説明

カルシウム受容体調節剤

本発明は、一般に、式Iの化合物、それを含む薬剤組成物、及びカルシウム感知受容体の機能に関連した疾患又は障害を治療する方法に関する。本発明は、かかる化合物を製造する方法、及びこれらの方法に有用である中間体にも関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医薬品の分野に関し、より具体的には、カルシウム受容体調節化合物及びそれを含む薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞外カルシウムイオン濃度は、血液凝固、神経及び筋肉興奮性、骨形成などの種々の生物学的過程に関与する(Cell Calcium 11:319, 1990)。この調節の重要な要素の1つは、Ca感知受容体又はCaSRとして知られるカルシウム受容体である。カルシウムイオン受容体は、副甲状腺、腎細胞などの体内の種々の細胞の膜上に存在し(Nature 366:574, 1993;J.Bone Miner.Res.9, Supple.1, s282, 1994;J.Bone Miner.Res.9, Supple.1, s409, 1994;Endocrinology 136:5202, 1995)、細胞外カルシウムイオン濃度の調節に重要である。例えば、細胞外カルシウムイオンの濃度は、破骨細胞による骨吸収(Bioscience Reports 10:493, 1990)、副甲状腺細胞からの副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌、及びC細胞からのカルシトニンの分泌(Cell Calcium 11:323, 1990)を調節する。したがって、副甲状腺細胞は、その表面にカルシウム感知受容体(CaSR)を有し、カルシウム感知受容体は、細胞外カルシウム濃度の変化を検出し、副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌の調節である、この細胞の機能的応答を惹起する。PTHの分泌は、骨、腎細胞などの種々の細胞に作用することによって細胞外カルシウムイオン濃度を増加させ、細胞外カルシウムイオン濃度は、副甲状腺細胞に作用することによってPTHの分泌を相反的に阻害する。カルシウム濃度とPTHレベルの相反的関係は、カルシウムホメオスタシス維持の本質的な機序である。
【0003】
1993年のBrownによるカルシウム受容体のクローン化によって、このGタンパク質共役受容体の2つの可能なシグナル伝達経路が結果的に示された。一つの経路は、ホスホリパーゼCを刺激し、アデニル酸シクラーゼを阻害する(百日咳毒素に感受性の)Giタンパク質の活性化によるものであり、他方の経路は、細胞内カルシウムを動員する原因であるGqタンパク質の活性化によるものである。これら2つのシグナル伝達経路は、互いに無関係に、又は一緒に、関連する生物学的効果を誘発するように活性化され得る。その細胞外部分では、カルシウム受容体は、ミリモル濃度の作動物質、特にカルシウムイオンCa2+によって刺激される低親和性受容体である。また、この受容体は、幾つかの二価の金属(マグネシウム)、三価の金属(ガドリニウム、ランタンなど)、又はネオマイシン、スペルミンなどのポリカチオン化合物によっても活性化され得る。
【0004】
細胞外カルシウムイオン濃度を調節する、特にPTHの分泌を抑制又は阻害する、カルシウム模倣化合物の幾つかのクラスが開示されている。例えば、米国特許第6,908,935号、同6,011,068号及び同5,981,599号は、カルシウム受容体活性分子であるアリールアルキルアミンを開示する。欧州特許第933354号、国際公開第0021910号、同96/12697号、同95/11221号、同94/18959号、同93/04373号、Endocrinology 128:3047, 1991、Biochem.Biophys.Res.Commun.167:807, 1990、J.Bone Miner.Res.5:581, 1990及びNemeth et al.,”Calcium−binding Proteins in Health and Disease,” Academic Press, Inc.,pp.33−35(1987)は、カルシウム受容体と相互作用する種々の薬剤を開示する。
【0005】
Dauban et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.10:2001−4, 2000は、カルシウム感知受容体に作用するカルシウム擬態薬として種々のN1−アリールスルホニル−N2−(1−アリール)エチル−3−フェニルプロパン−1,2−ジアミン化合物を開示する。
【0006】
Oikawa他は、米国特許第6,403,832号及び米国特許出願公開第2002/143212号において、光学活性プロピオン酸誘導体の合成において鏡像異性中間体として有用であるアリールアミン化合物を記述する。Chassot他、米国特許第6,436,152号は、染毛剤前駆体化合物として有用であるアリールアルキルアミン化合物を記述する。
【0007】
Bos他、米国特許第6,407,111号は、NK−1受容体に拮抗するフェニル置換ピリジン及びベンゼン誘導体を記述する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第6,908,935号明細書
【特許文献2】米国特許第6,011,068号明細書
【特許文献3】米国特許第5,981,599号明細書
【特許文献4】欧州特許第933354号明細書
【特許文献5】国際公開第0021910号
【特許文献6】国際公開第96/12697号
【特許文献7】国際公開第95/11221号
【特許文献8】国際公開第94/18959号
【特許文献9】国際公開第93/04373号
【特許文献10】米国特許第6,403,832号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2002/143212号明細書
【特許文献12】米国特許第6,436,152号明細書
【特許文献13】米国特許第6,407,111号明細書
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Cell Calcium 11:319, 1990
【非特許文献2】Nature 366:574, 1993
【非特許文献3】J.Bone Miner.Res.9, Supple.1, s282, 1994
【非特許文献4】J.Bone Miner.Res.9, Supple.1, s409, 1994
【非特許文献5】Endocrinology 136:5202, 1995
【非特許文献6】Bioscience Reports 10:493, 1990
【非特許文献7】Cell Calcium 11:323, 1990
【非特許文献8】Endocrinology 128:3047, 1991
【非特許文献9】Biochem.Biophys.Res.Commun.167:807, 1990
【非特許文献10】J.Bone Miner.Res.5:581, 1990
【非特許文献11】Nemeth et al.,”Calcium−binding Proteins in Health and Disease,” Academic Press, Inc.,pp.33−35(1987)
【非特許文献12】Dauban et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.10:2001−4, 2000
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、選択されたカルシウム模倣化合物、及び薬学的に許容されるその塩に関する。一態様においては、本発明の化合物は、有利にはPTH分泌を抑制又は阻害する。したがって、本発明は、薬剤組成物、PTH分泌を抑制又は阻害する方法、及び骨粗しょう症などの骨障害に関連する疾患、又は副甲状腺機能亢進症などのPTHの過剰分泌に関連する疾患を治療又は予防する方法も包含する。本発明は、かかる化合物を製造する方法、及びかかる方法に有用である中間体にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の化合物は、以下の一般構造で表される。
【0012】
【化1】

又はその立体異性体、互変異性体、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグ。ここで、変数は、下記の詳細な説明に定義されている。一態様においては、本発明は、Rが、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物を提供する。別の一態様においては、Rは、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたナフチルであり得る。一態様においては、RはHであり得る。別の一態様においては、RはHであり得る。
【0013】
一態様においては、RはH又はハロゲンであり得る。一態様においては、ハロゲンはClであり得る。別の一態様においては、Rはメトキシであり得る。
更に別の一態様においては、Rは、置換又は非置換ピペリジルであり得、置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択され得る。
【0014】
本発明は、Lが−NRC(=O)−であり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、RはHである。本発明は、さらに、Lが−NRC(=O)OR−であり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、Lは−S−であり得る。別の一態様においては、Lは−NRC(=O)NR−であり得る。一態様においては、RはHであり得る。別の一態様においては、LはS(=O)−であり得る。更に別の一態様においては、Lは−NR1−6アルキル−であり得る。
【0015】
本発明は、さらに、Cyが、置換されていてもよいヘテロシクリルであり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、Cyはアリール又はヘテロアリールであり得る。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいフェニルであり得る。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいピリジルであり得る。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいイソオキサゾリル、置換されていてもよいチオフェニル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいチアジアゾリル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいフラニル、又は置換されていてもよいオキサジアゾリルであり得る。
【0016】
一態様においては、本発明は、化合物が以下からなる群から選択される、化合物、その立体異性体、互変異性体、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、又はプロドラッグを提供する:
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−フランカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド、
2−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)ベンズアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−メチル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−ピリジンカルボキサミド、
フェニルメチル(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)カルバマート、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−N’−フェニル尿素、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
6−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−ピリジニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−(1−ナフタレニル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
(R)−N−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)ニコチンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−モルホリニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(メチルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(フェニルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((フェニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−フェニルエチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
(R)−1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼンアミン、
(1R)−N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾル−1−イル)−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
((1R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチルピペリジン−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)アセタート、
(R)−N−(3−((1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((5−メチルイソオキサゾル−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(3−((5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート、
(R)−N−(4−クロロ−3−(6−メチルピリダジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(2−モルホリノエトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
5−((2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾリジン−2−オン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((3,5−ジメチルイソオキサゾル−4−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
1−(2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)プロパン−2−オール、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(ピリジン−2−イル)エトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)酢酸、
(R)−2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸、
N−(2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
(R)−N−(3−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−アミン、
[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−p−トリル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−フェニル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
1−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチルエステル、
1−{4−[3−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(3−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
N−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
N−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
フラン−2−イル−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン、
1−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
フラン−2−イル−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
{4−メトキシ−3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
{3−[2−(4−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
フラン−2−イル−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−フェニル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、及び
N−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−メチル−ベンズアミド。
【0017】
一態様においては、本発明は、式Iの化合物、その溶媒和化合物、プロドラッグ及び薬学的に許容される塩と薬学的に許容される希釈剤又は担体とを含む、薬剤組成物を提供する。
【0018】
一態様においては、本発明は、骨粗しょう症又は副甲状腺機能亢進症の治療のために、式Iの化合物、又はその溶媒和化合物、プロドラッグ及び薬学的に許容される塩を使用する方法を提供する。別の一態様においては、式Iの化合物は、血管石灰化の治療に使用することができる。更に別の一態様においては、式Iの化合物は、異常な腸運動の治療に使用することができる。一態様においては、異常な腸運動は下痢であり得る。一態様においては、式Iの化合物は、同化不良又は栄養失調の治療に使用することができる。
【0019】
本発明は、さらに、以下の構造を有する化合物を
【0020】
【化2】

