カルシウム含有組成物の製造のための速い湿式凝集方法
本発明は、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造のための新規な方法に関する。本方法は、i)カルシウム含有化合物を含む組成物を造粒室に供給すること、ii)医薬的に許容される結合剤を任意に含む造粒液で長くとも30秒間湿式凝集させて、湿潤顆粒を得ること、iii)このようにして得られる湿潤顆粒を乾燥することを含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造方法を含む。本方法により得られる顆粒は、固形投与形態の製造、特に錠剤の製造に特に適している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒(granulate)の製造のための新規な方法に関する。本方法により得られる顆粒は、固形投与形態の製造、特に錠剤の製造に特に適している。
【背景技術】
【0002】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体中の多くの重要な機能に不可欠である。多くの疾病、特に骨に関連した疾病は、十分な量のカルシウム含有化合物の摂取により治療される/予防的に治療される。通常、特に、例えばチュアブル錠または舐めることが可能な錠剤(suckable tablet)のような投与形態を形成するカルシウムは、比較的大量に経口投与されなければならない。
【0003】
しかしながら、この点における主な課題の一つは、正しくかつ有効な治療を達成するために、顧客の十分な服薬遵守を有する組成物を得ることである。この課題は、カルシウム含有化合物の不快な味および/またはマウスフィーリングに関し、その味および/またはマウスフィーリングをマスクすることは非常に困難である。したがって、医薬的または栄養補助的使用のためのカルシウム含有製品に関する開発は、この味をマスクすることに主に集中されている。このため、異なる製造工程、種々の味マスキング剤の使用およびそれらの組み合わせ等を含む、カルシウム含有化合物の味を適当にマスクする多くの異なった方法が明らかになっている。
【0004】
カルシウム含有固形投与形態の製剤に関するもう一つの主な課題は、投与形態のサイズである。通常、カルシウムの単回投与量は500 mg(12.5 mmol)であり、それは、カルシウム源として炭酸カルシウムが用いられるとき、単回投与量は1250 mgの炭酸カルシウムを含む(炭酸カルシウムのMWは100である)ことを意味する。さらに、カルシウム含有化合物を錠剤化するために、通常、医薬的に許容される賦形剤の添加を必要とする。このことは、カルシウムの単回投与量を含んで得られる錠剤は、比較的高い重量を有し、その結果、錠剤の容量が比較的高くなることを意味する。それゆえ、患者が錠剤を摂取することを不快と感じないように、投与形態の(例えば、通常、錠剤の形態での)サイズを可能な限り最小限にしようとすることは、最大限重要なことである。勿論、錠剤のサイズは、(飲み込まれる)経口投与用を意図した錠剤の場合に非常に重要である。
【0005】
その代わり、咀嚼錠のサイズは、適切な単回投与量を含む錠剤が、慣用の錠剤化装置により製造できるならば、それほど重要ではない。しかしながら、一回服用量分配を必要とする場合、サイズは重要である。さらに、咀嚼錠は、余り硬すぎて咀嚼できなくすべきではない。すなわち、それらは、錠剤を咀嚼することの容易性と錠剤を通常に取り扱うことに耐えるための強固さの重要性とのバランスを保った破砕強度を有すべきである。さらに、患者の服薬遵守を保証するために、マウスフィーリングと味が最大限重要である。
【0006】
カルシウム含有化合物を含む微粒子状(particulate)物質を製造するための特別な方法が、最終製品の味およびマウスフィーリングに影響を及ぼすことが見出されている。したがって、例えば、流動床法は、錠剤に圧縮されたとき、使用時に許容される味とマウスフィーリングを有するカルシウム含有微粒子状物質を製造することができることが見出されている。この場合、カルシウム含有化合物の品質ならびにカルシウム含有化合物を含む医薬組成物の製造法が、チュアブル錠の許容される味およびマウスフィーリングを得るために非常に重要である(WO 00/28973)。
【0007】
この方法により得られる顆粒は、適当な感覚性、すなわち許容されるマウスフィーリングおよび味を有する錠剤に加工される。しかしながら、そのような錠剤は、例えば一回服用量分配機での充填に曝されることに耐える、適当な小サイズ、適当な機械的安定性および適当な機械的強度を有しなければならない。さらに、流動床工程は、しばしば、非常に多孔性の顆粒を生じ、次にそれは多孔性の錠剤を生じる。すなわち、そのような錠剤は、余り大きすぎて一回服用量分配機のカセットに適合できない可能性がある。
【0008】
さらに、流動床法は、一般的に、例えば舐めることおよび飲み込むことを意図した錠剤に適用できない。その理由は、カルシウムが比較的大量に調薬され、単回投与形態(錠剤)においてこの用量を含むため、錠剤のサイズは、患者が飲み込むのに不都合な大きさになる。したがって、流動床工程は、チュアブル錠の製造において特別有用である。
【0009】
飲み込むのに適したカルシウム含有錠剤(すなわち、カルシウム含有化合物のチョーク味およびマウスフィーリングを考慮しないで製造される錠剤)は、例えば高剪断混合を含む方法により製造できる(WO 06/09036 Innothera)。この方法を用いることにより、比較的密度の高い顆粒が得られ、これは、次いで、流動床法が用いられたときに得られるものと比較して、サイズの減少した錠剤を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らにより対処される課題は、優先無しに、チュアブル錠の形態ならびに飲み込むことの可能な錠剤の形態で、カルシウム含有化合物の投与形態を製造できる代替法を提供することである。換言すれば、既知の方法は、チュアブル錠の製造または飲み込むことの可能な錠剤の製造における使用のどちらかに適している。それらとは対照的に、本発明による方法は、チュアブル錠および飲み込むことの可能な錠剤のそれぞれの製造の両方に用いることができる。
【0011】
そのような方法は、錠剤が咀嚼されることまたは飲み込まれることを対象としているかどうかにかかわらず、錠剤の製造において同じ装置を用いることを可能にするので、高い経済的な可能性を有する。したがって、同じ製造ラインを、一方の方法から他方の方法へ容易に変えることができ、二つの独立しかつ異なった製造装置に投資する必要がない。
【0012】
したがって、患者がそれを飲み込むために、小さくされかつ使いやすいサイズを有する錠剤のような投与形態の製造を可能にし、さらにチュアブル錠の製造にも用いることができる、新規な方法を開発する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の詳細な説明
したがって、本発明は、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造方法に関し、その顆粒は、チュアブル錠の形態ならびに飲み込むことの可能な錠剤の形態での投与形態を製造するのに適し、その方法は、
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を造粒室に供給すること、
ii)医薬的に許容される結合剤を含む造粒液で前記組成物を長くとも30秒間湿式凝集(wet-massing)させて、湿潤顆粒を得ること、
iii)このようにして得られる湿潤顆粒を乾燥すること
を含む。
【0014】
造粒液の適用およびカルシウム含有化合物を含む組成物の湿式凝集の非常に短くかつ激しい工程が、チュアブル錠、舐めることの可能な錠剤または飲み込むことの可能な錠剤の製造に適する顆粒をもたらすことが見出された。特に、チュアブル錠に関して、上記工程の非常に短い処理時間が、(流動床および高剪断混合のような既知の方法と比較して)同様かまたはより高い多孔性を可能にし、次いで、それが、口腔の唾液に曝されたとき、錠剤のより良い湿潤性をもたらすことが考えられる。錠剤のより良い湿潤性は、改良された味(すなわち、カルシウムのチョークフィーリングおよび味が目立ちにくくなる)およびマウスフィーリングの感覚をもたらす。
【0015】
造粒液の適用および湿式凝集を行なうことの処理時間は、用いられる装置により変化し得る。具体的な態様において、工程ii)の湿式凝集は、例えば長くとも約15秒、長くとも約10秒または長くとも約5秒のような、長くとも約20秒間行なわれる。
【0016】
本方法においての使用に特に適した装置は、Hosokawa Micronによって製造される。本明細書中の実施例においては、Schugi Flexomix FX-160モデルが用いられたが、本発明はこの特定のモデルの使用に限定されず、前記のような湿式凝集の非常に速い工程をもたらす同じような構造を有するその他のモデルおよび装置も、本発明の範囲に含まれる。例えばSchugi Flexomixにおいて、工程ii)の湿式凝集は、長くとも約1秒間、好ましくは長くとも約0.5秒、長くとも約0.4秒、長くとも約0.3秒または長くとも約0.2秒行なわれる。
【0017】
使用される装置のサイズにより、造粒液の流速と同様に、造粒室へのカルシウム含有組成物の供給速度は変化し得る。
【0018】
通常、本明細書中の実施例で用いられるような装置において、例えば300〜約850 kg/h、約300〜約750 kg/h、300〜約700 kg/h、約350〜約650 kg/h、約400〜約600 kg/h、約500 kg/hのような約450〜約550 kg/hのような、約200〜約1000 kg/hの供給速度で造粒室は供給される。
【0019】
非常に速い製造を意図した装置において、例えば約1100〜約1300 kg/hのような約1000〜約1500 kg/hの供給速度で造粒室は供給される。
【0020】
造粒液の液体流量も、造粒液の適用および組成物を湿式凝集することの速くてかつ効果的な工程を得るために重要なパラメータである。通常、造粒液は、約15〜約100 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される。再度、流速は装置のサイズに依存し、より大きな装置は、より小さい装置よりもより高い流速を可能にする。さらに、流速の選択は、チュアブル錠および飲み込むことの可能な錠剤をそれぞれ製造するための重要なパラメータである。本明細書の実施例から、当業者は、所望の投与形態に依存する適切な流速の選択の仕方に関しての手引きを見出すことができる。
【0021】
本実施例で使用された装置において、造粒液は、例えば約20〜約60 kg/h、約20〜約50 kg/h、約20〜約40 kg/hまたは約25〜約35 kg/hのような、約15〜約80 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される。当業者は、使用される装置に依存する液体流量の調整の仕方を知るであろう。本実施例で使用されたものよりも大きな装置に対する手引きとして、造粒液は、例えば約60〜約200 kg/h、約65〜約150 kg/h、約70〜約125 kg/hまたは約75〜約105 kg/hのような、約50〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧され得る。
【0022】
粉末組成物ならびに造粒液の連続供給は、工程が連続的であるこを可能にする。すなわち、それは、例えば2日以上、3日以上、4日以上、5日以上または7日以上のような、1日以上の間、連続的であり得る。原則的に、時間は製造される顆粒の量に基づき決定されるが、それは、洗浄を必要とする装置の部品の目詰まりによって中断されてもよい。
【0023】
Schugi Flexomix装置(または同様の装置)を用いる具体的な態様において、カルシウム含有化合物を含む組成物は造粒室の上部から供給され、重力により造粒室を通過する。その室は、組成物の激しい湿式凝集を可能にする多くのナイフを含む。高剪断混合法と比較して、本方法による造粒液の適用および湿式凝集の工程はずっと速い。
【0024】
カルシウム含有化合物を含む組成物は、カルシウム含有組成物自体からなり得るか、またはそれは、ここに記載されたような一以上の医薬的に許容される賦形剤も含み得る。もし、組み合わせの製品、すなわち一より多い医薬的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む製品を製造することを望むなら、その組成物は、一以上のそのような物質も含み得る。このために、カルシウムと例えばビタミンDのような栄養剤とを含む組み合わせの製品が既に市場にあり、治療において有効であることが証明されていることが言及されるべきである。しかしながら、ビタミンDの湿気および酸化に対する感受性のため、通常、ビタミンDは、例えば顆粒を錠剤に圧縮する前に顆粒に加えられる。すなわち、ビタミンDは、本発明による方法の造粒工程に付されない。
【0025】
カルシウム含有化合物
本発明により製造される顆粒中に含まれるカルシウム含有化合物は、治療的および/または予防的に活性な、生理学的に忍容され得るカルシウム含有化合物である。
【0026】
前記のように、カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体の多くの重要な機能に必須である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長はカルシウムにより調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0027】
カルシウム選択チャンネルは、細胞膜の一般的な特徴であり、神経組織の電気的活性および神経分泌顆粒の放電は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyne RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌と重要な酵素および蛋白質の活性は、カルシウムに依存する。最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは、骨格の硬さおよび強さを与える(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は、全身カルシウムの99%以上を含むので、骨格のカルシウムは、主な長期的カルシウム貯蔵所としても働く。
【0028】
例えば、炭酸カルシウムまたはリン酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているかまたは恐れのある患者のカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは、制酸錠剤中の酸中和剤として用いられる。
【0029】
前記のように、カルシウムは、哺乳類の体内、特にヒトにおいて、多くの重要な機能を有する。さらに、多くの動物モデルにおいて、慢性の低カルシウム摂取はオステオペニアを生じる。オステオペニアは、皮質骨より海綿骨に影響を及ぼし、カルシウムの補足で完全に可逆的になり得ない。もし、その動物が成長していけば、減じられたカルシウムの摂取は発育阻害を招く。早産新生児において、高いカルシウムの摂取は、骨格のカルシウム付着の増加を大きくし、もし十分高ければ、在胎のカルシウム保持と等しくできる。成長の間に慢性的なカルシウムの不足はくる病を招く。思春期前後の両方の健康な子供にカルシウムの補給は、骨の質量の増加に導く。思春期において、カルシウムの摂取が高いほど、初潮直後に生じる一番高い保持をもって、カルシウムの保持が大きくなる。
【0030】
総合すれば、これらのデータは、子供および思春期において、カルシウムの適切な摂取が考慮されれば、骨質量のピークを、カルシウムで食生活を補完することにより、最適にすることができることを提案する。成長の間に骨格中のカルシウムの沈着を最適にすることに関与するメカニズムは知られていない。それらは、多分、もしカルシウムの供給が高ければ、類骨の最適な石灰化を保証するミネラル化工程の先天的な性質である。カルシウム欠乏の状態での成長の発育阻害に応答する因子も知られていないが、骨格の大きさを調節する成長因子を明らかに含む。
【0031】
大人において、カルシウムの補給は、年齢に関する骨損失の速度を減少させる(Dawson-Hughes B. Am J Clin Nut 1991;54:S274-80)。カルシウムの補給は、食物から最適なカルシウム摂取を達成することができないか、またはできないであろう個体にとって重要である。さらに、カルシウムの補給は、骨粗鬆症等の予防および治療において重要である。
【0032】
その上、カルシウムは、大腸内で抗癌作用を有し得る。いくつかの予備的な研究は、高カルシウム食またはカルシウム補充の摂取は、大腸・直腸癌の減少に関係することを示している。アセチルサリチル酸(ASA)および他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と組み合わせたカルシウムが直腸結腸癌の危険性を減少させる証拠が増えている。
【0033】
最近の調査研究は、カルシウムが月経前症候群(PMS)を緩和し得ることを提案している。いくらかの研究者は、カルシウム調節の乱れが、PMS症状の進展における根本的な要因であると信じている。ある研究において、米国全体の閉経前の女性の446人グループの半分が三回の月経周期について追跡され、周期を通して毎日1200 mgのカルシウム補給物が与えられた。最終結果は、プラセボを摂取した女性の48%がPMS関連症状を示した。カルシウム錠剤を摂取した人では30%のみだった。
【0034】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウムを必要とするため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。チョーク(chalk)の独特の優勢な味またはフィーリングなしに、快適な味と許容可能なマウスフィーリングを有するカルシウム塩を含むチュアブル錠に製剤化することは難問である。
【0035】
本発明による使用のためのカルシウム含有化合物は、例えばビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート(calcium cornate)、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート(calcium glubionate)、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート(calcium lactobionate)、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート(calcium pidolate)、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムであり得る。
【0036】
その他のカルシウム源は、水溶性カルシウム塩、または例えばアルギン酸カルシウム、カルシウム-EDTA等のような複合体、または例えば有機リン酸カルシウムのようなカルシウムを含む有機化合物であり得る。骨粉、ドロマイトおよびその他の粗製カルシウム源の使用は、それら供給源が鉛およびその他の毒性汚染物質を含み得るので、思いとどまらされる。しかしながら、そのような供給源は、もしそれらが所望の度合に精製されれば、適切であり得る。
【0037】
カルシウム含有化合物は、単独またはその他のカルシウム含有化合物と組み合わせて用いられ得る。
ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムが特に興味がある。異なるカルシウム含有化合物の混合物も用いられ得る。以下の実施例に示すように、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが、カルシウム含有化合物としての使用に特に適しており、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム(Ca5(PO4)OH)およびβ-リン酸三カルシウム(Ca3(PO4))は高いカルシウム含有量を有する。一方、リン酸二カルシウム(CaHPO4)のカルシウム含有量はより低いが、高密度品質で利用できる。
【0038】
炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが特に興味がある。
通常、本発明により製造される錠剤は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する量のカルシウム含有化合物を含む。
【0039】
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは三つの異なる結晶構造:カルサイト、アラゴナイトおよびバテライトで存在し得る。鉱物学的に、これらは、結晶構造中のカルシウム、炭素および酸素原子の明確な配列に関する特異なミネラルの様相である。これらの明確な様相は、結晶形の形状および対称性に影響を及ぼす。
【0040】
例えば、カルサイトは四つの異なる形状:偏三角面体状、プリズム状、球状および菱面体状で入手可能であり、アラゴナイト結晶は、例えば別々かまたは房になった針状形として得られる。例えば立方体形(ScoraからのScoralite 1A+B)のような他の形状も入手可能である。
【0041】
以下の例に示されるように、炭酸カルシウムの特に適した品質は、例えば50 μm以下または40 μm以下のような、60 μm以下の平均粒子径を有する炭酸カルシウムである。
さらに、炭酸カルシウムの興味ある品質は、2 g/mLより小さい嵩密度を有する。
【0042】
10〜30 μmの平均粒子径、0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度、および0.3 m2/gの比表面積を有する、炭酸カルシウム2064 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
