説明

カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル組成物及び製造方法

本発明は、「耐候性」ポリマー材料、例えば耐候性コポリエステルカーボネートの製造に有用なカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル組成物を提供する。1つの態様において、本発明は、1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールから誘導された構造単位を含むオリゴマー状ポリエステル組成物を提供する。二酸から誘導された構造単位は、オリゴマー状ポリエステル組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在する。オリゴマー状ポリエステル組成物はさらに、少なくとも幾らかのフェノキシ末端基の存在により特徴付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル組成物及びその製造方法に関する。カルボキシ末端ポリアリーレートは、コポリエステルカーボネートのような耐候性コポリマー組成物の製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
様々なポリマー材料及びそれらを含む物品は、長期色不安定性を示す。多くの場合、この不安定性はポリマーの黄変として現れ、その結果時間が経つとその魅力と透明性が損なわれる。また、光沢の損失も望ましくない長期現象であり得る。ポリマー材料の長期安定性の改良に向けた広範な研究開発の努力にもかかわらず、長期色不安定性及び光沢の損失は、多種多様の用途におけるポリマー材料の使用に関する重大な制限として存続している。
【特許文献1】米国特許第4102864号明細書
【特許文献2】米国特許第4952663号明細書
【特許文献3】米国特許第5391689号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、公知のポリマー材料の限界を克服し、長期の色及び光沢安定性を有する物品を製作するのに使用することができる組成物を提供する新しいより安定なポリマー材料を開発することが重要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、「耐候性」ポリマー材料、例えば耐候性コポリエステルカーボネートの製造に有用なカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル組成物を提供する。1つの態様において、本発明は、1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールから誘導された構造単位を含むオリゴマー状ポリエステル組成物を提供する。二酸から誘導された構造単位は、オリゴマー状ポリエステル組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在する。オリゴマー状ポリエステル組成物はさらに、少なくとも幾らかのフェノキシ末端基が存在することにより特徴付けられる。
【0005】
1つの態様において、本発明は、1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールから誘導された構造単位を含むオリゴマー状ポリエステル組成物を提供する。二酸から誘導された構造単位は、オリゴマー状ポリエステル組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在する。オリゴマー状ポリエステル組成物はさらに、少なくとも幾らかのフェノキシ末端基が存在することにより特徴付けられる。
【0006】
別の態様において、本発明は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造する方法を提供する。この方法は、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を加熱することを含んでおり、前記1種以上の二酸、及び前記1種以上のジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸に相当する二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在する。
【0007】
本発明の別の実施形態では、次式Xの構造単位を含むカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルが提供される。
【0008】
【化1】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0〜4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。このカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率が約70パーセントより大きいことにより特徴付けられる。
【0009】
別の実施形態に従って、成分A、B、及び場合によりCからなる組成物が提供される。成分Aは、次式Xを有する構造単位を含む1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルからなる。
【0010】
【化2】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0−4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、ヒドロキシ末端基とカルボキシ末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられる。この比率は約70パーセントより大きい。成分Bは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基に対して化学的に反応性である1以上の官能基を含む1種以上の「有機種」からなる。この任意成分Cは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基と成分Bの「有機種」との化学反応を促進する1以上の触媒からなる。式Xを有する構造単位を含むカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを有する反応混合物を加熱することを含んでなる方法によって製造される。1種以上の二酸と1種以上のジオールは、反応に使用するジオールの量を基準にして約10%〜約40%過剰の二酸を使用するような二酸対ジオールのモル比に相当する量で反応混合物中に存在する。1種以上の二酸は、次式の構造式IV及びVで表される二酸からなる群から選択される。
【0011】
【化3】

式中、RとRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり
、「c」は0〜4の整数である。1種以上のジオールは次の構造式XIで表される。
【0012】
【化4】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。二酸とジオールは、使用するジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲の二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在する。
【0013】
別の実施形態に従って、成分A、B、及び場合によりCの反応生成物を含んでなる組成物が提供される。成分Aは、次式Xを有する構造単位を含む1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルからなる。
【0014】
【化5】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0−4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、ヒドロキシ末端基とカルボキシ末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられる。この比率は約70パーセントより大きい。成分Bは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基に対して化学的に反応性である1以上の官能基を含む1種以上の「有機種」からなる。任意の成分Cは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基と成分Bの「有機種」との化学反応を促進する1種以上の触媒からなる。式Xを有する構造単位を含むカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを有する反応混合物を方法によって製造される。この1種以上の二酸と1種以上のジオールは、反応に使用するジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸を使用するような二酸対ジオールのモル比に相当する量で反応混合物中に存在する。1種以上の二酸は、次の構造式IV〜Vで表される二酸からなる群から選択される。
【0015】
【化6】

