説明

カルバメート官能性シリカ化合物およびその製造法、および該化合物の使用

カルバメート官能性シリカが開示されている。開示された官能性シリカの製造法および同じ官能性シリカを含有する塗料も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2004年10月1日付け出願の米国特許第60/615417号明細書に係属するものではない。この場合、この米国特許明細書は、参考のために記載した。
【0002】
発明の背景
本発明は、硬化性塗料、殊に自動車の外側パネルに使用するための熱硬化性塗料に関する。
【0003】
発明の背景
硬化性塗料、殊に熱硬化性塗料は、塗装技術において広範囲に使用されている。この熱硬化性塗料は、しばしば自動車産業および産業用塗装工業において上塗りに使用されている。
【0004】
高光沢で有色と澄明の複合した塗料(color-plus-clear composite coatings)は、特に上塗り塗料として有用であり、この場合には、例外的な光沢、色の深さ、画像の識別、または特殊なメタリック効果が望まれている。自動車産業は、自動車車体のパネルのために前記の塗料を広範囲に使用している。前記塗料は、望ましい目視的効果、例えば画像の高度な識別(DOI)を達成させるために、塗膜の表面に極めて高度な清澄度および低度の目視的収差を必要とする。
【0005】
結果として、高光沢で有色と澄明の複合した塗料は、環境による腐蝕として公知の現象に影響されやすい。環境による腐蝕それ自体は、しばしば擦り落とすことができない、塗装の仕上げ塗料の上または中の斑点またはマークとして現われる。高光沢または有色と澄明の複合した塗料が示すであろう環境による腐蝕に対する耐性の程度を予測することは、困難である。外部用ペンキ、例えばハイソリッドエナメルに使用される場合に耐久性および/または耐候性が知られている数多くの塗料は、高光沢で有色と澄明の複合した塗料に使用した場合には、環境による腐蝕に対して望ましいレベルの耐性を提供しない。
【0006】
多くの塗料は、有色と澄明の複合した塗料系、例えばポリウレタン、酸−エポキシ系等のクリヤーコート部分として使用することが提案された。しかしながら、数多くの公知技術水準の系は、欠点、例えば被覆可能性の問題、顔料を含有する下塗り塗料との相容性の問題および/または可溶性の問題に遭遇している。
【0007】
更に、極めて数少ないワンパック型塗料は、殊に自動車用塗料の要求の厳しい環境において、環境による腐蝕に対して満足な耐性を提供することが見い出された。
【0008】
米国特許第5356669号明細書中に記載されているようなカルバメート官能性ポリマーは、著しく改善された環境による腐蝕に対する耐性を示す塗料を提供するために使用されることができる。カルバメート官能性ポリマーは、殊に有色と澄明の複合した塗料におけるクリヤーコートとして市販の有利な塗料を提供するために使用された。
【0009】
しかしながら、クリヤーコート塗料のとどまることのない改善は、常に望ましい。殊に、環境上の放射性降下物、太陽光から放出される紫外線への暴露、高温で高い相対的湿度への暴露、引掻きを生じる小さな硬質の物体および砂利により形成される欠陥、引掻きおよび傷に対する耐性、耐久性等に関連する改善を提供するために有利である。
【0010】
このような性能特性の競合する必要性を釣り合わせることは、殊に自動車の外部塗装に関連して挑戦することが継続されている。例えば、硬質の被膜は、環境による腐蝕に対してよりいっそう耐性を有するクリヤーコートを提供することができ、一方で、耐引掻性がより劣る被膜を生じる。よりいっそう軟質の被膜は、よりいっそう耐引掻性の被膜を提供することができるが、耐蝕性が減少される。従って、環境的ファクターに常に挑戦することに関連して性能特性の最適な釣り合いが望まれる。
【0011】
発明の要旨
次の構造式:
【化1】

〔式中、Rは、水素または1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数である〕で示される繰返し単位を有するカルバメート官能性シリカが開示される。1つの実施態様において、繰返し単位は、ヒュームドシリカの表面を変性する。
【0012】
開示されたカルバメート官能性シリカの製造法も提供される。開示された方法は、1つ以上のシラノール基をヒュームドシリカを準備し、1つ以上のシラノール基を(i)アンモニアおよびハイドロジェンシアネート;(ii)錫触媒の存在でのアルキルカルバメートまたは(iii)ホスゲンおよびアンモニアの少なくとも1つと反応させ、構造式:
【化2】

〔式中、Rは、水素または1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数である〕で示されるカルバメート官能性シリカを提供することを特徴とする。
【0013】
開示されたカルバメート官能性シリカは、他の官能性シリカを製造するために使用されてよい。1つの実施態様において、官能性シリカは、架橋剤、殊に粉末状または粒子状の組成物のための架橋剤として有用である。
【0014】
1つの実施態様において、開示された官能性シリカは、次の構造式:
【化3】

〔式中、Rは、水素または1〜50個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは、1〜100の数であり、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素基の少なくとも1つであり、但し、この場合R1およびR2の少なくとも1つは、水素ではない〕で示される繰返し単位を有する。
【0015】
1つの実施態様において、R1およびR2は、水素またはアミノプラストポリマーの残分、アルキル化アルコール等である。
【0016】
開示された官能性シリカおよび架橋剤は、硬化性塗料、殊にクリヤーコート塗料および/または粉末塗料に使用されてよい。
【0017】
好ましい実施態様の詳細な説明
好ましい実施態様の次の記載は、性質の点で例示的なものにすぎず、本発明、その適用または使用を制限するものではない。
【0018】
用語の"少なくとも1つ"を示す、本明細書中で使用されているような"1つ(a)"および"1つ(an)"が存在し;このような用語の複数形は、場合により存在していてよい。値に適用された場合の"約"は、計算または測定が値の点で或る程度僅かに不正確であってよいことを示す(この場合、値の正確度に或る程度近い;値への近似的または適度な接近;ほぼ)。幾つかの理由のために、"約"によって提供される不正確さがともすればこの通常の意味で当業界で理解されない場合には、本明細書中で使用されるような"約"は、5%までの値の可能な変動を示す。
【0019】
1つの実施態様において、構造式(I):
【化4】

〔式中、Rは、水素または1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、約1〜100の数である〕で示される繰返し単位を有するカルバメート官能性シリカが開示されている。1つの例示的な実施態様において、繰返し単位は、ヒュームドシリカの表面を変性し、但し、この場合、改善されたヒュームドシリカは、塗料中で有用な表面に結合されたカルバメート官能基を有するものとする。
【0020】
1つの実施態様において、種々の繰返し単位は、異なるR’sを、即ち任意の特殊なヒュームドシリカ上に有し、2個のシラノール基、即ち−SiOH基、ならびにシロキシ基−SiOR、ならびに開示されたカルバメート官能基−OC(O)NH2が存在していてよい。
【0021】
1つの実施態様において、Rは、アルキル基、アリール基、脂環式基またはヘテロ原子含有基、またはその混合物を有することができる炭化水素基であろう。1つの例示的な実施態様において、Rは、1〜50個の炭素原子を有するアルキル基であり、他方、別の実施態様において、Rは、1〜25個の炭素原子を有するアルキル基であろう。1つの特殊な例示的な実施態様において、Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であろう。
【0022】
開示されたカルバメート官能性シリカは、1つ以上のシラノール基を有するヒュームドシリカを準備し、1つ以上のシラノール基を(i)アンモニアおよびハイドロジェンシアネート;(ii)錫触媒の存在でのアルキルカルバメートまたは(iii)ホスゲンおよびアンモニアの少なくとも1つと反応させ;構造式:
【化5】

