説明

カルベン誘導体によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合の方法

本発明は、カルベン誘導体を用いて触媒される環状化合物の制御可能な開環重合の方法であって、前記カルベン誘導体は式(I)に示されるカルベン二酸化炭素化合物である。その式中、点線は任意に選択される二重結合を表す。X1はS又はNから選択される。X2はC又はNから選択される。R1、R2は、水素、1〜10個の炭原子を有するアルキル基、1〜10個の炭原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。R3、R4は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、置換フェニル基、1〜4個炭原子を有するアルキル基、及び1〜4個炭原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。又は、R3とR4とは3〜8個炭原子を含有するシクロアルキル又はシクロアルケニルを形成する。又は、R3とR4とはベンゼン環を形成する。又は、R2とR3とは無置換の五員又は六員N-複素環を形成する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高分子材料分野に属し、多種の環状化合物(環状単体と環状低分子量のオリゴマーを含む)の開環重合により、合成で分子量が高く、分散度が小さい高分子重合体を得る方法に関する。特にカルベン誘導体を用いて触媒される環状化合物の開環重合によって高重合体を得る方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、我々の生活に使用される大部分の高分子材料、例えばポリスチレン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニルなどは、自然界の中で分解し難く、その廃棄物は環境に深刻な汚染を生じる事態を招いた。従って、生分解可能なポリエステル系高分子材料の研究は深遠な意義がある。脂肪族ポリエステル系高分子材料は、水、酵素や微生物の環境の中で次第に分解でき、当面ますます深刻になる環境問題を解決することができる。且つ、分解で得られた小分子化合物を回収して繰り返し利用ができ、世界のエネルギー欠乏の危機を緩和した。脂肪族ポリエステルは良い生物兼用性を有し、生物体に明らかな毒性及び拒否性を有せず、生物医学分野によく応用することができる。
【0003】
開環重合はポリエステル及びその製品の製造方法である。通常、開環重合ための触媒は金属を含む触媒であり、例えば、アルミニウム、スズ、亜鉛、イットリウムの金属有機化合物であり、よく使用されるのはカプリル酸第一スズ及びアルコキシアルミニウムなどである。これについて公開された文献や特許の報告は多く、多くのプロセスが既に重合物の製造に応用されている(Kato,M.ら,Biomacromolecules,2007,8,3590-3596. Olivier Coulembier等,Progress in Polymer Science,2006,31,723-747. CN1544504、US5235031、US5696219)。しかし、金属残留の問題のため、その応用分野が制限され、特に医薬分野及びマイクロ電子分野で制限される。
【0004】
N-複素環式カルベン系の触媒を純有機触媒として、開環重合に突出した触媒活性を有するので、最近、多く研究された一種類の触媒であるが、N-複素環式カルベンは極めて活性であり、空気や水に対して非常に敏感であり、空気中の寿命はたった数秒のみであり、直接に触媒重合に用いるのは操作し難い。従って、一般にN-複素環式カルベン前駆体又はN-複素環式カルベン化合物を用いて、活性化をした後に触媒重合を行う。
【0005】
2001年Eric F.Connorら(Eric F.Connorら.Journal of the American Chemical Society,2002,124,914-915)は初めてN-複素環式カルベン前駆体を用いてラクトンに対して開環重合を行い、特定の分子量及び狭い分子量分布のポリラクトンが作られた。その後いろいろな研究報告は相次いであり(Andrew P.Dove達,Polymer,2006,47,4018-4025;US2006100365;CN1918215A;FR2864543;WO2005073279;EP1701992)、N-複素環式カルベン触媒の構造型及びN-複素環式カルベン触媒の触媒可能な環状単体のタイプを拡大し、例えば、環状単体はラクチド、ラクトン、炭酸塩及びシリルエステルなどであってもよい。このタイプの触媒は、一水酸基による機能化したポリエチレングリコール低重合体を開始剤としてラクトンに対して開環重合を行い、両親媒性ブロック共重合体が得られた。特許CN1918215A、WO2005073279はN-複素環式カルベン前駆体を触媒として、開環重合又はポリシロキサンの再分布の方法によってポリシロキサンを作製する。US2007252311には以下のことが開示された。N-複素環式カルベン前駆体触媒を用いて大分子環状エステル低重合体の開環重合を触媒し、重合速度が速く、単体変換率が高く、高分子量の生成物が得られた。D.A.Culkinら,Angewandte Chemie International Edition,2007,46,2627-2630はN-複素環式カルベン前駆体を用いてラクチド開環重合を触媒し、アルコールがない場合、双性イオン重合を行い、環状大分子ポリ乳酸が作られた。
【0006】
N-複素環式カルベン前駆体を開環重合の触媒とすると、反応の選択性が高く、重合速度が速い。しかし、使用する時、まず強塩基の作用の下で、相応なN-複素環式カルベンを生成する。分離し難いので同一系中で直接に触媒重合を行うべきである。消費し尽さずの強塩基、及ぶ塩基で生成される塩は、環状化合物の開環の事態を招き、且つ重合体の分解を生じる。従って、重合過程が複雑となり、且つ制御し難くなり、残留の塩基や塩は重合体及びその材料の性能と外観に悪い影響を及ぼす。