式中、RとRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。1種以上のジオールは次の構造式XIで表される。
【0016】
【化7】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。二酸とジオールは、使用するジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲の二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の好ましい実施形態に関する以下の詳細な説明及び後述の実施例を参照することによって、本発明がより容易に理解されよう。以下の明細書及び特許請求の範囲では、幾つかの用語を使用するが、その意味は以下の通り定義される。
【0018】
単数形態は、前後関係から明らかに他の意味を示さない限り、複数形態も含めて意味する。
【0019】
「任意」又は「場合により」とは、続いて記載される事象又は状況起こってもよいし起こらなくてもよいことを意味し、またその記載はその事象が起こる場合と起こらない場合とを含むことを意味している。
【0020】
量に関連して使用する用語「約」は、その記載された値を含んでおり、かつ背景事情により示される意味を有する(例えば、その特定の量の測定に伴う程度の誤差を含む)。
【0021】
本明細書で使用する場合、用語「脂肪族基」とは、環状ではない線状又は枝分かれ配列の原子からなる1以上の価数を有する有機基をいう。脂肪族基とは、1以上の炭素原子を含むものと定義される。脂肪族基を構成する原子の配列は、窒素、イオウ、ケイ素、セレン及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は炭素と水素のみからなっていてもよい。便宜上、本明細書中で用語「脂肪族基」とは、「環状ではない線状又は枝分かれ配列の原子」の一部として、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのような広範囲の官能基を含むものとして定義される。例えば、4−メチルペント−1−イル基は、アルキル基である官能基としてメチル基を含むC脂肪族基である。同様に、4−ニトロブト−1−イル基は、官能基としてニトロ基を含むC脂肪族基である。脂肪族基は、同一でも異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を含むハロアルキル基でもよい。ハロゲン原子としては、例えばフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素がある。1以上のハロゲン原子を含む脂肪族基としては、ハロゲン化アルキル、トリフルオロメチル、ブロモジフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、ヘキサフルオロイソプロピリデン、クロロメチル、ジフルオロビニリデン、トリクロロメチル、ブロモジクロロメチル、ブロモエチル、2−ブロモトリメチレン(例えば、−CHCHBrCH−)、などがある。脂肪族基の別の例としては、アリル、アミノカルボニル(すなわち、−CONH)、カルボニル、ジシアノイソプロピリデン(すなわち、−CHC(CN)CH−)、メチル(すなわち、−CH)、メチレン(すなわち、−CH−)、エチル、エチレン、ホルミル(すなわち、−CHO)、ヘキシル、ヘキサメチレン、ヒドロキシメチル(すなわち、−CHOH)、メルカプトメチル(すなわち、−CHSH)、メチルチオ(すなわち、−SCH)、メチルチオメチル(すなわち、−CHSCH)、メトキシ、メトキシカルボニル(すなわち、CHOCO−)、ニトロメチル(すなわち、−CHNO)、チオカルボニル、トリメチルシリル(すなわち、(CHSi−)、t−ブチルジメチルシリル、トリメトキシシリルプロピル(すなわち、(CHO)SiCHCHCH−)、ビニル、ビニリデン、などがある。さらに別の例として、C〜C10脂肪族基は1以上10以下の炭素原子を含有する。メチル基(すなわち、CH−)はC脂肪族基の例である。デシル基(すなわち、CH(CH2)10−)はC10脂肪族基の一例である。
【0022】
本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」とは、1以上の価数を有する1以上の芳香族基を含む原子の配列をいう。1以上の価数を有する1以上の芳香族基を含む原子の配列は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよく、又は炭素と水素のみからなっていてもよい。本明細書で使用する場合、用語「芳香族基」としては、限定されることはないが、フェニル、ピリジル、フラニル、チエニル、ナフチル、フェニレン、及びビフェニル基がある。既に述べたように、芳香族基は1以上の芳香族基を含有する。芳香族基は常に4n+2個の「非局在化」電子を有する環状構造である。ここで、「n」は1以上に等しい整数である。例示すると、フェニル基(n=1)、チエニル基(n=1)、フラニル基(n=1)、ナフチル基(n=2)、アズレニル基(n=2)、アントラセニル基(n=3)などがある。芳香族基はまた、非芳香族成分を含んでいてもよい。例えば、ベンジル基は、フェニル環(芳香族基)とメチレン基(非芳香族成分)からなる芳香族基である。同様に、テトラヒドロナフチル基は、非芳香族成分−(CH−と縮合した芳香族基(C)からなる芳香族基である。便宜上、用語「芳香族基」とは、本明細書中で、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロ芳香族基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基、などのような広範囲の官能基を包含するものとして定義される。例えば、4−メチルフェニル基は、アルキル基の1つの官能基であるメチル基を含むC芳香族基である。同様に、2−ニトロフェニル基は、官能基であるニトロ基を含むC芳香族基である。芳香族基には、トリフルオロメチルフェニル、ヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CFPhO−)、クロロメチルフェニル、3−トリフルオロビニル−2−チエニル、3−トリクロロメチルフェン−1−イル(すなわち、3−CClPh−)、4−(3−ブロモプロプ−1−イル)フェン−1−イル(すなわち、BrCHCHCHPh−)、などのようなハロゲン化芳香族基が包含される。芳香族基の別の例としては、4−アリルオキシフェン−1−オキシ、4−アミノフェン−1−イル(すなわち、HNPh−)、3−アミノカルボニルフェン−1−イル(すなわち、NHCOPh−)、4−ベンゾイルフェン−1−イル、ジシアノイソプロピリデンビス(4−フェン−1−イルオキシ)(すなわち、−OPhC(CN)PhO−)、3−メチルフェン−1−イル、メチレンビス(フェン−4−イルオキシ)(すなわち、−OPhCHPhO−)、2−エチルフェン−1−イル、フェニルエテニル、3−ホルミル−2−チエニル、2−ヘキシル−5−フラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(フェン−4−イルオキシ)(すなわち、−OPh(CHPhO−)、4−ヒドロキシメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HOCHPh−)、4−メルカプトメチルフェン−1−イル(すなわち、4−HSCHPh−)、4−メチルチオフェン−1−イル(すなわち、4−CHSPh−)、3−メトキシフェン−1−イル、2−メトキシカルボニルフェン−1−イルオキシ(例えば、メチルサリチル)、2−ニトロメチルフェン−1−イル(すなわち、−PhCHNO)、3−トリメチルシリルフェン−1−イル、4−t−ブチルジメチルシリルフェン−1−イル、4−ビニルフェン−1−イル、ビニリデンビス(フェニル)、などが含まれる。用語「C〜C10芳香族基」には、3個以上10個以下の炭素原子を含有する芳香族基が含まれる。芳香族基1−イミダゾリル(C−)はC芳香族基の代表例である。ベンジル基(C−)はC芳香族基の代表例である。
【0023】
本明細書で使用する場合、用語「環式脂肪族基」とは、1以上の価数を有し、環状であるが芳香族ではない原子の配列を含む基をいう。本明細書中で定義される場合、「環式脂肪族基」は芳香族基を含有しない。「環式脂肪族基」は1以上の非環式成分を含んでいてもよい。例えば、シクロヘキシルメチル基(C11CH−)は、シクロヘキシル環(環状であるが芳香族ではない原子の配列)メチレン基(非環式成分)を含む環式脂肪族基である。環式脂肪族基は、窒素、イオウ、セレン、ケイ素及び酸素のようなヘテロ原子を含んでいてもよいし、又は炭素と水素のみで構成されていてもよい。便宜上、本明細書中で用語「環式脂肪族基」は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、共役ジエニル基、アルコール基、エーテル基、アルデヒド基、ケトン基、カルボン酸基、アシル基(例えば、エステル及びアミドのようなカルボン酸誘導体)、アミン基、ニトロ基などのような広範囲の官能基を包含するものとして定義される。例えば、4−メチルシクロペント−1−イル基は、アルキル基の1つの官能基であるメチル基を含むC環式脂肪族基である。同様に、2−ニトロシクロブト−1−イル基は、官能基であるニトロ基を含むC環式脂肪族基である。環式脂肪族基は、同一でも異なっていてもよい1以上のハロゲン原子を含み得る。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素がある。1以上のハロゲン原子を含む環式脂肪族基としては、2−トリフルオロメチルシクロへキス−1−イル、4−ブロモジフルオロメチルシクロオクト−1−イル、2−クロロジフルオロメチルシクロへキス−1−イル、ヘキサフルオロイソプロピリデン−2,2−ビス(シクロへキス−4−イル)(すなわち、−C10C(CF10−)、2−クロロメチルシクロへキス−1−イル、3−ジフルオロメチレンシクロへキス−1−イル、4−トリクロロメチルシクロへキス−1−イルオキシ、4−ブロモジクロロメチルシクロへキス−1−イルチオ、2−ブロモエチルシクロペント−1−イル、2−ブロモプロピルシクロへキス−1−イルオキシ(例えば、CHCHBrCH10−)、などがある。環式脂肪族基の別の例としては、4−アリルオキシシクロへキス−1−イル、4−アミノシクロへキス−1−イル(すなわち、HNC10−)、4−アミノカルボニルシクロペント−1−イル(すなわち、NHCOC−)、4−アセチルオキシシクロへキス−1−イル、2,2−ジシアノイソプロピリデンビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−O C10C(CN)10O−)、3−メチルシクロへキス−1−イル、メチレンビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−OC10CH10O−)、1−エチルシクロブト−1−イル、シクロプロピルエテニル、3−ホルミル−2−テトラヒドロフラニル、2−ヘキシル−5−テトラヒドロフラニル、ヘキサメチレン−1,6−ビス(シクロへキス−4−イルオキシ)(すなわち、−OC10(CH10O−)、4−ヒドロキシメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、4−HOCH10−)、4−メルカプトメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、4−HSCH10−)、4−メチルチオシクロへキス−1−イル(すなわち、4−CHSC10−)、4−メトキシシクロへキス−1−イル、2−メトキシカルボニルシクロへキス−1−イルオキシ(2−CHOCOC10O−)、4−ニトロメチルシクロへキス−1−イル(すなわち、NOCH10−)、3−トリメチルシリルシクロへキス−1−イル、2−t−ブチルジメチルシリルシクロペント−1−イル、4−トリメトキシシリルエチルシクロへキス−1−イル(例えば、(CHO)SiCHCH10−)、4−ビニルシクロヘキセン−1−イル、ビニリデンビス(シクロヘキシル)、などがある。用語「C〜C10環式脂肪族基」には、3個以上10個以下の炭素原子を含有する環式脂肪族基が含まれる。環式脂肪族基2−テトラヒドロフラニル(CO−)はC環式脂肪族基の代表例である。シクロヘキシルメチル基(C11CH−)はC環式脂肪族基の代表例である。
【0024】
本明細書で使用する場合、用語「末端基の総数」とは、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル中に存在する末端基の総数をいい、これらの末端基はカルボキシ末端基、ヒドロキシ末端基及びフェノキシ末端基からなる。
【0025】
本明細書で使用する場合、用語「オリゴマー状」とは、ポリスチレン分子量標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで決定して約500〜15000グラム/モルの範囲の重量平均分子量を有するポリマー種をいう。
【0026】
様々な実施形態では、本発明は、1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含む組成物を提供する。このオリゴマー状ポリエステルは1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート、及び1種以上のジオールから誘導された構造単位を含んでおり、この二酸から誘導された構造単位は、前記組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在し、前記ポリエステルは少なくとも幾らかのフェノキシ基が存在することにより特徴付けられる。
【0027】
オリゴマー状ポリエステルは次式Iの構造単位を含んでいる。
【0028】
【化8】

