g)R21は、i)水素、アルキル、アルコキシ、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環;ii)COY(ここで、Yは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNR1314であり、ここで、R13は、水素又はC〜Cアルキルであり、R14は水素、C〜Cアルキル、又はC〜C14フェナルキルである);iii)X又はCOX(ここで、Xは、
【化4】

である);iv)ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、COONHR35、COON(R35、COOSO38、COONR35SON(R35、CO35、COON(R35、COOSON(R35、COOSO38;v)CONR2526(ここで、R25は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアリールアルキルから成る群から選択され、R26は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はハロ置換アルキルから成る群から選択され、あるいはR25及びR26は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル(その各々はアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフロロメチル、又はヒドロキシから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換される)を形成する));vi)Z、COOZ、又はC(O)(NH)Z(ここで、Zは、
【化5】

から成る群から選択され、ここで、A)p及びqは、各々独立して0〜10であり;B)R30は、ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、C1〜4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されるフェニルであり;C)R31は、水素、シアノ、OR38、COOR35、CON(R35、並びにハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC14アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルから成る群から選択され;D)R35及びR37は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、(CH0〜4CFから各々独立して選択される)から成る群から選択され;E)R38は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、及び(CH0〜4CFから成る群から選択され;
h)Xは、酸素又は硫黄であり;
i)Qは、酸素又は窒素であり、但し、Qが酸素であるとき、R13は存在しない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記T−チャンネルアンタゴニストがプロドラッグである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記T−チャンネルアンタゴニストが、1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−カルボキシピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(2’−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−メチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−イソプロピル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3−エチル−5−(メトキシエチル)ピリジンジカルボキシレート;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−(2’−アミノエトキシ)メチル−6−メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジニトロ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−3’,5’−ジアミノ−6’−ペンタデシルフェニル)−2,6−ジメチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−エトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−メトキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−(5’’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジエチル;1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−メチル(5’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジメチル;及び1,4−ジヒドロ−4−(2’−イソプロポキシ−6’−ペンタデシルフェニル)−2−メチル−6−メチル(5’−メチル−2−メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,5−ピリジンジカルボン酸ジイソプロピルから成る群から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記T−チャンネルアンタゴニストが、5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−(2’メルカプト−1’H−ベンゾイミダゾリル)メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−エトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカトリエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−メトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカトリエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−エトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−メトキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z,14’Z)ペンタデカチエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z,11’Z)ペンタデカジエニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、5−イソプロポキシカルボニル−4−(2−エトキシ−6−(8’Z)ペンタデセニルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロピリミジン−2(1H)−オン、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−イソプロピルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1,5−ジエチルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−イソプロピルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−メチルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1,5−ジエチルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,5−(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−エチル5−イソプロピルジエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−メトキシ−6−ドデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−エトキシ−6−ドデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−6−(2−イソプロポキシ−6−ドデシルフェニル)−2−チオキソ−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸ビス(エチルエステル)、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−エチル1−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−エチル1−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−4−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−3−(1−オキソ−プロピル)2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−4−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−3−(1−オキソ−プロピル)2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−4−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−3−(1−オキソ−プロピル)2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、1−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、1−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−メチル−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、1−[(ジメチルアミノ)カルボニル]−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−メチル−6−[2−イソプロポキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−チオキソ−5−ピリミジンカルボン酸エチルエステル、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−エチル−1−[1−(フェンメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル)]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−(1−メチルエチル)1−[1−(フェンメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−(1−メチルエチル)1−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−エトキシ−3,5−ジニトロ−6−ペンタデシルフェニル]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸5−(1−メチルエチル)1−[1(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エステル一塩酸塩、1,2,3,6−テトラヒドロ−4−メチル−1−[3−[メチル(フェニルメチル)アミノ]プロピル]−2−チオキソ−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸1−メチルエチルエステル一塩酸塩、1,2,3,6−テトラヒドロ−4−メチル−1−[2−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]エチル]−2−チオキソ−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−5−ピリミジンカルボン酸1−メチルエチルエステル一塩酸塩、3,6−ジヒドロ−4−メチル−2−チオキソ−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−1,5(2H)−ピリミジンジカルボン酸1−[1−[(4−フロロフェニル)メチル]−4−ピペリジニル]5−(1−メチルエチル)エステル一塩酸塩、4−エチル−5−メトキシカルボニル−1−{N−[3[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、4−エチル−5−メトキシカルボニル−1−{N−[3[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−6−[2−エトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、5−カルボキサミド−4−エチル−1−{N−[−[3−(4−メトキシカルボニルフェニルピペリジン−1−イル)−プロピル]カルボキサミド}−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、4−エチル−5−(N−メチルカルボキサミド)−1−{N−[3−(4−メトキシカルボニルフェニルピペリジン−1−イル)プロピル]カルボキサミド}−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、5−メトキシカルボニル−1−{N−[3−[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、5−エトキシカルボニル−1−{N−[3−[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、5−カルボキサミド−1−{N−[3−[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−4−メチル−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジン、及び1−{N−[3−[4−(4−メトキシカルボニル)−4−フェニルピペリジン−1−イル]プロピル]カルボキサミド}−4−メチル−5−(N−メチルカルボキサミド)−6−[2−メトキシ−6−ペンタデシルフェニル]−2−オキソ−1,2,3,6−テトラヒドロピリミジンから成る群から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項7】
選択的T−チャンネルアンタゴニストを少なくとも1日おきに個々の投与量で患者に繰り返し投与する工程を含む高血圧の治療方法。
【請求項8】
前記T−チャンネルアンタゴニストが、式I又はIIの化合物、
【化6】