〔式中、Rは、水素または1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数である〕で示されるカルバメート官能性シリカを提供することを特徴とする、開示された方法によって形成させることができる。
【0023】
例えば、1つの実施態様において、開示されたカルバメート官能性シリカは、ヒュームドシリカの表面上に存在するシラノール基(−SiOH)を化学的に変性することにより形成させることができる。このような化学的変性は、シラノールヒドロキシル基と反応しかつカルバメート官能性基であるかまたはカルバメート基に変換しうる基を有する反応体に適当なヒュームドシリカを晒すことよりなる。
【0024】
1つの実施態様において、適当なヒュームドシリカは、商業的に入手可能でありかつ一般に単位質量当たり高い表面積を有する鎖状の粒状構造によって特徴付けられるヒュームドシリカである。1つの実施態様において、適当なヒュームドシリカは、次の特徴を有することができる:50〜400m2/gの表面積、2.3〜10.0lbs/ft3の嵩密度、0.5〜2.5の灼熱減量(1000℃での最大%)および99.9より大きいシリカ含量(SiO2%乾燥に対して)。このような特性の評価は、一般に球状の粒子と見なされ、BET表面積から測定される。
【0025】
ヒュームドシリカは、水素および酸素の火炎内での四塩化ケイ素蒸気の加水分解を含む、十分に刊行物に記載された方法により製造される。溶融された球体のシリカは、燃焼方法で形成され、この場合この球体の直径は、処理パラメーターによって変動され、約7〜40ミリミクロンの平均である。前記の溶融された球体のヒュームドシリカ、時々一次粒子と呼称される、は、互いに融解され、長さが約0.1〜0.5ミクロンの立体の枝分かれした鎖状の凝集体を形成する。冷却は、極めて急速に行なわれ、成長を制限し、ヒュームドシリカが無定形であることを保証する。更に、この凝集体は、0.5〜44ミクロンの範囲内の寸法の凝集塊を形成する(325メッシュ)。
【0026】
1つの実施態様において、適当なヒュームドシリカは、50m.sup.2/g〜400m.sup.2/gの表面積を有するであろう(S. Brunauer, P.H. EmmetおよびI. Teller, J. Am. Chemical Society, 第60巻, 第309頁(1938)の窒素吸着法によって測定された)。数多くの商業的に入手可能なヒュームドシリカが適当であるけれども、最も好ましいヒュームドシリカは、CAB−O−SIL(登録商標)の名称で入手可能であり、約200m.sup.2/gの表面積を有する(CAB-O-SIL(登録商標)は、Cabot Corporation社の商標登録である)。このようなシリカは、高い品質および簡単な分散性を有することが見出された。
【0027】
1つの実施態様において、適当なヒュームドシリカは、表面変性処理を有していてもよい。このような表面変性の例は、界面活性剤およびシランカップリング剤を含み、例えばRSi(OMe)3は、シラノール末端基を有する表面に対するポリマーの付着力を改善するために使用される。
【0028】
1つの実施態様において、適当なヒュームドシリカのシラノール基の化学変性は、尿素の分解を引き起こす反応条件下で適当なヒュームドシリカを尿素に晒すことによって行なわれる。
【0029】
【化6】

【0030】
尿素の分解は、アンモニアおよびハイドロジェンシアネート(HNCO)を発生させ、結果として第1カルバメート基を形成させる。
【0031】
別の実施態様において、適当なヒュームドシリカのシラノール基の化学変性は、熱および適当なエステル交換触媒の存在で適当なヒュームドシリカをアルキルカルバメートに晒すことによって行なわれる。
【0032】
【化7】

【0033】
適当なアルキルカルバメートは、炭素原子数1〜10のアルキル基を有するものであり、他方、1つの実施態様において、適当なアルキルカルバメートは、炭素原子数1〜5のアルキル基を有するものである。1つの例示的な実施態様において、適当なアルキルカルバメートカルバメートは、炭素原子数1〜3のアルキル基を有するものである。適当なエステル交換触媒は、錫触媒を含む。
【0034】
別の実施態様において、適当なヒュームドシリカのシラノール基の化学変性は、適当なヒュームドシリカをホスゲンおよびアンモニアに晒すことによって行なわれる。
【0035】
【化8】

【0036】
ヒュームドシリカは、最初に熱の存在でホスゲンに晒され、塩酸が発生した際に塩酸が除去されるような反応条件に影響される。その後に、ホスゲン処理されたヒュームドシリカは、アンモニアに晒され、塩酸の除去により、望ましいカルバメート官能性シリカが提供される。
【0037】
望ましいカルバメート官能性シリカの反応性の第1カルバメート基は、付加的な反応を受けうる。このような反応は、一般に構造式(II):
【化9】

〔式中、Rは、Hまたは1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数であり、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素基の少なくとも1つであり、但し、この場合R1およびR2の少なくとも1つは、水素ではない〕で示される繰返し単位を有する官能性シリカを提供することができる。
【0038】
1つの実施態様において、Rは、アルキル基、アリール基、脂環式基またはヘテロ原子含有基、またはその混合物であることができる炭化水素基であろう。1つの例示的な実施態様において、Rは、1〜50個の炭素原子を有するアルキル基であり、他方、別の実施態様において、Rは、1〜25個の炭素原子を有するアルキル基であろう。1つの特殊な例示的な実施態様において、Rは、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であろう。
【0039】
適当なR1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素基の少なくとも1つである。例示的な炭化水素は、アルキル基、アリール基、脂環式基、ヘテロ原子含有基、ヘテロ環式基またはその混合物であることができる。1つの実施態様において、適当なR1およびR2は、官能基、例えばエステル、エーテル、アミン基、ヘテロ環式構造等を有するであろう。1つの例示的な実施態様において、R1およびR2は、式C33の6員のヘテロ環式構造またはRが蒸気の定義と同様である式−CH2ORのアルキルエステルを有するであろう。
【0040】
1つの実施態様において、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、アミノプラストポリマー、アルキル化アルコール、水素等の残基の少なくとも1つであり、但し、この場合R1およびR2の1つは、水素であることができない。
【0041】
1つの実施態様において、本明細書中に開示された第1カルバメート官能性シリカは、アミノプラスト化合物と反応されるであろう。適当なアミノプラストは、アルデヒドとアミノ基含有物質またはアミド基含有物質との一般に公知の縮合生成物を含み、その例は、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、ベンズアルデヒドおよびその混合物と尿素、メラミンまたはベンゾグアニミンとの反応生成物を含む。好ましいアミノプラスト樹脂は、アルコールおよびホルムアルデヒドと尿素、メラミンまたはベンゾグアナミンとの反応から得られたエーテル化(即ち、アルキル化)生成物を含む。前記のエーテル化生成物の製造に適したアルコールの例は、次のものを含む:メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブタノール、第三ブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、3−クロロプロパノールおよびエトキシエタノール。
【0042】
1つの例示的な実施態様において、開示された第1カルバメート官能性シリカと反応されたアミノプラストは、構造式(III)を有するであろう:
【化10】

