カルシトニン薬−オリゴマーコンジュゲートの混合物および疼痛治療における使用方法
混合物中の各コンジュゲートが、ポリアルキレングリコール部分を含むオリゴマーと結合したカルシトニン薬を含む、コンジュゲート混合物が開示される。混合物は被験者の血清カルシウム濃度を10、15または更に20パーセント以上減少させ得る。その上、混合物は、コンジュゲートされていないカルシトニンよりも、腸分解のインビトロ・モデルでは、効率よく生存し得る。更に、混合物はコンジュゲートされていないカルシトニンより高いバイオアベイラビリティを示し得る。本発明の組成物は種々の骨疾患および疼痛の治療に有用である。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、前記コンジュゲートが第一オリゴマーおよび第二オリゴマーを含み、各オリゴマーがサケ・カルシトニンと結合し、ならびに第一オリゴマーが前記サケ・カルシトニンのLys11のアミン官能基と共有結合し、第二オリゴマーが前記サケ・カルシトニンのLys18のアミン官能基と共有結合する、方法。
【請求項2】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートがポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーと結合したカルシトニン薬を含み、前記オリゴマーが非加水分解結合により前記カルシトニン薬と共有結合した第一ポリエチレングリコール部分と、加水分解結合により前記第一ポリエチレングリコール部分と共有結合した第二ポリエチレングリコール部分とを含む、方法。
【請求項3】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、それぞれがサケ・カルシトニンのLys11でカルボン酸(カルボン酸部分より遠位の末端で、少なくとも7つのポリエチレングリコール・サブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分と共有結合する)のカルボン酸部分と共有結合し、サケ・カルシトニンのLys18でカルボン酸(カルボン酸部分より遠位の末端で、少なくとも7つのポリエチレングリコール・サブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分と共有結合する)のカルボン酸部分と共有結合するサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項4】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合するサケ・カルシトニンを含み、かつ前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化1】
を有する、方法。
【請求項5】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合するサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化2】
を有する、方法。
【請求項6】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化3】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項7】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数1】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化4】
を有する、方法。
【請求項8】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数2】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化5】
を有する、方法。
【請求項9】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数3】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化6】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項10】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、コンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化7】
を有する、方法。
【請求項11】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、コンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化8】
を有する、方法。
【請求項12】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、有効量のコンジュゲート混合物を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化9】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項13】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、有効量のコンジュゲート混合物を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、同じ分子量を有し、かつカルシトニン薬−オリゴマー構造を有し、前記オリゴマーが次式:
【化10】
(式中:
Bは結合部分であり、
Lはリンカー部分であり、
G、G’およびG’’は個々に選択されるスペーサー部分であり、
Rは親油性部分であり且つR’はポリアルキレングリコール部分であるか、またはR’は親油性部分であり且つRはポリアルキレングリコール部分であり、
Tはメトキシであり、
j、k、mおよびnは個々に0または1であり、
pは1からカルシトニン薬の求核性残基数までの整数である)を有し、前記カルシトニン薬がLys11およびLys18で前記オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンである、方法。
【請求項1】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、前記コンジュゲートが第一オリゴマーおよび第二オリゴマーを含み、各オリゴマーがサケ・カルシトニンと結合し、ならびに第一オリゴマーが前記サケ・カルシトニンのLys11のアミン官能基と共有結合し、第二オリゴマーが前記サケ・カルシトニンのLys18のアミン官能基と共有結合する、方法。
【請求項2】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートがポリエチレングリコール部分を含むオリゴマーと結合したカルシトニン薬を含み、前記オリゴマーが非加水分解結合により前記カルシトニン薬と共有結合した第一ポリエチレングリコール部分と、加水分解結合により前記第一ポリエチレングリコール部分と共有結合した第二ポリエチレングリコール部分とを含む、方法。
【請求項3】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、実質的に単分散のコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、それぞれがサケ・カルシトニンのLys11でカルボン酸(カルボン酸部分より遠位の末端で、少なくとも7つのポリエチレングリコール・サブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分と共有結合する)のカルボン酸部分と共有結合し、サケ・カルシトニンのLys18でカルボン酸(カルボン酸部分より遠位の末端で、少なくとも7つのポリエチレングリコール・サブユニットを有するメチル末端ポリエチレングリコール部分と共有結合する)のカルボン酸部分と共有結合するサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項4】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合するサケ・カルシトニンを含み、かつ前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化1】
を有する、方法。
【請求項5】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合するサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化2】
を有する、方法。
【請求項6】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、標準偏差約22ダルトン未満の分子量分布を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、混合物中の各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化3】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項7】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数1】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化4】
を有する、方法。
【請求項8】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数2】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化5】
を有する、方法。
【請求項9】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、
【数3】
(式中:
nは試料中の異なる分子の数であり、
Niは試料のi番目分子の数であり、
Miはi番目分子の質量である)において、10,000を超える分散係数(DC)を有するコンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、
混合物中の各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化6】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項10】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、コンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化7】
を有する、方法。
【請求項11】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、コンジュゲート混合物の有効量を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11で第一オリゴマーと結合しLys18で第二オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含み、前記第一オリゴマーおよび前記第二オリゴマーがそれぞれ次式:
【化8】
を有する、方法。
【請求項12】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、有効量のコンジュゲート混合物を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、Lys11またはLys18で次式:
【化9】
を有するオリゴマーと結合したサケ・カルシトニンを含む、方法。
【請求項13】
その治療を必要とする被験者の末梢疼痛を治療する方法であって、有効量のコンジュゲート混合物を前記被験者に投与するステップを含み、各コンジュゲートが、同じ分子量を有し、かつカルシトニン薬−オリゴマー構造を有し、前記オリゴマーが次式:
【化10】
(式中:
Bは結合部分であり、
Lはリンカー部分であり、
G、G’およびG’’は個々に選択されるスペーサー部分であり、
Rは親油性部分であり且つR’はポリアルキレングリコール部分であるか、またはR’は親油性部分であり且つRはポリアルキレングリコール部分であり、
Tはメトキシであり、
j、k、mおよびnは個々に0または1であり、
pは1からカルシトニン薬の求核性残基数までの整数である)を有し、前記カルシトニン薬がLys11およびLys18で前記オリゴマーと結合したサケ・カルシトニンである、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2007−521268(P2007−521268A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517158(P2006−517158)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016784
【国際公開番号】WO2005/004792
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(506292941)バイオコン・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016784
【国際公開番号】WO2005/004792
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(506292941)バイオコン・リミテッド (7)
【Fターム(参考)】
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