又はその薬学的に許容できる塩、アミド、エステル、又はプロドラッグであり、式中、
a)R〜Rは、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、前記低級アルキル及び前記低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化7】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により選択され、ここで、Aは、酸素、硫黄、及び−NHから成る群から選択され、R11は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され、nは0〜4の間であり;ここで、前記環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、
b)Rは、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
c)R10は、水素及び低級アルキルから成る群から選択されるか、前記式Iの化合物中の窒素含有環がピリジンである場合には該R10は任意選択により存在せず;
d)R11〜R13及びR15〜R18、は、水素、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ジアゾ塩、任意選択により置換された低級アルキル、アルコキシ、任意選択により置換された低級アルキレン、及び任意選択により置換された5員若しくは任意選択により置換された6員のヘテロアリール環又は任意選択により置換された6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から各々独立して選択され、ここで、前記低級アルキル及び前記低級アルキレン部分は、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、スルフヒドリル、チオエーテル、シアノ、アミド、エステル、及び
【化8】

から成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され、Aは、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホン、及び−NHから成る群から選択され;R22は、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、及びジアゾ塩から成る群から選択され;nは0〜4の間であり;前記環部分は、低級アルキル、低級アルキレンから成る群から選択される1つ以上の置換基で各々独立してかつ任意選択により置換され;
e)R19は、水素、アルキル、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、及びエステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環から成る群から選択され;
f)R20は、水素及び低級アルキルから成る群から選択され;
g)R21は、i)水素、アルキル、アルコキシ、アルキレン、並びに低級アルキル、低級アルキレン、ハロゲン、パーハロアルキル、ニトロ、アミノ、シアノ、アミド、エステルから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換された5員若しくは6員のヘテロアリール環又は6員のアリール環若しくはヘテロアリール環;ii)COY(ここで、Yは、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、又はNR1314であり、ここで、R13は、水素又はC〜Cアルキルであり、R14は、水素、C〜Cアルキル、又はC〜C14フェナルキルである;iii)X又はCOX、ここで、Xは、
【化9】

である);iv)ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、COON35、COON(R35、COOSO38、COONR35SON(R35、CO35、COON(R35、COOSON(R35、COOSO38;v)CONR2526(ここで、R25は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はアリールアルキルから成る群から選択され、R26は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、又はハロ置換アルキルから成る群から選択される、あるいはR25及びR26は、それらが結合している前記窒素原子と一緒になって、1−ピロリジニル、1−ピペリジニル、1−アゼピニル、4−モルホリニル、4−チアモルホリニル、1−ピペラジニル、4−ジアリールアルキル−1−ピペラジニル(その各々はアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、ハロ、トリフロロメチル、又はヒドロキシから成る群から選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換される)を形成する)];vi]Z、COOZ、又はC(O)(NH)Z(ここで、Zは、
【化10】

から成る群から選択され、ここで、A)p及びqは、各々独立して0〜10であり;B]R30は、ハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CON(R35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC1〜4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルであり;C]R31は、水素、シアノ、OR38、COOR35、CON(R35、並びにハロゲン、CF、シアノ、ニトロ、N(R35、NR35CONR37、NR35CON(R37、NR35SO38、NR35SON(R37、(CH0〜4CO35、(CH0〜4CO35、(CH0〜4SON(R35、(CH0〜4SO38、及びC1〜4アルキルから成る群から独立して選択される1つ以上の置換基で任意選択により置換されたフェニルから成る群から選択され;D]R35及びR37は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、(CH0〜4CFから各々独立して選択され;E]R38は、水素、C1〜8アルキル、C3〜8シクロアルキル、及び(CH0〜4CFから成る群から選択される]から成る群から選択され;
h]Xは、酸素又は硫黄であり;
i]Qは、酸素又は窒素であり、但し、Qが酸素であるとき、R13は存在しない、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
活性の発現の速さを測定するために候補化合物を試験する工程;活性期間を測定するために候補化合物を試験する工程;及びミベフラジルより活性の発現が遅く、かつ、活性期間が長い候補化合物を選択する工程を含む、所望の薬理学的プロフィールを有するカルシウムT−チャンネルアンタゴニストの選択方法。
【請求項10】
前記試験工程の少なくとも1つをin vitroで行う請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記試験工程の少なくとも1つをin vivoで行う請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−503042(P2006−503042A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−536510(P2004−536510)
【出願日】平成15年9月11日(2003.9.11)
【国際出願番号】PCT/US2003/028527
【国際公開番号】WO2004/024153
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【出願人】(505092706)ダイアクロン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】