カルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物

【課題】保存安定性に優れたカルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物を提供すること。
【解決手段】本発明の固形医薬組成物は、ジヒドロピリジン誘導体からなるカルシウムブロッカーとアミノ基を有する化合物とを含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ジヒドロピリジン誘導体(特許文献1)からなり、血圧降下剤として用いられるカルシウムブロッカーを含有する製剤が知られている(特許文献2)。これらの製剤では、カルシウムブロッカーの保存安定性が図られているが、必ずしも十分ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公平3−31715号公報
【特許文献2】特許第4327376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、保存安定性に優れたカルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、カルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物にアミノ基を有する化合物を含有させることにより、固形医薬組成物中のカルシウムブロッカーの保存安定性を高めることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
本発明は、固形医薬組成物を提供し、該固形医薬組成物は、ジヒドロピリジン誘導体からなるカルシウムブロッカーとアミノ基を有する化合物とを含有する。
【0007】
1つの実施態様では、上記カルシウムブロッカーは、アゼルニジピンまたはその薬理上許容される塩である。
【0008】
1つの実施態様では、上記アミノ基を有する化合物は、アミノ糖または塩基性アミノ酸である。
【0009】
1つの実施態様では、上記アミノ糖は、メグルミンである。
【0010】
1つの実施態様では、上記塩基性アミノ酸は、アルギニンである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、保存安定性に優れたカルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の固形医薬組成物は、ジヒドロピリジン誘導体からなるカルシウムブロッカーとアミノ基を有する化合物とを含有する。
【0013】
カルシウムブロッカーとしては、ジヒドロピリジン誘導体である限り、特に限定されず、例えば、アムロジピン(2−(2−アミノエトキシメチル)−4−(2−クロロフェニル)−3−エトキシカルボニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロピリジン)、アラニジピン(3−(2−オキソプロポキシカルボニル)−2,6−ジ−メチル−5−メトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、アゼルニジピン(2−アミノ−3−(1−ジフェニルメチル−3−アゼチジニルオキシカルボニル)−5−イソプロポキシカルボニル−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、バルニジピン(3−(1−ベンジル−3−ピロリジニルオキシカルボニル)−2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ベニジピン(3−(1−ベンジル−3−ピぺリジニルオキシカルボニル)−2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、シルニジピン(2,6−ジメチル−5−(2−メトキシエトキシカルボニル)−4−(3−ニトロフェニル)−3−(3−フェニル−2−プロぺニルオキシカルボニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、エホニジピン(3−[2−(N−ベンジル−N−フェニルアミノ)エトキシカルボニル]−2,6−ジメチル−5−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサ−2−ホスホニル)−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、エルゴニジピン(2,6−ジメチル−5−イソプロポキシカルボニル−4−(2,3−メチレンジオキシフェニル)−3−[2−[N−メチル−N−(4−フルオロフェニルメチル)アミノ]エトキシカルボニル]−1,4−ジヒドロピリジン)、フェロニジピン(3−エトキシカルボニル−4−(2,3−ジクロロフェニル)−2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−1,4−ジヒドロピリジン)、ファルニジピン(2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−3−(2−テトラヒドロフリルメトキシカルボニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、レミジピン(2−カルバモイオキシメチル−4−(2,3−ジクロロフェニル)−3−イソプロポキシカルボニル−5−メトキシカルボニル−6−メチル−1,4−ジヒドロピリジン)、マニジピン(2,6−ジメチル−3−[2−(4−ジフェニルメチル−1−ピペラジニル)エトキシカルボニル]−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ニカルジピン(2,6−ジメチル−3−[2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エトキシカルボニル]−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ニフェジピン(2,6−ジメチル−3,5−ジメトキシカルボニル−4−(2−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ニルバジピン(2−シアノ−5−イソプロポキシカルボニル−3−メトキシカルボニル−6−メチル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ニソルジピン(2,6−ジメチル−3−イソブトキシカルボニル−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、ニトレンジピン(3−エトキシカルボニル−2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−1,4−ジヒドロピリジン)、プラニジピン(2,6−ジメチル−5−メトキシカルボニル−4−(3−ニトロフェニル)−3−(3−フェニル−2−プロペン−1−イルオキシカルボニル)−1,4−ジヒドロピリジン)が挙げられる。
【0014】
カルシウムブロッカーは、その薬理上許容される塩であってもよい。カルシウムブロッカーの薬理上許容される塩は、酸付加塩である。酸付加塩としては、特に限定されず、例えば、ハロゲン化水素酸塩(フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホン酸塩(メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ペンタフルオロエタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ブタンスルホン酸塩、ペンタンスルホン酸塩、ヘキサンスルホン酸塩など)、炭素数6〜10のアリールスルホン酸塩(ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩など)、カルボン酸塩(酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、安息香酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩)、アミノ酸塩(グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩など)が挙げられる。また、カルシウムブロッカーは、カルシウムブロッカーまたはその薬理上許容される塩の水和物であってもよい。
【0015】
本発明の固形医薬組成物に含有されるカルシウムブロッカーの量としては、特に限定されず、固形医薬組成物160mg中であれば、通常1〜100mgであり、好ましくは5〜20mgである。
【0016】
アミノ基を有する化合物としては、アミノ糖、塩基性アミノ酸が挙げられる。本発明のアミノ糖としては、特に限定されず、例えば、メグルミン(meglumine)が挙げられる。本発明において、「メグルミン」とは、別名N-メチルグルカミン、化学式1-Deoxy-1-methylamino-D-glucitolで示される化合物である。本発明の「メグルミン」には、メグルミン誘導体、メグルミンの塩などが含まれる。また、メグルミンの水酸基が化学的に修飾を受けたものも含まれる。
【0017】
本発明の塩基性アミノ酸としては、例えば、リシン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファンオルニチンが挙げられる。好ましくは、アルギニン(arginine)である。本発明において、「アルギニン」とは、別名5−グアニジノ−2−アミノペンタン酸、化学式(H2NC(=NH)NHCH2CH2CH2CH(COOH)NH2)で示される化合物である。本発明の「アルギニン」には、アルギニン誘導体、アルギニンの塩などが含まれる。
【0018】
本発明の固形医薬組成物に含有されるメグルミンの量としては、特に限定されず、固形医薬組成物160mg中であれば、通常1〜26mgであり、好ましくは4〜12mgである。1mgより少ないと、カルシウムブロッカーの保存安定性が十分でない。26mgより多いと、固形医薬組成物の成型不良が生じる。
【0019】
本発明の固形医薬組成物は、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、溶解補助剤、流動化剤、甘味料、香料、発泡剤、界面活性剤、防腐剤、pH調整剤などの添加剤を含有し得る。
【0020】
賦形剤としては、特に限定されず、例えば、澱粉、コーンスターチ、糖類(ブドウ糖、果糖、乳糖、白糖、還元麦芽糖、トレハロースなど)、糖アルコール(D−マンニトール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトールなど)が挙げられる。
【0021】
