説明

カンナビノイドレセプターリガンド

式(I)の化合物および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグ、あるいはこのような化合物を含有する医薬組成物は、抗炎症活性および免疫調節活性を示し、そして癌および炎症、免疫調節または呼吸器疾患または病気を治療する際に有効なCBレセプターリガンドであり得る。式IにおいてAは、フェニル、ナフチル、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、ピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾフラニル、およびベンゾチオフェニルからなる群より選択される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2004年6月22日に出願された米国仮出願第60/581,837号から優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
本発明は、カンナビノイド(cannabinoid)レセプターリガンドとして有用な化合物に関し、より詳細には、カンナビノイド(CB)レセプターに結合する化合物に関する。本発明の化合物は、一般に、抗炎症活性および免疫調節活性を示すことができ、炎症および免疫調節の不全により特徴付けされる状態を治療するのに有用である。処置され得る状態の例としては、慢性関節リウマチ、喘息、アレルギー、乾癬、クローン病、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、癌、緑内障、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血および腎炎が挙げられるが、これらに限定されない。本発明はまた、本発明に従った1種またはそれ以上の化合物を含有する医薬組成物、およびこのような化合物で、癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患を治療する方法に関する。
【0003】
カンナビノイドレセプターは、G−タンパク質共役レセプターのスーパーファミリーに属する。それらは、主に神経細胞のCB1レセプターおよび主に末梢のCB2レセプターに分類される。CB1レセプターの効果は、主に、中枢神経系に関連しているのに対して、CB2レセプターは、気道狭窄、免疫調節および炎症に関係した末梢効果を有すると考えられている。このように、選択的CB2レセプター結合剤は、炎症、免疫調節および気道狭窄に関連した疾患(例えば、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、肺および消化管の炎症障害、ならびに気道障害(例えば、可逆性気道閉塞、慢性喘息および気管支炎))を制御する上で、治療有用性を有すると考えられている(例えば、非特許文献1を参照)。
【0004】
CBレセプターと相互作用し、そして/または、とりわけ、カンナビノイドレセプターに関連した抗炎症活性を有する種々の化合物が開発されたことが報告されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7および特許文献8を参照のこと。
【特許文献1】米国特許第5,338,753号明細書
【特許文献2】米国特許第5,462,960号明細書
【特許文献3】米国特許第5,532,237号明細書
【特許文献4】米国特許第5,925,768号明細書
【特許文献5】米国特許第5,948,777号明細書
【特許文献6】米国特許第5,990,170号明細書
【特許文献7】米国特許第6,013,648号明細書
【特許文献8】米国特許第6,017,919号明細書
【非特許文献1】R.G.Pertwee、Curr.Med.Chem.、1999年、第6巻、第8号、p.635
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(発明の要旨)
本発明は、式Iの化合物、あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物を提供する:
【0006】
【化33】

ここで:
Aは、フェニル、ナフチル、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、ピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾフラニル、およびベンゾチオフェニルからなる群から選択される;
Bは、式B1〜B7から選択される:
【0007】
【化34】

各Yは、別個に、−(C(R−、−O−(C(R−、−(C(R−O−、−S−(C(R、−(C(R−S−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−N(R)−(C(R−、および−(C(RN(R)−からなる群から選択される;
各Zは、別個に、−(C(R−、−O−(C(R−、−(C(R−O−、−S−(C(R、−(C(R−S−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−N(R)−(C(R−、および−(C(RN(R)−からなる群から選択される;
pは、1〜3の整数である;
qは、1または2である;
rは、0〜2の整数である;
sは、0または1であり、ここで、sが0であるとき、Zは、共有結合であり、そしてBは、二環式構造を有する;
は、共有結合、−(C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、−(C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、N(R)C(O)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、共有結合、−C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、N(R)C(O)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、H、アルキル、−CF、−Si(アルキル)(アリール)3−t、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(Rおよび−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
tは、0〜3の整数である;
は、H、−OH、ハロゲン、−N(R7)2、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群から選択され、
ここで、該アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
nは、0〜4の整数である;
およびRは、同一または異なり、別個に、Hまたはアルキルであり、
ここで、該アルキルは、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NRC(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;あるいは、もしBが式B4〜B7の1つであるなら、RおよびRは、式B4〜B7において結合して示されている炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する;あるいは
およびRは、式B4〜B7において結合して示されている炭素原子と一緒になって、非芳香環系を形成し、
ここで、該シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環は、は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NRC(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
およびRは、同一または異なり、それぞれ別個に、H、アルキル、ハロアルキル、−CF、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
各Rは、別個に、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群から選択される;
Xは、別個に、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキニル、アルキニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OH、OR、−C(O)OR、−OC(O)R−、−N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NOおよび−CNからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;あるいは
Xは、Aが、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびベンゾチオフェニルであるとき、オキシドであり得る;
−N(R)−L−Rは、必要に応じて、環系を形成できる;そして
mは、0〜4の整数である。
【0008】
本発明の化合物は、カンナビノイドレセプターリガンドとして有用であり得る。この化合物は、抗炎症性活性および/または免疫調節活性を有し得、そして種々の医学的状態の処置において有用であり得、この医学的状態としては、例えば、皮膚T細胞リンパ腫、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、敗血症、ショック、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺異形成症、網膜症、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、血管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、クローン病、炎症性腸疾患、可逆性気道閉塞、成人呼吸促迫症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または気管支炎が挙げられる。本発明の化合物は、列挙された疾患の1つ以上を処置する際に有用であり得ることが企図される。
【0009】
本発明はまた、式Iの1種またはそれ以上の化合物を含有する医薬組成物を提供する。本発明の医薬組成物はまた、必要に応じて、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体および/または1種またはそれ以上の第二薬剤と併用して、式Iの1種またはそれ以上の化合物を含有でき、第二薬剤は、互いに同一または異なり得、別個に、疾患改変抗リウマチ性薬物(DMARDS)、非ステロイド抗炎症薬(NSAIDS)、COX−2阻害剤、COX−1阻害剤、免疫抑制薬、生体応答調整物質(BRMs)、インターフェロンβ1a、インターフェロンβ1b、酢酸グラチラマー、および他の抗炎症薬からなる群から選択される。
【0010】
操作実施例以外、または特に明記しない限り、本明細書および請求の範囲で使用される成分の量、反応条件などを示す全ての数値または表現は、いずれの場合にも、「約」との用語により修飾されることが理解できるはずである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
(詳細な説明)
1実施態様では、本発明は、式Iの化合物、あるいはそれらの薬学的に受容可能な塩または溶媒和物を提供し、ここで、式Iの種々の部分は、上記のとおりである。
【0012】
式Iの化合物の別の実施態様では、Aは、以下の式A1〜A5の1つで表わされる:
【0013】
【化35】

式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A1で表わされる。
【0014】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A2で表わされる。
【0015】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A3で表わされる。
【0016】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A4で表わされる。
【0017】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A5で表わされる。
【0018】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B1〜B3の1つで表わされる。
【0019】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B1で表わされる。
【0020】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B4〜B7の1つで表わされる。
【0021】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B4で表わされる。
【0022】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B5で表わされる。
【0023】
式Iの化合物の別の実施態様では、Lは、−C(R、−C(O)−、−S(O)−、−C(O)O−または−S(O)−である。
【0024】
式Iの化合物の別の実施態様では、Lは、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−または−S(O)−である。
【0025】
式Iの化合物の別の実施態様では、Lは、−C(O)−、−C(Rまたは−S(O)−である。
【0026】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、置換または非置換アルキル、置換または非置換シクロアルキル、置換または非置換ヘテロシクロアルキル、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、−N(R、−CN、(C〜C)アルコキシ、および−OHからなる群から選択される。
【0027】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、H、−OH、ハロゲン、−N(R、CF、アルコキシ、アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルキルまたは−CH−(C〜C)シクロアルキルである。
【0028】
式Iの化合物の別の実施態様では、RおよびRは、同一または異なり、別個に、Hまたは(C〜C)アルキルである。
【0029】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、Hまたは(C〜C)アルキルである。
【0030】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、またはハロアルキルである。
【0031】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、Hまたは(C〜C)アルキルである。
【0032】
式Iの化合物の別の実施態様では、Rは、Hまたは(C〜C)アルキルである。
【0033】
式Iの化合物の別の実施態様では、Xは、別個に、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシおよび−CNからなる群から選択される。
【0034】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B1で表わされ、Yは、−(C(R−であり、そしてpは、1〜3の整数である。
【0035】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B1で表わされ、そしてYは、−CH−である。
【0036】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B4で表わされ、そしてs=0である。
【0037】
式Iの化合物の追加実施態様では、Bは、式B5で表わされ、s=2であり、そしてZは、−CH−である。
【0038】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A1〜A5の1つで表わされ、そしてBは、式B1〜B3の1つで表わされる。
【0039】
式Iの化合物の追加実施態様では、Aは、式A1〜A5の1つで表わされ、そしてBは、式B4〜B7の1つで表わされる。
【0040】
式Iの化合物の追加実施態様では、L、LおよびLは、それぞれ別個に、−S(O)−または−CH−である。
【0041】
式Iの化合物の追加実施態様では、Rは、フルオロフェニル、ピリジル、トリフルオロメトキシフェニル、およびメトキシフェニルからなる群から選択される。
【0042】
式Iの化合物の追加実施態様では、Rは、Hである。
【0043】
式Iの化合物の追加実施態様では、RおよびRは、Hである。
【0044】
式Iの化合物の追加実施態様では、RおよびRは、それらが結合する炭素と一緒になって、カルボニル基を形成する。
【0045】
式Iの化合物の追加実施態様では、Rは、Hである。
【0046】
式Iの化合物の追加実施態様では、Rは、−CH、−CF、およびシクロプロピルからなる群から選択される。
【0047】
式Iの化合物の追加実施態様では、m=1であり、そしてXは、H、−CH,2−プロピル、F、Cl、Br、−CF、−OCH、および−OCFからなる群から選択される。
【0048】
式Iの化合物のさらなる追加実施態様では、本発明の化合物は、式II〜XIXで表わされる:
【0049】
【化36】

【0050】
【化37】

【0051】
【化38】

ここで、式II〜XIXにおいて、Xは、H、F、Cl、Br、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−OH、および−CNからなる群から選択される;
は、2−フルオロフェニル、2−ピリジル、4−メトキシフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニルからなる群から選択される;
は、Hまたはエチルである;そして
は、メチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルからなる群から選択される。
【0052】
さらに別の実施態様では、本発明は、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体と併用して1種またはそれ以上の式Iの化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0053】
さらに別の実施態様では、本発明は、1種またはそれ以上の第二薬剤および1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体と併用して1種またはそれ以上の式Iの化合物を含有する医薬組成物を提供する。
【0054】
さらに別の実施態様では、本発明は、式Iに従った1種またはそれ以上の化合物で癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患を治療する方法を提供する。
【0055】
本明細書中では、以下の定義および用語が使用されるか、そうでなければ、当業者に公知である。特に明記しない限り、以下の定義は、本明細書および請求の範囲の全体にわたって使用される。同じ構造を記述する化学名、慣用名および化学構造は、交換可能に使用され得る。これらの定義は、特に明記しない限り、用語が単独で使用されているか他の用語と併用されているかとは無関係に、適用される。それゆえ、例えば、「アルキル」との定義は、「アルキル」だけでなく、「ヒドロキシアルキル」、「ハロアルキル」、「アルコキシ」などの「アルキル」部分にも適用される。
【0056】
特にそうでないことを明記しないか明らかでないか公知でない限り、複合用語の置換基(単一部分を同定するために組み合わされる複数の用語)が対象構造に結合する点は、その複合用語の最後の用語を介する。例えば、「シクロアルキルアルキル」置換基は、その置換基の「アルキル」部分(例えば、シクロアルキル−アルキル−親構造)を介して、標的構造に結合する。
【0057】
「患者」としては、ヒトと他の哺乳動物との両方が挙げられる。
【0058】
「哺乳動物」とは、ヒトおよび他の哺乳動物を意味する。
【0059】
「アルキル」とは、一価脂肪族炭化水素基またはラジカルを意味し、これは、アルカンからの水素の喪失により形成されると考えられ得る。アルキル基は、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、約1個〜約20個の炭素原子を含み得る。好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約12個の炭素原子を含む。さらに好ましいアルキル基は、その鎖の中に、約1個〜約6個の炭素原子を含む。
【0060】
アルキル基に関連した「分枝」との用語は、直鎖状のアルキル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。
【0061】
「低級アルキル」とは、その鎖内に、約1個〜約6個の炭素原子を有する基を意味する。「低級アルキル」基は、直鎖または分枝であり得る。
【0062】
「置換アルキル」との用語は、アルキル基が、必要に応じて、1個またはそれ以上の置換基(これらは、同一または異なり得る)で置換され得、それらの各々が、別個に、以下からなる群から選択され得ることを意味する:ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、−OH、ハロアルコキシ、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRであって、ここで、「R」は、上で示したように定義される。適当なアルキル基の非限定的な例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびt−ブチルが挙げられる。
【0063】
「アルケニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する脂肪族不飽和炭化水素基またはラジカルを意味し、これは、アルケンからの水素の喪失により形成されると考えられ得る。アルケニル基は、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、2個〜約15個の炭素原子を含み得る。好ましいアルケニル基は、その鎖の中に、2個〜約12個の炭素原子、さらに好ましくは、その鎖の中に、2個〜約6個の炭素原子を含む。
【0064】
アルケニル基に関連した「分枝」との用語は、アルケニル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。
【0065】
「アルキニル」とは、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有する非芳香族炭化水素基またはラジカルを意味し、これは、アルキンからの水素の喪失により形成されると考えられ得る。アルキニル基は、直鎖または分枝であり得、その鎖の中に、2個〜約15個の炭素原子を含み得る。好ましいアルキニル基は、その鎖の中に、2個〜約12個の炭素原子、さらに好ましくは、その鎖の中に、2個〜約4個の炭素原子を含む。
【0066】
アルキニル基に関連した「分枝」との用語は、直鎖アルキニル鎖に、1個またはそれ以上の低級アルキル基(例えば、メチル、エチルまたはプロピル)が結合されることを意味する。
【0067】
「アリール」とは、芳香族単環式または多環式基を意味し、これは、芳香族単環式または多環式炭化水素から水素を除去することにより、形成されると考えられ得る。アリール基は、その環の中に、約6個〜約14個の炭素原子、好ましくは、約6個〜約10個の炭素原子を含み得る。このアリール基は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換され得、これらの置換基は、同一または異なり得、そして以下で定義したとおりである。適当なアリール基の非限定的な例には、フェニルおよびナフチルが挙げられる。
【0068】
「環系」とは、芳香族の部分不飽和または完全不飽和環を意味し、ここで、全部の環原子は、炭素であるか、または1個またはそれ以上の環原子は、炭素以外の元素(例えば、窒素、酸素およびイオウ)である。環系は、3個〜約14個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子、さらに好ましくは、約5個〜約6個の環原子を含み得る。環系は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換され得、これらは、同一または異なり得る。環系には、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール環(これらは、本明細書中で定義したとおりである)だけでなく、部分不飽和シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環(例えば、シクロヘキセニル、チアゾリニルなど)が挙げられ得る。
【0069】
「非芳香族環系」とは、アリールまたはヘテロアリール環を除く上で定義した任意の環系を意味する。
【0070】
「ヘテロアリール」とは、芳香族単環式または多環式環系を意味し、これは、芳香族炭化水素環内の炭素原子の1個またはそれ以上を別個に除去するかおよび/または炭素原子以外の1個またはそれ以上の元素(例えば、窒素、酸素およびイオウ)で置換することにより形成されると考えられ得る。ヘテロアリール基は、約5個〜約14個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子、さらに好ましくは、約5個〜約6個の環原子を含み得る。ヘテロアリール基は、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換され得、これは、同一または異なり得、そして以下で定義したとおりである。このヘテロアリール根本名称の前の接頭辞「アザ」、「オキサ」または「チア」は、それぞれ、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素またはイオウであることを意味している。ヘテロアリールの窒素原子は、必要に応じて、対応するN−オキシドに酸化できる。適当なヘテロアリール基の非限定的な例には、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チオフェニル、ピリミジニル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、トリアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[2,1−b]チアゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、1,2,4−トリアジニル、ベンゾチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジル、シンノリニルなどが挙げられる。
【0071】
例えば、以下の部分のような互変異性体は、本発明の特定の実施態様において、等価であると考えられることもまた、注目すべきである:
【0072】
【化39】