約3.9 μmの平均粒子径および0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する、炭酸カルシウム2069 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0043】
Scoralite 1A(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、5〜20 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、10〜25 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.4〜0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1A+1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、7〜25 μmの平均粒子径、0.7〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.35〜0.8 m2/gの比表面積を有する;
【0044】
Pharmacarb LL(Mahawah New Jersie、Chr. Hansenから入手可能)Lは、12〜16 μmの平均粒子径、1.0〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する;
Sturcal H(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約4 μmの平均粒子径、0.48〜0.61 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Sturcal F(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約2.5 μmの平均粒子径、0.32〜0.43 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0045】
Sturcal M(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、7 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および1.5 m2/gの比表面積を有する;
【0046】
Sturcal L(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約7 μmの平均粒子径、0.78〜0.96 g/mLの見掛け嵩密度を有し、Sturcal Lは偏三角面体状の結晶からなる;
【0047】
Socal P2PHV(ベルギー、ブリュッセル、Solvayから入手可能)は、1.5 μmの平均粒子径、0.28 g/mLの見掛け嵩密度、および7.0 m2/gの比表面積を有し、Socal P2PHVは偏三角面体状の結晶からなる;
【0048】
Mikhart 10、SPL、15、40および65 (フランス、Provencale、Provencaleから入手可能);
Mikhart 10は10 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart SPLは20 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 15は17 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 40は30 μmの平均粒子径、1.1〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Mikhart 65は60 μmの平均粒子径、1.25〜1.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0049】
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、5.8 μmの平均粒子径および1.8 m2/gの比表面積を有する;
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、8.2 μmの平均粒子径および1.3 m2/gの比表面積を有する;
【0050】
Omyapure 35(フランス、パリ、Omya S.A.Sから入手可能)は、5〜30 μmの平均粒子径、および2.9 m2/gの比表面積を有する;
【0051】
10〜30 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mlの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する、Calci Pure 250 Heavy、Calci Pure 250 Extra HeavyおよびCalci Pure GCC HD 212(セントルイス モンタナ、Particle Dynamic Inc.から入手可能)。
【0052】
リン酸カルシウム
約70 μmの平均粒子径および約1.3 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、DI-CAFOS A (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
平均粒子径<7 μmおよび約0.9 g/mlの嵩密度を有する、DI-CAFOS PA (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0053】
平均粒子径<6 μmおよび約0.25 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、TRI-CAFOS P (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
約70 μmの平均粒子径および約0.5 g/mlの嵩密度を有する、TRI-CAFOS S (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0054】
平均粒子径<5 μmおよび約0.6 g/mlの嵩密度を有する、CAFOS DB (Ca3(PO4)2) (ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
その他の品質も、本発明による使用に適し得る。
【0055】
本発明により製造される錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような、約40重量%〜約100重量%の範囲であるか、または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%である。
【0056】
通常、治療または予防目的のためのカルシウムの用量は、一日当たり、約350 mg(例えば新生児)〜約1200 mg(授乳中の女性)である。錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、錠剤が一日1〜4回、好ましくは一日1または2回の投与に適する量に調整され得る。
【0057】
造粒液
カルシウム含有化合物を含む組成物の凝集を得るために、結合剤、特に水溶性結合剤が有用である。その結合剤は、カルシウム含有化合物を含む組成物に加えられ得るか、または造粒液の形態で加えられ得る。具体的な態様において、結合剤は、カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれる。造粒液は、例えばアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)のような有機溶剤が加えられ得るが、通常、水をベースとされる。
【0058】
具体的な態様において、結合剤は水溶性結合剤から選択される。
適当な結合剤の例は、例えばデキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH101、Avicel(登録商標) PH102またはAvicel(登録商標) PH105のような種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標) P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、例えばデキストラン、大豆ポリサッカライドのようなポリサッカライドを含む。
【0059】
湿式造粒を含む特に興味ある態様において、結合剤はPVP 30、PVP 90またはそれらの混合物である。一般的に、その濃度は、例えば約0.2〜約8重量%、約0.3〜約7重量%、約0.4〜約6重量%または約0.4〜約5重量%のような、約0.1〜約10重量%である。
【0060】
結合剤のもう一つのタイプは、以下に記載のような糖アルコールである。したがって、興味ある態様において、結合剤のような性質を有する糖アルコールを用いることが好都合である。すなわち、それは、組成物においておよびさらに合着(coherent)錠に圧縮する間の結合において、個々の粒子間で結合を起こすことがある程度可能である。したがって、結着性を有するそのような糖アルコールは、凝集工程ならびに錠剤化工程を容易にする。
【0061】
本発明による方法での使用に適した糖アルコールは、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール等およびそれらの混合物からなる群から選択される。通常、カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。一般に、前記の全ての糖アルコールが、結合剤として用いられ得る。しかしながら、適当な結合を得るために必要とされる量は、該当の糖アルコールの結着性に依存する。以下の図9に、種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)の関数としての破砕強度をグラフにしたものを示す。このグラフから、より低い傾きを有する糖アルコールは、より急勾配の傾きを有する糖アルコールより多くの量を必要とすることが分かる。
【0062】
カルシウム含有化合物を含む組成物中の結合剤の濃度は、用いられる特定の結合剤により大きく範囲が変わり得るが、一般的に、例えば約0.2〜約35重量%、約0.3〜約30重量%または約0.4〜25重量%もしくは約0.4〜約24.2重量%のような、約0.1〜約40重量%の間である。特に、結合剤としてPVPが用いられる場合、その濃度は、通常、約0.1〜約1重量%のようにより低い範囲になり、一方、ソルビトールの場合、その濃度は、通常、約20〜30重量%であり、ソルビトール以外のその他の糖アルコールの場合、その濃度は、通常、約30〜約40重量%のようにより高い範囲になる。
【0063】
糖アルコールが結合剤として用いられるか否かに拘わらず、一以上の糖アルコール(例えば、前記のような)が、具体的な態様中に含まれる。糖アルコールはそれ自体、それらを本件における使用に特に適するようする甘味特性および味マスキング特性を有する。カルシウム含有化合物を含む組成物中(あるいは、得られる顆粒中)の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。しかしながら、糖アルコールまたは糖アルコールの混合物が単独の結合剤として用いられる場合、糖アルコールの全濃度は、通常、例えば少なくとも15重量%または少なくとも20重量%のような、少なくとも10重量%である。通常、その濃度は40重量%を超えない。
【0064】
好ましくは、造粒液は水性媒体である。結合剤が造粒液中に含まれる場合、造粒液は結合剤を水に溶解することにより調製される。あるいは、結合剤は、その粉末に乾燥形態で混合され得る。
【0065】
湿潤顆粒は適当な乾燥室中で乾燥に付される。それは、例えば垂直または水平に配置された、バッチ的もしくは連続的な両方の流動床のような造粒機に連結された乾燥室であり得る。
【0066】
前記のように、本発明による方法で得られる顆粒は、そのままで用いられ得るが、例えば、錠剤、カプセルまたはサシェのような固形投与形態へさらに加工することにも非常に適している。
【0067】
以下の実施例において、チュアブル錠または飲み込むことの可能な錠剤それぞれを製造するために、重要なパラメータのうちのどれを考慮すべきか、そして適した設定をどのようにして選択するかの手引きを与える。この手引きを基に、当業者は、所望のカルシウム含有製品を得るために、その組成および種々の工程パラメータの調整の仕方を知るであろう。
【0068】
本発明の一つの態様において、本方法により得られる顆粒は、錠剤に製造されることを意図している。しばしば、得られる顆粒の付着を避け、そして/または流動性を増加するために、一以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば滑沢剤)を加えることが必要である。したがって、本方法は、得られる顆粒と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程も含み得る。
【0069】
カルシウム含有化合物以外の活性な物質を含むことが望まれる場合、本方法は、得られる顆粒に一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程も含み得る。
そのような物質は、例えば、一以上のビタミンまたはミネラルのような、一以上の栄養剤を含む。具体的な態様において、さらなる活性な物質は、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである。
【0070】
ビタミンDまたはその他の活性物質
本発明により製造される顆粒または錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含み得るか、またはそれは、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤を含み得る。例えばビタミンB、ビタミンC、ビタミンDおよび/またはビタミンK、ならびに例えば亜鉛、マグネシウム、セレン等のようなミネラルが特に興味がある。
【0071】
例えばビタミンD2(エルゴカルシフェロール)ならびにロシュ(Roche)から入手可能な乾燥ビタミンD3、100 CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3 100 GFPを含むビタミンD3(コレカルシフェロール)のような、一以上のビタミンD化合物が特に興味がある。
【0072】
カルシウムおよび骨格の恒常性への作用に加えて、ビタミンDは、身体のいくつかの主なシステムの調節に関与する。ビタミンDの作用は、主に腎臓で作られる1,25-(OH)2 ビタミンD とビタミンD受容体(VDR)とで形成される複合体によりゲノムでメディケート(medicated)される。ビタミンD受容体は多くのセルタイプ中に広く分布している。1,25-(OH)2 ビタミンD/VDR複合体は、細胞分化および免疫系において重要な調節の役割を有している。これらの作用のいくつかは、多分、腎臓よりも他のある組織の、局所的に1,25-(OH)2 ビタミンDを作り、傍分泌として作用する能力に依存する(Adams JSら、Endocrinology 1996;137:4514-7)。
【0073】
ヒトにおいて、ビタミンDの欠乏は、小児においてくる病および大人において骨軟化症をもたらす。基本的な異常は、石灰化は骨芽細胞により行なわれるので、類骨から離れる石灰化速度の遅れである(Peacock M. London Livingstone, 1993:83-118)。この遅れが、骨芽細胞における、1,25-(OH)2 ビタミンD-依存メカニズムの破綻によるか、もしくは吸収不良の次のカルシウムおよびホスフェートの供給の減少によるか、または二つの組み合わせによるかどうかは明らかではない。石灰化の遅れに伴い、カルシウムおよびホスフェートの供給減少、低カルシウム血症および低リン酸塩血症を伴う重篤な二次性上皮小体機能亢進症および骨交替(turnover)の増加がある。
【0074】
ビタミンDの不足、ビタミンD欠乏の前臨床段階も、欠乏で見られるより緩和な度合ではあるが、カルシウム供給の減少および二次性上皮小体機能亢進症を引き起こす。もし、この状態が慢性になれば、オステオペニアを生じる。このカルシウムの不足状態の根底にある生化学的プロセスは、多分、その基質の25-OHDの還元による1,25-(OH)2 ビタミンDの不適切なレベルである(Francis RMら、Eur J Clin Invest 1983; 13:391-6)。
【0075】
ビタミンD不足の状態は、高齢者において、最も一般的に見られる。年齢に伴い、日光曝露の減少および起こり得る皮膚合成の減少により、血清25-OH ビタミンDが減少する。さらに、高齢者において、カルシウム取り込みの減少および逆説的なカルシウム吸収の減少により、この状態は悪化させられる。腎の1,25-(OH)2 ビタミンD産生の減少を生じる、年齢に伴う腎機能の減少が要因となり得る。
【0076】
高齢者の骨損失における、ビタミンD補給の効果の多くの研究がある。あるヒトはカルシウムの補給なしに、他のヒトはカルシウムの補給を伴う。その研究から、ビタミンD補給は欠乏および不足を覆すのに必要ではあるが、主な骨格の異常はカルシウム欠乏であるので、骨格に関する限りは、カルシウムを補給することがましてやなおさら重要であることが分かる。
【0077】
臨床試験に基づく文献において、最近の発見は、高齢の患者に対して、より高用量のビタミンDの必要性の傾向を提案している(Compston JE. BMJ 1998;317:1466-67)。ビタミンD 150.000〜300.000 IUの毎年の注射(約400〜800 IU/日に相当)のオープン準ランダム研究は、治療患者において、体全体の骨折率の有意な減少を示したが、股関節骨折の率には有意な減少を示さなかった(Heikinheimo RJら、Calcif Tissue Int 1992; 51:105-110)。
【0078】
前記から分かるように、カルシウムとビタミンDの組み合わせに興味がある。カルシウムとビタミンD3の推奨される一日許容量(recommended Daily Allowance (RDA))は次のとおりである(欧州委員会、欧州共同体中の骨粗鬆症の報告、予防のための処置、欧州共同体の公報局、ルクセンブルグ 1988):
【0079】
グループ年齢(歳) カルシウム(mg)* ビタミンD3 (μg)
新生児 0-0.5 400 10-25
0.5-1.0 360-400 10-25
小児 1.0-3.0 400-600 10
4.0-7.0 450-600 0-10
8.0-10 550-700 0-10
【0080】
男性 11-17 900-1000 0-10
18-24 900-1000 0-15
25-65 700-800 0-10
65+ 700-800 10
女性 11-17 900-1000 0-15
18-24 900-1000 0-10
25-50 700-800 0-10
51-65 800 0-10
65+ 700-800 10
妊婦 700-900 10
授乳婦 1200 10
* カルシウムのRDAは、国によって変わり、多くの国で再評価中である。
【0081】
ビタミンDは湿気に非常に感受性であり、分解される。それゆえ、ビタミンDは保護マトリックスの状態でしばしば投与される。したがって、ビタミンDを含んで錠剤が製造されるとき、錠剤化工程の間に適用される圧縮力が、マトリックスの保護効果を減少せず、それによりビタミンDの安定性を損なわないことが、最も重要である。
【0082】
このために、本発明により製造される顆粒または錠剤中の種々の成分の組み合わせは、錠剤化の間に比較的低い圧縮力を用い、適当な機械的強度(破砕強度、破砕性等)を有する錠剤を達成することができるので、ビタミンDもその組成物中に組み込まれる場合に、非常に適していることが証明された。
【0083】
したがって、圧縮工程は、錠剤の直径および所望の高さに関して調整される圧縮力で行われ、それゆえ、適用される圧縮力は、最大で約50 kN、最大で約40 kN、最大で約30 kNまたは最大で約20 kNのような最大でも約25 kNである。
【0084】
具体的な態様において、本発明は、
i)活性物質としてカルシウム含有化合物、
ii)ビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0085】
より具体的には、本錠剤は、
i)少なくとも200 mgのカルシウム含有化合物(通常の範囲200〜1500 mg)、
ii)少なくとも5 μgのビタミンD(通常の範囲5〜100 μg - 1 μg=40 IU)、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0086】
具体的な態様において、本発明は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約0.00029重量%〜約0.0122重量%のビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0087】
特に、本錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約5〜30重量%の甘味剤
iii)約0.12重量%〜約4.9重量%の供給業者により供給されたままの保護マトリックスを含むビタミンD、
iv)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0088】
本発明による錠剤の製造
本発明による方法は、任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合されている、ここに記載のようにして得られる顆粒の圧縮をも含み得る。
【0089】
一般的に、錠剤は当業者に既知のあらゆる適当な方法により製造できる。当業者は、任意にRemington's The Science and Practice of Pharmacy (2003)からの手引きを用いて、異なる技術を採用する仕方を知るだろう。