上記式中、Rは、官能性シリカに関連した上記の定義と同様である。
【0043】
別の実施態様において、本明細書中に開示された第1カルバメート官能性シリカは、ホルムアルデヒドの存在でアルキル化アルコールと反応されるであろう。
【0044】
【化11】

【0045】
適当なアルキル化アルコールは、式R’OH〔式中、R’は(CH2xCH3の少なくとも1つであり、この場合xは、0〜3の数である〕を有するであろう。1つの例示的な実施態様において、R’OHは、メタノールであろう。
【0046】
即ち、1つの実施態様において、官能性シリカは、構造式(IV)または(V)
【化12】

〔式中、Rは、異なる置換基に関連して同一でも異なっていてもよく、上記の定義と同様であり、R’は、−(CH2xCH3の少なくとも1つであり、この場合xは、0〜3の数である。〕を有することができる:
また、本明細書中では、開示された官能性シリカを有する塗料が提供される。1つの実施態様において、開示された官能性シリカは、塗料の全非揮発性成分に対して約0.1〜60質量%の量で塗料中に存在していてよい。別の実施態様において、開示された官能性シリカは、塗料の全非揮発性成分に対して約5.0〜40質量%の量で塗料中に存在していてよい。
【0047】
1つの実施態様において、開示された塗料は、1つ以上の活性水素含有化合物、本明細書中で架橋性樹脂とも呼称される、および1つ以上の架橋剤を有する被膜形成成分をも含有する。清澄度の目的のために、一定の置換基、例えばR、R’等が官能性シリカに関連して上記で使用され、種々の架橋性樹脂の定義に関連して下記で使用されるけれども、それぞれの変形は、特に同一の成分に関連する定義を有することに注目すべきである。即ち、官能性シリカのRの定義は、架橋性樹脂に関連するRの定義に使用されることができない。
【0048】
本明細書中で使用されたような"活性水素基"は、1つ以上の架橋剤の官能基との反応中に水素基を提供する官能基に言及される。活性水素基の例は、カルバメート基、ヒドロキシル基、アミノ基、チオール基、酸基、ヒドラジン基、活性化メチレン基等である。好ましい活性水素基は、カルバメート基、ヒドロキシル基およびこれらの混合物である。
【0049】
架橋性樹脂は、水性塗料、溶剤を基剤にしている塗料または粉末塗料、殊にクリヤーコート塗料に使用するのみ適した任意の架橋性樹脂であることができる。
【0050】
本明細書中で使用されたように、"架橋性樹脂"の用語は、熱の適用下に架橋しうる樹脂だけでなく、熱の適用なしに架橋しうる樹脂も含むことを意図している。このような架橋性樹脂の例は、熱硬化性アクリル樹脂、アミノプラスト樹脂、カルバメート官能性樹脂、ポリエステル、エポキシ、シリコーンおよびポリアミド、変性アクリルポリマー、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミドおよびポリシロキサンを含む。前記樹脂は、望ましい場合には、例えばポリエステルアミド、ウレタンアクリレート、カルバメートアクリレート等のような1種類以上の官能基の特性を有していてもよい。1つの実施態様において、架橋性樹脂は、アクリルポリマー、変性アクリル樹脂またはポリエステルポリウレタンポリマーの少なくとも1つであろう。別の実施態様において、架橋性樹脂は、アクリルポリマーまたはポリウレタンポリマーであろう。1つの例示的な実施態様において、架橋性樹脂は、カルバメート官能性アクリル樹脂であろう。
【0051】
本発明の1つの実施態様において、架橋性樹脂は、アクリルポリマーである。適当なアクリルポリマーは、500〜1000000の分子量、よりいっそう好ましくは1500〜50000の分子量を有することができる。本明細書中で使用されたように、"分子量"は、ポリスチレン標準を用いてGPCによって測定されることができる、数平均分子量に言及される。このようなポリマーは、当業界でよく知られており、モノマー、例えばメチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等から製造されてよい。」活性水素官能基、例えばヒドロキシは、アクリルモノマーのエステル部分中に配合されていてよい。例えば、このようなポリマーを形成させるために使用されてよいヒドロキシル官能性アクリルモノマーは、ヒドロキシルエチルアクリレート、ヒドロキシルブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、ヒドロキシルプロピルアクリレート等を含む。アミノ官能性アクリルモノマーは、第三ブチルアミノエチルメタクリレートおよび第三ブチルアミノエチルアクリレートを含む。また、モノマーのエステル部分中の活性水素官能基を有する他のアクリルモノマーは、公知技術水準内にある。
【0052】
変性されたアクリル樹脂は、架橋性樹脂として使用されてもよい。このようなアクリル樹脂は、公知技術水準でよく知られているように、ポリエステル変性されたアクリル樹脂またはポリウレタン変性されたアクリル樹脂であることができる。ε−カプロラクトンで変性された、ポリエステル変性されたアクリル樹脂は、Etzell他の米国特許第4546046号明細書中に記載されており、この場合この米国特許明細書は、参考のために本明細書中に記載されている。ポリウレタン変性されたアクリル樹脂は、公知技術水準でよく知られている。このポリウレタン変性されたアクリル樹脂は、例えば米国特許第4584354号明細書中に記載されており、この場合この米国特許明細書は、参考のために本明細書中に記載されている。
【0053】
架橋性樹脂として有用な好ましいカルバメート官能性アクリル樹脂は、種々の方法で製造されてよい。このようなポリマーを製造するための1つの方法は、モノマーのエステル部分中にカルバメート官能基を有するアクリルモノマーを製造することである。このようなモノマーは、公知技術水準によく知られており、例えば米国特許第3479328号明細書、米国特許第3674838号明細書、米国特許第4126747号明細書、米国特許第4279833号明細書および米国特許第4340497号明細書、米国特許第5356669号明細書、ならびにWO 94/10211中に記載されており、この場合これらの刊行物は、参考のために本明細書中に記載されている。1つの合成方法は、ヒドロキシエステルを尿素と反応させ、カルバミルオキシカルボキシレート(即ち、カルバメート変性されたアクリル)を形成させることを含む。別の合成方法は、不飽和酸エステルをヒドロキシカルバメートエステルと反応させ、カルバミルオキシカルボキシレートを形成させる。なお、別の技術は、第1アミンまたは第2アミン、またはジアミンを環状カーボネート、例えばエチレンカーボネートと反応させることによって、ヒドロキシアルキルカルバメートを形成させることを含む。更に、ヒドロキシアルキルカルバメート上のヒドロキシル基は、アクリル酸またはメタクリル酸との反応によってエステル化され、モノマーを形成させる。カルバメート変性されたアクリルモノマーを製造するための1つの方法は、公知技術水準に記載されており、十分に利用されることができる。更に、アクリルモノマーは、必要に応じて公知技術水準によく知られている技術によって、他のエチレン系不飽和モノマーに沿って重合されることができる。
【0054】
架橋性樹脂として有用な1つ以上のポリマーまたはオリゴマーを製造するための二者択一的な経路は、米国特許第4758632号明細書中に記載されているように、既に形成されたポリマー、例えばアクリルポリマーを別の成分と反応させ、ポリマー骨格に付随したカルバメート官能基を形成させ、この場合この刊行物は、参考のために本明細書中に記載されている。架橋性樹脂として有用なポリマーを製造するための別の技術は、尿素(アンモニアおよびHNCOを分離するため)をヒドロキシ官能性アクリルポリマーの存在で熱分解させ、カルバメート官能性アクリルポリマーを形成させることを含む。別の技術は、ヒドロキシルアルキルカルベメートのヒドロキシル基をイソシアネート官能性アクリルモノマーまたはビニルモノマーのイソシアネート基と反応させ、カルバメート官能性アクリル樹脂を形成させることを含む。イソシアネート官能性アクリル樹脂は、公知技術水準、例えば米国特許第4301257号明細書の記載に公知であり、この場合この米国特許明細書は、参考のために本明細書中に記載されている。イソシアネートビニルモノマーは、公知技術水準によく知られており、不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネート(American Cyanamid社によってTMI(登録商標)として販売されている)を含む。なお、別の技術は、環状カーボネート官能性アクリル樹脂上の環状カーボネート基をアンモニアと反応させ、最も好ましいカルバメート官能性アクリル樹脂を形成させることである。環状カーボネート官能性アクリルポリマーは、公知技術水準に知られており、例えば米国特許第2979514号明細書に記載されており、この場合この米国特許明細書は、参考のために本明細書中に記載されている。別の技術は、ヒドロキシ官能性アクリルポリマーをアルキルカルバメートでカルバミル転移することである。前記ポリマーを製造する、よりいっそう困難ではあるが、実現可能な方法は、アクリルポリマーをヒドロキシアルキルカルバメートでエステル交換することである。
【0055】
1つの実施態様において、架橋性樹脂として有用なポリマーは、一般に2000〜20000、好ましくは3000〜6000の数平均分子量を有するであろう。1当量のカルバメート官能基当たりの分子量に対するポリマーのカルバメート含量は、一般に200〜1500、好ましくは300〜500であろう。
【0056】
好ましいカルバメート官能性アクリル架橋性樹脂は、次の式によるランダムな繰返し単位によって表わされうる:
【化13】