式中、Rは各々独立にC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、Rは各々独立にC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、又は次式IIを有する結合基である。
【0029】
【化9】

式中、各Gは各々独立にC〜C20芳香族基であり、Eは各々独立に結合、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、セレン含有結合、リン含有結合、又は酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」はゼロ又は1であり、「u」はゼロを含む整数であり、ここで「t」、「s」又は「u」の少なくとも1つはゼロに等しくない。1つの実施形態では、各Gは1,4−フェニレンであり、Eはイソプロピリデンであり、「t」、「s」及び「u」は各々が1である(例えば、式IIがビスフェノールA残基を表す)。代わりの実施形態では、Gは1,3−フェニレンであり、「t」は1であり、「s」と「u」は各々が0である(例えば、式IIがレゾルシノール残基を表す)。通例、オリゴマー状ポリエステルの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン分子量標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定して約500〜約15000グラム/モルの範囲である。
【0030】
適切な二酸としては、次の構造式IIIで表されるものがある。
【0031】
【化10】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基である。式IIIで表される適切な二酸としては、デカン二酸、ウンデカン二酸、セバシン酸、アジピン酸、スベリン酸、オレイン酸、アゼライン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、乳酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ビフェニル−3,4’−ジカルボン酸、ビフェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルケトン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルジクロロメタン−4,4’−ジカルボン酸及びこれらの混合物がある。1つの特定の実施形態では、二酸は次の構造式IV及びVで表される二酸の混合物からなる。
【0032】
【化11】

式中、RとRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。式IVの適切な二酸としては、テレフタル酸、2−ニトロテレフタル酸、2−ヨードテレフタル酸、3−クロロテレフタル酸及びこれらの混合物がある。式Vの適切な二酸としては、イソフタル酸、5−ヨード−イソフタル酸、5−メチル−イソフタル酸、5−ニトロ−イソフタル酸及びこれらの混合物がある。1つの実施形態では、式IVの二酸はテレフタル酸である。1つの実施形態では、式Vの二酸はイソフタル酸である。
【0033】
既に述べたように、本発明の組成物は、1種以上のジアリールカーボネートから誘導された構造単位を含む。ジアリールカーボネート「から誘導された」構造単位には2種のタイプ、すなわち、本発明のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル中に常に存在する末端フェノキシ基と、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルの内部エステル結合(−O−CO−)がある。当業者には分かるように、生成物のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルの内部エステル結合は、ジアリールカーボネート中に実際に存在する構造単位を含有しない場合でも、ジアリールカーボネート「から誘導された」ものである。あらゆるジアリールカーボネートを本発明に従って使用することができる。通例、次式VIを有する1種以上のジアリールカーボネートを使用する。
【0034】
【化12】

式中、RとRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「d」は0〜5の整数であり、「e」は0〜5の整数である。式VIで表される適切なジアリールカーボネートとしては、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ビス(4−クロロフェニル)カーボネート、ビス(4−フルオロフェニル)カーボネート、ビス(2−クロロフェニル)カーボネート、ビス(2,4−ジフルオロフェニル)カーボネート、ビス(4−ニトロフェニル)カーボネート、ビス(2−ニトロフェニル)カーボネート、及びビス(メチルサリチル)カーボネートがある。1つの実施形態では、ジアリールカーボネートは、次式VIIを有し、ビス(メチルサリチル)カーボネートともいわれる。
【0035】
【化13】

1つの実施形態では、オリゴマー状ポリエステル組成物は、次式VIIIを有する1種以上のジオールから誘導された構造単位を含んでいる。
【0036】
【化14】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基又は次式IIを有する結合基である。
【0037】
【化15】

