説明

カルシウム強化食品

【課題】許容される口あたり、外観、味、風味および食感を有する、補助食品の所要量を満たすチュアブルカルシウム強化食品を提供すること。
【解決手段】本発明は、チュアブルカルシウム強化食品等の強化食品であって、少なくとも1片のこの食品が、推奨される1日DRIの元素カルシウムを提供する強化食品に関する。本強化食品は、非強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する。本食品はまた、100〜2400IUのビタミンD3を提供してもよく、必要に応じて、風味付けしたコーティングでコーティングされてもよい。本発明はまた、本強化食品を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2006年8月29日に出願した米国出願第11/468,077号および2006年1月11日に出願した米国出願第11/329,905号に対する優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は強化食品を対象とし、より具体的には、有効成分の一般的な送達系としても機能することができる、チュアブルカルシウム補助食品を対象とする。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
カルシウムは、血液凝固、神経伝達、筋収縮、および心機能において重要な役割を果たす。高血圧、結腸癌、ならびに骨粗しょう症として知られる変性骨疾患の予防は、カルシウムによってもたらされてきた。カルシウムは、食事で比較的大量に必要とされる。米国食品栄養委員会は、カルシウムの食事摂取基準(DRI)を設定しており、1日約1,000mgのカルシウムを摂取すると、ほとんどの人の全身健康状態、特に骨の健康状態に必要な量が満たされる。高齢者および骨粗しょう症患者の場合は、1日約1,200mgのカルシウムを摂取することを多くの臨床医が推奨している。思春期の子供、ならびに授乳中および妊娠中の女性の場合は、1日1,000〜1,300mgのカルシウムが必要とされる。公表されているDRIには、年齢別に推奨されるDRI値が記載されている。成人における1日のカルシウム摂取量の上限(「UL」)は、2,500mgである。www.nal.usda.gov.を参照されたい。しかし、実際のカルシウム摂取量の平均は、推奨される1日量の約3分の1〜2分の1にすぎない場合がある。したがって、カルシウムの栄養補助が有益となる。食事中のカルシウム供給源により、十分な量のカルシウムが血液に供給されない場合は、不足分を補うために骨からカルシウムが消耗される。骨粗しょう症患者における年齢に伴う骨量低下および骨折の発症率は、食事性カルシウムの摂取量を多くすることで低減する場合がある。カルシウム吸収効率は、摂取量が増加するにつれて低下する。また、カルシウム吸収効率は、カルシウムを複数回に分けて摂取した場合の方がより高くなる。
【0004】
食物中に含まれるカルシウムを有効に活用する能力は、個人により大きく異なる場合がある。例えば、高タンパク食では、食事性カルシウムの吸収率が約15%であるのに対し、低タンパク食では、食事性カルシウムの吸収率がわずかに約5%である。さらに、ヒトにおける食事性タンパク質量が変化すると、尿中カルシウム排泄量にも変化が及ぶ。すなわち、タンパク質の消費量が多くなると、カルシウムの排泄量も多くなる(非特許文献1)。また、食物中の特定の化合物が、カルシウムの吸収を妨げる場合がある。カルシウムの吸収に影響を及ぼす腸管因子には、pH、カルシウム/リン比、脂肪吸収が損なわれる場合に発生する遊離脂肪酸の存在、およびビタミンD量が含まれる。一般的に、腸内容物がアルカリ性であるほど、カルシウム塩の溶解度が低くなる。また、カルシウム/リン比が高いと、より溶解しやすく、より吸収されやすい形態ではなく、リン酸三カルシウムが形成されやすくなる。カルシウムまたはリンのいずれかが過剰に摂取されると、他方の排泄量が増加する。適当な量のビタミンDを摂取した場合の最適な比率は1:1である。ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収を促進する。クエン酸カルシウムは、2つの独立したカルシウム吸収メカニズムを有することが明らかにされており、1つがビタミンDに依存したメカニズムで、もう1つがビタミンDに依存しないメカニズムである(非特許文献2)。多くの栄養学者は、現在推奨されているビタミンDの1日摂取量(400IU)が少なすぎると考えており、より多い摂取を推奨している。
【0005】
牛乳は、乳児および幼児にとっての主要なカルシウム源とされているが、多くの十代の若者および成人アメリカ人ではカルシウム消費量が不足している。牛乳やその他の飲料のカルシウム含有量は、米国のカルシウムDRIの達成を容易にするために、増加させることができる。豆腐、ヨーグルトおよび穀物等の他の食物のカルシウム強化については、それぞれ特許文献1、特許文献2、および特許文献3に開示されている。
【0006】
カルシウム化合物は、酵母食品中の膨脹剤の成分、すなわちpH調整剤として、かつ食品の栄養価のために、クラッカー等の焼成食品に使用されてきた。しかし、カルシウムを強化した焼成食品は一般的に、カルシウムを強化していない焼成食品に比べて、口渇感、乾燥したおよび硬い食感、ならびに極めて粉っぽい味を有する。
特許文献4は、カルシウムを強化した焼成食品を対象としており、生地が少なくとも1つのポリ−オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルおよび少なくとも1つのステアロイル乳酸塩の乳化量を含む、カルシウム強化クラッカーおよび他の焼成食品の軟化処理を教示している。特許文献5は、流動性および粉化性を改善するために、カルシウムが豊富な外表面を有するリン酸アルカリ金属アルミニウム微粒子を含む膨張酸を開示している。特許文献6および特許文献7は、少なくとも2〜20重量%の食事性ミネラルをさらに有する、ミネラル強化ベーカリー食品用の小麦粉を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第4,676,583号明細書
【特許文献2】米国特許第4,784,871号明細書
【特許文献3】米国特許第4,765,996号明細書
【特許文献4】米国特許第5,514,387号明細書
【特許文献5】米国特許第4,196,226号明細書
【特許文献6】米国特許第6,495,191号明細書
【特許文献7】米国特許第6,126,982号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Kerstetter,et al.,Am J Clin Nutr 1998;68:859−865