【0057】
上記式において、R1は、HまたはCH3を表わす。R2は、H、アルキル、好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはシクロアルキル、好ましくは6個までの環状炭素原子を有するシクロアルキルを表わす。アルキルおよびシクロアルキルの用語は、置換アルキルおよびシクロアルキル、例えばハロゲン置換アルキルまたはシクロアルキルを含むことができる。しかし、硬化された材料の性質に対する不利な衝撃を有するであろう置換基は、回避されることができる。例えば、エーテル結合は、加水分解の影響を受けやすいと考えられ、架橋マトリックス中にエーテル結合を配置するであろう位置では回避されるべきである。値xおよびyは、質量%を表わし、この場合xは、10〜90%、好ましくは40〜60%であり、yは、90〜10%、好ましくは60〜40%である。
【0058】
式中で、Aは、1つ以上のエチレン系不飽和モノマーから誘導される繰返し単位を表わす。先に討論したように、アクリルモノマーでの共重合のためのかかるモノマーは、公知技術水準で公知である。好ましいかかるモノマーは、アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、等;およびビニルモノマー、例えば不飽和m−テトラメチルキシレンイソシアネート(American Cyanamid社によってTMI(登録商標)として販売されている)、スチレン、ビニルトルエン等を含むであろう。
【0059】
Lは、二価結合基、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する脂肪族結合基、6〜10個の炭素原子を有する脂環式結合基または芳香族結合基を表わす。Lの例は、
【化14】

−(CH2)−、−(CH22−、−(CH24−等を含む。1つの好ましい実施態様において、−L−は、−COO−L’−によって表わされ、この場合L’は、二価結合基である。従って、1つの例示的な実施態様において、架橋性樹脂は、次の式によるランダムな繰返し単位によって表わされる:
【化15】

【0060】
上記式中で、R1、R2、A、xおよびyは、上記の定義と同様である。L’は、二価脂肪族結合基、好ましくは1〜8個の炭素原子を有する二価脂肪族結合基、例えば−(CH2)−、−(CH22−、−(CH24−等、または二価脂環式結合基、好ましくは8個までの炭素原子を有する二価脂環式結合基、例えばシクロヘキシル等であることができる。しかしながら、ポリマーを製造するために使用される技術に依存して、他の二価結合基が使用されてよい。例えば、ヒドロキシアルキルカルバメートがイソシアネート官能性アクリルポリマー上に付加される場合には、結合基L’は、−NHCOO−ウレタン結合をイソシアネート基の残基として含む。
【0061】
被膜形成成分(a)として使用するための最も好ましいカルバメート官能性ポリマーおよびヒドロキシル官能性ポリマーは、1000〜5000の数平均分子量、300〜600のカルバメート当量および0〜150℃のTgを有するであろう。殊に好ましい実施態様において、カルバメート官能性ポリマーは、15003000の数平均分子量、350〜500のカルバメート当量および25〜100℃のTgを有するであろう。
【0062】
被膜形成成分(a)として使用するための前記の最も好ましいカルバメート官能性ポリマーは、
【化16】