【0090】
通常、錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する。
【0091】
医薬的に許容される賦形剤
本文脈において、「医薬的に許容される賦形剤」の用語は、それ自体があらゆる治療的および/または予防的効果を実質的に有しない意味で不活性である、あらゆる物質を意味する。医薬的に許容される賦形剤は、許容可能な技術的性質を有する医薬組成物を得ることを可能にする目的で、活性薬物に加えられ得る。
【0092】
通常、カルシウム含有化合物は、錠剤への圧縮前に、一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合される。そのような賦形剤は、例えば、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、芳香剤、着色剤のような固形剤の製剤化に通常用いられるものを含み、甘味料、安定化剤等を含む。
【0093】
本発明により製造される錠剤における使用に適した賦形剤の例は次のとおりである。
【表1】
【0094】
甘味剤
好適な甘味料の例は、デキストロース、エリトリトール、フルクトース、グリセリン、グルコース、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール等を含む。ソルビトール、例えば、Neosorb P100T、Sorbidex P166B0およびSorbogem Fines Crystalline Sorbitolは、Roquette Freres, CerestarおよびSPI Polyols Inc.からそれぞれ入手可能である。Maltisorb P90(マルチトール)はRoquette Freresから入手可能、Xylitol CM50、Fructofin CM(フルクトース)およびLactitol CM50はDanisco Sweetenersから入手可能、Iaomalt ST-PF、Gaio TagatoseおよびManitolはPalatinit, Arla FoodsおよびRoquette, Freresからそれぞれ入手可能である。
【0095】
ソルビトールは(ショ糖と比較して)0.55の甘味効果を有し;マルチトールは≦1の甘味効果を有し;キシリトールは1の甘味効果を有し;イソマルトは<0.5の甘味効果等を有する。甘味効果は、個々の甘味剤の選択と関連して価値があり得る。したがって、もし錠剤の減少した重量と容量を望むなら、高い甘味効果を有する甘味剤を選択することが好適である。
【0096】
人工甘味料
アセスルファムカリウム、アリテーム、アスパルテーム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジン塩酸塩、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)、スクラロース(sucralose)、タウマチンおよびそれらの混合物。
【0097】
芳香剤
アプロコット(Aprocot)、レモン、レモン/ライム、ライム、オレンジ、マンダリン、例えば、Firmenich, Kerpen, Germanyから入手可能なアプロコット501.110 AP0551、レモン501.051 TP0551、レモン501.162 AP0551、レモン/ライム501.053 TP0551、ライム501.054 TP0551、オレンジ501.071 AP0551、オレンジTP0551、オレンジ501.434 P0551、マンダリン501.AP0551、レモン デュラローム(Durarome)501.282 TDI1091、またはTasteTech, Bristol, Englandから入手可能なジューシー レモン フレバリング(Juicy Lemon Flavouring)T3602、またはGivaudan Schweiz AG, Kemptthal, Schweizから入手可能なレモン ライム フレーバー パームシール(Lemon Lime Flavour Permseal)11029-31、レモン フレーバー パーマシール(Lemon Flavour Permaseal)12028-31、レモン フレーバー ウルトラドシール(Lemon Flavour Ultradseal)96918-71、またはFrey + Lau Gmbh, Henstedt-Ulzburg, Germanyから入手可能なレモン フレーバー パウダー(Lemon Flavour Powder)605786、レモン フレーバー パウダー605897。
【0098】
糖アルコール
本発明による方法での使用に適した糖アルコールは、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール等、およびそれらの混合物からなる群から選択される。通常、存在するなら、カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜約40重量%、約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、最大でも約40重量%である(前記を参照)。
【0099】
崩壊剤
アルギン酸−アルギネート、カルボキシメチルセルロース カルシウム、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)のようなセルロース誘導体および微結晶性セルロース、ポラクリリン カリウムまたはナトリウム、ポリアクリル酸、ポリカーボフィル、ポリエチレングリコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルピロリドン(例えばPolyvidon(登録商標)CL、Polyvidon(登録商標)CL-M、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL、Polyplasdone(登録商標)XL-10);カルボキシメチル澱粉ナトリウム(例えばPrimogel(登録商標)およびExplotab(登録商標))、クロスカルメロース ナトリウム(すなわち、架橋したカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩、例えばAc-Di-Sol(登録商標))、ナトリウム澱粉グリコレート、澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉)、α化澱粉。
【0100】
当業者は、圧縮性錠剤が30分以内、より望ましくは15以内、最も望ましくは5分以内に崩壊することが好ましいことを理解するであろう。それゆえ、好ましくは、用いられる崩壊剤は、30分以内、より好ましくは15分以内、最も好ましくは5分以内に錠剤の崩壊をもたらす。しかしながら、咀嚼のみのための錠剤に対しては、幾分長い崩壊時間が許される。
【0101】
発泡剤(例えば炭酸水素ナトリウム(炭酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属)とクエン酸(酒石酸、フマル酸等)との混合物)。
【0102】
グリダント(Glidant)および滑沢剤
ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、タルク、高融点を有するワックスおよびグリセリド、水素化植物油、コロイドシリカ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコールおよびアルキルサルフェートのようなグリダントおよび滑沢剤が組み込まれ得る。
好適な滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油等を含む。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
【0103】
充填剤/希釈剤/結合剤
デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102またはAvicel(登録商標)PH105のような種々のAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム(例えば、塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム)、硫酸カルシウム、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、二塩基性リン酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド(例えばデキストラン、大豆ポリサッカライド)、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム。
【0104】
界面活性剤/エンハンサー
次のような界面活性剤が用いられ得る:
非イオン性(例えばポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポリソルベート120、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン モノラウレート、ソルビタン モノパルミテート、ソルビタン モノステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン トリオレエート、グリセリル モノオレエートおよびポリビニルアルコール)、
【0105】
アニオン性(例えばドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)
カチオン性(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド)
脂肪酸、脂肪アルコールおよび脂肪エステル、例えば:
オレイン酸エチル、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸、ラウリル酸メチル、オレイン酸、カプリン酸ナトリウム
【0106】
ジオクチル カルシウム スルホスクシネート、ジオクチル カリウム スルホスクシネート、ドデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、トリメチルテトラデシルアンモニウム ブロマイド、ポリオキシエチレン エーテル(ポリオキシエチレン-9-ラウリル エーテル)、ドデシル硫酸ナトリウム、ナトリウム ジオクチル スルホスクシネート、ラウリル酸ナトリウム、5-メトキシサリチル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム;
【0107】
胆汁酸塩、例えば:
デオキシコール酸ナトリウム、デオキシコール酸、コール酸ナトリウム、コール酸、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム;
細胞粘着剤、例えば:
レクチン(例えばトマト凝集素(Lycopersicon Esculentum Agglutinin)、小麦胚凝集素(Wheat Germ Agglutinin)、ウルチカ ジオイカ凝集素(Urtica Dioica Agglutinin))。
【0108】
N-アシル化アミノ酸(特に、N-[8-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ)ベンゾイル]アミノカプリル酸(4-MOAC)、4-[4-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]酪酸、N-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]-カプリル酸ナトリウム);
【0109】
リン脂質、例えば:
ヘキサデシルホスホコリン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、1,2-ジ(2,4-オクタデカジエノイル)-sn-グリセロール-3-ホスホリルコリンおよびホスファチジルコリン(例えばジデカノイル-L-ホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン)、リゾホスファチジルコリンが特に興味がある;
【0110】
シクロデキストリン、例えば:
β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル β-シクロデキストリン、メチル シクロデキストリン;特に、ジメチル-β-シクロデキストリンが特に興味がある;
フシジン酸誘導体、例えば:
タウロジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、ホスフェート-ジヒドロフシジン酸ナトリウム;特に、タウロジヒドロフシジン酸ナトリウムが特に興味がある。
【0111】
その他:
例えばグリシルリジン酸、カプリン酸のナトリウム塩、アルカン(例えばアザシクロアルカン)、アミンおよびアミド(例えばN-メチル-ピロリドン、アゾン(Azone))、アミノ酸および修飾アミノ酸化合物(例えばアセチル-L-システイン)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、ヒドロゲル)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、テルペン(例えばカルボン)、アンモニウム グリシルリジネート(ammonium glycyrrizinate)、ヒアルロン酸、イソプロピル ミリステート、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシド、サポニン、DL-オクタノイルカルニチン クロライド、パルミトイル-DL-カルニチン クロライド、DL-ステアロイルカルニチン クロライド、アシルカルニチン、エチレンジアミンジヒドロ-クロライド、ホスフェート-ジヒドロフシデート、ナトリウム CAP);特に、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシドが特に興味がある、α 1000 ペプチド、少なくとも6モル%のアスパラギン酸およびグルタミン酸を含むMW<1000 ペプチド、分解されたロイヤルゼリー、プレビオチカ(prebiotica)、ブチレート、酪酸、ビタミンD2、ビタミンD3、ヒドロキシ-ビタミンD3、1,25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、スピルリナ、プロテオグリカン、大豆加水分解物、リジン、乳酸、ジ-フルクトース-無水物、ビリトール(vylitol)Ca-(ラクテート)、カゼインの加水分解物、特にカゼイノグリコマクロペプチド、CaCO3の陰イオン化、アセチルサリチル酸、ビタミンK、クレアチン。
【0112】
フィルム形成剤
投与形態にはコーティングを施すことができる。親水性フィルム形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) (例えばHPMC E5、HPMC E15)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリデキストロースおよびマルトデキストリン、Seppic S.A.から入手可能なSepifilm(商標)およびSepifilm(商標)LP、信越化学から入手可能なPharmacoat(登録商標)、Colorconから入手可能なOpadry(登録商標)およびOpagloss(登録商標)、BASF AGから入手可能なKolicoat(登録商標)。
【0113】
フィルム添加剤
アセチル化モノグリセリド、アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、安息香酸ベンジル、ステアリン酸カルシウム、ひまし油、セタノール、クロレブタノール、コロイドシリカ、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセロールトリブチレート、グリセロールトリアセテート、グリセリル ベハネート、モノステアリン酸グリセリル、水素化植物油、レシチン、ロイシン、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレン グリコール、プロピレン グリコール、ポリソルベート、シリコーン、ステアリン酸、タルク、二酸化チタン、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸亜鉛、ワックス。
【0114】
本発明のその他の観点
本発明は、本発明の方法により得られる顆粒および固形投与形態にも関する。具体的には、本発明は、
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0115】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0116】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはビタミンD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0117】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物とを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0118】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0119】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0120】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0121】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0122】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0123】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0124】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0125】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0126】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0127】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0128】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0129】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0130】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0131】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0132】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0133】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0134】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0135】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0136】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0137】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
を提供する。
【0138】
さらに、本発明は、一以上の上記の顆粒または組成物を含む、錠剤、特に咀嚼錠を提供する。
本発明は、次の非限定な実施例によりさらに説明される。
【0139】
材料および方法
方法
破砕強度:Ph.Eur. 2.9.8による
錠剤の高さ:(Moore & Wright(Sheffield)Ltdにより製造された)Micro 2000を使用
【0140】
以下の実施例において、次の材料を用いた。
【表2】
【0141】
以下の非限定な実施例は、本発明を説明するためのものである。当業者のために、工程パラメータの選択の仕方ならびに好適な成分およびそれらの好適な品質の選択の仕方の手引きを与えるために、本実施例は、主に、比較的固定された成分の組成を中心に取扱われる。しかしながら、当業者は、本内容を基に、工程パラメータならびに成分およびそれらの品質の調整の仕方を知るであろう。したがって、本発明は、以下の実施例に示される特定の組成に限定されない。
【実施例】
【0142】
実施例1
湿式造粒、実験の設計および顆粒の製造
本実施例の目的は、短くかつ激しい湿式凝集を組み合わせた、造粒液をカルシウム含有組成物に素早くかつ激しく添加することを含む方法が、成形性および圧縮性に関して好適な性質を有する顆粒を生じるかどうか、および得られる錠剤がカルシウムを必要とする病気の治療のための使用に適しているかどうかを調べることであった。前記のように、カルシウム含有錠剤の多孔性が、錠剤が、例えばチュアブル錠として適している(特に、許容される味およびマウスフィーリングに関して)かどうかを判断する際の重要なパラメータであることが判っている。
【0143】
Nautamixer中で、111.8 kgの炭酸カルシウム(平均粒子径約5〜25 μm)を35.0 kgのソルビトールと混合し、その後ホッパーに移した。2〜3の実験、以下に記載の実施例6および7に対して、炭酸カルシウムが単独で用いられた。ソルビトールは二つの異なる品質、平均粒子径約110 μmを有するもの(粗い)および平均粒子径約40 μmを有するもの(微細な)が用いられた。
【0144】
次の結合剤溶液を製造した:
1)3 kgのPovidone 30(PVP 30)を27 kgの精製水に溶解した。