【0007】
そこで、科学者達は安定なN-複素環式カルベン化合物を研究した。例えば、N-複素環式カルベンと小分子H-CCl3、H-C6F5、H-OR等から生成された化合物である。それらを環状単体開環重合の触媒として用いる。重合条件を制御することによって、H-CCl3、H-C6F5、H-ORを除去し、N-複素環式カルベンを遊離させ、触媒重合反応を行うことができる(Szilard Csihonyら,Advanced Synthesis and Catalysis,2004,346,1081-1086;Olivier Coulembierら,Angewandte Chemic Intemational Edition,2005,44,4964-4968;Szilard Csihonyら.Journal of the American Chemical Society,2005,127,9079-9084)。但し、除去された小分子物質は反応系に残留し、重合反応の妨げになる一方、重合系及び生成物ポリ乳酸中に残留不純物を引き込み、且つ現在公開された関連研究とも希溶液の中で行われるので、その大規模生産に不利である。
【0008】
上記方法中での欠点を克服するため、構造が安定で、使い易く、重合過程をうまく制御でき、且つ安全で無残留である触媒を導入する必要がある。カルベン二酸化炭素化合物の合成に関して近年に関連報告があった(J.D.Holbreyら,Chcmical Communications,2003,28-29;H.A.Duongら,Chemical Communications,2004,112-113)。Voutchkova(A.M.Voutchkovaなど,Journal of the American Chemical Society 2005,127,17624-17625)は、二置換カルベン二酸化炭素化合物をカルベンの転移試薬としてカルベンの金属複合物を製造する方法、即ち、カルベン二酸化炭素化合物は空気や水に対して安定で、また、CO2を脱出してカルベンを形成することができるという特徴を利用して、カルベンと金属ロジウム、ルテニウム及び鉛の複合物を製造したと報告がある。その後、Tudoseらは上記の方法で作られたカルベン金属複合物を用いてSuzuki-Miyauraカップリング反応、オレフィン複分解反応及びシクロプロパン化反応をを触媒した(A.Tudoseら,Tetrahedron Letters,2006,47,8529-8533;A.Tudoseら,Journal of Organometallic Chemistry,2006,691,5356-5365)。
但し、現在、まだカルベン二酸化炭素化合物を触媒とする関連報告は出ていない。カルベン二酸化炭素化合物をN-複素環式カルベンの転移試薬としてカルベン金属配合物を作製することのみにとどまっており、更には、カルベン二酸化炭素化合物を環状化合物の開環重合の触媒とする報告はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】US2006100365
【特許文献2】CN1918215A
【特許文献3】WO2005073279
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術課題は、カルベン誘導体を用いて触媒される環状化合物の制御可能な開環重合の方法を提供するものであり、分子量が大きく、分散度が狭く、金属不純物を含まない高分子の生分解可能な材料を作ることである。
【0011】
上記の技術課題を解決するために、本発明では、カルベン二酸化炭素化合物を用いて、一定の条件下で2配位上のカルボキシル基を脱出(脱離)して相応なカルベンが得られる。カルベン転移試薬としての特徴は、それを環状化合物開環重合の触媒とすることである。
【0012】
本発明は、研究によって以下のことが発見された。カルベン二酸化炭素化合物の複素環上の置換基により2配位の脱カルボキシル化の温度に影響を及ぼす。環状化合物の開環重合反応は、重合生成物の性状要求及び重合反応装置のプロセス条件により適当な温度及び温度変化範囲を確定する必要があり、重合反応を一定の温度範囲内で有効に行うことを保証する。即ち、すべてのカルベン二酸化炭素化合物の脱カルボキシル化の温度は環状化合物の開環重合反応を行うことに適用するのではない。カルベン二酸化炭素化合物は開環重合反応温度範囲内で順調に脱カルボキシル化を行い、活性触媒を形成し、反応を触媒することを保証するため、本発明は、異なる構造の置換基を含有するカルベン二酸化炭素化合物に対して熱重量分析測定を行い、各種構造のカルベン二酸化炭素化合物の脱カルボキシル化の温度及び脱カルボキシル化の速度を把握し、適当な触媒を一組選別し、カルベン二酸化炭素化合物の脱カルボキシル化の温度を環状化合物の開環重合反応温度に合理的に適合させ、適当な反応温度で開環重合反応を有効に触媒する。従って、反応温度を制御することにより、カルベン二酸化炭素化合物で触媒される環状化合物の制御可能な開環重合を実現した。
【0013】
また、カルベン二酸化炭素化合物は純有機触媒として、環状化合物の開環重合を触媒し、得られる高分子重合体は残留金属を含まず、各分野に広く応用されることができる。脱出(脱離)したCO2は反応系から放出することができ、反応生成物に不純物を増加しない。
【0014】
重合体の末端構造と分子量の制御が可能なこと及び狭い分子量分布は、開始剤として開環重合反応に活発な水素を含有する化合物(R-O-H)を加えることで解決でき、その開始された重合体の末端構造はそれぞれR-O-と-OHである。環状化合物と開始剤との割合は得られる重合体の目標分子量を決定する。開始剤を有する条件下で、N-複素環式カルベンで触媒される環状化合物の開環重合はリビング重合であり、得られた重合体は狭い分子量分布を達成できる。
【0015】
本発明の技術方案は以下の通りである。
【0016】
カルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法であって、カルベン二酸化炭素化合物の構造は式(I)に示される。
【化1】