式中、各Gは各々独立にC〜C20芳香族基であり、Eは各々独立に結合、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、セレン含有結合、リン含有結合、又は酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」はゼロ又は1であり、「u」はゼロを含む整数であり、ここでt、s、及びuの少なくとも1つはゼロに等しくない。
【0038】
式VIIIを有する適切なジオールとしては、l−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、2,2−ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,3−ビス[4−ヒドロキシフェニル−1−(1−メチルエチリジエン)]ベンゼン、1,4−ビス[4−ヒドロキシフェニル−l−(1−メチルエチリジエン)]ベンゼン、1,3−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−1−(1−メチルエチリジエン)]ベンゼン、1,4−ビス[3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル−l−(1−メチルエチリジエン)]ベンゼン、4,4’−ビフェノール、2,2’,6,8−テトラメチル−3,3’,5,5’−テトラブロモ−4,4’−ビフェノール、2,2’,6,6’−テトラメチル−3,3’,5−トリブロモ−4,4’−ビフェノール、1,l−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノエタン、1,l−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジシアノメタン、l,l−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−シアノ−1−フェニルメタン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノルボルナン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタリド、1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロペノン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−オキシジフェノール、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、4,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2−クロロフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール−A)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−エチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5,3’,5’−テトラクロロ−4,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−[1−メチル−4−(1−メチル−エチル)−1,3−シクロヘキサンジイル]ビスフェノール(1,3−BHPM)、4−[1−[3−(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルシクロヘキシル]−1−メチル−エチル]−フェノール(2,8−BHPM)、3,8−ジヒドロキシ−5a,10b−ジフェニルクマラノ−2’,3’,2,3−クマラン(DCBP)、2−フェニル−3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フタルイミジン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ−5−イソプロピルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−t−ブチル−5−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(3−クロロ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3−ブロモ−5−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジイソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジフェニル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラクロロフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラブロモフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,3,5,6−テトラメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジクロロ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(2,6−ジブロモ−3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4’ジヒドロキシ−1,1−ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチル−1,1−ビフェニル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジオクチル−1,1−ビフェニル、4,4’−(3,3,5−トリメチルシクロヘキシリデン)ジフェノール、4,4’−ビス(3,5−ジメチル)ジフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,4
−ビス(2−(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、2,4’−ジヒドロキシフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン(BPS)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ヒドロキノン、レゾルシノール、C1−3アルキル−置換レゾルシノール、3−(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,3−トリメチルインダン−5−オール、1−(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン−5−オール、4,4−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシ−3,3−ジクロロジフェニルエーテル、4,4−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4−チオジフェノール、2,2,2’,2’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジオール、及びこれらの混合物がある。
【0039】
1つの実施形態では、Rは次式IXの芳香族基である。
【0040】
【化16】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。構造VIIIを有し、基Rが式IXを有する適切なジオールは、レゾルシノール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、2−メチルレゾルシノール、4−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、ヘキシルヒドロキノン、2−ブチルレゾルシノール、などにより例示される。好ましい実施形態では、ジオールはレゾルシノールである。
【0041】
通例、二酸から誘導された構造単位は、オリゴマー状ポリエステル組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%過剰に相当するモル過剰で存在する。1つの実施形態では、二酸から誘導された構造単位は、組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約15〜約35%のモル過剰で存在する。好ましい実施形態では、二酸から誘導された構造単位は、組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約20〜約30%のモル過剰で存在する。理論に縛られることはないが、二酸のモル過剰は、最終的なポリマーの分子量を調節すると考えられる。二酸は、ジアリールカーボネートと共に対応するアリールエステルに変換される。このアリールエステルは、ジオールとエステル交換してエステル結合を形成してポリマーを形成する。遊離の二酸酸(すなわち過剰に使用した二酸)は、ジアリールカーボネートとのエステル交換に関係せず、従ってポリマー鎖の末端で終結する。従って、二酸の過剰が10%未満である場合、最終ポリマーの分子量は高過ぎて有用でなくなる可能性があり、また40%より多いと、分子量は低過ぎて有用でなくなる可能性がある。
【0042】
カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルはさらに、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられる。通例、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率は約70%より大きい。1つの実施形態では、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率は約80%より大きく、好ましい実施形態では末端基総数に対するカルボキシ末端基の比率が約90%より大きい。通例、少なくとも幾らかのフェノキシ末端基の比率は末端基の総数の約5〜約60%の範囲である。
【0043】
既に述べたように、本発明は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造する方法を提供する。本発明において、有機反応体に関して本質的に均質な反応媒質中でオリゴマー状ポリエステルを製造した場合、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルの分子量の優れた調節を達成することができるということが発見された。すなわち、1つの態様において、本発明は、1種以上のジオール部分と1種以上の二酸部分との反応を、有機反応体に関して本質的に均質な条件下で行う工程で、低分子量のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造する方法を提供する。
【0044】
特に、本発明は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含む組成物を製造する方法を提供する。この方法は、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を加熱することを含んでいる。前記1種以上の二酸、及び前記1種以上のジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲の二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在する。
【0045】
本発明の方法は、変化する低分子量の多種多様のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造するのに使用することができる。「低分子量」とは、そのポリエステルが、ポリスチレン(PS)分子量標準を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定して約500〜15000グラム/モルの重量平均分子量(Mw)を有することを意味しており、用語「オリゴマー状」と互換的に使用される。好ましい実施形態では、カルボキシ末端オリゴマー状ポリアリーレートの重量平均分子量(Mw)は約500〜約10000グラム/モルの範囲である。
【0046】
既に述べたように、本発明の方法は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造するのに使用することができ、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を、1種以上の触媒の存在下で、また場合により助触媒の存在下で加熱することを含んでいる。この反応は通例「溶融体」内で行う。すなわち、外因性の溶媒を添加することがなく、また溶媒を必要ともしない。均質な反応溶融体が得られると、反応体のジオールと二酸のほぼ完全な反応が起こることが観察されている。通例、二酸対ジオールのモル比は、反応に使用するジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸に相当する範囲である。より特定的には、二酸対ジオールのモル比は、反応混合物中のジオールの量を基準にして約15〜約35%過剰の二酸に相当する範囲である。1つの特定の実施形態では、二酸対ジオールのモル比は、約20〜約30%過剰の二酸に相当する範囲である。
【0047】
1種以上のジアリールカーボネートは、ジアリールカーボネート対ジオールのモル比が約1.5対1〜約2.5対1の範囲になるような量で使用する。特定の実施形態では、ジアリールカーボネート対ジオールのモル比は、約1.9対1〜約2.03対1の範囲である。
【0048】
通例、均質な反応溶融体を得るのに必要とされる反応混合物の温度は、約140〜約300℃の範囲である。1つの実施形態では、反応混合物を約200〜300℃の範囲の温度に加熱する。好ましい実施形態では、反応混合物を約260〜265℃の温度に加熱して、均質な反応溶融体を得る。いかなる理論にも縛られたくはないが、均質な反応溶融体を得るのは、使用する過剰の二酸の量と、反応混合物を最終的に加熱する温度との両方に依存すると考えられる。さらに高いレベルの二酸を生成物のオリゴマー状ポリエステル中に上首尾に取り込むのはより高い温度で達成可能であろうと考えられる。
【0049】
本発明の方法に従って使用する触媒は通例Lewis酸触媒である。好ましくは、1種以上の遷移金属アルコキシド−タイプのLewis酸触媒を利用する。遷移金属アルコキシド−タイプのLewis酸触媒は、塩基性触媒と比べてエステル交換反応における活性が高いことが示されている。
【0050】