【非特許文献2】Favus and Pak;Am J of Therapeutics 2001;8:425−431
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、許容される口あたり、外観、味、風味および食感を有する、補助食品の所要量を満たすチュアブルカルシウム強化食品であって、少なくとも1片のこの食品が、カルシウムの推奨される1日のDRIおよび100〜2,400IUの範囲のビタミンDを提供する、強化食品を有するのが望ましいと考えられる。
また、他のビタミン、マルチビタミン、有益な油脂、活性剤(補助食品および医薬品を含む)、ならびに錠剤で送達できるよりも大量に必要となる成分等の他の活性化合物の送達系として作用することができる食品を有することも望ましいと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(発明の簡単な要旨)
本発明は、チュアブルカルシウム強化食品であって、少なくとも1片のこの食品が、推奨される1日DRIのカルシウムを提供することができる、カルシウム強化食品を対象とする。本カルシウム強化食品は、非カルシウム強化食品と実質的に類似の口あたり、食味および味を有する。本食品は、焼成食品であってもよければ、非焼成食品、調理済み食品、未調理食品、または菓子類であってもよい。少なくとも1片の本食品は、100〜1,500mgのカルシウムを提供し、好ましくは100〜650mgのカルシウムを提供し、最も好ましくは各片のカルシウム量が500mgである。少なくとも1片の本食品はさらに、100〜490mgのカルシウムを提供してもよい。本食品の各片はまた、100〜2,400IUのビタミンDも提供する。
【0011】
必要に応じて、本食品は、風味付けしたコーティングでコーティングしてもよい。
【0012】
カルシウムは、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸リンゴ酸カルシウムからなるカルシウム源の群から選択される。食品中で、クエン酸カルシウムの100%未満が100μm未満の粒径を有し;クエン酸カルシウムの99%未満が40μm未満の粒径を有し;クエン酸カルシウムの90%未満が20μm未満の粒径を有する。好ましい中央粒径は2〜6μmである。
【0013】
本食品は、菓子類、風味付けしたケーキ、ブラウニー、シュトルーデル、およびその他のケーキに似た製品からなる群から選択される。本食品は、ベーカリータイプの内部または菓子タイプの内部のいずれかを有してもよく、場合によっては、風味付けしたコーティングでコーティングされる。
【0014】
本食品は、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ピーナッツバター、およびニンジンケーキフレーバーからなる群から選択される香料を有する。
【0015】
本コーティングは、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ヨーグルト、およびピーナッツバターからなる群から選択される香料を有する。
【0016】
非コーティング食品の各片は、好ましくは3.5〜24gの重量を有し、前記食品の各片は必要に応じて0.5〜8gのコーティングで完全にコーティングしてもよい。
【0017】
本発明はまた、強化食品を製造する方法であって、前記食品がチュアブルであり、かつ推奨される1日DRIのカルシウムを提供する、方法も対象とする。前記方法は、a)選択した湿った成分および乾燥成分をミキサーで混合して、生地とバッターの混合物を形成する工程;b)前記生地とバッターの混合物を、押出成形機を介して供給する工程;c)前記押し出した生地/バッターを個々の片に切断する工程;d)前記個々の片をコーティングする工程;ならびにe)前記片をトレイ等の任意の数の包装形態へ包装する工程を含む。これにより、前記方法は、チュアブルカルシウム強化食品であって、前記食品の少なくとも1個の片が推奨される1日DRIのカルシウムを提供し、前記食品が非カルシウム強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する、強化食品を提供する。
【0018】
本発明はさらに、チュアブル強化食品であって、少なくとも1片のこの食品が、活性化合物、有益な油脂、補助食品、医薬品、および/または添加剤の送達系であり、前記強化食品が、非強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する、強化食品も対象とする。
【0019】
活性化合物は、マグネシウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉄、およびリン等のミネラル類;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、DおよびK等のビタミン類からなる群から選択される。
【0020】
有益な油脂は、DHA(ドコサヘキサエン酸)、オメガ6脂肪酸、およびオメガ3脂肪酸からなる群から選択される。
【0021】
活性化合物はさらに、抗酸化剤および他の関連化合物等の機能性成分、グルコサミン、ならびにコンドロイチンからなる群からも選択される。
【0022】
医薬品は、フェニトイン、コルヒチン、イブプロフェン、アスピリン、ヒドロキシクロロキン、および利尿剤からなる群から選択される。
【0023】
添加剤は、カフェイン、風味マスキング剤、マイクロカプセル化した活性化合物、ならびに光、熱および温度に不安定性の化合物からなる群から選択される。
【0024】
以上においては、以下に記載する本発明の詳細な説明を当業者がよりよく理解できるように、本発明の特徴および技術的利点をいくぶん大まかに概説してきた。本明細書中の以下では、本発明の特許請求の範囲の主題を形成する、本発明のさらなる特徴および利点について説明する。但し、本発明の同じ目的を達成するための他の構造を修正または設計する基礎として、本開示内容の概念および具体的な実施形態を容易に利用できることを、当業者であれば理解する必要がある。また、このような同等の構造は、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の趣旨および適用範囲から逸脱するものでないことも、当業者であれば理解する必要がある。本発明の構成および実施方法の両面において特徴的と考えられる新規の特徴は、その他の目的および利点とともに、以下の説明を添付図面と照らし合わせて考慮すると、よりよく理解されるであろう。但し、これらの図面はいずれも単に例示および説明を目的としたものであり、本発明の技術的範囲を限定することを意図したものではないことを明示的に理解されたい。