2)9 kgのPVP 30を21 kgの精製水に溶解した。
【0145】
造粒は、バッチサイズ約50 kgおよび+2のナイフの位置でSchugi Flexomix FX-160中で行なった。混合機のシャフトの回転速度は2500 rpm〜4000 rpmの間で変化させた。炭酸カルシウム/ソルビトール混合物の供給は、撹拌器を有するK-tron T-65予備供給器(pre-feeder)およびK-tron一定重量供給器(constant weight feeder)WF300により調節した。粉末混合物の流量は、500 kg/hで維持した。
【0146】
結合溶液を噴霧により加え、液体流量は、湿潤顆粒を得るために、21 kg/h〜68 kg/hの間で変化させた。
湿潤顆粒を流動床乾燥機に移し、吸入空気温度を50℃〜110℃の間で変化させ、顆粒を製造物温度約45℃で乾燥した。ソルビトールを用いない方法に対しては、乾燥工程は製造物温度55℃で停止した。乾燥した顆粒を1500 μmの篩に通した。
【0147】
実験の設計
【表3】
【0148】
液体流量とPVP30の濃度が、加えられたPVP30の全量に影響を及ぼす。このことは、低い液体流量と低いPVP30濃度は顆粒中のPVP30の低量を招くことを意味する。
高剪断混合機および流動床技術を用いて、参考顆粒を製造した(実験14および15)。
【0149】
高剪断混合機顆粒(実験14)
ポリビニルピロリドン30(30 g)と精製水(250 g)の溶液を製造した。炭酸カルシウム(4534.2 g)およびソルビトール(1414.8 g)をFielder PMA25高剪断混合機中で、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)で1分間混合した。その粉末混合物を、140 g/分の速度、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)の混合機速度でポリビニルピロリドン30溶液を噴霧で加えて造粒した。湿らせた粉末マス(mass)を、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)の混合機速度で2分間、湿式凝集を行なった。湿潤顆粒を40℃で8時間、トレーの上で乾燥した。乾燥した顆粒を篩1000に通した。
【0150】
流動床顆粒(実験15)
この方法は、上記の成分と同じ量を用いて、WO 00/28973の実施例1に記載のようにして行なった。ポリビニルピロリドン溶液を40 g/分の速度で流動床(炭酸カルシウムとソルビトールの流動化混合物)に噴霧した。噴霧は入口温度45℃で大気圧の空気で行なった。次いで、噴霧された顆粒が乾燥するまで、70℃の空気を通した。
【0151】
次の篩、1000 μm、500 μm、300 μm、250 μm、180 μm、125 μmおよび0 μm(125 μm未満)を用いて篩分析により顆粒を特徴付けた。
【0152】
5分間27 rpm、バッチサイズ約6 kgでErweka回転混合機を用いて、顆粒をステアリン酸マグネシウム0.75重量%と混合した。回転プレスおよび16 mm丸型パンチを備えたKorsch PH106を用いて、錠剤を製造した。
目的の錠剤量:1600 mg
目的の圧縮力:10 kN、17 kNおよび24 kN
ダイテーブル rpm:20
【0153】
錠剤を破砕強度(最大検知強度は200 Nである)で特徴付け、製造後2日目に錠剤の高さを測定した。
【0154】
次の実施例において、実験の検討を示す。
実施例2
錠剤の高さおよび破砕強度における、工程パラメータのソルビトール粒子径、PVP 30の濃度および得られる粒子径分布(psd)の影響
決められた顆粒組成、錠剤重量、錠剤直径および圧縮力で、錠剤の多孔性は錠剤の高さに比例する。すなわち、異なる工程パラメータを用いて製造された錠剤を比較すると、錠剤の高さが低くなるほど多孔性が低い。
【0155】
錠剤の製剤において、錠剤の多孔性が、特に錠剤の機械的強度に関して重要である。さらに、例えばチュアブル錠は、余り「硬(hard)」過ぎてはならない。すなわち、チュアブル錠は咀嚼するのが容易でなければならず、したがって、特にチュアブル錠の多孔性が重要である。このため、本発明者らが、錠剤中に含まれるカルシウム含有化合物の不快な味とマウスフィーリングを避けるために、錠剤の湿潤性が非常に重要であることを見出したことは注目すべきことである。錠剤が多孔性になるほど、それは湿り易くなる。したがって、いくらかの多孔性を有する錠剤を製造することが重要である。しかしながら、同時に、錠剤のサイズは、使い勝手が良いサイズに保たれるべきである。さらに、錠剤は、製造、包装、流通および保存の間、通常の取り扱いに耐えるために、十分強固でなければならない。
【0156】
実験1〜5、8〜13および14〜15を基に、Principal Component Analysis(PCA)分析をUnscramber(商標)(バージョン7.8)を用いて行なった。その結果を、ビ-プロット(Bi-plot)として、図1および2Aに示す。このタイプのプロットは、試料の性質を解明するために用いることができる。中心から遠く離れた変数が、最も顕著な影響を有する。与えられる変数と同じ方向の先端に位置する試料は、この変数により顕著に影響を受ける。変数の方向は、中心を通る線で示される。しかしながら、固定点として中心を用いるとき、与えられる変数のちょうど反対側にある試料も負の様式で顕著な影響を受ける。図1、2Aの解釈を容易にするために、図2Bおよび2Cはビ-プロットにおける主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与える。ビ-プロット中の変数の応答とオリゴ(orgio)間の距離(ここでtと呼ばれる)は、問題の変数の影響を表す。オリゴからの距離が長いほど、その影響は大きくなる。独立変数1を従属変数2とその応答で比較するとき、比較される変数のユニットベクトルの角度θ1がより近くなるほど、独立変数がその応答に大きな影響を有する。二つのベクトル間の角度が90°に近いと、変数は独立している。その角度が180°に近いと、変数は互いに逆比例する。
【0157】
PCA分析において、次の変数が用いられた:
・錠剤の高さ(「tablet hojde」と呼ばれる)
・用いられた各々の篩上の顆粒の量の形式での粒子径分布(psd)
・圧縮力
・液体流量(vaeskeflowと呼ばれる)
・錠剤の破砕強度(brudstyrke dagと呼ばれる)
・ソルビトール(粗)
・ソルビトール(微細)
【0158】
PCA分析からの最も重要な結果は:
【表4】
【0159】
篩125 μmおよび180 μm上、すなわち125 μm〜250 μmの間の顆粒の量の咀嚼用錠剤への影響は、二つの篩上の量の合計を2で除したものでうまく表される。これは、150 μm((180-125)/2+125)〜215 μm((250-180)/2+180)の間の仮想の粒子径幅に相当する。本文脈において、この幅は篩「150」μmと表示する。
【0160】
粒子径分布(psd)は、次のパラメータにより制御できる:
・粗ソルビトール粒子は、125 μm〜250 μmの幅の顆粒の量に有利である。
・微細ソルビトール粒子径は、500 μm〜1000 μmの幅の顆粒の量に有利である。
・速い液体流量は、250 μm〜300 μmの幅の顆粒の量およびいくらかのより大きい顆粒;1000 μmを超える顆粒に有利である。
【0161】
上記の分析を基に、次のことが結論付けられる:
i)咀嚼用錠剤を製造するための最適条件は、粗ソルビトール粒子の使用と約25〜35 kg/hの液体流量の適切な制御である。
ii)高い錠剤の高さおよびそれによる容易に咀嚼可能な錠剤のための理想的な顆粒は、150 μm〜215 μmの粒子径の割合が高いpsdを有する。
iii)飲み込み用錠剤を製造するための最適条件は、微細ソルビトール粒子および多量のPVP 30の使用である(実施例3を参照)。
【0162】
実施例3
流動床技術、高剪断混合機技術およびSchugiflex技術に基づく錠剤からの錠剤の高さおよび破砕強度の比較
実験1〜5、8〜13および14〜15の錠剤の高さおよび破砕強度を図3〜6に示す。
参考としての流動床または高剪断混合機造粒に基づく錠剤を用いた実験の分析は次のことを示す:
参考流動床:
*実験4、8および9に基づき、流動床ベースの錠剤と同等の高さと破砕強度を有する錠剤が、工程パラメータの適当な制御により得られることが示される。
*実験1、3および5は、参考から逸脱する。これは結合剤(PVP 30)の欠如または低いレベルによって説明できる。
【0163】
参考高剪断混合機
*実験10、11および12は、より高い破砕強度および幾分低い錠剤の高さを有する。
*実験2および13は、より低い破砕強度および同等の錠剤の高さを有する。その低い破砕強度は、結合剤(PVP 30)の欠如または低いレベルにより説明できる。
【0164】
実験8と実験11との比較は、ソルビトールの粒子径分布の重要性を示す。実験8からの錠剤は、実験11からの錠剤よりも錠剤の高さが高く、錠剤の破砕強度が低い。これらの実験は、ソルビトールの粒子径に関してのみ異なる。
【0165】
上記の分析に基づき、短くかつ激しい湿式凝集段階(wet massing phase)を用いる技術の使用により、流動床および高剪断混合機から得ることができるものと同様の顆粒が製造できることが結論付けられる。さらに重要なことには、流動床または高剪断混合法によって作ることができない顆粒、すなわち流動床および高剪断混合法を用いてそれぞれ得られるものの間の多孔性を有する錠剤に導く顆粒を得ることができる。このことは、該技術を用いて、咀嚼するかまたは飲み込むかのいずれかのための理想的な錠剤を製造することできることを意味する。
【0166】
実施例4
錠剤の高さおよび破砕強度に対する、エキストラ顆粒状(extragranular)ソルビトール(微細)の添加の影響
実験6からの顆粒をソルビトール(微細)またはキシリトールのいずれかと混合した。実験7からの顆粒をソルビトールと混合した。ソルビトールおよびキシリトールの量は、実施例1に記載の量に相当する。
【0167】
実験6および7からの錠剤の高さおよび破砕強度を図7〜8に示す。
図7および8に基づく分析は次のことを示す:
*エキストラ顆粒状ソルビトールの添加は、破砕強度を著しく増加させ、1〜15の全ての実験の中で一番高い破砕強度を生じる。
*エキストラ顆粒状キシリトールの添加は、ソルビトールで見られるよりも破砕強度に極めて低い影響を与える。
*エキストラ顆粒状ソルビトールまたはキシリトールの添加は、高剪断混合機および流動床から得られるものの間の範囲の錠剤の高さを生じる。
*流動床および高剪断混合機に基づく錠剤と同等の破砕強度は、圧縮力を弱めことにより得ることができ、それによりより高い多孔性を示すより高い錠剤を得ることができる。流動床の使用によって得ることができるものよりもおそらくさらにより高い。
【0168】
結論:
エキストラ顆粒状ソルビトールの使用は、錠剤の破砕強度を著しく増加させ、このことは圧縮力を低くすることを可能にする。このことは、錠剤の高さを増加させ、それにより錠剤の多孔性を増加させる。このことは、咀嚼用錠剤に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】実験1〜5、8〜13、14および15を基にしたPCA分析の結果を示した図である。
【図2A】篩150 μm上の顆粒の推定量を含む、実験1〜5、8〜13、14および15を基にしたPCA分析の結果を示した図である。
【図2B】ビ-プロット(bi-plot)における主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与えるための図である。
【図2C】ビ-プロット(bi-plot)における主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与えるための図である。
【図3】流動床(実験15)と比較した、実験1、3、4、5、8、9からの錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【0170】
【図4】流動床(実験15)と比較した、実験1、3、4、5、8、9からの錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図5】高剪断混合機(実験14)と比較した、実験2、10、11、12、13からの錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【図6】高剪断混合機(実験14)と比較した、実験2、10、11、12、13からの錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図7】エキストラ顆粒状ソルビトールおよびキシリトールの添加による錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【図8】エキストラ顆粒状ソルビトールおよびキシリトールの添加による錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図9】種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)と破砕強度との関係を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒(granulate)の製造のための新規な方法に関する。本方法により得られる顆粒は、固形投与形態の製造、特に錠剤の製造に特に適している。
【背景技術】
【0002】
カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体中の多くの重要な機能に不可欠である。多くの疾病、特に骨に関連した疾病は、十分な量のカルシウム含有化合物の摂取により治療される/予防的に治療される。通常、特に、例えばチュアブル錠または舐めることが可能な錠剤(suckable tablet)のような投与形態を形成するカルシウムは、比較的大量に経口投与されなければならない。
【0003】
しかしながら、この点における主な課題の一つは、正しくかつ有効な治療を達成するために、顧客の十分な服薬遵守を有する組成物を得ることである。この課題は、カルシウム含有化合物の不快な味および/またはマウスフィーリングに関し、その味および/またはマウスフィーリングをマスクすることは非常に困難である。したがって、医薬的または栄養補助的使用のためのカルシウム含有製品に関する開発は、この味をマスクすることに主に集中されている。このため、異なる製造工程、種々の味マスキング剤の使用およびそれらの組み合わせ等を含む、カルシウム含有化合物の味を適当にマスクする多くの異なった方法が明らかになっている。
【0004】
カルシウム含有固形投与形態の製剤に関するもう一つの主な課題は、投与形態のサイズである。通常、カルシウムの単回投与量は500 mg(12.5 mmol)であり、それは、カルシウム源として炭酸カルシウムが用いられるとき、単回投与量は1250 mgの炭酸カルシウムを含む(炭酸カルシウムのMWは100である)ことを意味する。さらに、カルシウム含有化合物を錠剤化するために、通常、医薬的に許容される賦形剤の添加を必要とする。このことは、カルシウムの単回投与量を含んで得られる錠剤は、比較的高い重量を有し、その結果、錠剤の容量が比較的高くなることを意味する。それゆえ、患者が錠剤を摂取することを不快と感じないように、投与形態の(例えば、通常、錠剤の形態での)サイズを可能な限り最小限にしようとすることは、最大限重要なことである。勿論、錠剤のサイズは、(飲み込まれる)経口投与用を意図した錠剤の場合に非常に重要である。
【0005】
その代わり、咀嚼錠のサイズは、適切な単回投与量を含む錠剤が、慣用の錠剤化装置により製造できるならば、それほど重要ではない。しかしながら、一回服用量分配を必要とする場合、サイズは重要である。さらに、咀嚼錠は、余り硬すぎて咀嚼できなくすべきではない。すなわち、それらは、錠剤を咀嚼することの容易性と錠剤を通常に取り扱うことに耐えるための強固さの重要性とのバランスを保った破砕強度を有すべきである。さらに、患者の服薬遵守を保証するために、マウスフィーリングと味が最大限重要である。
【0006】
カルシウム含有化合物を含む微粒子状(particulate)物質を製造するための特別な方法が、最終製品の味およびマウスフィーリングに影響を及ぼすことが見出されている。したがって、例えば、流動床法は、錠剤に圧縮されたとき、使用時に許容される味とマウスフィーリングを有するカルシウム含有微粒子状物質を製造することができることが見出されている。この場合、カルシウム含有化合物の品質ならびにカルシウム含有化合物を含む医薬組成物の製造法が、チュアブル錠の許容される味およびマウスフィーリングを得るために非常に重要である(WO 00/28973)。
【0007】
この方法により得られる顆粒は、適当な感覚性、すなわち許容されるマウスフィーリングおよび味を有する錠剤に加工される。しかしながら、そのような錠剤は、例えば一回服用量分配機での充填に曝されることに耐える、適当な小サイズ、適当な機械的安定性および適当な機械的強度を有しなければならない。さらに、流動床工程は、しばしば、非常に多孔性の顆粒を生じ、次にそれは多孔性の錠剤を生じる。すなわち、そのような錠剤は、余り大きすぎて一回服用量分配機のカセットに適合できない可能性がある。
【0008】
さらに、流動床法は、一般的に、例えば舐めることおよび飲み込むことを意図した錠剤に適用できない。その理由は、カルシウムが比較的大量に調薬され、単回投与形態(錠剤)においてこの用量を含むため、錠剤のサイズは、患者が飲み込むのに不都合な大きさになる。したがって、流動床工程は、チュアブル錠の製造において特別有用である。
【0009】
飲み込むのに適したカルシウム含有錠剤(すなわち、カルシウム含有化合物のチョーク味およびマウスフィーリングを考慮しないで製造される錠剤)は、例えば高剪断混合を含む方法により製造できる(WO 06/09036 Innothera)。この方法を用いることにより、比較的密度の高い顆粒が得られ、これは、次いで、流動床法が用いられたときに得られるものと比較して、サイズの減少した錠剤を生じる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明者らにより対処される課題は、優先無しに、チュアブル錠の形態ならびに飲み込むことの可能な錠剤の形態で、カルシウム含有化合物の投与形態を製造できる代替法を提供することである。換言すれば、既知の方法は、チュアブル錠の製造または飲み込むことの可能な錠剤の製造における使用のどちらかに適している。それらとは対照的に、本発明による方法は、チュアブル錠および飲み込むことの可能な錠剤のそれぞれの製造の両方に用いることができる。
【0011】
そのような方法は、錠剤が咀嚼されることまたは飲み込まれることを対象としているかどうかにかかわらず、錠剤の製造において同じ装置を用いることを可能にするので、高い経済的な可能性を有する。したがって、同じ製造ラインを、一方の方法から他方の方法へ容易に変えることができ、二つの独立しかつ異なった製造装置に投資する必要がない。
【0012】
したがって、患者がそれを飲み込むために、小さくされかつ使いやすいサイズを有する錠剤のような投与形態の製造を可能にし、さらにチュアブル錠の製造にも用いることができる、新規な方法を開発する必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の詳細な説明
したがって、本発明は、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造方法に関し、その顆粒は、チュアブル錠の形態ならびに飲み込むことの可能な錠剤の形態での投与形態を製造するのに適し、その方法は、
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を造粒室に供給すること、
ii)医薬的に許容される結合剤を含む造粒液で前記組成物を長くとも30秒間湿式凝集(wet-massing)させて、湿潤顆粒を得ること、
iii)このようにして得られる湿潤顆粒を乾燥すること
を含む。
【0014】
造粒液の適用およびカルシウム含有化合物を含む組成物の湿式凝集の非常に短くかつ激しい工程が、チュアブル錠、舐めることの可能な錠剤または飲み込むことの可能な錠剤の製造に適する顆粒をもたらすことが見出された。特に、チュアブル錠に関して、上記工程の非常に短い処理時間が、(流動床および高剪断混合のような既知の方法と比較して)同様かまたはより高い多孔性を可能にし、次いで、それが、口腔の唾液に曝されたとき、錠剤のより良い湿潤性をもたらすことが考えられる。錠剤のより良い湿潤性は、改良された味(すなわち、カルシウムのチョークフィーリングおよび味が目立ちにくくなる)およびマウスフィーリングの感覚をもたらす。
【0015】
造粒液の適用および湿式凝集を行なうことの処理時間は、用いられる装置により変化し得る。具体的な態様において、工程ii)の湿式凝集は、例えば長くとも約15秒、長くとも約10秒または長くとも約5秒のような、長くとも約20秒間行なわれる。
【0016】
本方法においての使用に特に適した装置は、Hosokawa Micronによって製造される。本明細書中の実施例においては、Schugi Flexomix FX-160モデルが用いられたが、本発明はこの特定のモデルの使用に限定されず、前記のような湿式凝集の非常に速い工程をもたらす同じような構造を有するその他のモデルおよび装置も、本発明の範囲に含まれる。例えばSchugi Flexomixにおいて、工程ii)の湿式凝集は、長くとも約1秒間、好ましくは長くとも約0.5秒、長くとも約0.4秒、長くとも約0.3秒または長くとも約0.2秒行なわれる。
【0017】
使用される装置のサイズにより、造粒液の流速と同様に、造粒室へのカルシウム含有組成物の供給速度は変化し得る。
【0018】
通常、本明細書中の実施例で用いられるような装置において、例えば300〜約850 kg/h、約300〜約750 kg/h、300〜約700 kg/h、約350〜約650 kg/h、約400〜約600 kg/h、約500 kg/hのような約450〜約550 kg/hのような、約200〜約1000 kg/hの供給速度で造粒室は供給される。