本発明の方法に従って使用される適切な触媒としては、第IVB族金属のアルコキシド及び第IVA族金属の誘導体、金属酸化物、並びに金属カルボン酸塩がある。また、本発明の方法に従って使用するのに適切な触媒として、チタンブトキシド(Ti(OBu))、チタンイソプロポキシド(Ti(OiPr))、チタンフェノキシド(Ti(OPh))、三酸化アンチモン、ジルコニウムブトキシド(Zr(OBu))、ジアルキルスズジアルコキシド、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジエステル、スズフェノキシド、などがある。ある種の実施形態では、反応速度が高まり、また満足な色調を有する生成物のオリゴマー状ポリエステル及びそれから製造される組成物を得ることができることから、チタンブトキシド(Ti(OBu))のようなチタン化合物、三酸化アンチモンのようなアンチモン化合物、又は酸化ジブチルスズのような有機スズ化合物を触媒として使用するのが殊に好ましい。
【0051】
通例、使用する触媒の量は非常に低くてよく、約20ppm(百万部当たりの部)(以下、本明細書中ではppmという)〜約1000ppm(生成物のオリゴマー状ポリエステルの重量に対する金属)の範囲であることができる。好ましくは、触媒は、生成物のオリゴマー状ポリエステルの重量に対して約20〜約500ppmの金属に相当する量で使用し、約25〜約500ppmの範囲が最も好ましい。
【0052】
一般に、ジオール、二酸及びジアリールカーボネートは触媒と組み合わせて反応器に添加して所望のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを生成させる。
【0053】
金属アルコキシド触媒は得られるポリマーに橙又は黄色の色を付けることがあるので、場合により、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属亜リン酸塩、アルカリ金属次亜リン酸塩又はアルカリ金属ポリリン酸塩の群から選択される助触媒を含ませて反応の速度を増大することができる。通例、助触媒は反応の終了時の最後に添加する。
【0054】
アルカリ金属リン酸塩は1、2、又は3個のアルカリ金属基を含有するリン酸塩であることができ、アルカリ金属亜リン酸塩は1又は2個のアルカリ金属基を含有する亜リン酸塩であることができ、アルカリ金属次亜リン酸塩は任意の数のアルカリ金属基を含有する次亜リン酸塩であることができ、アルカリ金属ポリリン酸塩は1、2、3、4、又は5個のアルカリ金属基を含有するポリリン酸塩であることができる。助触媒は、所望のオリゴマー状ポリエステルの生成における反応速度を増大するだけでなく、得られる生成物の色も改善する。好ましくは、助触媒はアルカリ金属リン酸塩であり、リン酸二水素ナトリウムが最も好ましい。
【0055】
助触媒の量は変化することができ、助触媒対触媒のモル比は約2:1〜約10:1、好ましくは約3:1〜約6:1の範囲であり、最も好ましくは約4:1の比である。望ましくない色の減弱は望ましくない副反応生成物の量の低下を示す。
【0056】
加えて、チタン触媒を使用する場合、芳香族チタネートの形成に起因する最終生成物の変色は触媒クエンチャー(例えば、リン酸、亜リン酸、有機ホスファイト、など)を用いて最小にすることができる。当業者は、触媒の量と温度を変えて、組成物中のジオールの量を基準にしてより高いレベルの二酸を達成することが可能である。
【0057】
通例、重合反応は二段階で行う。この反応の第1の段階では、出発材料を反応器に入れ、加熱し、プレポリマーが清澄になる(本明細書中ではクリアリングともいう)まで反応を進行させる。反応の(クリアリング後の)第2の段階の間、反応器の温度を維持するか又は低下させ、次いでゆっくり真空にして、主としてフェノールである副生物を除去する。
【0058】
反応の第1の段階の温度は約140〜約300℃以上の範囲でよく、約260〜約290℃の温度が好ましい。反応の第2の段階の温度は約240〜約320℃、好ましくは約260〜約300℃の範囲であることができ、約270〜約290℃の温度が最も好ましい。
【0059】
第1の段階の反応時間は約25〜約400分、好ましくは約45〜約300分、より好ましくは約45〜約150分で変化し得る。第2の段階の反応時間は約60〜約300分、好ましくは約100〜約240分で変化し得る。当業者には理解できるように、反応時間はポリマーの形態、温度、などのような要因に応じて変化する。
【0060】
重合反応の第1の段階は一般に大気圧で行う。反応の第2の段階は約60〜0.01mbarの範囲の圧力で行い、約1〜約0.02mbarの範囲が好ましい。これは副生物を除去するのに役立つ。
【0061】
幾つかの実施形態では、重合反応の間、生成物のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを生成する反応混合物を、約0.1〜約10リットル/minの範囲、好ましくは約0.5リットル/minの量の窒素又はアルゴンのような不活性ガスでパージして、重合工程中の熱的酸化の結果としてのあらゆる変色を低減する。
【0062】
1つの実施形態では、利用するジオールはレゾルシノールであり、利用する二酸はイソフタル酸とテレフタル酸の混合物であり、利用するジアリールカーボネートはジフェニルカーボネートである。得られるカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル二酸は優れた熱的及びUV安定性の両方を有する組成物を製造するのに使用することができる。
【0063】
1つの態様において、本発明は、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを提供する。このオリゴマー状ポリエステルは、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられる。この比率は通例約70パーセントより大きい。
【0064】
ある種の実施形態では、カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは式Xの構造単位を含んでいる。1つの特定の実施形態では、式Xの「n」と「m」はゼロである。
【0065】
既に述べたように、別の態様において、本発明はまた、成分A、B及び場合によりCを含む組成物を提供する。ここで、成分Aは1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルからなり、このポリエステルは式Xの構造単位を含んでいる。また、オリゴマー状ポリエステルは、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられ、この比率は約70パーセントより大きい。
【0066】
成分Bは同一でも異なっていてもよい1以上の官能基を有する1種以上の有機種からなり、前記官能基は成分Aのオリゴマー状ポリエステルのフェノール性ヒドロキシ基に対して化学的に反応性である。成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基と反応することができるあらゆる官能基を使用することができるが、成分Bの官能基は通例イソシアネート、封鎖イソシアネート、無水物、エポキシド、酸塩化物、カルボン酸、活性化カルボン酸エステル、塩化スルホニル、アミダール、及びアミナールからなる群から選択される。1つの実施形態では、成分Bは1種以上のメラニン−タイプ樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、又はこれらの組合せからなる。代わりの実施形態では、成分Bは脂肪族ポリイソシアネートからなる。1つの実施形態では、成分BはIPDI−Trimer(イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート、VESTANAT T 1890として商業的に知られている)からなる。別の実施形態では、成分Bはエポキシ樹脂前駆体のポリグリシジルからなる。1つの実施形態では、成分BはBPAジグリシジルエーテル(商業的にEPON Resin 2002として知られている)からなる。通例、本発明のコーティング組成物中の成分Bの濃度はコーティング組成物の総重量の約1〜約99重量パーセントの範囲である。
【0067】
既に述べたように、組成物は成分C、すなわち成分Aと成分Bの反応を促進する触媒を含んでいてもよい。触媒Cの存在は任意である。通例、この触媒は第三アミン、第四アンモニウム塩、第四ホスホニウム塩、Lewis酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。通例、成分Cはコーティング組成物の総重量の約0.00001〜約10重量パーセントに相当する量で存在する。1つの実施形態では、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム(以後、本明細書中ではBTMABということがある)を触媒として使用し得る。
【0068】
既に述べたように、別の態様において、本発明はまた、成分A、B及び場合によりCの反応生成物を含んでなる組成物を提供する。ここで、A、B及びCは上で定義した通りである。
【0069】
1つの実施形態では、本発明は、成分A、B及びCからなりコーティング組成物である組成物を提供する。用語「コーティング組成物」とは、単に、その組成物がコーティングとして使用できること、又はコーティングの製造に使用できることを意味する。本発明のコーティング組成物は1種以上の共樹脂を含有していてもよい。用語「共樹脂」とは、この共樹脂はコーティングの形成に通例使用する条件下で成分Aのヒドロキシ基と反応することができる官能基を有さないので成分Bの「有機種」に属するクラスの材料には入らないポリマー化学種を指して使用する。共樹脂は本明細書中で定義される場合高分子量でも低分子量でもよい。共樹脂として使用するのに殊に適したポリマーとしては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、付加ポリマーなどがある。ポリエステルはポリ(アルキレンアレーンジオエート)、殊にポリ(エチレンテレフタレート)(本明細書中では以後「PET」と称することがある)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(本明細書中では以後「PBT」と称することがある)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(本明細書中では以後「PTT」と称することがある)、ポリ(エチレンナフタレート)(本明細書中では以後「PEN」と称することがある)、ポリ(ブチレンナフタレート)(本明細書中では以後「PBN」と称することがある)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)(本明細書中では以後「PETG」と称することがある)、及びポリ(1,4−シクロヘキサンジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)(本明細書中では以後「PCCD」と称することがある)により例示される。ある種のコーティング用途では、ポリ(アルキレンアレーンジオエート)、ポリ(エチレンテレフタレート)及びポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)が殊に好ましい。適切な付加ポリマーとしては、ホモポリマー及びコポリマー、殊にシンジオタクチックポリスチレンを始めとするポリスチレンのようなアルケニル芳香族化合物のホモポリマー、並びにアルケニル芳香族化合物と、アクリロニトリル及びメタクリロニトリルのようなエチレン性不飽和ニトリル、ブタジエン及びイソプレンのようなジエン、及び/又はアクリル酸エチルのようなアクリルモノマーとのコポリマーがある。これら後者のコポリマーとして、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)及びASA(アクリロニトリル−スチレン−アルキルアクリレート)コポリマーがある。本明細書で使用する場合、付加ポリマーには、ポリアクリレートホモポリマー及びメタクリレート由来の構造単位を含むポリマーを始めとするコポリマーが含まれる。
【0070】
本明細書に開示した組成物は、さらに、有機及び無機顔料、染料、衝撃改良剤、UV遮断剤、ヒンダードアミン光安定剤、脱泡剤、防食剤、表面張力改変剤、難燃剤、有機及び無機充填材、安定剤並びに流動助剤を始めとして業界で認められている添加剤を含んでいてもよい。
【0071】
本明細書に開示したコーティング組成物は極めて万能であり、種々の配合物タイプからなり得る。従って、本発明の1つの実施形態では、コーティング組成物は、ソルベントキャスティング(溶液流延)に適するように有機溶媒を含んでいる。別の実施形態では、コーティング組成物は水性分散液である。さらに別の実施形態では、本発明のコーティング組成物は、実質的に溶媒を含まない微粉末に粉砕された固体、例えば粉体塗装用配合物である。
【0072】
式I又は式Xのカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステル含む溶媒含有コーティング組成物を用いて製造されるコーティングは、溶液塗装に次ぐ蒸発及び硬化によって製造することができる。この溶媒含有コーティング配合物は、ソルベントキャスティングに適切な溶媒中で製造し溶解させることができる。通例、ジメチルアセトアミド及びテトラヒドロフラン又はこれらの混合物が好ましい溶媒である。しかし、アミド(ジメチルホルムアミド、メチルピロリドン、など)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ−ブチルケトン、など)、アルコール(メタノール、エタノール、など)、芳香族(トルエン、キシレン、など)、ハロゲン化溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、など)及びこれらの混合物のような他の共溶媒も使用することができる。ソルベントキャスティング用のコーティング組成物の溶液は、基材上にフィルムキャスティングする前に充分に混合するべきである。水系コーティング組成物の場合、成分A、B及び場合によりCを水性相に分散又は溶解させ、得られた分散液又は溶液を使用してコーティングを製造する。
【0073】
式I又は式Xの1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含む固体の組成物は、粉体塗装に使用するのに特に有利な物理的性質を有している。既に述べたように、低分子量を有するオリゴマー状ポリエステルは、本明細書に開示した本発明の1つの態様を構成する新規な合成法を用いて製造することができる。本明細書の上記欄で詳細に説明したこの新規な方法は、ある場合には結晶性のオリゴマー状ポリエステルであるカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを製造するのに使用することができるという点に留意されたい。この点に関し、オリゴマー状ポリエステルを含む乾燥粉体塗装用配合物の性能は、そのポリエステルが結晶形態ではなく非晶質であると高められ得る。従って、1つの実施形態では、結晶性オリゴマー状ポリエステルは、本発明に従ってコーティング配合物に使用される非晶質形態に変換される。1つの実施形態では、結晶性を抑制するために、結晶性オリゴマー状ポリエステルを押出機で溶融押出することにより、非晶質形態のオリゴマー状ポリエステルを生成させる。
【0074】