【0017】
その式中、点線は任意に選択される二重結合を表す。X1はS又はNから選択される。X2はC又はNから選択される。R1、R2は、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基であり、1〜10個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。R3、R4は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、1〜4個炭原子を有するアルキル基、1〜4個炭原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。又は、R3とR4とは3〜8個炭原子を有するシクロアルキル又はシクロアルケニルを形成する。又は、R3とR4とはベンゼン環を形成する。又は、R2とR3とは連結され、無置換の五員又は六員N-複素環を形成する。
【0018】
式(I)に示すカルベン二酸化炭素化合物の具体的な構造は、式(II)、式(III)、式(IV)又は式(V)に示すものであってもよい。
【化2】

【0019】
式(II)では、R1、R2は水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。R3、R4は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、1〜4個炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。又は、R3とR4とは3〜8個炭素原子を有するシクロアルケニルを形成する。又は、R3とR4とはベンゼン環を形成する。
【0020】
式(III)では、R1、R2は水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。R3、R4は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、1〜4個炭素原子を有するアルキル基、1〜4個炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。又は、R3とR4とは3〜8個炭素原子を含有するシクロアルキルを形成する。
【0021】
式(IV)では、R1は水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の一種から選択される。R3、R4は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、1〜4個炭素原子を有するアルキル基、1〜4個炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。又は、R3とR4とは3〜8個炭素原子を有するシクロアルケニルを形成する。又は、R3とR4とはベンゼン環を形成する。
【0022】
式(V)では、R1、R2は水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、1〜10個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、ハロゲン原子、アダマンタン、フェニル基、及び置換フェニル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。R3は水素、ハロゲン原子、シアン基、ヒドロキシル基、1〜4個炭素原子を有するアルキル基、1〜4個炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、フェニル基、及び置換フェニル基中の一種から選択される。又は、R2とR3とは連結され、無置換の五員又は六員N-複素環を形成する。
【0023】
前記置換フェニル基は、一置換、二置換又は三置換であってもよく、置換基は同一であるか又は異なっていてもよく、置換基は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、1〜5個炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基中の一種又は多種に置換されたアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びシアン基から選択される。
【0024】
上記の制御可能な開環重合の方法における環状化合物は、以下の環状化合物単体中の一種又は多種から選択することができる。
【0025】
【化3】

【0026】
その式中、Aは式中に記載の通りであり、nは2〜10の整数である。R1、R2はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び1〜5個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基に置換されたアルキル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。XはO又はNから選択される。
【0027】
【化4】

【0028】
その式中、A,Bは式中に記載の通りであり、nは2〜10の整数であり、AとBは同一であるか又は異なっていてもよい。R1、R2はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び1〜5個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基に置換されたアルキル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。XはO又はNHから選択される。
【0029】
【化5】

【0030】
上記(3)の構造又は2〜5個の上記(3−2)の構造ユニットを含有する環状化合物であり、その式中、Aは式中に記載の通りであり、nは2〜10の整数である。R1、R2はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び1〜5個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基に置換されたアルキル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。XはO、N及びS中の一種から選択される。
【0031】
【化6】