「シクロアルキル」とは、非芳香族(すなわち、脂肪族)の一環式または多環式環系を意味し、これは、その環の中に、約3個〜約10個の炭素原子、好ましくは、約5個〜約10個の炭素原子を含む。好ましいシクロアルキル環は、約5個〜約7個の環原子を含む。このシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換でき、これは、同一または異なり得、以下で定義したとおりである。適当な一環式シクロアルキルの非限定的な例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。適当な多環式シクロアルキルの非限定的な例には、1−デカリニル、ノルボルネニル、アダマンチルなどが挙げられる。
【0073】
「ヘテロシクロアルキル」とは、3個〜約10個の環原子、好ましくは、約5個〜約10個の環原子を含む非芳香族単環式または多環式環系を意味し、ここで、環系内の1個またはそれ以上の原子は炭素以外の原子(例えば、窒素、酸素またはイオウ)である。もし、1個より多い環原子が炭素以外の原子であるなら、その非炭素環原子は、同一または異なり得る。しかしながら、ヘテロシクロアルキルには、隣接酸素および/またはイオウ原子が環系内に存在している環系を含まない。好ましいヘテロシクロアルキル環系は、約5個〜約6個の環原子を含む。このヘテロシクロアルキル根本名称の前の接頭辞「アザ」、「オキサ」または「チア」は、それぞれ、少なくとも1個の環原子が、窒素、酸素またはイオウ原子であることを意味している。ヘテロシクロアルキル中の任意の−NHは、保護された形状で存在し得る(例えば、−N(Boc)、−N(CBz)、−N(Tos)基など);このような保護された−NH−基また、本発明の一部であると見なされる。このヘテロシクロアルキルは、必要に応じて、1個またはそれ以上の「環系置換基」で置換され得、これは、同一または異なり得、上で定義したとおりである。このヘテロシクロアルキルの窒素原子またはイオウ原子は、必要に応じて、対応するN−オキシド、S−オキシドまたはS,S−ジオキシドに酸化され得る。適当な一環式ヘテロシクロアルキル環の非限定的な例には、ピペリジル、ピロリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、1、4−ジオキサニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニルなどが挙げられる。
【0074】
本発明のヘテロ原子含有環系において、N、OまたはSに隣接した炭素原子には、ヒドロキシル基が存在しないことに注目すべきである。それに加えて、他のヘテロ原子に隣接した炭素には、NまたはS基が存在しない。それゆえ、例えば、以下の環では、2番および5番の炭素に直接結合した−OHは、存在せず、2位置および5位置の還元のいずれも、ヘテロ原子ではあり得ない:
【0075】
【化40】

「シクロアルキルオキシ」とは、エーテル酸素を介して親部分に結合したシクロアルキル基(これは、上で定義した)を意味する。適当なシクロアルキルオキシ基の非限定的な例には、シクロヘキシルオキシがある:
【0076】
【化41】

同様に、ヘテロシクロアルキルオキシは、エーテル酸素を介して親部分に結合したヘテロシクロアルキル基(これは、上で定義した)を意味する。
【0077】
「ハロゲン」または「ハロ」とは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。好ましいハロゲンには、フッ素、塩素または臭素があり、さらに好ましくは、フッ素および塩素である。
【0078】
「環系置換基」とは、芳香族または非芳香族環系に結合した置換基を意味し、これは、例えば、その環系上の利用可能な水素を置き換えると考えられ得る。環系は、1個またはそれ以上の環系置換基で置換され得る。もし、環系が2個またはそれ以上の環系置換基で置換されるなら、その環系置換基は、同一または異なり得、各々は、別個に、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アルキルアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アラルコキシ、アシル、アロイル、ハロ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アラルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、アルキルチオ、アリールチオ、ヘテロアリールチオ、アラルキルチオ、ヘテロアラルキルチオ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、−C(=N−CN)−NH、−C(=NH)−NH、−C(=NH)−NH(アルキル)、LN−、LN−アルキル−、LNC(O)−、LNSO−および−SONLからなる群から選択され、ここで、LおよびLは、同一または異なり得、別個に、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、およびアラルキルからなる群から選択される。「環系置換基」はまた、単一部分を含み得、これは、環系上の2個の隣接炭素原子(各炭素上で1個の水素)にある2個の水素を同時に置き換えると考えられ得る。このような部分の例には、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、−C(CH−などがあり、これらは、環に結合されて、例えば、以下のような構造を形成する:
【0079】
【化42】

「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、アリール−アルキル基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に定義したとおりである。好ましいアラルキルは、少なくとも1個のアリール基で置換された低級アルキル基を含む。適当なアリールアルキル基の非限定的な例には、ベンジル、2−フェネチルおよびナフテニルメチルが挙げられる。その親部分への結合は、アルキルを介している。
【0080】
「アルキルアリール」とは、アルキル−アリール基を意味し、ここで、このアリールおよびアルキルは、先に記述したとおりである。好ましいアルキルアリールは、少なくとも1個の低級アルキル基で置換されたアリール基を含む。適当なアルキルアリール基の非限定的な例には、トリルがある。その親部分への結合は、アリールを介している。
【0081】
「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアリールアルキル」とは、ヘテロアリール−アルキル基を意味し、ここで、ヘテロアリールおよびアルキルは、上記のとおりである。好ましいヘテロアリールアルキル基は、低級アルキル基を含む。適当なアリールアルキル基の非限定的な例には、ピリジルメチル、およびキノリン−3−イルメチルが挙げられる。ヘテロアリールアルキル基は、ヘテロアリールアルキル基のアルキル部分を介して、その親部分に結合されている。
【0082】
「ヘテロアリールアルケニル」とは、ヘテロアリール−アルケニル−基を意味し、ここで、ヘテロアリールおよびアルケニルは、上記のとおりである。ヘテロアリール基は、ヘテロアリールアルケニル基のアルケニル部分を介して、その親部分に結合されている。
【0083】
「ヘテロアリールアルキニル」とは、ヘテロアリール−アルキニル−基を意味し、ここで、ヘテロアリールおよびアルキニルは、上記のとおりである。ヘテロアリール基は、ヘテロアリールアルキニル基のアルキニル部分を介して、その親部分に結合されている。
【0084】
「アルキルヘテロアリール」とは、アルキル−ヘテロアリール−基を意味し、ここで、アルキルおよびヘテロアリールは、上記のとおりである。アルキルヘテロアリール基の非限定的な例には、メチルピリジルがある。アルキル基は、アルキルヘテロアリール基のヘテロアリール部分を介して、親部分に結合されている。
【0085】
「ヒドロキシアルキル」とは、HO−アルキル基を意味し、ここで、アルキルは、上で定義したとおりである。好ましいヒドロキシアルキルは、低級アルキル基を含む。適当なヒドロキシアルキル基の非限定的な例には、ヒドロキシメチルおよび2−ヒドロキシエチルが挙げられる。
【0086】
「アシル」とは、H−C(O)−基、アルキル−C(O)−基またはシクロアルキル−C(O)−基を意味し、ここで、アルキル基およびシクロアルキル基は、先に記述したとおりである。アシル基は、カルボニルを介して、その親部分に結合されている。好ましいアシル基は、低級アルキルを含む。適当なアシル基の非限定的な例には、ホルミル、アセチルおよびプロパノイルが挙げられる。
【0087】
「アロイル」とは、アリール−C(O)−基を意味し、ここで、アリール基は、先に記述したとおりである。アロイル基は、カルボニルを介して、その親部分に結合されている。適当な基の非限定的な例には、ベンゾイルおよび1−ナフトイルが挙げられる。
【0088】
「アルコキシ」とは、アルキル−O−基を意味し、ここで、アルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアルコキシ基の非限定的な例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびn−ブトキシが挙げられる。アルコキシ基は、エーテル酸素を介して、その親部分に結合されている。
【0089】
「アリールオキシ」とは、アリール−O−基であり、ここで、アリール基は、先に記述したとおりである。適当なアリールオキシ基の非限定的な例には、フェノキシおよびナフトキシが挙げられる。アリールオキシ基は、エーテル酸素を介して、その親部分に結合されている。
【0090】
「アラルキルオキシ」とは、アラルキル−O−基を意味し、ここで、アラルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアラルキルオキシ基の非限定的な例には、ベンジルオキシおよび1−または2−ナフタレンメトキシが挙げられる。アラルキルオキシ基は、エーテル酸素を介して、その親部分に結合されている。
【0091】
「アルキルチオ」とは、アルキル−S−基を意味し、ここで、アルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアルキルチオ基の非限定的な例には、メチルチオおよびエチルチオが挙げられる。アルキルチオ基は、イオウを介して、その親部分に結合されている。
【0092】
「アリールチオ」とは、アリール−S−基を意味し、ここで、アリール基は、先に記述したとおりである。適当なアルキルチオ基の非限定的な例には、フェニルチオおよびナフチルチオが挙げられる。アリールチオ基は、イオウを介して、その親部分に結合されている。
【0093】
「アラルキルチオ」とは、アラルキル−S−基を意味し、ここで、アラルキル基は、先に記述したとおりである。適当なアラルキルチオ基の非限定的な例には、ベンジルチオが挙げられる。アラルキルチオ基は、イオウを介して、その親部分に結合されている。
【0094】
「アルコキシカルボニル」とは、アルキル−O−C(O)−基を意味する。適当なアルコキシカルボニル基の非限定的な例には、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。アルコキシカルボニル基は、カルボニルを介して、その親部分に結合されている。
【0095】
「アリールオキシカルボニル」とは、アリール−O−C(O)−基を意味する。適当なアリールオキシカルボニル基の非限定的な例には、フェノキシカルボニルおよびナフトキシカルボニルが挙げられる。アリールオキシカルボニル基は、カルボニルを介して、その親部分に結合されている。
【0096】
「アラルコキシカルボニル」とは、アラルキル−O−C(O)−基を意味する。適当なアラルコキシカルボニル基の非限定的な例には、ベンジルオキシカルボニルが挙げられる。アリールオキシカルボニル基は、カルボニルを介して、その親部分に結合されている。
【0097】
「アルキルスルホニル」とは、アルキル−S(O)−基を意味する。好ましいアルキルスルホニル基には、そのアルキル基が低級アルキルを含むものがある。アルキルスルホニル基は、スルホニルを介して、その親部分に結合されている。
【0098】
「アリールスルホニル」とは、アリール−S(O)−基を意味する。アリールスルホニル基は、スルホニルを介して、その親部分に結合されている。
【0099】
「ハロゲン化アルキル」または「ハロアルキル」とは、少なくとも1個の水素をハロゲンで置き換えたアルキル基を意味する。
【0100】
「ヘテロアルキル」とは、その鎖の少なくとも1個の炭素原子をヘテロ原子(これは、窒素、酸素またはイオウからなる群から選択される)で置き換えた直鎖または分枝アルキル鎖(これは、1個〜12個の炭素原子を含む)を意味する。
【0101】
アザインドリルとの用語は、例えば、以下の非限定的な例で示すように、ベンゼン環の炭素の1個を窒素で置き換えたインドリル基を意味する:
【0102】
【化43】

アザインドリルとの用語には、例えば、以下の非限定的な例で示すように、互変異性体が挙げられる:
【0103】
【化44】

その原子の空間的配置が、構造では、明白には指定されていないとき、この構造は、指定された結合性を有する全ての立体化学的な配置(例えば、全ての可能な互変異性体)だけでなく、このような立体異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)を含む。例えば、
【0104】
【化45】