通例、粉体塗装組成物の成分を粉砕して乾式混合用の粉末とし、その後乾式混合してブレンドを製造する。乾式混合後、そのブレンドを押し出し、粉砕し、篩にかけて粉体塗装配合物を製造し、被覆しようとする基材上に静電的に付着させて被覆された基材を製造することができる。或いは、コーティング配合物を「ソルベントキャスト」するか、又は水中分散液として基材上に塗布して被覆された基材を製造してもよい。次いで、この被覆された基材を特定の温度で一定時間硬化させてもよいし、又はこの被覆された基材を、硬化工程中温度、時間などのような硬化条件を変化させる「硬化プロフィール」の下で硬化させてもよい。このコーティングが示す性質は硬化条件に依存する。最適な硬化温度及び時間範囲は本明細書に開示した条件を用いて決定することができるし、或いは適度な数の異なる硬化条件を選別することによって硬化条件に到達することができる。
【0075】
本明細書に開示したコーティング組成物から製造されたコーティングは、引っ掻き耐性、耐薬品性、硬さ、強靱性及び耐候性を含めて際立った物理的性質を有する。本明細書に開示したコーティング組成物を用いて製造されたコーティングの耐薬品性、硬さ、強靱性及び耐候性は、多くの場合、公知のコーティング配合物を用いて製造されたコーティングより勝れている。1つの態様において、本発明のコーティング組成物から製造されたコーティングは、高まった光安定性を示す。すなわち、UV光に曝露されたとき、本発明のコーティングのポリエステル成分は光−Fries反応を受けてヒドロキシベンゾフェノン構造単位を生成し、これがコーティングをさらなる光化学反応及び劣化から保護するのに役立つ。ヒドロキシベンゾフェノン光生成物はスペクトルの「近UV」範囲の光を効果的に吸収することにより、高まった光安定性をそのコーティングに付与する。こうして、本発明のコーティング組成物を用いて製造されたコーティングは、高まった、より頑強な耐候性と増大した強靱性を示すコーティングを生成すると考えられる。
【0076】
別の実施形態では、本発明は、1種以上の熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、セルロース系材料、ガラス、セラミック、又は金属からなる基材層と、その上の1以上のコーティング層とを含んでなる被覆された物品を提供する。前記コーティング層は本発明のコーティング組成物を用いて製造されており、また前記コーティング層は式Iを有する構造単位を含んでいる。場合により、被覆された物品はさらに、基材層と熱的に安定なポリマーコーティング層との間に中間層、例えば接着中間層を含んでいてもよい。本発明の被覆された物品としては、限定されることはないが、基材層とオリゴマー状ポリエステルを含むコーティング層とからなるもの、基材層と、この基材層の両側のオリゴマー状ポリエステルを含むコーティング層とを含むもの、並びに基材層と、オリゴマー状ポリエステルを含む1以上のコーティング層とを含み、基材層とコーティング層との間に1以上の中間層を有するものがある。
【0077】
本発明のコーティング組成物を用いて製造された被覆された物品は通例、際立った初期光沢、改良された初期色、耐候性、衝撃強さ、及び最終用途で遭遇する有機溶媒に対する耐性を有している。
【0078】
本発明の物品中の基材層の材料は、付加により製造されていようと縮合により製造されていようと1種以上の熱可塑性ポリマーであり得る。縮合ポリマーとしては、限定されることはないが、ポリカーボネート、特に芳香族ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、ポリエステル(以下で定義されるように、コーティング層に使用するもの以外)、及びポリアミドがある。ポリカーボネートとポリエステルが好ましいことが多い。
【0079】
ポリエステル基材としては、限定されることはないが、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(ブチレンナフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(シクロヘキサンジメタノール−コ−エチレンテレフタレート)、及びポリ(1,4−シクロヘキサンジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)がある。
【0080】
適切な付加ポリマー基材としては、ホモ−及びコポリマーとしての脂肪族オレフィン及び官能化オレフィンポリマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニル−コ−塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルブチラール)、ポリ(アクリロニトリル)、アクリルポリマー、例えば(メタ)アクリルアミド又はアルキル(メタ)アクリレートのポリマー、例えばポリ(メチルメタクリレート)(「PMMA」)、並びにアルケニル芳香族化合物のポリマー、例えばシンジオタクチックポリスチレンを始めとするポリスチレンがある。多くの目的に好ましい付加ポリマーはポリスチレン、殊にいわゆるABS及びASAコポリマーであり、これらはそれぞれブタジエン及びアルキルアクリレートのエラストマー状ベースポリマーにグラフトした熱可塑性の非エラストマー状スチレン−アクリロニトリル側鎖を含有し得る。
【0081】
以上のポリマーの任意のブレンドも基材として使用することができる。典型的なブレンドとしては、限定されることはないが、PC/ABS、PC/ASA、PC/PBT、PC/PET、PC/ポリエーテルイミド、PC/ポリスルホン、ポリエステル/ポリエーテルイミド、PMMA/アクリルゴム、ポリフェニレンエーテル−ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル−ポリアミド又はポリフェニレンエーテル−ポリエステルを含むものがある。基材層は他の熱可塑性ポリマーを含んでいてもよいが、上記ポリカーボネート及び/又は付加ポリマーが主割合を構成するのがより好ましい。
【0082】
本発明の被覆された物品中の基材層はまた、1種以上の熱硬化性ポリマーを含んでいてもよい。適切な熱硬化性ポリマー基材としては、限定されることはないが、エポキシ、シアネートエステル、不飽和ポリエステル、ジアリルフタレート、アクリル、アルキド、フェノール−ホルムアルデヒド、ノボラック、レゾール、ビスマレイミド、PMR樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素ホルムアルデヒド、ベンゾシクロブタン、ヒドロキシメチルフラン、及びイソシアネートから誘導されたものがある。本発明の1つの実施形態では、熱硬化性ポリマー基材はさらに、限定されることはないが、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、又はポリエステルのような1種以上の熱可塑性ポリマーを含んでいる。前記熱可塑性ポリマーは通例、前記熱硬化性材料の硬化前に熱硬化性モノマー混合物と混合される。
【0083】
本発明の1つの実施形態では、熱可塑性又は熱硬化性基材層はまた、1種以上の充填材及び/又は顔料も含んでいる。具体的な増量用及び強化用充填材、並びに顔料としては、ケイ酸塩、ゼオライト、二酸化チタン、石粉、ガラス繊維又は球、炭素繊維、カーボンブラック、グラファイト、炭酸カルシウム、タルク、雲母、リトポン、酸化亜鉛、ケイ酸ジルコニウム、酸化鉄、ケイ藻土、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化第二クロム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、粉砕石英、焼成粘土、タルク、カオリン、アスベスト、セルロース、木粉、コルク、綿及び合成織物繊維、殊に強化用充填材、例えばガラス繊維及び炭素繊維、並びに着色剤、例えば金属フレーク、ガラスフレーク及びビーズ、セラミック粒子、他のポリマー粒子、染料及び顔料(有機、無機又は有機金属であり得る)がある。別の実施形態では、本発明は、シートモールディングコンパウンド(SMC)のような充填材含有熱硬化性基材層を含む被覆された物品を包含する。
【0084】
基材層はまた、限定されることはないが、木材、紙、厚紙、ファイバーボード、パーティクルボード、合板、色紙ボード、Kraft紙、硝酸セルロース、セルロース酢酸酪酸、並びに類似のセルロース系含有材料を始めとする1種以上のセルロース系材料を含んでいてもよい。本発明はまた1種以上のセルロース系材料と1種以上の熱硬化性ポリマー(特に、接着熱硬化性ポリマー)、又は1種以上の熱可塑性ポリマー(PETポリカーボネート特に再利用熱可塑性ポリマー)、又は1種以上の熱硬化性ポリマーと1種以上の熱可塑性ポリマーとの混合物のブレンドを包含する。
【0085】
本発明に包含される被覆された物品には、1以上のガラス層を含むものもある。通例ガラス層は基材層であるが、ガラス層と基材層の間に挟まれた熱的に安定なポリマーコーティング層を含む被覆された物品も考えられる。コーティングとガラス層の種類に応じて、1以上の接着中間層をガラス層と熱的に安定なポリマーコーティング層との間に使用すると有益なことがある。接着中間層は透明でも、不透明でも又は半透明でもよい。多くの用途で、中間層は事実上光学的に透明であり、一般に透過率が約60%より大きく、曇り値が約3%未満で、好ましくない色をもたないのが好ましい。
【0086】
環境に曝露される金属物品は、変色、腐食、又はその他の有害な現象を呈することがある。従って、別の実施形態では、本発明は、1以上の金属層を基材層として含む被覆された物品を包含する。代表的な金属基材としては、環境からの保護を必要とし得る鋼、アルミニウム、真鍮、銅、及びその他の金属又は金属含有物品を含むものがある。コーティングと金属層の種類に応じて、1以上の接着中間層を金属層と熱的に安定なポリマーコーティング層との間に使用すると有益なことがある。
【0087】
本発明の物品は、改良された紫外線に対する耐性及び光沢の維持、並びに耐溶剤性により証明される耐候性に加えて、基材層の通常の有益な性質により特徴付けられる。
【0088】
作成することができるカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含む熱的に安定なポリマーを含む被覆された物品としては、自動車、トラック、軍用車両、及びオートバイの外装及び内装部品、例えばパネル、クォーターパネル、ロッカーパネル、トリム、フェンダー、ドア、デッキリッド、トランクリッド、フード、ボンネット、ルーフ、バンパー、フェイシア、グリル、ミラーハウジング、ピラーアプリケ、クラッディング、ボディーサイドモールディング、ホイールカバー、ハブキャップ、ドアハンドル、スポイラー、ウインドーフレーム、ヘッドランプベゼル、ヘッドランプ、テールランプ、テールランプハウジング、テールランプベゼル、ナンバープレートエンクロージャー、ルーフラック、及びステップ、屋外用車両及び装置のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、電気及び通信装置のエンクロージャー、屋外用家具、航空機部品、ボート及び海洋設備、例えばトリム、エンクロージャー、及びハウジング、船外モーターハウジング、水深測定器ハウジング、水上バイク、ジェットスキー、プール、温泉、温水浴槽、階段、階段カバー、建築及び建設用途、例えばガラスの取り付け、ルーフ、ウインドー、フロア、装飾用ウインドー家具又は処置、写真、水彩画、ポスター、及び同様のディスプレイ品の処理ガラスカバー、壁板、及びドア、保護された地図、屋外及び屋内標識、現金自動預入支払機(ATM)のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、芝生及び庭園トラクター、芝刈り機、及び工具のエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、例えば芝生及び庭園用工具、ウインドー及びドアトリム、スポーツ設備及び玩具、スノーモービルのエンクロージャー、ハウジング、パネル、及び部品、RV車両パネル及び部品、運動場設備、プラスチック−木材の組合せから作成される物品、ゴルフコースマーカー、ユーティリティーピットカバー、コンピューターのハウジング、デスクトップコンピューターハウジング、持ち運びできるコンピューターハウジング、ラップトップコンピューターハウジング、持ち運びできるコンピューターハウジング、モニターハウジング、プリンターハウジング、キーボード、FAX機ハウジング、コピーハウジング、受話器ハウジング、携帯電話ハウジング、無線送信機ハウジング、無線受信機ハウジング、照明設備、照明用電気製品、ネットワークインターフェース装置ハウジング、変圧器ハウジング、エアコンディッショナーハウジング、公共輸送機関用のクラッディング又は座席、列車のクラッディング及び座席配置、地下鉄、又はバス、メーターハウジング、アンテナハウジング、衛生法光受信アンテナのクラッディング、被覆されたヘルメット及び個人用保護器、被覆された合成又は天然織物、被覆された写真用フィルム及び写真用印画、被覆された塗装品、被覆された染色品、被覆された蛍光品、被覆された発泡品、並びに同様の用途がある。本発明はさらに、前記物品に対する、限定されることはないが、成形、絵付け成形、ペイントオーブン中でのベーキング、積層、及び/又は熱成形のような追加の製造操作を含む。
【実施例】
【0089】
以下の実施例は、本発明方法をどのように評価したらよいかの詳細な説明を当業者に提供するために挙げるものであり、本発明者が自身の発明と考えているものの範囲を限定ものではない。特に断らない限り、部は重量部であり、温度は℃である。
【0090】
H−NMR分析は、DMSO−dを溶媒として用いて、Varian Gemini 400MHz NMR分光計で行った。分子量は、重量平均(M)分子量で表されており、HP1100 HPLCでゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析で決定した。この場合、PL−Gel Minimix−Cカラムを用い、溶媒としてクロロホルムを用い、ポリスチレン分子量標準を用いて広い標準更正曲線を構築し、これに対してポリマーの分子量を決定した。ゲルパーミエーションカラムの温度は約25℃であり、移動相はクロロホルムであった。
【0091】
実施例1〜10
典型的な重合反応を以下に記載するようにして行った。実施例1〜8の結果を後記表Iに示す。
【0092】
丸底広首ガラス反応器(容積250ミリリットル)に、10.798gのテレフタル酸、10.798gのイソフタル酸、11.011gのレゾルシノール、40.690gのジフェニルカーボネート、21mgのチタンテトラブトキシド(100ppm)及び35mgのNaHPOを仕込んだ。この反応器を、メカニカルスターラー及びトルクメーターを備えた三首平坦フランジ蓋で密閉した。次に、蓋を加熱バンドで160℃の温度に加熱した。次いで、この系を液体窒素で冷却された凝縮器に連結し、290℃の温度(油浴の温度)にサーモスタットで調節された油浴中に浸漬した(開始時間、t)。アルゴン流(0.5l・min−1)を用いた。重合の第1段階は290℃、大気圧下で撹拌しながら(50rpm)で行った。反応中に生成するフェノールは、反応器から留去し、凝縮器中に回収した。約15分後二酸化炭素の発生が始まった。この系は、反応の開始から45分後に清澄化点に達した。この系を清澄化時間から180分の間維持した後、ゆっくり注意深く真空にして、内部圧力をおよそ10分で大気圧から60ミリバールに低下させた。さらに30分後、内部圧力を0.1ミリバールに下げ、この圧力で30分後に反応を終止させた。
【0093】
【表1】