本発明は、例えば以下を提供する。
(項目1)
カルシウム強化食品であって、
少なくとも1片の該食品が、推奨される1日DRIのカルシウムを提供する、チュアブル食品を含み;
該カルシウム強化食品が非カルシウム強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する、食品。
(項目2)
少なくとも1片の前記食品が100〜1500mgの範囲のカルシウムを提供する、項目1に記載の食品。
(項目3)
少なくとも1片の前記食品が100〜650mgの範囲のカルシウムを提供する、項目2に記載の食品。
(項目4)
前記カルシウムが500mgである、項目3に記載の食品。
(項目5)
前記カルシウムが100〜490mgである、項目3に記載の食品。
(項目6)
少なくとも1片の前記食品がまた、100〜2,400IUの範囲のビタミンDを提供する、項目1に記載の食品。
(項目7)
前記ビタミンDの範囲が200〜1,200IUである、項目6に記載の食品。
(項目8)
前記食品が、風味付けしたコーティングでコーティングされる、項目1に記載の食品。
(項目9)
前記カルシウムが、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸リンゴ酸カルシウムからなるカルシウム源の群から選択される、項目1に記載の食品。
(項目10)
前記カルシウム源の100%未満が100μm未満の粒径を有する、項目9に記載の食品。
(項目11)
前記カルシウム源の99%未満が40μm未満の粒径を有する、項目10に記載の食品。
(項目12)
前記カルシウム源の90%未満が20μm未満の粒径を有する、項目11に記載の食品。
(項目13)
前記食品が、焼成食品、非焼成食品、調理済み食品、未調理食品、菓子類、風味付けしたケーキ、ブラウニー、シュトルーデル、およびその他のケーキに似た製品からなる群から選択される、項目1に記載の食品。
(項目14)
前記食品が、ベーカリータイプの内部または菓子タイプの内部を有する、項目13に記載の食品。
(項目15)
前記食品が、風味付けしたコーティングでコーティングされる、項目13に記載の食品。
(項目16)
前記食品が、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ピーナッツバター、およびニンジンケーキフレーバーからなる群から選択される香料を有する、項目13に記載の食品。
(項目17)
前記コーティングが、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、およびピーナッツバターからなる群から選択される香料を有する、項目15に記載の食品。
(項目18)
非コーティング食品の各片が3.5〜24gの範囲の重量を有する、項目1に記載の食品。
(項目19)
前記食品の各片が0.5〜8gのコーティングで完全にコーティングされる、項目8に記載の食品。
(項目20)
強化食品を製造するための方法であって、該食品がチュアブルであり、かつ推奨される1日DRIのカルシウムを提供し、該方法が、
a)選択した湿った成分および乾燥成分をミキサーで混合して、生地とバッターの混合物を形成する工程;
b)該生地とバッターの混合物を、押出成形機を介して供給する工程;
c)該押し出した生地/バッターを個々の片に切断する工程;ならびに
d)押し出した片を包装材料に包装することによりチュアブルカルシウム強化食品を提供する工程を含み、
少なくとも1片の該食品が推奨される1日DRIのカルシウムを提供し、該食品が非カルシウム強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する、強化食品を提供する、方法。
(項目21)
前記個々の片をトレイに包装する前に、該片を外部コーティングで完全にコーティングする工程をさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
トレイが、充填後に気密封止されるブリスターキャビティトレイである、項目20に記載の方法。
(項目23)
少なくとも1片の前記食品が100〜1,500mgの範囲のカルシウムを提供する、項目20に記載の方法。
(項目24)
1片の前記食品が100〜650mgの範囲のカルシウムを提供する、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記カルシウムが500mgである、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記カルシウムが100〜490mgである、項目24に記載の方法。
(項目27)
少なくとも1片の前記食品がまた100〜2,400IUの範囲のビタミンDも提供する、項目20に記載の方法。
(項目28)
前記食品の各片が200〜1,200IUの範囲のビタミンDを提供する、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記カルシウムが、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、およびクエン酸リンゴ酸カルシウムからなるカルシウム源の群から選択される、項目20に記載の方法。
(項目30)
前記カルシウム源の100%未満が100μm未満の粒径を有する、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記カルシウム源の99%未満が40μm未満の粒径を有する、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記カルシウム源の90%未満が20μm未満の粒径を有する、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記食品が、焼成食品、非焼成食品、調理済み食品、未調理食品、菓子類、風味付けしたケーキ、ブラウニー、シュトルーデル、およびその他のケーキに似た製品からなる群から選択される、項目20に記載の方法。
(項目34)