は、
【0105】
【化46】

および/または
【0106】
【化47】

あるいは、それらのラセミ混合物を意味する。
【0107】
「置換した」との用語とは、指定原子または基に結合された1個またはそれ以上の水素が指示された基からの選択で置き換えられたことを意味するが、但し、既存状況下での指定原子または基の通常の原子価を超えず、その置換は、安定な化合物を生じる。置換基および/または変数の組合せは、このような組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物からの有用な純度までの単離および有効な治療剤への処方に耐えるのに十分に頑丈であることを意味する。
【0108】
「必要に応じて置換した」との用語は、特定の基、ラジカルまたは部分での置換が許容される(必要ではないが)ことを意味する。
【0109】
本明細書中の教本、スキーム、実施例および表における満たされていない原子価を有する任意のヘテロ原子は、それらの原子価を満たすのに十分な水素原子を有すると想定されることもまた、留意すべきである。
【0110】
ある化合物中の官能基が「保護」と呼ばれるとき、このことは、その化合物を特定の反応条件にかけたとき、その保護部位で望ましくない副反応を防止するために、変性形状で存在していることを意味する。適当な保護基は、当業者に知られているだけでなく、標準的な教本(例えば、T.W.Greeneら、Protective Groups in organic Synthesis(1991),Wiley,New York(この内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている))から分かる。
【0111】
任意の変数(例えば、アリール、複素環、Rなど)が、任意の成分または式において、1回より多く現れるとき、各出現例でのその定義は、特に明記しない限り、いずれの他の出現例でのその定義とも無関係である。
【0112】
本明細書中で使用する「組成物」との用語は、任意の特定量で任意の特定の成分の組み合わせを含有する生成物だけでなく、任意の特定量での任意の特定成分の組合せから直接的または間接的に形成された任意の生成物を包含すると解釈される。
【0113】
本発明の化合物のプロドラッグおよび溶媒和物もまた、本明細書中で考慮される。「プロドラッグ」との用語は、本明細書中で使用するとき、薬剤前駆体である化合物を意味し、これは、患者に投与すると、代謝または化学プロセスにより化学変換を受けて、本発明の式Iの化合物またはその塩および/または溶媒和物を生じる。プロドラッグの論述は、T.Higuchi and V.Stella,Pro−drugs as Novel Delivery Systems(1987) Volume 14 of the A.C.S.Symposium Seriesおよびin Bioreversible.Carriers in Drug Design,(1987) Edward B.Roche著、American Pharmaceutical Association and Pergamon Pressで提供されており、両文献の内容は、本明細書中で参考として援用されている。
【0114】
「溶媒和物」とは、1種またはそれ以上の溶媒分子による本発明の化合物の物理的会合を意味する。この物理的会合には、種々の程度のイオン結合および共有結合(水素結合を含めて)が関与している。ある場合には、この溶媒和物は、例えば、1種またはそれ以上の溶媒分子を結晶性固形物の結晶格子に取り込むとき、単離できる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能溶媒の両方を包含する。適当な溶媒和物の非限定的な例には、エタノレート、メタノレートなどが挙げられる。「水和物」とは、その溶媒分子がHOである溶媒和物である。
【0115】
本明細書中での本発明の式Iの化合物の言及は、特に明記しない限り、その塩の言及を含むことが分かる。
【0116】
「有効量」または「治療有効量」とは、CBレセプターを調節する(例えば、それを阻害し、活性化し、またはそこに結合する)して、それにより、所望の治療、改善、阻害または予防効果を生じる際に有効な本発明の化合物または組成物の量を示すことを意味する。
【0117】
本発明の化合物(例えば、式II〜XIXに従った化合物(例えば、以下の式1で例示された化合物)は、塩(これらもまた、本発明の範囲内である)を形成する。「塩」との用語は、本明細書中で使用するとき、無機酸および/または有機酸で形成された酸性塩だけでなく、無機塩基および/または有機塩基で形成された塩基性塩基を意味する。それに加えて、本発明の式Iの化合物が塩基性部分(例えば、ピリジル、インドリルまたはイミダゾリル(これらに限定されないが))および酸性部分(例えば、カルボン酸(これに限定されないが))の両方を含有するとき、両性イオン(「内部塩」)が形成され得、これは、本明細書中で使用する「塩」との用語に含まれる。薬学的に受容可能な(すなわち、非毒性で生理学的に受容可能な)塩が好ましいものの、他の塩もまた、有用である。
【0118】
本発明の式Iの化合物の塩は、例えば、本発明の式Iの化合物を、この塩が沈殿する適当な媒体または水性媒体中にて、適当な量(例えば、当量)の酸または塩基と反応させることに続いて、凍結乾燥することにより、形成され得る。
【0119】
本明細書中での本発明の式Iの化合物の言及は、特に明記しない限り、その塩の言及を含むことが分かる。
【0120】
代表的な酸付加塩(すなわち、本発明の式Iの化合物に適当な酸を付加することにより形成された塩)には、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ塩、ショウノウスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(すなわち、トシレート)などが挙げられる。さらに、塩基性医薬品化合物から薬学的に有用な塩を形成するのに適当と一般に考えられている酸は、例えば、S.Bergeら、Journal of Pharmaceutical Sciences(1977)66(1) 1〜19;P.Gould,Intemational J.of Pharmaceutics(1986)33 201〜217;Andersonら、The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびin The Orange Book(Food & Drug Administration,Washington,D.C.on their website)で論述されており、この内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0121】
代表的な塩基性塩(すなわち、本発明の式Iの化合物に適当な塩基を付加することにより形成された塩)には、アンモニウム塩、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、リチウム塩およびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩およびマグネシウム塩)、有機塩基(例えば、有機アミン(例えば、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン))の塩、およびアミノ酸(例えば、アルギニン、リシン)の塩)などが挙げられる。塩基性塩には、また、本発明の式Iの化合物の塩基性窒素含有基をアルキル化剤、例えば、低級ハロゲン化アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチルおよびブチル)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチルおよびジブチル)、長鎖ハロゲン化物(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリルおよびステアリル)、ハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)などで四級化することにより形成された塩が挙げられ得る。
【0122】
このような酸塩および塩基塩の全ては、本発明の範囲内で、薬学的に受容可能な塩であると解釈され、全ての酸塩および塩基塩は、本発明の目的のために、対応する化合物の遊離形状と等価であると考えられる。
【0123】
式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物およびプロドラッグは、それらの互変異性形状(例えば、アミドまたはイミノエーテル)の形状で存在し得る。このような互変異性形状の全ては、本明細書中では、本発明の一部であると考慮される。
【0124】
式Iの化合物(本発明の化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグだけでなく、本発明の化合物のプロドラッグの塩および溶媒和物も含めて)の全ての立体異性体(例えば、鏡像異性体、幾何異性体、光学異性体など(例えば、種々の置換基上の非対称炭素の存在が原因で存在し得るもの))は、鏡像異性体(これは、非対称炭素なしで存在し得る)、回転異性体、アトロプ異性体およびジアステレオマー形状を含めて、位置異性体(例えば、4−ピリジルおよび3−ピリジン)と同様に、本発明の範囲内に入ると考慮される。
【0125】
式Iの化合物ならびに式Iの化合物の塩、溶媒和物およびプロドラッグの多形形状は、本発明に含まれると解釈される。
【0126】
式Iの化合物の個々の立体異性体は、例えば、他の異性体を実質的に含み得ないか、あるいは2種またはそれ以上の異性体の混合物を含み得る。例えば、本発明の化合物は、ラセミ混合物、または選択した立体異性体の混合物の形態であり得る。
【0127】
本発明の化合物のキラル中心は、IUPAC 1974 Recommendationsにより定義されるSまたはRのいずれかの立体配置を有し得る。「塩」、「溶媒和物」、「プロドラッグ」などの用語の使用は、本発明の化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはプロドラッグの塩、溶媒和物およびプロドラッグにも、同様に適用すると解釈される。
【0128】
本発明の代表的な化合物(および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグ)は、以下の表Iで示されており、そして式Iを参照する。R、R、−A−X、−B−N(R)−およびXは、表Iで示したとおりである。Rは、Hであり、n=1であり、m=1であり、Lは、−S(O)−である。明瞭にするために、X−N(R)−、L、LおよびLはまた、表Iにおいて、部分AおよびBの構造で表わされる。
【0129】
(表I)
【0130】
【化48】

【0131】
【化49】

【0132】
【化50】

【0133】
【化51】

【0134】
【化52】

【0135】
【化53】

【0136】
【化54】

本発明は、上で列挙した化合物の全ての異性体(例えば、鏡像異性体)だけでなく、異性体の混合物(例えば、ラセミ混合物)を包含する。異性体の混合物は、例えば、出発物質の異性体混合物から、または異性体生成物が生成される反応条件により、調製され得る。特定の異性体は、例えば、異性体的に純粋な出発物質から、または公知方法(例えば、キラル固定相を使用するクロマトグラフィー)を使用して異性体混合物から特定の異性体を単離することにより、調製され得る。
【0137】
本発明の1局面は、薬学的に受容可能な担体中に本発明の1種またはそれ以上の化合物(および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグ)を含有する医薬組成物に関する。本発明の医薬組成物はまた、1種またはそれ以上の他の治療薬を含有し得る。
【0138】
本発明の化合物は、カンナビノイドレセプターリガンドとして有用であり得る。従って、本発明の別の局面は、患者におけるカンナビノイドCBレセプターを調節(阻害または活性化)する方法に関し、該方法は、患者に、本発明の1種またはそれ以上の化合物のCBレセプター調節量を投与する工程を包含する。
【0139】
本発明の化合物は、抗炎症および/または免疫調節活性を有し得、そして癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患を治療する際に有用であり得る。皮膚T細胞リンパ腫、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、敗血症、ショック、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺異形成症、網膜症、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎(cryptogenic fibrosing aveolitis)、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、血管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、クローン病、炎症性腸疾患、可逆性気道閉塞、成人呼吸促迫症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)または気管支炎。本発明の化合物が、列挙された疾患のうちの1つ以上の治療において有用であり得ることが意図される。
【0140】
さらに、本発明の化合物は、第二薬剤(例えば、疾患調節抗リウマチ薬(DMARDS)(例えば、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド(leflunomide)、ペンシリナミン(pencillinamine)、金塩、マイコフェノレートモフェチル(mycophenolate mofetil)、シクロホスファミドおよび他の類似の薬物))と共に同時投与または使用され得る。それらはまた、1種以上の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)(例えば、ピロキシカム、ナプロキセン、インドメタシン、イブプロフェンなど);COX−2選択的阻害剤(例えば、Vioxx(登録商標)(Merck & Company,Whitehouse Station,NJから提供される)として入手可能なロフェコキシブ(rofecoxib)、Celebrex(登録商標)(Pfizer Inc.,New York,New Yorkから提供される)として入手可能なセレコキシブ(celecoxib));COX−1阻害剤(例えば、Feldene(登録商標)(Pfizer Inc.,New York,New Yorkから提供される)として入手可能なピロキシカム(Piroxicam));免疫抑制剤(例えば、ステロイド、シクロスポリン、タクロリミス(Tacrolimus)、ラパマイシン(rapamycin)、メトトレキサートなど);生物反応修飾物質(BRM)(例えば、Enbrel(登録商標)(Wyeth−Ayerst,Philadelphia,PAから提供される)として入手可能であるエタナーセプト(etanercept)、Remicade(登録商標)(Centocor,Inc.,Malvern,PAから提供される)として入手可能であるインフリキシマブ(infliximab)、IL−1アンタゴニスト、抗−CD40、抗−CD28、IL−10、抗−接着分子など);ならびに他の抗炎症薬(例えば、P38キナーゼ阻害剤、PDE4阻害剤、TACE阻害剤、ケモカインレセプターアンタゴニスト、Thalomid(登録商標)(Celgene Corporation,Warren,NJ)として入手可能であるサリドマイド)および抗炎症性サイトカイン生成物の他の低分子阻害剤と共に同時投与または使用され得る。本発明の化合物と共に同時投与または使用され得る他の薬物としては、Anaprox(登録商標)(すなわち、ナプロキセンナトリウム)、Arava(登録商標)(すなわち、レフルノミド)、Arthrotec(登録商標)(すなわち、ジクロフェナクとミソプロストールとの組み合わせ)、Azulfidine(登録商標)(すなわち、スルファサラジン)、Aspirin(登録商標)(すなわち、アセチルサリチル酸)、Cataflam(登録商標)(すなわち、ジクロフェナク)、Celestone(登録商標)Soluspan(登録商標)(すなわち、酢酸ベタメタゾンおよびリン酸ベタメタゾンナトリウム)、Clinoril(登録商標)(すなわち、スリンダク)、Cortone Acetate(登録商標)(すなわち、酢酸コルチゾン)、Cuprimine(登録商標)(すなわち、ペニシラミン)、Daypro(登録商標)(すなわち、オキサプロジン)、Decadron(登録商標)(すなわち、デキサメタゾン)、Depen(登録商標)(すなわち、ペニシラミン)、Depo−Medrol(登録商標)(すなわち、酢酸メチルプレドニゾロン)、Disalcid(登録商標)(すなわち、サルサラート)、Dolobid(登録商標)(すなわち、ジフルニサル)、Naprosyn(登録商標)(すなわち、ナプロキセン)、Gengraf(登録商標)(すなわち、シクロスポリン)、Hydrocortone(登録商標)(すなわち、ヒドロコルチゾン)、Imuran(登録商標)(すなわち、アザチオプリン)、Indocin(登録商標)(すなわち、インドメタシン)、Lodine(登録商標)(すなわち、エトドラク(etodolac))、Motrin(登録商標)(すなわち、イブプロフィン(ibuprofin))、Myochrysine(登録商標)(すなわち、チオリンゴ酸金ナトリウム)、Nalfon(登録商標)(すなわち、フェノプロフェンカルシウム)、Naprelan(登録商標)(すなわち、ナプロキセンナトリウム)、Neoral(登録商標)(すなわち、シクロスポリン)、Orudis(登録商標)(すなわち、ケトプロフェン)、Oruvali(登録商標)(すなわち、ケトプロフェン(ketoprofen))、Pediapred(登録商標)(すなわち、プレドニゾロン)、Plaquenli(登録商標)(すなわち、ヒドロキシクロロキン)、Prelone(登録商標)(すなわち、プレドニゾロン)、Relafen(登録商標)(すなわち、ナブメトン(nabumetone))、Solu−Medrol(登録商標)(すなわち、コハク酸ナトリウムメチルプレドニゾロン)、Tolectin(登録商標)(すなわち、トルメチンナトリウム)、Trilisate(登録商標)(すなわち、コリンマグネシウムトリサリチル酸)およびVolataren(登録商標)(すなわち、ジクロフェナク)が挙げられる。これらは、上記の指定された薬物の任意の処方物を含む。
【0141】
またさらに、本発明の化合物は、季節性のアレルギー性鼻炎および/または喘息の処置のためのH1アンタゴニストと共に同時投与または使用され得る。適切なH1アンタゴニストは、例えば、Claritin(登録商標)(すなわち、ロラタジン)、Clarinex(登録商標)(すなわち、デスロラタジン(desloratadine))、Allegra(登録商標)(すなわち、塩酸フェキソナジン(fexofenadine hydrochloride))、またはZyrtec(登録商標)(すなわち、塩酸セチリジン(cetirizine hydrochloride))であり得る。
【0142】
別の局面において、本発明は、慢性関節リウマチを処置するための方法を提供し、この方法は、COX−2阻害剤(例えば、Celebrex(登録商標)またはVioxx(登録商標));COX−1阻害剤(例えば、Feldene(登録商標)(すなわち、ピロキシカム));免疫抑制剤(例えば、メトトレキサートまたはシクロスポリン);ステロイド(例えば、β−メタゾン);抗−TNF−α化合物(例えば、Enbrel(登録商標)またはRemicade(登録商標));PDE IV阻害剤、および慢性関節リウマチを処置するために示される化合物の他のクラスからなるクラスより選択される化合物と共に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0143】
さらに、本発明は、慢性関節リウマチを処置するための医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、COX−2阻害剤、COX−1阻害剤、免疫抑制剤、ステロイド、抗−TNF−α化合物および慢性関節リウマチを処置するために示される化合物の他のクラスからなるクラスより選択される化合物、ならびに薬学的に受容可能な担体と共に治療有効量の本発明の化合物を含む。
【0144】
さらなる局面において、本発明は、多発性硬化症を処置するための方法を提供し、この方法は、Avonex(登録商標)(すなわち、インターフェロンβ−1a)、Betaseron(登録商標)(すなわち、インターフェロンβ−1b)、Copaxone(登録商標)(すなわち、酢酸ガラティラメル(glatiramer acetate))または多発性硬化症を処置するために示される他の化合物からなる群より選択される化合物と共に本発明の化合物を投与する工程を包含する。
【0145】
さらに、本発明はまた、多発性硬化症を処置するための医薬組成物を提供し、この医薬組成物は、Avonex(登録商標)、Betaseron(登録商標)、Copaxone(登録商標)または多発性硬化症を処置するために示される他の化合物からなる群より選択される化合物、ならびに薬学的に受容可能な担体と共に治療有効量の本発明の化合物を含む。
【0146】
さらに別の局面において、本発明は、乾癬を処置するための方法を提供し、この方法は、免疫抑制剤、ステロイド、抗−TNF−α化合物からなる群より選択される化合物と共に本発明の化合物を投与する工程を包含する。1つの局面において、免疫抑制剤は、メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジンまたはシクロスポリンであり、ステロイドは、β−メタゾンであり、そして抗−TNF−α化合物は、Enbrel(登録商標)またはRemicade(登録商標)である。
【0147】
さらに、本発明は、乾癬を処置するための医薬組成物に関し、この医薬組成物は、免疫抑制剤(例えば、メトトレキサート、レフルノミドまたはシクロスポリン)、ステロイド(例えば、β−メタゾン)および抗−TNF−α化合物(例えば、Enbrel(登録商標)またはRemicade(登録商標))から選択される化合物、ならびに薬学的に受容可能な担体と共に有効量の本発明の化合物を含む。
【0148】
上記のように、本発明は、本発明の1種またはそれ以上の化合物と薬学的に受容可能な担体とを含有する医薬組成物を提供する。本発明の化合物は、当業者に公知の任意の通常の剤形で、投与できる。本発明の化合物(例えば、必要に応じて、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体、賦形剤、添加剤などと併用して、式II〜XIXの1種またはそれ以上の化合物、および/またはそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物またはプロドラッグ)を含有する医薬組成物は、通常の薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤および通常の技術を使用して、調製できる。このような薬学的に受容可能な賦形剤および添加剤には、非毒性で適合性の充填剤、崩壊剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤、潤滑剤、香料、増粘剤、着色剤、乳化剤などが挙げられる。
【0149】
あらゆる投与経路が考慮され、これには、非経口、経皮、皮下、筋肉内、舌下、吸入、直腸および局所が挙げられるが、これらに限定されない。それゆえ、適当な投与単位形状には、経口形状(例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、カシュ剤、顆粒および溶液または懸濁液、舌下および口内投与形状)、エアロゾル、移植片、皮下、筋肉内、静脈内、鼻内、眼内または直腸投与形状が挙げられる。
【0150】
固形組成物を錠剤形状に調製するとき、例えば、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)が加えられて、本発明の微粉化または非微粉化化合物を形成し、そして製薬ビヒクル(例えば、シリカ、ゼラチンデンプン、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアゴムなど)と混合できる。これらの錠剤は、スクロース、種々の重合体または他の適当な物質で被覆できる。錠剤は、例えば、イオン樹脂を使用することにより、長期活性または遅延活性を有するように、また、所定量の活性成分を連続的または所定間隔で放出するように、処理できる。
【0151】
例えば、本発明の化合物の1種またはそれ以上を希釈剤(例えば、グリコールまたはグリコールエステル)と混合することにより、そして得られた混合物を軟質または硬質ゼラチンカプセルに取り込むことにより、ゼラチンカプセル形状の製剤が得られる。
【0152】
シロップまたはエリキシル剤の形状の製剤は、他の成分(例えば、甘味料、メチルパラベンおよびプロピルパラベン(消毒薬として)、香料および適当な着色剤)と組み合わせて、本発明の1種またはそれ以上の化合物を含有し得る。
【0153】
水分散性粉剤または顆粒は、例えば、甘味料および/または香料だけでなく、分散剤、湿潤剤または懸濁剤(例えば、ポリビニルピロリドン)と混合して、本発明の1種またはそれ以上の化合物を含有し得る。
【0154】
直腸投与用の座剤は、例えば、直腸温で融ける結合剤(例えば、ココアバターまたはポリエチレングリコール)と組み合わせて、本発明の1種またはそれ以上の化合物を含有し得る。
【0155】
非経口投与、鼻内投与または眼内投与は、例えば、水性懸濁液、等張性直塩水または滅菌注射可能液(これは、本発明の1種またはそれ以上の化合物と、薬理学的に適合性の分散剤および/または可溶化剤(例えば、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール)とを含有する)により、行われ得る。
【0156】
それゆえ、本発明の1種またはそれ以上の化合物の静脈注射用の水溶液を調製するには、共溶媒、例えば、アルコール(例えば、エタノールまたはグリコール(例えば、エチレングリコールまたはプロピレングリコール))と親水性界面活性剤(例えば、Tween(登録商標)80)とを使用することが可能である。筋肉内注射可能な油性溶液は、例えば、本発明の1種またはそれ以上の化合物をトリグリセリドまたはグリセロールエステルで可溶化することにより、調製できる。
【0157】
局所投与は、本発明の1種またはそれ以上の化合物を、例えば、クリーム、軟膏またはゲルに取り込むことにより、行うことができる。
【0158】
経皮投与は、マルチラミネート形状でパッチを使用することにより、またはレザバ(これは、本発明の1種またはそれ以上の化合物および適当な溶媒を含有する)を使って、行うことができる。
【0159】
吸入による投与は、例えば、トリクロロフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンまたは任意の他の生体適合性推進剤ガスと共に、例えば、エアロゾル(これは、本発明の1種またはそれ以上の化合物と、ソルビタントリオレエートまたはオレイン酸とを含有する)により、行うことができる。あるいは、その吸入系は、必要に応じて、粉末形状の賦形剤と結びつけて、本発明の1種またはそれ以上の化合物を含有し得る。
【0160】
本発明の化合物はまた、必要に応じて、1種またはそれ以上の担体または添加剤と共に、マイクロカプセルまたは小球体(例えば、リポソーム)で、処方できる。
【0161】
慢性症状の治療には、本発明の1種またはそれ以上の化合物は、本発明の化合物を長期間にわたって放出する移植片から投与され得る。本発明の化合物を含有する組成物はまた、油性懸濁液の形状または等張媒体中の小球体の懸濁液の形状で、調製され得る。
【0162】
患者におけるカンナビノイドCBレセプターを調節するかおよび/または上で挙げた疾患または病気を治療するための本発明の化合物の毎日用量は、約0.001〜約100mg/体重1kg/日、好ましくは、約0.001〜約10mg/体重1kg/日である。70kgの平均体重には、従って、その投薬レベルは、約0.1〜約700mgの薬剤/日であり、これは、単一用量または2〜4回の分割用量で与えられる。しかしながら、その正確な用量は、臨床医により決定され、また、投与する化合物の効力、患者の年齢、体重、健康状態および応答に依存している。
【0163】
本発明の化合物は、上記のように、疾患改変抗リウマチ性薬物、H1アンタゴニスト、多発性硬化症の治療で有用な化合物、および/または乾癬の治療で有用な化合物と併用でき、このような薬剤の投与および投薬量は、the Physicians Desk Reference(PDR)だけでなく、当該技術分野で周知の治療プロトコルにて、認可された薬剤の製品情報シートで列挙された投薬および投与スケジュールに従ってなされる。
【0164】
本発明の化合物と併用される他の薬剤の投与は、治療する疾患およびその疾患に対する薬剤の公知の効果に依存して変えることができることが明らかである。また、熟練した臨床医の知見に従って、これらの治療プロトコル(例えば、投薬量および投与時間)は、投与した薬剤の患者に対する実際の効果を考慮して、また、投与した薬剤に対する疾患の実際の応答を考慮して、変えることができる。
【実施例】
【0165】
以下の実施例は、本発明の化合物のいくつかの調製を例示するが、本明細書中で開示された発明を限定すると解釈すべきではない。代替的な機械的経路および類似の構造は、当業者に明らかとなる。
【0166】
以下の略号が、手順およびスキームにおいて用いられる:水性(aq.)、無水(anhyd)、n−ブチル(n−Bu)、n−ブチルリチウム(n−BuLi)、濃縮した(conc.)、日数(d)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDCl)、ジメチルホルムアミド(DMF)、エタノール(EtOH)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、時間(h)、脱離基(LG)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、メタ−クロロペルオキシ安息香酸(MCPBA)、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、塩化メタンスルホニル(MsCl)、メタノール(MeOH)、分(min)、メチル(Me)、メチルリチウム(MeLi)、モル濃度(1リットルあたりのモル、M)、N−クロロスクシンイミド(NCS)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、規定(N)、1平方インチあたりのポンド(psi)、分取薄層クロマトグラフィー(PTLC)、室温(rt)、飽和塩化ナトリウム溶液(ブライン)、シリカゲルクロマトグラフィー(sgc)、2−(第三級ブトキシカルボニルオキシイミノ)−2−フェニルアセトニトリル(BOC−ON)、第三級ブトキシカルボニル(BOC)、トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)、カルバミン酸2,2,2−トリクロロエチル(Troc)、およびテトラヒドロフラン(THF)。代表的な後処理手順では、反応混合物を適切な溶媒(例えば、EtOAc、EtO、またはCHCl)で希釈し、そして適切な酸性水溶液、塩基性水溶液、または中性水溶液で順次洗浄する。有機溶液を分離され、適切な乾燥剤(例えば、MgSOまたはNaSO)で乾燥され、濾過され、そして溶媒をエバポレーションによって除去される。
【0167】
(一般的スキーム1)
式Iの化合物(ここで、A部分は、構造A1を有し、L部分は、−S(O2)−であり、L部分は、−S(O)−、−C(O)−または−CH−であり、そしてB部分は、構造B1、B2またはB3を有する)は、以下の一般的スキーム1で示された一般的な方法により、調製され得る。
【0168】
一般的スキーム1
【0169】
【化55】