表1の結果は、レゾルシノールに対して30%過剰のフタル酸を使用したときに、高いカルボキシル末端基含有率が得られたことを示している。さらに、ジフェニルカーボネート対レゾルシノールの比を1.9に下げると、フェニルエステル末端基の含有率を25%未満に低減するのに役立った。290℃の反応温度を使用すると、フェニルエステル末端基のレベルがさらに15%未満に低下した。これに加えて、高めの反応温度を使用すると、低めの量の触媒が使用され、これは生成物のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルの変色を低減するのに役立った。また、高めの反応温度を使用すると、1.45までの高めのフタル酸過剰を使用することが可能であった。この量のフタル酸を使用すると、90%のカルボキシル末端基を有するオリゴマーが生成する。この表の実施例7は、触媒を使用しないでカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを得ることが可能であることを示している。しかし、この場合、非常に長い反応時間が必要になる(11.5時間)。
【0094】
本発明の好ましい実施形態を特に参照して本発明を詳細に説明してきたが、当業者には了解されるように本発明の思想と範囲内で変更及び修正を加えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなる組成物であって、前記ポリエステルが、1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールから誘導された構造単位を含んでおり、二酸から誘導された構造単位が、前記組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在し、前記ポリエステルが少なくとも幾らかのフェノキシ末端基を含んでいる、前記組成物。
【請求項2】
前記ポリエステルが末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率により特徴付けられ、前記末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率が70%より大きい、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリエステルが次式Iの構造単位を含んでいる、請求項1記載の組成物。
【化1】