前記食品がベーカリータイプの内部または菓子タイプの内部を有する、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記食品が、風味付けしたコーティングでコーティングされる、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記食品が、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ピーナッツバター、およびニンジンケーキフレーバーからなる群から選択される香料を有する、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記コーティングが、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、およびピーナッツバターからなる群から選択される香料を有する、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記非コーティング食品の各片が3.5〜24gの範囲の重量を有する、項目20に記載の方法。
(項目39)
前記食品の各片が0.5〜8gのコーティングで完全にコーティングされる、項目20に記載の方法。
(項目40)
前記切断する工程の前後のいずれかに、前記押し出した生地/バッターを焼成する工程もさらに含む、項目20に記載の方法。
(項目41)
強化食品であって、
少なくとも1片の該食品が、活性化合物、有益な油脂、補助食品、医薬品、または添加剤の送達系であるチュアブル食品を含み;
該強化食品が非強化食品と実質的に類似の口あたり、食感および味を有する、
強化食品。
(項目42)
前記活性化合物が、マグネシウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉄、およびリン等のミネラル類;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、DおよびK等のビタミン類からなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目43)
前記有益な油脂が、DHA(ドコサヘキサエン酸)、オメガ6脂肪酸、およびオメガ3脂肪酸からなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目44)
前記活性化合物がさらに、抗酸化剤および他の関連化合物等の機能性成分、グルコサミン、ならびにコンドロイチンからなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目45)
前記医薬品が、フェニトイン、コルヒチン、イブプロフェン、アスピリン、ヒドロキシクロロキン、および利尿剤からなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目46)
前記添加剤が、カフェイン、風味マスキング剤、マイクロカプセル化した活性化合物、ならびに光、熱または温度に不安定性の化合物からなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目47)
前記食品が、風味付けしたコーティングでコーティングされる、項目41に記載の強化食品。
(項目48)
前記食品が、焼成食品、非焼成食品、調理済み食品、未調理食品、菓子類、風味付けしたケーキ、ブラウニー、シュトルーデル、およびその他のケーキに似た製品からなる群から選択される、項目41に記載の強化食品。
(項目49)
前記食品が、ベーカリータイプの内部または菓子タイプの内部を有する、項目48に記載の強化食品。
(項目50)
前記食品が、風味付けしたコーティングでコーティングされる、項目48に記載の強化食品。
(項目51)
前記食品が、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ピーナッツバター、およびニンジンケーキフレーバーからなる群から選択される香料を有する、項目48に記載の強化食品。
(項目52)
前記コーティングが、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、およびピーナッツバターからなる群から選択される香料を有する、項目50に記載の強化食品。
(項目53)
前記非コーティング食品の各片が、3.5〜24gの範囲の重量を有する、項目41に記載の強化食品。
(項目54)
前記食品の各片が、0.5〜8gのコーティングで完全にコーティングされる、項目50に記載の強化食品。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明をより完全に理解するため、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図1】図1は、本発明の食品の斜視図である。
【図2】図2は、図1の食品の内部を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の食品を製造するためのプロセス工程のフローチャートである。
【図4】図4は、図1の食品の1食分の包装を示す斜視図である。
【図5】図5は、図4の包装から形成されるマルチパックの一実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(発明の詳細な説明)
本明細書において「a」または「an」という語の使用は、特許請求の範囲および/または本明細書中で「含む(comprising)」という用語とともに使用される場合、「1つ」を意味する場合があるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは複数」の意味にも対応している。
菓子類とは、砂糖菓子およびその他の甘いスナック食品と定義される。本明細書の文脈の範囲内において、本用語は、ケーキ、ビスケット、ブラウニー、またはその他のケーキに似た製品を含まないものとする。
【0027】
水分活性は、システム中の水のエネルギー状態を表す測定値であり、食品中の水の分圧と純水の分圧の間の指数で表される。水分活性は、物体内で水分が構造的または化学的にどの程度強力に結合しているかを示す。水分活性は、液相(試料内)と気相(ヘッドスペース内)の平衡を保ち、その空間の相対湿度を測定することによって測定する。水分活性の主な用途は、微生物増殖の制御に関連する。微生物増殖の制御は、食品の安全性における重要な要素である。食品中における病原菌の増殖のほとんどは、水分活性(aw)を0.85以下にすることで抑制することができる。酵母菌やカビの増殖を抑制するには、awを0.75以下にする必要がある。湿度は、試料中に含まれる総水分量を測定する定量分析である。
【0028】
微粉化したカルシウム源は、微小径の粒子を有し、例えば、微粉化したカルシウム粒子の100%未満は、粒径が100μm未満である。
【0029】
口あたりは、食品または飲料の摂取時および/または摂取後に口内粘膜の感覚から伝わってくる混ざり合った経験である。口あたりは、試料採取する食品または飲料の密度、湿度、粘度、表面張力およびその他の物理的性質に関連する。