【0032】
その式中、Aは式中に記載の通りであり、nは2〜10の整数である。R1、R2はH、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び1〜5個の炭素原子を有し、且つハロゲン原子、ヒドロキシル基に置換されたアルキル基中の同一であるか又は異なる基から選択される。BはCH2-O-CH2、CH2或C=Oから選択される。X1とX2はO、N、S及びSi中の同一であるか又は異なる基から選択される。
【0033】
前記環状化合物は、上記の環状化合物単体(1)〜(4)中の一種又は多種から事前重合により得られる大環状オリゴマー重合体であってもよく、且つ大環状オリゴマー重合体の大環状中に含有される単体の数が3〜20個である。
【0034】
上記の制御可能な開環重合の方法では、前記カルベン二酸化炭素化合物と環状化合物とのモル比は1:50〜1000であり、好ましくは1:50〜800であり、特に好ましくは1:50〜500である。その中に開始剤を用いてもよく、開始剤と環状化合物とのモル比は1:2〜10000であり、好ましくは1:50〜1000、特に好ましくは1:50〜500である。制御可能な温度範囲が-50℃〜200℃であり、好ましくは60℃〜180℃であり、特に好ましくは100℃〜160℃である時、カルベンが釈放され、環状化合物の開環重合を触媒する。重合反応時間は3秒〜120時間であり、好ましくは5分〜10時間であり、特に好ましくは5分〜4時間である。
【0035】
前記開始剤はアルコール系化合物であってもよく、好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、第3級ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、又はエチレングリコールであり、特に好ましくは、ブタノール、ベンジルアルコール及びフェニルエタノールである。
【0036】
上記の制御可能な開環重合の方法における反応は、溶剤中で行ってもよく、又は無溶剤の条件下で行ってもよい。前記溶剤では、好ましくはその沸点が重合温度より高い溶剤である。
【0037】
本発明は、上記のカルベン二酸化炭素化合物が環状化合物の制御可能な開環重合反応の触媒を製造することにおける用途を提供するものである。
【発明の効果】
【0038】
本発明の有益な効果は以下の通りである。
1.N-複素環式カルベンの求核性を利用して、それは開環重合反応に強い触媒活性を有し、活性化単体を選択的に最適化して、そして、連鎖成長を行い、環状化合物のリビング重合を保証する。
2.カルベン二酸化炭素化合物は常温で通常保存をし、性質が安定で、カルベンの保存及び使用中の不便が避けられる。
3.カルベン二酸化炭素化合物は加熱によってカルベンを活性化し、CO2は反応系に滞留せず、直ちに放出され、且つカルベン二酸化炭素化合物は純有機触媒として、従来の金属触媒を代替し、高分子生成物中に金属を残留しない。
4.カルベン二酸化炭素化合物の脱カルボキシル化の温度は環上の置換基の構造に影響を及ばされるので、重合を触媒する必要な温度条件によって適当なカルベン二酸化炭素化合物を選別して触媒とし、重合過程をよりよく制御する。
5.カルベン二酸化炭素化合物を触媒として、環状化合物の開環重合の過程は溶媒無しの条件下で行い、コストを節約する一方、反応の後処理過程を簡略化した。また、この反応を反応押出機中で行うことができ、ポリエステルの大規模製造を実現した。
6.カルベン二酸化炭素化合物は多種の環状化合物の開環重合の共用触媒とすることができる。
【0039】
以下では、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】1,3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩の熱重量分析スペクトルである。
【図2】触媒として1,3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩を用いて作られたポリ乳酸の1H-NMRスペクトルである。
【図3】触媒として1,3-(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩を用いて作られたポリ乳酸のサイズ排除クロマトグラフィーにおけるスペクトルである。
【図4】触媒として1-ブチル-3-メチルイミダゾール-2-カルボン酸塩を用いて作られたポリトリメチレン炭酸塩の1H-NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下の実施例により本発明を更に説明する。実施例は説明するためであり、本発明を限定するものではない。本分野の全ての一般の技術者はこれらの実施例を理解でき、如何なる方式を用いても本発明を制限せず、本発明の主旨及び本発明の範囲を逸出しないように本発明に対して適当な修正を加えても良い。
【0042】
本発明では提案したカルベン二酸化炭素化合物の脱カルボキシル化の温度範囲は熱重量分析により得られたものである。設備及び測定条件は以下の通りである。熱重量/示差熱分析計(NETZSCHSTA449C)であり、N2の保護下で、昇温速度は5℃/minであり、昇温範囲は50〜350℃である。1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩を例として、そのTG/DTGのスペクトルは図1に示される。
【0043】
各実施例における反応変換率は1H-NMRにより測定される。測定装置及び測定条件は以下の通りである。核磁気共鳴分光学計(Bruker DRX500)であり、d-CHCl3、d-DMSO又はd-CH3COCH3を溶剤とする。ポリ乳酸の数平均分子量及び分散度はサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により測定する。実験条件は温度が25℃、溶剤がTHF(HPLC)、流速が1mL/min、HPLCポンプはWaters515で、検出器はRI(Wyatt Optilab rEX)で、クロマトグラフィーカラムはHR3、HR4及びHR5 Styragelクロマトグラフィーカラムの三つ直列で、標本がポリスチレン(PS)で、Mw=900〜1.74×106g/molで、PDI<1.1である。
【0044】
[実施例1]
1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(29mg、75μmol)、ベンジルアルコール(5.4mg、50μmol)、ε-カプロラクトン(1.14g、10mmol)を10mLのキシレンに溶解させ、N2の保護下で140℃に加熱し、3秒反応させる。ギ酸を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリε-カプロラクトン0.8gが得られた。変換率は72%で、数平均分子量Mnは19000で、分散度PDIは1.06である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化7】