およびその混合物からなる群から選択された1つ以上の繰返し単位Aをポリマーの全質量に対して少なくとも66〜100質量%および構造式
【化17】

を有する1つ以上の繰返し単位A’をポリマーの全質量に対して0〜35質量%未満有するであろう。
【0063】
1つの例示的実施態様において、架橋性樹脂は、最終的なカルバメート官能性ポリマーの全質量に対して、1つ以上の繰返し単位A80〜100質量%および1つ以上の繰返し単位A’20〜0質量%、最も好ましくは1つ以上の繰返し単位A90〜100質量%および1つ以上の繰返し単位A’10〜0質量%を有する前記のカルバメート官能性アクリル樹脂である。本発明の特に好ましいカルバメート官能性ポリマーは、本発明のカルバメート官能性ポリマーの全質量に対して1つ以上の繰返し単位A90質量%超および1つ以上の繰返し単位A’10質量%未満、好ましくは1〜9質量%を有するであろう。
【0064】
上記の記載において、Rは、1〜60個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、燐およびシラン、およびその混合物から構成されている群から選択された0〜20個のヘテロ原子を有する少なくとも二価の非官能性結合基である。本明細書中で使用されているように、"非官能性"は、伝統的な塗料硬化条件下で架橋剤と反応性である基が不在であることに帰因する。
【0065】
適当なR基の詳細な例は、1〜60個の炭素原子を有する脂肪族結合基または脂環式結合基、1〜10個の炭素原子を有する芳香族結合基およびその混合物である。好ましいR基は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族基または脂環式基を含む。Rは、1個以上の二価内部結合基、例えばエステル、アミド、第2カルバメート、エーテル、第2尿素、ケトンおよびその混合物を介して1個以上のヘテロ原子を含むことができ、好ましくは前記ヘテロ原子を含むであろう。エステル、第2カルバメートおよびその混合物から構成されている群から選択された内部結合基は、よりいっそう好ましく、この場合には、エステルが最も好ましい。
【0066】
最も好ましいR基は、
【化18】

〔式中、jは、1〜6であり、Xは、Hであるかまたは1〜20個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、燐およびシラン、およびその混合物から構成されている群から選択されたヘテロ原子0〜20個を有する一価非官能性結合基である〕である。
【0067】
R’は、1〜60個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、燐およびシラン、およびその混合物から構成されている群から選択された0〜20個のヘテロ原子を有する少なくとも一価の非官能性結合基である。本明細書中で使用されているように、"非官能性"は、伝統的な塗料硬化条件下で架橋剤と反応性である基が不在であることに帰因する。
【0068】
適当なR’基の詳細な例は、1〜60個の炭素原子を有する脂肪族結合基または脂環式結合基、1〜10個の炭素原子を有する芳香族結合基およびその混合物である。好ましいR’基は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族基または脂環式基を含む。R’は、1個以上の二価内部結合基、例えばエステル、アミド、第2カルバメート、エーテル、第2尿素、ケトンおよびその混合物を介して1個以上のヘテロ原子を含むことができ、好ましくは前記ヘテロ原子を含むであろう。内部結合基としてのエステルの使用は、最も好ましい。
【0069】
特に好ましいR’の例は、
【化19】

〔式中、xおよびyは、0〜10、好ましくは3〜8である〕である。
【0070】
1つの例示的な実施態様において、少なくとも一価の非官能性結合基R’は、5〜20個の炭素原子、好ましくは5〜15個の炭素原子、最も好ましくは8〜12個の炭素原子を有する少なくとも1つの枝分かれしたアルキル基を有するであろう。結合基R’中に配合するために殊に適した構造の1つの例は、
【化20】

〔式中、R1、R2およびR3は、それぞれ1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である〕である。
【0071】
最も好ましくは、R1、R2およびR3は、全部で8〜12個の炭素原子を有し、この場合R1、R2およびR3の少なくとも1つは、メチル基である。1つの最も好ましい実施態様において、R’が前記の枝分かれしたアルキル構造を有する場合には、nは、0であろう。
【0072】
R’’は、Hであるか、または1〜20個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、燐およびシラン、およびその混合物から構成されている群から選択された0〜20個のヘテロ原子を有する一価非官能性結合基である。
【0073】
適当なR’’基の詳細な例は、水素、1〜60個の炭素原子を有する脂肪族結合基または脂環式結合基、1〜10個の炭素原子を有する芳香族結合基およびその混合物である。R’’は、1個以上の二価内部結合基、例えばエステル、アミド、第2カルバメート、エーテル、第2尿素、ケトンおよびその混合物を介して1個以上のヘテロ原子を含むことができ、好ましくは前記ヘテロ原子を含むであろう。
【0074】
好ましいR’’基は、H、−CH3、芳香族基、例えばベンジル、および2〜10個の炭素原子、殊に4〜8個の炭素原子を有するアルキルエステルである。Hおよびメチルは、R’’として最も好ましい。
【0075】
Lは、1〜60個の炭素原子、および酸素、窒素、硫黄、燐およびシラン、およびその混合物から構成されている群から選択された0〜20個のヘテロ原子を有する少なくとも三価の非官能性結合基である。本明細書中で使用されているように、"非官能性"は、伝統的な塗料硬化条件下で架橋剤と反応性である基が不在であることに帰因する。
【0076】
適当なL基の詳細な例は、1〜60個の炭素原子を有する脂肪族結合基または脂環式結合基、1〜10個の炭素原子を有する芳香族結合基およびその混合物である。好ましいR基は、2〜10個の炭素原子を有する脂肪族基または脂環式基を含む。Lは、1個以上の二価内部結合基、例えばエステル、アミド、第2カルバメート、エーテル、第2尿素、ケトンおよびその混合物を介して1個以上のヘテロ原子を含むことができ、好ましくは前記ヘテロ原子を含むであろう。エステル、第2カルバメートおよびその混合物から構成されている群から選択された内部結合基は、よりいっそう好ましく、この場合には、エステルが最も好ましい。
【0077】
好ましいL基の例は、
【化21】