【0019】
非常に速い製造を意図した装置において、例えば約1100〜約1300 kg/hのような約1000〜約1500 kg/hの供給速度で造粒室は供給される。
【0020】
造粒液の液体流量も、造粒液の適用および組成物を湿式凝集することの速くてかつ効果的な工程を得るために重要なパラメータである。通常、造粒液は、約15〜約100 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される。再度、流速は装置のサイズに依存し、より大きな装置は、より小さい装置よりもより高い流速を可能にする。さらに、流速の選択は、チュアブル錠および飲み込むことの可能な錠剤をそれぞれ製造するための重要なパラメータである。本明細書の実施例から、当業者は、所望の投与形態に依存する適切な流速の選択の仕方に関しての手引きを見出すことができる。
【0021】
本実施例で使用された装置において、造粒液は、例えば約20〜約60 kg/h、約20〜約50 kg/h、約20〜約40 kg/hまたは約25〜約35 kg/hのような、約15〜約80 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される。当業者は、使用される装置に依存する液体流量の調整の仕方を知るであろう。本実施例で使用されたものよりも大きな装置に対する手引きとして、造粒液は、例えば約60〜約200 kg/h、約65〜約150 kg/h、約70〜約125 kg/hまたは約75〜約105 kg/hのような、約50〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧され得る。
【0022】
粉末組成物ならびに造粒液の連続供給は、工程が連続的であるこを可能にする。すなわち、それは、例えば2日以上、3日以上、4日以上、5日以上または7日以上のような、1日以上の間、連続的であり得る。原則的に、時間は製造される顆粒の量に基づき決定されるが、それは、洗浄を必要とする装置の部品の目詰まりによって中断されてもよい。
【0023】
Schugi Flexomix装置(または同様の装置)を用いる具体的な態様において、カルシウム含有化合物を含む組成物は造粒室の上部から供給され、重力により造粒室を通過する。その室は、組成物の激しい湿式凝集を可能にする多くのナイフを含む。高剪断混合法と比較して、本方法による造粒液の適用および湿式凝集の工程はずっと速い。
【0024】
カルシウム含有化合物を含む組成物は、カルシウム含有組成物自体からなり得るか、またはそれは、ここに記載されたような一以上の医薬的に許容される賦形剤も含み得る。もし、組み合わせの製品、すなわち一より多い医薬的、予防的および/または診断的に活性な物質を含む製品を製造することを望むなら、その組成物は、一以上のそのような物質も含み得る。このために、カルシウムと例えばビタミンDのような栄養剤とを含む組み合わせの製品が既に市場にあり、治療において有効であることが証明されていることが言及されるべきである。しかしながら、ビタミンDの湿気および酸化に対する感受性のため、通常、ビタミンDは、例えば顆粒を錠剤に圧縮する前に顆粒に加えられる。すなわち、ビタミンDは、本発明による方法の造粒工程に付されない。
【0025】
カルシウム含有化合物
本発明により製造される顆粒中に含まれるカルシウム含有化合物は、治療的および/または予防的に活性な、生理学的に忍容され得るカルシウム含有化合物である。
【0026】
前記のように、カルシウムは、イオン化カルシウムおよびカルシウム複合体の両方として、身体の多くの重要な機能に必須である(Campell AK.Clin Sci 1987; 72:1-10)。細胞の挙動および成長はカルシウムにより調節される。トロポニンと共同して、カルシウムは筋収縮および弛緩を制御する(Ebashi S. Proc R Soc Lond 1980; 207:259-86)。
【0027】
カルシウム選択チャンネルは、細胞膜の一般的な特徴であり、神経組織の電気的活性および神経分泌顆粒の放電は、細胞内外のカルシウムレベルのバランス機能である(Burgoyne RD. Biochim Biophys Acta 1984;779:201-16)。ホルモンの分泌と重要な酵素および蛋白質の活性は、カルシウムに依存する。最後に、リン酸カルシウム複合体としてのカルシウムは、骨格の硬さおよび強さを与える(Boskey AL. Springer, 1988:171-26)。骨は、全身カルシウムの99%以上を含むので、骨格のカルシウムは、主な長期的カルシウム貯蔵所としても働く。
【0028】
例えば、炭酸カルシウムまたはリン酸カルシウムのようなカルシウム塩は、特に、骨粗鬆症を患っているかまたは恐れのある患者のカルシウム源として用いられる。さらに、炭酸カルシウムは、制酸錠剤中の酸中和剤として用いられる。
【0029】
前記のように、カルシウムは、哺乳類の体内、特にヒトにおいて、多くの重要な機能を有する。さらに、多くの動物モデルにおいて、慢性の低カルシウム摂取はオステオペニアを生じる。オステオペニアは、皮質骨より海綿骨に影響を及ぼし、カルシウムの補足で完全に可逆的になり得ない。もし、その動物が成長していけば、減じられたカルシウムの摂取は発育阻害を招く。早産新生児において、高いカルシウムの摂取は、骨格のカルシウム付着の増加を大きくし、もし十分高ければ、在胎のカルシウム保持と等しくできる。成長の間に慢性的なカルシウムの不足はくる病を招く。思春期前後の両方の健康な子供にカルシウムの補給は、骨の質量の増加に導く。思春期において、カルシウムの摂取が高いほど、初潮直後に生じる一番高い保持をもって、カルシウムの保持が大きくなる。
【0030】
総合すれば、これらのデータは、子供および思春期において、カルシウムの適切な摂取が考慮されれば、骨質量のピークを、カルシウムで食生活を補完することにより、最適にすることができることを提案する。成長の間に骨格中のカルシウムの沈着を最適にすることに関与するメカニズムは知られていない。それらは、多分、もしカルシウムの供給が高ければ、類骨の最適な石灰化を保証するミネラル化工程の先天的な性質である。カルシウム欠乏の状態での成長の発育阻害に応答する因子も知られていないが、骨格の大きさを調節する成長因子を明らかに含む。
【0031】
大人において、カルシウムの補給は、年齢に関する骨損失の速度を減少させる(Dawson-Hughes B. Am J Clin Nut 1991;54:S274-80)。カルシウムの補給は、食物から最適なカルシウム摂取を達成することができないか、またはできないであろう個体にとって重要である。さらに、カルシウムの補給は、骨粗鬆症等の予防および治療において重要である。
【0032】
その上、カルシウムは、大腸内で抗癌作用を有し得る。いくつかの予備的な研究は、高カルシウム食またはカルシウム補充の摂取は、大腸・直腸癌の減少に関係することを示している。アセチルサリチル酸(ASA)および他の非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDS)と組み合わせたカルシウムが直腸結腸癌の危険性を減少させる証拠が増えている。
【0033】
最近の調査研究は、カルシウムが月経前症候群(PMS)を緩和し得ることを提案している。いくらかの研究者は、カルシウム調節の乱れが、PMS症状の進展における根本的な要因であると信じている。ある研究において、米国全体の閉経前の女性の446人グループの半分が三回の月経周期について追跡され、周期を通して毎日1200 mgのカルシウム補給物が与えられた。最終結果は、プラセボを摂取した女性の48%がPMS関連症状を示した。カルシウム錠剤を摂取した人では30%のみだった。
【0034】
例えば、炭酸カルシウムのようなカルシウム塩は錠剤で用いられ、高用量のカルシウムを必要とするため、そのような錠剤は、たいてい、チュアブル錠の形態である。チョーク(chalk)の独特の優勢な味またはフィーリングなしに、快適な味と許容可能なマウスフィーリングを有するカルシウム塩を含むチュアブル錠に製剤化することは難問である。
【0035】
本発明による使用のためのカルシウム含有化合物は、例えばビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート(calcium cornate)、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート(calcium glubionate)、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート(calcium lactobionate)、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート(calcium pidolate)、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムであり得る。
【0036】
その他のカルシウム源は、水溶性カルシウム塩、または例えばアルギン酸カルシウム、カルシウム-EDTA等のような複合体、または例えば有機リン酸カルシウムのようなカルシウムを含む有機化合物であり得る。骨粉、ドロマイトおよびその他の粗製カルシウム源の使用は、それら供給源が鉛およびその他の毒性汚染物質を含み得るので、思いとどまらされる。しかしながら、そのような供給源は、もしそれらが所望の度合に精製されれば、適切であり得る。
【0037】
カルシウム含有化合物は、単独またはその他のカルシウム含有化合物と組み合わせて用いられ得る。
ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムが特に興味がある。異なるカルシウム含有化合物の混合物も用いられ得る。以下の実施例に示すように、炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが、カルシウム含有化合物としての使用に特に適しており、炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム(Ca5(PO4)OH)およびβ-リン酸三カルシウム(Ca3(PO4))は高いカルシウム含有量を有する。一方、リン酸二カルシウム(CaHPO4)のカルシウム含有量はより低いが、高密度品質で利用できる。
【0038】
炭酸カルシウムおよびリン酸カルシウムが特に興味がある。
通常、本発明により製造される錠剤は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する量のカルシウム含有化合物を含む。
【0039】
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは三つの異なる結晶構造:カルサイト、アラゴナイトおよびバテライトで存在し得る。鉱物学的に、これらは、結晶構造中のカルシウム、炭素および酸素原子の明確な配列に関する特異なミネラルの様相である。これらの明確な様相は、結晶形の形状および対称性に影響を及ぼす。
【0040】
例えば、カルサイトは四つの異なる形状:偏三角面体状、プリズム状、球状および菱面体状で入手可能であり、アラゴナイト結晶は、例えば別々かまたは房になった針状形として得られる。例えば立方体形(ScoraからのScoralite 1A+B)のような他の形状も入手可能である。
【0041】
以下の例に示されるように、炭酸カルシウムの特に適した品質は、例えば50 μm以下または40 μm以下のような、60 μm以下の平均粒子径を有する炭酸カルシウムである。
さらに、炭酸カルシウムの興味ある品質は、2 g/mLより小さい嵩密度を有する。
【0042】
10〜30 μmの平均粒子径、0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度、および0.3 m2/gの比表面積を有する、炭酸カルシウム2064 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
約3.9 μmの平均粒子径および0.4〜0.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する、炭酸カルシウム2069 Merck(ドイツ、ダルムシュタット、メルクより入手可能);
【0043】
Scoralite 1A(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、5〜20 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、10〜25 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.4〜0.6 m2/gの比表面積を有する;
Scoralite 1A+1B(フランス、Scora Watrigant SAより入手可能)は、7〜25 μmの平均粒子径、0.7〜1.2 g/mLの見掛け嵩密度、および0.35〜0.8 m2/gの比表面積を有する;
【0044】
Pharmacarb LL(Mahawah New Jersie、Chr. Hansenから入手可能)Lは、12〜16 μmの平均粒子径、1.0〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する;
Sturcal H(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約4 μmの平均粒子径、0.48〜0.61 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Sturcal F(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約2.5 μmの平均粒子径、0.32〜0.43 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0045】
Sturcal M(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、7 μmの平均粒子径、0.7〜1.0 g/mLの見掛け嵩密度、および1.5 m2/gの比表面積を有する;
【0046】
Sturcal L(Pensylvania、Bethlehem、Specialty Mineralsから入手可能)は、約7 μmの平均粒子径、0.78〜0.96 g/mLの見掛け嵩密度を有し、Sturcal Lは偏三角面体状の結晶からなる;
【0047】
Socal P2PHV(ベルギー、ブリュッセル、Solvayから入手可能)は、1.5 μmの平均粒子径、0.28 g/mLの見掛け嵩密度、および7.0 m2/gの比表面積を有し、Socal P2PHVは偏三角面体状の結晶からなる;
【0048】
Mikhart 10、SPL、15、40および65 (フランス、Provencale、Provencaleから入手可能);
Mikhart 10は10 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart SPLは20 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 15は17 μmの平均粒子径を有する、
Mikhart 40は30 μmの平均粒子径、1.1〜1.5 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
Mikhart 65は60 μmの平均粒子径、1.25〜1.7 g/mLの見掛け嵩密度を有する;
【0049】
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、5.8 μmの平均粒子径および1.8 m2/gの比表面積を有する;
Hubercal Elite 500(アメリカ、J.M.Huber Corpより入手可能)は、8.2 μmの平均粒子径および1.3 m2/gの比表面積を有する;
【0050】
Omyapure 35(フランス、パリ、Omya S.A.Sから入手可能)は、5〜30 μmの平均粒子径、および2.9 m2/gの比表面積を有する;
【0051】
10〜30 μmの平均粒子径、0.9〜1.2 g/mlの見掛け嵩密度、および0.7 m2/gの比表面積を有する、Calci Pure 250 Heavy、Calci Pure 250 Extra HeavyおよびCalci Pure GCC HD 212(セントルイス モンタナ、Particle Dynamic Inc.から入手可能)。
【0052】
リン酸カルシウム
約70 μmの平均粒子径および約1.3 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、DI-CAFOS A (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
平均粒子径<7 μmおよび約0.9 g/mlの嵩密度を有する、DI-CAFOS PA (CaHPO4)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0053】
平均粒子径<6 μmおよび約0.25 g/mlの嵩密度ならびに多結晶質で多孔質な性質を有する、TRI-CAFOS P (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
約70 μmの平均粒子径および約0.5 g/mlの嵩密度を有する、TRI-CAFOS S (Ca5(PO4)3OH)(ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
【0054】
平均粒子径<5 μmおよび約0.6 g/mlの嵩密度を有する、CAFOS DB (Ca3(PO4)2) (ドイツ、Buddenheim、Chemische Fabrik Buddenheim KGから入手可能);
その他の品質も、本発明による使用に適し得る。
【0055】
本発明により製造される錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約45重量%〜約98重量%、約50重量%〜約95重量%、約55重量%〜約90重量%のような、約40重量%〜約100重量%の範囲であるか、または少なくとも約60重量%、少なくとも約65重量%、少なくとも約70重量%もしくは少なくとも約75重量%である。
【0056】
通常、治療または予防目的のためのカルシウムの用量は、一日当たり、約350 mg(例えば新生児)〜約1200 mg(授乳中の女性)である。錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、錠剤が一日1〜4回、好ましくは一日1または2回の投与に適する量に調整され得る。
【0057】
造粒液
カルシウム含有化合物を含む組成物の凝集を得るために、結合剤、特に水溶性結合剤が有用である。その結合剤は、カルシウム含有化合物を含む組成物に加えられ得るか、または造粒液の形態で加えられ得る。具体的な態様において、結合剤は、カルシウム含有化合物を含む組成物中に含まれる。造粒液は、例えばアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)のような有機溶剤が加えられ得るが、通常、水をベースとされる。
【0058】
具体的な態様において、結合剤は水溶性結合剤から選択される。
適当な結合剤の例は、例えばデキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH101、Avicel(登録商標) PH102またはAvicel(登録商標) PH105のような種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標) P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、例えばデキストラン、大豆ポリサッカライドのようなポリサッカライドを含む。
【0059】
湿式造粒を含む特に興味ある態様において、結合剤はPVP 30、PVP 90またはそれらの混合物である。一般的に、その濃度は、例えば約0.2〜約8重量%、約0.3〜約7重量%、約0.4〜約6重量%または約0.4〜約5重量%のような、約0.1〜約10重量%である。
【0060】
結合剤のもう一つのタイプは、以下に記載のような糖アルコールである。したがって、興味ある態様において、結合剤のような性質を有する糖アルコールを用いることが好都合である。すなわち、それは、組成物においておよびさらに合着(coherent)錠に圧縮する間の結合において、個々の粒子間で結合を起こすことがある程度可能である。したがって、結着性を有するそのような糖アルコールは、凝集工程ならびに錠剤化工程を容易にする。
【0061】
本発明による方法での使用に適した糖アルコールは、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール等およびそれらの混合物からなる群から選択される。通常、カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。一般に、前記の全ての糖アルコールが、結合剤として用いられ得る。しかしながら、適当な結合を得るために必要とされる量は、該当の糖アルコールの結着性に依存する。以下の図9に、種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)の関数としての破砕強度をグラフにしたものを示す。このグラフから、より低い傾きを有する糖アルコールは、より急勾配の傾きを有する糖アルコールより多くの量を必要とすることが分かる。
【0062】
カルシウム含有化合物を含む組成物中の結合剤の濃度は、用いられる特定の結合剤により大きく範囲が変わり得るが、一般的に、例えば約0.2〜約35重量%、約0.3〜約30重量%または約0.4〜25重量%もしくは約0.4〜約24.2重量%のような、約0.1〜約40重量%の間である。特に、結合剤としてPVPが用いられる場合、その濃度は、通常、約0.1〜約1重量%のようにより低い範囲になり、一方、ソルビトールの場合、その濃度は、通常、約20〜30重量%であり、ソルビトール以外のその他の糖アルコールの場合、その濃度は、通常、約30〜約40重量%のようにより高い範囲になる。