【0030】
1日約1,000mgのカルシウム摂取量が、ほとんどの人(19〜50歳)の全身健康状態、特に骨の健康状態に必要な量を満たす、カルシウムの推奨される食事摂取基準(DRI)である。高齢者(50歳超)および骨粗しょう症患者に推奨されるカルシウムのDRIは、骨の健康状態に応じて、約1,200〜1,500mgである。思春期の子供(9〜18歳)、ならびに授乳期および妊娠中の女性に必要とされるカルシウムのDRIは、1日約1,300mgである。7〜12ヵ月の乳児に必要とされるカルシウムのDRIは、1日270mgであり、1〜3歳の幼児に必要とされるDRIは、1日500mgであり、4〜8歳の子供に必要とされるDRIは、1日800mgである。
【0031】
食品技術業界の当業者に既知の通り、クリーミーとは一般的に、中等度から高度の粘度、非ニュートン流動、何らかの脂肪の存在、およびその他の要因を組み合わせた状態を有することとして指定される。クリーミーな食品は、非常に滑らかであって、じゃりじゃりした、ごろごろした、つぶつぶした、またはざらざらした性質を有してはならない。
【0032】
非カルシウム強化食品は、柔らかい食感、許容されるしっとりした口あたりを有し、異味がなく、じゃりじゃりしたおよびつぶつぶした性質がない。一般的に、食品のカルシウム含有量を増やすことによって、食品の口あたり、味および食感に悪影響が及び、口渇感、粉っぽい味、および硬い食感を有する食品になる。
【0033】
本発明において、チュアブル食品のカルシウム含有量は、微粉化したカルシウム源を使用して増加させることができることが明らかにされている。微粉化したカルシウム、好ましくはクエン酸カルシウムを使用すると、非カルシウム強化食品に匹敵する、許容されるしっとりした口あたり、柔らかい食感、および味を有する食品になる。
【0034】
本発明の食品10は、例えば、菓子類、風味付けしたケーキ、ブラウニー、またはシュトルーデル、あるいはその他のケーキに似た製品を含んでもよい(図1)。本食品は、焼成食品であってもよければ、非焼成食品、調理済み食品、または未調理食品であってもよい。本食品は、好ましくはベーカリータイプの内部または菓子タイプの内部のいずれかを有し、場合によっては外部のコーティングを有する。好ましくは、口あたりはクリーミーで、滑らかである。好ましい実施形態において、チュアブル食品10は、風味付けしたケーキ、または菓子類12であり、場合によっては風味付けしたコーティング14でコーティングされる(図2)。本製品は、クエン酸カルシウムを含んでもよく、さらにビタミンDを含んでもよい。ケーキ/菓子類およびコーティングには、いずれの香料を使用してもよい。香料の一部の例は、チョコレート、チョコレートミント、レモン、キャラメル、カプチーノ、モカ、シナモン、メープル、バター、フルーツフレーバー、バニラ、ピーナッツバターおよびニンジンケーキフレーバー等の香料から、それぞれ適切なコーティングとともに選択してもよい。
【0035】
好ましくは、カルシウム源は、Jost Chemical Co, Inc.(米国ミズーリ州セントルイス)、Jungbunzlauer Ladenburg GmbH(ドイツ ラーデンブルク)、またはBoehringer Ingelheim GmbH(ドイツ インゲルハイム)等の供給元から販売される「クエン酸カルシウム四水和物、USP Ultra Fine」である。好ましい実施形態において、カルシウム源の100%未満は、100μm未満の粒径を有する。より好ましい実施形態において、カルシウム源の99%未満は、40μm未満の粒径を有する。最も好ましい実施形態において、カルシウム源の90%未満は、20μm未満の粒径を有し、中央粒径は2〜6μmである。グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、炭酸カルシウム、およびクエン酸リンゴ酸カルシウム等の他のカルシウム源は、他の既知のカルシウム源と同様に使用してもよい。好ましくは、カルシウム源は、カルシウム源1gあたり0.10μg未満の鉛値を有し、より好ましくは、カルシウム源1gあたり0.020μg未満の鉛値を有する。
【0036】
コーティングされていない各チュアブル片は、種々のサイズおよび重量に形成してもよい。種々のサイズおよび重量の例については、カルシウムおよびビタミンDそれぞれの量、ならびにそれぞれのカロリーとともに、以下の表に示す。
【0037】
【表1】

チュアブル食品は、13〜15%、好ましくは14%の含水量、および0.8未満、好ましくは0.75未満、より好ましくは0.60〜0.65の水分活性を有する。食品の保存寿命は、1〜36ヵ月間である。コーティングされた食品は、以下の量のコーティングを有してもよい:すなわち、3.5g片は約0.5〜2g、好ましくは1gのコーティングを有してもよく;9g片は約1.5〜4g、好ましくは2gのコーティングを有してもよく;18g片は約3〜6g、好ましくは4gのコーティングを有してもよく;24g片は約4〜8g、好ましくは5.5gのコーティングを有してもよい。
【0038】
少なくとも1片のチュアブル食品は、ヒトの年齢および食品のサイズに応じて、推奨される1日DRIのカルシウムを提供することができる。チュアブル食品はまた、トランス脂肪を有さず、鉛値が低く、炭水化物が少ない。各片中のカルシウム量は、チュアブル片のサイズにより変動するか、あるいはサイズを一定に維持して、カルシウム量を変動させてもよい。例えば、3.5〜12gの重量の片は、100〜650mgのカルシウムを提供することができる。それぞれ500mgのカルシウムを有する9gの片2個は、カルシウムの1日あたりのDRIである1,000mgを提供することができる。したがって、推奨される1日DRIのカルシウムを満たす片の個数は、チュアブル片のサイズおよび重量により異なる。他の実施形態において、本食品の各片は、500mg未満、例えば100〜490mgのカルシウムを有してもよい。しかし、カルシウム吸収効率は、カルシウムを複数回に分けて摂取した場合の方がより高くなる。
【0039】