およびその異性体であり、上記式中、F1およびRは、前記の記載と同様であり、xおよびyは、同一でも異なっていてもよく、0〜10、好ましくは1〜3、最も好ましくは1である。
【0078】
F、F1およびF2は、第1カルバメート基、ヒドロキシル基およびその混合物、例えばβ−ヒドロキシ第1カルバメート基から構成されている群から選択された官能基であり、この場合F1およびF2の少なくとも1つは、第1カルバメート基またはβ−ヒドロキシ第1カルバメート基であり、nは、0〜3の整数であり、最も好ましくは0である。
【0079】
活性水素基、例えばヒドロキシル基を有するポリエステルは、開示された塗料中で架橋性樹脂として使用されてもよい。このようなポリエステルは、公知技術水準に十分に知られており、有機ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、マレイン酸)またはその無水物を第1ヒドロキシル基または第2ヒドロキシル基を含有する有機ポリオール(例えば、エチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール)でポリエステル化することによって製造されてよい。
【0080】
また、カルバメート官能性ポリエステルは、開示された塗料中で架橋性樹脂として使用するのに適している。適当なポリエステルは、ポリカルボン酸またはその無水物をポリオールおよび/またはエポキシドでエステル化することによって製造されてよい。ポリエステルを製造するために使用されるポリカルボン酸は、第1に1分子当たり2〜18個の炭素原子を有するモノマーポリカルボン酸またはその無水物から構成されている。酸の中で有用であるのは、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸および種々の型の他のジカルボン酸である。一塩基性酸、例えば安息香酸、ステアリン酸、酢酸およびオレイン酸の少量は、反応混合物中に含まれていてよい。また、高級カルボン酸、例えばトリメリット酸およびトリカルバリル酸は、使用されてよい。存在する場合には、上記に関連する酸の無水物は、酸の代わりに使用されてよい。また、酸の低級アルキルエステル、例えばジメチルグルタレートおよびジメチルテレフタレートは、使用されてよい。
【0081】
適当なポリエステルを製造するために使用されることができるポリオールは、ジオール、例えばアルキレングリコールを含む。詳細な例は、エチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールおよび2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネートを含む。他の適当なグリコールは、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、カプロラクトンをベースとするジオール、例えばε−カプロラクトンとエチレングリコールとの反応生成物、ヒドロキシアルキル化ビスフェノール、ポリエーテルグリコール、例えばポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等を含む。
【0082】
ポリオール成分は、全てのジオールを含むことができるけれども、高級官能基を有するポリオールが使用されてもよい。好ましくは、ポリオールは、少なくとも1つのジオールと少なくとも1つのトリオール、または高級官能基を有する1つのポリオールとの混合物である。高級官能基を有するポリオールの例は、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール等を含む。トリオールは、好ましい。高級官能基を有するポリオールとジオールとのモル比は、3,3/1未満、好ましくは1.4/1までである。
【0083】
カルバメート基は、ポリエステルの形成に使用される多酸およびポリオールと反応されてよいヒドロキシアルキルカルバメートを最初に形成させることによって、ポリオール中に配合されてよい。ポリエステルオリゴマーは、ポリカルボン酸、例えば上記に記載されたものをヒドロキシアルキルカルバメートと反応させることによって製造されてよい。ヒドロキシアルキルカルバメートの1つの例は、アンモニアとプロピレンカルボネートとの反応生成物である。ヒドロキシアルキルカルバメートは、ポリエステルまたはポリカルボン酸上の酸官能基で縮合され、末端のカルバメート官能基を生じる。末端のカルバメート官能基は、イソシアン酸をヒドロキシ官能性ポリエステルと反応させることによって、ポリエステル中に配合されてもよい。また、カルバメート官能基は、ヒドロキシ官能性ポリエステルを尿素と反応させることによって、ポリエステル中に配合されてよい。
【0084】
カルバメート基は、カルバミル基移転反応によってポリエステル中に配合されてもよい。この反応において、低分子量アルコールまたはグリコールエーテル、例えばメチルカルバメートから誘導される低分子量のカルバメート官能性材料は、ヒドロキシ官能性ポリエステルのヒドロキシル基と反応され、カルバメート官能性ポリエステルおよび元来のアルコールまたはグリコールエーテルを生じる。アルコールまたはグリコールエーテルから誘導される低分子量のカルバメート官能性材料は、最初にアルコールまたはグリコールエーテルを尿素と、触媒の存在で反応させることによって製造される。適当なアルコールは、低分子量の脂肪族アルコール、脂環式アルコールおよび芳香族アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノールおよび3−メチルブタノールを含む。適当なグリコールエーテルは、エチレングルコールメチルエーテルおよびプロピレングリコールメチルエーテルを含む。プロピレングリコールメチルエーテルは、好ましい。
【0085】
カルバメート官能基の代わりに、架橋性樹脂として使用するのに適したポリエステルポリマーおよびオリゴマーは、他の官能基、例えばヒドロキシル基、カルボン酸基および/または無水物基を含有していてよい。末端のカルバメート基を含有するかかるポリエステルの当量は、カルバメート基の当量に対して約140〜2500であることができる。この当量は、ポリエステルの形成に使用される種々の成分の相対量に対して計算された値であり、材料の固体に対するものである。
【0086】
また、架橋性樹脂として使用するのに適している上記されたような活性水素官能基を有するポリウレタンは、公知技術水準に十分に知られている。このポリウレタンは、ポリイソシアネート(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、MDI等)およびポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン)を連鎖延長反応させることによって製造される。前記のポリウレタンは、ポリウレタン鎖を過剰量のジオール、ポリアミン、アミノアルコール等でキャッピングすることによって活性水素官能基を備えることができる。
【0087】
カルバメート官能性ポリウレタンは、活性水素基を低分子量のアルコールまたはグリコールエーテルから誘導される低分子量のカルバメート官能性材料、例えばメチルと反応させることによって製造されてよい。
【0088】
架橋性樹脂として使用するのに好ましい他のカルバメート官能性化合物は、ポリイソシアネートまたは連鎖延長されたポリマーを有する混合物と、連鎖延長されたポリマー上のイソシアネートまたは官能基と反応性である基ならびにカルバメート基またはカルバメートに変換しうる基を有する化合物との反応生成物であるカルバメート官能性化合物である。このような化合物は、米国特許第5373069号明細書および米国特許第5512639号明細書中に記載されており、この場合これらの米国特許明細書は、参考のために本明細書中に記載されている。
【0089】
1つの例示的な実施態様において、架橋性樹脂は、カルバメート官能性アクリル樹脂、カルバメート官能性変性アクリル樹脂、ヒドロキシル官能性アクリル樹脂、ヒドロキシル官能性変性アクリル樹脂、ポリウレタン、ポリエステルおよびその混合物の少なくとも1つであることができ、この場合上記したようなカルバメート官能性アクリル樹脂、ヒドロキシル官能性アクリル樹脂およびカルバメート/ヒドロキシル官能性アクリル樹脂は、1つの特に例示的な実施態様で使用される。
【0090】
1つの例示的な実施態様において、被膜形成成分は、架橋剤も有するであろう。例えば、一般に公知の架橋剤は、特に架橋性樹脂が活性水素またはアミノ官能基を含有する熱硬化性樹脂を有する場合に、本発明の組成物中に配合されていてよい。
【0091】
当業者によって評価されるであろうように、架橋剤の選択は、種々のファクター、例えば被膜形成樹脂との相容性、被膜形成樹脂上の官能基の特殊な型等に依存する。架橋剤は、縮合反応または非フリーラジカル反応またはこれら双方の組合せによって被膜形成樹脂を架橋するために使用される。例えば、熱硬化性反応体を湿分の存在で架橋することができる場合または前記反応体が架橋反応しうる完全な基を有するモノマーを含む場合には、架橋剤は、必要に応じて省略されてよい。
【0092】
架橋剤の代表例は、ブロック化されたジイソシアネートおよび/またはブロック化されていないジイソシアネート、ジエポキシド、アミノプラスト、フェノール/ホルムアルデヒド付加物、カルバメート、シロキサン基、環状カーボネート基および無水物基を含む。このような化合物の例は、メラミンホルムアルデヒド樹脂(モノマーまたはポリマーのメラミン樹脂および部分的または完全にアルキル化されたメラミン樹脂)、尿素樹脂(例えば、メチロール尿素、例えば尿素ホルムアルデヒド樹脂、アルコキシ樹脂、例えばブチル化尿素ホルムアルデヒド樹脂)、ポリ無水物(例えば、無水ポリコハク酸)およびポリシロキサン(例えば、トリメトキシシロキサン)を含む。アミノプラスト樹脂、例えばメラミンホルムアルデヒド樹脂または尿素ホルムアルデヒド樹脂は、殊に好ましい。十分に好ましいのは、アミノプラスト樹脂であり、この場合アミノ窒素の1個以上は、カルバメート基で置換されている。アミノプラスト樹脂が架橋剤として使用される場合には、メチロール基の実質的な割合が一価アルコールとの反応によってエーテル化されたメラミン−ホルムアルデヒド縮合物が特に好適である。