【0045】
[実施例2]
1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(108.07mg、250μmol)、ベンジルアルコール(5.4mg、50μmol)、L-ラクチド(0.72g、12.5mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で130℃に加熱し、30分間溶融して反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリL-乳酸0.6gが得られた。変換率は89%で、数平均分子量Mnは29000で、分散度PDIは1.15である。作られたポリ乳酸の1H-NMRスペクトル及びSECスペクトルは図2,3に示される。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化8】

【0046】
[実施例3]
1-ブチル-3-メチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(18.21mg、100μmol)、ブタノール(7.41mg、100μmol)、3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン(5.72g、40mmol)を反応瓶に加え、真空にして、反応器内の圧力は7mmHgであり、50℃で3時間反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応生成物をジクロロメタンで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリ3,6-ジメチル-1,4-ジオキサン-2,5-ジオン(3.6g)が得られた。変換率は65%で、数平均分子量Mnは36000で、分散度PDIは1.34である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化9】

【0047】
[実施例4]
1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリン-2-カルボン酸塩(32.6mg、75μmol)、メタノール(32.0mg、1mmol)、δ-バレロラクトン(0.50g、5mmol)を反応瓶に加え、30mLのテトラヒドロフランで溶解させ、Arの保護下で60℃に加熱し、3日間撹拌して反応させる。安息香酸を加えて反応を停止させ、反応生成物を濃縮した後にメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリδ-バレロラクトン0.43gが得られた。変換率は91%で、数平均分子量Mnは500で、分散度PDIは1.00である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化10】

【0048】
[実施例5]
1-ブチル-3-メチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(13.66mg、75μmol)、ベンジルアルコール(10.8mg、100μmol)、トリメチレン炭酸塩(2.04g、20mmol)を反応瓶に加え、真空にして、反応器内の圧力は7mmHgであり、-50℃で5日間反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応生成物をトルエンで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリトリメチレン炭酸塩1.2gが得られた。変換率は71%で、数平均分子量Mnは16500で、分散度PDIは1.45である。作られたポリトリメチレン炭酸塩の1H-NMRスペクトルは図4に示される。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化11】

【0049】
[実施例6]
1,3-ジメチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(10.5mg、75μmol)、エチレングリコール(3.32mg、37.5μmol)、トリメチレン炭酸塩(2.04g、20mmol)とε-カプロラクトン(1.14g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で96℃に加熱し、2時間溶融して反応させる。CS2を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、トリメチレン炭酸塩とε-カプロラクトンとの共重合体2.3gが得られた。トリメチレン炭酸塩とε-カプロラクトンとの含有量の比(モル比)は3:1で、数平均分子量Mnは79500で、分散度PDIは1.25である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化12】

【0050】
[実施例7]
1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾリン-2-カルボン酸塩(32.6mg、75μmol)、フェニルエタノール(9.16mg、75μmol)、D-ラクチド(1.44g、10mmol)を反応瓶に加え、真空にして、反応器内の圧力は4mmHgであり、-30℃で4日間反応させる。酸素を通して反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリD-乳酸0.4gが得られた。変換率は32%で、数平均分子量Mnは9580で、分散度PDIは1.27である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化13】

【0051】
[実施例8]
1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(32.6mg、75μmol)、イソプロパノール(9.01mg、150μmol)、L-ラクチド(1.44g、10mmol)とδ-バレロラクトン(0.50g、5mmol)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、Arの保護下で96℃に加熱し、12時間溶融して反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、L-ラクチドとδ-バレロラクトンとの共重合体1.75gが得られた。L-ラクチドとδ-バレロラクトンとの含有量の比(モル比)は1.6:1で、数平均分子量Mnは9580、分散度PDIは1.27である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化14】

【0052】
[実施例9]
1,3-ビス(o-メチルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(21.9mg、75μmol)、ベンジルアルコール(0.81mg、7.5μmol)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(16.65g、75mmol)を100mLのテトラヒドロフランに溶解させ、Arの保護下で50℃に加熱し、30時間反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応生成物を濃縮した後にメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリヘキサメチルシクロトリシロキサン0.97gが得られた。変換率は69%で、数平均分子量Mnは1220000で、分散度PDIは1.47である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化15】

【0053】
[実施例10]
1,3-ジブチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(16.81mg、75μmol)、ベンジルアルコール(0.54mg、5mmol)、β-ブチロラクトン(0.86g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で120℃に加熱し、2時間溶融して反応させる。CS2を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリβ-ブチロラクトン0.78gが得られた。変換率は99%で、数平均分子量Mnは172で、分散度PDIは1.00である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化16】

【0054】
[実施例11]
1,3-ビス(p-メチルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(21.9mg、75μmol)、フェニルエタノール(12.21mg、100μmol)、L-ラクチド(1.44g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で190℃に加熱し、30分間溶融して反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリL-乳酸1.2gが得られた。変換率は96%で、数平均分子量Mnは8090で、分散度PDIは1.15である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化17】