式中、Rは各々独立にC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、Rは各々独立にC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基又は次式IIを有する結合基である。
【化2】

式中、各Gは各々独立にC〜C20芳香族基であり、Eは各々独立に結合、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、セレン含有結合、リン含有結合、又は酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」はゼロ又は1であり、「u」はゼロを含む整数であり、「t」、「s」、及び「u」の1以上はゼロに等しくない。
【請求項4】
前記二酸が次式IIIを有する、請求項1記載の組成物。
【化3】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基である。
【請求項5】
前記二酸が、次式IV及び次式Vの二酸からなる群から選択される、請求項4記載の組成物。
【化4】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。
【請求項6】
前記ジアリールカーボネートが次式VIを有する、請求項1記載の組成物。
【化5】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「d」は0〜5の整数であり、「e」は0〜5の整数である。
【請求項7】
前記ジアリールカーボネートが次式VIIを有する、請求項6記載の組成物。
【化6】

【請求項8】
前記ジオールが次式VIIIを有する、請求項1記載の組成物。
【化7】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、又は次式IIを有する結合基である。
【化8】

式中、各Gは各々独立にC〜C20芳香族基であり、Eは各々独立に結合、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、セレン含有結合、リン含有結合、又は酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」はゼロ又は1であり、「u」はゼロを含む整数であり、t、s、及びuの1以上はゼロに等しくない。
【請求項9】
が次式IXの芳香族基である、請求項8記載の組成物。
【化9】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。
【請求項10】
二酸から誘導された構造単位が、前記組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約20〜約40%過剰に相当するモル過剰で存在する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなる組成物であって、前記ポリエステルが1種以上の二酸、1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールから誘導された構造単位から実質的になり、二酸から誘導された構造単位が、前記組成物中に存在するジオール由来構造単位のモル数に対する二酸由来構造単位のモル数の比率を基準にして約10〜約40%のモル過剰で存在し、前記ポリエステルが少なくとも幾らかのフェノキシ末端基を含んでいる、前記組成物。
【請求項12】
カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなる組成物を製造する方法であって、前記方法が、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を加熱することを含んでなり、前記1種以上の二酸、及び前記1種以上のジオールが、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲である二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在する、前記方法。
【請求項13】
前記二酸が次式IIIを有する、請求項12記載の方法。
【化10】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基である。
【請求項14】
前記二酸が、次式IV及び次式Vの二酸からなる群から選択される、請求項13記載の方法。
【化11】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。
【請求項15】
前記ジオールが次式VIIIを有する、請求項12記載の方法。
【化12】

式中、RはC〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、又は次式IIを有する結合基である。
【化13】

式中、各Gは各々独立にC〜C20芳香族基であり、Eは各々独立に結合、C〜C20環式脂肪族基、C〜C20芳香族基、C〜C20脂肪族基、イオウ含有結合、セレン含有結合、リン含有結合、又は酸素原子であり、「t」は1以上の数であり、「s」はゼロ又は1であり、「u」はゼロを含む整数であり、「t」、「s」又は「u」の1以上がゼロに等しくない。
【請求項16】
が次式IXの芳香族基である、請求項15記載の方法。
【化14】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。
【請求項17】
前記ジオールがレゾルシノールである、請求項12記載の方法。
【請求項18】
前記触媒が遷移金属アルコキシドLewis酸触媒である、請求項12記載の方法。
【請求項19】
前記触媒が、第IVB族金属のアルコキシド及び第IVA族金属の誘導体、金属酸化物、並びに金属カルボン酸塩からなる、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記触媒が、チタンブトキシド(Ti(OBu))、チタンイソプロポキシド(Ti(OiPr))、チタンフェノキシド(Ti(OPh))、三酸化アンチモン、ジルコニウムブトキシド(Zr(OBu))、ジアルキルスズジアルコキシド、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジエステル、スズフェノキシド、などからなる群から選択される、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記触媒がチタンブトキシド(Ti(OBu))である、請求項17記載の方法。
【請求項22】
前記触媒が、使用するジオールの重量を基準にして約20ppm(百万部当たりの部)〜約1%に相当する量で存在する、請求項12記載の方法。
【請求項23】
前記反応混合物がさらに助触媒を含んでおり、前記助触媒が金属ヒドロキシリン酸塩からなる、請求項12記載の方法。
【請求項24】
前記助触媒がヒドロキシリン酸ナトリウムからなる、請求項23記載の方法。
【請求項25】
前記助触媒が、使用する触媒のモル数を基準にして約2:1〜約10:1の範囲のモル比で存在する、請求項23記載の方法。
【請求項26】
前記加熱が、約140〜約300℃の温度に加熱することからなる、請求項12記載の方法。
【請求項27】
前記1種以上のジアリールカーボネート及び1種以上のジオールが、約1.5:1〜約2.5:1の範囲であるジアリールカーボネート対ジオールのモル比に相当する量で存在する、請求項12記載の方法。
【請求項28】
前記ジアリールカーボネートが次式VIを有する、請求項12記載の方法。
【化15】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「d」は0〜5の整数であり、「e」は0〜5の整数である。
【請求項29】
カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなる組成物であって、前記ポリエステルが下記式Xの構造単位を含んでおり、前記ポリエステルが、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率が約70パーセントより大きいことにより特徴付けられる、前記組成物。
【化16】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0〜4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。
【請求項30】
「n」及び「m」がゼロである、請求項29記載の組成物。
【請求項31】
成分A、B、及び場合によりCを含んでなる組成物であつて、
(i)成分Aは、下記式Xを有する構造単位を含む1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなり、前記オリゴマー状ポリエステルは末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率が約70パーセントより大きいことにより特徴付けられ、
(ii)成分Bは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基に対して化学的に反応性である1以上の官能基を含む1種以上の「有機種」を含んでなり、
(iii)場合により存在する成分Cは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基と成分Bの「有機種」との化学反応を促進する1種以上の触媒であり、
下記式Xを有する構造単位を含む前記カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を加熱することを含む方法によって製造され、前記1種以上の二酸、及び前記1種以上のジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲である二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在し、前記1種以上の二酸は下記二酸IV及びVからなる群から選択され、1種以上のジオールは下記構造XIを有し、ジフェニルカーボネート、前記二酸、及びジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸に相当する量で存在する、前記組成物。
【化17】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0〜4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。
【化18】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。
【化19】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。
【請求項32】
成分A、B、及び場合によりCの反応生成物を含んでなる組成物であって、
(i)成分Aは、下記式Xを有する構造単位を含む1種以上のカルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルを含んでなり、前記オリゴマー状ポリエステルは、末端基の総数に対するカルボキシ末端基の比率が約70パーセントより大きいことにより特徴付けられ、
(ii)成分Bは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基に対して化学的に反応性である1以上の官能基を含む1種以上の「有機種」を含んでなり、
(iii)場合により存在する成分Cは、成分Aのオリゴマー状ポリエステルのカルボキシ末端基と成分Bの「有機種」との化学反応を促進する1種以上の触媒であり、
下記式Xを有する構造単位を含む前記カルボキシ末端オリゴマー状ポリエステルは、1種以上の触媒、1種以上の二酸、1種以上のジオール、及び1種以上のジアリールカーボネートを含む反応混合物を加熱することを含んでなる方法によって製造され、前記1種以上の二酸、及び前記1種以上のジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸の範囲である二酸対ジオールのモル比に相当する量で存在し、前記1種以上の二酸は下記二酸IV及びVからなる群から選択され、1種以上のジオールは下記構造XIを有しており、ジフェニルカーボネート、前記二酸、及びジオールは、ジオールの量を基準にして約10〜約40%過剰の二酸に相当する量で存在する、前記組成物。
【化20】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C20脂肪族基、C〜C20環式脂肪族基、又はC〜C20芳香族基であり、「n」は0〜4の整数であり、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「m」は0〜4の整数である。
【化21】

式中、R及びRは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C12脂肪族基、C〜C12環式脂肪族基、又はC〜C12芳香族基であり、「b」は0〜4の整数であり、「c」は0〜4の整数である。
【化22】

式中、Rは各々独立にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C〜C14脂肪族基、C〜C14環式脂肪族基、又はC〜C14芳香族基であり、「f」は0〜4の整数である。

【公表番号】特表2008−521967(P2008−521967A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543117(P2007−543117)
【出願日】平成17年11月9日(2005.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2005/040523
【国際公開番号】WO2006/057810
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
【Fターム(参考)】