崩壊剤としては、特に限定されず、例えば、クロスポビドン、カルボキシスターチナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、澱粉、部分α化澱粉、コーンスターチ、乳糖、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム結晶セルロース、低置換度ヒドロキシピロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルメロース、ヒドロキシプロピルスターチが挙げられる。
【0022】
滑沢剤としては、特に限定されず、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、ステアリン酸、軽質無水ケイ酸、硬化ナタネ油、硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル、フマル酸ステアリルナトリウム、安息香酸ナトリウム、L-ロイシン、L-バリンが挙げられる。
【0023】
結合剤としては、特に限定されず、例えば、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、デキストリン、キタンサンガム、アラビアゴム末、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、部分けん化ポリビニルアルコール、メチルセルロース、プルラン、部分α化澱粉、糖類が挙げられる。
【0024】
溶解補助剤としては、特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、クエン酸ナトリウム、塩化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムが挙げられる。
【0025】
流動化剤としては、例えば、ケイ酸カルシウムなどのケイ酸塩、軽質無水ケイ酸などの無水ケイ酸、水和二酸化ケイ素が挙げられる。
【0026】
甘味料としては、特に限定されず、例えば、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ステビア、ソーマチンが挙げられる。
【0027】
香料としては、特に限定されず、例えば、ミント、レモン、オレンジが挙げられる。
【0028】
発泡剤としては、特に限定されず、例えば、酒石酸塩、クエン酸塩、重炭酸塩が挙げられる。
【0029】
界面活性剤としては、特に限定されず、例えば、アニオン系界面活性剤(アルキル硫酸ナトリウムなど)、非イオン系界面活性剤(ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリソルベートなど)が挙げられる。
【0030】
防腐剤としては、特に限定されず、例えば、安息香酸、パラオキシ安息香酸、これらの塩が挙げられる。
【0031】
pH調節剤としては、特に限定されず、例えば、有機酸(クエン酸、酒石酸、酢酸、乳酸など)、無機酸(塩酸、リン酸など)、無機塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウムなど)が挙げられる。
【0032】
本発明の固形医薬組成物に含有される上記添加剤の量としては、特に限定されず、目的に応じて適宜設定される。
【0033】
本発明の固形医薬組成物の形状としては、特に限定されず、例えば、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、顆粒剤、散剤が挙げられる。好ましくは錠剤である。
【0034】
本発明の固形医薬組成物の製造方法としては、特に限定されず、例えば、造粒工程、打錠工程を含む方法が挙げられる。造粒方法としては、湿式造粒法、乾式造粒法が挙げられる。湿式造粒法としては、特に限定されず、例えば、流動層造粒乾燥機、攪拌造粒機、円筒押出造粒機、転動流動層造粒コーティング機、スプレードライヤーなどを用いる方法が挙げられる。打錠方法としては、特に限定されず、例えば、打錠用臼、打錠用上杵および下杵を用いて、油圧式ハンドプレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機などにより行う方法が挙げられる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0036】
(実施例1)
アゼルニジピンを含有する錠剤を以下の表1に記載の処方により製造した。アゼルニジピン((±)-3-(1-dipheylmethylazetidin-3-yl)5-isopropyl 2-amino-1,4-dihydro-6-methyl-4-(3-nitrophenyl)-3,5-pyridinedicarboxylate;特許文献2)、D−マンニトール(花王株式会社製)、ポリソルベート80(日光ケミカルズ株式会社製)、メグルミン(メルク社製)、軽質無水ケイ酸(フロイント産業株式会社製アドソリダー(登録商標)−101)、ヒドロキシプロピルセルロース−L(日本曹達株式会社製)、カルメロースカルシウム(ニチリン化学工業株式会社製)、L−ヒドロキシプロピルセルロース(信越化学工業株式会社製)、ステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)、エタノール、水を混合・造粒し、錠径8.0mmに打錠して、錠剤を製造した。
【0037】
(比較例1)
メグルミンを用いなかったことおよびD−マンニトールの量を増やしたこと以外は、実施例1と同様にして、錠剤を製造した。
【0038】
【表1】

【0039】
(アゼルニジピンの保存安定性評価1)