【0055】
[実施例12]
1,3-ジシクロヘキシルイミダゾール-2-カルボン酸塩(27.62mg、100μmol)、第3級ブタノール(14.81mg、200μmol)、D,L-ラクチド(7.2g、50mmol)を50mLのトルエンに溶解させ、Arの保護下で100℃に加熱し、30分間反応させる。エタン酸を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリD,L-乳酸が得られた。変換率は97%で、数平均分子量Mnは25600で、分散度PDIは1.09である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化18】

【0056】
[実施例13]
1-ベンジル-3-メチルイミダゾリン-2-カルボン酸塩(6.48mg、30μmol)、ベンジルアルコール(16.21mg、150μmol)、トリメチレン炭酸塩(1.02g、10mmol)とL-ラクチド(1.44g、12mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で200℃に加熱し、30分間溶融して反応させる。酸素を通して反応を停止させ、冷却した後に反応生成物をトルエンで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、トリメチレン炭酸塩とL-ラクチドとのブロック共重合体1.9gが得られた。トリメチレン炭酸塩とL-ラクチドとの含有量の比(モル比)は3.4:1で、ポリ乳酸の数平均分子量Mnは7800で、分散度PDIは1.23である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化19】

【0057】
[実施例14]
1,3-ジメチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(14.01mg、100μmol)、プロパノール(3.00mg、50μmol)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(2.96g、10mmol)を20mLのジメチルスルホキシドに溶解させ、Arの保護下で80℃に加熱し、30分間反応させる。CO2を通して反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリオクタメチルシクロテトラシロキサン1.6gが得られた。変換率は61%で、数平均分子量Mnは19200で、分散度PDIは1.24である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化20】

【0058】
[実施例15]
1-フェニルエチル-3-メチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(13.81mg、60μmol)、ベンジルアルコール(6.48mg、60μmol)、分子量は2000であるラクチドオリゴマー(24.0g、12mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で130℃に加熱し、6時間溶融して反応させる。酸素を通して反応を停止させ、冷却した後に反応生成物をトルエンで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリ乳酸18.0gが得られた。変換率は94%で、数平均分子量Mnは320000で、分散度PDIは1.68である。
触媒の構造式は以下の通りである。
【化21】

【0059】
[実施例16]
1,3-ジシクロヘキシルイミダゾール-2-カルボン酸塩(27.62mg、100μmol)、第3級ブタノール(0.81mg、11mmol)、分子量は2000であるラクチドオリゴマー(24.0g、12mmol)とβ-ブチロラクトン(0.86g、10mmol)を50mLのトルエンに溶解させ、Arの保護下で100℃に加熱し、4時間反応させる。エタン酸を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ラクチドとβ-ブチロラクトンとのブロック共重合体21.9gが得られた。ラクチドとβ-ブチロラクトンとの含有量の比(モル比)は25:1で、数平均分子量Mnは2076で、分散度PDIは1.07である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化22】

【0060】
[実施例17]
1,3-ビス(p-メチルフェニル)イミダゾリン-2-カルボン酸塩(21.9mg、75μmol)、フェニルエタノール(12.21mg、100μmol)、ε-カプロラクタム(1.14g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で200℃に加熱し、30分間溶融して反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリε-カプロラクタム0.78gが得られた。変換率は91%で、数平均分子量Mnは8700で、分散度PDIは1.39である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化23】

【0061】
[実施例18]
1,3-ビス(o-メチルフェニル)イミダゾリン-2-カルボン酸塩(21.9mg、75μmol)、エタノール(1.73mg、37.5μmol)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(2.22g、10mmol)とε-カプロラクタム(1.14g、10mmol)を100mLのテトラヒドロフランで溶解させ、Arの保護下で50℃に加熱し、72時間反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応溶液を濃縮して、メタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ヘキサメチルシクロトリシロキサンとε-カプロラクタムとの共重合体2.76gが得られた。ヘキサメチルシクロトリシロキサンとε-カプロラクタムとの含有量の比(モル比)は1:5で、数平均分子量Mnは40900で、分散度PDIは1.45である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化24】

【0062】
[実施例19]
1-エチル-3-メチルイミダゾール-2-カルボン酸塩(30.81mg、200μmol)、ベンジルアルコール(5.4mg、50μmol)、ε-カプロラクタム(1.14g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で130℃に加熱し、2時間溶融して反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリε-カプロラクタム1.08gが得られた。変換率は96%で、数平均分子量Mnは17700、分散度PDIは1.17である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化25】

【0063】
[実施例20]
1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(32.6mg、75μmol)、イソプロパノール(9.01mg、150μmol)、1,3,5-トリオキサンシクロヘプタン(1.04g、10mmol)とδ-バレロラクトン(0.50g、5mmol)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、Arの保護下で96℃に加熱し、12時間溶融して反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、1,3,5-トリオキサンシクロヘプタンとδ-バレロラクトンとの共重合体0.8gが得られた。生成物中に1,3,5-トリオキサンシクロヘプタンとδ-バレロラクトンとの含有量の比(モル比)は1:1.5で、数平均分子量Mnは7600、分散度PDIは1.26である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化26】