食品中の成分には、例えば、砂糖、クエン酸カルシウム、強化漂白小麦粉(ナイアシン、還元鉄、チアミン硝酸塩、リボフラビン、葉酸)、牛乳、卵、油(部分的に水素化したパーム核/パーム油および大豆油等)、コーンシロップ、乳清、天然および人工香味料、ココア、キサンタンガム、グリセロール、大豆レシチン、人工着色料、安息香酸ナトリウム、リン酸、ソルビン酸カリウム、塩、ならびにビタミンDが含まれてもよい。他の実施形態において、DHAは追加の成分であってもよければ、あるいは大豆油等の任意の油の代わりとしてもよい。好ましくは、牛乳および卵は乾燥させてあり、安全上の理由から低温殺菌する必要がある。なぜなら、本食品は、材料が押出成形機を通過する際にいわゆる「調理」が行われる以外は、焼いたり、調理したりしないためである。他の実施形態において、乾燥卵または脱脂粉乳あるいはその両方は、ブドウ糖、果糖、マルトデキストリン、小麦粉、蔗糖(粉砂糖)、またはでんぷんで代用してもよい。柔らかい食感を維持するために、インベルターゼを添加してもよい。インベルターゼは、蔗糖を分解することによって製品の柔らかい食感を維持するのを助ける酵素である。レシチン、モノグリセリドおよびジグリセリド、プロピレングリコール、ならびに脂肪酸モノエステル等の脂肪乳化剤は、一片中の油の移行を遅らせるために使用して、油を乳化させる場合がある。さらに、望ましくない味プロファイルを有する成分をコーティンして、不快な味をマスキングしてもよい。食品は、必要に応じて、風味付けしたコーティングでコーティングしてもよい。
【0040】
本発明のチュアブル食品10は、長期の保存期間、好ましくは1〜36ヶ月の保存期間、より好ましくは18〜24ヶ月の保存期間を有する。これは、製品の酸素値および水分活性の両方を減少させることによって達成される。好ましくは、酸素値は、製品の風味または外観を変化させることなく、可能な限り低くする。また、保存中には、微生物による食品の劣化が急速に生じる可能性がある。含水量は、食品中の劣化速度を制御する上で重要な要素である。食品の保存期間を決定するのは、微生物活性への水の利用性であり、これは食品の水分活性によって測定される。したがって、チュアブル食品の水分活性は0.8未満、好ましくは0.75未満であるのが望ましい。そのため、低い酸素値および0.8未満の水分活性値によって、1〜36ヶ月の製品の保存期間にわたり維持される、新鮮な味を有する安定した製品がもたらされる。
【0041】
チュアブル食品10はまた、マグネシウム、マンガン、亜鉛、マグネシウム、鉄、およびリン等のその他のミネラル類;ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、DおよびK等のその他のビタミン類;DHA(ドコサヘキサエン酸);オメガ6脂肪酸およびオメガ3脂肪酸;抗酸化剤および他の関連化合物等の機能的性原料;グルコサミン;コンドロイチン;カフェイン;フェニトイン、コルヒチン、イブプロフェン、アスピリン、ヒドロキシクロロキン、利尿剤、風味マスキング剤、マイクロカプセル化した活性化合物等の薬剤活性医薬品成分、ならびに任意の数の光、熱および温度に不安定性の化合物の送達系として機能することもできる。送達系として、食品10はまた、量が多すぎるために錠剤の形態で送達することができない薬剤活性医薬品成分の用量を送達する手段も提供することができる。これは、企図される成分および化合物の網羅的な一覧ではない。
【0042】
図3のフローチャートに示す通り、本発明のチュアブル食品は、乾燥成分と湿った成分成分をミキサー16で混合することにより形成される。好ましい実施形態においては、縦型ミキサーが使用される。すべての成分、特に有効成分の含量を均一に維持するために、混合の時間が調節される。生地とバッターの混合物は、2軸スクリュー押出成形機等の押出成形機18を介して供給される。好ましい実施形態において、食品中に封入される空気を最小限にする必要性から、ve−mag押出成形機が使用される。これは、封入された空気が食品の重量の変化をもたらすためであり、食品を補助食品として適切にするには、特定の許容重量が満たされなければならない。最も好ましい実施形態において、ve−mag押出成形機は、押出成形機のヘッドを一定値に充填された状態に維持し、2軸押出成形機に陽圧を供給するために真空チャンバーを有する。驚くべきことに、押し出された生地/バッターは、押し出しプロセスで行われる任意の「調理」の他に、ベーカリー食品や菓子類に似た食感を実現するために、ベーキングやさらなる調理を行う必要がないことが明らかにされている。
【0043】
押し出された生地/バッターは、好ましくは2往復運動するギロチンを使用して、いくつかの片に切断される(20)。押出しを容易にするため、生地の硬さを最適に維持してもよい。ギロチンによる切断のタイミングおよびコンベヤ速度を変更することにより、カルシウム、ビタミンDおよびその他の送達系成分の濃度が異なる食品が得られる。あるいは、食品サイズを一定に保ちながら、生地混合物中のカルシウム、ビタミンDおよび送達系成分の量を変化させてもよい。これにより、推奨される1日DRIのカルシウムまたはその他の推奨される投与量の変動に適合するように食品をカスタマイズすることができる。
【0044】
押出し後、製品は、冷却トンネル24にてプロセス室の室温に冷却される。急速冷却によって、ビタミンDならびにその他の熱および光に不安定性の成分の分解を最小限にすることができる。その後、各片を、食品製造の当業者に既知の標準的な菓子用エンローバーを使用して、コーティングでコーティングしてもよい(26)。好ましい実施形態において、各片は、コーティングで完全にコーティングされる。例えば、3.5g片は約0.5〜2g、好ましくは1gのコーティングを有してもよく;9g片は約1.5〜4g、好ましくは2gのコーティングを有してもよく;18g片は約3〜6g、好ましくは4gのコーティングを有してもよく;24g片は約4〜8g、好ましくは5.5gのコーティングを有してもよい。コーティングは、各片を完全に封入して、ビタミンDならびにその他の不安定なビタミンおよび成分を、分解の原因となり得る光源ならびに特定の酸素源から実質的に保護している。製品をコーティングすると、製品は、コーティングを固めるために、再び冷却トンネル28を移動する。
【0045】
食品技術の当業者であれば、コーティングされた食品の企図される出荷条件が、コーティング材料の選択に影響を与えることを認識している。一般的に、102〜110°Fの低い融点を有するコーティング材料が使用される場合、コーティングされた食品は、冷蔵または制御下の冷温の出荷条件を必要とする。あるいは、110〜130°Fの高い融点を有するコーティング材料が使用される場合、コーティングされた食品材料は、非冷蔵条件下で出荷することができ、ほとんどの場所における不利な環境条件に耐える。好ましい実施形態において、ほとんどの出荷状況においてコーティングが融解するのを防止するためには、117°Fの融点を有する高融点のコーティング材料を使用してもよい。コーティング材料は、Guittard Chocolate Company(米国カリフォルニア州バーリンゲーム);AMD(米国イリノイ州ディケーター);またはClasen Quality Coating, Inc.(米国ウィスコンシン州マディソン)等の供給元から入手することができる。