(一般的スキーム1の説明)
工程1A、1Bおよび1Cにおいて、式ii、iiiおよびivの環状アミンは、それぞれ、有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)中にて、適当な塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)と反応される。次いで、式iの塩化アリールスルホニルが加えられて、対応するスルホンアミドv、viおよびviiが得られる。この反応は、低温(例えば、−15℃〜0℃の範囲の温度)で、実行され得る。
【0170】
工程2A、2Bおよび2Cにおいて、式v、viおよびviiの化合物は、適当な溶媒(例えば、THFまたはDME)に溶解され得、次いで、低温(例えば、−110℃〜−78℃の範囲の温度)で、適当な塩基(例えば、n−BuLi)と反応される。得られたアニオンは、適当な求電子試薬(例えば、塩化アルキル)(これは、例えば、Lが−CH−である生成物を提供する)、酸塩化物(これは、例えば、Lが−C(O)−である生成物を提供する)、アルデヒド(これは、例えば、Lが−CH−である生成物を提供する)、フッ化スルホニル(これは、例えば、Lが−S(O)−である生成物を提供する)、またはジスルフィド(これは、例えば、Lが−S(O)−である生成物を提供する)で処理され得、生成物viii、ixおよびxが得られる。
【0171】
所望の官能基Lは、Lに所望の官能性を有する式ii、iiiまたはivの適当な環状アミンを選択することにより、この生成物に導入され得る。このような環状アミンを調製する方法は、当業者に明らかとなる。あるいは、所望の−L部分は、周知の脱保護手順を使用して、viii、ixまたはxにおける−L部分を異なる所望の−L部分で置き換えることにより、提供できる。
【0172】
(一般的スキーム1A)
あるいは、化合物viii、ixおよびxは、他の方法により、例えば、以下の一般的スキーム1Aに従って、調製され得る。
【0173】
一般的スキーム1A
【0174】
【化56】

(一般的スキーム1Aの説明)
工程1では、ニトロ化合物xiは、酸(例えば、HCl)を含有するアルコール性溶媒中にて、還元剤(例えば、SnClまたはZn)で還元されて、アミノ化合物xiiが得られる。工程2では、アミノ化合物xiiは、酸の混合物(例えば、酢酸およびHClの1:1混合物)に溶解され得、次いで、(例えば、0℃まで)冷却される。次いで、この冷却溶液に、NaNO水溶液がゆっくりと加えられる。得られた溶液は、0.5〜1時間撹拌され、次いで、CuClの存在下にて、冷却した酢酸溶液(これは、SOガスで飽和されている)に注がれて、塩化スルホニルxiiiが得られる。
【0175】
工程3A、3Bおよび3Cでは、式ii、iiiおよびivのアミンは、それぞれ、有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)中にて、(例えば、−15℃〜0℃の温度で)、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)と反応される。次いで、式xiiiの塩化アリールスルホニルが加えられ、対応するスルホンアミドviii、ixおよびxが得られる。
【0176】
所望の官能基Lは、Lで所望の官能性を有する適当なニトロ化合物を調製することにより、この生成物に導入され得る。このようなニトロ化合物を調製する方法は、当業者に明らかとなる。
【0177】
所望の官能基Lは、Lに所望の官能性を有する式ii、iiiまたはivの適当な環状アミンを選択することにより、この生成物に導入され得る。このような環状アミンを調製する方法は、当業者に明らかとなる。あるいは、所望の−L部分は、周知の脱保護手順を使用して、viii、ixまたはxにおける−L部分を異なる所望の−L部分で置き換えることにより、提供できる。
【0178】
(一般的スキーム2)
式Iの化合物(ここで、A部分は、構造A2またはA4(ここで、Qは、=CH−または=N−である)、L部分は、−S(O)−、−C(O)−または−CH−であり、L部分は、−SO−であり、そしてB部分は、構造B1、B2またはB3を有する)は、以下の一般的スキーム2で示された一般的な方法により、調製され得る。
【0179】
一般的スキーム2
【0180】
【化57】

(一般的スキーム2の説明)
工程1では、(Boc)Oは、適当な不活性溶媒(例えば、THF、塩化メチレンまたはジクロロメタン)に溶解され、そして式xivの化合物と反応されて、化合物xvが得られる。
【0181】
工程2では、化合物xvは、溶媒(例えば、THFまたはDME)に溶解され、次いで、(例えば、−110℃〜−78℃の反応温度範囲で)、塩基(例えば、n−BuLi)と反応される。得られたアニオンは、1〜2時間にわたって、SOガスに晒され、次いで、室温まで温められる。溶媒が除去され、そして残渣は、溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)に再溶解され、次いで、N−クロロスクシンイミドで処理されて、塩化スルホニルxviが得られる。
【0182】
工程3A、3Bおよび3Cでは、式ii、iiiおよびivのアミンは、それぞれ、有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)中で、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)と反応される。次いで、(例えば、−15℃〜0℃の反応温度で)、塩化スルホニルxviが加えられて、対応するN−Boc保護スルホンアミドxvii、xviiiおよびxixが得られる。
【0183】
工程4A、4Bおよび4Cでは、N−Boc保護スルホンアミドxvii、xviiiおよびxixは、溶媒(例えば、ジオキサンまたはTHF)に溶解され、次いで、それぞれ、塩基(例えば、LiOH)で処理されて、対応する脱保護誘導体xx、xxiおよびxxiiが得られる。
【0184】
工程5A、5Bおよび5Cでは、化合物xx、xxiおよびxxiiは、溶媒(例えば、DMFまたはDMSO)に溶解され、次いで、引き続いて、塩基(例えば、CsCO)で処理され、次いで、適当な求電子試薬(例えば、塩化アルキルまたはアリールスルホニル(これは、例えば、Lが−S(O)−である生成物を提供する)、アルキルアリール酸塩化物(これは、例えば、Lが−C(O)−である生成物を提供する)、またはハロゲン化アルキル(これは、例えば、Lが−CH−である生成物を提供する)で処理されて、生成物xxiii、xxivおよびxxvが得られる。
【0185】
所望の官能基Lは、Lに所望の官能性を有する式ii、iiiまたはivの適当な環状アミンを選択することにより、この生成物に導入され得る。このような環状アミンを調製する方法は、当業者に明らかとなる。あるいは、所望の−L部分は、周知の脱保護手順を使用して、viii、ixまたはxにおける−L部分を異なる所望の−L部分で置き換えることにより、提供できる。
【0186】
(一般的スキーム2A)
あるいは、化合物xxiii、xxivおよびxxvは、例えば、以下の一般的スキーム2Aに従って、他の方法により、調製され得る。
【0187】
一般的スキーム2A
【0188】
【化58】

(一般的スキーム2Aの説明)
工程1では、インドール(またはアザインドール)誘導体xivは、溶媒(例えば、トルエン、ベンゼンまたはキシレン)に溶解され、次いで、水性塩基(例えば、NaOHまたはKOH)および触媒量の相間移動触媒(例えば、Aliquat(登録商標)(すなわち、塩化メチルトリカプリリルアンモニウム)または臭化ベンジルトリエチルアンモニウム)で処理される。次いで、得られた溶液は、式R−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、塩化物、臭化物、フッ化物またはメシレートを表わす)で表わされる適当な求電子試薬で処理されて、化合物xxviが得られる。求電子試薬を適当に選択することにより、所望のL基(例えば、−S(O)−、−C(O)−、−CH−など)が導入できる。
【0189】
工程2では、化合物xxviは、溶媒(例えば、THFまたはDME)に溶解され、次いで、(例えば、−110℃〜−78℃の反応温度範囲で)、塩基(例えば、n−BuLi)と反応される。次いで、得られたアニオンは、1〜2時間にわたって、SOガスに晒され、そして室温まで温められる。溶媒が除去され、そして残渣は、溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)に再溶解され、次いで、N−クロロスクシンイミドと反応されて、塩化スルホニルxxviiが得られる。
【0190】
工程3A、3Bおよび3Cでは、式ii、iiiおよびivのアミンは、それぞれ、有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)中で、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)と混合される。次いで、(例えば、−15℃〜0℃の反応温度で)、塩化スルホニルxviが加えられて、対応するスルホンアミドxxiii、xxivおよびxxvが得られる。
【0191】
所望の官能基Lは、Lに所望の官能性を有する式ii、iiiまたはivの適当な環状アミンを選択することにより、この生成物に導入され得る。このような環状アミンを調製する方法は、当業者に明らかとなる。あるいは、所望の−L部分は、周知の脱保護手順を使用して、viii、ixまたはxにおける−L部分を異なる所望の−L部分で置き換えることにより、提供できる。
【0192】
(一般的スキーム3)
式Iの化合物(ここで、A部分は、構造A3またはA5(ここで、Qは、=CH−または=N−である)、L部分は、−S(O)−、−C(O)−または−CH−であり、L部分は、−SO−であり、そしてB部分は、構造B1、B2またはB3を有する)は、以下の一般的スキーム3で示された一般的な方法により、調製され得る。
【0193】
一般的スキーム3
【0194】
【化59】