実施例1および比較例1で製造した錠剤、ならびに市販の「カルブロック(登録商標)錠8mg」(第一三共株式会社製:比較例2)について、アゼルニジピンの保存安定性を過酷試験にて評価した。すなわち、各製剤を過酷な条件下で保存した後に、アゼルニジピンの分解産物である類縁物質をUPLC(Ultra Performance Liquid Chromatography)にて定量した。
【0040】
保存条件として、40℃および75%RHにて0.5ヶ月保存、60℃にて0.5ヶ月保存、および60℃にて1ヶ月保存の3条件について試験した。また、錠剤をPTP包装した場合(PTPのみ包装、PTPアルミ包装(乾燥剤(シリカゲル)あり/なし))、ガラス瓶に封入した場合(乾燥剤(シリカゲル)あり/なし)、およびポリエチレン瓶に封入した場合(乾燥剤(シリカゲル)あり/なし)の3つの場合について試験した。
【0041】
錠剤を乳鉢ですりつぶし、アゼルニジピン10mg相当量を量りとり、アセトニトリル20mLに溶解し、試料溶液とした。UPLCの条件は以下のとおりである。
【0042】
カラム:Waters社製ACQUITY C18(1.7μm;2.1×50mm)
カラム温度:40℃
移動相:リン酸二水素カリウム0.9gを水300mLに溶解させた液300mLとアセトニトリル700mLとを混合し、0.1mol/L水酸化ナトリウム液でpH6.0に調整した溶液
検出器:紫外吸収光度計(測定波長:254nm)
分析時間:10分間
試料注入量:3μL
【0043】
得られたUPLCクロマトグラムにおいて、アゼルニジピンの保持時間の約5倍の範囲内で、アゼルニジピンを示すピークとは異なるピークを類縁物質のピークと判定し、その合計面積を測定した。類縁物質のピークの合計面積/アゼルニジピンを示すピークの面積×100を類縁物質含量(%)とした。結果を以下の表2に示す。
【0044】
【表2】

【0045】
表2より明らかなように、アゼルニジピンの分解産物である類縁物質の含量は、いずれの保存条件下の保存後においても、実施例1でメグルミンを用いて製造した錠剤が、比較例1でメグルミンを用いないで製造した錠剤よりもかなり少なく、メグルミンを含有しない市販の比較例2の錠剤よりも少なかった。このことから、メグルミンが錠剤中のアゼルニジピンの分解を十分抑制することがわかった。
【0046】
(実施例2)
アゼルニジピンを含有する錠剤を以下の表3に記載の処方により製造した。アゼルニジピン、D−マンニトール、ポリソルベート80、メグルミン、ヒドロキシプロピルセルロース−L、L−ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、エタノールを混合・造粒し、錠径8.0mmに打錠して、錠剤を製造した。
【0047】
(実施例3)
メグルミンに代えてアルギニンを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、錠剤を製造した。
【0048】
(比較例3)
メグルミンに代えて炭酸水素ナトリウムを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、錠剤を製造した。
【0049】
(比較例4)
メグルミンに代えて炭酸カルシウムを用いたこと以外は、実施例2と同様にして、錠剤を製造した。
【0050】
【表3】

【0051】
(アゼルニジピンの保存安定性評価2)
実施例2および3ならびに比較例3および4で製造した錠剤、ならびに市販の「カルブロック(登録商標)錠8mg」(第一三共株式会社製:比較例2)について、アゼルニジピンの保存安定性を過酷試験にて評価した。保存条件として、80℃にて3日間保存の条件であって、錠剤を包装しなかった場合(無包装で蓋なしのシャーレに放置)についてのみ試験した以外は、上記と同様にして試験した。結果を以下の表4に示す。
【0052】
【表4】

【0053】
表4より明らかなように、アゼルニジピンの分解産物である類縁物質の含量は、いずれの保存条件下の保存後においても、実施例2でメグルミンを用いて製造した錠剤および実施例3でアルギニンを用いて製造した錠剤が、比較例3で炭酸水素ナトリウムを用いて製造した錠剤および4で炭酸カルシウムを用いて製造した錠剤、ならびにメグルミンを含有しない市販の比較例2の錠剤よりも少なかった。このことから、メグルミンおよびアルギニンが錠剤中のアゼルニジピンの分解を十分抑制することがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明によれば、保存安定性に優れたカルシウムブロッカーを含有する固形医薬組成物を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジヒドロピリジン誘導体からなるカルシウムブロッカーとアミノ基を有する化合物とを含有する固形医薬組成物。
【請求項2】
前記カルシウムブロッカーが、アゼルニジピンまたはその薬理上許容される塩である、請求項1に記載の固形医薬組成物。
【請求項3】
前記アミノ基を有する化合物が、アミノ糖または塩基性アミノ酸である、請求項1または2に記載の固形医薬組成物。
【請求項4】
前記アミノ糖が、メグルミンである、請求項3に記載の固形医薬組成物。
【請求項5】
前記塩基性アミノ酸が、アルギニンである、請求項3に記載の固形医薬組成物。

【公開番号】特開2013−23452(P2013−23452A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157225(P2011−157225)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【Fターム(参考)】