【0064】
[実施例21]
1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-カルボン酸塩(32.6mg、75μmol)、1,3,5-トリオキサンシクロヘプタン(0.39g、3.75mmol)を5mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、Arの保護下で120℃に加熱し、30時間溶融して反応させる。水を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリ1,3,5-トリオキサンシクロヘプタン0.2gが得られた。変換率は88%で、数平均分子量Mnは3750、分散度PDIは1.69である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化27】

【0065】
[実施例22]
1-t-ブチル-4,5-ジクロロイミダゾール-2-カルボン酸塩(19.05mg、75μmol)、フェニルエタノール(12.21mg、100μmol)、L-ラクチド(1.44g、10mmol)を反応瓶に加え、Arの保護下で190℃に加熱し、30分間溶融して反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応生成物をクロロホルムで溶解させ、さらにエタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ポリL-ラクチド1.2gが得られた。変換率は90%で、数平均分子量Mnは8090で、分散度PDIは1.15である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化28】

【0066】
[実施例23]
1-(1-フェニルエチル)イミダゾリン-2-カルボン酸塩(17.5mg、75μmol)、エタノール(1.73mg、37.5μmol)、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(2.22g、10mmol)とε-カプロラクタム(1.14g、10mmol)を100mLのテトラヒドロフランで溶解させ、Arの保護下で50℃に加熱し、72時間反応させる。希塩酸を加えて反応を停止させ、反応溶液を濃縮した後、メタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ヘキサメチルシクロトリシロキサンとε-カプロラクタムとのブロック共重合体2.76gが得られた。ヘキサメチルシクロトリシロキサンとε-カプロラクタムとの含有量の比(モル比)は1:5で、ポリ乳酸の数平均分子量Mnは40900で、分散度PDIは1.45である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化29】

【0067】
[実施例24]
2,4,5-トリフェニル-1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸塩(34.14mg、100μmol)、第3級ブタノール(0.81mg、11mmol)、分子量は2000であるラクチドオリゴマー(24.0g、12mmol)とβ-ブチロラクトン(0.86g、10mmol)を50mLのトルエンに溶解させ、Arの保護下で100℃に加熱し、4時間反応させる。エタン酸を加えて反応を停止させ、反応溶液をメタノールに入れて、沈殿してから濾過し、且つ一定重量まで乾燥して、ラクチドとβ-ブチロラクトンとのブロック共重合体21.9gが得られた。ラクチドとβ-ブチロラクトンとの含有量の比(モル比)は25:1で、数平均分子量Mnは2076で、分散度PDIは1.07である。
触媒と環状化合物の構造式は以下の通りである。
【化30】

【産業上の利用可能性】
【0068】
(特に記載なし)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法であって、
カルベン二酸化炭素化合物の構造は式(I)に示されるものであり、
【化1】

ここで、その式中、
点線は任意に選択される二重結合を表し、
X1はS又はNから選択され、
X2はC又はNから選択され、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、
水素、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜10個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
ハロゲン原子、
アダマンタン基、
フェニル基、並びに、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
R3、R4は同一であるか又は異なると共に、R3、R4は、
水素、
ハロゲン原子、
シアン基、
ヒドロキシル基、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜4個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
フェニル基、並びに、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
又は、R3とR4とは連結され、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル、もしくはシクロアルケニルを形成し、
又は、R3とR4とは連結され、ベンゼン環を形成し、
又は、R2とR3とは連結され、無置換の五員又は六員N-複素環を形成する、
ことを特徴とする、カルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項2】
前記カルベン二酸化炭素化合物の構造は、式(II)に示されるものであり、
【化2】

ここで、その式中、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、
水素、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜10個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
3〜6個の炭原子を有するシクロアルキル基、
ハロゲン原子、
アダマンタン基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
R3、R4は同一であるか又は異なると共に、R3、R4は、
水素、
ハロゲン原子、
シアン基、
ヒドロキシル基、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜4個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
又は、R3とR4とは連結され、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルを形成し、
又は、R3とR4とは連結され、ベンゼン環を形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項3】
前記カルベン二酸化炭素化合物の構造は、式(III)に示されるものであり、
【化3】

ここで、その式中、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、
水素、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜10個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
ハロゲン原子、
アダマンタン基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
R3、R4は同一であるか又は異なると共に、R3、R4は、
水素、
ハロゲン原子、
シアン基、
ヒドロキシル基、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜4個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
又は、R3とR4とは連結され、3〜8個の炭素原子を含有するシクロアルキルを形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項4】
前記カルベン二酸化炭素化合物の構造は、式(IV)に示されるものであり、
【化4】