【0093】
好ましい実施態様において、架橋剤は、非揮発性のビヒクル少なくとも約5%、よりいっそう好ましくは少なくとも約10質量%である。"非揮発性のビヒクル"は、被膜形成成分に帰因する。また、架橋剤は、非揮発性のビヒクル約40%まで、よりいっそう好ましくは約30%までが好ましい。架橋剤は、好ましくは非揮発性のビヒクル約5%〜約40%、よりいっそう好ましくは約10%〜約35%、なおよりいっそう好ましくは約15%〜約35%である。
【0094】
開示された官能性シリカ、殊に第1カルバメート官能性シリカが架橋剤と反応されてよいことは、評価されるであろう。従って、1つの例示的な実施態様において、官能性シリカが第1カルバメート官能性シリカである場合には、架橋剤は、アミノプラスト樹脂であろう。
【0095】
更に、開示された塗料は、硬化反応を増強させる触媒を含む。例えば、アミノプラスト化合物、殊にモノマーのメラミンが硬化剤として使用される場合には、強酸触媒は、硬化反応を増強させるために利用されてよい。このような触媒は、公知技術水準でよく知られており、制限なしに、p−トルエンスルホン酸、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、フェニル酸ホスフェート、モノブチルマレエート、ブチルホスフェートおよびヒドロキシホスフェートエステルを含む。強酸触媒は、しばしば、例えばアミンでブロック化されている。本発明の組成物中で有用であることができる他の触媒は、ルイス酸、亜鉛塩および錫塩を含む。
【0096】
1つの溶剤または複数の溶剤は、塗料中に利用されてよい。一般に、溶剤は、任意の有機溶剤および/または水であることができる。1つの好ましい実施態様において、溶剤は、極性の有機溶剤を含む。よりいっそう好ましくは、溶剤は、極性の脂肪族溶剤または極性の芳香族溶剤から選択された1つ以上の有機溶剤を含む。なおよりいっそう好ましくは、溶剤は、ケトン、エステル、アセテート、非プロトン性アミド、非プロトン性スルホキシド、非プロトン性アミンまたは前記の任意の組合せを含む。有用な溶剤の例は、制限なしに、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、m−アミルアセテート、エチレングリコールブチルエーテル−アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、キシレン、N−メチルピロリドン、芳香族炭化水素の配合物、およびこれらの混合物を含む。別の好ましい実施態様において、溶剤は、水または水と少量の補助溶剤との混合物である。
【0097】
1つの実施態様において、開示された塗料は、粉末塗料または粉末状スラリー塗料であることができる。
【0098】
塗料がプライマー組成物または顔料を含有するトップコート組成物、例えばベースコート組成物である場合には、1つ以上の顔料および/または充填剤が含まれていてよい。顔料および充填剤は、典型的には、塗料の全質量に対して40質量%までの量で利用されることができる。顔料は、金属酸化物、クロム酸塩、モリブデン酸塩、燐酸塩および珪酸塩を含む無機顔料であることができる。使用されることができる無機顔料および充填剤の例は、二酸化チタン、硫酸バリウム、カーボンブラック、黄土、シェンナ、アンバー、ヘマタイト、褐鉄鋼、べんがら、透明なべんがら、鉄黒、酸化鉄粉、酸化クロムグリーン、クロム酸ストロンチウム、燐酸亜鉛、シリカ、例えばヒュームドシリカ、炭酸カルシウム、タルク、バライト、第二鉄アンモニウムフェロシアニド(プルシアンブルー)、ウルトラマリーン、クロム酸鉛、モリブデン酸鉛および雲母薄片顔料である。有機顔料が使用されてもよい。有用な有機顔料の例は、金属化されたアゾ赤および金属化されていないアゾ赤、キナクリドン赤およびキナクリドンバイオレット、ペリレン赤、銅フタロシアニン青および銅フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、モノアリリドイエロー(monoarylide yellows)およびジアリリドイエロー(diarylide yellow)、ベンズイミダゾロンイエロー、トリルオレンジ、ナフトールオレンジ等である。
【0099】
付加的な薬剤、例えば障害アミン光安定剤、ウルトラバイオレット光安定剤、酸化防止剤、界面活性剤、安定剤、湿潤剤、レオロジー調整剤、分散剤、付着促進剤等は、塗料中に配合されてよい。このような添加剤は、よく知られており、典型的に塗料に使用される量で含まれていてよい。
【0100】
塗料は、公知技術水準でよく知られた数多くの任意の技術によって製品上に塗布されてよい。この塗料は、例えば噴霧塗布、浸漬塗布、ロール塗布、流し塗等を含む。自動車車体のパネルには、噴霧塗布が好ましい。
【0101】
塗料は、金属支持体、例えば裸鋼、燐酸塩処理された鋼、電気メッキされた鋼、またはアルミニウム;および非金属支持体、例えばプラスチックおよび複合体を含む数多くの異なる支持体上に塗布されてよい。支持体は、この支持体上に既に別の塗膜層、例えば硬化されたかまたは硬化されていない、電着されたプライマー、プライマーサーファーおよび/またはベースコートの層を有している任意の前記材料であってもよい。
【0102】
塗装は、例えば静電塗装によるかまたは流動床の使用によることができる。静電塗装は、好ましい方法である。塗料は、1回以上の段階で塗布することができ、典型的に約20〜約100ミクロンの硬化後の膜厚を提供することができる。
【0103】
支持体への塗料の塗布後に、塗膜は、好ましくは反応体が不溶性のポリマー網状組織を形成させるのに十分な温度および時間で加熱することによって硬化される。硬化温度は、通常、約105℃〜約175℃であり、硬化の長さは、通常、約15分間〜約60分間である。好ましくは、塗膜は、約20分間〜約30分間約120℃〜約150℃で硬化される。加熱は、赤外線加熱炉および/または熱対流炉で行なわれてよい。
【0104】
塗料は、好ましくは、自動車用の有色と澄明の複合した塗料として利用される。塗布される顔料が含有されているベースコート組成物は、任意の数多くの公知技術水準でよく知られた型であることができ、本明細書中で詳細な説明は不要である。ベースコート組成物中で有用である、公知技術水準で公知のポリマーは、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキドおよびポリシロキサンを含む。好ましいポリマーは、アクリル樹脂およびポリウレタンを含む。本発明の1つの好ましい実施態様において、ベースコート組成物もカルバメート官能性アクリルポリマーを利用している。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし、好ましくは架橋性であり、1つ以上の型の架橋性官能基を有する。このような基は、例えばヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基およびアセトアセテート基を含む。前記基は、この前記基がブロック化されておらず、望ましい硬化条件下、一般に高められた温度で架橋反応に有用であるようにマスクされていてもよいし、ブロック化されていてもよい。有用な架橋性官能基は、ヒドロキシ基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基およびアセトアセテート基を含む。好ましい架橋性官能基は、ヒドロキシ官能基およびアミノ官能基を含む。
【0105】
ベースコートポリマーは、自己架橋性であってもよいし、ポリマーの官能基と反応する別の架橋剤を必要としてもよい。ポリマーがヒドロキシ官能基を有する場合には、例えば架橋剤は、アミノプラスト樹脂、イソシアネートおよびブロック化されたイソシアネート(イソシアヌレートを含む)、ならびに酸または無水物官能性架橋剤であることができる。
【0106】
クリヤーコート塗料は、一般に工業界で広範囲に行なわれているようにベースコート塗膜上にウェット・オン・ウェット塗布される。本明細書中に記載された塗料は、好ましくは塗料層を硬化させるような条件に晒される。種々の硬化方法が使用されてよいけれども、熱硬化が好ましい。一般に、熱硬化は、塗布された製品を、主に放射熱源によって提供される高められた温度に晒すことによって行なわれる。硬化温度は、架橋剤に使用される特殊なブロック化された基に依存し変化するが、しかし、一般的に90℃〜180℃の範囲内にある。好ましい実施態様において、硬化温度は、ブロック化された酸触媒系のために、好ましくは115℃〜150℃、よりいっそう好ましくは115℃〜140℃の温度である。ブロック化されていない触媒系にとって好ましくは、硬化温度は、80℃〜100℃である。硬化時間は、使用される特殊な成分および層の厚さのような物理的パラメーターに依存して変化するが、しかし、ブロック化された酸触媒系にとって典型的な硬化時間は、15〜60分間、好ましくは15〜25分間であり、ブロック化されていない酸触媒系にとって典型的な硬化時間は、10〜20分間である。硬化時間は、金属時間が焼付温度("金属温度")に到達した後の時間として表現されてもよい。例えば、硬化時間は、金属温度で5〜30分間、好ましくは10〜20分間であってよい。
【0107】
開示された方法は、開示された官能性シリカ、殊にカルバメート官能性シリカがこのような官能性シリカを配合している塗料の耐久性、耐水性、耐化学薬品性、耐引掻性および表面損傷抵抗、耐蝕性、耐湿性、および/または全体的な外観の点で改善を提供するという利点を有する。官能性シリカは、この官能性シリカが非毒性あると確信されるという利点も有する。
【0108】
実施例
窒素気泡系を運転しながら、キシレン1000部と4日間110℃の炉内で予め乾燥されたCavot Corporation社のCab-o-sil(登録商標)200部と尿素40部とを反応器中で135℃に加熱する。反応によるガス(気泡系からの窒素および尿素の分解によるアンモニア)をウォータートラップ中に捕集する。この反応を継続させ、生じたアンモニアの量を測定する。反応が完結したら直ちに、この反応混合物を濾過し、カルバメート化シリカを生じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の構造式
【化1】