【0063】
糖アルコールが結合剤として用いられるか否かに拘わらず、一以上の糖アルコール(例えば、前記のような)が、具体的な態様中に含まれる。糖アルコールはそれ自体、それらを本件における使用に特に適するようする甘味特性および味マスキング特性を有する。カルシウム含有化合物を含む組成物中(あるいは、得られる顆粒中)の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、約5重量%〜約40重量%である。しかしながら、糖アルコールまたは糖アルコールの混合物が単独の結合剤として用いられる場合、糖アルコールの全濃度は、通常、例えば少なくとも15重量%または少なくとも20重量%のような、少なくとも10重量%である。通常、その濃度は40重量%を超えない。
【0064】
好ましくは、造粒液は水性媒体である。結合剤が造粒液中に含まれる場合、造粒液は結合剤を水に溶解することにより調製される。あるいは、結合剤は、その粉末に乾燥形態で混合され得る。
【0065】
湿潤顆粒は適当な乾燥室中で乾燥に付される。それは、例えば垂直または水平に配置された、バッチ的もしくは連続的な両方の流動床のような造粒機に連結された乾燥室であり得る。
【0066】
前記のように、本発明による方法で得られる顆粒は、そのままで用いられ得るが、例えば、錠剤、カプセルまたはサシェのような固形投与形態へさらに加工することにも非常に適している。
【0067】
以下の実施例において、チュアブル錠または飲み込むことの可能な錠剤それぞれを製造するために、重要なパラメータのうちのどれを考慮すべきか、そして適した設定をどのようにして選択するかの手引きを与える。この手引きを基に、当業者は、所望のカルシウム含有製品を得るために、その組成および種々の工程パラメータの調整の仕方を知るであろう。
【0068】
本発明の一つの態様において、本方法により得られる顆粒は、錠剤に製造されることを意図している。しばしば、得られる顆粒の付着を避け、そして/または流動性を増加するために、一以上の医薬的に許容される賦形剤(例えば滑沢剤)を加えることが必要である。したがって、本方法は、得られる顆粒と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程も含み得る。
【0069】
カルシウム含有化合物以外の活性な物質を含むことが望まれる場合、本方法は、得られる顆粒に一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程も含み得る。
そのような物質は、例えば、一以上のビタミンまたはミネラルのような、一以上の栄養剤を含む。具体的な態様において、さらなる活性な物質は、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである。
【0070】
ビタミンDまたはその他の活性物質
本発明により製造される顆粒または錠剤は、さらなる医薬的および/または予防的に活性な物質を含み得るか、またはそれは、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤を含み得る。例えばビタミンB、ビタミンC、ビタミンDおよび/またはビタミンK、ならびに例えば亜鉛、マグネシウム、セレン等のようなミネラルが特に興味がある。
【0071】
例えばビタミンD2(エルゴカルシフェロール)ならびにロシュ(Roche)から入手可能な乾燥ビタミンD3、100 CWSおよびBASFから入手可能な乾燥ビタミンD3 100 GFPを含むビタミンD3(コレカルシフェロール)のような、一以上のビタミンD化合物が特に興味がある。
【0072】
カルシウムおよび骨格の恒常性への作用に加えて、ビタミンDは、身体のいくつかの主なシステムの調節に関与する。ビタミンDの作用は、主に腎臓で作られる1,25-(OH)2 ビタミンD とビタミンD受容体(VDR)とで形成される複合体によりゲノムでメディケート(medicated)される。ビタミンD受容体は多くのセルタイプ中に広く分布している。1,25-(OH)2 ビタミンD/VDR複合体は、細胞分化および免疫系において重要な調節の役割を有している。これらの作用のいくつかは、多分、腎臓よりも他のある組織の、局所的に1,25-(OH)2 ビタミンDを作り、傍分泌として作用する能力に依存する(Adams JSら、Endocrinology 1996;137:4514-7)。
【0073】
ヒトにおいて、ビタミンDの欠乏は、小児においてくる病および大人において骨軟化症をもたらす。基本的な異常は、石灰化は骨芽細胞により行なわれるので、類骨から離れる石灰化速度の遅れである(Peacock M. London Livingstone, 1993:83-118)。この遅れが、骨芽細胞における、1,25-(OH)2 ビタミンD-依存メカニズムの破綻によるか、もしくは吸収不良の次のカルシウムおよびホスフェートの供給の減少によるか、または二つの組み合わせによるかどうかは明らかではない。石灰化の遅れに伴い、カルシウムおよびホスフェートの供給減少、低カルシウム血症および低リン酸塩血症を伴う重篤な二次性上皮小体機能亢進症および骨交替(turnover)の増加がある。
【0074】
ビタミンDの不足、ビタミンD欠乏の前臨床段階も、欠乏で見られるより緩和な度合ではあるが、カルシウム供給の減少および二次性上皮小体機能亢進症を引き起こす。もし、この状態が慢性になれば、オステオペニアを生じる。このカルシウムの不足状態の根底にある生化学的プロセスは、多分、その基質の25-OHDの還元による1,25-(OH)2 ビタミンDの不適切なレベルである(Francis RMら、Eur J Clin Invest 1983; 13:391-6)。
【0075】
ビタミンD不足の状態は、高齢者において、最も一般的に見られる。年齢に伴い、日光曝露の減少および起こり得る皮膚合成の減少により、血清25-OH ビタミンDが減少する。さらに、高齢者において、カルシウム取り込みの減少および逆説的なカルシウム吸収の減少により、この状態は悪化させられる。腎の1,25-(OH)2 ビタミンD産生の減少を生じる、年齢に伴う腎機能の減少が要因となり得る。
【0076】
高齢者の骨損失における、ビタミンD補給の効果の多くの研究がある。あるヒトはカルシウムの補給なしに、他のヒトはカルシウムの補給を伴う。その研究から、ビタミンD補給は欠乏および不足を覆すのに必要ではあるが、主な骨格の異常はカルシウム欠乏であるので、骨格に関する限りは、カルシウムを補給することがましてやなおさら重要であることが分かる。
【0077】
臨床試験に基づく文献において、最近の発見は、高齢の患者に対して、より高用量のビタミンDの必要性の傾向を提案している(Compston JE. BMJ 1998;317:1466-67)。ビタミンD 150.000〜300.000 IUの毎年の注射(約400〜800 IU/日に相当)のオープン準ランダム研究は、治療患者において、体全体の骨折率の有意な減少を示したが、股関節骨折の率には有意な減少を示さなかった(Heikinheimo RJら、Calcif Tissue Int 1992; 51:105-110)。
【0078】
前記から分かるように、カルシウムとビタミンDの組み合わせに興味がある。カルシウムとビタミンD3の推奨される一日許容量(recommended Daily Allowance (RDA))は次のとおりである(欧州委員会、欧州共同体中の骨粗鬆症の報告、予防のための処置、欧州共同体の公報局、ルクセンブルグ 1988):
【0079】
グループ年齢(歳) カルシウム(mg)* ビタミンD3 (μg)
新生児 0-0.5 400 10-25
0.5-1.0 360-400 10-25
小児 1.0-3.0 400-600 10
4.0-7.0 450-600 0-10
8.0-10 550-700 0-10
【0080】
男性 11-17 900-1000 0-10
18-24 900-1000 0-15
25-65 700-800 0-10
65+ 700-800 10
女性 11-17 900-1000 0-15
18-24 900-1000 0-10
25-50 700-800 0-10
51-65 800 0-10
65+ 700-800 10
妊婦 700-900 10
授乳婦 1200 10
* カルシウムのRDAは、国によって変わり、多くの国で再評価中である。
【0081】
ビタミンDは湿気に非常に感受性であり、分解される。それゆえ、ビタミンDは保護マトリックスの状態でしばしば投与される。したがって、ビタミンDを含んで錠剤が製造されるとき、錠剤化工程の間に適用される圧縮力が、マトリックスの保護効果を減少せず、それによりビタミンDの安定性を損なわないことが、最も重要である。
【0082】
このために、本発明により製造される顆粒または錠剤中の種々の成分の組み合わせは、錠剤化の間に比較的低い圧縮力を用い、適当な機械的強度(破砕強度、破砕性等)を有する錠剤を達成することができるので、ビタミンDもその組成物中に組み込まれる場合に、非常に適していることが証明された。
【0083】
したがって、圧縮工程は、錠剤の直径および所望の高さに関して調整される圧縮力で行われ、それゆえ、適用される圧縮力は、最大で約50 kN、最大で約40 kN、最大で約30 kNまたは最大で約20 kNのような最大でも約25 kNである。
【0084】
具体的な態様において、本発明は、
i)活性物質としてカルシウム含有化合物、
ii)ビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0085】
より具体的には、本錠剤は、
i)少なくとも200 mgのカルシウム含有化合物(通常の範囲200〜1500 mg)、
ii)少なくとも5 μgのビタミンD(通常の範囲5〜100 μg - 1 μg=40 IU)、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0086】
具体的な態様において、本発明は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約0.00029重量%〜約0.0122重量%のビタミンD、および
iii)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含む錠剤を提供する。
【0087】
特に、本錠剤は、成分の全量が約100重量%に相当する条件で、
i)約50重量%〜約90重量%のカルシウム含有化合物、
ii)約5〜30重量%の甘味剤
iii)約0.12重量%〜約4.9重量%の供給業者により供給されたままの保護マトリックスを含むビタミンD、
iv)任意に、一以上の医薬的に許容される賦形剤
を含み得る。
【0088】
本発明による錠剤の製造
本発明による方法は、任意に一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合されている、ここに記載のようにして得られる顆粒の圧縮をも含み得る。
【0089】
一般的に、錠剤は当業者に既知のあらゆる適当な方法により製造できる。当業者は、任意にRemington's The Science and Practice of Pharmacy (2003)からの手引きを用いて、異なる技術を採用する仕方を知るだろう。
【0090】
通常、錠剤中のカルシウム含有化合物の量は、例えば約150〜約800 mg、約200〜約700 mg、約200〜約600 mgまたは約200〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する。
【0091】
医薬的に許容される賦形剤
本文脈において、「医薬的に許容される賦形剤」の用語は、それ自体があらゆる治療的および/または予防的効果を実質的に有しない意味で不活性である、あらゆる物質を意味する。医薬的に許容される賦形剤は、許容可能な技術的性質を有する医薬組成物を得ることを可能にする目的で、活性薬物に加えられ得る。
【0092】
通常、カルシウム含有化合物は、錠剤への圧縮前に、一以上の医薬的に許容される賦形剤と混合される。そのような賦形剤は、例えば、充填剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、芳香剤、着色剤のような固形剤の製剤化に通常用いられるものを含み、甘味料、安定化剤等を含む。
【0093】
本発明により製造される錠剤における使用に適した賦形剤の例は次のとおりである。
【表1】
【0094】
甘味剤
好適な甘味料の例は、デキストロース、エリトリトール、フルクトース、グリセリン、グルコース、イノシトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール等を含む。ソルビトール、例えば、Neosorb P100T、Sorbidex P166B0およびSorbogem Fines Crystalline Sorbitolは、Roquette Freres, CerestarおよびSPI Polyols Inc.からそれぞれ入手可能である。Maltisorb P90(マルチトール)はRoquette Freresから入手可能、Xylitol CM50、Fructofin CM(フルクトース)およびLactitol CM50はDanisco Sweetenersから入手可能、Iaomalt ST-PF、Gaio TagatoseおよびManitolはPalatinit, Arla FoodsおよびRoquette, Freresからそれぞれ入手可能である。
【0095】
ソルビトールは(ショ糖と比較して)0.55の甘味効果を有し;マルチトールは≦1の甘味効果を有し;キシリトールは1の甘味効果を有し;イソマルトは<0.5の甘味効果等を有する。甘味効果は、個々の甘味剤の選択と関連して価値があり得る。したがって、もし錠剤の減少した重量と容量を望むなら、高い甘味効果を有する甘味剤を選択することが好適である。
【0096】
人工甘味料
アセスルファムカリウム、アリテーム、アスパルテーム、シクラミン酸、シクラミン酸塩(例えばシクラミン酸カルシウム、シクラミン酸ナトリウム)、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジン塩酸塩、サッカリン、サッカリン塩(例えばサッカリンアンモニウム、サッカリンカルシウム、サッカリンカリウム、サッカリンナトリウム)、スクラロース(sucralose)、タウマチンおよびそれらの混合物。
【0097】
芳香剤
アプロコット(Aprocot)、レモン、レモン/ライム、ライム、オレンジ、マンダリン、例えば、Firmenich, Kerpen, Germanyから入手可能なアプロコット501.110 AP0551、レモン501.051 TP0551、レモン501.162 AP0551、レモン/ライム501.053 TP0551、ライム501.054 TP0551、オレンジ501.071 AP0551、オレンジTP0551、オレンジ501.434 P0551、マンダリン501.AP0551、レモン デュラローム(Durarome)501.282 TDI1091、またはTasteTech, Bristol, Englandから入手可能なジューシー レモン フレバリング(Juicy Lemon Flavouring)T3602、またはGivaudan Schweiz AG, Kemptthal, Schweizから入手可能なレモン ライム フレーバー パームシール(Lemon Lime Flavour Permseal)11029-31、レモン フレーバー パーマシール(Lemon Flavour Permaseal)12028-31、レモン フレーバー ウルトラドシール(Lemon Flavour Ultradseal)96918-71、またはFrey + Lau Gmbh, Henstedt-Ulzburg, Germanyから入手可能なレモン フレーバー パウダー(Lemon Flavour Powder)605786、レモン フレーバー パウダー605897。
【0098】
糖アルコール
本発明による方法での使用に適した糖アルコールは、イソマルト、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、イノシトール、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール等、およびそれらの混合物からなる群から選択される。通常、存在するなら、カルシウム含有化合物を含む組成物中の糖アルコールの濃度は、例えば約5重量%〜約40重量%、約5重量%〜約35重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%のような、最大でも約40重量%である(前記を参照)。
【0099】
崩壊剤
アルギン酸−アルギネート、カルボキシメチルセルロース カルシウム、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)のようなセルロース誘導体および微結晶性セルロース、ポラクリリン カリウムまたはナトリウム、ポリアクリル酸、ポリカーボフィル、ポリエチレングリコール、ポリビニル酢酸、ポリビニルピロリドン(例えばPolyvidon(登録商標)CL、Polyvidon(登録商標)CL-M、Kollidon(登録商標)CL、Polyplasdone(登録商標)XL、Polyplasdone(登録商標)XL-10);カルボキシメチル澱粉ナトリウム(例えばPrimogel(登録商標)およびExplotab(登録商標))、クロスカルメロース ナトリウム(すなわち、架橋したカルボキシメチルセルロース ナトリウム塩、例えばAc-Di-Sol(登録商標))、ナトリウム澱粉グリコレート、澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉)、α化澱粉。
【0100】
当業者は、圧縮性錠剤が30分以内、より望ましくは15以内、最も望ましくは5分以内に崩壊することが好ましいことを理解するであろう。それゆえ、好ましくは、用いられる崩壊剤は、30分以内、より好ましくは15分以内、最も好ましくは5分以内に錠剤の崩壊をもたらす。しかしながら、咀嚼のみのための錠剤に対しては、幾分長い崩壊時間が許される。
【0101】
発泡剤(例えば炭酸水素ナトリウム(炭酸塩、アルカリ金属、アルカリ土類金属)とクエン酸(酒石酸、フマル酸等)との混合物)。
【0102】
グリダント(Glidant)および滑沢剤
ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、タルク、高融点を有するワックスおよびグリセリド、水素化植物油、コロイドシリカ、フマル酸ステアリルナトリウム、ポリエチレングリコールおよびアルキルサルフェートのようなグリダントおよび滑沢剤が組み込まれ得る。
好適な滑沢剤は、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、水素化植物油等を含む。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが用いられる。
【0103】
充填剤/希釈剤/結合剤
デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標)PH101、Avicel(登録商標)PH102またはAvicel(登録商標)PH105のような種々のAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標)P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、リン酸水素カルシウム、リン酸カルシウム(例えば、塩基性リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム)、硫酸カルシウム、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、二塩基性リン酸カルシウム、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリサッカライド(例えばデキストラン、大豆ポリサッカライド)、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸ナトリウム。
【0104】
界面活性剤/エンハンサー
次のような界面活性剤が用いられ得る:
非イオン性(例えばポリソルベート20、ポリソルベート21、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート61、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート81、ポリソルベート85、ポリソルベート120、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン モノラウレート、ソルビタン モノパルミテート、ソルビタン モノステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン トリオレエート、グリセリル モノオレエートおよびポリビニルアルコール)、
【0105】
アニオン性(例えばドキュセートナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウム)
カチオン性(例えば塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよびセトリミド)
脂肪酸、脂肪アルコールおよび脂肪エステル、例えば:
オレイン酸エチル、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸、ラウリル酸メチル、オレイン酸、カプリン酸ナトリウム
【0106】
ジオクチル カルシウム スルホスクシネート、ジオクチル カリウム スルホスクシネート、ドデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム ブロマイド、トリメチルテトラデシルアンモニウム ブロマイド、ポリオキシエチレン エーテル(ポリオキシエチレン-9-ラウリル エーテル)、ドデシル硫酸ナトリウム、ナトリウム ジオクチル スルホスクシネート、ラウリル酸ナトリウム、5-メトキシサリチル酸ナトリウム、サリチル酸ナトリウム;