【0021】
以下の構造を有するアミンと反応させて、
【0022】
【化3】

生成物を得る段階を含む、式Iの化合物を製造する方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
I.定義
疾患を「治療すること」又は疾患の「治療」は、(1)疾患を防止すること、すなわち、疾患に、若しくは疾患を引き起こし得る条件に曝され得る、若しくは曝された対象において、又は罹患しやすいが、疾患の症候をまだ経験していない、若しくは示していない対象において、疾患の臨床症状を発生させないこと、(2)疾患を抑制すること、すなわち、疾患又はその臨床症状のいずれかの発生を抑止又は低減すること、又は(3)疾患を軽減すること、すなわち、疾患又はその臨床症状のいずれかを後退させることを含む。
【0024】
「治療有効量」という句は、障害の防止、又は障害の重症度及び発生頻度の改善の目標を達成する本発明の化合物の量である。障害の重症度の改善としては、疾患の逆転、疾患の進行の減速などが挙げられる。
【0025】
本明細書では「カルシウム感知受容体」又は「CaSR」とは、細胞外カルシウム及び/又はマグネシウムレベルの変化に応答するGタンパク質共役受容体を指す。CaSRの活性化は、カルシウムをタプシガルジン感受性細胞内ストアから動員することによって、また、細胞膜中の電圧非感受性カルシウムチャネルを通過するカルシウム流入を増加させることによって、サイトゾルのカルシウム濃度の急速な一過性増加をもたらす(Brown et al.,Nature 366:575−580, 1993;Yamaguchi et al.,Adv Pharmacol 47:209−253, 2000)。
【0026】
別段の記載がないかぎり、以下の定義を、本明細書及び特許請求の範囲中の用語に適用する。
【0027】
「アルキル」という用語は、それ自体で、又は別の置換基の一部として、別段の記載がないかぎり、示した数の炭素原子を有する(すなわち、C−Cは1から8個の炭素を意味する。)、直鎖、分枝鎖又は環式の飽和炭化水素を意味する。例えば、(C−C)アルキルは、これらだけに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシル、シクロヘキシルメチル、シクロプロピルメチル及びネオヘキシルを含むものとする。
【0028】
本明細書では「アルケニル」という用語は、示した数の炭素原子(すなわち、C−Cは2から8個の炭素を意味する。)と少なくとも1個の二重結合とを有する、直鎖又は分枝鎖不飽和炭化水素を指す。(C−C)アルケニル基の例としては、エチレン、プロピレン、1−ブチレン、2−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、1−ペンテン、2−ペンテン、イソペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、3−ヘキセン、イソヘキセン、1−ヘプテン、2−ヘプテン、3−ヘプテン、イソヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、3−オクテン、4−オクテン及びイソオクテンが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0029】
「アルキレン」という用語は、二価のアルキル基(例えば、典型的には連結基として、2個の別の部分に結合したアルキル基)を指す。(C−C)アルキレンの例としては、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−、−CHCHCHCHCH−、−CHCHCHCHCHCH−及び−CHCHCHCHCHCHCH−並びにその分枝体が挙げられる。「アルケニレン」という用語は、二価のアルケニル基(例えば、典型的には連結基として、2個の別の部分に結合したアルケニル基)を指す。(C−C)アルケニレン基の例としては、−CH=CH−、−CHCH=CH−、−CHCH=CHCH−及びその分枝体が挙げられる。
【0030】
典型的には、アルキル、アルケニル、アルキレン又はアルケニレン基は、1から24個の炭素原子を有し、10個以下の炭素原子を有するこれらの基が本発明では好ましい。「低級アルキル」「低級アルケニル」又は「低級アルキレン」は、一般に8個以下の炭素原子を有する短鎖アルキル又はアルキレン基である。
【0031】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)及びケイ素(Si)を含むものとする。
【0032】
「シクロアルキル」という用語は、それ自体で、又は別の用語と組み合わせて、別段の記載がないかぎり、「アルキル」の環式体を表す。したがって、「シクロアルキル」という用語は、「アルキル」という用語に含まれるものとする。シクロアルキルの例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロブチレン、シクロヘキシレンなどが挙げられる。
【0033】
本明細書では「アリール」という用語は、6から14員単環式、二環式又は三環式芳香族炭化水素環構造を指す。アリール基の例としては、フェニル及びナフチルが挙げられる。
【0034】
本明細書では「ヘテロアリール」という用語は、単環式、二環式及び三環式環構造を含めて、窒素、酸素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有し、少なくとも1個の炭素原子を含む、5から14員の芳香族複素環を指す。代表的なヘテロアリールは、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ピリミジル、オキセタニル、アゼピニル、ピペラジニル、モルホリニル、ジオキサニル、チエタニル及びオキサゾリルである。ヘテロアリール基は、非置換であり得、又は1個以上の下記置換基で置換されていてもよい。
【0035】
「アリールアルキル」及び「ヘテロアリールアルキル」という用語は、アリール又はヘテロアリール基がアルキル基(例えば、ベンジル、フェネチル、ピリジルメチルなど)又はヘテロアルキル基(例えば、フェノキシメチル、2−ピリジルオキシメチル、3−(1−ナフチルオキシ)プロピルなど)に結合した基を含むものとする。「ヘテロアリールアルキル」は、ヘテロアリール基がアルキル基に結合した基を含むものとする。
【0036】
本明細書では「複素環」、「複素環式残基」又は「ヘテロシクリル」という用語は、単環式、二環式及び三環式環構造を含めて、飽和、不飽和又は芳香族であり、窒素、酸素及び硫黄から独立に選択される1から4個のヘテロ原子を含み、窒素及び硫黄ヘテロ原子が酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子が四級化されていてもよい、3から14員環構造を指す。二環式及び三環式環構造は、ベンゼン環と縮合した複素環又はヘテロアリールを包含し得る。複素環は、任意のヘテロ原子又は炭素原子を介して結合し得る。複素環としては、上で定義したヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニルなどが挙げられる。複素環の代表例としては、アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、トリアゾリル、テトラゾリル、アジリニル、ジアジリジニル、ジアジリニル、オキサジリジニル、アゼチジニル、アゼチジノニル、オキセタニル、チエタニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ピロリル、オキサジニル、チアジニル、ジアジニル、トリアジニル、テトラジニル、イミダゾリル、テトラゾリル、ピロリジニル、イソオキサゾリル、フラニル、フラザニル、ピリジニル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピリミジニル、ベンゾイミダゾリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、プリニル、インドリル、イソキノリニル、キノリニル及びキナゾリニルが挙げられるが、これらだけに限定されない。複素環基は、非置換であり得、又は1個以上の下記置換基で置換されていてもよい。
【0037】
本明細書では「アルコキシ」という用語は、−O−アルキル基を指す。例えば、アルコキシ基としては、−O−メチル、−O−エチル、−O−プロピル、−O−イソプロピル、−O−ブチル、−O−sec−ブチル、−O−tert−ブチル、−O−ペンチル、−O−イソペンチル、−O−ネオペンチル、−O−ヘキシル、−O−イソヘキシル及び−O−ネオヘキシルが挙げられる。「アルコキシアルキル」という用語は、アルキル基に付加したアルコキシ基を指す。本明細書では「アリールオキシ」という用語は、−O−アリール基を指す。「アルコキシアリール」という用語は、アリール基と結合したアルコキシ基を指す。
【0038】
「アミノ」という用語は、化学官能基−NR’R”を指す。式中、R’及びR’は独立に水素、アルキル又はアリールである。
【0039】
本明細書では「アミノアルキル」という用語は、アルキル基(典型的には、1から8個の炭素原子)を指し、C−Cアルキル基の水素原子の1個以上は、式−N(Rのアミンで置換されている。式中、Rの各存在(occurrence)は独立に−H又は(C−C)アルキルである。アミノアルキル基の例としては、−CHNH、−CHCHNH、−CHCHCHNH、−CHCHCHCHNH、−CHCHCHCHCHNH、−CHCHCHCHCHCHNH、−CHCHCHN(CH、t−ブチルアミノメチル、イソプロピルアミノメチルなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。「アルキルアミノ」という用語は、1個以上の水素原子がアルキル基で置換されたアミノ基を指す。同様に、「ジアルキルアミノ」という用語は、同じでも異なっていてもよい2個のアルキル基が結合したアミノ基を指す。
【0040】
本明細書では「ハロ」又は「ハロゲン」という用語は、−F、−Cl、−Br又は−Iを指す。
【0041】
本明細書では「ハロアルキル」という用語は、C−Cアルキル基の水素原子の1個以上が、同じでも異なっていてもよいハロゲン原子で置換された、C−Cアルキル基を指す。ハロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル、ペンタクロロエチル及び1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモ−2−クロロエチルが挙げられるが、これらだけに限定されない。したがって、「ハロアルキル」という用語は、モノハロアルキル(1個のハロゲン原子で置換されたアルキル)及びポリハロアルキル(2から(2m’+1)個のハロゲン原子で置換されたアルキル(m’はアルキル基中の炭素原子の総数である。))を含む。「パーハロアルキル」という用語は、別段の記載がないかぎり、(2m’+1)個のハロゲン原子で置換されたアルキルを意味する。式中、m’は、アルキル基中の炭素原子の総数である。例えば、「パーハロ(C−C)アルキル」という用語は、トリフルオロメチル、ペンタクロロエチル、1,1,1−トリフルオロ−2−ブロモ−2−クロロエチルなどを含むものとする。
【0042】
ヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基及びスルフヒドリル基に関して「保護された」という用語は、Protective Groups in Organic Synthesis, Greene, T.W.;Wuts, P.G.M.,John Wiley&Sons, New York, NY,(3rd Edition, 1999)に記載の保護基など、当業者に公知である保護基によって望ましくない反応から保護されたこれらの官能基の形態を指し、該保護基は、そこに記載された手順によって付加又は除去することができる。保護されたヒドロキシル基の例としては、ヒドロキシル基とt−ブチルジメチル−クロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、トリエチルクロロシランなど、ただしこれらだけに限定されない試薬との反応によって得られるシリルエーテルなどのシリルエーテル;メトキシメチルエーテル、メチルチオメチルエーテル、ベンジルオキシメチルエーテル、t−ブトキシメチルエーテル、2−メトキシエトキシメチルエーテル、テトラヒドロピラニルエーテル、1−エトキシエチルエーテル、アリルエーテル、ベンジルエーテルなど、ただしこれらだけに限定されない置換メチル及びエチルエーテル;ベンゾイルギ酸エステル、ギ酸エステル、酢酸エステル、トリクロロ酢酸エステル、トリフルオロ酢酸エステルなど、ただしこれらだけに限定されないエステルが挙げられるが、これらだけに限定されない。保護されたアミン基の例としては、ホルムアミド、アセトアミド、トリフルオロアセトアミド、ベンズアミドなどのアミド;フタルイミド、ジチオスクシンイミドなどのイミドなどが挙げられるが、これらだけに限定されない。保護されたスルフヒドリル基の例としては、S−ベンジルチオエーテル、S−4−ピコリルチオエーテルなどのチオエーテル、ヘミチオ(hemithio)、ジチオ、アミノチオアセタールなどの置換S−メチル誘導体などが挙げられるが、これらだけに限定されない。
【0043】
本発明の化合物は、立体配置、幾何及び配座異性体を含めて、種々の異性体としても存在し得、さらに、種々の互変異性体、特に水素原子の結合点が異なる互変異性体としても存在し得る。本明細書では「異性体」という用語は、化合物の互変異性体を含めて、本発明の化合物の全異性体を包含するものとする。
【0044】
本発明のある種の化合物は、不斉中心を有し得、したがって異なる鏡像異性体及びジアステレオマーとして存在し得る。本発明の化合物は、光学異性体又はジアステレオマーの形であり得る。したがって、本発明は、カルシウム感知受容体調節物質を包含し、その光学異性体、及びラセミ混合物を含めたその混合物の形での本明細書に記載の使用を包含する。カルシウム感知受容体調節物質の光学異性体は、不斉合成、キラルクロマトグラフィー、疑似移動床技術、光学活性分割剤を使用した立体異性体の化学的分離などの公知技術によって得ることができる。
【0045】
本明細書では別段の記載がないかぎり、「立体異性体」という用語は、化合物の他の立体異性体を実質的に含まない、化合物の1種類の立体異性体を意味する。例えば、1個のキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、該化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まない。2個のキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、該化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%を超える該化合物の1種類の立体異性体と約20重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを含み、より好ましくは約90重量%を超える該化合物の1種類の立体異性体と約10重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを含み、更に好ましくは約95重量%を超える該化合物の1種類の立体異性体と約5重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを含み、最も好ましくは約97重量%を超える該化合物の1種類の立体異性体と約3重量%未満の該化合物の他の立体異性体とを含む。
【0046】
「薬学的に許容される塩」という用語は、本明細書に記載した化合物上の特定の置換基に応じて、比較的無毒な酸又は塩基を用いて調製される、活性化合物の塩を含むものとする。本発明の化合物が比較的酸性の官能基を含むときには、塩基付加塩は、かかる化合物の中性型を所望の塩基の十分な量と接触させることによって、純粋に、又は適切な不活性溶媒溶液として、得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩の例としては、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ若しくはマグネシウム塩又は類似の塩が挙げられる。本発明の化合物が比較的塩基性の官能基を含むときには、酸付加塩は、かかる化合物の中性型を所望の酸の十分な量と接触させることによって、純粋に、又は適切な不活性溶媒溶液として、得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸一水素(monohydrogencarbonic)酸、リン酸、リン酸一水素(monohydrogenphosphoric)酸、リン酸二水素(dihydrogenphosphoric)酸、硫酸、硫酸一水素(monohydrogensulfuric)酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸のような無機酸由来の酸付加塩、並びに酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p−トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような比較的無毒な有機酸由来の塩が挙げられる。アルギナートなどのアミノ酸の塩、及びグルクロン酸、ガラクツロン酸などのような有機酸の塩も挙げられる(例えば、Berge et al.(1977) J.Pharm.Sci.66:1−19参照)。本発明のある具体的化合物は、該化合物を塩基又は酸付加塩に転化することができる塩基性官能基と酸性官能基の両方を含む。
【0047】
化合物の中性型は、従来の方法に従って、塩を塩基又は酸と接触させ、親化合物を単離することによって、再生することができる。化合物の親型は、極性溶媒溶解性などのある物性が種々の塩型とは異なるが、その他の点では塩は化合物の親型と本発明では等価である。
【0048】
塩型に加えて、本発明は、プロドラッグ型の化合物も提供する。本明細書に記載した化合物のプロドラッグは、生理的条件下で容易に化学変化して本発明の化合物を与える化合物である。また、プロドラッグは、生体外環境において、化学又は生化学的方法によって、本発明の化合物に転化し得る。例えば、プロドラッグは、経皮貼付貯蔵器中に置いたときに、適切な酵素又は化学試薬を用いて本発明の化合物に徐々に転化し得る。プロドラッグは、一部の状況においては、親薬物よりも容易に投与することができるので、有用であることが多い。例えば、親薬物を経口投与によって生物学的に利用できない場合でも、プロドラッグを経口投与によって生物学的に利用することができる。プロドラッグは、薬剤組成物への溶解性を親薬物よりも改善することもできる。プロドラッグの加水分解性開裂又は酸化活性化に依拠する誘導体など、多種多様なプロドラッグ誘導体が当分野で公知である。プロドラッグの非限定的例は、エステルとして投与されるが、代謝的に加水分解されて活性体であるカルボン酸になる、本発明の化合物である。追加の例としては、本発明の化合物のペプチジル誘導体が挙げられる。
【0049】
本発明のある種の化合物は、水和型を含めて、非溶媒和型及び溶媒和型として存在し得る。一般に、溶媒和型は、非溶媒和型と等価であり、本発明の範囲に包含されるものとする。本発明のある種の化合物は、複数の結晶型又はアモルファス型として存在し得る。一般に、すべての物理的形態は、本発明によって企図される用途に対して等価であり、本発明の範囲内にあるものとする。
【0050】
本発明の化合物は、かかる化合物を構成する原子の1個以上において、不自然な(unnatural)比率の原子同位体も含み得る。例えば、本発明の化合物は、例えばトリチウム(H)、ヨウ素125(125I)、炭素14(14C)などの放射性同位体で放射性標識することができる。放射性標識化合物は、治療薬又は予防薬、例えば癌治療薬、研究試薬、例えばアッセイ試薬、及び診断薬、例えば生体内造影剤として有用である。本発明の化合物の全同位体変種は、放射性であってもなくても、本発明の範囲に包含されるものとする。
【0051】
示した構造と該構造を表す名称とに不一致が存在する場合には、示した構造が基準となることに留意されたい。また、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太線又は破線で示されていない場合、構造又は構造の一部は、その全立体異性体を包含すると解釈すべきである。
【0052】
II.カルシウム感知受容体を調節する化合物、それを含む薬剤組成物、投与及び投与量
本明細書では「カルシウム模倣化合物」又は「カルシウム擬態薬」という用語は、カルシウム感知受容体に結合し、内因性リガンドCa2+によってカルシウム感知受容体活性化のしきい値を低下させる高次構造上の変化を引き起こす化合物を指す。これらのカルシウム模倣化合物は、カルシウム受容体のアロステリックモジュレーターと考えることもできる。
【0053】
一態様においては、カルシウム擬態薬は、以下の活性の1つ以上を有し得る。すなわち、カルシウム擬態薬は、(例えば、内部カルシウムを動員することによって)内部カルシウムの30秒未満の一過性増加を誘起し、30秒以内に生じる[Ca2+の急速な増加を誘起し、(例えば、外部カルシウムの流入を引き起こすことによって)[Ca2+の(30秒を超える)持続的増加を誘起し、通常60秒以内に、イノシトール−1,4,5−三リン酸塩又はジアシルグリセリンレベルの増加を誘起し、ドパミン又はイソプロテレノールによって刺激されるサイクリックAMPの形成を阻害する。一態様においては、[Ca2+の一過性増加は、細胞を10mMフッ化ナトリウム又はホスホリパーゼC阻害剤で10分間前処理することによって無効にすることができ、又は一過性増加は、細胞をプロテインキナーゼC活性化剤、例えば、酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)、メゼレイン若しくは(−)インドラクタムVで短時間(10分間以下)前処理することによって減少する。
【0054】
本発明の化合物は、カルシウム感知受容体(CaSR)との相互作用によってその効果を発揮すると考えられるが、化合物の作用機序は、本発明の限定的な実施形態ではない。例えば、本発明の化合物は、CaSR以外のカルシウム感知受容体と相互作用し得る。
【0055】
本発明によって企図される化合物としては、本明細書に記載の例示的化合物が挙げられるが、それだけに限定されない。
【0056】
ある実施形態においては、カルシウム模倣化合物は、式Iの化合物、又はその立体異性体、互変異性体、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、若しくはプロドラッグから選択される。
【0057】
【化4】

【0058】
式中、Rは、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
はC1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、置換若しくは非置換ピロリジニル、置換若しくは非置換アゼチジニル、又は置換若しくは非置換ピペリジルであって、置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択することができ、
Lは、−O−、−OC1−6アルキル−、−C1−6アルキルO−、−N(R)(R)−、−NRC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR1−6アルキル−、−C1−6アルキル−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)NR1−6アルキル−、−NRC(=O)R−、−NRC(=O)OR−、−OC1−6アルキル−C(=O)O−、−NR1−6アルキル−、−C1−6アルキルNR−、−S−、−S(=O)−、−NRS(=O)又は−S(=O)N(R)−であり、
Cyは、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、R、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、独立に、各場合において、H、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキルアリール又はアリールC1−6アルキルであり、
は、独立に、各場合において、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
は、独立に、各場合において、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基で置換され、
mは1又は2であり、
nは1又は2であり、
ただし、Lが−O−又は−OC1−6アルキル−である場合、Cyはフェニルではない。
【0059】
一態様においては、本発明は、Rが、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたフェニルである、式Iの化合物を提供する。別の一態様においては、Rは、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたナフチルであり得る。一態様においては、RはHであり得る。別の一態様においては、RはHであり得る。
【0060】
一態様においては、RはH又はハロゲンであり得る。一態様においては、ハロゲンはClであり得る。別の一態様においては、Rはメトキシであり得る。更に別の一態様においては、Rは、置換又は非置換ピペリジルであり得、置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択され得る。
【0061】
本発明は、Lが−NRC(=O)−であり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、RはHである。本発明は、さらに、Lが−NRC(=O)OR−であり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、Lは−S−であり得る。別の一態様においては、Lは−NRC(=O)NR−であり得る。一態様においては、RはHであり得る。別の一態様においては、LはS(=O)−であり得る。更に別の一態様においては、Lは−NR1−6アルキル−であり得る。
【0062】
本発明は、さらに、Cyが、置換されていてもよいヘテロシクリルであり得る、式Iの化合物を提供する。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであり得る。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいフェニルであり得る。一態様においては、Cyは、置換されていてもよいピリジルであり得る。別の一態様においては、Cyは、置換されていてもよいイソオキサゾリル、置換されていてもよいチオフェニル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいチアジアゾリル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいフラニル、又は置換されていてもよいオキサジアゾリルであり得る。
【0063】
一態様においては、本発明は、化合物が以下からなる群から選択される、化合物、その立体異性体、互変異性体、溶媒和化合物、薬学的に許容される塩、又はプロドラッグを提供する:
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−フランカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド,
2−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)ベンズアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−メチル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−ピリジンカルボキサミド、
フェニルメチル(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)カルバマート、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−N’−フェニル尿素、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
6−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−ピリジニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−(1−ナフタレニル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
(R)−N−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)ニコチンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−モルホリニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(メチルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(フェニルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((フェニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−フェニルエチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
(R)−1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼンアミン、
(1R)−N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾル−1−イル)−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
((1R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチルピペリジン−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)アセタート、
(R)−N−(3−((1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((5−メチルイソオキサゾル−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(3−((5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート、
(R)−N−(4−クロロ−3−(6−メチルピリダジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(2−モルホリノエトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
5−((2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾリジン−2−オン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((3,5−ジメチルイソオキサゾル−4−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
1−(2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)プロパン−2−オール、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(ピリジン−2−イル)エトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)酢酸、
(R)−2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸、
N−(2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
(R)−N−(3−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−アミン、
[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−p−トリル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−フェニル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
1−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチルエステル、
1−{4−[3−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(3−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
N−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
N−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
フラン−2−イル−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン、
1−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
フラン−2−イル−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
{4−メトキシ−3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
{3−[2−(4−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
フラン−2−イル−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−フェニル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、及び
N−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−メチル−ベンズアミド。
【0064】
A.化合物の調製
下記方法A−Hは、本発明の化合物を調製する例示的な合成方法である。当業者は、その他の方法も有用であることを理解されたい。換言すれば、本発明の化合物は、当分野で周知の出発材料、試薬及び反応を用いた有機合成によって製造することができる。
【0065】
本発明のある種の化合物は、方法Aに概説する一般的方法によって都合良く調製することができる。
【0066】
【化5】