【0046】
コーティングが固まったら、製品を、コンベヤを介してまたは手動で包装エリアに移動させることができる。標準的な横型の成形・装填・シール機が使用される。好ましい実施形態において、高バリア積層フィルム構造は、「ブリスター」キャビティトレイ30に熱成形され、ロボット型ピックアンドプレース式装着機32によって、トレイにチュアブル食品が充填される。充填されたトレイはシーリングステーション34に送られ、ここで大気を変化させて、トレイキャビティのヘッドスペースから酸素を除去し、酸素を不活性ガスに置き換える。好ましい実施形態において、不活性ガスは、0〜20%の二酸化炭素および80〜100%の窒素で構成される。トレイは、特定のバリア性を有する箔積層フィルムで気密封止される。好ましい実施形態において、箔積層フィルムは、0.019〜0.026cc/(100in日)の酸素透過率および0.068,+/3%g/(100in日)の水蒸気透過率を有する。製品はその後、広範な小売包装形態36へ詰め込まれる。
【0047】
包装38の一例において、食品10の各片は、箔積層フィルム42を有する個々のトレイ40に配置される(図4)。トレイ40は、各列3つのトレイを有する2列からなり、トレイ40の縁が分離しやすいようにミシン目46を有する包装44に成形してもよい(図5)。
【0048】
すべてのプロセス工程は、ミキサー、押出成形機、カッター、冷却トンネルまたは自動包装装置を必要とすることなく、手動で実施してもよいことが理解される。
【0049】
本発明を以下の実施例で詳細に説明するが、特に明記しない限り、すべての部分、比率および百分率は重量で表され、かつすべての温度は華氏(°F)で表される。
【実施例1】
【0050】
一例としては、チョコレート風味のコーティングに浸した、9gのブラウニーまたはチョコレート菓子製品がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、約500mgのカルシウムおよび約200IUのビタミンDを提供する、カルシウム強化ブラウニー/菓子を製造することができる。
【0051】
【表2】

ブラウニー/チョコレート菓子の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態においては、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、乾燥卵、粉乳のいずれかまたは両方で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0052】
各片を、標準的なチョコレート用エンローバー装置を使用して、約2gのチョコレート風味付けしたコーティングでコーティングする。片がコーティングされたら、コーティングを固化するために、片を冷却トンネル内に通過させる。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例2】
【0053】
別の例としては、レモン風味のコーティングに浸した、レモン風味のケーキまたは菓子の9g片がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、約500mgのカルシウムおよび200IUのビタミンDを提供する、カルシウム強化ケーキ/菓子を製造することができる。
【0054】
【表3】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態においては、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、乾燥卵、粉乳のいずれかまたは両方で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンで数片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0055】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのレモン風味のコーティングでコーティングする。片がコーティングされたら、コーティングを固化するために、片を冷却トンネル内に通過させる。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例3】
【0056】
別の例としては、キャラメル風味のコーティングに浸した、キャラメル風味のケーキまたは菓子の9g片がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、約500mgのカルシウムおよび約200IUのビタミンDを提供する、カルシウム強化ケーキ/菓子を製造することができる。
【0057】
【表4】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態においては、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、乾燥卵、粉乳のいずれかまたは両方で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0058】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのキャラメル風味付けしたコーティングでコーティングする。片がコーティングされると、コーティングを固化するために、片が冷却トンネル内を通過する。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例4】
【0059】
別の例としては、チョコレートミント風味のコーティングに浸した、9g片のチョコレートミント風味のケーキまたは菓子類である。各成分およびそれらの相対量を使用して、約500mgのカルシウムおよび約200IUのビタミンDを提供する、カルシウム強化ケーキ/菓子を製造することができる。
【0060】
【表5】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態において、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、乾燥卵、粉乳のいずれかまたは両方で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0061】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのチョコレートミント風味付けしたコーティングでコーティングする。片がコーティングされたら、コーティングを固化するために、片を冷却トンネル内に通過させる。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例5】