【0107】
胆汁酸塩、例えば:
デオキシコール酸ナトリウム、デオキシコール酸、コール酸ナトリウム、コール酸、グリココール酸ナトリウム、グリコデオキシコール酸ナトリウム、タウロコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム;
細胞粘着剤、例えば:
レクチン(例えばトマト凝集素(Lycopersicon Esculentum Agglutinin)、小麦胚凝集素(Wheat Germ Agglutinin)、ウルチカ ジオイカ凝集素(Urtica Dioica Agglutinin))。
【0108】
N-アシル化アミノ酸(特に、N-[8-(2-ヒドロキシ-4-メトキシ)ベンゾイル]アミノカプリル酸(4-MOAC)、4-[4-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]酪酸、N-[8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ]-カプリル酸ナトリウム);
【0109】
リン脂質、例えば:
ヘキサデシルホスホコリン、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、1,2-ジ(2,4-オクタデカジエノイル)-sn-グリセロール-3-ホスホリルコリンおよびホスファチジルコリン(例えばジデカノイル-L-ホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン)、リゾホスファチジルコリンが特に興味がある;
【0110】
シクロデキストリン、例えば:
β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル β-シクロデキストリン、メチル シクロデキストリン;特に、ジメチル-β-シクロデキストリンが特に興味がある;
フシジン酸誘導体、例えば:
タウロジヒドロフシジン酸ナトリウム、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、ホスフェート-ジヒドロフシジン酸ナトリウム;特に、タウロジヒドロフシジン酸ナトリウムが特に興味がある。
【0111】
その他:
例えばグリシルリジン酸、カプリン酸のナトリウム塩、アルカン(例えばアザシクロアルカン)、アミンおよびアミド(例えばN-メチル-ピロリドン、アゾン(Azone))、アミノ酸および修飾アミノ酸化合物(例えばアセチル-L-システイン)、ポリオール(例えばプロピレングリコール、ヒドロゲル)、スルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)、テルペン(例えばカルボン)、アンモニウム グリシルリジネート(ammonium glycyrrizinate)、ヒアルロン酸、イソプロピル ミリステート、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシド、サポニン、DL-オクタノイルカルニチン クロライド、パルミトイル-DL-カルニチン クロライド、DL-ステアロイルカルニチン クロライド、アシルカルニチン、エチレンジアミンジヒドロ-クロライド、ホスフェート-ジヒドロフシデート、ナトリウム CAP);特に、n-ラウリル-β-D-マルトピラノシドが特に興味がある、α 1000 ペプチド、少なくとも6モル%のアスパラギン酸およびグルタミン酸を含むMW<1000 ペプチド、分解されたロイヤルゼリー、プレビオチカ(prebiotica)、ブチレート、酪酸、ビタミンD2、ビタミンD3、ヒドロキシ-ビタミンD3、1,25-ジヒドロキシ-ビタミンD3、スピルリナ、プロテオグリカン、大豆加水分解物、リジン、乳酸、ジ-フルクトース-無水物、ビリトール(vylitol)Ca-(ラクテート)、カゼインの加水分解物、特にカゼイノグリコマクロペプチド、CaCO3の陰イオン化、アセチルサリチル酸、ビタミンK、クレアチン。
【0112】
フィルム形成剤
投与形態にはコーティングを施すことができる。親水性フィルム形成剤、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC) (例えばHPMC E5、HPMC E15)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリデキストロースおよびマルトデキストリン、Seppic S.A.から入手可能なSepifilm(商標)およびSepifilm(商標)LP、信越化学から入手可能なPharmacoat(登録商標)、Colorconから入手可能なOpadry(登録商標)およびOpagloss(登録商標)、BASF AGから入手可能なKolicoat(登録商標)。
【0113】
フィルム添加剤
アセチル化モノグリセリド、アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、安息香酸ベンジル、ステアリン酸カルシウム、ひまし油、セタノール、クロレブタノール、コロイドシリカ、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、シュウ酸ジエチル、リンゴ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、マロン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、フタル酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、コハク酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジオクチル、グリセリン、グリセロールトリブチレート、グリセロールトリアセテート、グリセリル ベハネート、モノステアリン酸グリセリル、水素化植物油、レシチン、ロイシン、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレン グリコール、プロピレン グリコール、ポリソルベート、シリコーン、ステアリン酸、タルク、二酸化チタン、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ステアリン酸亜鉛、ワックス。
【0114】
本発明のその他の観点
本発明は、本発明の方法により得られる顆粒および固形投与形態にも関する。具体的には、本発明は、
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0115】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0116】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物を含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはビタミンD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0117】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度でカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物とを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0118】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0119】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0120】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0121】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0122】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0123】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0124】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0125】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0126】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0127】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンDを含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0128】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0129】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0130】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0131】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0132】
例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と、約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒と混合した、ビタミンD2および/またはD3を含む組成物(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0133】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも5重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0134】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも10重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0135】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも15重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0136】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と少なくとも20重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
【0137】
ビタミンDと例えば少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、または少なくとも80重量%のような、少なくとも60重量%の濃度のカルシウム含有化合物、特に炭酸カルシウムもしくはリン酸カルシウムまたはそれらの混合物と約25重量%の濃度の糖アルコールとを含む顆粒(ここで、カルシウム含有顆粒は本発明による方法で得られたものである);
を提供する。
【0138】
さらに、本発明は、一以上の上記の顆粒または組成物を含む、錠剤、特に咀嚼錠を提供する。
本発明は、次の非限定な実施例によりさらに説明される。
【0139】
材料および方法
方法
破砕強度:Ph.Eur. 2.9.8による
錠剤の高さ:(Moore & Wright(Sheffield)Ltdにより製造された)Micro 2000を使用
【0140】
以下の実施例において、次の材料を用いた。
【表2】
【0141】
以下の非限定な実施例は、本発明を説明するためのものである。当業者のために、工程パラメータの選択の仕方ならびに好適な成分およびそれらの好適な品質の選択の仕方の手引きを与えるために、本実施例は、主に、比較的固定された成分の組成を中心に取扱われる。しかしながら、当業者は、本内容を基に、工程パラメータならびに成分およびそれらの品質の調整の仕方を知るであろう。したがって、本発明は、以下の実施例に示される特定の組成に限定されない。
【実施例】
【0142】
実施例1
湿式造粒、実験の設計および顆粒の製造
本実施例の目的は、短くかつ激しい湿式凝集を組み合わせた、造粒液をカルシウム含有組成物に素早くかつ激しく添加することを含む方法が、成形性および圧縮性に関して好適な性質を有する顆粒を生じるかどうか、および得られる錠剤がカルシウムを必要とする病気の治療のための使用に適しているかどうかを調べることであった。前記のように、カルシウム含有錠剤の多孔性が、錠剤が、例えばチュアブル錠として適している(特に、許容される味およびマウスフィーリングに関して)かどうかを判断する際の重要なパラメータであることが判っている。
【0143】
Nautamixer中で、111.8 kgの炭酸カルシウム(平均粒子径約5〜25 μm)を35.0 kgのソルビトールと混合し、その後ホッパーに移した。2〜3の実験、以下に記載の実施例6および7に対して、炭酸カルシウムが単独で用いられた。ソルビトールは二つの異なる品質、平均粒子径約110 μmを有するもの(粗い)および平均粒子径約40 μmを有するもの(微細な)が用いられた。
【0144】
次の結合剤溶液を製造した:
1)3 kgのPovidone 30(PVP 30)を27 kgの精製水に溶解した。
2)9 kgのPVP 30を21 kgの精製水に溶解した。
【0145】
造粒は、バッチサイズ約50 kgおよび+2のナイフの位置でSchugi Flexomix FX-160中で行なった。混合機のシャフトの回転速度は2500 rpm〜4000 rpmの間で変化させた。炭酸カルシウム/ソルビトール混合物の供給は、撹拌器を有するK-tron T-65予備供給器(pre-feeder)およびK-tron一定重量供給器(constant weight feeder)WF300により調節した。粉末混合物の流量は、500 kg/hで維持した。
【0146】
結合溶液を噴霧により加え、液体流量は、湿潤顆粒を得るために、21 kg/h〜68 kg/hの間で変化させた。
湿潤顆粒を流動床乾燥機に移し、吸入空気温度を50℃〜110℃の間で変化させ、顆粒を製造物温度約45℃で乾燥した。ソルビトールを用いない方法に対しては、乾燥工程は製造物温度55℃で停止した。乾燥した顆粒を1500 μmの篩に通した。
【0147】
実験の設計
【表3】
【0148】
液体流量とPVP30の濃度が、加えられたPVP30の全量に影響を及ぼす。このことは、低い液体流量と低いPVP30濃度は顆粒中のPVP30の低量を招くことを意味する。
高剪断混合機および流動床技術を用いて、参考顆粒を製造した(実験14および15)。
【0149】
高剪断混合機顆粒(実験14)
ポリビニルピロリドン30(30 g)と精製水(250 g)の溶液を製造した。炭酸カルシウム(4534.2 g)およびソルビトール(1414.8 g)をFielder PMA25高剪断混合機中で、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)で1分間混合した。その粉末混合物を、140 g/分の速度、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)の混合機速度でポリビニルピロリドン30溶液を噴霧で加えて造粒した。湿らせた粉末マス(mass)を、110 rpm(インペラ速度)および1500 rpm(チョッパー速度)の混合機速度で2分間、湿式凝集を行なった。湿潤顆粒を40℃で8時間、トレーの上で乾燥した。乾燥した顆粒を篩1000に通した。
【0150】
流動床顆粒(実験15)
この方法は、上記の成分と同じ量を用いて、WO 00/28973の実施例1に記載のようにして行なった。ポリビニルピロリドン溶液を40 g/分の速度で流動床(炭酸カルシウムとソルビトールの流動化混合物)に噴霧した。噴霧は入口温度45℃で大気圧の空気で行なった。次いで、噴霧された顆粒が乾燥するまで、70℃の空気を通した。
【0151】
次の篩、1000 μm、500 μm、300 μm、250 μm、180 μm、125 μmおよび0 μm(125 μm未満)を用いて篩分析により顆粒を特徴付けた。
【0152】
5分間27 rpm、バッチサイズ約6 kgでErweka回転混合機を用いて、顆粒をステアリン酸マグネシウム0.75重量%と混合した。回転プレスおよび16 mm丸型パンチを備えたKorsch PH106を用いて、錠剤を製造した。
目的の錠剤量:1600 mg
目的の圧縮力:10 kN、17 kNおよび24 kN
ダイテーブル rpm:20
【0153】
錠剤を破砕強度(最大検知強度は200 Nである)で特徴付け、製造後2日目に錠剤の高さを測定した。
【0154】
次の実施例において、実験の検討を示す。
実施例2
錠剤の高さおよび破砕強度における、工程パラメータのソルビトール粒子径、PVP 30の濃度および得られる粒子径分布(psd)の影響
決められた顆粒組成、錠剤重量、錠剤直径および圧縮力で、錠剤の多孔性は錠剤の高さに比例する。すなわち、異なる工程パラメータを用いて製造された錠剤を比較すると、錠剤の高さが低くなるほど多孔性が低い。
【0155】
錠剤の製剤において、錠剤の多孔性が、特に錠剤の機械的強度に関して重要である。さらに、例えばチュアブル錠は、余り「硬(hard)」過ぎてはならない。すなわち、チュアブル錠は咀嚼するのが容易でなければならず、したがって、特にチュアブル錠の多孔性が重要である。このため、本発明者らが、錠剤中に含まれるカルシウム含有化合物の不快な味とマウスフィーリングを避けるために、錠剤の湿潤性が非常に重要であることを見出したことは注目すべきことである。錠剤が多孔性になるほど、それは湿り易くなる。したがって、いくらかの多孔性を有する錠剤を製造することが重要である。しかしながら、同時に、錠剤のサイズは、使い勝手が良いサイズに保たれるべきである。さらに、錠剤は、製造、包装、流通および保存の間、通常の取り扱いに耐えるために、十分強固でなければならない。
【0156】
実験1〜5、8〜13および14〜15を基に、Principal Component Analysis(PCA)分析をUnscramber(商標)(バージョン7.8)を用いて行なった。その結果を、ビ-プロット(Bi-plot)として、図1および2Aに示す。このタイプのプロットは、試料の性質を解明するために用いることができる。中心から遠く離れた変数が、最も顕著な影響を有する。与えられる変数と同じ方向の先端に位置する試料は、この変数により顕著に影響を受ける。変数の方向は、中心を通る線で示される。しかしながら、固定点として中心を用いるとき、与えられる変数のちょうど反対側にある試料も負の様式で顕著な影響を受ける。図1、2Aの解釈を容易にするために、図2Bおよび2Cはビ-プロットにおける主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与える。ビ-プロット中の変数の応答とオリゴ(orgio)間の距離(ここでtと呼ばれる)は、問題の変数の影響を表す。オリゴからの距離が長いほど、その影響は大きくなる。独立変数1を従属変数2とその応答で比較するとき、比較される変数のユニットベクトルの角度θ1がより近くなるほど、独立変数がその応答に大きな影響を有する。二つのベクトル間の角度が90°に近いと、変数は独立している。その角度が180°に近いと、変数は互いに逆比例する。
【0157】
PCA分析において、次の変数が用いられた:
・錠剤の高さ(「tablet hojde」と呼ばれる)
・用いられた各々の篩上の顆粒の量の形式での粒子径分布(psd)
・圧縮力
・液体流量(vaeskeflowと呼ばれる)
・錠剤の破砕強度(brudstyrke dagと呼ばれる)
・ソルビトール(粗)
・ソルビトール(微細)
【0158】
PCA分析からの最も重要な結果は:
【表4】
【0159】
篩125 μmおよび180 μm上、すなわち125 μm〜250 μmの間の顆粒の量の咀嚼用錠剤への影響は、二つの篩上の量の合計を2で除したものでうまく表される。これは、150 μm((180-125)/2+125)〜215 μm((250-180)/2+180)の間の仮想の粒子径幅に相当する。本文脈において、この幅は篩「150」μmと表示する。
【0160】
粒子径分布(psd)は、次のパラメータにより制御できる:
・粗ソルビトール粒子は、125 μm〜250 μmの幅の顆粒の量に有利である。
・微細ソルビトール粒子径は、500 μm〜1000 μmの幅の顆粒の量に有利である。
・速い液体流量は、250 μm〜300 μmの幅の顆粒の量およびいくらかのより大きい顆粒;1000 μmを超える顆粒に有利である。
【0161】
上記の分析を基に、次のことが結論付けられる:
i)咀嚼用錠剤を製造するための最適条件は、粗ソルビトール粒子の使用と約25〜35 kg/hの液体流量の適切な制御である。
ii)高い錠剤の高さおよびそれによる容易に咀嚼可能な錠剤のための理想的な顆粒は、150 μm〜215 μmの粒子径の割合が高いpsdを有する。
iii)飲み込み用錠剤を製造するための最適条件は、微細ソルビトール粒子および多量のPVP 30の使用である(実施例3を参照)。
【0162】
実施例3
流動床技術、高剪断混合機技術およびSchugiflex技術に基づく錠剤からの錠剤の高さおよび破砕強度の比較
実験1〜5、8〜13および14〜15の錠剤の高さおよび破砕強度を図3〜6に示す。
参考としての流動床または高剪断混合機造粒に基づく錠剤を用いた実験の分析は次のことを示す:
参考流動床:
*実験4、8および9に基づき、流動床ベースの錠剤と同等の高さと破砕強度を有する錠剤が、工程パラメータの適当な制御により得られることが示される。
*実験1、3および5は、参考から逸脱する。これは結合剤(PVP 30)の欠如または低いレベルによって説明できる。
【0163】