【0067】
方法A:アルデヒドA1をメタノールに溶解させ、アミンA2を添加する。反応物を24時間又は(LCMSによって監視して)イミン形成が終了するまで振とうし、次いで(Kabalka, G.W.;Wadgaonkar, P.P.;Chatla, N.;Synth.Commun.;(1990), 20(2), 293−299に従って調製された)固体に支持されたホウ化水素を添加し、混合物を24時間又は(LCMSによって監視して)還元が終了するまで振とうした。次いで、ジクロロメタンを添加し、続いてWangアルデヒド樹脂(4−ベンジルオキシベンズアルヒデド、ポリマー結合)を添加し、混合物を更に24時間振とうする。樹脂をろ過除去し、溶媒を減圧蒸発させて、オイルを得た。このオイルをカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 7/3又はDCM/MeOH 95/5)によって精製する。次いで、遊離塩基(free−base)オイルをジエチルエーテル中の1.5−2.5 1N HClで処理し、溶媒を減圧蒸発させて、生成物A3のモノ又はビスHCl塩を得た。
【0068】
方法B:アルデヒドA1をメタノールに溶解させ、アミンA2を添加した。反応物を10分間加熱還流させ、次いで(LCMSによって監視して)イミン形成が終了するまで終夜放冷した。(Sande, A.R.;Jagadale, M.H.;Mane, R.B.;Salunkhe, M.M.;Tetrahedron Lett.(1984), 25(32), 3501−4に従って調製された)固体に支持されたシアノ水素化ホウ素を添加し、混合物を50℃で15時間又は(LCMSによって監視して)還元が終了するまで加熱した。次いで、ジクロロメタン(約3mL)を添加し、続いてWangアルデヒド樹脂(4−ベンジルオキシベンズアルヒデド、ポリマー結合)を添加し、混合物を更に24時間振とうする。樹脂をろ過除去し、溶媒を減圧蒸発させて、オイルを得た。このオイルをカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 7/3又はDCM/MeOH 95/5)によって精製する。次いで、遊離塩基(free−base)オイルをジエチルエーテル中の1.5−2.5 1N HClで処理し、溶媒を減圧蒸発させて、生成物A3のモノ又はビスHCl塩を得る。
【0069】
方法C:アルデヒドA1を1,2−ジクロロエタンに溶解させ、アミンA2を添加し、続いて酢酸、最後にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムを添加した。混合物を終夜又はTLCによって終了するまで撹拌し、反応終了後、混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCO、次いで飽和塩水で洗浄し、最後に硫酸ナトリウムを用いて脱水した。溶媒を減圧蒸発させて、オイルを得た。このオイルをシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 7/3又はDCM/MeOH 95/5)によって精製する。次いで、遊離塩基オイルをジエチルエーテル中の1N HCl 1.5−2.5当量で処理し、溶媒を減圧蒸発させて、生成物A3のモノ又はビスHCl塩を得た。
【0070】
【化6】

【0071】
方法D:RとRの両方が水素以外である化合物は、適切に置換されたフェニル酢酸A4をリチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基と温度−78から20℃で化合させて赤色のジアニオンを生成させることによって調製することができる。次いで、ジアニオンを式R−Xのアルキル化剤と反応させて、R置換化合物A5を得る。式中、Xは、ハロゲン化物、スルホナート、又は他の適切な脱離基である。こうして得た化合物をリチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基で温度−78から20℃で処理して、第2の赤色ジアニオンを得る。このジアニオンを式R−Xのアルキル化剤と反応させて、R、R二置換化合物A6を得る。式中、Xは、ハロゲン化物、スルホナート、又は他の適切な脱離基である。得られたカルボン酸を還流溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、1,4−ジオキサンなど)中でジフェニルホスホリルアジドで処理し、続いて水系後処理(aqueous workup)して、R置換RアミンA7を得る。方法CによるアミンA7とアルデヒド又はケトンA8との還元的カップリングによって、最終生成物A9を得る。
【0072】
方法E:RとRの一方のみが水素である化合物は、適切に置換されたフェニル酢酸A4をリチウムジイソプロピルアミドなどの強塩基と反応させ、次いで上記式R−Xのアルキル化剤と反応させて得られるα一置換カルボン酸を、例えば、トルエン、ベンゼン、クロロベンゼン、1,4−ジオキサンなどの還流溶媒中でジフェニルホスホリルアジドと反応させ、続いて水系後処理して、モノα置換アミンA7を得ることによって、調製することができる。次いで、このアミンを方法Cに従ってアルデヒド又はケトンA8と反応させて、最終生成物A9を得ることができる。
【0073】
【化7】

【0074】
方法F:酸A10を室温でジメチルホルムアミドに溶解させた。1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物及び1−[3−ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を添加する。30分後、アミンA2を添加し、反応物を終夜撹拌した。水系後処理後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 4/1)によって精製して、アミドA11を得る。アミドA11、クロスカップリング相手A12、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オラート、Pd(dba)、2−(ジフェニルホスフィノ)−1−(2−(ジフェニルホスフィノ)ナフタレン−1−イル)ナフタレン及びトルエンを混合した。窒素を溶液に10分間バブリングさせ、反応混合物を80℃に加熱する。終夜撹拌後、水系後処理し、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 1/1)によって精製して、カップリング生成物を得る。カップリング生成物をTHFに溶解させ、THF中の1Mボランを添加する。数日間加熱還流後、反応混合物を飽和NaHCOでクエンチした。水系後処理し、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(通常、AcOEt)によって精製して、アミンA3を得る。
【0075】
【化8】

【0076】
方法G:エステルA13をジエチルエーテルに溶解させた。溶液を−78℃に冷却し、過剰のRMgBrを添加した。(注:R3≠R4である場合、RMgBr 1当量を添加し、続いてRMgBr 1当量を添加することができる。)。反応混合物を室温に加温し、飽和NHClでクエンチした。水系後処理し、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 4/1)によって精製して、第三級アルコールA14を得る。第三級アルコールA14に、2−クロロアセトニトリル、酢酸及び硫酸を0℃で添加した。反応混合物を室温に加温し、数時間撹拌した。水系後処理し、続いてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 1/1)によって精製して、アミドA15を得る。アミドA15をエタノール/酢酸(5:1)に溶解させた。チオ尿素を添加し、反応混合物を終夜加熱還流させる。水系後処理後、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(通常、DCM/MeOH 20/1)によって精製して、アミンA16を得る。アミンA16と臭化物A17を混合し、ジメチルホルムアミド及び炭酸セシウムを添加した。反応混合物を40℃に終夜加熱した。水系後処理し、続いてシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 4/1)によって精製して、アミンA9を得る。
【0077】
【化9】