(一般的スキーム3の説明)
工程1では、インドール(またはアザインドール)誘導体xivは、溶媒(例えば、DMF)に溶解され、そして塩基(例えば、NaH、KHまたはCaH)で処理される。次いで、得られた溶液は、(例えば、−15℃〜0℃の範囲の温度で)、式R−L−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、塩化物、臭化物またはチオレートを表わす)で表わされる適当な求電子試薬で処理されて、化合物xxviが得られる。求電子試薬を適当に選択することにより、所望のL基(例えば、−S(O)−、−C(O)−、−CH−など)が導入できる。
【0195】
工程2では、化合物xxviiiは、溶媒(例えば、DMFまたはトルエン)に溶解され、次いで、塩基(例えば、NaH、KHまたはCaH)で処理される。得られた溶液は、(例えば、−15℃〜0℃の範囲の温度で)、式R−LG(ここで、LGは、脱離基(例えば、塩化物、臭化物またはメシレートを表わす)で表わされる適当な求電子試薬で処理されて、化合物xxixが得られる。
【0196】
工程3では、化合物xxixは、溶媒(例えば、THFまたはDME)に溶解され、次いで、(例えば、−110℃〜−78℃の範囲の反応温度で)、塩基(例えば、n−BuLi)と反応される。次いで、得られたアニオンは、1〜2時間にわたって、SOガスに晒され、次いで、室温まで温められる。溶媒が除去され、そして残渣は、溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)に再溶解され、次いで、N−クロロスクシンイミドと反応されて、塩化スルホニルxxxが得られる。
【0197】
工程4A、4Bおよび4Cでは、式ii、iiiおよびivのアミンは、それぞれ、有機溶媒(例えば、塩化メチレンまたはジクロロエタン)中で、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)と反応される。次いで、(例えば、−15℃〜0℃の反応温度で)、塩化スルホニルxxxが加えられて、対応するスルホンアミドxxxi、xxxiiおよびxxxiiiが得られる。
【0198】
所望の官能基Lは、Lに所望の官能性を有する式ii、iiiまたはivの適当な環状アミンを選択することにより、この生成物に導入され得る。このような環状アミンを調製する方法は、当業者に明らかとなる。あるいは、所望の−L部分は、周知の脱保護手順を使用して、viii、ixまたはxにおける−L部分を異なる所望の−L部分で置き換えることにより、提供できる。
【0199】
上記プロセスに関与していない反応性基は、通常の保護基(これは、その反応後、標準的な手順により、除去できる)を使って、これらの反応中にて、保護できる。以下の表IIは、いくつかの典型的な保護基を示す:
(表II)
【0200】
【化60】

【0201】
【化61】

(出発物質Aの調製)
【0202】
【化62】

工程1:N−Boc−ピペリジン(49.79g、0.25mol)のトルエン(625ml)溶液に、酢酸メチル(トリフェニルホスホラニリデン)(104.5g、0.31mmol)を加えた。得られた反応混合物を還流状態まで加熱し、そして17時間撹拌した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、そして真空下にて濃縮した。次いで、得られた残渣をシリカゲルに予め吸着させ、そして50%酢酸エチル/ヘキサンを使って、シリカゲルのプラグで溶出することにより、精製して、白色固形物として、不飽和エステル(a)(62.16g、0.243mol)を得た。
【0203】
工程2:ヨウ化トリメチルスルホキソニウム(90.0g、0.41mol)のDMSO(700ml)溶液に、カリウム第三級ブトキシド(450g、0.41mol)を一度に加えた。その混合物を、室温で、3時間撹拌した。工程1で調製した不飽和エステル(a)(59.64g、0.23mol)をDMSO(0.26L)に溶解し、この反応混合物に加えた。この反応混合物を、室温で、20時間撹拌し、次いで、ブライン(1L)に加えた。次いで、そのpHをおよそ7に調節するために、この反応混合物に、NHCl飽和水溶液を加えた。次いで、この反応混合物をエーテルで数回抽出した。エーテル抽出物を合わせ、水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮して、油状物として、エステル(b)(53.5g、0.20mol)を得た。
【0204】
工程3:工程2で調製したエステル(b)(53.5g、0.20mol)のTHF(200mL)溶液に、LiOH水溶液(2N、200mL)を加えた。次いで、その混合物を、室温で、17時間撹拌し、水(750mL)で希釈し、そしてエーテルで洗浄した。エーテル相を捨て、そして水相を、6N HClで、3〜4のpHまで酸性化した。次いで、酸性化した水相をエーテルで数回抽出した。エーテル洗浄液を合わせ、水およびブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、そして真空下にて濃縮して、白色固形物として、カルボン酸(c)(49.25g、0.19mol)を得た。
【0205】
工程4:カルボン酸(c)(20.0g、0.078mol)のアセトン(78mL)溶液に、0℃で、トリエチルアミン(8.7g、0.086mol)を加え、続いて、クロロギ酸エチル(9.4g、0.86mol)を加えた。得られた混合物を、0℃で、40分間撹拌した。次いで、その混合物に、水(50mL)中のアジ化ナトリウム(10.2g、0.15mol)を加えた。次いで、この混合物を室温まで温め、そして4時間撹拌した。次いで、水を加え、次いで、その混合物をCHClで数回抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、油状物を得た。この油状物をトルエン(200mL)に吸収させ、2,2,2−トリククロエタノール(14.0g、0.094mol)を加え、その混合物を還流状態まで温め、そして還流状態で、17時間撹拌した。次いで、この反応混合物を室温まで冷却し、そしてEtOAc(250mL)を得た。次いで、その混合物を水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(35%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して、カーバメート(d)(24.4g、0.061mol)を得た。
【0206】
工程5:工程4で調製したカーバメート(d)(24.4g、0.061mol)のCHCl(100mL)溶液に、HCl/EtO(2N、50mL)を加えた。その反応混合物を一晩撹拌し、次いで、真空下にて濃縮して、吸湿性発泡体(17.4g、0.0.052mol)として、(e)を得た。
【0207】
(出発物質Bの調製)
【0208】
【化63】

公知方法(すなわち、Brighty,K.E;Castaldi,M.J Synlett,1996,1097;この内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている)により、出発アルコール(e)(1α,5α,6α)−3−ベンジル−6−ヒドロキシメチル−3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサンを調製した。
【0209】
工程1:アルコール(e)(11g、54mmol)およびトリエチルアミン(38mL、27mmol)をCHCl(200mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。冷却した溶液を撹拌し、そしてCHSOCl(CHCl溶液として;6mL、78mmol、25mLのCHCl)を滴下し、そして撹拌を3〜4時間継続した。次いで、その反応混合物を、水100mLで2回、そしてブライン100mLで2回洗浄した。有機相と水相とを分離し、有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、1:6の酢酸エチル:ヘキサンで溶出する)で精製した。そのクロマトグラフィーカラムから適当な画分を集め、そして濃縮して。油状物(7g、59%)として、純粋なクロロ化合物(f)を得た。
【0210】
工程2:工程1で調製したクロロ化合物をDMF(100ml)に溶解し、NaN(10.3g、157mmol)で処理し、その混合物を36〜48時間激しく攪拌した。次いで、この反応混合物を水100mlで希釈し、そして酢酸エチル(酢酸エチル100mlで2回)で抽出した。有機相を合わせ、乾燥し、そして濃縮して、アジド(g)(6.2g、87%)を得た。
【0211】
工程3:工程2で調製したアジド(g)(6.2g、27mmol)およびトリフェニルホスフィン(15g、57mmol)をTHF(100ml)に溶解し、次いで、水(6ml、333mmol)を加えた。得られた混合物を16〜24時間激しく攪拌した。溶媒を除去し、そしてさらに精製することなく、粗アミン(h)を得た。
【0212】
工程4:工程3で調製した粗アミン(h)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.66g、5.4mmol)をCHCl(100ml)に溶解した。この溶液に、二炭酸ジ−第三級ブチル(7g、33mmol)を少しずつ加え、その反応混合物を16時間撹拌した。次いで、この反応混合物を水(50ml)で2回、そしてブライン(50ml)で1回抽出した。有機相を単離し、乾燥し、そして減圧下にて溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、1:3の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)にかけた。溶離した画分を合わせ、そして濃縮して、6.9gの純粋なカーバメート(i)(84%)を得た。
【0213】
工程5:工程4で調製したカーバメート(i)(1.9g、6.3mmol)をメタノール(100ml)に溶解し、そして水酸化パラジウム(20%、0.4g)と混合した。その混合物をパールボトル(Parr bottle)に移し、次いで、これに、20psiの圧力まで水素を充填した。このパールボトルを10時間振盪した。真空下にてパールボトルから残留水素を除去し、その反応物をセライト(ケイ藻土)で濾過した。次いで、濾液を濃縮して、純粋なアミンB(1.4g)を得た。
【0214】
(出発物質Cの調製)
【0215】
【化64】

公知手順(例えば、以下を参照のこと:Montzka,T.A.;Matiskella,J.D.;Partyka,R.A.Tetrahedron Letters 1974,14,1325;Lowe,J.A.;Drozda,S.E.;McLean,S.;Bryce,D.K.;Crawford,R.T.;Snider,R.M.;Tsuchiya,M.J.Med.Chem.1994,37,2831;これらの両方の内容は、それらの全体として、本明細書中で参考として援用されている)を使用して、N−ベンジルトロピナンカルボニトリル(N−Benzyltropinanecarbonitrile)(j)を調製した。
【0216】
工程1:乾燥THF(40mL)にLiAlHを加え、次いで、その混合物を0℃まで冷却した。次いで、この混合物にカルボニトリル(j)(0.9g、3.8mmol、THF溶液10mL)を滴下した。その反応混合物を周囲温度まで温め、48時間撹拌し、次いで、0℃まで冷却し直し、そして水1mL、0.5N NaOH水溶液2mLおよび水1mLを連続して加えることにより、クエンチした。得られた混合物を2時間激しく攪拌し、そしてセライトで濾過した。濾液を濃縮して、油状物(0.9g、100%)として、純粋な(k)を得た。
【0217】
工程2:工程1で調製した粗生成物(k)およびトリエチルアミン(TEA)(0.6mL、4.3mmol)をCHCl(50mL)に溶解した。この溶液に、二炭酸ジ−第三級ブチル(0.85g、3.9mmol)を一度に加え、その反応混合物を16時間撹拌した。次いで、この反応混合物を、水50mlで2回、そしてブライン50mlで1回洗浄した。有機相を乾燥し、そして減圧下にて溶媒を除去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、CHCl中の2.5%アンモニア飽和メタノールを使用する)にかけた。溶離した画分を合わせ、そして濃縮して、0.78gの純粋なカーバメート生成物(l)(61%)を得た。
【0218】
工程3:工程2のカーバメート(l)(0.8g、2.3mmol)をメタノール(60ml)に溶解し、そして水酸化パラジウム(20%、0.08g)で処理した。その混合物をパールボトルに移し、次いで、これに、20psiの圧力まで、水素を充填した。このパールボトルを10時間振盪した。真空下にてパールボトルから残留水素を除去し、その反応混合物をセライトで濾過した。次いで、濾液を濃縮して、純粋なアミンC(0.6g;Rは、Hである)を得た。
【0219】
工程4:無水THF(50ml)中の出発物質であるN−ベンジルトロピナンカルボニトリル(j)(0.6g、2.6mmol)を−70℃まで冷却し、そしてリチウムジイソプロピルアミン(LDA)(2.65ml、2M THF溶液)で処理した。次いで、得られた溶液をヨウ化エチル(1.2g、7.8mmol)で処理し、そして3時間撹拌した。その反応混合物を水でクエンチし、室温まで温め、そして酢酸エチル(100ml)で希釈した。有機相を単離し、水50mlで1回、そしてブライン50mLで2回、連続して洗浄した。この有機相を乾燥し、そして濃縮して、得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒混合物として、1:3の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製した。N−ベンジルトロピナンカルボニトリル(j)(すなわち、R=H)に代えて、RがCである類似の出発物質を使用したこと以外は、工程1、2および3で記述した方法と類似の方法を使用して、化合物(m)を化合物(c)(R=C)に変換した。
【0220】
(実施例1)
【0221】
【化65】