〔式中、Rは、Hまたは1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数である〕で示される繰返し単位を有するカルバメート官能性シリカ。
【請求項2】
繰返し単位がヒュームドシリカの一次粒子の表面上に存在する、請求項1記載のカルバメート官能性シリカ。
【請求項3】
次の構造式
【化2】

〔式中、Rは、Hまたは1〜50個の炭素原子を有する炭化水素基であり、nは、1〜100の数であり、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素基の少なくとも1つであり、但し、この場合R1およびR2の少なくとも1つは、水素ではない〕で示される繰返し単位を有する官能性シリカ。
【請求項4】
1およびR2がアルキル基、アリール基、脂環式基、ヘテロ原子含有基、ヘテロ環式基またはこれらの混合物の少なくとも1つである、請求項1記載の官能性シリカ。
【請求項5】
1およびR2がエステル、エーテル、アミン基、ヘテロ環式基またはこれらの混合物の少なくとも1つである、請求項4記載の官能性シリカ。
【請求項6】
1およびR2の少なくとも1つが式C33の6員のヘテロ環式構造またはアルキルエステルを有する、請求項4記載の官能性シリカ。
【請求項7】
1およびR2が同一でも異なっていてもよく、アミノプラストポリマー、アルキル化アルコール、水素等の残基の少なくとも1つである、請求項3記載の官能性シリカ。
【請求項8】
1およびR2の少なくとも1つが水素である、請求項3記載の官能性シリカ。
【請求項9】
構造式(I)または(II):
【化3】

〔式中、Rは、上記の定義と同様であり、R’は、−(CH2xCH3の少なくとも1つであり、この場合xは、0〜3の数である〕の少なくとも1個の繰返し単位を有する、請求項1記載の官能性シリカ。
【請求項10】
繰返し単位がヒュームドシリカの表面を変性する、請求項3記載の官能性シリカ。
【請求項11】
架橋剤である、請求項7記載の官能性シリカ。
【請求項12】
請求項1記載のカルバメート官能性シリカを含有する硬化性塗料。
【請求項13】
さらに、被膜形成成分を含有する、請求項14記載の硬化性塗料。
【請求項14】
被膜形成成分がアミノプラスト架橋剤を含有する、請求項13記載の硬化性塗料。
【請求項15】
カルバメート官能性シリカがアミノプラスト架橋剤と反応性である、請求項14記載の硬化性塗料。
【請求項16】
被膜形成成分がカルバメート官能性ポリマー、ヒドロキシル官能性ポリマーまたはその組合せの少なくとも1つである活性水素化合物を有する、請求項13記載の硬化性塗料。
【請求項17】
請求項3記載の官能性シリカを含有する硬化性塗料。
【請求項18】
さらに被膜形成成分がカルバメート官能性ポリマー、ヒドロキシル官能性ポリマーまたはその組合せの少なくとも1つである活性水素化合物を有する、請求項17記載の硬化性塗料。
【請求項19】
カルバメート官能性シリカの製造法において、1つ以上のシラノール基を有するヒュームドシリカを準備し、1つ以上のシラノール基を(i)アンモニアおよびハイドロジェンシアネート;(ii)錫触媒の存在でのアルキルカルバメートまたは(iii)ホスゲンおよびアンモニアの少なくとも1つと反応させ、構造式:
【化4】

〔式中、Rは、1〜50個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは、1〜100の数である〕で示されるカルバメート官能性シリカを提供することを特徴とする、カルバメート官能性シリカの製造法。

【公表番号】特表2008−514796(P2008−514796A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534785(P2007−534785)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035101
【国際公開番号】WO2006/039447
【国際公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【Fターム(参考)】