【0078】
方法H:CCl中のA18の溶液にN−ブロモスクシンイミド及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)を添加した。反応混合物を終夜加熱還流させた。水系後処理後、AcOEt中の粗製反応混合物の溶液をシリカゲルパッドに通してろ過し、濃縮して、臭化物A19を得、これをそれ以上精製せずに使用した。THF中の臭化物A19の溶液にアミンA2を添加した。反応混合物を室温で3日間撹拌した。水系処理後、シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(通常、ヘキサン/AcOEt 1/1)によって精製して、アミンA3を得る。
【0079】
上記方法A−Hに記載の分子構造に関して、当業者は、フェニル以外のアリール基、例えばナフチルを有する前駆体及び中間体を使用して、これらの合成方法を実施できることを容易に理解するはずである。
【0080】
B.薬剤組成物及び投与
本発明に有用である化合物は、無機酸又は有機酸から誘導される、薬学的に許容される塩の形で使用することができる。塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、硫酸水素塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、1/2硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、2−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、メシル酸塩及びウンデカン酸塩が挙げられるが、これらだけに限定されない。本発明の化合物がカルボキシ基などの酸性官能基を含むときには、適切な薬学的に許容されるカルボキシ基の塩は、当業者に周知であり、例えば、アルカリ、アルカリ土類、アンモニウム、第4級アンモニウム陽イオンなどが挙げられる。「薬理学的に許容される塩」の追加の例については、以下及びBerge et al.,J.Pharm.Sci.66:1, 1977を参照されたい。本発明のある実施形態においては、塩酸塩及びメタンスルホン酸塩を使用することができる。
【0081】
投与する場合、本発明に有用である化合物は、通常、示した投与経路に適切な1種類以上のアジュバントと組み合わせられる。化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカンカルボン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸及び硫酸のナトリウム及びカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリジン、及び/又はポリビニルアルコールと混合することができ、従来の投与の場合、錠剤化又はカプセル化することができる。或いは、本発明に有用である化合物は、食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、落花生油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴム及び/又は種々の緩衝剤に溶解させることができる。他のアジュバント及び投与様式も薬剤分野では周知である。担体又は希釈剤は、モノステアリン酸グリセリン、ジステアリン酸グリセリンなどの遅延材料を、単独で、又はワックス若しくは当分野で周知の他の材料と一緒に、含むことができる。
【0082】
薬剤組成物は、(顆粒剤、散剤又は坐剤を含めた)固体剤形又は液体剤形(例えば、溶液剤、懸濁液剤又は乳濁液剤)で構成され得る。薬剤組成物は、滅菌などの従来の製薬操作に供することができ、及び/又は防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの従来のアジュバントを含むことができる。
【0083】
経口投与用固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、顆粒剤などが挙げられる。かかる固体剤形においては、活性化合物をスクロース、ラクトース、デンプンなどの少なくとも1種類の不活性希釈剤と混合することができる。かかる剤形は、通常実施されるように、不活性希釈剤以外の追加の物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合には、剤形は緩衝剤を含むこともできる。さらに、錠剤及び丸剤は、腸溶コーティングによって調製することもできる。
【0084】
経口投与用液体剤形としては、水などの当分野で一般に使用される不活性希釈剤を含有する、薬学的に許容される乳濁液剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤などが挙げられる。かかる組成物は、湿潤剤、甘味剤、香味料、芳香剤などのアジュバントを含むこともできる。
【0085】
本発明に有用である組成物中のカルシウム受容体活性化合物の治療有効量は、1対象当たりカルシウム模倣化合物約0.1mgから約180mg、例えば、約5mgから約180mg、又は約1mgから約100mgの範囲であり得る。幾つかの態様においては、組成物中のカルシウム受容体活性化合物の治療有効量は、約0.1mg、約1mg、5mg、約15mg、約20mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mgから選択され得る。
【0086】
カルシウム受容体活性化合物を対象に単独で投与することも可能であるが、投与する化合物は、通常は、薬剤組成物中の活性成分として存在する。したがって、本発明の薬剤組成物は、少なくとも1種類のカルシウム模倣化合物の治療有効量、又は少なくとも1種類のカルシウム模倣化合物の有効投与量を含むことができる。
【0087】
本明細書では「有効投与量」は、単回投与、複数回投与又は部分投与として投与したときに、カルシウム受容体活性化合物の治療有効量を与える量である。したがって、本発明のカルシウム受容体活性化合物の有効投与量は、化合物の有効量未満の量、有効量と等量、有効量を超える量を含み、例えば、錠剤、カプセル剤などの2種類以上の単位製剤(unit dosage)が化合物の有効量の投与に必要とされる薬剤組成物、又は組成物の一部を投与することによってカルシウム模倣化合物の有効量が投与される、散剤、液剤などの複数回投与薬剤組成物を含む。
【0088】
或いは、錠剤、カプセル剤などの2種類以上の単位製剤がカルシウム受容体活性化合物の有効量の投与に必要とされる薬剤組成物は、例えば、個々の対象に対する有効量を確認するために、潜在的副作用に対して個々の対象を脱感作するために、個々の対象に投与する1種類以上の他の治療薬の有効な投薬再調整又は枯渇を可能にするために、有効量未満で1期間以上投与(例えば、1日1回投与及び1日2回投与)することができる。
【0089】
本発明に有用である薬剤組成物の有効投与量は、単位剤形から約1mgから約360mg、例えば、単位剤形から約5mg、約15mg、約30mg、約50mg、約60mg、約75mg、約90mg、約120mg、約150mg、約180mg、約210mg、約240mg、約300mg又は約360mgの範囲であり得る。
【0090】
III.本発明の化合物の治療上の使用
したがって、カルシウム受容体に作用する本願の化合物及び組成物は、一態様においては、無機イオン受容体及び、特に、細胞外カルシウムに結合可能な膜カルシウム受容体などのカルシウム受容体の異常な生理学的挙動と関連した疾患又は障害の治療又は防止に使用することができる。したがって、本発明の化合物及び組成物は、PTH及び細胞外Ca2+の血清レベルの調節に特に有用である。本発明の化合物及び組成物は、特に、PTHとして知られる副甲状腺ホルモンにおける血清レベルの減少に関与するのに使用することができ、したがって、これらの生成物は、一態様においては、副甲状腺機能亢進症などの疾患の治療に有用であり得る。同様に、高カルシウム血症などのカルシウムホメオスタシスの異常も、これらの化合物を用いて治療することができる。さらに、本発明の化合物は、過形成及び副甲状腺腺腫を治療することもできる。別の一態様においては、本発明の化合物は、循環PTHレベルの変動に直接依存する骨吸収を本発明の化合物が減少できるようにする性質を有し得、これらの生成物は、特に、骨粗しょう症、骨減少症 パジェット病、骨折の再建などの疾患の治療に有用であり得る。本発明の化合物は、多発性関節炎及び骨関節炎の治療及び予防に使用することもできる。
【0091】
一態様においては、本発明は、個体における血管石灰化を阻害、抑制又は防止する方法を提供する。この方法は、本発明のカルシウム模倣化合物の治療有効量を個体に投与することを含む。一態様においては、本発明の化合物の投与は、細胞外基質ヒドロキシアパタイト結晶沈着物の形成、成長又は沈着を遅延又は逆転させる。本発明の別の一態様においては、本発明の化合物の投与は、細胞外基質ヒドロキシアパタイト結晶沈着物の形成、成長又は沈着を防止する。
【0092】
一態様においては、本発明の化合物を使用して、アテローム硬化型石灰化及び中膜石灰化、並びに血管石灰化を特徴とする他の症状を防止又は治療することができる。一態様においては、血管石灰化は、慢性腎不全又は末期腎不全と関連があり得る。別の一態様においては、血管石灰化は、透析前若しくは透析後又は尿毒症と関連があり得る。更に別の一態様においては、血管石灰化は、I又はII型真性糖尿病と関連があり得る。更に別の一態様においては、血管石灰化は、心血管障害と関連があり得る。
【0093】
一態様においては、本発明の化合物の有効量を投与すると、大動脈石灰化を起こさずに血清PTHを低下させることができる。別の一態様においては、本発明の化合物を投与すると、血清クレアチニンレベルを低下させることができ、又は血清クレアチニンレベルの増加を防止することができる。別の一態様においては、本発明の化合物を投与すると、副甲状腺(PT)の肥厚化を減衰させることができる。
【0094】
本発明の化合物は、単独で投与することができ、又はビタミンDステロール及び/又はRENAGEL(登録商標)などの血管石灰化を治療する他の薬物と組み合わせて投与することができる。ビタミンDステロールとしては、カルシトリオール、アルファカルシドール、ドキセルカルシフェロール、マキサカルシトール、パリカルシトールなどが挙げられる。一態様においては、本発明の化合物は、ビタミンDステロールの投与前又は投与後に投与することができる。別の一態様においては、本発明の化合物は、ビタミンDステロールと同時投与することができる。本発明の方法を実施して、血管組織に対するカルシトリオールの鉱化作用を減弱させることができる。一態様においては、本発明の方法を使用して、カルシウム、リン及びCa×P積の血清レベルを増加させるカルシトリオールの作用を逆転し、それによって血管石灰化を防止又は阻害することができる。別の一態様においては、本発明の化合物を使用して、血清クレアチニンレベルを安定化又は低下させることができる。一態様においては、疾患によるクレアチニンレベル増加に加えて、クレアチニンレベルの更なる増加は、カルシトリオールなどのビタミンDステロール治療に起因する可能性がある。また、本発明の化合物は、外科的及び非外科的治療と併せて、投与することができる。一態様においては、本発明の方法を透析と一緒に差止(injunction)において実施することができる。
【0095】
一態様においては、本発明の化合物は、下痢などの異常な腸運動障害の治療に使用することができる。本発明の方法は、式Iの化合物の治療有効量を個体に投与することを含む。
【0096】
本明細書では「下痢」という用語は、24時間に200g/日を超える体積の3回以上の形をなさない便の症状を指す。一態様においては、下痢は浸透圧性であり得、すなわち、腸内容物の浸透圧が血清の浸透圧よりも高い。この症状は、(例えば、セリアック病における)脂肪若しくは(例えば、腸ラクターゼ欠乏症における)ラクトースの吸収不良に起因し得、又はある種の緩下剤(例えば、ラクツロース、水酸化マグネシウム)若しくは人工甘味料(例えば、ソルビトール、マンニトール)の使用によって起こり得る。別の一態様においては、下痢は分泌性であり得、すなわち、管腔中への水の正味の分泌があるときに起こり得る。下痢は、(例えば、E.コリ(E.coli)及びビブリオ コレレ(Vibrio cholerae)によって産生される細菌毒素などの)細菌毒素、又はまれな島細胞腫ようによって産生される血管作動性腸管ポリペプチドなどのホルモンによって起こり得る(すい性コレラ)。浸透圧性と分泌性の両方の下痢は、回盲域を通る水流が結腸の吸収能を上回るような小腸の異常に起因する。
【0097】
更に別の一態様においては、下痢は、浸出性下痢であり得、すなわち、小腸又は大腸粘膜への直接損傷に起因し得る。このタイプの下痢は、腸の感染性又は炎症性障害によって引き起こされ得る。一態様においては、浸出性下痢は、化学療法、放射線治療、炎症又は毒性外傷に付随し得る。別の一態様においては、浸出性下痢は、胃腸又は腹部の手術に付随し得る。
【0098】
別の一態様においては、下痢は、腸の輸送の加速に起因し得る(高速輸送(rapid transit)下痢)。急速な流動は腸が水を吸収する能力を損なうので、かかる症状が起こり得る。
【0099】
一態様においては、本発明は、例えば下痢の根本的原因の治療、又は別の治療法と併せて、異常な胃液分泌/吸収障害を治療するための化合物及び組成物を提供する。一態様においては、カルシウム擬態薬は、経口補液療法の前後又は経口補液療法と同時に対象に投与することができる。例えば、経口補液療法は、以下の成分、すなわち、ナトリウム、カリウム、塩化物、炭酸水素塩、クエン酸塩及びグルコースを含み得る。別の一態様においては、本発明の化合物は、ロペラミド(Imodium)、ジフェノキシラート、次サリチル酸ビスマス(Pepto−Bismol)などの腸運動抑制剤の前後又は腸運動抑制剤と同時に対象に投与することができる。別の一態様においては、カルシウム擬態薬は、抗生物質(例えば、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(Bactrim DS)、シプロフロキサシン(Cipro)、ノルフロキサシン(Noroxin)、オフロキサシン(Floxin)、ドキシサイクリン(Vibramycin)、エリスロマイシン)と一緒に投与することができる。一態様においては、本発明の化合物は、カルシウム、又はスペルミン、スペルミジン、プトレシン、オルニチン代謝産物などのポリアミン、又はL−トリプトファン、L−フェニルアラニンなどのアミノ酸と一緒に投与することができる別の一態様においては、本発明の化合物は、ナトリウム及びグルコースと一緒に投与することができる。また、本発明の化合物は、外科的及び非外科的治療と併せて、投与することができる。
【0100】
本発明は、さらに、腸液の分泌及び吸収を調節する方法を提供する。一態様においては、目的は、対象における体液の吸収を増加させ、及び/又は体液の分泌を減少させることであり得、したがって本発明の方法は、本発明の化合物を含む薬剤組成物の有効量を投与することを含み得る。
【0101】
本発明は、本発明の化合物を含む薬剤組成物の有効量を薬学的に許容される担体と一緒に対象に投与することを含む、対象の腸管における薬物、毒又は栄養素の吸収又は分泌を調節する方法を提供する。一態様においては、本発明は、式Iの化合物を含む薬剤組成物の有効量を薬学的に許容される担体と一緒に対象に投与することを含む、対象の同化不良又は吸収不良を治療する方法を提供する。
【0102】
本明細書では「同化不良」という用語は、2つの様式、すなわち、(1)腔内障害(食物の消化不良)及び(2)壁内障害(食物の吸収不良)のうち1つにおいて起こる食物の消化及び吸収の障害過程を包含する。
【0103】
本発明の薬剤組成物を投与することを含む本発明の方法は、対象における栄養失調を治療するために実施することもできる。例えば、対象は、対象が著しい低体重(体重/身長比が標準の80%未満である。)、著しい過体重(標準の120%を超える体重/身長比)である場合、対象が意図せずに体重の10%以上を失った場合、胃腸管手術を受けた場合、(例えば、下痢、透析、おう吐によって)栄養分を失った場合、(例えば、妊娠、授乳、身体活動性の増加、発熱、傷害によって)代謝的要求が増加した場合、アルコール依存若しくは慢性薬物使用者(抗生物質、抗うつ薬、利尿薬)である場合、栄養の摂取、吸収、代謝若しくは利用を妨害する健康状態である場合、(特に、高齢者対象において)歯列が悪い場合、又はヘルペス、HIV若しくは化学療法による口のただれを有する場合に栄養不良であり得る。別の一態様においては、対象は、食事上の危険因子(例えば、食欲不振、不十分な食物又は栄養摂取、食物の多様性の不足、好き嫌い(fad)、減量食、不十分な食物繊維、過剰な脂肪、ナトリウム、糖、過剰のアルコール、果実、野菜の少なすぎる食事)、又は社会的な危険因子(例えば、慢性的不健康、貧困、食物の購入に不十分なお金、不十分な社会経済状態、食物を購入、貯蔵又は調理する機動性又は能力の欠如、社会的隔離、大部分の時間単独での食事、物質乱用者、対象の食事能力を制限する状態)のために栄養不良であり得る。さらに、本発明の方法は、対象が、環境災害後の生存中、海、孤島(marooning)及び深海での生活又は宇宙旅行での生存中など、栄養素の摂取を制限されたときに、実施することができる。
【0104】
一態様においては、本発明の方法によって治療される足細胞の疾患又は障害は、足細胞の1つ以上の機能の撹乱から生ずる。足細胞のこれらの機能としては、(i)タンパク質に対するサイズの障壁、(ii)タンパク質に対する電荷の障壁、(iii)毛細管係蹄形状の維持、(iv)内糸球体圧力の相殺、(v)糸球体基底膜(GMB)の合成及び維持、(iv)糸球体内皮細胞(GEN)の完全性に必要な血管内皮増殖因子(VEGF)の産生及び分泌などが挙げられる。
【0105】
かかる障害又は疾患としては、足細胞の損失(足細胞減少症(podocytopenia))、足細胞変異、足突起幅の増加、スリット膜長さの減少などが挙げられるが、これらだけに限定されない。一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、足細胞密度の消失(effacement)又は減少であり得る。一態様においては、足細胞密度の減少は、例えば、アポトーシス、脱離、増殖不足、DNA損傷又は肥大による、足細胞数の低下に起因し得る。
【0106】
一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、足細胞の傷害に起因し得る。一態様においては、足細胞の傷害は、高血圧(high blood pressure)、高血圧(hypertension)、虚血などの機械的応力、酸素供給不足、有毒物質、内分泌障害、感染症、造影剤、機械的外傷、細胞毒(シスプラチナム、Adriamycin、ピューロマイシン)、カルシニューリン阻害剤、(例えば、感染症、外傷、無酸素、閉塞又は虚血による)炎症、照射、(例えば、細菌、真菌又はウイルス)感染症、免疫系の機能不全(例えば、自己免疫疾患、全身性疾患又はIgA腎症)、遺伝性疾患、薬物療法(例えば、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、免疫抑制剤、抗炎症薬、鎮痛(analgestic)剤又は抗癌剤)、臓器不全、臓器移植、又は尿路疾患に起因し得る。一態様においては、虚血は、鎌状赤血球貧血、血栓形成、移植、閉塞、ショック又は失血であり得る。一態様においては、遺伝性疾患としては、フィンランド型先天性腎炎症候群、胎児膜性腎症、α−アクチン−4、ポドシン、TRPC6などの足細胞特異的タンパク質の変異などが挙げられる。
【0107】
一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、ポドシン、ネフリン、CD2APなどのスリット膜タンパク質、TRPC6などの細胞膜タンパク質、及びシナプトポディン、アクチン結合タンパク質、Lambファミリー、コラーゲンなどの細胞骨格の組織化に関与するタンパク質の異常な発現又は機能であり得る。別の一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、GBMの障害、メサンギウム細胞機能の障害、並びに抗原−抗体複合体及び抗足細胞抗体の付着に関連し得る。
【0108】
一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、ミクロアルブミン尿、マクロアルブミン尿などのタンパク尿であり得る。別の一態様においては、足細胞関連疾患又は障害は、尿細管萎縮であり得る。
【0109】
一態様においては、本発明は、本発明の化合物を用いて炎症性腸疾患を治療又は防止する方法を提供する。本明細書では炎症性腸疾患、すなわちIBDは、慢性的に再発する腹痛の症候及び排便習慣の変化を伴う、小腸及び/又は大腸における炎症又は潰よう形成を特徴とする疾患である。IBDは、クローン病(CD)及び潰よう性大腸炎(UC)の広範なカテゴリーに分類される。一態様においては、本発明は、カルシウム模倣化合物及び組成物を用いてUCを治療する方法を提供する。別の一態様においては、本発明の方法は、カルシウム模倣化合物及び組成物を用いたCDの治療に使用することができる。一態様においては、本発明の方法は、UC又はCDの1つ以上の徴候又は症候の発生を防止し、又は軽減する。表1に、さらに、IBDの病態生理における炎症性マーカー、並びに潰よう性大腸炎及びクローン病において一般に見られる徴候/症候を要約する。
【0110】
【表1】

【0111】
一態様においては、本発明は、過敏性大腸症候群を治療又は予防する方法を提供する。本明細書では過敏性大腸症候群、すなわちIBSは、典型的には検出可能な構造的異常又は生化学的原因がない、排便習慣の変化及び腹痛を特徴とする胃腸疾患である。Rome II基準を用いて、IBSを診断し、他の障害を除外することができる。基準は、少なくとも3か月の以下の連続した反復性症候を含む:排便によって軽減され、又は便の頻度若しくは粘ちゅう性の変化に付随した腹痛又は不快、及び時間の少なくとも25%、以下の特性の2つ以上を含む排便障害:排便回数の変化、便形態の変化(例えば、塊の多い若しくは堅い、又は緩い若しくは水分の多い)、便通の変化(例えば、しぶり腹、切迫、又は不完全な排便の感覚)、粘液の通過、鼓脹又は腹部膨満の感覚。IBSにおける腹痛の強度及び場所は、個々の患者でも極めて変わりやすく、患者の下腹部25%、右側20%、左側20%及び上腹部10%に局在する。とう痛は、一般に、けいれん痛(crampy)又はうずきであり得るが、鋭痛、鈍痛、ガス様(gas−like)痛、又は特徴のないとう痛も一般的である。一態様においては、IBS患者は、便秘(IBS−C、便秘型IBS)、下痢(IBS−D、下痢型IBS)、又は下痢と交互に現れる便秘(IBS−A、混合症候IBS又は「交互型(alternators)」)を示し得る。便秘型と下痢型の両方の患者において糞便の評価には、長期間のいきみを必要とし得る。便秘は、数週間から数か月持続することがあり、短期間の下痢が介在し得る。不完全な排便の感覚のために、便通を毎日複数回試みることになり得る。IBS−D患者では、便は、特徴的に緩く、頻繁であるが、1日の体積は正常である。粘液の排せつは、IBS患者の最高50%で報告されている。上部消化器官(upper gut)の症候はIBSに一般的であり、患者の25%から50%が胸やけ、早期満腹感、悪心及びおう吐を有し、最高87%が断続的な消化不良を示す。Agreus L.et al.(1995) Gastroenterology 109:671。IBS患者における腸外の病訴としては、慢性骨盤痛、線維筋痛、尿生殖器機能不全(月経困難症、性交とう痛症、性交不能、尿意頻数、夜間多尿症、不完全なぼうこう排出感覚など)が挙げられる。性機能障害は、IBS患者の83%で報告されている。機能性腸疾患患者は、高血圧、頭痛、消化性潰よう疾患、発疹の発生率が一般集団よりも高く、より一般的には、疲労、集中力欠乏、不眠、どうき、及び口中の不快な食味を報告する。
【0112】
IBSの原因は十分理解されていないが、異常な腸運動及び感覚活動、中枢神経機能不全、心理学的障害、ストレス及び管腔因子(luminal factor)がある役割を果たすことが提案された。IBSは、結腸及び小腸の運動異常に関連し、別の平滑筋部位における運動異常に関連する。IBSにおけるとう痛、ガス又は鼓脹の感覚の原因であり得る内臓知覚異常は、研究の一主眼である。腹部症状の知覚は、腸のとう痛刺激にある役割を果たし得る腸間膜中の化学受容器、機械受容器及び受容体に作用する内臓刺激によって活性化される求心性神経路によって媒介される。これらの活性化受容体からの情報は、脊髄求心性神経に輸送され、したがって意識的知覚が起こる脳に伝達される。IBSは、健康な個体によって知覚されない通常の生理学的腸刺激がIBS患者においてとう痛を誘発するような求心路の感作に起因すると仮定される。IBSにおける症候の誘発原因である感作事象は不明である。情動障害及びストレスと症候の増悪との臨床的関連性、及び大脳皮質部位に作用する療法に対する治療反応は、IBSの原因における中枢神経系因子の役割を強く示唆している。しかし、IBSが、中枢神経系からの不適当な入力を有する主要な腸障害であるのか、腸運動及び感覚活動における求心性(centrally directed)の変化を有する中枢神経系障害であるのかは不明である。さらに、精神的ストレスとコリンエステラーゼ阻害薬ネオスチグミン投与の両方が、結腸運動性の増加、及び健康なボランティアよりもIBS患者において拡大する脳波の波形変化を誘起し、IBSにおいて腸と脳の両方が過敏であることを示唆している。ストレスの効果の検討は、結腸活動の調節における脳−腸軸の重要性を強調するものである。IBSの女性における毎日のストレスと毎日の症候の極めて明確な関係が報告された。Levy R.et al.(1997) J.Behav.Med.20:177。
【0113】
こうして概説した本発明は、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるはずである。以下の実施例は、実例として記載するものであって、本発明を限定するものではない。本発明の化合物は、実施例に記載の簡単な出発分子及び市販材料から合成することができる。本明細書に示し、記載するものに加えて、本発明の種々の改変が、当業者に明白になるはずであり、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。このために、1個以上の水素原子又はメチル基は、かかる有機化合物の一般に容認された略記法に合致した記載の構造から省略することができ、有機化学の当業者はその存在を容易に理解できることに留意されたい。調製された化合物の構造は、質量スペクトルデータによって確認される。一部の化合物では、M+Hを超える質量を有するイオンを報告する。これらのイオンは、一般に、合成化合物の2量体又は3量体であり、場合によっては、LC/MSの移動相から生成するトリフルオロアセタート付加体である。トリフルオロアセタート付加体は、M+115の重量を有する。
【実施例1】
【0114】
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
【0115】
【化10】