ここで、その式中、
R1は、
水素、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜10個の炭原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
ハロゲン原子、
アダマンタン基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
R3、R4は同一であるか又は異なると共に、R3、R4は、
水素、
ハロゲン原子、
シアン基、
ヒドロキシル基、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜4個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
又は、R3とR4とは連結され、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルケニルを形成し、
又は、R3とR4とは連結され、ベンゼン環を形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項5】
前記カルベン二酸化炭素化合物の構造は、式(V)に示されるものであり、
【化5】

ここで、その式中、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、
水素、
1〜10個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜10個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基、
ハロゲン原子、
アダマンタン基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
R3は、
水素、
ハロゲン原子、
シアン基、
ヒドロキシル基、
1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜4個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
フェニル基、及び、
置換フェニル基、
からなる群から選択されるものであり、
又は、R2とR3とは連結され、無置換の五員又は六員N-複素環を形成する、
ことを特徴とする、請求項1に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項6】
前記置換フェニル基は、一置換、二置換又は三置換であり、
その置換基は同一であるか又は異なっており、その置換基は、
1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、
1〜5個の炭素原子を有し、且つ、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、フェニル基及びシアン基からなる群から選択される一種以上の置換基を持つアルキル基、
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
アルコキシ基、又は、
シアン基、
から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の開環重合法において、前記環状化合物は、以下に列挙する環状化合物単体のうちの一種以上から選択されること、即ち、
【化6】

ここで、式(1)中、
Aは、式(1)中に記載の通りであり、
nは2〜10の整数であり、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、H、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び、1〜5個の炭素原子を有し且つハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換されたアルキル基からなる群から選択されるものであり、
Xは、O又はNから選択されること、
【化7】

ここで、式(2)中、
A,Bは、式(2)中に記載の通りであり、
nは2〜10の整数であり、
AとBとは同一であるか又は異なっており、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、H、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び、1〜5個の炭素原子を有し且つハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換されたアルキル基からなる群から選択されるものであり、
Xは、O又はNHから選択されること、
【化8】

式(3)の構造又は2〜5個の式(3−2)の構造ユニットを含有する環状化合物であって、これらの式中、
Aは式(3)中に記載の通りであり、
nは2〜10の整数であり、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、H、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び、1〜5個の炭素原子を有し且つハロゲン原子またはヒドロキシル基に置換されたアルキル基からなる群から選択されるものであり、
Xは、O,N及びS中の一種から選択されること、
【化9】

ここで、式(4)中、
Aは、式(4)中に記載の通りであり、
nは2〜10の整数であり、
R1、R2は同一であるか又は異なると共に、R1、R2は、H、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、及び、1〜5個の炭素原子を有し且つハロゲン原子またはヒドロキシル基で置換されたアルキル基からなる群から選択されるものであり、
Bは、CH2-O-CH2、CH2、あるいはC=Oから選択され、
X1とX2は、同一であるか又は異なると共に、O、N、S及びSi中の一種から選択されること、
を特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項8】
前記環状化合物は、請求項7に記載の環状化合物単体中の一種又はニ種以上から事前重合により得られる大環状オリゴマー重合体であり、且つ、大環状オリゴマー重合体の大環状中に含有される単体の数が3〜20個であること、
を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項9】
前記カルベン二酸化炭素化合物と環状化合物とのモル比は1:50〜1000であり、好ましくは1:50〜800であり、特に好ましくは1:50〜500であること、
を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項10】
前記重合方法では更に開始剤が用いられており、開始剤と環状化合物とのモル比は1:2〜10000であり、好ましくは1:50〜1000、特に好ましくは1:50〜500であること、
を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項11】
カルベンが解放されて前記環状化合物の開環重合を触媒する際の前記重合方法の制御温度範囲は、−50℃〜200℃であり、好ましくは60℃〜180℃であり、特に好ましくは100℃〜160℃であること、
を特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項12】
前記重合方法の反応時間は3秒〜120時間であり、好ましくは5分間〜10時間であり、特に好ましくは5分間〜4時間であること、
を特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項13】
前記開始剤は、アルコール系化合物であり、
好ましくは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、第3級ブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、又はエチレングリコールであり、
特に好ましくは、n−ブタノール、ベンジルアルコール及びフェニルエタノールであること、を特徴とする請求項10に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項14】
前記重合法における反応は、溶剤の中又は無溶剤の条件下で行うこと、
を特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項15】
前記溶剤は沸点が重合温度より高い溶剤であること、
を特徴とする請求項14に記載のカルベン二酸化炭素化合物によって触媒される環状化合物の制御可能な開環重合法。
【請求項16】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のカルベン二酸化炭素化合物が、環状化合物の制御可能な開環重合反応の触媒を製造するものであるという用途。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−501359(P2012−501359A)
【公表日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−524172(P2011−524172)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【国際出願番号】PCT/CN2009/073675
【国際公開番号】WO2010/022684
【国際公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(511053919)南京工▲業▼大学 (3)
【Fターム(参考)】