参考高剪断混合機
*実験10、11および12は、より高い破砕強度および幾分低い錠剤の高さを有する。
*実験2および13は、より低い破砕強度および同等の錠剤の高さを有する。その低い破砕強度は、結合剤(PVP 30)の欠如または低いレベルにより説明できる。
【0164】
実験8と実験11との比較は、ソルビトールの粒子径分布の重要性を示す。実験8からの錠剤は、実験11からの錠剤よりも錠剤の高さが高く、錠剤の破砕強度が低い。これらの実験は、ソルビトールの粒子径に関してのみ異なる。
【0165】
上記の分析に基づき、短くかつ激しい湿式凝集段階(wet massing phase)を用いる技術の使用により、流動床および高剪断混合機から得ることができるものと同様の顆粒が製造できることが結論付けられる。さらに重要なことには、流動床または高剪断混合法によって作ることができない顆粒、すなわち流動床および高剪断混合法を用いてそれぞれ得られるものの間の多孔性を有する錠剤に導く顆粒を得ることができる。このことは、該技術を用いて、咀嚼するかまたは飲み込むかのいずれかのための理想的な錠剤を製造することできることを意味する。
【0166】
実施例4
錠剤の高さおよび破砕強度に対する、エキストラ顆粒状(extragranular)ソルビトール(微細)の添加の影響
実験6からの顆粒をソルビトール(微細)またはキシリトールのいずれかと混合した。実験7からの顆粒をソルビトールと混合した。ソルビトールおよびキシリトールの量は、実施例1に記載の量に相当する。
【0167】
実験6および7からの錠剤の高さおよび破砕強度を図7〜8に示す。
図7および8に基づく分析は次のことを示す:
*エキストラ顆粒状ソルビトールの添加は、破砕強度を著しく増加させ、1〜15の全ての実験の中で一番高い破砕強度を生じる。
*エキストラ顆粒状キシリトールの添加は、ソルビトールで見られるよりも破砕強度に極めて低い影響を与える。
*エキストラ顆粒状ソルビトールまたはキシリトールの添加は、高剪断混合機および流動床から得られるものの間の範囲の錠剤の高さを生じる。
*流動床および高剪断混合機に基づく錠剤と同等の破砕強度は、圧縮力を弱めことにより得ることができ、それによりより高い多孔性を示すより高い錠剤を得ることができる。流動床の使用によって得ることができるものよりもおそらくさらにより高い。
【0168】
結論:
エキストラ顆粒状ソルビトールの使用は、錠剤の破砕強度を著しく増加させ、このことは圧縮力を低くすることを可能にする。このことは、錠剤の高さを増加させ、それにより錠剤の多孔性を増加させる。このことは、咀嚼用錠剤に特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】実験1〜5、8〜13、14および15を基にしたPCA分析の結果を示した図である。
【図2A】篩150 μm上の顆粒の推定量を含む、実験1〜5、8〜13、14および15を基にしたPCA分析の結果を示した図である。
【図2B】ビ-プロット(bi-plot)における主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与えるための図である。
【図2C】ビ-プロット(bi-plot)における主成分をどのように比較するかについての基本的な説明を与えるための図である。
【図3】流動床(実験15)と比較した、実験1、3、4、5、8、9からの錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【0170】
【図4】流動床(実験15)と比較した、実験1、3、4、5、8、9からの錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図5】高剪断混合機(実験14)と比較した、実験2、10、11、12、13からの錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【図6】高剪断混合機(実験14)と比較した、実験2、10、11、12、13からの錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図7】エキストラ顆粒状ソルビトールおよびキシリトールの添加による錠剤の、圧縮力とその高さとの関係を示した図である。
【図8】エキストラ顆粒状ソルビトールおよびキシリトールの添加による錠剤の、圧縮力とその破砕強度との関係を示した図である。
【図9】種々の糖アルコールの圧密力(compaction force)と破砕強度との関係を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を造粒室に供給すること、
ii)医薬的に許容される結合剤を任意に含む造粒液で前記組成物を長くとも30秒間湿式凝集させて、湿潤顆粒を得ること、
iii)このようにして得られる湿潤顆粒を乾燥すること
を含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造方法。
【請求項2】
工程ii)の湿式凝集が、例えば長くとも約15秒間、長くとも約10秒間または長くとも約5秒間のような、長くとも約20秒間行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程ii)の湿式凝集が、例えば長くとも約0.5秒間、長くとも約0.4秒間、長くとも約0.3秒間または長くとも約0.2秒間のような、長くとも約1秒間行なわれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
造粒室に約200〜約1000 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
造粒室に、例えば約300〜約750 kg/h、300〜約700 kg/h、約350〜約650 kg/h、約400〜約600 kg/h、約500 kg/hのような約450〜約550 kg/hのような、300〜約850 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
造粒室に約1000〜約1500 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
造粒液が、約15〜約100 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
造粒液が、例えば約20〜約60 kg/h、約20〜約50 kg/h、約20〜約40 kg/hまたは約25〜約35 kg/hのような、約15〜約80 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
造粒液が、約75〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
造粒液が、例えば約60〜約200 kg/h、約65〜約150 kg/h、約70〜約125 kg/hまたは約75〜約105 kg/hのような、約50〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
供給が、例えば2日以上、3日以上、4日以上、5日以上または7日以上のような、1日以上の間連続的に行なわれる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
カルシウム含有化合物を含む組成物が、造粒室の上部から供給され、重力により造粒室を通過する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
カルシウム含有化合物が、ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
医薬的に許容される結合剤が水溶性結合剤から選択される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
結合剤が、デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH101、Avicel(登録商標) PH102またはAvicel(登録商標) PH105のような種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標) P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、例えばデキストラン、大豆ポリサッカライドのようなポリサッカライドからなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
造粒液が水性媒体である、請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
得られる顆粒と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
得られる顆粒に、一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
加えられる活性な物質が、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
活性な物質が、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
一以上の医薬的に許容される賦形剤と任意に混合されている、請求項1〜20のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒を圧縮することを含む、錠剤の製造方法。
【請求項22】
請求項1〜20のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒が、一以上のさらなる活性物質と混合されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
錠剤中のカルシウム含有化合物の量が、例えば約150〜約800 mg、約200 mg〜約700 mg、約200 mg〜約600 mgまたは約200 mg〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
Schugi Flexomix装置により行なわれる、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
結合剤が、約0.1〜約30重量%の濃度で、カルシウム含有組成物および/または造粒液中に存在する、請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
医薬組成物を製造するための、請求項1〜25のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒の使用。
【請求項27】
医薬組成物が投与形態である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
投与形態が錠剤、カプセルまたはサシェである、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
組成物が、少なくとも60重量%のカルシウム含有化合物を含む、請求項26に記載の使用。
【請求項30】
組成物が顆粒の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
組成物が錠剤の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【請求項32】
組成物が咀嚼錠の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【請求項1】
i)カルシウム含有化合物を含む組成物を造粒室に供給すること、
ii)医薬的に許容される結合剤を任意に含む造粒液で前記組成物を長くとも30秒間湿式凝集させて、湿潤顆粒を得ること、
iii)このようにして得られる湿潤顆粒を乾燥すること
を含む、活性物質としてカルシウム含有化合物を含む顆粒の製造方法。
【請求項2】
工程ii)の湿式凝集が、例えば長くとも約15秒間、長くとも約10秒間または長くとも約5秒間のような、長くとも約20秒間行なわれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程ii)の湿式凝集が、例えば長くとも約0.5秒間、長くとも約0.4秒間、長くとも約0.3秒間または長くとも約0.2秒間のような、長くとも約1秒間行なわれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
造粒室に約200〜約1000 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
造粒室に、例えば約300〜約750 kg/h、300〜約700 kg/h、約350〜約650 kg/h、約400〜約600 kg/h、約500 kg/hのような約450〜約550 kg/hのような、300〜約850 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
造粒室に約1000〜約1500 kg/hの供給速度で供給される、請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
造粒液が、約15〜約100 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
造粒液が、例えば約20〜約60 kg/h、約20〜約50 kg/h、約20〜約40 kg/hまたは約25〜約35 kg/hのような、約15〜約80 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
造粒液が、約75〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
造粒液が、例えば約60〜約200 kg/h、約65〜約150 kg/h、約70〜約125 kg/hまたは約75〜約105 kg/hのような、約50〜約300 kg/hの範囲の噴霧速度で組成物に噴霧される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
供給が、例えば2日以上、3日以上、4日以上、5日以上または7日以上のような、1日以上の間連続的に行なわれる、請求項1〜10のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
カルシウム含有化合物を含む組成物が、造粒室の上部から供給され、重力により造粒室を通過する、請求項1〜11のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
カルシウム含有化合物が、ビスグリシノカルシウム、酢酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、クエン酸リンゴ酸カルシウム、カルシウムコーネート、フッ化カルシウム、カルシウムグルビオネート、グルコン酸カルシウム、カルシウムグリセロホスフェート、リン酸水素カルシウム、カルシウムヒドロキシアパタイト、乳酸カルシウム、カルシウムラクトビオネート、カルシウムラクトグルコネート、リン酸カルシウム、カルシウムピドレート、ステアリン酸カルシウムおよびリン酸三カルシウムからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
医薬的に許容される結合剤が水溶性結合剤から選択される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
結合剤が、デキストリン、マルトデキストリン(例えばLodex(登録商標)5およびLodex(登録商標)10)、デキストロース、フルクトース、グルコース、イノシトール、エリトリトール、イソマルト、ラクチトール、乳糖(例えば噴霧乾燥乳糖、α-乳糖、β-乳糖、Tabletose(登録商標)、種々のグレードのPharmatose(登録商標)、MicrotoseまたはFast-Floc(登録商標))、マルチトール、マルトース、マンニトール、ソルビトール、ショ糖、タガトース、トレハロース、キシリトール、低置換ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、信越化学から入手可能なLH11、LH20、LH21、LH22、LH30、LH31、LH32)、微結晶性セルロース(例えば、Avicel(登録商標) PH101、Avicel(登録商標) PH102またはAvicel(登録商標) PH105のような種々のグレードのAvicel(登録商標)、Elcema(登録商標) P100、Emcocel(登録商標)、Vivacel(登録商標)、Ming Tai(登録商標)およびSolka-Floc(登録商標))、澱粉または加工澱粉(例えば馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、コメ澱粉、α化澱粉)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、寒天(例えばアルギン酸ナトリウム)、カルボキシアルキルセルロース、デキストレート、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、例えばデキストラン、大豆ポリサッカライドのようなポリサッカライドからなる群から選択される、請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
造粒液が水性媒体である、請求項1〜15のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
得られる顆粒と一以上の医薬的に許容される賦形剤とを混合する工程をさらに含む、請求項1〜16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
得られる顆粒に、一以上の治療的、予防的および/または診断的に活性な物質を加える工程をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
加えられる活性な物質が、例えば一以上のビタミンまたはミネラルのような一以上の栄養剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
活性な物質が、例えばビタミンD3、ビタミンD2またはそれらの誘導体のようなビタミンDである、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
一以上の医薬的に許容される賦形剤と任意に混合されている、請求項1〜20のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒を圧縮することを含む、錠剤の製造方法。
【請求項22】
請求項1〜20のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒が、一以上のさらなる活性物質と混合されている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
錠剤中のカルシウム含有化合物の量が、例えば約150〜約800 mg、約200 mg〜約700 mg、約200 mg〜約600 mgまたは約200 mg〜約500 mg Caのような、約100〜約1000 mg Caに相当する、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
Schugi Flexomix装置により行なわれる、請求項1〜23のいずれか1つに記載の方法。
【請求項25】
結合剤が、約0.1〜約30重量%の濃度で、カルシウム含有組成物および/または造粒液中に存在する、請求項1〜24のいずれか1つに記載の方法。
【請求項26】
医薬組成物を製造するための、請求項1〜25のいずれか1つで定義されたようにして得られる顆粒の使用。
【請求項27】
医薬組成物が投与形態である、請求項26に記載の使用。
【請求項28】
投与形態が錠剤、カプセルまたはサシェである、請求項27に記載の使用。
【請求項29】
組成物が、少なくとも60重量%のカルシウム含有化合物を含む、請求項26に記載の使用。
【請求項30】
組成物が顆粒の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【請求項31】
組成物が錠剤の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【請求項32】
組成物が咀嚼錠の形態にある、請求項29のいずれかに記載の使用。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2008−528676(P2008−528676A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553728(P2007−553728)
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000195
【国際公開番号】WO2006/082501
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506390753)ニコメド ファーマ エイエス (9)
【氏名又は名称原語表記】NYCOMED PHARMA AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 852,NO−1385 Asker,Norway
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000195
【国際公開番号】WO2006/082501
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(506390753)ニコメド ファーマ エイエス (9)
【氏名又は名称原語表記】NYCOMED PHARMA AS
【住所又は居所原語表記】Drammensveien 852,NO−1385 Asker,Norway
【Fターム(参考)】
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