【0116】
段階1.MeOH(230mL)及び水(85mL)中の4−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド1(11.47g、62mmol)の溶液に塩化アンモニウム(24.2g、452mmol)及び鉄(18.4g、329mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、ろ過し、ある程度減圧濃縮し、EtOAc及び水で希釈した。水相をEtOAc(3×)で抽出し、混合有機抽出物を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製アニリンをCHCl(〜約150mL)に溶解させ、ヘキサン(〜約300mL)で希釈し、0℃に冷却した。固体をろ過によって収集し、ヘキサンで洗浄して、3−アミノ−4−クロロベンズアルデヒド2(5.36g、収率56%)を黄色固体として得た。質量スペクトル:CClNOの計算値155.0、実測値156.1(M+1)。
【0117】
段階2.DCM(5mL)中の3−アミノ−4−クロロベンズアルデヒド2(0.267g、1.72mmol)の溶液に、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.600mL、3.44mmol)及び5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニルクロリド(0.292g、2.01mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、室温に加温し、1時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の15%から50%EtOAcで溶出)によって精製して、N−(2−クロロ−5−ホルミルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド3(0.117g、収率25.8%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C12ClNの計算値264.0、実測値265.0(M+1)。
【0118】
段階3.DCE(3mL)中のN−(2−クロロ−5−ホルミルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド3(0.117g、0.44mmol)の溶液に、(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(0.079g、0.51mmol)、酢酸(0.030mL、0.52mmol)及びNaBH(OAc)(0.108g、0.51mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から60%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド4(0.131g、収率73%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.36(d、J=6.5Hz、3H)、2.53(s、3H)、3.60(d、J=13.7Hz、1H)、3.66(d、J=13.7Hz、1H)、3.79(q、J=6.5Hz、1H)、6.53(s、1H)、7.04(d、J=8.2Hz、1H)、7.21−7.36(m、6H)、8.41(s、1H)、9.10(s br、1H)。質量スペクトル:C2019Clの計算値403.1、実測値404.1(M+1)。
【実施例2】
【0119】
下記表2に示す生成物を、異なるアシル化試薬を実施例1の段階2において用いた以外は実施例1と同じ手順によって調製した。また、段階3の(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの代わりに、化合物5−28では(R)−1−フェニルエタンアミンを使用し、化合物29では(R)−1−(ナフタレン−1−イル)エタンアミンを使用した。化合物22の場合には、アシル化段階において塩基を添加しなかった。
【0120】
【表2】




【実施例3】
【0121】
(R)−N−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(30)の合成
【0122】
【化11】

【0123】
DCE(15mL)中の4−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド1(1.71g、9.2mmol)及び(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(1.115g、7.2mmol)の溶液に、酢酸(2.0mL、35mmol)及びNaBH(OAc)(2.23g、11mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で2日間撹拌し、飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相をNaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%から40%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン30(2.03g、収率87%)を淡黄色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.37(d、J=6.7Hz、3H)、3.66(s、2H)、3.77(q、J=6.7Hz、1H)、7.18−7.32(m、5H)、7.44−7.48(m、2H)、7.83(s、1H)。質量スペクトル:C1514Clの計算値324.0、実測値325.1(M+1)。
【実施例4】
【0124】
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0125】
【化12】

【0126】
段階1.DMF(40mL)中の3−ブロモ−4−クロロ安息香酸31(4.209g、17.9mmol)の溶液に、HOBT(3.31g、21.6mmol)及びEDCI(4.13g、21.5mmol)を室温で添加した。溶液を15分間撹拌し、(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(2.92g、18.8mmol)を添加した。反応混合物を室温で14時間撹拌し、EtOAcで希釈した。水相をEtOAc(1×)で抽出し、混合有機抽出物を水(2×)、塩水で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から40%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−3−ブロモ−4−クロロ−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)ベンズアミド32(6.659g、収率99.9%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C1512BrClNOの計算値371.0、実測値372.0(M+1)。
【0127】
段階2.(R)−3−ブロモ−4−クロロ−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)ベンズアミド32(0.634g、1.7mmol)、Pd2(dba)3(0.100g、0.11mmol)及び4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチル−9H−キサンテン(0.125g、0.22mmol)の混合物に、ベンゼンチオール(0.173mL、1.7mmol)、ジオキサン(4.5mL)及びN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン(0.590mL、3.4mmol)を添加した。反応混合物を脱気し、加熱還流させた。18時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5%から30%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−4−クロロ−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−3−(フェニルチオ)ベンズアミド33(0.631g、収率92%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C21H17Cl2NOSの計算値401.0、実測値402.1(M++1)。
【0128】
段階3.THF(8mL)中の(R)−4−クロロ−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−3−(フェニルチオ)ベンズアミド33(0.631g、1.57mmol)の溶液に、ボラン(0.110g、7.95mmol)(8mL、1M THF溶液)を添加した。反応混合物を2日間加熱還流させ、1M NaOHでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を水(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から50%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン34(0.274g、収率45.0%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.26(d、J=6.5Hz、3H)、3.41(d、J=13.7Hz、1H)、3.50(d、J=13.7Hz、1H)、3.65(q、J=6.7Hz、3H)、6.93(s、1H)、7.05−7.09(m、2H)、7.20−7.25(m、2H)、7.37−7.43(m、6H)。質量スペクトル:C1514ClNSの計算値387.1、実測値388.1(M+1)。
【実施例5】
【0129】
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0130】
【化13】

【0131】
CHCl(5mL)中の(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン34(0.259g、0.667mmol)の溶液に、2,2,2−トリフルオロ酢酸(0.300mL、4.04mmol)及び(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(0.259g、0.667mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、追加のmCPBA(114mg、0.66mmol)を添加し、撹拌を0℃で30分間続けた。反応混合物を室温に加温し、2時間撹拌し、飽和NaSOでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から80%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン35(0.113g、収率40.3%)を無色オイルとして得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 1.38(d、J=6.4Hz、3H)、3.70(s、2H)、3.78(q、J=6.4Hz、1H)、7.21−7.30(m、4H)、7.35(d、J=8.0Hz、2H)、7.45−7.53(m、3H)、7.60(t、J=7.4Hz、1H)、7.95(d、J=7.2Hz、2H)、8.27(s、1H)。質量スペクトル:C2119ClNOSの計算値419.1、実測値420.1(M++1)。また、(1R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルフィニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン36(0.112g、収率41.5%)を無色オイルとして単離した。1H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.36(d、J=6.5Hz、3H)、3.69−3.75(m、3H)、7.20−7.47(m、10H)、7.72−7.75(m、2H)、7.95(s、1H)。質量スペクトル:C21H19Cl2NOSの計算値403.1、実測値404.1(M+1)。
【実施例6】
【0132】
(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミドの合成
【0133】
【化14】

【0134】
段階1.DMF(5mL)中の(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(0.426g、2.74mmol)及び4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸37(0.452g、1.92mmol)の溶液に、EDCI(0.439g、2.29mmol)及びHOBT(0.368g、2.40mmol)を室温で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、EtOAc及び水で希釈した。有機相を水(2×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から80%EtOAcで溶出)によって精製して、3−(アミノスルホニル)−4−クロロ−N−((1R)−1−(3−クロロフェニル)エチル)ベンズアミド38(0.643g、収率89.8%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C15H1ClSの計算値372.0、実測値373.1(M++1)。
【0135】
段階2.THF(10mL)中の3−(アミノスルホニル)−4−クロロ−N−((1R)−1−(3−クロロフェニル)エチル)ベンズアミド38(0.558g、1.49mmol)の溶液に、ボラン(0.138g、9.97mmol)(10mL、1M THF溶液)を室温で添加した。反応混合物を24時間加熱還流させ、1M NaOHでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を水(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%から80%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミド39(0.210g、収率39.1%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.36(d、J=6.5Hz、3H)、3.64(s、2H)、3.76(q、J=6.6Hz、1H)、5.20(s br、2H)、7.19−7.31(m、5H)、7.44−7.46(m、2H)、8.01(s、1H)。質量スペクトル:C1516ClSの計算値358.0、実測値359.1(M+1)。
【実施例7】
【0136】
(R)−N−(4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0137】
【化15】

【0138】
段階1.CHCl(20mL)中のメチル3−(クロロスルホニル)−4−メトキシベンゾアート40(1.002g、3.8mmol)の溶液に、ピリジン(0.46mL、6mmol)及びモルホリン(0.395mL、5mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に加温し、30分間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機相をNaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl中の0%から20%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾアート41(0.970g、収率81%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C1317NOSの計算値315.1、実測値316.1(M++1)。
【0139】
段階2.メチル4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンゾアート41(0.970g、3.08mmol)にNaOH(0.599g、15.0mmol)(15mL、1M水溶液)、続いてメタノール(10mL)を添加した。反応混合物を60℃に2時間加熱し、1M HClで酸性化した。有機相をEtOAc(5×)で抽出し、混合抽出物を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮して、4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)安息香酸42(0.824g、収率88.9%)を白色固体として得、それ以上精製せずに使用した。質量スペクトル:C1215NOSの計算値301.1、実測値302.1(M++1)。
【0140】
段階3.DMF(6mL)中の4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)安息香酸42(0.824g、2.73mmol)の溶液に、EDCI(0.686g、3.58mmol)及びHOBT(0.536g、3.50mmol)を添加し、溶液を30分間撹拌し、(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(0.673g、4.32mmol)を添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、EtOAc及び水で希釈した。有機相を水(2×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の60%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンズアミド43(1.14g、収率95.0%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C2023ClNSの計算値438.1、実測値439.1(M+1)。
【0141】
段階4.THF(9mL)中の(R)−N−(1−(3−クロロフェニル)エチル)−4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンズアミド43(0.948g、2.16mmol)の溶液にボラン(0.124g、8.96mmol)(9mL、1M THF溶液)を室温で添加した。反応混合物を24時間加熱還流させ、1M NaOHでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を水(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン44(0.166g、収率18.1%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.35(d、J=6.5Hz、3H)、3.21−3.24(m、4H)、3.55−3.63(m、2H)、3.71−3.78(m、4H)、3.91(s、3H)、6.97(d、J=8.6Hz、1H)、7.20−7.29(m、3H)、7.33(s、1H)、7.46(d、J=7.9Hz、1H)、7.78(s、1H)。質量スペクトル:C2025ClNSの計算値424.1、実測値425.2(M+1)。
【実施例8】
【0142】
(R)−N−(4−クロロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0143】
【化16】

【0144】
(R)−N−(4−クロロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン45を、実施例7の手順を用いて、メチル4−クロロ−3−(クロロスルホニル)ベンゾアートの代わりにメチル3−(クロロスルホニル)−4−メトキシベンゾアートを使用して、無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.36(d、J=6.7Hz、3H)、3.26−3.30(m、4H)、3.65(s、2H)、3.71−3.78(m、5H)、7.19−7.29(m、4H)、7.32(s、1H)、7.44−7.48(m、2H)、7.94(s、1H)。質量スペクトル:C1922ClSの計算値428.1、実測値429.1(M+1)。
【実施例9】
【0145】
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミドの合成
【0146】
【化17】

【0147】
THF(6mL)中の(R)−2−クロロ−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)アセトアミド46(0.397g、1.2mmol)の溶液にピロリジン(3.0mL、36mmol)を添加した。反応混合物を50℃に30分間加熱し、室温に冷却し、ある程度減圧濃縮し、飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで希釈した。水相をEtOAc(3×)で抽出し、混合有機抽出物を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の1%から10%MeOHで溶出)によって精製して、(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド47(0.292g、収率67%)を無色オイルとして得た。1H NMR(400MHz、CDCl3)δ 1.36(d、J=6.5Hz、3H)、1.83−1.91(m、4H)、2.68−2.79(m、4H)、3.33(s、2H)、3.58(d、J=13.5Hz、1H)、3.64(d、J=13.3Hz、1H)、3.81(q、J=6.7Hz、1H)、6.98(d、J=8.2Hz、1H)、7.23−7.37(m、7H)、8.38(s、1H)、9.93(s、1H)。質量スペクトル:C2126ClNOの計算値371.2、実測値372.2(M++1)。
【実施例10】
【0148】
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)ニコチンアミドの合成
【0149】
【化18】

【0150】
THF(3mL)中の(R)−6−クロロ−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ニコチンアミド48(0.175g、0.44mmol)の溶液に、ジメチルアミン(5.0mL、153mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に加温し、20時間撹拌し、飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)ニコチンアミド49(0.118g、収率66%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.37(d、J=6.5Hz、3H)、3.19(s、6H)、3.60(d、J=13.5Hz、1H)、3.66(d、J=13.5Hz、1H)、3.81(q、J=6.6Hz、3H)、6.57(d、J=8.6Hz、1H)、7.00(dd、J=8.2、2.2Hz、1H)、7.25−7.37(m、7H)、8.00(dd、J=9.0、2.5Hz、1H)、8.27(s、1H)、8.49(d、J=2.0Hz、1H)、8.76(d、J=2.2Hz、1H)。質量スペクトル:C2325ClNOの計算値408.2、実測値409.2(M+1)。
【実施例11】
【0151】
表3に示す化合物を、実施例10と同じ手順を用いて、表に示した対応するアミンの代わりにジメチルアミンを用いて、調製した。反応物の加熱が必要な場合もあった。
【0152】
【表3】


【実施例12】
【0153】
(R)−1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
【0154】
【化19】

【0155】
段階1.4−クロロ−3−ニトロベンズアルデヒド57(5.099g、27mmol)、炭酸セシウム(9.48g、29mmol)及びメチルピペリジン−4−カルボキシラート(4mL、27mmol)の混合物にDMSO(27mL)を添加した。反応混合物を100℃に30分間加熱し、EtOAcで希釈した。有機相を水(2×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%から50%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(4−ホルミル−2−ニトロフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート58(3.45g、収率43%)を黄色オイルとして得た。質量スペクトル:C1416の計算値292.1、実測値293.1(M+1)。
【0156】
段階2.炭素担持10%パラジウム(1.67g、1.57mmol)とメチル1−(4−ホルミル−2−ニトロフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート58(3.435g、11.8mmol)の混合物に、EtOAc(100mL)を添加した。窒素雰囲気を二連球からの水素で置換し、反応混合物を室温で4時間撹拌し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から60%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(2−アミノ−4−ホルミルフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート59(0.488g、収率15.8%)を黄色固体として得た。質量スペクトル:C1418の計算値262.1、実測値263.2(M+1)。
【0157】
段階3.DCM(10mL)中のメチル1−(2−アミノ−4−ホルミルフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート59(0.488g、1.9mmol)の溶液に、ピリジン(0.300mL、3.7mmol)及び5−メチルイソオキサゾール−3−カルボニルクロリド(0.185g、1.3mmol)を0℃で添加した。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、追加の酸塩化物(88mg)を添加し、撹拌を0℃で続けた。30分後、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%から50%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(4−ホルミル−2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート60(0.268g、収率39%)を淡黄色固体として得た。質量スペクトル:C1921の計算値371.2、実測値372.2(M+1)。
【0158】
段階4.DCE(10mL)中のメチル1−(4−ホルミル−2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート60(0.268g、0.72mmol)の溶液に、酢酸(0.045mL、0.78mmol)、(R)−1−フェニルエタンアミン(0.11mL、0.88mmol)及びNaBH(OAc)(0.186g、0.88mmol)を添加した。反応混合物を室温で15時間撹拌し、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の70%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−メチル1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート61(0.230g、収率67%)を白色固体として得た。質量スペクトル:C2732の計算値476.2、実測値477.3(M+1)。
【0159】
段階5.(R)−メチル1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート61(0.220g、0.46mmol)に、アンモニア(2M MeOH溶液、50mL)を添加した。反応混合物を封管中で75℃に7日間加熱し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中1%から10%MeOH(2M NH))によって精製して、(R)−1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド62(0.048g、収率23%)を白色固体として得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 1.26(d、J=6.7Hz、3H)、1.76−1.84(m、4H)、2.24(m、1H)、2.52(s、3H)、2.67(t、J=8.8Hz、2H)、2.95(d、J=11.5Hz、2H)、3.43(d、J=13.3Hz、1H)、3.48(d、J=13.7Hz、1H)、3.71(q、J=6.5Hz、1H)、6.71(s、1H)、7.19(s、1H)、7.05(d、J=8.1Hz、1H)、7.20(d、J=8.1Hz、1H)、7.22(d、J=3.9Hz、1H)、7.31−7.38(m、6H)、8.22(s、1H)、9.73(s、1H)。質量スペクトル:C2631の計算値461.2、実測値462.3(M+1)。
【実施例13】
【0160】
(R)−1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミドの合成
【0161】
【化20】