上で示した一般式を有する化合物は、下記の方法により、または当業者に明らかとなる類似の方法により、調製され得る。
【0222】
【化66】

工程1:CHCl中のカーバメートA(1.94g、5.75mmol)に、0℃で、TEA(1.45g、14.4mmol)を加え、続いて、塩化4−クロロベンゼンスルホニル(1.52g、7.18mmol)を一度に加えた。その反応混合物を室温まで温め、2時間撹拌し、塩化メチレンで希釈し、1N HCl、水およびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、スルホンアミド(1a)(2.0g、4.2mmol)を得た。
【0223】
工程2:スルホンアミド(1a)(2.0g、4.2mmol)およびAcOH(42ml)の溶液に、亜鉛末(17.7g、273mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で、3時間撹拌し、EtOAcで希釈し、シリカゲルのプラグで濾過し、そして濾液を真空下にて濃縮した。得られた残渣を塩化メチレンに溶解し、次いで、飽和NaHCOを加え、その混合物を15分間激しく攪拌した。水層を塩化メチレンで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、アミン(1b)(0.95g、3.2mmol)を得た。
【0224】
工程3:アミン(1b)(0.26g、0.86mmol)のジクロロエタン(3ml)溶液に、トリフルオロ酢酸エチル(0.37g、2.6mmol)を加えた。得られた混合物を45℃まで温め、そしてトリフルオロ酢酸エチル(0.24g、1.72mmol)を加えた。次いで、その反応混合物を60℃まで温め、6時間撹拌し、次いで、真空下にて濃縮した。濃縮した粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、トリフルオロアセトアミド(1c)(0.167g、0.42mmol)を得た。
【0225】
工程4:トリフルオロアセトアミド(1c)(0.16g、0.42mmol)のTHF溶液に、−78℃で、n−ブチルリチウム(1.6M、0.59mL)を加えた。その反応混合物を0.5時間撹拌し、次いで、THF(0.6mL)中の2−二硫化フルオロフェニル(0.16g、0.63mmol)を加えた。得られた混合物を、−78℃で、2時間撹拌した。次いで、水を加え、その混合物を室温まで温め、そしてEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。濃縮した生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサン)で精製して、ラセミ中間体生成物(0.13g、0.25mmol)を得た。このラセミ中間体生成物を、さらに精製または単離することなく、DCEに溶解し、そこへ、m−CPBA(0.21g、0.84mmol)を加えた。得られた反応混合物を、室温で、17時間撹拌し、CHClで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。得られた濃縮生成物をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(45%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(1d)(0.067g、0.12mmol)を得た。
【0226】
工程5:キラルHPLC(Chiralpak ADカラム、5cm×50cm、20μmの粒径、48ml/分の流速)(これは、25%IPA/ヘキサンで溶出する)により、アミン(1b)(1.42g、4.71mmol)の2つの鏡像異性体を分離して、異性体A(1e)(0.57g、1.9mmol)および異性体B(1f)(0.55g、1.8mmol)を得た。
【0227】
工程6:鏡像異性体(1e)(0.24g、0.79mmol)のDCE(2.6ml)溶液に、0℃で、TEA(0.16g、1.58mmol)を加え、続いて、無水トリフルオロ酢酸(0.20g、0.94mmol)を加えた。その反応混合物を室温まで温め、そして18時間撹拌した。次いで、この混合物をCHClで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。濃縮した生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、トリフルオロアセトアミド(1g)(0.25g、0.63mmol)を得た。
【0228】
工程7:トリフルオロアセトアミド(1g)(0.21g、0.54mmol)のTHF(2ml)溶液(これは、−78℃まで冷却した)に、n−ブチルリチウム(1.8M、0.67ml)を加えた。その反応混合物を30分間撹拌し、次いで、THF(0.8ml)中の二硫化2−フルオロフェニル(0.17g、0.68mmol)を加えた。この反応混合物を、17時間にわたって、室温までゆっくりと温めておいた。次いで、飽和NHClを加え、その反応混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。得られた精製生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、出発トリフルオロアセトアミドと所望のチオエーテル生成物(0.13g)との混合物を得た。この混合物を、さらに精製することなく、DCE(2mL)に吸収させ、そしてm−CPBA(0.22g、0.90mmol)を加えた。得られた混合物を、室温で、22時間撹拌した。次いで、この反応混合物をCHClで希釈し、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。濃縮した生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(30〜40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(1h)(0.034g、0.061mmol)を得た。
【0229】
工程8:(1h)(0.034g、0.06mmol)のTHF(0.5mL)溶液に、LiOH水溶液(2N、0.09mL)を加えた。得られた混合物を、室温で、27時間撹拌し、次いで、水を加え、その混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、アミン(1i)(0.028g、0.06mmol)を得た。
【0230】
工程9:アミン(1i)(0.026g、0.06mmol)のDCE(0.4mL)溶液に、TEA(0.012g、0.12mmol)を加え、続いて、塩化メタンスルホニル(0.010g、0.09mmol)を加えた。得られた反応混合物を、室温で、19時間撹拌し、次いで、真空下にて濃縮した。濃縮した生成物をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(70%EtOAc/ヘキサン)で精製して、メタンスルホンアミド化合物17(0.016g、0.03mmol)を得た。
【0231】
工程10:アミン(1f)(0.22g、0.73mmol)のDCE(2.4mL)溶液(これは、0℃で維持した)に、TEA(0.15g、1.5mmol)を加え、続いて、無水トリフルオロ酢酸(0.19g、0.88mmol)を加えた。その反応混合物を、17時間撹拌しつつ、室温までゆっくりと温めた。次いで、この反応混合物にCHClを加え、これを、次いで、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、トリフルオロアセトアミド(1j)(0.27g、0.67mmol)を得た。
【0232】
工程11:(1j)(0.25g、0.64mmol)のTHF(2.1ml)溶液(これは、−78℃で維持した)に、n−ブチルリチウム(1.8M、0.80mL)を加えた。その反応混合物を、−78℃で、25分間撹拌した。次いで、この反応混合物に、THF(0.8mL)中の二硫化2−フルオロフェニル(0.24g、0.96mmol)を加えた。その反応混合物を、19時間にわたって、室温までゆっくりと温めた。次いで、飽和NHClを加え、その反応混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、チオエーテル(0.23g、0.44mmol)を得た。このチオエーテル、さらに精製または単離することなく、DCE(3mL)に吸収させ、次いで、m−CPBA(0.38g、1.54mmol)を加え、その混合物を、室温で、24時間撹拌した。次いで、この混合物にCHClを加え、その混合物を水およびブラインで洗浄し、有機層を乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(1k)(0.13g、0.23mmol)を得た。
【0233】
工程12:(1k)(0.13g、0.23mmol)のTHF(1.5mL)溶液に、室温で、LiOH水溶液(2N、0.35mL)を加えた。その反応混合物を21時間撹拌した。次いで、水を加え、この反応混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、アミン(1l)(0.11g、0.23mmol)を得た。
【0234】
工程13:アミン(1l)(0.046g、0.10mmol)のDCE(0.7mL)溶液に、室温で、TEA(0.02g、0.20mmol)を加え、続いて、塩化メタンスルホニル(0.016g、0.15mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、17時間撹拌し、そして真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(70%EtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物18(0.04g、0.08mmol)を得た。
【0235】
工程14:アミン(1l)(0.05g、0.11mmol)のCHCl溶液に、−78℃で、TEA(0.02g、0.16mmol)を加え、続いて、TfO(0.035g、0.12mmol)を加えた。その反応混合物を、−78℃で、5時間撹拌し、次いで、室温まで温めた。この反応混合物にCHClを加え、これを、次いで、水およびブラインで洗浄した。次いで、有機相を乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物19(0.045g、0.08mmol)を得た。
【0236】
実施例1で上記の方法と類似の方法を使用して、化合物16、23、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39および40(表1)を調製した。当業者であれば、実施例1の方法におけるバリエーションを容易に理解する。
【0237】
例えば、キラル分離工程(すなわち、工程5)なしで、ラセミ混合物(1b)を工程6〜9にかけること以外は、化合物17および18と類似の様式で、化合物16を調製した。
【0238】
工程11において、二硫化2−フルオロフェニルに代えて、二硫化2−ピリジル、二硫化4−トリフルオロメトキシフェニルおよび二硫化4−メトキシフェニルをそれぞれ使用すること以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物23、27および28を調製した。
【0239】
工程1において、Aを塩化4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルと反応させたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物29を調製した。
【0240】
工程1において、Aを塩化4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化4−トリフルオロメトキシフェニルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物30を調製した。
【0241】
工程1において、Aを塩化4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物31を調製した。
【0242】
工程1において、Aを塩化4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルと反応させたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物32を調製した。
【0243】
工程1において、Aを塩化4−メトキシベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物33を調製した。
【0244】
工程1において、Aを塩化ベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物34を調製した。
【0245】
工程1において、Aを塩化4−フルオロベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物35を調製した。
【0246】
工程7において,二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物18の様式と類似の様式で、化合物36を調製した。
【0247】
工程7において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換え、そして工程9において、塩化メタンスルホニルに代えて、シクロプロピル塩化スルホニルを使用したこと以外は、化合物18の様式で類似の様式で、化合物37を調製した。
【0248】
工程1において、Aを塩化4−ヒドロキシベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物38を調製した。
【0249】
工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換え、そして工程14において、工程12後に形成されたアミン中間体生成物を、TfOに代えて、トリフリック酸2,2,2−トリフルオロエチルと反応させたこと以外は、化合物32の様式と類似の様式で、化合物39を調製した。
【0250】
工程1において、Aを塩化4−トリフルオロメトキシベンゼンスルホニルと反応させ、そして工程11において、二硫化2−フルオロフェニルを二硫化2−ピリジルで置き換えたこと以外は、化合物19の様式と類似の様式で、化合物40を調製した。
【0251】
(実施例2)
【0252】
【化67】

上で示した一般式を有する化合物は、下記の方法により、または当業者に明らかとなる類似の方法により、調製され得る。
【0253】
【化68】

工程1:中間体化合物(1f)(0.92g、3.06mmol)のDCE(10mL)溶液(これは、実施例1で記述した方法の工程5で調製した)に、TEA(0.62g、6.12mmol)を加え、続いて、by(Boc)O(0.84g、3.82mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、16時間撹拌した。次いで、この反応混合物をCHClで希釈し、そして1N NaOH、1N HCl、水およびブラインで洗浄した。次いで、有機相を乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、カーバメート(2a)(1.22g、3.04mmol)を得た。
【0254】
工程2:フラスコにて、−78℃で、NH(125mL)を凝縮させた。このNHに、固形ナトリウム片を加えて、青色を維持した。凝縮したNHとナトリウムとの混合物に、工程1で調製したカーバメート(2a)(1.22g、3.0mmol)のTHF(12mL)溶液を加えた。その反応混合物は橙色に変わり、そして青色が維持されるまで、ナトリウムを追加した。この反応混合物を、−78℃で、2.5時間撹拌した。次いで、固形NHClを加え、そして液状NHを蒸発させるために、その反応混合物に、Nガスを通した。次いで、固形NaClおよび1N NaOHを加え、その反応混合物をCHClで抽出した。相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、次いで、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、非ラセミアミン(2b)(0.53g、2.34mmol)を得た。
【0255】
工程3:インドール(3.0g、26mmol)のトルエン(20ml)溶液に、50%NaOH水溶液(30ml)を加え、続いて、臭化ベンジルトリエチルアンモニウム(0.025g、0.11mmol)および塩化2−フルオロフェニルスルホニル(6.0g、31mmol)を加えた。その反応混合物を、室温で、20時間撹拌した。次いで、水を加え、その混合物をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、(2c)(7.0g、25.7mmol)を得た。
【0256】
工程4:ジイソプロピルアミン(1.32g、13.1mmol)のTHF(22ml)溶液に、0℃で、n−ブチルリチウム(1.1M、12ml)を加えた。その溶液を、0℃で、1時間撹拌し、それにより、LDA(リチウムジイソプロピルアミン)の溶液を得た。次いで、このLDA溶液を、工程3で調製したインドール誘導体(2c)(3.0g、10.9mmol)のTHF(26mL)溶液に加え、これを、−78℃で維持した。得られた反応混合物を、−78℃で、1時間撹拌し、次いで、その反応混合物に、15分間にわたって、SOガスを泡立たせた。冷却浴を取り除き、この反応物を室温まで温めた。その反応混合物を真空下にて濃縮した。得られた固形物をCHCl(26mL)に溶解し、そしてN−クロロスクシンイミド(1.75g、13.1mmol)を加えた。得られた反応混合物を、室温で、75分間撹拌し、次いで、CHCl、水およびブラインで洗浄し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。得られた残渣をシリカゲルに吸着させ、そしてシリカゲルクロマトグラフィー(15%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(2d)(1.3g、3.5mmol)(これは、およそ20%の出発インドール(2c)を含有する)を得た。
【0257】
工程5:アミン(2b)(0.10g、0.21mmol)のCHCl(1.5mL)溶液に、TEA(0.059mL、0.42mmol)を加え、続いて、工程4で調製した塩化インドールスルホニル(2d)(0.04g、0.17mmol)を加えた。得られた反応混合物を、室温で、20時間撹拌した。この反応混合物をEtOAcおよび1N HClで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機相を乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮して、油状物を得、これを、シリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(40%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(2e)(0.07g、0.12mmol)を得た。
【0258】
工程6:N−bocアミン(2e)(0.07g、0.12mmol)のCHCl溶液(これは、工程5で調製した)に、HCl/ジオキサン(4N、1.5ml)を加えた。その反応混合物を、室温で、17時間撹拌し、次いで、真空下にて濃縮して、定量収率で、(2f)を得た。残渣をCHClに吸収させ、そしてTEA(0.043ml、0.31mmol)を加えた。この反応混合物を−78℃まで冷却し、次いで、TfO(0.022ml、0.13mmol)を加えた。その反応混合物を、15時間にわたって、室温までゆっくりと温め、次いで、EtOAcおよび1N HClで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(無水MgSO)、濾過し、そして真空下にて濃縮した。残渣をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(35%EtOAc/ヘキサン)で精製して、化合物22(0.05g、0.08mmol)を得た。
【0259】
アミン(1a)のラセミ化合物または分割した異性体(例えば、ラセミ混合物(1b)、あるいは分割した異性体(1e)または(1f)であって、これらは、実施例1の方法により、調製した)を使用して、実施例2で上記の方法と類似の方法を使用して、表1の化合物20、21、24、25、26、41、42および43を調製した。当業者であれば、実施例2の方法におけるバリエーションを容易に理解する。
【0260】
工程1において、異性体(1f)ではなくて、ラセミアミン(1b)を使用し、そして工程6において、TfOに代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物22の様式と類似の様式で、化合物20を調製した。
【0261】
工程1において、異性体(1f)ではなくて、ラセミアミン(1b)を使用したこと以外は、化合物22の様式と類似の様式で、化合物21を調製した。
【0262】
工程5において、異性体(2b)ではなくて、ラセミアミン(A)を使用し、そして工程3において、インドールに代えて、5−ブロモインドールを使用したこと以外は、化合物22の様式と類似の様式で、化合物25を調製した。
【0263】
アミン(2b)に代えて、アミン(A)を使用し、そして工程5において、TfOに代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物25の様式と類似の様式で、化合物24を調製した。
【0264】
ラセミアミン(A)に代えて、アミン異性体(1f)を使用したこと以外は、化合物25の様式と類似の様式で、化合物26を調製した。
【0265】
工程3において、塩化2−フルオロフェニルスルホニルに代えて、塩化2−ピリジルスルホニルを使用したこと以外は、化合物22の様式と類似の様式で、化合物41を調製した。
【0266】
工程3において、インドールに代えて、アゾインドール
【0267】
【化69】

を使用したこと以外は、化合物21の様式と類似の様式で、化合物42を調製した。
【0268】
工程6において、TfOに代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物42と類似の様式で、化合物43を調製した。
【0269】
(実施例3)
【0270】
【化70】