【0062】
別の例としては、レモン風味のコーティングに浸した、カルシウムおよびマルチビタミンを強化したレモン風味のケーキまたは菓子の9g片がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、100〜490mgのカルシウム、約200IUのビタミンD、ならびにビタミンD、A、E、B12、C、ベータカロチン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシン、ピリドキシン、チアミンおよびリボフラビンを含有するマルチビタミン混合物を提供する、マルチビタミン強化ケーキ/菓子を製造することができる。好ましくは、これらの味をマスキングするために、ビタミンB群がコーティングされる。
【0063】
【表6】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態において、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、粉乳で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0064】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのレモン風味のコーティングでコーティングする。片がコーティングされたら、コーティングを固化するために、片を冷却トンネル内に通過させる。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例6】
【0065】
別の例としては、レモン風味のコーティングに浸した、カルシウムおよびDHAを強化したレモン風味のケーキまたは菓子の9g片がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、約500mgのカルシウム、約200IUのビタミンDおよびDHAを提供する、強化ケーキ/菓子を製造することができる。
【0066】
【表7】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態において、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、粉乳で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0067】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのレモン風味のコーティングでコーティングする。片がコーティングされると、コーティングを固化するために、片が冷却トンネル内を通過する。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【実施例7】
【0068】
別の例としては、レモン風味のコーティングに浸した、マルチビタミンを強化したレモン風味のケーキまたは菓子の9g片がある。各成分およびそれらの相対量を使用して、ビタミンD、A、E、B12、C、ベータカロチン、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシン、ピリドキシン、チアミンおよびリボフラビンを含有するマルチビタミン混合物を提供する、マルチビタミン強化ケーキ/菓子を製造することができる。好ましくは、これらの味をマスキングするために、ビタミンB群がコーティングされる。
【0069】
【表8】

ケーキ用の乾燥成分および湿った成分を縦型ミキサーで混合し、混合したバッターをve−mag押出成形機を介して供給する。他の実施形態において、ブドウ糖を、等しい重量パーセント(w/w%)濃度にて、粉乳で代用してもよい。インベルターゼを添加してもよい。押し出された製品を、2往復運動するギロチンでいくつかの片に切断する。その後、製品をプロセス室の室温に冷却する。
【0070】
各片を、標準的なエンローバー装置を使用して、約2gのレモン風味のコーティングでコーティングする。片がコーティングされたら、コーティングを固化するために、片を冷却トンネル内に通過させる。コーティングが固化したら、片を包装エリアに移動させて、「ブリスター」キャビティトレイに包装する。充填したトレイは箔積層フィルムで気密封止する。その後、充填したトレイを種々の小売包装形態に詰め込む。
【0071】
以下において本発明およびその利点を詳細に説明してきたが、本明細書では、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の趣旨および適用範囲から逸脱することなく、種々の変更、代用および修正を行うことができることを理解する必要がある。さらに、本出願の適用範囲は、本明細書に記載のプロセス、装置、製造品、組成物、手段、方法および工程の特定の実施形態に限定されるとは意図されない。当業者であれば、本明細書に記載の対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすか、または実質的に同じ結果を達成する、現在存在するか、または今後開発されるプロセス、装置、製造品、組成物、手段、方法または工程が、本発明に従って利用される場合があることを、容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、装置、製造品、組成物、手段、方法または工程をその適用範囲内に包含するものとして意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図5】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2011−172595(P2011−172595A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−129080(P2011−129080)
【出願日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【分割の表示】特願2008−550330(P2008−550330)の分割
【原出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(500367252)ミッション・ファーマカル・カンパニー (3)
【出願人】(508208351)スターリング フーズ, リミテッド (2)
【Fターム(参考)】