【0162】
段階1.DMSO(5mL)中の3−フルオロ−4−ニトロベンズアルデヒド63(0.793g、5mmol)の溶液に、メチルピペリジン−4−カルボキシラート(0.7mL、5mmol)及び炭酸セシウム(1.76g、5mmol)を添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌し、70℃に2時間加熱し、EtOAcで希釈した。有機相を水(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%から60%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(5−ホルミル−2−ニトロフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート64(0.931g、収率68%)を黄色オイルとして得た。質量スペクトル:C1416の計算値292.1、実測値293.1(M+1)。
【0163】
段階2.メチル1−(5−ホルミル−2−ニトロフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート64(0.881g、3.0mmol)に、EtOAc(20mL)及びパラジウム(0.482mg、0.45mmol)を添加した。窒素雰囲気を二連球からの水素で置換し、反応混合物を室温で3時間撹拌し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(2−アミノ−5−ホルミルフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート65(0.043g、収率5.4%)を黄色オイルとして得た。質量スペクトル:C1418の計算値262.1、実測値263.2(M+1)。さらに、メチル1−(2−アミノ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート66(0.534g、収率67%)を黄色固体として単離した。質量スペクトル:C1420の計算値264.2、実測値265.2(M+1)。
【0164】
段階3.MeCN(4mL)中のCuCl(0.321mg、2.39mmol)の懸濁液を亜硝酸tert−ブチル(0.356g、3.45mmol)に添加した。混合物を65℃に加熱し、MeCN(4mL)中のメチル1−(2−アミノ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート66(0.534g、2.02mmol)の溶液をシリンジによって添加した。反応混合物を10分間撹拌し、EtOAc及び水で希釈した。水相をEtOAc(2×)で抽出し、混合有機抽出物を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30%から60%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(2−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート67(0.198g、収率34.5%)を無色オイルとして得た。質量スペクトル:C1418ClNOの計算値283.1、実測値284.1(M+1)。
【0165】
段階4.DCM(3.5mL)中のメチル1−(2−クロロ−5−(ヒドロキシメチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート67(0.198g、0.698mmol)の溶液に、MnO(0.688mg、7.91mmol)を添加した。反応混合物を室温で17時間撹拌し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%から40%EtOAcで溶出)によって精製して、メチル1−(2−クロロ−5−ホルミルフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート68(0.150g、収率76.3%)を無色オイルとして得た。質量スペクトル:C1416ClNOの計算値281.1、実測値282.1(M+1)。
【0166】
段階5.DCE(3mL)中のメチル1−(2−クロロ−5−ホルミルフェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート68(0.180g、0.64mmol)の溶液に、(R)−1−フェニルエタンアミン(0.10mL、0.79mmol)、酢酸(0.040mL、0.69mmol)及びNaBH(OAc)(0.168g、0.79mmol)を添加した。反応混合物を室温で20時間撹拌し、飽和NaHCOでクエンチし、EtOAcで希釈した。有機相を飽和NaHCO(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の50%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−メチル1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート69(0.215g、収率87%)を無色オイルとして得た。質量スペクトル:C2227ClNの計算値386.2、実測値387.2(M+1)。
【0167】
段階6.MeOH(2M NH、75mL)中の(R)−メチル1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキシラート69(0.215g、0.56mmol)の溶液を、封管中で75℃に6日間加熱し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の1%から8%MeOH(2M NH)で溶出)によって精製して、(R)−1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド70(0.074g、収率36%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、DMSO−d)δ 1.25(d、J=6.7Hz、3H)、1.70−1.80(m、4H)、2.22(m、1H)、2.60(t、J=11.3Hz、2H)、3.17(d、J=5.3Hz、1H)、3.26(d、J=10.1Hz、2H)、3.41(d、J=13.9Hz、1H)、3.48(d、J=13.9Hz、1H)、3.65(q、J=6.5Hz、1H)、6.79(s、1H)、6.92(d、J=8.0Hz、1H)、7.03(s、1H)、7.22(t、J=6.5Hz、1H)、7.28−7.35(m、6H)。質量スペクトル:C2126ClNOの計算値371.2、実測値372.2(M+1)。
【実施例14】
【0168】
(R)−2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼンアミンの合成
【0169】
【化21】

【0170】
段階1.DCM(10mL)中の3−ブロモ−4−クロロ安息香酸71(5.30g、23mmol)の溶液に、DMF(5滴)及び二塩化オキサリル(3.0mL、34mmol)を室温で添加した。反応混合物を40℃に1時間加熱した。溶媒及び過剰の塩化オキサリルを窒素気流下で、続いて高真空で除去した。酸塩化物をDCM(100mL)に溶解させ、0℃に冷却し、次いでピリジン(2.8mL、34mmol)を添加し、続いて(R)−1−フェニルエタンアミン(3.8mL、30mmol)を添加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、減圧濃縮した。粗製アミドをEtOAcに溶解させ、1M HCl(2×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、濃縮して、(R)−3−ブロモ−4−クロロ−N−(1−フェニルエチル)ベンズアミド72(8.15g、収率71%)を白色固体として得、それ以上精製せずに使用した。質量スペクトル:C1513BrClNOの計算値337.0、実測値338.0(M+1)。
【0171】
段階2.(R)−3−ブロモ−4−クロロ−N−(1−フェニルエチル)ベンズアミド72(8.15g、24.1mmol)にボラン(130mL、129mmol)(1M THF溶液)を添加した。反応混合物を3日間加熱還流させ、飽和NaHCOでクエンチし、EtOAc及び水で希釈した。水相をEtOAc(1×)で抽出し、混合有機抽出物を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%から40%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン73(4.75g、収率60.8%)を無色オイルとして得た。質量スペクトル:C1515BrClNの計算値323.0、実測値324.1(M+1)。
【0172】
段階3.ピリジン−2−イルメタンアミン(0.105g、1.0mmol)と(R)−N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン73(0.251g、0.8mmol)の混合物に、ナトリウム2−メチルプロパン−2−オラート(0.103g、1mmol)、Pd(dba)(0.051g、0.06mmol)、2−(ジフェニルホスフィノ)−1−(2−(ジフェニルホスフィノ)ナフタレン−1−イル)ナフタレン(0.210mg、0.34mmol)及びトルエン(1.5mL)を添加した。反応混合物を、窒素を溶液にバブリングさせることによって15分間脱気し、80℃に加熱した。20時間後、反応混合物をEtOAc及び飽和NaHCOで希釈した。有機相を塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の60%から100%EtOAcで溶出)、続いてシリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM中の1%から5%MeOH(2M NH溶液)で溶出)によって精製して、(R)−2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼンアミン74(0.034g、収率12%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.31(d、J=6.5Hz、3H)、3.46(d、J=13.3Hz、1H)、3.55(d、J=13.3Hz、1H)、3.72(q、J=6.5Hz、1H)、4.53(d、J=5.5Hz、2H)、5.38(m、1H)、6.54−6.58(m、2H)、7.20−7.33(m、9H)、7.66(td、J=7.6、1.8Hz、1H)、8.62(d、J=4.3Hz、1H)。質量スペクトル:C2122ClNの計算値351.2、実測値352.2(M+1)。
【実施例15】
【0173】
(1R)−N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾル−1−イル)−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミンの合成
【0174】
【化22】

【0175】
1H−ベンゾ[d]イミダゾール(0.106g、0.90mmol)と(R)−N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン75(0.247g、0.76mmol)の混合物に、炭酸カリウム(0.141g、1.0mmol)、ヨウ化銅(I)(0.023g、0.12mmol)及びNMP(0.8mL)を添加した。反応混合物を脱気し、150℃に3日間加熱し、EtOAcで希釈し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の40%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(1R)−N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾル−1−イル)−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン76(0.053g、収率19%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.38(d、J=6.7Hz、3H)、3.69(s、2H)、3.82(q、J=6.7Hz、1H)、7.20−7.43(m、11H)、7.55(d、J=8.2Hz、1H)、7.79(d、J=7.2Hz、1H)、8.04(s、1H)。質量スペクトル:C2220ClNの計算値361.1、実測値362.2(M+1)。
【実施例16】
【0176】
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ベンジル)−1−フェニルエタンアミンの合成
【0177】
【化23】

【0178】
段階1.ヨウ化ナトリウム(0.19mL、4.6mmol)、トランス−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.034g、0.24mmol)、(R)−N−(3−ブロモ−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン75(0.762g、2.3mmol)及びヨウ化銅(I)(0.025mg、0.13mmol)の混合物にジオキサン(2.5mL)を添加した。反応混合物を、窒素を溶液にバブリングさせることによって5分間脱気し、封管中で115℃に加熱した。15時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、有機相を希NHOH(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%から40%EtOAcで溶出)によって精製して、(R)−N−(4−クロロ−3−ヨードベンジル)−1−フェニルエタンアミン77(0.737g、収率84%)を無色オイルとして得た。質量スペクトル:C1515ClINの計算値371.0、実測値372.1(M+1)。
【0179】
段階2.ヨウ化銅(I)(0.022g、0.12mmol)、トランス−N1,N2−ジメチルシクロヘキサン−1,2−ジアミン(0.027g、0.19mmol)、リン酸カリウム(0.420g、2.0mmol)、1H−1,2,4−トリアゾール(0.078g、1.1mmol)及び(R)−N−(4−クロロ−3−ヨードベンジル)−1−フェニルエタンアミン77(0.352g、0.95mmol)の混合物にDMF(1mL)を添加した。反応混合物をパージ/窒素循環(3×)によって脱気し、封管中で110℃に加熱した。24時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、有機相を飽和NHCl/NHOH(10:1)(1×)、塩水(1×)で洗浄し、MgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。シリカゲルを用いたフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%から100%EtOAcで溶出)によって精製して、(1R)−N−(4−クロロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ベンジル)−1−フェニルエタンアミン78(0.031g、収率10%)を無色オイルとして得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ 1.38(d、J=6.5Hz、3H)、3.66(s、2H)、3.80(q、J=6.5Hz、1H)、7.24−7.36(m、7H)、7.48(d、J=8.2Hz、1H)、7.54(s、1H)、8.14(s、1H)、8.52(s、1H)。質量スペクトル:C1717ClNの計算値312.1、実測値313.2(M+1)。
【実施例17】
【0180】
((1R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチルピペリジン−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0181】
【化24】

【0182】
段階1.DMF 50mL中に2−クロロ−5−メチルフェノール79(3.50g、25mmol)、トリエチルアミン(3.8mL、27mmol)及びDMAP(0.030g、0.25mmol)を含有する溶液をN下で0℃に冷却した。DMF 5mL中のtert−ブチルクロロジメチルシラン(3.9g、26mmol)の溶液を反応混合物にシリンジによって5分間徐々に添加した。反応物を室温に加温し、12時間撹拌した。混合物をエーテルで希釈し、2×1N HCl、水、次いで塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から30%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、tert−ブチル(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)ジメチルシラン80(6.15g、収率98%)を無色オイルとして得た。
【0183】
段階2.無水CHCl 40mL中にtert−ブチル(2−クロロ−5−メチルフェノキシ)ジメチルシラン80(6.15g、24mmol)、N−ブロモスクシンイミド(4.7g、26mmol)及び過酸化ベンゾイル(0.058g、0.24mmol)を含有する溶液をNパージし、85℃に加熱した。反応物を60Wランプに暴露し、還流させながら4時間撹拌した。ランプを除去し、反応物を室温に冷却した。溶液を濃縮し、エーテルに再溶解させた。混合物をろ過し、次いで再度濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から20%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、(5−(ブロモメチル)−2−クロロフェノキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン81(2.7g、収率34%)を得た。生成物を次の段階にそのまま使用した。
【0184】
【化25】

【0185】
段階3.DMF中の(5−(ブロモメチル)−2−クロロフェノキシ)(tert−ブチル)ジメチルシラン81(1.00g、2.98mmol)及び炭酸カリウム(0.453g、3.28mmol)の溶液を室温でN下で撹拌した。(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン(0.464g、2.98mmol)を溶液に添加し、反応物を室温で8時間撹拌した。反応の終了をTLCによって確認した。反応混合物を水及びエーテルで希釈した。エーテル溶液を水(2×)及び塩水で洗浄した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から30%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、(R)−N−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン82(0.612g、収率50.1%)を無色オイルとして得た。生成物をそれ以上精製せずに次の段階に使用した。
【0186】
段階4.THF中の(R)−N−(3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン82(540mg、1316μmol)の溶液に、テトラ−ブチルアンモニウムフルオリド(1M THF溶液、1381μL、1381μmol)を添加した。溶液を室温でN下で3時間撹拌し、次いで終了をTLCによって確認した。反応溶液を濃縮し、粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から60%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノール83(200mg、収率91%)を白色固体として得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ ppm 1.34(d、J=6.46Hz、3H)3.50−3.61(m、2H)3.77(q、J=6.52Hz、1H)6.78(dd、J=8.22、1.37Hz、1H)6.96(d、J=1.37Hz、1H)7.20−7.29(m、4H)7.34(s、1H)。質量スペクトル:C1515l2NOの計算値296.2、実測値297.3(M+1)。
【0187】
【化26】

【0188】
段階5.小さいバイアルにアセトニトリル2mL、炭酸セシウム(50mg、0.15mmol)、(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノール83(30mg、0.10mmol)及び3−(クロロメチル)−1−メチルピペリジン(16mg、0.11mmol)を充填した。バイアルを反応ブロック中に置き、85℃に加熱し、14時間撹拌した。バイアルを室温に冷却し、溶液をシリンジフィルターに通して24ウェルプレートのウェル中にろ過した。このプレートをGenevac真空装置中で濃縮した。プレートは分取HPLCによった。所望の画分を混合し、凍結乾燥させた。最終生成物(1R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチルピペリジン−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン84(32mg、収率75%)をTFA塩の白色固体として単離した。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.44−1.56(m、1H)1.72(m、2H)1.99(m、1H)2.07(m、1H)2.40(m、1H)2.91−3.00(m、4H)3.55(m、1H)3.67−3.74(m、1H)3.93−4.01(m、2H)4.10(dd、J=9.00、4.11Hz、1H)4.18(d、J=13.11Hz、1H)4.48(q、J=6.85Hz、1H)5.50(s、1H)7.00(d、J=8.22、1H)7.15(s、1H)7.43−7.52(m、3H)7.57(s、1H)。質量スペクトル:C2228l2Oの計算値407.4、実測値408.4(M+1)。
【実施例18】
【0189】
下記表4に示す化合物を、対応するアルキル化試薬の代わりに3−(クロロメチル)−1−メチルピペリジンを使用した以外は実施例17に記載のものと同じ手順によって調製した。化合物91の場合には、反応をDMF中で120℃で28時間実施した。
【0190】
【表4】



【実施例19】
【0191】
1−(2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)プロパン−2−オールの合成
【0192】
【化27】

【0193】
マイクロ波に適合したバイアルにCHCN 2mL、(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノール96(115mg、388μmol)、プロピレンオキシド(33μL、466μmol)及び炭酸セシウム(139mg、427μmol)を充填した。バイアルを密封し、140℃で30分間マイクロ波照射した。反応の終了をTLCによって確認した。反応溶液をEtOAcで希釈し、水(2×)、次いで塩水で洗浄した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの10%から70%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、1−(2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)プロパン−2−オール97(85mg、収率62%)を無色オイルとして、また、ジアステレオマーの混合物として得た。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.32(d、J=6.46Hz、3H)1.73(d、J=6.85Hz、3H)3.92−4.02(m、3H)4.13−4.21(m、2H)4.49(q、J=6.78Hz、1H)6.98(dd、J=8.12、1.66Hz、1H)7.43−7.49(m、2H)7.49−7.53(m、2H)7.58(s、1H)。質量スペクトル:C1821ClNOの計算値354.3、実測値355.4(M+1)。
【実施例20】
【0194】
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(ピリジン−2−イル)エトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0195】
【化28】