上で示した一般式を有する化合物は、下記で示した方法により、または当業者に理解される類似の方法により、調製され得る。
【0271】
【化71】

工程1:2−フルオロベンゼンチオール(0.7g、5.5mmol)の無水THF(30ml)溶液を0℃まで冷却し、そしてNaH(0.26g、11.1mmol)で処理した。0.5時間撹拌した後、2−フルオロ−4−クロロニトロベンゼンを加え、その反応混合物を室温まで温めた。さらに4時間撹拌した後、この反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、そして水(50mL)に次いでブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、そして濃縮して、1.5gのニトロ化合物(3a)を得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0272】
工程2:塩化スズ(2.4g)を3:1のエタノール:HCl(30mL)に溶解し、0℃まで冷却し、そして溶解するまで撹拌した。工程1から得たニトロ化合物(3a)(1.2g、3.9mmol)を一度に加え、そして得られた懸濁液を、室温で、10時間撹拌した。その反応物をNaOH水溶液(10mL、1N)で値中和した。減圧下にて揮発性有機成分(例えば、エタノール)を除去し、そして生成物を、水相から、酢酸エチルで抽出した(酢酸エチル50mLで2回抽出した)。有機相を合わせ、そして乾燥した(無水MgSO)。溶媒を除去して、1.03gのアミン(3b)を得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0273】
工程3:工程2から得たアミン(3b)(10.3g、3.6mmol)を3:2の酢酸:HCl(10mL)に溶解し、そして0℃まで冷却した。その溶液に、NaNOの水溶液(0.3g、4.3mmol)を滴下し、この溶液を0.5時間撹拌した。得られたジアゾニウム塩中間体混合物を酢酸(これは、SOガスで予め飽和させた)にゆっくりと注ぎ、次いで、触媒量のCuCl(0.8g)で処理した。この混合物を1時間撹拌し、次いで、砕氷に注いだ。この混合物をCHCl(50mL)で2回抽出し、乾燥し、そして濃縮して、塩化スルホニル(3c)を得、これを、次の工程で使用した。
【0274】
工程4:アミンB(0.06g、0.283mmol)およびトリエチルアミン(0.3mL、1.4mmol)の塩化メチレン(25mL)溶液を、工程3で調製した塩化スルホニル(3c)で処理した。その混合物を、室温で、5時間撹拌した。次いで、この反応混合物を塩化メチレン(50mL)で希釈し、そしてNaHCO水溶液(50mL)、水(各50mLの2つのアリコート)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、そして濃縮して、粗生成物(3d)を得、これを、分取プレートシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、1:2の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製した。
【0275】
工程5:工程4から得た生成物(3d)(0.088g、0.172mmol)のCHCl(50mL)溶液をm−CPBA(0.097g、0.4mmol)で処理し、そして得られた混合物を72時間撹拌した。その反応混合物をCHCl(50mL)で希釈し、そして5%NaHSO水溶液(50mL)、NaHCO水溶液(50mL)、水(50mL)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、そして濃縮した。得られた粗生成物を、分取プレートシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶媒として、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を使用する)で精製して、0.085gの純粋なスルホン生成物(3e)を得た。
【0276】
工程6:工程5で調製したスルホン生成物(3e)(0.085g、0.156mmol)のCHCl(10ml)溶液をトリフルオロ酢酸(0.06ml、0.77mmol)で処理し、そして2時間撹拌した。その反応混合物をNaHCO水溶液で中和し、CHCl(50mL)で希釈し、そして水(50ml)およびブライン(30mL)で連続的に洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮して、純粋なアミン(3f)(0.08g)を得た。
【0277】
工程7:先の工程で調製したアミン(3f)(0.03g、0.067mmol)およびトリエチルアミン(0.009mL、0.0667mmol)のCHCl(10mL)溶液を−70℃まで冷却し、そして無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.016g、0.059mmol)で処理した。その反応混合物を1時間撹拌し、次いで、NaHCO水溶液(20mL)でクエンチした。次いで、クエンチした混合物を室温まで温め、そしてCHCl(50mL)で希釈した。有機相を分離し、乾燥し、そして濃縮し、次いで、粗生成物をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(これは、溶媒として、1:2の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)にかけて、純粋な化合物11(0.02g)を得た。
【0278】
実施例3で上記の方法と類似の方法を使用して、表1の化合物6、7、8、9、56および57を調製した。実施例3の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。
【0279】
工程1において、2−フルオロベンゼンチオールに代えて、2−ピリジンチオールを使用したこと以外は、化合物11と類似の様式で、化合物6を調製した。
【0280】
工程7において、無水トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物6の様式と類似の様式で、化合物7を調製した。
【0281】
工程1において、2−フルオロ−4−クロロニトロベンゼンに代えて、2−フルオロ−4−トリフルオロメトキシニトロベンゼンを使用したこと以外は、化合物6の様式と類似の様式で、化合物8を調製した。
【0282】
工程7において、無水トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物11の様式で類似の様式で、化合物9を調製した。
【0283】
工程7において、工程6で調製したアミン中間体生成物を、TfOに代えて、トリフリック酸2,2,2−トリフルオロエチルと反応させたこと以外は、化合物6の様式と類似の様式で、化合物56を調製した。
【0284】
一般的スキーム1に従って、化合物57を調製したが、ここで、中間体vi(この場合、s=0であり、そしてR、RおよびR=Hである)は、n−BuLiと反応させ、続いて、(t−BuOC(O))Oと反応させた。実施例1における化合物(1a)の様式と類似の様式で(すなわち、アミンBとTEAおよび塩化4−クロロベンゼンスルホニルとを反応させることにより)、中間体viを調製した。
【0285】
(実施例4)
【0286】
【化72】

アミンBに代えて、アミンC(ここで、Rは、Hまたは−CHCHである)を使用したこと以外は、実施例3で記述した手順と類似の手順を使用して、上で示した一般構造を有する化合物(すなわち、化合物50、51、58および59)を調製した。実施例3の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。
【0287】
例えば、工程4において、アミンBに代えて、アミンC(R=H)を使用したこと以外は、化合物6および7の様式と類似の様式で、化合物50および51を調製した。同様に、工程4において、アミンBに代えて、アミンC(R=−CHCH)を使用したこと以外は、化合物56および6の様式と類似の様式で、化合物58および59を調製した。
【0288】
一般的スキーム1に従って、化合物55を調製したが、ここで、中間体vii(この場合、s=2であり、Z=−CH−であり、そしてR、RおよびR=Hである)は、n−BuLiと反応させ、続いて、(t−BuOC(O))Oと反応させた。実施例1における化合物(1a)の様式と類似の様式で(すなわち、アミンCとTEAおよび塩化4−クロロベンゼンスルホニルとを反応させることにより)、中間体viiを調製した。
【0289】
(実施例5)
【0290】
【化73】

工程1:N−Bocインドール(10.0g、46mmol)のTHF溶液(150mL)(これは、−70℃で維持した)に、0.5時間にわたって、n−BuLi(20.3mL、ヘキサン中で2.5M、50.6mmol)を滴下した。その混合物を1時間撹拌し、次いで、この溶液に、1時間にわたって、SOガスを泡立たせた。次いで、その反応混合物を、2時間にわたって、10℃まで温めた。減圧下にて溶媒を除去し、残渣をCHCl(200mL)に再溶解し、NCS(9.2g、69mmol)で処理し、そして10時間撹拌した。この反応混合物を、水(2×50mL)およびブライン(2×50mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これを、シリカゲルのパッド(これは、溶離溶媒として、9:1のヘキサン:酢酸エチルを使用する)に通した。画分を集め、そして真空下にて濃縮して、19.5gの塩化インドールスルホニル(5a)を得た。
【0291】
工程2:アミンB(0.3g、1.4mmol)およびトリエチルアミン(0.99ml、7mmol)のCHCl(30ml)溶液を、室温で、工程1で調製した塩化インドールスルホニル(5a)(0.5g、1.55mmol)で処理した。その混合物を16時間撹拌し、次いで、CHCl(100ml)で希釈し、そして水(50ml)で、1回、ブラインで2回(各洗浄に50ml)洗浄した。有機相を分離し、乾燥し(NaSO)、そして濃縮して、粗生成物を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、1:1の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製した。適当な画分を集め、合わせ、そして真空下にて溶媒を除去して、純粋な生成物(5b)(0.46g)を得た。
【0292】
工程3:ジオキサン(25ml)中の工程2で調製した生成物(5b)(0.45g、0.91mmol)およびLiOH(7ml、1M HO溶液)を、40℃で、16時間加熱し、次いで、60℃で、さらに1時間加熱した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(50ml)に溶解し、そして水(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして濃縮して、粗生成物を得、これを、シリカゲル分取プレートクロマトグラフィーにかけて、0.36gの純粋な生成物(5c)を得た。
【0293】
工程4:工程3で調製した生成物(5c)(0.25g、0.64mmol)のDMF(20ml)溶液をCsCO(0.5g、1.6mmol)で処理し、続いて、塩化2−フルオロフェニルスルホニル(0.15g、0.7mmol)で処理し、そして40時間撹拌した。次いで、その反応混合物を酢酸エチル(50ml)で希釈し、そして水(50ml)およびブライン(50ml)で洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これを、シリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(これは、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)を使用する)で精製して、純粋な生成物(5d)(0.25g)を得た。
【0294】
工程5:工程4で調製した生成物(5d)(0.07g、0.13mmol)のCHCl(50ml)室温溶液をトリフルオロ酢酸(0.07g、0.636mmol)で処理した。その反応混合物を3時間撹拌し、次いで、溶媒を除去して、アミン生成物(5e)を得、これを、さらに精製することなく、次の工程で使用した。
【0295】
工程6:工程5で調製したアミン生成物(5e)およびトリエチルアミン(0.024ml、0.14mmol)をCHCl(15ml)に溶解し、そして−70℃まで冷却した。この溶液に無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.034g、0.042mmol)を加え、そして1時間撹拌した。次いで、その反応混合物を0℃まで温め、CHCl(50ml)で希釈し、そして水(各洗浄に15ml)で2回、ブライン(15ml)で1回洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(これは、1:2の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製して、0.025gの純粋な化合物12を得た。
【0296】
実施例5で上記の方法と類似の方法を使用して、表1の化合物3、10、13、14および15を調製した。実施例5の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。
【0297】
例えば、工程1において、N−Bocインドールに代えて、保護アザインドール
【0298】
【化74】

を使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物3を調製した。
【0299】
工程4において、塩化2−フルオロフェニルスルホニルに代えて、塩化2−ピリジルスルホニルを使用し、そして工程6において、無水トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物10を調製した。
【0300】
工程6において、無水トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物13を調製した。
【0301】
工程1において、N−Bocインドールに代えて、保護5−シアノインドール
【0302】
【化75】

を使用し、そして工程4において、塩化2−フルオロフェニルスルホニルに代えて、塩化2−ピリジルスルホニルを使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物14を調製した。
【0303】
工程4において、塩化2−フルオロフェニルスルホニルに代えて、塩化2−ピリジルスルホニルを使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物15を調製した。
【0304】
(実施例6)
【0305】
【化76】

アミンBに代えて、アミンC(すなわち、R=Hまたは−CHCHである)を使用したこと以外は、実施例5で記述した手順と類似の手順を使用して、上で示した一般構造を有する化合物を調製した。実施例5の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。例えば、アミンBに代えて、アミンC(R=H)を使用したこと以外は、化合物12、13、15、10の様式と類似の様式で、それぞれ、化合物46〜49を調製した。同様に、アミンBに代えて、アミンC(R=−CHCH)を使用したこと以外は、化合物12の様式と類似の様式で、化合物54を調製した。
【0306】
(実施例7)
【0307】
【化77】

【0308】
【化78】

工程1:NaH(0.78g)を含有するDMF溶液(100ml)に、0℃で、インドール(2.4g、20mmol)を加えた。この溶液を15分間撹拌した後、2−二硫化フルオロフェニル(5.2g、20mmol)を加え、その反応混合物を、4時間にわたって、室温まで温めた。溶媒を除去し、そして粗生成物を酢酸エチル(100mL)に再溶解し、次いで、水(50mL)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮した。得られた生成物をヘキサン:酢酸エチル混合物から再結晶して、それにより、白色固形物(3.7g)として、(7a)を得た。
【0309】
工程2:工程1で調製した(7a)(2.5g、10mmol)のCHCl(50mL)溶液をm−CPBA(10.6g、62mmol)で少しずつ処理し、次いで、得られた混合物を40時間撹拌した。この反応混合物をCHCl(100mL)で希釈し、そしてNaHSO水溶液(50mL)、NaHCO水溶液(50mL)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得、これを、さらに精製することなく、次の手順を使用して、メチル化した。
【0310】
上で調製した粗生成物をTHF(50ml)に溶解し、そしてNaH(0.864g、36mmol)で処理し、続いて、ヨードメタン(3.4ml、36mmol)で処理した。次いで、その混合物を20時間撹拌し、水5mlでクエンチし、酢酸エチル(100ml)で希釈し、そして水(50ml)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物(7b)を得、これを、シリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、3:7の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製した。
【0311】
工程3:工程2で調製した(7b)(1.4g、4.8mmol)の無水THF(40mL)溶液を−78℃まで冷却し、リチウムジイソプロピルアミド(7mmol)で滴下処理し、40分間撹拌し、次いで、この溶液にSOガスを0.5時間泡立たせた。その反応混合物を、−78℃で、15時間撹拌し、次いで、室温まで温めた。減圧下にて、この溶液の容量を15mLまで減らし、冷却したヘキサンを加え、それにより、溶液から固形物を沈殿させた。沈殿物を濾過により集め、そして冷ヘキサン(50mL)で洗浄した。固形物をCHCl(50mL)に溶解し、N−クロロスクシンイミド(1.3g、9.5mmol)で処理し、そして0.5時間撹拌した。次いで、その反応混合物を水(50mL)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄し、次いで、乾燥した(NaSO)。溶媒を除去し、そして粗生成物をシリカゲルのパッドに通し、酢酸エチル:ヘキサン(1:2)で抽出し、そして濃縮して、純粋な生成物(7c)(1.4g、75%)を得た。
【0312】
工程4:アミンB(0.17g、0.8mmol)およびトリエチルアミン(0.55mL、3.94mmol)の塩化メチレン(25mL)溶液を、工程3で調製した塩化スルホニル(7c)(0.28g、0.78mmol)で処理した。その反応混合物を、室温で、10時間撹拌し、塩化メチレン(50mL)で希釈し、そしてNaHCO(50mL)、水(各50mLの2つのアリコート)およびブライン(50mL)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、粗生成物を得た。この粗生成物を分取プレートシリカゲルクロマトグラフィー(これは、溶離溶媒として、1:2の酢酸エチル:ヘキサンを使用する)で精製して、それにり、0.26gの純粋な生成物(7d)を得た。
【0313】
工程5:工程4で調製したカーバメート(7d)(0.25g、0.44mmol)のCHCl(20mL)溶液をトリフルオロ酢酸(0.2mL、2.6mmol)で処理し、そして4時間撹拌した。その反応混合物をNaHCO水溶液で中和し、CHCl(50ml)で希釈し、そして水(50ml)およびブライン(30ml)で連続的に洗浄した。有機相を乾燥し(NaSO)、そして濃縮して、純粋なアミン(7e)(0.18g)を得た。
【0314】
工程6:工程5で調製したアミン(7e)(0.09g、0.19mmol)およびトリエチルアミン(0.032mL、0.23mmol)のCHCl(20mL)溶液を−70℃まで冷却し、そして無水トリフルオロメタンスルホン酸(0.048g、0.173mmol)で処理した。その反応混合物を1時間撹拌し、次いで、NaHCO水溶液(20mL)でクエンチした。得られた混合物を室温まで温め、そしてCHCl(50mL)で希釈した。有機相を乾燥し、そして濃縮して、得られた粗生成物をシリカゲル分取プレートクロマトグラフィー(これは、展開溶媒として、5%CHOH/CHClを使用する)にかけて、純粋な化合物1(0.06g)を得た。
【0315】
実施例7で記述した方法と類似の方法(これらは、当業者により、容易に理解される)を使用して、化合物2、4および5を調製した。例えば、工程6において、無水トリフルオロメタンスルホン酸に代えて、塩化メタンスルホニルを使用したこと以外は、化合物1を調製した方法と類似の方法により、化合物2を調製した。工程2において、インドール窒素原子をヨウ化メチルではなく臭化イソプロピルでアルキル化したこと以外は、化合物1および2の方法と類似の方法により、それぞれ、化合物4および5を調製した。
【0316】
(実施例8)
【0317】
【化79】

アミンBに代えて、アミンCを使用したこと以外は、実施例7で記述した手順と類似の手順を使用して、上で示した一般構造を有する化合物を調製した。実施例7の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。例えば、アミンBに代えて、アミンCを使用したこと以外は、化合物2および1の様式と類似の様式で、それぞれ、化合物52および53を調製した。
【0318】
(実施例9)
【0319】
【化80】