【0196】
THF 5mL中の(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノール96(130mg、439μmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(127mg、483μmol)をN下で添加した。溶液を氷浴中で0℃に冷却し、次いでアゾジカルボン酸ジイソプロピル(94μL、483μmol)を反応物に滴下した。0℃で15分間撹拌後、THF中の1−(ピリジン−2−イル)エタノール(59mg、483μmol)の溶液を反応物に添加した。反応物を室温に加温し、10時間撹拌した。反応物を濃縮し、EtOAcで希釈した。溶液を飽和NaHCO、水、次いで塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から90%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(ピリジン−2−イル)エトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン98(67mg、収率38%)を無色オイルとして、また、ジアステレオマーの混合物として得た。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.60(d、J=6.65Hz、2.1H)1.73(d、J=5.28Hz、3H)1.83(d、J=6.46Hz、3H)3.90(d、J=11.15Hz、1H)4.16(d、J=12.72Hz、1H)4.45−4.54(m、1H)5.18−5.28(m、0.7H)5.99(m、1H)7.05(d、1H)7.48(m、5H)7.63(m、1H)7.99(m、1.7H)8.08(m、0.7H)8.20(d、1H)8.59(m、1.7H)8.73(m、0.7H)8.83(d、1H)。質量スペクトル:C2222ClOの計算値401.3、実測値402.4(M+1)。
【実施例21】
【0197】
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミンの合成
【0198】
【化29】

【0199】
THF 5mL中の(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノール96(150mg、506μmol)の溶液に、トリフェニルホスフィン(146mg、557μmol)をN下で添加した。溶液を氷浴中で0℃に冷却し、次いでアゾジカルボン酸ジイソプロピル(108μL、557μmol)を反応物に滴下した。0℃で15分間撹拌後、THF中の1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−オール(84mg、506μmol)の溶液を反応物に添加した。反応物を室温に加温し、10時間撹拌した。反応物を濃縮し、EtOAcで希釈した。有機溶液を飽和NaHCO、水及び塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの10%から80%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン99(83mg、収率37%)を無色オイルとして、また、ジアステレオマーの混合物として得た。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.26(d、1H)1.73(d、J=6.85Hz、3H)2.25−2.32(m、2H)2.91(s、3H)3.51−3.60(m、2H)3.62−3.66(m、2H)4.00(d、1H)4.20(d、1H)4.50(m、1H)5.08−5.13(m、1H)6.99−7.07(m、1H)7.14−7.18(m、1H)7.43−7.52(m、4H)7.57(m、1H)。質量スペクトル:C2024ClSの計算値443.4、実測値444.4(M+1)。
【実施例22】
【0200】
(R)−2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)酢酸の合成
【0201】
【化30】

【0202】
無水THF 2mL中の(R)−メチル2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)アセタート100(50mg、136μmol)の溶液に、トリメチルシラノール酸カリウム(17mg、136μmol)を添加した。溶液を周囲温度で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、生成した粗製材料を逆相分取HPLCによって精製した。所望の画分を混合し、凍結乾燥させて、(R)−2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)酢酸101(35mg、収率73%)を白色固体として、また、TFA塩として得た。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.71(d、J=6.85Hz、3H)3.98(d、J=13.30Hz、1H)4.16(d、J=13.11Hz、1H)4.44(m、1H)4.81(s、2H)6.97−7.01(m、1H)7.05−7.07(m、1H)7.41−7.52(m、4H)7.54−7.57(s、1H)。質量スペクトル:C1717ClNOの計算値354.2、実測値355.3(M+1)。
【実施例23】
【0203】
(R)−2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸の合成
【0204】
【化31】

【0205】
無水THF 2mL中の(R)−メチル2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート102(69mg、159μmol)の溶液に、トリメチルシラノール酸カリウム(22mg、174μmol)を添加した。溶液を周囲温度で2時間撹拌した。反応物を濃縮し、生成した粗製材料を逆相分取HPLCによって精製した。所望の画分を混合し、凍結乾燥させて、(R)−2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸103(41mg、収率61%)を白色固体として、また、TFA塩として得た。1H NMR(400MHz、d−メタノール)δ ppm 1.68−1.74(m、3H)4.02(d、J=13.30Hz、1H)4.20(d、J=13.30Hz、1H)4.48(q、J=6.85Hz、1H)5.34(s、2H)7.04(dd、J=8.22、1.76Hz、1H)7.33(d、J=1.76Hz、1H)7.43−7.52(m、4H)7.56(s、1H)8.60(s、1H)。質量スペクトル:C2018Clの計算値421.3、実測値422.4(M+1)。
【実施例24】
【0206】
N−(2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミドの合成
【0207】
【化32】

【0208】
段階1.CHCl 30mL中の3−ブロモ−4−クロロ安息香酸104(2.354g、10.0mmol)の溶液を氷浴中で0℃に冷却した。この溶液にCHCl中の塩化チオニル(2.2mL、30mmol)の溶液を添加し、次いでDMF数滴を添加した。反応物を室温に加温し、N下で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。粗製酸塩化物をCHClに再溶解させ、0℃に冷却した。トリエチルアミン(2.8mL、20mmol)をシリンジによって反応物に徐々に添加した。反応物を室温に加温し、N下で2時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いでEtOAcで希釈した。溶液を飽和NaHCO、水及び塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から60%勾配を用いたISCOフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、3−ブロモ−4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド105(2.43g、収率87%)を無色オイルとして得た。
【0209】
段階2.3−ブロモ−4−クロロ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド105(2.04g、7.3mmol)の溶液を無水THF 30mLに溶解させた。溶液を塩浴中でN下で−5℃に冷却した。シリンジを用いて、臭化メチルマグネシウム(2.7mL、8.1mmol)を徐々に溶液に添加した。溶液を−5℃で2時間撹拌し、次いで室温に加温し、さらに1時間撹拌した。反応物を飽和NHClでクエンチし、エーテル及び水で希釈した。有機溶液を水及び塩水で抽出した。有機相をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。次いで、粗製材料をシリカ層に通してろ過し、ろ液を濃縮して、1−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)エタノン106(1.55g、収率91%)を白色固体として得た。
【0210】
【化33】

【0211】
段階3.無水DME中の(R)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン107(0.701g、4.50mmol)、1−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)エタノン106(1.00g、4.29mmol)及びトリエチルアミン(1.79mL、12.9mmol)の溶液をドライアイス浴中で−78℃に冷却した。シリンジを用いて、塩化チタン(IV)(4.50mL、4.50mmol)を反応混合物に滴下した。反応物を周囲温度に加温し、N下で10時間撹拌した。次いで、MeOH 4mL中のシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.674g、10.7mmol)の溶液を反応混合物に徐々に添加し、反応溶液をさらに3時間撹拌した。飽和NHClを添加して、反応物をクエンチした。溶液をエーテル及び水で希釈し、混合物を水(2×)及び塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの3%から30%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、1−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)−N−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチル)エタンアミン108(1.04g、収率65.0%)を無色オイルとして得た。
【0212】
段階4.トルエン2mL中の酢酸パラジウム(8.0mg、36μmol)、ジフェニルメタンイミン(78mg、428μmol)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−4’,6’−トリ−イソプロピル−1,1’−ビフェニル(51mg、107μmol)、1−(3−ブロモ−4−クロロフェニル)−N−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチル)エタンアミン108(133mg、356μmol)及びナトリウム2−メチルプロパン−2−オラート(69mg、713μmol)を含むフラスコを5分間Nパージし、次いで密封した。反応物を110℃に12時間加熱した。溶液をEtOAcで希釈し、次いで水及び塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から40%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、結合したイミン生成物を得た。結合したイミン生成物をメタノールに溶解させ、次いでヒドロキシルアミン塩酸塩(62mg、891μmol)を溶液に添加した。反応物を周囲温度でN下で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、次いで溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から60%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)ベンゼンアミン109(20mg、収率18%)を得た。質量スペクトル:C1618Clの計算値309.2、実測値309.3(M+1)。
【0213】
【化34】

【0214】
段階5.DMF中の5−メチルイソオキサゾール−3−カルボン酸(8.6mg、68μmol)、ジイソプロピルエチルアミン(12μL、68μmol)及び2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)ベンゼンアミン109(21mg、68μmol)の溶液をN下で撹拌し、0℃に冷却した。次いで、HATU(26mg、68μmol)を溶液に添加した。反応物を室温に加温し、3時間撹拌した。その後、反応物を水及びEtOAcで希釈した。有機溶液を飽和NaHCO、水及び塩水で抽出した。有機層をMgSOを用いて脱水し、ろ過し、減圧濃縮した。粗製材料を、溶離剤としてヘキサン中のEtOAcの5%から60%勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーによって精製した。所望の画分を混合し、濃縮して、N−(2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド110(20mg、収率70%)を無色オイルとして、また、ジアステレオマーの混合物として得た。1H NMR(400MHz、MeOH)δ ppm 1.60−1.66(m、6H)2.53(s、3H)4.19(m、2H)6.61(s、1H)7.19(dd、J=8.31、2.05Hz、1H)7.30(m、1H)7.40(s、1H)7.48(d、J=4.89Hz、2H)7.63(d、J=8.41Hz、1H)8.09(s、1H)。質量スペクトル:C2121Clの計算値418.3、実測値418.4(M+1)。
【実施例25】
【0215】
(R)−N−(3−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミンの合成
【0216】
【化35】

【0217】
段階1.MeOH 70mL中の3−ブロモ−4,5−ジメトキシベンズアルデヒド111(5.0g、0.020mol、Aldrich)、(R)−1−フェニルエタンアミン(2.6mL、0.020mol、Aldrich)及びAcOH(5.0mL)の溶液を室温で2時間撹拌した。次いで、溶液を0℃に冷却し、NaBHCN固体を分割添加した。次いで、反応溶液を室温に加温し、終夜撹拌し続けた。混合物を減圧濃縮し、EtOAc 150mLに再溶解させた。有機溶液を飽和NaHCO 50mL、続いて塩水50mLで洗浄し、NaSOを用いて脱水し、減圧濃縮した。残留物を短いシリカゲルパッドに通過させた(50%EtOAc/hexで溶出)。溶離剤を減圧濃縮して、淡黄色オイルを得、このオイルを静置して固化させて、所望の生成物(R)−N−(3−ブロモ−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン112を白色ワックス状固体として得た(5.1g、73%)。MS(ESI、陽イオン)m/z:350.2(M+1)。H NMR(400MHz、CDCl)δ ppm 7.4−7.5(m、5H)、6.9(s、1H)、7.0(s、1H)、3.9(s、3H)、3.8(s、3H)、3.7−3.9(m、3H)、1.7(d、J=7.0Hz、3H)。
【0218】
【化36】

【0219】
段階2.トルエン10mL中の(R)−N−(3−ブロモ−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン112(1.1g、3.15mmol)、4−メトキシフェニルボロン酸(0.48g、3.15mmol、Aldrich)及び2M NaCO(5.0mL)の混合物に、PPh(83mg、0.315mmol)及びPd(PPh(0.364g、0.315mmol)を室温でN下で添加した。次いで、反応混合物をN雰囲気下で終夜80℃に加熱した。EtOH(4mL)を添加し、反応を80℃で4時間続けた。反応物を室温に冷却し、EtOAc 50mL及び飽和NaHCO水溶液20mLで希釈した。有機相を分離し、塩水20mLで洗浄し、NaSOを用いて脱水し、減圧濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%EtOAc/ヘキサンから50%EtOAc/ヘキサン)によって精製して、所望の生成物(R)−N−(3−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン113(0.5g、42%)として淡黄色オイルを得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:378.0(M+1)。H NMR(400MHz、CDCl)δ ppm 10.0−10.2(br、2H)、6.8−7.5(m、9H)、6.8(s、1H);6.7(s、1H)、3.9(m、1H);3.7−3.8(m、1H)、3.8(s、3H);3.7(s、3H);3.4(m、1H)、3.2(s、3H)、1.7(d、J=7.0Hz、3H)。
【実施例26】
【0220】
(R)−N−(4−メトキシ−3−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミンの合成
【0221】
【化37】

【0222】
段階1.(R)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン115(1.24g、8.92mmol)と3−ブロモ−4−メトキシベンズアルデヒド114(1.92g、8.92mmol)を丸底フラスコ中の無水メタノール100mL中で混合した。混合物を20℃で10分間撹拌した後、フラスコを氷−水浴中で冷却した。このフラスコにシアノ水素化ホウ素ナトリウム(0.56g、8.92mmol)を添加し、続いて酢酸(0.54g、8.92mmol)を添加した。生成した混合物を12時間撹拌し、20℃に加温した。メタノールの大部分を除去した後、残留物をエチルエーテル200mLに溶解させ、飽和炭酸水素ナトリウムで3回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムを用いて脱水した。溶媒を減圧除去した後、ヘキサン中の50%酢酸エチルを溶離剤として用いたシリカゲルカラムに残留物をかけて、純粋な生成物(R)−N−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン116として無色オイルを得た(2.3g、収率=93%)。LCMS(M+1)338、C1617BrFNOの計算値338;H NMR(400MHz、クロロホルム−d)δ ppm 1.34(d、J=6.26Hz、3H)3.46−3.60(m、2H)3.78(q、J=6.39Hz、1H)6.84(d、J=8.22Hz、1H)6.90−6.98(m、1H)7.09(t、J=9.00Hz、2H)7.16(dd、J=8.41、2.15Hz、1H)7.27−7.34(m、1H)7.48(d、J=1.96Hz、1H)。
【0223】
段階2.(R)−N−(3−ブロモ−4−メトキシベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン116(0.502g、1.49mmol)を、THF 100ml及び1M炭酸カリウム20mL中のジ−tert−ブチルジカルボナート(0.488g、2.23mmol)で12時間処理した。反応混合物をエチルエーテル200mLと混合し、塩水で3回洗浄した。溶媒を除去した後、ヘキサン中の5%酢酸エチルを溶離剤として用いたシリカゲルカラムによって粗生成物を精製して、純粋な生成物(R)−tert−ブチル3−ブロモ−4−メトキシベンジル(1−(3−フルオロフェニル)エチル)カルバマート117として無色オイルを得た(0.65g、100%)。LCMS(M+1)438 C2125BrFNOの計算値438。
【0224】
段階3及び4.(R)−tert−ブチル3−ブロモ−4−メトキシベンジル(1−(3−フルオロフェニル)エチル)カルバマート117(0.108g、0.248mmol)、ピロリジン(0.025g、0.347mmol)、トリス(ジベンジリジンアセトン)−ジパラジウム(0)(0.57mg、0.6ummol)、ナトリウムtert−ブトキシド(35.7mg、0.372mmol)を、乾燥したマイクロ波加熱管中でトルエン1mLと混合した。混合物を窒素気流によって1分間脱気した。BINAP(1.16mg、1.86umol)を管に添加した後、管を密封し、Personal Chemistry Microwave Synthesizer(登録商標)中で120℃で20分間加熱した。反応混合物をジクロロメタン20mLと混合し、セライトパッドに通してろ過した。溶媒を減圧除去した後、ヘキサン中の40%酢酸エチルを溶離剤として用いたシリカゲルカラムに残留物をかけて、純度90%の生成物(0.109g)を黄色オイルとして得た。LCMS(M+1)429 C2533FNの計算値429。
この粗生成物をジオキサン中の4M HCl 3mLと一緒に20℃で24時間撹拌した。溶媒を除去した後、粗生成物をGilson HPLCによって精製して、所望の生成物(R)−N−(4−メトキシ−3−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン118を白色固体のTFA塩として得た。LCMS(M+1)329、C2025FNOの計算値329;H NMR(400MHz、メタノール−d4)δ ppm 1.62(d、J=6.8Hz、3H)2.10(bs、4H)3.55(bs、4H)3.85(d、J=13Hz、1H)3.89(s、3H)、4.06(d、J=13Hz、1H)4.39(q、J=6.8Hz、1H)7.12−7.23(m、4H)7.3(s、1H)、7.38−7.43(m、2H)。
【実施例27】
【0225】
表5の化合物を、一般的方法の項に記載の方法A又は方法Cによって調製した。
【0226】
【表5】










【実施例28】
【0227】
生物活性
カルシウム受容体に対する本発明の化合物の活性を測定した。一態様においては、国際公開第96/12697号の実施例4に記載の方法に従って測定を実施した。
【0228】
ヒト副甲状腺細胞Ca2+受容体(hPCaR)cDNAの4.0kb NotI−HindIII断片を、ハイグロマイシン耐性遺伝子を選択マーカーとして含むほ乳動物発現ベクターpCEP4(Invitrogen)にサブクローニングした。このプラスミドをHEK 293細胞にリン酸カルシウム沈殿によって移入した。10%ウシ胎児血清及びハイグロマイシン(200g/mL)を含むダルベッコ改変イーグル培地中で移入細胞を増殖させた。ハイグロマイシン耐性コロニーをサブクローニングし、(4.0kb)hPCaR配列に相補的である32P標識RNAプローブを用いた溶液ハイブリダイゼーションによって、hPCaR mRNAについて評価した(Garrett, et al.,J.Biol.Chem.270, 12919−12925(1995))。クローン7を使用して、[Ca2+に対する化合物の効果を評価した。この安定に移入された細胞系をHEK 293 4.0−7と称する。[Ca2+の測定では、(リン酸緩衝食塩水中の0.2g/L EDTA・4Naを含む)Versene(Invitrogen)で短時間処理することによって細胞を組織培養フラスコから回収し、次いでコラーゲン被覆384ウェルプレート(BD Biosciences)中の増殖培地(同上)中に20K細胞/ウェルで蒔いた。細胞を37℃のTC恒温器中で終夜増殖させた。次いで、培地を廃棄し、0.5%BSA及び1mM CaClを含む副甲状腺細胞緩衝剤(126mM NaCl、4mM KCl、1mM MgSO、0.7mM KHPO/KHPO、20mM HEPES・NaOH(pH7.45))中で、Ca2+ Assay Kit I(BD Biosciences)の1x色素を細胞に添加した。細胞に室温で90分間添加した。各試験化合物を細胞に添加し、それぞれ485及び530nmの励起及び発光波長を用いて蛍光を記録した。
【0229】
本発明の化合物を上記手順に従って試験し、本発明の化合物は10μM以下のEC50を有することが判明した。
【0230】
生体内測定
体重250−400gの雄性スプレーグドーリーラットに食物及び水を自由に摂らせた。無麻酔のラットに18ゲージ球状(balled)針を用いて0.5から1mlの体積で食事を投与した。化合物を20%Captisol水溶液中でpH7.0で処方し、又は2%ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)/1%Tween 80/5%Captisol水溶液中でpH2.0で処方した。カルシウム擬態薬を、20%Captisol中の0.03−30mg/kgの範囲の種々の用量で投与した。ビヒクルで処理したラットは、カルシウム擬態薬に用いた上記2種類のビヒクルの1つを最大体積(0.5−1ml)で投与された。0時(カルシウム擬態薬又はビヒクル投与前)及びカルシウム擬態薬又はビヒクルの強制経口投与後異なる時間(1、2、4、8及び24時間)で各ラットから採血した。
【0231】
血中イオン化Ca2+レベルを測定するために、ヘパリン処置した毛管を用いて、麻酔下のラット(O中の3%イソフルラン)の眼か静脈叢から血液(50μl)を収集した。血液試料を、収集から数秒以内にRapidlab 348 Blood Gas Analyzer(Bayer HealthCare LLC Diagnostic Division;Tarrytown、NY)を用いて分析した。
【0232】
血清PTH、リンを測定するために、ヘパリン処置されていない毛管を眼か静脈叢に挿入し、血液(0.5ml)をSST(凝固活性化因子)ブランドの採血管に収集した。血液試料を15−30分間凝固させ、4℃で遠心分離した(3000rpm、Sorvall RT 600B)。血清を除去し、評価するまで0℃未満で保存した。血清PTHレベルを、ラットPTH免疫放射線測定キット(Immutopics、San Clemente、CA)又はラット生理活性無処置PTH elisaキット(Immutopics、San Clemente、CA)を用いて供給業者の指示に従って定量した。血清リンレベルを血液化学分析計(AU 400;Olympus、Melville、NY)を用いて測定した。
【0233】
本明細書に引用する全刊行物、特許及び特許出願を、個々の刊行物又は特許出願を参照により組み入れるように具体的かつ個別に示したごとく、参照により本明細書に組み入れる。上記発明を、明瞭に理解できるように図示及び実施例によってある程度詳細に説明したが、添付した特許請求の範囲の精神又は範囲から逸脱することなく、ある変更及び改変がなされ得ることは、本発明の教示に照らして当業者には容易に明らかになるはずである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【化38】

(式中、
は、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
はC1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、置換若しくは非置換ピロリジニル、置換若しくは非置換アゼチジニル、又は置換若しくは非置換ピペリジルであって、置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択することができ、
Lは、−O−、−OC1−6アルキル−、−C1−6アルキルO−、−N(R)(R)−、−NRC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR1−6アルキル−、−C1−6アルキル−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)NR1−6アルキル−、−NRC(=O)R−、−NRC(=O)OR−、−OC1−6アルキル−C(=O)O−、−NR1−6アルキル−、−C1−6アルキルNR−、−S−、−S(=O)−、−NRS(=O)又は−S(=O)N(R)−であり、
Cyは、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、R、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、独立に、各場合において、H、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキルアリール又はアリールC1−6アルキルであり、
は、独立に、各場合において、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
は、独立に、各場合において、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基で置換され、
mは1又は2であり、
nは1又は2であり、
ただし、Lが−O−又は−OC1−6アルキル−である場合、Cyはフェニルではない。)
【請求項2】
が、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたフェニルである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
が、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換されたナフチルである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項4】
がHである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項5】
がHである、請求項4に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項6】
がHである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項7】
がハロゲンである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項8】
ハロゲンがClである、請求項7に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項9】
がメトキシである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項10】
が置換又は非置換ピペリジルであって、置換基が、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択され得る、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項11】
Lが−NRC(=O)−又は−NRC(=O)OR−である、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項12】
がHである、請求項11に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項13】
Lが−S−又はS(=O)−である、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項14】
Lが−NRC(=O)NR−又は−NR1−6アルキル−である、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項15】
がHである、請求項14に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項16】
Cyが、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項17】
Cyが、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいピリジル、置換されていてもよいイソオキサゾリル、置換されていてもよいチオフェニル、置換されていてもよいイミダゾリル、置換されていてもよいチアジアゾリル、置換されていてもよいピラゾリル、置換されていてもよいフラニル、及び置換されていてもよいオキサジアゾリルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩。
【請求項18】
化合物が以下からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩:
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−フランカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−フェニルプロパンアミド、
2−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)アセトアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,2−ジメチルプロパンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)ベンズアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−メチル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−ピリジンカルボキサミド、
フェニルメチル(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)カルバマート、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−2,5−ジメチル−1,3−オキサゾール−4−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−4−メチル−1,2,3−チアジアゾール−5−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−メチル−1,3−チアゾル−4−イル)−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−N’−フェニル尿素、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−1−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−1H−ピラゾール−3−カルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−3−イソオキサゾールカルボキサミド、
6−クロロ−N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−3−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−(2−ピリジニル)−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−5−フェニル−2−チオフェンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−(1−ナフタレニル)エチル)アミノ)メチル)フェニル)−2−ピリジンカルボキサミド、
(R)−N−(4−クロロ−3−ニトロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルチオ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(フェニルスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)ベンゼンスルホンアミド、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(モルホリノスルホニル)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−2−(ピロリジン−1−イル)アセトアミド、
(R)−N−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)−6−(ジメチルアミノ)ニコチンアミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−モルホリニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(4−メチル−1−ピペラジニル)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−(ジメチルアミノ)エチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(メチルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−(フェニルアミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((フェニルメチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
N−(2−クロロ−5−((((1R)−1−フェニルエチル)アミノ)メチル)フェニル)−6−((2−フェニルエチル)アミノ)−3−ピリジンカルボキサミド、
(R)−1−(2−(5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド)−4−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−1−(2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)フェニル)ピペリジン−4−カルボキサミド、
(R)−2−クロロ−5−((1−フェニルエチルアミノ)メチル)−N−(ピリジン−2−イルメチル)ベンゼンアミン、
(1R)−N−(3−(1H−ベンゾ[d]イミダゾル−1−イル)−4−クロロベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イル)ベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
((1R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチルピペリジン−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)アセタート、
(R)−N−(3−((1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((5−メチルイソオキサゾル−3−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((1−メチル−1H−イミダゾル−2−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(3−((5−tert−ブチル−1,2,4−オキサジアゾル−3−イル)メトキシ)−4−クロロベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−メチル2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボキシラート、
(R)−N−(4−クロロ−3−(6−メチルピリダジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(2−モルホリノエトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−N−(4−クロロ−3−(ピリジン−2−イルメトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
5−((2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾリジン−2−オン、
(R)−N−(4−クロロ−3−((3,5−ジメチルイソオキサゾル−4−イル)メトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
1−(2−クロロ−5−(((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)プロパン−2−オール、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(ピリジン−2−イル)エトキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(1R)−N−(4−クロロ−3−(1−(メチルスルホニル)ピロリジン−3−イルオキシ)ベンジル)−1−(3−クロロフェニル)エタンアミン、
(R)−2−(2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)酢酸、
(R)−2−((2−クロロ−5−((1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)メチル)フェノキシ)メチル)オキサゾール−4−カルボン酸、
N−(2−クロロ−5−(1−((R)−1−(3−クロロフェニル)エチルアミノ)エチル)フェニル)−5−メチルイソオキサゾール−3−カルボキサミド、
(R)−N−(3−(4−メトキシフェニル)−4,5−ジメトキシベンジル)−1−フェニルエタンアミン、
(R)−N−(4−メトキシ−3−(ピロリジン−1−イル)ベンジル)−1−(3−フルオロフェニル)エタンアミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
(3−シクロペンチルオキシ−4−メトキシ−ベンジル)−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−p−トリル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(シクロヘキサ−2−エニルオキシ)−4−メトキシ−ベンジル]−((R)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−アミン、
[3−(2−フェノキシ−エトキシ)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピリジン−2−イルメトキシ)−ベンジル]−アミン、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−p−トリル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸{3−[((S)−1−フェニル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
チオフェン−2−カルボン酸{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−アミド、
5−メチル−イソオキサゾール−3−カルボン酸(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−アミド、
1−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
4−アセチル−ピペラジン−1−カルボン酸2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチルエステル、
1−{4−[3−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−プロピル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(3−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−プロピル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−{3−[2−(4−フェニル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
N−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェニル)−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
N−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−2−ピロリジン−1−イル−アセトアミド、
フラン−2−イル−[4−(2−{3−[((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−メタノン、
1−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−エタノン、
1−[4−(2−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェノキシ}−エチル)−ピペラジン−1−イル]−エタノン、
フラン−2−イル−{4−[2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
{4−メトキシ−3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(2−メトキシ−5−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−{3−[2−(4−ピリミジン−2−イル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−アミン、
4−(フラン−2−カルボニル)−ピペラジン−1−カルボン酸2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチルエステル、
{3−[2−(4−ベンゾ[1,3]ジオキソル−5−イルメチル−ピペラジン−1−イル)−エトキシ]−ベンジル}−[(R)−1−(4−メトキシ−フェニル)−エチル]−アミン、
フラン−2−イル−{4−[2−(3−{[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチルアミノ]−メチル}−フェノキシ)−エチル]−ピペラジン−1−イル}−メタノン、
[(S)−1−(3−メトキシ−フェニル)−エチル]−[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−アミン、
[3−(モルホリン−4−スルホニル)−ベンジル]−((S)−1−フェニル−エチル)−アミン、
((S)−1−ナフタレン−1−イル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、
((S)−1−フェニル−エチル)−[3−(ピペリジン−1−スルホニル)−ベンジル]−アミン、及び
N−{2−メトキシ−5−[((R)−1−ナフタレン−1−イル−エチルアミノ)−メチル]−フェニル}−N−メチル−ベンズアミド。
【請求項19】
式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される希釈剤又は担体とを含む、薬剤組成物。
【化39】

(式中、
は、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
はC1−8アルキル又はC1−4ハロアルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
はH、C1−4ハロアルキル又はC1−8アルキルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、置換若しくは非置換ピロリジニル、置換若しくは非置換アゼチジニル、又は置換若しくは非置換ピペリジルであって、置換基は、ハロゲン、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、シアノ、ニトロ、−NRS(=O)又は−S(=O)NRから選択することができ、
Lは、−O−、−OC1−6アルキル−、−C1−6アルキルO−、−N(R)(R)−、−NRC(=O)−、−C(=O)−、−C(=O)NR1−6アルキル−、−C1−6アルキル−C(=O)NR−、−NRC(=O)NR−、−NRC(=O)NR1−6アルキル−、−NRC(=O)R−、−NRC(=O)OR−、−OC1−6アルキル−C(=O)O−、−NR1−6アルキル−、−C1−6アルキルNR−、−S−、−S(=O)−、−NRS(=O)又は−S(=O)N(R)−であり、
Cyは、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、R、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、部分若しくは完全飽和若しくは不飽和5−8員単環式、6−12員二環式、又は7−14員三環式環構造であって、環構造は炭素原子で形成され、単環式の場合は1−3個のヘテロ原子、二環式の場合は1−6個のヘテロ原子、又は三環式の場合は1−9個のヘテロ原子を含んでいてもよく、環構造の各環は、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OC1−6アルキル、−NR、NRC(=O)R、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)又は−S(=O)NRの1個以上の置換基で独立に置換されていてもよく、
は、独立に、各場合において、H、C1−4ハロアルキル、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、C1−6アルキルアリール又はアリールC1−6アルキルであり、
は、独立に、各場合において、C1−8アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、フェニル、ベンジル、ナフチル又は複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロから選択される0、1、2又は3個の置換基で置換され、
は、独立に、各場合において、C1−6アルキル、C1−4ハロアルキル、フェニル又はベンジルであり、
は、独立に、各場合において、H、C1−6アルキル、C1−6アルケニル、フェニル、ベンジル、ナフチルであり、又はN、O及びSから選択される1、2若しくは3個の原子を含む飽和若しくは不飽和5若しくは6員複素環であって、該原子のうち2個以下はO及びSから選択され、C1−6アルキル、フェニル、ベンジル、ナフチル及び複素環は、C1−6アルキル、ハロゲン、C1−4ハロアルキル、−OC1−6アルキル、シアノ及びニトロ、R、−C(=O)R、−OR、−NR、−C(=O)OR、−C(=O)NR、−OC(=O)R、−NRC(=O)R、−NRS(=O)及び−S(=O)NRから選択される0、1、2、3又は4個の置換基で置換され、
mは1又は2であり、
nは1又は2であり、
ただし、Lが−O−又は−OC1−6アルキル−である場合、Cyはフェニルではない。)
【請求項20】
請求項18に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩と、薬学的に許容される希釈剤又は担体とを含む、薬剤組成物。
【請求項21】
請求項1に記載の化合物、又は薬学的に許容されるその塩の治療有効量を投与することを含む、それを必要とする対象を治療する方法。
【請求項22】
対象が、高PTHレベルに関連する副甲状腺機能亢進症、高カルシウム血症又は慢性腎疾患に罹患している、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
対象が血管石灰化に罹患している、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
対象が下痢、同化不良又は栄養失調に罹患している、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
以下の構造を有する化合物を
【化40】

以下の構造を有するアミンと反応させて、
【化41】

生成物を得る段階を含む、請求項1に記載の化合物を製造する方法。

【公表番号】特表2010−508269(P2010−508269A)
【公表日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−534673(P2009−534673)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際出願番号】PCT/US2007/022714
【国際公開番号】WO2008/057282
【国際公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【出願人】(500049716)アムジエン・インコーポレーテツド (242)
【Fターム(参考)】