アミンBに代えて、アミンAを使用したこと以外は、実施例7で記述した手順と類似の手順を使用して、上で示した一般構造を有する化合物を調製した。実施例7の方法のバリエーションは、当業者に容易に理解される。例えば、アミンBに代えて、アミンAを使用したこと以外は、化合物1および2の様式と類似の様式で、それぞれ、化合物44および45を調製した。
【0320】
当業者は、上記スキームで記述されたものと類似の反応が式Iの他の化合物を調製するのに実行され得ることを理解する。上記プロセスの出発物質は、市販されているか、当該技術分野で公知であるか、または当該技術分野で周知の手順で調製される。
【0321】
本発明の化合物は、抗炎症活性および/または免疫調節活性を示し、例えば、以下を含む種々の病気の治療に有用である:関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、骨粗鬆症、腎虚血、脳卒中、脳虚血、腎炎、乾癬、アレルギー、肺や消化管の炎症障害(例えば、クローン病)、および気道障害(例えば、可逆性気道閉塞、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および気管支炎)。この有用性は、以下のアッセイでの活性により証明されるように、明らかにされる。
【0322】
潜在的なカンナビノイドレセプターリガンドを、組換えカンナビノイドレセプターへの結合について、[H]CP−55,940(これは、公知のレセプターリガンドである)と競合する性能についてスクリーニングした。試験化合物を、100%DMSO中で調製したストックから、Diluent Buffer(50mM Tris pH 7.1、1mM EDTA、3mM MgCl、0.1%BSA、10%DMSO、0.36%メチルセルロース(Sigma M−6385))で連続希釈した。アリコート(10μl)を、96ウェルマイクロタイタープレートに移した。組換えヒトカンナビノイドCB2レセプター(Receptor Biology#RB−HCB2)または組換えヒトカンナビノイドCB1レセプター(Receptor Biology#RB−HCB1)の膜調製物を、Binding Buffer(50mM Tris pH7.2、1mM EDTA、3mM MgCl、0.1%BSA)中で、0.3mg/mlに希釈した。このマイクロタイタープレートの各ウェルに、アリコート(50μl)を加えた。これらの結合反応は、このマイクロタイタープレートの各ウェルに[H]CP−55,940(New England Nuclear#NET 1051;特異活性=180Ci/mmol)を加えることにより、開始した。各100μl反応混合物は、1%DMSOおよび0.036%メチルセルロースを含有する結合緩衝液中に、0.48nM[H]CP−55,940、15μgの膜タンパク質を含有していた。室温で2時間インキュベーションしたのに続いて、これらの反応物を、TomTec Mark 3U Harvester(Hamden,CT)を備えた0.5%ポリエチレンイミン被覆GF/Cフィルタープレート(UniFilter−96,Packard)で濾過した。このフィルタープレートを、結合緩衝液で5回濾過し、180°回転し、次いで、結合緩衝液で5回再洗浄した。結合放射活性は、Packard TopCount NXTシンチレーションカウンタにて、30μlのPackard Microscint 20シンチラントを添加することにより、定量化した。得られたデータの非線形回帰分析は、Prism 2.0b(GraphPad,San Diego,CA)を使用して、実行した。
【0323】
本発明の化合物は、Ki値(nM)で測定されるCBレセプターに対して、強力な親和性を示すことが分かった。本発明の化合物の活性(効力)は、それらのKi値を測定することにより、決定される。Ki値が小さくなるほど、その化合物がCBレセプターを変調する活性が高くなる。本発明の化合物は、広範囲の活性を示す。式Iを有する化合物のCB平均Ki値は、一般に、>0nM(例えば、0.1nM)〜約1000nM、好ましくは、約0.1nM〜約1000nM、さらに好ましくは、約0.1nM〜約100nM、さらにより好ましくは、約0.1nM〜約20nMの範囲である。CBレセプターに対して約20nM未満のKi値を有する化合物は、最も好ましい。
【0324】
本発明の化合物は、0.1〜1000nMの範囲で、CB2レセプター結合活性を示すことが分かった。例えば、化合物20、41、9、13、22、11、6、60、61、31、47、59、62および58は、それぞれ、0.24、0.4、0.65、1、1、1.46、1.5、3.3、3.9、5、7、25.9、28および41nMのK値を有する。
【0325】
本発明の化合物はまた、CBレセプターを変調することに対して、CBを変調することに非常に選択的である。「選択的モジュレーター」とは、CBレセプターのKとCBレセプターのKとの化合物の選択比が約1より大きい、好ましくは、約100より大きい、さらに好ましくは、約500より大きい、さらにより好ましくは、約1000より大きい、最も好ましくは、約3000より大きいことを意味する。例えば、化合物20、41、9、13、22、11、6、60、61、31、47、59、62および58は、CBレセプターのKとCBレセプターのKとの選択比が、それぞれ、約15000、3500、2700、3400、400、1000、6300、4100、1200、71、790、52、1.9および770である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物:
【化1】

ここで:
Aは、フェニル、ナフチル、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、フラニル、ピロリル、ピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ベンゾフラニル、およびベンゾチオフェニルからなる群から選択される;
Bは、式B1〜B7から選択される:
【化2】

各Yは、別個に、−(C(R−、−O−(C(R−、−(C(R−O−、−S−(C(R、−(C(R−S−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−N(R)−(C(R−、および−(C(RN(R)−からなる群から選択される;
各Zは、別個に、−(C(R−、−O−(C(R−、−(C(R−O−、−S−(C(R、−(C(R−S−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−S(O)−(C(R、−(C(R−S(O)−、−N(R)−(C(R−、および−(C(RN(R)−からなる群から選択される;
pは、1〜3の整数である;
qは、1または2である;
rは、0〜2の整数である;
sは、0または1であり、ここで、sが0であるとき、Zは、共有結合であり、そしてBは、二環式構造を有する;
は、共有結合、−(C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、−(C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、N(R)C(O)−、−OC(O)N(R)−、−N(R)C(O)O−、−N(R)C(O)N(R)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、共有結合、−C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、−CH(OR)−、−S(O)−、−S(O)−、−S−、−O−、−N(R)−、−C(O)N(R)−、N(R)C(O)−、−CF−、および−C(=N−OR)−からなる群から選択される;
は、H、アルキル、−CF、−Si(アルキル)(アリール)3−t、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(Rおよび−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
tは、0〜3の整数である;
は、H、−OH、ハロゲン、−N(R7)2、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群から選択され、
ここで、該アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
nは、0〜4の整数である;
およびRは、同一または異なり、別個に、Hまたはアルキルであり、
ここで、該アルキルは、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NRC(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;あるいは、もしBが式B4〜B7の1つであるなら、RおよびRは、式B4〜B7において結合して示されている炭素原子と一緒になって、カルボニル基を形成する;あるいは
およびRは、式B4〜B7において結合して示されている炭素原子と一緒になって、非芳香環系を形成し、
ここで、該シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環は、は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NRC(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
およびRは、同一または異なり、それぞれ別個に、H、アルキル、ハロアルキル、−CF、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;
各Rは、別個に、H、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、およびヘテロアリールオキシからなる群から選択される;
Xは、別個に、H、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルケニルオキシ、アルキニル、アルキニルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−OH、OR、−C(O)OR、−OC(O)R−、−N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−NOおよび−CNからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、−N(R、−C(O)R、−C(O)OR、−OC(O)R、−C(O)N(R、−N(R)C(O)R、−N(R)C(O)OR、−N(R)C(O)N(R、−NO、−CN、−S(O)R、−S(O)N(R、および−N(R)C(=N−CN)NHRからなる群から選択される;あるいは
Xは、Aが、ピリジル、チオフェニル、チアゾリル、インドリル、アザインドリル、キノリル、イソキノリニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびベンゾチオフェニルであるとき、オキシドであり得る;
−N(R)−L−Rは、必要に応じて、環系を形成できる;そして
mは、0〜4の整数である、
化合物、あるいは該化合物の薬学的に受容可能な塩または溶媒和物。
【請求項2】
Bが、式B1〜B3の1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Bが、式B4〜B7の1つである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−C(R、−C(O)−、−S(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、または−S(O)−である;
は、−C(R−、−C(O)−、−S(O)−または−S(O)−である;
は、−C(R−、−C(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−、または−S(O)−である;
は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、非置換であり得るか、あるいは別個に、1個またはそれ以上の置換基で置換されており、該置換基は、同一または異なり得、別個に、ハロゲン、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、−N(R、−CN、(C〜C)アルコキシ、および−OHからなる群から選択される;
は、H、−OH、ハロゲン、−N(R、−CF、アルコキシ、アルキル、(C〜C)ハロアルキル、(C〜C)シクロアルキルまたは−CH−(C〜C)シクロアルキルである;
およびRは、同一または異なり、別個に、Hまたは(C〜C)アルキルである;
は、Hまたは(C〜C)アルキルである;
は、H、(C〜C)アルキル、(C〜C)シクロアルキル、またはハロアルキルである;そして
Xは、別個に、H、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、(C〜C)シクロアルキル、−OH、アルコキシ、ハロアルコキシおよび−CNからなる群から選択される、
化合物。
【請求項5】
Aが、式A1で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化3】

【請求項6】
Aが、式A2で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化4】

【請求項7】
Aが、式A3で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化5】

【請求項8】
Aが、式A4で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化6】

【請求項9】
Aが、式A5で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化7】

【請求項10】
Bが、式B1で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化8】

ここで、Yは、−(C(R−であり、そしてpは、1〜3の整数である、
化合物。
【請求項11】
p=1である、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
Bが、以下の構造で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化9】

【請求項13】
Bが、次式B5で表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化10】

ここで、Zは、−(C(R)p−であり、s=1であり、そしてpは、1または2である、
化合物。
【請求項14】
Bが、以下の構造で表わされる、請求項13に記載の化合物:
【化11】

【請求項15】
Aが、次式A1〜A5の1つで表わされ:
【化12】

そしてBが、式B1〜B3の1つで表わされる、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
Aが、次式A1〜A5の1つで表わされ:
【化13】

そしてBが、式B4〜B7の1つで表わされる、請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
、LおよびLが、別個に、−S(O)−、−C(O)O−、−OC(O)−または−CH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
、LおよびLが、それぞれ、−S(O)−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項19】
が、フルオロフェニル、ピリジル、トリフルオロメトキシフェニル、およびメトキシフェニルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
が、−CH、−CF、およびシクロプロピルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
次式II〜XIXの1つで表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化14】

【化15】

ここで、Xは、H、F、Cl、Br、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−OH、および−CNからなる群から選択される;
は、2−フルオロフェニル、2−ピリジル、4−メトキシフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニルからなる群から選択される;
は、Hおよびエチルからなる群から選択される;そして
は、メチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項22】
次式の1つで表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化16】

ここで、Xは、H、F、Cl、Br、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−OH、および−CNからなる群から選択される;
は、2−フルオロフェニル、2−ピリジル、4−メトキシフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニルからなる群から選択される;
は、Hおよびエチルからなる群から選択される;そして
は、メチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項23】
次式の1つで表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化17】

【化18】

ここで、Xは、H、F、Cl、Br、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−OH、および−CNからなる群から選択される;
は、2−フルオロフェニル、2−ピリジル、4−メトキシフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニルからなる群から選択される;
は、Hおよびエチルからなる群から選択される;そして
は、メチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項24】
次式の1つで表わされる、請求項1に記載の化合物:
【化19】

ここで、Xは、H、F、Cl、Br、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−OH、および−CNからなる群から選択される;
は、2−フルオロフェニル、2−ピリジル、4−メトキシフェニル、および4−トリフルオロメトキシフェニルからなる群から選択される;
は、Hおよびエチルからなる群から選択される;そして
は、メチル、トリフルオロメチル、およびシクロプロピルからなる群から選択される、
化合物。
【請求項25】
が、Hであり、n=1であり、m=1であり、Lが、−S(O)−であり、そしてL、L、R、R、−A−X、−B−N(R)−およびXが、以下の表で示されたとおりである、請求項1に記載の化合物:
【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【請求項26】
が、Hであり、n=1であり、m=1であり、Lが、−S(O)−であり、そしてL、L、R、R、−A−X、−B−N(R)−およびXが、以下の表で示されたとおりである、請求項1に記載の化合物:
【化26】

【化27】

【請求項27】
以下の構造を有する化合物、あるいはそれらの塩および/または溶媒和物:
【化28】

【請求項28】
以下の構造を有する化合物、あるいはそれらの塩および/または溶媒和物:
【化29】

【請求項29】
以下の構造を有する化合物、あるいはそれらの塩および/または溶媒和物:
【化30】

【請求項30】
以下の構造を有する化合物、あるいはそれらの塩および/または溶媒和物:
【化31】

【請求項31】
以下の構造を有する化合物、あるいはそれらの立体異性体、塩および/または溶媒和物:
【化32】

【請求項32】
請求項1に記載の1種またはそれ以上の化合物と、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体とを含有する、医薬組成物。
【請求項33】
請求項32に記載の医薬組成物を調製する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:式Iの1種またはそれ以上の化合物と、1種またはそれ以上の薬学的に受容可能な担体とを混合する工程。
【請求項34】
患者におけるカンナビノイドCBレセプターを調節する方法であって、少なくとも1種のCBレセプターを有する患者に、請求項1に記載の1種またはそれ以上の化合物のCBレセプター調節量を投与する工程を包含する、方法。
【請求項35】
癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患を治療する方法であって、該方法は、以下の工程を包含する:このような治療を必要とする患者に、請求項1に記載の1種またはそれ以上の化合物を投与する工程。
【請求項36】
式Iの前記化合物の量が、治療有効量である、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患が、皮膚T細胞リンパ腫、関節リウマチ、全身性紅斑性狼瘡、多発性硬化症、緑内障、糖尿病、敗血症、ショック、サルコイドーシス、特発性肺線維症、気管支肺異形成症、網膜症、強皮症、骨粗鬆症、腎虚血、心筋梗塞、脳卒中、脳虚血、腎炎、肝炎、糸球体腎炎、特発性線維化肺胞炎、乾癬、移植片拒絶、アトピー性皮膚炎、血管炎、アレルギー、季節性アレルギー性鼻炎、クローン病、炎症性腸疾患、可逆性気道閉塞、成人呼吸促迫症候群、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および気管支炎からなる群から選択される1種またはそれ以上の疾患である、請求項35に記載の癌、炎症疾患、免疫調節疾患または呼吸器疾患を治療する方法。
【請求項38】
さらに、式Iの化合物と、1種またはそれ以上の第二薬剤とを同時投与または混ぜ合わせる工程を包含し、該第二薬剤が、互いに同一または異なり得、別個に、DMARDS、NSAIDS、COX−2阻害剤、COX−1阻害剤、免疫抑制薬、BRMs、IL−1アンタゴニスト、抗−CD40分子、抗−CD28分子、抗−接着分子、および他の抗炎症薬からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第二薬剤が、1種またはそれ以上のDMARDSを含み、該DMARDSが、別個に、メトトレキセート、アザチオプリン、レフルノミド、ペニシリナミン、金塩、ミコフェノール酸モフェチルおよびシクロホスファミドからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第二薬剤が、1種またはそれ以上のNSAIDSを含み、該NSAIDSが、別個に、ピロキシカム、ナプロキセン、インドメタシンおよびイブプロフェンからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第二薬剤が、ピロキシカムを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記第二薬剤が、1種またはそれ以上のCOX−2阻害剤を含み、該COX−2阻害剤が、別個に、レフェコキシブおよびセレコキシブから選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記第二薬剤が、免疫抑制薬を含み、該免疫抑制薬が、ステロイド、シクロスポリン、タクロリムスおよびラパマイシンからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記第二薬剤が、1種またはそれ以上のBRMsを含み、該BRMsが、別個に、エタネルセプト、インフリキシマブ、IL−1アンタゴニスト、抗−CD40、抗−CD28、IL−10および抗−接着分子からなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
前記第二薬剤が、1種またはそれ以上の他の抗炎症薬を含み、該他の抗炎症薬が、p38キナーゼ阻害剤、PDE4阻害剤、TACE阻害剤、ケモカイン受容体アンタゴニストおよびサリドマイドからなる群から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
前記投与が、経口または皮下である、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
精製した形態の請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2008−503585(P2008−503585A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−518192(P2007−518192)
【出願日】平成17年6月21日(2005.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/021870
【国際公開番号】WO2006/002133
【国際公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】